JPWO2014061348A1 - 熱硬化性組成物 - Google Patents

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Abstract

高透明性、耐スパッタリング性、及び耐熱性に優れ、クラックを生じず、かつ塗布または印刷により10〜200μmの厚みの硬化膜を得ることができる材料、及びそれを用いた硬化膜及び表示素子を提供する。具体的には、シロキサンポリマーと溶剤を含有する熱硬化性組成物であって、前記シロキサンポリマーが、下記一般式(1)で表される1官能シランと下記一般式(2)で表される3官能シランを含有するシラン混合物を反応させることによって得られるシロキサンポリマー(A)を、シロキサンポリマーの総量に対して90重量%以上含有し、前記一般式(2)で表される3官能シランとして、Rが、任意の水素がハロゲンで置き換えられてもよい炭素数6〜10のアリールである3官能シランを含み、その割合が、3官能シラン全量に対して30モル%以上である、熱硬化性組成物。[式(1)〜(2)中、Rはそれぞれ独立して、例えばアルキルであり、R’はそれぞれ独立して、加水分解性基である。]

Description

本発明は、保護膜等の硬化膜に用いることができる熱硬化性組成物に関する。
液晶表示素子等の素子の製造工程では、製造途中の表示素子の表面を、有機溶剤、酸、アルカリ溶液等の種々の薬品で処理したり、スパッタリングにより配線電極を成膜する際に局部的に高温に加熱することがある。そのため、各種の素子の表面の劣化、損傷、変質を防止する目的で表面保護膜を設ける場合がある。この保護膜には、上記のような製造工程での各種処理に耐えることができる諸特性が要求される。具体的には、耐熱性、耐溶剤性、耐酸性、耐アルカリ性等の耐薬品性、耐水性、ガラス等の下地基板への密着性、透明性、耐傷性、塗布性、印刷性、平坦性、長期に亘って着色等の変質が起こらない耐候性等が要求される。このような特性を持つ硬化膜を形成するための材料として、シロキサン系材料が知られている(例えば、特許文献1〜4参照)。
さらに、近年、200℃以上の高い耐熱性、10μm以上の膜厚(厚膜)でも高透明性等の、新たな特性を有するシロキサン系材料の研究開発が盛んに行われている。以前、本発明者等は、高透明性及び耐熱性に優れ、クラックを生じず、かつ塗布により10〜200μmの厚みの硬化膜をも得ることができる材料を発明した(特許文献5)。
1官能シランと3官能シランを含有するシラン混合物を加水分解および縮合させることによって得られるシロキサンポリマーの組成は公知である(特許文献6)。しかし、そのシロキサンポリマーの組成自体は知られているものの、その組成物を硬化膜にした際の耐熱性・透明性・耐スパッタリング性については記載されておらず、不明である。
特開平6−346025号公報 特開2000−303023号公報 特開2001−115026号公報 特開2003−031569号公報 特開2011−084639号公報 特公昭49−45320号公報
特許文献5で示す熱硬化性組成物は、耐スパッタリング性に改善の余地があるということが新たに分かった。液晶表示素子等の素子の製造において、スパッタリングにより配線電極を成膜する工程が含まれることがあるため、耐スパッタリング性は重要な特性であるといえる。
本発明は、高透明性、耐熱性に加え、耐スパッタリング性にも優れ、クラックを生じず、かつ塗布により10〜200μmの厚みの硬化膜をも得ることができる材料、及びそれを用いた硬化膜及び表示素子を提供する。
本発明者等は、上記の問題点を克服すべく種々検討した結果、特定のシロキサンモノマーからなるポリマーを特定量で含有する組成物が、上記の課題を解決することができることを見いだし、本発明を完成するに至った。すなわち、本発明者は鋭意研究開発を進めた結果、特許文献5に記載の特性に加え、耐スパッタリング性をも有する材料の開発に成功した。
本発明は以下の構成を有する。
[1]シロキサンポリマーと溶剤を含有する熱硬化性組成物であって、前記シロキサンポリマーが、下記一般式(1)で表される1官能シランと下記一般式(2)で表される3官能シランを含有するシラン混合物を反応させることによって得られるシロキサンポリマー(A)を、シロキサンポリマーの総量に対して90重量%以上含有し、下記一般式(2)で表される3官能シランとして、Rが、任意の水素がハロゲンで置き換えられてもよい炭素数6〜10のアリールである3官能シランを含み、その割合が、3官能シラン全量に対して30モル%以上である、熱硬化性組成物。
Figure 2014061348
Figure 2014061348

(式(1)〜(2)中、Rはそれぞれ独立して、水素、任意の水素がハロゲンで置き換えられてもよい炭素数1〜10のアルキル、任意の水素がハロゲンで置き換えられてもよい炭素数6〜10のアリール、又は任意の水素がハロゲンで置き換えられてもよい炭素数2〜10のアルケニルであり、R’はそれぞれ独立して、加水分解性基である。)
[2]一般式(1)〜(2)において、Rがそれぞれ独立して、水素、任意の水素がハロゲンで置き換えられてもよい炭素数1〜5のアルキル、任意の水素がハロゲンで置き換えられてもよい炭素数6〜10のアリール、又は任意の水素がハロゲンで置き換えられてもよい炭素数2〜10のアルケニルであり、R’がそれぞれ独立して、アルコキシ、ハロゲン、又はアセトキシルである、[1]に記載の熱硬化性組成物。
[3]一般式(1)で表される1官能シランがトリメチルメトキシシラン及びトリメチルエトキシシランからなる群から選ばれる一以上である、[1]または[2]に記載の熱硬化性組成物。
[4]一般式(2)で表される3官能シランが、トリメトキシフェニルシラン及びトリエトキシフェニルシランから選ばれる一以上と、トリメトキシメチルシラン、及びトリエトキシメチルシランから選ばれる一以上との混合物である、[1]〜[3]のいずれか一項に記載の熱硬化性組成物。
[5]一般式(1)で表される1官能シランがトリメチルメトキシシランであり、一般式(2)で表される3官能シランがトリメトキシメチルシランとトリメトキシフェニルシランの混合物である、[1]〜[4]のいずれか一項に記載の熱硬化性組成物。
[6]シロキサンポリマー(A)におけるフェニルとメチルの数の比が、1.0〜3.0である、[5]に記載の熱硬化性組成物。
[7][1]〜[6]のいずれか一項に記載の熱硬化性組成物を200℃以上で熱硬化させて得られた、膜厚10〜200μmの硬化膜。
[8][7]に記載の硬化膜を有する表示素子。
本発明の熱硬化性組成物は、高透明性、耐熱性に優れるばかりでなく耐スパッタリング性にも優れる硬化膜を得ることができる。本発明の熱硬化性組成物から得られる硬化膜は、厚膜(膜厚が10〜200μm)とした場合でも、クラックを生じることがない。また本発明によれば、このような硬化膜、及びそれを有する表示素子を提供することができる。
1 本発明の熱硬化性組成物
本発明の熱硬化性組成物は、シロキサンポリマーと溶剤を含有する熱硬化性組成物であって、前記シロキサンポリマーが、下記一般式(1)で表される1官能シランと一般式(2)で表される3官能シランを含有するシラン混合物を反応させることによって得られるシロキサンポリマー(A)を、シロキサンポリマーの総量に対して90重量%以上含有する。また本発明の熱硬化性組成物は、本発明の効果が得られる範囲において、シロキサンポリマー(A)及び溶剤以外の他の成分をさらに含有していてもよい。
本発明の熱硬化性組成物におけるシロキサンポリマー(A)の含有量は、硬化膜の膜厚を10μm以上にする観点から、熱硬化性組成物全量に対して、シロキサンポリマー(A)の総量が20〜80重量%であることが好ましく、30〜80重量%であることがより好ましく、40〜80重量%であることがさらに好ましい。
1−1 シロキサンポリマー(A)
前記シロキサンポリマー(A)は、一般式(1)で表される1官能シランと、一般式(2)で表される3官能シランを含有するシラン混合物を反応させることによって得られる。一般式(1)で表される1官能シラン及び一般式(2)で表される3官能シランの好ましい混合割合(モル比)は、一般式(1)で表される1官能シランの1モルに対して、一般式(2)で表される3官能シランが、耐スパッタリング性及び耐クラック性の観点から、1〜20モルであり、より好ましくは1〜15モルであり、さらに好ましくは1〜10モルである。
1−2 一般式(1)で表される1官能シラン
下記一般式(1)で表される1官能シランにおいて、Rはそれぞれ独立して、水素、任意の水素がハロゲンで置き換えられてもよい炭素数1〜10のアルキル、任意の水素がハロゲンで置き換えられてもよい炭素数6〜10のアリール、又は任意の水素がハロゲンで置き換えられてもよい炭素数2〜10のアルケニルであり、R’はそれぞれ独立して、加水分解性基である。
Figure 2014061348
上記式(1)において、Rはそれぞれ独立して、水素、任意の水素がハロゲンで置き換えられてもよい炭素数1〜5のアルキル、任意の水素がハロゲンで置き換えられてもよい炭素数6〜10のアリール、又は任意の水素がハロゲンで置き換えられてもよい炭素数2〜10のアルケニルであり、R’がそれぞれ独立して、アルコキシ、ハロゲン、又はアセトキシルであることがより好ましい。前記ハロゲンとしては、塩素またはフッ素が好ましい。
これらのうち、Rはそれぞれ独立して、メチル、エチルまたはフェニルであり、R’はそれぞれ独立して、メトキシ又はエトキシであることがより好ましい。
一般式(1)で表される1官能シランとしては、例えば、トリメチルメトキシシラン及びトリメチルエトキシシランが挙げられる。これらの1官能シランは、得られる熱硬化性組成物の分子量制御に機能する観点から好ましい。
1−3 一般式(2)で表される3官能シラン
下記一般式(2)で表される3官能シランにおいて、Rはそれぞれ独立して、水素、任意の水素がハロゲンで置き換えられてもよい炭素数1〜10のアルキル、任意の水素がハロゲンで置き換えられてもよい炭素数6〜10のアリール、又は任意の水素がハロゲンで置き換えられてもよい炭素数2〜10のアルケニルであり、R’はそれぞれ独立して、加水分解性基である。
また、一般式(2)で表される3官能シランのうち、そのRが、任意の水素がハロゲンで置き換えられてもよい炭素数6〜10のアリールである3官能シランの割合が、3官能シラン全量に対して30モル%以上である。
Rが上記特定のアリールである3官能シランの割合が、3官能シラン全量に対して40モル%以上であることがより好ましく、45モル%以上であることがより好ましい。
一方、このRが上記特定のアリールである3官能シランの割合が、3官能シラン全量に対して70モル%以下であることが好ましく、60モル%以下であることがより好ましく、55モル%以下であることが特に好ましい。
Figure 2014061348
上記式(2)において、Rはそれぞれ独立して、水素、任意の水素がハロゲンで置き換えられてもよい炭素数1〜5のアルキル、任意の水素がハロゲンで置き換えられてもよい炭素数6〜10のアリール、又は任意の水素がハロゲンで置き換えられてもよい炭素数2〜10のアルケニルであり、R’がそれぞれ独立して、アルコキシ、ハロゲン、又はアセトキシルであることがより好ましい。前記ハロゲンとしては、塩素またはフッ素が好ましい。
これらのうち、Rはそれぞれ独立して、メチル、エチルまたはフェニルであり、R’はそれぞれ独立して、メトキシ又はエトキシであることがより好ましい。
ここで、一般式(2)で表される3官能シランとしては、Rが炭素数1〜5の無置換のアルキルである化合物とRが炭素数6〜10の無置換のアリールである化合物を混合して使用すると、耐クラック性の観点から好ましい。Rが炭素数1〜5の無置換のアルキルである化合物及びRが炭素数6〜10の無置換のアリールである化合物の混合比率(モル比)はRが炭素数1〜5の無置換のアルキルである化合物を1モルに対して、Rが炭素数6〜10の無置換のアリールである化合物を0.1〜10モルであり、より好ましくは0.2〜5モルであり、さらに好ましくは0.3〜3モルである。
このときのアルキルとしては、メチルまたはエチルであることが好ましく、アリールとしてはフェニルであることがより好ましい。
そのような一般式(2)で表される3官能シランとしては、例えば、トリメトキシメチルシラン、トリメトキシフェニルシラン、トリエトキシメチルシラン、及びトリエトキシフェニルシランが挙げられる。
これらの3官能シランは、得られる熱硬化性組成物から形成される硬化膜において、膜の緻密性を向上させる観点から好ましい。
一般式(2)で表される3官能シランについて、上記の特定のアリールをRとして有する3官能シランの割合が、3官能シラン全量に対して上記特定の割合を満たすために、これらの3官能シランのうち、トリメトキシフェニルシラン及びトリエトキシフェニルシランから選ばれる一以上を含むことが好ましい。
これらのトリメトキシフェニルシラン及びトリエトキシフェニルシランから選ばれる一以上の含有量は、3官能シラン全量に対して30モル%以上であることが好ましく、40モル%以上であることがより好ましく、45モル%以上であることがより好ましい。
一方、これらのトリメトキシフェニルシラン及びトリエトキシフェニルシランの少なくともいずれか一方の含有量は、3官能シラン全量に対して70モル%以下であることが好ましく、60モル%以下であることがより好ましく、55モル%以下であることが特に好ましい。
一般式(2)で表される3官能シランについて、上記の特定のアリールをRとして有さないものとして好ましいのは、トリメトキシメチルシランおよびトリエトキシメチルシランから選ばれる1以上である。
上記の通り、シロキサンポリマー(A)は、一般式(1)で表される1官能シランと、一般式(2)で表される3官能シランを含有するシラン混合物を反応させることによって得られる。
シロキサンポリマー(A)において、一般式(1)で表される1官能シランのRと、一般式(2)で表される3官能シランのRに起因して、メチルとフェニルの両方がポリマー(A)に含まれる場合、作製されたシロキサンポリマー(A)におけるフェニルに対するメチルの数の比が1.0〜3.0であることが好ましく、1.0〜2.5であることがより好ましい。
フェニルに対するメチルの数の比が1.0以上であると、熱硬化性組成物の高い耐熱性(250℃、30分)を確保できる。また、フェニルに対するメチルの数の比が3.0以下であることで、シロキサンポリマーがゲル化することを防ぐことができる。
このとき、一般式(1)で表される1官能シランと、一般式(2)で表される3官能シランのRの総数のうち、メチル及びフェニルの占める割合が50%以上であることが好ましく、80%以上であることがより好ましく、100%であることがより好ましい。
メチル及びフェニル以外のRとしては、例えばエチル、プロピル、ブチル、シクロペンタン、シクロヘキシルが例示できる。
なお、シロキサンポリマー(A)における、フェニルに対するメチルの数の比は、例えばNMR(核磁気共鳴)を用いた測定法により測定することができる。
1−4 その他のシラン化合物
シロキサンポリマー(A)の原料となるシラン混合物中には、本発明の効果を妨げない範囲で、他のシランが含まれてもよい。
シロキサンポリマー(A)の原料となるシラン混合物中に、一般式(1)で表される1官能シラン及び一般式(2)で表される3官能シラン以外に含まれてもよい成分として、慣用のシラン化合物が挙げられる。そのような慣用のシラン化合物を用いる場合、シロキサンポリマー(A)の原料となるシラン混合物中での慣用のシラン化合物の含有量は、通常1〜10重量%である。
1−5 シロキサンポリマー(A)の製造方法
シロキサンポリマー(A)は、前記一般式(1)で表される1官能シランと一般式(2)で表される3官能シランを反応させることによって得られる。ここでいう反応とは具体的には下記のように加水分解および縮合させることを含む。シロキサンポリマー(A)の反応方法は特に制限されないが、上記シラン類を加水分解および縮合させて作ることが可能である。加水分解には水と、酸あるいは塩基触媒を用いることができる。酸触媒としては、ギ酸、酢酸、トリフルオロ酢酸、硝酸、硫酸、塩酸、フッ酸、ホウ酸、リン酸、陽イオン交換樹脂等、また塩基触媒としてはアンモニア、トリエチルアミン、モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミン、水酸化ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、水酸化カリウム、陰イオン交換樹脂等が挙げられる。反応温度は特に限定されないが、通常50℃〜150℃の範囲である。反応時間も特に限定されないが、通常1〜48時間の範囲である。また、当該反応は、加圧、減圧又は大気圧のいずれの圧力下でも行うことができる。反応後は、シロキサンポリマー(A)を安定化させるために、留去により低分子量成分を除去するのが好ましい。留去は減圧でも常圧でも可能で、常圧では留去温度は通常100℃〜200℃程度である。
上記の反応に使用する溶剤は、前記シラン類及び生成するシロキサンポリマー(A)を溶解する溶剤が好ましい。前記溶剤は一種でも二種以上の混合溶剤であってもよい。当該溶剤の具体例は、メタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、2−ブタノール、イソブタノール、tert−ブタノール、アセトン、2−ブタノン、酢酸エチル、酢酸プロピル、酢酸ブチル、テトラヒドロフラン、アセトニトリル、ジオキサン、トルエン、キシレン、シクロペンタノン、シクロヘキサノン、エチレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールメチルエチルエーテル、3−メトキシプロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオン酸エチル等が挙げられる。
シロキサンポリマー(A)は、ポリスチレンを標準としたGPC分析で求めた重量平均分子量が1,000〜100,000の範囲であると、得られる熱硬化性組成物から形成される硬化膜において、耐熱性及び耐溶剤性を高める観点から好ましい。さらに、重量平均分子量が1,500〜80,000の範囲であると、他成分との相溶性を向上させ、得られる熱硬化性組成物から形成される硬化膜において、膜の白化を抑制し、かつ膜の表面の荒れを抑制する観点から一層好ましい。同様の理由により、重量平均分子量が2,000〜50,000の範囲であると、特に一層好ましい。
なお、本発明において、重量平均分子量は、標準のポリスチレンには重量平均分子量が645〜132,900のポリスチレン(例えば、VARIAN社のポリスチレンキャリブレーションキットPL2010−0102)、カラムにはPLgel MIXED−D(VARIAN社)を用い、移動相としてTHFを使用してGPCで測定することができる。
1−6 溶剤
本発明で用いられる溶剤は、沸点が100〜300℃である溶剤を20重量%以上含有する混合溶剤であってもよい。混合溶剤における、沸点が100〜300℃である溶剤以外の溶剤には、公知の溶剤の一又は二以上を用いることができる。溶剤の含有量は、熱硬化性組成物全量に対して、20〜80重量%であることが好ましく、20〜70重量%であることがより好ましく、20〜50重量%であることがさらに好ましい。
本発明で用いられる溶剤として、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、3−メトキシプロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオン酸エチル、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノブチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジエチレングリコールメチルエチルエーテル、乳酸エチルおよび酢酸ブチルから選ばれる少なくとも1つを用いると、塗布均一性が高くなる(硬化膜の塗布ムラ、ピンホールが低減する)のでより好ましい。
1−7 その他の成分
本発明の熱硬化性組成物において、シロキサンポリマー(A)、溶剤以外にその他の成分が含まれてもよい。その他の成分としては、例えば、シロキサンポリマー(A)以外のシロキサンポリマー(その他のシロキサンポリマー)、界面活性剤、エポキシ樹脂、エポキシ硬化剤、メラミン化合物もしくはビスアジド化合物等の熱架橋剤、酸化防止剤、アクリル系、スチレン系、ポリエチレンイミン系もしくはウレタン系の高分子分散剤、シランカップリング剤等の密着性向上剤、アルコキシベンゾフェノン類等の紫外線吸収剤が挙げられる。前記他の成分は全体で一種でも二種以上でも添加してもよく、またそれぞれにおいても一種でも二種以上でもよい。
1−7−1 その他のシロキサンポリマー
本発明の熱硬化性組成物は、種々の性能を向上させるために、その他のシロキサンポリマーをさらに含有してもよい。このようなその他のシロキサンポリマーとしては、慣用のシロキサンポリマーを、本発明の効果を損なわない範囲の慣用の含有量の範囲で用いることができる。なお、本発明の熱硬化性組成物に含有させるシロキサンポリマーのうち、シロキサンポリマー(A)が占める割合は、90重量%以上であり、95重量%以上であることがより好ましく、99重量%以上であることが特に好ましい。
本発明の熱硬化性組成物には、その他のポリマーとして下記式(3)で表される2官能シランや下記式(4)で表される4官能シランを反応(加水分解及び縮合)させることによって得られるシロキサンポリマーは、耐クラック性を良好にする観点から添加しないことが好ましい。
Figure 2014061348

Figure 2014061348
上記式(3)及び(4)において、Rはそれぞれ独立して、水素、任意の水素がハロゲンで置き換えられてもよい炭素数1〜10のアルキル、任意の水素がハロゲンで置き換えられてもよい炭素数6〜10のアリール、又は任意の水素がハロゲンで置き換えられてもよい炭素数2〜10のアルケニルであり、R’はそれぞれ独立して、加水分解性基である。
1−7−2 界面活性剤
本発明の熱硬化性組成物は、塗布均一性や、成膜を印刷方法で行う場合の印刷後のレベリング性をさらに向上させる観点から、界面活性剤をさらに含有してもよい。このような観点から、界面活性剤を含有する場合、その含有量は、熱硬化性組成物全量に対して、0.01〜10重量%であることが好ましく、0.05〜8重量%であることがより好ましく、0.1〜5重量%であることがさらに好ましい。
このような界面活性剤としては、ポリフローNo.45、ポリフローKL−245、ポリフローNo.75、ポリフローNo.90、ポリフローNo.95(以上いずれも商品名、共栄社化学工業株式会社)、ディスパーベイク(Disperbyk)161、ディスパーベイク162、ディスパーベイク163、ディスパーベイク164、ディスパーベイク166、ディスパーベイク170、ディスパーベイク180、ディスパーベイク181、ディスパーベイク182、BYK300、BYK306、BYK310、BYK320、BYK330、BYK342、BYK346(以上いずれも商品名、ビックケミー・ジャパン株式会社)、KP−341、KP−358、KP−368、KF−96−50CS、KF−50−100CS(以上いずれも商品名、信越化学工業株式会社)、サーフロンSC−101、サーフロンKH−40(以上いずれも商品名、セイミケミカル株式会社)、フタージェント222F、フタージェント251、FTX−218(以上いずれも商品名、株式会社ネオス)、EFTOP EF−351、EFTOP EF−352、EFTOP EF−601、EFTOP EF−801、EFTOP EF−802(以上いずれも商品名、三菱マテリアル株式会社)、メガファックF−171、メガファックF−177、メガファックF−475、メガファックF−477、メガファックR−08、メガファックR−30(以上いずれも商品名、DIC株式会社)、フルオロアルキルベンゼンスルホン酸塩、フルオロアルキルカルボン酸塩、フルオロアルキルポリオキシエチレンエーテル、フルオロアルキルアンモニウムヨージド、フルオロアルキルベタイン、フルオロアルキルスルホン酸塩、ジグリセリンテトラキス(フルオロアルキルポリオキシエチレンエーテル)、フルオロアルキルトリメチルアンモニウム塩、フルオロアルキルアミノスルホン酸塩、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンオクチルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンオレイルエーテル、ポリオキシエチレントリデシルエーテル、ポリオキシエチレンセチルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテル、ポリオキシエチレンラウレート、ポリオキシエチレンオレレート、ポリオキシエチレンステアレート、ポリオキシエチレンラウリルアミン、ソルビタンラウレート、ソルビタンパルミテート、ソルビタンステアレート、ソルビタンオレエート、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンソルビタンラウレート、ポリオキシエチレンソルビタンパルミテート、ポリオキシエチレンソルビタンステアレート、ポリオキシエチレンソルビタンオレエート、ポリオキシエチレンナフチルエーテル、アルキルベンゼンスルホン酸塩、またはアルキルジフェニルエーテルジスルホン酸塩等が挙げられる。
これらの中でも、市販されている界面活性剤及び、フルオロアルキルベンゼンスルホン酸塩、フルオロアルキルカルボン酸塩、フルオロアルキルポリオキシエチレンエーテル、フルオロアルキルアンモニウムヨージド、フルオロアルキルベタイン、フルオロアルキルスルホン酸塩、ジグリセリンテトラキス(フルオロアルキルポリオキシエチレンエーテル)、フルオロアルキルトリメチルアンモニウム塩、フルオロアルキルアミノスルホン酸塩等のフッ素系の界面活性剤は、熱硬化性組成物の塗布均一性や、成膜を印刷方法で行う場合の印刷後のレベリング性を高める観点から好ましい。
1−7−3 エポキシ樹脂
本発明の熱硬化性組成物は、耐熱性、耐薬品性、膜面内均一性、可撓性、柔軟性、弾性をさらに向上させる観点から、エポキシ樹脂をさらに含有してもよい。
前記エポキシ樹脂としては、耐薬品性の高い硬化膜を得る観点から多官能のエポキシ樹脂が好ましい。このような多官能のエポキシ樹脂としては、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、グリシジルエステル型エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂が挙げられる。これらのエポキシ樹脂の具体例としては、例えば、エピコート807、エピコート815、エピコート825、エピコート827、エピコート828、エピコート190P及びエピコート191P(商品名;油化シェルエポキシ株式会社)、エピコート1004、エピコート1256、YX8000(商品名;三菱化学株式会社)、アラルダイトCY177、アラルダイトCY184(商品名;日本チバガイギー株式会社)、セロキサイド2021P、EHPE−3150(商品名;株式会社ダイセル)、テクモアVG3101L(商品名;株式会社プリンテック)が挙げられる。
また、可撓性、柔軟性、弾性等を向上させる観点から、前記熱硬化性組成物にエポキシ樹脂を添加してもよい。このような観点では、エポキシ樹脂の含有量は、上記熱硬化性組成物全量に対して、30重量%以下であることが好ましい。
このような目的で添加されるエポキシ樹脂としては、例えば、エピコート871、エピコート872、エピコート4250、エピコート4275(商品名;三菱化学株式会社)、EPICLON TSR−960、EPICLON TSR−601、EPICLON TSR−250−80BX、EPICLON 1600−75X(商品名;DIC株式会社)、YD−171、YD−172、YD−175X75、PG−207、ZX−1627、YD−716(商品名;東都化成株式会社)、アデカレジンEP−4000、アデカレジンEP−4000S、アデカレジンEPB1200、アデカレジンEPB1200(商品名;株式会社ADEKA)、EX−832、EX−841、EX−931、デナレックスR−45EPT(商品名;ナガセケムテックス株式会社)、BPO−20E、BPO−60E(商品名;新日本理化株式会社)、エポライト400E、エポライト400P、エポライト3002(商品名;共栄社化学株式会社)、SR−8EG、SR−4PG(商
品名;阪本薬品株式会社)、Heloxy 84、Heloxy 505(商品名;Hexion株式会社)、SB−20G、IPU−22G(商品名;岡村製油株式会社)、エポリードPB3600(商品名;株式会社ダイセル)、EPB−13(商品名;日本曹達株式会社)が挙げられる。
1−7−4 エポキシ硬化剤
本発明の熱硬化性組成物が、その他の成分としてエポキシ樹脂を含む場合は、硬化膜の耐熱性、耐薬品性、可撓性、柔軟性を向上させるためにエポキシ硬化剤を含有することが好ましい。エポキシ硬化剤としては、例えばカルボン酸系硬化剤、酸無水物系硬化剤、アミン系硬化剤、フェノール系硬化剤、及び触媒型硬化剤が挙げられる。エポキシ硬化剤は、着色の抑制及び耐熱性の点から、カルボン酸系硬化剤、酸無水物硬化剤、又はフェノール系硬化剤であることがより好ましい。
エポキシ硬化剤の好ましい具体例としては、カルボン酸系硬化剤では、SMA17352(商品名;SARTOMER株式会社)、酸無水物系硬化剤としては、SMA1000、SMA2000、SMA3000(商品名;SARTOMER株式会社)、無水マレイン酸、テトラヒドロフタル酸無水物、ヘキサヒドロフタル酸、メチルテトラヒドロフタル酸無水物、メチルヘキサヒドロフタル酸無水物、無水フタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸、メチルテトラヒドロ無水フタル酸、トリメリット酸無水物、ヘキサヒドロトリメリット酸無水物、無水メチルナジミック酸、水素化メチルナジミック酸無水物、ドデセニル無水コハク酸、ピロメリット酸二無水物、ヘキサヒドロピロメリット酸二無水物、ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物、TMEG、TMTA−C、TMEG−500、TMEG−600、(商品名;新日本理化株式会社)、EpiclonB−4400(商品名;DIC株式会社)、YH−306、YH−307、YH−309(商品名;三菱化学株式会社)、SL−12AH、SL−20AH、IPU−22AH(商品名;岡村製油株式会社)、OSA−DA、DSA、PDSA−DA(商品名;三洋化成株式会社)が挙げられる。
フェノール系硬化剤の好ましい具体例としては、ヒドロキノン、カテコール、レソルシノール、フロログルシノール、ピロガロール、1,6−ジヒドロキシナフタレン、2,7−ジヒドロキシナフタレン、2,6−ジヒドロキシナフタレン、1,2,4−トリヒドロキシベンゼン、1,3−ジヒドロキシナフタレン、1,4−ジヒドロキシナフタレン、1,5−ジヒドロキシナフタレン、1,7−ジヒドロキシナフタレン、2,3−ジヒドロキシナフタレン、1,2−ジヒドロキシナフタレン、2−メチルレソルシノール、5−メチルレソルシノール、ヘキサヒドロキシベンゼン、1,8,9−トリヒドロキシアントラセン、3−メチルカテコール、メチルヒドロキノン、4−メチルカテコール、4−ベンジルレソルシノール、1,1’−ビ−2−ナフトール、4,4’−ビフェノール、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルホン、4−ブロモレソルシノール、が挙げられる。
また、フェノール系硬化剤の好ましい具体例としては、4,4’−ブチリデンビス(6−tert−ブチル−m−クレゾール)、4−tert−ブチルピロカテコール、2,2’−ビフェノール、4,4’−ジヒドロキシジフェニルメタン、tert−ブチルヒドロキノン、1,3−ビス(4−ヒドロキシフェノキシ)ベンゼン、1,4−ビス(3−ヒドロキシフェノキシ)ベンゼン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)スルホン、9,9−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)フルオレン、4−tert−ブチルカリックス[8]アレーン、4−tert−ブチルカリックス[5]アレーン、4−tert−ブチルスルホニルカリックス[4]アレーン、カリックス[8]アレーン、カリックス[4]アレーン、カリックス[6]アレーン、4−tert−ブチルカリックス[6]アレーン、が挙げられる。
また、フェノール系硬化剤の好ましい具体例としては、2,5−ビス(1,1,3,3−テトラメチルブチル)ヒドロキノン、2,6−ビス[(2−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)メチル]−4−メチルフェノール、1,1−ビス(3−シクロヘキシル―4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、1,1−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)シクロヘキサン、ヘキセストロール、2’,4’−ジヒドロキシアセトフェノン、アントラルフィン、クリサジン、2,4−ジヒドロキシベンズアルデヒド、2,5−ジヒドロキシベンズアルデヒド、3,4−ジヒドロキシベンズアルデヒド、3,4−ジヒドロキシ安息香酸エチル、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシ−4,4’−ジメトキシベンゾフェノン、4,4’−ジヒドロキシベンゾフェノン、4−エチルレソルシノール、フェニルヒドロキノン、が挙げられる。
また、フェノール系硬化剤の好ましい具体例としては、2,2’−ジヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2,2’−ジヒドロキシベンゾフェノン、2,6−ジヒドロキシ安息香酸メチル、2,3−ジヒドロキシベンズアルデヒド、オクタフルオロ−4,4’−ビフェノール、3’,6’−ジヒドロキシベンゾノルボルネン、2,4’−ジヒドロキシジフェニルメタン、2’,5’−ジヒドロキシアセトフェノン、3’,5’−ジヒドロキシアセトフェノン、2,4−ジヒドロキシ安息香酸、2−ヒドロキシエチル4,4’−ジヒドロキシジフェニルエーテル、2,2’−ジヒドロキシジフェニルエーテル、3,5−ジヒドロキシ安息香酸メチル、1,4−ジヒドロキシ−2−ナフトエ酸フェニル、3’,4’−ジヒドロキシアセトフェノン、2,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン、3,4−ジヒドロキシベンジルアルコール、3,5−ジヒドロキシベンジルアルコール、が挙げられる。
また、フェノール系硬化剤の好ましい具体例としては、2,4’−ジヒドロキシベンゾフェノン、2,6−ジメチルヒドロキノン、ダイゼイン、2’,4’−ジヒドロキシプロピオフェノン、4,4’−ジヒドロキシテトラフェニルメタン、3,4−ジヒドロキシフェニル酢酸メチル、2,5−ジメチルレソルシノール、2−(3,4−ジヒドロキシフェニル)エチルアルコール、4,4’−エチリデンビスフェノール、3,3’−エチレンジオキシジフェノール、4−フルオロカテコール、没食子酸エチル、没食子酸メチル、没食子酸プロピル、没食子酸イソアミル、没食子酸ヘキサデシル、没食子酸ドデシル、没食子酸ステアリル、没食子酸ブチル、没食子酸イソブチル、没食子酸n−オクチル−4−ヘキシルレソルシノール、が挙げられる。
また、フェノール系硬化剤の好ましい具体例としては、4,4’−(2−ヒドロキシベンジリデン)ビス(2,3,6−トリメチルフェノール)、4,4’−メチレンビス(2,6−ジ−tert−ブチルフェノール)、2,2’−メチレンビス(6−tert−ブチル−4−エチルフェノール)、2,2’−メチレンビス(6−tert−ブチル−p−クレゾール)、メトキシヒドロキノン、4,4’−(α−メチルベンジリデン)ビスフェノール、4,4’−メチレンビス(2,6−ジメチ・BR>泣Tェノール)、2,2’−メチレンビス(4−メチルフェノール)、5−メトキシレソルシノール、2,2’−メチレンビス[6−(2−ヒドロキシ−5−メチルベンジル)−p−クレゾール]、4,4’−メチレンビス(2−メチルフェノール)、2,4−ジヒドロキシ安息香酸メチル、2,2’−メチレンビス(6−シクロヘキシル−p−クレゾール)、3,4−ジヒドロキシ安息香酸メチル、2,5−ジヒドロキシ安息香酸メチル、が挙げられる。
また、フェノール系硬化剤の好ましい具体例としては、ナリンゲニン、ロイコキニザリン、2,2’,4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノン、2,4,4’−トリヒドロキシベンゾフェノン、5−メチルピロガロール、2’,4’,6’−トリヒドロキシプロピオフェノン、2,3,4−トリヒドロキシベンゾフェノン、2’,3’,4’−トリヒドロキシアセトフェノン、1,1,1−トリス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、2,’3,4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノン、4,4’,4’’−トリヒドロキシトリフェニルメタン、2,3,4,4’−テトラヒドロキシベンゾフェノン、2,3,4,4’−テトラヒドロキシジフェニルメタン、5,5’,6,6’−テトラヒドロキシ−3,3,3’,3’−テトラメチル−1,1’−スピロビインダン、2,4,5−トリヒドロキシベンズアルデヒド、6,6’,7,7’−テトラヒドロキシ−4,4,4’,4’−テトラメチルスピロビクロマン、テトラフルオロヒドロキノン、が挙げられる。
また、フェノール系硬化剤の好ましい具体例としては、2,3,4−トリヒドロキシベンズアルデヒド、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン、2,2−ビス(2−ヒドロキシ−5−ビフェニルイル)プロパン、2,2−ビス(3−シクロヘキシル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3−sec−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−イソプロピルフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ブタン、α,α’−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)−1,4−ジイソプロピルベンゼン、α,α’−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1,4−ジイソプロピルベンゼン、α,α,α’−トリス(4−ヒドロキシフェニル)−1−エチル−4−イソプロピルベンゼン、テトラブロモビスフェノールA、1,3−ビス[2−(4−ヒドロキシフェニル)−2−プロピル]ベンゼン、α,α−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−4−(4−ヒドロキシ−α,α−ジメチルベンジル)エチルベンゼン、が挙げられる。
また、フェノール系硬化剤の好ましい具体例としては、マルカリンカーM(商品名;丸善石油株式会社)、ミレックスXLC(商品名;三井化学株式会社)、MEH−7800、MEP−6309、MEH−7500、MEH−8000H、MEH−8005(商品名;明和化成株式会社)、HE−100C(商品名;エアウォーター株式会社)、YLH−129B65、170、171N、YL−6065(商品名;三菱化学株式会社)、フェノライトVHシリーズ、フェノライトKHシリーズ、BESMOL CZ−256−A(商品名;DIC株式会社)、DPP−6000シリーズ(商品名;新日本石油株式会社)、が挙げられる。
エポキシ硬化剤の含有量は、熱硬化性組成物全量に対して、5重量%以上であることが耐熱性及び耐溶剤性を向上させる観点から好ましく、他特性とのバランスを考慮すると5〜50重量%であることがより好ましい。
1−7−5 熱架橋剤
本発明の熱硬化性組成物は、耐熱性、耐薬品性をさらに向上させる観点から、メラミン化合物もしくはビスアジド化合物等の熱架橋剤をさらに含有してもよい。このような観点から、熱架橋剤の含有量は、熱硬化性組成物全量に対して、0.1〜30重量%であることが好ましく、0.05〜20重量%であることがより好ましく、1〜10重量%であることがさらに好ましい。
このような熱架橋剤としては、例えば、ニカラックMW−30HM、ニカラックMW−100LM、ニカラックMW−270、ニカラックMW−280、ニカラックMW−290、ニカラックMW−390、ニカラックMW−750LM、(商品名;株式会社三和ケミカル)が挙げられる。これらの中でも、ニカラックMW−30HMが、耐熱性、相溶性の観点から好ましい。
1−7−6 酸化防止剤
本発明の熱硬化性組成物は、耐候性の点から酸化防止剤をさらに含有してもよい。このような観点から、酸化防止剤の含有量は、熱硬化性組成物全量に対して、0.01〜10重量%であることが好ましく、0.05〜8重量%であることがより好ましく、0.1〜5重量%であることがさらに好ましい。酸化防止剤としては、例えばヒンダードフェノール系、ヒンダードアミン系、リン系、イオウ系化合物が挙げられる。酸化防止剤は、中でもヒンダードフェノール系がより好ましい。
酸化防止剤の具体例としては、例えば、IrganoxFF、Irganox1035、Irganox1035FF、Irganox1076、Irganox1076FD、Irganox1076DWJ、Irganox1098、Irganox1135、Irganox1330、Irganox1726、Irganox1425 WL、Irganox1520L、Irganox245、Irganox245FF、Irganox245DWJ、Irganox259、Irganox3114、Irganox565、Irganox565DD、Irganox295(商品名;BASFジャパン株式会社)、アデカスタブ AO−20、アデカスタブ AO−30、アデカスタブ AO−50、アデカスタブ AO−60、アデカスタブ AO−70、アデカスタブ AO−80(商品名;株式会社ADEKA)が挙げられる。この中でもアデカスタブ AO−60が、透明性、耐熱性、耐クラック性の点からより一層好ましい。
1−7−7 高分子分散剤
本発明の熱硬化性組成物は、塗布均一性をさらに向上させる観点から、高分子分散剤をさらに含有してもよい。このような観点から、高分子分散剤の含有量は、熱硬化性組成物全量に対して、0.01〜10重量%であることが好ましく、0.05〜8重量%であることがより好ましく、0.1〜5重量%であることがさらに好ましい。
このような高分子分散剤としては、例えば、SOLSPERSE3000、SOLSPERSE5000、SOLSPERSE12000、SOLSPERSE20000、SOLSPERSE32000(以上いずれも商品名、日本ルーブリゾール株式会社)、ポリフローNo.38、ポリフローNo.45、ポリフローNo.75、ポリフローNo.85、ポリフローNo.90、ポリフローS、ポリフローNo.95、ポリフローATF、ポリフローKL−245(以上いずれも商品名、共栄社化学株式会社)が挙げられる。
1−7−8 密着性向上剤
本発明の熱硬化性組成物は、形成される硬化膜と基板との密着性をさらに向上させる観点から、密着性向上剤をさらに含有してもよい。このような観点から、密着性向上剤の含有量は、熱硬化性組成物全量に対して、10重量%以下であることが好ましい。一方、密着性向上剤の含有量は、熱硬化性組成物のこれを含有させる場合、その全量に対して、0.5重量%以上であることが好ましい。
このような密着性向上剤としては、例えば、シラン系、アルミニウム系又はチタネート系のカップリング剤を用いることができ、具体的には、3−グリシドキシプロピルジメチルエトキシシラン、3−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、及び3−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン等のシラン系カップリング剤、アセトアルコキシアルミニウムジイソプロピレート等のアルミニウム系カップリング剤、及びテトライソプロピルビス(ジオクチルホスファイト)チタネート等のチタネート系カップリング剤を挙げることができる。
これらの中でも、3−グリシドキシプロピルトリメトキシシランが、密着性を向上させる効果が大きいため好ましい。
1−7−9 紫外線吸収剤
本発明の熱硬化性組成物は、硬化膜の劣化防止能をさらに向上させる観点から、紫外線吸収剤をさらに含有してもよい。このような観点から、紫外線吸収剤の含有量は、熱硬化性組成物全量に対して、0.01〜10重量%であることが好ましく、0.05〜8重量%であることがより好ましく、0.1〜5重量%であることがさらに好ましい。
このような紫外線吸収剤としては、例えば、チヌビンP、チヌビン120、チヌビン144、チヌビン213、チヌビン234、チヌビン326、チヌビン571、チヌビン765(以上いずれも商品名、BASFジャパン株式会社)が挙げられる。これらの中でも、チヌビンP、チヌビン120、チヌビン326が、透明性、相溶性の観点から好ましい。
1−8 熱硬化性組成物の保存
本発明の熱硬化性組成物は、温度−30℃〜25℃の範囲で保存すると、組成物の経時安定性が良好となり好ましい。保存温度が−20℃〜10℃であれば、析出物もなく一層好ましい。
1−9 塗布液の調整
形成する硬化膜の膜厚および選択する塗布方法により、本発明の熱硬化性組成物を溶剤でさらに希釈して、塗布液を調整してもよい。
2 本発明の硬化膜
本発明の硬化膜は、前述した本発明の熱硬化性組成物を用いて形成された塗膜を熱によって硬化させて得られる膜である。塗膜は、基板上に本発明の熱硬化性組成物を塗布することによって形成することができる。基板及び塗布方法には、表示素子において通常使用される基板や技術を用いることができる。
本発明の硬化膜は、10μm以上の厚さを有していても、高透明性、耐熱性に優れるばかりでなく、耐スパッタリング性にも優れ、クラックを生じないなどの有用な効果を有する。
硬化膜の厚さは、通常の装置や方法によって測定することができ、硬化膜の厚さを代表する値を採用することができる。例えば、硬化膜の厚さは、同一膜の複数箇所で得られた測定値の平均値とすることができる。前記硬化膜の厚さは、十分な機械的強度を得る観点から、10μm以上であることが好ましく、15μm以上であることがより好ましく、20μm以上であることがさらに好ましい。さらに、これらの範囲であれば、前記の有用な効果が顕著に発現する。また、前記硬化膜の厚さは、十分な透明性を得る観点及びクラックの発生を防止する観点から、200μm以下であることが好ましく、150μm以下であることがより好ましく、100μm以下であることがさらに好ましい。
硬化膜の厚さは、熱硬化性組成物を用いて形成された塗膜の厚さによって調整することができ、熱硬化性組成物を用いて形成された膜の厚さは、例えば、熱硬化性組成物の粘度や熱硬化性組成物の重ね塗りによって調整することができる。熱硬化性組成物の粘度は固形分(主にシロキサンポリマー(A)など溶剤以外の成分)の濃度によって調整できる。
より具体的には、本発明の硬化膜は以下のようにして形成することができる。
まず、熱硬化性組成物をスピンコート、ロールコート、スリットコート等の公知の塗布方法、または、フレキソ、オフセット、グラビア、スクリーン、インクジェット等の公知の印刷方法によって、ガラス等の基板上に塗布または印刷できる。本発明においては、10μm以上の膜厚にする観点からスクリーン印刷による成膜が好ましい。
基板としては、例えば、白板ガラス、青板ガラス、シリカコート青板ガラス等の透明ガラス基板、ポリカーボネート、ポリエーテルスルホン、ポリエステル、アクリル樹脂、塩化ビニール樹脂、芳香族ポリアミド樹脂、ポリアミドイミド、ポリイミド等の合成樹脂製シート、フィルム又は基板、アルミニウム板、銅板、ニッケル板、ステンレス板等の金属基板、その他セラミック板、光電変換素子を有する半導体基板等を挙げることができる。これらの基板には所望により、シランカップリング剤等の薬品処理、プラズマ処理、イオンプレーティング、スパッタリング、気相反応法、真空蒸着等の前処理を行うことができる。
次に、ホットプレート又はオーブンで、通常、60〜120℃で1〜5分間乾燥する。乾燥した基板に対し、重ね塗りすることも可能である。乾燥終了後に重ね塗りすることも可能である。最後に、200〜400℃で10〜120分焼成すると、所望の厚さ(例えば10〜200μm)を有する高透明な硬化膜を得ることができる。
3 本発明の表示素子
本発明の表示素子は、前述した本発明の硬化膜を有する。本発明の表示素子は、本発明の硬化膜を有する以外は、通常の表示素子と同様の構成を有する。このような表示素子としては、例えば、液晶表示素子、タッチパネル、液晶素子とタッチパネル一体型の素子、及びOLED素子等の、有機化合物による発光層を有する表示素子とタッチパネルとの一体型の素子が挙げられる。
本発明の表示素子には、液晶表示素子も含まれる。本発明の液晶表示素子は、例えば、カラーフィルターと、カラーフィルターに対向配置される画素電極及び共通電極を有する第2の透明基板(例えばTFT基板)と、両基板に挟持された液晶とを含む構成を有する。このような液晶表示素子において、前記硬化膜は、透明性と耐熱性とを要する膜に用いることができる。前記液晶表示素子は、配向処理されたカラーフィルター基板と配向処理された前記第2の透明基板とをスペーサーを介して対向させて組み立てる工程、液晶材料を封入する工程、及び、偏光フィルムを貼り付ける工程を経て製造される。前記硬化膜は、例えば、このような製造工程のいずれかにおける、適切な膜厚の塗膜を形成する塗布工程と、塗膜を焼成する焼成工程とを経ることによって、液晶表示素子中の、用途に応じた適切な位置に形成することができる。
なお、前記液晶表示素子における基板に設けられた電極は、スパッタリング法等を用いて透明基板上にクロム等の金属を堆積した後、所定の形状のレジストパターンをマスクとしてエッチングを行って形成される。
前述したように、本発明の好ましい態様に係る熱硬化性組成物は、例えば、重合体組成物から形成される硬化膜に対して一般的に求められている高耐溶剤性、高耐水性、高耐酸性、高耐アルカリ性、下地との密着性や高耐熱性、高透明性に加え、耐スパッタリング性、にも優れた硬化膜を形成することができる。
また、本発明の好ましい態様に係る熱硬化性組成物は、熱硬化の際にクラックを生じることなく、厚膜を形成することができる。
このように、本発明の熱硬化性組成物は、特に数10μm以上の厚さを有する硬化膜としたときに透明性、耐熱性及び耐スパッタリング性に優れるものであり、液晶素子、タッチパネル、液晶素子とタッチパネル一体型及びOLED素子とタッチパネル一体型素子に適したものである。また、カラーフィルター製造工程、TFT製造工程のいずれにおける、適切な膜厚の塗膜を形成する塗布工程と、塗膜を焼成する焼成工程に適したものである。
以下、実施例により本発明をさらに説明するが、本発明はこれらによって限定されるものではない。
[合成例1]シロキサンポリマー(A1)の合成
攪拌器付4つ口フラスコに、反応溶媒としてジエチレングリコールメチルエチルエーテル、一般式(1)で表される1官能シランとしてトリメチルメトキシシラン、一般式(2)で表される3官能シランとしてトリメトキシメチルシラン及びトリメトキシフェニルシランを下記の重量で仕込み、さらにギ酸0.19g、リン酸0.08g、水5.81gの混合溶液を滴下して加えた。その後、80℃で1時間加熱し、さらに低分子成分を2.5時間留去して除去し、さらに130℃で2時間留去してシロキサンポリマー(A1)の80重量%溶液を得た。留去で除去した低沸点成分は、合計21.07gであった。
ジエチレングリコールメチルエチルエーテル 4.91g
トリメチルメトキシシラン 1.84g
トリメトキシメチルシラン 6.90g
トリメトキシフェニルシラン 10.0g
上記溶液を室温(25℃)まで冷却し、溶液の一部をサンプリングし、GPC分析(ポリスチレン標準)によりシロキサンポリマー(A1)の重量平均分子量を測定した。その結果、重量平均分子量(MW)は4,300であった。なお、シロキサンポリマー(A1)における、フェニルに対するメチルの数の比は、2.1であった。
[合成例2]シロキサンポリマー(A2)の合成
一般式(2)で表される3官能シランとしてトリメトキシメチルシランの代わりにトリエトキシメチルシランを使用した以外は、合成例1と同じ成分を下記の重量で仕込み、合成例1と同じ条件で反応を行い、シロキサンポリマー(A2)の80重量%溶液を得た。このようにして得られたシロキサンポリマー(A2)をGPC分析したところ重量平均分子量(Mw)は、4,000であった。なお、シロキサンポリマー(A2)における、フェニルに対するメチルの数の比は、2.0であった。
ジエチレングリコールメチルエチルエーテル 5.32g
トリメチルメトキシシラン 1.84g
トリエトキシメチルシラン 8.28g
トリメトキシフェニルシラン 10.0g
[合成例3]シロキサンポリマー(A3)の合成
一般式(2)で表される3官能シランとしてトリメトキシフェニルシランの代わりにトリエトキシフェニルシランを使用した以外は、合成例1と同じ成分を下記の重量で仕込み、合成例1と同じ条件で反応を行い、シロキサンポリマー(A3)の80重量%溶液を得た。このようにして得られたシロキサンポリマー(A3)をGPC分析したところ重量平均分子量(Mw)は、3,700であった。なお、シロキサンポリマー(A3)における、フェニルに対するメチルの数の比は、2.0であった。
ジエチレングリコールメチルエチルエーテル 5.29g
トリメチルメトキシシラン 1.84g
トリメトキシメチルシラン 6.90g
トリエトキシフェニルシラン 12.2g
[合成例4]シロキサンポリマー(A4)の合成
トリメチルメトキシシラン、トリメトキシメチルシラン及びトリメトキシフェニルシランを下記の重量で仕込み、合成例1と同じ条件で反応を行い、シロキサンポリマー(A4)の80重量%溶液を得た。このようにして得られたシロキサンポリマー(A4)をGPC分析したところ重量平均分子量(Mw)は、4,200であった。なお、シロキサンポリマー(A4)における、フェニルに対するメチルの数の比は、1.7であった。
ジエチレングリコールメチルエチルエーテル 4.81g
トリメチルメトキシシラン 1.72g
トリメトキシメチルシラン 8.20g
トリメトキシフェニルシラン 12.0g
[合成例5]シロキサンポリマー(A5)の合成
トリメチルメトキシシラン、トリメトキシメチルシラン及びトリメトキシフェニルシランを下記の重量で仕込み、合成例1と同じ条件で反応を行い、シロキサンポリマー(A5)の80重量%溶液を得た。このようにして得られたシロキサンポリマー(A5)をGPC分析したところ重量平均分子量(Mw)は、3,200であった。なお、シロキサンポリマー(A5)における、フェニルに対するメチルの数の比は、2.5であった。
ジエチレングリコールメチルエチルエーテル 5.10g
トリメチルメトキシシラン 2.38g
トリメトキシメチルシラン 7.00g
トリメトキシフェニルシラン 9.48g
[実施例1]熱硬化性組成物の製造
合成例1で得られたシロキサンポリマー(A1)の80重量%溶液(以下では、シロキサンポリマー(A1)と呼ぶ)、界面活性剤であるByk−342、溶媒としてジエチレングリコールメチルエチルエーテルを下記の重量で混合溶解し、メンブレンフィルター(0.5μm)で濾過して熱硬化性組成物を得た。得られた熱硬化性組成物の組成を表1に示す。
シロキサンポリマー(A1) 10.00g
ジエチレングリコールメチルエチルエーテル 4.00g
Byk−342 0.01g
[実施例2〜5]熱硬化性組成物の製造
以下同様にして、表1に示す組成で混合溶解し、実施例2〜5の熱硬化性組成物を得た。なお、表1中の括弧内の数字は重量部を表し、A1〜A5はそれぞれシロキサンポリマー(A1)〜(A5)の80重量%溶液のことである。EDMはジエチレングリコールメチルエチルエーテルの略号である。
Figure 2014061348
[比較合成例1]比較シロキサンポリマー(E1)の合成
重合溶媒としてジエチレングリコールメチルエチルエーテル、2官能シランとしてメチルフェニルジメトキシシラン、4官能シランとしてテトラエトキシシランを下記の重量で仕込み、合成例1と同じ条件で反応を行い、比較シロキサンポリマー(E1)の80重量%溶液を得た。このようにして得られたシロキサンポリマー(E1)のGPC分析により求めた重量平均分子量(Mw)は、2,900であった。
ジエチレングリコールメチルエチルエーテル 8.53g
メチルフェニルジメトキシシラン 12.3g
テトラエトキシシラン 7.00g
[比較合成例2]比較シロキサンポリマー(E2)の合成
1官能シランとしてトリメチルメトキシシラン、3官能シランとしてトリメトキシメチルシラン及びトリメトキシフェニルシラン、2官能シランとしてメチルフェニルジメトキシシラン、及び4官能シランとしてテトラエトキシシランを下記の重量で仕込み、合成例1と同じ条件で反応を行い、比較シロキサンポリマー(E2)の80重量%溶液を得た。このようにして得られたシロキサンポリマー(E2)のGPC分析により求めた重量平均分子量(Mw)は、9,800であった。
ジエチレングリコールメチルエチルエーテル 6.41g
トリメチルメトキシシラン 0.98g
トリメトキシメチルシラン 1.50g
トリメトキシフェニルシラン 5.30g
メチルフェニルジメトキシシラン 4.08g
テトラエトキシシラン 3.50g
[比較合成例3]比較シロキサンポリマー(E3)の合成
1官能シランとしてトリメチルエトキシシラン、及び3官能シランとしてトリエトキシメチルシランを下記の重量で仕込み、さらに塩酸0.04g、水9.00gの混合溶液を滴下して加えた。その後、80℃で4時間加熱し、さらに低分子成分を2.5時間留去して除去し、さらに130℃で2時間留去してシロキサンポリマー(E3)の80重量%溶液を得た。このようにして得られたシロキサンポリマー(E3)のGPC分析により求めた重量平均分子量(Mw)は、12,500であった。
ジエチレングリコールメチルエチルエーテル 11.0g
トリメチルエトキシシラン 4.0g
トリエトキシメチルシラン 28.5g
[比較合成例4]比較シロキサンポリマー(E4)の合成
1官能シランとしてトリメチルメトキシシラン、及び4官能シランとしてテトラエトキシシランを下記の重量で仕込み、合成例1と同じ条件で反応を行った。
ジエチレングリコールメチルエチルエーテル 4.73g
トリメチルメトキシシラン 1.80g
テトラエトキシシラン 12.8g
反応液は反応中にゲル化し、目的のポリマーは得られなかった。
[比較合成例5]比較シロキサンポリマー(E5)の合成
1官能シランとしてトリメチルメトキシシラン、及び2官能シランとしてメチルフェニルジメトキシシランを使用し、合成例1と同じ条件で反応を行い、比較シロキサンポリマー(E5)の80重量%溶液を得た。
ジエチレングリコールメチルエチルエーテル 5.92g
トリメチルエトキシシラン 1.80g
メチルフェニルジメトキシシラン 11.0g
このようにして得られたシロキサンポリマー(E5)をGPC分析したが、ピークが検出されなかった。
[比較合成例6]比較シロキサンポリマー(E6)の合成
1官能シランとしてトリメチルメトキシシランを使用し、合成例1と同じ条件で反応を行い、比較シロキサンポリマー(E6)の80重量%溶液を得た。
ジエチレングリコールメチルエチルエーテル 5.92g
トリメチルエトキシシラン 12.8g
このようにして得られたシロキサンポリマー(E6)をGPC分析したが、ピークが検出されなかった。
[比較合成例7]比較シロキサンポリマー(E7)の合成
3官能シランとしてトリメトキシメチルシラン及びトリメトキシフェニルシランを使用し、合成例1と同じ条件で反応を行った。
ジエチレングリコールメチルエチルエーテル 12.5g
トリメトキシメチルシラン 9.40g
トリメトキシフェニルシラン 13.7g
反応液は反応中にゲル化し、目的のポリマーは得られなかった。
[比較例1〜7]熱硬化性組成物の製造
合成例1、比較合成例1〜3で得られたシロキサンポリマー溶液から、実施例1〜5と同様にして、比較例1〜5の熱硬化性組成物を得た。なお、表2中の括弧内の数字は重量部を表し、A1はシロキサンポリマー(A1)の80重量%溶液のことで、E1〜E3はそれぞれシロキサンポリマー(E1)〜(E3)の80重量%溶液のことである。EDMはジエチレングリコールメチルエチルエーテルの略号である。なお、比較合成例4〜7では、比較シロキサンポリマーの溶液が得られなかったので、熱硬化性組成物は作成しなかった。
Figure 2014061348
[評価方法]
1)透明膜の形成
ガラス基板上に熱硬化性組成物を400〜1,000rpmの任意の回転数で10秒間スピンコートまたは、スクリーン印刷によりベタ膜を形成し、100℃のホットプレート上で5分間プリベイク乾燥した。さらに、この基板をオーブン中300℃で30分ポストベイクし、膜厚が約20μmの透明膜を形成した。オーブンから取り出した基板を室温まで戻した後、得られた透明膜の膜厚を測定した。膜厚の測定にはKLA−Tencor Japan株式会社製触針式膜厚計P−15を使用し、3箇所の測定の平均値を透明膜の膜厚とした。
2)塗布性
上記1)で透明膜をスピンコートまたはスクリーン印刷で作製する際、プリベイク乾燥時の塗布性(基板ハジキ)を目視により観察した。基板ハジキやピンホールが見られなかった場合は良好(G:Good)と、基板ハジキやピンホールが見られた場合は不良(NG:No Good)と判定した。
3)クラック
上記1)でスピンコートまたはスクリーン印刷で得られた透明膜のクラックの有無を目視により観察した。膜面にクラックが生じなかった場合は良好(G:Good)と、膜面にクラックが生じた場合は不良(NG:No Good)と判定した。
4)表面粗度
上記1)で得られた、スピンコート成膜した透明膜の表面粗度(Ra値)を測定した。Ra値が2nm未満の場合は良好(G:Good)と、2nm以上の場合は不良(NG:No Good)と判定した。測定にはKLA−Tencor Japan株式会社製触針式膜厚計P−15を使用し、3箇所の測定の平均値を透明膜の表面粗度とした。
5)透明性
日本分光(株)製紫外可視近赤外分光光度計V−670を使用し、透明膜を形成していないガラス基板をリファレンスとして、上記1)で得られた、スピンコート成膜した透明膜が形成されている基板の波長400nmでの光透過率を測定した。透過率が95T%以上の場合は良好(G:Good)と、95T%未満の場合は不良(NG:No Good)と判定した。
6)耐酸性
上記1)で得られた、スピンコート成膜した透明膜が形成されている基板を50℃の塩酸/硝酸/水=4/2/4(重量比)に10分間浸漬し、膜厚の変化を測定した。浸漬の前後で上記1)と同様に膜厚を測定し、次式から計算した。
(浸漬後膜厚/浸漬前膜厚)×100(%)
膜厚の変化率が−5〜5%の時が良好(G:Good)、膨潤により5%を超えたり、溶解により−5%より減少した時は不良(NG:No Good)と判定した。
7)耐アルカリ性
上記1)で得られた、スピンコート成膜した透明膜が形成されている基板を60℃の5%水酸化ナトリウム水溶液に10分間浸漬し、膜厚の変化を測定した。浸漬の前後で上記1)と同様に膜厚を測定し、次式から計算した。
(浸漬後膜厚/浸漬前膜厚)×100(%)
膜厚の変化率が−5〜5%の時が良好(G:Good)、膨潤により5%を超えたり、溶解により−5%より減少した時は不良(NG:No Good)と判定した。
8)耐熱性
上記1)で得られた、スピンコート成膜した透明膜が形成されている基板を300℃のオーブンで1時間加熱し、上記5)と同様に光透過率を測定し、さらに加熱の前後で上記1)と同様に膜厚を測定し、次式から計算した。
(加熱後膜厚/加熱前膜厚)×100(%)
膜厚の変化率が−5%未満の時が良好(G:Good)、加熱後の膜厚の変化率が−5%以上の時は不良(NG:No Good)と判定した。
9)耐スパッタリング性
上記1)で得られた、スピンコート成膜した透明膜上にITOをスパッタリング処理した際の膜面状態を、目視により観察した。膜面にクラックが生じなかった場合は良好(G:Good)と、膜面にクラックが生じた場合は不良(NG:No Good)と判定した。
実施例1〜5の熱硬化性組成物について、上記の評価方法によって得られた結果を表3に示す。
Figure 2014061348
比較例1〜5の熱硬化性重合体組成物について、上記の評価方法によって得られた結果を表4に示す。
Figure 2014061348
<耐熱性の追加評価>
[合成例6]シロキサンポリマー(A6)の合成
一般式(1)で表される1官能シランとしてトリメチルメトキシシランを2.6g使用し、一般式(2)で表される3官能シランとしてトリメトキシフェニルシランを20.0g使用した以外は、合成例1と同じ成分を下記の重量で仕込み、合成例1と同じ条件で反応を行い、シロキサンポリマー(A6)の80重量%溶液を得た。なお、シロキサンポリマー(A6)における、フェニルに対するメチルの基の数の比は、0.5であった。
[合成例7]シロキサンポリマー(A7)の合成
一般式(1)で表される1官能シランとしてトリメチルメトキシシランを2.15g使用し、一般式(2)で表される3官能シランとしてトリメトキシメチルシランを4.00g、トリメトキシフェニルシランを17.45g使用した以外は、合成例1と同じ成分を下記の重量で仕込み、合成例1と同じ条件で反応を行い、シロキサンポリマー(A7)の80重量%溶液を得た。なお、シロキサンポリマー(A7)における、フェニルに対するメチルの基の数の比は、1.0であった。
[合成例8]シロキサンポリマー(A8)の合成
一般式(1)で表される1官能シランとしてトリメチルメトキシシランを1.84g使用し、一般式(2)で表される3官能シランとしてトリメトキシメチルシランを6.90g、トリメトキシフェニルシランを10.0g使用した以外は、合成例1と同じ成分を下記の重量で仕込み、合成例1と同じ条件で反応を行い、シロキサンポリマー(A8)の80重量%溶液を得た。なお、シロキサンポリマー(A8)における、フェニルに対するメチルの基の数の比は、2.1であった。
[合成例9]シロキサンポリマー(A9)の合成
一般式(1)で表される1官能シランとしてトリメチルメトキシシランを2.00g使用し、一般式(2)で表される3官能シランとしてトリメトキシメチルシランを5.00g、トリメトキシフェニルシランを7.30g使用した以外は、合成例1と同じ成分を下記の重量で仕込み、合成例1と同じ条件で反応を行い、シロキサンポリマー(A9)の80重量%溶液を得た。なお、シロキサンポリマー(A9)における、フェニルに対するメチルの基の数の比は、2.5であった。
[実施例6〜9]熱硬化性組成物の製造
実施例2〜5と同様にして、表5に示す組成で混合溶解し、実施例6〜9の熱硬化性組成物を得た。なお、表5中の括弧内の数字は重量部を表し、A6〜A9はそれぞれシロキサンポリマー(A6)〜(A9)の80重量%溶液のことである。EDMはジエチレングリコールメチルエチルエーテルの略号である。
Figure 2014061348
<透明膜の形成>
ガラス基板上に熱硬化性組成物を400〜1,000rpmの任意の回転数で10秒間スピンコートし、100℃のホットプレート上で5分間プリベイク乾燥した。さらに、この基板をオーブン中250℃あるいは300℃で30分ポストベイクし、膜厚が約20μmの透明膜を形成した。オーブンから取り出した基板を室温まで戻した後、得られた透明膜の膜厚を測定した。膜厚の測定にはKLA−Tencor Japan株式会社製触針式膜厚計P−15を使用し、3箇所の測定の平均値を透明膜の膜厚とした。
透明膜を室温まで冷却した際に、透明膜にクラックが入るかどうかを目視で確認した。クラックが入らない場合を「G」、入る場合を「NG」とした。
Figure 2014061348
実施例6〜9の結果から、シロキサンポリマー(A)において、それを構成するシランがメチルとフェニルを含む基からなる場合、作製されたシロキサンポリマー(A)におけるフェニルに対するメチルの数の比が1以上であると、通常の耐熱性(250℃、30分)に加え、さらに高温での耐熱性(300℃、30分)にも優れていることが分かる。
本発明の熱硬化性組成物は、例えば、液晶表示素子、タッチパネル、タッチパネル付液晶表示素子及びタッチパネル付OLED表示素子の製造工程に用いられることができる。

Claims (8)

  1. シロキサンポリマーと溶剤を含有する熱硬化性組成物であって、前記シロキサンポリマーが、下記一般式(1)で表される1官能シランと下記一般式(2)で表される3官能シランを含有するシラン混合物を反応させることによって得られるシロキサンポリマー(A)を、シロキサンポリマーの総量に対して90重量%以上含有し、前記一般式(2)で表される3官能シランとして、Rが、任意の水素がハロゲンで置き換えられてもよい炭素数6〜10のアリールである3官能シランを含み、その割合が、3官能シラン全量に対して30モル%以上である、熱硬化性組成物。
    Figure 2014061348
    Figure 2014061348
    (式(1)〜(2)中、Rはそれぞれ独立して、水素、任意の水素がハロゲンで置き換えられてもよい炭素数1〜10のアルキル、任意の水素がハロゲンで置き換えられてもよい炭素数6〜10のアリール、又は任意の水素がハロゲンで置き換えられてもよい炭素数2〜10のアルケニルであり、R’はそれぞれ独立して、加水分解性基である。)
  2. 一般式(1)〜(2)において、Rがそれぞれ独立して、水素、任意の水素がハロゲンで置き換えられてもよい炭素数1〜5のアルキル、任意の水素がハロゲンで置き換えられてもよい炭素数6〜10のアリール、又は任意の水素がハロゲンで置き換えられてもよい炭素数2〜10のアルケニルであり、R’がそれぞれ独立して、アルコキシ、ハロゲン、又はアセトキシルである、請求項1に記載の熱硬化性組成物。
  3. 一般式(1)で表される1官能シランがトリメチルメトキシシラン及びトリメチルエトキシシランからなる群から選ばれる一以上である、請求項1または2に記載の熱硬化性組成物。
  4. 一般式(2)で表される3官能シランがトリエトキシフェニルシラン及びトリメトキシメチルシランから選ばれる一以上と、トリメトキシフェニルシラン及びトリエトキシメチルシランから選ばれる一以上との混合物である、請求項1〜3のいずれか一項に記載の熱硬化性組成物。
  5. 一般式(1)で表される1官能シランがトリメチルメトキシシランであり、一般式(2)で表される3官能シランがトリメトキシメチルシラン及びトリメトキシフェニルシランの混合物である、請求項1〜4のいずれか一項に記載の熱硬化性組成物。
  6. シロキサンポリマー(A)におけるフェニルとメチルの数の比が、1.0〜3.0である、請求項5に記載の熱硬化性組成物。
  7. 請求項1〜6のいずれか一項に記載の熱硬化性組成物を200℃以上で熱硬化させて得られた、膜厚10〜200μmの硬化膜。
  8. 請求項7に記載の硬化膜を有する表示素子。
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