JP4355164B2 - 車両の制動装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、車両の制動装置、特に、回生制動装置などと組み合わせて用いるため、運転者の制動操作力に応じた制動力を電子制御可能な車両の制動装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
運転者の制動操作力に応じた制動力を発生する液圧式や電動式などの摩擦制動装置は、例えば回生制動装置などと組み合わせて複合ブレーキとなすような場合、回生制動装置などがモータ/ジェネレータの回転数(車速)やバッテリの蓄電状態に応じて許容最大回生制動トルクを異にするため、そして、エネルギー回収効率の観点からできるだけこの許容最大回生制動トルクを使い切る要求があるため、運転者の制動操作力に応じた摩擦制動力を逐一電子制御する必要がある。
【0003】
この電子制御に当たっては、運転者の制動操作力から求め得る要求制動トルクを摩擦制動装置と回生制動装置とで発生させるために、そして、回生制動装置の許容最大回生制動トルクをエネルギー回収効率の観点から許容最大回生制動トルクを使い切る要求があるため、要求制動力から許容最大回生制動トルクを差し引いて摩擦制動装置が発生すべき目標摩擦制動トルクと定め、運転者の制動操作力に応じた摩擦制動装置の制動トルクがこの目標摩擦制動トルクとなるよう摩擦制動装置を電子制御する。
【0004】
かかる電子制御が可能となるようにした車両の制動装置としては従来、例えば特許文献1に記載のようなものが知られている。
つまり、ブレーキペダルの踏み込みに応動するマスターシリンダからの液圧を車輪のホイールシリンダへ供給するブレーキ液圧回路中に、上記の電子制御に際して閉じる遮断弁を挿置し、マスターシリンダのリザーバ内における作動液を媒体として吐出するポンプ、これを駆動する電動モータ、およびポンプからの作動液を蓄圧するアキュムレータで構成された液圧源を設ける。
上記の電子制御に際しては、この液圧源のアキュムレータ内圧を用いて増圧弁を介しホイールシリンダ内のブレーキ液圧を増圧したり、減圧弁を介しホイールシリンダ内のブレーキ液圧を減圧することにより、マスターシリンダ液圧とは関係なくブレーキ液圧を電子制御し得るようにしたものである。
【0005】
【特許文献1】
特開平2000−168536号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記のようにして電子制御可能とした車両の制動装置にあっては、上記の電子制御に伴ってブレーキペダルのストロークや反力の変化が発生することによる違和感を回避するために上記の遮断弁が不可欠であり、更に加えて、電子制御中も通常通りのブレーキペダルの操作フィーリング(ストロークや反力)が必要であることから、この遮断弁およびマスターシリンダ間のブレーキ液圧回路にストロークシュミレータを接続して設ける必要がある。
これら遮断弁およびストロークシュミレータは部品点数の増大によりコスト上の不利益を招き、特にストロークシュミレータは、通常通りのブレーキペダルフィーリングを発生させるチューニングに多大の工数と複雑な構成を必要とし、コストアップの大きな要因となる。
【0007】
本発明は、従来のように遮断弁やストロークシュミレータを必要とすることなく、従って、少ない部品点数で安価に制動力の電子制御が可能となるようにした車両の制動装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
この目的のため本発明による車両の制動装置は、請求項1に記載のごとく、
運転者の制動操作力を入力されるマスターシリンダから出力されたマスターシリンダ液圧に応動して機械的に車輪を制動する第1ブレーキ系と、
少なくとも該第1ブレーキ系による制動状態の検出結果に応じて別の車輪を任意に制動制御する第2ブレーキ系と、
第1ブレーキ系により制動される車輪または前記第2ブレーキ系により制動される車輪に駆動連結され、該車輪の回転エネルギーを電気エネルギーに変換してバッテリに蓄電することにより車輪に制動力を付与する回生制動装置と、
機械的な第1ブレーキ系による制動状態の検出結果から該第1ブレーキ系の制動力および車両の要求減速度を演算する第1制動力演算手段および要求減速度演算手段と、
これら演算手段により求めた第1ブレーキ系の制動力および車両の要求減速度から、第1ブレーキ系の制動力との協働により車両の要求減速度を実現するのに必要な制動力不足分である前記第2ブレーキ系の目標制動力および前記回生制動装置の回生制動力を演算する第2制動力演算手段および回生制動力演算手段と、を具え、
第2ブレーキ系を該目標制動力が発生するよう制御すると共に回生制動装置を前記回生制動力が発生するよう制御する構成にしたことを特徴とするものである。
【0009】
【発明の効果】
かかる本発明の構成によれば、第1ブレーキ系はマスターシリンダ液圧に応動して機械的に車輪を制動することから、当該車輪を運転者の制動操作力に応じた制動力で機械的に制動することができる。
一方で第2ブレーキ系は、少なくとも第1ブレーキ系による制動状態の検出結果に応じて別の車輪を任意に制動制御するため、この検出結果を用いて当該車輪の制動力を任意に制御することができる。
しかもこの際、第1ブレーキ系は車輪を機械的に制動するため、遮断弁やストロークシュミレータを付加することなく、通常の液圧ブレーキ装置と同様なブレーキペダル操作フィーリングを得ることができ、少ない部品点数で安価に当該上記の制動制御が可能となってコスト上大いに有利である。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の参考形態を図面に基づき詳細に説明する。
図1は、本発明のー参考形態になる車両の制動装置を示し、1は、運転者が踏み込んで制動操作力を付与するブレーキペダル、2は、ブレーキペダル1からの制動操作力を入力されるマスターシリンダである。
ブレーキペダル1からの制動操作力は、負圧式や、正圧式や、油圧式を可とする倍力装置3を介して倍力下に入力する。
【0011】
マスターシリンダ2はタンデムマスターシリンダとし、該マスターシリンダ2の2個の液圧出口から左右前輪4L,4Rの制動ユニット(ドラムブレーキやディスクブレーキ等)5L,5Rまでブレーキ配管6L,6Rを延在させ、これら独立した2系統により第1ブレーキ系7を構成する。
左右後輪8L,8Rの制動ユニット(ドラムブレーキやディスクブレーキ等)9L,9Rは、ブレーキ配管10L,10Rを介して後輪制動力制御装置11に接続し、これら独立した2系統により第2ブレーキ系12を構成する。
【0012】
後輪制動力制御装置11は、詳細を図示しなかったが、電動式ポンプおよびアキュムレータを含むブレーキ液圧源と、これからの液圧を元圧としてブレーキ配管10L,10Rへのブレーキ液圧を決定する増圧弁および減圧弁と、これら弁の開閉制御を司るコントローラとで構成する。
そしてコントローラは、ブレーキペダル1の踏み込みストロークSを検出するストロークセンサ13からの信号を入力され、これを基に第1ブレーキ系7による前輪制動力および車両の要求減速度を演算する第1制動力演算手段および目標減速度演算手段と、これら第1ブレーキ系7による前輪制動力および車両の要求減速度から、第1ブレーキ系7による前輪制動力との協働により車両の要求減速度を実現可能な第2ブレーキ系12の目標後輪制動力を演算する第2制動力演算手段とを内蔵し、この目標後輪制動力が第2ブレーキ系12により達成されるよう増圧弁および減圧弁を開閉制御するものとする。
【0013】
上記した構成になる本参考形態によれば、第1ブレーキ系7はマスターシリンダ液圧に応動して前輪4L,4Rを機械的に制動することから、常に前輪4L,4Rを運転者のブレーキペダル1からの制動操作力に応じた制動力で制動することができる。
一方で第2ブレーキ系12は、少なくとも第1ブレーキ系7による制動状態を表すブレーキペダルストロークSに応じて後輪8L,8Rを任意に制動制御するため、ブレーキペダルストロークSを用いて後輪8L,8Rの制動力を任意に加減することができる。
しかもこの際、第1ブレーキ系7は前輪4L,4Rを機械的に制動するため、従来装置につき前記した遮断弁やストロークシュミレータを付加することなく、通常の液圧ブレーキ装置と同様なブレーキペダル操作フィーリングを得つつ、第2ブレーキ系12による後輪8L,8Rの任意の制動制御が可能であり、少ない部品点数で安価に上記の制動制御が可能となってコスト上大いに有利である。
【0014】
そして上記によれば、第1ブレーキ系7の制動力が機械的に定まることからその制御に際して演算が一切不要であり、第2ブレーキ系12の目標制動力を前記した通り、第1ブレーキ系7の制動力との関連で、車両の要求制動力が達成されるような値に設定する演算のみで足り、演算が大いに簡素化されて応答性も向上する。
【0015】
また、ブレーキペダル1からの制動操作力を倍力装置3によりマスターシリンダ2へ入力するよう構成したため、以下の作用効果が奏し得られる。
つまり従来の制動装置においては、電気系の失陥時に全輪のブレーキ液圧源であるポンプ駆動モータが動作不能になって全輪が制動不能になることから、このような電気系失陥時は前記の遮断弁を開いてマスターシリンダ液圧がそのまま全輪のブレーキユニットに供給されるようにした対策がなされている。
しかし従来の制動装置においては、倍力装置を設けないか、設ける場合においても、上記電動モータ駆動ポンプからのブレーキ液を流用する油圧式の倍力装置を用いるのが常套であったため、電気系の失陥時はいずれにしてもブレーキペダルからマスターシリンダへの制動操作力が倍力されなくなる。
【0016】
これに対し本参考形態によれば、ブレーキペダル1からの制動操作力を倍力装置3によりマスターシリンダ2へ入力するため、制動力制御装置11内におけるポンプ駆動モータが動作不能になる電気系の失陥時においても、前輪4L,4Rは倍力装置3による制動作用を継続することができ、全輪で倍力装置による制動が不能になる従来装置に較べ、同一操作力当たりの車両としての制動力が大きくなるという利点がある。
通常、一般的に倍力装置による倍力比は6〜9倍くらいのため、倍力不能になると同一操作力当たりの車両としての制動力は1/9〜1/6程度に低下してしまうが、本参考形態によれば車両制動力がこれほど大きく低下するのを回避することができる。
【0017】
参考形態においては更に、マスターシリンダ2をタンデムマスターシリンダとし、第1ブレーキ系7を、タンデムマスターシリンダ2の2個のマスターシリンダ液圧出口から前輪4L,4Rの制動ユニット5L,5Rに至る独立した2系統6L,6Rにより構成したため
第1ブレーキ系7を成す独立した2系統6L,6Rのうち一方が失陥しても他方の系統による制動力を確保することができ、第1ブレーキ系7の失陥時における制動力低下代を小さくすることができる。
【0018】
なお上記した参考形態では、後輪制動力制御装置11へ入力すべき第1ブレーキ系7による制動状態として、ストロークセンサ13により検出したブレーキペダルストロークSを用いたが、
この代わりに図2に示すごとく、第1ブレーキ系7を成す2系統6L,6Rのうち一方(図2では左前輪系統6L)へのマスターシリンダ液圧Pmを検出するマスターシリンダ液圧センサ14からの信号を後輪制動力制御装置11へ入力したり、
或いは図3に示すごとく、第1ブレーキ系7を成す2系統6L,6Rのうち一方(図2では左前輪系統6L)のブレーキ液圧Pwを検出するブレーキ液圧センサ15からの信号を後輪制動力制御装置11へ入力してもよい。
【0019】
ところで、図2のようにマスターシリンダ液圧Pmを用いるにしても、また、図3のようにブレーキ液圧Pwを用いるにしても、マスターシリンダ液圧Pmを用いる場合につき図4に示すごとく、第1ブレーキ系7を成す2系統6L,6Rに個々に液圧センサ13a,14bを設け、これらセンサからの情報を後輪制動力制御装置11へ入力するのがよい。
この場合、第1ブレーキ系7を成す2系統6L,6Rのうち一方が失陥しても、正常な系統における液圧センサ14aまたは14bからの情報を用いて後輪制動力制御装置11は目標後輪制動力を演算することができ、信頼性を高める上で大いに有利である。
【0020】
図5は、本発明の更に他の参考形態を示し、本参考形態においては後輪制動力制御装置11へ入力すべき第1ブレーキ系7による制動状態として、踏力センサ16により検出したブレーキペダル1の踏力F(制動操作力)を用いたものである。
ここで、ブレーキペダル踏力FとブレーキペダルストロークSとの間に図7のごとき関係があり、倍力装置3が正常に機能している場合と失陥した場合とでは、同じブレーキペダル踏力FのもとでもブレーキペダルストロークSが異なる。
従って、第1ブレーキ系7による制動状態をブレーキペダル踏力F(制動操作力)で判断する場合、倍力装置3が失陥しても運転者が意図する制動力を確実に読み込むことができ、車両の要求制動力を正確に求めることができて制動力制御を一層正確なものにし得る。
【0021】
なお図1〜図5の何れの参考形態においても、左右前輪4L,4Rに係わるブレーキ系をマスターシリンダ液圧に応動する機械的な第1ブレーキ系7とし、左右後輪8L,8Rに係わるブレーキ系を少なくとも第1ブレーキ系7による制動状態の検出結果に応動する第2ブレーキ系12としたが、これらの関係を逆にしても同様の作用効果を達成し得ること勿論であるし、
或いは、左前輪4Lおよび右後輪8Rに係わるブレーキ系をマスターシリンダ液圧に応動する機械的な第1ブレーキ系7とし、右前輪4Rおよび左後輪8Lに係わるブレーキ系を少なくとも第1ブレーキ系7による制動状態の検出結果に応動する第2ブレーキ系12としてもよい。
【0022】
図7は、本発明の実施の形態を示し、本実施の形態においては、図2に示した構成に回生制動装置17を付加したもので、図中、図2におけると同様の部分を同一符号にて示す。
本実施の形態においては回生制動装置17を、第2ブレーキ系に12により制動される後輪8L,8Rに関連して設ける。
ここで回生制動装置17は、後輪8L,8Rに駆動連結されて該車輪の回転エネルギーを電気エネルギーに変換し、この電気エネルギーをバッテリに蓄電することにより後輪8L,8Rに制動力を付与するものとする。
【0023】
なお、回生制動装置17を図7のように後輪8L,8Rに関連して設ける場合、制動力配分が前輪4L,4Rに偏るのを防止し得て、制動時に車両姿勢が前のめりになる傾向を回避することができ好ましいが、回生制動装置17は図8のように前輪4L,4Rに関連して設けてもよいこと勿論である。
図7および図8のように回生制動装置17を付加する場合、回生制動によるエネルギー回収によりエネルギーの有効利用を図ることができて有利である。
【0024】
いずれにしても第2ブレーキ系12の目標制動力および回生制動装置17による回生制動力は、例えば図9に示す制御プログラムにより決定することができる。
先ずステップS11においては、第1ブレーキ系7による制動状態を検出するが、ここでは図7および図8に示すセンサ14により検出したマスターシリンダ液圧Pmを、第1ブレーキ系7の制動状態として読み込む。
要求減速度演算手段に相当する次のステップS12においては、図13に例示した機械的な第1ブレーキ系7(前輪4L,4R)の制動圧、つまりマスターシリンダ液圧Pmと、車両の要求減速度Gsとの関係を表した予定のマップを基に、マスターシリンダ液圧Pmから車両の要求減速度Gsを検索により求める。
【0025】
次いで、第1制動力演算手段に応答するステップS13において、機械的な第1ブレーキ系7の制動力F1(図7および図8では前輪制動力)を、マスターシリンダ液圧Pmと、液圧・制動力変換係数Kとを用い、F1=Pm×Kの演算により求める。
次のステップS14においては、要求減速度Gsおよび第1ブレーキ系7による制動力F1(以下では、第1制動力F1とも言う)の関数f(Gs, F1)で表される、要求減速度Gsに対する制動力不足分Foを求める。
具体的には、要求減速度Gsごとにこれを達成可能な前後輪制動力の組み合わせを示した図14に例示するマップを基に、要求減速度Gsおよび第1制動力F1から、Gs=0.4Gである場合につき図14に示すようにして、要求減速度Gsに対する制動力不足分Foを求める。
第1制動力F1のみでは車両の要求減速度Gsを達成することができず、Foはその時の不足分を意味する。
【0026】
回生制動力演算手段に相当するステップS15では、上記の制動力不足分Foと、回生制動装置17の許容最大回生制動力Fgmaxとから、以下のようにして回生制動装置17の回生制動力Fgを設定する。
つまり、回生制動を併用する車両の制動装置においては、回生制動によるエネルギー回収効率を高める意味合いにおいて回生制動装置17の許容最大回生制動力Fgmaxをできるだけ使い切るのがよいことから、しかし、回生制動装置17の回生制動力Fgが上記の制動力不足分Foを越えると車両減速度が要求減速度Gsを越えて過大になるため、
制動力不足分Foおよび許容最大回生制動力Fgmaxのうちの小さい方min(Fo, Fgmax)を回生制動装置17の回生制動力Fgと定め、これを回生制動装置17に指令する。
【0027】
その後、第2制動力演算手段に相当するステップS16で、制動力不足分Foから回生制動力Fgを差し引いて第2ブレーキ系12の目標制動力F2を求め、これを後輪制動力制御装置11に指令する。
【0028】
以上のような第2ブレーキ系12(目標制動力F2)および回生制動装置17(回生制動力Fg)による車両の制動力制御によれば、機械的な第1ブレーキ系7による制動状態(ブレーキペダルストロークS)の検出結果から求めた第1ブレーキ系7の制動力F1および車両の要求減速度Gsを基に、第1ブレーキ系7の制動力F1との協働により要求減速度Gsを実現可能な第2ブレーキ系12の目標制動力F2および回生制動装置17の回生制動力Fgを求めて車両の制動力制御に資するため、
第1ブレーキ系7の制動力F1と、第2ブレーキ系12の目標制動力F2と、回生制動装置17による回生制動力Fgとで要求減速度Gsを確実に達成することができ、回生制動によるエネルギー回収を図りつつ要求減速度Gsの実現が可能である。
【0029】
しかも、第1ブレーキ系7の制動力F1が運転者によるブレーキペダル操作で機械的に決定されるため、これに関する演算が不要となり、第2ブレーキ系12の目標制動力F2および回生制動装置17の回生制動力Fgを演算するだけでよくて、演算負荷を減ずることができる。
なお、図9のステップS15およびステップS16における回生制動力Fgを0にした場合の制御が、図1〜図5のように回生制動装置を付設しない制動システム用の前記した制御となるのは言うまでもない。
【0030】
図10は、図7に示すように回生制動装置17を第2ブレーキ系12に係わる後輪8L,8Rに関連して設けた制動システムを制御対象とし、第2ブレーキ系12および回生制動装置17の制御量を図9とは別の要領で求める制御プログラムを示す。
ステップS21〜ステップS23は、図9におけるステップS11〜ステップS13と同様のもので、ステップS21において機械的な第1ブレーキ系7の制動状態(マスターシリンダ液圧Pm)を読み込み、ステップS22において車両の要求減速度Gsを求め、ステップS23において第1ブレーキ系7の制動力F1(前輪制動力)を演算する。
【0031】
ステップS24においては、図9のステップS12におけると同様にして求めた要求減速度Gsの関数f(Gs)で表される車両の要求制動力Ftotal(要求減速度Gsを達成するための制動力)を求める。
この要求制動力Ftotalは、例えば図15に例示するように車両ごとに予め求めておいたマップを基に要求減速度Gsから検索により求めるのがよい。
ステップS25においては、要求制動力Ftotalに対する制動力不足分FoをFo=Ftotal−F1の演算により求める。
第1制動力F1のみでは車両の車両の要求制動力Ftotalを達成することができず、Foはその時の不足分を意味する。
【0032】
ステップS26においては、図9のステップS15におけると同様にして、制動力不足分Foおよび許容最大回生制動力Fgmaxのうちの小さい方min(Fo, Fgmax)を回生制動装置17の回生制動力Fgと定める。
ステップS27においては、図9のステップS16におけると同様にして、制動力不足分Foから回生制動力Fgを差し引いて第2ブレーキ系12の目標制動力F2を求める。
ステップS28においては、前軸制動力Ffおよび後軸制動力Frを演算するが、この演算に当たっては図7の構成に照らして、第1制動力F1をそのまま前軸制動力Ffとし、第2制動力F2および回生制動力Fgの和値を後軸制動力Frとする。
【0033】
第2制動力補正手段および回生制動力補正手段に相当するステップS29においては、先ず、後輪が前輪より先に制動ロックして車両挙動が不安定になることのないよう上記後軸制動力Frを制限する。
図16は、制動時に前後輪が同時にロックする前後軸理想制動力配分特性を例示するもので、特性線図より上の領域が後軸制動力Frの過大で後輪を先にロックさせる領域、下の領域が前軸制動力Ffの過大で前輪を先にロックさせる領域を示し、前後軸制動力配分を図16の理想特性よりも下の領域となるよう定めることで制動時の車両挙動を安定させることができる。
そこで後軸制動力Frの制限に当たっては、図16の前後軸制動力理想配分特性を基に前軸制動力Ffから後軸制動力限界値Frlimを求め、これと上記後軸制動力Frとの小さい方min{Fr, Frlim(Ff)}を制限済後軸制動力Fr1と定める。
【0034】
そして、後軸制動力Frから制限済後軸制動力Fr1を差し引くことにより後軸制動力過大分dFr1(=Fr−Fr1)を求め、第2制動力F2からこの後軸制動力過大分dFr1を差し引いて、第2ブレーキ系12の補正済目標制動力F2t(=F2−dFr1)求める。
しかし、補正済目標制動力F2tが負値になると制御上の不都合を生ずるから、(F2−dFr1)と0との大きい方max(0, F2−dFr1)を補正済目標制動力F2tと定める。
次に、補正済目標制動力F2tと回生制動力Fgとの和値(第2制動力F2の上記補正後における後軸制動力)から制限済後軸制動力Fr1を差し引いて、第2制動力F2の上記補正後における後軸制動力過大分dFr2(=F2t−Fr1)を求める。
そして、回生制動力Fgからこの後軸制動力過大分dFr2を差し引いて、補正済回生制動力Fg2(=Fg−dFr2)求める。
しかし、補正済回生制動力Fg2が負値になると制御上の不都合を生ずるから、(Fg−dFr2)と0との大きい方max(0, Fg−dFr2)を補正済回生制動力Fg2と定める。
【0035】
ステップS30においては、ステップS29で上述のように求めた補正済目標制動力F2tおよび補正済回生制動力Fg2をそれぞれ、図7における後輪制動力制御装置11および回生制動装置17に出力して指令する。
【0036】
以上のような第2ブレーキ系12(補正済目標制動力F2t)および回生制動装置17(補正済回生制動力Fg2)による車両の制動力制御によれば、これら補正済目標制動力F2tおよび補正済回生制動力Fg2が、後輪先ロックとなることのない前後軸制動力(Ff, Fr)配分となすものであることから、
制動時に後輪が前輪よりも先にロックして車両が挙動不安定になるのを防止することができる。
また本実施の形態においても、第1ブレーキ系7の制動力F1が運転者によるブレーキペダル操作で機械的に決定されるため、これに関する演算が不要であり、第2ブレーキ系12の補正済目標制動力F2tおよび回生制動装置17の補正済回生制動力Fg2を演算するだけでよくて、演算負荷を減ずることができる。
【0037】
図11は、図8に示すように回生制動装置17を第1ブレーキ系7に係わる前輪4L,4Rに関連して設けた制動システムであって、且つ、その前輪ブレーキ配管6L,6Rに個々に図12のごとき前軸制動力増大手段31を付加した制動システムを制御対象とし、第2ブレーキ系12および回生制動装置17の制御量を図9および図10とは更に別の要領で求める制御プログラムを示す。
先ず図12の前軸制動力増大手段31を説明するに、これを、常開電磁弁32と、常閉電磁弁33と、増圧ポンプ34とで構成する。
常閉電磁弁33および増圧ポンプ34を直列配置し、これらに対し常開電磁弁32を並列配置し、かかる相互配置になるユニットを、図8に示す制動システムにおける前輪ブレーキ配管6L,6R中に個々に挿置する。
なお増圧ポンプ34は、常閉電磁弁33に対しこれよりも制動ユニット5L,5Rに近い側に配置し、マスターシリンダ2(図8参照)の作動液を制動ユニット5L,5Rに吐出するようなものとするが、車両の制動装置によるダイナミック挙動制御に用いられている既存のポンプを流用するのがよい。
【0038】
前軸制動力増大手段31の作用を次に説明するに、通常は常開電磁弁32および常閉電磁弁33がともにOFFで図示の接続状態となっており、制動ユニット5L,5Rへはマスターシリンダ液圧Pmが供給され、前軸制動力が運転者による制動操作のみにより決まる。
運転者による制動操作力を越えて前軸制動力を増大させる要求があるときは、常開電磁弁32をONにより閉じ、常閉電磁弁33をONにより開いて制動ユニット5L,5Rをマスターシリンダから遮断する。
この状態で増圧ポンプ34を前軸制動力の要求増大量に応じて駆動することにより、制動ユニット5L,5Rのブレーキ液圧Pwを増圧してを前軸制動力を要求増大量だけ大きくする。
【0039】
図8にかかる前軸制動力増大手段31を付加した制動システムに係わる図11の制御プログラムを以下に説明する。
ステップS41〜ステップS47は、図10におけるステップS21〜ステップS27と同様のもので、
ステップS41において機械的な第1ブレーキ系7の制動状態(マスターシリンダ液圧Pm)を読み込み、
ステップS42において車両の要求減速度Gsを求め、
ステップS43において第1ブレーキ系7の制動力F1(前輪制動力)を演算し、
ステップS44において車両の要求制動力Ftotal(要求減速度Gsを達成するための制動力)を求め、
ステップS45において制動力不足分Foを求め、
ステップS46において回生制動装置17の回生制動力Fgを設定し、
ステップS47においては、図17の▲1▼で示すように要求減速度Gs(図17の▲1▼はGs=0.4Gの場合)および第1制動力F1から、第1制動力F1との協働により要求減速度Gsを実現するのに必要な第2ブレーキ系12の目標制動力F2を求める。
【0040】
ステップS48においては、前軸制動力Ffおよび後軸制動力Frを演算するが、この演算に当たっては図8の構成に照らして、第1制動力F1および回生制動力Fgの和値を前軸制動力Ffとし、第2制動力F2をそのまま後軸制動力Fr(図17参照)とする。
第2制動力補正手段に相当するステップS49においては、後輪が前輪より先に制動ロックして車両挙動が不安定になることのないよう上記後軸制動力Frを、図10のステップS29で行ったと同様にして制限し、図17に例示するごとくに制限済後軸制動力Fr1を求める。
【0041】
前軸制動力増大量演算手段に相当するステップS50においては、後軸制動力Frから制限済後軸制動力Fr1を差し引くことにより後軸制動力過大分、従って、後輪が前輪より先に制動ロックするのを防止するのに必要な前軸制動力補正(要求増大)量Ffd(=Fr−Fr1)を、図17の▲2▼で示すように求める。
次のステップS51においては、後輪用のアンチスキッド制御装置(制動スリップに応動するものなら何でもよい)が作動しているか否かをチェックし、作動していなければ、ステップS52およびステップS53をスキップして制御をステップS54に進め、図17の▲3▼で示すごとく第2ブレーキ系12の補正済目標制動力として上記の制限済後軸制動力Fr1をそのまま図8の後輪制動力制御装置11へ出力し、上記の回生制動力Fgを回生制動装置17へ出力し、上記の前軸制動力要求増大量Ffdを図12の前軸制動力増大手段31へ出力する。
かように前軸制動力要求増大量Ffdを前軸制動力増大手段31へ出力することにより、この増大量Ffdが図17に▲4▼で示すごとく第1制動力F1に加算されて要求減速度Gs(0.4G)を実現することができ、後輪先ロックを生じない前後軸制動力配分によっても減速度が不足することはない。
【0042】
以上のような第2ブレーキ系12(補正済目標制動力Fr1)、および回生制動装置17(回生制動力Fg)、並びに前軸制動力増大手段31(前軸制動力要求増大量Ffd)による車両の制動力制御によれば、これら補正済目標制動力Fr1、回生制動力Fg、および前軸制動力要求増大量Ffdが上記したところから明らかなように、車両の目標減速度Gsを達成しつつ後輪先ロックとなることのない前後軸制動力(Ff, Fr)配分となすものであることから、
目標減速度Gsを実現しつつ、制動時に後輪が前輪よりも先にロックして車両が挙動不安定になるのを防止することができる。
また本実施の形態においても、第1ブレーキ系7の制動力F1が運転者によるブレーキペダル操作で機械的に決定されるため、これに関する演算が不要であり、第2ブレーキ系12の補正済目標制動力F2tおよび回生制動装置17の補正済回生制動力Fg2並びに前軸制動力増大手段31の前軸制動力要求増大量Ffdを演算するだけでよくて、演算負荷を減ずることができる。
【0043】
ところで図11のステップS51で後輪用のアンチスキッド制御装置が作動していると判定する場合は、ステップS52において左右後輪の低下している実制動力Fr2を、路面摩擦係数μおよび車輪荷重Wとの乗算により演算し、次いで、前軸制動力増大量演算手段に相当するステップS53において、後軸制動力Frから実制動力Fr2を差し引くことにより後軸制動力過大分、従って、後輪が前輪より先に制動ロックするのを防止するのに必要な前軸制動力補正(要求増大)量Ffd(=Fr−Fr2)を求め、これをステップS54で出力する。
従って、アンチスキッド制御装置が作動するような左右後輪の制動力低下時は、ステップS50で求めた前軸制動力要求増大量Ffd(=Fr−Fr1)に代え、低下している後輪制動力Fr2を用いてステップS53で求めた前軸制動力要求増大量Ffd(=Fr−Fr2)が制動力制御に供されることとなり、結果として、後輪用アンチスキッド制御装置のスリップ防止作用による後輪制動力低下分だけ前軸制動力要求増大量Ffdが増大されることになり、かかるアンチスキッド制御装置の作用による後輪制動力の低下時も車両の要求減速度Gsが達成されなくなることがない。
【0044】
なお、図7および図8に示すように回生制動装置17を付加し、図10のような制動力制御を行う場合は、図7および図8に示すように機械的な第1ブレーキ系7により前2輪4L,4Rを制動し、電子的な第2ブレーキ系12により後2輪8L,8Rを制動するよう構成し、後輪用の第2ブレーキ系12による制動力より前輪用の機械的な第1ブレーキ系7による制動力F1を相対的に小さくするとともに、後輪先ロック防止用に要求される前後軸制動力配分との関連で回生制動装置17による回生制動力を増大させるのがよい。
かようにすることにより、エネルギー回収量が大きくなり、エネルギー効率を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一参考形態になる車両の制動装置を示す制御システム図である。
【図2】 本発明の他の参考形態になる車両の制動装置を示す制御システム図である。
【図3】 本発明の更に他の参考形態になる車両の制動装置を示す制御システム図である。
【図4】 本発明の別の参考形態になる車両の制動装置を示す制御システム図である。
【図5】 本発明の更に別の参考形態になる車両の制動装置を示す制御システム図である。
【図6】 ブレーキペダルの踏力とストロークとの関係を、倍力装置が機能している場合と、機能していない場合とで比較して示す特性線図である。
【図7】 図2の制動装置において後輪に回生制動装置を付加した場合の車両の制動装置を示す制御システム図である。
【図8】 図2の制動装置において前輪に回生制動装置を付加した場合の車両の制動装置を示す制御システム図である。
【図9】 図7または図8のように回生制動装置を付加した制動装置の制動力制御プログラムを示すフローチャートである。
【図10】 図7のように回生制動装置を付加した制動装置の制動力制御プログラムを示すフローチャートである。
【図11】 図8のように回生制動装置を付加し、これに前軸制動力増大手段を付加した制動装置の制動力制御プログラムを示すフローチャートである。
【図12】 図8の制動装置に付加する前軸制動力増大手段を示す概略説明図である。
【図13】 前輪制動圧に対する車両要求減速度の変化特性を例示する特性線図である。
【図14】 車両の要求減速度を達成するための前輪制動力および後輪制動力の組み合わせを示した線図である。
【図15】 車両の要求減速度に対する要求制動力の変化特性を示す特性線図である。
【図16】 前輪と後輪が同時にロックする前後軸理想制動力配分特性を示す線図である。
【図17】 図11の制御プログラムによる動作順序を説明するのに用いた、図14と同様な車両要求減速度と、前軸制動力と、後軸制動力との関係線図である。
【符号の説明】
1 ブレーキペダル
2 マスターシリンダ
3 倍力装置
4L,4R 左右前輪
5L,5R 制動ユニット
6L,6R ブレーキ配管
7 第1ブレーキ系
8L,8R 左右後輪
9L,9R 制動ユニット
10L,10R ブレーキ配管
11 後輪制動力制御装置
12 第2ブレーキ系
13 ブレーキペダルストロークセンサ
14 マスターシリンダ液圧センサ
15 ブレーキ液圧センサ
16 ブレーキペダル踏力センサ
17 回生制動装置
31 前軸制動力増大手段
32 常開電磁弁
33 常閉電磁弁
34 増圧ポンプ

Claims (11)

  1. 運転者の制動操作力を入力されるマスターシリンダから出力されたマスターシリンダ液圧に応動して機械的に車輪を制動する第1ブレーキ系と、
    少なくとも該第1ブレーキ系による制動状態の検出結果に応じて別の車輪を任意に制動制御する第2ブレーキ系と、
    前記第1ブレーキ系により制動される車輪または前記第2ブレーキ系により制動される車輪に駆動連結され、該車輪の回転エネルギーを電気エネルギーに変換してバッテリに蓄電することにより車輪に制動力を付与する回生制動装置と、
    前記機械的な第1ブレーキ系による制動状態の検出結果から該第1ブレーキ系の制動力および車両の要求減速度を演算する第1制動力演算手段および要求減速度演算手段と、
    これら演算手段により求めた第1ブレーキ系の制動力および車両の要求減速度から、第1ブレーキ系の制動力との協働により車両の要求減速度を実現するのに必要な制動力不足分である前記第2ブレーキ系の目標制動力および前記回生制動装置の回生制動力を演算する第2制動力演算手段および回生制動力演算手段と、を具え、
    第2ブレーキ系を前記目標制動力が発生するよう制御すると共に回生制動装置を前記回生制動力が発生するよう制御する構成にした、車両の制動装置。
  2. 請求項に記載の車両の制動装置であって、前記制動操作力を倍力装置によりマスターシリンダへ入力するよう構成したことを特徴とする車両の制動装置。
  3. 請求項またはに記載の車両の制動装置であって、前記第1ブレーキ系による制動状態が前記運転者の制動操作力であることを特徴とする車両の制動装置。
  4. 請求項またはに記載の車両の制動装置であって、前記第1ブレーキ系による制動状態が該第1ブレーキ系内における任意箇所の液圧であることを特徴とする車両の制動装置。
  5. 請求項乃至のいずれか1項に記載の車両の制動装置であって、前記マスターシリンダをタンデムマスターシリンダとし、前記第1ブレーキ系を、該マスターシリンダの2個のマスターシリンダ液圧出口から2個の車輪の制動ユニットに至る独立した2系統により構成したことを特徴とする車両の制動装置。
  6. 請求項に記載の車両の制動装置であって、前記第1ブレーキ系による制動状態が、該第1ブレーキ系の独立した2系統それぞれの任意箇所における液圧であることを特徴とする車両の制動装置。
  7. 請求項乃至のいずれか1項に記載の車両の制動装置であって前記演算手段により求めた目標制動力および回生制動力を、前記第1ブレーキ系による制動力との関連において前軸制動力および後軸制動力間における制動力配分が後輪を前輪より先に制動ロックさせることのない配分となるよう補正して補正済目標制動力および補正済回生制動力を演算する第2制動力補正手段および回生制動力補正手段とを設け、
    第2ブレーキ系を前記目標制動力が発生するよう制御する代わりに前記補正済目標制動力が発生するよう制御すると共に回生制動装置を前記回生制動力が発生するよう制御する代わりに前記補正済回生制動力が発生するよう制御する構成にしたことを特徴とする車両の制動装置。
  8. 請求項乃至のいずれか1項に記載の車両の制動装置であって、前軸の制動力を前記第2ブレーキ系とは独立して増大可能な前軸制動力増大手段と、
    前記第1ブレーキ系による制動状態の検出結果から該第1ブレーキ系の制動力および車両の要求減速度を演算する第1制動力演算手段および要求減速度演算手段と、
    これら演算手段により求めた第1ブレーキ系の制動力および車両の要求減速度から、第1ブレーキ系の制動力との協働により車両の要求減速度を実現可能な前記第2ブレーキ系の目標制動力および前記回生制動装置の回生制動力を演算する第2制動力演算手段および回生制動力演算手段と、
    前記第1ブレーキ系による制動力との関連において、車両の総制動力を前記要求減速度に対応した値に維持しつつ、前軸制動力および後軸制動力間における制動力配分が後輪を前輪より先に制動ロックさせることのない配分となるよう、前記目標制動力および回生制動力を補正して補正済目標制動力および補正済回生制動力を演算すると共に前記前軸制動力増大手段による前軸制動力増大量を演算する、第2制動力補正手段、回生制動力補正手段、および前軸制動力増大量演算と、を具え、
    第2ブレーキ系を前記目標制動力が発生するよう制御する代わりに前記補正済目標制動力が発生するよう制御し、また、回生制動装置を前記回生制動力が発生するよう制御する代わりに前記補正済回生制動力が発生するよう制御し、更に前軸制動力増大手段を前軸制動力増大量が発生するよう制御する構成にしたことを特徴とする車両の制動装置。
  9. 請求項に記載の車両の制動装置であって、後輪の制動スリップを防止する後輪スリップ防止装置が作動した場合、該装置のスリップ防止作用による後輪制動力低下分だけ前記前軸制動力増大手段により前軸制動力を増大させるよう構成したことを特徴とする車両の制動装置。
  10. 請求項に記載の車両の制動装置であって、前記機械的な第1ブレーキ系により前2輪を制動し、前記第2ブレーキ系により後2輪を制動するよう構成し、後輪用の第2ブレーキ系による制動力より前輪用の機械的な第1ブレーキ系による制動力を相対的に小さくするとともに、前記回生制動装置による回動制動力を増大させたことを特徴とする車両の制動装置。
  11. 請求項乃至10のいずれか1項に記載の車両の制動装置であって、前記回生制動装置を後2輪に関連して設けたことを特徴とする車両の制動装置。
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