JPWO2013157422A1 - 電縫溶接操業管理装置、電縫溶接操業管理方法、及びコンピュータプログラム - Google Patents

電縫溶接操業管理装置、電縫溶接操業管理方法、及びコンピュータプログラム Download PDF

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Abstract

所定の搬送方向に沿って搬送される円筒状に成形された金属板の側面を一対のスクイズロールにより加圧しつつ前記金属板に入熱を行ってV字状に収束する前記金属板の周方向における両端部を溶接して電縫鋼管を製造する際の電縫溶接の操業を管理する電縫溶接操業管理装置であって、V字収束領域を含む複数の画像を入力する画像入力手段と、前記画像に基づき幾何学的V収束点(V0)の位置を検出する第1の位置検出手段と、前記画像に基づき衝合点であるV収束点(V1)の位置を検出する第2の位置検出手段と、前記画像に基づき搬送方向の最下流に位置する溶接スリット(S)の端の位置を溶接点(W)の位置として取得した情報に基づいて、溶接点の位置を導出する溶接点位置導出手段と、前記幾何学的V収束点の位置と前記V収束点の位置とが異なる位置に存在するか否かを判定する判定手段とを含むことにより、溶接の状態が2段収束型第2種溶接減少の状態となるように入熱を制御することが、従来よりも容易に且つ確実に実行できるようになる。

Description

本発明は、電縫溶接操業管理装置、電縫溶接操業管理方法、及びコンピュータプログラムに関し、特に、金属板を搬送しながらロール群により連続的に円筒状に成形し、V字状に収束する金属板の周方向の両端部を加熱溶融させて突き合わせる高周波抵抗溶接及び誘導加熱溶接(以下、電縫溶接と称する)に用いて好適なものである。
石油又は天然ガス用ラインパイプ、油井管、原子力用、地熱用、化学プラント用、機械構造用、及び一般配管用等の広い分野において電縫鋼管が使用されている。電縫鋼管を製造する場合には、帯状の鋼板、例えば、熱延鋼帯を管状に成形して、その突合せ端面をV字状に収束させながら、高周波電流によって加熱・溶融させて、溶接シームを形成する。電縫溶接では、入熱量及び溶接速度等を適正な範囲に制御しないと、溶接欠陥が発生する。例えば、入熱が不足していたり、溶接速度が速かったりする場合には未溶接部が発生することがある。一方、入熱が過剰であったり、溶接速度が遅かったりする場合には、多量の酸化物が溶接部に残存することがある。
一般に、電縫溶接における溶接の状態は、鋼板の端面が最初に接触する溶接点の位置変動が非常に小さい第1種溶接状態と、溶接点の位置変動の振幅及び位置変動の周期が中位である第2種溶接状態と、溶接点の位置変動の振幅及び位置変動の周期が大きい第3種溶接状態とに大別される。溶接速度が速い場合、入熱を増加させると、第1種溶接状態、第2種溶接状態、及び第3種溶接状態とは異なる、2段収束を伴う第2種溶接状態が存在する。
2段収束型第2種溶接状態は、溶接点の位置変動の振幅及び位置変動の周期が第2種溶接状態と同様に中位であり、溶接部が2段のV字形になる溶接状態である。
図20は、各種溶接状態と、溶接速度及び入熱との関係を概念的に示す図である。図20において、領域2001が第1種溶接状態に対応する領域であり、領域2002が第2種溶接状態に対応する領域であり、領域2003が第3種溶接状態に対応する領域であり、領域2004が2段収束型第2種溶接状態に対応する領域である。また、Vmは2段収束型第2種溶接状態が現れる臨界溶接速度であり、Tmは鋼板の融点である。
溶接速度が臨界溶接速度Vm未満の場合であって、入熱が低い場合には、溶接の状態は第1種溶接状態となる。溶接速度が臨界溶接速度Vm未満であっても、入熱を増加させると、溶接の状態は第2種溶接状態となり、更に入熱を増加させると第3種溶接状態に移行する。一方、溶接速度が臨界溶接速度Vm以上になると、溶接の状態は、入熱の増加と共に、第1種溶接状態から第2種溶接状態に移行し、更に入熱を増加させると、2段収束型第2種溶接状態となる。
第1種溶接状態では、相互に突き合わさる鋼板の周方向の端部の厚み方向の全体に亘って鋼板を溶融させることができなくなる虞がある。一方、第3種溶接状態では、相互に突き合わさる鋼板の周方向の端部が過加熱となるため、多量の酸化物が溶接部に残存する虞がある。また、第2種溶接状態では、相互に突き合わさる鋼板の周方向の端部の厚み方向の全体に亘って鋼板を溶融させることができるが、2段収束型第2種状態との境界に酸化物が溶接部に残存する状態となる領域が発生する虞があり、また、成形変動などの影響で第2種溶接状態の範囲が狭くなってしまう虞がある。この場合、第2種溶接状態の範囲になるよう入熱制御することが困難になるため、より広範な範囲を有する2段収束型第2種溶接状態で電縫溶接を行うことが望まれる。
2段収束型第2種溶接状態で電縫溶接を行うための技術として特開平4−231181号公報および国際公開第2011/118560号に記載の技術がある。
特開平4−231181号公報には、電縫溶接を行うために供給される電源の出力周波数の微小変動をF/V変換して得た信号の振動幅Δfと、当該信号の単位時間の変動数SPLとを用いて、溶接の状態が2段収束型第2種溶接状態であるための条件を構築し、当該条件を満たしたときの入熱量を、入熱の制御の基準となる信号として出力することが開示されている。
しかしながら、特開平4−231181号公報に記載の技術では、溶接の状態が2段収束型第2種溶接状態である場合、電源の出力周波数の微小変動(すなわち微分波形)のアナログ電圧値は、溶接の状態が第2種溶接状態である場合の値よりも小さくなる。上記した電源の出力周波数の微小変動は全振幅の1/20以下になることもあり且つ、中心周波数も刻々と変化するため、微小変動の成分だけを抽出して観察することは難しい。よって、特開平4−231181号公報に記載の技術では、溶接の状態が確実に2段収束型第2種溶接状態となるように入熱を制御することは容易ではない。
本発明は、以上のような事情に鑑みてなされたものであり、溶接の状態が2段収束型第2種溶接状態となるように入熱を制御することを、従来よりも容易に且つ確実に実行できるようにすることを目的とする。
本発明の第1の観点によれば、所定の搬送方向に沿って搬送される円筒状に成形された金属板の側面を一対のスクイズロールにより加圧しつつ前記金属板に入熱を行ってV字状に収束する前記金属板の周方向における両端部を溶接して電縫鋼管を製造する際の電縫溶接の操業を管理する電縫溶接操業管理装置であって、所定期間に亘り連続的に撮像された、前記金属板のV字状に収束する領域であるV字収束領域を含む、複数の画像を入力する画像入力手段と、前記画像入力手段により入力された画像に基づいて、V字状に収束する前記金属板の周方向の両端部の幾何学的な交点である幾何学的V収束点の位置を検出する第1の位置検出手段と、前記画像入力手段により入力された画像に基づいて、V字状に収束する前記金属板の周方向の両端部が衝合する衝合点であるV収束点の位置を検出する第2の位置検出手段と、前記画像入力手段により入力された前記複数の画像の各々に基づいて、V字状に収束する前記金属板の周方向の両端部が衝合する衝合点である前記V収束点を基点としてV収束点よりも前記金属板の搬送方向の下流側に伸びる溶接スリットの前記搬送方向の最下流の点であるスリット端の前記所定期間内の各時点における位置を導出し、導出した各時点のスリット端の位置のうちスリット端が前記搬送方向の最下流に位置する時点の位置を溶接点の位置として取得した情報に基づいて、溶接点の位置を導出する第1の溶接点位置導出手段と、前記第1の位置検出手段によって検出された幾何学的V収束点の位置と前記第2の位置検出手段によって検出されたV収束点の位置とが異なる位置に存在するか否かを判定する判定手段と、を含む電縫溶接操業管理装置が提供される。
本発明の第2の観点によれば、前記情報によって示される溶接点の位置と、前記第2の位置検出手段によって検出されたV収束点の位置との間の距離ΔLを記憶する記憶手段を更に含み、前記溶接点位置導出手段は、前記第2の位置検出手段によって検出されたV収束点の位置と前記記憶手段に記憶された前記距離ΔLとに基づいて前記金属板の溶接点の位置を導出する第1の観点による電縫溶接操業管理装置が提供される。
本発明の第3の観点によれば、前記記憶手段は、鋼種毎に前記距離ΔLを記憶する第2の観点による電縫溶接操業管理装置が提供される。
本発明の第4の観点によれば、前記溶接点位置導出手段は、前記画像入力手段により入力された複数の画像の各々に基づいて、前記画像入力手段により入力された画像毎に溶接スリットのスリット端の位置を導出するスリット端位置導出手段を含み、前記スリット端位置導出手段により導出されたスリット端の位置のうち、前記搬送方向における最下流に位置するスリット端の位置を溶接点の位置として導出する第1の観点による電縫溶接操業管理装置が提供される。
本発明の第5の観点によれば、前記判定手段によって幾何学的V収束点の位置とV収束点の位置とが異なる位置に存在すると判定された場合において、前記溶接点位置導出手段によって導出された溶接点の位置と前記一対のスクイズロールの設置位置に応じた位置との間の距離が所定の閾値以下になった場合に前記金属板に対する入熱量を低下させる入熱制御手段を更に含む第1乃至第4のいずれかの観点による電縫溶接操業管理装置が提供される。
本発明の第6の観点によれば、前記第2の位置検出手段によって検出されたV収束点の位置と、前記情報によって示される溶接点の位置に基づいて前記距離ΔLを導出する距離ΔL導出手段を更に含み、前記記憶手段は、前記距離ΔL導出手段によって導出された前記距離ΔLを、前記溶接点位置導出手段による溶接点の位置の導出よりも前に記憶する第2または第3の観点による電縫溶接操業管理装置が提供される。
本発明の第7の観点によれば、前記距離ΔL導出手段は、少なくとも、V収束点の位置の変動周期よりも長い期間に亘って撮像された複数の画像の各々に基づいて前記第2の位置検出手段によって導出されたV収束点の平均位置と前記情報によって示される溶接点の位置との間の距離を前記距離ΔLとして導出する第6の観点による電縫溶接操業管理装置が提供される。
本発明の第8の観点によれば、前記第1の位置検出手段によって検出された幾何学的V収束点の位置と、前記V字収束領域の金属板の周方向の端部に対応する領域の近似直線のなす角度であるV収束角の二等分線として推定される溶接線である推定溶接線と、に基づいて、前記スリット端の探索領域を設定する探索領域設定手段を更に含み、前記スリット端位置導出手段は、前記探索領域設定手段によって設定された探索領域内において前記スリット端の位置を導出する第4の観点による電縫溶接操業管理装置が提供される。
本発明の第9の観点によれば、前記画像入力手段により入力される画像の各々は、1/5000[sec]以下の露光時間で撮像された画像である第4または第8の観点による電縫溶接操業管理装置が提供される。
本発明の第10の観点によれば、前記画像入力手段は、250[msec]以上の期間に亘り連続的に撮像された複数の画像を入力する第4、第8および第9のいずれかの観点による電縫溶接操業管理装置が提供される。
本発明の第11の観点によれば、前記溶接点位置導出手段は、前記スリット端位置導出手段により導出された複数のスリット端の位置のうち、前記搬送方向における最下流に位置するスリット端の位置を示す座標値の移動平均値を溶接点の位置として導出する第4、第8、第9および第10のいずれかの観点による電縫溶接操業管理装置が提供される。
本発明の第12の観点によれば、前記入熱制御手段は、前記溶接点位置導出手段によって導出された溶接点の位置と前記一対のスクイズロールの中心軸を含む平面との間の距離が所定の閾値以下である場合に前記金属板に対する入熱量を下げるように制御する第5の観点による電縫溶接操業管理装置が提供される。
本発明の第13の観点によれば、前記溶接点位置導出手段によって導出された溶接点の位置、および前記溶接点位置導出手段によって導出された溶接点の位置と前記一対のスクイズロールの設置位置に応じた位置との間の距離の少なくとも一方を表示する表示手段を更に含む第1乃至第12のいずれかの観点による電縫溶接操業管理装置が提供される。
本発明の第14の観点によれば、所定の搬送方向に沿って搬送される円筒状に成形された金属板の側面を一対のスクイズロールにより加圧しつつ前記金属板に入熱を行ってV字状に収束する前記金属板の周方向における両端部を溶接して電縫鋼管を製造する際の電縫溶接の操業を管理する電縫溶接操業管理方法であって、所定期間に亘り連続的に撮像された、前記金属板のV字状に収束する領域であるV字収束領域を含む、複数の画像を入力する画像入力ステップと、前記画像入力ステップにおいて入力された画像に基づいて、V字状に収束する前記金属板の周方向の両端部の幾何学的な交点である幾何学的V収束点の位置を検出する第1の位置検出ステップと、前記画像入力ステップにおいて入力された画像に基づいて、V字状に収束する前記金属板の周方向の両端部が衝合する衝合点であるV収束点の位置を検出する第2の位置検出ステップと、前記画像入力ステップにおいて入力された前記複数の画像の各々に基づいて、前記V収束点を基点としてV収束点よりも前記金属板の搬送方向の下流側に伸びる溶接スリットの前記搬送方向の最下流の点であるスリット端の前記所定期間内の各時点における位置のうちスリット端が前記搬送方向の最下流に位置する時点の位置を溶接点の位置として取得した情報に基づいて、溶接点の位置を導出する溶接点位置導出ステップと、前記第1の位置検出ステップにおいて検出された幾何学的V収束点の位置と前記第2の位置検出ステップにおいて検出されたV収束点の位置とが異なる位置に存在するか否かを判定する判定ステップと、を含む電縫溶接操業管理方法が提供される。
本発明の第15の観点によれば、前記情報によって示される溶接点の位置と、前記V収束点の位置との間の距離ΔLを記憶する記憶ステップを更に含み、前記溶接点位置導出ステップは、前記第2の位置検出ステップにおいて検出されたV収束点の位置と前記記憶ステップにおいて記憶された前記距離ΔLとに基づいて前記金属板の溶接点の位置を導出する第14の観点による電縫溶接操業管理方法が提供される。
本発明の第16の観点によれば、前記記憶ステップにおいて、鋼種毎に前記距離ΔLが記憶される第15の観点による電縫溶接操業管理方法が提供される。
本発明の第17の観点によれば、前記溶接点位置導出ステップは、前記画像入力ステップにおいて入力された複数の画像の各々に基づいて、前記画像入力ステップにおいて入力された画像毎に溶接スリットのスリット端の位置を導出するスリット端位置導出ステップを含み、前記溶接点位置導出ステップにおいて、前記スリット端位置導出ステップにおいて導出されたスリット端の位置のうち、前記搬送方向における最下流に位置するスリット端の位置が溶接点の位置として導出される第14の観点による電縫溶接操業管理方法が提供される。
本発明の第18の観点によれば、前記判定ステップにおいて幾何学的V収束点の位置とV収束点の位置とが異なる位置に存在すると判定された場合において前記溶接点位置導出ステップにおいて導出された溶接点の位置と前記一対のスクイズロールの設置位置に応じた位置との間の距離が所定の閾値以下になった場合に前記金属板に対する入熱量を低下させる入熱制御ステップを更に含む第14乃至第17のいずれかの観点による電縫溶接操業管理方法が提供される。
本発明の第19の観点によれば、前記V収束点の位置と、前記情報によって示される溶接点の位置に基づいて前記距離ΔLを導出する距離ΔL導出ステップを更に含み、前記記憶ステップにおいて、前記距離ΔL導出ステップにおいて導出された前記距離ΔLが、前記溶接点位置導出ステップにおいて溶接点の位置が導出される前に記憶される第15または第16の観点による電縫溶接操業管理方法が提供される。
本発明の第20の観点によれば、前記距離ΔL導出ステップにおいて、少なくとも、V収束点の位置の変動周期よりも長い期間に亘って撮像された複数の画像の各々に基づいて導出されたV収束点の平均位置と前記情報によって示される溶接点の位置との間の距離が前記距離ΔLとして導出される第19の観点による電縫溶接操業管理方法が提供される。
本発明の第21の観点によれば、前記第1の位置検出ステップにおいて検出された幾何学的V収束点の位置と、前記V字収束領域の金属板の周方向の端部に対応する領域の近似直線のなす角度であるV収束角の二等分線として推定される溶接線である推定溶接線と、に基づいて、前記スリット端の探索領域を設定する探索領域設定ステップを更に含み、
前記スリット端位置導出ステップにおいて、前記探索領域設定ステップにおいて設定された探索領域内に前記スリット端の位置が導出される第17の観点による電縫溶接操業管理方法が提供される。
本発明の第22の観点によれば、前記画像入力ステップにおいて入力される画像の各々は、1/5000[sec]以下の露光時間で撮像された画像である第17または第21の観点による電縫溶接操業管理方法が提供される。
本発明の第23の観点によれば、前記画像入力ステップにおいて、250[msec]以上の期間に亘り連続的に撮像された複数の画像が入力される第17、第21および第22のいずれかの観点による電縫溶接操業管理方法が提供される。
本発明の第24の観点によれば、前記溶接点位置導出ステップにおいて、前記スリット端位置導出ステップにおいて導出された複数のスリット端の位置のうち、前記搬送方向における最下流に位置するスリット端の位置を示す座標値の移動平均値が溶接点の位置として導出される第17、第21、第22および第23のいずれかの観点による電縫溶接操業管理方法が提供される。
本発明の第25の観点によれば、前記入熱制御ステップにおいて、前記第溶接点位置導出ステップにおいて導出された溶接点の位置と前記一対のスクイズロールの中心軸を含む平面との間の距離が所定の閾値以下である場合に前記金属板に対する入熱量が下がるように入熱を制御する第18の観点による電縫溶接操業管理方法が提供される。
本発明の第26の観点によれば、前記第溶接点位置導出ステップにおいて導出された溶接点の位置、および前記第2の溶接点位置導出ステップにおいて導出された溶接点の位置と前記一対のスクイズロールの設置位置に応じた位置との間の距離の少なくとも一方を表示する表示ステップを更に含む第14乃至第25のいずれかの観点による電縫溶接操業管理方法が提供される。
本発明の第27の観点によれば、第1乃至第13のいずれかの観点による溶接操業管理装置の各手段として機能させるためのコンピュータプログラムが提供される。
本発明によれば、溶接の状態が2段収束型第2種溶接現象の状態となるように入熱を制御することを、従来よりも容易に且つ確実に実行できるようになる。
本発明の実施形態に係る電縫鋼管の製造システムの構成の一例を示す図である。 2段収束型第2種溶接状態におけるV字収束領域の一例を概念的に示す図である。 2段収束型第2種溶接状態におけるV字収束領域の一例を概念的に示す図である。 溶接スリットの変動が起こる様子の一例を概念的に示す図である。 溶接スリットの変動が起こる様子の一例を概念的に示す図である。 溶接スリットの変動が起こる様子の一例を概念的に示す図である。 撮像装置により撮像されたV字収束領域の画像の一例を示す図である。 溶接点とV収束点との間の距離と鋼板の厚み(板厚)との関係の一例を示す図である。 欠陥面積率と溶接点・スクイズセンタ位置間距離Gとの関係の一例を示す図である。 本発明の第1の実施形態に係る電縫溶接操業管理装置の機能的な構成の一例を示す図である。 撮像装置により撮像された画像の一例を図面化した図である。 2値化処理が行われた画像の一例を示す図である。 ラベリング処理が行われた画像の一例を示す図である。 ブロッブ抽出処理が行われた画像の一例を示す図である。 端部探索処理が行われた画像を示す図である。 V収束点が検出された様子の一例を図面化して示す図である。 距離ΔL導出処理の一例を説明するフローチャートである。 入熱制御処理の一例を説明するフローチャートである。 撮像装置により撮像された画像と、当該画像におけるx方向の輝度分布の一例とを示す図である。 本発明の第2の実施形態に係る電縫溶接操業管理装置の機能的な構成の一例を示す図である。 幾何学的V収束点、V収束点、及びスリット端の時間推移の第1の例を示す図である。 本発明の第3の実施形態に係る電縫溶接操業管理装置の機能的な構成の一例を示す図である。 V収束点が検出された様子の一例を図面化して示す図である。 幾何学的V収束点が検出されスリット端探索領域が設定された様子の一例を図面化して示す図である。 スリット端探索領域が与えられた赤色成分の画像を示す図である。 スリット端探索領域における2値化画像の一例を図面化して示す図である。 入熱制御処理の一例を説明するフローチャートである。 入熱制御処理の一例を説明するフローチャートである。 各種溶接現象と、溶接速度及び入熱との関係を概念的に示す図である。
以下、図面を参照しながら、本発明の実施形態を説明する。尚、各図においては、説明又は表記の都合上、各要素を省略化又は簡略化して示している。
[第1の実施形態]
まず、本発明の第1の実施形態について説明する。
<電縫鋼管の製造システム>
図1は、本発明の実施形態に係る電縫鋼管の製造システムの構成の一例を示す図である。尚、本実施形態では、電縫鋼管の製造システムの各構成要素の位置と、撮像された画像の位置は、それぞれ同一の3次元直交座標(x,y,z座標)で表されるものとする。すなわち、各図に示すx,y,z座標は、その方向のみを示すものであり、その原点の位置は各図において同一であるものとする。
図1において、電縫鋼管の製造システムは、スクイズロール2a、2bと、コンタクトチップ3a、3bと、インピーダー4と、撮像装置5と、高周波電源6と、電縫溶接操業管理装置100と、を有する。
まず、電縫鋼管の製造設備の概要を説明する。図1に示すように、帯状の鋼板1がx軸の正の方向に向かって搬送されながら、ロール群(図示せず)により連続的に円筒状に成形される。円筒状に成形される鋼板1の内部には、磁束を鋼板1の接合部に集中させるためのインピーダー4が配置されている。高周波電源6から高周波の電力が供給されると、一対のコンタクトチップ3a、3b(又は誘電コイル(図示せず))から、鋼板1のV字状に収束する領域の表面に高周波電流が流れる。このとき、スクイズロール2a、2bにより、鋼板1に対してその両側方から押圧力が加えられる。このように、鋼板1の周方向の両端部11a、11bをV字状に収束させながら加熱・溶融させて突き合わせて鋼板1を溶融接合することにより、電縫溶接(ERW)が行われる。尚、以下の説明では、「鋼板1のV字状に収束する領域」を必要に応じて「V字収束領域」と称する。また、鋼板1の周方向の両端部11a、11bが突き合わされて、1本の線状に観察される部分を必要に応じて「溶接線」と称する(図1の溶接線12を参照)。
撮像装置5は、V字収束領域の表面を含む領域の自発光パターン(輻射パターン)を撮像する。撮像装置5としては、例えば、1920×512の画素を有する3CCD型カラーカメラが用いられる。撮像装置5は、例えば、撮影視野が50[mm]×190[mm]、分解能が100[μm/画素]、撮影フレームレートが500[fps]、露光時間が1/10000[sec]の条件で、V字収束領域の表面を含む領域を撮像する。ここで、電縫溶接操業管理装置100が、後述する画像処理を行い、且つ、後述する溶接スリットSの最下流の点であるスリット端SEの位置の変動を捉えるために、V収束点V1の撮像画像中の位置が、定常操業時において、例えば、鋼板1の搬送方向(x軸方向)の下流側から約1/3の位置となるように、撮像装置5の撮像範囲が設定されている。撮像装置5による撮像は一定の時間間隔で連続的に行われる。同じタイミングで撮像された一枚の画像をフレームと呼ぶ。また、以下の説明では、撮像装置5で撮像された「画像」を必要に応じて「V字収束領域の画像」と称する。
本実施形態の電縫溶接操業管理装置100は、撮像装置5で撮像されたV字収束領域の表面とスリット端SEおよび溶接点Wとを含む領域の画像(V字収束領域の画像)を入力する。そして、電縫溶接操業管理装置100は、V字収束領域の画像に対する処理等を行って、溶接の状態が2段収束型第2種溶接現象の状態となるように、高周波電源6から出力される電力量(VA)を制御する。電縫溶接操業管理装置100の機能の詳細については後述する。
<2段収束型第2種溶接現象の説明>
図2は、2段収束型第2種溶接状態におけるV字収束領域の一例を概念的に示す図である。具体的に図2Aは、V字収束領域をその上方から見た図であり、図2Bは、鋼板1の搬送方向(x軸方向)の上流側からV収束点V1の方向を見た図である。
2段収束型第2種溶接状態では、鋼板1の周方向の端部11a、11bの厚み方向(z軸方向)の溶融部分が排出されながら突き合わさる際に、厚み方向の中心部が溶融して排出される(図2Bに示す矢印線を参照)。このため、図2Aに示すように、鋼板1の周方向の端部11a、11bが、鋼板1の搬送方向(x軸方向)の下流側に後退したように観察される。
鋼板1の上方からV字収束領域を含む領域の自発光パターンを高精細に且つ像流れなく撮像(撮影分解能:100[μm/画素]、露光時間:1/10000[sec]の条件)して高い精度でV収束点を測定したところ、2段収束型第2種溶接状態が観測された。溶接の状態が2段収束型第2種溶接状態となると、図2Aに示すように、鋼板1の搬送方向(x軸方向)の相対的に上流側の領域に幾何学的なV収束点である幾何学的V収束点V0と、相対的に下流側の領域に衝合点であるV収束点V1とが存在するようになる。幾何学的V収束点V0とは、図2Aに破線で示すように、V字状に収束する鋼板1の周方向の端部11a、11b(の下流側への(破線で示す)延長線)が幾何学的に交わる点である。一方、衝合点であるV収束点V1とは、V字状に収束する鋼板1の周方向の端部11a、11bが物理的に衝合(接触)する点である。
溶接の状態が第2種溶接状態となる入熱以上の入熱が与えられるときには、凝固が始まる点である溶接点Wは、衝合点であるV収束点V1よりも更に下流側の領域に存在し、V収束点V1と溶接点Wとの間には、鋼板1の厚み方向において鋼板1を貫通する溶融スリットSが形成される。さらに、この溶融スリットSは、V収束点V1から、鋼板1の搬送方向(x軸方向)の下流側の方へ伸びた後、消失する。このような溶接スリットSのx軸方向の大きさの変動(溶接スリットSの成長と消失)は、数[msec]の周期で周期的に行われる。V収束点V1と溶接点Wとは、ともに溶接線12上に存在する。また、以降の説明では、溶融スリットSが存在する場合には、溶接スリットSの幅中心を通る仮想的な線を考え、それを溶接スリット部分における溶接線とみなす。
図3は、溶接スリットSのx軸方向の長さの変動が起こる様子の一例を概念的に示す図である。具体的に図3Aは、溶接スリットSが消失している状態を、図3Bは、溶接スリットSが成長している最中の状態を、図3Cは、溶接スリットSが成長し終えたときの状態を、それぞれその上方から見た図である。
<本発明者らが新たに得た知見>
本発明者らは、溶接の状態が2段収束型第2種溶接の状態である場合には、溶接点WとV収束点V1との距離ΔLが、板厚、鋼管外径及び入熱量に依存せずに、鋼種毎に一定であることを見出した。
高周波電源6から供給される電力量が一定であるとすると、図3Aに示すように、溶接スリットSが存在しない状態では、コンタクトチップ3a、3b間の高周波電流の経路Rは最短であるので、高周波電流に対する抵抗値が最小となり、高周波電流の大きさは最大となる。このため、V字収束領域の温度が高くなり、溶接部分における溶鋼の排出が促進される(図2Bを参照)。よって、図3Bに示すように、溶接スリットSが、鋼板1の搬送方向(x軸方向)の下流側の方へ伸びる。
溶接スリットSが、鋼板1の搬送方向(x軸方向)の下流側の方へ伸びることに伴って、コンタクトチップ3a、3b間の高周波電流の経路Rが長くなる。よって、高周波電流に対する抵抗値が大きくなり、高周波電流の大きさが小さくなる。そうすると、V字収束領域の温度が低くなり、溶接部分における溶鋼の排出が抑制される。よって、図3Cに示すように、ある地点まで溶接スリットSが成長すると、溶接スリットSであった部分が溶鋼で塞がれ、図3Aに示すように、溶接スリットSが消失する。尚、溶接スリットSのx軸方向の長さの変動の周期に比べると長い周期(数百[msec])であるが、V収束点V1も、鋼板1の搬送方向(x軸方向)において周期的に変動する。このように溶接スリットSの長さは時間的に変動し、その変動範囲はV収束点V1と溶接点Wとの間となる。溶接点Wは鋼板1に押圧力がかかって凝固が始まる点、即ち鋼板1の突き合わせ面が物理的に安定して接触する点であるため、この位置より下流側に溶接スリットSが延びることはない。一方、溶接スリットSを塞ぐのは上述の通り溶鋼であるため、高周波電流によって誘起される電磁力が正常にかかっている状態では、溶接スリットSを塞ぐ溶鋼の排出が正常に行われ、物理的に間隙のある溶接点Wより上流は全て溶接スリットSとして観測される。
また、本発明者らは、溶接の状態が2段収束型第2種溶接状態となっているときには、溶接点WとV収束点V1との間の距離ΔLは、鋼管外径と、鋼板1の厚み(板厚)tと、鋼板1に対する入熱量(例えば、高周波電源6から出力される電力の指令値)に依存せずに鋼種毎に略一定であるということを確認した。
本実施形態では、溶接点WとV収束点V1との間の距離ΔLは、以下のように求める。溶接スリットSのx軸方向の長さの変動周期およびV収束点V1の位置の変動周期よりも長い期間に亘って連続的に撮像された複数のV字収束領域の画像における、V収束点V1の平均位置を求め、このV収束点V1の平均位置と溶接点Wとの間の距離をΔLとする。前述したように、V収束点V1の位置の変動周期の方が、溶接スリットSのx軸方向の長さの変動周期よりも長い。よって、V収束点V1の位置の変動周期よりも長い期間に亘って複数のV字収束領域の画像を撮像すれば、V収束点V1の平均位置と溶接点Wとの間の距離ΔLを得ることができる。
図4は、撮像装置5により撮像されたV字収束領域の画像の一例を示す図である。図4では、鋼種と鋼管外径と厚み(板厚)とがそれぞれ同じであり、互いに異なる入熱量が与えられた鋼板1のV字収束領域の画像を、入熱量が低い順に上から並べて示している(一番上の画像が一番入熱の低い画像であり、一番下の画像が一番入熱の高い画像である)。図4に示す上から4番目〜7番目の画像が2段収束型第2種溶接状態に対応する画像である。
また、図4に示すそれぞれの画像は、分解能が100[μm/画素]、撮影フレームレートが500[fps]、露光時間が1/10000[sec]の条件で鋼板1のV字収束領域を3[sec]に亘って撮像したものである。
ここで、V字収束領域付近を3[sec]に亘って撮像したのは、電縫溶接における全ての変動要因(成形変動等)を考慮した場合、3[sec]に亘ってV字収束領域付近を撮像すれば、それらの変動の1周期分の画像がより確実に得られるからである。
図4に示すように、2段収束型第2種溶接状態となる入熱量よりも低い入熱量のときには、複数のV字収束領域の画像から得られる「溶接点WとV収束点V1との間の距離ΔL(図4の二点鎖線で示すV1と一点鎖線で示すWとの間のx軸方向の距離)」は、入熱量によって変動する(図4の上から1番目〜3番目の画像を参照)。これに対し、溶接の状態が2段収束型第2種溶接状態であるときには、「溶接点WとV収束点V1との間の距離ΔL」は、入熱量によらずに略同じであることが分かる(図4の上から4番目〜7番目の画像を参照)。
よって、溶接の状態が2段収束型第2種溶接状態であるときには、溶接点WとV収束点V1との間の距離ΔLは、入熱量によらずに略同じになると言える。
図5は、(溶接の状態が2段収束型第2種溶接状態であるときの)溶接点WとV収束点V1との間の距離ΔLと鋼板1の厚み(板厚)との関係の一例を示す図である。
図5に示す「溶接点WとV収束点V1との間の距離ΔL」は、鋼材種類が同じで、厚み(板厚)を異ならせた鋼板1のV字収束領域の画像から得られたものである。
図5に示すように、溶接点WとV収束点V1との間の距離ΔLは、鋼板1の厚み(板厚)に関わらず、10[mm]程度となり、略一定となる。
このように、溶接の状態が2段収束型第2種溶接状態であるときには、溶接点WとV収束点V1との間の距離ΔLは、鋼板1の厚み(板厚)によらずに略同じになると言える。
以上のように、本発明者らは、溶接の状態が2段収束型第2種溶接状態であるときには、溶接点WとV収束点V1との間の距離ΔLは、鋼板1に与える入熱量と、鋼管外径と、鋼板1の厚み(板厚)によらずに略同じになるという知見を得た。
このようになる理由として、今回検討した材質の鋼板1(引張強度=30〜50[kgf/mm2])では材料特性(温度と抵抗値との関係)に殆ど差がないことや、V収束点V1を頂点とするV字の角度や金属板1の厚み(板厚)はV収束点V1よりも鋼板1の搬送方向の下流側(x軸の正の方向側)の溶融現象に影響しないこと等が挙げられる。
尚、以下の説明では、「溶接点WとV収束点V1との間の距離ΔL」を必要に応じて「V収束点・溶接点間距離ΔL」又は単に「距離ΔL」と称する。
また、本発明者らは、溶接の状態が2段収束型第2種溶接状態となっているときには、溶接点Wと、スクイズロール2a、2bのロール中心軸を含むyz平面と、の間のx軸に沿った方向の距離Gが閾値よりも小さいと、溶接品質が劣化することを見出した。尚、以下の説明では、「スクイズロール2a、2bのロール中心軸を含んだyz平面を上方から観測したx軸方向の位置C」を必要に応じて「スクイズセンタ位置C」と称する。また、「溶接点Wと、スクイズロール2a、2bのロール中心軸を含むyz平面と、の間のx軸に沿った方向の距離G」を必要に応じて「溶接点・スクイズセンタ位置間距離G」又は「距離G」と称する。尚、スクイズセンタ位置Cの高さ方向(z軸方向)の位置としては、例えば、円筒状の頂部に対応する位置を採用することができるが、この位置に限定されるものではない。
図6は、鋼板1における欠陥面積率と距離Gとの関係の一例を示す図である。
異なる厚み・鋼管外径の複数の鋼板1について、溶接点Wとスクイズセンタ位置Cとの間の距離Gを変化させて電縫溶接を行った。それぞれの電縫鋼管から溶接部を切り出し、切り出した面の面積に対する、当該切り出した面に存在する欠陥の面積の割合を欠陥面積率としてそれぞれ導出した。図6は、このようにして導出した欠陥面積率をプロットしたものである。
前述したように、距離Gは、溶接点Wの位置と、スクイズセンタ位置Cとから導出される。
図6に示す例では、距離Gが大凡27[mm]以下になると、欠陥面積率が急激に増加することが分かる(図6に示す縦方向の破線を参照)。
以上のように、本発明者らは、V収束点Vと溶接点Wとの間の距離ΔLは、鋼板1に与える入熱量と、鋼板1の厚み(板厚)によらずに略同じになるという知見と、溶接点Wとスクイズセンタ位置Cとの間の距離Gが閾値以下になると、溶接部に含まれる欠陥が多くなるという知見を得た。
そこで、本実施形態に係る電縫溶接操業管理装置100は、まず、距離ΔLを予めオフラインで測定して記憶しておく。その後、電縫溶接操業管理装置100は、溶接の状態が2段収束型第2種溶接状態である場合には、電縫溶接が行われている鋼板1に与える入熱量を次のようにして制御する。
まず、電縫溶接操業管理装置100は、撮像装置5により撮像された画像からV収束点V1の位置を導出し、導出したV収束点V1の位置に対し予め記憶しておいた距離ΔLだけ鋼板1の搬送方向の下流側に位置する点を溶接点Wとして導出する。
次に、電縫溶接操業管理装置100は、導出した溶接点Wと、予め設定されているスクイズセンタ位置Cとから、距離Gを導出する。
そして、電縫溶接操業管理装置100は、導出した距離Gが閾値以下である場合に、当該鋼板1に対する入熱量(高周波電源6から出力する電力量)が小さくなるように制御する。
<電縫溶接操業管理装置100の機能>
以下に、電縫溶接操業管理装置100が有する機能を詳細に説明する。
図7は、電縫溶接操業管理装置100の機能的な構成の一例を示す図である。電縫溶接操業管理装置100は、例えば、CPU、ROM、RAM、HDD、及び各種のインターフェースを備えた情報処理装置を用いることにより実現することができる。
(画像データ入力部101)
画像データ入力部101は、撮像装置5で撮像されたV字収束領域の画像データを入力する。
図8は、撮像装置5により撮像されたV字収束領域の画像の一例を図面化した図である。
図8に示すように、撮像装置5により撮像されたV字収束領域の画像では、鋼板1の周方向の端部11a、11bに沿って輝度レベルの高い高熱領域81a、81bが現れる。また、鋼板1の搬送方向(x軸方向)の下流側の領域82には、鋼板1に周方向の端部11a、11bの溶融部分が排出されてできる波状の模様が現れる。またV字状に収束している領域付近から鋼板1の搬送方向(x軸方向)に沿って溶接スリットSが現れる。
画像データ入力部101は、例えば、CPUが、通信インターフェースを介して、撮像装置5から画像データを取得し、取得した画像データを、RAM等に一時的に記憶することにより実現される。
(赤色成分抽出部102)
赤色成分抽出部102は、画像データ入力部101により入力されたV字収束領域の画像データのコントラストを明確にするために、その画像データから赤色成分(波長590[nm]〜680[nm])を抽出する。
赤色成分抽出部102は、例えば、CPUが、RAM等から画像データを読み出して赤色成分を抽出し、抽出した赤色成分の画像データをRAM等に一時的に記憶することにより実現される。
(2値化部103a、103b)
2値化部103a、103bは、赤色成分抽出部102で得られた赤色成分の画像データを2値化(反転)する。ここでは、2値化部103a、103bは、輝度レベルが閾値以上の画素に画素値「0」を、閾値未満の画素に画素値「1」を与える。2値化部103a、103bでは、輝度レベルの閾値が異なる。図9Aは、2値化画像の一例を図面化して示す図である。
2値化部103aおよび103bは、例えば、CPUが、RAM等から赤色成分の画像データを読み出して2値化処理を行い、2値化画像データをRAM等に一時的に記憶することにより実現される。
(ラベリング部104a、104b)
ラベリング部104a、104bは、2値化部103a、103bで得られた2値化画像に対し、ブロッブ(Blob)毎にラベルをつけるラベリング処理を行う。ここでいうブロッブとは、ある画素に対し、上下左右方向において隣接する4画素と斜め方向において隣接する4画素とを含む隣接8画素の何れかにおいて、画素値「1」が与えられた画素が隣接している場合、それらの画素を連結することを各画素について行うことにより得られた個々の連結領域を意味する。また、ラベリング処理とは、個々のブロッブにラベル番号をつけて特定のブロッブを抽出し、抽出したブロッブの画像内の位置(x座標の最大点及び最小点、y座標の最大点及び最小点)、幅、長さ、面積等を抽出する処理である。
図9Bは、ラベリング処理が行われた2値化画像の一例を図面化して示す図である。
図9Bに示す例では、3つのブロッブに、それぞれラベル番号「1」、「2」及び「3」が付けられている場合が示されている。
ラベリング部104aおよび104bは、例えば、CPUが、RAM等から、2値化画像データを読み出してラベリング処理を行い、その結果をRAM等に一時的に記憶することにより実現される。
尚、2値化部103a、103bで用いられる輝度レベルの閾値が同じである場合、2値化部103a、103b及びラベリング部104a、104bをそれぞれ1つにすることができる。
(V収束点導出部105)
V収束点導出部105は、ラベリング部104bによりラべル番号が付与されたブロッブのうち、所定の条件に合致するブロッブが抽出されたか否かを判定する。V収束点導出部105は、所定の条件に合致するブロッブがあると判定した場合、そのブロッブ(図9Bに示す例ではラベル番号「2」が付与されたブロッブ)を、V字収束領域のブロッブ91として抽出する。そして、V収束点導出部105は、抽出したV字収束領域のブロッブ91の座標や面積等の形状情報を取得する。図9Cは、V字収束領域のブロッブ91が抽出された様子の一例を図面化して示す図である。また、図10は、V収束点V1が検出された様子の一例を図面化して示す図である。
ここで、V収束点導出部105は、例えば、図9Aに示す2値化画像において、左端に接し、且つ、所定の面積条件を有するブロッブがあれば、それをV字収束領域のブロッブ91として抽出する。所定の面積条件としては、例えば、ブロッブの面積の実寸法が15[mm2]〜150[mm2]であるという条件と、ブロッブに外接する矩形ブロックの実寸法が25[mm2]〜320[mm2]であるという条件との少なくとも何れか一方を満たす等の条件を設定すればよい。
図10に示すように、V収束点導出部105は、V字収束領域のブロッブ91のx軸の正の方向(鋼板1の搬送方向の下流の方向)の先端を、衝合点であるV収束点V1(の位置)として検出する。
本実施形態では、V収束点Vと溶接点Wとの間の距離ΔLを予めオフラインで測定する際には、V収束点導出部105は、撮像装置5により3[sec]に亘って連続的に撮像された複数のV字収束領域の画像のそれぞれについて、V収束点V1の位置を検出する。撮像装置5は、500[fps]の撮影フレームレートで画像を撮像するので、1500個のV収束点V1の位置がV収束点導出部105により検出される。ただし、例えば、V収束点V1の位置の変動が僅かである場合、V収束点導出部105は、1つの画像から導出したV収束点V1の位置を検出してもよい(すなわち、必ずしも複数の画像のそれぞれからV収束点V1を導出する必要はない)。
また、鋼板1に対する入熱を制御する際にも、V収束点導出部105は、撮像装置5により3[sec]に亘って連続的に撮像された複数のV字収束領域の画像のそれぞれについて、V収束点V1の位置を検出することができる。ただし、撮像装置5により撮像された1つのV字収束領域の画像について、V収束点V1の位置を検出してもよい。
尚、電縫溶接操業管理装置100が鋼板1に対する入熱量の制御を行っているときに、所定のフレーム数以上連続して所定の条件に合致するブロッブが抽出されなければ、V収束点導出部105は、オペレータにエラーメッセージを出力することができる。
V収束点導出部105は、例えば、CPUが、ラベリング処理が行われた2値化画像データをRAM等から読み出して、V収束点V1の座標を導出し、その結果をRAM等に一時的に記憶することにより実現される。
(幾何学的V収束点導出部106)
幾何学的V収束点導出部106は、ラベリング部104aによりラベル番号が付与されたブロッブのうち、所定の条件に合致するブロッブが抽出されたか否かを判定する。幾何学的V収束点導出部106は、所定の条件に合致するブロッブがあると判定した場合、そのブロッブを、V字収束領域のブロッブ91として抽出する。そして、幾何学的V収束点導出部106は、抽出したV字収束領域のブロッブ91の座標や面積等の形状情報を取得する(図9B、図9Cを参照)。
尚、電縫溶接操業管理装置100が鋼板1に対する入熱の制御を行っているときに、所定のフレーム数以上連続して所定の条件に合致するブロッブが抽出されなければ、幾何学的V収束点導出部106は、オペレータにエラーメッセージを出力するようにすることができる。また、幾何学的V収束点導出部106は、V収束点導出部105で抽出されたV字収束領域のブロッブ91の情報を流用することもできる。
次に、幾何学的V収束点導出部106は、抽出したV字収束領域のブロッブ91から、鋼板1の周方向の端部11a、11bに対応する領域を探索する。
図9Dは、幾何学的V収束点導出部106が鋼板1の周方向の端部11a、11bに対応する領域を探索する様子の一例を図面化して示す図である。
図9Dに示すように、幾何学的V収束点導出部106は、V字収束領域のブロッブ91の、搬送方向(x軸方向)の最下流点(V収束点導出部105により検出されたV収束点V1)を通り、且つ、x軸方向と平行な直線(図9Dに示す一点鎖線)から、y軸の正の方向及びy軸の負の方向に、画素値が「1」から「0」に変化する点をそれぞれ探索し、その点を鋼板1の周方向の端部11aおよび11bとする探索処理を行う。
幾何学的V収束点導出部106は、この探索処理を、V字状に収束する方向(x軸方向)の所定の範囲、例えば2値化画像の左端(鋼板1の搬送方向の上流側)から、V字収束領域のブロッブ91の先端までの範囲のうち、左端から2/3の範囲で実行する(図9Dに示す「直線近似する領域」を参照)。そして、幾何学的V収束点導出部106は、探索した鋼板1の周方向の端部11a、11bに対応する領域をそれぞれ直線近似し、それぞれの近似直線の交点を幾何学的V収束点V0として検出する。
本実施形態では、幾何学的V収束点導出部106は、V収束点導出部105がV収束点V1の位置を検出したときに使用したのと同じV字収束領域の画像のそれぞれについて、幾何学的V収束点V0を検出する。
尚、前記所定の範囲としては、常に「左端から2/3の範囲」とするのでなく、操業条件によって幾何学的V収束点V0の位置が、鋼板1の搬送方向の上流側に移動するような場合には、より小さな値、例えば、「左端から1/2の範囲」に設定する等、適宜適切な値を設定するのが好ましい。
また、鋼板1の周方向の端部11a、11bに対応する領域を探索する際に、例えば、図9Dに示す画像の上下位置から内側に向かって、画素値が「0」から「1」に変化する点を探索するようにしてもよい。ただし、V字収束領域のブロッブ91は、画像の上下方向(y軸方向)の中央付近に現れることが分かっている。よって、画像の最上位置及び最下位置から探索を始めるのでは処理が無駄となる。そこで、前述したように、本実施形態では、V字収束領域のブロッブ92の内側からy軸の正方向及びy軸の負の方向に、画素値が「1」から「0」に変化する点を探索することにより処理時間を短縮化させている。
また、ラベリング処理によりV字収束領域のブロッブ91の幅広部(画像の左端)のy軸方向の位置を知ることができる。よって、画像の上下位置から内側に向かって、画素値が「0」から「1」に変化する点を探索する場合にも、ブロッブ91の幅広部のy軸方向の位置或いはその近傍から内側に向かって、画素値が「0」から「1」に変化する点を探索すれば処理時間を短縮化させることができる。
幾何学的V収束点導出部106は、例えば、CPUが、ラベリング処理が行われた2値化画像データをRAM等から読み出して、幾何学的V収束点V0の座標を導出し、その結果をRAM等に一時的に記憶することにより実現される。
尚、V収束点V1の位置と、幾何学的V収束点V0の位置を導出する方法は、例えば、国際公開第2011/118560号パンフレットに記載されている。
(溶接状態判定部114)
溶接状態判定部114は、V収束点導出部105によって導出されたV収束点V1の位置が、幾何学的V収束点導出部106によって導出された幾何学的V収束点V0の位置よりも鋼板1の搬送方向の下流側に存在しているか否を判定する。溶接状態判定部114は、V収束点V1の位置が、幾何学的V収束点V0の位置よりも鋼板1の搬送方向の下流側に存在しているものと判定した場合には、溶接の状態が2段収束型第2種溶接状態であることを示す判定信号を入熱制御部113に供給する。
溶接状態判定部114は、例えば、CPUが、RAM等から、入熱の制御対象となる鋼板1のV収束点V1および幾何学的V収束点V0の位置を読み出し、これらの位置に基づいて上記の判定信号を生成することにより実現される。
(溶接点位置入力部107)
溶接点位置入力部107は、V収束点Vと溶接点Wとの間の距離ΔLを予めオフラインで測定するために、撮像装置5により3[sec]に亘って連続的に撮像された複数のV字収束領域の画像のそれぞれからオペレータにより目視で決定された溶接点Wの位置の情報を、オペレータによる入力操作に基づいて入力する。
ここで、オペレータにより溶接点Wの位置を決定する方法の例を説明する。
撮像装置5により撮像されたV字収束領域の画像から、後述する図13の上図に示すような輝度分布が得られる(図13の上図では表記の都合上、黒と白の領域で画像を表しているが、図13の上図に対応する画像は、例えば256階調の輝度の画像となる)。複数のV字収束領域の画像(本実施形態では、1500個のV字収束領域の画像)のそれぞれについて、スリット端SEの位置(溶接スリットSの最下流の点)が目視で特定される。スリットの輝度レベルは、鋼材が溶融している部分の輝度レベルよりも十分に低いことから目視でスリットを認識することは容易である(スリットの輝度レベルは、鋼材が溶融している部分の輝度レベルの1/10程度である)。また、スリットが途切れて観測される画像においても、上流側のスリットから溶接線に沿って下流方向に輝度が低く且つ細い線状の部位を断続スリットと認識することができる。このように、スリットは、溶融鋼材に比べて低輝度であることと、溶接線に沿った線状の形態を有しているので、V収束領域の画像からスリットと溶融鋼材のスケール模様とを容易に判別することが可能である。そして、特定したスリット端SEの位置のうち最下流にあるものを溶接点Wの位置として求めることができる。
次に、オペレータは、複数のV字収束領域の画像から決定した溶接点Wの位置(座標)の情報を、入力装置を使って電縫溶接操業管理装置100に入力する。
溶接点位置入力部107は、例えば、CPUが、オペレータによる入力装置の操作の内容に基づいて、溶接点Wの位置の情報を取得し、取得した溶接点Wの位置の情報をRAM等に一時的に記憶することにより実現される。
(距離ΔL導出部108、距離ΔL記憶部109)
距離ΔL導出部108は、撮像装置5により3[sec]に亘って連続的に撮像された複数のV字収束領域の画像のそれぞれについて、V収束点導出部105により導出されたV収束点V1の平均位置と、溶接点位置入力部107により入力された溶接点Wの位置との間の距離をV収束点・溶接点間距離ΔLとして導出する。そして、距離ΔL導出部108は、導出した距離ΔLの情報を距離ΔL記憶部109に記憶する。本実施形態では、距離ΔLの導出と記憶は鋼種毎に行われる。
距離ΔL導出部108は、例えば、CPUが、RAM等から、V収束点V1の位置と、溶接点位置入力部107によって入力された溶接点Wの位置とを読み出して、V収束点Vと溶接点Wとの間の距離ΔLを導出し、その結果を、HDD等に記憶することにより実現される。また、距離ΔL記憶部109は、例えば、HDDにより実現される。
(溶接点位置導出部110)
溶接点位置導出部110は、V収束点導出部105により、入熱の制御対象となる鋼板1のV収束点V1の位置が導出されると、導出されたV収束点V1の位置から、距離ΔL記憶部109に記憶されている距離ΔLだけ鋼板1の搬送方向の下流側(x軸の正方向)に位置する点を溶接点Wの位置として導出する。
溶接点位置導出部110は、例えば、CPUが、RAM等から、入熱の制御対象となる鋼板1のV収束点V1の位置を読み出すと共に、HDD等から、距離ΔLを読み出して、溶接点Wの位置を導出し、導出した溶接点Wの位置の情報をRAM等に一時的に記憶することにより実現される。
(距離G導出部111)
距離G導出部111は、溶接点位置導出部110により導出された鋼板1の溶接点Wの位置と、電縫溶接操業管理装置100に予め設定されているスクイズセンタ位置Cとの間の距離を、溶接点・スクイズセンタ位置間距離Gとして導出する(図3を参照)。
距離G導出部111は、例えば、CPUが、RAM等から、入熱の制御対象となる鋼板1の溶接点Wの位置を読み出すと共に、HDD等から、スクイズセンタ位置Cを読み出して、距離Gを導出し、導出した距離Gの情報をRAM等に一時的に記憶することにより実現される。
(閾値入力部112)
閾値入力部112は、オペレータによる入力操作に基づいて、溶接点Wとスクイズセンタ位置Cとの間の距離Gに対する閾値の情報を入力して記憶する。
図6に示したように、距離Gが或る値(図6に示す例では27[mm]付近)以下になると、鋼板1における欠陥面積率が急激に増加する。よって、例えば、事前に測定した「欠陥面積率と距離Gとの関係」から、欠陥面積率が急激に増加する位置での距離Gの値を、前記閾値として採用することができる。このような閾値の特定を、鋼種毎に行うことにより、距離Gに対する閾値が鋼種毎に得られる。
閾値入力部112は、例えば、CPUが、オペレータによる入力装置の操作の内容に基づいて、距離Gに対する閾値の情報を取得し、取得した閾値の情報をHDD等に記憶することにより実現される。
(入熱制御部113)
入熱制御部113は、溶接状態判定部114から供給される判定信号に基づいて、溶接状態が2段収束型第2種溶接状態であることを判定した場合には、閾値入力部112により入力された閾値のうち、入熱の制御対象となる鋼種に対応する閾値を読み出す。そして、入熱制御部113は、距離G導出部111により導出された距離Gが、読み出した閾値以下であるか否かを判定する。入熱制御部113は、距離Gが閾値以下であると判定した場合、例えば鋼板1に対する入熱量の上限値を規制し、入熱量を下げるように高周波電源6から出力される電力量を制御する。
入熱制御部113は、例えば、CPUが、RAM等から、距離Gを読み出すと共に、HDD等から、距離Gに対する閾値を読み出して、読み出した距離Gと、閾値との比較とを行い、その比較の結果に基づいて、通信インターフェースを介して高周波電源6に対して制御信号を送信することにより実現される。
尚、距離Gが閾値以下である場合に、入熱量を下げるように制御をしていれば、入熱制御部113による制御の方法は、前述した方法に限定されない。
<動作フローチャート>
次に、図11のフローチャートを参照しながら、電縫溶接操業管理装置100が、V収束点Vと溶接点Wとの間の距離ΔLを導出する処理(距離ΔL導出処理)の一例を説明する。ここでは、距離ΔLを導出するのに必要な画像データの全てが画像データ入力部101に入力されているものとして説明を行う。
まず、ステップS1101において、画像データ入力部101は、V収束点Vと溶接点Wとの間の距離ΔLを導出するための「鋼板1のV字収束領域の画像データ」を、例えば時間的に早いものから順に1つずつ選択する。
次に、ステップS1102において、赤色成分抽出部102は、ステップS1101で選択されたV字収束領域の画像データから赤色成分(波長590〜680nm)を抽出する。
次に、ステップS1103において、2値化部103bは、ステップS1102で得られた赤色成分の画像データを2値化(反転)する。
次に、ステップS1104において、ラベリング部104bは、ステップS1103で得られた2値化画像に対し、ブロッブ(Blob)毎にラベルをつけるラベリング処理を行う。
次に、ステップS1105において、V収束点導出部105は、ステップS1104で行われたラベリング処理においてラべル番号が付与されたブロッブのうち所定の条件に合致するブロッブをV字収束領域のブロッブ91として抽出し、抽出したV字収束領域のブロッブ91から、衝合点であるV収束点V1の位置を導出する。
次に、ステップS1106において、V収束点導出部105は、所定期間(例えば3[sec])に亘って連続的に撮像された複数の画像データの全てを選択したか否かを判定する。
この判定の結果、画像データの全てが選択されていない場合には、処理はステップS1101に戻され、画像データの全てが選択されるまで、ステップS1101〜S1106の処理が繰り返し行われる。
そして、所定期間(例えば3[sec])に亘って連続的に撮像された複数の画像データの全てから、V収束点V1の位置が導出されると、処理はステップS1107に進む。ステップS1107において、溶接点位置入力部107は、所定期間(例えば3[sec])に亘って連続的に撮像された複数の画像データの全てに基づいて取得された溶接点Wの位置の情報をオペレータによる入力操作に基づいて入力する。
尚、ステップS1101〜S1106の前に、ステップS1107の処理が行われてもよい。
次に、ステップS1108において、距離ΔL導出部108は、所定期間(例えば3[sec])に亘って連続的に撮像された複数の画像データのそれぞれについて、ステップS1105で導出されたV収束点V1の平均位置と、ステップS1107で入力された溶接点Wの位置との間の距離を、V収束点・溶接点間距離ΔLとして導出する。
次に、ステップS1109において、距離ΔL導出部108は、ステップS1108で導出された距離ΔLを距離ΔL記憶部109に記憶する。そして、本距離ΔL導出処理が終了する。
次に、図12のフローチャートを参照しながら、鋼板1に対する入熱を制御する際の電縫溶接操業管理装置100の処理(入熱制御処理)の一例を説明する。なお、本入熱制御処理が実行される前に、上記した距離ΔL導出処理が完了しており、入熱の制御対象となる鋼板1に対応する距離ΔLが距離ΔL記憶部109に記憶されているものとする。
まず、ステップS1201において、V収束点導出部105は、入熱の制御対象となる鋼板1のV収束点V1の位置を導出する。入熱の制御対象となる鋼板1のV収束点V1の位置は、例えば、入熱の制御対象となる鋼板1の画像データについて、図11のステップS1102〜S1106の処理と同様の処理が行われることにより導出される。
次に、ステップS1202において、幾何学的V収束点導出部106は、入熱の制御対象となる鋼板1の幾何学的V収束点V0の位置を導出する。
次にステップS1203において、溶接状態判定部114は、先のステップS1201において導出されたV収束点V1の位置と、先のステップS1202において導出された幾何学的V収束点V0の位置とに基づいて、溶接状態が2段収束型第2種溶接状態であるか否かを判定する。溶接状態判定部114は、V収束点V1の位置が幾何学的V収束点V0の位置よりも鋼板1の搬送方向の下流側に存在している場合に、溶接状態が2段収束型第2種溶接状態であると判定する。溶接状態判定部114によって溶接状態が2段収束型第2種溶接状態であると判定された場合には、処理はステップS1204に進み、2段収束型第2種溶接状態でないと判定された場合には、処理はステップS1209に進む。
次に、ステップS1204において、溶接点位置導出部110は、距離ΔL記憶部109に記憶されている入熱の制御対象となる鋼板1のV収束点Vと溶接点Wとの間の距離ΔLを取得する。
次に、ステップS1205において、溶接点位置導出部110は、ステップS1201で取得したV収束点V1の位置から、鋼板1の搬送方向の下流側(x軸の正の方向)に、ステップS1204で取得した距離ΔLだけ離れた位置を、入熱の制御対象となる鋼板1の溶接点Wの位置として導出する。
次に、ステップS1206において、距離G導出部111は、ステップS1205で導出された溶接点Wの位置と、予め設定されているスクイズセンタ位置Cとから、溶接点Wとスクイズセンタ位置Cとの間の距離Gを導出する。
次に、ステップS1207において、入熱制御部113は、ステップS1206で導出された距離Gが、入熱の制御対象となる鋼種に対応する閾値以下であるか否かを判定する。
入熱制御部113は、距離Gが閾値以下であると判定した場合には、処理はステップS1208に進む。ステップS1208において、入熱制御部113は、入熱量を下げるように入熱量の上限値を規制し、高周波電源6から出力される電力量を制御する。そして、本入熱制御処理が終了する。
一方、入熱制御部113は、ステップS1206で導出された距離Gが閾値以下でないと判定した場合には、処理はステップS1209に進む。ステップS1209において、入熱制御部113は、その他の入熱制御処理を行う。その他の入熱制御処理とは、例えば、溶接の状態が第1種溶接状態又は第2種溶接状態である場合に、入熱量が上がるように高周波電源6から出力される電力量を制御する処理等である。そして、本入熱制御処理が終了する。
<まとめ>
以上のように溶接の状態が2段収束型第2種溶接状態であるときには、V収束点Vと溶接点Wとの間の距離ΔLは、鋼板1に与える入熱量と、鋼板1の厚み(板厚)によらずに略同じになるという知見に基づいて、本実施形態に係る電縫溶接操業管理装置100は、溶接の状態が2段収束型第2種溶接状態であるときのV収束点Vと溶接点Wとの間の距離ΔLをオフラインで予め求めて記憶しておく。そして、電縫溶接操業管理装置100は、入熱の制御対象となる鋼板1のV字収束領域の画像から、入熱の制御対象となる鋼板1のV収束点V1の位置を自動的に導出し、導出したV収束点V1の位置と、予め記憶しておいた距離ΔLとに基づいて、入熱の制御対象となる鋼板1の溶接点Wの位置を導出する。
また、溶接点Wとスクイズセンタ位置Cとの間の距離Gが閾値以下になると、溶接面へ押圧力が十分伝わらないことから溶接面に成長した酸化物が外部に排出されず、溶接品質を低下させるという知見に基づき、電縫溶接操業管理装置100は、入熱の制御対象となる鋼板1の溶接点Wの位置と、予め設定されているスクイズセンタ位置Cとから、溶接点Wとスクイズセンタ位置Cとの間の距離Gを導出し、導出した距離Gが、入熱の制御対象となる鋼板1の鋼種に応じた閾値以下である場合には、鋼板1に対する入熱量の上限値を規制することにより、入熱量を下げるように高周波電源6から出力される電力量を制御する。
したがって、距離Gを指針として、溶接の状態が2段収束型第2種溶接状態になるようにするための入熱を制御することができる。よって、本実施形態に係る電縫溶接操業管理装置100によれば、溶接の状態が2段収束型第2種溶接状態となるように入熱量を制御することを、従来よりも容易に且つ確実に実行することができる。
<変形例>
上記の実施形態では、溶接点Wとスクイズセンタ位置Cとの間の距離Gと閾値とを比較した結果に基づいて、入熱の制御を行った。しかしながら、必ずしもこのようにする必要はない。例えば、入熱の制御対象となる鋼板1の溶接点Wの位置と、当該溶接点Wよりも鋼板1の搬送方向の下流側の、スクイズセンタ位置C以外の固定位置と、の間の距離を、距離Gの代わりに用いてもよい。
また、以上のような距離の代わりに、入熱の制御対象となる鋼板1の溶接点Wの位置から、入熱の制御を行ってもよい。例えば、入熱の制御対象となる鋼板1の溶接点Wの位置が所定の固定位置よりも鋼板1の搬送方向の下流側に位置する場合に、入熱を下げるように高周波電源6を制御するようにすることができる。
すなわち、V字収束領域の画像から得られたV収束点V1の位置と、距離ΔLと、から導出される「入熱の制御対象となる鋼板1の溶接点Wの位置」に基づいて入熱を制御するようにしていればよい。
また、本実施形態では、V収束点・溶接点間距離(溶接点WとV収束点V1との間の距離)ΔLを、V収束点V1の位置の変動周期よりも長い期間に亘って撮像された複数のV字収束領域の画像における、V収束点V1の平均位置と溶接点Wとの間の距離であるとした。しかしながら、距離ΔLは、溶接点WとV収束点V1との間の距離を代表する値であれば、どのような値であってもよい。
例えば、前述したV収束点V1の平均位置と溶接点Wとの間の距離の所定倍(例えば2倍)の距離を、V収束点・溶接点間距離ΔLとしてもよい。
また、V収束点V1の位置の変動周期及び溶接スリットSのx軸方向の長さの変動周期よりも長い期間に亘って撮像された複数のV字収束領域の画像から、V収束点V1と溶接点Wとの間の距離をV収束点・溶接点間距離ΔLとし、V収束点V1或いはV収束点V1の平均値に距離ΔLを加えてもよい。
また、V収束点・溶接点間距離ΔLを、鋼板1の種類毎に距離ΔL記憶部109に記憶してもよい。このようにした場合には、入熱の制御対象となる鋼板1の種類に応じた距離ΔLを距離ΔL記憶部109から読み出して、距離Gの導出に使用することができる。
さらに、電縫溶接操業管理装置100は、必ずしも高周波電源6を制御する必要はない。例えば、溶接点位置導出部110が入熱の制御対象となる鋼板1の溶接点Wの位置を表示画面に表示したり、距離G導出部111が入熱の制御対象となる鋼板1の距離Gを表示画面等に表示してオペレータに伝えるようにしてもよい。このようにした場合、オペレータは、表示された情報に基づいて、高周波電源6に対する目標入熱の変更を指示することができる。
[第2の実施形態]
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。前述した第1の実施形態では、距離ΔLを予めオフラインで測定するために、溶接点Wの位置をオペレータが目視で決定する場合を例に挙げて説明した。これに対し、第2の実施形態では、撮像装置5により3[sec]に亘って連続的に撮像されたV字収束領域の画像から、溶接点Wの位置が画像処理により自動的に決定される。このように、第2の実施形態と第1の実施形態とは、距離ΔLを予めオフラインで測定する際に使用される溶接点Wの位置の決定方法が主として異なる。よって、第2の実施形態の説明において、第1の実施形態と同一の部分については、図1〜図12に付した符号と同一の符号を付す等して詳細な説明を省略する。
図13は、撮像装置5により撮像された画像と、当該画像におけるx軸方向(鋼板1の搬送方向)の輝度分布の一例とを示す図である。尚、図13の上図では、溶接スリットSの成長が終了した時点での画像を図面化している(前述したように、図13の上図では表記の都合上、黒と白の領域で画像を表しているが、図13の上図に対応する画像は、例えば256階調の輝度の画像となる)。また、図13の下図には、V収束点V1を通り、且つ、x軸方向と平行な直線(図13の画像内に示す一点鎖線を参照)上における輝度分布を示している。
図14は、第2の実施形態に係る電縫溶接操業管理装置200の機能的な構成の一例を示す図である。第1の溶接点位置導出部120は、例えば、画像データ入力部101に入力された画像に対し、V収束点導出部105で導出されたV収束点V1を通り、且つ、x軸方向と平行な直線(図13の上図に示す一点鎖線)上の輝度の変化を探索し、当該V収束点V1の位置よりも下流において輝度の変化量(例えば微分値)が最大となる位置をスリット端SEの位置として導出する。第1の溶接点位置導出部120は、このような画像処理を、撮像装置5により3[sec]に亘って連続的に撮像された複数のV字収束領域の画像のそれぞれについて行う。
そして、第1の溶接点位置導出部120は、例えば、撮像装置5により3[sec]に亘って連続的に撮像された複数のV字収束領域の画像のそれぞれについて、V収束点導出部105により導出されたV収束点V1の平均位置を導出すると共に、以上のようにして導出されたスリット端SEのうち最下流にあるスリット端SEの位置を溶接点Wの位置として導出する。そして、距離ΔL導出部108は、V収束点V1の平均位置と、上記のようにして第1の溶接点位置導出部120によって導出された溶接点Wの位置との間の距離を、V収束点・溶接点間距離ΔLとして導出する。
第2の実施形態に係る電縫溶接操業管理装置200では、図7に示す第1の実施形態に係る溶接点位置入力部107が不要になり、その代わりに、画像データ入力部101とV収束点導出部105とからの情報に基づいて溶接点Wの位置を導出し、導出した溶接点Wの位置の情報を距離ΔL導出部108に出力する第1の溶接点位置導出部120が第1の実施形態に係る電縫溶接操業管理装置100に対して追加されることになる。
また、図11のステップS1107の処理の代わりに、前述したようにして、距離ΔLを予めオフラインで測定するための溶接点Wの位置を最下流に位置するスリット端の位置から導出する処理が実行される。
また、第2の実施形態に係る電縫溶接操業管理装置200において、第2の溶接点位置導出部110は、第1の実施形態に係る溶接点位置導出部110と実質的に同じ機能を有するものであり、距離ΔL記憶部109に記憶された距離ΔLと、V収束点位置導出部105によって導出されたV収束点の位置に基づいて、入熱の制御対象となる鋼板1の溶接点の位置を導出する。すなわち、第2の実施形態に係る電縫溶接操業管理装置200において、第1の溶接点位置導出部120は、オフライン時において距離ΔLを導出するために溶接点Wの位置を導出し、第2の溶接点位置導出部110は、オンライン時に鋼板1に対する入熱量を制御するために溶接点Wの位置を導出する。
第2の実施形態に係る電縫溶接操業管理装置200によれば、第1の実施形態で説明した効果に加えて、V収束点Vと溶接点Wとの間の距離ΔLを自動的に導出することができ、オペレータによる負担を軽減することができる。さらに、入熱の制御対象となる鋼板1について、距離ΔLを導出することができる。このようにした場合には、距離ΔLをオフラインで測定する必要はなくなる。前述したように、距離ΔLは、入熱及び鋼板1の厚み(板厚)に依存せずに略同じであるが、厳密に同じではない。そこで、このように入熱の制御対象となる鋼板1について、距離ΔLを導出すれば、より正確な距離ΔLを導出することができる。
尚、本実施形態においても、第1の実施形態で説明した種々の変形例を採用することができる。
[第3の実施形態]
<本発明者らが新たに得た知見>
本発明者らは、2段収束2種溶接状態において、溶接スリットSの鋼板1の搬送方向の最下流位置が溶接点Wと等しくなることを見出した。上記したように、スリット端SEの位置は、周期的に変動する。本実施形態では、撮影フレームレートが40[fps]、露光時間が1/5000[sec]以下(例えば1/10000[sec])の条件で所定時間(例えば250[msec]以上の時間)に亘り連続的に撮像された複数のV字収束領域の画像のそれぞれから得られるスリット端SEのうち、鋼板1の搬送方向の最下流に位置するスリット端SEの位置が溶接点Wの位置として導出される。
また、本発明者らは、溶接スリットSのスリット端SEは、V収束点V1の位置と、溶接点Wの位置(溶接スリットSが伸びきった位置)との何れかに存在する確率が高いという知見を得た。
前述したように、スリット端SEの位置の変動周期は、数[msec]である。このため、従来は、200[fps]以上のフレームレートを有する高速カメラを用いなければ、溶接点W(周期的に変動するスリット端SEの最下流の点)を捉えることができないと考えられていた。現在の一般的なコンピュータの処理能力では、このようなフレームレートで撮像されたV字収束領域の画像の全てをリアルタイムで処理することは困難である。よって、溶接点Wの位置をリアルタイム(オンライン)で求めることは困難であると考えられていた。
ところが、本発明者らは、2段収束型第2種溶接状態での「V収束点V1及びスリット端SEの位置」が時間の経過と共にどのように変化するのかを調査した結果、スリット端SEは、V収束点V1の位置と、溶接点Wの位置(溶接スリットSが伸びきった位置)との何れかに存在する確率が高いため、フレームレートが200[fps]以下(例えば40[fps])の撮像装置でも露光時間を1/5000[sec]以下にすることにより溶接点Wを確実に捉えることができるという知見を得た。
図15は、鋼板1の溶接状態が2段収束型第2種溶接状態である場合に3[sec]に亘り連続的に撮影された複数の画像の各々から検出された幾何学的V収束点V0、V収束点V1、及びスリット端SEの時間推移の一例を示す図である。図15の横軸は、撮像を開始したタイミングを0(ゼロ)としたときの時間である。本実施形態では、フレームレートを40[fps]としているので、撮影開始時点から3[sec]が経過する間に、120枚のV字収束領域の画像が得られる。これら120枚のV字収束領域の画像のそれぞれについて、所定の位置を基準(0(ゼロ))としたときの「幾何学的V収束点V0、V収束点V1、及びスリット端SEのx軸方向の位置(検出位置)をプロットし、それらをつなぎ合わせる(線形補間をする)ことにより、図15に示すグラフが得られる。
図15に示すように、フレームレートを40[fps]としても、スリット端SEの位置の時間変動を捉え、一定時間内におけるスリット端SEの、鋼板1の搬送方向における最下流位置(図15に示すグラフ中の上方)を求めることができる。このスリット端SEの最下流位置は溶接点Wに対応するものであり、図15に示すグラフは、溶接の状態が2段収束型第2種溶接状態であることを表している。
前述したように、スリット端SEの位置の変動周期は、数[msec]であるが、図15に示す結果から、スリット端SEは、V収束点V1の位置と、最下流の位置(溶接点Wに対応する位置)との何れかに存在している確率が高いことが分かる。したがって、フレームレートを40[fps]としても、露光時間を1/5000[sec]以下にすれば、溶接の状態が2段収束型第2種溶接状態ときの溶接点Wの位置を捉えることができる。よって、画像処理によって連続的に(略リアルタイムで)溶接点Wの位置を検出することができる。
以上のように、本発明者らは、2段収束2種溶接状態において、スリット端SEの、鋼板1の搬送方向における最下流位置が溶接点Wと等しくなるという知見と、溶接点Wとスクイズセンタ位置C間との間の距離Gが閾値以下になると、溶接部に含まれる欠陥が多くなるという知見と、画像処理によって連続的に(略リアルタイムで)溶接点Wの位置を検出することができるという知見を得た。
本発明者らは、これらの知見を基に、オンラインで鋼板1の溶接点Wを導出して、鋼板1に対する入熱量(高周波電源6から出力する電力量)を制御することを見出した。以下に、第3の実施形態に係る電縫溶接操業管理装置300について説明する。
<電縫溶接操業管理装置300の機能>
以下に、第3の実施形態に係る電縫溶接操業管理装置300が有する機能を詳細に説明する。
図16は、第3の実施形態に係る電縫溶接操業管理装置300の機能的な構成の一例を示す図である。電縫溶接操業管理装置300は、例えば、CPU、ROM、RAM、HDD、及び各種のインターフェースを備えた情報処理装置を用いることにより実現することができる。
本実施形態に係る電縫溶接操業管理装置300において、画像データ入力部101、赤色成分抽出部102、2値部103aおよび103b、ラベリング部104aおよび104b、幾何学的V収束点導出部106、V収束点導出部105、距離G導出部111、閾値入力部112、入熱制御部113および溶接状態判定部114の各々は、第1の実施形態に係る電縫溶接操業管理装置100と同一であるので、これらの説明については省略する。
(探索領域設定部201)
探索領域設定部201は、赤色成分抽出部102で得られた赤色成分の画像データにおけるスリット端SEの探索領域を設定する。スリット端SEの探索領域は、スリット端SEを探索する領域である。
スリット端SEは溶接線12上に存在するので、スリット端SEの探索領域を設定するために、探索領域設定部201は、まず、鋼板1の周方向の端部11a、11bに対応する領域の近似直線(図17Bに示す破線を参照)のなす角度であるV収束角θの二等分線901(図17Bに示す一点鎖線を参照)を、溶接線12の位置を推定するものとして導出する。ここでは、V収束角θの二等分線901として推定される溶接線を必要に応じて「推定溶接線」と称する。尚、この近似直線の交点は、幾何学的V収束点導出部106により導出された幾何学的V収束点V0となる。
次に、探索領域設定部201は、前記推定溶接線を囲む矩形状の領域を、スリット端SEの探索領域902として設定する。スリット端SEの探索領域902は、V収束点V1を最上流端、画像の最下流端を下流端とし、V収束角θの二等分線901からy軸の正の方向及び負の方向にそれぞれ所定の距離Dだけ離れた幅を有するものとする(距離Dについては図18Bを参照)。尚、距離Dの値としては、0(ゼロ)より大きい任意の値が予め設定されている。
前述したように、溶接スリットSは、V収束点V1を基点として、鋼板1の搬送方向(x軸方向)の下流側の方へ伸びる。したがって、溶接スリットSの最下流の点であるスリット端SEは、V収束角θの二等分線901から大きく離れることはない。一方で、スリット端SEが、V収束角θの二等分線901の上に正確に位置しない可能性がある。さらに、V字収束領域の画像にはノイズ703(図18Aを参照)が含まれることがあるので、スリット端SEの探索範囲を広くし過ぎると、このノイズ703がスリット端SEであるかどうかを判別する必要が生じてしまう。距離Dの値は、このような観点から適宜定められるものであり、本実施形態では、距離Dの値を1[mm]としている。
探索領域設定部201は、例えば、CPUが、ラベリング処理が行われた2値化画像データと、幾何学的V収束点V0の座標と、V収束点V1の座標とをRAM等から読み出して、スリット端SEの探索領域902を定める座標を導出し、その結果をRAM等に一時的に記憶することにより実現される。
(探索領域2値化部202)
探索領域2値化部202は、赤色成分抽出部102で得られた赤色成分の画像データから、探索領域設定部201で設定されたスリット端SEの探索領域902のデータを抽出する。図18Aは、スリット端探索領域902が与えられた赤色成分の画像の一例を図面化した図である。
そして、探索領域2値化部202は、抽出したスリット端SEの探索領域902の赤色成分の画像データを2値化(反転)する。ここでは、探索領域2値化部202は、輝度レベルが閾値以上の画素に画素値「0」を、閾値未満の画素に画素値「1」を与える。図18Bは、スリット端SEの探索領域902における2値化画像の一例を図面化した図である。
溶接スリットSは細長いので、輝度レベルの閾値が大きいと、2値化処理により溶接スリットSを適切に抽出することができなくなる虞がある。そこで、本実施形態では、溶接スリットSを確実に抽出することができるように、探索領域2値化部202で使用される輝度レベルの閾値を、2値化部103a、103bで使用される輝度レベルの閾値よりも小さくしている。尚、このように、2値化部103a、103bで使用される輝度レベルの閾値が大きいため、図9Aに示す2値化画像では、溶接スリットSが示されていない。
探索領域2値化部202は、例えば、CPUが、赤色成分の画像データと、スリット端SEの探索領域902を定める座標をRAM等から読み出して、スリット端SEの探索領域902における赤色成分の画像データに対して2値化処理を行い、2値化画像データをRAM等に一時的に記憶することにより実現される。
(探索領域ラベリング部203)
探索領域ラベリング部203は、探索領域2値化部202で得られたスリット端SEの探索領域902における2値化画像に対し、ブロッブ(Blob)毎にラベルをつけるラベリング処理を行う。図18Bに示す例では、3つのブロッブに、それぞれラベル番号「1」、「2」及び「3」が付けられている場合が示されている。
探索領域ラベリング部203は、例えば、CPUが、RAM等から、スリット端SEの探索領域902における2値化画像データを読み出してラベリング処理を行い、その結果をRAM等に一時的に記憶することにより実現される。
(スリット端位置導出部204、スリット端位置記憶部205)
スリット端位置導出部204は、探索領域ラベリング部203によってラベル番号が付与されたブロッブの各々のアスペクト比(ブロッブの縦方向の長さ/ブロッブの横方向の長さ)を導出する。そして、スリット端位置導出部204は、アスペクト比が閾値未満のブロッブがあるか否かを判定する。前述したように、溶接スリットSは鋼板1の搬送方向(x軸方向)に伸縮するので、溶接スリットSに対応するブロッブは、その縦方向(y軸方向)の長さよりも横方向(x軸方向)の長さの方が長くなる可能性が高いのに対し、縦方向(y軸方向)の長さの方が横方向(x軸方向)の長さよりも長いブロッブはノイズに対応するブロッブである可能性が高い。アスペクト比に対する閾値は、このような観点(スリット端SEの探索領域902内のノイズを除去する観点)から定められるものであり、本実施形態では、ブロッブのアスペクト比に対する閾値を1/2としている。
図18Bに示す例では、ラベル番号「3」が付与されたブロッブがノイズであるとして、スリット端SEの探索対象から除外される。
スリット端位置導出部204は、アスペクト比が閾値未満のブロッブがあると判定した場合、アスペクト比が閾値未満のブロッブのうち、鋼板1の搬送方向の最下流にあるブロッブの最下流の点の座標をスリット端SEの座標(位置)として導出してスリット端位置記憶部205に記憶する。
一方、スリット端位置導出部204は、アスペクト比が閾値未満のブロッブがないと判定した場合、V収束点導出部105で導出されたV収束点V1の座標をスリット端SEの座標として導出してスリット端位置記憶部205に記憶する。
図18Bに示す例では、ラベル番号「1」が付与されたブロッブとラベル番号「2」が付与されたブロッブが、アスペクト比が閾値未満のブロッブである。これらのブロッブのうち、ラベル番号「2」が付与されたブロッブが、鋼板1の搬送方向の最下流にあるブロッブであるので、スリット端位置導出部204は、ラベル番号「2」が付与されたブロッブの最下流の点をスリット端SEとして導出する。
尚、スリット端位置導出部204は、アスペクト比が閾値未満のブロッブを接続してスリット端SEの座標を導出するようにしてもよい。
本実施形態では、スリット端位置導出部204は、V収束点導出部105がV収束点V1の位置を検出したときに使用したのと同じV字収束領域の画像のそれぞれについて、スリット端SEの座標を導出する。
スリット端位置導出部204は、例えば、CPUが、RAM等から、ラベリング処理が行われたスリット端SEの探索領域902における2値化画像を読み出して、スリット端SEの座標を導出し、RAM等により構成されるスリット端位置記憶部205に記憶することにより実現される。
(溶接点位置導出部206)
溶接点位置導出部206は、以上のようにして、撮像装置5により3[sec]に亘って連続的に撮像されたV字収束領域の画像群の単位で、当該V字収束領域の画像群に含まれるV字収束領域の画像のそれぞれについて、スリット端SEの座標が得られると起動する。
溶接点位置導出部206は、スリット端位置導出部204によってV収字束領域の画像毎に導出されたスリット端SEの座標のうち、鋼板1の搬送方向の最下流にある座標を抽出し、抽出した座標を溶接点Wの座標(位置)として導出する。
溶接点位置導出部206は、例えば、CPUが、RAM等から、スリット端SEの座標を読み出して、鋼板1の溶接点Wの座標を導出し、RAM等に記憶することにより実現される。
<動作フローチャート>
次に、図19A及び図19Bのフローチャートを参照しながら、電縫溶接操業管理装置300の処理の一例を説明する。
まず、図19AのステップS1901において、画像データ入力部101は、鋼板1のV字収束領域の画像データを入力する。
次に、ステップS1902において、赤色成分抽出部102は、ステップS1901で入力されたV字収束領域の画像データから赤色成分(波長590[nm]〜680[nm])を抽出する。
次に、ステップS1903において、2値化部103a、103bは、ステップS1902で得られた赤色成分の画像データを2値化(反転)する。
次に、ステップS1904において、ラベリング部104a、104bは、それぞれ、ステップS1903で2値化部103a、103bにより得られた2値化画像に対し、ブロッブ(Blob)毎にラベルをつけるラベリング処理を行う。
次に、ステップS1905において、V収束点導出部105は、ステップS1904でラベリング部104bによりラベル番号が付与されたブロッブのうち所定の条件に合致するブロッブをV字収束領域のブロッブ91として抽出し、抽出したV字収束領域のブロッブ91から、衝合点であるV収束点V1の座標(位置)を導出する。
次に、ステップS1906において、幾何学的V収束点導出部106は、ステップS1904でラベリング部104aによりラベル番号が付与されたブロッブのうち所定の条件に合致するブロッブをV字収束領域のブロッブ91として抽出する。そして、幾何学的V収束点導出部106は、抽出したV字収束領域のブロッブ91から、鋼板1の周方向の端部11a、11bを探索し、探索した鋼板1の周方向の端部11a、11bに対応する領域をそれぞれ直線近似し、それぞれの近似直線の交点を幾何学的V収束点V0の座標(位置)として導出する。
次にステップS1907において、溶接状態判定部114は、先のステップS1905において導出されたV収束点V1の位置と、先のステップS1906において導出された幾何学的V収束点V0の位置とに基づいて、溶接状態が2段収束型溶接状態であるか否かを判定する。溶接状態判定部114は、V収束点V1の位置が幾何学的V収束点V0の位置よりも鋼板1の搬送方向の下流側に存在している場合に、溶接状態が2段収束型第2種溶接状態であると判定する。溶接状態判定部114によって溶接状態が2段収束型第2種溶接状態であると判定された場合には、処理はステップS1908に進み、2段収束型第2種溶接状態でないと判定された場合には、処理はステップS1922に進む。
次に、ステップS1908において、探索領域設定部201は、鋼板1の周方向の端部11a、11bに対応する領域の近似直線のなす角度であるV収束角θの二等分線901を導出する。
次に、ステップS1909において、探索領域設定部201は、スリット端SEの探索領域902を設定する。本実施形態では、スリット端SEの探索領域902は、ステップS1908で得られたV収束角θの二等分線901として推定される溶接線(前記推定溶接線)を囲む矩形状の領域であって、V収束点V1を最上流端、画像の最下流端を下流端とし、V収束角θの二等分線901からy軸の正の方向及び負の方向にそれぞれ距離Dだけ離れた位置の間の長さを幅として有する領域である。
次に、ステップS1910において、探索領域2値化部202は、ステップS1902で得られた赤色成分の画像データから、ステップS1909で設定されたスリット端SEの探索領域902のデータを抽出し、抽出したデータを2値化(反転)する。
次に、ステップS1911において、探索領域ラベリング部203は、ステップS1910で得られたスリット端SEの探索領域902における2値化画像に対し、ブロッブ(Blob)毎にラベルをつけるラベリング処理を行う。
次に、ステップS1912において、スリット端位置導出部204は、探索領域ラベリング部203によってラベル番号が付与されたブロッブの各々のアスペクト比(ブロッブの縦方向の長さ/ブロッブの横方向の長さ)を導出し、アスペクト比が1/2未満のブロッブがあるか否かを判定する。
スリット端位置導出部204が、アスペクト比が1/2未満のブロッブがあると判定した場合には、処理はステップS1913に進む。スリット端位置導出部204は、ステップS1913において、アスペクト比が閾値未満のブロッブのうち、鋼板1の搬送方向の最下流にあるブロッブの最下流の点の座標をスリット端SEの座標(位置)として導出する。
一方、スリット端位置導出部204が、アスペクト比が1/2未満のブロッブがないと判定した場合には、処理はステップS1914に進む。スリット端位置導出部204は、ステップS1914において、ステップS1905で導出されたV収束点V1の座標をスリット端SEの座標(位置)として導出する。
スリット端位置導出部204は、以上のようにしてスリット端SEの座標を導出すると、ステップS1915において、導出したスリット端SEの座標をスリット端位置記憶部205に記憶する。
次に、ステップS1916において、溶接点位置導出部206は、3[sec]に亘って連続的に撮像された画像データのそれぞれから、スリット端SEの座標が導出されたか否かを判定する。本実施形態では、40[fps]のフレームレートで撮像が行われるので、溶接点位置導出部206は、120個のスリット端SEの座標が導出されたか否かを判定することになる。
溶接点位置導出部206が3[sec]に亘って連続的に撮像された画像データのそれぞれから、スリット端SEの座標が導出されていないと判定した場合には、処理は、ステップS1901に戻され、ステップS1901〜S1915の処理が行われ、次に得られた画像データからスリット端SEの座標が導出される。
以上のようにして3[sec]に亘って連続的に撮像された画像データのそれぞれから、スリット端SEの座標が導出されると、処理は、図19BのステップS1917に進む。
ステップS1917において、溶接点位置導出部206は、図19AのステップS1901〜S1916の処理で得られたスリット端SEの各々の座標のうち、鋼板1の搬送方向の最下流にある座標を、溶接点Wの座標として導出する。
次に、ステップS1918において、距離G導出部111は、ステップS1917で導出された鋼板1の溶接点Wの座標と、予め設定されているスクイズセンタ位置Cの座標との間の距離を、溶接点・スクイズセンタ位置間距離Gとして導出する。
次に、ステップS1919において、入熱制御部113は、距離Gに対する閾値として、入熱の制御対象となる鋼種に対応する閾値を読み出す。
次に、ステップS1920において、入熱制御部113は、ステップS1918で導出された距離Gが、ステップS1919で読み出した閾値以下であるか否かを判定する。
入熱制御部113が、距離Gが閾値以下であると判定した場合には、処理はステップS1921に進む。ステップS1921において、入熱制御部113は、入熱量を下げるように入熱の上限値を規制し、高周波電源6から出力される電力量を制御する。そして、本入熱制御処理が終了する。
一方、入熱制御部113が、距離Gが閾値以下でないと判定した場合には、処理はステップS1922に進む。入熱制御部113は、ステップS1922において、その他の入熱制御処理を行う。その他の入熱制御処理とは、例えば、溶接の状態が第1種溶接状態又は第2種溶接状態である場合に、入熱量が上がるように高周波電源6から出力される電力量を制御する処理、或いは、溶接の状態が第1種溶接状態でも第2種溶接状態でもない場合に、入熱量を維持するように高周波電源6から出力される電力量を制御する処理等である。そして、本入熱制御処理が終了する。
<まとめ>
以上のようにスリット端SEが、V収束点V1の位置と、溶接点Wの位置(溶接スリットSが伸びきった位置)との何れかに存在する確率が高いという知見に基づいて、本発明の第3の実施形態に係る電縫溶接操業管理装置300は、3[sec]に亘って連続的に撮像された「入熱の制御対象となる鋼板1のV字収束領域の画像」のそれぞれから、スリット端SEの位置を導出することをオンラインで行う。そして、電縫溶接操業管理装置300は、導出したスリット端SEの位置のうち、鋼板1の搬送方向の最下流にあるスリット端SEの位置を鋼板1の溶接点Wの位置として導出する。
また、溶接点・スクイズセンタ位置間距離Gが閾値以下になると、溶接面へ押圧力が十分伝わらないことから溶接面に成長した酸化物が外部に排出されず、溶接品質を低下させるという知見に基づき、電縫溶接操業管理装置300は、入熱の制御対象となる鋼板1の溶接点Wの位置と、予め設定されているスクイズセンタ位置Cとから、溶接点・スクイズセンタ位置間距離Gを導出する。そして、電縫溶接操業管理装置300は、導出した距離Gが、入熱の制御対象となる鋼板1の鋼種に応じた閾値以下である場合には、入熱量の上限値を規制することにより、入熱量を下げるように高周波電源6から出力される電力量を制御する。
したがって、距離Gを指針として、溶接の状態が2段収束型第2種溶接状態になるようにするための入熱を制御することができる。よって、本発明の第3の実施形態に係る電縫溶接操業管理装置300によれば、溶接の状態が2段収束型第2種溶接状態となるように入熱を制御することを、従来よりも容易に且つ確実に実行することができる。
<変形例>
第3の実施形態では、入熱の制御対象となる鋼板1の溶接点Wの位置に基づいて自動的に高周波電源6を制御するようにした。しかしながら、必ずしもこのようにする必要はない。例えば、溶接点位置導出部206が入熱の制御対象となる鋼板1の溶接点Wの位置を表示画面に表示したり、距離G導出部111が入熱の制御対象となる鋼板1の距離Gを表示画面等に表示してオペレータに伝えるようにしてもよい。このようにした場合、オペレータは、表示された情報に基づいて、高周波電源6に対する目標入熱の変更を指示することができる。
また、本実施形態では、3[sec]に亘って連続的に撮像された「入熱の制御対象となる鋼板1のV字収束領域の画像」のそれぞれから導出したスリット端SEのうち、鋼板1の搬送方向の最下流にあるスリット端SEの位置を鋼板1の溶接点Wの位置として導出した。しかしながら、必ずしもこのようにする必要はない。図15に示す結果から、入熱の制御対象となる鋼板1のV字収束領域の画像を、250[msec]間に亘って撮像すれば、スリット端SEの位置を示す(上に凸の)ピークを少なくとも1つは捉えることができる。よって、入熱の制御対象となる鋼板1のV字収束領域の画像を、250[msec]以上の時間に亘って連続的に撮像していれば、鋼板1の溶接点Wの位置(スリット端SEの最下流位置)をオンラインで得ることができる。ただし、前述したように、入熱の制御対象となる鋼板1のV字収束領域の画像を、3[sec]以上に亘って連続的に撮像すれば、電縫溶接における全ての変動要因(成形変動等)を含む1周期分の画像が得られるので好ましい。
また、以上のようにして第1の所定期間毎に得られた鋼板1の溶接点Wの位置の第2の所定期間における移動平均をとって、その移動平均の値を鋼板1の溶接点Wの位置としてもよい。このように移動平均をとるようにすれば、あるタイミングにおいて、鋼板1の溶接点Wの実際の位置と大きく異なる位置が、鋼板1の溶接点Wの位置として導出されたとしても、出力される鋼板1の溶接点Wの位置は平均化される。よって、実際の位置と大きく異なる位置に基づいて入熱制御が行わることを防止することができる。また、移動平均をとるようにすれば、入熱の制御対象となる鋼板1の溶接点Wの位置を出力する間隔が長くなるので、鋼板1に対する入熱制御の応答時間に合うタイミングで、入熱の制御対象となる鋼板1の溶接点Wの位置を出力することができる。また、入熱の制御対象となる鋼板1の溶接点Wの位置の位置や、距離Gを表示してオペレータに伝える場合には、オペレータがそれらを認識して操作できる間隔で、それらを出力することができる。また、鋼板1に対する入熱制御を自動的に行う場合には、必要以上に鋼板1に対する入熱制御を行うことを抑制することができる。第2の所定期間は、入熱の変動時定数やオペレータの操作速度などを考慮して決定すればよく、例えば、移動平均時間を10[sec]とすればよい。
また、本実施形態では、V収束角θの二等分線901に基づいてスリット端SEの探索領域902を設定するようにした。しかしながら、必ずしもこのようにする必要はない。例えば、V収束角θの二等分線901の代わりに、幾何学的V収束点V0を通る、V字収束領域のブロッブ91の中線を用いるようにしてもよい。
また、本実施形態では、溶接点Wとスクイズセンタ位置Cとの間の距離Gと閾値とを比較した結果に基づいて、入熱の制御を行った。しかしながら、必ずしもこのようにする必要はない。例えば、入熱の制御対象となる鋼板1の溶接点Wの位置と、当該溶接点Wよりも下流側の、スクイズセンタ位置C以外の固定位置、例えば撮影画像の下流端との間の距離を、距離Gの代わりに用いてもよい。
また、以上のような距離の代わりに、入熱の制御対象となる鋼板1の溶接点Wの絶対位置に基づいて、入熱の制御を行ってもよい。例えば、入熱の制御対象となる鋼板1の溶接点Wの位置が所定の固定位置よりも下流にならないように入熱を下げ、高周波電源6を制御することができる。
尚、以上説明した本発明の実施形態のうち、電縫溶接操業管理装置100、200および300が行う処理は、コンピュータがプログラムを実行することによって実現することができる。また、前記プログラムを記録したコンピュータ読み取り可能な記録媒体及び前記プログラム等のコンピュータプログラムプロダクトも本発明の実施形態として適用することができる。記録媒体としては、例えば、フレキシブルディスク、ハードディスク、光ディスク、光磁気ディスク、CD−ROM、磁気テープ、不揮発性のメモリカード、ROM等を用いることができる。
また、以上説明した本発明の実施形態は、何れも本発明を実施するにあたっての具体化の例を示したものに過ぎず、これらによって本発明の技術的範囲が限定的に解釈されてはならないものである。すなわち、本発明はその技術思想、またはその主要な特徴から逸脱することなく、様々な形で実施することができる。
[請求項との関係]
画像入力手段(ステップ)は、例えば、画像データ入力部101が、入熱の制御対象となる鋼板1のV字収束領域を含む画像データを取得することにより実現される。
第1の位置検出手段(ステップ)は、例えば、幾何学的V収束点導出部106が、鋼板1の周幅方向の端部11a、11bに対応する領域をそれぞれ直線近似し、それぞれの近似直線の交点を幾何学的V収束点Vとして検出することにより実現される。
第2の位置検出手段(ステップ)は、例えば、赤色成分抽出部102、2値化部103b、ラベリング部104b、及びV収束点導出部105が、入熱の制御対象となる鋼板1のV字収束領域を含む画像データについて、図11のステップS1102〜1105の処理を実行することにより実現される。
溶接点位置導出手段(ステップ)は、例えば、溶接点位置導出部206が、所定期間に亘って連続的に撮像された複数のV字収束領域の画像の各々から導出されたスリット端SEの位置のうち、鋼板1の搬送方向の最下流にあるスリット端SEの位置を溶接点Wの位置として導出することにより実現される。また、例えば、溶接点位置導出部110が、V収束点位置導出部105により導出されたV収束点Vの位置から、距離ΔL記憶部109に記憶された距離ΔLだけ鋼板1の搬送方向の下流側に位置する点を溶接点の位置として導出することにより実現される。
記憶手段(ステップ)は、例えば、画像データ入力部101、赤色成分抽出部102、2値化部103b、ラベリング部104b、V収束点導出部105、及び距離ΔL導出部108が、図11のフローチャートに示される処理を行って、距離ΔLを導出し、距離導出部108が、導出した距離ΔLを距離ΔL記憶部109に記憶することにより実現される。
判定手段(ステップ)は、溶接状態判定部114が、V収束点V1の位置が幾何学的V収束点V0の位置よりも鋼板1の搬送方向の下流側に存在しているものと判定した場合に判定信号を出力することにより実現される。
入熱制御手段(ステップ)は、例えば、入熱制御部113が、図12のステップS1207〜S1209の処理を実行することにより実現される。
距離ΔL導出手段(ステップ)は、例えば、V収束点導出部105により導出されたV収束点V1の平均位置と、オペレータの目視によって特定された溶接点の位置または第1の溶接点位置導出部120により導出された溶接点Wの位置との間の距離を距離ΔLとして導出することにより実現される。
表示手段は、溶接点位置導出部110または206が入熱の制御対象となる鋼板1の溶接点Wの位置を表示画面に表示したり、距離G導出部111が入熱の制御対象となる鋼板1の距離Gを表示画面等に表示することにより実現される。
スリット端位置導出手段は、例えば、アスペクト比が閾値未満のブロッブのうち、鋼板1の搬送方向の最下流にあるブロッブの最下流の点の座標をスリット端SEの座標(位置)として導出することにより実現される。
探索領域設定手段は、例えば、探索領域設定部201が、推定溶接線を囲む矩形状の領域を、スリット端SEの探索領域902として設定することにより実現される。
日本国特許出願、特願2012−095073号、特願2012−150610号の開示はその全体が参照により本明細書に取り込まれる。
本明細書に記載された全ての文献、特許出願、および技術規格は、個々の文献、特許出願、および技術規格が参照により取り込まれることが具体的かつ個々に記載された場合と同程度に、本明細書に参照により取り込まれる。
1 鋼板
2 スクイズロール
3 コンタクトチップ
4 インピーダー
5 撮像装置
6 高周波電源
100、200、300 電縫溶接操業管理装置
本発明の第2の観点によれば、前記溶接点位置導出手段による溶接点の位置の導出が行われる前に予め取得された前記情報によって示される溶接点の位置と、前記溶接点位置導出手段による溶接点の位置の導出が行われる前に予め前記第2の位置検出手段によって検出されたV収束点の位置との間の距離ΔLを、前記溶接点位置導出手段による溶接点の位置の導出が行われる前に予め記憶した記憶手段を更に含み、前記溶接点位置導出手段は、溶接点の位置の導出を行う際に前記第2の位置検出手段によって検出されたV収束点の位置と、前記溶接点位置導出手段による溶接点の位置の導出が行われる前に予め前記記憶手段に記憶された前記距離ΔLとに基づいて前記金属板の溶接点の位置を導出する第1の観点による電縫溶接操業管理装置が提供される。
本発明の第3の観点によれば、前記記憶手段は、前記溶接点位置導出手段による溶接点の位置の導出が行われる前に鋼種毎に前記距離ΔLを記憶する第2の観点による電縫溶接操業管理装置が提供される。
本発明の第15の観点によれば、前記溶接点位置導出ステップによる溶接点の位置の導出が行われる前に予め取得された前記情報によって示される溶接点の位置と、前記溶接点位置導出ステップにおける溶接点の位置の導出が行われる前に予め検出された前記V収束点の位置との間の距離ΔLを、前記溶接点位置導出ステップにおける溶接点の位置の導出が行われる前に予め記憶する記憶ステップを更に含み、前記溶接点位置導出ステップは、前記第2の位置検出ステップにおいて検出されたV収束点の位置と前記記憶ステップにおいて前記溶接点位置導出ステップにおける溶接点の位置の導出が行われる前に予め記憶された前記距離ΔLとに基づいて前記金属板の溶接点の位置を導出する第14の観点による電縫溶接操業管理方法が提供される。
本発明の第16の観点によれば、前記記憶ステップにおいて、前記溶接点位置導出ステップにおける溶接点の位置の導出が行われる前に予め鋼種毎に前記距離ΔLが記憶される第15の観点による電縫溶接操業管理方法が提供される。

Claims (27)

  1. 所定の搬送方向に沿って搬送される円筒状に成形された金属板の側面を一対のスクイズロールにより加圧しつつ前記金属板に入熱を行ってV字状に収束する前記金属板の周方向における両端部を溶接して電縫鋼管を製造する際の電縫溶接の操業を管理する電縫溶接操業管理装置であって、
    所定期間に亘り連続的に撮像された、前記金属板のV字状に収束する領域であるV字収束領域を含む、複数の画像を入力する画像入力手段と、
    前記画像入力手段により入力された画像に基づいて、V字状に収束する前記金属板の周方向の両端部の幾何学的な交点である幾何学的V収束点の位置を検出する第1の位置検出手段と、
    前記画像入力手段により入力された画像に基づいて、V字状に収束する前記金属板の周方向の両端部が衝合する衝合点であるV収束点の位置を検出する第2の位置検出手段と、
    前記画像入力手段により入力された前記複数の画像の各々に基づいて、前記V収束点を基点としてV収束点よりも前記金属板の搬送方向の下流側に伸びる溶接スリットの前記搬送方向の最下流の点であるスリット端の前記所定期間内の各時点における位置のうちスリット端が前記搬送方向の最下流に位置する時点の位置を溶接点の位置として取得した情報に基づいて、溶接点の位置を導出する溶接点位置導出手段と、
    前記第1の位置検出手段によって検出された幾何学的V収束点の位置と前記第2の位置検出手段によって検出されたV収束点の位置とが異なる位置に存在するか否かを判定する判定手段と、
    を含む電縫溶接操業管理装置。
  2. 前記情報によって示される溶接点の位置と、前記第2の位置検出手段によって検出されたV収束点の位置との間の距離ΔLを記憶する記憶手段を更に含み、
    前記溶接点位置導出手段は、前記第2の位置検出手段によって検出されたV収束点の位置と前記記憶手段に記憶された前記距離ΔLとに基づいて前記金属板の溶接点の位置を導出する請求項1に記載の電縫溶接操業管理装置。
  3. 前記記憶手段は、鋼種毎に前記距離ΔLを記憶する請求項2に記載の電縫溶接操業管理装置。
  4. 前記溶接点位置導出手段は、前記画像入力手段により入力された複数の画像の各々に基づいて、前記画像入力手段により入力された画像毎に溶接スリットのスリット端の位置を導出するスリット端位置導出手段を含み、前記スリット端位置導出手段により導出されたスリット端の位置のうち、前記搬送方向における最下流に位置するスリット端の位置を溶接点の位置として導出する請求項1に記載の電縫溶接操業管理装置。
  5. 前記判定手段によって幾何学的V収束点の位置とV収束点の位置とが異なる位置に存在すると判定された場合において、前記溶接点位置導出手段によって導出された溶接点の位置と前記一対のスクイズロールの設置位置に応じた位置との間の距離が所定の閾値以下になった場合に前記金属板に対する入熱量を低下させる入熱制御手段を更に含む請求項1乃至4のいずれか1項に記載の電縫溶接操業管理装置。
  6. 前記第2の位置検出手段によって検出されたV収束点の位置と、前記情報によって示される溶接点の位置に基づいて前記距離ΔLを導出する距離ΔL導出手段を更に含み、
    前記記憶手段は、前記距離ΔL導出手段によって導出された前記距離ΔLを、前記溶接点位置導出手段による溶接点の位置の導出よりも前に記憶する請求項2または3に記載の電縫溶接操業管理装置。
  7. 前記距離ΔL導出手段は、少なくとも、V収束点の位置の変動周期よりも長い期間に亘って撮像された複数の画像の各々に基づいて前記第2の位置検出手段によって導出されたV収束点の平均位置と前記情報によって示される溶接点の位置との間の距離を前記距離ΔLとして導出する請求項6に記載の電縫溶接操業管理装置。
  8. 前記第1の位置検出手段によって検出された幾何学的V収束点の位置と、前記V字収束領域の金属板の周方向の端部に対応する領域の近似直線のなす角度であるV収束角の二等分線として推定される溶接線である推定溶接線と、に基づいて、前記スリット端の探索領域を設定する探索領域設定手段を更に含み、
    前記スリット端位置導出手段は、前記探索領域設定手段によって設定された探索領域内において前記スリット端の位置を導出する請求項4に記載の電縫溶接操業管理装置。
  9. 前記画像入力手段により入力される画像の各々は、1/5000[sec]以下の露光時間で撮像された画像である請求項4または8に記載の電縫溶接操業管理装置。
  10. 前記画像入力手段は、250[msec]以上の期間に亘り連続的に撮像された複数の画像を入力する請求項4、8および9のいずれか1項に記載の電縫溶接操業管理装置。
  11. 前記溶接点位置導出手段は、前記スリット端位置導出手段により導出された複数のスリット端の位置のうち、前記搬送方向における最下流に位置するスリット端の位置を示す座標値の移動平均値を溶接点の位置として導出する請求項4、8、9および10のいずれか1項に記載の電縫溶接操業管理装置。
  12. 前記入熱制御手段は、前記溶接点位置導出手段によって導出された溶接点の位置と前記一対のスクイズロールの中心軸を含む平面との間の距離が所定の閾値以下である場合に前記金属板に対する入熱量を下げるように制御する請求項5に記載の電縫溶接操業管理装置。
  13. 前記溶接点位置導出手段によって導出された溶接点の位置、および前記溶接点位置導出手段によって導出された溶接点の位置と前記一対のスクイズロールの設置位置に応じた位置との間の距離の少なくとも一方を表示する表示手段を更に含む請求項1乃至12のいずれか1項に記載の電縫溶接操業管理装置。
  14. 61312320221
  15. 前記情報によって示される溶接点の位置と、前記V収束点の位置との間の距離ΔLを記憶する記憶ステップを更に含み、
    前記溶接点位置導出ステップは、前記第2の位置検出ステップにおいて検出されたV収束点の位置と前記記憶ステップにおいて記憶された前記距離ΔLとに基づいて前記金属板の溶接点の位置を導出する請求項14に記載の電縫溶接操業管理方法。
  16. 前記記憶ステップにおいて、鋼種毎に前記距離ΔLが記憶される請求項15に記載の電縫溶接操業管理方法。
  17. 前記溶接点位置導出ステップは、前記画像入力ステップにおいて入力された複数の画像の各々に基づいて、前記画像入力ステップにおいて入力された画像毎に溶接スリットのスリット端の位置を導出するスリット端位置導出ステップを含み、
    前記溶接点位置導出ステップにおいて、前記スリット端位置導出ステップにおいて導出されたスリット端の位置のうち、前記搬送方向における最下流に位置するスリット端の位置が溶接点の位置として導出される請求項14に記載の電縫溶接操業管理方法。
  18. 前記判定ステップにおいて幾何学的V収束点の位置とV収束点の位置とが異なる位置に存在すると判定された場合において前記溶接点位置導出ステップにおいて導出された溶接点の位置と前記一対のスクイズロールの設置位置に応じた位置との間の距離が所定の閾値以下になった場合に前記金属板に対する入熱量を低下させる入熱制御ステップを更に含む請求項14乃至17のいずれか1項に記載の電縫溶接操業管理方法。
  19. 前記V収束点の位置と、前記情報によって示される溶接点の位置に基づいて前記距離ΔLを導出する距離ΔL導出ステップを更に含み、
    前記記憶ステップにおいて、前記距離ΔL導出ステップにおいて導出された前記距離ΔLが、前記溶接点位置導出ステップにおいて溶接点の位置が導出される前に記憶される請求項15または16に記載の電縫溶接操業管理方法。
  20. 前記距離ΔL導出ステップにおいて、少なくとも、V収束点の位置の変動周期よりも長い期間に亘って撮像された複数の画像の各々に基づいて導出されたV収束点の平均位置と前記情報によって示される溶接点の位置との間の距離が前記距離ΔLとして導出される請求項19に記載の電縫溶接操業管理方法。
  21. 前記第1の位置検出ステップにおいて検出された幾何学的V収束点の位置と、前記V字収束領域の金属板の周方向の端部に対応する領域の近似直線のなす角度であるV収束角の二等分線として推定される溶接線である推定溶接線と、に基づいて、前記スリット端の探索領域を設定する探索領域設定ステップを更に含み、
    前記スリット端位置導出ステップにおいて、前記探索領域設定ステップにおいて設定された探索領域内に前記スリット端の位置が導出される請求項17に記載の電縫溶接操業管理方法。
  22. 前記画像入力ステップにおいて入力される画像の各々は、1/5000[sec]以下の露光時間で撮像された画像である請求項17または21に記載の電縫溶接操業管理方法。
  23. 前記画像入力ステップにおいて、250[msec]以上の期間に亘り連続的に撮像された複数の画像が入力される請求項17、21および22のいずれか1項に記載の電縫溶接操業管理方法。
  24. 前記溶接点位置導出ステップにおいて、前記スリット端位置導出ステップにおいて導出された複数のスリット端の位置のうち、前記搬送方向における最下流に位置するスリット端の位置を示す座標値の移動平均値が溶接点の位置として導出される請求項17、21、22および23のいずれか1項に記載の電縫溶接操業管理方法。
  25. 前記入熱制御ステップにおいて、前記第溶接点位置導出ステップにおいて導出された溶接点の位置と前記一対のスクイズロールの中心軸を含む平面との間の距離が所定の閾値以下である場合に前記金属板に対する入熱量が下がるように入熱を制御する請求項18に記載の電縫溶接操業管理方法。
  26. 前記溶接点位置導出ステップにおいて導出された溶接点の位置、および前記溶接点位置導出ステップにおいて導出された溶接点の位置と前記一対のスクイズロールの設置位置に応じた位置との間の距離の少なくとも一方を表示する表示ステップを更に含む請求項14乃至25のいずれか1項に記載の電縫溶接操業管理方法。
  27. 請求項1乃至13のいずれか1項に記載の溶接操業管理装置の各手段として機能させるためのコンピュータプログラム。
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