JP4840293B2 - 車両用制動制御装置 - Google Patents

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Description

本発明は、ブレーキペダルの操作により発生したマスタシリンダ圧力と、作動油を加圧することで発生した加圧圧力を制動力として出力可能な車両用制動制御装置に関し、特に、電気モータを動力源として走行可能な車両にて、回生ブレーキと油圧ブレーキの協調制御を可能とした車両用制動制御装置に関するものである。
近年、燃料の燃焼によりトルクを出力するエンジンと、電力の供給によりトルクを出力する電気モータとを搭載し、このエンジンと電気モータのトルクを車輪に伝達することで走行可能とするハイブリッド車両が提案されている。このようなハイブリッド車両では、運転状態に応じてエンジン及び電気モータの駆動と停止を制御することにより、電気モータのトルクだけで車輪を駆動したり、エンジンと電気モータの両者のトルクにより車輪を駆動するようにしており、電気モータはバッテリに蓄積された電力により駆動することができ、このバッテリのエネルギが低下したときには、エンジンを駆動してバッテリの充電を行うようにしている。
即ち、ハイブリッド車両において、駆力源としてエンジン及び電気モータが設けられると共に、エンジン及び電気モータの動力を合成して車輪に伝達するプラネタリギヤが設けられている。具体的には、エンジンの出力軸がプラネタリギヤのキャリヤに連結され、電気モータの出力軸がプラネタリギヤのリングギヤに連結されると共に、リングギヤに連結されたスプロケットから車輪に対して動力が伝達されるように構成されている。また、プラネタリギヤとエンジンとの間には発電機が設けられており、この発電機の回転軸がプラネタリギヤのサンギヤに連結されている。そのため、エンジンの動力がプラネタリギヤにより車輪及び発電機に分割されることとなり、発電機の回転速度を制御することにより、エンジンの回転速度を制御することができる。つまり、プラネタリギヤにより構成される動力分割機構は、エンジンの回転速度を変換する機能と、エンジンの動力を車輪及び発電機に分割する機能を有している。
そして、このハイブリッド車両では、エンジンブレーキによる制動時やフットブレーキによる制動時に、電気モータを発電機として作動させることで、車両の運動エネルギを電気エネルギに変換してバッテリに回収し、再利用する回生ブレーキシステムが適用されている。特に、加減速を繰り返す走行パターンにおいてエネルギ回収の効果が高く、フットブレーキによる制動時には、油圧ブレーキと回生ブレーキを協調制御して回生ブレーキを優先的に使用し、より低い車速までエネルギ回収を行っている。
また、車両の制動制御装置として、運転者がブレーキペダルを踏み込んだとき、このブレーキペダルから入力されたブレーキ操作量に対して制動装置の制動力、つまり、この制動装置を駆動するホイールシリンダへ供給する油圧を電気的に制御する制動制御装置が知られている。このような制動制御装置としては、例えば、下記特許文献1に記載されたものがある。
この特許文献1に記載されたものは、ペダルストロークとマスタシリンダ圧に基づいて、ホイールシリンダに印加するブレーキ液圧の目標値を演算し、増圧弁及び減圧弁の作動を制御することにより、ホイールシリンダのブレーキ液圧をその目標値になるように制御している。
特開2004−276666号公報
従来のハイブリッド車両における制動制御装置の油圧制御ラインにて、ドライバの制動意思を検出する上流側の制御回路と、油圧を調整する下流側の制御回路とがマスタカット弁により分離されている。そのため、油圧ブレーキと回生ブレーキを協調制御して回生ブレーキを優先的に使用する場合、下流側の制御回路による調圧が上流側の制御回路に影響を与えないため、回生トルクに応じて油圧ブレーキのトルクを自由に制御することができる。ところが、このような、所謂、ブレーキバイワイヤ式の制動制御装置は、高精度な協調制御が可能である一方、高価であるという問題がある。
一方、ドライバの制動意思を検出する上流側の制御回路と、油圧を調整する下流側の制御回路とが接続されているインライン式の制動制御装置では、安価であるものの、ポンプの作動による作動油の加圧初期に、マスタシリンダ側から作動油が吸込まれることから、マスタシリンダ圧が一時的に低下し、ドライバの制動要求とは無関係に減速度が変化してしまい、ドライバビリティが悪化してしまうという問題がある。
即ち、ドライバの要求制動力が、ブレーキペダル踏力による制動力と回生制動力により確保されている制動状態から、車両速度が低下すると、回生制動力が次第に低下するため、ポンプを作動して作動油を加圧することで制動力を確保し、ドライバの要求制動力を、ブレーキペダル踏力による制動力とポンプ加圧による制動力により確保するように変更する。ところが、ポンプを作動して作動油を加圧することで制動力を確保するとき、ポンプはマスタシリンダ側から作動油を吸込むことから、マスタシリンダ圧が一時的に低下する。すると、制動力が変化しないにも拘らず、このマスタシリンダ圧の低下分だけブレーキペダルが踏み込まれることとなり、ブレーキペダルの踏み込み量(ペダルストローク)と制動力が一時的に不一致の状態となり、ドライバは違和感を感じてしまう。
また、ドライバの要求制動力は、ブレーキペダルストロークとマスタシリンダ圧に基づいて設定され、制御装置は、このドライバの要求制動力に基づいてポンプ加圧による制動力を発生している。そのため、マスタシリンダ圧が低下すると、ドライバの要求制動力が低く設定されてしまい、ドライバの意思に応じた十分な制動力を確保することができないことがある。
本発明は、このような問題を解決するためのものであって、車両の走行状態に拘らず常時ドライバの意思に応じた最適な制動力を発生されることで高精度な制動力制御を可能としてドライバビリティの向上を図った車両用制動制御装置を提供することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するために、本発明の車両用制動制御装置は、ドライバが制動操作する操作部材と、該操作部材の操作により発生した作動流体の圧力であるマスタシリンダ圧力を制動力として車輪に作用させるマスタシリンダと、前記操作部材に対する制動操作とは無関係に前記マスタシリンダから作動流体を吸込んでこの吸い込んだ作動流体を加圧することで発生した加圧圧力を制動力として出力可能な加圧手段と、駆動源として機能すると共に車両の走行状態に応じて車輪の運動エネルギを電気エネルギに転換して回収することで制動力を出力可能なモータジェネレータと、ドライバの要求制動力に基づいて前記加圧手段及び前記モータジェネレータを制御する制動力制御手段とを具えた車両用制動制御装置において、車両に発生する実際の減速度を検出する実減速度検出手段と、前記操作部材の制動操作量と前記マスタシリンダのマスタシリンダ圧力と前記加圧手段の加圧状態に基づいて車両に発生する減速度を推定する推定減速度検出手段と、前記実減速度検出手段が検出した実減速度と前記推定減速度検出手段が推定した推定減速度との偏差に基づいて前記加圧手段による加圧制動力と前記モータジェネレータによる回生制動力との配分を変更する制動力配分手段とを設け、前記制動力配分手段は、前記実減速度検出手段が検出した実減速度から前記推定減速度検出手段が推定した推定減速度を減算した偏差が予め設定された所定値を超えたときに、前記加圧手段による加圧制動力を減少する一方、前記モータジェネレータによる回生制動力を増加することを特徴とするものである。
本発明の車両用制動制御装置では、前記推定減速度検出手段は、前記加圧手段による作動流体の供給量に基づいて前記マスタシリンダにおけるマスタシリンダ圧の減少分を推定し、前記マスタシリンダ圧の減少分と、操作部材の制動操作量と、前記マスタシリンダのマスタシリンダ圧力とに基づいて車両に発生する減速度を推定することを特徴としている。
本発明の車両用制動制御装置では、前記制動力配分手段は、前記加圧手段としての駆動ポンプの駆動時間を変更すると共に、前記モータジェネレータとしての三相交流モータの位相を変更することで、加圧制動力と回生制動力との配分を変更することを特徴としている。
本発明の車両用制動制御装置では、車速に応じて前記モータジェネレータによる回生制動力と前記加圧手段による加圧制動力との制動力の配分基準割合が設定され、前記制動力制御手段は、前記操作部材による制動操作時に、車速が予め設定された所定の車速領域になったときに、前記配分基準割合に応じて前記加圧制動力と前記回生制動力の配分が設定され、前記制動力配分手段は、前記加圧制動力と前記回生制動力の配分が前記配分基準割合からずれたときに、前記加圧制動力と前記回生制動力との配分を変更することを特徴としている。
本発明の車両用制動制御装置によれば、ドライバの要求制動力に基づいて加圧制動力を出力可能な加圧手段と回生制動力を出力可能なモータジェネレータを制御する制動力制御手段を設けると共に、車両に発生する実際の減速度と、操作部材の制動操作量、マスタシリンダ圧力、加圧手段の加圧状態に基づいて推定する推定減速度との偏差に基づいて加圧手段による加圧制動力とモータジェネレータによる回生制動力との配分を変更する制動力配分手段を設け、制動力配分手段は、実減速度から推定減速度を減算した偏差が予め設定された所定値を超えたときに、加圧制動力を減少する一方、回生制動力を増加するので、実減速度と推定減速度との偏差に基づいて加圧制動力と回生制動力との配分が変更されることで、加圧手段の作動によるマスタシリンダ圧力の減少が抑制され、ドライバによる操作部材の操作の違和感を抑制することができ、車両の走行状態に拘らず常時ドライバの意思に応じた最適な制動力を発生させることとなり、高精度な制動力制御を可能とすることができ、その結果、ドライバビリティを向上することができる。
以下に、本発明に係る車両用制動制御装置の実施例を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施例により本発明が限定されるものではない。
図1は、本発明の一実施例に係る車両用制動制御装置を表す概略構成図、図2は、本実施例の車両用制動制御装置を適用したハイブリッド車両を表す概略構成図、図3は、本実施例の車両用制動制御装置における制動力制御を表すフローチャート、図4は、本実施例の車両用制動制御装置における油圧ポンプによる加圧制動力の変更方法を表す概略図、図5は、本実施例の車両用制動制御装置における回生制動力の変更方法を表す概略図、図6は、本実施例の車両用制動制御装置における制動力のすり替え動作を表すグラフ、図7は、本実施例の車両用制動制御装置における制動力のすり替え動作時のマスタシリンダ圧とポンプ送給圧とペダルストロークを表すグラフである。
本実施例の車両用制動制御装置が適用されたハイブリッド車両において、図2に示すように、車両には、動力源として、エンジン101と電気モータ(モータジェネレータ)102が搭載されており、また、この車両には、エンジン101の出力を受けて発電を行う発電機103も搭載されている。これらのエンジン101と電気モータ102と発電機103は、動力分割機構104によって接続されている。この動力分割機構104は、エンジン101の出力を発電機103と駆動輪105とに振り分けると共に、電気モータ102からの出力を駆動輪105に伝達したり、減速機106及び駆動軸107を介して駆動輪105に伝達される駆動力に関する変速機として機能する。
電気モータ102は三相交流同期電動機であり、交流電力によって駆動する。インバータ108は、バッテリ109に蓄えられた電力を直流から交流に変換して電気モータ102に供給すると共に、発電機103によって発電される電力を交流から直流に変換してバッテリ109に蓄えるためのものである。発電機103も、基本的には上述した電気モータ102とほぼ同様の構成を有しており、三相交流同期電動機としての構成を有している。この場合、電気モータ102が主として駆動力を出力するのに対し、発電機103は主としてエンジン101の出力を受けて発電するものである。
また、電気モータ102は主として駆動力を発生させるが、駆動輪105の回転を利用して発電(回生発電)することもでき、発電機として機能することも可能である。このとき、駆動輪105には回生ブレーキが作用するので、これをフットブレーキやエンジンブレーキと併用することにより、車両を制動させることができる。一方、発電機103は主としてエンジン101の出力を受けて発電をするが、インバータ108を介してバッテリ109の電力を受けて駆動する電動機としても機能することができる。
なお、エンジン101には、ピストン位置及びエンジン回転数を検出するクランクポジションセンサ(図示略)が設けられており、検出結果をエンジンECU110に出力している。また、電気モータ102及び発電機103には、回転位置及び回転数を検出する回転数センサ(図示略)が設けられており、検出結果をモータECU111に出力している。
ハイブリッド車両の上記各種制御は、複数の電子制御ユニット(ECU)によって制御される。ハイブリッド車両として特徴的なエンジン101による駆動と電気モータ102による駆動とは、メインECU112によって総合的に制御される。即ち、メインECU112によりエンジン101の出力と電気モータ102による出力の配分が決定され、エンジン101、電気モータ102及び発電機103を制御すべく、各制御指令がエンジンECU110及びモータECU111に出力される。
そして、エンジンECU110及びモータECU111は、エンジン101、電気モータ102及び発電機103の情報をメインECU112にも出力している。このメインECU112には、バッテリ109を制御するバッテリECU113にも接続されている。このバッテリECU113はバッテリ109の充電状態を監視し、充電量が不足した場合には、メインECU112に対して充電要求指令を出力する。充電要求を受けたメインECU112はバッテリ109に充電をするように発電機103を発電させる制御を行う。
また、車両には、駆動輪105に対応して油圧ブレーキ装置114が設けられている。この油圧ブレーキ装置114には、油圧制御装置115から調圧された制動油圧が供給されるようになっている。上述したメインECU112には、この油圧制御装置115を制御するブレーキECU116も接続されている。このブレーキECU116はブレーキペダルの操作量またはそれによって得られるマスタシリンダ13の液圧に応じてドライバの要求制動力を検出し、メインECU112に対してこの要求制動力を出力する。メインECU112はモータECU111にこの要求制動力を出力し、モータECU111は回生ブレーキを制御すると共に、その実行値、つまり、実行した回生制動力をメインECU112に出力する。メインECU112は要求制動力から回生制動力を減算して要求油圧制動力を設定し、ブレーキECU116は、この要求油圧制動力に基づいて油圧制御装置115を制御し、油圧ブレーキ装置114を作動する。
このように構成されたハイブリッド車両にて、以下に、本実施例の車両用制動制御装置について詳細に説明する。
本実施例の車両用制動制御装置において、図1に示すように、ブレーキペダル(操作部材)11には、ブレーキブースタ12が接続され、このブレーキブースタ12には、マスタシリンダ13が固定されている。そして、ブレーキペダル11に、その踏み込み量、即ち、ペダルストロークを検出するペダルストロークセンサ(操作量検出手段)14が装着されており、検出結果をブレーキECU116に出力する。ブレーキブースタ12は、ドライバによるブレーキペダル11の踏み込み操作に対して所定の倍力比を有するアシスト力を発生することができる。マスタシリンダ13は、内部に図示しない2つの油圧室を有しており、各油圧室には、ブレーキ踏力とアシスト力を合わせたマスタシリンダ圧が発生する。マスタシリンダ13の上部には、リザーバタンク15が設けられており、このマスタシリンダ13とリザーバタンク15とは、ブレーキペダル11の踏み込みが解除されときに連通状態となる。
マスタシリンダ13の各油圧室には、それぞれ油圧供給通路16,17が接続されており、油圧供給通路16は、油圧制御装置115における一方の駆動輪側の油圧制御回路に接続され、油圧供給通路17は、油圧制御装置115における他方の駆動輪側の油圧制御回路に接続されている。そして、一方の油圧供給通路16に、供給油圧、つまり、マスタシリンダ圧(マスタシリンダ圧力)を検出するマスタシリンダ圧センサ18が装着されており、検出結果をブレーキECU116に出力する。
そして、各油圧供給通路16,17には、マスタカット弁19,20が装着されており、上述したマスタシリンダ圧センサ18は、油圧供給通路16におけるマスタシリンダ13とマスタカット弁19との間に配置されている。このマスタカット弁19,20は、流量調整式の電磁弁であり、所謂、ノーマルオープン式であって、ブレーキECU116による通電時に開度制御可能となっている。
一方の油圧供給通路16は、マスタカット弁19を介して連結通路21が接続され、他方の油圧供給通路17は、マスタカット弁20を介して連結通路22が接続されている。一方の連結通路21は、2つの分岐通路23,24に分岐され、他方の連結通路22は、2つの分岐通路25,26に分岐されている。そして、分岐通路23,24は、各駆動輪105(図2参照)にそれぞれ配置される油圧ブレーキ装置114(114FR,114RL)を駆動するホイールシリンダ27FR,27RLに接続されている。また、分岐通路25,26は、駆動輪105(図2参照)にそれぞれ配置される油圧ブレーキ装置114(114FL,114RR)を駆動するホイールシリンダ27FL,27RRに接続されている。なお、ここでは、油圧配管系統をクロス配管としたが、前後配管としても良い。
各分岐通路23,24,25,26には、それぞれ電磁式保持弁28,29,30,31が配置されている。また、分岐通路23,24,25,26には、電磁式保持弁28,29,30,31よりホイールシリンダ27FR,27RL,27FL,27RR側から油圧排出通路32,33,34,35が分岐しており、この油圧排出通路32,33,34,35は補助リザーバ36,37に接続されている。そして、この油圧排出通路32,33,34,35に、それぞれ電磁式減圧弁38,39,40,41が配置されている。
この電磁式保持弁28,29,30,31は、流量調整式の電磁弁であり、所謂、ノーマルオープン式であって、ブレーキECU116による通電時に開度制御可能となっている。また、この電磁式減圧弁38,39,40,41は、流量調整式の電磁弁であり、所謂、ノーマルクローズ式であって、ブレーキECU116による通電時に開度制御可能となっている。
なお、油圧供給通路16,17と連結通路21,22との間には、マスタカット弁19,20と並列して逆止弁42,43が設けられており、油圧供給通路16,17側から連結通路21,22側への作動油の流れのみ許容している。また、分岐通路23,24,25,26には、電磁式保持弁28,29,30,31と並列して逆止弁44,45,46,47が設けられており、ホイールシリンダ27FR,27RL,27FL,27RR側からマスタカット弁19,20側への作動油の流れのみ許容している。
各連結通路21,22から分岐して補助リザーバ36,37に接続するポンプ通路48,49が設けられ、このポンプ通路48,49の途中に、ポンプモータ50により駆動する油圧ポンプ(加圧手段)51,52が配置されると共に、この油圧ポンプ51,52よりマスタカット弁19,20側に逆止弁53,54が配置されている。また、油圧供給通路16,17から分岐して補助リザーバ36,37に接続する吸入通路55,56が設けられ、この吸入通路55,56における補助リザーバ36,37側にリザーバカット逆止弁57,58が配置されている。
ブレーキECU116は、CPUやメモリ等からなり、格納されているブレーキ制御プログラムを実行することにより制動制御を実行する。即ち、このブレーキECU116には、ペダルストロークセンサ14が検出したペダルストローク、マスタシリンダ圧センサ18が検出したマスタシリンダ圧が入力される。そのため、ブレーキECU116は、ペダルストローク及びマスタシリンダ圧に基づいてマスタカット弁19,20、電磁式保持弁28,29,30,31、電磁式減圧弁38,39,40,41、ポンプモータ50を制御し、ホイールシリンダ27FR,27RL,27FL,27RRへの制動油圧を調整可能となっている。
従って、通常、マスタカット弁19,20は開弁され、電磁式保持弁28,29,30,31は開弁され、電磁式減圧弁38,39,40,41は閉弁されており、ドライバがブレーキペダル11を踏み込み操作すると、ブレーキブースタ12は、その踏み込み操作に対して所定の倍力比を有するアシスト力を発生し、マスタシリンダ13は、ブレーキ踏力とアシスト力を合わせたマスタシリンダ圧を発生する。
ブレーキECU116は、ブレーキペダル11のペダルストローク及びマスタシリンダ圧に基づいてドライバの要求制動力を検出し、メインECU112に対してこの要求制動力を出力する。メインECU112はモータECU111にこの要求制動力を出力し、モータECU111は回生ブレーキを制御すると共に、その実行値、つまり、実行した回生制動力をメインECU112に出力する。メインECU112は要求制動力から回生制動力を減算して要求油圧制動力を設定し、ブレーキECU116は、この要求油圧制動力に基づいて油圧制御装置115を制御する。
また、油圧ブレーキ装置114の増圧モードにおけるブレーキアシスト作動モードでは、マスタカット弁19及び電磁式保持弁28が開弁状態で、電磁式減圧弁38が閉弁状態のまま、ブレーキECU116は、ポンプモータ50により油圧ポンプ51を駆動制御し、補助リザーバ36の作動油を加圧することで、マスタシリンダ13で発生したマスタシリンダ圧に加えて油圧ポンプ51による加圧圧力が、ポンプ通路48、連結通路21、マストカット弁19、油圧供給通路16、補助リザーバ36を循環し、電磁式保持弁28及び分岐通路23を経由してホイールシリンダ27FLへ作用することとなり、このホイールシリンダ27FLの油圧が増圧し、制動力が更に強められる。
ところで、上述したハイブリッド車両に適用された本実施例の車両用制動制御装置では、ブレーキペダル11のペダルストローク及びマスタシリンダ圧に基づいてドライバの要求制動力を検出し、この要求制動力を、電気モータ102による回生制動力と、油圧ブレーキ装置114による要求油圧制動力に配分している。この場合、ドライバの要求制動力が、電気モータ102による回生制動力と油圧ブレーキ装置114による油圧制動力により確保されている状態から、車両速度が低下して回生制動力が次第に低下するため、ブレーキECU116は、油圧ポンプ51,52を作動して作動油を加圧し、油圧ブレーキ装置114による油圧制動力を上昇し、ドライバの要求制動力を油圧ブレーキ装置114による要求油圧制動力だけ、つまり、ブレーキペダル11の踏力による制動力(マスタシリンダ圧)と油圧ポンプ51,52の加圧による制動力で確保するように変更する。
しかし、このとき、油圧ポンプ51,52はマスタシリンダ13側から作動油を吸込むことから、マスタシリンダ圧が一時的に低下する。すると、制動力が変化しないにも拘らず、このマスタシリンダ圧の低下分だけブレーキペダル11が踏み込まれることとなり、ブレーキペダル11の踏み込み量(ペダルストローク)と制動力が一時的に不一致の状態となり、ドライバは違和感を感じてしまう。
また、ドライバの要求制動力は、ペダルストロークとマスタシリンダ圧に基づいて設定されることから、マスタシリンダ圧が低下すると、ドライバの要求制動力が低く設定されてしまい、ドライバの制動要求とは無関係に減速度が変化してしまい、ドライバビリティが悪化してしまうおそれがある。
そこで、本実施例の車両用制動制御装置では、本発明の制動力制御手段を構成するメインECU112は、ドライバの要求制動力に基づいてブレーキECU116により加圧手段としての油圧ポンプ51,52を制御すると共に、モータECU111によりモータジェネレータとしての電気モータ102を制御する。即ち、上述したように、ブレーキECU116は、ブレーキペダル11のペダルストロークに基づいてドライバの要求制動力を検出し、モータECU111は、この要求制動力に対して電気モータ102の回生制動力を設定して回生ブレーキ制御を実行する一方、メインECU112は要求制動力から回生制動力を減算して要求油圧制動力を設定し、ブレーキECU116は、この要求油圧制動力に基づいて油圧制御装置115を制御する。
そして、本実施例の車両用制動制御装置では、本発明の制動力配分手段を構成するメインECU112は、ハイブリッド車両における実際の減速度(実減速度)と、推定した減速度(推定減速度)との偏差に基づいて油圧ポンプ51,52による加圧制動力と電気モータ102による回生制動力との配分を変更するようにしている。
この場合、ハイブリッド車両には、この車両に発生する実際の減速度を検出する実減速度検出手段としての加速度センサ201が設けられ、検出した減速度がメインECU112に出力される。また、推定減速度検出手段としてのメインECU112は、ペダルストロークセンサ14が検出したペダルストロークと、マスタシリンダ圧センサ18が検出したマスタシリンダ圧と、油圧ポンプ51,52の加圧状態に基づいてハイブリッド車両に発生する減速度を推定する。そして、メインECU112は、加速度センサ201が検出した実減速度と推定した推定減速度との偏差に基づいて、油圧ポンプ51,52による加圧制動力と電気モータ102による回生制動力との配分を変更するようにしている。
そして、メインECU112は、油圧ポンプ51,52による油圧の供給量に基づいてマスタシリンダ13におけるマスタシリンダ圧の減少分を推定し、このマスタシリンダ圧の減少分と、ブレーキペダル11のペダルストロークと、マスタシリンダ13のマスタシリンダ圧力とに基づいてハイブリッド車両に発生する減速度を推定する。
また、メインECU112は、加速度センサ201が検出した実減速度から、ペダルストロークとマスタシリンダ圧と油圧ポンプ51,52の加圧状態に基づいて推定された推定減速度を減算した偏差が、予め設定された所定値を超えたときに、油圧ポンプ51,52による加圧制動力を減少する一方、電気モータ102による回生制動力を増加するようにしている。
このとき、メインECU112は、油圧ポンプ51,52の駆動時間を変更すると共に、電気モータ102の位相を変更することで、加圧制動力と回生制動力との配分を変更している。
実際には、図6に示すように、ハイブリッド車両の車速に応じて電気モータ102による回生制動力と、マスタシリンダ13による油圧制動力と、油圧ポンプ51,52による加圧制動力との制動力の配分基準割合が設定され、メインECU112に制動力配分マップとして記憶されている。そして、メインECU112は、ブレーキペダル11の踏み込み時に、車速が予め設定された所定の車速領域(例えば、10km/h〜4km/h)になったとき、制動力配分マップにより、電気モータ102による回生制動力と、マスタシリンダ13による油圧制動力と、油圧ポンプ51,52による加圧制動力の配分割合を設定する。
このとき、ハイブリッド車両の速度が低下して電気モータ102により回生制動力が次第に低下するため、メインECU112は、ブレーキECU116により、油圧ポンプ51,52を作動して作動油を加圧し、油圧ブレーキ装置114による油圧制動力を上昇させる。即ち、必要な制動力を電気モータ102の回生制動力から油圧ポンプ51,52による加圧制動力にすり替える。この制動力のすり替え処理は、上述した制動力配分マップにより行われるが、油圧ポンプ51,52は、マスタシリンダ13側から作動油を吸込むことから、マスタシリンダ圧が一時的に低下し、電気モータ102の回生制動力と油圧ポンプ51,52による加圧制動力の配分がずれてしまう。そのため、回生制動力と加圧制動力の配分が制動力配分マップからずれたときには、上述したように、この加圧制動力と回生制動力との配分を変更するようにしている。
ここで、本実施例の車両用制動制御装置による電気モータ102による回生制動力から油圧ポンプ51,52の加圧による制動力にすり替えるときの制動力制御について、図3のフローチャートを用いて詳細に説明する。
本実施例の車両用制動制御装置による制動力制御において、図3に示すように、ステップS11にて、メインECU112(ブレーキECU116)は、ストロークセンサ14の検出結果に基づいて、ドライバによりブレーキペダル11が踏み込まれている(ブレーキON)かどうかを判定する。ここで、ブレーキペダル11が踏み込まれていれば、ステップS12にて、油圧ポンプ51,52がポンプアップを開始しているかどうかを判定する。即ち、ブレーキペダル11が踏み込まれ、電気モータ102による回生制動力と油圧ブレーキ装置114における油圧制動力(マスタシリンダ圧)により制動力が確保されている状態から、油圧ポンプ51,52が加圧状態になって、加圧制動力が発生したかどうかを判定する。
このステップ11にて、ドライバによりブレーキペダル11が踏み込まれていないと判定されたり、ステップS12にて、油圧ポンプ51,52が加圧状態になっていないと判定されたら、油圧ポンプ51,52によるマスタシリンダ圧の低下がないと規定され、何もしないでこのルーチンを抜ける。
一方、ステップS12にて、油圧ポンプ51,52が加圧状態になっていると判定されたら、ステップS13にて、ブレーキECU116は、油圧ポンプ51,52の加圧状態からマスタシリンダ圧の減少分を算出する。即ち、油圧ポンプ51,52は、その基本仕様から単位時間当たりの作動油の供給量Qが設定されている。また、この油圧ポンプ51,52は、図4に示すように、所定周期Tごとの駆動時間Tが設定されている。そのため、油圧ポンプ51,52は、この単位時間当たりの作動油の供給量Qに駆動時間Tを乗算することで、そのときの作動油の供給量Qを算出することができる。そして、この油圧ポンプ51,52による作動油の供給量Qに基づいて、マスタシリンダ13からの作動油の吸込み量Q、つまり、マスタシリンダ圧PMCの減少分PMCが求められる。
続いて、ステップS14では、メインECU112は、油圧ポンプ51,52の加圧状態、つまり、マスタシリンダ圧PMCの減少分PMCに基づいてハイブリッド車両に発生する減速度(推定減速度)を推定する。即ち、ペダルストロークセンサ14が検出したペダルストロークSが増加すると、マスタシリンダ圧センサ18が検出したマスタシリンダ圧PMCが比例して増加すると共に、ハイブリッド車両の減速度Gが比例して増加するものとなっており、このペダルストロークSとマスタシリンダ圧PMCと減速度Gを三次元マップとして設定することができる。そのため、現在のペダルストロークSと、現在のマスタシリンダ圧PMCから減少分PMCを減算して推定マスタシリンダ圧PMCeからハイブリッド車両に発生する推定減速度Geを推定することができる。
そして、ステップS15にて、メインECU112は、加速度センサ201が検出した実減速度Gdと推定した推定減速度Geとを比較する。即ち、加速度センサ201が検出した実減速度Gdから推定した推定減速度Geを減算することで、両者の偏差ΔGを算出する。ステップS16では、減速度の偏差ΔGが、予め設定された所定値ΔGを超えているかどうかを判定する。ここで、減速度の偏差ΔGが所定値ΔGを超えていないと判定されたら、油圧ポンプ51,52によるマスタシリンダ圧の低下が少ないと規定され、何もしないでこのルーチンを抜ける。
一方、ステップS16にて、メインECU112は、減速度の偏差ΔGが所定値ΔGを超えていると判定されたら、ステップS17にて、油圧ポンプ51,52による加圧制動力と電気モータ102による回生制動力との配分を変更する。即ち、油圧ポンプ51,52による加圧制動力が減少する一方、電気モータ102による回生制動力が増加するように、その配分比を変更する。
具体的に、メインECU112は、図4に示すように、油圧ポンプ51,52における現在の駆動時間Tを短い駆動時間Tに変更することで、加圧制動力の配分量を減少させる。また、図5に示すように、電気モータ102におけるU相、V相、W相の三相交流信号の時間的な位相を変更することで、回生制動力の配分量を増加させる。
そして、ステップS18にて、メインECU112は、ブレーキECU116により油圧ポンプ51,52における駆動時間Tを変更する制御を実行すると共に、モータECU111により電気モータ102におけるU相、V相、W相の三相交流信号の時間的な位相を変更する制御を実行することで、油圧ポンプ51,52による加圧制動力を減少させる一方、電気モータ102による回生制動力を増加させる。
従って、ドライバの要求制動力が、電気モータ102による回生制動力と油圧ブレーキ装置114による油圧制動力により確保されている状態から、車両速度が低下して回生制動力が次第に低下することで、油圧ポンプ51,52がマスタシリンダ13側から吸込んだ作動油を加圧して加圧制動力を上昇させても、マスタシリンダ圧の大きな低下が抑制され、ブレーキペダル11の踏み込み量(ペダルストローク)と制動力の不一致が解消され、ドライバは違和感をほとんど感じることがない。
即ち、図6及び図7に示すように、車両の制動力が、電気モータ102による回生制動力と、油圧ブレーキ装置114におけるペダル踏力による油圧制動力(マスタシリンダ圧)で確保されている状態から、時間tにて、回生制動力を低下する一方、油圧ポンプ51,52を作動して作動油を加圧することで加圧制動力を上昇し、回生制動力を加圧制動力にすり替える。このすり替え時にて、従来は、図7に二点鎖線で示すように、油圧ポンプ51,52の作動によりマスタシリンダ13の作動油を吸込んで加圧するため、このマスタシリンダ圧が大きく低下し、ブレーキペダル11が踏み込まれることから、ペダルストロークが一時的に大きくなり、ドライバが違和感を感じると共に、意図する要求制動力が減少するおそれがある。
一方、本実施例では、ハイブリッド車両における実際の実減速度と、油圧ポンプ51,52の作動により発生するマスタシリンダ圧の減圧分から推定した推定減速度Geとの偏差ΔGに応じて油圧ポンプ51,52による加圧制動力と電気モータ102による回生制動力との配分を変更し、油圧ポンプ51,52による加圧制動力を減少させる一方、電気モータ102による回生制動力を増加させている。そのため、図7に実線で示すように、油圧ポンプ51,52の作動によりマスタシリンダ13の作動油を吸込んで加圧するものの、このマスタシリンダ圧の低下が抑制され、ブレーキペダル11の踏み込み量が大きく変化することがないことから、ペダルストロークが一時的に大きくなることはなく、ドライバが違和感を感じることなく、意図する要求制動力が減少することもない。
なお、上述したように、電気モータ102による回生制動力と、マスタシリンダ13による油圧制動力と、油圧ポンプ51,52による加圧制動力との制動力の配分基準割合は、ハイブリッド車両の速度に応じて制動力配分マップとして設定されている。そのため、ブレーキペダル11の踏み込みによる制動操作時に、電気モータ102による回生制動力と油圧ポンプ51,52による加圧制動力の配分割合がずれ、回生制動力が大きすぎて加圧制動力が小さすぎるときには、油圧ポンプ51,52における現在の駆動時間Tを長い駆動時間Tに変更することで、加圧制動力の配分量を増加させる一方、電気モータ102におけるU相、V相、W相の三相交流信号の時間的な位相を変更することで、回生制動力の配分量を減少させるようにしてもよい。
このように本実施例の車両用制動制御装置にあっては、メインECU112は、ドライバの要求制動力に基づいてブレーキECU116によりマスタシリンダ13及び油圧ポンプ51,52を制御すると共に、モータECU111により電気モータ102を制御可能とすると共に、ハイブリッド車両における実減速度と、油圧ポンプ51,52の作動により発生するマスタシリンダ圧の減圧分から推定した推定減速度との偏差に基づいて、油圧ポンプ51,52による加圧制動力と電気モータ102による回生制動力との配分を変更するようにしている。
従って、実減速度と推定減速度との偏差に基づいて加圧制動力と回生制動力との配分が変更されることで、油圧ポンプ51,52の作動によるマスタシリンダ圧の減少が抑制され、ドライバによるブレーキペダル11による制動操作時の違和感を抑制することができ、車両の走行状態に拘らず常時ドライバの意思に応じた最適な制動力を発生させることとなり、高精度な制動力制御を可能とすることができ、その結果、ドライバビリティを向上することができる。
また、本実施例の車両用制動制御装置では、メインECU112は、油圧ポンプ51,52による作動油の供給量に基づいてマスタシリンダ13におけるマスタシリンダ圧の減少分を推定し、このマスタシリンダ圧の減少分と、ブレーキペダル11のペダルストロークと、マスタシリンダ13のマスタシリンダ圧に基づいてハイブリッド車両に発生する減速度を推定する。従って、油圧ポンプ51,52によるマスタシリンダ13からの作動油の吸い込みによるハイブリッド車両への影響を適正に把握することができる。
また、本実施例の車両用制動制御装置では、メインECU112は、加速度センサ201が検出した実減速度から、推定した推定減速度を減算した偏差が予め設定された所定値を超えたときに、油圧ポンプ51,52による加圧制動力を減少する一方、電気モータ102による回生制動力を増加する。従って、油圧ポンプ51,52によるマスタシリンダ13からの作動油の吸い込みによるマスタシリンダ圧の低下を適正に抑制することができる。
また、本実施例の車両用制動制御装置では、メインECU112は、油圧ポンプ51,52の駆動時間を変更すると共に、電気モータ102の位相を変更することで、加圧制動力と回生制動力との配分を変更する。簡単な制御により早期に加圧制動力と回生制動力との配分を変更することができ、制御の簡素化と迅速性を向上することができる。
また、本実施例の車両用制動制御装置では、ハイブリッド車両の車速に応じて電気モータ102による回生制動力と、マスタシリンダ13の油圧制動力と、油圧ポンプ51,52による加圧制動力との制動力の配分基準割合を設定し、メインECU112は、ブレーキペダル11による制動操作時に、車速が予め設定された所定の車速領域になったときに、この配分基準割合に応じて加圧制動力と回生制動力の配分を設定し、この加圧制動力と回生制動力の配分が配分基準割合からずれたときに、加圧制動力と回生制動力との配分を変更する。従って、ハイブリッド車両の制動時に、電気モータ102の回生制動力から油圧ポンプ51,52の加圧制動力への制動力のすり替え処理をスムースに行うことができる。
そして、実減速度と推定減速度との偏差が所定値を超えたときに、油圧ポンプ51,52による加圧制動力を減少する一方、電気モータ102による回生制動力を増加するため、油圧ポンプ51,52によるマスタシリンダ13からの作動油の吸い込み量を低減し、無駄な作動油の浪費を防止することができる。
なお、上述の実施例では、本発明に係る車両用制動制御装置を、駆動減としてエンジンと電気モータを搭載したハイブリッド車両に適用して説明したが、電気モータだけを搭載した電気自動車に適用してもよい。
以上のように、本発明に係る車両用制動制御装置は、車両の実減速度と推定減速度との偏差に基づいて加圧制動力と回生制動力との配分を変更することで、ドライバによる操作部材による制動操作の違和感を抑制し、ドライバの意思に応じた最適な制動力を発生させ、高精度な制動力制御を可能とすると共に、ドライバビリティを向上するものであり、いずれの種類の制動制御装置に用いても好適である。
本発明の一実施例に係る車両用制動制御装置を表す概略構成図である。 本実施例の車両用制動制御装置を適用したハイブリッド車両を表す概略構成図である。 本実施例の車両用制動制御装置における制動力制御を表すフローチャートである。 本実施例の車両用制動制御装置における油圧ポンプによる加圧制動力の変更方法を表す概略図である。 本実施例の車両用制動制御装置における回生制動力の変更方法を表す概略図である。 本実施例の車両用制動制御装置における制動力のすり替え動作を表すグラフである。 本実施例の車両用制動制御装置における制動力のすり替え動作時のマスタシリンダ圧とポンプ送給圧とペダルストロークを表すグラフである。
符号の説明
11 ブレーキペダル(操作部材)
12 ブレーキブースタ
13 マスタシリンダ
14 ストロークセンサ(操作量検出手段)
18 マスタシリンダ圧センサ
19,20 マスタカット弁
27FR,27FL,27RL,27RR ホイールシリンダ
28,29,30,31 電磁式保持弁
38,39,40,41 電磁式減圧弁
51,52 油圧ポンプ(加圧手段)
101 エンジン
102 電気モータ
103 発電機
110 エンジンECU
111 モータECU
112 メインECU(制御力制御手段、制動力配分手段、推定減速度検出手段)
114,114FR,114FL,114RL,114RR 油圧ブレーキ装置
115 油圧制御装置
116 ブレーキECU
201 加速度センサ(実減速度検出手段)

Claims (4)

  1. ドライバが制動操作する操作部材と、該操作部材の操作により発生した作動流体の圧力であるマスタシリンダ圧力を制動力として車輪に作用させるマスタシリンダと、前記操作部材に対する制動操作とは無関係に前記マスタシリンダから作動流体を吸込んでこの吸い込んだ作動流体を加圧することで発生した加圧圧力を制動力として出力可能な加圧手段と、駆動源として機能すると共に車両の走行状態に応じて車輪の運動エネルギを電気エネルギに転換して回収することで制動力を出力可能なモータジェネレータと、ドライバの要求制動力に基づいて前記加圧手段及び前記モータジェネレータを制御する制動力制御手段とを具えた車両用制動制御装置において、
    車両に発生する実際の減速度を検出する実減速度検出手段と、前記操作部材の制動操作量と前記マスタシリンダのマスタシリンダ圧力と前記加圧手段の加圧状態に基づいて車両に発生する減速度を推定する推定減速度検出手段と、前記実減速度検出手段が検出した実減速度と前記推定減速度検出手段が推定した推定減速度との偏差に基づいて前記加圧手段による加圧制動力と前記モータジェネレータによる回生制動力との配分を変更する制動力配分手段とを設け
    前記制動力配分手段は、前記実減速度検出手段が検出した実減速度から前記推定減速度検出手段が推定した推定減速度を減算した偏差が予め設定された所定値を超えたときに、前記加圧手段による加圧制動力を減少する一方、前記モータジェネレータによる回生制動力を増加することを特徴とする車両用制動制御装置。
  2. 請求項1に記載の車両用制動制御装置において、前記推定減速度検出手段は、前記加圧手段による作動流体の供給量に基づいて前記マスタシリンダにおけるマスタシリンダ圧の減少分を推定し、前記マスタシリンダ圧の減少分と、操作部材の制動操作量と、前記マスタシリンダのマスタシリンダ圧力とに基づいて車両に発生する減速度を推定することを特徴とする車両用制動制御装置。
  3. 請求項1または2に記載の車両用制動制御装置において、前記制動力配分手段は、前記加圧手段としての駆動ポンプの駆動時間を変更すると共に、前記モータジェネレータとしての三相交流モータの位相を変更することで、加圧制動力と回生制動力との配分を変更することを特徴とする車両用制動制御装置。
  4. 請求項1から3のいずれか一つに記載の車両用制動制御装置において、車速に応じて前記モータジェネレータによる回生制動力と前記加圧手段による加圧制動力との制動力の配分基準割合が設定され、前記制動力制御手段は、前記操作部材による制動操作時に、車速が予め設定された所定の車速領域になったときに、前記配分基準割合に応じて前記加圧制動力と前記回生制動力の配分が設定され、前記制動力配分手段は、前記加圧制動力と前記回生制動力の配分が前記配分基準割合からずれたときに、前記加圧制動力と前記回生制動力との配分を変更することを特徴とする車両用制動制御装置。
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