JPWO2013146609A1 - アセトニトリルの精製方法 - Google Patents

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Abstract

アンモ酸化反応により生成した水を含有するアセトニトリルにアルカリを加えて反応させた後、反応混合物を第一の蒸留塔に供給し、得られた留出液をさらにアルカリと混合したものをアセトニトリル相と水相とに分離した後、前記水相を除去し、前記アセトニトリル相を第二の蒸留塔に供給する工程を含むアセトニトリルの精製方法であって、前記第二の蒸留塔からの留出蒸気を前記第一の蒸留塔のリボイラーの熱源とするアセトニトリルの精製方法。

Description

本発明は、アセトニトリルの精製方法に関する。
現在、一般に市販されているアセトニトリルは、主に、プロピレン又はイソブテンとアンモニア及び酸素との接触的アンモ酸化反応によってアクリロニトリル又はメタクリロニトリルを製造する際に副生成物として得られる粗アセトニトリルを回収、精製したものである。
アセトニトリルは、化学反応用の溶媒、特には医薬中間体の合成や精製における溶媒や、高速液体クロマトグラフィーの移動層溶媒などに用いられている。また、最近はDNA合成・精製溶媒、有機EL材料合成用溶媒、電子部品の洗浄溶剤などにも用いられるようになってきており、そうした用途の場合、特に高純度に精製されることが要求されてきている。
アクリロニトリル又はメタクリロニトリルを製造する際に副生成物として得られる粗アセトニトリルには、アリルアルコールやオキサゾール、水、アセトン、青酸、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、プロピオニトリル、cis−及びtrans−クロトンニトリル、アクリル酸、アクリル酸メチル、メタクリル酸、メタクリル酸メチル、酢酸、アクロレイン、メタクロレイン、アセトン、アンモニア等の不純物や、分析不能な不純物等が含まれている。
現在までに、プロピレン又はイソブテンとアンモニア及び酸素との接触的アンモ酸化反応によってアクリロニトリル又はメタクリロニトリルを製造する際に副生成物として得られる粗アセトニトリルを回収、精製するための方法が提案されている。
特許文献1には、含水アセトニトリルに、その中に存在する水を抽出するのに十分な量のアルカリを加えて混合し、次いで分離した水性相を除去するアセトニトリルの脱水方法が開示されている。また、特許文献2には、アセトニトリルの増産に関して記載されており、アンモオキシデーションにより不飽和ニトリル及びアセトニトリルを製造する際に、反応系にアセトン又はエチルアルコール若しくはその両者を共存させる方法が開示されている。
特開昭55−153757号公報 特開平03−246269号公報
特許文献1又は2に記載された方法によると、高純度なアセトニトリルを製造することは可能であるものの、高純度にするために複数の処理工程を経由する必要があるために、多くの設備を必要とする。その結果、精製に必要なエネルギー消費量(例えば、蒸留塔の加熱のための蒸気、塔頂流の冷却水を生成するためのエネルギー)が増え、コストが大きく増加する。ここで、廃熱の利用等、一般的に行われるエネルギー消費量を減らすための方策をアセトニトリル精製プロセスに単純に適用する場合、熱の授受を行う装置に温度や圧力の変動などの乱れが発生し、精製流中の不純物濃度が上昇したり、品質が安定しないなどの支障をきたし、高純度なアセトニトリルを必要とするユーザーに供給できないという問題が生じている。従って、エネルギー消費量が少なく、高純度のアセトニトリルを精製できる方法が望まれているのが現状である。
上記事情に鑑み、本発明は、エネルギー消費量の少ないプロセスにより、高純度のアセトニトリルを精製する方法を提供することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決するために鋭意研究を重ねた結果、アンモ酸化法によりアクリロニトリル又はメタクリロニトリルを製造する工程で回収される粗アセトニトリルを2つ以上の蒸留塔を用いて精製する方法において、第二の蒸留塔の塔頂流を第一の蒸留塔のリボイラーの熱源として利用可能であることを発見した。そして、この熱源利用により、精製に用いられるエネルギー消費量の少ないプロセスを提供可能であることを見出し、本発明を完成させた。
即ち、本発明は、以下のとおりである。
[1]
アンモ酸化反応により生成した、水を含有するアセトニトリルにアルカリを加えて反応させた後、反応混合物を第一の蒸留塔に供給し、得られた留出液をさらにアルカリと混合したものをアセトニトリル相と水相とに分離した後、前記水相を除去し、前記アセトニトリル相を第二の蒸留塔に供給する工程を含むアセトニトリルの精製方法であって、
前記第二の蒸留塔からの留出蒸気を前記第一の蒸留塔のリボイラーの熱源とするアセトニトリルの精製方法。
[2]
前記留出蒸気の一部を前記リボイラーに供給し、残部を前記第二の蒸留塔に接続されたコンデンサーに供給する、上記[1]記載のアセトニトリルの精製方法。
[3]
前記第一の蒸留塔のリボイラー圧力(留出蒸気側、ゲージ圧)及び前記第二の蒸留塔の塔頂圧力(ゲージ圧)を基準として、前記リボイラーへの前記留出蒸気の供給量を決定する、上記[1]又は[2]記載のアセトニトリルの精製方法。
[4]
前記第一の蒸留塔のリボイラー圧力を、前記第二の蒸留塔の塔頂圧力の0.90倍以下にする、上記[3]記載のアセトニトリルの精製方法。
[5]
反応槽、第一の蒸留塔、脱水塔、及び第二の蒸留塔がこの順に設けられており、
水を含有するアセトニトリルとアルカリが前記反応槽で反応した後、反応混合物が第一の蒸留塔に流入され、前記第一の蒸留塔の留出液は前記脱水塔に流入され、前記脱水塔で得られるアセトニトリル相が第二の蒸留塔に流入されるようになっており、
前記第二の蒸留塔の留出蒸気が、前記第一の蒸留塔のリボイラーの熱源とされるアセトニトリルの精製装置。
[6]
前記留出蒸気の一部が前記リボイラーに供給され、残部は前記第二の蒸留塔に接続されたコンデンサーに供給される、上記[5]記載のアセトニトリルの精製装置。
[7]
前記第一の蒸留塔のリボイラー圧力(留出蒸気側、ゲージ圧)及び前記第二の蒸留塔の塔頂圧力(ゲージ圧)を基準として、前記リボイラーへの前記留出蒸気の供給量が決定される、上記[5]又は[6]記載のアセトニトリルの精製装置。
[8]
前記第一の蒸留塔のリボイラー圧力が、前記第二の蒸留塔の塔頂圧力の0.90倍以下である、上記[7]記載のアセトニトリルの精製装置。
本発明のアセトニトリルの精製方法により、エネルギー消費量の少ないプロセスで、高純度のアセトニトリルを精製することができる。
本実施形態におけるアセトニトリル製造装置の概略図の一例を示す。 製品塔の塔頂から留出する蒸気の少なくとも一部を高沸分離塔のリボイラーに熱源として供給する装置の概略図を示す。 低沸分離塔の塔頂から留出する蒸気の少なくとも一部を高沸分離塔のリボイラーに熱源として供給する装置の概略図を示す。 低沸分離塔の塔底液の少なくとも一部を高沸分離塔のリボイラーに熱源として供給する装置の概略図を示す。
以下、本発明を実施するための形態(以下、単に「本実施形態」という。)について詳細に説明する。以下の本実施形態は、本発明を説明するための例示であり、本発明を以下の内容に限定する趣旨ではない。本発明は、その要旨の範囲内で適宜に変形して実施できる。なお、図面中、同一要素には同一符号を付すこととし、重複する説明は省略する。また、上下左右等の位置関係は、特に断らない限り、図面に示す位置関係に基づくものとする。装置や部材の寸法比率は図示の比率に限られるものではない。
本実施形態におけるアセトニトリルの精製方法は、
アンモ酸化反応により生成した、水を含有するアセトニトリルにアルカリを加えて反応させた後、反応混合物を第一の蒸留塔に供給し、得られた留出液をさらにアルカリと混合したものをアセトニトリル相と水相とに分離した後、前記水相を除去し、前記アセトニトリル相を第二の蒸留塔に供給する工程を含むアセトニトリルの精製方法であって、
前記第二の蒸留塔からの留出蒸気を前記第一の蒸留塔のリボイラーの熱源とするアセトニトリルの精製方法である。
本実施形態におけるアセトニトリルの精製方法は、例えば、以下のアセトニトリルの精製装置を用いて実施することができる。
反応槽、第一の蒸留塔、脱水塔、及び第二の蒸留塔がこの順に設けられており、
水を含有するアセトニトリルとアルカリが前記反応槽で反応した後、反応混合物が第一の蒸留塔に流入され、前記第一の蒸留塔の留出液は前記脱水塔に流入され、前記脱水塔で得られるアセトニトリル相が第二の蒸留塔に流入されるようになっており、
前記第二の蒸留塔の留出蒸気が、前記第一の蒸留塔のリボイラーの熱源とされるアセトニトリルの精製装置。
図1は、本実施形態におけるアセトニトリルの精製装置の概略図の一例を示す。図1に示す装置は、粗アセトニトリルが導入される濃縮塔1を有し、濃縮塔1に反応槽2を介して高沸分離塔3、脱水塔4、低沸分離塔5及び製品塔6がこの順に接続されている。
粗アセトニトリルは、プロピレン、プロパン、イソブテン、イソブタンから接触的アンモ酸化反応によってアクリロニトリル又はメタクリロニトリルを製造する際に、副生成物として得られる。一般的には、アンモ酸化反応の生成物を抽出蒸留し、アクリロニトリル又はメタクリロニトリルを主成分として含む留分とは別の留分として、粗アセトニトリルが回収される。ここで、粗アセトニトリルとは、アンモ酸化反応の生成物を抽出蒸留することにより得られる留分のうち、アセトニトリルの含有量が最も高いものを示す。粗アセトニトリルは、一般的には大部分のアクリロニトリルを回収する蒸留塔から分離され、通常、5〜40質量%のアセトニトリル、50〜95質量%の水の他、シアン化水素、アリルアルコール、オキサゾール、プロピオニトリル、アンモニア等の多くの種類の不純物を含む。
粗アセトニトリルは、ライン7からアセトニトリル濃縮塔1の中段に送られる。アセトニトリル濃縮塔1は、直立の蒸留塔であり、塔底にリボイラー(図示せず)、塔頂にコンデンサー(図示せず)を有している。塔頂部(ライン8)よりシアン化水素を、塔底部(ライン9)より水を除去しながら、塔中間部(ライン10)から濃縮したガス状のアセトニトリル(以下、「濃縮アセトニトリル」ともいう。)を抜き出す。ライン10にはサイドカットコンデンサー(図示せず)が備わっており、そのサイドカットコンデンサーによりガス状の濃縮アセトニトリルを凝縮するようになっている。サイドカットコンデンサーから流出した液状の濃縮アセトニトリルは反応槽2に流入する。濃縮塔1から反応槽2に供給される濃縮アセトニトリル中のアセトニトリル濃度は、通常50〜70質量%であり、その他に水25〜70質量%、シアン化水素、アリルアルコール等その他の不純物を含んでいる。
反応槽2には、ライン11よりアルカリ水溶液、例えば、水酸化ナトリウム水溶液や水酸化カリウム水溶液を加え、濃縮アセトニトリル中に不純物として含まれるアクリロニトリルやシアン化水素をスクシノニトリルやダイマー等の重合物に変える。重合反応を十分に進行させる観点から、反応槽2の温度は20〜80℃であることが好ましく、より好ましくは60〜75℃で1〜15時間、更に好ましくは60〜75℃で3〜10時間反応させる。
反応槽2より流出する液を、ライン12を通じて、高沸分離塔3に送る。高沸物の分離の観点で、高沸分離塔3は、減圧蒸留塔であるのが好ましい。高沸分離塔3の塔頂よりアセトニトリルを水との共沸組成混合物、あるいはそれに近い組成混合物として回収し、図示していないコンデンサーで液化させる。凝縮液の一部は、図示していないラインで高沸分離塔3に還流し、残部はライン14より、脱水塔4に送る。塔底のライン13より反応槽2で生成したスクシノニトリルやダイマー等の重合物、アルカリ、アリルアルコール、プロピオニトリル、水及び少量のアセトニトリルを分離し、廃水処理設備等に送る。塔底には、蒸留に必要な熱を与えるリボイラー(図示せず)が設置されており、蒸留に必要な熱を供給する。高沸分離塔3では、アリルアルコール及びプロピオニトリルの安定的な分離除去のため、蒸留に必要な熱量を一定かつ安定に供給することが重要である。アリルアルコール及びプロピオニトリルは、特に分離が難しく、高沸分離塔3にて可能な限り分離除去しておくことが好ましい。
高沸分離塔3の圧力は、アリルアルコール及びプロピオニトリル等の高沸物の分離の観点及び反応槽2で生成したスクシノニトリルやダイマー等の分解を抑制する観点から、絶対圧で80〜300mmHgであることが好ましく、より好ましくは100〜250mmHgである。圧力を上記範囲に設定した場合、塔底部温度は、45〜65℃であることが好ましく、より好ましくは50〜60℃であり、塔頂部温度は、35〜60℃であることが好ましく、より好ましくは40〜50℃である。
脱水塔4には、高沸分離塔3の塔頂流に加え、その中に存在する水を抽出するのに十分な量のアルカリをライン15より加えて混合し、次いで分離した水相をライン16より除去することによって、ライン17からアセトニトリル相を得る。アルカリとしては水酸化ナトリウム及び/又は水酸化カリウムの水溶液や固形物を用いることが好ましく、より好ましくはそれらの水溶液である。
脱水塔4における抽出温度は、好ましくは5℃〜60℃、より好ましくは10℃〜35℃である。ここで、抽出温度とは、脱水塔4内の温度のことを示し、より具体的には、脱水塔4内の、高沸分離塔3の塔頂液フィード位置からアルカリフィード位置の内部液の温度を示す。
アルカリの使用量は、アセトニトリル中の含有水分によって変わるが、通常はアセトニトリル中の含有水分に対して10〜90質量%、好ましくは30〜60質量%の範囲である。アルカリによって水分を抽出する方法により、アセトニトリル中の水分の量を好ましくは10質量%以下、より好ましくは3質量%以下にする。
脱水後、アセトニトリルに比べて低沸点の化合物及び高沸点の化合物を分離除去するために、2本以上の蒸留塔を用いることが好ましい。具体的には、まず低沸分離塔5で塔頂からライン18を通じて低沸点化合物を分離除去し、低沸分離塔5の塔底液をライン19を通じて製品塔6に送った後、製品塔6で高沸点化合物を塔底からライン20を通じて分離し、塔頂のライン21から精製したアセトニトリルを得ることが好ましい。
低沸分離塔5及び製品塔6において、還流比や低沸点化合物及び高沸点化合物の抜き出し量は、目的に合う精製度になるように適宜決定することができる。目的とする精製度にもよるが、低沸分離塔5及び製品塔6の還流比は1〜50とするのが好ましく、より好ましくは2〜30である。還流比は蒸留塔に還流される質量を蒸留塔外に排出される質量で割った値として定義される。還流比は、蒸留による不純物の分離除去を効率よく行う観点から、定められた値を運転中安定的に保持することが、高純度のアセトニトリルを精製する上で好適である。低沸分離塔5及び製品塔6の塔頂圧力は、エネルギー効率及び不純物分離の観点から、常圧付近に設定される。塔頂圧力の下限は、絶対圧で0.090MPa以上であることが好ましく、より好ましくは0.095MPa以上、更に好ましくは0.100MPa以上であり、上限は、絶対圧で0.180MPa以下であることが好ましく、より好ましくは0.150MPa以下、更に好ましくは0.130MPa以下である。塔頂圧力を上記好ましい範囲に設定した場合、低沸分離塔5及び製品塔6の塔底温度は80〜95℃であることが好ましく、より好ましくは80〜88℃であり、塔頂温度は70〜90℃であることが好ましく、より好ましくは70〜85℃である。
本実施形態における精製方法においては、製品塔6及び/又は低沸分離塔5の塔頂から留出する蒸気の少なくとも一部を高沸分離塔3のリボイラーに熱源として供給する。
図2は、製品塔6の塔頂から留出する蒸気の少なくとも一部を高沸分離塔3のリボイラー3bに熱源として供給する装置の概略図を示す。図2に示す例では、リボイラー3bはシェルチューブ型であって、製品塔6の塔頂からの留出蒸気はシェル側に供給され、チューブ側を流通する高沸分離塔3の塔底液を加熱する。高沸分離塔3には複数のリボイラー(3a及び3b)が設けられており、製品塔6の留出蒸気は、当該蒸気専用の高沸分離塔3のリボイラー3bに導入され、他方のリボイラー3aには別の熱源が供給されるのが好ましい。高沸分離塔3の塔底液と熱交換が行われ、高沸分離塔3のリボイラーから排出される蒸気ドレンは、必要に応じてコンデンサーなどの熱交換器を通過し、水等で冷却後、製品塔6に還流及び/又は抜き出される。
図3は、低沸分離塔5の塔頂から留出する蒸気の少なくとも一部を高沸分離塔3のリボイラー3cに熱源として供給する装置の概略図を示す。図3に示す装置は、低沸分離塔5から留出する蒸気を高沸分離塔3のリボイラー3cに供給するようになっていること以外は、図2に示す例と同じであるので、相違点のみ以下に説明する。塔内圧力の設定等、設計や運転条件にもよるが、低沸分離塔5の塔頂温度は製品塔6の塔頂温度より低い場合があるが、その場合でも、高沸分離塔3の塔底温度よりも高ければ、熱源として使用可能である。低沸分離塔5の塔頂蒸気は、低沸点成分を高濃度で含んでいるために、製品塔6のものと比較してリボイラー3cで凝縮し難い場合があるので、塔頂流の組成も考慮してリボイラー温度を設定するのは好ましい態様である。
低沸分離塔5及び製品塔6の好ましい圧力及び塔頂温度については上述したが、これらは留出蒸気の利用にも影響するため、その観点においても好ましい圧力及び塔頂温度が存在する。具体的には、留出蒸気を熱源として利用するためには、留出蒸気の温度が、供給すべきリボイラーに通じる蒸留塔の塔底液の温度より高くなければならないので、この観点における所望の塔頂温度にすることも考慮した上で、蒸留塔の圧力を設定するのが好ましい。もちろん、蒸留塔の塔底液側の温度を下げることによっても、留出蒸気を利用可能であるので、リボイラーが接続される蒸留塔の圧力を調整することも有効である。低沸分離塔5及び/又は製品塔6を常圧又はそれに近い圧力で運転し、高沸分離塔3を減圧蒸留とするのは、留出蒸気温度を高沸分離塔3の塔底液温度より高くするという観点から好ましい態様である。
留出蒸気を通じるリボイラー(3b、3c)は、遊休設備を転用してもよく、新たに設計してもよい。新たに設計する場合、次のような考え方で設計される。
先ず、留出蒸気の流量と該蒸気が全凝縮した場合のエンタルピーから、該リボイラーを通じて高沸分離塔3に供給可能な熱量qを計算する。続いて、リボイラーの大きさを決めるため伝熱面積の計算を行う。熱量qは、総括伝熱係数U、伝熱面積A及び温度差ΔTの積、すなわちq=U・A・ΔTである。Uは、一般に化学プラントで使用されるリボイラーの実績値を用いても、化学工学的な手法で推定してもよい。本実施形態において、ΔTは、留出蒸気の温度と高沸分離塔3の塔底液の温度差である。ΔTは第一の蒸留塔と第二の蒸留塔の運転条件の差から生じる。本実施形態はアンモ酸化反応により生成した、水を含有するアセトニトリルの精製を目的とするものであるから、第一の蒸留塔及び第二の蒸留塔における成分比は大きく変動することはない。したがって、各蒸留塔の条件は概ね一定になるよう制御される。
本実施形態のアセトニトリルの精製においては、第一の蒸留塔の温度と、第二の蒸留塔の温度は、不純物分離とエネルギー効率の観点から、第一の蒸留塔の塔底部温度は、好ましくは45〜65℃、より好ましくは50〜60℃であり、第二の蒸留塔の塔頂温度は、好ましくは70〜90℃、より好ましくは70〜85℃である。よって、ΔTは、好ましくは10〜35℃であり、より好ましくは15〜25℃である。これより、伝熱面積Aも必然的に特定の範囲に定まることとなる。ΔTが10〜35℃の範囲で蒸留に必要な熱量qをまかなえる伝熱面積Aを有するリボイラーを使用することにより、第二の蒸留塔からの留出蒸気を第一の蒸留塔のリボイラーの熱源として利用した、安定した運転が可能になる。
一方、遊休設備を転用する場合は、伝熱面積Aが規定の値となるが、ΔTが10〜35℃の範囲で蒸留に必要な熱量qをまかなえる伝熱面積Aを有するリボイラーであれば、第二の蒸留塔からの留出蒸気を第一の蒸留塔のリボイラーの熱源として利用して安定した運転が可能になる。
低沸分離塔5及び/又は製品塔6から留出する蒸気の少なくとも一部を高沸分離塔3の蒸留に必要な熱源として使用することが、当該三塔における蒸留の精度に悪影響を及ぼさないようにする。低沸分離塔5及び製品塔6は、それぞれアセトニトリル濃度が95質量%以上、99質量%以上の液を精密に蒸留する装置である。前記蒸留の精度に悪影響を及ぼすとは、例えば、留出蒸気を提供する低沸分離塔5及び/又は製品塔6の乱れが、留出蒸気を利用する高沸分離塔3の乱れにつながることがある。また、その逆に、高沸分離塔3の乱れが、低沸分離塔5及び/又は製品塔6の乱れにつながることもあり得る。ある蒸留塔の「乱れ」が他の蒸留塔に伝達するメカニズムを具体的に説明すると、例えば、定常運転中に低沸分離塔5及び/又は製品塔6の温度及び/又は圧力が目標値から外れた(乱れた)場合、その蒸留塔から留出する蒸気量が変動する。それに伴い、高沸分離塔3のリボイラーに熱源として供給される蒸気量が変動するので、高沸分離塔3に供給される熱量変動が連鎖的に引き起こされることになる。そして、高沸分離塔3における還流比の変動発生などにより蒸留運転が不安定となり、蒸留の精度に悪影響が及ぶ。高沸分離塔3における蒸留が不安定になると、アリルアルコール及びプロピオニトリルの分離除去が充分になされず、高純度アセトニトリルの品質に致命的な影響を与える。また、その逆に、高沸分離塔3の温度及び/又は圧力が乱れた場合、高沸分離塔3のリボイラーのシェル側で凝縮する留出蒸気の量に変動が生じる。留出蒸気はリボイラーで凝縮されてから低沸分離塔5及び/又は製品塔6のコンデンサーに導入され、還流されるようになっているので、凝縮量が変動すると、低沸分離塔5及び/又は製品塔6の還流量の変化や熱負荷も当然に変動することになる。よって、高沸分離塔3の乱れが低沸分離塔5及び/又は製品塔6に伝達し、塔圧の安定性に悪影響を及ぼす。低沸分離塔5及び製品塔6は、アセトニトリルを精密蒸留する蒸留塔であり、蒸留の乱れにより高純度アセトニトリル中の不純物、例えば、オキサゾール、シアン化水素、水、アンモニア、その他の微量不純物の分離に悪影響が生じる。
各塔の蒸留に乱れがあると、得られるアセトニトリルの純度が下がるので、場合によっては製品としての価値を失ってしまう。高純度アセトニトリルは、HPLCの溶剤の他、DNA合成・精製溶媒、有機EL材料合成用溶媒、電子部品の洗浄溶剤等の用途に需要があるので、製品は高純度であることに加え、微量に含有する不純物の濃度が高低せず一定であることが望まれる。上記観点から、本発明者らは、蒸留塔の留出蒸気の利用に際して、熱をやり取りする系を安定化させるための方法について鋭意検討を行った。
製品塔6の留出蒸気を高沸分離塔3のリボイラー3bのシェル側に供給し、熱源として利用する場合、製品塔6の安定性の観点から、製品塔6のリボイラーには、他の蒸留塔等の留出蒸気等を用いず、専ら蒸気を生成、供給する設備であるユーティリティー供給設備から蒸気を一定流量通じることで、供給熱量を安定化させるのが好ましい。ユーティリティー供給設備から供給する蒸気の圧力は、被加熱液体との温度差を適正にする観点から、1.0MPaG以下にすることが好ましく、より好ましくは0.6MPaG以下とする。
また、本発明者らは、留出蒸気を供給する蒸留塔の塔頂圧と留出蒸気を通じる高沸分離塔リボイラーの圧力の関係を特定の範囲に調整することにより、蒸留精製の精度を良好に維持できることを見出した。
第2の蒸留塔(低沸分離塔5及び製品塔6)から留出する蒸気を第1の蒸留塔(高沸分離塔3)のリボイラー3bに供給する量は、第1の蒸留塔のリボイラー圧力(留出蒸気側、ゲージ圧)及び第2の蒸留塔の塔頂圧力(ゲージ圧)を基準として、決定するのが好ましい。一般に、ゲージ圧は大気圧を0とした圧力の相対値を示すため、留出蒸気がリボイラーシェルにて全て凝縮した場合、リボイラーシェルのゲージ圧力は0になる。リボイラーチューブ側の流体温度(蒸留塔塔底液温度)によっては、マイナスにもなり得る。安定して連続運転する観点から、第1の蒸留塔のリボイラーのシェル側に取り付けられている圧力計で測定される圧力(ゲージ圧)が、第2の蒸留塔の塔頂圧力(ゲージ圧)の、好ましくは0.90倍以下、より好ましくは0.50倍以下、更に好ましくは0.20倍以下となるよう、分岐弁6vを調整する。また、下限値としては特に限定されないが、留出蒸気が全て凝縮した場合を想定すると、−0.1倍以上又は0倍以上が現実的な値である。なお、後述する実施例においては、製品塔6の塔頂圧(ゲージ圧)をAと記し、リボイラー3bのシェル圧(ゲージ圧)をBと記し、圧力比B/Aとして評価を行った。
上記倍率が小さくなることは、圧力の差が拡大することを意味する。圧力差が拡大すると、第2の蒸留塔の塔頂から第1の蒸留塔のリボイラーへの蒸気の流れが安定化する傾向にある。蒸気の流れが安定化すると、熱の供給が安定し、第1の蒸留塔のリボイラーにおける蒸発量が安定する。これにより第1の蒸留塔内を上昇する蒸気量が安定する。塔内のトレイで気液接触を繰り返し、塔頂から出た蒸気はコンデンサーで凝縮し、一部が塔に還流される。蒸留塔の気液接触の安定性は、塔内の圧力や温度に現れるが、特に圧力の変動を見ることにより分かる。熱の供給が安定している場合、第1の蒸留塔の圧力値の変動は、中央値の±7%以内となる。更に、アセトニトリル中の不純物を低減させる観点から、好ましくは±5%以内、さらに好ましくは±3%以内に制御される。圧力変動が±5%以内に制御されると、第1の蒸留塔内のトレイを上昇する蒸気とトレイを下降する液の熱交換が適切に行われる。その結果、第1の蒸留塔で分離すべきアリルアルコール、プロピオニトリルなどの不純物は、気液接触により塔底に濃縮され、塔頂から留出する量が顕著に減少する。
高沸分離塔3のリボイラー3bのシェル圧力は、シェル内における蒸気の凝縮性能に依存し、また、リボイラー3bの伝熱面積が大きいほどシェル圧は小さくなる傾向にある。高沸分離塔3のリボイラー3bの伝熱面積は、上述した計算で適正な値が算出され、新たな設備が設置されることが好ましいが、遊休設備を転用してもよい。留出蒸気の供給量を、高沸分離塔3のリボイラー3bのシェル圧と製品塔6の塔頂圧力を基準として調整することで、製品塔6留出蒸気のリボイラー3bへの供給流量の変動を抑制し、結果としてリボイラー3bにおける熱供給量を一定化でき、高沸分離塔3の蒸留精製の安定化につながる。即ち、リボイラー3bで留出蒸気の未凝縮が生じたり生じなかったりすると、リボイラーシェルの圧力変動が生じ、この影響が留出蒸気の供給元である製品塔6に波及する。リボイラー3bで留出蒸気を安定的に凝縮させ、一定の気/液率で製品塔6のコンデンサーに戻すことがシステム全体の安定化に寄与するため、リボイラー3bで留出蒸気を安定的に凝縮させる操作指標としてリボイラー3b圧を採用するのが好ましい。リボイラー圧は、流体の流れの観点から、留出蒸気を供給する製品塔6の塔頂圧より低く、安定した運転の観点から、圧力値が安定していることが必要であるため、指標とするのに適している。
製品塔6の留出蒸気を高沸分離塔リボイラーに通じる場合、両塔の圧力関係は精製アセトニトリル中のアリルアルコール及びプロピオニトリルの濃度に影響する。この理由については、高沸分離塔3に供給される熱量が不安定であると、高沸分離塔3におけるアリルアルコール及びプロピオニトリルの分離性能が低下し、製品塔6の塔圧変動や還流量の変動により、さらに製品塔6におけるプロピオニトリルの分離性能の低下にもつながるためと推定される。従って、製品塔6の塔頂圧と高沸分離塔3のリボイラー圧の関係を、上記好ましい範囲にすることで、アリルアルコール及びプロピオニトリルの濃度を低く維持し易い。
低沸分離塔5の留出蒸気を高沸分離塔リボイラーに通じる場合についても同様に、両塔の圧力関係が、精製アセトニトリル中のアリルアルコール、プロピオニトリル、オキサゾール及びアンモニアの濃度に影響する。この理由について本発明者らは、製品塔6のケースと同様の理由で、高沸分離塔3に供給される熱量が不安定であると、高沸分離塔3におけるアリルアルコール及びプロピオニトリルの分離性能の低下につながり、また低沸分離塔5の塔圧変動や還流量の変動により、低沸分離塔5におけるオキサゾール、アンモニア等の分離性能の低下につながるためと推定している。両塔の圧力関係については、高沸分離塔3のリボイラー3cのシェル側に取り付けられている圧力計で測定される圧力(ゲージ圧)が、低沸分離塔5の塔頂圧力(ゲージ圧)の、好ましくは0.90倍以下、より好ましくは0.50倍以下、更に好ましくは0.20倍以下となるよう、分岐弁5vを調整する。低沸分離塔5の塔頂圧と高沸分離塔3のリボイラー圧の関係を、上記好ましい範囲に調整することで、高沸分離塔内の圧力が安定化し、第1の蒸留塔の圧力値の変動は、それぞれ中央値の±7%以内、±5%以内、±3%以内に制御される。これにより、第1の蒸留塔での精緻な蒸留が可能になり、精製アセトニトリル中のアリルアルコール、プロピオニトリル、オキサゾール及びアンモニアの濃度を低く維持し易い。
リボイラー3bで生成した蒸気ドレンは、必要に応じて設置する蒸気ドレンドラム(図示せず)に貯えられ、ポンプ(図示せず)で製品塔6のコンデンサーに送られる。蒸気ドレンドラムの気相部には、必要に応じベントラインを設け、未凝縮ガスを製品塔6のコンデンサーに戻すのが好ましい。製品塔6のコンデンサーには、前記蒸気ドレン、未凝縮ガス及び製品塔6から分岐弁6v経由で流される留出蒸気が流入する。製品塔6のコンデンサーの冷媒としては、35℃以下の水が用いられ、前記流体の凝縮及び冷却が行われる。凝縮液は、還流ドラムに流下し、一部が還流として製品塔6に戻され、他はライン21を通じて製品として抜き出される。還流ドラムには、未凝縮のガスを抜き出すため、ベントライン21aが設置されている。未凝縮ガスは、スクラバーに導かれ、水等で吸収処理された後、大気に放出されるのが好ましい。
同様に、リボイラー3cで生成した蒸気ドレンは、必要に応じて設置する蒸気ドレンドラム(図示せず)に貯えられ、ポンプ(図示せず)で低沸分離塔5のコンデンサーに送られる。蒸気ドレンドラムの気相部には、必要に応じベントラインを設け、未凝縮ガスを低沸分離塔5のコンデンサーに戻すのが好ましい。低沸点分離塔5のコンデンサーには、前記蒸気ドレン、未凝縮ガス及び低沸点分離塔5から分岐弁5v経由で流される留出蒸気が流入する。低沸分離塔5のコンデンサーの冷媒としては、35℃以下の水が用いられ、前記流体の凝縮及び冷却が行われる。凝縮液は、還流ドラムに流下し、一部が還流として低沸分離塔5に戻され、他はライン18を通じて低沸点化合物として抜き出される。還流ドラムには、未凝縮のガスを抜き出すため、ベントライン18aが設置されている。未凝縮ガスは、スクラバーに導かれ、水等で吸収処理された後、大気に放出されるのが好ましい。
低沸分離塔5及び/又は製品塔6から留出する蒸気を高沸分離塔3の蒸留用の熱源として利用することにより、高沸分離塔3のリボイラー蒸気使用量の削減、低沸分離塔5及び/又は製品塔6のコンデンサー冷却水使用量の削減に伴うエネルギー効率化を図れる上、低沸分離塔5及び/又は製品塔6のコンデンサーの小型化を達成できる。低沸分離塔5及び/又は製品塔6から留出する蒸気は、専用のリボイラーに通じられた後、還流及び抜き出される。専用のリボイラーを設けることで、高沸分離塔3にそれぞれの塔が独立して安定的に熱量を供給でき、かつ低沸分離塔5及び/又は製品塔6にコンタミネーションなく還流できる。また、還流量を安定化でき、アセトニトリルの精製プロセス全体の乱れにつながり難い。
各蒸留塔は、塔頂にコンデンサー、塔底にリボイラーをそれぞれ有する棚段塔又は充填塔であるのが好ましい。棚段塔の例としては、ダウンカマーを有する十字流接触型やダウンカマーの無い向流接触型等が挙げられる。また、トレイの開口部として泡鐘型、多孔板型、バルブ型等のものを用いることができる。この蒸留塔の段数としては10段以上あれば特に制限はないが、30〜80段であることが好ましい。充填塔の例としては、充填物として不規則充填物及び/又は規則充填物を充填した塔を用いることができる。不規則充填物としては、例えば、ラシヒリング、レッシングリング、ポールリング、ベルルサドル、インターロックサドル、テラレットパッキング、ディクソンリング又はマクマホンパッキング等が使用できる。規則充填物としては、例えば、網目構造の充填物を用いることができる。これら不規則及び規則充填物の材質としては、磁製、金属製、プラスチック製又はカーボン製等のものを使用することができる。また、該充填塔は適当な高さの所に液再分布板を設けて気液の接触効率を高めることもできる。
以下、実施例によって本発明を更に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
アセトニトリル中の不純物濃度測定には、ガスクロマトグラフィーを用い、そのときの条件は以下のとおりであった。
ガスクロマトグラフィーは、ヒューレッドパッカード社製HP−6890を用い、カラムは、アジレントテクノロジーズ社製DB−624(長さ60m×内径0.32mm、膜厚5.0μm)を用いた。検出器としてはFIDを用い、キャリヤーガスにはヘリウムを用いた。
カラム温度条件は、以下のとおりであった。
初期温度: 70℃
初期時間: 10分
昇温速度: 5.0℃/分
中間温度: 120℃
ポストタイム: 10分
最終温度: 220℃
[比較例1]
図1に示す精製装置を用いてアセトニトリルの精製を行った。
プロピレンのアンモキシデーション反応の副生物であるアセトニトリルを15質量%含有する液をライン7よりアセトニトリル濃縮塔1に供給した。ライン8よりシアン化水素、ライン9より水の一部を分離除去した。ライン10より蒸気を抜き出して、ライン10に設置されているコンデンサー(図示せず)で凝縮させ、アセトニトリルを65質量%含む液を得た。その他の組成としては、水32質量%、シアン化水素1.6質量%、アクリロニトリル、アリルアルコール、オキサゾール及びプロピオニトリル等の合計が1.4質量%であった。
得られた液を、ライン10を通じて反応槽2に供給した。反応槽2には、ライン11より48質量%水酸化ナトリウム水溶液を加え、73℃において8時間反応させた。
反応槽2の液2810kg/hを、ライン12を通じて、高沸分離塔3に送った。塔底に設置されているリボイラーに、0.4MPaGの蒸気2.8t/hを流し、蒸留を行った。塔頂圧及び塔底圧は、それぞれ絶対圧で235mmHg及び255mmHg、塔頂温度及び塔底温度は、それぞれ41.5℃及び58.9℃であった。高沸分離塔の圧力変動は、前記数値を中央値として、その±1%であった。塔底よりアリルアルコール、プロピオニトリル、水酸化ナトリウム及び水などを含有する液770kg/hを抜き出し、廃水処理した。塔頂から留出する蒸気をコンデンサーで凝縮させた。凝縮液3940kg/hを高沸分離塔3に還流し、2040kg/hをライン14から脱水塔4の下部に供給した。
脱水塔4の上部のライン15から48質量%水酸化ナトリウム水溶液300kg/hを供給し、ライン14から供給した含水粗アセトニトリルと液−液接触させた。ライン16から水相を抜き出した。ライン17からアセトニトリル相1850kg/hを抜き出し、低沸分離塔5に供給した。
低沸分離塔5のリボイラーに、0.4MPaGの蒸気2.6t/hを流し、蒸留を行った。塔頂圧及び塔底圧は、それぞれ絶対圧で0.1172MPa及び0.1181MPa、塔頂温度及び塔底温度は、それぞれ78.8℃及び86.4℃であった。低沸分離塔の圧力変動は、前記数値を中央値として、その±1%であった。塔頂から留出する蒸気をコンデンサーで凝縮させた。コンデンサーの冷媒としては、28℃の水を用いた。凝縮液4150kg/hを低沸分離塔5に還流し、300kg/hをライン18から抜き出し、オキサゾール及び低沸点物質を除去した。ライン18の液は、廃水処理した。ライン19から抜き出した1550kg/hの液を製品塔6に送った。
製品塔6のリボイラーに、0.4MPaGの蒸気1.6t/hを流し、蒸留を行った。塔頂圧及び塔底圧は、それぞれ絶対圧で0.1100MPa及び0.1112MPa、塔頂温度及び塔底温度は、それぞれ81.2℃及び82.2℃であった。製品塔の圧力変動は、前記数値を中央値として、その±1%であった。ライン20からプロピオニトリルや高沸点物質を含む液70kg/hを抜き出し、廃水処理した。塔頂から留出する蒸気をコンデンサーで凝縮させ、還流ドラムに流下させた。コンデンサーの冷媒としては、28℃の水を用いた。還流ドラム内の凝縮液4380kg/hを、ポンプを用いて製品塔6に還流し、1480kg/hをライン21から抜き出し、精製したアセトニトリルを得た。
精製アセトニトリル中の不純物を分析したところ、表1に示す結果を得た。
リボイラー蒸気及びコンデンサー冷却水の使用量は、表2のとおりであった。
Figure 2013146609
Figure 2013146609
[実施例1]
図2に示すように、高沸分離塔3にリボイラー3bを1基追加し、製品塔6の留出蒸気を通じ、熱源として利用した。また、リボイラー3bで生成した蒸気ドレンを貯える蒸気ドレンドラム(図示せず)と、ドラム内の蒸気ドレンを製品塔6のコンデンサーに送液するポンプ(図示せず)を設置した。これら以外は、比較例1と同様の設備でアセトニトリルを精製した。
初期、製品塔6のコンデンサー行き弁6vを全開にしていた。1週間をかけ徐々に弁6vを閉止し、高沸分離塔3のリボイラー3bへの熱量供給を増加させていった。同時に、高沸分離塔3のリボイラー3aの蒸気を減少させていった。最終的には、弁6vを全閉にした。この時、製品塔6の塔頂圧(ゲージ圧「A」と記す。)は0.0100MPaG、リボイラー3bのシェル圧(ゲージ圧「B」と記す。)は0.0002MPaGであり、A、Bそれぞれの変動は±1%であった。製品塔6の留出蒸気は81.2℃であり、高沸分離塔3の塔底液は58.9℃であった。また、圧力比B/Aの中央値は0.020であり、その変動は±3%であった。弁6vの全閉期間中、プロセスの乱れはなく、また得られたアセトニトリルの品質にも問題はなかった。弁6vの全閉後は、製品塔6の留出蒸気は全て高沸分離塔3のリボイラー3bに流された後、リボイラー3bから排出されるドレンをドラム(図示せず)に流下させた。ドラム内の蒸気ドレンは、ポンプ(図示せず)で製品塔コンデンサーに流入させた。
精製したアセトニトリルの不純物を分析したところ、表3に示す結果を得た。
リボイラー蒸気及びコンデンサー冷却水の使用量は、表4のとおりであった。
Figure 2013146609
Figure 2013146609
[実施例2]
製品塔6の留出蒸気に加えて低沸分離塔5の留出蒸気を高沸分離塔3のリボイラー3cの熱源として更に利用したこと以外は、実施例1と同様の設備でアセトニトリルを精製した。低沸分離塔5の留出蒸気の流れは、図3に示すとおりであった。
初期、低沸分離塔5のコンデンサー行き弁5vを全開にしていた。弁5vが全開の間、プロセスの乱れはなく、また得られたアセトニトリルの品質にも問題はなかった。1週間をかけ徐々に弁5vを閉じ、最終的には10%閉じた(90%開いている状態)。この時、低沸分離塔5の塔頂圧(ゲージ圧「A」と記す。)は0.0172MPaG、塔頂温度及び塔底温度は、それぞれ78.8℃及び86.4℃であった。高沸分離塔3のリボイラー3cのシェル圧(ゲージ圧「B」と記す。)は0.0032MPaGで、塔頂温度及び塔底温度は、それぞれ41.5℃及び58.9℃であった。また、圧力比B/Aの中央値は0.19であった。また、高沸分離塔塔頂の圧力の変動は±1%であった。
製品塔6の塔頂圧(ゲージ圧「A’」と記す。)は0.0100MPaG、リボイラー3bのシェル圧(ゲージ圧「B’」と記す。)は0.0002MPaGであり、A’、B’それぞれの変動は±1%であった。
精製したアセトニトリルの不純物を分析したところ、表5に示す結果を得た。
リボイラー蒸気及びコンデンサー冷却水の使用量は、表6のとおりであった。
Figure 2013146609
Figure 2013146609
[比較例2]
図4に示すように、高沸分離塔3にリボイラー3cを1基追加し、低沸分離塔5の塔底液を通じ、熱源として利用したこと以外は、比較例1と同様の設備でアセトニトリルを精製した。
初期、高沸分離塔追加リボイラー3cのバイパス弁51vを全開にしていた。徐々に前記バイパス弁51vを閉じ、高沸分離塔3のリボイラー3bへの熱量供給を増加させていった。最終的には、弁51vを全閉にした。この間、高沸分離塔3及び低沸分離塔5それぞれの温度及び圧力の変動は、±1%であった。
精製したアセトニトリルの不純物を分析したところ、表7に示す結果を得た。
リボイラー蒸気及びコンデンサー冷却水の使用量は、表8のとおりで、それぞれの総使用量は、比較例1と差異がなかった。
Figure 2013146609
Figure 2013146609
[実施例3]
弁5vを最終的に50%閉じたこと以外は、実施例2と同様の設備及び方法でアセトニトリルを精製した。初期、低沸分離塔5の塔頂圧(ゲージ圧)は0.0172MPaG、塔頂温度及び塔底温度はそれぞれ78.8℃及び86.4℃であった。高沸分離塔3のリボイラー3cのシェル圧(ゲージ圧)は0.0168MPaG、塔頂温度及び塔底温度はそれぞれ41.5℃及び58.9℃であった。
精製したアセトニトリルの不純物を分析したところ、表9に示す結果を得た。
リボイラー蒸気及びコンデンサー冷却水の使用量は、表10のとおりであった。
Figure 2013146609
Figure 2013146609
精製開始からしばらくは低沸分離塔5及び高沸分離塔3の圧力はそれぞれ±10%で維持されていたが、およそ1日後、高沸分離塔3のリボイラー3cのシェル圧(ゲージ圧)が、0.0071MPaG〜0.0170MPaGの間でハンチングした。それに伴い、高沸分離塔3及び低沸分離塔5の圧力もおよそ±20%の範囲でハンチングを開始した。
ハンチング開始後に精製されたアセトニトリルの不純物を分析したところ、表11に示す結果を得た。
Figure 2013146609
[実施例4〜9]
実施例2の状態から弁5vを徐々に閉じていった。その際の弁5vの閉じている度合(閉止状況)と低沸分離塔5の塔頂圧及び高沸分離塔リボイラー3bのシェル圧を表12に示す。また、弁5vの不純物濃度についても、表12に示す。
リボイラー蒸気及びコンデンサー冷却水の使用量については、表13に示すとおりであった。
Figure 2013146609
Figure 2013146609
[実施例10]
プロパンのアンモキシデーション反応の副生物であるアセトニトリルを12質量%含有する液を実施例2と同様の設備に供給し、アセトニトリルの精製を行った。
アセトニトリルを12質量%含有する液をライン7よりアセトニトリル濃縮塔1に供給した。ライン8よりシアン化水素、ライン9より水の一部を分離除去した。ライン10より蒸気を抜き出して、ライン10に設置されているコンデンサー(図示せず)で凝縮させ、アセトニトリルを64質量%含む液を得た。その他の組成としては、水33質量%、シアン化水素1.7質量%、アクリロニトリル、アリルアルコール及びプロピオニトリル等の合計が、1.3質量%であった。
前記で得た液を、ライン10を通じて反応槽2に供給した。反応槽2には、ライン11より48質量%水酸化ナトリウム水溶液を加え、73℃において8時間反応させた。
反応槽2の液2810kg/hを、ライン12を通じて、高沸分離塔3に送った。塔底に設置されているリボイラーに、0.4MPaGの蒸気2.8t/hを流し、蒸留を行った。塔頂圧及び塔底圧は、それぞれ絶対圧で235mmHg及び255mmHg、塔頂温度及び塔底温度は、それぞれ41.5℃及び58.9℃であった。高沸分離塔の圧力変動は、前記数値を中央値として、その±1%であった。塔底よりアリルアルコール、プロピオニトリル、水酸化ナトリウム及び水などを含有する液770kg/hを抜き出し、廃水処理した。塔頂から留出する蒸気をコンデンサーで凝縮させた。凝縮液3940kg/hを高沸分離塔3に還流し、2040kg/hをライン14から脱水塔4の下部に供給した。
脱水塔4の上部のライン15から48質量%水酸化ナトリウム水溶液300kg/hを供給し、ライン14から供給した含水粗アセトニトリルと液−液接触させた。ライン16から水相を抜き出した。ライン17からアセトニトリル相1850kg/hを抜き出し、低沸分離塔5に供給した。
低沸分離塔5のリボイラーに、0.4MPaGの蒸気2.6t/hを流し、蒸留を行った。塔頂圧及び塔底圧は、それぞれ絶対圧で0.1172MPa及び0.1181MPa、塔頂温度及び塔底温度は、それぞれ78.8℃及び86.4℃であった。低沸分離塔の圧力変動は、前記数値を中央値として、その±1%であった。塔頂から留出する蒸気をコンデンサーで凝縮させた。コンデンサーの冷媒としては、28℃の水を用いた。凝縮液4150kg/hを低沸分離塔5に還流し、300kg/hをライン18から抜き出し、低沸点物質を除去した。ライン18の液は、廃水処理した。ライン19から抜き出した1550kg/hの液を製品塔6に送った。
製品塔6のリボイラーに、0.4MPaGの蒸気1.6t/hを流し、蒸留を行った。塔頂圧及び塔底圧は、それぞれ絶対圧で0.1100MPa及び0.1112MPa、塔頂温度及び塔底温度は、それぞれ81.2℃及び82.2℃であった。製品塔の圧力変動は、前記数値を中央値として、その±1%であった。ライン20からプロピオニトリルや高沸点物質を含む液70kg/hを抜き出し、廃水処理した。塔頂から留出する蒸気をコンデンサーで凝縮させ、還流ドラムに流下させた。コンデンサーの冷媒としては、28℃の水を用いた。還流ドラム内の凝縮液4380kg/hを、ポンプを用いて製品塔6に還流し、1480kg/hをライン21から抜き出し、精製したアセトニトリルを得た。精製アセトニトリル中の不純物の分析結果を表14に示す。リボイラー蒸気及びコンデンサー冷却水の使用量は、比較例1と同等であった。
Figure 2013146609
上記のプロセスに図2及び図3に示すようなリボイラー3b及び3cを高沸分離塔3に追加した。
弁6vを徐々に閉じ、高沸分離塔3のリボイラー3bへの熱量供給を増加させていった。最終的には、弁6vを全閉した。この時、製品塔6の塔頂圧(ゲージ圧「A」と記す。)は0.0100MPaG、リボイラー3bのシェル圧(ゲージ圧「B」と記す。)は0.0020MPaGであり、圧力比B/Aは0.020であった。また、高沸分離塔塔頂の圧力の変動は±0%であった。
続いて、弁5vを徐々に閉じ、最終的には35%閉じた。この時、低沸分離塔5の塔頂圧(ゲージ圧「A’」と記す。)は0.0172MPaG、高沸分離塔3のリボイラー3cのシェル圧(ゲージ圧「B’」と記す)は0.0108MPaGであり、圧力比B’/A’の中央値は0.63であった。また、高沸分離塔塔頂の圧力の変動は±1%であった。
精製したアセトニトリルの不純物を分析したところ、表15に示す結果を得た。
リボイラー蒸気及びコンデンサー冷却水の使用量は、表16のとおりであった。
Figure 2013146609
Figure 2013146609
上記実施例及び比較例の結果から、高純度のアセトニトリルを精製するプロセスにおいて、製品塔6及び/又は低沸分離塔5からの留出蒸気を、高沸点分離塔3のリボイラーの熱源として利用することにより、プロセス中のエネルギー消費量を顕著に低減できることが分かる。
本出願は、2012年3月26日に日本国特許庁へ出願された日本特許出願(特願2012−070086)に基づくものであり、その内容はここに参照として取り込まれる。
本発明は、精製に用いられるエネルギー消費量が少なく、精製設備も工程も簡易なプロセスである。それゆえコストの上昇を最小限に抑えながらも、医薬中間体の合成・精製の溶媒、DNA合成・精製溶媒、有機EL材料合成用溶媒、電子部品の洗浄溶剤などの用途向けに使用可能な高純度のアセトニトリルを効率よく精製することができる。
1 アセトニトリル濃縮塔
2 反応槽
3 高沸分離塔
4 脱水塔
5 低沸分離塔
6 製品塔
7〜21 ライン
18a ライン
21a ライン
3a 高沸分離塔リボイラー
3b 高沸分離塔追加リボイラー(製品塔用)
3c 高沸分離塔追加リボイラー(低沸分離塔用)
5v 低沸分離塔コンデンサー行き分岐弁
6v 製品塔コンデンサー行き分岐弁
51v 高沸分離塔追加リボイラーバイパス弁(低沸分離塔塔底液用)

Claims (8)

  1. アンモ酸化反応により生成した、水を含有するアセトニトリルにアルカリを加えて反応させた後、反応混合物を第一の蒸留塔に供給し、得られた留出液をさらにアルカリと混合したものをアセトニトリル相と水相とに分離した後、前記水相を除去し、前記アセトニトリル相を第二の蒸留塔に供給する工程を含むアセトニトリルの精製方法であって、
    前記第二の蒸留塔からの留出蒸気を前記第一の蒸留塔のリボイラーの熱源とするアセトニトリルの精製方法。
  2. 前記留出蒸気の一部を前記リボイラーに供給し、残部を前記第二の蒸留塔に接続されたコンデンサーに供給する、請求項1記載のアセトニトリルの精製方法。
  3. 前記第一の蒸留塔のリボイラー圧力(留出蒸気側、ゲージ圧)及び前記第二の蒸留塔の塔頂圧力(ゲージ圧)を基準として、前記リボイラーへの前記留出蒸気の供給量を決定する、請求項1又は2記載のアセトニトリルの精製方法。
  4. 前記第一の蒸留塔のリボイラー圧力を、前記第二の蒸留塔の塔頂圧力の0.90倍以下にする、請求項3記載のアセトニトリルの精製方法。
  5. 反応槽、第一の蒸留塔、脱水塔、及び第二の蒸留塔がこの順に設けられており、
    水を含有するアセトニトリルとアルカリが前記反応槽で反応した後、反応混合物が第一の蒸留塔に流入され、前記第一の蒸留塔の留出液は前記脱水塔に流入され、前記脱水塔で得られるアセトニトリル相が第二の蒸留塔に流入されるようになっており、
    前記第二の蒸留塔の留出蒸気が、前記第一の蒸留塔のリボイラーの熱源とされるアセトニトリルの精製装置。
  6. 前記留出蒸気の一部が前記リボイラーに供給され、残部は前記第二の蒸留塔に接続されたコンデンサーに供給される、請求項5記載のアセトニトリルの精製装置。
  7. 前記第一の蒸留塔のリボイラー圧力(留出蒸気側、ゲージ圧)及び前記第二の蒸留塔の塔頂圧力(ゲージ圧)を基準として、前記リボイラーへの前記留出蒸気の供給量が決定される、請求項5又は6記載のアセトニトリルの精製装置。
  8. 前記第一の蒸留塔のリボイラー圧力が、前記第二の蒸留塔の塔頂圧力の0.90倍以下である、請求項7記載のアセトニトリルの精製装置。
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