JPWO2014088092A1 - ジエン系ゴム組成物 - Google Patents

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Abstract

少なくとも分子末端にボリン酸基を有する、スチレンモノマーおよびジエンモノマーの少なくとも一種の重合体よりなる末端ボリン酸基変性ポリマー。かかる末端ボリン酸基変性ポリマーは、アニオン性重合開始剤の存在下で、スチレンモノマーおよびジエンモノマーの少なくとも一種を重合反応させた後、環状ボロン酸無水物を添加して重合反応を停止させることによって製造される。得られた末端ボリン酸基変性ポリマーは、シリカ配合自動車用空気入りタイヤ用ゴム組成物中にその一成分として添加することにより、ゴム組成物中に配合されたシリカの分散性が改善され、シリカが本来有する転がり抵抗の軽減と湿潤路面での安定性の両立という性能を十分に達成せしめることができる。

Description

本発明は、末端ボリン酸基変性ポリマー、その製造法およびそれを含有するゴム組成物に関する。さらに詳しくは、自動車用空気入りタイヤ用組成物の配合剤などとして用いられるシリカの分散性を改善せしめる末端ボリン酸基変性ポリマー、その製造法およびそれを含有するゴム組成物に関する。
自動車用空気入りタイヤに求められる各種性能として、転がり抵抗の軽減、湿潤路面での安定性などが求められている。これらの性質を両立させ得る方法として、タイヤ用ゴム組成物中に補強用充填剤としてシリカを配合することが行われている。しかしながら、タイヤ用ゴム組成物中にシリカを配合しようとしても、組成物中へのシリカの分散性が低く、例えこれを多量に添加できたとしても、その効果が十分に発揮できないという課題がみられる。
特許文献1には、エラストマー・ホスト材料内で強化用充填材をその前駆体から現場形成することによって、強化用充填材を均一に分散して含む、タイヤの構成部材等として有用なエラストマー/充填材複合材を製造する方法が記載されており、充填材としてシリカを複合させるには、充填材前駆体からの反応を必要としている。
また、特許文献2には、ゴム状・リビングポリマーをカーボンブラック、シリカ等の充填剤により適合させるために、それらを官能化するのに有用な官能化剤として、アニリンのp-ボロン酸エステルとアルデヒド、ケトン等のカルボニル化合物との反応生成物が用いられている。この場合には、導入される末端構造は限定されてしまうことになる。
さらに、特許文献3〜4には、スチレン-水添ジエンブロック共重合体のオレフィン性二重結合に、ボロン酸基または水の存在下でボロン酸基に転化し得るホウ素含有基を、付加反応によりブロック共重合体側鎖に導入せしめ、相溶性改質剤、接着性付与剤として使用される変性ポリマーが記載されている。
この特許文献3〜4においては、ポリマーについての変性が行われているが、特許文献5には、n-ブチルリチウム、sec-ブチルリチウム等のアニオン性重合開始剤を用いて、ボロン酸エステルの存在下でスチレンの重合反応を行い、ボロン酸の多価アルコールエステルからなる官能基を有するビニル系重合体またはジエン系重合体を得ることが記載されており、この場合には、ボロン酸の多価アルコールエステルとして3-メルカプトプロピルボロン酸エチレングリコールエステルが重合反応の最初から添加して用いられている。得られた重合体は水酸基を有する熱可塑性樹脂、特にEVAと溶融混練する際、粘度上昇が発生せず、安定した溶融挙動を示し、かつ相溶性改良剤としても有用であると述べられている。
特開2000−273191号公報 特開2009−221203号公報 特開2002−308932号公報 特開2006−176788号公報 特開2001−40034号公報
本発明の目的は、自動車用空気入りタイヤ用組成物の配合剤などとして用いられるシリカの分散性を改善せしめる末端ボリン酸基変性ポリマー、その製造法およびそれを含有するゴム組成物を提供することにある。
本発明によって、少なくとも分子末端にボリン酸基を有する、スチレンモノマーおよびジエンモノマーの少なくとも一種の重合体よりなる末端ボリン酸基変性ポリマーが提供される。かかる末端ボリン酸基変性ポリマーは、アニオン性重合開始剤の存在下で、スチレンモノマーおよびジエンモノマーの少なくとも一種を重合反応させた後、環状ボロン酸無水物を添加して重合反応を停止させることによって製造され、得られた変性ポリマーはジエン系ゴムに配合して用いられる。
本発明に係る末端ボリン酸基変性ポリマーにあっては、重合反応の停止剤として環状ボロン酸無水物、特にフェニルボロン酸無水物またはそのp-メチル、p-フルオロ置換体等を用いることにより、ベンゼン環上への官能基であるボリン酸基を分子末端に容易に導入することができる。
得られた末端ボリン酸基変性ポリマーは、シリカ配合自動車用空気入りタイヤ用ゴム組成物中にその一成分として添加することにより、ゴム組成物中に配合されたシリカの分散性が改善され、シリカが本来有する転がり抵抗の軽減と湿潤路面での安定性の両立という性能を十分に達成せしめることができる。このタイヤ用ゴム組成物は、空気入りタイヤのキャップトレッド部、サイドトレッド部等の成形用として好適に用いられる。
末端ボリン酸基変性ポリマーは、アニオン性重合開始剤の存在下で、スチレンモノマーおよびジエンおよびジエンモノマーの少なくとも一種を重合反応させた後、環状ボロン酸無水物を添加して重合反応を停止せしめることによって製造される。
スチレンモノマーとしては、スチレン、α-メチルスチレン、p-メチルスチレン等が用いられ、ジエンモノマーとしては1,3-ブタジエン、イソプレン、クロロプレン等が用いられ、好ましくは1,3-ブタジエン、イソプレンが、さらに好ましくは1,3-ブタジエンが用いられる。これらのスチレンモノマー、ジエンモノマーはそれ単独でも用いられ、あるいはこれらの共重合体を形成させるように用いられる。共重合体にあっては、一般にはランダム共重合体であるが、それはブロック共重合体であってもよい。
重合反応は、n-ブチルリチウム、sec-ブチルリチウム等のアニオン性重合開始剤の存在下で行われる。アニオン性重合開始剤量は、用いられるモノマー(混合物)のモル量に対し、約0.0001〜5モル%、好ましくは約0.0005〜0.5モル%の割合で用いられる。
重合反応系には、用いられる開始剤のモル量に対し約10〜300モル%、好ましくは約50〜200モル%の割合で用いられる2,2-ジテトラヒドロフリルプロパン、N,N,N',N'-テトラメチルエチレンジアミン等が添加されて用いられる。これらの化合物は、重合反応に際し、シクロへキサンやメチルシクロヘキサンなどの非極性溶媒を用いた場合のアニオン開始剤および生長種の活性化剤もしくは共重合におけるランダマイザーとして作用する。
重合反応は、例えばシクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、トルエン、テトラヒドロフラン等の炭化水素系溶媒を用いて、約-100〜100℃、一般には室温〜70℃の条件で約1分〜5時間程度行われ、その後環状ボロン酸無水物、例えばフェニルボロン酸無水物またはそのp-メチル、p-フルオロ置換体等を重合反応系に加え、重合反応を停止させることによって行われる。環状ボロン酸無水物量は、生成重合体の末端基を導入するのに十分な量であり、例えば用いられるアニオン開始剤のモル量に対し、約100〜1000モル%、好ましくは約100〜400モル%の割合で用いられる。
したがって、環状ボロン酸無水物は少なくとも重合体分子末端にボリン酸基(RR′BOH基)を形成させる。例えばスチレンと1,3-ブタジエンとがモノマーとして用いられ、あるいは1,3-ブタジエンがモノマーとして用いられ、フェニルボロン酸無水物が末端基形成に用いられた場合には、次式の如くに反応が行われ、-〔B(R1)O〕n-結合(n:0〜50)と共に、末端ボリン酸基を有する変性ポリマーが形成される。なお、得られた末端ボリン酸変性ポリマーは、1,000〜10,000,000、一般には3,000〜1,000,000の数平均分子量Mnを有する。
Figure 2014088092
得られた末端ボリン酸変性ポリマーは、ジエン系ゴム、特にシリカ含有ジエン系ゴムに配合される。末端ボリン酸変性ポリマーは、ジエン系ゴムとの合計量100質量部中0.1〜30質量部、好ましくは1〜10質量部の割合で用いられる。末端ボリン酸変性ポリマーの割合がこれよりも少なく用いられると、所望の変性効果が得られず、一方これ以上の割合で用いられると、未加硫ゴムの加工性が低下するようになる。
ジエン系ゴムとしては、天然ゴム(NR)、イソプレンゴム(IR)、ブタジエンゴム(BR)、クロロプレンゴム(CR)、ブチルゴム(IIR)、ニトリルゴム(NBR)、スチレンブタジエンゴム(SBR)等が単独であるいはブレンドゴムとして用いられ、好ましくはNR、BRまたはこれらのブレンドゴムが用いられる。SBRとしては、乳化重合SBR(E-SBR)、溶液重合SBR(S-SBR)のいずれをも用いることができる。
ジエン系ゴム組成物中には、末端ボリン酸変性ポリマー含有ジエン系ゴム100質量部当り10〜150質量部、好ましくは30〜130質量部のシリカまたはシリカとカーボンブラックの両者が添加して用いられる。これらの充填剤、特にシリカの添加は、転がり抵抗などを低減させるが、これ以上の割合で用いられると、逆に転がり抵抗などを悪化させる。
シリカとしては、BET比表面積(ASTM D1993-03準拠)が70〜200m2/g、好ましくは70〜190m2/gのものが用いられる。これらは、ハロゲン化けい素または有機けい素化合物の熱分解法などで製造される乾式法シリカやけい酸ナトリウムの酸による分解法などで製造される湿式法シリカなどであり、コストおよび性能の面から、湿式法シリカが好んで用いられる。実際には、ゴム工業用として上市されている市販品をそのまま用いることができる。
シリカに求められる特性およびジエン系ゴムとの分散性(シリカはゴムポリマーとの親和性に乏しく、またゴム中でシリカ同士がシラノール基を通して水素結合を生成し、シリカのゴム中への分散性を低下させる性質を有する)を高めるために、シランカップリング剤が末端ボリン酸変性ポリマー含有ジエン系ゴム100質量部当り1〜20質量部、好ましく110質量部程度配合される。シランカップリング剤としては、シリカ表面のシラノール基と反応するアルコキシシリル基とポリマーと反応する硫黄連鎖を有するビス(トリアルコキシシリルプロピル)サルファイド
(RO)3Si(CH2)3-(S)n-(CH2)3Si(OR)3
R:炭素数1〜2のアルキル基
n:1〜4の整数
例えばビス(3-トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、ビス(2-トリエトキシシリルエチル)テトラスルフィド、ビス(3-トリメトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、ビス(3-トリエトキシシリルプロピル)ジスルフィド等が好んで用いられる。
カーボンブラックとしては、一般にSAF、ISAF、HAF、FEF、GPF、SRF等のファーネスブラックが用いられる。空気入りタイヤのトレッド部、特にキャップトレッド部の形成の際の有効な成分であるこれらのカーボンブラックは、シリカと共に、末端ボリン酸変性ポリマー含有ジエン系ゴム100質量部当り1〜10質量部の割合で用いられる。
以上の各成分を必須成分とするゴム組成物中には、加硫剤としての硫黄およびチアゾール系(MBT、MBTS、ZnMBT等)、スルフェンアミド系(CBS、DCBS、BBS等)、グアニジン系(DPG、DOTG、OTBG等)、チウラム系(TMTD、TMTM、TBzTD、TETD、TBTD等)、ジチオカルバミン酸塩系(ZTC、NaBDC等)、キサントゲン酸塩系(ZnBX等)等の加硫促進剤のいずれか一種類以上、好ましくは含硫黄加硫促進剤が配合されて用いられる。さらに、ゴムの配合剤として一般的に用いられている他の配合剤、例えばタルク、クレー、グラファイト、珪酸カルシウム等の補強剤または充填剤、ステアリン酸等の加工助剤、酸化亜鉛、軟化剤、可塑剤、老化防止剤などが必要に応じて適宜配合されて用いられる。
組成物の調製は、ニーダ、バンバリーミキサ等の混練機または混合機およびオープンロール等を用いる一般的な方法で混練することによって行われ、得られた組成物は、所定形状に成形された後、用いられたジエン系ゴム、加硫剤、加硫促進剤の種類およびその配合割合に応じた加硫温度で加硫され、空気入りタイヤのトレッド部等を形成させる。
次に、実施例について本発明を説明する。
実施例1
容量100mlの二口フラスコ中に、
シクロヘキサン(関東化学製品) 7ml
2,2-ジテトラヒドロフリルプロパン 0.243g(1.32ミリモル)
(東京化成製品)
n-BuLiヘキサン溶液 2ml(3.14ミリモル)
(関東化学製品;濃度1.57モル/L)
を室温条件下で仕込み、その溶液に
スチレン(関東化学製品) 5.59g(53.7ミリモル)
を0℃で滴下し、室温条件下で3時間攪拌した。その後、
フェニルボロン酸無水物(北興化学工業製品) 1.55g(4.97ミリモル)
のテトラヒドロフラン(関東化学製品)10mlの溶液を加え、重合反応を停止させた。
得られた反応混合物から揮発成分を留去し、その残渣をテトラヒドロフラン30mlに溶解させた後200mlのメタノール中に滴下して、メタノール可溶成分と不溶成分とに分離した。同様の操作を不溶成分について2回くり返し、揮発成分を留去させることによって、白色固体状で、末端-B(C6H5)OH基を有する生成物(末端変性ポリスチレン)5.31g(モノマー仕込み量に対する収率95%)を得た。
Mn:4510
Mn(数平均分子量)は、SEC(サイズ排除型クロマトグラフィー)で測定し、その値はポリスチレン換算の分子量として見積もられている
PDI:1.2
PDI(多分散度)は、SECで測定したMw(重量平均分子量)とMnの値を用いてMw/Mnとして計算しており、そのPDIの値が1に近いほど分子量分布を制御したポリマーが得られたことを示している
Rf:0.58
Rf値は、シリカプレートのTLC(薄層クロマトグラフィー)で測定し、その値が小さいほどシリカとの親和性が高いことを示している
1H-NMR(CDCl3、20℃):δ=7.8(br)
7.5〜7.4(br)
7.4〜6.9(br)
6.9〜6.7(br)
6.7〜6.2(br)
2.3〜2.0(br)
2.0〜1.2(br)
1.2〜0.9(br)
0.8〜0.7(br)
実施例2
実施例1において、2,2-ジテトラヒドロフリルプロパン量を0.245g(1.33ミリモル)に、スチレン量を5.66g(54.3ミリモル)にそれぞれ変更し、またフェニルボロン酸無水物の代わりにp-メチルフェニルボロン酸無水物(北興化学工業製品)1.89g(5.34ミリモル)を用い、白色固体状で、末端-B(p-CH3C6H4)OH基を有する生成物(末端変性ポリスチレン)5.21g(収率92%)を得た。
Mn:3590
PDI:1.2
Rf:0.65
1H-NMR(CDCl3、20℃):δ=7.6(br)
7.4〜6.9(br)
6.9〜6.7(br)
6.7〜6.2(br)
2.3〜2.0(br)
2.0〜1.2(br)
1.2〜0.9(br)
0.8〜0.7(br)
実施例3
実施例1において、2,2-ジテトラヒドロフリルプロパン量を0.245g(1.33ミリモル)に、スチレン量を5.70g(54.7ミリモル)にそれぞれ変更し、またフェニルボロン酸無水物の代わりにp-フルオロフェニルボロン酸無水物(北興化学工業製品)1.64g(4.48ミリモル)を用い、白色固体状で、末端-B(p-FC6H4)OH基を有する生成物(末端変性ポリスチレン)5.19g(収率91%)を得た。
Mn:3370
PDI:1.2
Rf:0.76
1H-NMR(CDCl3、20℃):δ=7.9(br)
7.5(br)
7.4〜6.9(br)
6.9〜6.7(br)
6.7〜6.2(br)
2.3〜2.0(br)
2.0〜1.2(br)
1.2〜0.9(br)
0.8〜0.7(br)
実施例4
実施例1において、2,2-ジテトラヒドロフリルプロパン量を0.218g(1.18ミリモル)に、n-BuLiのn-ヘキサン溶液(濃度1.50モル/L)量を1ml(1.50ミリモル)に、フェニルボロン酸無水物量を0.949g(3.04ミリモル)にそれぞれ変更し、またスチレンの代わりに1,3-ブタジエンの15重量%n-ヘキサン溶液16.8g(46.6ミリモル)を用い、無色粘性液体で、末端-B(C6H5)OH基を有する生成物(末端変性ポリブタジエン)を2.11g(収率84%)を得た。
Mn:9890
PDI:1.0
Rf:0.71
1H-NMR(CDCl3、20℃):δ=7.8(br)
7.5〜7.4(br)
5.9〜5.3(br)
5.1〜4.8(br)
2.7〜1.8(br)
1.8〜0.9(br)
0.8〜0.7(br)
実施例5
実施例4において、2,2-ジテトラヒドロフリルプロパン量を0.208g(1.13ミリモル)に、n-BuLi量を2ml(3.00ミリモル)に、1,3-ブタジエンのn-ヘキサン溶液量を16.4g(45.5ミリモル)にそれぞれ変更し、またフェニルボロン酸無水物の代わりにp-メチルフェニルボロン酸無水物1.93g(5.45ミリモル)を用い、無色粘性液体状で、末端-B(p-CH3C6H4)OH基を有する生成物(末端変性ポリブタジエン)を2.24g(収率91%)得た。
Mn:5620
PDI:1.1
Rf:0.76
1H-NMR(CDCl3、20℃):δ=7.6(br)
7.4(br)
5.9〜5.3(br)
5.1〜4.7(br)
2.8〜1.8(br)
1.7〜0.9(br)
0.9〜0.7(br)
実施例6
実施例4において、2,2-ジテトラヒドロフリルプロパン量を0.283g(1.53ミリモル)に、1,3-ブタジエンのn-ヘキサン溶液量を16.6g(46.0ミリモル)にそれぞれ変更し、またフェニルボロン酸無水物の代わりにp-フルオロフェニルボロン酸無水物0.880g(2.41ミリモル)を用い、無色粘性液体状で、末端-B(p-FC6H4)OH基を有する生成物(末端変性ポリブタジエン)を2.19g(収率88%)得た。
Mn:3380
PDI:1.1
Rf:0.70
1H-NMR(CDCl3、20℃):δ=7.9(br)
7.5(br)
5.8〜5.2(br)
5.1〜4.8(br)
2.9〜1.7(br)
1.7〜0.8(br)
0.8〜0.7(br)
実施例7
実施例1において、2,2-ジテトラヒドロフリルプロパン量を0.218g(1.18ミリモル)に、n-BuLiのn-ヘキサン溶液(濃度1.50モル/L)量を1ml(1.50ミリモル)に、フェニルボロン酸無水物量を0.743g(2.48ミリモル)にそれぞれ変更し、またスチレン単体の代わりに1,3-ブタジエンの15重量%n-ヘキサン溶液13.3g(36.9ミリモル)とスチレン3.23g(31.0ミリモル)との混合物を用い、無色粘性液体状で、末端-B(C6H5)OH基を有する生成物(末端変性ポリスチレン-ブタジエン)4.45g(収率85%)を得た。
Mn:11800
PDI:1.0
Rf:0.75
1H-NMR(CDCl3、20℃):δ=7.7(br)
7.5〜7.4(br)
7.2〜6.2(br)
5.7〜4.4(br)
2.8〜0.7(br)
実施例8
実施例7において、2,2-ジテトラヒドロフリルプロパン量を0.223g(1.21ミリモル)に、1,3-ブタジエンの15重量%n-ヘキサン溶液量とスチレン量を13.6g(37.7ミリモル)と3.43g(32.9ミリモル)にそれぞれ変更し、またフェニルボロン酸無水物の代わりにp-メチルフェニルボロン酸無水物0.754g(2.13ミリモル)を用い、無色粘性液体状で、末端-B(p-CH3C6H4)OH基を有する生成物(末端変性ポリスチレン-ブタジエン)4.81g(収率88%)を得た。
Mn:13800
PDI:1.0
Rf:0.68
1H-NMR(CDCl3、20℃):δ=7.6(br)
7.3(br)
7.2〜6.2(br)
5.7〜4.4(br)
2.8〜0.7(br)
実施例9
実施例7において、2,2-ジテトラヒドロフリルプロパン量を0.283g(1.53ミリモル)に、1,3-ブタジエンの15重量%n-ヘキサン溶液量とスチレン量を14.6g(40.4ミリモル)と3.52g(33.8ミリモル)にそれぞれ変更し、またフェニルボロン酸無水物の代わりにp-フルオロフェニルボロン酸無水物0.878g(2.40ミリモル)を用い、無色粘性液体状で、末端-B(p-FC6H4)OH基を有する生成物(末端変性ポリスチレン-ブタジエン)5.14g(収率90%)を得た。
Mn:6260
PDI:1.1
Rf:0.77
1H-NMR(CDCl3、20℃):δ=7.9(br)
7.5(br)
7.2〜6.2(br)
5.7〜4.4(br)
2.8〜0.7(br)
なお、以上の各実施例で用いられた各反応成分量(単位:ミリモル)は、次の表1に示される。
Figure 2014088092
比較例1〜6
実施例1〜3、実施例4〜6および実施例7〜9において、各種ボロン酸無水物を用いず、末端基を-H基とした場合(比較例1〜3)および各種ボロン酸無水物の代わりにγ-クロロプロピルトリメトキシシラン(6.41ミリモル)を用い、末端基を-(CH2)3Si(OCH3)3(比較例4〜6)とした場合の収率、Mn、PDIおよびRfの値は、次の表2に示される。
表2
比較例 収率(%) Mn PDI Rf
1 97 2820 1.1 0.89
2 85 9820 1.0 0.77
3 86 7820 1.1 0.79
4 91 3560 1.1 0.83
5 80 6270 1.1 0.83
6 88 7200 1.2 0.77
比較例7(標準例)
Figure 2014088092
以上の各成分の内、加硫促進剤および硫黄を除く各成分を1.7L密閉式バンバリーミキサ中で5分間混練し、混練物を混合機外に放出して室温迄冷却した後、同じバンバリーミキサを用いて、加硫促進剤および硫黄を混合した。得られた未加硫ゴム組成物を150℃で30分間プレス加硫し、加硫ゴムを得た。
未加硫ゴム組成物および加硫ゴムについて、次の各項目の測定を行った。
RPA(GCSWEEPSTD:加硫ペイン効果):
未加硫ゴムを160℃で20分間加硫し、得られた加硫ゴムを用いて、ASTM D6204に準拠してRPA2000(α−テクノロジー社製歪せん断応力測定機)を用いて、歪0.56%の歪せん断応力G′(0.56%)と、歪100%の歪せん断応力G′(100%)を測定し、G′(0.56%)とG′(100%)の差(絶対値)を算出した
ペイン効果の数字は比較例7を基準とする指数であり、指数が100未満であるのが好ましく、指数が小さいほどペイン効果の低減または抑制が良好なこと(シランの分散性が良好であること)を示す
硬度(20℃):ISO 48に対応するJIS K 6253:2006準拠
この硬度(20℃)を比較例7を100とする指数で表す
この指数が大きい程硬度が高く、操縦安定性が良好である
ことを示している
全自動引張り試験:ISO 48に対応するJIS K 6251/6301:2006準拠
全自動引張り(EB)および高温引張り(EB)を比較例7を100
とする指数で表す
この指数が大きい程ゴムの伸びが良いことを示している
比較例8、参考例
比較例7において、SBR(旭化成製品E581)110.00質量部の代りに、未変性合成SBR(メタノールで停止;比較例8)またはB末端SBR(フェニルボロン酸無水物で停止;参考例)80.00質量部を使用し、さらに30.00質量部のプロセスオイルを添加して用いた。
以上の比較例7〜8および参考例で得られた結果は、次の表3に示される。
Figure 2014088092
なお、参考例では、フェニルボロン酸無水物停止SBRの効果確認のため、80.00質量部が用いられ、硬度が高く、伸びが大きい上、加硫ペイン効果の高いゴム組成物が得られたことが確認された。
末端ボリン酸基変性ポリマーは、アニオン性重合開始剤の存在下で、スチレンモノマーおよびジエンモノマーの少なくとも一種を重合反応させた後、環状ボロン酸無水物を添加して重合反応を停止せしめることによって製造される。
シリカに求められる特性およびジエン系ゴムとの分散性(シリカはゴムポリマーとの親和性に乏しく、またゴム中でシリカ同士がシラノール基を通して水素結合を生成し、シリカのゴム中への分散性を低下させる性質を有する)を高めるために、シランカップリング剤が末端ボリン酸変性ポリマー含有ジエン系ゴム100質量部当り1〜20質量部、好ましく1〜10質量部程度配合される。シランカップリング剤としては、シリカ表面のシラノール基と反応するアルコキシシリル基とポリマーと反応する硫黄連鎖を有するビス(トリアルコキシシリルプロピル)サルファイド
(RO)3Si(CH2)3-(S)n-(CH2)3Si(OR)3
R:炭素数1〜2のアルキル基
n:1〜4の整数
例えばビス(3-トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、ビス(2-トリエトキシシリルエチル)テトラスルフィド、ビス(3-トリメトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、ビス(3-トリエトキシシリルプロピル)ジスルフィド等が好んで用いられる。
実施例1
容量100mlの二口フラスコ中に、
シクロヘキサン(関東化学製品) 7ml
2,2-ジテトラヒドロフリルプロパン 0.243g(1.32ミリモル)
(東京化成製品)
n-BuLi n-ヘキサン溶液 2ml(3.14ミリモル)
(関東化学製品;濃度1.57モル/L)
を室温条件下で仕込み、その溶液に
スチレン(関東化学製品) 5.59g(53.7ミリモル)
を0℃で滴下し、室温条件下で3時間攪拌した。その後、
フェニルボロン酸無水物(北興化学工業製品) 1.55g(4.97ミリモル)
のテトラヒドロフラン(関東化学製品)10mlの溶液を加え、重合反応を停止させた。
実施例5
実施例4において、2,2-ジテトラヒドロフリルプロパン量を0.208g(1.13ミリモル)に、n-BuLiのn-ヘキサン溶液(濃度1.50モル/L)量を2ml(3.00ミリモル)に、1,3-ブタジエンのn-ヘキサン溶液量を16.4g(45.5ミリモル)にそれぞれ変更し、またフェニルボロン酸無水物の代わりにp-メチルフェニルボロン酸無水物1.93g(5.45ミリモル)を用い、無色粘性液体状で、末端-B(p-CH3C6H4)OH基を有する生成物(末端変性ポリブタジエン)を2.24g(収率91%)得た。
Mn:5620
PDI:1.1
Rf:0.76
1H-NMR(CDCl3、20℃):δ=7.6(br)
7.4(br)
5.9〜5.3(br)
5.1〜4.7(br)
2.8〜1.8(br)
1.7〜0.9(br)
0.9〜0.7(br)
比較例7(標準例)
SBR(旭化成製品E581) 110.00質量部
(SBR50質量部に18.75質量部油添)
BR(日本ゼオン製品BR1220) 20.00質量部
シリカ(Rhodia operations製品Zeosil Premium 200MP) 80.00質量部
カーボンブラック(東海カーボン製品シーストKHP) 5.00質量部
ステアリン酸(NOFコーポレーション製品YR) 2.00質量部
脂肪酸エステル(Schill & Seilacher製品HT207) 1.00質量部
老化防止剤DPPD(Solutia Europe製品6ppd) 1.50質量部
カップリング剤(Evonik Degussa製品Si69) 6.40質量部
プロセスオイル(昭和シェル石油製品エキストラクト4号S) 5.00質量部
酸化亜鉛(正同化学製品酸化亜鉛3種) 3.00質量部
加硫促進剤A(住友化学製品ソクシノールD-G) 2.00質量部
加硫促進剤B(大内新興化学工業製品ノクセラーCZ-G) 1.70質量部
硫黄(軽井沢製錬所製品油処理硫黄) 1.50質量部
以上の各成分の内、加硫促進剤および硫黄を除く各成分を1.7L密閉式バンバリーミキサ中で5分間混練し、混練物を混合機外に放出して室温迄冷却した後、同じバンバリーミキサを用いて、加硫促進剤および硫黄を混合した。得られた未加硫ゴム組成物を150℃で30分間プレス加硫し、加硫ゴムを得た。
未加硫ゴム組成物および加硫ゴムについて、次の各項目の測定を行った。
RPA(GCSWEEPSTD:加硫ペイン効果):
未加硫ゴムを160℃で20分間加硫し、得られた加硫ゴムを用いて、ASTM D6204に準拠してRPA2000(α−テクノロジー社製歪せん断応力測定機)を用いて、歪0.56%の歪せん断応力G′(0.56%)と、歪100%の歪せん断応力G′(100%)を測定し、G′(0.56%)とG′(100%)の差(絶対値)を算出した
ペイン効果の数字は比較例7を基準とする指数であり、指数が100未満であるのが好ましく、指数が小さいほどペイン効果の低減または抑制が良好なこと(シランの分散性が良好であること)を示す
硬度(20℃):ISO 48に対応するJIS K 6253:2006準拠
この硬度(20℃)を比較例7を100とする指数で表す
この指数が大きい程硬度が高く、操縦安定性が良好であることを示して
いる
全自動引張り試験:ISO 48に対応するJIS K 6251/6301:2006準拠
全自動引張り(EB)および高温引張り(EB)を比較例7を100とする指数で
表す
この指数が大きい程ゴムの伸びが良いことを示している
本発明は、ジエン系ゴム組成物に関する。さらに詳しくは、自動車用空気入りタイヤ用組成物などとして好適に用いられるジエン系ゴム組成物に関する。
自動車用空気入りタイヤに求められる各種性能として、転がり抵抗の軽減、湿潤路面での安定性などが求められている。これらの性質を両立させ得る方法として、タイヤ用ゴム組成物中に補強用充填剤としてシリカを配合することが行われている。しかしながら、タイヤ用ゴム組成物中にシリカを配合しようとしても、組成物中へのシリカの分散性が低く、例えこれを多量に添加できたとしても、その効果が十分に発揮できないという課題がみられる。
特許文献1には、エラストマー・ホスト材料内で強化用充填材をその前駆体から現場形成することによって、強化用充填材を均一に分散して含む、タイヤの構成部材等として有用なエラストマー/充填材複合材を製造する方法が記載されており、充填材としてシリカを複合させるには、充填材前駆体からの反応を必要としている。
また、特許文献2には、ゴム状・リビングポリマーをカーボンブラック、シリカ等の充填剤により適合させるために、それらを官能化するのに有用な官能化剤として、アニリンのp-ボロン酸エステルとアルデヒド、ケトン等のカルボニル化合物との反応生成物が用いられている。この場合には、導入される末端構造は限定されてしまうことになる。
さらに、特許文献3〜4には、スチレン-水添ジエンブロック共重合体のオレフィン性二重結合に、ボロン酸基または水の存在下でボロン酸基に転化し得るホウ素含有基を、付加反応によりブロック共重合体側鎖に導入せしめ、相溶性改質剤、接着性付与剤として使用される変性ポリマーが記載されている。
この特許文献3〜4においては、ポリマーについての変性が行われているが、特許文献5には、n-ブチルリチウム、sec-ブチルリチウム等のアニオン性重合開始剤を用いて、ボロン酸エステルの存在下でスチレンの重合反応を行い、ボロン酸の多価アルコールエステルからなる官能基を有するビニル系重合体またはジエン系重合体を得ることが記載されており、この場合には、ボロン酸の多価アルコールエステルとして3-メルカプトプロピルボロン酸エチレングリコールエステルが重合反応の最初から添加して用いられている。得られた重合体は水酸基を有する熱可塑性樹脂、特にEVAと溶融混練する際、粘度上昇が発生せず、安定した溶融挙動を示し、かつ相溶性改良剤としても有用であると述べられている。
特開2000−273191号公報 特開2009−221203号公報 特開2002−308932号公報 特開2006−176788号公報 特開2001−40034号公報
本発明の目的は、自動車用空気入りタイヤ用組成物などとして好適に用いられるゴム組成物を提供することにある。
本発明によって、少なくとも分子末端にボリン酸基を有する、スチレンモノマーおよびジエンモノマーの少なくとも一種の重合体よりなる、数平均分子量Mnが3,000〜1,000,000の末端ボリン酸基変性ポリマーをジエン系ゴムに配合してなり、ジエン系ゴムおよび末端ボリン酸変性ポリマーの合計量100質量部中末端ボリン酸変性ポリマーを0.1〜80質量部配合したジエン系ゴム組成物が提供される。末端ボリン酸基変性ポリマーは、アニオン性重合開始剤の存在下で、スチレンモノマーおよびジエンモノマーの少なくとも一種を重合反応させた後、環状ボロン酸無水物を添加して重合反応を停止させることによって製造される
末端ボリン酸基変性ポリマーにあっては、重合反応の停止剤として環状ボロン酸無水物、特にフェニルボロン酸無水物またはそのp-メチル、p-フルオロ置換体等を用いることにより、ベンゼン環上への官能基であるボリン酸基を分子末端に容易に導入することができる。
得られた末端ボリン酸基変性ポリマーは、シリカ配合自動車用空気入りタイヤ用ゴム組成物中にその一成分として添加することにより、ゴム組成物中に配合されたシリカの分散性が改善され、シリカが本来有する転がり抵抗の軽減と湿潤路面での安定性の両立という性能を十分に達成せしめることができる。このタイヤ用ゴム組成物は、空気入りタイヤのキャップトレッド部、サイドトレッド部等の成形用として好適に用いられる。
末端ボリン酸基変性ポリマーは、アニオン性重合開始剤の存在下で、スチレンモノマーおよびジエンモノマーの少なくとも一種を重合反応させた後、環状ボロン酸無水物を添加して重合反応を停止せしめることによって製造される。
スチレンモノマーとしては、スチレン、α-メチルスチレン、p-メチルスチレン等が用いられ、ジエンモノマーとしては1,3-ブタジエン、イソプレン、クロロプレン等が用いられ、好ましくは1,3-ブタジエン、イソプレンが、さらに好ましくは1,3-ブタジエンが用いられる。これらのスチレンモノマー、ジエンモノマーはそれ単独でも用いられ、あるいはこれらの共重合体を形成させるように用いられる。共重合体にあっては、一般にはランダム共重合体であるが、それはブロック共重合体であってもよい。
重合反応は、n-ブチルリチウム、sec-ブチルリチウム等のアニオン性重合開始剤の存在下で行われる。アニオン性重合開始剤量は、用いられるモノマー(混合物)のモル量に対し、約0.0001〜5モル%、好ましくは約0.0005〜0.5モル%の割合で用いられる。
重合反応系には、用いられる開始剤のモル量に対し約10〜300モル%、好ましくは約50〜200モル%の割合で用いられる2,2-ジテトラヒドロフリルプロパン、N,N,N’,N’-テトラメチルエチレンジアミン等が添加されて用いられる。これらの化合物は、重合反応に際し、シクロへキサンやメチルシクロヘキサンなどの非極性溶媒を用いた場合のアニオン開始剤および生長種の活性化剤もしくは共重合におけるランダマイザーとして作用する。
重合反応は、例えばシクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、トルエン、テトラヒドロフラン等の炭化水素系溶媒を用いて、約-100〜100℃、一般には室温〜70℃の条件で約1分〜5時間程度行われ、その後環状ボロン酸無水物、例えばフェニルボロン酸無水物またはそのp-メチル、p-フルオロ置換体等を重合反応系に加え、重合反応を停止させることによって行われる。環状ボロン酸無水物量は、生成重合体の末端基を導入するのに十分な量であり、例えば用いられるアニオン開始剤のモル量に対し、約100〜1000モル%、好ましくは約100〜400モル%の割合で用いられる。
したがって、環状ボロン酸無水物は少なくとも重合体分子末端にボリン酸基(RR′BOH基)を形成させる。例えばスチレンと1,3-ブタジエンとがモノマーとして用いられ、あるいは1,3-ブタジエンがモノマーとして用いられ、フェニルボロン酸無水物が末端基形成に用いられた場合には、次式の如くに反応が行われ、-〔B(R1)O〕n-結合(n:0〜50)と共に、末端ボリン酸基を有する変性ポリマーが形成される。なお、得られた末端ボリン酸変性ポリマーは、1,000〜10,000,000、一般には3,000〜1,000,000の数平均分子量Mnを有する。
Figure 2014088092
得られた末端ボリン酸変性ポリマーは、ジエン系ゴム、特にシリカ含有ジエン系ゴムに配合される。末端ボリン酸変性ポリマーは、ジエン系ゴムとの合計量100質量部中0.1〜80質量部、好ましくは1〜30質量部の割合で用いられる。末端ボリン酸変性ポリマーの割合がこれよりも少なく用いられると、所望の変性効果が得られず、一方これ以上の割合で用いられると、未加硫ゴムの加工性が低下するようになる。
ジエン系ゴムとしては、天然ゴム(NR)、イソプレンゴム(IR)、ブタジエンゴム(BR)、クロロプレンゴム(CR)、ブチルゴム(IIR)、ニトリルゴム(NBR)、スチレンブタジエンゴム(SBR)等が単独であるいはブレンドゴムとして用いられ、好ましくはNR、BRまたはこれらのブレンドゴムが用いられる。SBRとしては、乳化重合SBR(E-SBR)、溶液重合SBR(S-SBR)のいずれをも用いることができる。
ジエン系ゴム組成物中には、末端ボリン酸変性ポリマー含有ジエン系ゴム100質量部当り10〜150質量部、好ましくは30〜130質量部のシリカまたはシリカとカーボンブラックの両者が添加して用いられる。これらの充填剤、特にシリカの添加は、転がり抵抗などを低減させるが、これ以上の割合で用いられると、逆に転がり抵抗などを悪化させる。
シリカとしては、BET比表面積(ASTM D1993-03準拠)が70〜200m2/g、好ましくは70〜190m2/gのものが用いられる。これらは、ハロゲン化けい素または有機けい素化合物の熱分解法などで製造される乾式法シリカやけい酸ナトリウムの酸による分解法などで製造される湿式法シリカなどであり、コストおよび性能の面から、湿式法シリカが好んで用いられる。実際には、ゴム工業用として上市されている市販品をそのまま用いることができる。
シリカに求められる特性およびジエン系ゴムとの分散性(シリカはゴムポリマーとの親和性に乏しく、またゴム中でシリカ同士がシラノール基を通して水素結合を生成し、シリカのゴム中への分散性を低下させる性質を有する)を高めるために、シランカップリング剤が末端ボリン酸変性ポリマー含有ジエン系ゴム100質量部当り1〜20質量部、好ましく1〜10質量部程度配合される。シランカップリング剤としては、シリカ表面のシラノール基と反応するアルコキシシリル基とポリマーと反応する硫黄連鎖を有するビス(トリアルコキシシリルプロピル)サルファイド
(RO)3Si(CH2)3-(S)n-(CH2)3Si(OR)3
R:炭素数1〜2のアルキル基
n:1〜4の整数
例えばビス(3-トリエトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、ビス(2-トリエトキシシリルエチル)テトラスルフィド、ビス(3-トリメトキシシリルプロピル)テトラスルフィド、ビス(3-トリエトキシシリルプロピル)ジスルフィド等が好んで用いられる。
カーボンブラックとしては、一般にSAF、ISAF、HAF、FEF、GPF、SRF等のファーネスブラックが用いられる。空気入りタイヤのトレッド部、特にキャップトレッド部の形成の際の有効な成分であるこれらのカーボンブラックは、シリカと共に、末端ボリン酸変性ポリマー含有ジエン系ゴム100質量部当り1〜10質量部の割合で用いられる。
以上の各成分を必須成分とするゴム組成物中には、加硫剤としての硫黄およびチアゾール系(MBT、MBTS、ZnMBT等)、スルフェンアミド系(CBS、DCBS、BBS等)、グアニジン系(DPG、DOTG、OTBG等)、チウラム系(TMTD、TMTM、TBzTD、TETD、TBTD等)、ジチオカルバミン酸塩系(ZTC、NaBDC等)、キサントゲン酸塩系(ZnBX等)等の加硫促進剤のいずれか一種類以上、好ましくは含硫黄加硫促進剤が配合されて用いられる。さらに、ゴムの配合剤として一般的に用いられている他の配合剤、例えばタルク、クレー、グラファイト、珪酸カルシウム等の補強剤または充填剤、ステアリン酸等の加工助剤、酸化亜鉛、軟化剤、可塑剤、老化防止剤などが必要に応じて適宜配合されて用いられる。
組成物の調製は、ニーダ、バンバリーミキサ等の混練機または混合機およびオープンロール等を用いる一般的な方法で混練することによって行われ、得られた組成物は、所定形状に成形された後、用いられたジエン系ゴム、加硫剤、加硫促進剤の種類およびその配合割合に応じた加硫温度で加硫され、空気入りタイヤのトレッド部等を形成させる。
次に、実施例について本発明を説明する。
参考例
容量100mlの二口フラスコ中に、
シクロヘキサン(関東化学製品) 7ml
2,2-ジテトラヒドロフリルプロパン 0.243g(1.32ミリモル)
(東京化成製品)
n-BuLi n-ヘキサン溶液 2ml(3.14ミリモル)
(関東化学製品;濃度1.57モル/L)
を室温条件下で仕込み、その溶液に
スチレン(関東化学製品) 5.59g(53.7ミリモル)
を0℃で滴下し、室温条件下で3時間攪拌した。その後、
フェニルボロン酸無水物(北興化学工業製品) 1.55g(4.97ミリモル)
のテトラヒドロフラン(関東化学製品)10mlの溶液を加え、重合反応を停止させた。
得られた反応混合物から揮発成分を留去し、その残渣をテトラヒドロフラン30mlに溶解させた後200mlのメタノール中に滴下して、メタノール可溶成分と不溶成分とに分離した。同様の操作を不溶成分について2回くり返し、揮発成分を留去させることによって、白色固体状で、末端-B(C6H5)OH基を有する生成物(末端変性ポリスチレン)5.31g(モノマー仕込み量に対する収率95%)を得た。
Mn:4510
Mn(数平均分子量)は、SEC(サイズ排除型クロマトグラフィー)で測定し、その値はポリスチレン換算の分子量として見積もられている
PDI:1.2
PDI(多分散度)は、SECで測定したMw(重量平均分子量)とMnの値を用いてMw/Mnとして計算しており、そのPDIの値が1に近いほど分子量分布を制御したポリマーが得られたことを示している
Rf:0.58
Rf値は、シリカプレートのTLC(薄層クロマトグラフィー)で測定し、その値が小さいほどシリカとの親和性が高いことを示している
1H-NMR(CDCl3、20℃):δ=7.8(br)
7.5〜7.4(br)
7.4〜6.9(br)
6.9〜6.7(br)
6.7〜6.2(br)
2.3〜2.0(br)
2.0〜1.2(br)
1.2〜0.9(br)
0.8〜0.7(br)
参考例
参考例1において、2,2-ジテトラヒドロフリルプロパン量を0.245g(1.33ミリモル)に、スチレン量を5.66g(54.3ミリモル)にそれぞれ変更し、またフェニルボロン酸無水物の代わりにp-メチルフェニルボロン酸無水物(北興化学工業製品)1.89g(5.34ミリモル)を用い、白色固体状で、末端-B(p-CH3C6H4)OH基を有する生成物(末端変性ポリスチレン)5.21g(収率92%)を得た。
Mn:3590
PDI:1.2
Rf:0.65
1H-NMR(CDCl3、20℃):δ=7.6(br)
7.4〜6.9(br)
6.9〜6.7(br)
6.7〜6.2(br)
2.3〜2.0(br)
2.0〜1.2(br)
1.2〜0.9(br)
0.8〜0.7(br)
参考例
参考例1において、2,2-ジテトラヒドロフリルプロパン量を0.245g(1.33ミリモル)に、スチレン量を5.70g(54.7ミリモル)にそれぞれ変更し、またフェニルボロン酸無水物の代わりにp-フルオロフェニルボロン酸無水物(北興化学工業製品)1.64g(4.48ミリモル)を用い、白色固体状で、末端-B(p-FC6H4)OH基を有する生成物(末端変性ポリスチレン)5.19g(収率91%)を得た。
Mn:3370
PDI:1.2
Rf:0.76
1H-NMR(CDCl3、20℃):δ=7.9(br)
7.5(br)
7.4〜6.9(br)
6.9〜6.7(br)
6.7〜6.2(br)
2.3〜2.0(br)
2.0〜1.2(br)
1.2〜0.9(br)
0.8〜0.7(br)
参考例
参考例1において、2,2-ジテトラヒドロフリルプロパン量を0.218g(1.18ミリモル)に、n-BuLiのn-ヘキサン溶液(濃度1.50モル/L)量を1ml(1.50ミリモル)に、フェニルボロン酸無水物量を0.949g(3.04ミリモル)にそれぞれ変更し、またスチレンの代わりに1,3-ブタジエンの15重量%n-ヘキサン溶液16.8g(46.6ミリモル)を用い、無色粘性液体で、末端-B(C6H5)OH基を有する生成物(末端変性ポリブタジエン)を2.11g(収率84%)を得た。
Mn:9890
PDI:1.0
Rf:0.71
1H-NMR(CDCl3、20℃):δ=7.8(br)
7.5〜7.4(br)
5.9〜5.3(br)
5.1〜4.8(br)
2.7〜1.8(br)
1.8〜0.9(br)
0.8〜0.7(br)
参考例
参考例4において、2,2-ジテトラヒドロフリルプロパン量を0.208g(1.13ミリモル)に、n-BuLiのn-ヘキサン溶液(濃度1.50モル/L)量を2ml(3.00ミリモル)に、1,3-ブタジエンのn-ヘキサン溶液量を16.4g(45.5ミリモル)にそれぞれ変更し、またフェニルボロン酸無水物の代わりにp-メチルフェニルボロン酸無水物1.93g(5.45ミリモル)を用い、無色粘性液体状で、末端-B(p-CH3C6H4)OH基を有する生成物(末端変性ポリブタジエン)を2.24g(収率91%)得た。
Mn:5620
PDI:1.1
Rf:0.76
1H-NMR(CDCl3、20℃):δ=7.6(br)
7.4(br)
5.9〜5.3(br)
5.1〜4.7(br)
2.8〜1.8(br)
1.7〜0.9(br)
0.9〜0.7(br)
参考例
参考例4において、2,2-ジテトラヒドロフリルプロパン量を0.283g(1.53ミリモル)に、1,3-ブタジエンのn-ヘキサン溶液量を16.6g(46.0ミリモル)にそれぞれ変更し、またフェニルボロン酸無水物の代わりにp-フルオロフェニルボロン酸無水物0.880g(2.41ミリモル)を用い、無色粘性液体状で、末端-B(p-FC6H4)OH基を有する生成物(末端変性ポリブタジエン)を2.19g(収率88%)得た。
Mn:3380
PDI:1.1
Rf:0.70
1H-NMR(CDCl3、20℃):δ=7.9(br)
7.5(br)
5.8〜5.2(br)
5.1〜4.8(br)
2.9〜1.7(br)
1.7〜0.8(br)
0.8〜0.7(br)
参考例
参考例1において、2,2-ジテトラヒドロフリルプロパン量を0.218g(1.18ミリモル)に、n-BuLiのn-ヘキサン溶液(濃度1.50モル/L)量を1ml(1.50ミリモル)に、フェニルボロン酸無水物量を0.743g(2.48ミリモル)にそれぞれ変更し、またスチレン単体の代わりに1,3-ブタジエンの15重量%n-ヘキサン溶液13.3g(36.9ミリモル)とスチレン3.23g(31.0ミリモル)との混合物を用い、無色粘性液体状で、末端-B(C6H5)OH基を有する生成物(末端変性ポリスチレン-ブタジエン)4.45g(収率85%)を得た。
Mn:11800
PDI:1.0
Rf:0.75
1H-NMR(CDCl3、20℃):δ=7.7(br)
7.5〜7.4(br)
7.2〜6.2(br)
5.7〜4.4(br)
2.8〜0.7(br)
参考例
参考例7において、2,2-ジテトラヒドロフリルプロパン量を0.223g(1.21ミリモル)に、1,3-ブタジエンの15重量%n-ヘキサン溶液量とスチレン量を13.6g(37.7ミリモル)と3.43g(32.9ミリモル)にそれぞれ変更し、またフェニルボロン酸無水物の代わりにp-メチルフェニルボロン酸無水物0.754g(2.13ミリモル)を用い、無色粘性液体状で、末端-B(p-CH3C6H4)OH基を有する生成物(末端変性ポリスチレン-ブタジエン)4.81g(収率88%)を得た。
Mn:13800
PDI:1.0
Rf:0.68
1H-NMR(CDCl3、20℃):δ=7.6(br)
7.3(br)
7.2〜6.2(br)
5.7〜4.4(br)
2.8〜0.7(br)
参考例
参考例7において、2,2-ジテトラヒドロフリルプロパン量を0.283g(1.53ミリモル)に、1,3-ブタジエンの15重量%n-ヘキサン溶液量とスチレン量を14.6g(40.4ミリモル)と3.52g(33.8ミリモル)にそれぞれ変更し、またフェニルボロン酸無水物の代わりにp-フルオロフェニルボロン酸無水物0.878g(2.40ミリモル)を用い、無色粘性液体状で、末端-B(p-FC6H4)OH基を有する生成物(末端変性ポリスチレン-ブタジエン)5.14g(収率90%)を得た。
Mn:6260
PDI:1.1
Rf:0.77
1H-NMR(CDCl3、20℃):δ=7.9(br)
7.5(br)
7.2〜6.2(br)
5.7〜4.4(br)
2.8〜0.7(br)
なお、以上の各参考例で用いられた各反応成分量(単位:ミリモル)は、次の表1に示される。
表1
参考例
反応成分
フリルプロパン 1.32 1.33 1.33 1.18 1.13 1.53 1.18 1.21 1.53
n-ブチルLi 3.14 3.14 3.14 1.50 3.00 1.50 1.50 1.50 1.50
スチレン 53.7 54.3 54.7 − − − 31.0 32.9 33.8
ブタジエン − − − 46.6 45.5 46.0 36.9 37.7 40.4
Ph無水ボロン酸 4.97 − − 3.04 − − 2.48 − −
そのp-Me置換体 − 5.34 − − 5.45 − − 2.13 −
そのp-F置換体 − − 4.48 − − 2.41 − − 2.40
比較参考例1〜6
参考例1〜3、参考例4〜6および参考例7〜9において、各種ボロン酸無水物を用いず、末端基を-H基とした場合(比較参考例1〜3)および各種ボロン酸無水物の代わりにγ-クロロプロピルトリメトキシシラン(6.41ミリモル)を用い、末端基を-(CH2)3Si(OCH3)3(比較参考例4〜6)とした場合の収率、Mn、PDIおよびRfの値は、次の表2に示される。
表2
比較参考例 収率(%) Mn PDI Rf
1 97 2820 1.1 0.89
2 85 9820 1.0 0.77
3 86 7820 1.1 0.79
4 91 3560 1.1 0.83
5 80 6270 1.1 0.83
6 88 7200 1.2 0.77
比較参考例7(標準例)
SBR(旭化成製品E581) 110.00質量部
(SBR50質量部に18.75質量部油添)
BR(日本ゼオン製品BR1220) 20.00質量部
シリカ(Rhodia operations製品Zeosil Premium 200MP) 80.00質量部
カーボンブラック(東海カーボン製品シーストKHP) 5.00質量部
ステアリン酸(NOFコーポレーション製品YR) 2.00質量部
脂肪酸エステル(Schill & Seilacher製品HT207) 1.00質量部
老化防止剤DPPD(Solutia Europe製品6ppd) 1.50質量部
カップリング剤(Evonik Degussa製品Si69) 6.40質量部
プロセスオイル(昭和シェル石油製品エキストラクト4号S) 5.00質量部
酸化亜鉛(正同化学製品酸化亜鉛3種) 3.00質量部
加硫促進剤A(住友化学製品ソクシノールD-G) 2.00質量部
加硫促進剤B(大内新興化学工業製品ノクセラーCZ-G) 1.70質量部
硫黄(軽井沢製錬所製品油処理硫黄) 1.50質量部
以上の各成分の内、加硫促進剤および硫黄を除く各成分を1.7L密閉式バンバリーミキサ中で5分間混練し、混練物を混合機外に放出して室温迄冷却した後、同じバンバリーミキサを用いて、加硫促進剤および硫黄を混合した。得られた未加硫ゴム組成物を150℃で30分間プレス加硫し、加硫ゴムを得た。
未加硫ゴム組成物および加硫ゴムについて、次の各項目の測定を行った。
RPA(GCSWEEPSTD:加硫ペイン効果):
未加硫ゴムを160℃で20分間加硫し、得られた加硫ゴムを用いて、ASTM D6204に準拠してRPA2000(α−テクノロジー社製歪せん断応力測定機)を用いて、歪0.56%の歪せん断応力G′(0.56%)と、歪100%の歪せん断応力G′(100%)を測定し、G′(0.56%)とG′(100%)の差(絶対値)を算出した
ペイン効果の数字は比較例7を基準とする指数であり、指数が100未満であるのが好ましく、指数が小さいほどペイン効果の低減または抑制が良好なこと(シランの分散性が良好であること)を示す
硬度(20℃):ISO 48に対応するJIS K 6253:2006準拠
この硬度(20℃)を比較例7を100とする指数で表す
この指数が大きい程硬度が高く、操縦安定性が良好であることを示して
いる
全自動引張り試験:ISO 48に対応するJIS K 6251/6301:2006準拠
全自動引張り(EB)および高温引張り(EB)を比較例7を100とする指数で
表す
この指数が大きい程ゴムの伸びが良いことを示している
比較参考例8、実施例
比較参考例7において、SBR(旭化成製品E581)110.00質量部の代りに、未変性合成SBR(メタノールで停止;比較参考例8)またはB末端SBR(参考例7のフェニルボロン酸無水物で停止;実施例)80.00質量部を使用し、さらに30.00質量部のプロセスオイルを添加して用いた。
以上の比較参考例7〜8および実施例で得られた結果は、次の表3に示される。
表3
測定項目 比較参考例7 比較参考例8 実施例
RPA(加硫ペイン効果) 100 98 73
硬度(20℃) 100 111 118
全自動引張り(EB) 100 96 103
高温引張り(EB) 100 101 107
なお、実施例では、フェニルボロン酸無水物停止SBRの効果確認のため、80.00質量部が用いられ、硬度が高く、伸びが大きい上、加硫ペイン効果の高いゴム組成物が得られたことが確認された。

Claims (12)

  1. 少なくとも分子末端にボリン酸基を有する、スチレンモノマーおよびジエンモノマーの少なくとも一種の重合体よりなる末端ボリン酸基変性ポリマー。
  2. スチレンモノマーがスチレンまたはその誘導体である請求項1記載の末端ボリン酸基変性ポリマー。
  3. ジエンモノマーが1,3-ブタジエンまたはイソプレンである請求項1記載の末端ボリン酸基変性ポリマー。
  4. 数平均分子量Mnが1,000〜10,000,000である請求項1記載の末端ボリン酸基変性ポリマー。
  5. アニオン性重合開始剤の存在下で、スチレンモノマーおよびジエンモノマーの少なくとも一種を重合反応させた後、環状ボロン酸無水物を添加して重合反応を停止させることを特徴とする末端ボリン酸基変性ポリマーの製造法。
  6. アニオン性重合開始剤がn-ブチルリチウムまたは第2ブチルリチウムである請求項5記載の末端ボリン酸基変性ポリマーの製造法。
  7. 環状ボロン酸無水物がフェニルボロン酸無水物、そのp-メチルまたはp-フルオロ置換体である請求項5記載の末端ボリン酸基変性ポリマーの製造法。
  8. 請求項1記載の末端ボリン酸変性ポリマーをジエン系ゴムに配合してなるジエン系ゴム組成物。
  9. ジエン系ゴムおよび末端ボリン酸変性ポリマーの合計量100質量部中、末端ボリン酸変性ポリマーを0.1〜30質量部配合した請求項10記載のジエン系ゴム組成物。
  10. さらに、シリカ10〜150質量部およびシラン系カップリング剤1〜20質量部を配合した請求項9記載のジエン系ゴム組成物。
  11. 空気入りタイヤのキャップトレッド部および/またはサイドトレッド部成形用として用いられる請求項8、9または10記載のジエン系ゴム組成物。
  12. 請求項11記載のジエン系ゴム組成物から成形されたキャップトレッド部および/またはサイドトレッド部を有する空気入りタイヤ。
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