JP6056340B2 - 制動制御装置 - Google Patents
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Description
この従来技術では、車輪のスリップ率が予め設定したスリップ率値を超えると、回生制動トルクを減少させる制御を実行し、スリップ率を所定の範囲内に制御するようにしている。
車両のコースト走行時に、前記回生ブレーキ装置によりコースト回生制動トルクを発生させるコースト回生制動制御を実行し、かつ、このコースト回生制動制御の実行時に、前記駆動輪の設定値を越えるスリップが検出された場合に、前記コースト回生制動トルクを減少させるコースト回生制動トルク減少制御を実行する車両制御手段と、
前記スリップ検出による前記コースト回生制動トルク減少制御の実行時に、前記摩擦制動装置の摩擦制動トルクを増加させる摩擦制動トルク補填制御を実行するブレーキ制御手段と、
を備えていることを特徴とする。
さらに、上述のように駆動輪のスリップ率が設定値を超えたときには、ブレーキ制御手段が、摩擦制動装置により摩擦制動トルクを発生させる摩擦制動トルク補填制御を実行する。このように、コースト回生制動トルクを減少させる状況(スリップ率)になった場合、これと並行して、摩擦制動トルクを補填し、車両における総制動トルクを確保し、制動トルク不足を抑制できる。
実施の形態1の制動制御装置の構成を、「全体システム構成」「回生ブレーキ装置」「制御システム」「VDCブレーキ液圧ユニット構成」に分けて説明する。
図1は、実施の形態1の制動制御装置を適用した前輪駆動による電動車両の構成を示す。以下、図1に基づき、この制動制御装置の全体構成を説明する。
液圧ブレーキ装置1は、ブレーキ液圧発生装置10と、既存のVDCシステム(VDCは、「Vehicle Dynamics Control」の略)であるVDCブレーキ液圧ユニット2と、左前輪ホイールシリンダ4FLと、右前輪ホイールシリンダ4FRと、左後輪ホイールシリンダ4RLと、右後輪ホイールシリンダ4RRとを備えている。
このVDCブレーキ液圧ユニット2は、VDCモータ21(図3参照)により駆動する液圧ポンプ22,22(図3参照)を有し、ホイールシリンダ液圧PW/CYLの増圧・保持・減圧を制御する。そして、VDCブレーキ液圧ユニット2とブレーキ液圧発生装置10とは、プライマリ液圧管61とセカンダリ液圧管62により接続されている。VDCブレーキ液圧ユニット2と各ホイールシリンダ4FL,4FR,4RL,4RRとは、左前輪液圧管63と右前輪液圧管64と左後輪液圧管65と右後輪液圧管66により接続されている。
走行用電動モータ5は、左右前輪(駆動輪)FLW,FRWの走行用駆動源として設けられ、駆動モータ機能と発電ジェネレータ機能を持つ。この走行用電動モータ5は、力行時、バッテリ電力を吸込み消費しながらのモータ駆動により、左右前輪(駆動輪)FLW,FRWへ駆動力を伝達する。そして、回生時、左右前輪の回転駆動に負荷を与えることで電気エネルギに変換し、発電分をバッテリ30へ充電する。つまり、左右前輪(駆動輪)FLW,FRWの回転駆動に与える負荷が、回生制動トルクとなる。
したがって、この走行用電動モータ5およびその回生制動トルクを制御する図2に示すモータコントローラ103により回生ブレーキ装置50が構成されている。なお、走行用電動モータ5は、モータコントローラ103からの制御指令に基づいて、インバータ104により作り出された三相交流を印加することにより制御される。
実施の形態1の制動制御装置の制動力制御系は、統合コントローラ100と、ブレーキコントローラ101と、モータコントローラ103と、を備えている。
また、統合コントローラ100は、回生協調ブレーキ制御時等において、ドライバ要求制動トルクを得るようにブレーキコントローラ101とモータコントローラ103を統合して制御する。この統合コントローラ100には、バッテリコントローラ102からのバッテリ充電容量情報、車輪速センサ92からの車速情報、ブレーキスイッチ93からのブレーキ操作情報、ストロークセンサ94からのブレーキペダル15のペダルストローク情報、マスタシリンダ液圧センサ16からのマスタシリンダ液圧情報、などが入力される。なお、車輪速センサ92としては、極低車速域までの車速検出が可能な車輪速回転数センサが用いられる。そして、車輪速回転数を時間微分演算処理することで、実減速度を求める。
図3は、VDCブレーキ液圧ユニット2を示すブレーキ液圧回路図である。なお、このVDCブレーキ液圧ユニット2は、周知の構成であるので、簡単に説明する。
図4は、実施の形態1の制動制御装置におけるブレーキコントローラ101で実行される摩擦制動トルク補填制御を含む制動制御の流れを示している。この処理は、統合コントローラ100によりコースト回生制動制御が開始された時点で実行される。
まず、コースト回生制動制御について簡単に説明する。
コースト回生制動制御は、コースト走行時にエンジンブレーキ相当のコースト回生制動トルクを走行用電動モータ5により発生させる制御である。なお、コースト走行とは、ドライバがアクセルペダルから足を離して、駆動源(本実施の形態では、走行用電動モータ5)から駆動力を与えず、かつ、液圧ブレーキ装置1から制動トルクを与えずに惰性走行する状態をいう。
ステップS301では、コースト走行状態であるか否か判定し、コースト走行状態であれば、ステップS302に進み、コースト走行状態でなければ、リターンに進む。なお、コースト走行状態の判定は、ブレーキスイッチ93、アクセルペダルスイッチ95の出力および車速などに基づいて判定することができる。
ステップS302では、センサ群90から得られる走行状態に応じ、コースト回生制動制御を実施するか否か判定し、実施する場合には、ステップS303に進み、実施しない場合はリターンに進む。なお、このコースト回生制動制御の実施条件としては、例えば、車速が予め設定された範囲内、バッテリ30における充電量が設定範囲内などとすることができる。
ステップS305では、スリップ率が予め設定された設定値としての閾値αを越えたか否か判定し、閾値αを越えた場合にはステップS306に進み、閾値αを越えない場合はステップS307に進む。なお、閾値αは、ABS制御の実施を判定するABS閾値のように、車輪がロックする傾向が強いことを示すスリップ率よりは、小さな値に設定されている。
次に、上述のコースト回生制動制御の実行中にブレーキコントローラ101にて実行する摩擦制動トルク補填制御を含む回生協調制動制御について、図4のフローチャートに基づいて説明する。なお、このフローチャートに示す制御は、コースト回生制動制御の実行が開始された時点から実行される。
続くステップS104では、液圧制動トルクを演算し、次のステップS105に進む。すなわち、ステップS103で演算された回生協調制動トルクのうち、実際に走行用電動モータ5で回生可能な量を演算するか、あるいは実回生制動トルクを検出し、その値をドライバ要求総制動トルクから減じた値を液圧制動トルクとする。
なお、ステップS103で得られた回生協調制動トルクは、統合コントローラ100に出力され、モータコントローラ103から、この演算された回生協調制動トルクを得るよう走行用電動モータ5を駆動させるための制御信号が出力される。同様に、ステップS104で得られた液圧制動トルクを得るようVDCブレーキ液圧ユニット2を駆動させる制御信号が、ブレーキコントローラ101における図示を省略した出力制御部から出力される。
さらに、ステップS109では、ステップS108にて取得したコースト回生制動トルク減少分を、VDCブレーキ液圧ユニット2へ出力する液圧制動トルク指令値に加算して最終的な液圧制動トルクとした後、リターンへ進む。
次に、実施の形態1の制動制御装置の作用を、図5のタイムチャートに基づいて説明する。
図5は、統合コントローラ100がコースト回生制動制御を実行中に、ドライバがブレーキ操作を行った場合の動作例を示している。なお、図において、上から順に、車輪速、駆動輪のスリップ量(スリップ率)、総制動トルクを示している。
よって、このt1の時点において、ブレーキコントローラ101は、ストロークセンサ94が検出するブレーキペダル15のストローク量に応じてドライバ要求総制動トルクを求める(ステップS102)。さらに、ブレーキコントローラ101は、ドライバ要求総制動トルクに基づいて、回生協調制動トルクと液圧制動トルクとを演算する(ステップS103,S104)。すなわち、回生協調制動トルクと液圧制動トルクとを合わせた制動トルクがドライバ要求総制動トルクとなるように演算が行われる。図において点線の上側に配置された点の目が密な領域が液圧制動トルクを示し、点線の下側の点の目が粗い領域が回生協調制動トルクを示している。
本実施の形態1の制動制御装置では、この駆動輪(左右前輪FLW,FRW)にスリップが発生して、回生制動トルクを低下させる制御を実行した場合における問題点を解消するものである。そこで、本実施の形態1との比較のために、図5に基づいて、まず、従来の問題が発生していた比較例の動作を説明する。
よって、t2の時点以降において、総制動トルクが、図5において実線により示すように、このコースト回生制動トルクの減少相当分だけ低下していた。
このように、総制動トルクが減少した場合、特に、下り坂などでは、ドライバに加速感などの違和感を与えるおそれがあった。
それに対し、本実施の形態1の場合、駆動輪のスリップ率が閾値αよりも大きくなって統合コントローラ100が、コースト回生制動トルク減少制御を実行した際に、ブレーキコントローラ101が、摩擦制動トルク補填制御を実行する。すなわち、ブレーキコントローラ101は、t2の時点で、統合コントローラ100から、コースト回生制動トルクの減少予定分を読み込む(ステップS108)。そして、ブレーキコントローラ101は、コースト回生制動トルクの減少分を、図5において二点鎖線の下側の斜線の領域に示すように、液圧制動トルクに加算して補填する(ステップS109)。
このため、t2の時点の前後で、総制動トルクを略一定に保つことができる。
また、液圧制動トルクによる摩擦制動トルクは、駆動輪(左右前輪FLW,FRW)および従動輪(左右後輪RLW,RRW)にて発生する。このため、従動輪RLW,RRW(左右後輪RLW,RRW)では、コースト回生制動トルクおよび回生協調制動トルクが与えられている駆動輪(左右前輪FLW,FRW)と比較して、スリップを発生させることなく制動トルクを確保することが可能である。これにより、車両全体の総制動トルクを確保することが可能である。
実施の形態1の制動制御装置にあっては、下記に列挙する効果を得ることができる。
a)実施の形態1の制動制御装置は、
車両の駆動輪(左右前輪FLW,FRW)および従動輪(左右後輪RLW,RRW)に摩擦制動トルクを発生させる摩擦制動装置としての液圧ブレーキ装置1と、
駆動輪(左右前輪FLW,FRW)に回生制動トルクを発生させる回生ブレーキ装置50と、
駆動輪(左右前輪FLW,FRW)のスリップ状態を検出するスリップ検出手段としての車輪速センサ92ならびにブレーキコントローラ101においてスリップ率の演算を実行する構成(ステップS105)と、
車両のコースト走行時に、回生ブレーキ装置50によりコースト回生制動トルクを発生させるコースト回生制動制御を実行し、かつ、このコースト回生制動制御の実行時に、前記駆動輪(左右前輪FLW,FRW)にて設定値(閾値α)を越えるスリップが検出された場合に、コースト回生制動トルクを減少させるコースト回生制動トルク減少制御を実行する車両制御手段としての統合コントローラ100と、
スリップ検出によるコースト回生制動トルク減少制御の実行時に、摩擦制動装置としての液圧ブレーキ装置1の摩擦制動トルクを増加させる摩擦制動トルク補填制御を実行するブレーキ制御手段としてのブレーキコントローラ101と、
を備えていることを特徴とする。
したがって、コースト回生制動を行なったときに、駆動輪(左右前輪FLW,FRW)に設定値(閾値α)を超えるスリップが生じた場合には、統合コントローラ100が、コースト回生制動トルク減少制御を実行して、コースト回生制動トルクを減少させる。これにより、駆動輪(左右前輪FLW,FRW)のスリップを抑えることができる。
さらに、駆動輪(左右前輪FLW,FRW)に設定値(閾値α)を超えるスリップが生じた場合に、ブレーキコントローラ101は、液圧ブレーキ装置1による摩擦制動トルクを増加させる摩擦制動トルク補填制御を実行する。このため、車両における総制動トルクを確保し、制動トルク不足を抑制できる。そして、この補填される摩擦制動トルクは、各輪FLW,FRW,RLW,RRWに作用し、駆動輪FLW,FRWへの制動トルクの偏りを緩和し、車両全体の制動トルクを確保しつつ、駆動輪FLW,FRWのスリップの発生を抑えることができる。
ブレーキ制御手段としてのブレーキコントローラ101は、摩擦制動トルク補填制御の実行時には、車両制御手段としての統合コントローラ100からコースト回生制動トルク減少制御時のコースト回生制動トルクの減少量を入手し(ステップS108)、このコースト回生制動トルクの減少量分だけ、摩擦制動トルクを増加させる(ステップS109)ことを特徴とする。
したがって、回生協調制御の回生制動トルクをブレーキコントローラ101で演算し、コースト回生制動トルクを車両制御手段としての統合コントローラ100が演算する構成であっても、統合コントローラ100で演算したコースト回生制動トルクの減少量をブレーキコントローラ101が入手することができる。これによって、ブレーキコントローラ101がコースト回生制動トルクの減少分を摩擦制動トルクにより補填でき、コースト回生制動トルク減少制御の実施前後で、車両の総制動トルクが変化しないようにすることが可能となる。
摩擦制動装置としての液圧ブレーキ装置1の操作状態を検出するブレーキ操作状態検出手段としてのストロークセンサ94を備え、
摩擦ブレーキ制御装置としてのブレーキコントローラ101は、ブレーキ液圧発生装置10の操作時に、ブレーキ操作状態検出手段の検出に基づいてドライバ要求総制動トルクを求め(ステップS102)、回生ブレーキ装置50による回生協調制動トルクと、液圧ブレーキ装置1による摩擦制動トルクと、によりドライバ要求総制動トルクを得る回生協調制動制御を実行し(ステップS103、S104)、かつ、ブレーキコントローラ101は、車両制御手段としての統合コントローラ100によるコースト回生制動制御時に、スリップ率が、予め設定された回生協調制動用閾値(本実施の形態1では、回生協調制動用閾値として、コースト回生制動トルク減少制御用の閾値αを用いている)を超えた時点で、回生協調制動トルクを減少させる回生協調制動トルク減少処理を行なう(ステップS107)ことを特徴とする。
したがって、高い応答性で駆動輪(左右前輪FLW,FRW)に作用する制動トルクを低減させてスリップを抑制することができる。加えて、これにより、ABS制御の早期作動および単発作動が実行されることを抑制することができる。
回生協調制動用閾値を、コースト回生制動トルク減少制御の実行を判定する設定値としたことを特徴とする。
したがって、上記c)で説明したように、駆動輪(左右前輪FLW,FRW)のスリップ率が、回生協調制動用閾値かつ設定値に達した時点で、回生協調制動トルクの低減と、コースト回生制動トルク減少制御とが実施される。
よって、駆動輪(左右前輪FLW,FRW)のスリップを、さらに早期に低減できる。
具体的には、ドライバが制動操作を行っていない低μ路におけるコースト回生制動中に駆動輪(左右前輪FLW,FRW)のスリップが発生した場合にも適用することができる。
この場合、図4のフローチャートにおいて、ステップS101、S102、S103、S104、およびS107を省略することにより、上記制御を実施できる。また、この場合、ステップS109では、VDCブレーキ液圧ユニット2を用いて、コースト制動トルク減少分に相当するホイールシリンダ液圧PW/CYLを発生させ、摩擦制動トルクで補填することができる。
次に、実施の形態2の制動制御装置について説明する。
なお、実施の形態2は、実施の形態1で説明したブレーキコントローラ101による制御の一部を変更したものである。よって、実施の形態2における制御を説明するのにあたり、図7のフローチャートにより、実施の形態1と処理の異なる部分のみ説明し、実施の形態1と同じ処理については、実施の形態1と同じ符号を付けて説明を省略する。
このように、回生協調制動制御中にABS作動が実行される場合には、回生協調制動制御を解除して、ABS制御との制御干渉防止措置がとられる。
実施の形態2では、実施の形態1の説明に用いた図5に示した例と同様に、コースト回生制動制御の実行中に、ドライバがブレーキ操作を行って、駆動輪(左右前輪FLW,FRW)のスリップが生じ、スリップ率が第1閾値α1を越えた場合を説明する。
なお、この時点で、統合コントローラ100は、スリップ率が設定値(=α1)を越えていることにより、コースト回生制動トルク減少制御を実行している。
加えて、第1閾値α1とABS閾値との間に第2閾値α2を設定している。そして、回生協調制動トルクの制限を行っても、回生協調制動トルクが「0」となっていない場合、駆動輪(左右前輪FLW,FRW)のスリップ率が第2閾値α2よりも低い場合には、スリップ率が抑制されているため、摩擦制動トルク補填制御を実行する。すなわち、このようにスリップ率が抑制されている場合には、摩擦制動トルク補填制御を実行しても、駆動輪(左右前輪FLW,FRW)のスリップ率が高まる可能性が低い。
一方、駆動輪(左右前輪FLW,FRW)のスリップ率が第2閾値α2よりも高い場合には、スリップ抑制が不十分であるとして、摩擦制動トルク補填制御をキャンセルし、この摩擦制動トルク補填制御によりスリップ率がさらに増加するのを抑える。
実施の形態2の制動制御装置にあっては、下記に列挙する効果を得ることができる。
e)実施の形態2の制動制御装置は、
ブレーキ制御手段としてのブレーキコントローラ101は、回生協調制動用閾値としての第1閾値α1と、この第1閾値α1よりも大きくABS制御の開始を判定するABS閾値よりも小さな値に設定された第2閾値α2と、が設定され、かつ、車両制御手段としての統合コントローラ100によるコースト回生制動制御時に、駆動輪(左右前輪FLW,FRW)のスリップ率が、第1閾値α1を越えた時点で、回生協調制動トルク減少処理を実行し、その後、回生協調制動トルクが0となるか、スリップ率が第2閾値α2よりも小さい場合に、摩擦制動トルク補填制御を実行することを特徴とする。
したがって、上記c)で説明したように、駆動輪(左右前輪FLW,FRW)のスリップ率が、第1閾値α1を越えた時点で、回生協調制動トルク減少処理を実行するため、早期に回生協調制動トルクを低減して、駆動輪FLW,FRWのスリップを早期に低減できる。
加えて、第1閾値α1とABS閾値との間に第2閾値α2を設定し、回生協調制動トルク減少処理の実行後、回生協調制動トルクが0となるか、スリップ率が第2閾値α2よりも小さい場合に、摩擦制動トルク補填制御を実行するようにした。このため、回生協調制動トルクの制限により回生協調制動トルクが「0」になっている場合は、摩擦制動トルク補填制御を実行して総制動トルクの確保を行なうことにより、総制動トルク不足を抑制できる。
また、回生協調制動トルクの制限を行なっても回生協調制動トルクが「0」になっていない場合は、スリップ率に応じ、スリップ率が第2閾値α2を超えていない(スリップが抑制されている)場合には、摩擦制動トルク補填制御を実行する。したがって、摩擦制動トルク補填制御を実行し、駆動輪(左右前輪FLW,FRW)における制動トルクが増しても、スリップが生じるのを抑えることができる。
回生協調制動トルクの制限を行なっても回生協調制動トルクが「0」になっていない場合に、スリップ率が第2閾値α2を超えている場合には、摩擦制動トルク補填制御をキャンセルするようにした。
このように、スリップ率が第2閾値α2を超えている場合には、摩擦制動トルク補填制御をキャンセルすることにより、駆動輪(左右前輪FLW,FRW)に摩擦制動トルクが補填されることによるスリップ増加を抑えることができる。
上記e)のように、回生協調制動トルクの制限を行なっても回生協調制動トルクが「0」になっていない場合に、スリップ率が第2閾値α2を超えている場合には、摩擦制動トルク補填制御をキャンセルした後、さらに、スリップ率をABS閾値と比較して、ABS制御判定を行うようにしたことを特徴とする。
したがって、スリップ率が第2閾値α2を超えている場合に、即座にABS制御判定を行うことにより、駆動輪(左右前輪FLW,FRW)のスリップを抑えることができる。
上記f)のようにABS制御判定を行って、スリップ率がABS閾値を越えている場合には、即座に回生協調制動制御を解除するようにした。
これにより、回生協調制動制御中にABS作動が実行される場合には、回生協調制動制御を解除することにより、ABS制御との制御干渉防止措置がとられる。
同様に、実施の形態2では、回生協調制動用閾値としての第1閾値を、コースト回生制動トルク減少制御の判定用の設定値と同値とした例を示した。しかし、この場合も、上記と同様に、第1閾値を設定値よりも低い値とすることも可能である。さらに、この場合、第2閾値をコースト回生制動トルク減少制御の判定用の設定値と同値とすることもできる。また、第1閾値を設定値よりも低い値とした場合、スリップ率が設定値を超えず、コースト回生制動トルク減少制御が実施されない場合もあるが、上記のように、この場合にステップS108に進んだ場合、コースト回生制動トルク減少分が読み込めないことにより、ステップS109の摩擦制動トルクの補填をキャンセルするようにしてもよい。
2 VDCブレーキ液圧ユニット(摩擦制動装置)
5 走行用電動モータ
10 ブレーキ液圧発生装置(摩擦制動装置)
30 バッテリ
50 回生ブレーキ装置
90 センサ群
92 車輪速センサ
93 ブレーキスイッチ(ブレーキ操作状態検出手段)
94 ストロークセンサ(ブレーキ操作状態検出手段)
100 統合コントローラ(車両制御装置)
101 ブレーキコントローラ(ブレーキ制御手段)
102 バッテリコントローラ
103 モータコントローラ
104 インバータ
Claims (4)
- 車両の駆動輪および従動輪に摩擦制動トルクを発生させる摩擦制動装置と、
前記駆動輪に回生制動トルクを発生させる回生ブレーキ装置と、
前記駆動輪のスリップ状態を検出するスリップ検出手段と、
前記摩擦制動装置の操作状態を検出するブレーキ操作状態検出手段と、
車両のコースト走行時に、前記回生ブレーキ装置によりコースト回生制動トルクを発生させるコースト回生制動制御を実行し、かつ、このコースト回生制動制御の実行時に、前記駆動輪の設定値を越えるスリップが検出された場合に、前記コースト回生制動トルクを減少させるコースト回生制動トルク減少制御を実行する車両制御手段と、
前記スリップ検出による前記コースト回生制動トルク減少制御の実行時に、前記摩擦制動装置の摩擦制動トルクを増加させる摩擦制動トルク補填制御を実行するブレーキ制御手段と、
を備え、
前記ブレーキ制御手段は、前記摩擦制動装置の操作状態検出時に、前記操作状態に基づいてドライバ要求総制動トルクを求め、前記回生ブレーキ装置による回生協調制動トルクと、前記摩擦制動装置による摩擦制動トルクと、によりドライバ要求総制動トルクを得る回生協調制動制御を実行し、かつ、前記ブレーキ制御手段は、前記車両制御手段によるコースト回生制動制御時に、前記駆動輪のスリップ率が予め設定された回生協調制動用閾値を超えた時点で、前記回生協調制動トルクを減少させる回生協調制動トルク減少処理を行い、
さらに、前記ブレーキ制御手段は、前記回生協調制動用閾値としての第1閾値と、この第1閾値よりも大きくABS制御の開始を判定するABS閾値よりも小さな値に設定された第2閾値と、が設定され、かつ、前記車両制御手段によるコースト回生制動制御時に、前記スリップ率が、前記第1閾値を越えた時点で、前記回生協調制動トルク減少処理を実行し、その後、前記回生協調制動トルクが0となるか、前記スリップ率が前記第2閾値よりも小さい場合に、前記摩擦制動トルク補填制御を実行することを特徴とする制動制御装置。 - 請求項1に記載の制動制御装置において、
前記ブレーキ制御手段は、摩擦制動トルク補填制御の実行時には、前記コースト回生制動トルクの減少量分だけ、前記摩擦制動トルクを増加させることを特徴とする制動制御装置。 - 請求項1または請求項2に記載の制動制御装置において、
前記回生協調制動用閾値としての第1閾値を、前記コースト回生制動トルク減少制御の実行を判定する前記設定値としたことを特徴とする制動制御装置。 - 請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の制動制御装置において、
前記ブレーキ制御手段は、前記回生協調制動トルク減少処理を実行した後、前記回生協調制動トルクが0よりも大きく、かつ、前記スリップ率が前記第2閾値よりも大きい場合に、前記スリップ率に基づいてABS制御判定を行い、ABS制御を実行する場合には、前記回生協調制動制御を解除することを特徴とする制動制御装置。
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