JPWO2014020648A1 - 電子デバイス - Google Patents

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Abstract

本発明は、機能素子やその周辺回路の配置エリアの面積を狭くすることなく、接合材料の機能素子やその周辺回路への接触を防止することを課題としたものである。本発明は、流動性を有する接合材料(M)により、MEMS素子(2)を搭載したMEMS基板(3)と、CMOS基板(4)と、を相互の接合面(12、41)において接合して成る電子デバイス(1)であって、MEMS基板(3)は、基板本体(21)から凸設され、接合面(41)を有する接合凸部(31)と、接合凸部とMEMS素子との間に配設された間隙形成部(32)と、を有し、間隙形成部は、接合凸部から延びる複数の支持片(42)により、接合凸部に支持されると共に、その壁面と接合凸部との間に、接合面からMEMS素子側にはみ出した接合材料を受容可能な受容間隙を形成することを特徴とする。

Description

本発明は、半導体素子やMEMS素子等の機能素子を搭載した第1の基板に対し、第2の基板を接合して成る電子デバイスに関するものである。
従来、この種の電子デバイスとして、MEMS構造体を有したMEMS基板と、MEMS構造体を制御する集積回路を有したCMOS基板と、MEMS基板とCMOS基板とを接合封止する接合部と、を有し、2つの基板が接合されてパッケージ化したものが知られている(特許文献1参照)。この接合部は、MEMS基板に突設された接合突部と、接合突部に成膜された共晶合金と、で構成されている。そして、共晶合金により、接合突部の接合面とCMOS基板の接合面とを共晶接合することで、MEMS基板とCMOS基板とを接合している。
特許第481328号公報
ところで、このような構成では、両基板を接合する時に、溶融して流動化した共晶合金が接合面からはみ出してしまう場合がある。特に、接合面同士の近接距離に一定の誤差がある場合、この誤差を受容するように、多めに共晶合金を配置しておく必要がある。その結果、余剰の共晶合金が接合面からはみ出してしまう場合があった。そして、共晶合金が接合面からはみ出すと、搭載されたMEMS構造体やその周辺回路に共晶合金が接触(付着)し、MEMS構造体の故障を引き起こしてしまう問題がある。
よって、上記従来の構成では、共晶合金のはみ出しを考慮し、MEMS構造体やその周辺回路を接合面から十分に引き離して配置する必要がある。すなわち、MEMS構造体やその周辺回路の配置エリアが制約され、当該配置エリアの面積を、広く取ることができない、あるいは電子デバイスが大型化してしまうという問題があった。
本発明は、機能素子やその周辺回路の配置エリアの面積を狭くすることなく、接合材料の、機能素子やその周辺回路への接触を防止することができる電子デバイスを提供することを課題としている。
本発明の電子デバイスは、流動性を有する接合材料により、機能素子を搭載した第1の基板と、第2の基板と、を相互の接合面において接合して成る電子デバイスであって、第1の基板および第2の基板の少なくとも一方は、基板本体から相互の対面側に凸設され、接合面を有する接合凸部と、接合凸部と機能素子との間に配設された壁体と、を有し、壁体は、接合凸部から延びる支持片により、接合凸部に支持されると共に、その壁面と接合凸部との間に、接合面から機能素子側にはみ出した接合材料を受容可能な受容間隙を形成することを特徴とする。
この構成によれば、壁体により、接合凸部との間に受容間隙(受容空間)を形成することで、接合面からはみ出した接合材料が当該受容間隙に流れ込んで受容される。よって、接合材料が機能素子側に流れていくことがない。そのため、機能素子やその周辺回路の配置エリアの面積を狭くすることなく、接合材料が機能素子やその周辺回路に接触するのを防止することができる。言い換えれば、機能素子やその周辺回路の配置エリアの面積を広く取ることができる。さらに、壁体が、接合凸部に支持されているので、壁体を自立させる必要がなく、自立に必要な厚さ(剛性)を必要としない。すなわち、壁体を極力薄くすることができるので、機能素子やその周辺回路の配置エリアの面積をより広く取ることができる。なお、ここにいう「接合材料」は、共晶合金を含む広義の接着剤を示す概念である。また、ここにいう「間隙」とは、両部材の間に空気もしくは真空しかない、いわゆる空隙を示す概念である。さらに、ここにいう「機能素子」は、MEMS素子および半導体素子を含む概念である。
この場合、壁体は、その少なくとも一部が基板本体からリリースしていることが好ましい。
この構成によれば、壁体と基板本体とのリリース部分が空気穴となるため、接合材料の流れ込む時に当該リリース部分から内部雰囲気が逃げ、接合材料を受容間隙に効果的に(スムーズに)流れ込ませることができる。
この場合、受容間隙は、接合材料により毛細管現象が生じる幅寸法に形成されていることが好ましい。
この構成によれば、受容間隙上で毛細管現象が生じるため、接合材料が受容間隙にスムーズに流れ込んでいき(吸収され)、受容間隙上にとどまる。また、接合時の第1の基板および第2の基板の姿勢を問わずに、接合材料を受容間隙に吸収させることできる。これにより、接合面からはみ出した接合材料を効率良く受容することができ、機能素子やその周辺回路への接触を確実に防止することができる。
この場合、接合凸部は、機能素子を囲繞するように平面方形に形成され、接合凸部の少なくとも1の隅部に対応する受容間隙は、それ以外の部分の受容間隙に比して広幅に形成されていることが好ましい。
平面方形の接合凸部に対し、単に受容間隙を平面方形に形成すると、隅部(コーナー)に接合材料が集まりやすく、且つ接合材料が過剰になりやすいので、当該隅部で接合材料を受容しきれなくなる場合がある。
これに対し、上記の構成によれば、隅部の受容間隙を、他の部分に比して広く形成することで、隅部においても接合材料を好適に受容することができる。
この場合、接合材料は、共晶合金であることが好ましい。
この構成によれば、共晶合金による共晶接合によって、第1の基板と第2の基板とを封止状態(真空封止)で接合することができる。また、共晶合金の一方を含アルミニウムとすれば、両基板の接合と両基板間の回路接続とを同時に行うことができ、電子デバイスを容易に製造することができる。
この場合、第2の基板には、機能素子を制御する集積回路が搭載されていることが好ましい。
この構成によれば、接合材料が機能素子側に流れていくことがないため、両基板に機能素子と集積回路とが配設された電子デバイスにおいて、第1の基板の機能素子やその周辺回路の配置エリアのみならず、第2の基板の集積回路の配置エリアについても、広く取ることができる。
(a)は、本発明の一実施形態に係る電子デバイスを模式的に表した外観斜視図である。(b)は、接合前のMEMS基板およびCMOS基板を模式的に表した斜視図である。 図1におけるA−A’線断面図である。 接合部廻りを表した拡大平面図である。 電子デバイスの製造方法を表した説明図である。 接合面からはみ出した接合材料の挙動を表した図である。 接合部の変形例を表した拡大平面図である。 電子デバイスの変形例を表した平面図である。
以下、添付の図面を参照し、本発明の一実施形態に係る電子デバイスについて説明する。この電子デバイスは、MEMS(Micro Electro Mechanical System)素子を内蔵したMEMSデバイスであり、2つの基板を貼り合わせて成るMEMSパッケージである。本電子デバイスは、流動化して接合面からはみ出した接合材料が、MEMS素子やその周辺回路に接触するのを好適に防止することができる接合構造を有している。
図1および図2に示すように、電子デバイス1は、MEMS素子(機能素子)2を搭載するMEMS基板(第1の基板)3と、MEMS基板3に接合され、MEMS素子2を制御する集積回路11を搭載するCMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)基板(第2の基板)4と、を備えている。すなわち、電子デバイス1は、接合材料Mにより、対向させたMEMS基板3とCMOS基板4とを、相互の接合面において接合して成る。MEMS基板3は、MEMS素子2を収容する中空部5を有し、CMOS基板4は、当該中空部5を封止・閉塞してMEMS素子2を覆う蓋体として機能する。なお、MEMS素子2は、例えば、加速度センサー素子、角速度センサー素子、赤外線センサー素子、磁気センサー素子および音響センサー素子等である。また、図1においては、MEMS素子2および集積回路11の図示を省略している。
接合材料Mは、共晶合金で構成されている。具体的には、接合材料Mは、アルミニウムとゲルマニウムとを共晶させたアルミニウム・ゲルマニウム合金で構成されている。接合材料Mは、両基板3、4を接合するのみならず、両基板3、4を封止し且つ導通する役割を担っている。また、接合材料Mは、両基板3、4の接合面12、41間において、成膜された含アルミニウム層およびゲルマニウム層を加熱・加圧し共晶反応させて形成されている。
CMOS基板4は、シリコン(Si)で構成されたシリコン基板であり、半導体製造技術により、集積回路11が形成されている。集積回路11は、MEMS基板3のMEMS素子2に電気的に接続されてMEMS素子2を制御するものであり、外部から入出力の信号線が接続されるようになっている(図示省略)。CMOS基板4においては、後述するMEMS基板3の接合凸部31に対面する領域が、CMOS基板4の接合面12となっている。よって、中央に形成された集積回路11を囲繞する領域が、CMOS基板4の接合面12を成す。なお、MEMS基板2の接合凸部31(接合面41)には、MEMS基板3およびCMOS基板4を導通させる電極パッド(図示省略)が形成されている。すなわち、導通性材料で構成された接合材料Mにより、当該電極パッドを介して、両基板3、4の同電位化および、集積回路11とMEMS素子2との回路接続(電気的接続)が行われる。
MEMS基板3は、シリコン(Si)で構成されたシリコン基板であり、MEMS技術により、MEMS素子2が形成されている。MEMS基板3は、表面をMEMS素子2の搭載面21aとする基板本体21と、基板本体21上に配設された接合部22と、を有している。すなわち、MEMS基板3においては、中央に配置したMEMS素子2を囲繞するように、接合面12を有する接合部22が配設されている。その結果、MEMS基板3は、全体として中央を掘り込んだ構成となっている。
図2および図3に示すように、接合部22は、MEMS素子2を囲繞するように、基板本体21上に立設された平面視方形環状(平面方形)の接合凸部31と、接合凸部31とMEMS素子2との間に配設され、接合凸部31の側面31aとの間に接合材料Mの受容間隙32(受容空間)を形成する間隙形成部(壁体)33と、を有している。当該受容間隙32によって、接合面12、41からはみ出した接合材料Mが受容され、接合材料MのMEMS素子2やその周辺回路への接触が防止される構造となっている。
接合凸部31は、絶縁層34を介して基板本体21上に配設されており、且つ基板本体21からCMOS基板4側(対面側)に凸設されている。すなわち、接合凸部31の厚みによって、MEMS素子2を収容する上記中空部5が構成されている。そして、接合凸部31の上面(基板厚み方向におけるCMOS基板4側の端面)が、MEMS基板3の接合面41(封止面)となっている。両基板3、4の接合時には、接合材料Mを介して、当該接合凸部31の接合面41と、CMOS基板4の表面(接合面12)とを対面させた状態で共晶接合される。これにより、両基板3、4間が真空封止される。
間隙形成部33は、薄厚の壁体で構成されており、その壁面と接合凸部31の側面31aとの間に、両基板3、4の接合面12、41からMEMS素子2側にはみ出した接合材料Mを受容可能な受容間隙32を形成する。間隙形成部33は、接合凸部31の側面31aに沿って延在しており、全体として平面方形を成している。また、間隙形成部33の高さは、接合凸部31より低く形成されており、MEMS素子2の高さと同一高さに形成されている。よって、間隙形成部33の上面(基板厚み方向の端面)は、接合面41より低く形成されている。
さらに、間隙形成部33は、MEMS素子2の搭載面21aからリリースした状態で、接合凸部31から延びる複数の支持片42により支持されている。すなわち、間隙形成部33は、当該搭載面21aから2μmだけ浮いた状態で支持されている。複数の支持片42は、間隙形成部33の延在方向に120μmピッチで形成されており、また、高さ寸法(基板厚み方向の寸法)が間隙形成部33の高さ寸法と一致している。よって、間隙形成部33は、複数の支持片42により、高さ方向全域で接合凸部31の側面31aに連結されている。また、複数の支持片42は、導電性を有しているため、接合凸部31および間隙形成部33は、同電位となっている。なお、間隙形成部33および複数の支持片42は、エッチング処理によって一体に形成されている。また、間隙形成部33のリリースプロセスは、MEMS素子2における可動部のリリースプロセス(犠牲層の除去)と一体に行われることが好ましい。
受容間隙32は、上記接合材料Mにおいて、毛細管現象が生じる幅寸法に形成されている。具体的には、幅寸法が10μmとなるように形成されており、受容間隙32の容積は、接合面12、41からはみ出した接合材料Mを受容するのに十分な容積になっている。また、受容間隙32は、複数の支持片42によって、接合凸部31および間隙形成部33の延在方向において、120μmピッチで分割(区画)されている。なお、受容間隙32において接合材料Mの毛細管現象を生じさせるのに、幅寸法ではなく、当該分割ピッチを調整するようにしても良い。
ここで図4を参照して、電子デバイス1の製造方法について説明する。この製造方法では、ウェハー状態のまま一括して接合した後、各電子デバイス1に分断(分割)するウェハー・レベル・パッケージ技術を用いて行われる。
まず、シリコン基板上に多数の集積回路11を形成されたCMOS基板ウェハー51を用意する(図4(a))。一方で、シリコン基板上に多数のMEMS素子2と、接合部22とを形成したMEMS基板ウェハー52を用意する(図4(b))。このCMOS基板ウェハー51が分割後のCMOS基板4となり、このMEMS基板ウェハー52が分割後のMEMS基板3となる。
次に、MEMS基板ウェハー52の接合面41に、接合材料Mとなる含アルミニウム層およびゲルマニウム層を成膜する(図4(c))。そして、MEMS基板ウェハー52を、CMOS基板ウェハー51に対向させて共晶接合する。すなわち、MEMS基板ウェハー52を表裏反転させ、CMOS基板ウェハー51の接合面12に、MEMS基板ウェハー52の接合面41を突き合せる。そして、真空環境下で両ウェハー51、52側から加熱し、MEMS基板ウェハー52側から加圧を行う。これにより、成膜されたゲルマニウム層が含アルミニウム層との境界面において共晶反応を起こし、アルミニウム−ゲルマニウム合金(共晶合金)が生成され、両基板ウェハー51、52が共晶接合される(図4(d))。
このとき、溶融して流動化した接合材料M(共晶合金)が、接合面12、41からはみ出す場合があるが、はみ出した接合材料Mが受容間隙32に受容される。具体的には、図5に示すように、はみ出した接合材料Mが受容間隙32に近接すると、当該接合材料Mが毛細管現象により受容間隙32に(上方に)吸収されて入り込んでいき(接合材料Mの界面が上昇していき)、受容間隙32内にとどまる。
両基板3、4を接合したら、接合状態のMEMS基板ウェハー52およびCMOS基板ウェハー51をダイシングして、電子デバイス1単位(チップ単位)に分割する(図4(e))。これにより、複数の電子デバイス1が製造される。
以上の構成によれば、間隙形成部33により、接合凸部31の側面31aとの間に受容間隙32を形成することで、接合面12、41からはみ出した接合材料Mが当該受容間隙32に流れ込んで受容される。よって、接合材料MがMEMS素子2側に流れていくことがない。そのため、MEMS素子2やその周辺回路の配置エリアの面積を狭くすることなく、接合材料MがMEMS素子2やその周辺回路に接触するのを防止することができる。言い換えれば、MEMS素子2やその周辺回路の配置エリアの面積を広く取ることができる。さらに、間隙形成部33が、接合凸部31に支持されているので、間隙形成部33を自立させる必要がなく、自立に必要な厚さ(剛性)を必要としない。すなわち、間隙形成部33を極力薄くすることができるので、MEMS素子2やその周辺回路の配置エリアの面積をより広く取ることができる。またさらに、接合凸部31から延びる導電性の支持片42により、間隙形成部33を支持するため、接合凸部31と間隙形成部33とを同電位にすることができる。
また、間隙形成部33が、MEMS素子2の搭載面21a(MEMS基板3の基板本体21)からリリースされていることで、間隙形成部33と搭載面21aとのリリース部分が空気穴となるため、接合材料Mの流れ込む時に当該リリース部分から内部雰囲気が逃げ、接合材料Mを受容間隙32に効果的に(スムーズに)流れ込ませることができる。
さらに、受容間隙32が、接合材料Mにより毛細管現象が生じる幅寸法に形成されていることで、受容間隙32上で毛細管現象が生じるため、接合材料Mが受容間隙32にスムーズに流れ込んでいき(吸収され)、受容間隙32上にとどまる。また、接合時のMEMS基板3およびCMOS基板4の姿勢を問わずに、接合材料Mを受容間隙32に吸収させることできる。これにより、接合面41からはみ出した接合材料Mを効率良く受容することができ、MEMS素子2やその周辺回路への接触を確実に防止することができる。
またさらに、流動性を有する接合材料Mとして共晶合金を用いることによって、両基板3、4を封止状態(真空封止)で接合することができる。また、共晶合金の一方を含アルミニウムとすることで、両基板3、4の接合と両基板3、4間の回路接続とを同時に行うことができ、電子デバイス1を容易に製造することができる。
なお、本実施形態においては、受容間隙32の幅寸法を、接合凸部31および間隙形成部33の延在方向全域で同一になるように形成する構成であったが、図6に示すように、接合凸部31の各隅部(コーナー)に対応する受容間隙32を、それ以外の部分の受容間隙32に比して広幅に形成する構成であっても良い。かかる構成によれば、各隅部においても接合材料Mを好適に受容することができる。なお、かかる場合、すべての隅部に対応する受容間隙32をそれ以外の部分に比して広幅に形成しても良いし、すべての隅部のうちの一部の隅部をそれ以外の部分に比して広幅に形成しても良い。
また、本実施形態においては、MEMS素子2を囲繞する接合部22、すなわち封止部(シール部)として機能する接合部22に、本発明を適用したが、封止部として機能しない接合部22に、本発明を適用しても良い。
さらに、本実施形態においては、間隙形成部33を、MEMS素子2の搭載面21aから完全にリリースさせる構成であったが、間隙形成部33の一部のみを、MEMS素子2の搭載面21aからリリースさせる構成であっても良い。例えば、間隙形成部33の延在方向中間部のみを、搭載面21aからリリースさせる構成であっても良いし、間隙形成部33の延在方向端部のみを、搭載面21aからリリースさせる構成であっても良い。
またさらに、本実施形態においては、MEMS基板3が、接合部22を有する構成であったが、CMOS基板4が、接合部22を有するであっても良い。ひいては、MEMS基板3およびCMOS基板4の両方が、接合部22を有する構成であっても良い。
また、本実施形態においては、単一のMEMS素子2を搭載した電子デバイス1に本発明を適用したが、図7に示すように、2個のMEMS素子2を搭載した電子デバイス1に本発明を適用しても良い。かかる場合、同図に示すように、2個のMEMS素子2の間に位置する接合凸部31においては、両側の側面31aに間隙形成部33を配設する。
さらに、本実施形態においては、機能素子としてMEMS素子2を搭載した電子デバイス1に、本発明を適用したが、機能素子として半導体素子を搭載した電子デバイス1に、本発明を適用しても良い。
またさらに、本実施形態においては、MEMS基板3に接合される第2の基板が、CMOS基板4であったが、バイポーラ(Bipolar)基板であっても良いし、バイポーラとCMOSとを混載したBi−CMOS基板であっても良い。ひいては、当該第2の基板が集積回路11を搭載しない基板であっても良い。
1:電子デバイス、 2:MEMS素子、 3:MEMS基板、 4:CMOS基板、 11:集積回路、 12:接合面、 21:基板本体、 31:接合凸部、 32:受容間隙、 33:間隙形成部、 41:接合面、 42:支持片、 M:接合材料
本発明の電子デバイスは、流動性を有する接合材料により、機能素子を搭載した第1の基板と、第2の基板と、を相互の接合面において接合して成る電子デバイスであって、第1の基板および第2の基板の少なくとも一方は、基板本体から相互の対面側に凸設され、接合面を有する接合凸部と、接合凸部と機能素子との間に配設されると共に、その少なくとも一部が基板本体からリリースしている壁体と、を有し、壁体は、接合凸部から延びる支持片により、接合凸部に支持されると共に、その壁面と接合凸部との間に、接合面から機能素子側にはみ出した接合材料を受容可能な受容間隙を形成することを特徴とする。
この構成によれば、壁体により、接合凸部との間に受容間隙(受容空間)を形成することで、接合面からはみ出した接合材料が当該受容間隙に流れ込んで受容される。よって、接合材料が機能素子側に流れていくことがない。そのため、機能素子やその周辺回路の配置エリアの面積を狭くすることなく、接合材料が機能素子やその周辺回路に接触するのを防止することができる。言い換えれば、機能素子やその周辺回路の配置エリアの面積を広く取ることができる。さらに、壁体が、接合凸部に支持されているので、壁体を自立させる必要がなく、自立に必要な厚さ(剛性)を必要としない。すなわち、壁体を極力薄くすることができるので、機能素子やその周辺回路の配置エリアの面積をより広く取ることができる。なお、ここにいう「接合材料」は、共晶合金を含む広義の接着剤を示す概念である。また、ここにいう「間隙」とは、両部材の間に空気もしくは真空しかない、いわゆる空隙を示す概念である。さらに、ここにいう「機能素子」は、MEMS素子および半導体素子を含む概念である。
また、壁体と基板本体とのリリース部分が空気穴となるため、接合材料の流れ込む時に当該リリース部分から内部雰囲気が逃げ、接合材料を受容間隙に効果的に(スムーズに)流れ込ませることができる。
またさらに、本実施形態においては、MEMS基板3が、接合部22を有する構成であったが、CMOS基板4が、接合部22を有する構成であっても良い。ひいては、MEMS基板3およびCMOS基板4の両方が、接合部22を有する構成であっても良い。

Claims (6)

  1. 流動性を有する接合材料により、機能素子を搭載した第1の基板と、第2の基板と、を相互の接合面において接合して成る電子デバイスであって、
    前記第1の基板および前記第2の基板の少なくとも一方は、基板本体から相互の対面側に凸設され、前記接合面を有する接合凸部と、
    前記接合凸部と前記機能素子との間に配設された壁体と、を有し、
    前記壁体は、前記接合凸部から延びる支持片により、前記接合凸部に支持されると共に、その壁面と前記接合凸部との間に、前記接合面から前記機能素子側にはみ出した接合材料を受容可能な受容間隙を形成することを特徴とする電子デバイス。
  2. 前記壁体は、その少なくとも一部が前記基板本体からリリースしていることを特徴とする請求項1に記載の電子デバイス。
  3. 前記受容間隙は、前記接合材料により毛細管現象が生じる幅寸法に形成されていることを特徴とする請求項1に記載の電子デバイス。
  4. 前記接合凸部は、前記機能素子を囲繞するように平面方形に形成され、
    前記接合凸部の少なくとも1の隅部に対応する前記受容間隙は、それ以外の部分の前記受容間隙に比して広幅に形成されていることを特徴とする請求項1に記載の電子デバイス。
  5. 前記接合材料は、共晶合金であることを特徴とする請求項1に記載の電子デバイス。
  6. 前記第2の基板には、前記機能素子を制御する集積回路が搭載されていることを特徴とする請求項1に記載の電子デバイス。
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