JP2015030426A - 車両の制動装置 - Google Patents

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卓永 山本
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Abstract

【課題】回生制動に制限が加わっているときに長い下り坂が続いても、摩擦制動力発生手段の温度上昇および磨耗を抑制できる車両の制動装置を提供する。【解決手段】制御ユニット11は、アクセルオフ(AS=0)のときに、回生制動力発生手段(3)を制御して回生制動力FBRによって車速vに応じたアクセルオフ制動力FBAFを発生させるとともに、回生制動力発生手段(3)に発生させる回生制動力FBRに制限が加わった場合(充電率SOC≧所定値)、アクセルオフ制動力FBAFを発生させるべく、電動アクチュエータ(13)を駆動制御して摩擦制動力発生手段(6)に摩擦制動力(FBF)を発生させる。そして、回生制動力FBRに制限が加わった状態で摩擦制動力発生手段(6)の負荷(キャリパ温度TC)が所定値(例えば、300℃)以上である場合、制御ユニット11は所定の低減量をもって摩擦制動力FBFを低減させる。【選択図】図7

Description

本発明は、運転者の操作から独立して摩擦制動力を発生可能な摩擦制動力発生手段と回生制動力を発生可能な回生制動力発生手段とを備えた車両の制動装置に関する。
駆動源であるエンジンの他に走行用の電動機を備えるハイブリッド自動車や駆動源として電動機のみを備える電気自動車では、制動時に電動機を発電機として制御し、電動機が発生する回転抵抗を制動力として用いる回生制動を行うことにより、運動エネルギを電気エネルギに変換してバッテリに回収している。これらのハイブリッド自動車や電気自動車においては、走行中に運転者がアクセルをオフにしたときに、駆動源としてエンジンのみを搭載した従来のエンジン自動車が発生するエンジンブレーキ相当の回生制動力を発生させることで、運転フィーリングの向上を図るとともに、エネルギ回収の効率化を図ってバッテリの充電容量を補うようにしている。
ところが、バッテリが満充電や満充電に近い状態にあるときには、回生制動に伴うエネルギをバッテリに回収することは困難であり、回生制動力を発生させることができない。しかもバッテリの過充電はバッテリの劣化を招く原因ともなる。そのため、バッテリが満充電状態のときには、運転者がアクセルをオフにしてもエンジンブレーキ相当の回生制動力が発生しなくなり、運転者に不安感や違和感を生じさせる。
これを防止するために、電動機に回生制動力を発生させて車両に制動力を加える電気的制動手段と、油圧ブレーキに代表される、機械的な制動力すなわち摩擦制動力を車両に作用させる機械的制動手段とを備えた電気自動車において、アクセル操作およびブレーキ操作がなされていなく且つバッテリが満充電状態であるときには、車両の走行状態に基づいて算出した減速度に応じた電気的制動手段の作動を禁止するとともに、算出した減速度に応じて機械的制動手段を作動させるようにした発明が提案されている(特許文献1参照)。
特開平10−271605号公報
しかしながら、特許文献1に記載の発明では、バッテリが満充電状態であり、回生制動に制限が加わっているときに長い下り坂が続くと、機械的制動手段すなわち摩擦制動手段の温度が限界値を超えて、減速力が低下するうえ摩擦制動手段の磨耗量が増大する。
本発明は、このような背景に鑑みなされたもので、回生制動に制限が加わっているときに長い下り坂が続いても、摩擦制動力発生手段の温度上昇を抑制し、摩擦制動力発生手段の磨耗を抑制できる車両の制動装置を提供することを目的とする。
このような課題は、本発明の一側面によれば、回生制動力(FBR)を発生させる回生制動力発生手段(3)と、電動アクチュエータ(13、26)によって駆動され、摩擦制動力(FBF)を発生させる摩擦制動力発生手段(6)と、車両走行中にアクセルがオフ(AS=0)にされたときに、前記回生制動力発生手段(3)を制御して前記回生制動力(FBR)によって車速(v)に応じたアクセルオフ制動力(FBAF)を発生させるとともに、前記回生制動力発生手段(3)に発生させる前記回生制動力(FBR)に制限が加わった場合(充電率SOC≧所定値)、前記アクセルオフ制動力(FBAF)を発生させるべく、前記電動アクチュエータ(13、26)を駆動制御して前記摩擦制動力発生手段(6)に前記摩擦制動力(FBF)を発生させる制御ユニット(11)とを備え、前記回生制動力(FBR)に前記制限が加わった状態で前記摩擦制動力発生手段(6)の負荷(キャリパ温度TC)が所定値(例えば、300℃)以上である場合、前記制御ユニット(11)は、所定の低減量をもって前記摩擦制動力(FBF)を低減させることを特徴とする車両(V)の制動装置(1)を提供することにより達成される。
この構成によれば、バッテリが満充電に近い状態になるなどして回生制動力に制限が加わった状態では、摩擦制動力発生手段の負荷が所定値以上となったときに摩擦制動力を低減させることにより、長い下り坂が続いた場合であっても摩擦制動力発生手段の温度上昇を抑制するとともに、摩擦制動力発生手段の磨耗を抑制することができる。
また、本発明の一側面によれば、前記所定の低減量は車速(v)に応じて設定される構成とすることができる。
この構成によれば、低減量を車速に応じて設定することにより、車両走行中のアクセルオフの状態で運転者が覚える運転フィールの違和感を抑制することができる。
また、本発明の一側面によれば、前記アクセルオフ制動力(FBAF)の対車速特性が互いに異なる複数のレンジ(Dレンジ、Bレンジ)を有し、前記複数のレンジのうちの1つを選択するレンジ操作に供されるレンジ操作手段(セレクトレバー10)をさらに備え、前記回生制動力(FBR)に制限が加わった状態で前記摩擦制動力発生手段(6)の負荷(TC)が所定値(例えば、300℃)以上である場合、前記制御ユニット(11)は、選択されているレンジ(レンジ信号SR)に応じて前記摩擦制動力(FBF)を低減させる構成とすることができる。
この構成によれば、アクセルオフ制動力の対車速特性が互いに異なる複数のレンジがある場合に選択されたレンジに応じて摩擦制動力を低減させることにより、運転フィールの違和感の低減と摩擦制動力発生手段の温度上昇抑制との両立を図ることができる。
また、本発明の一側面によれば、前記レンジ操作手段(10)は、走行レンジ(Dレンジ)と、当該走行レンジ(Dレンジ)よりも大きい制動力を発生させる減速レンジ(Bレンジ)とを有し、前記減速レンジ(Bレンジ)が選択された車両走行中にアクセルがオフにされた状態で(AS=0)、前記摩擦制動力発生手段(6)の負荷(TC)が所定値(例えば、300℃)以上となった場合、前記制御ユニット(11)は、前記走行レンジ(Dレンジ)で発生させる制動力(FBAF)の対車速特性に応じて前記摩擦制動力(FBF)を低減させる構成とすることができる。
この構成によれば、比較的制動力が小さく使用頻度が高い走行レンジの制動力に応じて減速レンジの制動力を低減させることにより、車両走行中のアクセルオフの状態での運転フィールの違和感を抑制することができる。
このように本発明によれば、回生制動に制限が加わっているときに長い下り坂が続いても、摩擦制動力発生手段の温度上昇を抑制し、摩擦制動力発生手段の磨耗を抑制できる車両の制動装置を提供することができる。
本発明が適用された自動車の制動装置の概略構成図 図1に示すブレーキ液圧発生装置を模式的に示す油圧回路図 図1に示す制御ユニットの機能ブロック図 アクセルオフ制駆動力の対車速特性を示すグラフ (A)本発明に係る自動車の制動力を示すタイムチャート(B)比較例に係る自動車の制動力を示すタイムチャート アクセルオフ制動力の設定・配分制御の手順を示すフローチャート 低減される摩擦制動力によるアクセルオフ制動力の対車速特性を示すグラフ 変形例に係る制御ユニットの機能ブロック図
以下、図面を参照して、本発明の実施形態について詳細に説明する。
図1は本発明に係る制動装置1が適用された電気自動車またはハイブリッド自動車(以下、単に自動車Vと記す。)の制動装置1の概略構成図である。自動車Vは、車両前側に配設された左右一対の前輪2Fと、車両後側に配設された左右一対の後輪2Rとを有する。左右の前輪2Fに連結された前輪車軸にはモータ・ジェネレータ3が自動変速機4を介して機械的に連結されている。図示の例では自動車Vは前輪駆動とされているが、他の実施形態では、後輪2Rを駆動するモータ・ジェネレータ3を設けて四輪駆動とすることもできる。
モータ・ジェネレータ3は、車両走行用の電動機と回生用の発電機とを兼ねたものである。モータ・ジェネレータ3は、二次電池であるバッテリBを電源として、後述する制御ユニット11によってインバータ5を介してバッテリBからの電力供給とバッテリBに対する電力供給(充電)とを制御され、減速時には減速エネルギを電力に変換回生して回生制動力を発生する回生制動力発生手段をなす。
前輪2Fおよび後輪2Rの各車輪2には、摩擦制動力を発生する摩擦制動力発生手段として、車輪2(前輪2F、後輪2R)と一体のディスク6aおよびホイールシリンダ6bを備えるキャリパによって構成される公知のディスクブレーキ6が設けられている。ホイールシリンダ6bには、公知のブレーキ配管を介してブレーキ液圧発生装置7が接続されている。ブレーキ液圧発生装置7は、後に詳述するが、各車輪別にブレーキ圧を増減可能な油圧回路によって構成されており、運転者の操作から独立して摩擦制動力を発生する摩擦制動力発生手段をなす。
前輪2Fおよび後輪2Rの各車輪2には、対応する車輪速vwを検出する車輪速検出手段としての車輪速センサ2aが設けられている。また、各ディスクブレーキ6には、キャリパの温度を検出するキャリパ温度センサ6cが取り付けられている。バッテリBには、バッテリBの端子間電圧VBを検出する電圧センサBaが設けられている。運転者のアクセル操作に供されるアクセルペダル8には、その操作量(踏み込み量)を検出するアクセル開度センサ8aが設けられ、運転者のブレーキ操作に供されるブレーキペダル9には、その操作量(踏み込み量)を検出するブレーキペダルセンサ9aが設けられている。また、自動変速機4のレンジ操作に供されるセレクトレバー10には、パーキングレンジ、リバースレンジ、ニュートラルレンジ、走行レンジ(以下、Dレンジと記す)および減速レンジ(以下、Bレンジと記す)を含む設定された複数のレンジの中から選択されているレンジを検出するポジションセンサ10aが設けられている。
自動車Vには、CPUを用いた制御回路を備えることで車両の各種制御を行い、制動力配分手段として機能する制御ユニット11が設けられている。制御ユニット11には、上記インバータ5が電気的に接続されている。制御ユニット11には各車輪速センサ2a、各キャリパ温度センサ6c、アクセル開度センサ8a、ブレーキペダルセンサ9aおよびポジションセンサ10aの各検出信号が入力する。なお、電気自動車の場合にはこの構成のままでよいが、ハイブリッド自動車の場合には、自動変速機4に図の二点鎖線で示されるエンジン(内燃機関)Eの出力軸が連結される。
制御ユニット11は、セレクトレバー10によってDレンジやBレンジが選択されているときにアクセルペダル8のアクセル開度センサ8aの出力信号が初期値(=0)から増大した場合に駆動(走行)の指令が発生したと判断し、モータ・ジェネレータ3またはエンジンEによる駆動時の制御を行う。自動車VがエンジンEを搭載していない場合、あるいはエンジンEを搭載している場合であって停車中にエンジンEの駆動を停止する場合、制御ユニット11は、セレクトレバー10によってDレンジやBレンジが選択されているときには、アクセル開度センサ8aの出力信号が初期値(=0)であっても、モータ・ジェネレータ3を駆動してオートマチック車のクリープと同程度の駆動力を出力させる。
また、制御ユニット11は、ブレーキペダル9のブレーキペダルセンサ9aの出力信号が初期値(=0)から増大した場合に制動の指令が発生したと判断し、ブレーキ液圧発生装置7による制動時の制御を行う。このように、回生制動を行い且つ油圧制動も行う回生協調制御を行うことから、制動装置1にはブレーキ・バイ・ワイヤが採用される。
次に、図2を参照して本発明が適用された制動装置1について説明する。本実施形態の制動装置1は、運転者の操作から独立して摩擦制動力を制御可能ないわゆるブレーキ・バイ・ワイヤを構成している。すなわち、ブレーキペダル9の操作を機械的にブレーキ液圧発生シリンダに伝達してブレーキ液圧PBを発生させるのではなく、ブレーキペダル9の操作量(ブレーキペダル操作量BS)をブレーキペダルセンサ9aで検出し、この操作量検出値に基づいて電動サーボモータ12を駆動してモータ駆動シリンダ13を作動させてブレーキ液圧PBを発生させる。
ブレーキペダル9は車体に回動自在に支持されており、運転者の制動操作に応じて円弧運動を行う。ブレーキペダル9にはその円弧運動を略直線運動に変換するロッド14の一端が連結されており、ロッド14の他端は、直列的に配設されたマスターシリンダ15の第1ピストン15aに対し、運転者の制動操作に応じて押し込むように係合している。マスターシリンダ15における第1ピストン15aのロッド14と相反する側には、第2ピストン15bが直列的に配設されており、各ピストン15a・15bはそれぞれロッド14側にばね付勢されている。なお、ブレーキペダル9は、ばね付勢され、図示されないストッパによって止められて図2の状態である待機位置に位置している。
マスターシリンダ15には、各ピストン15a・15bの変位によってブレーキ液が不足した際にブレーキ液を補充するためのリザーバタンク16が設けられている。なお、各ピストン15a・15bには、リザーバタンク16と連通する各油路16a・16bとの間をシールするための公知構造のシール部材が各適所に設けられている。そして、マスターシリンダ15の筒内には、第1ピストン15aと第2ピストン15bとの間に第1液室17aが形成され、第2ピストン15bの第1ピストン15aと相反する側に第2液室17bが形成されている。
一方、上記したモータ駆動シリンダ13には、上記電動サーボモータ12と、電動サーボモータ12に連結されたギアボックス18と、ギアボックス18にボールねじ機構を介してトルク伝達されることにより軸線方向に変位するねじ溝付きロッド19と、ねじ溝付きロッド19と同軸かつ互いに直列的に配設された第1ピストン21aおよび第2ピストン21bとが設けられている。
第2ピストン21bには第1ピストン21a側に延出する連結部材20の一端部が固設されており、連結部材20の他端部は第1ピストン21aに対して相対的に軸線方向に所定量変位可能に支持されている。これにより、第1ピストン21aの前進(第2ピストン21b側への変位)時は第2ピストン21bと別個に変位可能であるが、第1ピストン21aの前進状態から図2の初期状態に戻る後退時には、連結部材20を介して第2ピストン21bも初期位置まで引き戻されるようになっている。なお、各ピストン21a・21bは、それぞれに対応して設けられた各戻しばね27a・27bによってロッド19側にばね付勢されている。
モータ駆動シリンダ13には、上記リザーバタンク16に連通路22を介してそれぞれ連通する各油路22a・22bが設けられており、各ピストン21a・21bには、各油路22a・22bとの間をシールするための公知構造のシール部材が各適所に設けられている。モータ駆動シリンダ13の筒内には、第1ピストン21aと第2ピストン21bとの間に第1液圧発生室23aが形成され、第2ピストン21bの第1ピストン21aと相反する側に第2液圧発生室23bが形成されている。
そして、マスターシリンダ15の第1液室17aが、常時開型の電磁弁24aを介してモータ駆動シリンダ13の第1液圧発生室23aと連通し、第2液室17bが、常時開型の電磁弁24bを介してモータ駆動シリンダ13の第2液圧発生室23bと連通し得るようにそれぞれ配管されている。なお、第1液室17aと電磁弁24aとの間には、マスターシリンダ15が発生するマスターシリンダ側液圧を検出するマスターシリンダ側ブレーキ圧センサ25aが接続され、電磁弁24bと第2液圧発生室23bとの間には、モータ駆動シリンダ13が発生する実ブレーキ液圧PBaを検出するモータ駆動シリンダ側ブレーキ圧センサ25bが接続されている。
第2液室17bと電磁弁24bとの間には、常時閉型の電磁弁24cを介してシリンダ型のシミュレータ28が接続されている。シミュレータ28には、そのシリンダ内を分断するピストン28aが設けられ、ピストン28aの電磁弁24c側に貯液室28bが形成され、ピストン28aの貯液室28b側と相反する側には圧縮コイルばね28cが受容されている。両電磁弁24a・24bが閉じていると共に電磁弁24cが開いている状態で、ブレーキペダル9を踏み込んで第2液室17b内のブレーキ液が貯液室28bに入り込むことにより、圧縮コイルばね28cの付勢力がブレーキペダル9に伝達され、これによりマスターシリンダ15とホイールシリンダ6bとが直結されている公知のブレーキ装置と同様の踏み込みに対する反力が得られるようになっている。
さらに、モータ駆動シリンダ13の第1液圧発生室23aと第2液圧発生室23bとは、それぞれVSA装置26を介して複数(図示例では4つ)のホイールシリンダ6bに連通するように配管されている。なお、VSA装置26は、ブレーキ時の車輪ロックを防ぐABS、加速時などの車輪空転を防ぐTCS(トラクションコントロールシステム)、旋回時のヨーモーメント制御、ブレーキアシスト機能、衝突回避・レーンキープなどのための自動ブレーキ機能等を備えた車両挙動安定化制御システムとして公知のものであってよく、ここではその詳細な説明は省略する。なお、VSA装置26には、前輪2Fの各ホイールシリンダ6bに対応する第1系統と、後輪2Rの各ホイールシリンダ6bに対応する第2系統とをそれぞれ構成する各種油圧素子を用いた各ブレーキアクチュエータと、それらを制御するVSA制御ユニット26aとによって構成されている。
このようにして構成されたブレーキ液圧発生装置7は、上記制御ユニット11によって総合的に制御されるようになっている。制御ユニット11には、ブレーキペダルセンサ9aと各ブレーキ圧センサ25a・25bとの各検出信号が入力し、また車両の挙動を検出するための各種センサ(図示せず)からの検出信号も入力している。制御ユニット11は、ブレーキペダルセンサ9aからの検出信号と上記各種センサからの検出信号に基づき、モータ駆動シリンダ13を駆動制御してディスクブレーキ6に発生させる摩擦制動力を制御する。さらに、本実施形態の対象車両となる電気自動車(またはハイブリッド車)の場合には、モータ・ジェネレータ3による回生制御を行うようにしており、制御ユニット11は、回生制御を行う場合の回生制動力の大きさに対するモータ駆動シリンダ13による摩擦制動力の大きさの配分制御も行う。
次に、通常制動時の制御要領について説明する。図2は、運転者がブレーキペダル9を操作していない状態である。ブレーキペダルセンサ9aの検出値は初期値(=0)であり、基本的には制御ユニット11からブレーキ液圧発生信号は出力されない。この状態では、図2に示されるように、モータ駆動シリンダ13では、ねじ溝付きロッド19が最も後退した位置にあり、それに伴って各戻しばね27a・27bによって付勢されている各ピストン21a・21bも後退しており、両液圧発生室23a・23bにブレーキ液圧PBは発生していない。
ブレーキペダル9が踏み込まれて、ブレーキペダルセンサ9aの検出値が0よりも大きくなった場合には、ブレーキ・バイ・ワイヤによる制御を行うべく、両電磁弁24a・24bを閉じて、マスターシリンダ15で発生する液圧がモータ駆動シリンダ13へ伝達されるのを遮断すると共に、電磁弁24cを開いてシミュレータ28に伝達されるようにする。そして、ブレーキペダルセンサ9aで検出された制動操作量の検出値(ブレーキペダル操作量BS)に基づいて、回生制動力を考慮したうえで目標ブレーキ液圧PBtが設定され、この目標ブレーキ液圧PBtに対応する目標電流Itが制御ユニット11から電動サーボモータ12に出力される。これにより、ねじ溝付きロッド19すなわち第1ピストン21aが押し出される向きに駆動されて、入力としてのブレーキペダル9の踏み込み量(ブレーキペダル操作量BS)に応じたブレーキ液圧PBが第1液圧発生室23aに発生する。同時に、第1液圧発生室23aの液圧によって押圧されて第2ピストン21bが戻しばね27bの付勢力に抗して変位し、第2液圧発生室23bにも同じ大きさのブレーキ液圧PBが発生する。
運転者がブレーキペダル9を戻す方向に変位させた場合には、ブレーキペダルセンサ9aで検出された戻し方向変位に応じて、電動サーボモータ12によってねじ溝付きロッド19すなわち第1ピストン21aを初期位置側に戻すことにより、ブレーキペダル9の踏み込み量に応じてブレーキ液圧PBを低減させることができる。また、ブレーキペダル9が図示されない戻しばねによって初期位置に戻された場合には、制御ユニット11が電磁弁24a・24bを開く。それに伴って各ホイールシリンダ6bのブレーキ液がモータ駆動シリンダ13を介してリザーバタンク16に戻ることができ、摩擦制動力は解除される。基本的にはブレーキペダルセンサ9aの検出値が初期値になることにより、第1ピストン21aが初期位置に戻り、前述したように連結部材20を介して第2ピストン21bも初期位置に戻る。
上記モータ駆動シリンダ13で発生したブレーキ液圧PBは、VSA装置26が作動していない場合には、前後輪の各ホイールシリンダ6bに均等に供給される。一方、VSA装置26による各車輪2に対する制動力分配制御が行われる場合には、その制御に応じて各車輪2のホイールシリンダ6bに供給されるブレーキ液圧PBが調整される。
回生制動が同時に作動する場合には、制御ユニット11がモータ・ジェネレータ3を発電機として制御し、ブレーキペダル9によるブレーキペダル操作量BSなどに応じて回生制動力を増減する。そして、ブレーキペダル操作量BSの大きさ(運転者が要求する減速力の大きさ)に対して回生制動だけでは不足する車体減速度に対応するよう、制御ユニット11が上記した電動サーボモータ12によってモータ駆動シリンダ13を駆動制御して、回生制動と油圧式の摩擦制動とによる回生協調制御を行う。上述の例においては、ブレーキペダル9の踏み込み量に対応した摩擦制動力をモータ駆動シリンダ13が発生するように構成したが、この場合には公知の方法を用いてモータ駆動シリンダ13の作動量を決定するように構成することができる。例えばブレーキペダル操作量BSに対応して決定される総制動力から実際の回生制動力を減じた値に対応する制動力要求を入力として目標ブレーキ液圧PBtを設定したり、総制動力に対してある比率の制動力が発生するようにモータ駆動シリンダ13の作動量を決定したりすればよい。
次に、図3を参照して第1実施形態に基づく制御ユニット11の要部の構成について説明する。ここでは、自動車VがエンジンEを搭載しない電気自動車であるものとして説明する。車輪速センサ2aからの検出信号である各車輪速vwが車速推定部31に入力しており、車速推定部31では、例えば4つの車輪速vwの平均値から自動車Vの車速vを推定する。推定された車速vは、変速段設定部32および後述する目標制動力設定部36に入力する。
変速段設定部32には、ポジションセンサ10aからの検出信号である選択中のレンジ信号SRおよびアクセル開度センサ8aからの検出信号であるアクセルペダル操作量(変位)ASも入力している。変速段設定部32は、入力するこれらの信号に基づいて、自動変速機4のギヤ段信号SG(あるいはギヤ比)を設定する。設定されたギヤ段信号SGは変速機制御部33に入力し、変速機制御部33は入力したギヤ段信号SGに基づいて自動変速機4のギヤ段(あるいはギヤ比)を変更する制御を行う。
ポジションセンサ10aからのレンジ信号SRはまた、目標駆動力設定部34にも入力している。目標駆動力設定部34には、レンジ信号SRの他にアクセル開度センサ8aからのアクセルペダル操作量ASも入力しており、目標駆動力設定部34は、入力するこれらの信号に基づいて、モータ・ジェネレータ3に発生させるべき目標駆動力(出力)FDを設定する。なお、目標駆動力FDは、自動車Vの推進力ではなく、モータ・ジェネレータ3の出力である駆動トルクである。目標駆動力設定部34は、具体的には、入力するアクセルペダル操作量ASに応じた目標駆動力FDを設定し、アクセルペダル操作量ASが0であっても入力するレンジ信号SRがDレンジおよびBレンジである場合には、クリープ相当の駆動力を目標駆動力FDに設定する。目標駆動力設定部34で設定された目標駆動力FDはモータ・ジェネレータ制御部35に入力し、モータ・ジェネレータ制御部35は、入力した目標駆動力FDに基づいてインバータ5を介してモータ・ジェネレータ3を電動機として制御する。
車輪速センサ2aからの各車輪速vw、ポジションセンサ10aからのレンジ信号SRおよびアクセル開度センサ8aからのアクセルペダル操作量ASは、目標制動力設定部36にも入力している。目標制動力設定部36には、これらの信号の他にブレーキペダルセンサ9aからの検出信号であるブレーキペダル操作量(変位)BSも入力している。目標制動力設定部36は、入力するこれらの信号に基づいて、自動車Vに発生させるべき総制動力の目標値である目標制動力FBを設定する。具体的には、目標制動力設定部36は、入力するブレーキペダル操作量BSに基づいて、吸気負圧を利用したマスターパワーを用いて発生させた液圧を直接ホイールシリンダ6bに作用させる従来型車両と同様の制動フィールを達成するように目標制動力FBを設定する。また、ブレーキペダル操作量BSおよびアクセルペダル操作量ASが0であっても、入力するレンジ信号SRがDレンジおよびBレンジである場合には、目標制動力設定部36は、エンジンEを駆動源とする従来型のエンジン自動車のエンジンブレーキに相当する制動力(以下、アクセルオフ制動力FBAFと称する)を目標制動力FBに設定する。
なお、アクセルオフ制動力FBAFに対応する目標制動力FBは、図4に示すように設定される。すなわち、目標制動力FB(アクセルオフ制動力FBAF)は、車速vが所定値(例えば10km/h)以上のときに、車速vに応じて大きくなる(図4では、制動力を負の値として示しており、その絶対値が大きくなる)対車速特性を有するように設定される。そして、Bレンジでの目標制動力FBは、Dレンジでの目標制動力FBに比べて大きく設定される。つまり、Bレンジが選択されている場合には、Dレンジ選択時に比べて大きなアクセルオフ制動力FBAFが発生するとともに、アクセルオフ制動力FBAFに応じた大きな制動エネルギの回生が行われる。なお、図4は、DレンジおよびBレンジにおける自動車Vの制駆動力と車速vとの関係を示しており、10km/h以下の低速域で駆動側に出ている制駆動力は、前述した目標駆動力設定部34によって設定されるクリープ相当の駆動力である。
目標制動力設定部36によって設定された目標制動力FBは、制動配分設定部37に入力する。制動配分設定部37には、後述する負荷判定部39からの過負荷信号SLや、充電率推定部40からの充電率SOCも入力している。制動配分設定部37は、入力したこれらの信号に基づいて、目標制動力FBを、モータ・ジェネレータ3に発生させる回生制動力FBRとディスクブレーキ6に発生させる摩擦制動力FBFとに配分する。
制動配分設定部37は、運動エネルギがディスクブレーキ6で熱エネルギに変換されて消費されることを抑制するために、原則的には、モータ・ジェネレータ3に発生させる回生制動力FBRを比較的大きな割合に設定する。特に、アクセルペダル操作量ASおよびブレーキペダル操作量BSがともに0であり、DレンジまたはBレンジが選択されているときに、アクセルオフ制動力FBAFが目標制動力FBに設定される場合には、原則的に、制動配分設定部37は、回生制動力FBRの配分を100%とし、摩擦制動力FBFの配分を0%とする。
例えば、エンジンEを駆動源とする従来型のエンジン自動車では、図5(B)に示すように、DレンジまたはBレンジでの走行中には、時点t1でアクセルペダル8の踏み込みが戻されてアクセルペダル操作量ASが0になるまでは、車両に走行抵抗等が制動力として発生しているだけであるが、時点t1以降にはエンジンブレーキが制動力として発生する。時点t2でブレーキペダル9が踏み込まれてブレーキペダル操作量BSが大きくなると、ブレーキペダル操作量BSに応じた摩擦制動力FBFが発生する。これにより、時点t2以降では、車速vの低下(減速度)が時点t1〜時点t2の期間に比べて大きくなる。
これに対し、本実施形態では、図5(A)に示すように、DレンジまたはBレンジでの走行中には、時点t1でアクセルペダル8の踏み込みが戻されてアクセルペダル操作量ASが0になるまでは、車両に走行抵抗等が制動力として発生することは(B)の比較例と同様であるが、時点t1以降にはエンジンブレーキ相当のアクセルオフ制動力FBAFが回生制動力FBRによって発生される。時点t2でブレーキペダル9が踏み込まれてブレーキペダル操作量BSが大きくなると、ブレーキペダル操作量BSに応じた総制動力が、配分された摩擦制動力FBFと回生制動力FBRとによって発生される。結果として、時点t2以降では、(B)の比較例と同様に、車速vの低下が時点t1〜時点t2の期間に比べて大きくなる。
ところが、バッテリBの充電率SOCが100%になると、モータ・ジェネレータ3に回生制動力FBRを発生させることができなくなる。そこで、充電率SOCが満充電に近い所定値(例えば95%)以上のときには、図3の制動配分設定部37は、回生制動力FBRに制限を加え、モータ・ジェネレータ3による回生制動力FBRの割合を比較的小さく(本実施形態では、0%に)設定する。一方、このような制動配分を行うと、充電直後の走行中に長い下り坂が続くような場合に、アクセルオフ制動力FBAFに対応する摩擦制動力FBFをディスクブレーキ6が発生させ続けることになってしまう。そこで、制動配分設定部37は、負荷判定部39からの過負荷信号SLが入力している場合には、総制動力を低下させることにはなるが、セレクトレバー10の操作状態を示すレンジ信号SRに応じて摩擦制動力FBFを低減させる。より具体的には、制動配分設定部37は、Bレンジが選択されている場合に、Dレンジで発生させるべき摩擦制動力FBFを下限値として、過負荷信号SLの入力継続時間に応じて摩擦制動力FBFを徐々に低減させる。
制動配分設定部37によって設定された回生制動力FBRは、モータ・ジェネレータ制御部35に入力する。モータ・ジェネレータ制御部35は、入力した回生制動力FBRに基づいてインバータ5を介してモータ・ジェネレータ3を発電機として制御し、モータ・ジェネレータ3に回生制動力FBRを発生させる。一方、制動配分設定部37によって設定された摩擦制動力FBFは、モータ駆動シリンダ制御部38に入力する。モータ駆動シリンダ制御部38は、入力した摩擦制動力FBFに基づいてモータ駆動シリンダ13(電動サーボモータ12)を駆動制御し、ディスクブレーキ6に摩擦制動力FBFを発生させる。なお、モータ駆動シリンダ制御部38には、モータ駆動シリンダ側ブレーキ圧センサ25bからの検出信号である実ブレーキ液圧PBaが入力しており、モータ駆動シリンダ制御部38は、入力した実ブレーキ液圧PBaと目標ブレーキ液圧PBtとの偏差に基づく液圧フィードバック制御を行う。
負荷判定部39には、キャリパ温度センサ6cからの検出信号であるキャリパ温度TCが入力している。負荷判定部39は、入力したキャリパ温度TCが所定値(例えば、300℃)以上である場合に、キャリパの負荷(累積負荷)が大きいものと判定して過負荷信号SLを出力する。充電率推定部40には、電圧センサBaからの検出信号であるバッテリBの端子間電圧VBなどが入力している。充電率推定部40は、バッテリBの端子間電圧VBやバッテリBの充放電電流の変化量などに基づいて、バッテリBの充電率SOCを推定する。
次に、図6を参照して、制御ユニット11の目標制動力設定部36および制動配分設定部37が行うアクセルオフ制動力FBAFの設定・配分制御の手順について説明する。なお、アクセルオフ制動力FBAFの設定・配分制御は、入力するレンジ信号SRがDレンジおよびBレンジであり、ブレーキペダル操作量BSが0であるとに行われる制御であり、所定の処理間隔(例えば、10ms)で繰り返し実行される。
制御ユニット11は、まず、図4に示すような対車速特性となるマップを参照するなどして、レンジ信号SR(DレンジまたはBレンジ)および車速vに基づいて求めたアクセルオフ制動力FBAFの値を目標制動力FBとして設定する(ステップST1)。次に、制御ユニット11は、バッテリBの充電率SOCが所定値(例えば95%)以上であるか否かを判定する(ステップST2)。充電率SOCが所定値未満である場合(ステップST2:No)、制御ユニット11は、アクセルオフ制動力FBAFの全量をモータ・ジェネレータ3に発生させる回生制動力FBRに配分する。すなわち回生制動力FBRをアクセルオフ制動力FBAFの値に設定し、摩擦制動力FBFを0に設定する(ステップST3)。その後、制御ユニット11(制動配分設定部37)は、これらの値をモータ・ジェネレータ制御部35およびモータ駆動シリンダ制御部38に出力する(ステップST4)。
一方、ステップST2でバッテリBの充電率SOCが所定値以上であると判定された場合(Yes)、制御ユニット11は、アクセルオフ制動力FBAFの全量をディスクブレーキ6に発生させる回生制動力FBRに配分する、すなわち回生制動力FBRに制限を加え、例えばその値を0に設定し、摩擦制動力FBFをアクセルオフ制動力FBAFの値に設定する(ステップST5)。次に、制御ユニット11は、レンジ信号SRがDレンジであるか否かを判定し(ステップST6)、Dレンジである場合には(Yes)、ステップST5で設定した両値をモータ・ジェネレータ制御部35およびモータ駆動シリンダ制御部38に出力する(ステップST4)。
ステップST6でBレンジと判定された場合(No)、次に制御ユニット11は、負荷判定部39からの過負荷信号SLに基づいて、ディスクブレーキ6の負荷が大きいか否かを判定し(ステップST7)、ディスクブレーキ6の負荷が大きくない場合には(No)、ステップST5で設定した両値をモータ・ジェネレータ制御部35およびモータ駆動シリンダ制御部38に出力する(ステップST4)。他方、ステップST7でディスクブレーキ6の負荷が大きいと判定された場合には(Yes)、制御ユニット11は、ステップST5で設定した摩擦制動力FBFを、Dレンジでのアクセルオフ制動力FBAFの値を下限値(絶対値の最小値)として、ディスクブレーキ6の負荷が大きいと判定されてからの経過時間に応じて増大する所定の低減量をもって徐々に低減させる(ステップST8)。この際、制御ユニット11は、図7に示すように、低減後の摩擦制動力FBFがアクセルオフ制動力FBAFの対車速特性に沿うような車速vに応じた特性となるように低減量を設定する。その後、制御ユニット11は、ステップST5で0に設定された回生制動力FBRおよびステップST8で低減させた摩擦制動力FBFをモータ・ジェネレータ制御部35およびモータ駆動シリンダ制御部38に出力する(ステップST4)。
このように、充電率SOCが所定値(例えば95%)以上であることによって回生制動力FBRに制限が加わった状態において、ディスクブレーキ6のキャリパ温度TCが所定値(例えば、300℃)以上である場合に、制御ユニット11が、所定の低減量をもって摩擦制動力FBFを低減させることにより、長い下り坂が続いた場合であってもディスクブレーキ6の温度上昇を抑制するとともに、ディスクブレーキ6の磨耗を抑制することができる。
本実施形態では、摩擦制動力FBFに対する所定の低減量が車速vに応じて設定されるため、走行中のアクセルオフの状態で運転者が覚える運転フィールの違和感が抑制される。また、回生制動力FBRに制限が加わった状態でディスクブレーキ6のキャリパ温度TCが所定値(例えば、300℃)以上である場合に、制御ユニット11が、セレクトレバー10の操作状態を示すレンジ信号SRに応じて摩擦制動力FBFを低減させることにより、運転フィールの違和感の低減とディスクブレーキ6の温度上昇抑制との両立を図ることが可能である。さらに、アクセルペダル操作量ASが0のときにBレンジが選択されており且つディスクブレーキ6のキャリパ温度TCが所定値(例えば、300℃)以上となった場合、制御ユニット11が、Dレンジで発生させるアクセルオフ制動力FBAFの対車速特性に応じて摩擦制動力FBFを低減させるため、アクセルオフ状態での運転フィールの違和感が抑制される。
なお、上記図3に関する説明以降では、自動車Vが電気自動車であるものとして説明してきたが、図1を参照しながら説明したように、本発明はハイブリッド自動車にも適用することができる。
自動車Vがハイブリッド車である場合には、制御ユニット11は、図8に示すように、駆動配分設定部41およびエンジン制御部42を追加的に備える。つまり、目標駆動力設定部34によって設定された目標駆動力FDは駆動配分設定部41に入力し、駆動配分設定部41は、入力した目標駆動力FDを各種運転状態に応じてモータ・ジェネレータ3に発生させるモータ駆動力FDMとエンジンEに発生させるエンジン駆動力FDEとに配分する。モータ駆動力FDMはモータ・ジェネレータ制御部35に入力し、モータ・ジェネレータ制御部35は、入力したモータ駆動力FDMに基づいてインバータ5を介してモータ・ジェネレータ3を電動機として制御し、モータ駆動力FDMを発生させる。一方、エンジン駆動力FDEはエンジン制御部42に入力し、エンジン制御部42は、入力したエンジン駆動力FDEに基づいてエンジンEを駆動制御する。
制御ユニット11がこのように構成されることによっても、前述した電気自動車のときと同様の作用効果を得ることができる。
以上で具体的実施形態の説明を終えるが、本発明は上記実施形態に限定されることなく幅広く変形実施することができる。例えば、上記実施形態では、アクセルがオフにされたときにアクセルオフ制動力FBAFに対応する摩擦制動力FBFを発生させるために、モータ駆動シリンダ13を駆動しているが、VSA装置26を駆動してもよい。また、上記実施形態では、摩擦制動力発生手段であるディスクブレーキ6の負荷を判定するために、キャリパ温度TCを検出してその値が所定値以上であるか否かを判定しているが、判定のためのパラメータはキャリパ温度TCに限られず、他のパラメータを用いたり、複数のパラメータを用いたりしてもよい。他のパラメータとしては、アクセルオフ状態におけるディスクブレーキ6(モータ駆動シリンダ13)の作動継続時間や、アクセルオフ状態における実ブレーキ液圧PBa(モータ駆動シリンダ側ブレーキ圧センサ25bの検出値)から推定するディスクブレーキ6の発熱量、大気温度などを用いることができる。また、上記実施形態では、Bレンジにおけるアクセルオフ状態での摩擦制動力FBFを、Dレンジにおけるアクセルオフ状態での摩擦制動力FBFを下限値として過負荷信号SLの継続入力時間に応じて徐々に低減させているが、過負荷信号SLの継続入力時間だけではなく、バッテリBの充電率SOCに応じて低減させてもよく、Dレンジにおける摩擦制動力FBFをも低減させてもよい。この他、各部材や部位の具体的構成や配置、数量、および具体的制御手順など、本発明の趣旨を逸脱しない範囲であれば適宜変更可能である。一方、上記実施形態に示した制動装置1の各構成要素や手順は必ずしも全てが必須ではなく、適宜選択することができる。
1 制動装置
3 モータ・ジェネレータ(回生制動力発生手段)
6 ディスクブレーキ(摩擦制動力発生手段)
10 セレクトレバー(レンジ操作手段)
11 制御ユニット
13 モータ駆動シリンダ(電動アクチュエータ)
26 VSA装置(電動アクチュエータ)
36 目標制動力設定部
37 制動配分設定部
B バッテリ
V 自動車
AS アクセルペダル操作量
FB 目標制動力
FBF 摩擦制動力
FBR 回生制動力
FBAF アクセルオフ制動力
SL 過負荷信号
SR レンジ信号
SOC 充電率
TC キャリパ温度(負荷)
v 車速

Claims (4)

  1. 回生制動力を発生させる回生制動力発生手段と、
    電動アクチュエータによって駆動され、摩擦制動力を発生させる摩擦制動力発生手段と、
    車両走行中にアクセルがオフにされたときに、前記回生制動力発生手段を制御して前記回生制動力によって車速に応じたアクセルオフ制動力を発生させるとともに、前記回生制動力発生手段に発生させる前記回生制動力に制限が加わった場合、前記アクセルオフ制動力を発生させるべく、前記電動アクチュエータを駆動制御して前記摩擦制動力発生手段に前記摩擦制動力を発生させる制御ユニットと
    を備え、
    前記回生制動力に前記制限が加わった状態で前記摩擦制動力発生手段の負荷が所定値以上である場合、前記制御ユニットは、所定の低減量をもって前記摩擦制動力を低減させることを特徴とする車両の制動装置。
  2. 前記所定の低減量は車速に応じて設定されることを特徴とする、請求項1に記載の車両の制動装置。
  3. 前記アクセルオフ制動力の対車速特性が互いに異なる複数のレンジを有し、前記複数のレンジのうちの1つを選択するレンジ操作に供されるレンジ操作手段をさらに備え、
    前記回生制動力に前記制限が加わった状態で前記摩擦制動力発生手段の負荷が所定値以上である場合、前記制御ユニットは、選択されているレンジに応じて前記摩擦制動力を低減させることを特徴とする、請求項1または請求項2に記載の車両の制動装置。
  4. 前記レンジ操作手段は、走行レンジと、当該走行レンジよりも大きい制動力を発生させる減速レンジとを有し、
    前記減速レンジが選択された車両走行中にアクセルがオフにされた状態で、前記摩擦制動力発生手段の負荷が所定値以上となった場合、前記制御ユニットは、前記走行レンジで発生させる制動力の対車速特性に応じて前記摩擦制動力を低減させることを特徴とする、請求項3に記載の車両の制動装置。
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