JP4296991B2 - 車両用ブレーキ装置 - Google Patents

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本発明は、ブレーキ操作力に応じて車輪に発生させる目標制動力を液圧ブレーキ装置による液圧制動力と回生ブレーキ装置による回生制動力との和によって達成する車両用ブレーキ装置に関するものである。
電気自動車やハイブリッド車両などのような電気モータを備えた車両の多くは、エネルギを有効に利用するために、液圧ブレーキ装置の他に回生ブレーキ装置を備えている。この場合、液圧ブレーキ装置による液圧制動力と回生ブレーキ装置による回生制動力との配分を適切に協調制御することにより目標制動力を確保するとともに回生電力を十分に取得し、エネルギ効率の向上を図っている。例えば特許文献1には、ブレーキペダルを踏むペダル踏力(ブレーキ操作力)を増大させるブースタと、この増大された力に応じた液圧を発生するマスタシリンダと、このマスタシリンダの液圧がホイールシリンダに供給されて車輪に制動力を発生させるブレーキ手段とを有する液圧ブレーキ装置、および車輪に回転連結された電気モータと、車両の走行状態に応じて電気モータに回生制動力を発生させてこの電気モータが回転連結された車輪に制動力を発生させる回生制動力発生装置とを有する回生ブレーキ装置を備えた車両制動装置において、ペダル踏力に対応して設定された目標制動力を達成する際、このペダル踏力に応じて液圧ブレーキ装置が発生する基礎液圧制動力ともいえる液圧ブレーキの最小制動力を目標制動力から引いた差分が所定の回生制動力として演算され、この要求回生制動力の発生指令に基づいて回生制動力発生装置が発生した実行回生制動力を目標制動力から引いた目標液圧制動力(制御液圧制動力)を演算し、この目標液圧制動力を前記液圧ブレーキ装置が前記ペダル踏力に応じて発生するように前記倍力装置の倍力比を制御する車両用ブレーキ装置が記載されている。
特開2001−63540号公報(第5乃至7頁、図1,5,6)
一般に、車両用ブレーキ装置は、ブレーキペダルを操作するブレーキ操作力を増大させるブースタの倍力比が一定であるので、人が飛び出した場合など急制動時のように強い制動力を必要とするときに、要求通りの回生制動力が得られなくても必要な車両制動力が得られるように、倍力比をかなり大きくして液圧ブレーキ装置による液圧制動力を大きくしている。このため、ブレーキ操作力が通常の使用範囲である低領域にあるとき、ブレーキ操作力に対応して設定された目標制動力に対する回生制動力の分担割合である回生効率が低くなり、エネルギ効率の改善が求められる。特許文献1に記載されているように、エネルギ効率を改善するために、回生制動力が不足するときのみ倍力比を倍力比可変機構により高くするようにすると、倍力比可変機構の応答遅れにより効き遅れ感を生じる場合がある。また、ブレーキ操作力を増大させるブースタに倍力比可変機構を付加しなければならず、構造が複雑になりコスト高になる不具合があった。
本発明は係る従来の不具合を解消するためになされたもので、ブレーキ操作力が低領域にあるとき、ブレーキ操作力に対応する目標制動力に対する回生制動力の分担割合を向上するとともに、急制動時のブレーキの効き遅れ感を改善することである。
上記の課題を解決するため、請求項1に記載の発明の構成上の特徴は、ドライバのブレーキ操作力が低領域にあるときは低い倍力比であり、前記低領域を超えると高い倍力比となる倍力特性に従って前記ブレーキ操作力を増大する倍力装置に接続されたマスタシリンダにて同増大されたブレーキ操作力に応じた基礎液圧を発生し、同発生した基礎液圧を車輪のホイールシリンダに付与し同車輪に基礎液圧制動力を発生させる基礎液圧制動力発生装置と、モータによって回転駆動されるポンプから供給される液圧を、前記車両の走行状態に応じた制御液圧となるように、前記マスタシリンダと前記ホイールシリンダとの間に接続されたソレノイド液圧比例制御弁で制御して前記ホイールシリンダに付与し、前記車輪に制御された制御液圧制動力を発生させる制御液圧制動力発生装置と、前記ブレーキ操作力の入力があった場合に、該ブレーキ操作力に応じて前記車輪に発生させる目標制動力から該ブレーキ操作力によって前記基礎液圧制動力発生装置が前記車輪に発生させる基礎液圧制動力を引いた回生制動力を前記車輪に発生させる回生ブレーキ装置と、前記回生ブレーキ装置によって実際に発生された回生制動力と前記回生制動力との差である変動を検出する変動検出手段と、前記変動検出手段にて前記変動が検出された場合、前記制御液圧制動力発生装置のポンプを駆動させると共に前記ソレノイド液圧比例制御弁を制御することによって前記制御液圧を形成し、前記車輪に同制御液圧に基づく制御液圧制動力を発生させて前記変動検出手段によって検出された変動による回生制動力の不足を補償する制動力補償手段と、を備えたことである。
請求項2に記載の発明の構成上の特徴は、請求項1において、前記倍力特性は、前記低領域の倍力比を規定する略直線が同低領域を超えると高くなる方向に折れ曲がり位置で折れ曲がるように形成され、前記折れ曲がり位置が前記回生ブレーキ装置の回生制動力の発生能力に応じて規定されることである。
請求項3に記載の発明の構成上の特徴は、請求項2において、前記折れ曲がり位置は、最大回生能力に対応して規定されることである。
請求項4に記載の発明の構成上の特徴は、ブレーキ操作入力時、ブレーキペダルの踏み込み速度が通常の場合に倍力比が低い第1倍力特性に従って前記ブレーキ操作力を増大し、ブレーキペダルの踏み込み速度が速い場合に倍力比が高い第2倍力特性に従って前記ブレーキ操作力を増大する倍力装置に接続されたマスタシリンダにて同増大されたブレーキ操作力に応じた基礎液圧を発生し、同発生した基礎液圧を車輪のホイールシリンダに付与し同車輪に基礎液圧制動力を発生させる基礎液圧制動力発生装置と、モータによって回転駆動されるポンプから供給される液圧を、前記車両の走行状態に応じた制御液圧となるように、前記マスタシリンダと前記ホイールシリンダとの間に接続されたソレノイド液圧比例制御弁で制御して前記ホイールシリンダに付与し、前記車輪に制御された制御液圧制動力を発生させる制御液圧制動力発生装置と、前記ブレーキ操作力の入力があった場合に、該ブレーキ操作力に応じて前記車輪に発生させる目標制動力から該ブレーキ操作力によって前記基礎液圧制動力発生装置が前記車輪に発生させる基礎液圧制動力を引いた回生制動力を前記車輪に発生させる回生ブレーキ装置と、前記回生ブレーキ装置によって実際に発生された回生制動力と前記回生制動力との差である変動を検出する変動検出手段と、前記変動検出手段にて前記変動が検出された場合、前記制御液圧制動力発生装置のポンプを駆動させると共に前記ソレノイド液圧比例制御弁を制御することによって前記制御液圧を形成し、前記車輪に同制御液圧に基づく制御液圧制動力を発生させて前記変動検出手段によって検出された変動による回生制動力の不足を補償する制動力補償手段と、を備えたことである。
請求項5に記載の発明の構成上の特徴は、請求項4において、前記第1倍力特性は、前記ブレーキ操作力が低領域にあるときに倍力比が低く、同低領域を超えると前記倍力比が高くなることである。
請求項6に記載の発明の構成上の特徴は、請求項5において、前記第1倍力特性は、前記低領域の倍力比を規定する略直線が同低領域を超えると高くなる方向に折れ曲がり位置で折れ曲がるように形成され、前記折れ曲がり位置が前記回生ブレーキ装置の回生制動力の発生能力に応じて規定されることである。
請求項7に記載の発明の構成上の特徴は、請求項6において、前記折れ曲がり位置は、最大回生能力に対応して規定されることである。
上記のように構成した請求項1に係る発明においては、例えばトラクションコントロールを行う既存の制御液圧制動力発生装置と回生ブレーキ装置とを組み合わせることにより、回生協調制御が可能となる。そして、回生ブレーキ装置が車輪に発生させるべき回生製動力と、回生ブレーキ装置によって実際に発生された回生制動力との差である変動があった場合には、変動検出手段がこの変動を検出し、制動力補償手段が、制御液圧制動力発生装置のポンプを駆動させて該ポンプから供給される液圧を、既存のソレノイド液圧比例制御弁で制御して制御液圧を形成車輪に制御液圧制動力を発生させることにより、変動検出手段によって検出された回生制動力の変動による制動力の不足を補償する。このとき、ブレーキ操作力が低領域にあるときは倍力装置の倍力比が低いので、ブレーキ操作力に応じて車輪に発生させる目標制動力に対する回生制動力の分担割合が高くなり、エネルギ効率を向上することができる。ブレーキ操作力が低領域を超えると倍力装置の倍力比が高くなり、マスタシリンダからホイールシリンダに供給される基礎液圧の増加割合が大きくなるので、同検出された変動による回生制動力の不足を補償する制御液圧制動力を車輪に迅速に発生させることができる。
上記のように構成した請求項2に係る発明においては、低領域の倍力比を規定する略直線が同低領域を超えると高くなる方向に折れ曲がり位置で折れ曲がるという2段サーボの簡単な構成を用いこの折れ曲がり位置を前記回生ブレーキ装置の回生制動力の発生能力に応じて規定することにより、エネルギ効率を一層高めて請求項1に係る発明と同様の効果を奏することができる。
上記のように構成した請求項3に係る発明においては、倍力比の折れ曲がり位置を回生ブレーキ装置の最大回生能力に応じて規定するので、回生効率をさらに向上することができる。さらに、ポンプ負担を軽減できるので、ブレーキフィーリングを向上させることができる。
上記のように構成した請求項4に係る発明においては、ブレーキペダルの踏み込み速度が通常の場合は、第1倍力特性により倍力装置の倍力比が低いので、目標制動力に対する回生制動力の分担割合が高くなり、エネルギ効率を向上することができる。踏み込み速度が速い緊急制動時は、第2倍力特性により倍力装置の倍力比が高くなるので、強い基礎液圧制動力を迅速に車輪に発生させることができる。
上記のように構成した請求項5に係る発明においては、ブレーキペダルの踏み込み速度が通常の場合で、ブレーキ操作力が低領域にあるときは倍力装置の倍力比が低いので、ブレーキ操作力に応じて車輪に発生させる目標制動力に対する回生制動力の分担割合が高くなり、エネルギ効率を向上することができる。ブレーキペダルの踏み込み速度が通常の場合で、ブレーキ操作力が低領域を超えると倍力装置の倍力比が高くなり、マスタシリンダからホイールシリンダに供給される基礎液圧の増加割合が大きくなるので、同検出された変動による回生制動力の不足を補償する制御液圧制動力を車輪に迅速に発生させることができる。
上記のように構成した請求項6に係る発明においては、倍力装置を2段サーボにするという簡単な構成を用いこの折れ曲がり位置を前記回生ブレーキ装置の回生制動力の発生能力に応じて規定することにより、エネルギ効率を一層高めて請求項5に係る発明と同様の効果を奏することができる。
上記のように構成した請求項7に係る発明においては、倍力比の折れ曲がり位置を回生ブレーキ装置の最大回生能力に応じて規定するので、回生効率をさらに向上することができる。さらに、ポンプ負担を軽減できるので、ブレーキフィーリングを向上させることができる。

以下、本発明の実施の形態に係る車両用ブレーキ装置を図面に基づいて説明する。ハイブリッド車両用ブレーキ装置10は、図1に示すように、液圧ブレーキ装置11、回生ブレーキ装置12、液圧ブレーキ装置11と回生ブレーキ装置12とを協調制御するブレーキECU13、ブレーキECU13からの要求値に応じてインバータ16を介して電気モータ14を制御するハイブリッドECU15等を備えている。
電気モータ14の回転軸は歯車列により減速されて左右の前輪23fl,23frに常時回転連結されている。インバータ16は、ハイブリッドECU15から供給される制御信号に応じて車載バッテリ17の直流の放電電力を交流電力に変換して電気モータ14に供給し、電気モータ14により発電される交流電力を直流の充電電力に変換して車載バッテリ17を充電するものである。
図2に示すように、運転者がブレーキペダル20を踏むことにより左右の前輪23fl,23frおよび左右の後輪23rl,23rrに夫々制動力を発生させる略同じ構成の前輪ブレーキ系統24fおよび後輪ブレーキ系統24rが分離して設けられている。図2において前輪および後輪ブレーキ系統24f,24rを夫々構成する構成部品は構成および作動が同じであるので、夫々対応する構成部品には同一の算用数字にローマ字のf、rを夫々付加した参照符号を付して前後を区別した。さらに、左右輪における同一構成部品には、前後輪を区別するローマ字のf、rの次にl、rを付加して左右を区別した。なお、明細書中で構成部品を前後左右の区別無く示すときは対応する算用数字のみを参照番号として付した。
25はデュアルマスタシリンダで、ブレーキペダル20が踏まれるとブレーキ操作力に応じた液圧のブレーキ液を液圧室25f,25rから経路26f,26rに送出する。27はブレーキペダル20により前後方向に軸動される作動ロッドとマスタシリンダ25のピストンロッドとの間に介在された倍力装置としてのバキュームブースタで、エンジンの吸気負圧をダイヤフラムに作用させてブレーキペダル20に作用するブレーキ操作力を倍力する。28はブレーキ液を貯溜するリザーバで、マスタシリンダ25にブレーキ液を補給する。
マスタシリンダ25は、バキュームブースタ27により増大された力に応じた基礎液圧を発生し、マスタシリンダ25から送出された基礎液圧は経路26f,26rにより左右のホイールシリンダ30fl,30fr,30rl,30rrに夫々供給され、ブレーキ手段31の摩擦部材を作動して左右の前輪23fl,23fr、左右の後輪23rl,23rrに基礎液圧制動力を発生させる。ブレーキパッド、ブレーキシュー等が摩擦部材として作動して車輪に液圧制動力を発生させるディスクブレーキ、ドラムブレーキ等がブレーキ手段31として用いられる。経路26fには液圧センサ29が液圧室25fとソレノイド液圧比例制御弁32fとの間に接続され、液圧センサ29はマスタシリンダ25から送出される基礎液圧を計測してブレーキECU13に送信する。ブレーキECU13は、液圧がホイールシリンダ30に供給されたときブレーキ手段31が車輪23に発生させる液圧制動力をマップ、テーブルまたは演算式にしてメモリに予め記憶している。
バキュームブースタ27は、ブレーキ操作力が低領域にあるときは、ブレーキ操作力の増加に対する出力の増加の比である倍力比が低く、低領域を超えると高くなる特性を有している。運転者が通常のブレーキ操作を行ったときに発生するブレーキ操作力の範囲がブレーキ操作力の低領域である。低領域を超えるブレーキ操作力は、歩行者が飛び出してきた場合、或いは交差点に接近した状態で信号が変わったときなどに、運転者がペダルをかなり強く踏んだときに発生するブレーキ操作力である。低領域の倍力比はエンジン駆動の車両で通常使用されているバキュームブースタの倍力比よりかなり低く設定され、低領域を超えた領域では、通常使用されているバキュームブースタの倍力比と同程度に設定されている。これにより図3に示すように、倍力装置27によって増大された力に応じてマスタシリンダ25から出力される基礎液圧Pとブレーキ操作力Fとの関係18は、ブレーキ操作力Fの増加に対する基礎液圧Pの増加の比であるサーボ比が、ブレーキ操作力FがA以下の低領域ではエンジン駆動の車両で通常使用されているサーボ比よりかなり低く、低領域を超えた領域では通常使用されているバキュームブースタの倍力比と同程度となっている。
ブレーキ操作力Fに対する目標制動力が図3に破線19で示され、この目標制動力と基礎液圧Pとの差部分が回生制動力の受持つ所定の回生制動力に相当する。図3から明らかなように、低領域において所定の回生制動力に相当する部分は、低領域でのサーボ比を低くしたことにより、サーボ比を図3の2点鎖線49のように直線とした場合に比して増大し、低領域での目標制動力に対する所定の回生制動力の分担割合が高くなっている。この図3に示す基礎液圧Pとブレーキ操作力との関係18、およびブレーキ操作力Fに対する目標制動力の関係19がブレーキECU13のメモリにマップ、テーブルまたは演算式で予め記憶されている。
倍力比がブレーキ操作力の低領域では低く、低領域を超えると高くなる上述の特性を有する、バキュームブースタ27は公知であり、例えば特開平10−250565公報に記載されているものを使用するとよい。そして、バキュームブースタ27を、低領域の倍力比を規定する略直線が同低領域を超えると高くなる方向に折れ曲がる特性を有する、謂わば2段サーボブースタにする場合、倍力比の折れ曲がり位置Aは、回生ブレーキ装置12の回生制動力の発生能力に応じて、例えば最大回生能力に対応させて規定するとよい。
なお、低領域の範囲は、所望の特性に応じて適宜に設定することができ、また低領域を超えた領域での倍力比は、エンジン駆動の車両で通常使用されているバキュームブースタの倍力比に限定されるものでなく、例えば、ブレーキアシストを行うためにかなり高く設定するなど所望特性に応じて設定することができる。
前輪および後輪ブレーキ系統24f,24r毎に液圧制御弁をなすソレノイド液圧比例制御弁32f,32rが設けられ、その入口ポートはマスタシリンダ25の液圧室25f,25rに経路26f,26rにより夫々接続されている。ソレノイド液圧比例制御弁32は出口ポートの液圧が入口ポートの液圧よりリニアソレノイド33に印加される制御電流に応じてゼロから制御差圧だけ高くなるように圧力制御するものである。ソレノイド液圧比例制御弁32f,32rの入口ポートおよび出口ポート間には入口ポートから出口ポートへの液流を許容する逆止弁が接続されている。通常の制御の場合、ソレノイド液圧比例制御弁32はリニアソレノイド33の無勢により開位置にシフトされ、入口ポートと出口ポートとが直通されている。
ソレノイド液圧比例制御弁32f,32rの各出口に接続された経路26f,26rは分岐されて左右の前輪用ホイールシリンダ30fl,30frおよび左右の後輪用ホイールシリンダ30rl,30rrにソレノイド開閉弁34fl,34frおよび34rl,34rrを介して夫々接続されている。ソレノイド開閉弁34fl,34fr,34rl,34rrの各インポートおよびアウトポート間にはアウトポート側からインポート側への液流を許容する逆止弁が接続されている。ソレノイド開閉弁34fl,34frおよび34rl,34rrの各アウトポートとリザーバ35fおよび35rとの間には、ソレノイド開閉弁36fl,36frおよび36rl,36rrが夫々接続されている。リザーバ35f,35rは有底のケーシングを弱い圧縮スプリングで付勢されたピストンで密閉して構成されている。ソレノイド開閉弁34および36によりホイールシリンダ30内の圧力を増圧、保持、減圧制御するABS制御弁37が構成されている。
ポンプ38f,38rはモータ39により回転駆動され、吐出ポートが該吐出ポートへの液流を阻止する逆止弁41f,41rを介してソレノイド液圧比例制御弁32f,32rの出口ポートとABS制御弁37f,37rのインポートとの間に接続され、吸入ポートがソレノイド液圧比例制御弁32f,32rの入口ポートにソレノイド開閉弁46f,46rを介して接続されている。ポンプ38f,38rの吸入ポートはABS制御弁37f,37rのソレノイド開閉弁36f,36rのアウトポートとリザーバ35f,35rとの間にも接続されている。42f,42rはポンプ38f,38rから吐出された液圧の脈動を吸収するためのダンパである。
ポンプ38、モータ39、ソレノイド液圧比例制御弁32等により、ポンプ38を駆動させることによって形成する制御液圧をホイールシリンダ30に付与し同ホイールシリンダ30に対応する車輪23に制御液圧制動力を発生可能な制御液圧制動力発生装置43が構成されている。制御液圧制動力発生装置43は、分離された複数の系統毎に液圧制御弁32f,32rを有し、各液圧制御弁32f,32rにより制御された液圧を各ホイールシリンダ30f,30rに供給する。制御液圧制動力発生装置43が行なう制御としては、トラクションコントロール、坂道発進制御、アクティブクルーズコントロール等がある。
液圧ブレーキ装置11は、ブレーキ操作力を増大させる倍力装置27と、この増大された力に応じた基礎液圧を発生するマスタシリンダ25と、このマスタシリンダ25の基礎液圧がホイールシリンダ30に供給され車輪23に基礎液圧制動力を発生させるブレーキ手段31と、ポンプ38からホイールシリンダ30に供給される液圧を車両の走行状態に応じてソレノイド液圧比例制御弁32により制御しブレーキ手段31に制御された制御液圧制動力を発生させる制御液圧制動力発生装置43とから構成されている。これにより液圧ブレーキ装置11は、ドライバのブレーキ操作力を倍力装置27によって所定の倍力比に従って増大し、倍力装置27に接続されたマスタシリンダ25にてこの増大されたブレーキ操作力に応じた基礎液圧を発生し、この発生した基礎液圧をマスタシリンダ25と液圧制御弁32を介在した経路26によって連結された各車輪23のホイールシリンダ30に付与して各車輪23に基礎液圧制動力を発生させると共に、ポンプ38を駆動させることによって形成する制御液圧をホイールシリンダ30に付与しホイールシリンダ30に対応する車輪23に制御液圧制動力を発生させることができる。
トラクションコントロールは、駆動輪(本実施の形態では前輪23f)のスリップ量が所定値を超え且つ増加するときは、圧力発生装置から駆動輪のホイールシリンダに液圧を供給し、この液圧をスリップ量に応じて液圧制御弁により制御し、スリップ量が所定値を超え且つ増加しないときは、圧力発生装置を停止し、駆動輪のホイールシリンダにスリップ量に応じて液圧制御弁により制御される液圧を封止し、スリップ量が所定値以下のときは駆動輪のホイールシリンダをリザーバに接続し、これによりブレーキ手段にスリップ量に応じた液圧制動力を車輪に発生させる制御である。
坂道発進制御は、坂道での発進時に、圧力発生装置から駆動輪のホイールシリンダに液圧を供給し、この液圧を液圧制御弁により停止保持液圧に制御し、これによりブレーキ手段に車両を坂道に停止保持する液圧制動力を車輪に発生させる制御である。
アクティブクルーズコントロールは、車間距離を所定値以上に保つために、圧力発生装置から駆動輪のホイールシリンダに液圧を供給し、この液圧を液圧制御弁により制御し、車間距離が所定値以下になるとブレーキ手段に自動的に液圧制動力を車輪に発生させる制御である。
回生ブレーキ装置12は、前輪23fに回転連結された電気モータ14と、電気モータ14を回生制動してこの電気モータ14が回転連結された前輪23fに回生制動力を発生させる回生制動力発生装置44とを有する。回生制動力発生装置44は、ハイブリッドECU15、インバータ16等により構成されている。
ブレーキECU13には、ブレーキ操作力Fに応じて車輪23に発生させる目標制動力を設定し、マスタシリンダ25から出力された基礎液圧Pがホイールシリンダ30に供給されることによりブレーキ手段31が車輪23に発生させる基礎液圧制動力を目標制動力から引いた差分の所定の回生制動力を回生制動力発生装置44に指令し、この指令に基づいて回生制動力発生装置44が発生した実行回生制動力を入力され、目標制動力と実行回生制動力との差分である制御液圧制動力を演算し、ブレーキ手段31が制御液圧制動力を車輪23に発生させるためにホイールシリンダ30に供給しなければならない制御液圧を求め、モータ39により回転駆動されるポンプ38からホイールシリンダ30に供給されるブレーキ液の液圧が制御液圧となるようにソレノイド液圧比例制御弁32のリニアソレノイド33に制御電流を印加する図4に示す協調制御プログラムが記憶されている。
さらに、ブレーキECU13は、液圧センサ29、各車輪23の車輪速度を検出する車輪速センサ47等からの検出信号に基づいて各プログラムを実行し、制御信号をソレノイド液圧比例制御弁32r,32f、ABS制御弁37f,37r、モータ39等に出力し、ホイールシリンダ30に制御された液圧を供給してブレーキ手段31をして車輪23に所望の液圧制動力を発生させる。
次に、上記実施の形態に係るハイブリッド車両用ブレーキ装置10の作動について説明する。ブレーキペダル20が踏まれると、ブレーキ操作力がバキュームブースタ27により増大されてマスタシリンダ25のピストンロッドを押圧し、各圧力室25f,25rから基礎液圧が送出される。基礎液圧は開位置にシフトされたソレノイド液圧比例制御弁32f,32rおよびソレノイド開閉弁34f,34rを通って各ホイールシリンダ30f,30rに供給され、ブレーキ手段31f,31rは車輪23f,23rに基礎液圧制動力を発生させる。ブレーキペダル20が踏まれて液圧センサ29から基礎液圧が入力されると、ブレーキECU13は図4に示す協調制御プログラムを起動し、カウンタ、フラグ等の一時メモリをリセットして初期化し(ステップS1)、一定微小時間間隔が経過する毎に(ステップ2)、ステップ2以降のプログラムを実行する。
アンチロックブレーキ制御の開始条件が成立したか又は実行中であるか否か判定し(ステップS3)、成立したか又は実行中であると、ブレーキECU13はアンチロックブレーキ制御を行って各ソレノイド開閉弁34,36を開閉し、各ホイールシリンダ30内の液圧を制御し、各車輪23が路面に対してスリップしないように各車輪23に発生させる液圧制動力を増大、保持、減少する(ステップS4)。アンチロックブレーキ制御が行われている間は、ソレノイド開閉弁46は閉鎖され、モータ39によりポンプ38が駆動され、ソレノイド開閉弁36を開閉することによりリザーバ35に排出されるブレーキ液がポンプ38から補給される。
アンチロックブレーキ制御の開始条件が成立せず且つ実行中でない場合、ブレーキECU13は、メモリに記憶した基礎液圧Pとブレーキ操作力Fとの関係18に基づいて液圧センサ29により検出された基礎液圧Pに対応するブレーキ操作力Fを求め、このブレーキ操作力Fに応じて車輪23に発生させるべき目標制動力をマップ、テーブルまたは演算式で求め(ステップS5)、液圧センサ29により検出された基礎液圧によってブレーキ手段31が車輪23に発生させる基礎液圧制動力をマップ、テーブルまたは演算式で求める(ステップS6)。目標制動力から基礎液圧制動力を引いた差分の所定の回生制動力をハイブリッドECU15に出力する(ステップS7)。ハイブリッドECU15は、この所定の回生制動力に応じてインバータ16を開閉制御して電気モータ14を回生制動し、車輪23に回生制動力を発生させるとともに、インバータ16においてセンサにより検出された回生電力の電流に基づいて電気モータ14が実際に車輪23に発生させた実行回生制動力を演算してブレーキECU13に入力する(ステップS8)。
ブレーキECU13は、目標制動力と実行回生制動力との差分である制御液圧制動力を演算し(ステップS9)、差分が0の場合は(ステップ10)、ステップS2に戻る。差分が0でない場合、ブレーキ手段31が制御液圧制動力を車輪23に発生させるためにホイールシリンダ30に供給しなければならない制御液圧をマップ、テーブルまたは演算式で求める(ステップS11)。モータ39を起動してポンプ38を駆動し、ポンプ38からホイールシリンダ30に供給されるブレーキ液の液圧が制御液圧となるようにソレノイド液圧比例制御弁32のリニアソレノイド33に制御電流を印加する(ステップS12)。これにより、ポンプ38からホイールシリンダ30に液圧が供給され、この液圧がソレノイド液圧比例制御弁32により制御液圧に制御され、液圧ブレーキ装置11は、目標制動力と実行回生制動力との差分である制御液圧制動力を車輪23に発生させる。ステップS9等により回生ブレーキ装置12によって実際に発生された回生制動力の所定の回生制動力に対する変動を検出する変動検出手段が構成され、ステップS10〜S12等により、変動検出手段にて変動が検出された場合、液圧ブレーキ装置11のポンプ38を駆動させると共に液圧制御弁32を制御することによって制御液圧を形成し、車輪23にこの制御液圧に基づく制御液圧制動力を発生させ、検出された変動による回生制動力の不足を補償する制動力補償手段が構成されている。
ブレーキ操作力Fが低領域にあると、基礎液圧Pの増分のブレーキ操作力Fの増分に対するサーボ比が低いので、低領域での目標制動力に対する所定の回生制動力の分担割合が高くなり、エネルギ効率を向上することができる。ブレーキ操作力Fが低領域を超えると、サーボ比が通常のエンジンにより駆動される車両と同程度に高くなるので、マスタシリンダ25からホイールシリンダ30に供給される基礎液圧Pの増加割合が大きくなり、急制動時に制御液圧制動力発生装置43からの制御液圧の供給に多少の遅れが生じても、ブレーキ手段31は十分大きい基礎液圧制動力を車輪23に発生させることができる。
回生制動力の負担割合が高すぎると目標制動力を実現する際に制御液圧制動力発生装置43のポンプ38の負担が大きくなりブレーキフィーリングが悪化し、狭すぎると回生制動力に余裕があるのに使用することができなく回生効率が悪化する。バキュームブースタ27を2段サーボブースタとし、倍力比の折れ曲がり位置Aを、回生ブレーキ装置12の回生制動力の発生能力に応じて、例えば最大回生能力に対応させて規定すると、回生効率を向上することができるとともに、ポンプ負担を軽減できるので、ブレーキフィーリングを向上させることができる。従って、車種毎に2段サーボブースタの特性を最大回生能力に適合させることによって、各車種において上述した効果を奏することができる。
次に、制御液圧制動力発生装置43がホイールシリンダ30に供給される液圧を車両の走行状態に応じてソレノイド液圧比例制御弁32により制御する一例として、トラクションコントロールを説明する。車輪速センサにより検出された左右前輪23fl,23fr(駆動輪)の回転速度の平均値から左右後輪23rl,23rr(従動輪)の回転速度の平均値である車速を減算して駆動輪のスリップ量を求め、駆動輪のスリップ量が所定値を超え且つ増加するときは、モータ39を起動してポンプ38f,38rを駆動する。ポンプ38fから前輪23fのホイールシリンダ30fに供給される液圧がスリップ量に応じた液圧となるようにホイールシリンダ30fに接続されたソレノイド液圧比例制御弁32fのリニアソレノイド33fに制御電流を印加し、ソレノイド開閉弁46fを開放する。これにより、ポンプ38fから吐出されたブレーキ液がソレノイド液圧比例制御弁32f、ソレノイド開閉弁46リザーバ35fを循環し、ホイールシリンダ30fに制御液圧を供給し、ブレーキ手段31はスリップ量に応じた液圧制動力を前輪23fに発生させる。従動輪である後輪23rのホイールシリンダ30rに接続されたソレノイド液圧比例制御弁32rのリニアソレノイド33rは無勢され、ソレノイド開閉弁46rが開かれるので、ホイールシリンダ30r内の液圧は0に維持され、後輪23rに液圧制動力は発生されない。スリップ量が所定値を超え且つ増加しないときは、モータ39をオフしてポンプ38f,38rを停止し、リニアソレノイド33fにスリップ量に応じた制御電流を印加し、ホイールシリンダ30f内に制御液圧を封止し、前輪23fにスリップ量に応じた液圧制動力を発生させる。スリップ量が所定値以下になると、モータ39をオフしてポンプ38を停止し、ソレノイド液圧比例制御弁32のリニアソレノイド33の無勢によりホイールシリンダ30内の液圧が0になると、ソレノイド開閉弁46を閉止する。
上記実施の形態では、バキュームブースタ27は、ブレーキ操作力が低領域にあるときは、ブレーキ操作力の増加に対する出力の増加の比である倍力比が低く、低領域を超えると高くなる特性を有しているが、倍力装置27は図5に示すように、ブレーキペダル20の踏み込み速度が通常の場合は、ブレーキ操作力の増加に対する出力の増加の比である倍力比が低い第1倍力特性50を有し、踏み込み速度が速い場合は倍力比が高い第2倍力特性51を有するものとしてもよい。
これにより、ブレーキペダル20の踏み込み速度が通常の場合は、倍力装置27の倍力比が低いので、目標制動力に対する回生制動力の分担割合が高くなり、エネルギ効率を向上することができる。踏み込み速度が速い緊急制動時は、倍力装置27の倍力比が高くなるので、制御液圧制動力発生装置43の制御液圧の供給遅れに拘わりなく、強い基礎液圧制動力Pが迅速にホイールシリンダ30に供給され、ブレーキ手段31は強い制動力を車輪23に発生させる。踏み込み速度が速い場合に倍力比が高くなる図5に示すような第2倍力特性51を有する倍力装置27として、例えば国際公開第01/32488号パンフレットに記載された倍力装置を用いることができる。
また、倍力装置27は図6に示すように、ブレーキペダル20の踏み込み速度が通常の場合は、ブレーキ操作力Fが低領域にあるとき、ブレーキ操作力の増加に対する出力の増加の比である倍力比が低く、低領域を超えると高くなる第1倍力特性52を有し、踏み込み速度が速い場合は、倍力比が高い第2倍力特性51を有するものとしてもよい。
これにより、ブレーキペダル20の踏み込み速度が通常の場合は、ブレーキ操作力Fが低領域にあるとき、倍力装置27の倍力比が低いので、目標制動力に対する回生制動力の分担割合が高くなり、エネルギ効率を向上することができる。踏み込み速度が速い緊急制動時は、倍力装置27の倍力比が高くなるので、制御液圧制動力付与装置43の制御液圧の供給遅れに拘わりなく、強い基礎液圧制動力Pが迅速にホイールシリンダ30に供給され、ブレーキ手段31は強い制動力を車輪23に発生させる。また、ブレーキペダル20の踏み込み速度が通常の場合で、ブレーキ操作力Fが低領域を超えると、倍力装置27の倍力比が高くなるので、基礎液圧の増加割合が大きくり、急制動時のブレーキの効き遅れ感を低減することができる。
ブレーキペダル20の踏み込み速度が通常の場合は、ブレーキ操作力Fが低領域にあるとき、ブレーキ操作力Fの増加に対する出力の増加の比である倍力比が低く、低領域を超えると高くなる第1倍力特性52を有し、踏み込み速度が速い場合は倍力比が高くなる第2倍力特性51を有するバキュームブースタ27は公知であり、例えば特開平10−250565公報に記載されているものを使用するとよい。
また、倍力比がブレーキ操作力Fの低領域では低く、低領域を超えると高くなる特性を有する特開平10−250565公報に記載された倍力装置に、例えば国際公開第01/32488号パンフレットに記載された踏み込み速度が速いときは倍力比が高くなる特性を有する倍力装置を組み合わせて倍力装置27を構成してもよい。
上記実施の形態では、FF車に前後配管しているが、FR車に前後配管してもよい。また、FF車またはFR車にX配管してデュアルマスタシリンダ25の液圧室25fから送出された液圧を右前輪23frおよび左後輪23rl用ブレーキ手段31fr,31rlのホイールシリンダ30fr,30rlに経路26fを通って供給し、液圧室25rから送出された液圧を左前輪13flおよび右後輪13rr用ブレーキ31fl,31rrのホイールシリンダ30fl,30rrに経路26rを通って供給するようにしてもよい。このようにX配管した場合、制御液圧制動力発生装置43は、分離された左右の駆動輪用ブレーキ手段のホイールシリンダが接続された系統毎に液圧制御弁32を有し、各液圧制御弁32により制御された液圧を左右の駆動輪のホイールシリンダに夫々供給する。これにより、左右の駆動輪のスリップ量が異なるとき、スリップ量が大きい方の駆動輪のホイールシリンダに圧力発生装置から液圧を供給し、この液圧をスリップ量に応じて液圧制御弁32により制御してスリップ量が大きい方の駆動輪にブレーキ手段31により液圧制動力を発生させ、車両の安定制御(VSC)を行うことができる。
上記実施形態では、倍力装置としてバキュームブースタを用いているが、ポンプにより発生した液圧をアキュムレータに蓄圧し、この液圧をピストンに作用させてブレーキペダル20に作用するブレーキ操作力を倍力するハイドロリックブースタを使用してもよい。
上記実施の形態では、本車両用ブレーキ装置をハイブリッド車に適用しているが、電気自動車に適用してもよい。
ハイブリッド車両用ブレーキ装置を示す系統図。 液圧ブレーキ装置を示す図。 ブレーキ操作力と基礎液圧との関係を示す図。 協調制御プログラムを示す図。 ブレーキ操作力と倍力装置出力との関係を示す図。 ブレーキ操作力と倍力装置出力との他の関係を示す図。
符号の説明
10…ハイブリッド車両用ブレーキ装置、11…液圧ブレーキ装置、12…回生ブレーキ装置、13…ブレーキECU、14…電気モータ、15…ハイブリッドECU、16…インバータ、17…車載バッテリ、18…基礎液圧とブレーキ操作力との関係、20…ブレーキペダル、23…車輪、24…ブレーキ系統、25…デュアルマスタシリンダ(マスタシリンダ)、26…経路、27…バキュームブースタ(倍力装置)、28,35…リザーバ、29…液圧センサ、30…ホイールシリンダ、31…ブレーキ手段、32…ソレノイド液圧比例制御弁(液圧制御弁)、33…リニアソレノイド、34,36,46…ソレノイド開閉弁、37…ABS制御弁、38…ポンプ、39…モータ、43…制御液圧制動力発生装置、44…回生制動力発生装置、47…車輪速センサ、50,52…第1倍力特性、51…第2倍力特性。

Claims (7)

  1. ドライバのブレーキ操作力が低領域にあるときは低い倍力比であり、前記低領域を超えると高い倍力比となる倍力特性に従って前記ブレーキ操作力を増大する倍力装置に接続されたマスタシリンダにて同増大されたブレーキ操作力に応じた基礎液圧を発生し、同発生した基礎液圧を車輪のホイールシリンダに付与し同車輪に基礎液圧制動力を発生させる基礎液圧制動力発生装置と、
    モータによって回転駆動されるポンプから供給される液圧を、前記車両の走行状態に応じた制御液圧となるように、前記マスタシリンダと前記ホイールシリンダとの間に接続されたソレノイド液圧比例制御弁で制御して前記ホイールシリンダに付与し、前記車輪に制御された制御液圧制動力を発生させる制御液圧制動力発生装置と、
    前記ブレーキ操作力の入力があった場合に、該ブレーキ操作力に応じて前記車輪に発生させる目標制動力から該ブレーキ操作力によって前記基礎液圧制動力発生装置が前記車輪に発生させる基礎液圧制動力を引いた回生制動力を前記車輪に発生させる回生ブレーキ装置と、
    前記回生ブレーキ装置によって実際に発生された回生制動力と前記回生制動力との差である変動を検出する変動検出手段と、
    前記変動検出手段にて前記変動が検出された場合、前記制御液圧制動力発生装置のポンプを駆動させると共に前記ソレノイド液圧比例制御弁を制御することによって前記制御液圧を形成し、前記車輪に同制御液圧に基づく制御液圧制動力を発生させて前記変動検出手段によって検出された変動による回生制動力の不足を補償する制動力補償手段と、
    を備えたことを特徴とする車両用ブレーキ装置。
  2. 請求項1において、前記倍力特性は、前記低領域の倍力比を規定する略直線が同低領域を超えると高くなる方向に折れ曲がり位置で折れ曲がるように形成され、前記折れ曲がり位置が前記回生ブレーキ装置の回生制動力の発生能力に応じて規定されることを特徴とする車両用ブレーキ装置。
  3. 請求項2において、前記折れ曲がり位置は、最大回生能力に対応して規定されることを特徴とする車両用ブレーキ装置。
  4. ブレーキ操作入力時、ブレーキペダルの踏み込み速度が通常の場合に倍力比が低い第1倍力特性に従って前記ブレーキ操作力を増大し、ブレーキペダルの踏み込み速度が速い場合に倍力比が高い第2倍力特性に従って前記ブレーキ操作力を増大する倍力装置に接続されたマスタシリンダにて同増大されたブレーキ操作力に応じた基礎液圧を発生し、同発生した基礎液圧を車輪のホイールシリンダに付与し同車輪に基礎液圧制動力を発生させる基礎液圧制動力発生装置と、
    モータによって回転駆動されるポンプから供給される液圧を、前記車両の走行状態に応じた制御液圧となるように、前記マスタシリンダと前記ホイールシリンダとの間に接続されたソレノイド液圧比例制御弁で制御して前記ホイールシリンダに付与し、前記車輪に制御された制御液圧制動力を発生させる制御液圧制動力発生装置と、
    前記ブレーキ操作力の入力があった場合に、該ブレーキ操作力に応じて前記車輪に発生させる目標制動力から該ブレーキ操作力によって前記基礎液圧制動力発生装置が前記車輪に発生させる基礎液圧制動力を引いた回生制動力を前記車輪に発生させる回生ブレーキ装置と、
    前記回生ブレーキ装置によって実際に発生された回生制動力と前記回生制動力との差である変動を検出する変動検出手段と、
    前記変動検出手段にて前記変動が検出された場合、前記制御液圧制動力発生装置のポンプを駆動させると共に前記ソレノイド液圧比例制御弁を制御することによって前記制御液圧を形成し、前記車輪に同制御液圧に基づく制御液圧制動力を発生させて前記変動検出手段によって検出された変動による回生制動力の不足を補償する制動力補償手段と、
    を備えたことを特徴とする車両用ブレーキ装置。
  5. 請求項4において、前記第1倍力特性は、前記ブレーキ操作力が低領域にあるときに倍力比が低く、同低領域を超えると前記倍力比が高くなることを特徴とする車両用ブレーキ装置。
  6. 請求項5において、前記第1倍力特性は、前記低領域の倍力比を規定する略直線が同低領域を超えると高くなる方向に折れ曲がり位置で折れ曲がるように形成され、前記折れ曲がり位置が前記回生ブレーキ装置の回生制動力の発生能力に応じて規定されることを特徴とする車両用ブレーキ装置。
  7. 請求項6において、前記折れ曲がり位置は、最大回生能力に対応して規定されることを特徴とする車両用ブレーキ装置。
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