JP7010138B2 - 金属管の製造方法、管理システム、及びプログラム - Google Patents

金属管の製造方法、管理システム、及びプログラム Download PDF

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本発明は、電縫溶接(すなわちElectric Resistance Welding、以下、ERWと称する)において、溶接部品質を管理する技術に関する。
ERWの技術を用いて製造された鋼管は電縫鋼管と呼ばれる。電縫鋼管は、例えば、石油又は天然ガス用ラインパイプ、油井管の他、原子力発電設備、地熱発電設備、化学プラント、各種機械の配管、及び一般配管に使用されている。電縫鋼管を製造する場合には、帯状の鋼板、例えば、熱延鋼帯を管状に成形する。鋼板は、一群のロールによってロール成形される。その際、鋼板の周方向の両端すなわち互いに対向する端面を、径方向から見てV字状になるよう突き合わせる。互いに突き合わされるこれらの両端が衝合(接触)する部分に高周波電流を流すことよって、衝合部を加熱、溶融させて、溶接シームを形成する。
一般に、電縫溶接における溶接の状態は、第1種溶接状態と、第2種溶接状態と、第3種溶接状態とに大別される。第1種溶接状態では、鋼板の端面が最初に接触する溶接点の位置変動が非常に小さい。この溶接点の位置変動は、第2種溶接状態、及び第3種溶接状態の順に大きくなる。第2種溶接状態では、衝合部に溶融スリット(以後、スリットとも称す)が発生する。また、溶接速度及び入熱量がある条件を満たす場合に、2段収束を伴う2段収束型第2種溶接状態が出現する。なお、溶接状態は、溶接現象と称されることもある。そのため、第1種溶接状態は第1溶接現象と、第2種溶接状態は第2種溶接現象と、第3種溶接状態は第3種溶接現象と、2段収束型第2種溶接状態は2段収束型第2種溶接現象と称されることもある。
2段収束型第2種溶接状態では、径方向から見てV字状に収束する鋼板の両端の延長線が交わる点(幾何学的V収束点:V0点)では鋼板の両端(エッジ)が接触しない。鋼板の端面が最初に接触するV収束点(V1点)は、V0点より造管方向の下流側になる。すなわち、鋼板の両端(エッジ)は、径方向から見て2段のテーパー状になる。なお、V収束点(V1点)は、V字状に収束する金属板の周方向の端部が最初に物理的に衝合(接触)する点である。溶融スリットがある場合、溶接点(W点)は、溶融スリットの終端点すなわち、溶融スリットの造管方向の下流の端である。溶融スリットがなく、V収束点(V1点)から下流において連続して溶接される場合は、V収束点(V1点)と溶接点(W点)が同じになる。溶接点(W点)から造管方向の下流においては、鋼板の両端は連続して接した状態で溶接される。溶接点(W点)は、溶接が始まる点である。
ERWでは、溶接欠陥を抑えるために、入熱量(すなわち入力電力)及び溶接速度等を適正な範囲に制御することが求められる。例えば、入熱が不足していたり、溶接速度が速かったりする場合には未溶接部が発生することがある。一方、入熱が過剰であったり、溶接速度が遅かったりする場合には、多量の酸化物が溶接部に残存することがある。
鋼板をロール成形するロール群には、鋼板の両端を突き合わせて溶融した後に、鋼板を圧搾するスクイズロールが含まれる。このスクイズロールのスクイズ量、すなわちアプセット量は、例えば、欠陥発生率のような溶接部の品質と密接な関係があると考えられてきた。特開平05-104257号公報(特許文献1)には、ERWにおいてスクイズ量を高精度に計測、制御する方法が開示されている。この方法では、撮像装置によりシーム収束部の像を撮影し、前記像を画像解析してスクイズロールセンターからV収束点間距離Lとアペックス角θを求める。スクイズ量は、演算式SQc =2Ltan(θ/2)で演算して求められる。
特開平05-104257号公報
従来の技術では、2段収束型第2種溶接状態におけるアプセット量を精度良く計測するのが難しかった。そこで、本発明は、2段収束型第2種溶接状態におけるアプセット量を精度良く計測することを目的とする。
本発明の実施形態における金属管の製造方法は、金属板を搬送方向に搬送して、ロール群により前記金属板を円筒状に成形しつつ、前記金属板の周方向の両端を、径方向外側から見てV字状になるよう互いに対向させ、前記両端が接触する衝合部に交流電流を流すことにより溶融金属を形成して溶接する工程と、前記金属板の両端の衝合部及びその周辺部を前記径方向から撮影した画像を取得する工程と、前記画像に基づいて、前記金属板の両端の衝合部の上流における接触前の前記両端の延長線の幾何学的な交点である幾何学的V収束点V0と、溶接が始まる溶接点Wと、前記金属板の両端の衝合部の上流における接触前の前記両端の延長線の成す角であるアペックス角θを特定する工程と、前記ロール群のうち前記衝合部に最も近い一対のスクイズロールの回転軸の方向から見て前記一対のスクイズロールの回転軸中心を結ぶ線であるスクイズロールセンターと前記幾何学的V収束点V0との距離Lv0と、前記スクイズセンターと前記溶接点Wとの距離Lwと、を算出する工程と、前記距離Lv0、前記距離Lw及び前記アペックス角θを用いて、前記一対のスクイズロールのアプセット量を算出する工程と、前記算出されたアプセット量を示す情報を表示するか、又は、前記算出されたアプセット量に基づいて前記溶接のための入力電力を制御する工程とを、有する。
本発明によれば、2段収束型第2種溶接状態におけるアプセット量を精度良く計測するができる。
図1は、第1種溶接状態、第2種溶接状態及び2段収束型第2種溶接状態を説明するための図である。 図2は、本発明の実施形態に係る電縫鋼管の製造システムの構成の一例を示す図である。 図3は、管理システム100の構成例を示す機能ブロック図である。 図4Aは、2段収束型第2種溶接状態におけるV字収束領域の一例を概念的に示す図である。 図4Bは、2段収束型第2種溶接状態におけるV字収束領域の一例を概念的に示す図である。 図5は、アプセット量を計算する例を説明するための図である。 図6は、入力電力の変化に伴うアプセット量の変化を説明するための図である。 図7は、算出したアプセット量と、溶接欠陥面積率との関係の実験結果を示すグラフである。
図1は、第1種溶接状態、第2種溶接状態及び2段収束型第2種溶接状態を説明するための図である。図1は、第1種溶接状態、第2種溶接状態及び2段収束型第2種溶接状態のそれぞれにおいて観察される衝合部を径方向外側から見た図を含む。また、図1は、衝合部において突き合わされる金属板の両端の金属管の軸方向から見た断面図も含む。
図1に示すように、第1種溶接状態では、金属板の両端がV字に収束して接触するV1点が溶接点(W点)となる。第2種溶接状態では、幾何学的V収束点(V0点)が、金属板の両端が接触するV1点となる。また、V0点の造管方向の下流側にスリットが発生する。スリットは、金属板の厚み方向に貫通する。2段収束型第2種溶接状態では、V0点の下流にV1点が位置する。
溶接過程は、加熱、溶融及び排出の3つの過程を含む。加熱過程では、衝合部に対する高周波電圧の印加によって金属板の両端の温度が上昇する。これに伴って表面の酸化膜形成が促進される。溶融過程では、金属板の両端が溶融する。十分な熱量(入力電力)が投入された理想的な状態では、溶融過程において、金属板の端面が全面に渡って溶融する。この場合、両端の溶融した部位が、高周波電流による電磁力によって逐次、突き合わせ面の表裏面に流出する。突き合わされる金属板の両端が互いに近づく接近速度と、電磁力によって両端の溶融した部位が排出される排出速度のバランスがある条件を満たす場合に、衝合部にスリットが発生する。
また、排出過程では、スクイズロールによるアプセットが加えられる。具体的には、一対のスクイズロールのアプセットによって、丸められた金属板の径すなわち断面円の外周が小さくなるよう、金属板が変形する。そのため、アプセットにより、金属板の両端が互いに近づくように金属板が変形する。一対のスクイズロールのアプセットによって金属板の両端を互いに近づける度合い示す量を、アプセット量と称することができる。アプセット量は、金属板の両端部の温度分布及び溶融状態によって変化する。例えば、両端付近の高温部が広い或いは溶融部分が広い場合は、高温部又は溶融部分が狭い場合に比べて、アプセット量は小さくなる。また、アプセット量は、入力電力、溶接速度、スクイズロール位置、及び給電子の位置等によって変化する。
この過程で、メタルフローが立つとともに、残留している酸化物は溶融した金属と共に突き合わせ面から排出される。この時、入熱(入力電力)が十分でない場合、金属板の両端の溶融が不十分となる。この場合、アプセットを加えても溶着しない(冷接あるいは未溶着)状態となる。一方、入熱が過多の第3種溶接状態では、スリットが極端に長くなる。この状態の時にスリット上流側で短絡が起きると、下流側の電磁力の消失によって溶融金属がスリット内に逆流する現象(還流)が発生する。また、アプセットも十分に伝わらないことから酸化物が適正に排出されない。その結果、酸化物の残留に起因したペネトレータ欠陥が発生する。第2種溶接状態又は2段収束型第2種溶接状態では、適正に加熱及び排出が行われる。また、第1種溶接状態で一定の条件を満たす場合においても、適正に加熱及び排出が行われる。これらの第1種溶接状態、第2種溶接状態及び2段収束型第2種溶接状態において、アプセット量は、溶接欠陥面積率に影響を及ぼす。
発明者らは、2段収束型第2種溶接状態におけるアプセット量を精度良く計測するために、2段収束型第2種溶接状態における溶接部の様子を注意深く観察した。特に、入力電力の変化に伴って、V0点とW点の位置が変化する様子に着目して観察した。その結果、V0点とスクイズロールセンターとの距離、及びW点とスクイズロールセンターとの距離は、アプセット量と幾何学的な関係があることに気付いた。この幾何学的な関係性を利用して、2段収束型第2種溶接状態におけるアプセット量を計測する方法に想到した。
本発明の実施形態における金属管の製造方法は、金属板を搬送方向に搬送して、ロール群により前記金属板を円筒状に成形しつつ、前記金属板の周方向の両端を、径方向外側から見てV字状になるよう互いに対向させ、前記両端が接触する衝合部に交流電流を流すことにより溶融金属を形成して溶接する工程と、前記金属板の両端の衝合部及びその周辺部を前記径方向から撮影した画像を取得する工程と、前記画像に基づいて、前記金属板の両端の衝合部の上流における接触前の前記両端の延長線の幾何学的な交点である幾何学的V収束点V0と、溶接が始まる溶接点Wと、前記金属板の両端の衝合部の上流における接触前の前記両端の延長線の成す角であるアペックス角θを特定する工程と、前記ロール群のうち前記衝合部に最も近い一対のスクイズロールの回転軸の方向から見て前記一対のスクイズロールの回転軸中心を結ぶ線であるスクイズロールセンターと前記幾何学的V収束点V0との距離Lv0と、前記スクイズセンターと前記溶接点Wとの距離Lwと、を算出する工程と、前記距離Lv0、前記距離Lw及び前記アペックス角θを用いて、前記一対のスクイズロールのアプセット量を算出する工程と、前記算出されたアプセット量を示す情報を表示するか、又は、前記算出されたアプセット量に基づいて前記溶接のための入力電力を制御する工程とを、有する。
上記の製造方法を実現する管理システム、並びに、上記の製造方法をコンピュータに実行させるためのプログラム及びそのプログラムを記録した記録媒体も、本発明の実施形態に含まれる。
本発明の実施形態における管理システムは、金属板を搬送方向に搬送して、ロール群により前記金属板を円筒状に成形しつつ、前記金属板の周方向の両端を、径方向外側から見てV字状になるよう互いに対向させ、前記両端が接触する衝合部に交流電流を流すことにより溶融金属を形成して溶接する金属管の製造工程を管理する管理システムである。前記管理システムは、前記金属板の両端の衝合部及びその周辺部を前記径方向から撮影した画像に基づいて、前記金属板の両端の衝合部の上流における接触前の前記両端の延長線の幾何学的な交点である幾何学的V収束点V0と、溶接が始まる溶接点Wと、前記金属板の両端の衝合部の上流における接触前の前記両端の延長線の成す角であるアペックス角θとを特定する画像解析部と、前記ロール群のうち前記衝合部に最も近い一対のスクイズロールの回転軸の方向から見て前記一対のスクイズロールの回転軸中心を結ぶ線であるスクイズロールセンターと前記幾何学的V収束点V0との距離Lv0と、前記スクイズセンターと前記溶接点Wとの距離Lwと、を算出する距離算出部と、前記距離Lv0、前記距離Lw及び前記アペックス角θを用いて、前記一対のスクイズロールのアプセット量を算出するアプセット量推定部と、前記算出されたアプセット量を示す情報を表示するか、又は、前記算出されたアプセット量に基づいて前記溶接のための入力電力を制御する制御部とを備える。
本発明の実施形態におけるプログラムは、金属板を搬送方向に搬送して、ロール群により前記金属板を円筒状に成形しつつ、前記金属板の周方向の両端を、径方向外側から見てV字状になるよう互いに対向させ、前記両端が接触する衝合部に交流電流を流すことにより溶融金属を形成して溶接する工程を管理するプログラムである。前記プログラムは、前記金属板の両端の衝合部及びその周辺部を前記径方向から撮影した画像を取得する処理と、前記画像に基づいて、前記金属板の両端の衝合部の上流における接触前の前記両端の延長線の幾何学的な交点である幾何学的V収束点V0と、溶接が始まる溶接点Wと、前記金属板の両端の衝合部の上流における接触前の前記両端の延長線の成す角であるアペックス角θを特定する処理と、前記ロール群のうち前記衝合部に最も近い一対のスクイズロールの回転軸の方向から見て前記一対のスクイズロールの回転軸中心を結ぶ線であるスクイズロールセンターと前記幾何学的V収束点V0との距離Lv0と、前記スクイズセンターと前記溶接点Wとの距離Lwと、を算出する処理と、前記距離Lv0、前記距離Lw及び前記アペックス角θを用いて、前記一対のスクイズロールのアプセット量を算出する処理と、前記算出されたアプセット量を示す情報を表示するか、又は、前記算出されたアプセット量に基づいて前記溶接のための入力電力を制御する処理とを、コンピュータに実行させる。
上記の製造方法、管理システム及びプログラムによれば、衝合部の画像から得られるスクイズロールセンターと前記幾何学的V収束点V0との距離Lv0と、スクイズセンターと溶接点Wとの距離Lw及びアペックス角θを用いて、アプセット量uが算出される。これにより、溶接中の2段収束型第2種溶接状態において、アプセット量uを精度良く計測することができる。なお、同様にして、第1種溶接状態、第2種溶接状態におけるアプセット量uを算出することもできる。
上記の衝合部に最も近い一対のスクイズロールは、金属板の端部を溶融させた後、一番目にアプセットを加える一対のスクイズロールである。一対のスクイズロールは、管状に成形されつつある金属板の径すなわち断面円周を小さくする力を金属板に付与する。一対のスクイズロールにより、管状に成型されつつある金属板は、管の径が小さくなるよう縮管加工される。
上記の製造方法、管理システム及びプログラムにおいて、前記アプセット量は、前記一対のスクイズロールの回転軸の方向から見て、前記幾何学的V収束点V0を通り前記金属板の両端それぞれの延長線に垂直な2つの線と前記スクイズロールセンターとの2つの交点のそれぞれを中心とする2つの円であって、前記溶接点Wを通る2つの円と、前記スクイズロールセンターとの2つの交点の間の距離を計算することにより得られる値であってもよい。これにより、V0点、及びW点のスクイズロールに対する位置と、アプセット量との幾何学的な関係を用いて、より精度良く、アプセット量を計測することができる。
上記の製造方法、管理システム及びプログラムにおいて、前記アプセット量uは、下記式(1)を用いて算出されてもよい。
Figure 0007010138000001
k:定数
上記式において、係数kは定数である。kは、例えば、製造する金属管の厚みt及び直径Dに依存する値としてもよい。すなわち、kは、金属管の厚みt及び直径Dによって決まる値とすることができる。
以下、図面を参照し、本発明の実施の形態を詳しく説明する。図中同一又は相当部分には同一符号を付してその説明は繰り返さない。
[実施形態1]
<電縫鋼管の製造システム>
図2は、本発明の実施形態に係る電縫鋼管の製造システムの構成の一例を示す図である。尚、本実施形態では、電縫鋼管の製造システムの各構成要素の位置と、撮像された画像の位置は、それぞれ同一の3次元直交座標(x,y,z座標)で表されるものとする。すなわち、各図に示すx,y,z座標は、その方向のみを示すものであり、その原点の位置は各図において同一であるものとする。
図2において、電縫鋼管の製造システムは、スクイズロール2a、2bと、コンタクトチップ3a、3bと、インピーダー4と、撮像装置5と、高周波電源6と、管理システム100と、を有する。
まず、電縫鋼管の製造設備の概要を説明する。図2に示すように、帯状の鋼板1がx軸の正の方向に向かって搬送されながら、ロール群(図示せず)により連続的に円筒状に成形される。スクイズロール2a、2bは、鋼板又は鋼管の搬送方向に垂直な方向に並ぶ一対のスクイズロールである。スクイズロール2a、2bの間を、鋼板又は鋼管が搬送される。円筒状に成形される鋼板1の内部には、磁束を鋼板1の衝合部に集中させるためのインピーダー4が配置されている。高周波電源6から高周波の電力が供給されると、一対のコンタクトチップ3a、3b(又は誘電コイル(図示せず))から、鋼板1のV字状に収束する領域の表面に高周波電流が流れる。このとき、スクイズロール2a、2bにより、鋼板1に対してその両側方から押圧力が加えられる。これにより、鋼板1の周方向の両端11a、11bをV字状に収束させながら突き合わせて接触させるとともに、両端11a、11bが接触する衝合部を加熱し溶融させて、鋼板1を溶融接合する。スクイズロール2a、2bは、ロール群のうち、鋼板1の両端11a、11bが突き合わされて溶融される部分に最も近い位置にあるロールである。このような溶融接合は、電縫溶接(ERW)と称される。尚、以下の説明では、「鋼板1のV字状に収束する領域」を必要に応じて「V字収束領域」と称する。また、鋼板1の周方向の両端11a、11bが突き合わされて、1本の線状に観察される部分を必要に応じて「溶接線」と称する。
撮像装置5は、V字収束領域の表面を含む領域の自発光パターン(輻射パターン)を撮像する。撮像装置5としては、例えば、1920×512の画素を有する3CCD型カラーカメラが用いられる。撮像装置5は、例えば、撮影視野が50[mm]×190[mm]、分解能が100[μm/画素]、撮影フレームレートが500[fps]、露光時間が1/10000[sec]の条件で、V字収束領域の表面を含む領域を撮像する。撮像装置5による撮像は一定の時間間隔で連続的に行われる。連続的に撮像された複数の画像における一枚の画像をフレームと呼ぶ。また、以下の説明では、撮像装置5で撮像された「画像」を必要に応じて「V字収束領域の画像」と称する。このV字収束領域の画像は、金属板の両端の衝合部及びその周辺部を金属管の径方向から撮影した画像の一例である。
管理システム100は、撮像装置5で撮像されたV字収束領域の画像を入力する。そして、管理システム100は、V字収束領域の画像に対する処理等を行って、溶接状態を監視する。すなわち、画像処理の結果として、溶接状態を示すデータが生成される。管理システム100は、画像処理により得られる溶接状態を示すデータに基づいて、溶接条件を決定する。例えば、管理システム100は、溶接の状態が2段収束型第2種溶接状態となるように、高周波電源6から出力される電力量(VA)すなわち入力電力を制御することができる。入力電力を調整することにより、溶接のための入熱量を調整することができる。
また、管理システム100は、V字収束領域の画像に対する処理で得られたデータを用いて、スクイズロール2a、2bによるアプセット量を計算する。管理システム100は、溶接中のアプセット量を基に、入力電力を制御することができる。また、管理システム100は、計算したアプセット量を、表示装置15に表示してもよい。
図3は、管理システム100の構成例を示す機能ブロック図である。図3に示す例では、管理システム100は、画像解析部101と、距離算出部102と、アプセット量推定部103と、制御部104とを備える。画像解析部101は、撮像装置5が撮影した画像に基づいて、幾何学的V収束点すなわちV0点、溶接点すなわちW点、及びアスペック角θを特定する。なお、画像解析部101は、さらに、例えば、衝合点であるV収束点V1等、その他の画像処理によって得られる溶接現象に関する値を特定してもよい。
距離算出部102は、スクイズロールセンターSQCとV0点との距離Lv0、及び、スクイズセンターとW点との距離Lwとを算出する。スクイズロールセンターSQCは、スクイズロールの回転軸の方向から見て、一対のスクイズロールの回転軸中心を結ぶ線である。スクイズロールセンターとV0点との距離Lv0は、例えば、V0点を通りスクイズロールセンターに垂直に交わる線分の長さとすることができる。或いは、一対のスクイズロールの回転軸中心をつなぐ線の中点とV0点との距離を、距離Lv0とすることができる。スクイズロールセンターとW点との距離Lwも、同様に、W点を通りスクイズロールセンターに垂直に交わる線分の長さ。或いは、一対のスクイズロールの回転軸中心をつなぐ線の中点とW点との距離を計算することで得ることができる。なお、距離算出部102は、さらに、画像解析部101で得られた値を用いて、溶接現象に関する他の距離を算出してもよい。
アプセット量推定部103は、距離算出部102で算出された距離Lv0、及び距離Lw、並びに、画像解析部101で特定されたアペックス角θを用いて、一対のスクイズロールのアプセット量を算出する。算出の計算例については後述する。
制御部104は、アプセット量推定部103で算出されたアプセット量を示す情報を表示装置15に表示する。制御部104は、アップセット量を示す情報として、アップセット量の値を表示してもよい。その他、アプセット量を示す情報の例として、アップセット量が予め決められた範囲内か否かを示す情報、アプセット量の目標値に対する乖離度合い、アプセット量に基づく制御を指示する情報等が挙げられる。
また、制御部104は、アプセット量を示す情報の表示に替えて、又は表示に加えて、算出されたアプセット量に基づいて溶接のための入力電力を制御してもよい。例えば、アプセット量が目標値に近づくように、或いは、予め決められた範囲内に入るように、入力電力及び溶接速度の少なくともいずれかを制御することができる。制御部104は、例えば、高周波電源6の出力電圧又は出力電流を制御することで、溶接のための入力電力すなわち入熱量を制御することができる。
また、管理システム100は、図示しないが、溶接速度測定装置及び溶接速度制御装置に接続されてもよい。この場合、制御部104は、溶接速度測定装置で測定される溶接速度が、アプセット量に基づいて決められる目標値又は目標範囲内となるように、溶接速度制御装置に指令を出して、溶接速度を制御することができる。溶接速度制御装置は、例えば、スクイズロールや各種成形ロールの回転数を制御することにより溶接速度を制御することができる。溶接速度測定装置は、鋼管の搬送ラインに配置された速度センサを含む構成としてもよい。また、溶接速度測定装置は、スクイズロールその他のロールの回転速度を利用して溶接速度を検出してもよい。なお、制御部104は、高周波電源6、及び溶接速度制御装置の他、スクイズロール2a、2b、コンタクトチップ3a、3bその他の部材の動作を制御してもよい。
このようにして、管理システム100は、アプセット量に基づいて決定した溶接条件となるように、高周波電源6又はその他の部材の動作を制御する。管理システム100は、アプセット量を含む溶接の状態を監視する監視装置(監視システム)と、監視結果に基づいて溶接を制御する制御装置(制御部)とを含むことができる。監視装置は、上記の撮像装置5で撮像された画像の他にも、必要に応じて、溶接条件に関する情報を取得してもよい。例えば、コンタクトチップ3a、3b及び高周波電源6の出力値、スクイズロール2a、2bの圧力、ロール間距離等、溶接に用いられる装置の動作を示す情報を取得することができる。
管理システム100は、プロセッサ及びメモリを含むコンピュータによって構成される。画像解析部101、距離算出部102、アプセット量推定部103、及び制御部104の各部は、1又は複数のコンピュータがプログラムを実行することによって実現することができる。そのようなプログラム及びそのプログラムを記録した非一時的(non-transitory)な記録媒体も、本発明の実施形態の一例である。プロセッサは、メモリに記録されたプログラムに従って処理を実行する。プログラムは、上記の画像解析部101、距離算出部102、アプセット量推定部103、及び制御部104を提供するためのプロセッサに対する命令を含むことができる。
<2段収束型第2種溶接状態の説明>
図4A及び図4Bは、2段収束型第2種溶接状態におけるV字収束領域の一例を概念的に示す図である。具体的に図4Aは、V字収束領域をその上方(z方向)から見た図であり、図4Bは、鋼板1の搬送方向(x軸方向)の上流側からV収束点V1の方向を見た図である。
2段収束型第2種溶接状態では、鋼板1の周方向の両端11a、11bの厚み方向(z軸方向)の溶融部分が排出されながら両端が突き合わせられる。その際、両端11a、11bの厚み方向の中心部が溶融して中心から外側へ向かって排出される(図4Bに示す矢印線を参照)。
鋼板1の上方からV字収束領域を含む領域の自発光パターンを高精細に且つ像流れなく撮像(撮影分解能:100[μm/画素]、露光時間:1/10000[sec]の条件)して高い精度でV収束点を測定したところ、2段収束型第2種溶接状態が観測された。溶接の状態が2段収束型第2種溶接状態となると、図4Aに示すように、鋼板1の搬送方向(x軸方向)の相対的に上流側の領域に幾何学的なV収束点である幾何学的V収束点V0と、相対的に下流側の領域に衝合点であるV収束点V1とが存在するようになる。幾何学的V収束点V0は、V字状に収束する鋼板1の周方向の両端11a、11bの下流側への延長線(破線で示す)が幾何学的に交わる点である。一方、衝合点であるV収束点V1は、V字状に収束する鋼板1の周方向の両端11a、11bが物理的に衝合(接触)する点である。アスペック角θは、両端11a、11bの線の成す角である。図4Aに示すように、2段収束型第2種溶接状態では、鋼板1の両端11a、11bが2段のテーパー形状になる。この場合、2段テーパーのうち、造管方向の上流側のテーパーの両端11a、11bの2つ線の成す角をアスペック角θとする。
溶接の状態が第2種溶接状態となる入熱以上の入熱が与えられるときには、溶接が始まる点である溶接点Wは、衝合点であるV収束点V1よりも更に下流側の領域に存在する。V収束点V1と溶接点Wとの間には、鋼板1の厚み方向において鋼板1を貫通する溶融スリットSが形成される。さらに、この溶融スリットSは、V収束点V1から、鋼板1の搬送方向(x軸方向)の下流側の方へ伸びた後、消失する。このような溶融スリットSのx軸方向の大きさ(溶融スリット長ΔL)の変動(溶融スリットSの成長と消失)は、数[msec]の周期で周期的に行われる。V収束点V1と溶接点Wとは、ともに溶接線上に存在する。
<アプセット量算出の例>
図5は、画像処理によって得られるV0点、W点、及びアスペック角θを用いて、アプセット量を計算する例を説明するための図である。図5に示すように、まず、一対のスクイズロールの回転軸の方向から見て、V0点を通り鋼板の両端11a、11bそれぞれの延長線に垂直な2つの仮想線PLaを引く。なお、図5では、2つの仮想線のうち1本の線PLaを図示し、もう1本の線の図示を省略している。次に、これらの線PLaとスクイズロールセンターSQCとの2つの交点C1aのそれぞれを中心としてW点を通る2つの円E2a、E2bを描く。なお、図5では、2つの円E2a、E2bの中心のうちの1つの中心C1aを図示し、もう1つの中心の図示を省略している。これら2つの円E2a、E2bとスクイズロールセンターSQCとの2つの交点K1a、K1bの間の距離をアプセット量として計算することができる。
アプセット量推定部103は、画像解析部101で計算されたV0点及びW点の座標、及びアスペック角θ、距離算出部102で計算された距離Lv0、及び距離Lwを用いて、図5に示す交点K1a、K1bの間の距離を計算することで、アプセット量を計算することができる。一例として、アプセット量推定部103は、下記式(1)を用いて、アプセット量uを算出することができる。
Figure 0007010138000002
k:定数
上記式(1)は、図5に示す2つの交点K1a、K1bの間の距離に係数kをかけた値をアプセット量uとするものである。係数kは、例えば、製造する鋼管の厚みt及び直径D等の溶接条件に応じて決定することができる。例えば、係数kの値と種々の溶接条件との対応を示す対応データを管理システム100がアクセス可能な記録部105に予め記録しておくことができる。アプセット量推定部103は、対応データを用いて、溶接条件に対応する係数kを決定することができる。対応データは、例えば、鋼管の厚みt及び直径Dの値と、係数kとの対応を示すテーブルであってもよいし、鋼管の厚みt及び直径Dを引数として係数kを返す関数であってもよい。
図5では、線PLaとスクイズロールセンターSQCとの2つの交点C1aのそれぞれを中心としてV0点を通る2つの円E1a、E1bも描かれている。アプセット量推定部103は、これら2つの円E1a、E1bとスクイズロールセンターSQCとの交点K2a、K2bの間の距離SQを算出してもよい。
この距離SQは、アプセット量に溶融金属量を加えた量を表す。距離SQは、一対のスクイズロールが金属管を押し付けた量に相当すると捉えることができる。そのため、例えば、スクイズロールを含む各種成形ロールによる調整状態の評価に、距離SQの値を用いることができる。
なお、アプセット量の算出処理は、上記式(1)を用いる処理に限られない。例えば、他の近似式を用いて、図6に示す2つの交点K1a、K1bの間の距離を計算してもよい。或いは、交点K1a、K1bの間の距離を用いた他の式によって、アプセット量を算出してもよい。
図5は、2段収束型第2種溶接状態におけるアプセット量の計算例を説明するための図である。第1種溶接状態、及び2段収束型ではない第2種溶接状態においても、上記と同様に、アプセット量を計算することができる。例えば、第1種溶接状態では、V0点、V1点及びW点が同じになる。そのため、Lv0=Lwとなる。2段収束型ではない第2種溶接状態では、V1点とV0点が同じになる。
<アプセット量に基づく入力電力制御処理の例>
アプセット量推定部103は、溶接中に撮影された画像を基に、リアルタイムで、アプセット量を算出することができる。制御部104は、溶接中にアプセット量推定部103で算出されるアプセット量を基に、入力電力を制御することができる。制御部104は、例えば、アプセット量が、予め決められた目標値に近づくよう、又は、予め決められた目標範囲に入るように、入力電力を制御する。ここで、制御部104は、第1種溶接状態の場合に、アプセット量を大きくするためには、入力電力を大きくするよう制御することが有効である。第2種溶接状態又は2段階収束型第2種溶接状態の場合には、アプセット量を大きくするためには、入力電力を小さくするよう制御することが有効である。
図6は、入力電力すなわち入熱量の変化に伴う、溶接状態、V0点、V1点、W点の位置の変化と、アプセット量の変化を説明するための図である。図6を参照し、入力電力以外の溶接条件を一定とした場合、入力電力が増加するに従って、溶接状態は、第1種、及び第2種を経て、2段収束型第2種に遷移する。第1種溶接状態では、入力電力が大きくなるに従って、V0点とスクイズロールセンターSQCの距離Lwが大きくなる。また、第1種溶接状態では、入力電力を大きくすると、アプセット量も大きくなる。第2種溶接状態及び2段収束型第2種溶接状態では、入力電力が大きくなるに従って、V0点とスクイズロールセンターSQCの距離Lwが小さくなる。また、第2種溶接状態及び2段収束型第2種溶接状態では、入力電力を大きくすると、アプセット量は小さくなる。
一例として、アプセット量の上限uaと下限ubが予め設定された場合、制御部104は、第1種溶接状態と、第2種又は2段収束型第2種溶接状態とで、制御の仕方を変えることが好ましい。例えば、制御部104は、下記のような、アプセット量に基づく入力電力の制御を実行することができる。
(第1種溶接状態の場合)
u>uaのとき
入力電力を小さくする。これにより、W点がSQCに近づき、Lwが小さくなる。その結果、アップセット量が小さくなる。
u<ubのとき
入力電力を大きくする。これにより、W点がSQCから遠のき、Lwが大きくなる。その結果、アップセット量が大きくなる。
(第2種溶接状態、及び2段収束型第2種溶接状態の場合)
u>uaのとき
入力電力を大きくする。これにより、W点がロールに近づき、Lwが小さくなる。その結果、アプセット量が小さくなる。
u<ubのとき
入力電力を小さくする。これにより、W点がロールから遠のき、Lwが大きくなる。その結果、アップセット量が大きくなる。
なお、溶接状態が、第1種溶接状態、第2種溶接状態、及び2段収束型第2種溶接状態のいずれであるかは、例えば、画像解析部101で得られたV0点、V1点、W点の位置に基づいて判断することができる。例えば、距離(Lv0-Lv1)を計算し、Lv0-Lv1>0の状態が一定時間継続する場合に、第2種溶接状態又は2段収束型第2種溶接状態であると判断することができる。ここで、Lv1は、スクイズロールセンターSQCとV1点との距離Lv0である。
画像に基づいて、V0点及びW点を求める処理は、例えば、画像を2値化して2値化画像を生成する処理、2値化画像から金属板の周方向の両端を示す2本の近似線を生成する処理、2値化画像から溶融スリットの領域を検出する処理、及び、これら2本の近似線の交点をV0点とし、溶融スリットの造管方向の下流の端をW点として決定する処理を含むことができる。或いは、画像に基づいて、V0点及びW点を求める処理は、画像におけるエッジ抽出処理、抽出されたエッジに対してテンプレートマッチングすることにより金属板の周方向の両端部及び交点を決定する処理、この交点をV0点として決定する処理、抽出されたエッジに対して、テンプレートマッチングすることにより溶融スリットの領域を検出する処理、溶融スリットの下流の端をW点として決定する処理を含んでもよい。また、アスペック角θは、上記の金属板の周方向の両端を示す2本の近似線のなす角を計算することにより得られる。2値化画像から金属板の両端、及び溶融スリットを検出する処理では、例えば、2値化画像に含まれるブロッブ(Blog)にラベルを付けるラベルリング処理と、ラベルを付けられたブロッブのうち所定の条件を満たすものを金属板の両端を含む領域と認識する処理が含まれてもよい。同様に、ラベルを付けられたブロッブのうち他の所定の条件を満たすものを溶融スリットの領域と認識することもできる。なお、V0点、W点を求める処理は、これらの例に限られない。
<実験結果>
図7は、算出したアプセット量と、溶接欠陥面積率との関係の実験結果を示すグラフである。この実験では、溶接後の溶接衝合部の高温シャルピー試験を行い、溶接欠陥面積率を求めた。また、溶接中のアプセット量を、上記実施形態と同じ方法で算出した。図7に示す結果は、算出されたアプセット量と、溶接欠陥面積率との相関関係があることを示している。
高温シャルピー試験では、サンプルが延性破壊する温度(160℃)で、溶接部を破断させる。溶接欠陥面積率の調査は、破断した溶接部の破面にある欠陥の面積の破面の面積に対する割合を調査する。溶接欠陥面積率が小さい程、酸化物欠陥を排出できており、溶融量が適切であると考えられる。図7に示す結果では、アプセット量を適切に作用させることで、溶接欠陥面積率を低下できることがわかった。
以上、本発明の実施の形態を説明したが、上述した実施の形態は本発明を実施するための例示に過ぎない。よって、本発明は上述した実施の形態に限定されることなく、その趣旨を逸脱しない範囲内で上述した実施の形態を適宜変形して実施することが可能である。
2a、2b スクイズロール
3a、3b コンタクトチップ
4 インピーダー
5 撮像装置
6 高周波電源
100 管理システム

Claims (5)

  1. 金属管の製造方法であって、
    金属板を搬送方向に搬送して、ロール群により前記金属板を円筒状に成形しつつ、前記金属板の周方向の両端を、径方向外側から見てV字状になるよう互いに対向させ、前記両端が接触する衝合部に交流電流を流すことにより溶融金属を形成して溶接する工程と、
    前記金属板の両端の衝合部及びその周辺部を前記径方向から撮影した画像を取得する工程と、
    前記画像に基づいて、前記金属板の両端の衝合部の上流における接触前の前記両端の延長線の幾何学的な交点である幾何学的V収束点V0と、溶接が始まる溶接点Wと、前記金属板の両端の衝合部の上流における接触前の前記両端の延長線の成す角であるアペックス角θを特定する工程と、
    前記ロール群のうち前記衝合部に最も近い一対のスクイズロールの回転軸の方向から見て前記一対のスクイズロールの回転軸中心を結ぶ線であるスクイズロールセンターと前記幾何学的V収束点V0との距離Lv0と、前記スクイズロールセンターと前記溶接点Wとの距離Lwと、を算出する工程と、
    前記距離Lv0、前記距離Lw及び前記アペックス角θを用いて、前記一対のスクイズロールのアプセット量を算出する工程と、
    前記算出されたアプセット量を示す情報を表示するか、又は、前記算出されたアプセット量に基づいて前記溶接のための入力電力を制御する工程とを、有する金属管の製造方法。
  2. 前記アプセット量は、前記一対のスクイズロールの回転軸の方向から見て、前記幾何学的V収束点V0を通り前記金属板の両端それぞれの延長線に垂直な2つの線と前記スクイズロールセンターとの2つの交点のそれぞれを中心とする2つの円であって、前記溶接点Wを通る2つの円と、前記スクイズロールセンターとの2つの交点の間の距離を計算することにより得られる値である、請求項1に記載の金属管の製造方法。
  3. 前記アプセット量uは、下記式(1)を用いて算出される、請求項1又は2に記載の金属管の製造方法。
    Figure 0007010138000003
    k:定数
  4. 金属板を搬送方向に搬送して、ロール群により前記金属板を円筒状に成形しつつ、前記金属板の周方向の両端を、径方向外側から見てV字状になるよう互いに対向させ、前記両端が接触する衝合部に交流電流を流すことにより溶融金属を形成して溶接する金属管の製造工程を管理する管理システムであって、
    前記金属板の両端の衝合部及びその周辺部を前記径方向から撮影した画像に基づいて、前記金属板の両端の衝合部の上流における接触前の前記両端の延長線の幾何学的な交点である幾何学的V収束点V0と、溶接が始まる溶接点Wと、前記金属板の両端の衝合部の上流における接触前の前記両端の延長線の成す角であるアペックス角θとを特定する画像解析部と、
    前記ロール群のうち前記衝合部に最も近い一対のスクイズロールの回転軸の方向から見て前記一対のスクイズロールの回転軸中心を結ぶ線であるスクイズロールセンターと前記幾何学的V収束点V0との距離Lv0と、前記スクイズロールセンターと前記溶接点Wとの距離Lwと、を算出する距離算出部と、
    前記距離Lv0、前記距離Lw及び前記アペックス角θを用いて、前記一対のスクイズロールのアプセット量を算出するアプセット量推定部と、
    前記算出されたアプセット量を示す情報を表示するか、又は、前記算出されたアプセット量に基づいて前記溶接のための入力電力を制御する制御部とを備える、管理システム。
  5. 金属板を搬送方向に搬送して、ロール群により前記金属板を円筒状に成形しつつ、前記金属板の周方向の両端を、径方向外側から見てV字状になるよう互いに対向させ、前記両端が接触する衝合部に交流電流を流すことにより溶融金属を形成して溶接する工程を管理するプログラムであって、
    前記金属板の両端の衝合部及びその周辺部を前記径方向から撮影した画像を取得する処理と、
    前記画像に基づいて、前記金属板の両端の衝合部の上流における接触前の前記両端の延長線の幾何学的な交点である幾何学的V収束点V0と、溶接が始まる溶接点Wと、前記金属板の両端の衝合部の上流における接触前の前記両端の延長線の成す角であるアペックス角θを特定する処理と、
    前記ロール群のうち前記衝合部に最も近い一対のスクイズロールの回転軸の方向から見て前記一対のスクイズロールの回転軸中心を結ぶ線であるスクイズロールセンターと前記幾何学的V収束点V0との距離Lv0と、前記スクイズロールセンターと前記溶接点Wとの距離Lwと、を算出する処理と、
    前記距離Lv0、前記距離Lw及び前記アペックス角θを用いて、前記一対のスクイズロールのアプセット量を算出する処理と、
    前記算出されたアプセット量を示す情報を表示するか、又は、前記算出されたアプセット量に基づいて前記溶接のための入力電力を制御する処理とを、コンピュータに実行させるプログラム。
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