JPWO2014002857A1 - 全固体電池 - Google Patents
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Abstract
正極層内における局所反応を抑制することによって正極活物質の単位重量、単位体積当たりの放電容量を高めることが可能な全固体電池を提供する。正極層(11)と、負極層(12)と、正極層(11)と負極層(12)との間に介在する固体電解質層(13)とを備え、正極層(11)が正極活物質と固体電解質とを含む全固体電池(10)であって、正極層(11)において、イオン移動に伴う抵抗率と電子移動に伴う抵抗率との差が、0kΩ・cm以上2kΩ・cm以下である。
Description
本発明は、全固体電池に関する。
近年、携帯電話、ノートパソコン等の携帯用電子機器の開発に伴い、これらの電子機器の内蔵電源として二次電池の需要が大きくなっている。その中でも、エネルギー密度が高く、充放電可能なリチウムイオン二次電池の開発が盛んに行われている。
また、携帯用電子機器の機能が多くなるに伴って、その消費電力が著しく増加している。この消費電力の増大に対応するために大容量のリチウムイオン二次電池が必要になってきている。
リチウムイオン二次電池では、正極活物質としてコバルト酸リチウム等の金属酸化物、負極活物質として黒鉛等の炭素材料、電解質として、六フッ化リン酸リチウムを有機溶媒に溶解させたもの、すなわち、有機溶媒系電解液が一般に使用されている。このような構成の電池において、活物質量を増加させることにより内部エネルギーを増加させ、さらにエネルギー密度を高くし、出力電流を向上させる試みがなされている。また、電池を大型化すること、電池を車両に搭載することも期待されている。
しかし、上記の構成のリチウムイオン二次電池では、電解質に用いられる有機溶媒は可燃性物質であるため、電池が発火する等の危険性がある。このため、電池の安全性をさらに高めることが求められている。
そこで、リチウムイオン二次電池の安全性を高めるための一つの対策は、有機溶媒系電解液に代えて、固体電解質を用いることである。固体電解質としては、高分子、ゲル等の有機材料、ガラス、セラミックス等の無機材料を適用することが検討されている。その中でも、不燃性のガラスまたはセラミックスを主成分とする無機材料を固体電解質として用いる全固体二次電池が提案され、注目されている。
たとえば、特開2008−257962号公報(以下、特許文献1という)には、不燃性の固体電解質を備えた全固体リチウム二次電池の構成が記載されている。この全固体リチウム二次電池は、硫化物固体電解質と硫化物正極活物質とを含む正極層と、負極層と、正極層と負極層との間に介在する硫化物固体電解質層とを備える。正極層に含まれる固体電解質と正極活物質の混合比率(重量)は1:1であることが特許文献1に記載されている。
しかしながら、特許文献1に記載の全固体リチウム二次電池では、正極層が硫化物固体電解質と硫化物正極活物質の混合物からなるが、放電容量が不十分である。
ところで、全固体電池の構成では、局所反応が起こることにより、放電容量が低下する。局所反応とは、本来、電極層(活物質層)全体で均一に進行するリチウムイオンの挿入脱離反応が電極層の一部分だけで進行する反応をいう。
電極層内で局所反応が起こることによって、リチウムイオンの吸蔵が特定部分の活物質に集中し、活物質の利用率が低下する。これにより、活物質の単位重量、単位体積当たりの放電容量が低下する。
そこで、本発明の目的は、正極層内における局所反応を抑制することによって正極活物質の単位重量、単位体積当たりの放電容量を高めることが可能な全固体電池を提供することである。
本発明者らは、全固体電池の構成を種々検討した結果、リチウムイオンの移動度と電子の移動度との差が極端に大きいと、局所反応が起こってしまうことを見出した。すなわち、本発明者らは、固体電解質層側から正極層中に挿入されるリチウムイオンの移動度と、集電体層側から正極層中に入り込む電子の移動度とを制御することによって、正極層内での局所反応を抑制できることを見出した。この知見に基づいて、本発明に従った全固体電池は、次のような特徴を備えている。
本発明に従った全固体電池は、正極層と、負極層と、正極層と負極層との間に介在する固体電解質層とを備え、正極層が正極活物質と固体電解質とを含む全固体電池であって、正極層において、イオン移動に伴う抵抗率と電子移動に伴う抵抗率との差が、0kΩ・cm以上2kΩ・cm以下である。
正極層におけるイオン移動に伴う抵抗率は2kΩ・cm以下であることが好ましい。
また、正極層における電子移動に伴う抵抗率は1kΩ・cm以下であることが好ましい。
さらに、正極活物質が硫黄とリチウムとを含有する化合物を含み、固体電解質が硫化物を含み、正極活物質と固体電解質の重量比率が、60:40から80:20の範囲内であることが好ましい。
正極活物質は硫化リチウム鉄を含むことが好ましい。
正極層は導電剤を含むことが好ましい。
本発明によれば、正極層において、イオン移動に伴う抵抗率と電子移動に伴う抵抗率との差を所定の範囲内に限定することにより、正極活物質の単位重量、単位体積当たりの放電容量が高い全固体電池を得ることができる。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1に示すように、本発明の全固体電池10は、正極層11と、負極層12と、正極層11と負極層12との間に介在する固体電解質層13とを備える。図2に示すように本発明の一つの実施形態として全固体電池10は直方体形状に形成され、矩形の平面を有する複数の平板状層からなる積層体で構成される。また、図3に示すように本発明のもう一つの実施形態として全固体電池10は円柱形状に形成され、複数の円板状層からなる積層体で構成される。なお、正極層11と負極層12のそれぞれは、固体電解質と電極活物質とを含み、固体電解質層13は固体電解質を含む。
上記のように構成された本発明の全固体電池10では、正極層11において、イオン移動に伴う抵抗率と電子移動に伴う抵抗率との差が、0kΩ・cm以上2kΩ・cm以下であり、好ましくは0kΩ・cmよりも大きく、2kΩ・cm以下である。
正極層中のイオン移動に伴う抵抗率と電子移動に伴う抵抗率との差を上記の範囲内にすることにより、固体電解質層側から正極層中へ挿入されるリチウムイオンの移動度と、集電体層側から正極層中に入り込む電子の移動度とを制御することができる。これにより、電極層内での局所反応を抑制することができる。その結果、イオン移動度と電子移動度のバランスがとられ、正極層内の活物質を均一にすることができる。これにより、正極活物質の利用率が向上し、正極活物質の単位重量、単位体積当たりの放電容量が高い全固体電池を得ることができる。
上記の本発明の構成と作用効果は、以下に説明する本発明者らの知見に基づくものである。
一般に、電極活物質に対するリチウムイオンの挿入脱離反応は、固体電解質と電極活物質の界面で進行する。すなわち、電子は、電子伝導性の電極活物質と、必要に応じて添加される添加剤としての導電剤とを通じて供給され、リチウムイオンは、固体電解質を通じて、電極活物質との界面に供給される。リチウムイオンおよび電子のいずれか一方でも供給が滞った場合、リチウムイオンの挿入脱離反応は行われない。したがって、電池特性が悪くなる。
有機電解液を用いた非水電解質電池では、リチウムイオンの移動が速く、かつ、電解液が電極活物質の界面に染み込み、電解液と電極活物質が接しているため、電極全体へのリチウムイオンの供給に偏りが生じ難い。
これに対して、全固体電池の電極層は電極活物質に加えて固体電解質を含んでいるが、有機電解液を用いた非水電解質電池の場合と異なり、リチウムイオンの移動が遅いため、電極層全体へのリチウムイオンの供給に偏りが生じる可能性がある。さらには、固体電解質は絶縁体であるため、電極層中での固体電解質の分散状態によっては、電極層中への電子の供給にも偏りが生じる可能性がある。
このような理由から、全固体電池の電極層においてはリチウムイオンと電子を均一に供給することは難しい。リチウムイオンまたは電子のいずれか一方の供給が滞る箇所では、リチウムイオンの挿入脱離反応が進行しない。リチウムイオンの挿入脱離反応が進行しない箇所に存在する活物質は、充放電に利用されない。その結果、活物質の単位重量、単位体積当たりの放電容量が低下する。
そこで、本発明者らは、全固体電池の電極設計においては、リチウムイオンと電子の供給バランスを整え、電極層内での局所反応を抑制することが電池特性を向上させるためには重要であることを見出した。この知見に基づいて、本発明の全固体電池10では、正極層11において、イオン移動に伴う抵抗率と電子移動に伴う抵抗率との差が、0kΩ・cm以上2kΩ・cm以下であり、好ましくは0kΩ・cmよりも大きく、2kΩ・cm以下に限定される。
なお、正極層11におけるイオン移動に伴う抵抗率は2kΩ・cm以下であることが好ましい。また、正極層11における電子移動に伴う抵抗率は1kΩ・cm以下であることが好ましい。
正極層11は、たとえば、硫黄とリチウムとを含有する正極活物質として硫化リチウム鉄(Li2FeS2)等と、固体電解質としてイオン伝導性化合物である硫化物、たとえば、Li2SとP2S5の混合物等とを含む。正極活物質と固体電解質の重量比率は、60:40から80:20の範囲内であることが好ましい。負極層12は、たとえば、負極活物質としての球状黒鉛等の炭素材料と、固体電解質としてイオン伝導性化合物である硫化物、たとえば、Li2SとP2S5の混合物等とを含む。正極層11と負極層12との間に挟まれた固体電解質層13は、たとえば、固体電解質としてイオン伝導性化合物である硫化物、たとえば、Li2SとP2S5の混合物等を含む。正極層11と負極層12と固体電解質層13は、それぞれ、原材料粉末を圧縮成形することにより作製されたものである。なお、固体電解質は、構成元素として硫黄とリチウムとを少なくとも含有すればよく、このような化合物として、Li2SとP2S5の混合物以外に、たとえば、Li2SとB2S3の混合物等をあげることができる。また、固体電解質は、構成元素としてリチウムと硫黄に加えて、好ましくはリンをさらに含有すればよく、このような化合物として、Li2SとP2S5の混合物以外に、たとえば、Li7P3S11、Li3PS4やこれらのアニオンの一部が酸素置換されたもの等をあげることができる。固体電解質を構成する元素の組成比率は上述した比率に限定されるものではない。また、正極活物質は、構成元素としてリチウムと鉄と硫黄とを含有すればよく、このような化合物として、Li2FeS2以外に、たとえば、Li2.33Fe0.67S2等の化合物をあげることができる。さらに、その他の正極活物質として硫化リチウムチタン、硫化リチウムバナジウム等の化合物をあげることができる。正極活物質を構成する元素の組成比率は上述した比率に限定されるものではない。正極層11は、導電剤を含むことが好ましい。
なお、本発明の全固体電池10の正極層11において、イオン移動に伴う抵抗率と電子移動に伴う抵抗率との差を上記の範囲内に限定するために、リチウムイオンの移動に伴う抵抗率と電子移動に伴う抵抗率を調整する次のような方策をとることができる。
(1)正極活物質の種類を変更する。
正極活物質として、硫化リチウム鉄(Li2FeS2)以外に、遷移金属酸化物(LiCoO2、LiMn2O4,LiFePO4等)等を用いてもよい。
(2)正極活物質と固体電解質の混合比率を調整する。
正極合材中の正極活物質の比率を増やすことによって、電子伝導性が高くなり、イオン伝導性が低下する。一方、正極合材中の固体電解質の比率を増やすことによって、イオン伝導性が高くなり、電子伝導性が低下する。
(3)導電剤を添加する。
正極活物質の種類または量に依存しないで、正極層に電子伝導性を付与することができる。
なお、リチウムイオンの移動に伴う抵抗率と電子移動に伴う抵抗率を調整するために上記以外の方法を用いてもよい。
なお、本発明の全固体電池10は、図1〜図3に示される電池要素を、たとえば、セラミックス製の容器に装入された形態で用いられてもよく、図1〜図3に示される形態のままで自立した形態で用いられてもよい。
次に、本発明の実施例を具体的に説明する。なお、以下に示す実施例は一例であり、本発明は下記の実施例に限定されるものではない。
以下、正極層においてイオン移動に伴う抵抗率と電子移動に伴う抵抗率との差を変化させて、全固体電池を作製した実施例1〜3と比較例1〜2について説明する。
(実施例1)
<固体電解質の作製>
硫化物であるLi2S粉末とP2S5粉末とをメカニカルミリング処理することにより、固体電解質を作製した。
<固体電解質の作製>
硫化物であるLi2S粉末とP2S5粉末とをメカニカルミリング処理することにより、固体電解質を作製した。
具体的には、アルゴンガス雰囲気中で、Li2S粉末とP2S5粉末とを70:30のモル比になるように秤量し、アルミナ製の容器に入れた。直径が10mmのアルミナボールを入れて、容器を密閉した。容器をメカニカルミリング装置(フリッチュ製 遊星ボールミル、型番P-7)にセットして、370rpmの回転数で20時間、メカニカルミリング処理した。その後、容器をアルゴンガス雰囲気中に開放し、容器にトルエンを2ml入れて、容器を密閉した。さらに、メカニカルミリング処理を200rpmの回転数で2時間行った。このようにして得られたスラリー状の材料をアルゴンガス雰囲気中でろ過した後、真空乾燥した。得られた粉末を真空雰囲気中にて200℃〜300℃の温度で加熱することにより、ガラスセラミック粉末を得た。このガラスセラミック粉末を固体電解質として用いた。
<正極合材の作製>
正極活物質としてLi2FeS2(日本化学工業株式会社製)を用いた。正極活物質に対しては、アルゴンガス雰囲気中にて遊星ボールミルによる粉砕処理を行った。正極活物質と上記で得られた固体電解質を70:30の重量比で混合することにより、正極合材を作製した。
正極活物質としてLi2FeS2(日本化学工業株式会社製)を用いた。正極活物質に対しては、アルゴンガス雰囲気中にて遊星ボールミルによる粉砕処理を行った。正極活物質と上記で得られた固体電解質を70:30の重量比で混合することにより、正極合材を作製した。
<正極合材のイオン抵抗率測定>
直径が10mmの金型に、固体電解質と正極合材を固体電解質/正極合材/固体電解質の順に入れて、329MPaの圧力でプレスした。その後、固体電解質の表面に、直径が5mmのリチウム箔とステンレス鋼箔を重ねて、36MPaの圧力でプレスし、ステンレス鋼箔/リチウム箔/固体電解質/正極合材/固体電解質/リチウム箔/ステンレス鋼箔の順に積層して、成形体を作製した。この成形体を、ステンレス鋼の電極板で挟んで、イオン抵抗測定用セルAを作製した。
直径が10mmの金型に、固体電解質と正極合材を固体電解質/正極合材/固体電解質の順に入れて、329MPaの圧力でプレスした。その後、固体電解質の表面に、直径が5mmのリチウム箔とステンレス鋼箔を重ねて、36MPaの圧力でプレスし、ステンレス鋼箔/リチウム箔/固体電解質/正極合材/固体電解質/リチウム箔/ステンレス鋼箔の順に積層して、成形体を作製した。この成形体を、ステンレス鋼の電極板で挟んで、イオン抵抗測定用セルAを作製した。
得られたセルAについてサイクリックボルタンメトリーを測定することにより、リチウムイオンの移動抵抗を求めた。サイクリックボルタンメトリー測定では、電圧を0Vから0.1mVへ掃引した後、−0.1mVを経て0Vに戻るサイクルを数回繰り返した。このサイクルを数回繰り返して、セルAを安定化させて、ヒステリシスが生じなくなった時点で抵抗値を算出した。抵抗値は、0.1mVの電圧における電流値から求めた(抵抗(Ω)=0.1×10-3(V)/電流値(A))。セルAの抵抗値は322Ωであった。
上記のセルAとは別に、ステンレス鋼箔/リチウム箔/固体電解質/リチウム箔/ステンレス鋼箔の順に積層された構成のイオン抵抗測定用セルBを作製した。上記と同様にして求めたセルBの抵抗値は190Ωであった。この抵抗値は上記のセルAにおける固体電解質単体部分の抵抗値に相当する。
上記のセルAの抵抗値322Ωから、上記のセルBの抵抗値190Ωを差し引いた値である132Ωを正極合材部分のイオン抵抗値とした。
得られた正極合材部分のイオン抵抗値132Ωと正極合材層の面積0.785cm2、厚み0.079cmとからイオン抵抗率を算出した。正極合材部分のイオン抵抗率、すなわち、正極層においてイオン移動に伴う抵抗率は、1311Ω・cmであった。
<正極合材の電子抵抗率測定>
正極合材を直径が10mmの金型に入れて、329MPaの圧力でプレスして、成形体を作製した。得られた成形体の両面にスパッタで金(Au)を形成した。金/正極合材/金の順に積層された構成の成形体をステンレス鋼の電極板で挟んで、電子抵抗測定用セルを作製した。
正極合材を直径が10mmの金型に入れて、329MPaの圧力でプレスして、成形体を作製した。得られた成形体の両面にスパッタで金(Au)を形成した。金/正極合材/金の順に積層された構成の成形体をステンレス鋼の電極板で挟んで、電子抵抗測定用セルを作製した。
得られたセルについてサイクリックボルタンメトリーを測定することにより、電子抵抗値を算出した。得られた正極合材部分の電子抵抗値84.7Ωと負極合材層の面積0.785cm2、厚み0.079cmとから電子抵抗率を算出した。正極合材部分の電子抵抗率、すなわち、正極層において電子移動に伴う抵抗率は842Ω・cmであった。
<正極合材の電子抵抗率とイオン抵抗率の差>
正極合材のイオン抵抗率から電子抵抗率を差し引いた差は(1311Ω・cm−842Ω・cm=)469Ω・cmであった。
正極合材のイオン抵抗率から電子抵抗率を差し引いた差は(1311Ω・cm−842Ω・cm=)469Ω・cmであった。
<負極合材の作製>
負極活物質として球状黒鉛(日本パワーグラファイト株式会社製、製品名GDS‐15‐1)を用いた。この負極活物質をアルゴンガス雰囲気中にて800℃の温度で2時間加熱して、表面の不純物を除去した後に使用した。
負極活物質として球状黒鉛(日本パワーグラファイト株式会社製、製品名GDS‐15‐1)を用いた。この負極活物質をアルゴンガス雰囲気中にて800℃の温度で2時間加熱して、表面の不純物を除去した後に使用した。
上記で得られた固体電解質と負極活物質を、ロッキングミルを用いて、50:50の重量比で混合することにより、負極合材を作製した。
<電池の作製>
上記で得られた正極合材、固体電解質、負極合材をこの順に金型に入れてプレス成形して、積層体を作製した。得られた積層体は、幅2.6mm×長さ2.6mm×高さ0.5mmの直方体で、各層の厚みはそれぞれ、負極層:0.2mm、固体電解質層:0.2mm、正極層:0.1mmであった。上記の積層体を、電極が外に引き出されてあるセラミックパッケージに封入して、全固体電池を作製した。
上記で得られた正極合材、固体電解質、負極合材をこの順に金型に入れてプレス成形して、積層体を作製した。得られた積層体は、幅2.6mm×長さ2.6mm×高さ0.5mmの直方体で、各層の厚みはそれぞれ、負極層:0.2mm、固体電解質層:0.2mm、正極層:0.1mmであった。上記の積層体を、電極が外に引き出されてあるセラミックパッケージに封入して、全固体電池を作製した。
<電池特性の評価>
上記の全固体電池に対し、0.3mA/cm2の電流密度で充電を行い、電池特性の劣化を評価した。充放電は、3.0V〜0Vの範囲の電圧で定電流充放電を行った。2サイクル目の放電容量から、正極活物質の単位重量当たりの放電容量を算出して、正極活物質の利用率を評価した。
上記の全固体電池に対し、0.3mA/cm2の電流密度で充電を行い、電池特性の劣化を評価した。充放電は、3.0V〜0Vの範囲の電圧で定電流充放電を行った。2サイクル目の放電容量から、正極活物質の単位重量当たりの放電容量を算出して、正極活物質の利用率を評価した。
その結果、正極活物質の単位重量当たりの放電容量は283mAh/gであった。
(実施例2)
正極合材の作製において、正極活物質と固体電解質の混合比率を80:20にしたこと以外は、実施例1と同様にして正極合材の電子抵抗率とイオン抵抗率を測定し、その差を求めるとともに、全固体電池を作製し、電池特性を評価した。
正極合材の作製において、正極活物質と固体電解質の混合比率を80:20にしたこと以外は、実施例1と同様にして正極合材の電子抵抗率とイオン抵抗率を測定し、その差を求めるとともに、全固体電池を作製し、電池特性を評価した。
正極合材のイオン抵抗率は1973Ω・cm、電子抵抗率は328Ω・cmであり、正極合材のイオン抵抗率から電子抵抗率を差し引いた差は(1973Ω・cm−328Ω・cm=)1645Ω・cmであった。
その結果、正極活物質の単位重量当たりの放電容量は293mAh/gであった。
(実施例3)
固体電解質の作製にてLi2S粉末とP2S5粉末とのモル比を80:20にしたこと、正極合材の作製にて正極活物質と固体電解質の混合比率を80:20にしたこと以外は、実施例1と同様にして正極合材の電子抵抗率とイオン抵抗率を測定し、その差を求めるとともに、全固体電池を作製し、電池特性を評価した。
固体電解質の作製にてLi2S粉末とP2S5粉末とのモル比を80:20にしたこと、正極合材の作製にて正極活物質と固体電解質の混合比率を80:20にしたこと以外は、実施例1と同様にして正極合材の電子抵抗率とイオン抵抗率を測定し、その差を求めるとともに、全固体電池を作製し、電池特性を評価した。
正極合材のイオン抵抗率は7189Ω・cm、電子抵抗率は7764Ω・cmであり、正極合材のイオン抵抗率から電子抵抗率を差し引いた差は(7189Ω・cm−7764Ω・cm=)絶対値で575Ω・cmであった。
その結果、正極活物質の単位重量当たりの放電容量は303mAh/gであった。
(比較例1)
正極合材の作製において、正極活物質と固体電解質の混合比率を50:50にしたこと以外は、実施例1と同様にして正極合材の電子抵抗率とイオン抵抗率を測定し、その差を求めるとともに、全固体電池を作製し、電池特性を評価した。
正極合材の作製において、正極活物質と固体電解質の混合比率を50:50にしたこと以外は、実施例1と同様にして正極合材の電子抵抗率とイオン抵抗率を測定し、その差を求めるとともに、全固体電池を作製し、電池特性を評価した。
正極合材のイオン抵抗率は2679Ω・cm、電子抵抗率は180Ω・cmであり、正極合材のイオン抵抗率から電子抵抗率を差し引いた差は(2679Ω・cm−180Ω・cm=)2499Ω・cmであった。
その結果、正極活物質の単位重量当たりの放電容量は192mAh/gであった。正極活物質の単位重量当たりの放電容量が実施例1に比べて低いのは、イオン抵抗率が電子抵抗率よりも高いことにより、正極層にてリチウムイオンが不足し、正極活物質の利用率が低下したためと考えられる。
(比較例2)
正極合材の作製にて正極活物質と固体電解質の混合比率を90:10にしたこと以外は、実施例1と同様にして正極合材の電子抵抗率とイオン抵抗率を測定し、その差を求めるとともに、全固体電池を作製し、電池特性を評価した。
正極合材の作製にて正極活物質と固体電解質の混合比率を90:10にしたこと以外は、実施例1と同様にして正極合材の電子抵抗率とイオン抵抗率を測定し、その差を求めるとともに、全固体電池を作製し、電池特性を評価した。
正極合材のイオン抵抗率は6071Ω・cm、電子抵抗率は133Ω・cmであり、負極合材のイオン抵抗率から電子抵抗率を差し引いた差は(6071Ω・cm−133Ω・cm=)5938Ω・cmであった。
その結果、正極活物質の単位重量当たりの放電容量は199mAh/gであった。正極活物質の単位重量当たりの放電容量が実施例1に比べて低いのは、イオン抵抗率が電子抵抗率よりも高いことにより、正極層にてリチウムイオンが不足し、正極活物質の利用率が低下したためと考えられる。
以上の結果を表1に示す。
今回開示された実施の形態と実施例はすべての点で例示であって制限的なものではないと考慮されるべきである。本発明の範囲は以上の実施の形態と実施例ではなく、請求の範囲によって示され、請求の範囲と均等の意味および範囲内でのすべての修正と変形を含むものであることが意図される。
本発明により、正極活物質の単位重量、単位体積当たりの放電容量が高い全固体電池を得ることができる。
10:全固体電池、11:正極層、12:負極層、13:固体電解質層。
Claims (6)
- 正極層と、負極層と、前記正極層と前記負極層との間に介在する固体電解質層とを備え、前記正極層が正極活物質と固体電解質とを含む全固体電池であって、
前記正極層において、イオン移動に伴う抵抗率と電子移動に伴う抵抗率との差が、0kΩ・cm以上2kΩ・cm以下である、全固体電池。 - 前記正極層におけるイオン移動に伴う抵抗率が2kΩ・cm以下である、請求項1に記載の全固体電池。
- 前記正極層における電子移動に伴う抵抗率が1kΩ・cm以下である、請求項1または請求項2に記載の全固体電池。
- 前記正極活物質が硫黄とリチウムとを含有する化合物を含み、前記固体電解質が硫化物を含み、前記正極活物質と前記固体電解質の重量比率が、60:40から80:20の範囲内である、請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載の全固体電池。
- 前記正極活物質が硫化リチウム鉄を含む、請求項1から請求項4までのいずれか1項に記載の全固体電池。
- 前記正極層が導電剤を含む、請求項1から請求項5までのいずれか1項に記載の全固体電池。
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