JP2004011224A - 衝撃吸収用堤体及びその設計方法 - Google Patents

衝撃吸収用堤体及びその設計方法 Download PDF

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Abstract

【課題】運動エネルギーの減衰効果が高い衝撃吸収用堤体及びその設計方法を提供すること。
【解決手段】斜面の山側に受撃面21を有し、内部に補強材をほぼ水平方向に複数枚間隙をおいて配置してなる抵抗体2を備えた衝撃吸収用堤体1の設計方法において、落石の衝撃力の作用力を求め、抵抗体2の構造を仮定し、抵抗体2の滑り面を決定し、滑り面上の抵抗体2を滑り面に沿って滑らせる作用力に起因する滑り力を求め、滑り面上の抵抗体2の荷重と補強材に起因する抵抗力を求め、抵抗力と滑り力の比から安全率を求め、安全率が所定値の範囲に入るように抵抗体2の構造を決定してなる、衝撃吸収用堤体1、及びその設計方法。
【選択図】   図3

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、落石や雪崩等の落下物の保有する運動エネルギーを減衰して落下を阻止する衝撃吸収用堤体に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、落石や雪崩の保有する巨大落下物の運動エネルギーを吸収する技術として、斜面に構築したコンクリート製の大型擁壁でもって受け止める方法が提案されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
前記した従来の巨大落下物の運動エネルギー減衰技術には次のような課題がある。
【0004】
<イ>大型擁壁のエネルギー減衰作用について考察すると、受撃時に減衰作用をするのは大型擁壁の一部だけであって、擁壁の全体強度が作用するものではない。そのため、減衰効率が極めて低いものである。
【0005】
<ロ>落石や雪崩の発生が予想される現場は山岳地帯や断崖等である場合が多く、崖錐層の場合は、大型擁壁の支持地盤として支持力が不足する場合が多い。
このような現場に大型擁壁を構築するには、建設機材搬入用の道路を建設したり、現場においては擁壁基礎部の掘削工や基礎杭工、型枠工等の多くの工程を経る必要があり、大型擁壁の構築に多大の工期と工費の負担を強いられる。
【0006】
<ハ>山岳地帯や断崖で施工する場合、重機の操作を誤ると重機の転倒、転落事故に繋がり易い。また作業者も平地での作業と比べて危険負担が大きい。
【0007】
<ニ>落石や雪崩の運動エネルギーは時に予測を超える場合がある。
このような巨大なエネルギーに対抗するためには、経済的な制約があるものの極めて大型擁壁を構築する必要があり、運動エネルギーの減衰コストが極めて高いものとなる。
【0008】
<ホ>受撃により大型擁壁にヒビが入ったり一部が破損したときは、コンクリート擁壁の一部または全体を除去して再構築する必要があり、補修性の点で問題がある。また支持地盤の一部が不等沈下すると擁壁が傾倒したりヒビが入る等の問題もある。
【0009】
本発明は以上の問題点を解決するためになされたもので、以下の目的を有するものである。
<イ>本発明は、エネルギー減衰効率の高い衝撃吸収用堤体を提供することにある。
<ロ>また、本発明は、エネルギー減衰効率の高い衝撃吸収用堤体の設計方法を提供することにある。
【0010】
【問題を解決するための手段】
本発明は、斜面の山側に受撃面を有し、内部に補強材をほぼ水平方向に複数枚間隙をおいて配置してなる抵抗体を備えた衝撃吸収用堤体において、落石の衝撃力の作用力を求め、抵抗体の構造を仮定し、抵抗体の滑り面を決定し、滑り面上の抵抗体を滑り面に沿って滑らせる作用力に起因する滑り力を求め、滑り面上の抵抗体の荷重と補強材に起因する抵抗力を求め、抵抗力と滑り力の比から安全率を求め、安全率が所定値の範囲に入るように抵抗体の構造を決定して得られたことを特徴とする、衝撃吸収用堤体にある。
本発明は、また、前記衝撃吸収用堤体において、抵抗体により、作用力を作用力の方向に対して堤体の延長方向に抵抗体の高さ程度に分散したことを特徴とする、衝撃吸収用堤体にある。
本発明は、また、前記衝撃吸収用堤体において、受撃体により、作用力を作用力の方向に対して上下に各々40度〜50度に分散したことを特徴とする、衝撃吸収用堤体にある。
本発明は、また、抵抗体の受撃面に受撃体を配置して、抵抗体と受撃体の間に伝達体を配置し、伝達体により、作用力を作用力の方向に対して堤体の延長方向に伝達体の厚さThに対して3Th〜5Thで分散したことを特徴とする、衝撃吸収用堤体にある。
本発明は、また、前記衝撃吸収用堤体において、作用力Pは、式1にて算出し、ラーメ定数λは、430kN/m〜630kN/mとして得られたことを特徴とする、衝撃吸収用堤体にある。
本発明は、また、斜面の山側に受撃面を有し、内部に補強材をほぼ水平方向に複数枚間隙をおいて配置してなる抵抗体を備えた衝撃吸収用堤体の設計方法において、落石の衝撃力の作用力を求め、抵抗体の構造を仮定し、抵抗体の滑り面を決定し、滑り面上の抵抗体を滑り面に沿って滑らせる作用力に起因する滑り力を求め、滑り面上の抵抗体の荷重と補強材に起因する抵抗力を求め、抵抗力と滑り力の比から安全率を求め、安全率が所定値の範囲に入るように抵抗体の構造を決定することを特徴とする、衝撃吸収用堤体の設計方法にある。
本発明は、また、前記衝撃吸収用堤体の設計方法において、抵抗体により、作用力を作用力の方向に対して堤体の延長方向に抵抗体の高さ程度に分散して設計することを特徴とする、衝撃吸収用堤体の設計方法にある。
本発明は、また、前記衝撃吸収用堤体の設計方法において、抵抗体の受撃面に受撃体を配置して、受撃体により、作用力を作用力の方向に対して上下に各々40度〜50度に分散して設計することを特徴とする、衝撃吸収用堤体の設計方法にある。
本発明は、また、前記衝撃吸収用堤体の設計方法において、抵抗体の受撃面に受撃体を配置して、抵抗体と受撃体の間に伝達体を配置し、伝達体により、作用力を作用力の方向に対して堤体の延長方向に伝達体の厚さThに対して3Th〜5Thで分散して設計することを特徴とする、衝撃吸収用堤体の設計方法にある。
本発明は、また、前記衝撃吸収用堤体の設計方法において、作用力Pは、式1にて算出し、ラーメ定数λは、430kN/m〜630kN/mとすることを特徴とする、衝撃吸収用堤体の設計方法にある。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下図面を参照しながら本発明の実施の形態について説明する。
【0012】
<イ>衝撃吸収用堤体の構成
図1〜図2に本発明に係る衝撃吸収用堤体1の例を示す。図1(A)は、斜面の山側に向いており、落下物などの衝撃物を受け止める受撃面21を有する抵抗体2の内部にほぼ水平面の方向に補強材22を積層して配置した衝撃吸収用堤体1であり、タイプAとする。図1(B)は、タイプAの受撃面側に受撃体3を配置した衝撃吸収用堤体1であり、タイプBとする。図1(C)は、タイプBの抵抗体2と受撃体3の間に伝達体4を配置した衝撃吸収用堤体1であり、タイプCとする。図2は、タイプCの斜視図の例を示している。図2の衝撃吸収用堤体1は斜面の山側に配置される複数の受撃体3と、受撃体3の谷側に配置される複数の伝達体4と、伝達体4の谷側に配置される抵抗体2とにより構成される。以下各部について詳述する。
【0013】
<ロ>抵抗体
抵抗体2は最終的に落下物などの衝撃物の運動エネルギーを支持する構造体で、本例では現場製作の容易性、経済性の観点から抵抗体2が盛土堤体である場合を示す。抵抗体2が盛土堤体である場合、ジオグリッドやジオテキスタイル等の補強材22を階層的に埋設する等して形状の安定を図っておくとよい。補強材22は、ほぼ水平面に複数枚間隔をあけて配置する。間隔は、等間隔にするとより設計が容易になる。
【0014】
<ハ>受撃体
受撃体3は、変形力で以って衝撃物の運動エネルギーの減衰を図る柱状体であり、例えば図2に示すように、筒状の袋体31と、袋体31に封入する衝撃吸収材32とにより構成され、縦向きに並列に配置される。
【0015】
袋体31は、伸縮性と高い引張強度を併有する素材を細長の一重又は多重構造の筒体に形成されている。ここでいう伸縮性とは、一定範囲だけ伸びるがそれ以降は伸びないという性質を意味し、ストレッチマット(前田工繊株式会社製)が好適である。
【0016】
その他の素材例としては、ジオテキスタイルやアラミド繊維、或いは鋼線等の高強度素線を用いて伸縮性を有するように編成した素材を使用することもできる。
【0017】
後述するように、最前列の受撃体3の伸び率を他の伝達体4と比べて相対的に大きく設定してある。これは受撃体3の変形性を高めて落下物の運動エネルギーの減衰効果を促進させるためである。
【0018】
袋体31の一部に衝撃吸収材封入用の注入口(図示せず)を形成し、衝撃吸収材32の投入後、漏出を防止できる構造になっている。
【0019】
落石等の運動エネルギーを変形しながら吸収する衝撃吸収材32の選択に当たっては、▲1▼変形強度を有すること、▲2▼大きな衝撃材を受けて締め固まらないこと、▲3▼封入作業性が良好であること、▲4▼受撃時に容易に弾き飛ばされないだけの重量を有すること等の諸条件を満たすことが肝要である。
【0020】
衝撃吸収材32としては、上記諸条件を満たす例えば砂、砕石、現地発生土、粘土、ゲル化した膨潤体、発泡ポリウレタンフォームの発泡材等、或いはこれらを任意に選択して混在させたものを使用できる。運動エネルギーの変形吸収性能を高めるためには、衝撃吸収材32に粒度が均一な砕石等の骨材を用いる事が望ましい。
【0021】
<ニ>伝達体
伝達体4は受撃体3を経由した運動エネルギーを分散して抵抗体2へ伝達することを主たる作用とする柱状体で、筒状の袋体41と、袋体41に封入した衝撃吸収材42とにより構成され、受撃体3と交差する横向きに積み上げられる。
本例では伝達体4、4を前後方向に二列積み上げる場合を示すが、積み上げる列数は一列又は三列以上であってもよい。
【0022】
各伝達体4、4に小さいながらも伸縮性を付与したのは、受撃体3で受けた運動エネルギーを広範囲に分散して抵抗体2へ伝達する際に、伝達体4自体に運動エネルギーを変形吸収させて、堤体全体としての減衰性能を高めるためである。
【0023】
また伝達体4に受撃体3のような大きな伸縮性を付与すると、部分的な範囲の減衰効果が高まるが、運動エネルギーを広範囲に分散して抵抗体2へ伝達する機能が低下する。そこで伝達体4には運動エネルギーの分散伝達効果を損ねない程度の伸縮性を付与したものである。
【0024】
以下に、衝撃吸収用堤体の設計方法を説明する。
【0025】
<イ>衝撃吸収用堤体の設計の流れ
図3において、先ず、落石が衝撃吸収用堤体1に及ぼす衝撃力と、その衝撃力が堤体に作用する作用力を算出する(ステップS1)。その際、落石の落下条件を求める(ステップS11)。次に、堤体の構造を仮定する(ステップS2)。この構造の仮定の基に堤体の内的安定条件を決定する(ステップS3)。ステップS1〜S3の条件で内的安定の照査を行う(ステップS4)。ステップS2で仮定した堤体の構造が安定か否かを判断する(ステップS5)。安定でなければ、ステップS2に戻り、再度、構造諸元を仮定する。安定になるまで、ステップS2からステップS4を繰り返す。安定になれば、設計を終了する。なお、本例の作用力は、水平方向の水平作用力としているが、その方向は設計によって適宜決められるものである。
【0026】
<ロ>衝撃力の計算
斜面を落下する落石の衝撃力Pは、式2で算出する。式2で用いられる落石の落下高Hは、式3で算出する。衝撃吸用堤体に向かって水平方向に衝突する衝撃力Pは、式4で算出する。
【0027】
【式2】
Figure 2004011224
【0028】
【式3】
Figure 2004011224
【0029】
【式4】
Figure 2004011224
【0030】
式2において、ラーメ定数λは、実験において100〜1000kN/mの範囲にばらついているが、実験データの平均値を適用しても安全であることが判明し、平均値付近の430〜630kN/mとする。特に、平均値530kN/m付近が最適である。
【0031】
<ハ>構造諸元の仮定
衝撃吸収用堤体1の構造諸元を仮定する。図6において、抵抗体2の天端幅B1、抵抗体2の底盤幅B2、抵抗体土砂(土塊)の単位体積重量γd、抵抗体土砂の内部摩擦角φ、堤体の高さh、衝突高hd、受撃体幅Tj、受撃面勾配θ1、受撃裏面勾配θ2、伝達体幅Th、伝達体段数n、滑り面勾配Φ1、補強材22の強度RT、補強材22の敷設間隔ΔHなどの構造諸元を仮定する。
【0032】
<ニ>内部安定照査条件
仮定した構造諸元から内部安定照査条件を求める。内部安定照査の抵抗幅WTは、図1のタイプA〜Bの堤体の場合、抵抗体2により図4に示すように落石5の作用力を作用力の方向に対して堤体の延長方向に分散する。その分散の抵抗幅WTは、実験によりほぼ衝撃吸収用堤体1の高さhとなる。なお、堤体の延長方向とは、堤体の面の方向であり、通常、ほぼ水平面に沿った方向である。
【0033】
図1のタイプCの堤体の場合、抵抗幅WTは、図5に示すように落石5の径D、伝達体4の幅Th、及び、作用力の方向に対して堤体の延長方向に分散する分散比から求める。実験結果から分散比(分散勾配)は1対3〜1対5であった。特に好ましくは、約1対4であった。そこで、1対4の場合、抵抗幅WTの分散勾配の項は、2×4Th・nとなり、抵抗幅WTは、式5から求まる。
【0034】
【式5】
Figure 2004011224
【0035】
受撃体分散角(鉛直方向)は、図6に示すように、作用力の方向に対して上下方向に夫々40度〜50度が適しており、特に約45度とするのが最適である。即ち、受撃体分散角が約45度の場合、作用力が受撃体3に衝突すると、作用力の方向に対して、上下に約45度分散する。そのため、作用力は、衝突位置から約45度下方に力が広がり、受撃体3の厚さTjを伝達し、その後、水平に伝達する。
【0036】
堤体の衝撃力に対する単位幅当たりの抵抗力(単位幅=1m)は、図7に示す力の関係から式6で求めることができる。図7の図6の一部の拡大図である。式6の第1項は、滑り面上の抵抗体2の重量による力を示している。式6の第2項は、滑り面における衝撃力に対する摩擦力を示している。土塊重量Wdは、滑り面上の土塊の重量であり、Ad(土塊断面積)×γd(土塊の単位体積重量)から求めることができる。土塊断面積Adは、図6で示された三角形Adであり、堤体の形状から幾何学的に求めることができる。図6において、記号h、h、Lは、夫々、抵抗体2の天端と滑り面の最下点の垂直距離、抵抗体2の天端と滑り面の最上点の垂直距離、最下点と最上点の距離を示し、面積を求めるために使用される。式6の第3項は、ジオグリッドなどの補強材22による見かけの粘着力Cを示している。粘着力Cは、式7で求めることができる。落石による滑り面に沿った滑り力P01は、式8で求められる。
【0037】
【式6】
Figure 2004011224
【0038】
【式7】
Figure 2004011224
【0039】
【式8】
Figure 2004011224
【0040】
<ホ>内部安定照査
内的滑りに対する安全率Fsは、作用幅当たりの抵抗力を落石による滑り力で割った式9で求めることができる。この安全率Fsが1より大きいと、滑り力による破壊が起こらず、内的に安定していると判断できる。安全率Fsが1より小さいと、仮定した構造諸元を変更して、安全率Fsが1より大きくなるように繰り返し設定する。
【0041】
【式9】
Figure 2004011224
【0042】
<ヘ>滑り面の勾配の算出
滑り面の勾配を実験と対比して算出する。図8にタイプA〜タイプCの各衝撃吸収用堤体の滑り面分散角と設計限界吸収エネルギーのグラフを示す。タイプAの「実験に基づく限界吸収エネルギー」は553kJであるので、グラフから滑り面の勾配は23°となる。同様に、タイプBの「実験に基づく限界吸収エネルギー」は1398kJであるので、グラフから滑り面の勾配は29.3°となる。同様に、タイプCの「実験に基づく限界吸収エネルギー」は2408kJであるので、グラフから滑り面の勾配は28.6°となる。なお、タイプBとCの滑り面の勾配は、計算上28°とし、共通にする。なお、「実験に基づく限界吸収エネルギー」は、相似則から実験に基づいて求めたものである。
【0043】
<ト>設計の適正率
上記の手順(図3)を繰り返して、タイプA〜タイプCの各衝撃吸収用堤体の構造諸元が表1のように求まった。表2には、上記手順で求めた「設計限界吸収エネルギー((落石重量×落下高さmgH)」(▲1▼)と「実験に基づく限界吸収エネルギー」(▲2▼)を対比している。表2の適正率は、「実験に基づく限界吸収エネルギー」/「設計限界吸収エネルギー」(▲2▼/▲1▼)であり、実験と設計の適正率を示している。適正率が1.03〜1.14であることから、これらの設計が実際の現象を忠実に再現しているものとなる。
【0044】
【表1】
Figure 2004011224
【0045】
【表2】
Figure 2004011224
【0046】
【発明の効果】
本発明は次の効果を得ることができる。
<イ>本発明は、エネルギー減衰効率の高い衝撃吸収用堤体を提供することができる。
<ロ>また、本発明は、エネルギー減衰効率の高い衝撃吸収用堤体の設計方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】衝撃吸収用堤体の種類の説明図
【図2】図1(C)の衝撃吸収用堤体のモデル図
【図3】衝撃吸収用堤体の設計方法の流れ図
【図4】抵抗体で分散された抵抗幅WTの説明図
【図5】伝達体で分散された抵抗幅WTの説明図
【図6】堤体の構造と極限釣り合い計算の説明図
【図7】抵抗体内滑り面釣り合い計算の説明図
【図8】滑り面の勾配と設計限界吸収エネルギーの関係図
【符号の説明】
1・・・衝撃吸収用堤体
2・・・抵抗体
21・・受撃面
22・・補強材
3・・・受撃体
31・・袋体
32・・衝撃吸収材
4・・・伝達体
41・・袋体
42・・衝撃吸収材
5・・・落石

Claims (6)

  1. 斜面の山側に受撃面を有し、内部に補強材をほぼ水平方向に複数枚間隙をおいて配置してなる抵抗体を備えた衝撃吸収用堤体において、
    落石の衝撃力の作用力を求め、抵抗体の構造を仮定し、抵抗体の滑り面を決定し、滑り面上の抵抗体を滑り面に沿って滑らせる作用力に起因する滑り力を求め、滑り面上の抵抗体の荷重と補強材に起因する抵抗力を求め、抵抗力と滑り力の比から安全率を求め、安全率が所定値の範囲に入るように抵抗体の構造を決定して得られたことを特徴とする、衝撃吸収用堤体。
  2. 請求項1に記載の衝撃吸収用堤体において、
    抵抗体により、作用力を作用力の方向に対して堤体の延長方向に抵抗体の高さ程度に分散したことを特徴とする、衝撃吸収用堤体。
  3. 請求項1に記載の衝撃吸収用堤体において、
    抵抗体の受撃面に受撃体を配置して、受撃体により、作用力を作用力の方向に対して上下に各々40度〜50度に分散したことを特徴とする、衝撃吸収用堤体。
  4. 請求項1に記載の衝撃吸収用堤体において、
    抵抗体の受撃面に受撃体を配置して、抵抗体と受撃体の間に伝達体を配置し、伝達体により、作用力を作用力の方向に対して堤体の延長方向に伝達体の厚さThに対して3Th〜5Thで分散したことを特徴とする、衝撃吸収用堤体。
  5. 請求項1〜請求項7のいずれかに記載の衝撃吸収用堤体において、
    作用力Pは、式1にて算出し、ラーメ定数λは、430kN/m〜630kN/mとして得られたことを特徴とする、衝撃吸収用堤体。
    【式1】
    Figure 2004011224
  6. 斜面の山側に受撃面を有し、内部に補強材をほぼ水平方向に複数枚間隙をおいて配置してなる抵抗体を備えた衝撃吸収用堤体の設計方法において、落石の衝撃力の作用力を求め、抵抗体の構造を仮定し、抵抗体の滑り面を決定し、滑り面上の抵抗体を滑り面に沿って滑らせる作用力に起因する滑り力を求め、滑り面上の抵抗体の荷重と補強材に起因する抵抗力を求め、抵抗力と滑り力の比から安全率を求め、安全率が所定値の範囲に入るように抵抗体の構造を決定することを特徴とする、衝撃吸収用堤体の設計方法。
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