JPWO2014125551A1 - 車両用ブレーキ装置 - Google Patents

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Abstract

無効踏込み領域を有する車両用ブレーキ装置において、ペダル反力発生用の弾性体を設けてもインプットロッドの軸直方向への変位をより許容可能にする。車両用ブレーキ装置は、運転者のブレーキペダル操作に無効踏込み領域を有する。上記ブレーキペダル(8a)の踏込み操作位置が少なくとも上記無効踏込み領域の場合に、ブレーキペダルの踏込み操作に連動して進退するインプットロッド(35)をブレーキペダル戻り方向に付勢するペダル付勢部を備える。ペダル付勢部は弾性体(82)を備え、その弾性体(82)は、一端部を上記インプットロッド(35)に他端部を車体側部材(31)に取り付けられ、インプットロッド(35)にブレーキペダル戻り方向のばね力を付与する。

Description

本発明は、運転者のブレーキペダル操作に無効踏込み領域を有する車両用ブレーキ装置に関する。
従来の車両用ブレーキ装置としては、例えば特許文献1に記載の装置がある。この車両用ブレーキ装置では、ブレーキブースタから延びるインプットロッドの外周且つ同軸にスリーブが配置されて、上記インプットロッドは、上記スリーブを介してブレーキペダルの踏込み操作に伴う踏力を入力する構造となっている。また、上記スリーブと上記ブレーキブースタの固定部分との間には、コイルスプリングが配置されており、そのスプリングは、上記固定部分に対し上記スリーブをブレーキペダル側に付勢する。
そして上記車両用ブレーキ装置では、上記スプリングの作用によって、ブレーキペダルの踏込み量が所定以上のペダル踏込み量となるまでは、上記ブレーキペダルの踏込み操作に伴う上記スリーブの進退が、上記インプットロッドに、さらにはブレーキブースタに伝達されない機構となっている。またこのとき、上記スプリングの圧縮変形によって所定のペダル反力が発生する。
特開平7−17371号公報
上記スプリングは、スリーブ前方において上記インプットロッドの外周を覆うように配置された状態で、インプットロッドと同軸に配置されている。このため上記スプリングが上記インプットロッドの軸直方向への変位量を規制し、その分、インプットロッドに連結するブレーキペダルの変位が阻害される。
本発明は、上記のような点に鑑みてなされたもので、無効踏込み領域を有する車両用ブレーキ装置において、ペダル反力発生用の弾性体を設けてもインプットロッドの軸直方向への変位をより許容可能にすることを目的とする。
上記課題を解決するために、本発明の一態様の車両用ブレーキ装置は、運転者のブレーキペダル操作に無効踏込み領域を有する。上記ブレーキペダルの踏込み操作位置が少なくとも上記無効踏込み領域の場合に、ブレーキペダルの踏込み操作に連動して進退するインプットロッドをブレーキペダル戻り方向に付勢するペダル付勢部を備える。ペダル付勢部は弾性体を備え、その弾性体は、一端部を上記インプットロッドに他端部を車体側部材に取り付けられ、インプットロッドにブレーキペダル戻り方向のばね力を付与する。
上記車両用ブレーキ装置によれば、弾性体のばね力によって、上記ブレーキペダルの踏込み操作位置が少なくとも上記無効踏込み領域の場合であっても、ブレーキペダルにペダル反力を発生可能となる。このとき、上記弾性体は、インプットロッドに対して外周且つ同軸に配置する必要がないことから、ペダル反力発生用の弾性体を設けても、その分、インプットロッドの軸直方向への変位をより許容可能となる。
本発明に基づく実施形態に係るハイブリッド車の駆動系構成を説明する図である。 本発明に基づく実施形態に係る液圧ブレーキ装置の基本構成を説明する図である。 マスターシリンダ及び無効踏込み機構の例に例を説明する図である。 本発明に基づく実施形態に係るペダル後退抑止機構を説明する分解斜視図である。 本発明に基づく実施形態に係るペダル後退抑止機構の側面断面図である。 本発明に基づく実施形態に係る通常時及び衝突時の回動途中の要部を示す側面断面図で、(a)は通常時の図、(b)は衝突時の図である。 ピボットブラケットの回動後を示す側面断面図である。 本発明に基づく実施形態に係る切欠き部に対する弾性体の取り付けを説明するための取り付け前の図である。 本発明に基づく実施形態に係るペダル後退抑止機構の作動時の状態を示す模式的側面図である。 弾性体の一端部をペダルアームに取り付けた場合の不具合を説明する図である。
次に、本発明の実施形態について図面を参照して説明する。
(構成)
本発明に基づく車両用ブレーキ装置を、回生協調ブレーキ制御装置を装備したハイブリッド車に適用する場合を例に挙げて説明する。
まず、ハイブリッド車の駆動系構成を説明する。
図1は、本実施形態の回生協調ブレーキ制御装置を適用するハイブリッド車の駆動系を示す全体システム図である。
このハイブリッド車の駆動系は、図1に示すように、エンジンEと、第1モータジェネレータMG1(発電機)と、第2モータジェネレータMG2と、出力スプロケットOS、動力分割機構TMと、を有する。
上記エンジンEは、ガソリンエンジンやディーゼルエンジンであり、後述するエンジンコントローラ41からの制御指令に基づいて、スロットルバブルのバブル開度等を制御する。
上記第1モータジェネレータMG1と第2モータジェネレータMG2は、ロータに永久磁石を埋設し、ステータにステータコイルを巻き付けた同期型モータジェネレータである。その第1モータジェネレータMG1と第2モータジェネレータMG2を、後述するモータコントローラ42からの制御指令に基づいて、パワーコントロールユニット43により作り出した三相交流を印加することにより、それぞれ独立に制御する。
上記両モータジェネレータMG1,MG2は、バッテリ44からの電力の供給を受けて回転駆動する電動機として動作することもできる(以下、この動作状態を「力行」と呼ぶ。)。また、上記両モータジェネレータMG1,MG2は、ロータが外力により回転している場合には、ステータコイルの両端に起電力を生じさせる発電機として機能してバッテリ44を充電することもできる(以下、この動作状態を回生と呼ぶ。)。
上記動力分割機構TMは、サンギヤSと、ピニオンPと、リングギヤRと、ピニオンキャリアPCと、を有する単純遊星歯車により構成される。
その単純遊星歯車の3つの回転要素(サンギヤS、リングギヤR、ピニオンキャリアPC)に対する入出力部材の連結関係について説明する。上記サンギヤSには、第1モータジェネレータMG1を連結する。上記リングギヤRには、第2モータジェネレータMG2と出力スプロケットOSとを連結する。上記ピニオンキャリアPCには、エンジンダンパEDを介してエンジンEを連結する。なお、上記出力スプロケットOSは、チェーンベルトCBや図外のディファレンシャルやドライブシャフトを介して左右前輪に連結する。
次に、ハイブリッド車の制御系を説明する。
本実施形態におけるハイブリッド車の制御系は、図1に示すように、エンジンコントローラ41と、モータコントローラ42と、パワーコントロールユニット43と、バッテリ44(二次電池)と、ブレーキコントローラ45と、統合コントローラ46と、を有して構成される。
統合コントローラ46は、アクセル開度センサ47と、車速センサ48と、エンジン回転数センサ49と、第1モータジェネレータ回転数センサ50と、第2モータジェネレータ回転数センサ51と、から入力情報を入力する。
上記統合コントローラ46は、車両全体の消費エネルギーを管理し、最高効率で車両を走らせるための機能を担うものである。すなわち、統合コントローラ46は、加速走行時等において、エンジンコントローラ41への制御指令によりエンジン動作点制御を行う。また、統合コントローラ46は、停止時や走行時や制動時等において、モータコントローラ42への制御指令によりモータジェネレータ動作点制御を行う。この統合コントローラ46には、各センサ47,48,49,50,51からのアクセル開度APと車速VSPとエンジン回転数Neと第1モータジェネレータ回転数N1と第2モータジェネレータ回転数N2とを入力する。そして、これらの入力情報に基づいて、所定の演算処理を実行し、その処理結果による制御指令をエンジンコントローラ41とモータコントローラ42へ出力する。なお、統合コントローラ46とエンジンコントローラ41、統合コントローラ46とモータコントローラ42、統合コントローラ46とブレーキコントローラ45などは、情報交換のためにそれぞれ双方向通信線64,65,66により接続する。
上記エンジンコントローラ41は、統合コントローラ46からの目標エンジントルク指令等に応じ、エンジン動作点(Ne,Te)を制御する指令を、例えば、図外のスロットルバルブアクチュエータへ出力する。ここで、統合コントローラ46は、アクセル開度センサ47からのアクセル開度APとエンジン回転数センサ49からのエンジン回転数Neに基づき目標エンジントルク指令等を演算する。
上記モータコントローラ42は、統合コントローラ46からの目標モータジェネレータトルク指令等に応じ、第1モータジェネレータMG1のモータ動作点(N1,T1)を制御する指令を演算する。また独立して、上記目標モータジェネレータトルク指令等に応じ、第2モータジェネレータMG2のモータ動作点(N2,T2)を制御する指令を演算する。そして、これら演算した指令をパワーコントロールユニット43へ出力する。なお、モータコントローラ42は、バッテリ44の充電状態をあらわすバッテリSOCの情報を用いる。また、統合コントローラ46は、レゾルバによる両モータジェネレータ回転数センサ50,11からのモータジェネレータ回転数N1,N2に基づき、上記目標モータジェネレータトルク指令等を求める。
上記パワーコントロールユニット43は、不図示のジョイントボックスと昇圧コンバータと駆動モータ用インバータと発電ジェネレータ用インバータとを有する。そして、パワーコントロールユニット43は、より少ない電流で両モータジェネレータMG1,MG2への電力供給が可能な電源系高電圧システムを構成する。上記第2モータジェネレータMG2のステータコイルには、駆動モータ用インバータを接続する。上記第1モータジェネレータMG1のステータコイルには、発電ジェネレータ用インバータを接続する。また、上記ジョイントボックスには、力行時に放電し回生時に充電するバッテリ44を接続する。
また、パワーコントロールユニット43は、実効回生トルクT(t)を求め、その実効回生トルクT(t)を、ブレーキコントローラ45に出力する。
上記ブレーキコントローラ45には、前左車輪速センサ52と、前右車輪速センサ53と、後左車輪速センサ54と、後右車輪速センサ55と、マスターシリンダ圧センサ57と、ブレーキストロークセンサ58と、から入力情報を入力する。そして、この上記ブレーキコントローラ45は、エンジンブレーキやブレーキペダル8aの操作による制動時、統合コントローラ46への制御指令とブレーキ液圧ユニット76への制御指令を出すことで回生ブレーキ協調制御を行う。
(ブレーキ装置)
次に、本実施形態の車両用ブレーキ装置を適用する制動系の液圧ブレーキ装置の基本構成について、図2を参照して説明する。
図2中、符号8aは、運転者が要求する制動トルクを指示するために操作されるブレーキペダルである。そのブレーキペダル8aは、ペダルアーム8の下部に設けられている。ペダルアーム8は、略上下方向に延在する。そのペダルアーム8の上端部7は、車体側部材31に対して回動可能な状態で支持されている。そのペダルアーム8の上下方向中途位置にインプットロッド35の後端部が連結している。これによってブレーキペダル8aは、インプットロッド35を介して倍力装置70に連結し、倍力装置70は、プッシュロッド71を介してマスターシリンダ74に連結している。これにより、ブレーキペダル踏込みによる踏力は、インプットロッド35を介して倍力装置70に入力される。そして、倍力装置70は、ブレーキペダル8aの踏込み量に応じたペダル踏力を倍力し、上記プッシュロッド71を介して、マスターシリンダ74内のピストン74b、74cを進退させる。符号75は制御液体用のリザーバタンクである。
マスターシリンダ74は、油圧回路76を構成する管路を通じて各車輪のホイールシリンダ60〜63に接続する。その管路の上流側に、流体圧制御用比例型電磁バブル77が介挿する。図2は、流体圧制御用比例型電磁バブル77が非通電時の状態を示し、マスターシリンダ74の流体がそのままホイールシリンダ60〜63に供給される状態を図示している。この流体圧制御用比例型電磁バブル77は、ブレーキコントローラ45からの制御電流によってマスターシリンダ74からホイールシリンダ60〜63への供給する流体(流体圧)を調整する。また、上記管路には、制動制御用ポンプ78を備える、その制動制御用ポンプ78は、吸入口をマスターシリンダ74に接続すると共に、吐出口をホイールシリンダ60〜63に連通している。この制動制御用ポンプ78は、ブレーキコントローラ45からの制御指令に基づいて、ホイールシリンダ60〜63のシリンダ圧を増圧する。
なお、マスターシリンダ74に接続する管路Lf、Lrに対して、ABS制御その他の制御のための増圧用の流体圧制御用比例型電磁バルブ(以下、増圧用電磁バルブと呼ぶ)や、減圧用の流体圧制御用比例型電磁バルブ(以下、減圧用電磁バルブと呼ぶ)を設けて、各ホイールシリンダ60〜63の制動流体圧を個別に制御可能としても良い。また、マスターシリンダ圧センサ57が、マスターシリンダ74の出力圧を検出し、その検出信号をブレーキコントローラ45に供給する。また、各ホイールシリンダ60〜63の制動流体圧を圧力センサ80で検出し、その検出信号もブレーキコントローラ45に供給する。
本実施形態の車両用ブレーキ装置は、更に、無効踏込み機構100Aと、ペダル後退抑止機構100Bと、ペダル付勢部100Cとを備える。
無効踏込み機構100Aは、ブレーキペダル8aの踏込み操作位置が予め設定した無効踏込み領域の場合に、マスターシリンダ74の少なくとも一つの液圧室74dをリザーバタンク75に連通した状態とする。無効踏込み機構100Aは、上記無効踏込み領域では、マスターシリンダ74による基礎液圧の発生を抑制する機構である。本実施形態の無効踏込み機構100Aでは、ブレーキペダルの踏込み量が、ペダル踏込み開始位置から予め設定した初期踏込み量までの間を無効踏込み領域とし、この無効踏込み領域では、上記マスターシリンダ74による基礎液圧の発生を抑制させる。
すなわち、無効踏込み機構100Aは、上記無効踏込み領域でのブレーキペダル8aの操作に対するインプットロッド35若しくはプッシュロッド71のストロークを無効として、マスターシリンダ74内で基礎液圧が発生しないようにする機構である。この無効踏込み機構100Aは、倍力装置70の内部に設定するもの、前述の先行文献のようにブレーキペダル8aと倍力装置70のインプットロッド35との間に設定するもの、マスターシリンダ74内部に設定するもの等の構成が考えられる。倍力装置70の内部に設定する場合の無効踏込み機構100Aは、例えば無効踏込み領域でのブレーキペダル8aの操作に応じたインプットロッド35のストロークに対する、プッシュロッド71のストロークを抑制する機構からなる。
上記無効踏込み機構100Aをマスターシリンダ74内に設ける場合の例を、図3を参照して説明する。
ここで、本実施形態のマスターシリンダ74は、図3に示すように、タンデム式のマスターシリンダ74であり、有底筒状に形成されたハウジング74aを備える。そのハウジング74a内に、液密かつ摺動可能に並べて第1および第2ピストン74b,74cが収納されている。その第1ピストン74bと第2ピストン74cとの間に形成される第1液圧室74d内に、第1スプリング74eが配設される。第2ピストン74cとハウジング74aの閉塞端との間に形成される第2液圧室74f内に、第2スプリング74gが配設されている。これにより、第2ピストン74cは第2スプリング74gによって開口端側(第1ピストン74b側)に付勢され、第1ピストン74bは第1スプリング74eによって開口端側に付勢される。この結果、第1ピストン74bの一端(開口端側端)が、倍力装置70から延びるプッシュロッド71の先端に押圧された状態で当接する。
マスターシリンダ74のハウジング74aは、第1液圧室74dとリザーバタンク75とを連通するための第1ポート74hと、第2液圧室74fとリザーバタンク75とを連通するための第2ポート74iとが設けられている。
第1ポート74hは、ブレーキペダル8aから運転者の足が離れている状態すなわちブレーキペダル8aが踏み込まれていない状態である第1位置(戻り位置:図3の図示状態)に位置する第1ピストン74bの同ポート74hを閉塞する閉塞端から、第1ピストン74bの増圧方向(閉塞端側の方向:図3において左方向)に無効ストローク距離sだけ離れた第2位置に配設されている。第2ポート74iは、第1ピストン74bと同様に第1位置(戻り位置:図3の図示状態)にある第2ピストン74cの第2ポート74iを閉塞する閉塞端が第2ポート74iの開口端に一致する位置(すなわち第2ピストン74cの閉塞端が第2ポート74iの開口を塞ぎ始める直前位置)に配設されている。
なお、第1ピストン74bが初期値から無効ストローク距離sだけストロークすると、基礎液圧制動力の発生制限が解除(無効踏込み機構の解除)されて、基礎液圧制動力がブレーキ操作状態に対応した昇圧を開始するブレーキ操作状態となる。以上の無効ストローク距離sを構成するための機構が無効踏込み機構100Aとなる。無効ストローク距離sは、ブレーキ操作状態が所定状態であるときに回生ブレーキが最大回生制動力を発生するように設定されることが望ましい。これにより、ブレーキ操作状態が所定状態となった場合に、マスターシリンダ74は基礎液圧制動力の発生の制限を解除するとともに回生ブレーキは最大回生制動力を発生する。
さらに、マスターシリンダ74のハウジング74aは、第1液圧室74dと後輪系統を構成する油経路Lrとを連通するための第3ポート74jと、第2液圧室74fと前輪系統を構成する油経路Lfとを連通するための第4ポート74kとが設けられている。
次に、ペダル後退抑止機構100Bについて説明する。
ペダル後退抑止機構100Bは、車両の前方衝突時におけるブレーキペダル8aの後退(運転席側への移動)を抑止する機構である。本実施形態では、特開2000−280836号に記載のペダル後退抑止機構100Bを適用した場合の例で説明する。
すなわち、ペダル後退抑止機構100Bは、ブレーキペダル8aを車体側部材31に回動可能に支持する回動支持部に設けられていて、設定以上の車両前後方向の衝撃が入力されると、上記回動支持部が車両前後方向後方に変位することで、ブレーキペダル8aの後退を抑える。
そのペダル後退抑止機構100Bの例について、図4〜図7を参照して説明する。
ペダルブラケット2が、車両前後方向前方に設けたフランジ部2Cでダッシュパネルのダッシュロアパネル30に図外のボルト・ナットにより締結固定する。このペダルブラケット2は、断面略コ字状の部材であって、離間して配置される一対の側壁部2A,2Aと、これらをその上方で連結する上壁部2Bとからなる。
また略コ字状のピボットブラケット3が、ペダルブラケット2に設けたシャフト4に対しカラー5を介して回転可能に軸支されている。そのピボットブラケット3には、前記シャフト4よりも車両前後方向前方に、そのピボットブラケット3の対向する側板部3A,3Aに跨るようにペダルシャフト6が設けられている。そのペダルシャフト6に、ペダルアーム8が同じくカラー7を介して回動自在に軸支されている。
前記ダッシュロアパネル30の上端に接合されて車両前後方向後方へ延びるダッシュアッパパネル等の車体側部材31の下面部に、スライドプレート9が固定されている。スライドプレート9は、前記ペダルブラケット2の上壁部2Bの上面部に重合して固定された略平板状の部材である。本実施形態では、スライドプレート9は、その上壁9Aの両側部にペダルブラケット2の上壁部2Bを覆う下向きのフランジ9Bを有する皿形状に形成してある。
そのスライドプレート9の取り付けは、具体的には次の通りである。すなわち、前記ペダルブラケット2の上壁部2B及びスライドプレート9の上壁9Aにボルト挿通孔10,11が各々設けられている。そして、そのスライドプレート9は、その後端部で、ダッシュアッパパネル等の車体側部材31の下面に接合配置された車体側ブラケット32の下面に対し前記各ボルト挿通孔10,11に車両下方から挿通したボルト12と、前記スライドプレート9の下面側、つまりペダルブラケット2の上壁部2Bの内側下面に設けた固定プレート13とナット14とで前記ペダルブラケット2の上壁部2Bと共に締結固定してある。
また、この実施形態にあっては、前記上壁部2Bのボルト挿通孔10を車両前後方向前方が開放した長孔状に形成する。これによって、ペダルブラケット2に対してスライドプレート9を車両前後方向に相対移動可能に構成される。そして、前記ペダルブラケット2に予め設定した設定荷重を越える後退方向の入力が作用すると、前記ペダルブラケット2とスライドプレート9との車両前後方向の相対移動を許容し、ペダルブラケット2の上壁部2Bとスライドプレート9の上壁9Aとの摺動抵抗により衝撃を吸収する衝突吸収手段を構成する。
また、前記ペダルブラケット2の上壁部2Bの両側縁部には開口部15を設けると共に、前記スライドプレート9の上壁9A前端部の両側部に孔部(開口部)16が設けられている。その開口部15及びその孔部16に、ピボットブラケット3の側板部3Aの前端部に上方に突設して設けた突出部17が挿通されている。そして、その孔部16の前縁部18に、その突出部17の前端部に設けた切欠部19を係合させてある。
従って、非衝突時である通常時にあっては、前述のように前記スライドプレート9の前端部の孔部16における前縁部18と、ピボットブラケット3の前端部の切欠部19とが係合している。これにより、前記ピボットブラケット3の下方への回動を規制し、ペダルアーム8の踏込み位置を所定位置に規制する。この結果、ペダルシャフト6を支点としてペダルアーム8を回動して、そのペダルアーム8に連結したインプットロッド35を介して、倍力装置70による通常のマスターバック作動を行わせることができる。
そして、車両の前面衝突時にあっては、前記長孔に形成したボルト挿通孔10の長さ範囲でペダルブラケット2がスライドプレート9に対して車両前後方向後方に相対的に移動する。この相対移動により、ピボットブラケット3の突出部17とスライドプレート9との係合が外れて、ピボットブラケット3の回動を許容し、突出部17がスライドプレート9の孔部16の後縁23で前方に押される。これにより、前記シャフト4を支点としてそのピボットブラケット3を後下方に回動させ、これによりシャフト4の後退移動に伴いペダルシャフト6が図7に示すように斜め後ろ下方に移動する。結果、ペダルアーム8はインプットロッド35との連結点を中心に図7の時計回り方向に回動し、ペダルアーム8の踏込み位置を車両前後方向前方側へ引き寄せる。
すなわち、ペダルアーム8のペダルシャフト6が車両前後方向後方へ移動することになるため、その分ペダルアーム8の踏込み位置が前方に移動することになるわけである。
また本実施形態では、前述の突出部17は、ピボットブラケット3の回動時に前記車体側部材31に設けた車体側ブラケット32と当接して、前記ピボットブラケット3の下後方への回動を促進する回動補助押圧部20を兼ねている。
この回動補助押圧部20は、後方に位置する車体側ブラケット32へ向けて後端部21が後方に突出して形成される。この回動補助押圧部20は、図6(a)に示すように、後端部21と前記車体側ブラケット32との間(L1)を、前記ピボットブラケット3とスライドプレート9との係合部の噛み合い代(L)よりも若干大きめに設定してある。
また、回動補助押圧部20の後縁部22を、図6(b)に示すように湾曲形状に形成してある。この湾曲形状は、スライドプレート9がペダルブラケット2に対して相対的に前方に移動して前記孔部16の後縁23と当接した際、その後縁部22にスライドプレート9から入力する分力fが略下方向に作用するような湾曲形状に形成してある。もちろん、開口部15及び孔部16と回動補助押圧部20の後縁部22との間(L2)も、前記ピボットブラケット3とスライドプレート9との係合部の噛み合い代(L)よりも若干大きめに設定して、確実に係合部の噛み合いが解除された後に孔部16の後縁23が当接するようになっている。
さらに、規制部24を設けてある。規制部24は、スライドプレート9には、前記ピボットブラケット3の回動時にペダルアーム8と周辺部品33との干渉により回動方向と逆方向の力を受けた際、前記回動補助押圧部20と当接してその逆方向への回動を規制する。この規制部24は、スライドプレート9の孔部16の後方に設定され、ペダルブラケット2に所定荷重を越える後退方向の入力が作用した際のスライドプレート9の相対移動によりペダルブラケット2の開口部15を閉塞する開口隠蔽部25(具体的にはスライドプレート9の上壁9Aの一部)で構成してある。特にこの実施形態では、前述の長孔状に形成したボルト挿通孔10を、スライドプレート9の前記開口隠蔽部25がペダルブラケット2の前記開口部15を塞ぐまで、スライドプレート9が相対移動可能な長さに形成してある。
以上の実施形態の構造によれば、通常の状態ではスライドプレート9によって、ピボットブラケット3の回動を規制してあるため、ペダルシャフト6を支点としてペダルアーム8を回動して、そのペダルアーム8に連結したインプットロッド35を介して、倍力装置70による通常のマスターバック作動を行わせることができる。
一方、車両が前面衝突すると、ボルト挿通孔10の長さ範囲でスライドプレート9とペダルブラケット2とが車両前後方向に相対移動する。これにより、前記ピボットブラケット3とスライドプレート9との係合が外れ、そのピボットブラケット3の回動を許容して、前記シャフト4を支点としてそのピボットブラケット3を下後方へ回動させ、ペダルアーム8の踏込み位置を車両前後方向前方側へ引き寄せるようにしてある。このため、倍力装置70が後退移動、もしくはダッシュロアパネル40が車室側へ変形して倍力装置70から延びるインプットロッド35が後退移動しても、ペダルアーム8の踏込み位置が後方にずれて違和感を生じるのを回避することができる。
さらに、回動補助押圧部20を、ピボットブラケット3の上部に車両上方に向けて突設してある。回動補助押圧部20は、ピボットブラケット3の回動時に前記車体側部材31としての車体側ブラケット32と当接して、そのピボットブラケット3の下後方への回動を促進する。このため、ピボットブラケット3を強制的に下後方に向けて回動させることができる。
また、前記回動補助押圧部20を、前記ピボットブラケット3とスライドプレート9との係合部よりも車両前後方向後方に設定し、かつ、その後方に位置する車体側ブラケット32へ向けて突出して設ける。また、その回動補助押圧部20の後端部21と前記車体側ブラケット32との間を、前記係合部の噛み合い代よりも若干大きめに設定してある。このため、車両の前面衝突時に、スライドプレート9とピボットブラケット3の係合が解除されると、すぐに回動補助押圧部20が、その後方に位置する車体側ブラケット32に当接するので、速やかにピボットブラケット3を下後方に向けて回動させることができる。
しかも、回動補助押圧部20の後縁部22を、スライドプレート9がペダルブラケット2に対して相対的に前方に移動して孔部16の後縁23と当接した際、その後縁部22にスライドプレート9から入力する分力fが略下方向に作用するような湾曲形状に形成してある、このため、より確実にピボットブラケット3を下後方に向けて、回動させることができる。
また、前記ピボットブラケット3の回動時にペダルアーム8と周辺部品33との干渉によりそのピボットブラケット3が回動方向と逆方向の力を受けた際、前記回動補助押圧部20と当接してその逆方向への回動を規制する規制部24を前記スライドプレート9に設けてある。このため、車両の衝突時にペダルアーム8が周辺部品と干渉することによって、万が一、ピボットブラケット3に元の位置に戻すような逆方向への回動力が発生することがあっても、その規制部24によって、ピボットブラケット3の逆方向への回動を抑えることができる。
なお、上記説明では、ペダルブラケット2をダッシュアッパパネルの下面部に設けた車体側ブラケット32に固定するようにした例を示した。これに限らず、ダッシュロアパネル30の上後方に位置する、例えば車幅方向に延在するステアリングメンバなどの車体側部材に固定するようにしても良い。
次に、ペダル付勢部100Cの構成について説明する。
ペダル付勢部100Cは、ブレーキペダル8aの踏込み操作位置が少なくとも上記無効踏込み領域の場合に、上記インプットロッド35をブレーキペダル8a戻り方向に付勢する機構を構成する。ペダル付勢部100Cは、図2に示すように、一端部を上記インプットロッド35に取り付け且つ他端部を車体側部材31に取り付けて、ブレーキペダル8a戻り方向のばね力を上記インプットロッド35に付与する弾性体82を備える。本実施形態では、上記弾性体82の上記一端部側よりも他端部側がブレーキペダル8a戻り方向に位置する。
上記インプットロッド35には、図8に示すように、当該インプットロッド35から外径方向に張り出す張出部81が形成されている。図8に示す本実施形態の張出部81は、インプットロッド35から上方に立ち上がるように形成した場合の例であるが、張出部81の張り出す方向は下方や側方などでも良い。その張出部81には、第1ばね掛止部が形成されている。本実施形態の第1ばね掛止部は、車両前後方向前方に開放された切欠き部81aから形成する。上記実施形態の切欠き部81aは、車両前後方向後方(座席方向)に向かうにつれて上下幅が狭くなる楔状に形成されている。なお、切欠き部81aの先端部は鋭利であっても、丸みを帯びていてもよい。
また上記張出部81よりも車両前後方向後方に位置する車体側部材31に対して、第2ばね掛止部が形成されている。本実施形態の第2ばね掛止部は、上記車体側部材31に開口した開口部から形成されている。
上記弾性体82は、コイルばね82aを本体とし、その長手方向両端部にそれぞれ取り付け部としてのフック部82b、82cが形成されている。そして、一方のフック部82bを上記第1ばね掛止部である切欠き部81aに引っ掛けると共に、他方のフック部82cを第2ばね掛止部に引っ掛ける。
なお、上記コイルばね82aの軸は、インプットロッド35と平行若しくは略平行となるように設定しておく。
(動作その他)
運転者がブレーキペダル8aを踏み込むと、その踏込み量に連動してインプットロッド35がマスターシリンダ74側にストロークし、それに応じてプッシュロッド71もマスターシリンダ74内に向けてストロークする。このとき、ブレーキペダル8aの踏込み操作位置が無効踏込み領域の場合には、マスターシリンダ74の液圧室の少なくとも一つがリザーバタンク75に連通してマスターシリンダ74は基礎液圧を発生しない状態となっている。
ここで、ブレーキペダル8a操作時の踏力は、ペダル装置や倍力装置70のもつ反力と、マスターシリンダ74内に発生する液圧反力とによって形成され、この踏力とストロークのバランスがコントロール性を向上させるのには重要である。しかし、上記のように無効踏込み領域を付加した場合、その無効踏込み領域においてはマスターシリンダ74の内圧がゼロないしは低下するためペダル踏力が減少してしまい、コントロール性が悪くなってしまう。
これに対し、上記ペダル付勢部100Cを設けることで、上記無効踏込み領域であっても、ペダル付勢部100Cがインプットロッド35のストローク量に応じて発生する弾性体82のばね力分が、ブレーキペダル8a操作時の踏力として付加される。この結果、ブレーキペダル8aのコントロール性の悪化が抑制される。
ここで、通常のブレーキシステムにおいてはブレーキペダル8a操作に応じてマスターシリンダ74内の液圧を制御することで必要な減速度を得ているが、本実施形態では、回生協調ブレーキシステムを実現するためには回生トルク量に応じて液圧を自動制御する必要があるため、ペダル操作に対してマスターシリンダ74内の液圧が発生しないある一定の上記無効踏込み領域を付加し、その無効踏込み領域においては回生トルクと液圧自動制御装置によって減速度を制御するように構成する。
なお、前述の先行文献1のように、反力用の弾性体を、インプットロッドの外周にそのインプットロッドと同軸になるように、スリーブと倍力装置との間に介挿した場合には、インプットロッドが軸直方向に揺動する際に、上記反力用の弾性体も軸直方向に撓むことでインプットロッドの軸直方向への変位量が規制される。これに対し、本実施形態のペダル付勢部100Cは、インプットロッド35と車体側部材31とを繋ぐように弾性体82を配置することで、インプットロッド35が軸直方向に変位しても当該弾性体82が撓むことが回避される。これによって、本実施形態のペダル付勢部100Cは、先行文献の反力用の弾性体と比較して、インプットロッド35の軸直方向への変位量の規制が緩和する。
また、前述の先行文献1に記載の反力用の弾性体は、インプットロッドの外周全周において、倍力装置とブレーキペダルとの間に配置するためのスペースを確保する必要がある。このため、倍力装置を車両前後方向前方に移動して配置するか、ブレーキペダルを車両前後方向後方に移動して配置する必要がある。このことは、前者はエンジンルームを狭くし、後者は車室を狭くする一因となる。これに対し、本実施形態のペダル付勢部100Cは、インプットロッド35の外周全周において、倍力装置70とブレーキペダル8aとの間に配置する必要がないので、このような不具合を回避することが出来る。
また、本実施形態では、衝突時のペダル後退抑止機構100Bを備える。すなわち、車両が前面衝突すると、スライドプレートとペダルブラケットとが車両前後方向に相対移動することにより、前記ピボットブラケットとスライドプレートとの係合が外れ、そのピボットブラケットの回動を許容して、前記シャフトを支点としてそのピボットブラケットを下後方へ回動させ、ペダルアーム8の踏込み位置を車両前後方向前方側へ引き寄せるようにしてあるから、倍力装置70が後退移動、もしくはダッシュロアパネルが車室側へ変形して倍力装置70から延びるプッシュロッド71が後退移動しても、ペダルアーム8の踏込み位置が後方にずれて違和感を生じるのを回避することができる。さらに、ピボットブラケットの回動時に前記車体側部材またはスライドプレートの少なくとも一方と当接して、そのピボットブラケットの下後方への回動を促進する回動補助押圧部を、ピボットブラケットの上部に車両上方に向けて突設すると共に、その回動補助押圧部が突出する開口部を前記ペダルブラケットの上壁部及びスライドプレートに設けてあるため、ピボットブラケットを強制的に下後方に向けて回動させることができる。
このように、車両が前面衝突するとペダル後退抑止機構100Bが作動して、ブレーキペダル8aの後退を抑止する際に、インプットロッド35も軸直方向に変位する必要がある。しかし、先行文献のような反力用の弾性体を採用した場合には、当該ペダル後退抑止機構100Bの作動を阻害するおそれがある。すなわち、衝突事故時の乗員への影響低減方策として衝突時のブレーキペダル8aの後退量を抑制する機構をもったブレーキ装置をこれと組み合わせる場合には、上記無効踏込み領域でのペダル反力を発生させる弾性体の設置方法によってはペダル後退抑止機構100Bの機能を阻害してしまう懸念がある。具体的には上記先行文献の方法ではブレーキペダル8aを初期位置へ押し戻す方向に働くため、ブレーキペダル8aを後退させる方向に作用してしまい後退量抑制機能が全く作動しないか、作動してもその効果が十分に得られない可能性がある。
これに対し、本実施形態では、弾性体82の取り付け方法を工夫することで、通常作用時にはペダル操作時の付勢手段として機能するが、ペダル後退抑制機構作動時には、図9に示すように、その機能を阻害しないことを可能としている。
またペダル後退抑制機構作動時にインプットロッド35の後端部が揺動すると、弾性体82のフック部82bを第1ばね掛止部を構成する切欠き部81aに引っ掛けてあるだけであるので、当該フック部82bが第1ばね掛止部である切欠き部81aから外れやすくなっている。特に切欠き部81aは、上部及び下部が傾斜した楔状となっているので、インプットロッド35の後端部が上下方向に変位すると、切欠き部81aで形成される切欠きの上部及び下部の一方の傾斜が強くなって、より外れやすくなる。
ここで、弾性体82の一端部を、インプットロッド35に取り付ける代わりにペダルアーム8に取り付けることも想定される(図10参照)。しかし、弾性体82の一端部をペダルアーム8に取り付けた場合には、図10に示すように、ペダル後退抑制機構作動時に、ブレーキペダル8aの前進を促進するモーメントがペダルアーム8に付与されて好ましくない。すなわち図10(a)のように、例えばペダルストロークに対して引っ張り方向に作用するように、ばねをペダルに接続した場合、ペダルの回転、脱落方向の揺動により、ばねが引っ張られてペダルの回転と反対方向に反力を発生してしまう。一方、図10(b)のように、ペダルストロークに対して圧縮方向に作用するように、ばねをペダルに接続した場合、ペダルの回転、脱落方向の揺動により、ばねが圧縮されてペダルの回転と反対方向に反力を発生してしまう。
これに対し、本実施形態では、弾性体82の一端部を、インプットロッド35に取り付けることで、ブレーキペダル8aの前進を促進するモーメントがペダルアーム8に付与されることを抑えることが可能となる。
ここで、本実施形態において、倍力装置70の構造を問わず、無効ストロークを持つことである一定量のペダル操作におけるマスターシリンダ74液圧を発生させない全てのシステムにおいて適用可能である。倍力装置70は、負圧ブースター、油圧ブースター、電動ブースター等の種類は問わない。また、ペダル後退防止機構についてもその構造、仕組みは問わずに適用可能である。
(本実施形態の効果)
(1)車両用ブレーキ装置は、無効踏込み機構100Aと、ペダル後退抑止機構100Bと、上記ブレーキペダル8aの踏込み操作位置が少なくとも上記無効踏込み領域の場合に、上記インプットロッド35をブレーキペダル8a戻り方向に付勢するペダル付勢部100Cとを備える。上記ペダル付勢部100Cは、一端部を上記インプットロッド35に取り付けると共に他端部を車体側部材31に取り付けて、ブレーキペダル8a戻り方向のばね力を上記インプットロッド35に付与する弾性体82を備える。
この構成によれば、弾性体82が発生する反力がペダルに作用することによって、ブレーキペダル8aの踏込み操作位置が上記無効踏込み領域の場合でも、ペダルの揺動が阻害されるのを低減できる。
また弾性体82の一端部を、インプットロッド35に取り付けることで、ペダル後退抑止機構100Bが作動する際に、弾性体82がブレーキペダル8aの後退抑止を規制することを防止出来て、当該ペダル後退抑止機構100Bを効果的に作用させることが可能となる。
ここで、上記弾性体82をペダルアーム8に取り付ける場合には(図10参照)、ペダル後退抑止機構100Bの作動によりブレーキペダル8aが回転する際に、弾性体82がこの回転を規制してしまう不具合が発生するおそれがあるが、本実施形態ではこれを回避可能となる。
(2)上記弾性体82の一端部は、上記インプットロッド35に対し、少なくとも上下方向へ回転変位可能に取付けられている。
これによって、弾性体82のばね力による、インプットロッド35の軸直向の揺動が阻害さる量を低減して、ペダル後退抑止機構100Bの作用時にペダルの揺動が阻害されることを更に低減する。この結果、ペダル後退防止機構を更に効果的に作用させることが可能となる。
(3)上記インプットロッド35に外径方向に張り出す張出部81を設けると共に、その張出部81に切欠き部81aを形成し、その切欠き部81aに対し弾性体82の一端部を引っ掛けておく。
この構成によれば、ペダル後退抑止機構100B作用時に、インプットロッド35が揺動した際に、弾性体82の一端部がインプットロッド35との接続が容易に外れるようになる。弾性体82がインプットロッドから外れることで、追加した弾性体82によるペダル及び可動部位(インプットロッド35)の揺動を規制する反力が全くなくなる。この結果、ペダル後退防止機構がさらに効果的に作用させることが可能となる。
(4)上記切欠き部81aは、車両前後方向後方に向かうにつれて上下幅が小さくなる形状となっている。すなわち楔状となっている。弾性体82で付勢する方向に向けて切欠きが深くなるように形成しておくことが好ましい。
この構成によれば、予め設定した以上にインプットロッド35が揺動した場合に、インプットロッド35に接続していた弾性体82の一端部が、インプットロッド35から容易に外れるようになる。
以上、本願が優先権を主張する、日本国特許出願2013−027300(2013年2月15日出願)の全内容は、参照により本開示の一部をなす。
ここでは、限られた数の実施形態を参照しながら説明したが、権利範囲はそれらに限定されるものではなく、上記の開示に基づく各実施形態の改変は当業者にとって自明なことである。
2 ペダルブラケット
3 ピボットブラケット
6 ペダルシャフト
8 ペダルアーム
8a ブレーキペダル
35 インプットロッド
40 ダッシュロアパネル
70 倍力装置
71 プッシュロッド
74 マスターシリンダ
75 リザーバタンク
81 張出部
81a 切欠き部
82 弾性体
82b フック部
100A 無効踏込み機構
100B ペダル後退抑止機構
100C ペダル付勢部
s 無効ストローク距離(無効踏込み領域相当)

Claims (4)

  1. ブレーキペダルと、上記ブレーキペダルが設けられると共に車体側部材に対し回動可能に支持されるペダルアームと、
    上記ペダルアームに連結し上記ブレーキペダルの踏込み操作に連動して進退するインプットロッドと、
    上記インプットロットの進退が倍力装置を介して伝達されるマスターシリンダと、
    ブレーキペダルの踏込み操作位置が予め設定した無効踏込み領域の場合に、マスターシリンダの少なくとも一つの液圧室をリザーバタンクに連通させた状態とする無効踏込み機構と、
    上記ペダルアームの車体側部材への支持部分に対し設定荷重以上の車両前後方向の衝撃が入力されると、上記ブレーキペダルの車両前後方向後方への移動を抑止するペダル後退抑止機構と、
    上記ブレーキペダルの踏込み操作位置が少なくとも上記無効踏込み領域の場合に、上記インプットロッドをブレーキペダル戻り方向に付勢するペダル付勢部とを備え、
    上記ペダル付勢部は、一端部を上記インプットロッドに取り付けると共に他端部を車体側部材に取り付けて、上記インプットロッドにブレーキペダル戻り方向のばね力を付与する弾性体を備えることを特徴とする車両用ブレーキ装置。
  2. 上記弾性体の一端部は、上記インプットロッドに対し、少なくとも上下方向へ回転変位可能に取付けられていることを特徴とする請求項1に記載した車両用ブレーキ装置。
  3. 上記インプットロッドに外径方向に張り出す張出部を設けると共に、その張出部に切欠き部を形成し、その切欠き部に対し弾性体の一端部を引っ掛けることで、弾性体の一端部を上記インプットロッドに取り付けたことを特徴とする請求項1又は請求項2に記載した車両用ブレーキ装置。
  4. 上記切欠き部の切欠き形状が楔形状であることを特徴とする請求項3に記載した車両用ブレーキ装置。
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