JP7188270B2 - 金属管の製造方法、金属管の製造装置及びプログラム - Google Patents
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前記製造方法は、溶融入力電力Qm(v1)、スパッタ発生入力電力Qs(v1)、及び、2段収束入力電力Qw(v1)のうち、少なくとも1つを決定する工程を含む。前記溶融入力電力Qm(v1)は、第1溶接速度v1で前記金属板を搬送する時に前記衝合部における前記金属板の両端の端面が全面に渡って溶融するのに必要な最低入力電力である。前記スパッタ発生入力電力Qs(v1)は、第1溶接速度v1で前記金属板を搬送する時に前記衝合部にスリットが発生するのに必要な最低入力電力である。前記2段収束入力電力Qw(v1)は、第1溶接速度v1で前記金属板を搬送する時に前記衝合部に2段収束型形状が発生するのに必要な最低入力電力である。
前記製造方法は、溶融限界データ、スパッタ発生限界データ、及び、2段収束限界データのうち、少なくとも1つを生成する工程を含む。前記溶融限界データを生成する処理は、前記第1溶接速度v1における前記溶融入力電力Qm(v1)を用いて、前記金属板の前記両端の端面を全面に渡って溶融するのに必要な最低入力電力である溶融入力電力Qmと、溶接速度vとの関係を示す溶融限界データを生成する処理である。前記スパッタ発生限界データを生成する処理は、前記第1溶接速度v1における前記スパッタ発生入力電力Qs(v1)を用いて、前記衝合部にスリットが発生するのに必要な最低入力電力であるスパッタ発生入力電力Qsと溶接速度vとの関係を示すスパッタ発生限界データを生成する処理である。前記2段収限界データを生成する処理は、前記第1溶接速度v1における前記2段収束入力電力Qw(v1)を用いて、前記衝合部に2段収束型形状が発生するのに必要な最低入力電力である2段収束入力電力Qwと、溶接速度vとの関係を示す2段収束限界データを生成する処理である。
前記製造方法は、前記溶融限界データ、前記スパッタ発生限界データ、及び、前記2段収束限界データのうち少なくとも1つと、造管時の現入力電力及び現溶接速度とを、同時に視認可能な状態で表示装置に表示する工程とを有する。
前記製造方法は、溶融入力電力Qm(v1)、スパッタ発生入力電力Qs(v1)、及び、2段収束入力電力Qw(v1)のうち、少なくとも1つを決定する工程を含む。前記溶融入力電力Qm(v1)は、第1溶接速度v1で前記金属板を搬送する時に前記衝合部における前記金属板の両端の端面が全面に渡って溶融するのに必要な最低入力電力である。前記スパッタ発生入力電力Qs(v1)は、第1溶接速度v1で前記金属板を搬送する時に前記衝合部にスリットが発生するのに必要な最低入力電力である。前記2段収束入力電力Qw(v1)は、第1溶接速度v1で前記金属板を搬送する時に前記衝合部に2段収束型形状が発生するのに必要な最低入力電力である。
前記製造方法は、溶融限界データ、スパッタ発生限界データ、及び、2段収束限界データのうち、少なくとも1つを生成する工程を含む。前記溶融限界データを生成する処理は、前記第1溶接速度v1における前記溶融入力電力Qm(v1)を用いて、前記金属板の前記両端の端面を全面に渡って溶融するのに必要な最低入力電力である溶融入力電力Qmと、溶接速度vとの関係を示す溶融限界データを生成する処理である。前記スパッタ発生限界データを生成する処理は、前記第1溶接速度v1における前記スパッタ発生入力電力Qs(v1)を用いて、前記衝合部にスリットが発生するのに必要な最低入力電力であるスパッタ発生入力電力Qsと溶接速度vとの関係を示すスパッタ発生限界データを生成する処理である。前記2段収限界データを生成する処理は、前記第1溶接速度v1における前記2段収束入力電力Qw(v1)を用いて、前記衝合部に2段収束型形状が発生するのに必要な最低入力電力である2段収束入力電力Qwと、溶接速度vとの関係を示す2段収束限界データを生成する処理である。
前記製造方法は、前記溶融限界データ、前記スパッタ発生限界データ、及び、前記2段収束限界データのうち少なくとも1つと、造管時の現入力電力及び現溶接速度とを、同時に視認可能な状態で表示装置に表示する工程とを有する。
Qm(v)=Qm(v1)×[(v/v1)β]
Qs(v)=Qs(v1)×[(v/v1)α]
Qw(v)=Qw(v1)×[(v/v1)γ]
第1溶接速度v1で前記金属板を搬送する時に前記衝合部における前記金属板の両端の端面が全面に渡って溶融するのに必要な最低入力電力である溶融入力電力Qm(v1)、又は、第1溶接速度v1で前記金属板を搬送する時に前記衝合部にスリットが発生するのに必要な最低入力電力であるスパッタ発生入力電力Qs(v1)を決定する工程。
前記第1溶接速度v1における前記溶融入力電力Qm(v1)を用いて、前記金属板の前記両端の端面を全面に渡って溶融するのに必要な最低入力電力である溶融入力電力Qmと、溶接速度vとの関係を示す溶融限界データを生成するか、又は、前記第1溶接速度v1における前記スパッタ発生入力電力Qs(v1)を用いて、前記衝合部にスリットが発生するのに必要な最低入力電力であるスパッタ発生入力電力Qsと溶接速度vとの関係を示すスパッタ発生限界データを生成する工程。
前記溶融限界データ又は前記スパッタ発生限界データと、造管時の現入力電力及び現溶接速度とを同時に視認可能な状態で表示装置に表示する工程。
Qm(v)=Qm(Vm)×[(v/Vm)β]
Qs(v)=Qs(Vm)×[(v/Vm)α]
前記製造装置は、溶融入力電力Qm(v1)、スパッタ発生入力電力Qs(v1)及び2段収束入力電力Qw(v1)のうち少なくとも1つを決定する溶接状態変化点決定部を備える。前記溶融入力電力Qm(v1)は、第1溶接速度v1で前記金属板を搬送する時に前記衝合部における前記金属板の両端の端面が全面に渡って溶融するのに必要な最低入力電力である。前記スパッタ発生入力電力Qs(v1)は、第1溶接速度v1で前記金属板を搬送する時に前記衝合部にスリットが発生するのに必要な最低入力電力である。前記2段収束入力電力Qw(v1)は、第1溶接速度v1で前記金属板を搬送する時に前記衝合部に2段収束型形状が発生するのに必要な最低入力電力である。
前記製造装置は、溶融限界データ、スパッタ発生限界データ及び2段収束限界データの少なくとも1つを生成する限界データ生成部を備える。前記限界データ生成部は、前記第1溶接速度v1における前記溶融入力電力Qm(v1)を用いて、前記金属板の前記両端の端面を全面に渡って溶融するのに必要な最低入力電力である溶融入力電力Qmと、溶接速度vとの関係を示す溶融限界データを生成する。前記限界データ生成部は、前記第1溶接速度v1における前記スパッタ発生入力電力Qs(v1)を用いて、前記衝合部にスリットが発生するのに必要な最低入力電力であるスパッタ発生入力電力Qsと溶接速度vとの関係を示すスパッタ発生限界データを生成する。前記限界データ生成部は、前記第1溶接速度v1における前記2段収束入力電力Qw(v1)を用いて、前記衝合部に2段収束型形状が発生するのに必要な最低入力電力である2段収束入力電力Qwと、溶接速度vとの関係を示す2段収束限界データを生成する。
前記製造装置は、前記前記溶融限界データ、前記スパッタ発生限界データ、及び、前記2段収束限界データのうち少なくとも1つと、造管時の現入力電力及び現溶接速度とを、同時に視認可能な状態で表示装置に表示する表示部とを備える。
前記プログラムは、溶融入力電力Qm(v1)、スパッタ発生入力電力Qs(v1)及び2段収束入力電力Qw(v1)のうち、少なくとも1つを決定する処理をコンピュータに実行させる。前記溶融入力電力Qm(v1)は、第1溶接速度v1で前記金属板を搬送する時に前記衝合部における前記金属板の両端の端面が全面に渡って溶融するのに必要な最低入力電力である溶融入力電力Qm(v1)である。前記スパッタ発生入力電力Qs(v1)は、第1溶接速度v1で前記金属板を搬送する時に前記衝合部にスリットが発生するのに必要な最低入力電力である。前記2段収束入力電力Qw(v1)は、第1溶接速度v1で前記金属板を搬送する時に前記衝合部に2段収束型形状が発生するのに必要な最低入力電力である。
前記プログラムは、溶融限界データを生成する処理、スパッタ発生限界データを生成する処理、及び、2段収束限界データを生成する処理うち少なくとも1つの処理をコンピュータに実行させる。前記溶融限界データを生成する処理は、前記第1溶接速度v1における前記溶融入力電力Qm(v1)を用いて、前記金属板の前記両端の端面を全面に渡って溶融するのに必要な最低入力電力である溶融入力電力Qmと、溶接速度vとの関係を示す溶融限界データを生成する処理である。前記スパッタ発生限界データを生成する処理は、前記第1溶接速度v1における前記スパッタ発生入力電力Qs(v1)を用いて、前記衝合部にスリットが発生するのに必要な最低入力電力であるスパッタ発生入力電力Qsと溶接速度vとの関係を示すスパッタ発生限界データを生成する処理である。前記2段収束限界データを生成する処理は、前記第1溶接速度v1における前記2段収束入力電力Qw(v1)を用いて、前記衝合部に2段収束型形状が発生するのに必要な最低入力電力である2段収束入力電力Qwと、溶接速度vとの関係を示す2段収束限界データを生成する処理である。
前記プログラムは、前記溶融限界データ、前記スパッタ発生限界データ、及び、前記2段収束限界データのうち少なくとも1つと、造管時の現入力電力及び現溶接速度とを、同時に視認可能な状態で表示装置に表示する処理をコンピュータに実行させる。
<電縫鋼管の製造システム>
図4は、本発明の実施形態に係る電縫鋼管の製造システムの構成の一例を示す図である。尚、本実施形態では、電縫鋼管の製造システムの各構成要素の位置と、撮像された画像の位置は、それぞれ同一の3次元直交座標(x,y,z座標)で表されるものとする。すなわち、各図に示すx,y,z座標は、その方向のみを示すものであり、その原点の位置は各図において同一であるものとする。
[S1:試し溶接における溶接状態の監視]
図6に示す例では、まず、S1において、管理システム100は、溶接速度v1で、入力電力を変化させながら鋼板の試し溶接を行う。溶接速度v1は、条件だしのための溶接速度である。試し溶接における溶接速度は、例えば、操業時の溶接速度を同じにすることができる。また、試し溶接における入力電力以外の条件は、操業時の条件と同じにすることが好ましい。管理システム100は、試し溶接において入力電力を変化させている期間において、撮像装置5で撮影された衝合部の画像を取得する。管理システム100は、取得した画像を基に、溶接状態を判定する。これにより、試し溶接で入力電力を変化させている期間において溶接状態の変化を検出することができる。
図6のステップS1の溶接状態の監視において、管理システム100は、溶接状態の変化を検出すると、検出した溶接状態の変化に基づいて、v1におけるスパッタ発生入力電力Qs(v1)を決定する(S2)。管理システム100は、例えば、溶接速度v1で入力電力を上昇させて溶接する間において、アーキング開始時の入力電力をスパッタ発生入力電力Qs(v1)と決定することができる。
ステップS3において、管理システム100は、ステップS2で決定したQs(v1)を用いて、溶接速度vとスパッタ発生入力電力Qsとの関係(v-Qs関係)を示すスパッタ発生限界データを生成する。例えば、図2に示すスパッタ発生限界の線Aは、v-Qs関係を示す。発明者らは、所定の溶接条件においては、スパッタ発生限界の線Aは、溶接速度vの0.6乗の項を含む式で近似できるという知見を得ている。すなわち、スパッタ発生入力電力Qsの溶接速度vに対する変化率は、溶接速度vの0.6乗となる場合がある。このような場合は、CPDダイヤグラムにおいて、S2で決定したスパッタ発生入力電力Qs(v1)の点を通り、溶接速度vの0.6乗の傾きを持つ線を、スパッタ発生限界の線Aとすることができる。スパッタ発生限界データは、例えば、スパッタ発生限界の線Aの関数Qs(v)とすることができる。また、スパッタ発生限界データは、線A上の複数の点を示す離散値Qs(va1)、Qs(va2)、・・・、Qs(vaN)(Nは整数)とすることができる。
Qs(v)=Qs(v1)×[(v/v1)α] (1)
α:定数(例えば、α=0.6)
図6のステップS4の溶接状態の監視において、管理システム100は、v1における2段収束入力電力Qw(v1)を決定する(S4)。管理システム100は、例えば、溶接速度v1で入力電力を上昇させて溶接する間において、2段収束型第2種溶接状態が検出された時の入力電力を2段収束入力電力Qcr(v1)と決定することができる。2段収束入力電力Qw(v1)は、溶接速度v1において、2段収束型第2種溶接状態が発生する最低入力電力である。管理システム100は、例えば、溶接速度v1で入力電力を上昇させて溶接する間において、衝合部における鋼板の両端の形状に、2段収束型の形状が現れた時の入力電力を2段収束入力電力Qw(v1)と決定することができる。具体的には、2段収束型第2種溶接状態の検出は、例えば、撮像装置5で撮影された衝合部の画像から得られるV0点とV1点の距離が閾値を超えるか否かにより判断することができる。
ステップS5において、管理システム100は、ステップS4で決定したQw(v1)を用いて、溶接速度vと2段収束入力電力Qwとの関係(v-Qw関係)を示す2段収束限界データを生成する。例えば、図2に示す2段収束限界の線Cは、v-Qw関係を示す。発明者らは、所定の溶接条件においては、2段収束限界の線Cは、溶接速度vの0.7乗の項を含む式で近似できるという知見を得ている。すなわち、2段収束入力電力Qwの溶接速度vに対する変化率は、溶接速度vの0.7乗となる場合がある。このような場合は、CPDダイヤグラムにおいて、S4で決定した2段収束入力電力Qw(v1)の点を通り、溶接速度vの0.7乗の傾きを持つ線を、2段収束限界の線Cとすることができる。2段収束限界データは、例えば、2段収束限界の線Cの関数Qw(v)とすることができる。また、2段収束限界データは、線C上の複数の点を示す離散値Qw(va1)、Qw(va2)、・・・、Qw(vaN)(Nは整数)とすることができる。
Qw(v)=Qw(v1)×[(v/v1)γ] (2)
γ:定数(例えば、γ=0.7)
ステップS6において、管理システム100は、臨界溶接速度Vmを取得する。管理システム100は、例えば、予め記録されたデータから対象とする金属管に合う臨界溶接速度Vmを取得することができる。この場合、複数の溶接条件のそれぞれに対応する臨界溶接速度Vmを予め管理システム100が記録部105に記録しておくことができる。各溶接条件における臨界溶接速度Vmは、例えば、実験により求めることができる。S6において、管理システム100は、操業時の溶接条件に対応する臨界溶接速度Vmを、記録部105から読み出すことで、操業時の溶接条件に応じた臨界溶接速度Vmを取得することができる。
Vm=K×t-1.0×L-0.5×θ-1.5 (3)
K:定数
管理システム100は、S3で生成したv-Qs線上においてv=Vmにおけるスパッタ発生入力電力Qs(Vm)を算出する(S7)。例えば、管理システム100は、S3で生成したvとQsの関係を示す線Aと、S6で取得したVmとを用いて、VmにおけるQs(Vm)を算出する。図2に示すように、Vmにおいて、スパッタ発生限界の線A(v-Qsの関係を示す線)は、溶融限界の線B(v-Qmの関係を示す線)と交差する。そのため、臨界溶接速度Vmにおけるスパッタ発生入力電力Qs(Vm)は、Vmにおける溶融入力電力Qm(Vm)と等しい(Qs(Vm)=Qm(Vm))。
Qs(Vm)=Qs(v1)×[(Vm/v1)α]=Qm(Vm) (4)
ステップS8において、管理システム100は、ステップS7で決定したQs(Vm)=Qm(Vm)を用いて、溶接速度vと溶融入力電力Qmとの関係(v-Qm関係)を示す溶融限界データを生成する。例えば、図2に示す溶融限界の線Bは、v-Qm関係を示す。発明者らは、所定の溶接条件においては、溶融限界の線Bは、溶接速度vの0.5乗の項を含む式で近似できるという知見を得ている。すなわち、溶融入力電力Qmの溶接速度vに対する変化率は、溶接速度vの0.5乗となる場合がある。このような場合は、CPDダイヤグラムにおいて、S7で決定したVmにおけるスパッタ発生入力電力Qs(Vm)=Qm(Vm)の点を通り、溶接速度vの0.5乗の傾きを持つ線を、溶融限界の線Bとすることができる。溶融限界データは、例えば、溶融限界の線Bの関数Qm(v)とすることができる。また、溶融限界データは、線B上の複数の点を示す離散値Qm(va1)、Qm(va2)、・・・、Qm(vaN)(Nは整数)とすることができる。
Qm(v)=Qm(Vm)×[(v/Vm)β] (5)
β:定数(例えば、β=0.5)
管理システム100は、操業時すなわち造管時の入力電力の範囲を決定する(S9)。S9では、例えば、S3で生成されたスパッタ発生限界データ、S5で生成された2段収束限界データ及びS8で生成された溶融限界データの少なくとも1つを用いて、操業時の入力電力の範囲を決定することができる。
Ppmax=Qs(v1)×κ1 (6)
Ppmin=Qs(v1)×κ2 (7)
κ1>κ2
又は、Ppmax及びPpminを、例えば、下記式(8)(9)のように設定することで、第1種溶接状態を実現するための操業時の入力電力の範囲を設定することができる。
Ppmax=Qs(v1)×κ3(κ3<1) (8)
Ppmin=Qm(v1)×κ4(κ4>1) (9)
Ppmax=Qw(v1)×κ1 (10)
Ppmin=Qw(v1)×κ2 (11)
Ppmin=Qm(v)×κ5=Qm(v1)×[(v/v1)β]×κ5 (12)
κ5>1.0
また、スパッタ発生限界の線Aを表す関数Qs(v)から、操業中の入力電力の上限の線を示す関数を設定することができる。下記式(13)は、操業中の入力電力の上限線の一例である。
Ppmax=Qs(v)×κ6=Qs(v1)×[(v/v1)α]×κ6 (13)
κ6<1.0
この場合、管理システム100は、操業中の溶接速度vと入力電力Qが、上記式(12)の下限線と、上記式(13)の上限線の間になるように制御することができる。
図7は、表示部104による表示処理の例を示すフローチャートである。表示部104は、入力電力設定処理で決定された、溶融限界データ、スパッタ発生限界データ、2段収束限界データ、臨界溶接速度Vm及び操業時の入力電力の範囲を含むグラフを表示装置15に表示する(S21)。このグラフの横軸は溶接速度、縦軸は入力電力(入熱)を示す。図8は、表示部104により表示されるグラフの一例を示す図である。
造管時の操業条件が、予め設定された操業条件(入力電力と溶接速度)の設定範囲を越えた場合に、その旨を報知する情報を出力することができる。情報の出力は、例えば、表示装置15への表示や、アラーム音又は音声の出力等であってもよい。また、操業条件が設定範囲を越えた状態で溶接された金属管の溶接位置を記録してもよい。溶接位置の記録は、例えば、鋼管に直接ペイントなどマーキング、又は、操業データに情報を記録する等であってもよい。これにより、金属管の溶接情報のトレーサビリティが実現できる。
管理システム100は、操業中の入力電力を、入熱条件設定処理で設定された入力電力の範囲に入るよう制御することができる。例えば、管理システム100は、高周波電源6の電圧及び電流の少なくとも一方を制御して、操業時の入力電力が、入熱条件設定処理(例えば、図6のs7の処理)で決定された入力電力の範囲内になるようにする。例えば、管理システム100は、制御装置14に、予め決められた操業時の溶接速度(例えば、v1)で、鋼板を搬送するよう指令を出す。管理システム100は、入力電力が、溶接速度v1における上限値及び下限値の間になるよう高周波電源6の電圧を制御する。溶接速度v1における上限値及び下限値は、入熱条件設定処理で決定された入力電力の範囲によって示される。
図11は、入熱条件設定処理の変形例を示すフローチャートである。図11に示す例では、S31において、溶接速度v1で、入力電力を変化させながら鋼板の試し溶接を行う。本例では、試し溶接における溶接速度v1は、操業時の溶接速度v2と異なる。また、溶接速度v1は、臨界溶接速度Vmより小さい(v1<Vm)。試し溶接で造られる鋼管は、出荷可能な製品とならないため、なるべく少ない事が好ましい。試し溶接における溶接速度を、操業時の溶接速度より小さくできれば、試し溶接でできる鋼管を少なくできる。そこで、本変形例では、操業時の溶接速度より小さい速度で試し溶接をして操業時の入力電力を決定する構成としている。
図11のステップS31の溶接状態の監視において、管理システム100は、溶接状態の変化を検出すると、検出した溶接状態の変化に基づいて、v1における溶融入力電力Qm(v1)を決定する(S32)。管理システム100は、例えば、溶接状態が第1種溶接状態から第2種溶接状態に変化したことを検出した時の入力電力を、溶融入力電力Qm(v1)に決定することができる。
S33において、管理システム100は、ステップS32で決定したQm(v1)を用いて、溶接速度vと溶融入力電力Qmとの関係(v-Qm関係)を示すデータを生成する。例えば、図12に示す溶融限界の線Bが、v-Qm関係を示す。溶融限界の線Bは、例えば、溶接速度vの0.5乗の項を含む式で近似できる(一例として、上記式(4)参照)。この場合、CPDダイヤグラムにおいて、S32で決定した溶融入力電力Qm(v1)の点を通り、溶接速度vの0.5乗の傾きを持つ線を、溶融限界の線Bとすることができる。v-Qm関係を示す溶融限界データは、例えば、溶融限界の線Bの関数Qm(v)とすることができる。本実施形態では、一例として、v-Qm関係を示すデータとして、下記式で示す関数Qm(v)が生成されるものとする。
Qm(v)=Qm(v1)×[(v/v1)β]
β:定数(例えば、β=0.5)
S34において、管理システム100は、臨界溶接速度Vmを取得する。S34の処理は、図6のS6の処理と同様とすることができる。
管理システム100は、S33で生成したv-Qm線上においてv=Vmにおける溶融入力電力Qm(Vm)を、Vmにおけるスパッタ発生入力電力Qs(Vm)として算出する(S35)。例えば、管理システム100は、S33で生成したvとQmの関係を示す線と、S34で取得したVmとを用いて、VmにおけるQm(Vm)を算出する。
Qm(Vm)=Qm(v1)×[(Vm/v1)β]=Qs(Vm) (14)
ステップS36において、管理システム100は、ステップS35で決定したQs(Vm)を用いて、溶接速度vとスパッタ発生入力電力Qsとの関係(v-Qs関係)を示すスパッタ発生限界データを生成する。例えば、図12に示すスパッタ発生限界の線Aは、v-Qs関係を示す。所定の溶接条件においては、スパッタ発生限界の線Aは、溶接速度vの0.6乗の項を含む式で近似できる(一例として、上記式(1)参照)。このような場合は、CPDダイヤグラムにおいて、S35で決定したVmにおけるスパッタ発生入力電力Qs(Vm)=Qm(Vm)の点を通り、溶接速度vの0.6乗の傾きを持つ線を、スパッタ発生限界の線Aとすることができる。v-Qs関係を示すスパッタ発生限界データは、例えば、スパッタ発生限界の線Aの関数Qs(v)とすることができる。本実施形態では、一例として、v-Qs関係を示すデータとして、下記式で示す関数Qs(v)が生成されるものとする。
Qs(v)=Qs(Vm)×[(v/Vm)α]
α:定数(例えば、α=0.6)
S37において、管理システムは、S37で生成されたv-Qm関係(図12に示す溶融限界の線B)を示すデータを用いて、溶接速度v2における溶融入力電力Qm(v2)を算出する。例えば、溶融限界の線Bを表す関数Qm(v)に、v=v2を代入することにより、Qm(v2)を算出することができる。溶接速度v2は、操業時の溶接速度とすることができる。本実施形態では、一例として、Qm(v2)は下記式(15)のようになる。
Qm(v2)=Qm(v1)×[(v2/v1)β] (15)
S38において、管理システムは、S6で生成されたv-Qs関係(図12に示すスパッタ発生限界の線A)を示すデータを用いて、溶接速度v2におけるスパッタ発生入力電力Qs(v2)を算出する。例えば、スパッタ発生限界の線Aを表す関数Qs(v)に、v=v2を代入することにより、Qs(v2)を算出することができる。本実施形態では、一例として、Qs(v2)は下記式(16)のようになる。
Qs(v2)=Qs(Vm)×[(v2/Vm)α] (16)
管理システム100は、S37で算出されたQm(v2)及びS38で算出されたQs(v2)の少なくとも一方を用いて、操業時の入力電力の範囲を決定する(S39)。例えば、管理システム100は、v2がVmより大きい場合、操業時の入力電力Qoの範囲を、Qm(v2)<Qo<Qs(v2)とすることができる。これにより、操業時の入力電力Qoが、図12に示すCPDダイヤグラムにおける線Aと線Bの領域に対応する範囲、すなわち、第1種溶接状態を実現できる範囲になるよう制御することができる。また、この場合、操業時の溶接速度v2より小さい溶接速度v1で入力電力を変化させる試し溶接が可能である。そのため、試し溶接により造られる無駄な鋼管を少なくすることができる。
Qmin=Qm(v)×κ5=Qm(v1)×[(v/v1)β]×κ5 (17)
κ5>1.0
また、スパッタ発生限界の線Aを表す関数Qs(v)から、操業中の入力電力の上限の線を示す関数を設定することができる。下記式(18)は、操業中の入力電力の上限線の一例である。
Qmax=Qs(v)×κ5=Qs(Vm)×[(v/Vm)α]×κ6 (18)
κ6<1.0
この場合、管理システム100は、操業中の溶接速度vと入力電力Qoが、上記式(17)の下限線と(18)で示される上限線の間になるように制御することができる。
上記例では、第1溶接速度v1で鋼板を搬送しながら、衝合部に供給する入力電力を変化させて、溶融入力電力Qm(v1)又はスパッタ発生入力電力Qs(v1)を決定している(図6のS2、図12のS32参照)。これらの処理の代わりに、予め保存されている値を補正することで、溶融入力電力Qm(v1)又はスパッタ発生入力電力Qs(v1)を決定することもできる。これにより、溶接速度v1での試し溶接を省略することができる。
上記例では、溶接速度v1で入力電力を徐々に増加させて試し溶接を行う。この溶接速度v1の試し溶接により、溶融限界データ(v-Qm線)、スパッタ発生限界データ(v-Qs線)、及び2段収束限界データ(v-Qw線)が求められる。試し溶接は、少なくとも2つの異なる溶接速度で行われてもよい。すなわち、少なくとも2つの速度v11、v12で、それぞれ入力電力を徐々に増加させつつ、溶融入力電力Qm(v11)、Qm(v12)、スパッタ発生入力電力Qs(v11)、Qs(v12)、及び、2段収束入力電力Qw(v11)、Qw(v12)を求めてもよい。2つの速度v11、v12は、Vm未満(v11<Vm)とVm以上(v12≧Vm)とすることができる。例えば、Vm未満の溶接速度v11(v11<Vm)の試し溶接で、Qm(v11)を求めてv-Qm線を算出し、Vm以上の溶接速度v12(v12≧Vm)の試し溶接で、Qs(v12)、Qw(v12)を求めてv―Qs線、v-Qw線を算出してもよい。
従来、2段収束型第2種溶接状態と第2種溶接現象との境界線(すなわち、CPDダイヤグラムにおける2段収束限界データ:線C)は、入熱と造管速度の関係が明らかにされていなかった。そのため、CPDダイヤグラムに、線Cを描画することはできなかった。発明者らは、造管工場で試験を行い、線Cは、溶接速度のべき乗(例えば、0.7乗)で表すことができることを見いだした。この知見により、造管中のラインにおいて、線A、線Bに加えて新たに線Cを算出し、より高精度のCPDダイヤグラムを表示することが可能なった。これにより、高品質の電縫鋼管の製造が可能となる。
3a、3b コンタクトチップ
4 インピーダー
5 撮像装置
6 高周波電源
100 管理システム
101 溶接状態変化点決定部
102 限界データ生成部
103 臨界溶接速度決定部
104 表示部
Claims (20)
- 金属板を搬送方向に搬送して円筒状に成形しつつ、前記金属板の周方向の両端を、径方向外側から見てV字状になるよう突き合わせて接触させ、前記両端が接触する衝合部に交流電流を流すことにより溶融金属を形成して溶接する金属管の製造方法であって、
第1溶接速度v1で前記金属板を搬送する時に前記衝合部における前記金属板の両端の端面が全面に渡って溶融するのに必要な最低入力電力である溶融入力電力Qm(v1)、
第1溶接速度v1で前記金属板を搬送する時に前記衝合部にスリットが発生するのに必要な最低入力電力であるスパッタ発生入力電力Qs(v1)、及び、
第1溶接速度v1で前記金属板を搬送する時に前記衝合部に2段収束型形状が発生するのに必要な最低入力電力である2段収束入力電力Qw(v1)のうち、少なくとも1つを決定する工程と、
前記第1溶接速度v1における前記溶融入力電力Qm(v1)を用いて、前記金属板の前記両端の端面を全面に渡って溶融するのに必要な最低入力電力である溶融入力電力Qmと溶接速度vとの関係を示す溶融限界データを生成する処理、
前記第1溶接速度v1における前記スパッタ発生入力電力Qs(v1)を用いて、前記衝合部にスリットが発生するのに必要な最低入力電力であるスパッタ発生入力電力Qsと溶接速度vとの関係を示すスパッタ発生限界データを生成する処理、及び、
前記第1溶接速度v1における前記2段収束入力電力Qw(v1)を用いて、前記衝合部に2段収束型形状が発生するのに必要な最低入力電力である2段収束入力電力Qwと溶接速度vとの関係を示す2段収束限界データを生成する処理のうち、少なくとも1つを実行する工程と、
前記溶融限界データ、前記スパッタ発生限界データ、及び、前記2段収束限界データのうち少なくとも1つと、造管時の現入力電力及び現溶接速度とを、同時に視認可能な状態で表示装置に表示する工程とを有する、金属管の製造方法。 - 前記溶融限界データは、前記溶融入力電力Qmを溶接速度vで表す式Qm(v)であって、溶接速度vのべき乗βの項vβ(β:定数)を含む式Qm(v)を含むか、又は、
前記スパッタ発生限界データは、前記スパッタ発生入力電力Qsを溶接速度vで表す式Qs(v)であって、溶接速度vのべき乗αの項vα(α:定数)を含む式Qs(v)を含むか、又は、
前記2段収束限界データは、前記2段収束入力電力Qwを溶接速度vで表す式Qw(v)であって、溶接速度vのべき乗γの項vγ(γ:定数)を含む式Qw(v)を含む、請求項1に記載の金属管の製造方法。 - 前記溶融入力電力Qmを溶接速度vで表す式Qm(v)における前記溶接速度vのべき乗βは、0.4≦β≦0.7であるか、又は、
前記スパッタ発生入力電力Qsを溶接速度vで表す式Qs(v)における前記溶接速度vのべき乗αは、0.5≦α≦0.9であるか、又は、
前記2段収束入力電力Qwを表す式Qw(v)における前記溶接速度vのべき乗γは、0.6≦γ≦1.0である、請求項2に記載の金属管の製造方法。 - 前記式Qm(v)は、下記式によって決定されるか、又は、
Qm(v)=Qm(v1)×[(v/v1)β]
前記式Qs(v)は、下記式によって決定されるか、又は、
Qs(v)=Qs(v1)×[(v/v1)α]
前記式Qw(v)は、下記式によって決定される、
Qw(v)=Qw(v1)×[(v/v1)γ]
請求項2又は3に記載の金属管の製造方法。 - 前記第1溶接速度v1における溶融入力電力Qm(v1)、前記第1溶接速度v1におけるスパッタ発生入力電力Qs(v1)及び前記第1溶接速度v1における2段収束入力電力Qw(v1)をいずれも決定し、
前記溶融限界データ、前記スパッタ発生限界データ、及び前記2段収束限界データを生成し、
前記べき乗α、β、γは、γ>α>βである、請求項2に記載の金属管の製造方法。 - 前記第1溶接速度v1で前記金属板を搬送しながら、前記衝合部に供給する入力電力を変化させて、前記第1溶接速度v1における溶融入力電力Qm(v1)、前記第1溶接速度v1におけるスパッタ発生入力電力Qs(v1)、又は、前記2段収束入力電力Qw(v1)を決定する、請求項1~5のいずれか1項に記載の金属管の製造方法。
- 前記第1溶接速度v1で前記金属板を搬送しながら、前記衝合部に供給する入力電力を変化させて、前記衝合部を、前記金属板の径方向外側から撮影した画像を用いて、前記衝合部における前記金属板の両端の端面が全面に渡って溶融しているか否かを判断することで、前記第1溶接速度v1における溶融入力電力Qm(v1)を決定する、請求項6に記載の金属管の製造方法。
- 前記第1溶接速度v1で前記金属板を搬送しながら、前記衝合部に供給する入力電力を変化させて、前記衝合部を、前記金属板の径方向外側から撮影した画像を用いて、前記衝合部にスリットが発生しているか否かを判断することで、前記第1溶接速度v1におけるスパッタ発生入力電力Qs(v1)を決定する、請求項6又は7に記載の金属管の製造方法。
- 前記第1溶接速度v1で前記金属板を搬送しながら、前記衝合部に供給する入力電力を変化させて、前記衝合部を、前記金属板の径方向外側から撮影した画像を用いて、前記衝合部に2段収束型形状が発生しているか否かを判断することで、前記第1溶接速度v1における2段収束入力電力Qw(v1)を決定する、請求項6~8のいずれか1項に記載の金属管の製造方法。
- 予め保存されている値を補正することで、前記第1溶接速度v1における溶融入力電力Qm(v1)、前記第1溶接速度v1におけるスパッタ発生入力電力Qs(v1)、又は、前記第1溶接速度v1における2段収束入力電力Qw(v1)を決定する、請求項1~5のいずれか1項に記載の金属管の製造方法。
- 溶接条件に基づいて、前記金属板の前記溶融入力電力Qmと、前記スパッタ発生入力電力Qsとが同じになる臨界溶接速度Vmを決定する工程をさらに有し、
前記溶融限界データ又は前記スパッタ発生限界データに加えて、前記臨界溶接速度Vmを、造管時の現入力電力及び現溶接速度と同時に視認可能な状態で表示装置に表示する、請求項1~10のいずれか1項に記載の金属管の製造方法。 - 前記スパッタ発生限界データを用いて、前記臨界溶接速度Vmにおけるスパッタ発生入力電力Qs(Vm)すなわち前記臨界溶接速度Vmにおける溶融入力電力Qm(Vm)を決定する工程と、
前記臨界溶接速度Vmにおける溶融入力電力Qm(Vm)を用いて、前記溶融入力電力Qmと、溶接速度vとの関係を示す溶融限界データを生成する工程と、をさらに有する、請求項11に記載の金属管の製造方法。 - 前記溶融限界データは、前記溶融入力電力Qmを溶接速度vで表す式Qm(v)であって、溶接速度vのべき乗の項を含む式Qm(v)を含み、Qm(v)は、下記式によって決定される、請求項12に記載の金属管の製造方法。
Qm(v)=Qm(Vm)×[(v/Vm)β] - 前記溶融限界データを用いて、前記臨界溶接速度Vmにおける溶融入力電力Qm(Vm)すなわち前記臨界溶接速度Vmにおけるスパッタ発生入力電力Qs(Vm)を決定する工程と、
前記臨界溶接速度Vmにおけるスパッタ発生入力電力Qs(Vm)を用いて、前記スパッタ発生入力電力Qsと、溶接速度vとの関係を示すスパッタ発生限界データを生成する工程と、をさらに有する、請求項11に記載の金属管の製造方法。 - 前記スパッタ発生限界データは、前記スパッタ発生入力電力Qsを溶接速度vで表す式Qs(v)であって、溶接速度vのべき乗の項を含む式Qs(v)を含み、Qs(v)は、下記式によって決定される、請求項14に記載の金属管の製造方法。
Qs(v)=Qs(Vm)×[(v/Vm)α] - 前記2段収束限界データ、前記溶融限界データ及び前記スパッタ発生限界データの少なくとも1つを用いて、造管時の入力電力の範囲を決定し、前記表示装置に表示する、請求項1~15のいずれか1項に記載の金属管の製造方法。
- 前記2段収束限界データ、前記溶融限界データ及び前記スパッタ発生限界データの少なくとも1つを用いて、造管時の入力電力の範囲を決定し、造管時の入力電力を、前記決定した範囲内になるよう制御する、請求項1~16のいずれか1項に記載の金属管の製造方法。
- 前記溶融限界データを用いて、第2溶接速度v2で溶接する場合に金属板の両端の端面を全面に渡って溶融するのに必要な最低入力電力である溶融入力電力Qm(v2)を、第1基準値として算出するか、
前記スパッタ発生限界データを用いて、前記第2溶接速度v2で溶接する場合に前記衝合部にスリットが発生するのに必要な最低入力電力であるスパッタ発生入力電力Qs(v2)を第2基準値として算出するか、又は、
前記2段収束限界データを用いて、前記第2溶接速度v2で溶接する場合に衝合部に2段収束型形状が発生するのに必要な最低入力電力である2段収束入力電力Qw(v2)を、第3基準値として算出する工程と、
前記第1基準値Qm(v2)、前記第2基準値Qs(v2)及び前記第3基準値Qw(v2)の少なくとも1つを用いて、造管時の入力電力の範囲を決定する工程と、
前記第2溶接速度v2で前記金属板を搬送しながら、前記衝合部に、前記決定した範囲の入力電力を供給して前記溶接を行う工程と、をさらに有する、請求項17に記載の金属管の製造方法。 - 金属板を搬送方向に搬送して円筒状に成形しつつ、前記金属板の周方向の両端を、径方向外側から見てV字状になるよう突き合わせて接触させ、前記両端が接触する衝合部に交流電流を流すことにより溶融金属を形成して溶接する金属管の製造装置であって、
第1溶接速度v1で前記金属板を搬送する時に前記衝合部における前記金属板の両端の端面が全面に渡って溶融するのに必要な最低入力電力である溶融入力電力Qm(v1)、
第1溶接速度v1で前記金属板を搬送する時に前記衝合部にスリットが発生するのに必要な最低入力電力であるスパッタ発生入力電力Qs(v1)、及び、
第1溶接速度v1で前記金属板を搬送する時に前記衝合部に2段収束型形状が発生するのに必要な最低入力電力である2段収束入力電力Qw(v1)のうち、少なくとも1つを決定する溶接状態変化点決定部と、
前記第1溶接速度v1における前記溶融入力電力Qm(v1)を用いて、前記金属板の前記両端の端面を全面に渡って溶融するのに必要な最低入力電力である溶融入力電力Qmと溶接速度vとの関係を示す溶融限界データを生成する処理、
前記第1溶接速度v1における前記スパッタ発生入力電力Qs(v1)を用いて、前記衝合部にスリットが発生するのに必要な最低入力電力であるスパッタ発生入力電力Qsと溶接速度vとの関係を示すスパッタ発生限界データを生成する処理、及び、
前記第1溶接速度v1における前記2段収束入力電力Qw(v1)を用いて、前記衝合部に2段収束型形状が発生するのに必要な最低入力電力である2段収束入力電力Qwと溶接速度vとの関係を示す2段収束限界データを生成する処理のうち少なくとも1つを実行する限界データ生成部と、
前記溶融限界データ、前記スパッタ発生限界データ、及び、前記2段収束限界データのうち少なくとも1つと、造管時の現入力電力及び現溶接速度とを、同時に視認可能な状態で表示装置に表示する表示部とを備える、金属管の製造装置。 - 金属板を搬送方向に搬送して円筒状に成形しつつ、前記金属板の周方向の両端を、径方向外側から見てV字状になるよう突き合わせて接触させ、前記両端が接触する衝合部に交流電流を流すことにより溶融金属を形成して溶接する金属管の製造に用いられるプログラムであって、
第1溶接速度v1で前記金属板を搬送する時に前記衝合部における前記金属板の両端の端面が全面に渡って溶融するのに必要な最低入力電力である溶融入力電力Qm(v1)、
第1溶接速度v1で前記金属板を搬送する時に前記衝合部にスリットが発生するのに必要な最低入力電力であるスパッタ発生入力電力Qs(v1)、及び、
第1溶接速度v1で前記金属板を搬送する時に前記衝合部に2段収束型形状が発生するのに必要な最低入力電力である2段収束入力電力Qw(v1)のうち、少なくとも1つを決定する処理と、
前記第1溶接速度v1における前記溶融入力電力Qm(v1)を用いて、前記金属板の前記両端の端面を全面に渡って溶融するのに必要な最低入力電力である溶融入力電力Qmと溶接速度vとの関係を示す溶融限界データを生成する処理、
前記第1溶接速度v1における前記スパッタ発生入力電力Qs(v1)を用いて、前記衝合部にスリットが発生するのに必要な最低入力電力であるスパッタ発生入力電力Qsと溶接速度vとの関係を示すスパッタ発生限界データを生成する処理、及び、
前記第1溶接速度v1における前記2段収束入力電力Qw(v1)を用いて、前記衝合部に2段収束型形状が発生するのに必要な最低入力電力である2段収束入力電力Qwと溶接速度vとの関係を示す2段収束限界データを生成する処理のうち少なくとも1つの処理と、
前記溶融限界データ、前記スパッタ発生限界データ、及び、前記2段収束限界データのうち少なくとも1つと、造管時の現入力電力及び現溶接速度とを、同時に視認可能な状態で表示装置に表示する処理とをコンピュータに実行させる、プログラム。
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