以下、画像生成技術に関する様々な特徴が図面を参照して説明される。尚、以下に説明される実施形態において、同一の構成要素に対して同一の符号が付されている。また、説明の明瞭化のため、必要に応じて、重複する説明は省略される。図面に示される構成、配置或いは形状並びに図面に関連する記載は、以下の実施形態の原理を容易に理解させることを目的とする。したがって、以下の実施形態の原理は、これらに何ら限定されない。
<第1実施形態>
本実施形態において、高コヒーレンス光を用いて試料画像を生成する技術が説明される。尚、以下の説明において、「高コヒーレンス光」との用語は、50μm以上のコヒーレンス長を有する光を意味してもよい。高コヒーレンス光として、レーザ光が例示される。
本実施形態の画像生成技術とは異なり、多くの従来技術は、低コヒーレンス光又はインコヒーレンス光を利用する(特開平10−2855号公報(以下、参考文献1と称される)を参照)。尚、以下の説明において、「低コヒーレンス光」との用語は、10μmより大きく、且つ、50μm未満のコヒーレンス長を有する光を意味してもよい。「インコヒーレンス光」との用語は、10μm未満のコヒーレンス長を有する光を意味してもよい。「高コヒーレンス光」、「低コヒーレンス光」及び「インコヒーレンス光」との用語の定義は、本実施形態の原理を何ら限定しない。
参考文献1は、低コヒーレンス光又はインコヒーレンス光を用いて、積層構造体の屈折率及び膜厚を測定するための測定装置を開示する。参考文献1の測定装置は、屈折率及び膜厚の測定に用いられるので、画像生成を目的とする本実施形態の技術に直接的に関係しない。しかしながら、参考文献1の開示技術は、低コヒーレンス光又はインコヒーレンス光を用いた光学的な技術として、以下に、簡潔に説明される。
参考文献1の測定装置は、LEDと、参照鏡と、検出部と、を備える。LEDは、低コヒーレンス光を出射する。LEDから出射された低コヒーレンス光は、試料中の複数の位置において順次集光される。各集光位置において、参照鏡は、変位する。上述の如く、低コヒーレンス光は、短いコヒーレンス長を有するので、参照鏡の変位に応じて、干渉光の強度は減衰する。干渉光の強度の減衰に起因して、干渉光の振幅は変化する。検出部は、干渉光の振幅の最大値を検出する。
測定装置は、検出された最大値のデータから、参照鏡の変位方向におけるピーク間隔を測定する。加えて、測定装置は、集光位置の間隔(局在位置間隔)を測定する。測定装置は、ピーク間隔と局在位置間隔とから試料の屈折率及び膜厚を算出する。
上述の如く、低コヒーレンス光の利用は、参照鏡の変位に伴う干渉光の強度の減衰に帰結する。屈折率の算出に利用されるデータが、減衰された強度に対応するデータ区間から抽出されるならば、干渉光の振幅の最大値が適切に検出されないこともある。不適切な最大値の検出は、試料の屈折率及び膜厚の算出には重大でないかもしれないが、明るい画像の生成にとっては大きな問題となり得る。
(画像生成装置)
図1は、第1実施形態の画像生成装置100の概略的なブロック図である。図1を参照して、画像生成装置100が説明される。図1の実線の矢印は、光の伝搬を表す。図1の点線の矢印は、信号の伝達を表す。
画像生成装置100は、レーザ光源部110と、変換部120と、信号生成部130と、画像生成部140と、変調部150と、を備える。レーザ光源部110は、レーザ光LBを変換部120へ出射する。変換部120は、レーザ光LBを、第1分波光FDBと、第2分波光SDBと、に分波する。第1分波光FDBは、試料SMPに向けて伝搬する。その後、第1分波光FDBの一部は、試料SMPによって反射された第1反射光FRBになる。第1反射光FRBは、変換部120に向けて伝搬する。第2分波光SDBは、変調部150に向けて伝搬する。変調部150は、第2分波光SDBの位相を変調し、且つ、第2分波光SDBを反射し、第2反射光SRBを生成する。第2反射光SRBは、第1反射光FRBに対する参照光として用いられる。第1反射光FRBと同様に、第2反射光SRBも、変換部120に向けて伝搬する。変換部120は、第1反射光FRBと第2反射光SRBとを合波し、合波光MPBを生成する。合波光MPBは、変換部120から信号生成部130へ伝搬する。信号生成部130は、合波光MPBの光量に応じた検出信号を生成する。検出信号は、信号生成部130から画像生成部140へ出力される。画像生成部140は、検出信号を用いて、試料を表す試料画像を生成する。本実施形態において、信号生成部130は、第1信号生成部として例示される。検出信号は、第1検出信号として例示される。第1反射光FRBは、反射光として例示される。
レーザ光源部110は、1つのレーザ光源を有してもよい。代替的に、レーザ光源部110は、複数のレーザ光源を有してもよい。レーザ光源部110が複数のレーザ光源を有するならば、複数のレーザ光源は、色相若しくは波長において互いに異なるレーザ光を出射してもよい。本実施形態の原理は、レーザ光源部110の構造によって何ら限定されない。
上述の如く、変換部120は、レーザ光LBを合波光MPBに変換する機能を有する。レーザ光LBから合波光MPBへ変換するための様々な光学的な設計が、変換部120に適用されてもよい。本実施形態の原理は、変換部120の構造によって何ら限定されない。
合波光MPBの光量を検出することができる様々な検出素子が、信号生成部130に適用可能である。本実施形態の原理は、信号生成部130の構造によって何ら限定されない。
画像生成部140は、既知の画像形成技術に基づいて、試料画像を生成してもよい。したがって、試料画像を生成するためのアルゴリズムの詳細は、本実施形態の原理を何ら限定しない。
変調部150は、第2分波光SDBの光路長を変更し、位相変調を引き起こしてもよい。代替的に、変調部150は、屈折率の変化を利用し、位相変調を引き起こしてもよい。本実施形態の原理は、位相変調技術によって何ら限定されない。
図2は、信号生成部130から出力される例示的な検出信号の概略図である。図1及び図2を参照して、画像生成装置100が更に説明される。
信号生成部130は、検出信号として、電圧信号を出力してもよい。高い電圧レベルは、合波光MPBの光量が大きいことを意味してもよい。低い電圧レベルは、合波光MPBの光量が小さいことを意味してもよい。
変調部150が、位相変調量を増加している間、合波光MPBの光量は、周期的に変化する。この結果、図2に示される如く、信号生成部130が出力する電圧信号の電圧レベルも周期的に変化する。
画像生成部140は、信号生成部130が出力する検出信号から合波光MPBの光量が増加から減少へ転ずることを表す信号成分を抽出する。画像生成部140は、抽出された信号成分を用いて、試料画像を生成する。
抽出される信号成分は、周期的に変化する光量の最大値を表す信号データであってもよい。代替的に、信号成分は、所定の信号区間における信号データに基づいて描かれた包絡線から見出された光量の最大値を表してもよい。更に代替的に、信号成分は、合波光MPBの光量が増加から減少へ転ずることを表す所定長さのデータ区間における平均値であってもよい。画像生成部140は、合波光MPBの光量が実質的に最大化されたときに取得された信号成分を用いて、試料画像を生成する。したがって、信号生成部130から出力された検出信号に対するノイズ除去処理や他の演算技術は、本実施形態の原理を何ら限定しない。
上述の参考文献1の開示技術とは異なり、レーザ光源部110は、コヒーレンス長の長いレーザ光LBを出射するので、電圧レベルの周期的な変化の振幅は、位相変調量の変化に対して、より安定的である。したがって、本実施形態の原理の下では、1周期の電圧信号の変化を表す信号データが得られるならば、試料画像の生成に適した信号成分が取得される。
(画像生成方法)
図3は、試料SMPを表す試料画像を生成するための画像生成方法の概略的なフローチャートである。図1乃至図3を参照して、画像生成方法が説明される。
(ステップS110)
ステップS110において、レーザ光源部110は、レーザ光LBを変換部120へ出射する。その後、ステップS120が実行される。
(ステップS120)
ステップS120において、変換部120は、レーザ光LBを、第1分波光FDBと第2分波光SDBとに分波する。第1分波光FDBの一部は、試料SMPによって反射され、第1反射光FRBになる。第2分波光SDBは、変調部150によって反射され、第2反射光SRBになる。このとき、変調部150は、位相を変調する。変換部120は、第1反射光FRBと第2反射光SRBとを合波し、合波光MPBを生成する。すなわち、ステップS120において、レーザ光LBは、合波光MPBに変換される。上述の変調部150の位相変調処理の結果、合波光MPBの光量は、周期的に変化することになる。合波光MPBの生成の後、ステップS130が実行される。
(ステップS130)
ステップS130において、信号生成部130は、合波光MPBの光量に応じた検出信号を生成する。図2を参照して説明された如く、検出信号は、合波光MPBの光量の周期的な変化が増加から減少へ転ずることを表す信号成分を含む。検出信号が信号生成部130から画像生成部140へ出力されると、ステップS140が実行される。本実施形態において、ステップS130は、第1信号生成工程として例示される。
(ステップS140)
ステップS140において、画像生成部140は、検出信号から、合波光MPBの光量の周期的な変化が増加から減少へ転ずることを表す信号成分を抽出する。画像生成部140は、抽出された信号成分を用いて、試料画像を生成する。
<第2実施形態>
高コヒーレンス光を利用した干渉顕微鏡が存在する(特開平11−109253号公報(以下、参考文献2と称される)を参照)。
参考文献2の干渉顕微鏡は、レーザ光源と、参照鏡と、ピエゾ素子とを備える。ピエゾ素子は、参照鏡を移動する。参照鏡の移動の結果、複数種の干渉光が発生する。この結果、複数の干渉縞が生成される。干渉顕微鏡は、複数の干渉縞の変化量を検出し、観察者が微細な表面構造を観察することを可能にする。
干渉顕微鏡は、複数の干渉縞の変化を検出するので、大きな光量が必要とされる。したがって、干渉顕微鏡は、光軸方向に広がる光全てを取り込む必要がある。
試料の深さ方向の分解能は、コヒーレンス長に依存することが知られている。短いコヒーレンス長は、高い分解能に帰結する。長いコヒーレンス長は、低い分解能に帰結する。したがって、高い分解能の観点からは、低コヒーレンス長を用いる参考文献1の開示技術は、参考文献2の開示技術よりも高い分解能を達成しやすい。尚、参考文献1の開示技術は、低コヒーレンス光又はインコヒーレンス光の使用に起因する干渉光の強度の減衰を利用するので、参考文献2の開示技術は、参考文献1の開示技術に適用され得るものではない。参考文献2の開示技術は、高コヒーレンス光の使用に起因する干渉縞を利用するので、参考文献1の開示技術は、参考文献2の開示技術に適用され得るものではない。
本発明者等は、高コヒーレンス光を用いて生成された合波光の一部が選択的に利用されるならば、高い分解能が得られることを見出した。本発明者等の当該知見は、光軸方向に広がる光全てを取り込む必要がある上述の干渉顕微鏡の教示とは相反するものである。
干渉顕微鏡が、一部の光成分を選択的に利用するならば、利用される光の量は、干渉顕微鏡が、複数の干渉縞の変化量を検出するには少なくなりすぎることとなる。この結果、観察者は、微細な表面構造を観察することができなくなる。
加えて、干渉顕微鏡は、複数の干渉縞の変化量を検出するので、干渉顕微鏡は、試料中の所望の深さ位置に集光することはできない。したがって、参考文献2の開示技術に基づいて生成される画像は、深さ方向に光が分散した条件下で生成されることになる。したがって、参考文献2の干渉顕微鏡は、試料の深さ方向における低い分解能の課題に直面している。
図4は、第2実施形態の画像生成装置100Aの概略的なブロック図である。図4を参照して、画像生成装置100Aが説明される。図4の実線の矢印は、光の伝搬を表す。図4の点線の矢印は、信号の伝達を表す。第1実施形態と第2実施形態との間で共通して用いられる符号は、当該共通の符号が付された要素が、第1実施形態と同一の機能を有することを意味する。したがって、第1実施形態の説明は、これらの要素に援用される。
第1実施形態と同様に、画像生成装置100Aは、レーザ光源部110と、信号生成部130と、画像生成部140と、変調部150と、を備える。画像生成装置100Aは、変換部120Aを更に備える。変換部120Aは、分波部210と、出射処理部220と、を含む。
レーザ光源部110は、レーザ光LBを分波部210へ出射する。分波部210は、レーザ光LBを、第1分波光FDBと、第2分波光SDBと、に分波する。第1分波光FDBは、試料SMPに向けて伝搬する。その後、第1分波光FDBの一部は、試料SMPによって反射された第1反射光FRBになる。第1反射光FRBは、分波部210に向けて伝搬する。第2分波光SDBは、変調部150に向けて伝搬する。変調部150は、第2分波光SDBの位相を変調し、且つ、第2分波光SDBを反射し、第2反射光SRBを生成する。第2反射光SRBは、第1反射光FRBに対する参照光として用いられる。第1反射光FRBと同様に、第2反射光SRBも、分波部210に向けて伝搬する。分波部210は、第1反射光FRBと第2反射光SRBとを合波し、合波光MPBを生成する。合波光MPBは、分波部210から出射処理部220へ出射される。
出射処理部220は、規定部221と集光部222とを含む。合波光MPBは、分波部210から集光部222へ伝搬する。その後、集光部222は、合波光MPBを規定部221へ集光する。
集光部222によって集光された合波光MPBは、0次干渉光と、0次干渉光よりも高次の干渉光(すなわち、±n次干渉光(nは自然数))と、を含む。規定部221は、合波光MPBが透過する透過領域を規定する。透過領域の大きさは、高次の干渉光の透過を少なくとも部分的に妨げるように設計される。したがって、規定部221の透過領域を透過する0次干渉光の光量は、高次の干渉光の光量よりも多くなる。本実施形態において、規定部221は、第1規定部として例示される。規定部221によって規定される透過領域は、第1透過領域として例示される。
集光部222は、透過領域に合波光MPBを集光する。この結果、0次干渉光の多くは、透過領域を通過し、信号生成部130へ伝搬する。一方、高次の干渉光の多くは、規定部221によって、信号生成部130への伝搬を妨げられる。したがって、信号生成部130は、0次干渉光を主に用いて検出信号を生成することになる。本実施形態において、集光部222は、第1集光部として例示される。
本発明者等によれば、高次の干渉光は、試料SMPの深さ方向(すなわち、第1分波光FDBの光路に沿う方向)における分解能を低減させる主要因である。画像生成装置100Aは、集光部222と信号生成部130との間に配置された規定部221によって高次の干渉光のほとんどを遮断するので、深さ方向の分解能は、高い水準に維持される。
規定部221は、ピンホールやスリットといった微小孔が形成された開口部材であってもよい。代替的に、規定部221は、光ファイバであってもよい。更に代替的に、規定部221は、0次干渉光の透過を許容する一方で高次の干渉光の伝搬を妨げることができる他の光学素子であってもよい。
<第3実施形態>
特開平2−36338号公報(以下、参考文献3と称される)は、高コヒーレンス光を利用した他の技術として、試料内部の欠陥を検出する検出装置を開示する。尚、検出装置は、画像の生成を目的とするものではないので、画像生成を目的とする本実施形態の技術に直接的に関係しない。しかしながら、参考文献3の開示技術は、高コヒーレンス光を用いた光学的な技術として、以下に、簡潔に説明される。
参考文献2の開示技術と同様に、参考文献3の検出装置は、レーザ光源を備える。参考文献2の開示技術とは異なり、検出装置は、ピンホールが形成されたピンホール部材を備えるが、後述される如く、高い分解能を達成することはできない。
検出装置は、参照鏡と光電変換素子とを備える。尚、参考文献2の開示技術とは異なり、参照鏡は、移動しない。
検出装置は、レーザ光を試料に向けて集光し、試料中の所定の位置に焦点を作り出す。検出装置は、参照鏡からの反射光と試料からの反射光とを干渉させ干渉光を生成する。光電変換素子は、干渉光の干渉パターンを表す干渉強度信号を生成する。
焦点が、試料中の欠陥位置に合わせられているならば、参照鏡からの反射光と試料からの反射光との干渉は、光電変換素子が干渉強度を出力するには弱すぎることとなる。したがって、試料中の所定の位置に焦点が作り出され、且つ、光電変換素子が、干渉強度信号を出力しないならば、検出装置は、試料中に欠陥が存在すると判定する。
参考文献2の教示に基づき、移動可能な参照鏡が用いられるならば、干渉強度信号の変化が、参照鏡の移動に起因するのか、或いは、試料中の欠陥に起因するのかが判別できない。したがって、参考文献2の開示技術は、参考文献3の検出装置に適用され得ない。参考文献2の開示技術は、参照鏡の移動に起因する干渉縞の変化量の検出を目的とするので、参考文献3の開示技術は、参考文献2の開示技術に適用され得ない。
上述の如く、検出装置は、ピンホール部材を備える。しかしながら、第2実施形態に関連して説明された画像生成装置とは異なり、参考文献3のピンホールを通過する干渉光の振幅は、必ずしも最大化されていない。ピンホールを通過する干渉光の振幅が最大化されるように、参照鏡が位置決めされていない限り、ピンホールを通過する干渉光の振幅は、比較的小さくなる。干渉光の振幅の最大化は、試料内部の欠陥の検出には重大でないかもしれないが、明るい画像の生成にとっては大きな問題となり得る。
第2実施形態の原理は、位相変調を行う変調部と規定部とを使用し、深さ方向における高い分解能を達成することを可能にする。上述の如く、参考文献2の開示技術及び参考文献3の開示技術は、変調部と規定部との組み合わせの有用性を否定する。第2実施形態に関連して説明された如く、変調部と規定部との組み合わせは、従来技術と比べて、深さ方向の高い分解能の観点から有利である。加えて、本発明者等は、深さ方向の高い分解能の観点から対物レンズの開口数NAも、深さ方向の高い分解能に寄与することを見出した。
上述の参考文献1の開示技術は、低い開口数を有する対物レンズを用いて、試料に集光する。試料からの反射光は、参照鏡からの反射光と干渉される。この結果、試料の観察に利用される信号が増幅される。
上述の如く、参考文献1の開示技術は、低コヒーレンス光を利用する。この場合、試料への集光によって得られる横方向(深さ方向に直交する方向)における分解能は、高コヒーレンス光の使用下で達成される横方向の分解能の約半分になる。
加えて、参考文献1の開示技術は、試料からの反射光と参照鏡からの反射光との間での光路長差(もしくは、位相差)を、コヒーレンス長(LEDが使用されるならば、約7μm)以下に設定することを要求する。深さ方向の高い分解能を達成するために、コヒーレンス長が短くされるならば、参照鏡の位置は、厳密に設定される必要がある。このことは、参照鏡の位置設定を時間的に非効率にする。環境的因子(例えば、環境温度)によって、厳密に設定された参照鏡の位置が変化することもある。したがって、参考文献1の開示技術の下では、分解能は、非常に低下しやすい。
第1実施形態に関連して説明された画像生成装置は、高コヒーレンス光を用いるので、横方向において高い分解能を達成することができる。第2実施形態に関連して説明された画像生成装置は、高コヒーレンス光に加えて、集光部と規定部との組み合わせを用いるので、深さ方向においても高い分解能を達成することができる。本発明者等は、第2実施形態の原理に加えて、適切な開口数を有する対物レンズが使用されるならば、深さ方向において更に高い分解能が達成されることを見出した。
図5は、第3実施形態の画像生成装置100Bの概略的なブロック図である。図5を参照して、画像生成装置100Bが説明される。図5の実線の矢印は、光の伝搬を表す。図5の点線の矢印は、信号の伝達を表す。第2実施形態と第3実施形態との間で共通して用いられる符号は、当該共通の符号が付された要素が、第2実施形態と同一の機能を有することを意味する。したがって、第2実施形態の説明は、これらの要素に援用される。
第2実施形態と同様に、画像生成装置100Bは、レーザ光源部110と、信号生成部130と、画像生成部140と、変調部150と、を備える。画像生成装置100Bは、変換部120Bを更に備える。第2実施形態と同様に、変換部120Bは、分波部210と、出射処理部220と、を含む。変換部120Bは、第1分波光FDBに対して光学的な処理を行う処理部230を更に含む。
処理部230は、対物レンズ231を含む。対物レンズ231は、開口数NAを有する。対物レンズ231は、平均屈折率nを有する試料SMPに向けて集光する。処理部230は、集光機能に加えて、他の機能(例えば、球面収差の補正)を有してもよい。
レーザ光源部110は、レーザ光LBを分波部210へ出射する。分波部210は、レーザ光LBを、第1分波光FDBと、第2分波光SDBと、に分波する。第1分波光FDBは、処理部230に向けて伝搬する。第1分波光FDBは、対物レンズ231によって集光され、試料SMPに向けて伝搬する。その後、第1分波光FDBの一部は、試料SMPによって反射された第1反射光FRBになる。第1反射光FRBは、分波部210に向けて伝搬する。第2分波光SDBは、変調部150に向けて伝搬する。変調部150は、第2分波光SDBの位相を変調し、且つ、第2分波光SDBを反射し、第2反射光SRBを生成する。第2反射光SRBは、第1反射光FRBに対する参照光として用いられる。第1反射光FRBと同様に、第2反射光SRBも、分波部210に向けて伝搬する。分波部210は、第1反射光FRBと第2反射光SRBとを合波し、合波光MPBを生成する。合波光MPBは、分波部210から出射処理部220へ出射される。合波光MPBは、波長λを有する。
本発明者等は、画像生成装置100Bが達成することができる深さ方向の分解能rdが、以下の数式によって算出されることを見出した。
参考文献1の開示技術のように低コヒーレンス光が利用されるならば、深さ方向の分解能は、コヒーレンス長tである。したがって、「rd<t」で表される関係が満たされるならば、長いコヒーレンス長を有するレーザ光が使用されても、低コヒーレンス光を利用する従来技術よりも深さ方向において高い分解能が達成される。すなわち、以下の不等式で表される関係が満たされるように、対物レンズ231の開口数NAが設定されるならば、画像生成装置100Bは、深さ方向において高い分解能を達成することができる。
一般的なLEDのコヒーレンス長tは、以下の数式から算出され得る。
上述の数式の記号「λc」は、LEDの中心波長を意味する。記号「Δλ」は、波長の半値全幅を意味する。
LEDが、「0.405μm」の中心波長と、「10nm」の半値全幅を有するならば、コヒーレンス長tは、上述の数式から、「7.2μm」になる。多くのLEDは、「7.2μm」に近いコヒーレンス長を有する光を出射する。したがって、多くのLEDよりも高い分解能を達成するための開口数NAは、以下の不等式によって表されてもよい。
試料SMPとして利用される生体細胞の平均屈折率nが「1.335」であるならば、「0.405μm」の波長の光を発するLEDを用いた装置よりも高い分解能を達成するための開口数NAの条件は、「NA>0.322」で表される。試料SMPの平均屈折率nが「1.5」であるならば、「0.405μm」の波長の光を発するLEDを用いた装置よりも高い分解能を達成するための開口数NAの条件は、「NA>0.334」で表される。上述の開口数NAに関する条件が満たされるならば、画像生成装置100Bは、横方向及び深さ方向において、高い分解能を達成することができる。
上述の参考文献1の開示技術とは異なり、画像生成装置100Bは、高コヒーレンス光を用いて試料画像を生成する。したがって、画像生成装置100Bの設計において、第1反射光FRBと第2反射光SRBとの間の光路長の差異(もしくは、位相差)は、略0に設定される必要はない。光路長の差異が、レーザ光LBのコヒーレンス長内に設定されるならば、合波光MPBの干渉度合い(ビジビリティ)は、略一定となる。したがって、変調部150の位置に関して、過度に高い精度は要求されない。加えて、環境的因子(例えば、環境温度)に起因する変調部150の位置の変動は、分解能に影響しにくくなる。
<第4実施形態>
上述の様々な実施形態に関連して説明された設計原理に基づいて、様々な画像生成装置が設計可能である。本実施形態において、第3実施形態の設計原理に基づいて構築された画像生成装置が説明される。
図6は、第4実施形態の画像生成装置100Cの概略図である。図5及び図6を参照して、画像生成装置100Cが説明される。図6の実線の矢印は、光の伝搬を表す。図6の点線の矢印は、信号の伝達を表す。第3実施形態と第4実施形態との間で共通して用いられる符号は、当該共通の符号が付された要素が、第3実施形態と同一の機能を有することを意味する。したがって、第3実施形態の説明は、これらの要素に援用される。
図6は、合波光MPB、第2分波光SDB及び/又は第2反射光SRBの光路に沿って描かれたY軸並びにレーザ光LB、第1分波光FDB及び/又は第1反射光FRBの光路に沿って描かれたZ軸を、鎖線を用いて示す。図6は、更に、Y軸、Z軸及びこれらに直交するX軸とからなるXYZ座標を示す。以下の説明において、「深さ方向」との用語は、Z軸に沿う方向又はZ軸に平行な方向を意味する。「横方向」との用語は、Y軸に沿う方向又はY軸に平行な方向を意味する。
第3実施形態と同様に、画像生成装置100Cは、画像生成部140と、対物レンズ231と、を備える。対物レンズ231の開口数NAは、第3実施形態に関連して説明された原理に基づき、適切な値に設定される。例えば、開口数NAは、「0.85」に設定されてもよい。対物レンズ231の焦点距離は、画像生成装置100Cの設計において適切な値に設定される。例えば、対物レンズ231の焦点距離は、「2mm」であってもよい。
画像生成装置100Cは、レーザ光源111と、光検出器131と、変調部150Cと、分波素子211と、ピンホール部材221Cと、検出レンズ222Cと、を更に備える。レーザ光源111は、レーザ光LBを出射する。したがって、レーザ光源111は、図5に示されるレーザ光源部110に対応する。光検出器131は、合波光MPBを受け取り、合波光MPBの光量に応じた検出信号を生成する。したがって、光検出器131は、図5に示される信号生成部130に対応する。分波素子211は、レーザ光LBを、第1分波光FDBと第2分波光SDBとに分波する。加えて、分波素子211は、第1反射光FRBと第2反射光SRBとを合波し、合波光MPBを生成する。したがって、分波素子211は、図5に示される分波部210に対応する。尚、分波素子211として、一般的なビームスプリッタが用いられてもよい。ピンホール部材221Cは、ピンホール223を規定する。ピンホール223の大きさは、0次干渉光の透過を許容する一方で、高次の干渉光の透過を妨げるように設定される。したがって、ピンホール部材221Cは、図5に示される規定部221に対応する。ピンホール223は、規定部221の透過領域に対応する。検出レンズ222Cは、分波素子211から出射された合波光MPBをピンホール223に向けて集光する。したがって、検出レンズ222Cは、図5に示される集光部222に対応する。
変調部150Cは、ミラー151と、変位機構152と、を備える。ミラー151は、第2分波光SDBを反射し、第2反射光SRBを生成する。変位機構152は、ミラー151を横方向に変位させることにより、第2反射光SRBの位相を変調し、参照光を生成する。変調部150Cは、図5に示される変調部150に対応する。本実施形態において、ミラー151は、反射部として例示される。変位機構152は、ピエゾステージであってもよい。代替的に、変位機構152は、電動ステージであってもよい。
画像生成装置100Cは、コリメータレンズ240と、補正素子232と、位置調整機構250と、を更に備える。コリメータレンズ240は、分波素子211とレーザ光源111との間に配置される。補正素子232は、分波素子211と対物レンズ231との間で第1分波光FDBの球面収差を補正する。補正素子232は、図5に示される処理部の一部として利用されてもよい。本実施形態において、補正素子232は、第1補正部として例示される。
位置調整機構250は、ステージ251と駆動部252とカバーガラス253を備える。ステージ251は、透明性の高い生体細胞といった試料SMPを支持する。駆動部252は、ステージ251を横方向(Y軸)及び深さ方向(Z軸)及びX軸方向に変位させる。この結果、試料SMPの位置は適切に調整される。カバーガラス253は、ステージ251上で試料SMPを適切に固定する。位置調整機構250は、3軸の電動ステージであってもよい。カバーガラス253の厚さは、画像生成装置100Cの設計において適切に設定されてもよい。例えば、カバーガラス253の厚さは、「0.17mm」に設定されてもよい。
レーザ光源111は、発散光としてレーザ光LBをコリメータレンズ240へ出射する。コリメータレンズ240は、レーザ光LBを平行光にする。その後、平行光は、分波素子211へ入射する。
分波素子211は、コリメータレンズ240から伝搬したレーザ光LBを第1分波光FDBと第2分波光SDBとに分波する。第1分波光FDBは、補正素子232に向けて伝搬する。第2分波光SDBは、ミラー151へ向けて伝搬する。
補正素子232は、第1分波光FDBの球面収差を補正する。その後、第1分波光FDBは、対物レンズ231に入射する。対物レンズ231は、ステージ251上で固定された試料SMPに向けて集光する。この結果、試料SMP中の焦点FPが形成される。位置調整機構250は、ステージ251を横方向、深さ方向及び/又はX軸方向に変位し、焦点FPと試料SMPとの相対的な位置関係を調整する。試料SMPは、第1分波光FDBの一部を反射し、第1反射光FRBを生成する。第1反射光FRBは、対物レンズ231及び補正素子232を順次通過し、分波素子211に入射する。本実施形態において、位置調整機構250は、位置調整部として例示される。
第2分波光SDBは、ミラー151に入射する。このとき、変位機構152は、横方向(Y軸方向)にミラー151を変位させる。この結果、変調部150Cは、ミラー151に入射した第2分波光SDBに位相変化を与えることができる。ミラー151は、第2分波光SDBを反射し、第2反射光SRBを参照光として生成する。第2反射光SRBは、分波素子211へ入射する。
分波素子211は、第1反射光FRBと第2反射光SRBとを合波し、合波光MPBを生成する。合波光MPBは、分波素子211から検出レンズ222Cへ伝搬する。検出レンズ222Cは、ピンホール223に合波光MPBを集光する。本実施形態において、分波素子211は、分波機能と合波機能とを兼ね備える。分波素子211に代えて、分波処理を専ら担う光学素子と合波機能を専ら担う光学素子との組み合わせが用いられてもよい。
ピンホール部材221Cは、0次干渉光の透過を許容する一方で、高次の干渉光の透過を妨げる。したがって、高次の干渉光は、ピンホール部材221Cによってほとんど遮断される。0次干渉光を主に含む合波光MPBは、ピンホール223を透過し、光検出器131へ入射する。
光検出器131は、合波光MPBを受光する。光検出器131は、合波光MPBの光量に応じた検出信号を生成する。検出信号は、光検出器131から画像生成部140へ出力される。画像生成部140は、検出信号に応じて、試料画像を生成する。
図7は、変換工程(図3を参照)中の画像生成装置100Cの動作を表す概略的なフローチャートである。図3、図6及び図7を参照して、変換工程が説明される。
(ステップS210)
出射工程(図3を参照)の後、ステップS210が実行される。ステップS210において、分波素子211は、レーザ光LBを、第1分波光FDBと第2分波光SDBとに分波する。その後、ステップS220が実行される。
(ステップS220)
ステップS220において、対物レンズ231は、第1分波光FDBを試料SMPに向けて集光する。この結果、第1分波光FDBは、収束光として、カバーガラス253を通過し、焦点FPを試料SMP中に形成する。その後、ステップS230が実行される。
(ステップS230)
ステップS230において、位置調整機構250は、ステージ251を、横方向(Y軸方向)、深さ方向(Z軸方向)及び/又はX軸方向に変位させ、焦点FPと試料SMPとの相対的な位置関係を調整する。この結果、焦点FPは、試料SMP中の所望の位置に設定されることとなる。ステージ251が深さ方向に変位されるならば、ステップS240が実行される。他の場合には、ステップS250が実行される。
(ステップS240)
ステップS240において、補正素子232は、試料SMPに対する焦点FPの深さ位置(図6において、記号「d」によって表される値)に応じて、第1分波光FDBの球面収差を補正する。その後、ステップS250が実行される。
(ステップS250)
ステップS250において、試料SMPは、ステップS210において生成された第1分波光FDBの一部を反射し、第1反射光FRBを生成する。第1反射光FRBは、分波素子211に入射する。ミラー151は、ステップS210において生成された第2分波光SDBを反射し、第2反射光SRBを生成する。このとき、変位機構152は、ミラー151を横方向(Y軸方向)に変位し、位相変調を引き起こす。分波素子211は、第1反射光FRBと第2反射光SRBとを合波し、合波光MPBを生成する。
ステップS230において、位置調整機構250は、ステージ251を、横方向(Y軸方向)、深さ方向(Z軸方向)及び/又はX軸方向に変位させ、焦点FPと試料SMPとの相対的な位置関係を調整するので、3軸の電動ステージは、位置調整機構250として好適に利用可能である。代替的に、ガルバノミラーといった光偏向素子が、分波素子211と対物レンズ231との間の第1分波光FDBの光路に、位置調整機構として配置されてもよい。この場合、焦点FPは、光偏向素子の動作に応じて移動するので、焦点FPと試料SMPとの間の相対的な位置関係は、試料SMPの変位なしに調整される。したがって、ステップS230は、時間的に効率的に実行され得る。
図8は、補正素子232として例示されるビームエキスパンダ270の概略図である。図6乃至図8を参照して、補正素子232が説明される。尚、補正素子232として、可変の屈折率分布を有する液晶素子が用いられてもよい。したがって、図8に関連する説明は、本実施形態の原理を何ら限定しない。
ビームエキスパンダ270は、凹レンズ271と、凸レンズ272と、アクチュエータ273と、を備える。アクチュエータ273は、凹レンズ271及び凸レンズ272のうち少なくとも一方を、Z軸に沿って変位させる。この結果、凹レンズ271と凸レンズ272との間の距離が変化し、第1分波光FDBの球面収差が補正される。
ステップS230において、深さ方向における焦点FPの位置が変更されると、ステップS240において、アクチュエータ273が作動してもよい。この結果、焦点FPの深さ位置(図6において、記号「d」で表される値)に応じて、球面収差が適切に補正される。したがって、第1分波光FDBは、良好に絞られ、試料画像の生成に適した焦点FPが形成されることになる。このことは、XY平面上での高い分解能の試料画像に帰結する。尚、アクチュエータ273が作動せず、且つ、焦点FPが深い位置に設定されるならば(すなわち、記号「d」が大きな値であるならば)、球面収差に起因して、焦点FPがぼけやすくなる。この結果、得られる試料画像の分解能は低減する。
アクチュエータ273を動作させるためのアルゴリズムは、カバーガラス253の厚さ(例えば、0.17mm)に起因する球面収差を考慮して設計されてもよい。代替的に、対物レンズ231の設計において、カバーガラス253の厚さに起因する球面収差が考慮されてもよい。
図9A及び図9Bは、焦点FPの深さ位置「d」に応じて動作する変調部150Cの概略図である。図6、図9A及び図9Bを参照して、変調部150Cの動作が説明される。
以下の説明において、焦点FPの深さ位置「d」は、対物レンズ231に対向する試料SMPの対向面FSFと焦点FPとの間の距離として定義される。尚、深さ位置「d」に関する定義は、説明の明瞭化のみを目的とするものである。したがって、深さ位置「d」に関する定義は、本実施形態の原理を何ら限定しない。
図9Aに示される焦点FPは、深さ位置「d1」に存在する。図9Bに示される焦点FPは、深さ位置「d2」に存在する。深さ位置「d2」の値は、深さ位置「d1」の値よりも大きい。
以下の説明において、試料SMPに対する焦点FPの移動方向は、「+Z方向」又は「−Z方向」と称される。「+Z方向」との用語は、焦点FPが対向面FSFに近づく方向を意味する。「−Z方向」との用語は、焦点FPが対向面FSFから離れる方向を意味する。尚、焦点FPの移動方向に関する定義は、説明の明瞭化のみを目的とするものである。したがって、焦点FPの移動方向に関する定義は、本実施形態の原理を何ら限定しない。
変調部150Cと分波素子211との間で規定される光軸は、Y軸に一致する。図9Aに示される焦点FPから分波素子211までの光学的距離「pz」は、値「pz1」である。図9Bに示される焦点FPから分波素子211までの光学的距離「pz」は、値「pz2」である。光学的距離「pz2」は、光学的距離「pz1」よりも長い。
光検出器131が出力する検出信号が、大きな光量を表すように、変調部150Cは、Y軸に沿ってミラー151を変位させてもよい。以下の説明において、ミラー151の変位方向は、「+Y方向」又は「−Y方向」と称される。「+Y方向」との用語は、ミラー151が分波素子211から離れる方向を意味する。「−Y方向」との用語は、ミラー151が分波素子211に近づく方向を意味する。尚、ミラー151の移動方向に関する定義は、説明の明瞭化のみを目的とするものである。したがって、ミラー151の移動方向に関する定義は、本実施形態の原理を何ら限定しない。
第2反射光SRBの位相が、第1反射光FRBの位相に合致するならば、光検出器131は、合波光MPBの大きな光量を表す検出信号を出力する。この場合、画像生成装置100Cは、明るい試料画像を生成することができる。
ミラー151は、分波素子211に対向する反射面153を含む。第2分波光SDBは、反射面153で反射され、第2反射光SRBになる。図9Aに示される反射面153から分波素子211までの光学的距離「py」は、値「py1」である。図9Bに示される反射面153から分波素子211までの光学的距離「py」は、値「py2」である。光学的距離「py2」は、光学的距離「py1」よりも長い。
位相量は、以下の数式によって定義されてもよい。尚、位相量に関する定義は、本実施形態の原理を何ら限定しない。
図9Aに示される如く、焦点FPの深さ位置「d」が値「d1」に設定されたとき、光学的距離「pz」に対応する位相量が、光学的距離「py」に対応する位相量に一致するように、変調部150Cは、ミラー151の位置を調整する。この結果、分波素子211において、第2反射光SRBの位相は、第1反射光FRBの位相に合致する。
生体細胞といった試料SMPの屈折率(例えば、「1.335」)は、多くの場合、空気の屈折率よりも大きい。この場合、対物レンズ231の焦点距離は、試料SMPの屈折率によって長くされる。焦点FPが、「−Z方向」に移動されると、光学的距離「pz」は、値「pz1」から値「pz2」へ増大する。このとき、変調部150Cは、ミラー151を距離「Δp」だけ「+Y方向」へ変位させ、光学的距離「py」を値「py2」に設定する。光学的距離「py」が値「py2」に設定されると、分波素子211において、第2反射光SRBの位相は、第1反射光FRBの位相に合致する。この結果、光検出器131は、合波光MPBの大きな光量を表す検出信号を出力する。
本実施形態の原理は、レーザ光源111のパワーの増大に代えて、ミラー151の変位によって、合波光MPBのパワー(光量)を増大することを可能にする。したがって、試料SMP中の屈折率変化が小さく、第1反射光FRBのパワー(光量)が少なくとも、第1反射光FRBと第2反射光SRBとの合波時の位相の整合によって、大きなパワー(光量)の合波光MPBが生成されることになる。本実施形態の原理は、レーザ光源111に対して過度に大きなパワーを要求しないので、試料SMPとして用いられる生体細胞への光学的及び/又は熱的な損傷は生じにくくなる。
図10は、試料SMPの反射率Rs(%)、合波光MPBのパワーの最大値及びミラー151の不存在下で得られる合波光MPBの最大パワーに対するミラー151の存在下で得られる合波光MPBの最大パワーの増幅率の間の例示的な関係を表すグラフである。図6及び図10を参照して、ミラー151から得られる効果が説明される。尚、図10に示される増幅率のデータは、ピンホール223を透過した後の合波光MPBのパワー(光量)及び光検出器131から出力される検出信号にも適用可能である。
図10に示されるデータは、以下に説明される条件下で得られている。規格化のために、レーザ光源111からのレーザ光LBのパワーとして、「1」の値が用いられている。分波素子211の分岐比は、「0.5」の値に設定されている。ミラー151の反射率は、「1」の値に設定されている。
以下に、第1反射光FRBと第2反射光SRBとの間での位相整合下における合波光MPBのパワー「IP」、第1反射光FRBのパワー「IR」及び第2反射光SRBのパワー「IM」の関係を示す。
試料SMPの反射率「Rs」の値が、「0.01(=1%)」であるならば、第1反射光FRBのパワー「IR」は、「0.005」の値になる。第2反射光SRBのパワー「IM」は、「0.5」の値になる。このとき、合波光MPBのパワー「IP」は、「0.30」の値になる。
試料SMPの不存在下では、第1反射光FRBのパワー「IR」は、「0」として見なされる。同様に、試料SMPの反射率が、「0」であるならば、第1反射光FRBのパワー「IR」は、「0」として見なされる。このとき、合波光MPBのパワー「IP」は、「0.25」の値になる。
図11は、画像生成部140として例示される画像生成ユニット280の概略的なブロック図である。図6、図10及び図11を参照して、画像生成ユニット280が説明される。
画像生成ユニット280は、入力部281と、差分演算部282と、画像信号生成部283と、出力部284と、を備える。検出信号は、入力部281に入力される。例えば、検出信号は、図10を参照して説明された条件下で(レーザ光LBのパワー:1、分波素子211の分岐比:0.5、ミラー151の反射率:1、試料SMPの反射率「Rs」:1%)、合波光MPBのパワー「IP」の値が、「0.30」であることを示してもよい。合波光MPBのパワー「IP」に関するデータは、入力部281から差分演算部282へ送られる。差分演算部282は、試料SMPが不存在下における合波光MPBのパワー「IP」又は試料SMPの反射率が「0」であるときの合波光MPBのパワー「IP」に関するデータを予め格納してもよい。差分演算部282は、入力部281からのデータから予め格納されたデータを差し引き、差分データを生成する。図10に関連する説明において算出された値が用いられるならば、差分データは、「0.05(=0.30−0.25)」の値を表す。
差分データは、差分演算部282から画像信号生成部283へ出力される。画像信号生成部283は、差分データに応じて、試料画像を表す画像信号を生成する。画像信号は、出力部284を通じて、ディスプレイ装置といった画像を表示する能力を有する外部装置(図示せず)へ出力されてもよい。差分演算部282による差分演算は、黒浮きの防止に寄与する。したがって、得られる試料画像は、良好なコントラストを有することになる。
図12は、画像生成工程(ステップS140)における画像生成ユニット280の動作を表す概略的なフローチャートである。図3、図6、図10乃至図12を参照して、画像生成ユニット280の動作が説明される。
(ステップS310)
図3を参照して説明された信号生成工程(ステップS130)の後、ステップS310が実行される。ステップS310において、入力部281は、検出信号を受ける。検出信号は、入力部281から差分演算部282へ出力される。その後、ステップS320が実行される。
(ステップS320)
ステップS320において、差分演算部282は、試料SMPが存在する条件下で出力された検出信号によって表されるデータから試料SMPの不存在下(又は、試料SMPの反射率が「0」である条件下)で取得され得るデータを差し引き、差分データを生成する。差分データは、差分演算部282から画像信号生成部283へ出力される。その後、ステップS330が実行される。
(ステップS330)
ステップS330において、画像信号生成部283は、差分データに応じて、試料画像を表す画像信号を生成する。画像信号は、出力部284を通じて、外部装置に出力される。外部装置は、画像信号に応じて、試料画像を表示する。
ミラー151の不存在下では、第2反射光SRBのパワー「IM」は、「0」の値となる。この場合(レーザ光LBのパワー:1、分波素子211の分岐比:0.5、ミラー151の反射率:0、試料SMPの反射率「Rs」:1%)、検出レンズ222Cに入射する合波光MPBのパワー「IP」は、「0.0025(=0.5×IR=0.5×0.005)」になる。したがって、ミラー151が存在する条件下で得られる合波光MPBのパワー「IP」は、ミラー151の不存在下で得られる合波光MPBのパワー「IP」の20倍になる。
図10に示される増幅率は、以下の数式によって定義されてもよい。
上記数式及び図10から明らかな如く、試料SMPの反射率が低いならば、増幅率は大きな値になる。したがって、本実施形態の原理は、生体細胞といった低い反射率を有する試料SMPの観察に適している。
位置調整機構250は、焦点FPの位置を順次変更し、所望の領域が焦点FPによって走査される。所望の領域内で焦点FPが設定されるたびに、画像生成ユニット280は、図12に示される処理を実行する。この結果、所望の領域内の試料SMPを表す試料画像が生成されることになる。試料画像は、2次元画像であってもよい。代替的に、試料画像は、3次元画像であってもよい。
図13は、試料SMPから光検出器131までの光路を概略的に表す展開図である。図6及び図13を参照して、ピンホール部材221Cによる迷光除去が説明される。
図13において、第1分波光FDBは、実線で描かれている。対物レンズ231は、深さ位置「d」において点線で描かれた第1面FPL上に焦点FPを形成する。検出レンズ222Cは、第1反射光FRBを集光し、ピンホール223に焦点を形成する。図13は、ピンホール223に形成された焦点を通過し、且つ、検出レンズ222Cとピンホール部材221Cとによって規定される光軸に対して直交する第1対応面FCPを示す。
図13は、第2面SPLと第3面TPLとを示す。第2面SPLは、第1面FPLから距離「s1」だけ「−Z軸方向」に離れている。第3面TPLは、第2面SPLから距離「s2」だけ「−Z軸方向」に離れている。
図13は、第2面SPLから発生した光成分(以下、「第1迷光FSL」を示す。図13は、ピンホール部材221Cと検出レンズ222Cとの間の描かれた第2対応面SCPを示す。第2対応面SCPは、第1対応面FCPから距離「sd1」だけ離間している。検出レンズ222Cは、第1迷光FSLの焦点を、第2対応面SCPに合わせている。
図13は、第3面TPLから発生した光成分(以下、「第2迷光SSL」を示す。図13は、第2対応面SCPと検出レンズ222Cとの間の描かれた第3対応面TCPを示す。第3対応面TCPは、第2対応面SCPから距離「sd2」だけ離間している。検出レンズ222Cは、第2迷光SSLの焦点を、第3対応面TCPに合わせている。
第1迷光FSL及び第2迷光SSLは、第1面FPL上の試料SMPの像の取得のためには不必要である。図13から明らかな如く、反射光の発生位置が、第1面FPLから大きく離れているならば、検出レンズ222Cは、ピンホール223から離れた位置に反射光の焦点を設定する。したがって、第1面FPLから離れた位置で発生した反射光は、ピンホール223を通過しにくくなる。この結果、深さ方向の分解能は高くなる。
検出レンズ222Cの焦点距離は、例えば、33mmに設定されてもよい。このとき、第1対応面FCP上での第1反射光FRBのエアリーディスク径は、9.6μmであってもよい。ピンホール223の大きさは、第1対応面FCP上での第1反射光FRBのエアリーディスク径に応じて適切に設定される。第1対応面FCPにおいて、第1迷光FSLは、デフォーカスされ、第1反射光FRBよりも集光スポットサイズは大きくなる。したがって、第1反射光FRBは、ピンホール223を透過できる一方で、第1迷光FSLの多くは、ピンホール部材221Cによって透過を妨げられる。第1対応面FCPにおいて、第2迷光SSLは、さらにデフォーカスされ、第2迷光SSLの集光スポットサイズは、第1迷光FSLよりも一層大きくなる。したがって、ピンホール223を通過する第2迷光SSLの量は、第1迷光FSLよりも小さくなる。
ピンホール部材221Cは、横方向(XY平面)での光学分解能を向上させる。横方向の光学分解能の改善は、ピンホール223の大きさに依存する。ピンホール223の大きさが適切に設定されるならば、分解能は、「約20.5倍」増大する。
ピンホール部材221Cは、必ずしも、用いられなくともよい。光検出器131がピンホール223と略同様の大きさの受光部(図示せず)を有し、且つ、検出レンズ222Cが受光部に焦点を合わせるならば、図6に示される画像生成装置100Cと同様の分解能を達成することができる。ピンホール部材221Cに代えて、光ファイバが用いられてもよい。ピンホール部材221Cに代えて、スリットが形成されたスリット部材が用いられてもよい。スリット部材が用いられるならば、一次元方向において信号の質が良化される。
ピンホール223の大きさは、検出レンズ222Cによって集光された合波光MPBのエアリーディスク径に依存する。例えば、ピンホール223は、エアリーディスク径の0.8倍以上5倍以下の大きさに設計されてもよい。この結果、試料SMPの深さ方向(±Z軸方向)の分解能は、1/10数ミクロン〜数ミクロンになる。
過度に小さなピンホールは、ピンホールを透過する光量の過度の低減に帰結する。したがって、ピンホールの大きさは、透過可能な光量を考慮して決定されてもよい。検出レンズ222Cの集光位置が、環境温度の変化に起因して、ピンホールの中心位置からずれることもあるので、ピンホールの大きさは、環境温度といった因子を考慮して決定されてもよい。
大きすぎるピンホールは、光検出器131が不必要に検出する迷光の光量の増大に帰結する。このことは、得られる試料画像の分解能の低下を引き起こす。したがって、ピンホールの大きさは、得られる試料画像の分解能を考慮して決定されてもよい。
図14A乃至図14Cは、集光スポット周りの光強度分布を表す概略的なグラフである。図6、図14A乃至図14Cを参照して、球面収差に起因する光強度分布の変化が説明される。
図14Aは、光学的収差の不存在下における光強度の分布を表す。半値全幅「2w」、対物レンズ231の開口数「NA」及び波長「λ」との間の関係は、以下の数式によって定義されてもよい。
図14Bは、100mλの3次の球面収差の下で得られた光強度の分布を表す(尚、回折限界は、70mλ以下である)。図14Cは、150mλの3次の球面収差の下で得られた光強度の分布を表す(尚、回折限界は、70mλ以下である)。
図14A乃至図14Cを参照すると、球面収差の増大は、集光スポットにおける光強度の最大値の低減に帰結する。しかしながら、半値全幅及びエアリーディスク径は、球面収差の増大の下でも略一定である。球面収差の増大は、サイドローブの増大に帰結する。これらの事実から、干渉性を低下させる球面収差成分は、サイドローブ部分に存在することが推定される。
本発明者等によれば、3次よりも高次の球面収差の成分もエアリーディスク径によって規定される領域の外(例えば、サイドローブの領域)に存在する。数100mλの球面収差は、現実的には、存在し得る。ピンホール223が、エアリーディスク径(直径)以下の大きさに設計されるならば、サイドローブの領域の光成分は適切に除去される。球面収差の成分も除去されるので、合波光MPBの干渉度は向上する。
エアリーディスク径は、以下の数式によって定義されてもよい。
対物レンズ231は、焦点距離「f」を有し、検出レンズ222Cは、焦点距離「f1」を有するとき、画像生成装置100Cの光学的倍率は、以下の数式によって定義されてもよい。
検出レンズ222Cが、ピンホール223において生成する焦点でのエアリーディスク径は、以下の数式で定義されてもよい。
ピンホール223の直径「d」が以下の不等式で表される関係を満たすならば、球面収差を含む収差成分は、適切に除去される。この結果、良好な干渉性を有する合波光MPBが得られる。
補正素子232は、球面収差を補正するために用いられる。しかしながら、試料SMPが不均一な屈折率分布を有するとき、或いは、レーザ光LBの波長分散に起因して、様々な種類の光学的収差が存在するとき、補正素子232による収差補正機能は不十分なこともある。上述の如く、ピンホール部材221Cは、補正素子232によって補正されにくい球面収差も適切に除去することができる。
図15Aは、高い開口数NAを有する対物レンズ231によって試料SMPに集光される光の概略図である。図15Bは、低い開口数NAを有する対物レンズ231によって試料SMPに集光される光の概略図である。図6、図15A及び図15Bを参照して、本実施形態の原理にとって好ましい光の種類が説明される。
本実施形態の原理にしたがって構築される画像生成装置の光源は、好ましくは、空間的コヒーレンスが高く、且つ、時間的コヒーレンスが低い光を出射する。空間的コヒーレンスが高いならば、図15Aに示される如く、第1分波光FDBは、回折限界近くまで絞られる。この結果、XY平面における光学的分解能は高くなる。ピンホール223の直径が適切な値に設定されるならば、迷光が除去される。したがって、XY平面での分解能は更に向上する。
空間的コヒーレンスが高いならば、上述の「数8」の半値全幅の定義が適用可能である。したがって、対物レンズ231は、大きな「NA」を有し、且つ、短い波長の光(例えば、青色光)が用いられることが好ましい。図6に示される画像生成装置100Cは、レーザ光LBを出射する。レーザ光LBは、空間的コヒーレンスが高く、XY平面上において高い分解能が得られる。
レーザ光LBは、時間的コヒーレンスも高い。図15Bに示される試料SMP上の集光スポット周りの0次干渉光と、0次を超える次数の高次干渉光(±1次、±2次、±3次、・・・)と、の位置関係から明らかな如く、対物レンズ231の開口数NAが小さいならば、高次干渉光の成分は、合波光MPBに第1反射光FRBの成分として入り込むこととなる。このことは、光検出器131が出力する信号の品質の低下を引き起こす。すなわち、Z軸方向の光学的分解能は低くなる。この場合、高周波重畳といった技術を用いて、時間的コヒーレンスを低下させてもよい。コヒーレンス長が低減されるので、高次干渉光は生じにくくなる。したがって、信号の質は低減しにくくなる。
図15Aに示される如く、対物レンズ231の開口数NAが大きいならば、高い次数の干渉光は、大きな直径を有することになる。したがって、ピンホール部材221Cは、高い次数の干渉光を大幅に除去することができる。すなわち、高い開口数NAの対物レンズ231とピンホール部材221Cとの組み合わせによって、高次干渉光の影響が適切に低減され、試料SMPの深さ方向の分解能は向上する。
LEDといったインコヒーレンス光源が出射する光は、低い空間的コヒーレンスを有する。インコヒーレンス光は、あまり絞られることなく、試料SMP中で焦点FPを形成することとなる(すなわち、焦点FPは、回折限界値の倍程度に広がる)。ピンホール部材221Cは、迷光を除去し、絞りの効果を発揮する。インコヒーレンス光源が出射する光は、低い時間的コヒーレンスを有するので、合波光MPBに高次干渉光は生じにくい。したがって、試料SMPの深さ方向の分解能は高くなる。
スーパールミネセントダイオードは、レーザ及びLEDの中間のコヒーレンス特性を有する。したがって、XYZ方向の分解能は、良好なバランスを有することになる。しかしながら、短波長の光(青色光)を出射するデバイスは、実用化されていないので、スーパールミネセントダイオードからの光が回折限界近くまで絞られても、スポットサイズは長波長に起因して大きくなる。したがって、スーパールミネセントダイオードの使用は、XY平面上の分解能の観点からは適切でないこともある。
本発明者等は、「0.405μm」の青色レーザ光を出射する半導体レーザをレーザ光源111として用い、試料SMPを観察した。本発明者等は、「0.85」の開口数NAを有する対物レンズ231を用いた。このとき、試料SMP中のスポット径は、「0.25μm」(半値全幅)となった。本発明者等は、ピンホール223の直径を、検出レンズ222Cによって集光された合波光MPBのエアリーディスク径の「0.8倍」に設定した。この結果、本発明者等は、XY平面において、「0.2」μm以下の分解能を達成した。本発明者等は、レーザ光LBに高周波重畳技術を適用し、且つ、ピンホール部材221Cを用いて、「0.92μm」の深さ方向の分解能を達成した。
図16は、合波光MPBの光強度の変動を表す概略的なグラフである。図6、図9A、図9B及び図16を参照して、合波光MPBが説明される。
レーザ光LBのコヒーレンス長は、数100μm以上であってもよい。図9A及び図9Bに示される光路長「py」、「pz」の間の差が、レーザ光LBのコヒーレンス長以下であるならば、図16に示される正弦波状の合波光MPBの強度変動が得られる。図16に示される如く、各周期において、最大値は略一定である。尚、インコヒーレンス光が用いられるならば、正弦波状の光強度の最大値は、光路長差の増大によって大幅に低減する。
正弦波状の合波光MPBの強度変動の最大値は、略一定であるので、ミラー151の初期位置の設定は容易である。ミラー151が、適切に設定された初期位置から1周期分(2π(rad)分の位相量)の区間内で移動されるならば、高い強度の合波光MPBが光検出器131に伝達される。画像生成部140は、1周期の位相変調量の区間内において、光検出器131から出力される検出信号の中で、実質的に最も大きな光量を表す信号成分を抽出し、試料画像を生成する。
<第5実施形態>
レーザ光源部は、複数のレーザ光源を含んでもよい。複数のレーザ光源が、互いに異なる波長のレーザ光を出射するならば、得られる試料画像は、複数の色相によって表現され得る。本実施形態において、複数のレーザ光源を備える画像生成装置が説明される。
図17は、第5実施形態の画像生成装置100Dの概略図である。図5及び図17を参照して、画像生成装置100Dが説明される。図17の実線の矢印は、光の伝搬を表す。図17の点線の矢印は、信号の伝達を表す。第4実施形態と第5実施形態との間で共通して用いられる符号は、当該共通の符号が付された要素が、第4実施形態と同一の機能を有することを意味する。したがって、第4実施形態の説明は、これらの要素に援用される。
第4実施形態と同様に、画像生成装置100Dは、光検出器131と、画像生成部140と、変調部150Cと、分波素子211と、ピンホール部材221Cと、検出レンズ222Cと、対物レンズ231と、補正素子232と、位置調整機構250と、を備える。画像生成装置100Dは、第1レーザ光源291と、第2レーザ光源292と、第3レーザ光源293と、を更に備える。第1レーザ光源291、第2レーザ光源292及び第3レーザ光源293は、図5に示されるレーザ光源部110に対応する。第1レーザ光源291は、第1レーザ光LB1を出射する。第2レーザ光源292は、第2レーザ光LB2を出射する。第3レーザ光源293は、第3レーザ光LB3を出射する。
画像生成装置100Dは、第1コリメータレンズ241と、第2コリメータレンズ242と、第3コリメータレンズ243と、を更に備える。第1レーザ光源291は、第1コリメータレンズ241に向けて、発散光として第1レーザ光LB1を出射する。第1コリメータレンズ241は、第1レーザ光LB1を平行光にする。第2レーザ光源292は、第2コリメータレンズ242に向けて、発散光として第2レーザ光LB2を出射する。第2コリメータレンズ242は、第2レーザ光LB2を平行光にする。第3レーザ光源293は、第3コリメータレンズ243に向けて、発散光として第3レーザ光LB3を出射する。第3コリメータレンズ243は、第3レーザ光LB3を平行光にする。
画像生成装置100Dは、第1ダイクロイックミラー311と、第2ダイクロイックミラー312と、を備える。第1ダイクロイックミラー311は、第1レーザ光LB1を透過する一方で、第2レーザ光LB2を第2ダイクロイックミラー312へ反射する。したがって、第1レーザ光LB1及び第2レーザ光LB2はともに、第2ダイクロイックミラー312へ向けて伝搬する。第2ダイクロイックミラー312は、第1レーザ光LB1及び第2レーザ光LB2をともに分波素子211へ透過する一方で、第3レーザ光LB3を分波素子211へ向けて反射する。この結果、第1レーザ光LB1、第2レーザ光LB2及び第3レーザ光LB3は、分波素子211へ伝搬する。
第1レーザ光源291、第2レーザ光源292及び第3レーザ光源293は、波長において互いに異なるレーザ光(第1レーザ光LB1、第2レーザ光LB2、第3レーザ光LB3)を独立して出射する。光検出器131は、第1レーザ光LB1、第2レーザ光LB2及び第3レーザ光LB3にそれぞれ対応する検出信号を生成する。画像生成部140は、第1レーザ光LB1に対応する検出信号に応じた試料画像、第2レーザ光LB2に対応する検出信号に応じた試料画像及び第3レーザ光LB3に対応する検出信号に応じた試料画像を生成する。加えて、画像生成部140は、これら2つの試料画像を合成してもよい。画像生成部140の合成処理によって得られた試料画像は、これら2つの試料画像が含む情報を含むことができる。
第1レーザ光源291、第2レーザ光源292及び第3レーザ光源293のうち1つは、赤色レーザ光(例えば、0.60μm以上0.64μm以下の波長のレーザ光)を出射する赤色レーザ光源であってもよい。第1レーザ光源291、第2レーザ光源292及び第3レーザ光源293のうち他のもう1つは、緑色レーザ光(例えば、0.50μm以上0.54μm以下の波長のレーザ光)を出射する緑色レーザ光源であってもよい。第1レーザ光源291、第2レーザ光源292及び第3レーザ光源293のうち残りの1つは、青色レーザ光(例えば、0.44μm以上0.48μm以下の波長のレーザ光)を出射する青色レーザ光源であってもよい。この場合、光検出器131は、赤色レーザ光に対応する赤色検出信号を出力する。光検出器131は、緑色レーザ光に対応する緑色検出信号を出力する。光検出器131は、青色レーザ光に対応する青色検出信号を出力する。画像生成部140は、赤色検出信号に応じて、赤色の試料画像を生成し、緑色検出信号に応じて、緑色の試料画像を生成し、青色検出信号に応じて、青色の試料画像を生成する。また、それらの3つの試料画像から、それらを組み合わせて、さらに試料画像を合成しても良い。この場合の組み合わせは、赤色の試料画像と緑色の試料画像の合成、赤色の試料画像と青色の試料画像の合成、緑色の試料画像と青色の試料画像の合成、赤色の試料画像と緑色の試料画像と青色の試料画像との合成の4通りとなる。特に、赤色の試料画像と緑色の試料画像と青色の試料画像との合成を行った場合は、通常のカラー画像が作成できる。上述の波長帯であるならば、半導体レーザを用いて、広い色表現範囲でカラーの試料画像が生成される。
第4実施形態とは異なり、画像生成装置100Dは、複数の波長のレーザ光(第1レーザ光LB1、第2レーザ光LB2、第3レーザ光LB3)を用いて試料画像を生成するので、第4実施形態よりも試料画像から多くの情報が得られる。試料SMPとして生体細胞が用いられ、且つ、生体細胞の一部が特定の波長のレーザ光に反応するならば、生体細胞の一部は、試料画像から適切に抽出される。
本実施形態の原理は、上述の波長範囲に限定されない。第1レーザ光源291、第2レーザ光源292及び第3レーザ光源293のうち1つは、0.35μm以上0.45μm以下の波長のレーザ光を出射してもよい。第1レーザ光源291、第2レーザ光源292及び第3レーザ光源293のうち他のもう1つは、0.60μm以上0.70μm以下の波長のレーザ光を出射してもよい。第1レーザ光源291、第2レーザ光源292及び第3レーザ光源293のうち残り1つは、0.73μm以上0.83μm以下の波長のレーザ光を出射してもよい。これらの波長帯が利用されるならば、半導体レーザを用いて試料画像が容易に生成される。
画像生成装置100Dは、集光レンズ321と透明基板322とを更に備える。集光レンズ321及び透明基板322は、図5に示される変換部120Bの一部として利用されてもよい。
集光レンズ321は、ミラー151と分波素子211との間に配置される。透明基板322は、集光レンズ321とミラー151との間に配置される。集光レンズ321は、第2分波光SDBを、透明基板322を通じてミラー151に集光する。透明基板322は、第2分波光SDBの収差を補正する。本実施形態において、集光レンズ321は、集光素子として例示される。透明基板322は、第2補正部として例示される。
ミラー151は、集光レンズ321によって集光された第2分波光SDBを反射し、第2反射光SRBを発散光として生成する。集光レンズ321は、第2反射光SRBを平行光にする。その後、第2反射光SRBは、分波素子211に入射する。
対物レンズ231は、カバーガラス253の厚さに起因する球面収差を補正するように予め設計されている。透明基板322は、カバーガラス253と同一の材料から形成されてもよい。代替的に、厚さと屈折率との積に比例する光学位相量が透明基板322とカバーガラス253との間で等しくなるように、透明基板322は設計される。集光レンズ321が対物レンズ231と同等の光学的特性を有するならば、集光レンズ321と対物レンズ231との間での収差の特性も同等になる。したがって、合波光MPBは、試料画像の生成に適した波面を有することができる。
集光レンズ321が、第2分波光SDBをミラー151上に集光し、第2反射光SRBが生成されるので、第2反射光SRBは、ミラー151の傾きの影響を受けにくくなる。したがって、合波光MPBの生成のための光学的設定は簡素化される。
<第6実施形態>
第4実施形態及び第5実施形態の原理は、試料からの反射光に応じて、試料画像を生成することを可能にする。試料を透過した透過光を用いて、試料画像が追加的に生成されるならば、観察者は試料画像から多くの情報を取得することができる。本実施形態において、反射光及び透過光を利用して試料画像を生成する画像生成装置が説明される。
図18は、第6実施形態の画像生成装置100Eの概略図である。図18を参照して、画像生成装置100Eが説明される。図18の実線の矢印は、光の伝搬を表す。図18の点線の矢印は、信号の伝達を表す。第4実施形態と第6実施形態との間で共通して用いられる符号は、当該共通の符号が付された要素が、第4実施形態と同一の機能を有することを意味する。したがって、第4実施形態の説明は、これらの要素に援用される。
第4実施形態と同様に、画像生成装置100Eは、レーザ光源111と、コリメータレンズ240と、光検出器131と、変調部150Cと、分波素子211と、ピンホール部材221Cと、検出レンズ222Cと、対物レンズ231と、補正素子232と、位置調整機構250と、を備える。画像生成装置100Eは、画像生成部140Eと、検出レンズ331と、ピンホール部材332と、光検出器333と、を更に備える。
対物レンズ231は、試料SMPに向けて第1分波光FDBを集光し、焦点FPを生成する。第1分波光FDBの一部は、第1反射光FRBとして対物レンズ231へ伝搬する。第1分波光FDBの他の一部は、透過光TMBとして試料SMP及びステージ251を透過し、検出レンズ331へ発散光として伝搬する。
ピンホール部材221Cと同様に、ピンホール部材332には、ピンホール334が形成される。ピンホール334の大きさは、第4実施形態に関連して説明されたピンホール223の大きさと同様の手法によって決定されてもよい。
検出レンズ331は、ピンホール334へ透過光TMBを集光する。ピンホール334を透過した透過光TMBは、光検出器333に入射する。光検出器333は、透過光TMBの光量に応じた検出信号を生成する。検出信号は、光検出器333から画像生成部140Eへ出力される。本実施形態において、光検出器333は、第2信号生成部として例示される。光検出器333が生成する検出信号は、第2検出信号として例示される。ピンホール部材332は、第2規定部として例示される。ピンホール334は、第2透過領域として例示される。検出レンズ331は、第2集光部として例示される。透過光TMBの光量に応じた検出信号を生成する光検出器333の信号処理は、第2信号生成工程として例示される。
画像生成部140Eは、光検出器131が出力した検出信号から、実質的に最大の光量を表す信号成分を抽出し、試料SMPの反射像を試料画像として生成する。加えて、画像生成部140Eは、光検出器333が生成した検出信号を用いて、試料SMPの透過像を試料画像として生成する。本実施形態の原理は、透過像と反射像とを個別に取得する装置と比べて、短時間で透過像と反射像とを得ることを可能にする。
図19は、画像生成部140Eとして例示される画像生成ユニット280Eの概略的なブロック図である。図18及び図19を参照して、画像生成ユニット280Eが説明される。
第4実施形態と同様に、画像生成ユニット280Eは、差分演算部282を備える。画像生成ユニット280Eは、第1入力部341と、第2入力部342と、画像信号生成部283Eと、出力部284Eと、を備える。画像信号生成部283Eは、反射像生成部343と、透過像生成部344と、合成像生成部345と、を備える。
光検出器131は、第1入力部341に検出信号を出力する。その後、検出信号は、差分演算部282によって差分演算処理を施与される。反射像生成部343は、差分演算処理後の検出信号から、実質的に最も大きな光量を表す信号成分を抽出し、試料SMPの反射像を表すデータを生成する。試料SMPの反射像を表すデータは、出力部284Eを通じて、ディスプレイ装置といった外部装置(図示せず)に出力される。
光検出器333は、第2入力部342に検出信号を出力する。その後、検出信号は、透過像生成部344に出力される。透過像生成部344は、検出信号に応じて、試料SMPの透過像を表すデータを生成する。試料SMPの透過像を表すデータは、出力部284Eを通じて、ディスプレイ装置といった外部装置(図示せず)に出力される。
試料SMPの反射像を表すデータは、反射像生成部343から合成像生成部345へも出力される。試料SMPの透過像を表すデータは、透過像生成部344から合成像生成部345へも出力される。合成像生成部345は、試料SMPの反射像を表すデータと試料SMPの透過像を表すデータとを用いて合成像を表すデータを生成する。合成像を表すデータは、出力部284Eを通じて、ディスプレイ装置といった外部装置(図示せず)に出力される。
図20は、画像生成工程(図3を参照して説明されたステップS140)における画像生成ユニット280Eの動作を表す概略的なフローチャートである。図3、図18乃至図20を参照して、画像生成ユニット280Eの動作が説明される。
(ステップS410)
図3を参照して説明された信号生成工程(ステップS130)の後、ステップS410が実行される。ステップS410において、画像生成ユニット280Eは、光検出器131、333から検出信号を受ける。第1入力部341が、光検出器131から検出信号を受けるならば、ステップS420が実行される。第2入力部342が、光検出器333から検出信号を受けるならば、ステップS450が実行される。
(ステップS420)
ステップS420において、検出信号は、第1入力部341から差分演算部282へ出力される。差分演算部282は、試料SMPが存在する条件下で出力された検出信号によって表されるデータから試料SMPの不存在下(又は、試料SMPの反射率が「0」である条件下)で取得され得るデータを差し引き、差分データを生成する。差分データは、差分演算部282から反射像生成部343へ出力される。その後、ステップS430が実行される。
(ステップS430)
ステップS430において、反射像生成部343は、差分データに応じて、試料SMPの反射像を表すデータを生成する。その後、ステップS440が実行される。
(ステップS440)
ステップS440において、反射像生成部343は、出力部284Eと合成像生成部345に試料SMPの反射像を表すデータを出力する。その後、ステップS470が実行される。
(ステップS450)
ステップS450において、透過像生成部344は、光検出器333からの検出信号に応じて、試料SMPの透過像を表すデータを生成する。その後、ステップS460が実行される。
(ステップS460)
ステップS460において、透過像生成部344は、出力部284Eと合成像生成部345に試料SMPの透過像を表すデータを出力する。その後、ステップS470が実行される。
(ステップS470)
ステップS470において、合成像生成部345は、試料SMPの反射像を表すデータと試料SMPの透過像を表すデータとを用いて合成像を生成する。その後、ステップS480が実行される。
(ステップS480)
ステップS480において、合成像生成部345は、出力部284Eに反射像と透過像とが合成された合成像を表すデータを出力する。この結果、観察者は、反射像と透過像とが合成された合成像を観察することができる。
本実施形態の原理によれば、試料SMPの反射像だけでなく透過像も得られる。したがって、観察者は、試料SMPの内部の情報を多く得ることができる。試料SMPの反射像は、試料SMPの内部の屈折率分布に関連づけられる情報を主に含む。一方、試料SMPの透過像は、試料SMPの内部の消衰係数分布に関連づけられる情報を主に含む。観察者は、これらの画像を用いて、試料SMPの内部に関する情報を適切に把握することができる。
試料SMPの透明度が高いならば、観察者は、一般的に、透過像から多くの情報を取得することができる。しかしながら、試料SMPが過度に厚い場合や試料SMPが光吸収率の高い領域(例えば、ニューロン)を包含している場合には、観察者は、透過像から多くの情報を引き出すことができないこともある。これらの場合において、反射像は、透過像が表現することができない多数の情報を包含することが多い。したがって、合成像生成部345が、反射像生成部343が生成した反射像のデータ及び透過像生成部344が生成した透過像のデータを用いて演算処理(足し算及び/又は引き算)を実行するならば、反射像及び透過像が含む情報をともに表現する合成画像が生成され得る。
検出レンズ331に代えて、複数のレンズ素子が組み合わされた集光部材が用いられてもよい。集光部材が、対物レンズ231及び検出レンズ222Cの光学的特性と整合するように設計されるならば、検出レンズ331と同様に、集光部材は、ピンホール部材332に光学的収差等の不要な光成分を除去させ、且つ、光学的分解能を高めて、試料SMPを透過した光から検出信号を光検出器333に生成させることができる。
<第7実施形態>
第5実施形態の原理は、第6実施形態の原理に組み合わされてもよい。本実施形態において、波長において互いに異なるレーザ光を用いて、反射像、透過像及びこれらの合成像を生成する画像生成装置が説明される。
図21は、第7実施形態の画像生成装置100Fの概略図である。図21を参照して、画像生成装置100Fが説明される。図21の実線の矢印は、光の伝搬を表す。図21の点線の矢印は、信号の伝達を表す。第5実施形態乃至第7実施形態との間で共通して用いられる符号は、当該共通の符号が付された要素が、第5実施形態又は第6実施形態と同一の機能を有することを意味する。したがって、第5実施形態又は第6実施形態の説明は、これらの要素に援用される。
第5実施形態と同様に、画像生成装置100Fは、第1レーザ光源291と、第2レーザ光源292と、第3レーザ光源293と、第1コリメータレンズ241と、第2コリメータレンズ242と、第3コリメータレンズ243と、第1ダイクロイックミラー311と、第2ダイクロイックミラー312と、集光レンズ321と、透明基板322と、を備える。第6実施形態と同様に、画像生成装置100Fは、光検出器131、333と、変調部150Cと、分波素子211と、ピンホール部材221C、332と、検出レンズ222C、331と、対物レンズ231と、補正素子232と、位置調整機構250と、を備える。画像生成装置100Fは、画像生成部140Fを更に備える。
第5実施形態と同様に、第1レーザ光源291は、第1レーザ光LB1を出射する。第2レーザ光源292は、第2レーザ光LB2を出射する。第3レーザ光源293は、第3レーザ光LB3を出射する。第1レーザ光LB1、第2レーザ光LB2及び第3レーザ光LB3は、波長において互いに異なる。第1レーザ光LB1、第2レーザ光LB2及び第3レーザ光LB3は、分波素子211に入射する。分波素子211は、第1レーザ光LB1、第2レーザ光LB2及び第3レーザ光LB3を第1分波光FDBと第2分波光SDBとに分波する。試料SMPは、第1分波光FDBの一部を反射し、第1反射光FRBを生成する。ミラー151は、第2分波光SDBを反射し、第2反射光SRBを生成する。分波素子211は、第1反射光FRBと第2反射光SRBとを合波し、合波光MPBを生成する。合波光MPBは、ピンホール部材221Cのピンホール223を透過し、光検出器131に入射する。光検出器131は、合波光MPBの光量に応じて、検出信号を生成する。光検出器131が生成する検出信号は、第1レーザ光LB1に由来する光量成分を表す信号と、第2レーザ光LB2に由来する光量成分を表す信号と、第3レーザ光LB3に由来する光量成分を表す信号と、を含む。これらの信号は、光検出器131から画像生成部140Fへ出力される。
第1分波光FDBの他の一部は、試料SMPを透過し、透過光TMBになる。第6実施形態と同様に、検出レンズ331は、透過光TMBをピンホール部材332のピンホール334に集光する。透過光TMBは、その後、光検出器333に入射する。光検出器333は、透過光TMBの光量に応じて、検出信号を生成する。光検出器333が生成する検出信号は、第1レーザ光LB1に由来する光量成分を表す信号と、第2レーザ光LB2に由来する光量成分を表す信号と、第3レーザ光LB3に由来する光量成分を表す信号と、を含む。これらの信号は、光検出器333から画像生成部140Fへ出力される。
画像生成部140Fは、光検出器131から出力された検出信号に応じて、第1レーザ光LB1の反射光に由来する試料画像と、第2レーザ光LB2の反射光に由来する試料画像と、第3レーザ光LB3の反射光に由来する試料画像と、を生成することができる。画像生成部140Fは、光検出器333から出力された検出信号に応じて、第1レーザ光LB1の透過光に由来する試料画像と、第2レーザ光LB2の透過光に由来する試料画像と、第3レーザ光LB3の透過光に由来する試料画像と、を生成することができる。加えて、画像生成部140Fは、これらの試料画像を合成し、合成画像を生成してもよい。したがって、観察者は、試料SMPに関して、様々な情報を取得することができる。
<第8実施形態>
第4実施形態乃至第7実施形態の原理は、位相変調に変位可能なミラーを利用する。代替的に、電気光学効果の下で、位相変調が行われてもよい。本実施形態において、電気光学効果を利用し、位相変調を行う画像生成装置が説明される。
図22は、第8実施形態の画像生成装置100Gの概略図である。図22を参照して、画像生成装置100Gが説明される。図22の実線の矢印は、光の伝搬を表す。図22の点線の矢印は、電気的な伝達経路を表す。第4実施形態と第8実施形態との間で共通して用いられる符号は、当該共通の符号が付された要素が、第4実施形態と同一の機能を有することを意味する。したがって、第4実施形態の説明は、これらの要素に援用される。
第4実施形態と同様に、画像生成装置100Gは、レーザ光源111と、コリメータレンズ240と、光検出器131と、画像生成部140と、分波素子211と、ピンホール部材221Cと、検出レンズ222Cと、対物レンズ231と、補正素子232と、位置調整機構250と、を備える。画像生成装置100Gは、変調部150Gを更に備える。変調部150Gは、反射膜154と、印加部155と、結晶素子156と、を含む。
結晶素子156は、入射端面157と、入射端面157とは反対側の反対面158と、を含む。反射膜154は、反対面158を覆う。入射端面157に第2分波光SDBが入射する。第2分波光SDBは、その後、結晶素子156内を伝搬する。反射膜154は、第2分波光SDBを反射し、第2反射光SRBを生成する。
結晶素子156は、LiNbO3、LiTaO3やPLZTといった透明な電気光学結晶であってもよい。結晶素子156は、Y軸方向において約1cmの長さであってもよい。結晶素子156は、Z軸方向において約2mmの厚さであってもよい。
結晶素子156内において、例えば、Y方向に電界が生ずるように、印加部155が、結晶素子156に電圧を印加すると、結晶素子156は、電気光学効果の下で、屈折率を変化させる。第4実施形態乃至第7実施形態の機械的な位相変調技術とは異なり、本実施形態は、電気光学的効果の下で位相を変調する。機械的な動作部位が少なくなるので、画像生成装置100Gは、長い寿命を有することができる。加えて、画像生成装置100Gは、構造的な安定性と高速の応答性能を有することができる。本実施形態において、変調部150Gは、反射機構として例示される。
第4実施形態と同様に、合波光MPBの光量が1周期に亘って変化する範囲内で、屈折率は変化されればよい。したがって、印加部155は、過度に高い電圧を結晶素子156に印加しなくともよい。或いは、結晶素子156は、Y方向に過度に長くなくともよい。結晶素子156として、LiNbO3が用いられ、且つ、印加部155が400Vの電圧を結晶素子156に印加するならば、2π(rad)の位相変調が引き起こされる。
<第9実施形態>
第6実施形態の原理は、第8実施形態の原理に組み合わされてもよい。本実施形態において、波長において互いに異なるレーザ光を用いて、反射像、透過像及びこれらの合成像を生成する画像生成装置が説明される。
図23は、第9実施形態の画像生成装置100Hの概略図である。図23を参照して、画像生成装置100Hが説明される。図23の実線の矢印は、光の伝搬を表す。図23の点線の矢印は、電気的な伝達経路を表す。第6実施形態、第8実施形態及び第9実施形態との間で共通して用いられる符号は、当該共通の符号が付された要素が、第6実施形態又は第8実施形態と同一の機能を有することを意味する。したがって、第6実施形態又は第8実施形態の説明は、これらの要素に援用される。
第6実施形態と同様に、画像生成装置100Hは、レーザ光源111と、コリメータレンズ240と、光検出器131と、分波素子211と、ピンホール部材221Cと、検出レンズ222Cと、対物レンズ231と、補正素子232と、位置調整機構250と、画像生成部140Eと、検出レンズ331と、ピンホール部材332と、光検出器333と、を備える。第8実施形態と同様に、画像生成装置100Hは、変調部150Gを更に備える。
対物レンズ231は、試料SMPに向けて第1分波光FDBを集光し、焦点FPを生成する。第1分波光FDBの一部は、第1反射光FRBとして対物レンズ231へ伝搬する。第1分波光FDBの他の一部は、透過光TMBとして試料SMP及びステージ251を透過し、検出レンズ331へ発散光として伝搬する。
検出レンズ331は、ピンホール334へ透過光TMBを集光する。ピンホール334を透過した透過光TMBは、光検出器333に入射する。光検出器333は、透過光TMBの光量に応じた検出信号を生成する。検出信号は、光検出器333から画像生成部140Eへ出力される。
画像生成部140Eは、光検出器131が出力した検出信号から、実質的に最大の光量を表す信号成分を抽出し、試料SMPの反射像を試料画像として生成する。加えて、画像生成部140Eは、光検出器333が生成した検出信号を用いて、試料SMPの透過像を試料画像として生成する。本実施形態の原理は、透過像と反射像とを個別に取得する装置と比べて、短時間で透過像と反射像とを得ることを可能にする。
第6実施形態の原理に従って、画像生成部140Eは、透過像と反射像とが合成された合成画像を生成してもよい。
本実施形態の原理によれば、試料SMPの反射像だけでなく透過像も得られる。したがって、観察者は、試料SMPの内部の情報を多く得ることができる。試料SMPの反射像は、試料SMPの内部の屈折率分布に関連づけられる情報を主に含む。一方、試料SMPの透過像は、試料SMPの内部の消衰係数分布に関連づけられる情報を主に含む。観察者は、これらの画像を用いて、試料SMPの内部に関する情報を適切に把握することができる。
試料SMPの透明度が高いならば、観察者は、一般的に、透過像から多くの情報を取得することができる。しかしながら、試料SMPが過度に厚い場合や試料SMPが光吸収率の高い領域(例えば、ニューロン)を包含している場合には、観察者は、透過像から多くの情報を引き出すことができないこともある。これらの場合において、反射像は、透過像が表現することができない多数の情報を包含することが多い。したがって、反射像のデータ及び透過像のデータを用いて演算処理(足し算及び/又は引き算)が実行されるならば、反射像及び透過像が含む情報をともに表現する合成画像が生成され得る。
検出レンズ331に代えて、複数のレンズ素子が組み合わされた集光部材が用いられてもよい。集光部材が、対物レンズ231及び検出レンズ222Cの光学的特性と整合するように設計されるならば、検出レンズ331と同様に、集光部材は、ピンホール部材332に不要な光成分を除去させ、且つ、光学的分解能を高めて、試料SMPを透過した光から検出信号を光検出器333に生成させることができる。
上述の様々な実施形態の原理は、適切に組み合わされてもよい。当業者は、上述の様々な実施形態の開示に基づいて、様々な画像生成技術を構築可能である。本発明者等が案出した技術的概念は、上記開示によって包含される様々な技術を含むので、本出願に係る技術的思想は、上述の実施形態の特定の構造、部品や配置に何ら限定されない。例えば、上述の実施形態で用いられた対物レンズ、コリメータレンズや検出レンズといった用語は、説明の明瞭化を目的として用いられている。本出願に係る技術的思想は、対物レンズ、コリメータレンズや検出レンズに代用可能なレンズ素子の利用も包括する。上述の実施形態において、透明性の高い試料として、生体細胞が例示されている。しかしながら、本出願に係る技術的思想は、透明性の高い他の試料又は反射率の低い他の試料にも適用可能である。したがって、本出願に係る技術的思想は、画像生成技術の目的によって何ら限定されない。
上述の様々な実施形態に関連して説明された例示的な画像生成技術は、以下の特徴を主に備える。
上述の実施形態の一局面に係る画像生成装置は、試料を表す試料画像を生成する。画像生成装置は、レーザ光を出射するレーザ光源部と、前記レーザ光を、前記試料からの反射によって生成された反射光及び前記レーザ光の位相を変調することによって生成された参照光が合波された合波光へ変換する変換部と、前記合波光の光量に応じた第1検出信号を生成する第1信号生成部と、前記試料画像を生成する画像生成部と、前記位相を変調し、前記合波光の前記光量の周期的な変化を生じさせる変調部と、を備える。前記第1検出信号は、前記周期的な変化が増加から減少へ転ずることを表す信号成分を含む。前記画像生成部は、前記信号成分を用いて前記試料画像を生成する。
上記構成によれば、画像生成部が、周期的な変化が増加から減少へ転ずることを表す信号成分を用いて試料画像を生成するので、観察者は、レーザ光のパワーを過度に高くすることなしに明るい試料画像を観察することができる。
上記構成において、前記変換部は、前記レーザ光を、前記反射光の生成に利用される第1分波光と前記参照光の生成に利用される第2分波光とに分波する分波部と、前記第1分波光を前記試料へ集光する対物レンズと、を含んでもよい。前記試料は、平均屈折率nを有してもよい。前記合波光は、波長λを有してもよい。前記対物レンズは、開口数NAを有してもよい。前記開口数NAは、NA>(0.186111nλ−0.00865934λ2)0.5で表される関係を満たしてもよい。
上記構成によれば、開口数NAは、NA>(0.186111nλ−0.00865934λ2)0.5で表される関係を満たすので、第1分波光の光路に沿う方向における高い分解能が達成される。
上記構成において、前記変調部は、前記第2分波光を反射し、前記参照光を生成する反射部と、前記反射部を前記第2分波光の光路に沿って変位させ、前記周期的な変化を引き起こす変位機構と、を含んでもよい。
上記構成によれば、変位機構は、反射部を第2分波光の光路に沿って変位させるので、第2分波光の光路長は適切に調整される。したがって、反射部の変位の間、合波光の光量は、周期的に変化することとなる。
上記構成において、前記合波光の前記光量が、1周期に亘って変化する区間内で、前記変位機構は、前記反射部を変位させてもよい。
上記構成によれば、反射部の変位長は、合波光の光量が1周期に亘って変化する区間長に相当するので、変位機構は、反射部を過度に長い距離に亘って変位させなくともよい。したがって、画像生成装置は、試料画像を効率的に生成することができる。
上記構成において、前記変調部は、電気光学効果の下で変化する屈折率を有し、且つ、前記第2分波光を反射することにより前記参照光を生成する反射機構を含んでもよい。前記反射機構は、前記屈折率を変化させ、前記周期的な変化を引き起こしてもよい。
上記構成によれば、反射機構は、電気光学効果を利用して屈折率を変化させるので、反射機構は、機械的な運動なしで、第2分波光の位相を適切に変化させることができる。したがって、反射機構が屈折率を変化させている間、合波光の光量は、周期的に変化することとなる。
上記構成において、前記光量が、1周期に亘って変化する範囲内で、前記反射機構は、前記屈折率を変化させてもよい。
上記構成によれば、反射機構は、合波光の光量が、1周期に亘って変化する範囲内で、屈折率を変化させるので、反射機構は、低い電気エネルギの消費の下で、第2分波光の位相を変化させることができる。したがって、画像生成装置は、試料画像を効率的に生成することができる。
上記構成において、前記変換部は、前記試料と、前記対物レンズが生成した焦点と、の間の相対的な位置関係を前記第1分波光の光路に沿う方向に調整する位置調整部を含んでもよい。
上記構成によれば、位置調整部は、試料と、対物レンズが生成した焦点と、の間の相対的な位置関係を第1分波光の光路に沿う方向に調整するので、観察者は、所望の深さ位置における試料の画像を観察することができる。
上記構成において、前記変換部は、前記第1分波光の球面収差を補正する第1補正部を含んでもよい。前記第1補正部は、前記位置関係に応じて、前記球面収差を補正してもよい。
上記構成によれば、第1補正部は、試料と焦点との位置関係に応じて、球面収差を補正するので、試料の観察に適した焦点が形成される。
上記構成において、前記変換部は、前記第2分波光を前記変調部へ集光する集光素子を含んでもよい。
上記構成によれば、集光素子は、第2分波光を変調部へ集光するので、変調部の傾きは、参照光の生成に影響しにくくなる。
上記構成において、前記変換部は、前記集光素子と前記変調部との間で収差を補正する第2補正部を含んでもよい。
上記構成によれば、第2補正部は、集光素子と変換部との間で収差を補正するので、合波光の波面は、試料画像の生成に適したものとなる。
上記構成において、前記分波部は、前記反射光と前記参照光とを合波し、前記合波光を生成してもよい。前記変換部は、前記合波光が透過する第1透過領域を規定する第1規定部と、前記第1透過領域に前記合波光を集光する第1集光部と、を含んでもよい。前記第1検出信号は、前記第1透過領域を通過した前記合波光の前記光量を表してもよい。
上記構成によれば、第1規定部は、合波光が透過する第1透過領域を規定するので、第1信号生成部は、試料画像の生成に適した合波光の成分を選択的に受けることができる。
上記構成において、前記合波光は、0次干渉光と、前記0次干渉光よりも高次の高次干渉光を含んでもよい。前記第1信号生成部が前記信号成分を生成している間、前記第1透過領域を透過する前記0次干渉光の光量は、前記高次干渉光の光量よりも大きくてもよい。
上記構成によれば、第1信号生成部は、試料画像の生成に適した合波光の0次干渉光を選択的に受けることができる。
上記構成において、前記対物レンズは、焦点距離fを有してもよい。前記第1透過領域は、穴径dを有するピンホールであってもよい。前記第1集光部は、焦点距離f1を有するレンズ部材であってもよい。前記穴径dは、数12で満たされる関係を満たしてもよい。
上記構成によれば、上記の数式で表される関係が満たされるので、高い干渉性を有する合波光が生成される。
上記構成において、画像生成装置は、前記試料を透過した透過光の光量に応じた第2検出信号を生成する第2信号生成部を更に備えてもよい。前記画像生成部は、前記信号成分を用いて、前記試料の反射像を前記試料画像として生成し、且つ、前記第2検出信号を用いて、前記試料の透過像を前記試料画像として生成してもよい。
上記構成によれば、観察者は、試料の反射像だけでなく、試料の透過像をも観察することができる。
上記構成において、前記画像生成部は、前記信号成分と前記第2検出信号とを用いて、前記反射像及び前記透過像が合成された合成画像として前記試料画像を生成してもよい。
上記構成によれば、観察者は、反射像及び透過像が合成された合成画像を観察することができる。
上記構成において、画像生成装置は、前記透過光が透過する第2透過領域を規定する第2規定部と、前記第2透過領域に前記透過光を集光する第2集光部と、を更に備えてもよい。前記第2検出信号は、前記第2透過領域を透過した前記透過光の前記光量を表してもよい。
上記構成によれば、第2規定部は、透過光が透過する第1透過領域を規定するので、第2信号生成部は、透過像の生成に適した透過光の成分を選択的に受けることができる。
上記構成において、前記レーザ光源部は、前記レーザ光として第1レーザ光を出射する第1レーザ光源と、前記レーザ光として、前記第1レーザ光とは波長において異なる第2レーザ光を出射する第2レーザ光源と、を含んでもよい。前記第1検出信号は、前記第1レーザ光に対応する第1信号と、前記第2レーザ光に対応する第2信号と、を含んでもよい。前記画像生成部は、前記第1信号と前記第2信号とから前記試料画像を複数生成してもよい。
上記構成によれば、第2レーザ光は、第1レーザ光とは波長において相違するので、第2レーザ光の色相は、第1レーザ光の色相と相違する。したがって、試料画像は、複数種の色相を用いて、試料を表現することができる。
上記構成において、前記レーザ光源部は、前記レーザ光として、赤色レーザ光を出射する赤色レーザ光源と、前記レーザ光として、緑色レーザ光を出射する緑色レーザ光源と、前記レーザ光として、青色レーザ光を出射する青色レーザ光源と、を含んでもよい。前記第1検出信号は、前記赤色レーザ光に対応する赤色信号と、前記緑色レーザ光に対応する緑色信号と、前記青色レーザ光に対応する青色信号と、を含んでもよい。前記画像生成部は、前記赤色信号、前記緑色信号及び前記青色信号から前記試料画像を複数生成してもよい。
上記構成によれば、試料画像は、赤、緑及び青の色相を用いて、試料を表現することができる。
上記構成において、前記赤色レーザ光は、波長λ1を有してもよい。前記緑色レーザ光は、波長λ2を有してもよい。前記青色レーザ光は、波長λ3を有してもよい。前記波長λ1は、0.60μm≦λ1≦0.64μmで表される関係を満たしてもよい。前記波長λ2は、0.50μm≦λ2≦0.54μmで表される関係を満たしてもよい。前記波長λ3は、0.44μm≦λ3≦0.48μmで表される関係を満たしてもよい。
上記構成によれば、試料画像は、赤、緑及び青の色相を用いて、試料を表現することができる。
上述の実施形態の他の局面に係る画像生成方法は、試料を表す試料画像を生成するために利用可能である。画像生成方法は、レーザ光を出射する出射工程と、前記レーザ光を、前記試料からの反射によって生成された反射光及び前記レーザ光の位相を変調することによって生成された参照光が合波された合波光へ変換する変換工程と、前記合波光の光量に応じた第1検出信号を生成する第1信号生成工程と、前記試料画像を生成する画像生成工程と、を備える。前記変換工程は、前記位相を変調し、前記光量の周期的な変化を生じさせる段階を含む。前記第1信号生成工程は、前記周期的な変化が増加から減少へ転ずることを表す信号成分を生成する段階を含む。前記画像生成工程は、前記信号成分を用いて前記試料画像を生成する段階を含む。
上記構成によれば、試料画像は、周期的な変化が増加から減少へ転ずることを表す信号成分を用いて生成されるので、観察者は、レーザ光のパワーを過度に高くすることなしに明るい試料画像を観察することができる。
上記構成において、前記変換工程は、前記レーザ光を、前記反射光の生成に利用される第1分波光と、前記参照光の生成に利用される第2分波光と、に分波する段階と、前記第1分波光を、前記試料に向けて集光し、焦点を作り出す段階と、前記試料と前記焦点の位置関係を、前記第1分波光の光路の方向に調整する段階と、前記第1分波光の球面収差を前記位置関係に応じて補正する段階と、を含んでもよい。
上記構成によれば、球面収差は、試料と焦点との位置関係に応じて補正されるので、試料の観察に適した焦点が形成される。
上記構成において、画像生成方法は、前記試料を透過した前記第1分波光の光量に応じた第2検出信号を生成する第2信号生成工程を更に備えてもよい。前記画像生成工程は、前記信号成分と前記第2検出信号とを用いて前記試料画像を生成する段階を含んでもよい。
上記構成によれば、観察者は、試料からの反射光及び試料を透過した透過光によって表現される試料画像を観察することができる。
上記構成において、前記画像生成工程は、前記試料の不存在下での前記信号成分と、前記試料の存在下での前記信号成分と、の間の差に基づいて、前記試料画像を生成してもよい。
上記構成によれば、試料画像は高いコントラストを有することになる。