JP6056339B2 - ブレーキ制御装置 - Google Patents

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Description

本発明は、運転者のブレーキ操作に応じて、マスタシリンダ液圧による操作応答制動力とポンプアップ液圧によるポンプアップ制動力と回生ブレーキ装置による回生制動力とを協調させてブレーキ操作に応じた総合制動力を発生させるブレーキ制御装置に関する。
従来、運転者のブレーキ操作に応じて、マスタシリンダ液圧による操作応答制動力とポンプアップ液圧によるポンプアップ制動力と回生ブレーキ装置による回生制動力とを協調させるブレーキ制御装置が知られている(例えば、特許文献1参照)。
この従来技術では、ブレーキ操作時に、ピストンストロークがブレーキ操作開始時点の初期位置からあらかじめ設定された抑制範囲設定位置に達するまでの間の液圧発生抑制領域では、マスタシリンダ液圧が発生しないようにしている。そして、この液圧発生抑制領域では、回生制動力を発生させるとともにその不足分をポンプアップ液圧により補ってブレーキ操作状態に応じた総合制動力を得るようにしている。
特開2006−96218号公報
しかしながら、従来の車両用ブレーキ装置にあっては、ペダルフィールの悪化が発生しないように回生制動力の増加勾配が一定に設定されていた。
このため、ブレーキペダルの踏込速度が速い場合や、ブレーキ操作に応じた制動力が大きい場合などでは、ポンプアップ液圧に応答遅れが生じ、その分、総合制動力がブレーキ操作に応じた制動力に満たないことがあった。これにより、運転者に違和感を与えるおそれがあった。
本発明は、上記問題に着目してなされたもので、制動力不足の発生を抑制し、ペダルフィールの違和感を緩和することができるブレーキ制御装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明のブレーキ制御装置は、
運転者のブレーキ操作時に、ブレーキ操作状態に応じ、マスタシリンダによる操作対応制動力と回生ブレーキ装置にて発生させる回生制動力とポンプアップ液圧発生装置によるポンプアップ制動力とを協調させて、ブレーキ操作状態に応じた総合制動力を発生させる制御手段と、
この制御手段に含まれ、回生制動力の増加勾配をあらかじめ設定された範囲内に制限して設定し、かつ、ピストンストロークの液圧発生抑制領域では、非液圧発生抑制領域に対して、前記増加勾配の制限を緩和して設定可能とした回生制動力増加特性設定手段と、
を備えていることを特徴とする。
本発明のブレーキ制御装置では、ピストンストロークの液圧発生抑制領域では、非液圧発生抑制領域と比較して、回生制動力の増加勾配の制限を緩和して設定可能とした。このため、本発明では、液圧発生抑制領域において、回生制動力の増加勾配の制限を緩和せずに増加勾配を設定するものと比較して、この制限を緩和した分だけ、回生制動力を大きく設定可能である。
したがって、液圧発生抑制領域では、増加勾配の制限を緩和しないものと比較して、総合制動力における回生制動力の配分を増加させる一方、ポンプアップ制動力の配分を減らすことが可能になる。よって、ポンプアップ液圧の応答性不足による総合制動力不足を抑制することが可能となる。また、このような制動力不足などにより運転者に違和感を与えることを緩和することができる。
実施の形態1のブレーキ制御装置を適用した前輪駆動によるハイブリッド車の構成を示すブレーキシステム図である。 実施の形態1のブレーキ制御装置におけるVDCブレーキ液圧ユニットを示すブレーキ液圧回路図である。 実施の形態1のブレーキ制御装置の総合コントローラにて実行される総合制動力制御処理の流れを示すフローチャートである。 実施の形態1のブレーキ制御装置のモータコントローラにて実行される回生制動力増加特性設定制御処理の流れを示すフローチャートである。 ペダルストローク速度に対する回生制動力の増加勾配が設定された回生制動力増加勾配算出マップを示す回生制動力増加勾配特性図である。 ペダルストローク速度が速いときに、ペダルストロークに対してマスタシリンダ液圧が発生しにくくなるメカニズムを示すメカニズム説明図である。 ペダルストローク(ブレーキ操作状態)に応じたドライバ要求制動力およびマスタシリンダ液圧の関係を示す制動力特性図である。 総合制動力における操作応答制動力とポンプアップ制動力と回生制動力との関係を示す制動力特性図である。 比較例の課題および実施の形態1による効果を説明するためのペダルストロークに対する回生制動力、ポンプアップによる液圧、マスタシリンダ液圧、総合制動力の各特性を示すタイムチャートである。
以下、本発明のブレーキ制御装置を実現する最良の形態を、図面に示す実施の形態1に基づいて説明する。
まず、実施の形態1のブレーキ制御装置の構成を説明する。
実施の形態1のブレーキ制御装置の構成を、「全体システム構成」、「VDCブレーキ液圧ユニット構成」、「ポンプアップ液圧制御構成」「回生ブレーキ装置」に分けて説明する。
[全体システム構成]
図1は、実施の形態1のブレーキ制御装置を適用した前輪駆動によるハイブリッド車の構成を示す。以下、図1に基づき、VDCを利用したブレーキ制御装置の全体構成を説明する。
実施の形態1のブレーキ制御装置の制動力発生系は、ブレーキ液圧発生装置1と、VDCブレーキ液圧ユニット2(ポンプアップ液圧発生装置)と、左前輪ホイールシリンダ4FLと、右前輪ホイールシリンダ4FRと、左後輪ホイールシリンダ4RLと、右後輪ホイールシリンダ4RRと、回生ブレーキ装置50と、を備えている。
すなわち、実施の形態1のブレーキ制御装置は、既存のVDCシステム(VDCは、「Vehicle Dynamics Control」の略)を利用したブレーキシステムによる構成としている。なお、VDCシステムとは、高速でのコーナ進入や急激なハンドル操作などによって車両姿勢が乱れた際、横滑りを防ぎ、優れた走行安定性を担保する車両挙動制御(=VDC制御)を行うシステムである。
ブレーキ液圧発生装置1は、ドライバによるブレーキ操作に応じて前後輪の各輪に付与するマスタシリンダ液圧(操作対応液圧)を発生する。このブレーキ液圧発生装置1は、ブレーキペダル15と、負圧ブースタ12と、マスタシリンダ13と、リザーバ14と、を有する。つまり、ブレーキペダル15に加えられたドライバのブレーキ踏力を、負圧ブースタ12により倍力し、マスタシリンダ13のプライマリピストンとセカンダリピストンによりマスタシリンダ液圧(プライマリ液圧とセカンダリ液圧)を作り出す。なお、図6(b)(d)では、プライマリピストンとセカンダリピストンとして概念的に1つのピストン13bのみを図示している。
図1に戻り、VDCブレーキ液圧ユニット2は、ブレーキ液圧発生装置1と各ホイールシリンダ4FL,4FR,4RL,4RRとを連結する液圧系に配置される。このVDCブレーキ液圧ユニット2は、VDCモータ21により駆動する液圧ポンプ22,22(図2参照)を有し、ホイールシリンダ液圧PW/CYLの増圧・保持・減圧を制御すると共に、マスタシリンダ液圧の発生の有無にかかわらずポンプアップ液圧を発生するポンプアップ液圧発生装置である。そして、VDCブレーキ液圧ユニット2とブレーキ液圧発生装置1とは、プライマリ液圧管61とセカンダリ液圧管62により接続されている。VDCブレーキ液圧ユニット2と各ホイールシリンダ4FL,4FR,4RL,4RRとは、左前輪液圧管63と右前輪液圧管64と左後輪液圧管65と右後輪液圧管66により接続されている。
ストロークセンサ3(ブレーキ操作状態検出手段)は、ドライバによるブレーキペダル操作量をポテンショメータ等により検出する手段である。このストロークセンサ3は、例えば、回生協調ブレーキ制御を行う際に必要情報であるドライバ要求制動力を検出する構成として、既存のVDCシステムに対して追加された部品である。
各ホイールシリンダ4FL,4FR,4RL,4RRは、前後各輪のブレーキディスクに設定され、VDCブレーキ液圧ユニット2からの液圧が印加される。そして、各ホイールシリンダ4FL,4FR,4RL,4RRへの液圧印加時、ブレーキパッドによりブレーキディスクを挟圧することにより、前後輪に液圧制動力を付与する。
[回生ブレーキ装置]
走行用電動モータ5は、左右前輪(駆動輪)の走行用駆動源として設けられ、駆動モータ機能と発電ジェネレータ機能を持つ。この走行用電動モータ5は、力行時、バッテリ電力を吸込み消費しながらのモータ駆動により、左右前輪へ駆動力を伝達する。そして、回生時、左右前輪の回転駆動に負荷を与えることで電気エネルギに変換し、発電分をバッテリへ充電する。つまり、左右前輪の回転駆動に与える負荷が、回生制動力となる。したがって、この走行用電動モータ5およびその回生制動力を制御するモータコントローラ103により回生ブレーキ装置50が構成されている。
走行用電動モータ5が設けられる左右前輪(駆動輪)の駆動系には、走行用電動モータ5以外に、走行用駆動源としてエンジン10が設けられ、変速機11を介して左右前輪へ駆動力を伝達する。
実施の形態1のブレーキ制御装置の制動力制御系は、ブレーキコントローラ101と、モータコントローラ103と、統合コントローラ100と、エンジンコントローラ102と、を備えている。
ブレーキコントローラ101は、統合コントローラ100からの指令とVDCブレーキ液圧ユニット2のマスタシリンダ液圧センサ(ブレーキ操作状態検出手段)24(図2参照)からの圧力情報を入力する。そして、所定の制御則にしたがって、VDCブレーキ液圧ユニット2のVDCモータ21と、後述する図2に示すソレノイドバルブ類25,26,27,28に対し駆動指令を出力する。
図1に戻り、モータコントローラ103は、駆動輪である左右前輪に連結された走行用電動モータ5にインバータ104を介して接続される。そして、ブレーキ制御時、統合コントローラ100から回生分指令を入力すると、走行用電動モータ5により発生する回生制動力を入力された回生分指令に応じて制御する。このモータコントローラ103は、走行時、走行状態や車両状態に応じて走行用電動モータ5により発生するモータトルクやモータ回転数を制御する機能も併せ持つ。
統合コントローラ100は、回生協調ブレーキ制御時等において、ドライバ要求制動力を得るようにブレーキコントローラ101とモータコントローラ103を統合して制御する手段である。この統合コントローラ100には、バッテリコントローラ91からのバッテリ充電容量情報、車速センサ92からの車速情報、ブレーキスイッチ93からのブレーキ操作情報、ストロークセンサ3からのペダルストローク情報、マスタシリンダ液圧センサ24からのマスタシリンダ液圧情報、等が入力される。なお、車速センサ92としては、極低車速域までの車速検出が可能な車輪速回転数センサが用いられる。そして、車輪速回転数を時間微分演算処理することで、実減速度を求める。
[マスタシリンダ構成]
ここで、マスタシリンダ13の構成について説明を加える。
マスタシリンダ13は、図6(b)(d)に示すリザーバポート13aを介してリザーバ14に連通されている。したがって、ブレーキペダル15を踏み込んだ際に、これに連動するピストン13bがマスタシリンダ13の奥側へストロークして、リザーバポート13aが塞がれた時点から、操作対応液圧としてのマスタシリンダ液圧PM/CYLが立ち上がるようになっている。よって、マスタシリンダ13およびリザーバポート13aの配置に基づいて、操作対応液圧発生抑制手段が構成される。
図6(b)において、実線で示すピストン13bの位置が、ブレーキペダル15のブレーキ操作開始時点の初期位置STである。一方、図6(b)において二点鎖線で示すピストン13bの位置が、リザーバポート13aを閉塞する位置であって、これがマスタシリンダ液圧PM/CYLの発生を抑制する範囲の終端位置である抑制範囲設定位置STlimに相当する。
したがって、本実施の形態1では、ブレーキペダル15を踏み込んだ際には、その踏込初期の、ペダルストロークS(=ピストンストローク)が、液圧発生抑制領域LTに相当する領域では、マスタシリンダ液圧PM/CYLの発生が抑制(本実施の形態1では、=0)される。
そして、図7の制動力特性図に示すように、ペダルストロークS(=ピストンストローク)が、抑制範囲設定位置STlimを越えて非液圧発生抑制領域に入った時点から、マスタシリンダ液圧PM/CYLが立ち上がる。
なお、このマスタシリンダ液圧PM/CYLの発生抑制は、ペダルストローク速度が相対的に低く、リザーバポート13aにおいてブレーキ液の液流が生じる場合に、顕著に行うことができる。一方、ペダルストローク速度が相対的に高くなると、リザーバポート13aにおける液流が制限され、上述の液圧発生抑制が抑えられて液圧発生抑制領域LTであってもマスタシリンダ液圧PM/CYLが発生する。
[VDCブレーキ液圧ユニット構成]
図2は、ポンプアップ液圧発生装置の一例であるVDCブレーキ液圧ユニット2を示す。以下、図2に基づいて、VDCブレーキ液圧ユニット2の具体的構成を説明する。
VDCブレーキ液圧ユニット2は、ブレーキコントローラ101(図1参照)からの指令に基づいて、ポンプアップ液圧を発生する制御を行う。このVDCブレーキ液圧ユニット2は、VDCモータ21と、VDCモータ21により駆動する液圧ポンプ22,22と、低圧リザーバ23,23と、マスタシリンダ液圧センサ24と、を有する。ソレノイドバルブ類として、第1M/Cカットソレノイドバルブ25と、第2M/Cカットソレノイドバルブ26と、保持ソレノイドバルブ27,27,27,27と、減圧ソレノイドバルブ28,28,28,28と、を有する。
第1M/Cカットソレノイドバルブ25と前記第2M/Cカットソレノイドバルブ26は、差圧弁であり、VDCモータ21によるポンプ駆動時、ホイールシリンダ液圧PW/CYL(下流圧)とマスタシリンダ液圧PM/CYL(上流圧)の差圧(=ポンプアップ液圧)を制御する。
つまり、制動力制御時にブレーキコントローラ101(図1参照)からポンプアップ液圧指令が出力されると、VDCモータ21によるポンプアップ昇圧と、第1M/Cカットソレノイドバルブ25と第2M/Cカットソレノイドバルブ26への作動電流値による差圧コントロールと、によりポンプアップ液圧制御を行う。
保持ソレノイドバルブ27,27,27,27(IN弁)と減圧ソレノイドバルブ28,28,28,28(OUT弁)は、各ホイールシリンダ4FL,4FR,4RL,4RRへのホイールシリンダ液圧PW/CYLを各輪独立で制御する。そして、VDCブレーキ液圧ユニット2は、上記ポンプアップ液圧制御以外に、VDC制御、TCS制御、ABS制御、回生協調ブレーキ制御、前後輪制動力配分制御、等を行う。
[ドライバ要求制動力制御]
図3は、実施の形態1のブレーキ制御装置におけるブレーキコントローラ101で実行されるドライバ要求制動力制御の流れを示す。この処理は、ブレーキ操作の開始をブレーキスイッチ93から入力すると開始される。
ステップS1では、ストロークセンサ3からのストローク信号およびマスタシリンダ液圧センサ24からのマスタシリンダ液圧PM/CYLを読み込み、これに基づいてドライバ要求制動力を求める。
ステップS2では、バッテリコントローラ91からのバッテリ充電容量やバッテリ温度などのバッテリ情報や、車速センサ92からの車速情報に基づいて、回生制動可能か否か判定し、回生制動可能な場合はステップS3に進み、回生制動が不可能な場合はステップS6に進む。なお、回生制動不可能な場合は、例えば、バッテリSOCが上限値を越えている満充電状態である場合や、バッテリ温度があらかじめ設定された上限温度よりも高い場合や、車速が設定車速域よりも低くいあるいは高い場合などである。
ステップS2において回生制動可能と判定された場合に進むステップS3では、車速などに基づいて目標回生制動力を演算した後、ステップS4に進む。なお、このステップS3における目標回生制動力の演算は、モータコントローラ103内の図5に示す回生制動力指令値演算部103aにて行われるが、これに先立ち、モータコントローラ103では、ブレーキペダル操作に応じて回生制動力増加特性設定制御を実施する。この回生制動力増加特性設定制御については後述する。
そして、ステップS4では、ステップS1で得られたドライバ要求制動力を得るのに必要なポンプアップ制動力を求めた後、ステップS5に進む。ここで、ポンプアップ制動力は、ドライバ要求制動力から目標回生制動力および操作対応制動力としてのマスタシリンダ液圧PM/CYLにより得られる制動力を差し引いた値となる。
ステップS5では、モータコントローラ103の制御に基づく走行用電動モータ5の回生発電により目標回生制動力を発生させ、かつ、必要であればVDCブレーキ液圧ユニット2により目標ポンプアップ制動力を発生させ、エンドに進む。
一方、ステップS2において回生不可能(NO)と判定された場合に進むステップS6では、ポンプアップ制動力を演算した後、ステップS7に進む。このステップS6では、ポンプアップ制動力は、ドライバ要求制動力から操作対応制動力としてのマスタシリンダ液圧PM/CYLにより得られる制動力を差し引いた値となる。
[回生制動力増加特性設定制御]
図4は、ステップS3において目標回生制動力を求めるのにあたり、回生制動力の増加勾配を設定する回生制動力増加特性設定制御の流れを示すフローチャートであって、モータコントローラ103にて実行される。
ステップS41では、ストロークセンサ3からのペダルストロークSが示すピストンストロークが、マスタシリンダ13の抑制範囲設定位置STlimに到達する前の液圧発生抑制領域LT内か否かを判断する。YES(S<STlim)の場合はステップS42へ進み、NO(S≧STlim)の場合はステップS43へ進む。
ステップS42では、ステップS41でのS<STlimであるとの判断に続き、図5に示す回生制動力増加勾配算出マップにペダルストロークSとマスタシリンダ液圧PM/CYLを入力し、回生制動力増加勾配を算出した後、エンドに進む。
ここで、回生制動力増加勾配マップは、図5において実線で示すように、ペダルストローク速度に比例して、ペダルストローク速度が速いほど、回生制動力の増加勾配が急になる勾配上限非制限特性が設定されている。
また、回生制動力増加勾配マップには、図5において点線で示すように増加勾配の上限が設定された勾配上限制限特性が設定されており、この勾配上限制限特性では、ペダルストローク速度が設定速度以上の領域では、増加勾配は一定に設定される。なお、この勾配上限制限特性が、従来から使用されている増加勾配特性と同様の特性である。
ステップS41にてS≧STlimの場合に進むステップS43では、増加勾配を、図5において点線により示す制限特性に基づいて設定する。
なお、本実施の形態1では、ペダルストローク速度は、その速度の高低に応じ、ペダルストロークSの微分値と、ペダルストロークSが抑制範囲設定位置STlimに達した時点でのマスタシリンダ液圧PM/CYLと、を選択的に用いる。
すなわち、ブレーキペダル15を踏込速度が相対的に低い場合、マスタシリンダ液圧PM/CYLが立ち上がることなく、ペダルストロークSの微分値が立ち上がる。したがって、この場合には、ペダルストロークSの微分値をペダルストローク速度として用いる。
一方、ブレーキペダル15を踏込速度が相対的に高い場合、マスタシリンダ液圧PM/CYLが立ち上がり、かつ、ペダルストロークSの微分値も立ち上がる。よって、マスタシリンダ液圧PM/CYLとペダルストロークSの微分値との一方、あるいは、両方が、あらかじめ設定された値よりも高い場合には、ペダルストローク速度として、マスタシリンダ液圧PM/CYLに基づく値を用いる。この場合、マスタシリンダ液圧PM/CYLが高いほどペダルストローク速度が速いと判断する。
(実施の形態1の作用)
次に、実施の形態1のブレーキ制御装置の作用を説明する。
まず、制動操作に伴い発生する要求制動力と、回生制動力およびポンプアップ制動力との関係について説明する。
運転者のブレーキペダル15の操作は、運転者が要求する減速度であるドライバ要求制動力を表す。
この操作に対し、ブレーキペダル15の踏込速度が遅い場合は、図7に示すように、本実施の形態1では、マスタシリンダ液圧PM/CYLは、ペダルストロークSが抑制範囲設定位置STlimに達した時点から立ち上がる。
このペダルストロークSが抑制範囲設定位置STlimに達するまでの間は、ドライバ要求制動力は、走行用電動モータ5による回生制動力とVDCブレーキ液圧ユニット2によるポンプアップ制動力とのいずれか一方あるいは両方によるベース制動力により得る。
これを示すのが図8であり、総合制動力は、ペダルストロークSが抑制範囲設定位置STlimに達してリザーバポート13aが閉塞されるまでの液圧発生抑制領域LTでは、回生制動力およびポンプアップ制動力による摩擦制動力により、ベース制動力を確保する。この場合、回生制動力およびポンプアップ制動による摩擦制動力は、ブレーキペダル15のペダルストロークSに応じた操作対応制動力(ドライバ要求制動力)に相当する分を発生させる。
その後、マスタシリンダ液圧PM/CYLが立ち上がると、それまでのベース制動力にマスタシリンダ液圧PM/CYLによる操作対応制動力を上乗せする。また、ブレーキ操作により車速が低下すると、回生制動力を得ることが難しくなるため、ベース制動力では、時間経過に伴い、回生制動力の配分を低下させ、ポンプアップ制動力による摩擦制動力の配分を高める。
[比較例のポンプアップ液圧制御における課題]
ここで、従来の問題点について説明を加える。
従来、図8に示す回生制動力の増加勾配は、ペダルフィールを考慮して、その上限が一定に設定されていた。
一方、既存のコンベンショナルVDCによるブレーキシステムにおいて、ポンプアップ液圧制御を行った場合、以下に述べるように、特に、ブレーキペダル15の急な踏込時などに、ポンプアップ液圧指令に対する液圧応答速度が追従できない場合があった。このため、図8においてベース制動力を発生する領域において、この液圧応答速度の遅れ分の制動トルクが不足する場合があった。
すなわち、ブレーキペダル踏込速度が速く、ポンプアップ指令値に対し液圧応答速度が追いつかない場合、リザーバポート13aを塞いだ後のペダルストローク域(非液圧発生抑制領域)において、ピストン13bが押し出したブレーキ液がポンプアップ動作により吸込み消費される。このポンプアップ動作によるマスタシリンダ側からのブレーキ液の吸込み消費により、ペダルストロークSに対しマスタシリンダ液圧PM/CYLが上昇しにくくなる。以下、このメカニズムを図6に基づき説明する。
まず、ブレーキペダル踏込速度が速いとき、図6(a)に示すように、ポンプアップ液圧によりホイールシリンダ液圧PW/CYLを上昇させる。しかし、このとき、リザーバポート13aまでのペダルストローク域(液圧発生抑制領域LT)において、応答遅れが発生して、ポンプアップ指令値とポンプアップ液圧実値が乖離する。
その後、ペダルストロークSがリザーバポート13a(抑制範囲設定位置STlim)に到達し、ピストン13bがリザーバポート13aを閉鎖すると、液圧ポンプ22は、図6(b)に示すように、リザーバ14からブレーキ液を吸えなくなる。このため、ペダルストロークSが抑制範囲設定位置STlimを通過した後に、図6(c)に示すように、抑制範囲設定位置STlimまでと同様に、ポンプアップ指令値に対し応答遅れを持ちながらポンプアップ液圧実値が上昇する。このペダルストロークSが抑制範囲設定位置STlimを通過した後には、図6(d)に示すように、ピストン13bで押し出したブレーキ液の一部BEがポンプアップ動作により吸込み消費される。このブレーキ液の一部BEが消費されることにより、ペダルストロークSに対しホイールシリンダ液圧PW/CYLが上昇しにくくなる。
このため、図8に示すベース制動力を、回生制動力とポンプアップ制動力とによる摩擦トルクとにより得る踏込初期の液圧発生抑制領域LTにおいて、ポンプアップ制動力が不足し、ドライバ要求制動力に対して実制動力が不足する場合があった。
これを図9により説明すると、この図9において、二点鎖線は、それぞれ、上記の比較例における回生制動力、ポンプアップ液圧、マスタシリンダ液圧PM/CYL、総合制動力を示している。
回生制動力は、増圧勾配の上限に設定され、その上限の増加勾配で上昇する。
ポンプアップ液圧は、ペダルストロークS(=ピストンストローク)の立ち上がりと共に上昇し、抑制範囲設定位置STlimに達してリザーバポート13aが閉鎖された後は、リザーバ14からの吸込ができなくなり、増加が抑制される。
マスタシリンダ液圧PM/CYLは、ブレーキペダル15の急踏みの場合は、ペダルストロークSの立ち上がりと共に上昇する。そして、抑制範囲設定位置STlimに達した後は、上述のようにブレーキ液の一部BEがポンプアップ動作により吸込み消費されるため、上昇が抑制され、段付が生じている。
このため、総合制動力においても、図示のような段付が生じている。なお、総合制動力を示す特性図において点線は、操作対応制動力に相当するマスタシリンダ液圧PM/CYLにおいて、上記の吸込消費が無い場合の本来の操作に対応する立ち上がりを示している。
このように総合制動力不足が生じた場合、ドライバに対し、ブレーキ操作と実際に発生している制動力とに差が生じ、違和感を与えるおそれがある。加えて、マスタシリンダ液圧PM/CYLに段付が生じることによって、ドライバが感じる踏込反力に変化が生じ、これによっても、違和感を与えるおそれがあった、
[回生制動力増加特性設定制御の作用]
上記比較例の課題に対し、本実施の形態1では、ブレーキペダル操作に応じた回生制動力増加特性設定制御を行った場合の作用を説明する。
すなわち、本実施の形態1では、踏込初期のペダルストロークSが抑制範囲設定位置STlimに満たない液圧発生抑制領域LTでは、図5に示すように、ペダルストローク速度に応じ、ペダルストローク速度が高いほど増加勾配を急に設定する。
このため、ブレーキペダル15の急踏み込み時には、回生制動力は、図9において実線で示すように、比較例において制限された上限の増加勾配よりも急な立ち上がりとなる。これにより、ベース制動力を形成するのにあたり、ドライバ要求制動力に対する回生制動力の割合が多くなり、そのため、ポンプアップ制動力は小さくなる。すなわち、図9に示す例では、ポンプアップ制動力は、0となっている。
このようにポンプアップ液圧が形成されないため、マスタシリンダ液圧PM/CYLが立ち上がった後に、ポンプアップ動作によりブレーキ液の一部BEが吸込費されることが無くなり、マスタシリンダ液圧PM/CYLの上昇に段付が生じるのが抑えられる。
よって、総合制動力にあっても、比較例のようなマスタシリンダ液圧PM/CYLの段付を原因とした、総合制動力の段付の発生が抑制される。
以上のように、実施の形態1のブレーキ制御装置では、ブレーキペダル15の踏込初期の液圧発生抑制領域LTにおいて、ポンプアップ液圧の応答性不足を原因とするドライバ要求制動力に対する総合制動力不足を抑制可能となる。したがって、ドライバに対して、ペダル操作に対する制動力不足による違和感、およびペダル反力変化による違和感を与えることを抑制できる。
次に、効果を説明する。
実施の形態1のブレーキ制御装置にあっては、下記に列挙する効果を得ることができる。
a)実施の形態1のブレーキ制御装置は、
ブレーキ操作状態に応じたピストンストロークによりマスタシリンダ13にて操作対応液圧を発生させ、かつ、この操作対応液圧に応じた操作対応制動力を各ホイールシリンダ4FL、4FR,4RL,4RRにて発生させるブレーキ液圧発生装置1と、
このブレーキ液圧発生装置1に設けられ、ピストンストロークが、ブレーキ操作開始時点の初期位置STから、あらかじめ設定された抑制範囲設定位置STlimに達するまでの間の液圧発生抑制領域LTでは、操作対応液圧の発生を抑制する操作対応液圧発生抑制手段(マスタシリンダ13、リザーバポート13a)と、
ブレーキ操作状態を検出するブレーキ操作状態検出手段としてのストロークセンサ3およびマスタシリンダ液圧センサ24と、
ブレーキ操作状態に基づいて回生制動力を発生させる回生ブレーキ装置50と、
マスタシリンダ13と各ホイールシリンダ4FL、4FR,4RL,4RRを連結する液圧系に配置され、ブレーキ液を吸い込んで吐出する液圧ポンプ22によりポンプアップ液圧を発生させて各ホイールシリンダ4FL、4FR,4RL,4RRにポンプアップ制動力を発生させるポンプアップ液圧発生装置としてのVDCブレーキ液圧ユニット2と、
運転者のブレーキ操作時に、ブレーキ操作状態に応じ、マスタシリンダ液圧PM/CYLにより生じる操作対応制動力と回生制動力とポンプアップ制動力とを協調させて、ブレーキ操作状態に応じた総合制動力を発生させる図3のフローチャートに示す処理であるドライバ要求制動力制御を実行する制御手段としての各コントローラ100〜103と、
この制御手段としてのモータコントローラ103に含まれ、回生制動力の増加勾配をあらかじめ設定された範囲内に制限して設定し、かつ、ピストンストロークの液圧発生抑制領域LTでは、非液圧発生抑制領域に対して、増加勾配の制限を緩和して設定可能とする回生制動力増加特性設定制御(図4のフローチャートに示す処理)を実行する回生制動力増加特性設定手段と、
を備えていることを特徴とする。
したがって、ブレーキペダル15の踏込初期の液圧発生抑制領域LTにおいて、ポンプアップ液圧の応答性不足を原因とするドライバ要求制動力に対する総合制動力不足を抑制可能となる。そして、ドライバに対して、ペダル操作に対する制動力不足による違和感、およびペダル反力変化による違和感を与えることを抑制できる。
加えて、増加勾配の制限を緩和して増加勾配を急に設定した場合には、制限を緩和させない場合と比較して、回生制動力を増加させた分だけ回生率を高め、省エネルギを図ることができる。
b)実施の形態1のブレーキ制御装置では、
回生制動力増加特性設定手段としてのモータコントローラ103において回生制動力特性設定制御を実行する部分では、液圧発生抑制領域LTでは、ペダルストロークSの速度が速くなるほど増加勾配の制限を緩和させて増加勾配を急に設定可能としたことを特徴とする。
すなわち、ペダルストローク速度が高いほどポンプアップ制御による応答遅れが生じ、その分、ピストン13bが抑制範囲設定位置STlimを通過後に液圧ポンプ22に吸引されるブレーキ液量が多くなる。
そこで、ペダルストローク速度が速くなるほど、制限を緩和して増加勾配を急に設定可能とすることにより、ペダルストローク速度が速くなるほど、液圧発生抑制領域LTにおける回生制動力の配分を大きくする一方、ポンプアップ制動力の配分を低下させることが可能となる。これにより、ポンプアップ制御の応答遅れによる総合制動力不足を、よりいっそう抑制可能となる。
よって、上記a)の応答性不足による総合制動力不足をより確実に抑制可能となるとともに、運転者に与える違和感もより確実に抑制可能となる。
c)実施の形態1のブレーキ制御装置では、
ブレーキ操作状態検出手段は、ペダルストロークSが抑制範囲設定位置STlimに達した時点でのマスタシリンダ液圧PM/CYLを用い、マスタシリンダ液圧PM/CYLが高いほどペダルストローク速度が速いと判断することを特徴とする。
したがって、ブレーキ操作速度検知手段として、ストロークセンサ3の微分値を使用する場合に比べ、ノイズやサンプリング周期の影響を受けずに、ペダルストローク速度を精度良く検知することができる。
d)実施の形態1のブレーキ制御装置では、
回生制動力増加特性設定手段は、ペダルストロークSの速度が速くなるほど増加勾配を急に設定可能とするのにあたり、増加勾配をペダルストロークSの速度に一次比例させたマップを用いるようにした。
したがって、増加勾配の設定が容易である。
e)実施の形態1のブレーキ制御装置では、
ブレーキ操作状態検出手段は、ペダルストローク速度を算出するのにあたり、ブレーキペダル15の踏込速度に応じ、ペダルストロークSの微分値と、ペダルストロークSが抑制範囲設定位置STlimに達した時点でのマスタシリンダ液圧PM/CYLと、を選択的に用いるようにした。
したがって、踏込速度が設定速度よりも遅い緩い踏込時には、ペダルストロークSが液圧発生抑制領域LT内であるときから、ペダルストロークSの微分値に基づいて、適正な増加勾配を設定し、かつ、これに基づいて適正な回生制動力を算出することができる。
一方、踏込速度が設定速度よりも速い急踏込時においてピストン13bが瞬間的に液圧発生抑制領域LTを通過する場合には、上記c)のように、マスタシリンダ液圧PM/CYLを用いてペダルストローク速度を算出することにより、ノイズやサンプリング周期の影響を受けずに、ペダルストローク速度を精度良く検知することができる。
以上、本発明のブレーキ制御装置を実施の形態1に基づき説明してきたが、具体的な構成については、この実施の形態1に限られるものではなく、特許請求の範囲の各請求項に係る発明の要旨を逸脱しない限り、設計の変更や追加等は許容される。
実施の形態1では、ポンプアップ液圧発生手段として、VDCブレーキ液圧ユニットを用いる例を示した。しかしながら、ポンプアップ液圧発生手段としては、マスタシリンダとホイールシリンダを連結する液圧系に配置され、ブレーキ液を吸い込んで吐出する液圧ポンプによりポンプアップ液圧を発生する手段であれば、実施の形態1で示したVDCブレーキ液圧ユニットに限られない。
実施の形態1では、ブレーキ操作速度検知手段として、マスタシリンダ液圧センサとストロークセンサの微分値とを併用する例を示した。しかし、ブレーキ操作速度検知手段としては、いずれか一方であってもよいし、また、他にブレーキ操作速度を直接的或いは間接的に検知するものであってもよい。
実施の形態1では、回生制動増加特性設定手段は、ペダルストローク速度に一次比例して増加勾配を設定可能とする例を示したが、ペダルストローク速度が高いほど増加勾配の制限を緩和して急に設定可能であれば、これに限定されない。すなわち、本発明では、液圧発生抑制領域では非液圧発生抑制領域に比較して増加勾配の制限を緩和させて急に設定可能であれば、その設定条件は、ペダルストローク速度に限定されない。要は、ポンプアップ液圧の応答性が悪化しそうな状況に増加勾配を急にできればよいものであり、例えば、ブレーキ液の粘性が高くなる状況(例えば、低温時)において増加勾配を急に設定してもよい。
また、増加勾配を急に設定するのにあたり、ペダルストローク速度に一次比例して増加勾配を急に設定するものに限らず、段階的に傾きを変化させてもよいし、あるいは、ペダルストローク速度に応じて使用する演算式を変えて、増加勾配を急にするのにあたり、ペダルストローク速度が高い場合は、増加勾配を二次曲線的に、時間経過とともに増加の割合増すような勾配にすることも可能である。
また、実施の形態1では、操作対応制限手段として、マスタシリンダにおけるリザーバポートの配置に基づいて、液圧発生抑制領域において操作対応液圧の発生を制限するものを示したが、これに限定されない。例えば、操作対応制限手段は、マスタシリンダにおいてピストンのストローク範囲外の箇所とリザーバとを結ぶバイパス路を設けるとともに、このバイパス路を開閉する開閉弁を設け、ピストンストロークに基づいて、初期位置から抑制範囲設定位置までの間は、開閉弁を開く一方、抑制範囲設定位置を越えると開閉弁を閉じることにより、操作対応液圧の発生を制限させるようにしてもよい。
また、実施の形態1では、本発明のブレーキ制御装置を、前輪駆動のハイブリッド車へ適用した例を示した。しかし、本発明のブレーキ制御装置は、回生制動が可能な車両であれば、後輪駆動、全輪駆動のハイブリット車や、ハイブリッド車以外の電気自動車、燃料電池車あるいはエンジン車に適用することもできる。
また、実施の形態1では、マスタシリンダにおけるピストンストロークとして、ペダルストロークを用いたが、これに限定されない。すなわち、ブレーキペダル以外の操作手段や駆動手段によりピストンをストロークさせる構造であれば、その操作手段や駆動手段による動作量あるいはピストン自体のストロークを検出するようにしてもよい。
1 ブレーキ液圧発生装置
2 VDCブレーキ液圧ユニット(ポンプアップ液圧発生装置)
3 ストロークセンサ(ブレーキ操作状態検出手段)
4FL 左前輪ホイールシリンダ
4FR 右前輪ホイールシリンダ
4RL 左後輪ホイールシリンダ
4RR 右後輪ホイールシリンダ
13 マスタシリンダ(操作対応液圧発生抑制手段)
13a リザーバポート(操作対応液圧発生抑制手段)
15 ブレーキペダル
22 液圧ポンプ
24 マスタシリンダ液圧センサ(ブレーキ操作状態検出手段)
50 回生ブレーキ装置
100 統合コントローラ(制御手段)
101 ブレーキコントローラ(制御手段)
102 エンジンコントローラ(制御手段)
103 モータコントローラ(制御手段:回生制動力増加特性設定手段)
LT 液圧発生抑制領域
PM/CYL マスタシリンダ液圧
PW/CYL ホイールシリンダ液圧
S ペダルストローク
ST 初期位置
STlim 抑制範囲設定位置

Claims (1)

  1. ブレーキ操作状態に応じたピストンストロークによりマスタシリンダにて操作対応液圧を発生させ、かつ、この操作対応液圧に応じた操作対応制動力をホイールシリンダにて発生させるブレーキ液圧発生装置と、
    このブレーキ液圧発生装置に設けられ、前記ピストンストロークが、ブレーキ操作開始時点の初期位置から、あらかじめ設定された抑制範囲設定位置に達するまでの間の液圧発生抑制領域では、前記操作対応液圧の発生を抑制する操作対応液圧発生抑制手段と、
    前記ブレーキ操作状態を検出するブレーキ操作状態検出手段と、
    前記ブレーキ操作状態に基づいて回生制動力を発生させる回生ブレーキ装置と、
    前記マスタシリンダと前記ホイールシリンダを連結する液圧系に配置され、ブレーキ液を吸い込んで吐出する液圧ポンプによりポンプアップ液圧を発生させて前記ホイールシリンダにポンプアップ制動力を発生させるポンプアップ液圧発生装置と、
    運転者のブレーキ操作時に、前記ブレーキ操作状態に応じ、前記操作対応制動力と前記回生制動力と前記ポンプアップ制動力とを協調させて、前記ブレーキ操作状態に応じた総合制動力を発生させる制御手段と、
    この制御手段に含まれ、前記回生制動力の増加勾配をあらかじめ設定された範囲内に制限して設定し、かつ、前記ピストンストロークの液圧発生抑制領域では、非液圧発生抑制領域に対して、前記増加勾配の制限を緩和して設定可能とした回生制動力増加特性設定手段と、
    を備え、
    前記回生制動力増加特性設定手段は、前記液圧発生抑制領域では、前記ピストンストロークの速度が速くなるほど前記増加勾配の制限を緩和して前記増加勾配を設定可能とし
    前記ブレーキ操作状態検出手段は、前記ピストンストローク速度を、その速度の高低に応じ、設定速度よりも遅い場合はピストンストロークの微分値を用い、前記設定速度よりも速い場合は、前記ピストンストロークが前記抑制範囲設定位置に達した時点でのマスタシリンダ液圧を用い、前記マスタシリンダ液圧が高いほど前記ピストンストロークの速度が速いと判断することを特徴とするブレーキ制御装置。
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