JPWO2014021438A1 - ヒートシンク付配線板、ヒートシンク付部品実装配線板及びそれらの製造方法 - Google Patents

ヒートシンク付配線板、ヒートシンク付部品実装配線板及びそれらの製造方法 Download PDF

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Abstract

支持体及び金属回路層を含む配線板と該配線板の支持体側の面に配置された第一の仮支持体とを含む第一の積層体の金属回路層側の面に、第二の仮支持体を配置させて第二の積層体を得ること、前記第二の積層体から、前記第一の仮支持体を除去して、第三の積層体を得ること、並びに、前記第三の積層体における前記第一の仮支持体が除去された面に、接着材層の一方の面を、ヒートシンクの配線板取り付け側の面に、該接着材層の他方の面を、それぞれ接触させ、該接着材層を硬化させること、を含むヒートシンク付配線板の製造方法。

Description

本発明は、ヒートシンク付配線板、ヒートシンク付部品実装配線板及びそれらの製造方法に関する。
電子部品の小型化又は高集積化によって電子部品の発熱量が年々増加しており、電子部品を実装する配線板には高い放熱性が必要とされている。このため従来より、放熱性を高めるために、配線板にヒートシンク等の放熱部材を取り付けることが行われている。更に、この配線板には電子部品の発する熱をより効率的に外部に逃がすことが求められる。このため、回路層とは反対側の面(以下、「裏面」ともいう)にアルミ、銅等の金属板を片面に配したいわゆる金属ベース配線板が使用されることが多い(例えば、特開平9−46051号公報参照)。一般に金属ベース配線板は、部品実装後に、粘着シート等を介してヒートシンクに貼り付けられる。
粘着シートを使用する場合には、充分な接着力を得る為に数十μm〜数百μmの厚みが必要となる。しかしながら、厚みを厚くすることに伴い、熱抵抗が高くなる傾向がある。特に、金属ベース配線板では1mm厚程度の剛直な金属板が用いられており、剛直なヒートシンクとの間に薄い粘着シートを挿入しても、充分に配線板を密着できないという課題があった。この課題を解決するために、金属ベース配線板をヒートシンクに取り付ける際には、粘着シートから剥離して脱落しないように、配線板の一部はヒートシンクにネジ固定される場合がある。しかしながら、この方法は、ネジ固定を行う手間がかかる上に、配線板の一部をネジ固定すると、場合によって密着性にムラが生じ、熱抵抗を増大させることがあった。
一方、配線板の中でも、フレキシブルな配線板は柔軟性を有するために、比較的薄い粘着シートでもヒートシンクに配線板を取り付けることが可能である。しかし、粘着シートの厚みが薄い場合には、部品実装時のリフロー処理に対する耐性が充分とは言えない。このため、比較的薄い粘着シートは、部品実装後の配線板に貼付されることとなる。部品実装した配線板の表面に該部品が突出して設置されているため、部品実装した配線板をヒートシンクに取り付けるため部品を強く押すと、部品が破壊される可能性がある。そのため、部品を実装したフレキシブルな配線板をヒートシンクに取り付ける際には、部品が破損しないように、部品が配置されていない部分をヒートシンクに軽く押し付けて配線板を貼り付ける必要がある。
しかしながら、フレキシブルな配線板の部品が配置されていない部分を加圧するだけで高い密着性を得ることは困難であり、密着性の不良は熱抵抗を増大させることになる。
従って本発明は、配線板とヒートシンクとの密着性に優れ、高い熱伝導性を有するヒートシンク付配線板及びヒートシンク付部品実装配線板並びにこれらの製造方法を提供することを目的とする。
本発明は以下のとおりである。
[1] 支持体及び金属回路層を含む配線板と該配線板の支持体側の面に配置された第一の仮支持体とを含む第一の積層体の金属回路層側の面に、第二の仮支持体を配置させて第二の積層体を得ること、前記第二の積層体から、前記第一の仮支持体を除去して、第三の積層体を得ること、並びに、前記第三の積層体における前記第一の仮支持体が除去された面に、接着材層の一方の面を、ヒートシンクの配線板取り付け側の面に、該接着材層の他方の面を、それぞれ接触させ、該接着材層を硬化させること、を含むヒートシンク付配線板の製造方法。
[2] 前記支持体及び前記接着材層の総厚みの平均値が6μm以上100μm以下である[1]に記載のヒートシンク付配線板の製造方法。
[3] 前記支持体が絶縁層を含み、該絶縁層の厚みの平均値が3μm以上60μm以下である[1]又は[2]に記載のヒートシンク付配線板の製造方法。
[4] 前記接着材層の厚みの平均値が3μm以上70μm以下である[1]〜[3]のいずれか1に記載のヒートシンク付配線板の製造方法。
[5] 前記接着材層が熱硬化性である[1]〜[4]のいずれかに記載のヒートシンク付配線板の製造方法。
[6] 前記第一の仮支持体の厚みの平均値が10μm以上500μm以下である[1]〜[5]のいずれか1に記載のヒートシンク付配線板の製造方法。
[7] 150℃〜220℃の温度範囲及び10分〜360分の時間範囲で加熱して、前記接着材層を硬化させることを含む[5]又は[6]に記載のヒートシンク付配線板の製造方法。
[8] 150℃〜220℃の温度範囲及び10分〜360分の時間で加熱しながら、0.1MPa〜10MPaに加圧して、前記接着材層を硬化させることを含む[5]又は[6]に記載のヒートシンク付配線板の製造方法。
[9] [1]〜[8]のいずれか1に記載の製造方法によりヒートシンク付配線板を得ること、及び、前記ヒートシンク付配線板の前記金属回路層上に部品を実装すること、を含むヒートシンク付部品実装配線板の製造方法。
[10] [1]〜[8]のいずれか1に記載の製造方法により得られたヒートシンク付配線板。
[11] [9]に記載の製造方法により得られたヒートシンク付部品実装配線板。
[12] 支持体及び回路形成用金属層を含む配線板材料と、第一の仮支持体と、第二の仮支持体と、第三の仮支持体付接着材シートと、を含み、[1]〜[8]のいずれか1に記載のヒートシンク付配線板の製造方法に使用される、セット。
[13] 支持体及び金属回路層を含む配線板と、第一の仮支持体と、第二の仮支持体と、第三の仮支持体付接着材シートと、を含み、[1]〜[8]のいずれか1に記載のヒートシンク付配線板の製造方法に使用される、セット。
[14] [1]〜[8]のいずれか1に記載のヒートシンク付配線板の製造方法における、支持体及び回路形成用金属層を含む配線板材料と、第一の仮支持体と、第二の仮支持体と、第三の仮支持体付接着材シートと、を含むセットの使用。
[15] [9]に記載のヒートシンク付部品実装配線板の製造方法における、支持体及び回路形成用金属層を含む配線板材料と、第一の仮支持体と、第二の仮支持体と、第三の仮支持体付接着材シートと、を含むセットの使用。
[16] [1]〜[8]のいずれか1に記載のヒートシンク付配線板の製造方法における、支持体及び金属回路層を含む配線板と、第一の仮支持体と、第二の仮支持体と、第三の仮支持体付接着材シートと、を含むセットの使用。
[17] [9]に記載のヒートシンク付部品実装配線板の製造方法における、支持体及び金属回路層を含む配線板と、第一の仮支持体と、第二の仮支持体と、第三の仮支持体付接着材シートと、を含むセットの使用。
本発明によれば、配線板とヒートシンクとの密着性に優れ、高い熱伝導性を有するヒートシンク付配線板及びヒートシンク付部品実装配線板並びにこれらの製造方法を提供できる。
本発明にかかるヒートシンク付配線板の一例の部分断面図である。 本発明にかかる回路形成用金属層、絶縁層が積層された配線板材料の一例の部分断面図である。 本発明にかかる金属回路層、絶縁層が積層された配線板の一例の部分断面図である。 本発明にかかるヒートシンク付配線板の製造方法の一例を説明する部分断面図である。 本発明にかかるヒートシンク付配線板の製造方法の一例を説明する上面図である。 本発明にかかるヒートシンク付部品実装配線板の一例の部分断面図である。 本発明にかかるヒートシンク付部品実装配線板の一例の上面図である。 従来のヒートシンク付部品実装配線板の製造方法を説明する部分断面図である。
本明細書において「工程」との語は、独立した工程だけではなく、他の工程と明確に区別できない場合であってもその工程の所期の目的が達成されれば、本用語に含まれる。また本明細書において「〜」を用いて示された数値範囲は、「〜」の前後に記載される数値をそれぞれ最小値及び最大値として含む範囲を示すものとする。更に本明細書において組成物中の各成分の量は、組成物中に各成分に該当する物質が複数存在する場合、特に断らない限り、組成物中に存在する当該複数の物質の合計量を意味する。本明細書において「層」との語は、平面図として観察したときに、全面に形成されている形状の構成に加えて、一部に形成されている形状の構成も包含される。本明細書において「積層体」との語は、2以上の層が重ね合わされた重層体を意味し、重層体に含まれる各層は、互いに密着結合して重ね合わされていてもよく、剥離等によって互いに分離可能に重ね合わされていてもよい。
本発明のヒートシンク付配線板の製造方法は、支持体及び金属回路層を含む配線板と該配線板の支持体側の面に配置された第一の仮支持体とを含む第一の積層体の金属回路層側の面に、第二の仮支持体を配置させて第二の積層体を得ること(以下、第二の積層体作製工程ともいう)、前記第二の積層体から、前記第一の仮支持体を除去して、第三の積層体を得ること(以下、第三の積層体作製工程ともいう)、並びに、前記第三の積層体における前記第一の仮支持体が除去された面に、接着材層の一方の面を、ヒートシンクの配線板取り付け側の面に、該接着材層の他方の面を、それぞれ接触させ、該接着材層を硬化させること(以下、接着工程ともいう)を含み、必要に応じて他の工程を含む。
また、本発明のヒートシンク付部品実装配線板の製造方法は、前記ヒートシンク付配線板の製造方法によりヒートシンク付配線板を得ること、前記ヒートシンク付配線板の前記金属回路層に部品を実装すること、を含む。即ち、本発明のヒートシンク付部品実装配線板の製造方法は、支持体及び金属回路層を含む配線板と該配線板の支持体側の面に配置された第一の仮支持体とを含む第一の積層体の金属回路層側の面に、第二の仮支持体を配置させて第二の積層体を得ること(以下、第二の積層体作製工程ともいう)、前記第二の積層体から、前記第一の仮支持体を除去して、第三の積層体を得ること(以下、第三の積層体作製工程ともいう)、前記第三の積層体における前記第一の仮支持体が除去された面に、接着材層の一方の面を、ヒートシンクの配線板取り付け側の面に、該接着材層の他方の面を、それぞれ接触させ、該接着材層を硬化させてヒートシンクの配線板を得ること(以下、接着工程ともいう)、並びに、前記ヒートシンク付配線板の前記金属回路層に部品を実装すること(以下、部品実装工程ともいう)を含み、必要に応じて他の工程を含む。
本発明のヒートシンク付配線板の製造方法及びヒートシンク付部品実装配線板の製造方法では、配線板を含む第三の積層体における第一の仮支持体が除去された面とヒートシンクの配線板取り付け側の面とをそれぞれ接着材層の一方の面及び他方の面に接触させて、接触している接着材層を硬化することにより、配線板とヒートシンクを接着させてヒートシンク付配線板を得る。また、部品実装を行う場合には、このようなヒートシンク付配線板を先に得てから、ヒートシンク付配線板の金属回路層に部品を実装する。このような製造方法で得られたヒートシンク付配線板及びヒートシンク付部品実装配線板は、配線板とヒートシンクを、接着材層を介して接着するので、配線板とヒートシンクとの密着性に優れ、高い熱伝導性を有する。また、配線板とヒートシンクとを接着材層を介して接着する際に、配線板の金属回路層上に第二の仮支持体が配置されているため、取り扱い性に優れ、配線板とヒートシンクとを優れた生産性で接着することが可能となる。更に、一般に接着材は、粘着材に比べて高い耐熱性を有するために、ヒートシンク付配線板を得てから部品を実装することが可能となる。更に、配線板とヒートシンクとは、接着材層を介して接着されるため、粘着材層を介して貼り合わせる場合に比べて、接着材層の厚みをより薄くすることが可能となる。
以下、本発明を説明する。
配線板は、支持体及び金属回路層を含む。
第一の積層体は、配線板と、配線板の支持体側の面に配置された第一の仮支持体とを含む。すなわち、第一の積層体は、第一の仮支持体、支持体及び金属回路層の順に配置されてなる。
第二の積層体は、第一の積層体の金属回路層側の面に、第二の仮支持体を配置させて得られる。すなわち、第二の積層体は、第一の仮支持体、支持体、金属回路層及び第二の仮支持体の順に配置されてなる。
第三の積層体は、第二の積層体から第一の仮支持体を除去して得られる。すなわち、第三の積層体は、支持体、金属回路層及び第二の仮支持体の順に配置されてなる。
ヒートシンク付配線板は、第三の積層体における第一の仮支持体が除去された面に、接着材層の一方の面を、ヒートシンクの配線板取り付け側の面に、該接着材層の他方の面を、それぞれ接触させ、接着材層を硬化させて得られる。第三の積層体に含まれる第二の仮支持体は除去されてもよい。すなわち、ヒートシンク付配線板は、ヒートシンク、接着材層を硬化した硬化接着材層、支持体及び金属回路層の順に配置されてなる。
ヒートシンク付部品実装配線板は、ヒートシンク付配線板の金属回路層上に部品を実装することにより得られる。すなわち、ヒートシンク付部品実装配線板は、ヒートシンク、接着材層を硬化した硬化接着材層、支持体、金属回路層及び部品の順に配置されてなる。
第一の積層体、第二の積層体及び第三の積層体は、それぞれ、必要に応じて他の層を含むことができる。
接着材層は、ヒートシンク又は第三の積層体に取り付ける際に、ヒートシンク又は第三の積層体の取り付け面と反対側となる面に、第三の仮支持体を有していてもよい。
なお、本明細書では、本発明における第一の仮支持体を搬送用支持基材A、第二の仮支持体を搬送用支持基材B、第三の仮支持体を支持用セパレータと、それぞれ称することがある。
本発明における配線板、ヒートシンク付配線板、配線板材料、及びヒートシンク付部品実装配線板の一例を、それぞれ図面を参照して説明する。
図1には、本発明の一実施形態にかかるヒートシンク付配線板80が示されている。ヒートシンク付配線板80は、ヒートシンク50と、接着材層16と、支持体である絶縁層17と、金属回路層11とをこの順で含む。ここでヒートシンク付配線板80における接着材層は、硬化処理された硬化接着材層となっている。図1及び図3には、本発明の一実施形態にかかる配線板32が示されている。配線板32は、金属回路層11と、支持体である絶縁層17とをこの順で含む。図2には、本発明の一実施形態にかかる配線板材料30が示されている。配線板材料30は、回路形成用金属層10と、支持体である絶縁層17とをこの順で含む。図6には、本発明の一実施形態にかかるヒートシンク付部品実装配線板100が示されている。ヒートシンク付部品実装配線板100は、ヒートシンク付配線板80と、ヒートシンク付配線板80上に導電性接続材料42を介して実装された部品40と、を含む。
次に本発明の製造方法について説明する。
本発明の製造方法では、まず、第一の積層体の金属回路層側の面に搬送用支持基材Bを配置して、第二の積層体を得て、第二の積層体から搬送用支持基材Aを除去して第三の積層体を得る。次いで、得られた第三の積層体における搬送用支持基材Aが除去された面、即ち、搬送用支持基材Aの除去後に現れる支持体の面に、接着材層の一方の面を接触させ、接着材層の他方の面に、ヒートシンクを接触させ、それぞれの面に接触している接着材層を硬化させ、配線板とヒートシンクとを接着し、ヒートシンク付配線板を得る。
このようにヒートシンクと配線板とを、接着材層の両面に接触させ、接着材層を硬化しているので、粘着材層ほどの厚みを必要とせずに、粘着材層を用いる場合と比較して強固に、配線板とヒートシンクとを重ね合わせることができる。
また、ヒートシンク付部品実装配線板を得る場合には、接着材層を用いて配線板とヒートシンクとを接着してヒートシンク付配線板を得ているので、得られたヒートシンク付配線板の金属回路層上に部品を実装することができる。
本発明の製造方法を、従来の製造方法と対比して更に説明する。
従来のヒートシンク付部品実装配線板の製造方法を図8に示す。
図8(I)〜(III)に示されるように、従来は、金属基板13上に絶縁層12及び回路形成用金属層10を配置した後に、回路形成用金属層10に回路を形成することによって金属回路層11を有する配線板32Aを得る。この配線板32Aの金属回路層11上に、導電性接続材料42を介して部品40を配置し、リフロー処理等の高温処理を行って部品40を実装し、まずは、部品実装配線板65Aを得る。次いで、図8(IV)及び(V)に示されるように、部品実装配線板65Aの金属回路層11とは反対面の金属基板13上に、支持用セパレータ18付の放熱性粘着材層15を接触させ、粘着材層付部品実装配線板70Aを得る。最後に、粘着材層付部品実装配線板70Aの支持用セパレータ18を除去して放熱性粘着材層15を露出させ、放熱性粘着材層15にヒートシンク50を配置して加圧し、ヒートシンク付部品実装配線板100Aを得ている。ここで粘着材とは、常温(25℃)で粘着性を有し、軽い圧力で被着体に接着する物質を意味し、物体の間に介在し、熱等によって硬化して物体を結合する接着材とは、性質が全く異なるものである。
従来の製造方法では、このような工程を経て、ヒートシンク付部品実装配線板100Aを得ているため、金属基板13、絶縁層12及び金属回路層11で構成される配線板32Aとヒートシンク50とを充分な密着力で貼り合わせるには放熱性粘着材層15の厚みを厚くする必要がある。この結果、放熱性粘着材層15の厚みの増加に伴って、熱伝導性が低下する。また、放熱性粘着材層15を配置する前に部品40を金属回路層11上に実装しているため、部品実装配線板65Aとヒートシンク50とを貼り合わせる際、強く加圧することができず、密着力に劣る。このように、従来の方法では、配線板32Aとヒートシンク50との密着力が充分とはいえず、高い熱伝導性を実現することができなかった。
本発明では、放熱性粘着材層15(図8参照)の代わりに接着材層を用いることにより、配線板とヒートシンクとの密着性に優れ、高い熱伝導性を有するヒートシンク付配線板及びヒートシンク付部品実装配線板を得ることができる。
また、このヒートシンク付配線板に部品実装したヒートシンク付部品実装配線板は、ヒートシンク付配線板の放熱性が優れているために、部品が発する熱を効率よくヒートシンクに逃がすことができる。その結果、部品の温度上昇を抑制でき、部品の寿命が向上した電子部品として提供することができる。
また本発明のヒートシンク付配線板は、その製造工程において配線板材料又は配線板に搬送用支持基材A及び搬送用支持基材Bの少なくとも一方を備えて取り扱われるので、配線板材料又は配線板を備える第一の積層体、第二の積層体及び第三の積層体の剛性が高まり、取り扱いが容易となる。このため、例えば、必要な大きさに小片化された複数の配線板を、ヒートシンク上の互いに離れた適切な位置にそれぞれ個別にさせることが可能となる。この結果、複数の部品から発生する熱を分散させて放熱できるため、部品温度の上昇をより効果的に抑制できる。
従来は、複数の部品を分散させて配置する場合、複数の部品の配置領域全体に対して作業性よく加圧するために、その配置範囲全体に対応する大きなサイズの配線板が必要であった。しかしこの場合、配置された複数の部品の間に有効利用されない配線板の部分が存在することとなる。このような有効利用されない配線板の部分は、部品の配置位置によっては大きな面積を占めるために効率が悪くなる。このため、複数の部品を分散させて配置することは現実的ではなかった。
一方、本発明では、部品実装又は配線に必要な部分に配線板を配置することができる。そのため、部品間距離が広がっても利用されない配線板の部分は必要以上に発生せず、放熱性を向上させるために、部品を効率よく配置することが可能となった。また、例えば、複数の配線板をまとめて作製した後に、所望の形状及び大きさに切り離して、個々のヒートシンクの所望の位置に貼り付けて、ヒートシンク付配線板及びヒートシンク付部品実装配線板を得ることも可能となった。
また、前記ヒートシンク付配線板の製造方法及び前記ヒートシンク付部品実装配線板の製造方法では、第一の仮支持体(搬送用支持基材A)及び第二の仮支持体(搬送用支持基材B)の少なくとも一方が、ヒートシンクを取り付けるまでに得られる仮支持体付配線板材料、第一の積層体、第二の積層体、第三の積層体等の積層体の少なくとも一方の面に必ず配置されているので、各積層体の剛性を高めて作業性を高め、また、各積層体の一方の面に新たな層又は部材を設ける際に他方の面を保護することができる。更に、第一の仮支持体及び第二の仮支持体の少なくとも一方によって各積層体の剛性が高まるので、例えば、搬送等のために配線板又は配線板材料の端部等を手又は冶具によって挟む等、配線板又は配線板材料を取り扱う際に、シワ等の発生が抑えられる傾向がある。
以下、本発明のヒートシンク付配線板の製造方法及びヒートシンク付部品実装配線板の製造方法に用いられる各部材について説明する。
〔配線板材料及び配線板〕
配線板材料は、回路形成用金属層と、支持体とを含む。前記配線板材料は、必要に応じて更に他の層を含むことができる。配線板は、金属回路層と、支持体としての絶縁層とを含む。前記配線板は、必要に応じて更に他の層を含むことができる。
(回路形成用金属層及び金属回路層)
前記回路形成用金属層は、回路を形成可能な金属からなるものであれば特に制限はない。一般的には金属箔を用いて構成される。金属箔としては、銅、アルミ、鉄、金、銀、ニッケル、パラジウム、クロム、モリブデン又はこれらの合金の箔が好適に用いられる。これらの中でも金属箔としては、高い導電率と汎用性の観点から銅箔が好ましい。
回路形成用金属層の厚みの平均値は、回路を形成可能である限り特に制限されず、導電性の観点から5μm以上150μm以下であることが好ましく、汎用性の観点から9μm以上110μm以下であることがより好ましく、放熱性の観点から15μm以上80μm以下であることが更に好ましく、放熱性の観点から30μm以上80μm以下であることが特に好ましい。5μm以上の平均厚みの場合には、回路形成用金属層から回路形成された金属回路層の面内に部品の熱を拡散しやすくなる傾向にあり、150μm以下の平均厚みの場合には、回路形成時の加工時間が長くなるのが抑えられる傾向にある。
なお本発明において層又は積層体の厚みの平均値は、対象となる層又は積層体の5点の厚みを測定し、その算術平均値として与えられる値とする。層又は積層体の厚みは、マイクロメーター、渦電流式膜厚計、電子顕微鏡等を用いて測定することができる。本発明において、層又は積層体の厚みを直接測定可能な場合には、マイクロメーターを用いて測定する。一方、積層体の一部を構成する1つの層の厚み又は複数の層の総厚みを測定する場合には、電子顕微鏡を用いて、積層体の重層方向の断面を観察することで測定する。
回路形成用金属層は、支持体上の全面に設けられていても、支持体上の一部の領域にのみ設けられていてもよい。回路形成用金属層は、熱伝達の向上のために、支持体上の全面に設けられていることが好ましい。
金属回路層は、支持体上に形成された回路を含むものであり、生産性の高さから、金属回路層は、回路形成用金属層に回路を形成する回路形成処理により得られることが好ましい。回路形成処理としては特に制限されず、配線板材料の回路形成用金属層を回路加工するのに通常用いられる方法から適宜選択して行うことができる。回路形成用金属層の回路加工方法としては、印刷、フォトレジストフィルム等を使用して、回路形成用金属層上に回路形成用のレジストを所望の形状に形成する工程と、回路形成用金属層のレジストが形成されていない領域の回路形成用金属層を腐食性の液でエッチングして除去する工程とを含む方法が挙げられる。
金属回路層の厚みの平均値は、エッチング等で浸食されていない箇所の厚みの平均値とし、具体的な厚みの平均値の範囲は、既述した回路形成用金属層の厚みの平均値と同一である。
回路形成用金属層の絶縁層と接触する面には、絶縁層との密着力を高めるために、化学的粗化、コロナ放電、サンディング、めっき、アルミニウムアルコラート、アルミニウムキレート、シランカップリング剤等による機械的又は化学的な処理が施されていてもよい。
(支持体)
配線板材料における支持体は絶縁層を含むことが好ましい。絶縁層は、絶縁性を示すものであれば特に制限されない。絶縁層は、絶縁破壊電圧の点から、1010Ω・cm以上の絶縁性を有していることが好ましく、1013Ω・cm以上の絶縁性を有していることがより好ましい。絶縁層の絶縁抵抗値は、測定電圧100V、室温(25℃)で、絶縁抵抗計により測定した値とする。
絶縁層は、高絶縁性の点で樹脂によって構成されることが好ましい。前記樹脂としては、ポリイミド、ポリエステル等の高分子量樹脂、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、アクリル樹脂、これらの混合物等を挙げることができる。耐熱性の観点から絶縁層には、ポリイミド樹脂、エポキシ樹脂、及びアクリル樹脂からなる群より選択された少なくとも1種の樹脂を用いることが好ましい。これらの樹脂はポリマーアロイ等の混合物であってもよく、1種単体で用いてもよい。
前記ポリイミド樹脂としては、耐熱性の観点から、変性ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂及び変性ポリアミドイミド樹脂からなる群より選択される少なくとも1種が好ましく、接着性の観点からポリアミドイミド樹脂及び変性ポリアミドイミド樹脂からなる群より選択される少なくとも1種がより好ましく、応力緩和性の観点からシリコーン変性ポリアミドイミド樹脂であることが更に好ましい。
また絶縁層は、応力緩和性の観点から、低架橋密度のアクリル樹脂等を含んでもよい。更に絶縁層は、機械特性又は電気特性の観点から、少なくとも1種のポリイミド樹脂又はポリイミド前駆体を含む樹脂組成物から形成されることが好ましい。ポリイミド前駆体であるポリアミック酸は絶縁層の製造過程でポリイミド樹脂に変換される。前記ポリイミド樹脂又はポリイミド前駆体を含む樹脂組成物は、エポキシ化合物、アクリル化合物、ジイソシアネート化合物、フェノール化合物等の硬化成分、フィラー、色材、レベリング剤、カップリング剤等の添加成分を任意に含むことも可能である。フィラーとしては、アルミナ、窒化ホウ素、窒化アルミニウム、シリカ、マイカ等の粒子が挙げられる。前記ポリイミド樹脂又はポリイミド前駆体を含む樹脂組成物において、これらの硬化成分及び添加成分の合計含有量は、ポリイミド樹脂使用の効果である機械特性又は電気特性を低下させない観点から、ポリイミド樹脂又はポリイミド前駆体の総含有量よりも少なくすることが好ましい。
絶縁層の厚みの平均値は特に制限されない。絶縁層の厚みの平均値は、放熱性の観点から3μm以上60μm以下であることが好ましく、4μm以上50μm以下であることがより好ましく、5μm以上40μm以下であることが更に好ましく、5μm以上30μm以下であることが更により好ましく、5μm以上20μm以下であることが極めて好ましく、5μm以上15μm以下であることが特に好ましく、5μm以上10μm以下であることが最も好ましい。絶縁層の厚みの平均値が3μm以上であれば、絶縁破壊電圧の低下、及び接着力の低下を抑制できる傾向があり、一方、60μm以下であれば、熱抵抗の増加を抑制できる傾向がある。絶縁層は単層で構成されていてもよく、2層以上の多層で構成されていてもよい。例えば絶縁層が2層の構造を有する場合、絶縁破壊電圧は2層目よりも1層目の方が高く、接着力は1層目よりも2層目の方が高い等、異なる特性を有するものを組み合わせてもよい。
絶縁層を構成する樹脂のガラス転移温度(Tg)は、耐熱性の点で100℃以上が好ましく、150℃以上がより好ましく、200℃以上が更に好ましく、250℃以上が特に好ましい。ガラス転移温度が100℃以上であれば、部品実装工程での短時間の高温処理に適用することができる。樹脂がより高いガラス転移温度を有する場合、例えばガラス転移温度が150℃以上であると回路形成時の加熱に対する耐熱性がより向上する傾向があり、200℃以上であるとレジスト形成工程における耐熱性がより向上する傾向があり、250℃以上であると部品実装工程における耐熱性がより向上する傾向がある。
ガラス転移温度は、一般に、示差熱量測定(DSC)、動的粘弾性測定(DMA)又は熱機械測定(TMA)により測定できる。
本発明においては、絶縁層を構成する樹脂のTgには動的粘弾性測定(DMA)によって以下の測定条件で測定されたガラス転移温度を採用する。厚みの平均値が50μmの絶縁層を7層重ね合わせた350μmの絶縁層のシートを、5mm幅、20mm長に外形加工する。絶縁層の重ね合わせはホットロールラミネータを用いて、40℃、0.3MPaで行う。更に、粘弾性アナライザー(レオメトリックス社、商品名:RSA−2)を用いて、引っ張りモード、昇温速度5℃/min、周波数10Hz、測定温度30℃〜300℃の条件で測定した時のtanδのピーク温度をTgとして評価する。なお、tanδのピークが複数ある場合は、最も高温側のtanδのピーク温度をTgとする。
支持体として配線板に適用可能な他の層としては、支持用金属層等を挙げることができる。支持用金属層としては、熱伝導性を示すものであれば特に制限されず、一般的には金属箔を用いて構成される。金属箔の例としては、回路形成用金属層又は金属回路層に用いられる金属箔と同様のものを挙げることができ、高熱伝導率の観点から銅箔が、また加工性又は軽量化の観点からはアルミニウム箔が、それぞれ好適に用いられる。支持用金属層が絶縁層と接する面には、絶縁層との密着力を高めるために、化学的粗化、コロナ放電、サンディング、めっき、アルミニウムアルコラート、アルミニウムキレート、シランカップリング材等による機械的又は化学的な処理が施されていてもよい。また、支持体として支持用金属層を含む場合には、絶縁層の全面に設けられていても、一部の領域にのみ設けられていてもよい。熱伝導性と加工性の観点から、絶縁層の全面に設けられていることが好ましい。支持用金属層の厚みの平均値は、軽量化の観点から17μm以上300μm以下であることが好ましく、放熱性の観点から35μm以上250μm以下であることがより好ましい。
配線板材料又は配線板における支持体上に回路形成用金属層又は金属回路層が形成された材料の具体例としては、従来の芳香族ポリイミドのような非熱可塑性ポリイミドのフィルムを高分子絶縁フィルム(絶縁層)として用いた金属箔付フレキシブル基板、ポリイミドフィルム上に銅等の金属を蒸着又はスパッタリングで成膜した配線板材料、熱成形可能な液晶ポリマーを使用した配線板材料などを挙げることができる。特に、耐熱性に優れる点で、特開2007−273829号公報、WO2007/049502号パンフレット、特開2007−168123号公報等に記載されているエポキシ樹脂又はアクリル樹脂などを用いた接着材を用いないフレキシブル基板又はフレキシブルプリント配線板を好ましく用いることができる。
〔第一の積層体〕
第一の積層体は、配線板と、配線板の支持体側の面に配置された搬送用支持基材Aとを含み、必要に応じて他の層を含むことができる。搬送用支持基材Aは、支持体のヒートシンク取り付け側の面に配置されていればよい。第一の積層体は、配線板材料に回路形成処理を施して準備してもよい。また金属回路層及び支持体の積層体と、搬送用支持基材Aとを、支持体の金属回路層形成側と反対側の面に搬送用支持基材Aが対向するように重ね合わせて準備してもよい。また第一の積層体としては、所望の金属回路層が予め形成された市販品を用いてもよい。
(搬送用支持基材A)
搬送用支持基材Aとしては、積層体の剛性を高めることが可能であれば特に限定されない。搬送用支持基材Aとしては、配線板材料に回路形成処理を施す場合、回路形成処理において薬液に侵されないように耐薬液性の高い材質が好ましい。中でも、搬送用支持基材Aの材質は、プラスチックであることが流通性又は価格の観点から好ましい。搬送用支持基材Aに適用されるプラスチックとしては、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル樹脂;ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、エチレン酢酸ビニル共重合体(EVA)等のポリオレフィン樹脂;ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン等のビニル系樹脂;ポリサルホン樹脂;ポリエーテルサルホン樹脂;ポリカーボネート樹脂;ポリアミド樹脂;ポリイミド樹脂;アクリル樹脂などが挙げられる。これらのプラスチックはフィルム状として用いられることが好ましい。搬送用支持基材Aにおけるこれらのプラスチックフィルムの積層数は特に制限されず、単層のフィルムで搬送用支持基材Aを構成することができ、2層以上を組合せた多層フィルムとして搬送用支持基材Aを構成することができる。中でも、前記プラスチックフィルムとしては、透明性、耐熱性、取り扱いやすさ、価格の点等からポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリプロピレンフィルム及びポリエチレンフィルムが特に好ましい。
搬送用支持基材Aは、絶縁層と接する面に粘着材層を含むことが好ましい。これにより、絶縁層からの搬送用支持基材Aの剥離を防止することができ、より確実に配線板を支持することができる。
粘着材層は、例えば、高分子量成分、タッキファイヤ、及び必要に応じてその他添加物を含んで構成される。前記高分子量成分として具体的には、例えば、ポリイミド樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ブタジエンゴム、アクリルゴム、ポリ(メタ)アクリル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリフェニレンエーテル樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、フェノキシ樹脂、変性ポリフェニレンエーテル樹脂、変性フェノキシ樹脂、ポリカーボネート樹脂及びそれらの混合物が挙げられる。粘着力の観点から高分子量成分は、ポリ(メタ)アクリル樹脂、アクリルゴム、ブタジエンゴム及びポリウレタン樹脂からなる群より選ばれる少なくとも1種であることが好ましく、ポリ(メタ)アクリル樹脂及びアクリルゴムからなる群より選ばれる少なくとも1種であることがより好ましい。
粘着材層の厚みの平均値は特に限定されない。粘着材層の厚みの平均値は、被着体である配線板を含む第一の積層体と搬送用支持基材Aとが充分に密着するために必要な厚みであればよく、0.3μm以上30μm以下とすることが好ましく、0.5μm以上20μm以下であることがより好ましい。
搬送用支持基材Aの厚みの平均値(搬送用支持基材Aが粘着材層を含む場合には、搬送用支持基材Aと粘着材層との総厚みの平均値)は特に制限はなく、第一の積層体の搬送しやすさの点で500μm以下のものが好ましく、また、第一の積層体の剛性を高めて、取扱い性及び搬送しやすさをより向上させることができる点で10μm以上が好ましい。また、取り扱い性と搬送しやすさの点で、搬送用支持基材Aの厚みの平均値は、10μm以上500μm以下がより好ましく、20μm以上400μm以下が更に好ましく、30μm以上300μm以下が特に好ましい。
前記配線板材料又は配線板の厚みの平均値に対する搬送用支持基材Aの厚みの平均値の比率は特に制限されず、目的等に応じて適宜選択できる。配線板材料と搬送用支持基材Aとの積層体(仮支持体付配線板材料ということがある)又は配線板と搬送用支持基材Aとの積層体の剛性を高めて、取り扱い性を向上させる観点から、配線板材料又は配線板の厚みの平均値に対する搬送用支持基材Aの厚みの平均値の比率(搬送用支持基材Aの厚みの平均値/配線板材料又は配線板の厚みの平均値)は、0.1〜4.0であることが好ましく、0.1〜3.0であることがより好ましく、0.2〜2.0であることが更に好ましい。
〔第二の積層体〕
第二の積層体は、第一の積層体と、第一の積層体の金属回路層側の面に配置された搬送用支持基材Bとを含み、必要に応じて他の層を含むことができる。
(搬送用支持基材B)
搬送用支持基材Bの材質は特に限定されない。搬送用支持基材Bとしては、一般的にはプラスチックであることが流通性又は価格の観点から好ましい。搬送用支持基材Bに適用されるプラスチックとしては、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル樹脂;ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、エチレン酢酸ビニル共重合体(EVA)等のポリオレフィン樹脂;ポリ塩化ビニル;ポリ塩化ビニリデン等のビニル系樹脂;ポリサルホン樹脂;ポリエーテルサルホン樹脂;ポリカーボネート樹脂;ポリアミド樹脂;ポリイミド樹脂;アクリル樹脂などが挙げられる。これらのプラスチックはフィルム状で用いられることが好ましい。搬送用支持基材Bにおけるこれらのプラスチックフィルムの積層数は特に制限されない。これらのプラスチックフィルムは、単層で搬送用支持基材Bに含まれていてもよく、2層以上を組合せた多層フィルムとして含まれていてもよい。中でも、前記プラスチックフィルムとしては、透明性、耐熱性、取り扱いやすさ、価格の点からポリエチレンテレフタレートフィルムが特に好ましい。
搬送用支持基材Bは、配線板側となる面に粘着材層を含むことが好ましい。これにより、粘着材層を介して配線板に重ね合わせた場合、配線板からの搬送用支持基材Bの剥離を防止することができ、より確実に配線板を支持することができる。
粘着材層は、例えば、高分子量成分、タッキファイヤ、及び必要に応じてその他添加物を含んで構成される。前記高分子量成分として具体的には、例えば、ポリイミド樹脂、ポリスチレン樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリエステル樹脂、ポリアミド樹脂、ブタジエンゴム、アクリルゴム、ポリ(メタ)アクリル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリフェニレンエーテル樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、フェノキシ樹脂、変性ポリフェニレンエーテル樹脂、変性フェノキシ樹脂、ポリカーボネート樹脂及びそれらの混合物が挙げられる。粘着力の観点から高分子量成分は、ポリ(メタ)アクリル樹脂、アクリルゴム、ブタジエンゴム及びポリウレタン樹脂からなる群より選ばれる少なくとも1種であることが好ましく、ポリ(メタ)アクリル樹脂及びアクリルゴムからなる群より選ばれる少なくとも1種であることがより好ましい。
粘着材層の厚みの平均値は特に限定されない。粘着材層の厚みの平均値は、被着体である配線板を含む第二の積層体と搬送用支持基材Bとが充分に貼り付くために必要な厚みであればよく、0.3μm以上30μm以下とすることが好ましく、0.5μm以上20μm以下であることがより好ましい。
搬送用支持基材Bの厚みの平均値(搬送用支持基材Bが粘着材層を含む場合には、搬送用支持基材Bと粘着材層との総厚みの平均値)は特に制限はなく、第二の積層体及び後述する第三の積層体の搬送の容易性の点で500μm以下のものが好ましい。また、第二の積層体又は第三の積層体の搬送性及び取り扱い性の点で、10μm以上500μm以下であることが好ましく、15μm以上400μm以下であることが好ましく、15μm以上300μm以下であることがより好ましい。
〔第三の積層体〕
第三の積層体は、第二の積層体から搬送用支持基材Aを除去したものである。これにより、配線板のヒートシンク取り付け側の面に配置された支持体上に、他の層が配置可能となる。なお、接着材層と支持体及び金属回路層を含む配線板とをこの順で含む積層体を、特に接着材層付配線板という場合がある。
〔接着材層〕
接着材層は、一方の面を、第三の積層体における搬送用支持基材Aが除去された面、即ち、配線板の支持体側の面と接触させ、他方の面を、ヒートシンクの配線板取り付け側の面と接触させて配置される。
接着材層は、絶縁性を示すものが好ましい。接着材層は、絶縁破壊電圧の点で、1010Ω・cm以上の絶縁性を有していることが好ましく、1013Ω・cm以上の絶縁性を有していることがより好ましい。接着材層の絶縁抵抗値は、絶縁層の絶縁抵抗値の測定方法と同様の方法で測定した値とする。
接着材層は熱硬化性であることが好ましい。本発明における熱硬化性とは、加熱すれば硬化して不溶性又は不融性になり、元の軟らかさには戻らない性質を意味する。接着材層に含まれる接着材は、作業性の観点から、熱硬化前かつ20℃〜60℃の温度範囲での粘度の最大値が100Pa・s〜1,000,000Pa・sであるのに対して、熱硬化前かつ60℃を超え200℃以下の温度範囲での粘度の最小値が、熱硬化前かつ20℃〜60℃の温度範囲での粘度の最大値よりも低下するものであることが好ましく、熱硬化前かつ20℃〜60℃の温度範囲での粘度の最大値が2×10Pa・s〜10×10Pa・sであるのに対して、熱硬化前かつ60℃を超え200℃以下の温度範囲での粘度の最小値が10Pa・s〜7×10Pa・sの範囲であって、熱硬化前かつ20℃〜60℃の温度範囲での最大値の粘度よりも低下することがより好ましく、熱硬化前かつ20℃〜60℃の温度範囲での粘度の最大値が5×10Pa・s〜5×10Pa・sであるのに対して、熱硬化前かつ60℃を超え200℃以下の温度範囲での粘度の最小値が2×10Pa・s〜5×10Pa・sの範囲であって、熱硬化前かつ20℃〜60℃の温度範囲での粘度の最大値よりも低下することが更に好ましい。熱硬化前の20℃〜60℃の温度範囲での粘度が高いことで、配線板とヒートシンクとの仮固定等の作業が容易になる。また、熱硬化前において60℃を超え200℃以下の温度範囲で接着材層の粘度が低下することにより、配線板の支持体及びヒートシンクへ確実に密着できる。更に、接着材層の硬化後に加熱によって接着材層が溶融しなくなるために、ヒートシンク付配線板への部品実装工程においてリフロー処理等の高温処理を施しても、配線板の浮き、剥離、ずれ又は接着材の流動による染み出し等を防止することができる。また、接着材層の硬化による接着は一般に粘着材層による貼り合わせよりも強固になるため、ネジ等の補助的な固定方法を必要とせずに、配線板とヒートシンクとを結合することができる。粘度はずり粘度測定によって測定する。具体的には、昇温速度5℃/min、周波数10Hzの条件で、サンプルをはさむ測定冶具は円形の平板を用いて、ARAS TEST STATION(Rheometric Scientific社)にて測定したずり粘度の測定値とする。なお、20℃〜60℃での温度範囲での粘度の最大値は、測定方法及び熱硬化性樹脂の性質から60℃で測定したときの粘度で代用してもよい。
接着材の最低溶融粘度は、接着材層を硬化する加熱工程又は加圧加熱工程において、接着材層に含まれる接着材の流動性に影響する。そのため、加熱工程又は加圧加熱工程で加えられる温度範囲、例えば、60℃を超え200℃以下における最低溶融粘度を調整することが、取り扱い性又は、端部からの接着材の流出を抑制しやすい観点から好ましい。なお、最低溶融粘度は、粘度の温度依存性を測定した際に、温度上昇による粘度低下と硬化反応による粘度増加とに伴って現れる粘度の最小値である。
接着材層に含まれる接着材の最低溶融粘度を評価する方法として、ずり粘弾性を測定する方法が挙げられる。ずり粘弾性を測定する条件の例としては、昇温速度5℃/min(例えば、加圧加熱工程における昇温速度)、周波数1Hz〜10Hzが挙げられる。サンプルをはさむ測定冶具としては、円形の平板が挙げられる。接着材の60℃を超え200℃以下における最低溶融粘度は、50Pa・s〜7×10Pa・sであることが好ましく、10Pa・s〜2×10Pa・sであることがより好ましく、2×10Pa・s〜10Pa・sであることが更に好ましい。60℃を超え200℃以下における最低溶融粘度が50Pa・s以上であれば、配線板のヒートシンクへの仮固定時又はヒートシンク付配線板の接着材層の硬化時に、接着材層からの接着材の染み出しによる密着面積率の低下又は接着材層の厚みバラツキの発生が抑制しやすくなる傾向がある。また60℃を超え200℃以下における最低溶融粘度が、7×10Pa・s以下であれば、配線板のヒートシンクへの密着性の低下又は接着力の低下の発生を抑制しやすくなる傾向がある。従って、60℃を超え200℃以下における最低溶融粘度が上記範囲内にあると、接着材層に含まれる接着材が、加熱時に優れた流動性を示し、被着体であるヒートシンクが表面に凹凸構造を有していても、被着体の形状に対して追従するため、硬化後により高い接着力を示す傾向がある。
接着材層は、硬化処理により支持体とヒートシンクとを接着する。本明細書において「硬化」とは、接着材層を構成する接着材の粘度が架橋反応によって上昇して、接着材が被着体に接着し、加熱によって溶融しなくなることを意味する。このため、一の層上に他の層が単に留め置かれ、より弱い力で剥離可能な状態(本明細書では、「仮固定」と称する場合がある)、粘着材による付着、及びホットメルト接着材の固化による付着と、接着材の硬化による接着とは明確に区別される。
接着材層は、製品実装時の耐リフロー性、及びヒートシンクと配線板との密着性の観点から、熱硬化性樹脂を含むことが好ましい。これにより、硬化処理後の接着材層には熱硬化接着材が含まれ、支持体とヒートシンクとがより強固に接着した積層体を得ることができる。
前記熱硬化性樹脂としては、ポリイミド、ポリエステル等の高分子量樹脂、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、ポリウレタン樹脂、アクリル樹脂及びこれらの混合物を挙げることができる。前記熱硬化性樹脂としては、耐熱性の観点からポリイミド樹脂、エポキシ樹脂及びアクリル樹脂からなる群より選択される少なくとも1種を用いることが好ましい。熱硬化性樹脂は、ポリマーアロイ等の混合物として用いてもよく、1種単体で用いてもよい。
前記ポリイミド樹脂としては、耐熱性の観点から、変性ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂及び変性ポリアミドイミド樹脂からなる群より選択される少なくとも1種が好ましく、接着性の観点からポリアミドイミド樹脂及び変性ポリアミドイミド樹脂からなる群より選択される少なくとも1種がより好ましく、応力緩和性の観点からシリコーン変性ポリアミドイミド樹脂であることが特に好ましい。これらの樹脂はポリマーアロイ等の混合物として用いてもよく、1種単体で用いてもよい。また、応力緩和性の観点から、接着材層は、低架橋密度のアクリル樹脂等を含んでもよい。
また、接着材層は、接着材組成物から作製されてもよい。接着材層を作製するために用いられる接着材組成物は、ポリイミド樹脂等の熱硬化性樹脂に加えて、エポキシ化合物、アクリル化合物、ジイソシアネート化合物、フェノール化合物等の硬化成分、フィラー、色材、レベリング剤、カップリング剤などの添加成分を任意に含むことも可能である。フィラーとしては、アルミナ、窒化ホウ素、窒化アルミニウム、シリカ、マイカ等の粒子が挙げられる。前記ポリイミド樹脂を含む樹脂組成物において、これらの硬化成分及び添加成分の合計含有量は、ポリイミド樹脂使用の効果である機械特性又は電気特性を低下させない観点から、ポリイミド樹脂の含有量よりも少なくすることが好ましい。
接着材層を構成する樹脂のガラス転移温度(Tg)は、耐熱性の点で100℃以上が好ましく、150℃以上がより好ましく、200℃以上が更に好ましく、250℃以上が特に好ましい。ガラス転移温度が100℃以上であれば、部品実装工程での短時間の高温処理に適用することができる。樹脂がより高いガラス転移温度を有する場合、例えばガラス転移温度が150℃以上であると回路形成時の加熱に対する耐熱性がより向上する傾向があり、200℃以上であるとレジスト形成工程における耐熱性がより向上する傾向があり、250℃以上であると部品実装工程における耐熱性がより向上する傾向がある。
ガラス転移温度は、一般に、示差熱量測定(DSC)、動的粘弾性測定(DMA)又は熱機械測定(TMA)により測定できる。
本発明においては、接着材層を構成する樹脂のTgには動的粘弾性測定(DMA)によって以下の測定条件で測定されたガラス転移温度を採用する。厚みの平均値が50μmの接着材層を7層重ね合わせた350μmの接着材層のシートを、5mm幅、20mm長に外形加工する。接着材層の重ね合わせはホットロールラミネータを用いて、40℃、0.3MPaで行う。次いで、粘弾性アナライザー(レオメトリックス社、商品名:RSA−2)を用いて、引っ張りモード、昇温速度5℃/min、周波数10Hz、測定温度30℃〜300℃の条件で測定した時のtanδのピーク温度をTgとして評価する。なお、tanδのピークが複数ある場合は最も高温側のtanδのピーク温度をTgとする。
接着材層の厚みの平均値は特に制限されない。接着材層の厚みの平均値は、熱伝導性と接着性の観点から3μm以上70μm以下であることが好ましく、4μm以上60μm以下であることがより好ましく、5μm以上50μm以下であることが更に好ましく、5μm以上40μm以下であることが更により好ましく、5μm以上30μm以下であることがなお更に好ましく、5μm以上20μm以下であることが極めて好ましく、5μm以上15μm以下であることが特に好ましく、5μm以上10μm以下であることが最も好ましい。接着材層の厚みの平均値が3μm以上であれば、良好な接着性を得られる傾向があり、70μm以下であれば良好な熱伝導性が得られる傾向がある。
接着材層のヒートシンクに対する密着性は、例えば、以下のようにして測定される密着面積率により評価することができる。配線板の接着材層をヒートシンクに貼り付ける場合と同じ条件で、配線板の接着材層を、ガラス、プラスチック等の透明基板に貼り付けて密着面積率評価用の試料を作製する。天井に2本の蛍光灯(1200mm長、40W)を間隔が10.7cmとなるように平行に設置する。試料を、蛍光灯から2m下で、2本の蛍光灯が透明基板に写り込み、且つ透明基板面が天井から床方向に対して45°傾いた状態となるように位置決めする。写り込んだ蛍光灯の発光部分の長手方向とデジタルカメラの撮影画像(縦横比3:4)の長手方向(横方向)とがほぼ平行になり、写り込んだ蛍光灯の発光部分の長手方向の全長が、試料に目印として貼り付けた長さ75mmのテープと同じ長さとなるように、試料とデジタルカメラの位置関係を調整して、画素数600万の評価用画像を得る。得られた評価用画像から、2本の蛍光灯に挟まれ、長手方向の中心付近にある領域の一部を矩形状の観察領域として選択する。選択された観察領域は、長手方向の長さが写り込んだ2本の蛍光灯の発光部分の長手方向の長さの80%で、短手方向の長さが写り込んだ2本の蛍光灯の間隔の70%である。
得られた観察領域に含まれる全画素について、各画素の明度に基づいて2値化処理する。2値化処理は、基準明度以上の明度を示す画素を非密着部と、基準明度未満の明度を示す画素を密着部と、それぞれ判定して行う。2値化処理された観察領域の全画素について、全画素数に対する密着部の画素数の割合(%)として密着面積率を算出する。
なお密着部と非密着部とを区別する基準明度は以下のようにして決定する。配線板の接着材層を透明基板に貼り付ける際に、一部の領域のみに、ヒートシンクに貼り付ける場合と同じ条件を適用して部分的に密着領域が形成された試料を別途作製する。作製した試料について上記と同様にして評価用画像を得て、密着領域における明度の最小値と、それ以外の領域における明度の最大値とから得られる平均値を基準明度とする。
前記密着面積率は85%以上であることが好ましく、90%以上であることがより好ましく、95%以上であることが更に好ましい。密着面積率が85%以上であると、充分な密着性が得られ、熱伝導性に優れる。
(支持用セパレータ)
接着材層は、取り扱い性及び剛性を高める観点から、接着材層を配線板又はヒートシンクへ取り付ける際に、配線板又はヒートシンクの取り付け側とは反対側となる面に、支持用セパレータ(第三の仮支持体)を有していてもよい。これにより、接着材層の配線板又はヒートシンクが配置する側とは反対側の接着材層の面を保護すると共に、配線板側に取り付けた場合には、配線板の剛性が高まり、取り扱い性を向上させることができる。
支持用セパレータの材質は、接着材層の剛性を高めることが可能であれば特に限定されない。中でも支持用セパレータの材質は、プラスチックであることが流通性又は価格の観点から好ましい。支持用セパレータに適用されるプラスチックとしては、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル樹脂;ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、エチレン酢酸ビニル共重合体(EVA)等のポリオレフィン樹脂;ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン等のビニル系樹脂;ポリサルホン樹脂;ポリエーテルサルホン樹脂;ポリカーボネート樹脂;ポリアミド樹脂;ポリイミド樹脂;アクリル樹脂などが挙げられる。これらのプラスチックはフィルム状として用いられることが好ましい。これらは単層のフィルムで支持用セパレータを構成することができる。また2層以上を組合せた多層フィルムとして支持用セパレータを構成してもよい。中でも、前記プラスチックフィルムとしては、透明性、耐熱性、取り扱いやすさ、価格の点からポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリプロピレンフィルム、及びポリエチレンフィルムが特に好ましい。
支持用セパレータを使用した場合には、支持用セパレータは、接着材層と共に配線板又はヒートシンクに取り付けられるので、その後に接着材層を露出させるため、接着材層から剥離される。
支持用セパレータの厚みの平均値は特に制限されない。支持体セパレータの厚みの平均値は、一般的には300μm以下であることが好ましい。支持用セパレータの厚みの平均値が300μm以下であると良好な搬送性が得られる傾向がある。また支持用セパレータの厚みの平均値は15μm以上であることが好ましい。支持用セパレータの厚みの平均値が15μm以上であると、接着材層の剛性がより高まり取扱性がより向上する傾向がある。支持用セパレータの厚みの平均値は15μm以上300μm以下であることが好ましく、15μm以上200μm以下であることがより好ましく、20μm以上150μm以下であることが更に好ましい。
〔ヒートシンク付配線板〕
ヒートシンク付配線板は、ヒートシンクと、硬化接着材層と支持体と金属回路層とをこの順で含み、必要に応じて更に他の層を含むことができる。金属回路層が積層された支持体が、硬化接着材層を介してヒートシンクと接着していることで優れた熱伝導性を示す。
(ヒートシンク)
ヒートシンクとしては、放熱部材として熱を伝えやすい材料から構成されるものであれば、特に限定しない。ヒートシンクとしては、金属ヒートシンク、セラミック製ヒートシンク、ガラス、プラスチック等が挙げられる。配線板からの熱を効率よく外部に逃がす点から金属ヒートシンクが好ましい。
ヒートシンクの形状は特に制限されない。ヒートシンクの形状は、平板であっても、円筒、円柱、立方体、直方体等のいずれの形状でもよい。またヒートシンクはフィンを有するものであってもよい。また、配線板を配置する箇所のヒートシンクの形状は、特に限定されない。例えば、配線板を薄くフレキシブルなものとした場合、配線板を配置する箇所のヒートシンクの形状に追従させることができるため、配線板を配置する箇所のヒートシンクの形状は、平板に限られず、曲面でも角があってもよい。
回路形成用金属層及び支持体の厚みの合計、即ち配線板材料の厚みの平均値は、特に制限されない。熱伝導性と軽量化の観点から、配線板材料の厚みの平均値が8μm以上200μm以下であることが好ましく、13μm以上150μm以下であることがより好ましく、20μm以上110μm以下であることが更に好ましい。
なお、配線板材料の厚みの平均値は、5点の厚みを測定しその算術平均値として与えられる。
ヒートシンク付配線板において、支持体から硬化接着材層までを含む積層体の総厚みの平均値は特に制限されず、6μm以上100μm以下であることが好ましく、8μm以上80μm以下であることがより好ましく、10μm以上60μm以下であることが更に好ましく、10μm以上35μm以下であることが特に好ましい。支持体から硬化接着材層までを含む積層体の総厚みの平均値が6μm以上の場合には取扱性に優れる傾向があり、100μm以下の場合には熱抵抗の増加が抑えられる傾向があり、加工性に優れる傾向があり、また、ヒートシンク付配線板それ自体の質量の増加も抑えられる傾向がある。
ヒートシンク付配線板は、配線板として通常求められる特性を有していることが好ましい。配線板として通常求められる特性の例としては、支持体は絶縁性であり、1010Ω・cm以上の絶縁性を有していることが望ましいこと、260℃5分間の熱処理後に金属回路層に膨れがないことが望ましいこと、金属回路層の支持体に対するピール強度が0.5kN/m以上であることが望ましいこと等が挙げられる。
〔ヒートシンク付配線板の製造方法〕
次に本発明のヒートシンク付配線板の製造方法について説明する。
本発明のヒートシンク付配線板の製造方法の一実施形態を図4及び図5に示す。ただし、本発明のヒートシンク付配線板の製造方法は、これに限定されない。図5の(I)は図4の(I)に対応する全体の上面図であり、図5の(II)は図4の(II)に対応する全体の上面図であり、図5の(III)は図4の(III)に対応する全体の上面図であり、図5の(IV)は図4の(VII)に対応する全体の上面図である。なお、図5(II)に示す破線は、図5(IV)中の絶縁層17の外形と一致する。
ヒートシンク付配線板の製造方法は、配線板32とヒートシンク50との密着性及び作業性の点で、前記第二の積層体作製工程(図4(III)参照)、前記第三の積層体作製工程(図4(IV)参照)、及び前記接着工程(図4(VI)参照)を含む。これらの工程を含むことで、配線板32とヒートシンク50との密着性に優れ、高い熱伝導性を有するヒートシンク付配線板を効率的に製造することができる。
ヒートシンク付配線板の製造方法は、第二の積層体作製工程の前に、第一の積層体を準備する工程を含んでもよい。また第一の積層体を準備する工程は、第一の積層体60を得る第一の積層体作製工程を含んでもよい。第一の積層体作製工程は、回路形成用金属層10及び支持体としての絶縁層17を含む配線板材料30の絶縁層17側の面に、搬送用支持基材A20を配置することと(図4(I)参照)、回路形成用金属層10上に回路を形成することを含むことができる(図4(II)参照)。
第一の積層体作製工程では、配線板32の絶縁層17側に搬送用支持基材A20を有する第一の積層体60を得る。具体的には、配線板材料30の絶縁層17側に搬送用支持基材A20を配置して図4(I)と図5(I)に例示する積層物(仮支持体付配線板材料60A)を得る工程と、仮支持体付配線板材料60Aの配線板材料30における回路形成用金属層10に回路を形成し、金属回路層11を得ることで、図4(II)及び図5(II)に示す第一の積層体60を得る工程とを含むことができる。
配線板材料30は、回路形成用金属層10と比較的薄い絶縁層17との2層で形成されるため、回路形成用金属層10に回路が形成されると、回路が形成された部分の厚みが回路形成前よりも薄くなる傾向があり、その結果、配線板32の剛性が全体として低下する場合がある。この剛性の低下を補うために、かつ回路形成の障害とならないように配線板材料30の絶縁層17側に搬送用支持基材A20を配置する。搬送用支持基材A20の配置は、搬送用支持基材A20に粘着材層が存在する場合には、粘着材層を介して行うことができる。粘着材層を用いた配置には、プレス、ホットロールラミネート方法等が挙げられ、連続的に製造でき、効率が良好な観点から、ホットロールラミネート方法が好ましい。
プレス及びホットロールラミネート方法は当該技術分野で通常行なわれる方法から適宜選択して行うことができる。例えば、ホットロールラミネートは、シリコーンゴム被覆ロールを備えたホットロールラミネータを用いて、20℃〜150℃、0.1MPa〜3.0MPa、0.1m/分〜3m/分という条件で行うことができる。
配線板材料30の回路形成用金属層10に回路を形成する方法は、配線板材料30の金属層を回路加工するのに通常用いられる方法から適宜選択して行うことができる。例えば、印刷、フォトレジストフィルム等を使用して、回路形成用金属層10上に回路形成用のレジストを所望の形状に形成する工程と、回路形成用金属層10のレジストが形成されていない領域の金属箔を腐食性の液でエッチングして除去する工程とを含む方法で回路を形成することができる。これにより、第一の積層体60が得られる。
金属回路層11を形成した後に、金属回路層11及び絶縁層17の少なくとも一方の上にソルダレジスト層を形成してもよい。ソルダレジスト層の形成は、通常に用いられる方法を特に制限なく適用することができる。ソルダレジスト層は、液状のレジスト組成物を所望の形状に印刷する方法、所望の形状に加工されたカバーレイフィルムを用いた方法等により形成することができる。
第二の積層体作製工程では、配線板32の金属回路層11側に搬送用支持基材B21を配置して第二の積層体65を得る(図4(III)参照)。
搬送用支持基材B21を配置することによって、後続する工程において配線板32を含む積層体の剛性を向上させることができる。
搬送用支持基材B21の配置は、搬送用支持基材B21に粘着材層が存在する場合には、粘着材層を介して行えばよい。粘着材層を介した配置には、前述した搬送用支持基材A20を配線板材料30上に配置する場合の条件をそのまま適用することができる。
なお、配線板32に対する搬送用支持基材B21の粘着力が、搬送用支持基材A20の配線板32に対する粘着力よりも高いものとなるように、搬送用支持基材B21を選択することが好ましい。これにより、搬送用支持基材A20を剥離する際に、搬送用支持基材B21が配線板32から剥離することを防ぐことができる。
第三の積層体作製工程では、第二の積層体65から搬送用支持基材A20を除去して、第三の積層体70を得る(図4の(IV)参照)。第二の積層体65から搬送用支持基材A20を除去する方法は、特に制限されず、通常用いられる方法から適宜選択して適用することができる。
接着工程では、搬送用支持基材A20が除去された第三の積層体70の面に、接着材層16の一方の面を、ヒートシンク50の配線板取り付け側の面に、接着材層16の他方の面を、それぞれ接触させ、接着材層16を硬化させる(図4(VI)参照)。これにより、配線板32とヒートシンク50とが接着材層16を介して接着する。
接着工程では、配線板32、及びヒートシンク50の間に接着材層16を配置させて硬化する硬化工程を含むものであればよく、硬化工程の前に、配線板32と接着材層16とヒートシンク50とをいったんこの順序に配置した後に仮固定を行う仮固定工程を更に含むものであってもよい。「仮固定」とは、配線板32と接着材層16とヒートシンク50とを接触させ、接着材層16中の接着材の硬化反応が充分に開始されない条件による処理を行い、硬化反応による接着で各部材を重ね合わせる場合よりも弱く各部材を重ね合わせることを意味する。
また、前記接着工程は、配線板32のヒートシンク取り付け側の面を接着材層16の一方の面と、ヒートシンク50の配線板取り付け側の面と接着材層16の他方の面とを接触させて硬化することを含むものであれば、接着材層16を接触させる順序に制限はない。配線板32のヒートシンク取り付け側の面と接着材層16との接触と、ヒートシンク50の配線板取り付け側の面と接着材層16との接触とのいずれを先に行ってもよく、また一括して行ってもよい。接着材層16の接触順序については、接着材層16の構成、作業効率等に基づいて適宜選択することができる。
また同様に、接着材層16の配置は、配線板32の絶縁層17上への配置を先に行ってもよく、ヒートシンク50上への配置を先に行ってもよい。ヒートシンク50よりも絶縁層17上に先に接着材層16を配置することが作業性の点で、好ましい。
以下、接着材層16を、配線板32の支持体としての絶縁層17側に先に配置する形態を例に説明するが、ヒートシンク50側に先に配置する場合も同様である。
接着工程では、まず、配線板32の金属回路層11とは反対面の絶縁層17上に、接着材層16を形成して接着材層付配線板34を得る(図4(V)参照)。
絶縁層17の上に接着材層16を形成する方法としては、接着材層16の形成に通常用いられる方法を特に制限なく適用することができる。絶縁層17の上に接着材層16を形成する方法としては、絶縁層17の上に接着材を含む接着材層用組成物を塗布、ラミネートする方法等を挙げることができる。また、別の基材上に接着材層16を形成した後、形成された接着材層16を絶縁層17の上に転写してもよい。前記別の基材としては、離型処理されたポリエチレンテレフタレートフィルム、ポリプロピレン、ポリエチレン等が挙げられる
絶縁層17の接着材層16が形成される面は、接着力を向上させるために表面を活性処理することが好ましい。絶縁層17の接着材層16が形成される面の活性化処理としては、化学的粗化、コロナ放電、サンディング等の化学的又は機械的な処理を挙げることができる。
接着材層16が支持用セパレータ18を有するものである場合、配線板32の絶縁層17の上に、支持用セパレータ18付きの接着材層16を配置する方法としては、通常に用いられる方法を特に制限なく適用することができる。絶縁層17上に、支持用セパレータ18付きの接着材層16を配置する方法としては、プレス、ホットロールラミネート方法等が挙げられ、連続的に製造でき、効率が良好な観点から、ホットロールラミネート方法が好ましい。
プレス及びホットロールラミネート方法は、当該技術分野で通常行なわれる方法から適宜選択して行うことができる。例えば、ホットロールラミネート方法は、シリコーンゴム被覆ロールを備えたホットロールラミネータを用いて、20℃〜150℃、0.1MPa〜3.0MPa、0.1m/分〜3m/分という条件で行うことができる。なお、ヒートシンク50側に先に接着材層16を配置する形態における接着材層16を配線板32に仮固定する条件は、絶縁層17上に、支持用セパレータ18付きの接着材層16を配置する上述の条件と同一とすることができる。
接着材層16をヒートシンク50に仮固定する方法としては、接着材層16上に支持用セパレータ18が配置されている場合は支持用セパレータ18を剥離した後に、通常に用いられる方法を特に制限なく適用することができる。仮固定する方法としては、プレス、ホットロールラミネート方法等が挙げられ、連続的に製造でき、効率が良好な観点から、ホットロールラミネート方法が好ましい。
プレス及びホットロールラミネート方法は、当該技術分野で通常行なわれる方法から適宜選択して行うことができる。例えば、ホットロールラミネート方法は、シリコーンゴム被覆ロールを備えたホットロールラミネータを用いて、20℃〜150℃、0.1MPa〜3.0MPa、0.1m/分〜3m/分という条件で行うことができる。又は、ホットプレート等の加熱源上にヒートシンク50を配置し、その上に接着材層付配線板34の接着材層16をローラー等で加圧しながら仮固定を行ってもよい。
ヒートシンク50の接着材層16が形成される面は、接着力を向上させるために表面を活性処理することが好ましい。ヒートシンク50の接着材層16が形成される面の活性化処理としては、化学的粗化、コロナ放電、サンディング、めっき、アルミニウムアルコラート、アルミニウムキレート、シランカップリング材等による機械的又は化学的な処理を挙げることができる。
次いで、接着材層16の硬化を行う(図4(VI)参照)。接着工程を経ることによって接着材層16の硬化が生じて硬化接着材層となり、ヒートシンク付配線板80が得られる。
接着材層16の硬化方法としては、特に制約がなく、接着材層16に含まれる接着材の種類によって選択できる。接着材層16が熱硬化性である場合には、硬化開始に必要な温度を加えて接着材層を硬化することができる。例えば、150℃〜220℃の温度範囲で10分〜360分の時間範囲で加熱して、接着材層を硬化させることが好ましく、170℃〜200℃の温度範囲で30分〜180分の時間範囲で加熱して、接着材層を硬化させることが、生産性向上の点からより好ましい。加熱装置に特に制約はなく、オーブン等を用いることができる。また、接着材層を加熱して硬化させる際には、大気圧下であってもよく、減圧下であってもよい。減圧状態で加熱によって接着材層を硬化させる場合、減圧条件は、10kPa以下とすることができる。
また、接着材層16は、加熱だけでなく、加圧加熱によって硬化させてもよい。加圧状態にすることで接着材の被着体への密着性が向上しやすい。高いピール強度を確実に得るという観点から、150℃〜220℃の温度範囲で10分〜360分の時間範囲で加熱しながら0.1MPa〜10MPaに加圧して、接着材層を硬化させることが好ましく、170℃〜200℃の温度範囲で30分〜180分の時間範囲で加熱しながら0.3MPa〜5MPaに加圧して、接着材層を硬化させることがより好ましい。または、硬化の工程の一部を加熱のみ、残りを加圧加熱によって行ってもよい。接着材層を加圧加熱によって硬化させる際には、大気圧下であってもよく、減圧下であってもよい。減圧状態で加圧加熱によって接着材層を硬化させる場合、減圧条件は、10kPa以下とすることができる。
なお、配線板32の金属回路層11側には、金属回路層11と絶縁層17の段差が存在する場合がある。この場合には、前記段差による不均一な圧力分布が接着材の密着不良を引き起こさないように、仮固定した接着材層付配線板34とヒートシンク50とを加圧加熱する際に、配線板32側にクッション性を有するシートを配置することが好ましい。クッション性を有するシートにより配線板32の段差による圧力の偏りが発生せず、接着材層16が加圧される点で好ましい。また、ヒートシンク50が平板以外の形状、例えば、半円筒又はフィン付である場合は、加圧加熱時の加圧条件はヒートシンク50の形状が変形しない圧力を選択することが好ましい。または、ヒートシンク50の変形を防止する治具を使用して加圧してもよい。
なお、搬送用支持基材B21は、部品実装までに除去される。これにより金属回路層11がヒートシンク付配線板80の表面に露出する。なお、搬送用支持基材B21の剥離は、接着工程の前であってもよく、後であってもよい。なお、図4(VI)〜(VII)には、接着工程によりヒートシンク付配線板80が得られた後に、搬送用支持基材B21が剥離される様子を示す。
なお、搬送用支持基材B21を除去した後に、金属回路層11、絶縁層17又はこれら双方の上に、ソルダレジスト層を形成してもよい。ソルダレジスト層の形成は、通常に用いられる方法を特に制限なく適用することができる。ソルダレジスト層は、液状のレジスト組成物を所望の形状に印刷する方法、所望の形状に加工されたカバーレイフィルムを積層する方法等により形成することができる。
なお、配線板32の作製工程の後、又は、搬送用支持基材B21の積層、搬送用支持基材A20の剥離若しくは接着材層16の積層の各工程の後に、配線板32の外形加工を行ってもよい。または、ヒートシンク50と配線板32との仮固定工程及び接着工程の後に、配線板32とヒートシンク50の外形加工を一括して行ってもよい。配線板32の外形加工には通常に用いられる方法を特に制限なく適用することができる。
〔ヒートシンク付部品実装配線板の製造方法〕
次に本発明のヒートシンク付部品実装配線板の製造方法について、図面を参照して説明する。図6及び図7には、本発明の一実施形態にかかるヒートシンク付部品実装配線板100が示されている。なお、本発明のヒートシンク付部品実装配線板の製造方法により得られるヒートシンク付部品実装配線板は、図6及び図7に示されるヒートシンク付部品実装配線板100に限定されない。
本発明のヒートシンク付部品実装配線板の製造方法は、上述した製造方法の各工程に加えて、得られたヒートシンク付配線板80の金属回路層11上に部品を実装する部品実装工程を含む(図6参照)。
ヒートシンク付部品実装配線板100は、ヒートシンク付配線板80を用いて作製される。具体的には、図6及び図7に例示されるように、ヒートシンク付部品実装配線板100は、金属回路層11を有するヒートシンク付配線板80と、金属回路層11上に設けられた部品40とを有している。図7には、図5(IV)に示されるヒートシンク付配線板80の金属回路層11上に部品40が実装された態様の一例が示されている。図7では、複数の部品40が金属回路層11を介して直列に接続されている。
ヒートシンク付配線板80への部品40の実装は、ヒートシンク付配線板80の金属回路層11上に、はんだ等の導電性接続材料42を介して部品40を載せて、この状態でリフロー炉を通す等により行う。これにより、ヒートシンク付部品実装配線板100が得られる。
金属回路層11上にリフロー処理によって部品40を実装する工程においては、例えば、必要に応じて、ソルダレジストを回路面に形成する工程、ヒートシンク付配線板80を必要な大きさに外形加工する工程等を実施した後、部品40と、はんだ等の導電性接続材料42とを金属回路層11上に配置し、リフロー処理によって部品40を金属回路層11上に実装する。部品40を金属回路層11上に実装する際には、部品40以外のその他の部品を一括して実装してもよい。リフロー処理は通常用いられる条件で行われる。
部品40としては、半導体チップ、トランジスタ、ダイオード、サイリスタ、サーミスタ、MOS−FET(Metal Oxide Semiconductor Field Effect Transistor)、IGBT(Insulated Gate Bipolar Transistor)、LED(Light Emitting Diode)等の能動素子、コンデンサ、抵抗体、コイル等の受動素子などが挙げられる。部品の実装方法は、通常用いられる方法から適宜選択することができる。部品の実装方法としては、例えば、金属回路層11上に設けられた金属ペースト等を介して実装する方法が用いられる。
中でも能動素子は、半導体素子と、半導体素子及び外部を電気的に接続する端子と、半導体素子を密封し保持する封止材とから構成される。前記端子としては、特に制限されず、例えば、銅等の導体、はんだなどが用いられる。前記封止材としては、特に制限されず、エポキシ樹脂等が用いられる。なお、このような能動素子に相当する半導体部品は、特開2007−110113号公報等に記載の方法等に準じて得ることができる。
ヒートシンク付部品実装配線板100は、ヒートシンク付配線板80を用いているため、ヒートシンク50への熱伝導性に優れた電子部品となる。
<電子部品>
本発明では、ヒートシンク付部品実装配線板が電子部品となる。ヒートシンク付部品実装配線板は、粘着材層ではなく、硬化接着材層により配線板がヒートシンクに固定されているために、接着材層の熱抵抗の低さのために放熱性に優れており、また、部品実装された配線板がヒートシンクから脱落する恐れがなく、補助的にネジ固定による補強を行わずに済む。
〔セット〕
本発明のセットは、支持体及び回路形成用金属層を含む配線板材料と、第一の仮支持体と、第二の仮支持体と、第三の仮支持体付接着材シートと、を含み、前記ヒートシンク付配線板の製造方法に使用されるセットであり、必要に応じて他の要素も含む。
また、本発明の他のセットは、支持体及び金属回路層を含む配線板と、第一の仮支持体と、第二の仮支持体と、第三の仮支持体付接着材シートと、を含み、前記ヒートシンク付配線板の製造方法に使用されるセットであり、必要に応じて他の要素も含む。
上記のセットでは、上述したヒートシンク付配線板の製造方法に使用される材料を要素として有するので、簡便に且つ効率よく、ヒートシンク付配線板を得ることができる。
前記第三の仮支持体付接着材シートは、前記接着材層と第三の仮支持体とを含むものであればよい。前記仮支持体は、第三の仮支持体付接着材シートにおける接着材層を保護し、ヒートシンク付配線板の製造に使用する際に接着材層から剥離される。前記第三の仮支持体付接着材シートは、前記ヒートシンク付配線板の製造方法において既述した支持用セパレータ18付の接着材層16に相当する。
第一の仮支持体は、前記ヒートシンク付配線板の製造方法において既述した搬送用支持基材A20に相当し、配線板又は配線板材料の支持体側に配置するために用いられる。第一の仮支持体は、単独で前記セットに含まれていてもよく、前記配線板材料又は前記配線板の支持体側に配置されて配線板材料又は配線板と一体となって各セットに含まれていてもよい。
第二の仮支持体は、前記ヒートシンク付配線板の製造方法において既述した搬送用支持基材B21に相当し、回路形成用金属層から得られる金属回路層上に配置するために用いられる。第二の仮支持体は、単独で前記セットに含まれていてもよく、配線板材料の回路形成用金属層側又は配線板の金属回路層側に配置されて配線板材料又は配線板と一体となってセットに含まれていてもよい。
また、第一の仮支持体と、配線板材料又は配線板と、第二の仮支持体とは、この順で重ね合わせて一体としてセットに含まれていてもよい。また、前記ヒートシンク付配線板の製造方法において既述した部材を、追加可能な他の要素として含むことができる。
また、本発明の一態様は、支持体及び回路形成用金属層を含む配線板材料と、第一の仮支持体と、第二の仮支持体と、第三の仮支持体付接着材シートと、を含むセットの、前述したヒートシンク付配線板の製造方法又はヒートシンク付部品実装配線板の製造方法における使用も包含する。また、本発明の他の一態様は、支持体及び金属回路層を含む配線板と、第一の仮支持体と、第二の仮支持体と、第三の仮支持体付接着材シートと、を含むセットのヒートシンク付配線板の製造方法又はヒートシンク付部品実装配線板の製造方法における使用も包含する。
本発明の上記の各態様では、上述したヒートシンク付配線板又はヒートシンク付部品実装配線板の製造方法に使用される材料を要素として有するので、簡便に且つ効率よく、ヒートシンク付配線板又はヒートシンク付部品実装配線板を得ることができる。
上記の各態様における配線板材料、配線板、第一の仮支持体、第二の仮支持体、及び第三の仮支持体付接着材シート、並びに他の要素については、前述したヒートシンク付配線板の製造方法に使用されるセット又はヒートシンク付部品実装配線板の製造方法に使用されるセットに関して、上述した内容をそのまま適用する。
更に本発明は、以下の態様も含む。
(1) 支持体及び金属回路層を含む配線板と、ヒートシンクと、前記配線板及び前記ヒートシンクの間に配置された硬化接着材層、を含むヒートシンク付配線板。このようなヒートシンク付配線板では、配線板とヒートシンクとを硬化した接着材層を介して配置されているので、密着力に優れ、高い熱伝導性を示すことができる。この態様における支持体、金属回路層及び金属回路層を得るための回路形成用金属層、配線板、ヒートシンク、並びに、硬化接着材層及び硬化接着材層を得るための接着材層については、上述した内容をそのまま適用する。
(2) 前記支持体と前記硬化接着材層の総厚みの平均値が6μm以上100μm以下である(1)記載のヒートシンク付配線板。
(3) 前記支持体の厚みの平均値が3μm以上60μm以下である(1)又は(2)に記載のヒートシンク付配線板。
(4) 前記硬化接着材層の厚みの平均値が、3μm以上70μm以下である(1)〜(3)のいずれかに記載のヒートシンク付配線板。
(5) 支持体及び金属回路層を含む配線板と、ヒートシンクと、前記配線板及び前記ヒートシンクの間に配置された硬化接着材層と、前記金属回路層上に実装された部品と、を含むヒートシンク付部品実装配線板。このようなヒートシンク付部品実装配線板では、配線板とヒートシンクとを硬化した接着材層を介して配置されているので、配線板とヒートシンクとの密着力に優れ、部品の脱落が抑制され、またヒートシンクへの熱伝導性に優れた電子部品を供給できる。この態様における支持体、金属回路層及び金属回路層を得るための回路形成用金属層、配線板、ヒートシンク、硬化接着材層及び硬化接着材層を得るための接着材層、並びに、部品については、上述した内容をそのまま適用する。
(6) 前記支持体と前記硬化接着材層の総厚みの平均値が6μm以上100μm以下である(5)記載のヒートシンク付部品実装配線板。
(7) 前記支持体の厚みの平均値が3μm以上60μm以下である(5)又は(6)に記載のヒートシンク付部品実装配線板。
(8) 前記硬化接着材層の厚みの平均値が、3μm以上70μm以下である(5)〜(7)のいずれかに記載のヒートシンク付部品実装配線板。
以下、実施例を挙げて本発明についてより具体的に説明する。ただし、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。以下に示す各層又は積層体の厚みは、厚みの平均値であり、5点の厚みをマイクロメーターを用いて測定し、その算術平均値として求めた。
[実施例1]
<搬送用支持基材Aの配置>
回路形成用金属層として厚みの平均値35μmの銅箔、厚みの平均値30μmのポリイミド絶縁層がこの順に配置されてなる配線板材料(日立化成株式会社、MCF−5000IS)と、搬送用支持基材Aとして、厚みの平均値3μmのアクリル酸エステル共重合樹脂の粘着材層を有するPETフィルムである粘着フィルム(日立化成株式会社、SP−1000S、粘着材層を含む合計の厚みの平均値50μm)を用意した。なお、ポリイミド絶縁層の絶縁抵抗値は、絶縁抵抗計を用いて、測定電圧100Vによる測定で6×1014Ω・cm以上であった。
前記配線板材料の絶縁層側に、前記搬送用支持基材Aの粘着材層が対向するように搬送用支持基材Aを配置、積層体(a)(図4(I)に示される仮支持体付配線板材料60A)を得た。搬送用支持基材Aの配置は、30℃、0.3MPa、0.3m/minの条件にてロールラミネート法にて行った。
<配線板の作製>
積層体(a)の回路形成用金属層にエッチングレジストを設けた後、塩化第二鉄水溶液中で銅を溶解することで回路加工処理して、金属回路層を形成し、その後、金属回路層面上の所定箇所にソルダレジストを印刷し、120℃90分間の熱処理により硬化し、配線板を作製し、積層体(b)(図4(II)に示される第一の積層体60)を得た。
<搬送用支持基材Bの配置>
積層体(b)の金属回路層上に、搬送用支持基材Bとして厚みの平均値3μmの粘着材層付の粘着フィルム(アクリル酸エステル共重合樹脂、日立化成株式会社、DT−4000S、粘着材層を含む合計の厚みの平均値38μm)を、粘着材層と金属回路層とが対向するように配置し、積層体(c)(図4(III)に示される第二の積層体65)を得た。搬送用支持基材Bの配置は、30℃、0.3MPa、0.3m/minの条件にてロールラミネート法にて行った。
<搬送用支持基材Aの剥離>
積層体(c)の絶縁層側に配置されている搬送用支持基材Aを180°折り曲げて、折り曲げ方向に引っ張ることにより剥離して、絶縁層が露出した積層体(d)(図4(IV)で示される第三の積層体70)を得た。
<接着材層の配置>
上記配線板と同形で、ポリアミドイミド樹脂(60℃における粘度:6000Pa・s、熱硬化前かつ60℃を超え200℃以下の温度範囲における粘度の最小値:1000Pa・s、Tg:260℃)を含む厚みの平均値35μmの接着材層の一方の面にPETセパレータ、他方の面に厚みの平均値50μmのPETフィルムである支持用セパレータを有する接着材テープ(日立化成株式会社、AS−9000IA)を準備した。この接着材テープの一方の面の離型PETフィルムを剥がして接着材層を露出させた。前記積層体(d)において露出している配線板の絶縁層に、接着材層が対向するように接着材テープを貼り付けることで接着材層を配置し、搬送用支持基材Bを一方の面、支持用セパレータを他方の面に有する積層体(e)(図4(V)に示される積層体)を得た。接着材層の配置は、120℃、2MPa、1.0m/minの条件にてホットロールラミネート法にて行った。次いで、6mm幅、100mm長に外形加工した。
60℃における粘度及び60℃を超え200℃以下の温度範囲における粘度の最小値は、大気圧下、昇温速度5℃/min、周波数10Hzの条件で、サンプルをはさむ測定冶具は円形の平板を用いて、ARAS TEST STATION(Rheometric Scientific社)にて、ずり粘度測定を行うことにより求めた。なお、ポリアミドイミド樹脂の絶縁抵抗値は、絶縁抵抗計を用いて、測定電圧100Vによる測定で3×1013Ω・cm以上であった。
<配線板の仮固定>
得られた積層体(e)からもう一方の離型PETフィルムを剥がして接着材層を露出させ、接着材層を露出した積層体を、露出した接着材層の面が、ヒートシンクであるアルミニウム基板(A−5052、厚みの平均値1mm)と接触するようにヒートシンクに置いて貼り付け、配線板を、接着材層を介してヒートシンク上に配置した。これにより積層体(f)(図4(VI)に示される積層体)を得た。配線板の配置は、120℃、2MPa、1.0m/minの条件にてホットロールラミネート法にて行った。
同様にして、アルミニウム基材の代わりに透明基板(スライドガラス、ホウ珪酸ガラス、松浪S1111)を用いて、透明基板上に、前記接着材層を露出した積層体を仮固定し、密着面積率評価用の試料を得た。
<搬送用支持基材Bの剥離>
積層体(f)の金属回路層面上に配置されている搬送用支持基材Bを180°折り曲げて、折り曲げ方向に引っ張ることにより剥離した。これにより、露出した金属回路層を有し、配線板がヒートシンク上に仮固定された積層体を得た。
密着面積率評価用の試料についても同様に行った。
<接着材層の硬化>
配線板がヒートシンクに仮固定された積層体のヒートシンクの上に、耐熱離型フィルム(三井化学東セロ株式会社、オピュランX−44B、50μm)を置き、真空加圧プレスを用い、3kPaの真空下で3MPaに加圧し、4℃/minで昇温し、185℃にて90分間保持することで加圧加熱することで接着材層を硬化させて、ヒートシンク付配線板を得た。次いで、配線板の金属回路層面上の所定箇所にソルダレジストを印刷し、120℃90分間の熱処理により硬化した(図4(VII)参照)。
密着面積率評価用の試料についても同様に行った。
<部品実装>
ヒートシンク付配線板の金属回路層に、複数のはんだ(千住金属工業株式会社、ECO SOLDER PASTE Lead Free、M705、Sn-3.0Ag-0.5Cu、溶融温度220℃)、チップ抵抗(釜屋電機株式会社、RMC1K100FTE、厚膜抵抗10Ω、6.3mm長×3.2mm幅×0.6mm高)、コネクタ等を載せ、リフロー処理(最大260℃)を行った。これにより、金属回路層上にチップ抵抗等の部品が実装されたヒートシンク付部品実装配線板を得た。
密着面積率評価用の試料についても同様に行った。
[評価]
<配線板の密着面積率評価>
配線板における接着材層のヒートシンクに対する密着性を、以下のようにして測定される密着面積率により評価した。上記で得られた部品実装までを行った密着面積率評価用の試料に、目印として長さ75mmのテープを貼り付けた。天井に2本の蛍光灯(1200mm長、40W)を間隔が10.7cmとなるように平行に設置した。試料を、蛍光灯から2m下で、2本の蛍光灯が透明基板に写り込み、且つ透明基板面が天井から床方向に対して45°傾いた状態となるように位置決めした。写り込んだ蛍光灯の発光部分の長手方向とデジタルカメラの撮影画像(縦横比3:4)の長手方向(横方向)とがほぼ平行になり、写り込んだ蛍光灯の発光部分の長手方向の全長が、試料に貼り付けた長さ75mmのテープと同じ長さとなるように、試料とデジタルカメラの位置関係を調整して、画素数600万の評価用画像を得た。得られた評価用画像から、2本の蛍光灯に挟まれ、長手方向の中心付近にある領域の一部を矩形状の観察領域として選択した。選択された観察領域は、長手方向の長さが写り込んだ2本の蛍光灯の発光部分の長手方向の長さの80%で、短手方向の長さが写り込んだ2本の蛍光灯の間隔の70%であった。
得られた観察領域に含まれる全画素について、各画素の明度に基づいて2値化処理した。2値化処理は、基準明度以上の明度を示す画素を非密着部と、基準明度未満の明度を示す画素を密着部と、それぞれ判定して行った。2値化処理された観察領域の全画素について、全画素数に対する密着部の画素数の割合(%)として密着面積率を算出した。
なお密着部と非密着部とを区別する基準明度は以下のようにして決定した。配線板の接着材層を透明基板に貼り付ける際に、一部の領域のみに、ヒートシンクに貼り付ける場合と同じ条件を適用して部分的に密着領域が形成された試料を別途作製した。作製した試料について上記と同様にして評価用画像を得て、密着領域における明度の最小値と、それ以外の領域における明度の最大値とから得られる平均値を基準明度とした。
<部品と配線板の温度差評価>
ヒートシンク付部品実装配線板の部品実装された面とは反対面のヒートシンク側に放熱グリース(信越化学工業株式会社、G707)を塗布し、25℃に温調したヒートブロックに放熱グリースを介してヒートシンク付部品実装配線板を固定した。チップ抵抗1個あたり1Wの電力消費するように通電し、5分間経過後に、部品の温度T1と配線板の部品実装していない部分の温度T2をサーモカメラ(株式会社アピステ、FSV−1200)によって測定し、部品と配線板の温度差ΔT=T1−T2を評価した。その結果、部品と配線板の温度差ΔTは37.9℃であった。
[実施例2]
回路形成用金属層として厚みの平均値35μmの銅箔、厚みの平均値30μmのポリイミド絶縁層がこの順に積層されてなる配線板材料(日立化成株式会社、MCF−5000IS)と、搬送用支持基材Aとして、上記粘着フィルム(日立化成株式会社、SP−1000S、粘着材層を含む合計の厚みの平均値50μm)、搬送用支持基材Bとして厚みの平均値3μmの粘着材層付の粘着フィルム(アクリル酸エステル共重合樹脂、日立化成株式会社、DT−4000S、粘着材層を含む合計の厚みの平均値38μm)を用いて、実施例1と同様にして、搬送用支持基材Aの配置、配線板の作製、搬送用支持基材Bの配置、搬送用支持基材Aの剥離を行った。次いで、実施例1とは厚みの平均値を表1に示すように変更した以外は同一の接着材テープ(日立化成株式会社、AS−9000IA、接着材層の厚みの平均値25μm、Tg260℃)を用いたこと以外は、実施例1と同様に接着材層の配置を行った。次いで、実施例1と同様に、配線板の仮固定、配線板の密着面積率評価、搬送用支持基材Bの剥離、接着材の本硬化、部品実装を行い、ヒートシンク付配線板及びヒートシンク付部品実装配線板を作製した。
次いで、実施例1と同様にして密着面積率評価及び温度差評価を行った。その結果、配線板の密着面積率は98%であり、部品と配線板の温度差ΔTは35.3℃であった。
[実施例3]
配線板材料として、回路形成用金属層として厚みの平均値35μmの銅箔、絶縁層として厚みの平均値25μmのポリイミド絶縁層がこの順に配置されてなる配線板材料(日立化成株式会社、MCF−5000IS)を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、搬送用支持基材Aの配置を行った。次いで、実施例1と同様にして、配線板の作製、搬送用支持基材Bの配置、搬送用支持基材Aの剥離を行った。次いで、実施例1とは厚みの平均値を表1に示すように変更した以外は同一の接着材テープを(日立化成株式会社、AS−9000IA、接着材層の厚みの平均値25μm)用いたこと以外は、実施例1と同様に接着材層の配置を行った。次いで、実施例1と同様に、配線板の仮固定、搬送用支持基材Bの剥離、接着材の本硬化、部品実装を行い、ヒートシンク付配線板及びヒートシンク付部品実装配線板を作製した。
次いで、実施例1と同様にして密着面積率評価及び温度差評価を行った。その結果、配線板の密着面積率は98%であり、部品と配線板の温度差ΔTは34.0℃であった。
[実施例4]
配線板材料として、回路形成用金属層として厚みの平均値35μmの銅箔、絶縁層として厚みの平均値20μmのポリイミド絶縁層がこの順に配置されてなる配線板材料(日立化成株式会社、MCF−5000IS)を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、搬送用支持基材Aの配置を行った。次いで、実施例1と同様にして、配線板の作製、搬送用支持基材Bの配置、搬送用支持基材Aの剥離を行った。次いで、実施例1とは厚みの平均値を表1に示すように変更した以外は同一の接着材テープ(日立化成株式会社、AS−9000IA、接着材層の厚みの平均値25μm)を用いたこと以外は、実施例1と同様に接着材層の配置を行った。次いで、実施例1と同様に、配線板の仮固定、搬送用支持基材Bの剥離、接着材の本硬化、部品実装を行い、ヒートシンク付配線板及びヒートシンク付部品実装配線板を作製した。
次いで、実施例1と同様にして密着面積率評価及び温度差評価を行った。その結果、配線板の密着面積率は98%であり、部品と配線板の温度差ΔTは32.7℃であった。
[実施例5]
配線板材料として、回路形成用金属層として厚みの平均値35μmの銅箔、厚みの平均値15μmのポリイミド絶縁層がこの順に配置されてなる配線板材料(日立化成株式会社、MCF−5000IS)を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、搬送用支持基材Aの配置を行った。次いで、実施例1と同様にして、配線板の作製、搬送用支持基材Bの配置、搬送用支持基材Aの剥離を行った。次いで、実施例1とは厚みの平均値を表1に示すように変更した以外は同一の接着材テープ(日立化成株式会社、AS−9000IA、接着材層の平均厚み25μm)を用いたこと以外は、実施例1と同様に接着材層の配置を行った。次いで、実施例1と同様に、配線板の仮固定、搬送用支持基材Bの剥離、接着材の本硬化、部品実装を行い、ヒートシンク付配線板及びヒートシンク付部品実装配線板を作製した。
次いで、実施例1と同様にして密着面積率評価及び温度差評価を行った。その結果、配線板の密着面積率は98%であり、部品と配線板の温度差ΔTは31.4℃であった。
[実施例6]
配線板材料として、回路形成用金属層として35μm厚の銅箔、10μm厚のポリイミド絶縁層がこの順に配置されてなる配線板材料(日立化成株式会社、MCF−5000IS)を用いたこと、及び実施例1とは厚みの平均値を表2に示すように変更した以外は同一の接着材テープ(日立化成株式会社、AS−9000IA、接着材層の厚みの平均値25μm)を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、搬送用支持基材Aの配置を行った。次いで、実施例1と同様にして、配線板の作製、搬送用支持基材Bの配置、搬送用支持基材Aの剥離、接着材層の配置、配線板の仮固定、搬送用支持基材Bの剥離、接着材の本硬化、部品実装を行い、ヒートシンク付配線板及びヒートシンク付部品実装配線板を作製した。
次いで、実施例1と同様にして密着面積率評価及び温度差評価を行った。その結果、配線板の密着面積率は98%であり、部品と配線板の温度差ΔTは30.1℃であった。
[実施例7]
配線板材料として、回路形成用金属層として厚みの平均値35μmの銅箔、厚みの平均値10μmのポリイミド絶縁層がこの順に配置されてなる配線板材料(日立化成株式会社、MCF−5000IS)を用いたこと、及び実施例1とは厚みの平均値を表2に示すように変更した以外は同一の接着材テープ(日立化成株式会社、AS−9000IA、接着材層の平均厚み25μm)を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、搬送用支持基材Aの配置を行った。次いで、実施例1と同様にして、配線板の作製、搬送用支持基材Bの配置、搬送用支持基材Aの剥離、接着材層の配置を行い、接着材層付配線板を得た。
<配線板の仮固定>
接着材層付配線板の接着材層から離型PETフィルムを剥がして接着材層を露出させ、露出した接着材層が、ヒートシンクであるアルミニウム基板(A−5052、厚みの平均値1mm)と接触するように配置し、接着材層付配線板をヒートシンク上に仮固定した。接着材層付配線板とヒートシンクとの仮固定は、真空加圧プレスを用い、3kPaの真空下で2MPaに加圧し、6℃/minで昇温し、130℃にて3分間保持することで加圧加熱して行った。同様にして、アルミニウム基板の代わりに透明基板としてポリカーボネート基板(厚みの平均値2mm)を用いて、透明基板上に接着材層付配線板を仮固定した。なお、真空加圧プレスの前に、配線板の金属回路層面上に耐熱離型フィルム(三井化学東セロ株式会社、オピュランX−44B、50μm)を置いた。仮固定の後に、配線板から搬送用支持基材Bを剥離した。
<接着材層の硬化>
配線板がヒートシンク上に仮固定された積層体を、オーブンを用い、大気圧下で185℃にて90分間加熱して、接着材層を硬化して、ヒートシンク付配線板を得た。
次いで、実施例1と同様にして、部品実装を行い、ヒートシンク付部品実装配線板を得た。
上記で得られたヒートシンク付配線板及びヒートシンク付部品実装配線板について、実施例1と同様にして、密着面積率評価及び温度差評価を行った。その結果、配線板の密着面積率は98%であり、部品と配線板の温度差ΔTは30.1℃であった。
[実施例8]
配線板材料として、回路形成用金属層として厚みの平均値35μmの銅箔、厚みの平均値10μmのポリイミド絶縁層がこの順に配置されてなる配線板材料(日立化成株式会社、MCF−5000IS)を用いたこと、及び実施例1とは厚みの平均値を表2に示すように変更した以外は同一の接着材テープ(AS−9000IA、接着材層の厚みの平均値10μm)を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、搬送用支持基材Aの配置を行った。次いで、実施例1と同様にして、配線板の作製、搬送用支持基材Bの配置、搬送用支持基材Aの剥離、接着材層の配置、配線板の仮固定、搬送用支持基材Bの剥離、接着材の本硬化、部品実装を行い、ヒートシンク付配線板及びヒートシンク付部品実装配線板を作製した。
次いで、実施例1と同様にして密着面積率評価及び温度差評価を行った。その結果、配線板の密着面積率は98%であり、部品と配線板の温度差ΔTは26.2℃であった。
[実施例9]
配線板材料として、回路形成用金属層として厚みの平均値35μmの銅箔、厚みの平均値5μmのポリイミド絶縁層がこの順に配置されてなる配線板材料(日立化成株式会社、MCF−5000IS)を用いたこと、及び実施例1とは厚みの平均値を表2に示すように変更した以外は同一の接着材テープ(AS−9000IA、接着材層の厚みの平均値10μm)を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、搬送用支持基材Aの配置を行った。次いで、実施例1と同様にして、配線板の作製、搬送用支持基材Bの配置、搬送用支持基材Aの剥離、接着材層の配置、配線板の仮固定、搬送用支持基材Bの剥離、接着材の本硬化、部品実装を行い、ヒートシンク付配線板及びヒートシンク付部品実装配線板を作製した。
次いで、実施例1と同様にして密着面積率評価及び温度差評価を行った。その結果、配線板の密着面積率は98%であり、部品と配線板の温度差ΔTは24.9℃であった。
[実施例10]
配線板材料として、回路形成用金属層として厚みの平均値35μmの銅箔、厚みの平均値5μmのポリイミド絶縁層がこの順に配置されてなる配線板材料(日立化成株式会社、MCF−5000IS)を用いたこと、及び実施例1とは厚みの平均値を表2に示すように変更した以外は同一の接着材テープ(AS−9000IA、接着材層の厚みの平均値5μm)を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、搬送用支持基材Aの配置を行った。次いで、実施例1と同様にして、配線板の作製、搬送用支持基材Bの配置、搬送用支持基材Aの剥離、接着材層の配置、配線板の仮固定、搬送用支持基材Bの剥離、接着材の本硬化、部品実装を行い、ヒートシンク付配線板及びヒートシンク付部品実装配線板を作製した。
次いで、実施例1と同様にして密着面積率評価及び温度差評価を行った。その結果、配線板の密着面積率は98%であり、部品と配線板の温度差ΔTは23.6℃であった。
[比較例1]
回路形成用金属層として厚みの平均値35μmの銅箔、厚みの平均値30μmのポリイミド絶縁層がこの順に配置されてなる配線板材料(日立化成株式会社、MCF−5000IS)と、搬送用支持基材Aとして、厚みの平均値3μmの粘着材層を有する粘着フィルム(日立化成株式会社、SP−1000S、支持基材を含む厚みの平均値50μm)とを用いて、実施例1と同様にして、搬送用支持基材Aを配置し、回路加工処理を行って配線板の作製を行った後に、6mm幅、100mm長に外形加工した。次いで、実施例1と同様にして、金属回路層に、複数のはんだ(千住金属工業株式会社、ECO SOLDER PASTE Lead Free、M705、Sn-3.0Ag-0.5Cu、溶融温度220℃)、チップ抵抗(釜屋電機株式会社、RMC1K100FTE、厚膜抵抗10Ω、6.3mm長×3.2mm幅×0.6mm高)、コネクタ等を載せ、リフロー処理(最大260℃)を行い、部品実装を行った。
その結果、搬送用支持基材Aがリフロー工程により収縮し、部品実装配線板が変形し、部品の配線板の所定位置からのずれ又は部品の脱落が生じた。
[比較例2]
回路形成用金属層として厚みの平均値35μmの銅箔、厚みの平均値30μmのポリイミド絶縁層がこの順に配置されてなる配線板材料(日立化成株式会社、MCF−5000IS)と、搬送用支持基材Aとして、厚みの平均値3μmの粘着材層を有する粘着フィルム(日立化成株式会社、SP−1000S、支持基材を含む厚みの平均値50μm)とを用いて、実施例1と同様にして、搬送用支持基材Aを配置し、回路加工処理を行って配線板の作製を行った後に、6mm幅、100mm長に外形加工した。次いで、実施例1と同様にして、搬送用支持基材Aの剥離を行った。
その結果、搬送用支持基材Aを剥離する時、実装時等の取扱時に、配線板に折れ等の変形が生じることがあった。これより、搬送用支持基材Bが配線板を支持するために必要だとわかる。
[比較例3]
実施例1と同様に、回路形成用金属層として厚みの平均値35μmの銅箔、厚みの平均値30μmのポリイミド絶縁層がこの順に配置されてなる配線板材料(日立化成株式会社、MCF−5000IS)と、搬送用支持基材Aとして、上記粘着材層付き粘着フィルム(日立化成株式会社、SP−1000S、粘着材層を含む合計の厚みの平均値50μm)、搬送用支持基材Bとして厚みの平均値3μmの上記粘着材層付き粘着フィルム(アクリル酸エステル共重合樹脂、日立化成株式会社、DT−4000S、粘着材層を含む合計の厚みの平均値38μm)を用いて、実施例1と同様にして、搬送用支持基材Aの配置、配線板の作製、搬送用支持基材Bの配置、搬送用支持基材Aの剥離を行い、絶縁層が露出した積層体(d)(図4(IV)で示される第三の積層体70)を得た。
<粘着材層の配置>
上記配線板と同形で、両面に離型PETフィルムが貼り付けられた粘着材テープ(アクリル酸エステル共重合樹脂、日立化成株式会社、DA−3050、粘着材層の厚みの平均値50μm)を準備した。この粘着材テープの一方の面の離型PETフィルムを剥がして、上記積層体(d)の絶縁層に粘着材層が対向するように、粘着材テープと積層体(d)を貼り付けることで、配線板に粘着材層を配置した。配線板と粘着材層との配置は、30℃、0.3MPa、0.3m/minの条件にてロールラミネート法にて行った。次いで、6mm幅、100mm長に外形加工した。各層の厚みの平均値は表3のとおりである。
<配線板の固定>
粘着材層付きの配線板の粘着材層から離型PETフィルムを剥がし、粘着材層を露出させ、粘着材層とヒートシンクとが対向するように、粘着材層をヒートシンクであるアルミニウム基板(A−5052、平均厚み1mm)に配置し、配線板とヒートシンクとを固定した。配線板とヒートシンクとの固定は、30℃、0.3MPa、0.3m/minの条件にてロールラミネート法にて行った。
同様にして、アルミニウム基板の代わりに透明基板(スライドガラス、ホウ珪酸ガラス、松浪S1111)を用いて、透明基板上に配線板を固定した。
次いで、実施例1と同様にして、透明基板上に固定された配線板の密着面積率評価を行った。その結果、配線板の密着面積率は98%であった。
次いで、実施例1と同様にして、部品実装を行った結果、絶縁層の一部がヒートシンク又は透明基板から浮き上がった。
次いで、実施例1と同様にして、再び透明基板上に固定された配線板の密着面積率評価を行った。その結果、配線板の密着面積率は40%であった。次いで、部品と配線板の温度差評価を行った。その結果、部品と配線板の温度差ΔTは45.1℃であった。
[比較例4]
実施例1と同様に、回路形成用金属層として厚みの平均値35μmの銅箔、厚みの平均値30μmのポリイミド絶縁層がこの順に配置されてなる配線板材料(日立化成株式会社、MCF−5000IS)と、搬送用支持基材Aとして、厚みの平均値3μmのアクリル酸エステル共重合樹脂の粘着材層を有するPETフィルムである粘着フィルム(日立化成株式会社、SP−1000S、粘着材層を含む合計の厚みの平均値50μm)、搬送用支持基材Bとして厚みの平均値3μmの粘着材層付の粘着フィルム(アクリル酸エステル共重合樹脂、日立化成株式会社、DT−4000S、粘着材層を含む合計の厚みの平均値38μm)を用いて、実施例1と同様にして、搬送用支持基材Aの配置、配線板の作製、搬送用支持基材Bの配置、搬送用支持基材Aの剥離を行い、絶縁層が露出した積層体(d)(図4(IV)で示される第三の積層体70)を得た。
<接着材層の配置>
上記配線板と同形で、両面に離型PETフィルムが貼り付けられたホットメルト接着材テープ(ポリエステル系樹脂、日東シンコー株式会社、ポリエスホットメルト接着シートFB−ML4、接着材層の厚みの平均値70μm)を準備した。この接着材テープの一方の面の離型PETフィルムを剥がして、接着材層を露出させた。上記積層体(d)の露出した絶縁層に、接着材層を対向させて貼り付けることで、配線板に接着材層を配置した。接着材層の配置は、130℃、0.2MPa、0.5m/minの条件にてホットロールラミネート法にて行った。次いで、6mm幅、100mm長に外形加工した。各層の厚みの平均値は表3のとおりである。
次いで、配線板の積層条件を130℃、0.2MPa、0.5m/minとして加圧加熱処理した後に、冷却して接着材層を固化したこと以外は、実施例1と同様にして、接着材層の固化を行い、配線板の固定を行った。
同様にして、アルミニウム基板の代わりに透明基板(スライドガラス、ホウ珪酸ガラス、松浪S1111)を用いて、透明基板上に配線板を固定した。
次いで、透明基板上に固定された配線板の密着面積率評価を行った。その結果、配線板の密着面積率は98%であった。
次いで、部品実装を行った結果、絶縁層とヒートシンク又は透明基板との間からホットメルト接着材が染み出し、絶縁層よりも広い範囲にホットメルト接着材層が広がった。次いで、再び透明基板上に固定された配線板の密着面積率評価を行った。その結果、配線板の密着面積率は80%であった。次いで、部品と配線板の温度差評価を行った。その結果、部品と配線板の温度差ΔTは51.6℃であった。



以上の結果から、本発明によれば、配線板とヒートシンクとの密着性に優れ、高い熱伝導性を有するヒートシンク付配線板及びヒートシンク付部品実装配線板を製造できることが分かる。
2012年8月3日に出願された日本特許出願2012−173480号の開示はその全体が参照により本明細書に取り込まれる。
本明細書に記載された全ての文献、特許出願、及び技術規格は、個々の文献、特許出願、及び技術規格が参照により取り込まれることが具体的かつ個々に記された場合と同程度に、本明細書に参照により取り込まれる。

Claims (11)

  1. 支持体及び金属回路層を含む配線板と該配線板の支持体側の面に配置された第一の仮支持体とを含む第一の積層体の金属回路層側の面に、第二の仮支持体を配置させて第二の積層体を得ること、
    前記第二の積層体から、前記第一の仮支持体を除去して、第三の積層体を得ること、並びに、
    前記第三の積層体における前記第一の仮支持体が除去された面に、接着材層の一方の面を、ヒートシンクの配線板取り付け側の面に、該接着材層の他方の面を、それぞれ接触させ、該接着材層を硬化させること、
    を含むヒートシンク付配線板の製造方法。
  2. 前記支持体及び前記接着材層の総厚みの平均値が6μm以上100μm以下である請求項1に記載のヒートシンク付配線板の製造方法。
  3. 前記支持体が絶縁層を含み、該絶縁層の厚みの平均値が3μm以上60μm以下である請求項1又は請求項2記載のヒートシンク付配線板の製造方法。
  4. 前記接着材層の厚みの平均値が3μm以上70μm以下である請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載のヒートシンク付配線板の製造方法。
  5. 前記接着材層が熱硬化性である請求項1〜請求項4のいずれか1項に記載のヒートシンク付配線板の製造方法。
  6. 前記第一の仮支持体の厚みの平均値が10μm以上500μm以下である請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載のヒートシンク付配線板の製造方法。
  7. 150℃〜220℃の温度範囲及び10分〜360分の時間範囲で加熱して、前記接着材層を硬化させることを含む請求項5又は請求項6記載のヒートシンク付配線板の製造方法。
  8. 150℃〜220℃の温度範囲及び10分〜360分の時間で加熱しながら、0.1MPa〜10MPaに加圧して、前記接着材層を硬化させることを含む請求項5又は請求項6記載のヒートシンク付配線板の製造方法。
  9. 請求項1〜請求項8のいずれか1項記載のヒートシンク付配線板の製造方法によりヒートシンク付配線板を得ること、及び、
    前記ヒートシンク付配線板の前記金属回路層上に部品を実装すること、
    を含むヒートシンク付部品実装配線板の製造方法。
  10. 請求項1〜請求項8のいずれか1項に記載の製造方法により得られたヒートシンク付配線板。
  11. 請求項9に記載の製造方法により得られたヒートシンク付部品実装配線板。
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