JPWO2014102864A1 - 防護用堤体 - Google Patents

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Abstract

[要約][課題]低コスト化と、衝撃の伝達範囲を広くして防護性能を高めることと、堤体本体を小型化することを並立できる防護用堤体を提供する。[解決手段]堤体本体20と半硬質の緩衝拘束層30とを具備し、緩衝拘束層30が横長の拘束篭31に硬質緩衝材32を収容した複数の受撃体35により構成する。隣接する受撃体35の間を連結材34で連結する。受撃すると半硬質から硬質へ硬度が変化する緩衝拘束層30を介して衝撃を堤体本体20へ伝達して減衰する。

Description

本発明は落石、土砂崩落、雪崩等を受け止めて防護する防護用堤体に関する。
特許文献1には、落石等の保有する巨大な衝撃を受け止める防護用堤体が開示されている。この防護用堤体は、階層的な盛土工と、盛土中にジオテキスタイル等の盛土補強材を埋設する盛土補強材の敷設工を繰り返して断面台形状の盛土堤体を構築し、盛土堤体の山側の受撃面全面をコンクリート製パネル等の硬質覆工材で覆った構造になっている。
また特許文献2,3には、複数のセルを形成した樹脂製の枠体に粒状物や土砂等の中詰材を充填して構成したクッション層で盛土堤体の山側の受撃面を覆った防護用堤体が開示されている。
特許文献2,3の防護用堤体は、クッション層の局所的な塑性変形によって衝撃を減衰する。
特開2010−255200号公報 特開2011−47162号公報 特開2011−202496号公報
前記した従来の防護用堤体にあっては次のような問題点がある。
<1>特許文献1の防護用堤体は、受撃時にコンクリート製の硬質覆工材が破壊する問題と、硬質覆工材のコストが嵩む問題がある。
<2>硬質覆工材が複数のコンクリートパネルである場合には、一部のパネルに作用した衝撃を盛土堤体の受撃面の広い範囲に伝達することができない。
そのため、局所的に作用する衝撃に耐えられるように盛土堤体を大型にしなければならない。
<3>特許文献2の防護用堤体は、クッション層の一部に作用した衝撃を盛土堤体の受撃面の広範囲に亘って伝達することができない。
<4>特許文献2に記載のクッション層は、複数の枠体を階段状に積み重ね、各枠体の上口の一部が開放されている。
そのため、受撃時に開放された上口を通じてクッション層内の中詰材が外部へ飛び出すため、クッション層の緩衝性能が低下する。
<5>特許文献2の防護用堤体は、複数の落石が衝突するとクッション層の緩衝機能の低下に伴ってクッション層が破壊される危険がある。
<6>特許文献2の防護用堤体は、防護性能を高めるために盛土堤体を大型構造物として形成している。
堤体の支持地盤が軟弱で支持耐力が不足する場合は、地盤改良をする必要があり、工費及び工期の両面で負担が増す。
<7>最近の厳しい経済環境下においては低コスト化だけでなく、防護用堤体の小型化と高性能化の両立も求められているが、これら複数の要求を満たした好適な技術が未だ提案されていない。
本発明は以上の問題点を解決するために成されたもので、その目的とするところは、低コスト化と、衝撃の伝達範囲を広くして防護性能を高めることと、堤体本体を小型化することを並立できる防護用堤体を提供することにある。
本発明は、受撃面を有する堤体本体と、受撃面を覆う半硬質の緩衝拘束層とを具備した防護用堤体であって、前記堤体本体を補強盛土堤体で構成し、前記緩衝拘束層が横長の拘束篭に硬質緩衝材を拘束可能に収容した複数の受撃体により構成し、隣接する受撃体の相互間で荷重の伝達が可能なように前記複数の受撃体を連結し、受撃すると半硬質から硬質へ硬度が変化する緩衝拘束層を介して、該緩衝拘束層に作用した衝撃を堤体本体へ分散して伝達することを特徴とする。
殊に本発明の防護用堤体では、緩衝拘束層の背面に該背面から堤体本体の受撃面へ向けて硬質緩衝材の一部が突出した凹凸押圧面を形成し、受撃時に前記凹凸押圧面が堤体本体の受撃面を加圧変形するように、拘束篭の背面の開口と硬質緩衝材の大きさが関係づけられている。
前記堤体本体を補強盛土堤体で構成することで、緩衝拘束層とのなじみがよくなり、低コストで製作できる。
隣接する受撃体の間を連結材と補強連結材を併用して連結すると、緩衝拘束層における荷重の伝達性がよくなる。
本発明の防護用堤体は受撃すると半硬質から硬質へ硬度が変化する緩衝拘束層を具備することで、低コスト化と、衝撃の伝達範囲を広くして防護性能を高めることと、堤体本体を小型化することを並立できる。
さらに本発明では、半硬質の緩衝拘束層の背面に凹凸押圧面を形成していることで、堤体本体と緩衝拘束層との接触面積が大幅に増加するとともに、受撃時に凹凸押圧面が受撃面の表層を硬質化させることにより、緩衝拘束層と堤体本体の間における衝撃の分散伝達性能が格段に高くなる。
本発明に係る防護用堤体の一部を省略した斜視図 防護用堤体の横断面 拘束篭の斜視図 防護用堤体の説明図で、一段目の受撃体を構築するときのモデル図 防護用堤体の説明図で、一段目の盛土層を構築するときのモデル図 防護用堤体の説明図で、二段目の受撃体を構築するときのモデル図 防護用堤体の説明図で、二段目の盛土層を構築するときのモデル図 防護用堤体の作用を説明するため防護用堤体の水平断面 受撃体の間を補強連結材で連結した形態の説明図で、一部を省略した緩衝拘束層の正面図 防護用堤体の山側の受撃面に勾配をつけた形態の説明図で、(a)は一部を省略した防護用堤体の断面図、(b)は(a)のb−bの断面図 防護用堤体の山側の受撃面に勾配をつけた形態の説明図で、一部を省略した防護用堤体の断面図
以下、図面を参照しながら本発明の実施の形態について説明する。
<1>防護用堤体の概要
図1,2を参照して説明すると、本発明に係る防護用堤体10は、堤体本体20と、堤体本体20の山側の受撃面20bを覆う半硬質の緩衝拘束層30とにより構成する。緩衝拘束層30は受撃するとその硬度が増す特性を有し、緩衝拘束層30を通じて衝撃を堤体本体20の広範囲に分散して伝達することができる。
殊に本発明では、半硬質の緩衝拘束層30の背面に凹凸押圧面37を形成していて、堤体本体20の受撃面20bが凹凸押圧面37と対応した凹凸形状に成形されることで堤体本体20と緩衝拘束層30との接触面積が増加することと、受撃時に凹凸押圧面37が受撃面20bの表層を硬質化させることにより、緩衝拘束層30と堤体本体20の間における衝撃の分散伝達性が格段に高くなる。
<2>堤体本体
堤体本体20は落石等の衝撃を受け止める断面が略台形を呈する抵抗体である。
本例では堤体本体20を階層的に構築した複数の盛土層21と、各盛土層21間に敷設したシート状の盛土補強材22と、盛土層21の傾斜した谷側の背面20aを覆う壁面材23とを有する補強盛土堤体で構成する場合について説明するが、緩衝拘束層30と比べて硬度が小さい重力式の抵抗体であれば公知の堤体構造物を適用できる。
本例では堤体本体20の山側の受撃面20bを垂直に形成した場合について示すが、山側の受撃面20bに勾配を付与してもよい。
<2.1>盛土補強材
盛土補強材22は堤体本体20のせん断抵抗と曲げ抵抗を高めるための補強部材であり、ジオグリッドに代表される引張強度の大きい公知のメッシュ状物を使用できる。
盛土補強材22と緩衝拘束層30の接続関係は、一体構造または別体構造の何れでもよい。壁面材23の一端を緩衝拘束層30に接続して一体化すると、堤体本体20と緩衝拘束層30間の連結強度が高くなって緩衝拘束層30の安定性がよくなる。
<2.2>壁面材
堤体本体20の法面を保護する壁面材23は、長方形のエキスパンドメタル、溶接金網、織製金網、有孔鋼板等を断面略L字形に折り曲げて形成し、その水平部と起立部の間に補強用の斜材23aが配置してある。
また必要に応じて、壁面材23の内側に公知の吸出防止シート、緑化シート等を付設する。
<3>緩衝拘束層
緩衝拘束層30は断面形状が方形を呈する横長の複数の受撃体35で構成し、複数の受撃体35を縦横に積み上げて堤体本体20の山側の受撃面20bを被覆する。
受撃体35は、通常は半硬質であり、受撃するとその硬度が増す性質を有する。
本発明において「半硬質」とは、一定範囲の撓み変形と圧密変形を許容する状態を指す。
<3.1>受撃体
受撃体35は、断面方形を呈する横長の複数の拘束篭31と、拘束篭31内に拘束可能に封入した硬質緩衝材32と、拘束篭31の内側に付設した吸出防止シート33とを具備し、受撃体35の背面に硬質緩衝材32の一部を突出させて凹凸押圧面37を形成している。吸出防止シート33は省略する場合もある。
<3.2>拘束篭
図3に拘束篭31の一例を示す。拘束篭31は横長の長方形を呈する底面パネル31aと、底面パネル31aの一対の長辺に立設した前面パネル31bおよび背面パネル31cと、底面パネル31aの一対の短辺のうちの一辺または両辺に立設した端面パネル31dとを有する。
また拘束篭31の中間部に、端面パネル31dと同形の仕切パネル(図示を省略)を追加設置する場合もある。
拘束篭31は落石等が衝突したときに容易に破損しない強度を有し、例えば各種金網、エキスパンドメタル、又は有孔鋼板等を組み合せて形成する。またその素材も金属製に限らず、耐候性と引張強度に優れた樹脂製のネット状物で形成してもよい。
また拘束篭31として、護岸工に用いられる公知の布団篭、メッシュボックス、蛇篭を転用することも可能である。
拘束篭31の解放された上口は、専用の蓋31eで閉鎖するか、或いは上位の拘束篭31の底面31aを蓋に兼用して閉鎖する。
<3.2.1>硬質緩衝材を拘束した理由
本発明では拘束篭31内に硬質緩衝材32を拘束可能に封入する。
その理由は、硬質緩衝材32の飛び出しを防止するためと、硬質緩衝材32の圧密変形が限界に達したときにロッキングさせて、受撃体35の形態を維持したまま、受撃体35の硬度を半硬質から硬質に変化させるためである。
<3.2.2>拘束篭を横長に形成した理由
拘束篭31を横長に形成したのは、受撃体35を通じた衝撃の伝達面積を堤体本体20の延長方向へ向けて拡張するためである。
<3.2.3>背面パネルの開口と硬質緩衝材の寸法関係
本発明では、拘束篭31内に硬質緩衝材32を拘束可能に封入するだけでなく、拘束篭31の背面パネル31c側に硬質緩衝材32の一部を外部へ突出させて凹凸押圧面37を形成している。
背面パネル31cの開口を通じて硬質緩衝材32の一部が外部へ突出して受撃体35の背面に凹凸押圧面37を形成し得るように、拘束篭31の背面パネル31cの開口寸法と硬質緩衝材32の大きさが関係づけられている。
換言すると、拘束篭31の前面パネル31bおよび背面パネル31cは共に硬質緩衝材32の通過を阻止できるように、硬質緩衝材32の最大径より小さな開口寸法になっていて、さらに背面パネル31cのみが硬質緩衝材32の一部のはみ出しを許容し得る開口寸法になっている。
より好ましくは、拘束篭31の前面パネル31bの開口寸法を背面パネル31cの開口より小さくしておく。前面パネル31bの開口寸法をこのようにすると、受撃時に拘束篭31の前面からの硬質緩衝材32の飛び出しを確実に防止できる。
<3.3>硬質緩衝材
硬質緩衝材32としては、石、砕石、人工造粒物等の硬質粒状体を使用できる。緩衝性能を考慮すると単粒度の硬質粒状体が望ましい。
[施工方法]
つぎに図4A〜4Dを参照しながら防護用堤体10の施工方法について説明する。
<1>最下段の受撃体の構築
図4Aに示すように、設置現場の山側に複数の拘束篭31を横一列に配置し、隣接する拘束篭31の間を連結コイル等の連結材で連結する。
上口のみを開放した各拘束篭31内に吸出防止シート33を付設した後、所定のサイズの硬質緩衝材32を充填して、最下段の受撃体35を形成する。
拘束篭31内に硬質緩衝材32を充填する際、背面パネル31cの開口を通じて、硬質緩衝材32の一部を外部へはみ出させて、受撃体35の背面に凹凸押圧面37を形成する。
<2>最下段の盛土層の構築
最下段の受撃体35の背面(谷側)に盛土補強材22を水平に敷設するとともに、盛土補強材22の端部(右端)に壁面材23を搭載し、固定ピン24を打ち込んで固定する。
盛土補強材22の上に土砂を撒き出し、転圧して最下段の受撃体35の高さに達する最下段の盛土層21を構築する。盛土層21を転圧する際、受撃面側の盛土が受撃体35の凹凸押圧面37に押し付けられて凹凸形状に成形される。
最下段の受撃体35の背面と盛土層21の間には、別途の吸出防止シート25を配置して盛土土砂の吸出しを防止する。
図4Bは最下段の受撃体35の背面に盛土層21を構築した形態を示す。
盛土層21の構築にあたり、受撃体35と壁面材23が土砂の自由な移動を防止するので、盛土層21の転圧を確実に行うことができる。
<3>二段目以降の受撃体と盛土層の構築
図4C,4Dに示すように、最下段の受撃体35の真上に二段目の受撃体35を上記した同様の工程で構築するとともに、盛土補強材22と壁面材23を用いて最下段の盛土層21の真上に二段目の盛土層21を増築する。
二段目の受撃体35を構築するにあたり、二段目の拘束篭31の底面31aで最下段の受撃体35の上口を閉鎖するか、或いは専用の蓋31eで最下段の受撃体35の上口を閉鎖して硬質緩衝材32を拘束可能に封入する。
また、最下段と二段目の受撃体35,35の間を荷重が伝達可能に連結材34で連結する。
以降は上記した作業を繰り返し行い、図2に示すような凹凸状の受撃面20bを有する補強盛土堤体製の堤体本体20と、背面に凹凸押圧面37を形成した半硬質の緩衝拘束層30とを具備した防護用堤体10を構築する。最上段の受撃体35の上口は専用の蓋31eで閉鎖する。
[防護用堤体の作用]
<1>衝撃の作用前
図2に示すように堤体本体20の山側の受撃面20bを半硬質の緩衝拘束層30が覆っている。さらに緩衝拘束層30を構成する上下左右方向に隣接する受撃体35相互間が連結材34で荷重を伝達可能に連結してある。
緩衝拘束層30の凹凸押圧面37と堤体本体20の受撃面20bとの間は、なじんだ状態で接面している。
衝撃の作用前において、緩衝拘束層30は半硬質の状態にある。
<2>衝撃の減衰作用
図5は衝撃Fが作用したときの防護用堤体10の山側の水平断面を示したものである。
緩衝拘束層30の一部に落石等の衝撃Fが作用すると、拘束篭31の内部に封入した硬質緩衝材32が拘束篭31で拘束されて圧密変形をするとともに、受撃体35全体が二点鎖線で示した状態から湾曲して変形する。硬質緩衝材32の圧密変形抵抗と受撃体35の撓み抵抗により衝撃Fが減衰される。
衝撃Fが繰り返し作用しても、拘束篭31によって硬質緩衝材32の外部への飛び出しが阻止され、硬質緩衝材32の封入状態が維持される。
<3>防護用堤体における衝撃の分散伝達範囲
図5を参照して防護用堤体10における衝撃Fの分散伝達範囲について説明する。
本発明に係る防護用堤体10は、硬質緩衝材32の圧密変形抵抗と受撃体35の撓み抵抗により衝撃Fを減衰するだけでなく、以下に説明する複数の要因の組み合せにより、緩衝拘束層30の一部に作用した衝撃Fを広範囲に分散して堤体本体20へ伝達して効率よく減衰することができる。
<3.1>硬化した緩衝拘束層による衝撃の分散伝達作用
連結材34を介して複数の受撃体35の間を連結して構成した緩衝拘束層30の一部に衝撃Fが作用すると、直接衝撃Fが作用した受撃体35は勿論のこと、連結材34と拘束篭31を通じてその周囲に位置する受撃体35に対しても連鎖的に衝撃Fが伝達される。
各受撃体35において、横長の拘束篭31で拘束した硬質緩衝材32の圧密変形が限界に達すると、硬質緩衝材32群がロッキングして、受撃体35の硬度が半硬質から石柱の如く硬質に変化する。緩衝拘束層30の硬化範囲は衝撃Fの大きさに比例してが大きくなる。
したがって、緩衝拘束層30の一部に作用した衝撃Fは、横長の硬化した受撃体35を通じて堤体本体20の受撃面20bに対し広範囲に伝達される。
緩衝拘束層30と堤体本体20の受撃面20bとの間がなじんだ状態で接面しているので、衝撃Fの伝達ロスが少ない。
堤体本体20へ伝達された衝撃Fは、盛土層21の変形抵抗と盛土補強材22の引張強度との協働により効率的に減衰できるので、従来と比べて防護用堤体10の防護性能が高くなる。
<3.2>受撃面積の増大による衝撃の分散伝達作用
堤体本体20の受撃面20bは平面的形状ではなく、緩衝拘束層30の凹凸押圧面37に対応した凹凸状の立体的形状を呈するため、受撃面20bを平面に形成した場合と比べて堤体本体20と緩衝拘束層30との接地面積が大幅に増大する。
堤体本体20と緩衝拘束層30との接地面積(受撃面積)が増えることに伴い、堤体本体20と緩衝拘束層30の間における衝撃Fの分散伝達面積が増大することにより、衝撃Fの減衰性能が向上する。
<3.3>受撃面の硬化による衝撃の分散伝達作用
堤体本体20の受撃面20bは盛土を十分に転圧することである程度硬くなるが、硬質化した緩衝拘束層30を通じて堤体本体20の受撃面20bに衝撃Fが伝わることで、受撃面20bの表層の硬度がさらに増して石のように硬くなる。
凹凸押圧面37を通じて受撃面20bに瞬発的に衝撃Fが加わることで受撃面20bを構成する土砂が噛み合うためである。
受撃面20bの硬化した表層を通じて衝撃Fが堤体本体20の広範囲に分散して伝達されることと、凹凸形状を保ったまま硬化した受撃面20bの表層を通じて、堤体本体20の内部における衝撃Fの伝達方向が放射状に広がることから、衝撃Fの減衰性能がさらに向上する。
<4>堤体本体の荷重負担について
堤体本体20側から捉えると、衝撃Fは硬化した単数、または複数の受撃体35を通じて伝達される。
堤体本体20における衝撃Fの伝達面積が増えれば、防護用堤体10としての単位面積当たりの荷重負担が小さくなり、防護用堤体10を小型軽量に設計するうえで有利である。
防護用堤体10が小型軽量化できれば、支持地盤の負担も軽減されるので地盤改良の必要がなくなる。
<5>拘束篭に作用する引張力について
受撃時における拘束篭31に作用する引張力について検討する。
拘束篭31に封入した硬質緩衝材32は外力が作用するとインターロッキング現象を生じて自由な変形が阻止される。
インターロッキング現象は硬質緩衝材32の内部摩擦により生じるものであり、拘束篭31の強度に大きく左右されない。強度の小さな拘束篭31で拘束することでも、硬質緩衝材32はロッキング現象を生じる。
このように硬質緩衝材32がロッキング現象を生じるときに、拘束篭31に過大な引張力が作用しないので、受撃時に拘束篭31が引張力によって破損することがない。
[他の実施の形態]
以降に他の実施の形態について説明するが、その説明に際し前記した実施例と同一の部位は同一の符号を付してその詳しい説明を省略する。
図6に隣り合う受撃体35の接合部に鋼棒等の補強連結材36を配置して連結強度を高めた形態を示す。
隣り合う受撃体35の間にはコイル状の連結材34が巻き付けてあるから、この連結材34の内空に補強連結材36を挿入して設置する。
補強連結材36の設置範囲は拘束篭31の各辺の全長、またはその一部に設置する。
なお、図中の符号31fは拘束篭31を構成する枠材である。
補強連結材36は連結材34と協働して受撃体35間における一体性を高めるので、連結材34のみで連結した場合と比べて衝撃の伝達性がよくなる。
先の実施例では、堤体本体20の山側の受撃面20bと緩衝拘束層30を垂直に形成した場合について説明したが、図7,8に示すように勾配をつけてもよい。
図7は断面菱形の拘束篭31を使用して緩衝拘束層30の前面をフラットに形成した防護用堤体10を示し、図8は断面矩形の拘束篭31を使用して緩衝拘束層30の前面を階段状に形成した防護用堤体10を示す。
本例のように緩衝拘束層30に勾配をつけて凭れ式に構成することで、防護用堤体10の安定性が増す。
また以上は複数の受撃体35を縦一列に配置した形態について説明したが、予想される衝撃Fが巨大なときは複数の受撃体35を多重に列設してもよい。
10・・・・・防護用堤体
20・・・・・堤体本体
21・・・・・盛土層
22・・・・・盛土補強材
23・・・・・壁面材
24・・・・・固定ピン
25・・・・・吸出防止シート
30・・・・・緩衝拘束層
31・・・・・拘束篭
32・・・・・硬質緩衝材
35・・・・・受撃体
36・・・・・補強連結材
37・・・・・凹凸押圧面
本発明は、受撃面を有する堤体本体と、受撃面を覆う半硬質の緩衝拘束層とを具備した防護用堤体であって、前記堤体本体を補強盛土堤体で構成し、前記緩衝拘束層が横長の拘束篭に硬質緩衝材を拘束可能に収容した複数の受撃体により構成し、隣接する受撃体の相互間で荷重の伝達が可能なように前記複数の受撃体を連結し、前記緩衝拘束層はその背面 に該背面から堤体本体の受撃面へ向けて硬質緩衝材の一部が突出した凹凸押圧面を具備し 、前記緩衝拘束層の凹凸押圧面と、該凹凸押圧面に対応した凹凸状に変形した堤体本体の 受撃面の表層との間に、吸出防止シートを介在し、受撃すると半硬質から硬質へ硬度が変化する緩衝拘束層を介して、該緩衝拘束層に作用した衝撃を堤体本体へ分散して伝達することを特徴とする。
殊に本発明の防護用堤体では、受撃時に前記凹凸押圧面が堤体本体の受撃面を加圧変形するように、拘束篭の背面の開口と硬質緩衝材の大きさが関係づけられている。
さらに、前記拘束篭の前面の開口は該拘束篭の背面の開口より小さく形成してある。
さらに、前記補強盛土堤体は、吸出防止シートを介して受撃体の凹凸押圧面に接面させ て階層的に構築した複数の盛土層と、各盛土層間に敷設した盛土補強材とを具備している 。さらに、前記受撃体の断面形は方形である。
前記堤体本体を補強盛土堤体で構成することで、緩衝拘束層とのなじみがよくなり、低コストで製作できる。
隣接する受撃体の間を連結材と補強連結材を併用して連結すると、緩衝拘束層における荷重の伝達性がよくなる。

Claims (5)

  1. 受撃面を有する堤体本体と、受撃面を覆う半硬質の緩衝拘束層とを具備した防護用堤体であって、
    前記堤体本体を補強盛土堤体で構成し、
    前記緩衝拘束層が横長の拘束篭に硬質緩衝材を拘束可能に収容した複数の受撃体により構成し、
    隣接する受撃体の相互間で荷重の伝達が可能なように前記複数の受撃体を連結し、
    受撃すると半硬質から硬質へ硬度が変化する緩衝拘束層を介して、該緩衝拘束層に作用した衝撃を堤体本体へ分散して伝達することを特徴とする防護用堤体。
  2. 請求項1において、緩衝拘束層の背面に該背面から堤体本体の受撃面へ向けて硬質緩衝材の一部が突出した凹凸押圧面を形成し、受撃時に前記凹凸押圧面が堤体本体の受撃面を加圧変形するように、拘束篭の背面の開口と硬質緩衝材の大きさが関係づけられていることを特徴とする防護用堤体。
  3. 請求項2において、前記拘束篭の前面の開口が該拘束篭の背面の開口より小さいことを特徴とする防護用堤体。
  4. 請求項2または3において、前記補強盛土堤体が、受撃体の凹凸押圧面に接面させて階層的に構築した複数の盛土層と、各盛土層間に敷設した盛土補強材とを具備することを特徴とする防護用堤体。
  5. 請求項1乃至3の何れか一項において、前記受撃体の断面形が方形であることを特徴とする防護用堤体。
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