JP5036490B2 - ブレーキ制御装置 - Google Patents

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本発明は、車両に設けられた車輪に付与する制動力を制御するブレーキ制御装置に関する。
自動車等の車両の制動力を制御するブレーキ制御装置として、たとえば特許文献1に記載されたものが知られている。特許文献1に開示されたブレーキ制御装置は、マスタシリンダと各車輪のホイールシリンダとの連通を制御する常開の電磁開閉弁(マスタカット弁)を有し、常開の電磁開閉弁を閉弁させた状態で高圧の圧力源の圧力を使用して各車輪のホイールシリンダ圧を制御することにより、運転者の制動操作量に基づき各車輪の制動力を制御する構成となっている(以下、電子制御式ブレーキシステムと呼ぶ)。
このような電子制御式ブレーキシステムにおいては、高圧の圧力源として、ポンプ、ポンプを駆動するモータ、ポンプにより加圧された作動液を蓄圧するアキュムレータなどが設けられており、適宜ポンプを駆動して作動液を加圧してそれを蓄えることができるようになっている。
特開2005−35393号公報
しかしながら、上述の電子制御式ブレーキシステムと異なり、マスタシリンダとホイールシリンダの連通を遮断せずに、マスタシリンダからホイールシリンダへの作動液経路上に設けられた電磁流量制御弁の開度を調整することにより、ポンプにより加圧された作動液をホイールシリンダへ供給するタイプのブレーキ制御装置の場合、運転者がブレーキペダルを操作している途中にポンプを停止すると、電磁流量制御弁を通過する作動液の流量が減少することにともない流体力が減少し、電磁流量制御弁の開度が増加する場合がある。その結果、マスタシリンダに流れ込む作動液の流量が増加してマスタシリンダ圧が増加することによりブレーキペダルを運転者の側に押し戻す現象が生じ、ペダルフィーリングが悪化する可能性がある。
本発明はこうした状況に鑑みてなされたものであり、その目的は、ペダルフィーリングを向上することのできるブレーキ制御装置を提供することにある。
上記課題を解決するために、本発明のある態様のブレーキ制御装置は、作動液の供給により車輪に制動力を付与するホイールシリンダと、運転者により操作されるブレーキ操作部材と、ブレーキ操作部材の操作量に応じた液圧を発生させるマスタシリンダと、作動液を加圧して、マスタシリンダからホイールシリンダへの作動液通路に加圧した作動液を供給するポンプと、作動液通路上に設けられた電磁流量制御弁と、電磁流量制御弁前後の差圧が目標差圧となるように、ポンプと電磁流量制御弁を制御する制御部とを備える。制御部は、ポンプを停止した場合に、電磁流量制御弁前後の目標差圧を増加させ、前記電磁流量制御弁に供給される電流を増加させる制御を行う。
この態様によると、ポンプが停止したことにより電磁流量制御弁を通過する作動液の流量が減少して流体力が減少した場合であっても、電磁流量制御弁前後の目標差圧を増加させることにより、電磁流量制御弁の開度の増加が抑制される。その結果、マスタシリンダ圧が増加してブレーキペダルを運転者側に押し戻す現象を防止できるので、ペダルフィーリングを向上することができる。
制御部は、ポンプの停止を指示したのと略同時に、電磁流量制御弁前後の目標差圧を増加させ、前記電磁流量制御弁に供給される電流を増加させる制御を行ってもよい。
制御部は、マスタシリンダの液圧および/またはホイールシリンダの液圧の変動が所定値以下となるように、電磁流量制御弁前後の目標差圧を増加させ、前記電磁流量制御弁に供給される電流を増加させる制御を行ってもよい。
制御部は、ポンプの停止を指示してからポンプが停止するまでのポンプ停止時間と、電磁流量制御弁前後の目標差圧を増加させ、前記電磁流量制御弁に供給される電流を増加させる制御を行う目標差圧増加時間とを略一致させてもよい。
ポンプは、ブラシモータによって駆動され、制御部は、予め設定されたブラシモータの端子電圧とブラシモータの停止時間の関係を参照して、目標差圧増加時間を設定してもよい。
本発明によれば、ペダルフィーリングを向上することのできるブレーキ制御装置を提供できる。
以下、図面を参照しつつ本発明を実施するための最良の形態について詳細に説明する。
図1は、本発明の実施の形態に係るブレーキ制御装置が適用された車両100を示す概略構成図である。車両100は、いわゆるハイブリッド車両として構成されており、エンジン102と、エンジン102の出力軸であるクランクシャフトに接続された3軸式の動力分割機構103と、動力分割機構103に接続された発電可能なモータジェネレータ104と、変速機105を介して動力分割機構103に接続された電動モータ106と、ドライブシャフト108を介して変速機105に連結された車両100の駆動輪たる右前輪9FRおよび左前輪9FLと、各アクチュエータを制御する電子制御ユニット(以下「ECU」という)とを備える。
ECUは、車両100の制御手段として、その駆動系全体を制御するハイブリッドECU107、エンジンを制御するエンジンECU113、各モータを制御するモータECU114、ブレーキを制御するブレーキECU170等から構成されている。
各ECUは、各種演算処理を実行するCPU、各種制御プログラムを格納するROM、データ格納やプログラム実行のためのワークエリアとして利用されるRAM、エンジン停止時にも記憶内容を保持できるバックアップRAM等の不揮発性メモリ、入出力インターフェース、各種センサ等から入力されたアナログ信号をデジタル信号に変換して取り込むためのA/Dコンバータ、計時用のタイマ等を備えるものである。
エンジン102は、たとえばガソリンや軽油等の炭化水素系燃料を用いて運転される内燃機関であり、エンジンECU113により制御される。エンジンECU113は、ハイブリッドECU107と通信可能であり、ハイブリッドECU107からの制御信号や、エンジン102の作動状態を検出する各種センサからの信号に基づいてエンジン102の燃料噴射制御や点火制御、吸気制御等を実行する。また、エンジンECU113は、必要に応じてエンジン102の作動状態に関する情報をハイブリッドECU107に与える。
動力分割機構103は、図示しないが、遊星歯車装置を含むものであり、サンギヤにモータジェネレータ104が連結され、リングギヤに変速機105を介して電動モータ106が連結され、キャリヤにエンジン102のクランクシャフトが連結される。動力分割機構103は、変速機105を介して電動モータ106の出力を左右の前輪9FR、9FLに伝達する役割と、エンジン102の出力をモータジェネレータ104と変速機105とに振り分ける役割と、電動モータ106やエンジン102の回転速度を減速あるいは増速する役割とを果たす。
モータジェネレータ104と電動モータ106とは、それぞれインバータを含む電力変換装置111を介してバッテリ112に接続されており、電力変換装置111には、モータECU114が接続されている。バッテリ112としては、たとえばニッケル水素蓄電池などの蓄電池を用いることができる。モータECU114も、ハイブリッドECU107と通信可能であり、ハイブリッドECU107からの制御信号等に基づいて電力変換装置111を介してモータジェネレータ104および電動モータ106を制御する。
ハイブリッドECU107やモータECU114による制御のもと、電力変換装置111を介してバッテリ112から電力を電動モータ106に供給することにより、右前輪9FR、左前輪9FLを駆動することができる。また、エンジン効率のよい運転領域では、車両100はエンジン102によって駆動される。この際、動力分割機構103を介してエンジン102の出力の一部をモータジェネレータ104に伝えることにより、モータジェネレータ104が発生する電力を用いて、電動モータ106を駆動したり、電力変換装置111を介してバッテリ112を充電したりすることが可能となる。
また、車両100を制動する際には、ハイブリッドECU107やモータECU114による制御のもと、右前輪9FR、左前輪9FLから伝わる動力によって電動モータ106が回転させられ、電動モータ106が発電機として作動させられる。すなわち、電動モータ106、電力変換装置111、ハイブリッドECU107およびモータECU114等は、車両100の運動エネルギを電気エネルギに回生することによって右前輪9FR、左前輪9FLに制動力を付与する回生ブレーキユニット120として機能する。車両100のブレーキ制御装置は、このような回生ブレーキユニット120に加えて、液圧ブレーキユニット10を備える。液圧ブレーキユニット10は、油圧アクチュエータ80を含んで構成され、油圧アクチュエータ80から、右前輪9FRのホイールシリンダ54FR、左前輪9FLのホイールシリンダ54FLに作動液が供給される。
図2は、本発明の実施の形態に係る液圧ブレーキユニット10の構成を示す図である。図2に示す液圧ブレーキユニット10における液圧回路は、左前輪および右後輪用の系統と、右前輪および左後輪用の系統とが独立したダイアゴナル系統として構成される。これにより、一方の系統に何らかの支障をきたしても、他方の系統の機能は確実に維持される。
液圧ブレーキユニット10は、ブレーキ操作手段としてのブレーキペダル12の踏み込み量に応じた液圧を発生させ、作動液を第1および第2のポートより送り出すマスタシリンダ14を有し、第1のポートには左前輪と右後輪用のブレーキ油圧制御導管16aが接続され、第2のポートには右前輪と左後輪用のブレーキ油圧制御導管16bが接続されている。ブレーキペダル12とマスタシリンダ14との間には、運転者の踏力を増大させて大きな制動力を発生させるためのブレーキブースタ15が設けられている。
ブレーキペダル12には、運転者によるブレーキペダル12の操作量としてのペダルストロークを検出するストロークセンサ25が設けられている。ストロークセンサ25は、検知した値をブレーキECU170に与える。ストロークセンサ25の出力値は、所定時間おきにブレーキECU170に順次与えられ、ブレーキECU170の所定の記憶領域に所定量ずつ格納保持される。なお、ストロークセンサ25以外のブレーキ操作状態検出手段をストロークセンサ25に加えて、あるいは、ストロークセンサ25に代えて設け、ブレーキECU170に接続してもよい。ブレーキ操作状態検出手段としては、たとえば、ブレーキペダル12の操作力を検出するペダル踏力センサなどがある。
また、液圧ブレーキユニット10は、左前輪と右後輪用の高圧導管20aへ逆止弁23aを介して高圧の作動液を吐出供給するポンプ22aと、右前輪と左後輪用の高圧導管20bへ逆止弁23bを介して高圧の作動液を吐出供給するポンプ22bを有する。ポンプ22a、22bは、モータ24により駆動され、それぞれ供給導管28a、28bを経てリザーバ30a、30bより作動液を汲み上げるようになっている。高圧導管20a、20bには、それぞれ、高圧導管圧を検出する高圧導管圧センサ21a、21bが設けられている。以下においては適宜、ポンプ22a、22bを総称して、「ポンプ22」と呼び、高圧導管20a、20bを総称して、「高圧導管20」と呼び、高圧導管圧センサ21a、21bを総称して、「高圧導管圧センサ21」と呼ぶ。なお、高圧導管圧センサ21は、本発明の実施の形態に必須の構成要素ではなく、設けなくてもよい。
左前輪と右後輪用のブレーキ油圧制御導管16aと高圧導管20aとの間には、リニア制御弁32aおよび逆止弁33aが設けられている。リニア制御弁32aは、リニアソレノイドとスプリングを有しており、ソレノイドが非通電時は開いた状態にあり、供給する電流を調整することで開度を調整可能な常開型の電磁流量制御弁である。リニア制御弁32aの開度を調整することにより、ブレーキ油圧制御導管16aの油圧と高圧導管20aの油圧との間、すなわち、リニア制御弁32aの前後に差圧を作り出すことができる。また、ブレーキ油圧制御導管16aは、リザーバ30aに接続されている。
同様に、右前輪と左後輪用のブレーキ油圧制御導管16bと高圧導管20bとの間には、リニア制御弁32bおよび逆止弁33bが設けられている。リニア制御弁32bは、リニアソレノイドとスプリングを有しており、ソレノイドが非通電時は開いた状態にあり、供給する電流を調整することで開度を調整可能な常開型の電磁流量制御弁である。リニア制御弁32bの開度を調整することにより、ブレーキ油圧制御導管16bの油圧と高圧導管20bの油圧との間、リニア制御弁32bの前後に差圧を作り出すことができる。また、ブレーキ油圧制御導管16bは、リザーバ30bに接続されている。なお、以下においては、リニア制御弁32a、32bを総称して、適宜「リニア制御弁32」と呼ぶ。
左前輪と右後輪用の供給導管28aには、左前輪と右後輪用のリターン導管44aが接続されており、リターン導管44aと高圧導管20aとの間には、左前輪用の接続導管46FLおよび右後輪用の接続導管46RRが接続されている。接続導管46FLには、常開型のソレノイド弁である増圧弁48FLおよび常閉型のソレノイド弁である減圧弁50FLが設けられており、接続導管46RRには、常開型のソレノイド弁である増圧弁48RRおよび常閉型のソレノイド弁である減圧弁50RRが設けられている。
増圧弁48FLと減圧弁50FLとの間の接続導管46FLは、接続導管52FLにより左前輪のホイールシリンダ54FLに接続されており、接続導管52FLと高圧導管20aとの間には、ホイールシリンダ54FLより高圧導管20aへ向かう作動液の流れのみを許す逆止弁56FLが設けられている。
同様に、増圧弁48RRと減圧弁50RRとの間の接続導管46RRは、接続導管52RRにより右後輪のホイールシリンダ54RRに接続されており、接続導管52RRと高圧導管20aとの間には、ホイールシリンダ54RRより高圧導管20aへ向かう作動液の流れのみを許す逆止弁56RRが設けられている。ホイールシリンダ54FL、54RR、54RL、54FRは、作動液の供給により車輪に制動力を付与する。
左前輪および右後輪側と同様、右前輪と左後輪用のリザーバ30bには、右前輪と左後輪用のリターン導管44bが接続されており、リターン導管44bと高圧導管20bとの間には、左後輪用の接続導管46RLおよび右前輪用の接続導管46FRが接続されている。接続導管46RLには、常開型のソレノイド弁である増圧弁48RLおよび常閉型のソレノイド弁である減圧弁50RLが設けられており、接続導管46FRには、常開型のソレノイド弁である増圧弁48FRおよび常閉型のソレノイド弁である減圧弁50FRが設けられている。なお、以下においては、リターン導管44a、44bを総称して、適宜「リターン導管44」と呼ぶ。
増圧弁48RLと減圧弁50RLとの間の接続導管46RLは、接続導管52RLにより左後輪のホイールシリンダ54RLに接続されており、接続導管52RLと高圧導管20bとの間には、ホイールシリンダ54RLより高圧導管20bへ向かう作動液の流れのみを許す逆止弁56RLが設けられている。同様に、増圧弁48FRと減圧弁50FRとの間の接続導管46FRは、接続導管52FRにより右後輪のホイールシリンダ54FRに接続されており、接続導管52FRと高圧導管20bとの間には、ホイールシリンダ54FRより高圧導管20bへ向かう作動液の流れのみを許す逆止弁56FRが設けられている。
なお、以下においては、ホイールシリンダ54FL、54RR、54RL、54FRを総称して、適宜「ホイールシリンダ54」と呼ぶ。また、増圧弁48FL、48RR、48RL、48FRを総称して、「増圧弁48」と呼び、減圧弁50FL、50RR、50RL、50FRを総称して、「減圧弁50」呼ぶ。
車両の各車輪に対しては、ディスクブレーキユニットが設けられており、各ディスクブレーキユニットは、ホイールシリンダ54の作用によってブレーキパッドをディスクに押し付けることで制動力を発生するようになっている。
左前輪用、右後輪用、左後輪用および右前輪用のホイールシリンダ54FL〜54FR付近には、ホイールシリンダ圧を検出するホイールシリンダ圧センサ51FL、51RR、51RLおよび51FRが設けられている。以下、適宜、ホイールシリンダ圧センサ51FL〜51FRを総称して「ホイールシリンダ圧センサ51」と呼ぶ。なお、ホイールシリンダ圧センサ51は、本発明の実施の形態に必須の構成要素ではなく、設けなくてもよい。
また、左前輪、右後輪、左後輪および右前輪には、それぞれの車輪の車輪速を検出する車輪速センサ18FL、18RR、18RLおよび18FRが設けられている。以下、適宜、車輪速センサ18FL、18RR、18RLおよび18FRを総称して「車輪速センサ18」と呼ぶ。
上述のリニア制御弁32、増圧弁48、減圧弁50、ポンプ22等は、液圧ブレーキユニット10の油圧アクチュエータ80を構成する。そして、かかる油圧アクチュエータ80は、ブレーキECU170によって制御される。ブレーキECU170は、上位のハイブリッドECU107などと通信可能であり、ハイブリッドECU107からの制御信号や、各種センサからの信号に基づいて、ポンプ22を駆動するモータ24、リニア制御弁32、増圧弁48、減圧弁50などを制御する。
また、ブレーキECU170には、マスタシリンダ圧センサ13および高圧導管圧センサ21が接続される。マスタシリンダ圧センサ13および高圧導管圧センサ21は、所定時間おきに検出値をブレーキECU170に送信する。ブレーキECU170は、マスタシリンダ圧センサ13から入力されたマスタシリンダ圧と、高圧導管圧センサ21から入力された高圧導管圧とから、リニア制御弁32前後の差圧Pを算出する。差圧Pは、リニア制御弁32の制御電流から求めることも可能である。
さらに、ブレーキECU170には、車輪速センサ18から各車輪の車輪速度を示す信号が入力され、ヨーレートセンサからヨーレートを示す信号が入力され、操舵角センサからステアリングホイールの操舵角を示す信号が入力されたりしている。
以上のように構成されたブレーキ制御装置の動作について説明する。図3は、本発明の実施の形態に係るブレーキ制御装置の動作を説明するための図である。図3において、横軸は時間を表しており、縦軸は、上から、車速、リニア制御弁32前後の目標差圧、ポンプ22の回転数、制動力をそれぞれ表している。
本実施の形態に係るブレーキ制動装置においては、回生協調制御が行われる。回生協調制御は、駆動輪に加わる回生制動力と駆動輪と従動輪との両方に加わる液圧制動力との和が、運転者の要求する要求制動力となるように行われる制御である。
時刻tにおいて、車速Vで走行していた車両100に対して制動要求がなされた、すなわち、運転者によりがブレーキペダル12が踏み込まれたとする。ブレーキペダル12が操作されると、ブレーキECU170は、ストロークセンサ25にて検出されたペダルストロークに基づいて、要求制動力Fを演算する。
液圧ブレーキユニット10では、通常の走行状態にある場合には、リニア制御弁32が開弁、増圧弁48が開弁、減圧弁50が閉弁された状態にあり、運転者がブレーキペダル12を踏み込んだことにより生じたマスタシリンダ圧と同じ油圧がホイールシリンダ圧に生じ、マスタ圧制動力Flmを発生するようになっている。
ブレーキECU170は、要求制動力Fからマスタ圧制動力Flmを減算した値を回生制動力Fとして設定し、ハイブリッドECU107に対して回生制動力Fの情報を供給する。
ハイブリッドECU107は、回生制動力Fの情報をモータECU114に出力する。モータECU114は、電動モータ106によって右前輪9FRおよび左前輪9FLに加えられる回生制動力が回生制動力Fとなるように、電力変換装置111に制御指令を出力する。電動モータ106は電力変換装置111によって制御される。
その後、回生制動力Fとマスタ圧制動力Flmとの和の制動力により車速が徐々に減少していき、時刻tにおいて車速が所定の基準車速V以下になった場合、ブレーキECU170は、回生制動力Fを、ポンプ22により加圧した作動液をホイールシリンダ54に供給することによって生じるポンプ加圧制動力Flpに肩代わりさせる所謂「すり替え制御」を行う。このようなすり替え制御を行うのは、回生制動力Fは、低速域において制動力が低下するためである。
時刻tにおいてスムーズにすり替え制御を開始するために、ブレーキECU170は、時刻tより前にモータ24を駆動して、ポンプ回転数を所定の回転数に上昇させておくことが好ましい。ポンプ22を駆動させた場合、リニア制御弁32が開状態の場合には、ポンプ22から吐出された作動液は、リニア制御弁32を経てリザーバ30へと循環するため、リニア制御弁32の前後に差圧Pは発生しないが、リニア制御弁32の開度を小さくすることによって、リニア制御弁32前後に差圧Pが発生するので、ホイールシリンダ圧をマスタシリンダ圧以上に増圧することができる。
ブレーキECU170は、ハイブリッドECU107に指令を出して回生制動力Fの値を減少させつつ、回生制動力Fの減少分をポンプ加圧制動力Flpで補うようにリニア制御弁32前後の目標差圧Prefを設定する。ここでは、目標差圧Prefを、目標差圧Pまで増加させている。
その後、時刻tにおいて、回生制動力Fからポンプ加圧制動力Flpへのすり替え制御が完了し、さらに車速が減少していって、時刻tにおいて車両100が停止したとする。ここで、ポンプ22の駆動を停止するタイミングが問題となる。本実施の形態に係る液圧ブレーキユニット10は、電子制御式ブレーキシステムと異なり、マスタシリンダ14とホイールシリンダ54の連通を遮断せず、マスタシリンダ14からホイールシリンダ54へ作動液が供給され得る状態で制動力の制御が行われるので、運転者がブレーキペダル12を操作している途中にポンプ22を停止すると、リニア制御弁32を通過する作動液の流量が減少することにともない流体力が減少し、リニア制御弁32の開度が増加する場合がある。その結果、リニア制御弁32を通ってマスタシリンダ14に流入する作動液が増加することによりブレーキペダル12を運転者の側に押し戻す現象が生じ、運転者がペダルフィーリングの悪化を感じる可能性がある。
この問題を解決するために、車両100が停止してもポンプ22の駆動を続け、運転者がブレーキペダル12から足を離した後にポンプ22を停止する制御も考えられる。しかしながら、ポンプ22を駆動するモータ24がブラシモータの場合、ブラシと整流子が摩耗するので、モータ24の駆動時間はできるだけ短いことが望ましい。また、ブラシモータ、ブラシレスモータのいずれの場合も、省電力化という観点からは、モータ24の駆動時間ができるだけ短いことが望ましい。そこで、本実施の形態に係るブレーキ制御装置では、以下に説明するリニア弁開度変動抑制制御を行う。
図4は、リニア弁開度変動抑制制御を説明するための図である。図4において、横軸は時間を表しており、縦軸は、上から、ポンプ22の回転数、リニア制御弁32前後の目標差圧、マスタシリンダ圧Pおよびホイールシリンダ圧Pを表している。
図4は、車両100が停止した時刻t前後の状態を示している。車両100が停止した時刻tにおいて、ブレーキECU170は、ポンプ22の停止を指示する。すなわち、ポンプ22を駆動するモータ24への電流の供給を停止する。時刻tの後も、慣性力によりモータ24は回転し、それに伴ってポンプ22も回転するが、回転数は徐々に減少し、時刻tにおいてポンプ22は停止する。
ポンプ22の停止を指示した場合、ブレーキECU170は、目標差圧Prefを、それまでの目標差圧Pから、目標差圧Pまで増加させる。目標差圧Pを増加させるタイミングは、ポンプ22の停止を指示した時刻tと略同時であることが好ましい。目標差圧Prefを増加させることにより、リニア制御弁32に供給される電流が増加され、リニア制御弁32の開度を小さくする方向に力(力Fと呼ぶ)が働く。上述したように、リニア制御弁32には、ポンプ22の停止にともなって作動液の流体力が減少し、リニア制御弁32の開度を大きくする方向に力(力Fと呼ぶ)が働くが、このように目標差圧Prefを増加させることにより、力Fと力Fが互いに打ち消し合い、リニア制御弁32の開度の変動を抑制することができる。その結果、マスタシリンダ圧Pが増加してブレーキペダル12を運転者側に押し戻す現象を防止できるので、ペダルフィーリングを向上することができる。
また、ポンプ22の停止にともなってリニア制御弁32の開度が大きくなった場合、マスタシリンダ圧Pが増加する一方、ホイールシリンダ圧Pは減少するので、ホイールシリンダ圧Pによる制動力が減少する可能性がある。本実施の形態のように、ポンプ22を停止した場合に目標差圧Prefを増加させる制御を行うことにより、リニア制御弁32の開度の変動を抑制でき、ホイールシリンダ圧Pによる制動力の減少を抑制することができる。
ポンプ22の停止指示と略同時に目標差圧Prefを増加させる度合い(目標差圧Pと目標差圧Pの差分ΔP)は、マスタシリンダ圧Pおよび/またはホイールシリンダ圧Pの変動が所定値以下となるように設定することが好ましい。適切な差分ΔPは、車両によって異なるので、適宜実験やシミュレーションによって定めればよい。
ブレーキECU170は、ポンプ22の停止を指示してからポンプ22が停止するまでのポンプ停止時間Δtと、リニア制御弁32前後の目標差圧Prefを目標差圧Pから目標差圧Pに増加させる目標差圧増加時間Δtとを、図4に示すように略一致させることが好ましい。このように、ポンプ停止時間Δtと目標差圧増加時間Δtとを略一致させることにより、マスタシリンダ圧Pやホイールシリンダ圧Pの変動をより好適に抑制でき、ペダルフィーリングを向上できる。
モータ24がブラシモータの場合、モータに供給する電流をオフしてからモータが停止するまでの時間ΔTは、モータの端子電圧によって変化する。従って、ブラシモータの端子電圧とブラシモータの停止時間の関係をテーブルとしてブレーキECU170の記憶領域に予め記憶させておき、ブレーキECU170は、このブラシモータの端子電圧とブラシモータの停止時間の関係を参照してポンプ停止時間Δtを推定し、この推定したポンプ停止時間Δtと略一致するように目標差圧増加時間Δtを設定する。これにより、好適に目標差圧増加時間Δtを設定できるので、マスタシリンダ圧Pやホイールシリンダ圧Pの変動が好適に抑制され、ペダルリーリングを向上できる。
以上、実施の形態をもとに本発明を説明した。これらの実施形態は例示であり、各構成要素や各処理プロセスの組合せにいろいろな変形例が可能なこと、またそうした変形例も本発明の範囲にあることは当業者に理解されるところである。
上述の実施の形態では、ブレーキECUは、車両が停止した時刻tと略同時にポンプの停止を指示したが、ポンプを停止する時間は、車両の停止と同時である場合に限られない。
また、上述の実施の形態では、回生協調制御を行うブレーキ制御装置を例として説明を行ったが、これに限られず、マスタシリンダとホイールシリンダとが連通した状態でポンプにより加圧された作動液をホイールシリンダに供給するタイプのブレーキ制御装置であれば、ポンプを駆動停止した場合にリニア弁前後の目標差圧を増加させる制御を行うことにより、ペダルフィーリングを向上することができる。
本発明の実施の形態に係るブレーキ制御装置が適用された車両を示す概略構成図である。 本発明の実施の形態に係る液圧ブレーキユニットの構成を示す図である。 本発明の実施の形態に係るブレーキ制御装置の動作を説明するための図である。 リニア弁開度変動抑制制御を説明するための図である。
符号の説明
10 液圧ブレーキユニット、 12 ブレーキペダル、 14 マスタシリンダ、 15 ブレーキブースタ、 22 ポンプ、 24 モータ、 30 リザーバ、 32 リニア制御弁、48 増圧弁、 50 減圧弁、 54 ホイールシリンダ、 100 車両、 107 ハイブリッドECU、 120 回生ブレーキユニット、 170 ブレーキECU。

Claims (5)

  1. 作動液の供給により車輪に制動力を付与するホイールシリンダと、
    運転者により操作されるブレーキ操作部材と、
    前記ブレーキ操作部材の操作量に応じた液圧を発生させるマスタシリンダと、
    作動液を加圧して、前記マスタシリンダから前記ホイールシリンダへの作動液通路に加圧した作動液を供給するポンプと、
    前記作動液通路上に設けられた電磁流量制御弁と、
    前記電磁流量制御弁前後の差圧が目標差圧となるように、前記ポンプと前記電磁流量制御弁を制御する制御部と、
    を備え、
    前記制御部は、前記ポンプを停止した場合に、前記電磁流量制御弁前後の目標差圧を増加させ、前記電磁流量制御弁に供給される電流を増加させる制御を行うことを特徴とするブレーキ制御装置。
  2. 前記制御部は、前記ポンプの停止を指示したのと略同時に、前記電磁流量制御弁前後の目標差圧を増加させ、前記電磁流量制御弁に供給される電流を増加させる制御を行うことを特徴とする請求項1に記載のブレーキ制御装置。
  3. 前記制御部は、前記マスタシリンダの液圧のおよび/または前記ホイールシリンダの液圧の変動が所定値以下となるように、前記電磁流量制御弁前後の目標差圧を増加させ、前記電磁流量制御弁に供給される電流を増加させる制御を行うことを特徴とする請求項1または2に記載のブレーキ制御装置。
  4. 前記制御部は、前記ポンプの停止を指示してから前記ポンプが停止するまでのポンプ停止時間と、前記電磁流量制御弁前後の目標差圧を増加させ、前記電磁流量制御弁に供給される電流を増加させる制御を行う目標差圧増加時間とを略一致させることを特徴とする請求項1から3のいずれかに記載のブレーキ制御装置。
  5. 前記ポンプは、ブラシモータによって駆動され、前記制御部は、予め設定された前記ブラシモータの端子電圧と前記ブラシモータの停止時間の関係を参照して、前記目標差圧増加時間を設定することを特徴とする請求項4に記載のブレーキ制御装置。
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