JPWO2013146609A1 - アセトニトリルの精製方法 - Google Patents
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Abstract
Description
アセトニトリルは、化学反応用の溶媒、特には医薬中間体の合成や精製における溶媒や、高速液体クロマトグラフィーの移動層溶媒などに用いられている。また、最近はDNA合成・精製溶媒、有機EL材料合成用溶媒、電子部品の洗浄溶剤などにも用いられるようになってきており、そうした用途の場合、特に高純度に精製されることが要求されてきている。
アクリロニトリル又はメタクリロニトリルを製造する際に副生成物として得られる粗アセトニトリルには、アリルアルコールやオキサゾール、水、アセトン、青酸、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、プロピオニトリル、cis−及びtrans−クロトンニトリル、アクリル酸、アクリル酸メチル、メタクリル酸、メタクリル酸メチル、酢酸、アクロレイン、メタクロレイン、アセトン、アンモニア等の不純物や、分析不能な不純物等が含まれている。
特許文献1には、含水アセトニトリルに、その中に存在する水を抽出するのに十分な量のアルカリを加えて混合し、次いで分離した水性相を除去するアセトニトリルの脱水方法が開示されている。また、特許文献2には、アセトニトリルの増産に関して記載されており、アンモオキシデーションにより不飽和ニトリル及びアセトニトリルを製造する際に、反応系にアセトン又はエチルアルコール若しくはその両者を共存させる方法が開示されている。
上記事情に鑑み、本発明は、エネルギー消費量の少ないプロセスにより、高純度のアセトニトリルを精製する方法を提供することを目的とする。
[1]
アンモ酸化反応により生成した、水を含有するアセトニトリルにアルカリを加えて反応させた後、反応混合物を第一の蒸留塔に供給し、得られた留出液をさらにアルカリと混合したものをアセトニトリル相と水相とに分離した後、前記水相を除去し、前記アセトニトリル相を第二の蒸留塔に供給する工程を含むアセトニトリルの精製方法であって、
前記第二の蒸留塔からの留出蒸気を前記第一の蒸留塔のリボイラーの熱源とするアセトニトリルの精製方法。
[2]
前記留出蒸気の一部を前記リボイラーに供給し、残部を前記第二の蒸留塔に接続されたコンデンサーに供給する、上記[1]記載のアセトニトリルの精製方法。
[3]
前記第一の蒸留塔のリボイラー圧力(留出蒸気側、ゲージ圧)及び前記第二の蒸留塔の塔頂圧力(ゲージ圧)を基準として、前記リボイラーへの前記留出蒸気の供給量を決定する、上記[1]又は[2]記載のアセトニトリルの精製方法。
[4]
前記第一の蒸留塔のリボイラー圧力を、前記第二の蒸留塔の塔頂圧力の0.90倍以下にする、上記[3]記載のアセトニトリルの精製方法。
[5]
反応槽、第一の蒸留塔、脱水塔、及び第二の蒸留塔がこの順に設けられており、
水を含有するアセトニトリルとアルカリが前記反応槽で反応した後、反応混合物が第一の蒸留塔に流入され、前記第一の蒸留塔の留出液は前記脱水塔に流入され、前記脱水塔で得られるアセトニトリル相が第二の蒸留塔に流入されるようになっており、
前記第二の蒸留塔の留出蒸気が、前記第一の蒸留塔のリボイラーの熱源とされるアセトニトリルの精製装置。
[6]
前記留出蒸気の一部が前記リボイラーに供給され、残部は前記第二の蒸留塔に接続されたコンデンサーに供給される、上記[5]記載のアセトニトリルの精製装置。
[7]
前記第一の蒸留塔のリボイラー圧力(留出蒸気側、ゲージ圧)及び前記第二の蒸留塔の塔頂圧力(ゲージ圧)を基準として、前記リボイラーへの前記留出蒸気の供給量が決定される、上記[5]又は[6]記載のアセトニトリルの精製装置。
[8]
前記第一の蒸留塔のリボイラー圧力が、前記第二の蒸留塔の塔頂圧力の0.90倍以下である、上記[7]記載のアセトニトリルの精製装置。
アンモ酸化反応により生成した、水を含有するアセトニトリルにアルカリを加えて反応させた後、反応混合物を第一の蒸留塔に供給し、得られた留出液をさらにアルカリと混合したものをアセトニトリル相と水相とに分離した後、前記水相を除去し、前記アセトニトリル相を第二の蒸留塔に供給する工程を含むアセトニトリルの精製方法であって、
前記第二の蒸留塔からの留出蒸気を前記第一の蒸留塔のリボイラーの熱源とするアセトニトリルの精製方法である。
反応槽、第一の蒸留塔、脱水塔、及び第二の蒸留塔がこの順に設けられており、
水を含有するアセトニトリルとアルカリが前記反応槽で反応した後、反応混合物が第一の蒸留塔に流入され、前記第一の蒸留塔の留出液は前記脱水塔に流入され、前記脱水塔で得られるアセトニトリル相が第二の蒸留塔に流入されるようになっており、
前記第二の蒸留塔の留出蒸気が、前記第一の蒸留塔のリボイラーの熱源とされるアセトニトリルの精製装置。
図2は、製品塔6の塔頂から留出する蒸気の少なくとも一部を高沸分離塔3のリボイラー3bに熱源として供給する装置の概略図を示す。図2に示す例では、リボイラー3bはシェルチューブ型であって、製品塔6の塔頂からの留出蒸気はシェル側に供給され、チューブ側を流通する高沸分離塔3の塔底液を加熱する。高沸分離塔3には複数のリボイラー(3a及び3b)が設けられており、製品塔6の留出蒸気は、当該蒸気専用の高沸分離塔3のリボイラー3bに導入され、他方のリボイラー3aには別の熱源が供給されるのが好ましい。高沸分離塔3の塔底液と熱交換が行われ、高沸分離塔3のリボイラーから排出される蒸気ドレンは、必要に応じてコンデンサーなどの熱交換器を通過し、水等で冷却後、製品塔6に還流及び/又は抜き出される。
先ず、留出蒸気の流量と該蒸気が全凝縮した場合のエンタルピーから、該リボイラーを通じて高沸分離塔3に供給可能な熱量qを計算する。続いて、リボイラーの大きさを決めるため伝熱面積の計算を行う。熱量qは、総括伝熱係数U、伝熱面積A及び温度差ΔTの積、すなわちq=U・A・ΔTである。Uは、一般に化学プラントで使用されるリボイラーの実績値を用いても、化学工学的な手法で推定してもよい。本実施形態において、ΔTは、留出蒸気の温度と高沸分離塔3の塔底液の温度差である。ΔTは第一の蒸留塔と第二の蒸留塔の運転条件の差から生じる。本実施形態はアンモ酸化反応により生成した、水を含有するアセトニトリルの精製を目的とするものであるから、第一の蒸留塔及び第二の蒸留塔における成分比は大きく変動することはない。したがって、各蒸留塔の条件は概ね一定になるよう制御される。
アセトニトリル中の不純物濃度測定には、ガスクロマトグラフィーを用い、そのときの条件は以下のとおりであった。
ガスクロマトグラフィーは、ヒューレッドパッカード社製HP−6890を用い、カラムは、アジレントテクノロジーズ社製DB−624(長さ60m×内径0.32mm、膜厚5.0μm)を用いた。検出器としてはFIDを用い、キャリヤーガスにはヘリウムを用いた。
カラム温度条件は、以下のとおりであった。
初期温度: 70℃
初期時間: 10分
昇温速度: 5.0℃/分
中間温度: 120℃
ポストタイム: 10分
最終温度: 220℃
図1に示す精製装置を用いてアセトニトリルの精製を行った。
プロピレンのアンモキシデーション反応の副生物であるアセトニトリルを15質量%含有する液をライン7よりアセトニトリル濃縮塔1に供給した。ライン8よりシアン化水素、ライン9より水の一部を分離除去した。ライン10より蒸気を抜き出して、ライン10に設置されているコンデンサー(図示せず)で凝縮させ、アセトニトリルを65質量%含む液を得た。その他の組成としては、水32質量%、シアン化水素1.6質量%、アクリロニトリル、アリルアルコール、オキサゾール及びプロピオニトリル等の合計が1.4質量%であった。
得られた液を、ライン10を通じて反応槽2に供給した。反応槽2には、ライン11より48質量%水酸化ナトリウム水溶液を加え、73℃において8時間反応させた。
反応槽2の液2810kg/hを、ライン12を通じて、高沸分離塔3に送った。塔底に設置されているリボイラーに、0.4MPaGの蒸気2.8t/hを流し、蒸留を行った。塔頂圧及び塔底圧は、それぞれ絶対圧で235mmHg及び255mmHg、塔頂温度及び塔底温度は、それぞれ41.5℃及び58.9℃であった。高沸分離塔の圧力変動は、前記数値を中央値として、その±1%であった。塔底よりアリルアルコール、プロピオニトリル、水酸化ナトリウム及び水などを含有する液770kg/hを抜き出し、廃水処理した。塔頂から留出する蒸気をコンデンサーで凝縮させた。凝縮液3940kg/hを高沸分離塔3に還流し、2040kg/hをライン14から脱水塔4の下部に供給した。
脱水塔4の上部のライン15から48質量%水酸化ナトリウム水溶液300kg/hを供給し、ライン14から供給した含水粗アセトニトリルと液−液接触させた。ライン16から水相を抜き出した。ライン17からアセトニトリル相1850kg/hを抜き出し、低沸分離塔5に供給した。
低沸分離塔5のリボイラーに、0.4MPaGの蒸気2.6t/hを流し、蒸留を行った。塔頂圧及び塔底圧は、それぞれ絶対圧で0.1172MPa及び0.1181MPa、塔頂温度及び塔底温度は、それぞれ78.8℃及び86.4℃であった。低沸分離塔の圧力変動は、前記数値を中央値として、その±1%であった。塔頂から留出する蒸気をコンデンサーで凝縮させた。コンデンサーの冷媒としては、28℃の水を用いた。凝縮液4150kg/hを低沸分離塔5に還流し、300kg/hをライン18から抜き出し、オキサゾール及び低沸点物質を除去した。ライン18の液は、廃水処理した。ライン19から抜き出した1550kg/hの液を製品塔6に送った。
製品塔6のリボイラーに、0.4MPaGの蒸気1.6t/hを流し、蒸留を行った。塔頂圧及び塔底圧は、それぞれ絶対圧で0.1100MPa及び0.1112MPa、塔頂温度及び塔底温度は、それぞれ81.2℃及び82.2℃であった。製品塔の圧力変動は、前記数値を中央値として、その±1%であった。ライン20からプロピオニトリルや高沸点物質を含む液70kg/hを抜き出し、廃水処理した。塔頂から留出する蒸気をコンデンサーで凝縮させ、還流ドラムに流下させた。コンデンサーの冷媒としては、28℃の水を用いた。還流ドラム内の凝縮液4380kg/hを、ポンプを用いて製品塔6に還流し、1480kg/hをライン21から抜き出し、精製したアセトニトリルを得た。
精製アセトニトリル中の不純物を分析したところ、表1に示す結果を得た。
リボイラー蒸気及びコンデンサー冷却水の使用量は、表2のとおりであった。
図2に示すように、高沸分離塔3にリボイラー3bを1基追加し、製品塔6の留出蒸気を通じ、熱源として利用した。また、リボイラー3bで生成した蒸気ドレンを貯える蒸気ドレンドラム(図示せず)と、ドラム内の蒸気ドレンを製品塔6のコンデンサーに送液するポンプ(図示せず)を設置した。これら以外は、比較例1と同様の設備でアセトニトリルを精製した。
初期、製品塔6のコンデンサー行き弁6vを全開にしていた。1週間をかけ徐々に弁6vを閉止し、高沸分離塔3のリボイラー3bへの熱量供給を増加させていった。同時に、高沸分離塔3のリボイラー3aの蒸気を減少させていった。最終的には、弁6vを全閉にした。この時、製品塔6の塔頂圧(ゲージ圧「A」と記す。)は0.0100MPaG、リボイラー3bのシェル圧(ゲージ圧「B」と記す。)は0.0002MPaGであり、A、Bそれぞれの変動は±1%であった。製品塔6の留出蒸気は81.2℃であり、高沸分離塔3の塔底液は58.9℃であった。また、圧力比B/Aの中央値は0.020であり、その変動は±3%であった。弁6vの全閉期間中、プロセスの乱れはなく、また得られたアセトニトリルの品質にも問題はなかった。弁6vの全閉後は、製品塔6の留出蒸気は全て高沸分離塔3のリボイラー3bに流された後、リボイラー3bから排出されるドレンをドラム(図示せず)に流下させた。ドラム内の蒸気ドレンは、ポンプ(図示せず)で製品塔コンデンサーに流入させた。
精製したアセトニトリルの不純物を分析したところ、表3に示す結果を得た。
リボイラー蒸気及びコンデンサー冷却水の使用量は、表4のとおりであった。
製品塔6の留出蒸気に加えて低沸分離塔5の留出蒸気を高沸分離塔3のリボイラー3cの熱源として更に利用したこと以外は、実施例1と同様の設備でアセトニトリルを精製した。低沸分離塔5の留出蒸気の流れは、図3に示すとおりであった。
初期、低沸分離塔5のコンデンサー行き弁5vを全開にしていた。弁5vが全開の間、プロセスの乱れはなく、また得られたアセトニトリルの品質にも問題はなかった。1週間をかけ徐々に弁5vを閉じ、最終的には10%閉じた(90%開いている状態)。この時、低沸分離塔5の塔頂圧(ゲージ圧「A」と記す。)は0.0172MPaG、塔頂温度及び塔底温度は、それぞれ78.8℃及び86.4℃であった。高沸分離塔3のリボイラー3cのシェル圧(ゲージ圧「B」と記す。)は0.0032MPaGで、塔頂温度及び塔底温度は、それぞれ41.5℃及び58.9℃であった。また、圧力比B/Aの中央値は0.19であった。また、高沸分離塔塔頂の圧力の変動は±1%であった。
製品塔6の塔頂圧(ゲージ圧「A’」と記す。)は0.0100MPaG、リボイラー3bのシェル圧(ゲージ圧「B’」と記す。)は0.0002MPaGであり、A’、B’それぞれの変動は±1%であった。
精製したアセトニトリルの不純物を分析したところ、表5に示す結果を得た。
リボイラー蒸気及びコンデンサー冷却水の使用量は、表6のとおりであった。
図4に示すように、高沸分離塔3にリボイラー3cを1基追加し、低沸分離塔5の塔底液を通じ、熱源として利用したこと以外は、比較例1と同様の設備でアセトニトリルを精製した。
初期、高沸分離塔追加リボイラー3cのバイパス弁51vを全開にしていた。徐々に前記バイパス弁51vを閉じ、高沸分離塔3のリボイラー3bへの熱量供給を増加させていった。最終的には、弁51vを全閉にした。この間、高沸分離塔3及び低沸分離塔5それぞれの温度及び圧力の変動は、±1%であった。
精製したアセトニトリルの不純物を分析したところ、表7に示す結果を得た。
リボイラー蒸気及びコンデンサー冷却水の使用量は、表8のとおりで、それぞれの総使用量は、比較例1と差異がなかった。
弁5vを最終的に50%閉じたこと以外は、実施例2と同様の設備及び方法でアセトニトリルを精製した。初期、低沸分離塔5の塔頂圧(ゲージ圧)は0.0172MPaG、塔頂温度及び塔底温度はそれぞれ78.8℃及び86.4℃であった。高沸分離塔3のリボイラー3cのシェル圧(ゲージ圧)は0.0168MPaG、塔頂温度及び塔底温度はそれぞれ41.5℃及び58.9℃であった。
精製したアセトニトリルの不純物を分析したところ、表9に示す結果を得た。
リボイラー蒸気及びコンデンサー冷却水の使用量は、表10のとおりであった。
ハンチング開始後に精製されたアセトニトリルの不純物を分析したところ、表11に示す結果を得た。
実施例2の状態から弁5vを徐々に閉じていった。その際の弁5vの閉じている度合(閉止状況)と低沸分離塔5の塔頂圧及び高沸分離塔リボイラー3bのシェル圧を表12に示す。また、弁5vの不純物濃度についても、表12に示す。
リボイラー蒸気及びコンデンサー冷却水の使用量については、表13に示すとおりであった。
プロパンのアンモキシデーション反応の副生物であるアセトニトリルを12質量%含有する液を実施例2と同様の設備に供給し、アセトニトリルの精製を行った。
アセトニトリルを12質量%含有する液をライン7よりアセトニトリル濃縮塔1に供給した。ライン8よりシアン化水素、ライン9より水の一部を分離除去した。ライン10より蒸気を抜き出して、ライン10に設置されているコンデンサー(図示せず)で凝縮させ、アセトニトリルを64質量%含む液を得た。その他の組成としては、水33質量%、シアン化水素1.7質量%、アクリロニトリル、アリルアルコール及びプロピオニトリル等の合計が、1.3質量%であった。
前記で得た液を、ライン10を通じて反応槽2に供給した。反応槽2には、ライン11より48質量%水酸化ナトリウム水溶液を加え、73℃において8時間反応させた。
反応槽2の液2810kg/hを、ライン12を通じて、高沸分離塔3に送った。塔底に設置されているリボイラーに、0.4MPaGの蒸気2.8t/hを流し、蒸留を行った。塔頂圧及び塔底圧は、それぞれ絶対圧で235mmHg及び255mmHg、塔頂温度及び塔底温度は、それぞれ41.5℃及び58.9℃であった。高沸分離塔の圧力変動は、前記数値を中央値として、その±1%であった。塔底よりアリルアルコール、プロピオニトリル、水酸化ナトリウム及び水などを含有する液770kg/hを抜き出し、廃水処理した。塔頂から留出する蒸気をコンデンサーで凝縮させた。凝縮液3940kg/hを高沸分離塔3に還流し、2040kg/hをライン14から脱水塔4の下部に供給した。
脱水塔4の上部のライン15から48質量%水酸化ナトリウム水溶液300kg/hを供給し、ライン14から供給した含水粗アセトニトリルと液−液接触させた。ライン16から水相を抜き出した。ライン17からアセトニトリル相1850kg/hを抜き出し、低沸分離塔5に供給した。
低沸分離塔5のリボイラーに、0.4MPaGの蒸気2.6t/hを流し、蒸留を行った。塔頂圧及び塔底圧は、それぞれ絶対圧で0.1172MPa及び0.1181MPa、塔頂温度及び塔底温度は、それぞれ78.8℃及び86.4℃であった。低沸分離塔の圧力変動は、前記数値を中央値として、その±1%であった。塔頂から留出する蒸気をコンデンサーで凝縮させた。コンデンサーの冷媒としては、28℃の水を用いた。凝縮液4150kg/hを低沸分離塔5に還流し、300kg/hをライン18から抜き出し、低沸点物質を除去した。ライン18の液は、廃水処理した。ライン19から抜き出した1550kg/hの液を製品塔6に送った。
製品塔6のリボイラーに、0.4MPaGの蒸気1.6t/hを流し、蒸留を行った。塔頂圧及び塔底圧は、それぞれ絶対圧で0.1100MPa及び0.1112MPa、塔頂温度及び塔底温度は、それぞれ81.2℃及び82.2℃であった。製品塔の圧力変動は、前記数値を中央値として、その±1%であった。ライン20からプロピオニトリルや高沸点物質を含む液70kg/hを抜き出し、廃水処理した。塔頂から留出する蒸気をコンデンサーで凝縮させ、還流ドラムに流下させた。コンデンサーの冷媒としては、28℃の水を用いた。還流ドラム内の凝縮液4380kg/hを、ポンプを用いて製品塔6に還流し、1480kg/hをライン21から抜き出し、精製したアセトニトリルを得た。精製アセトニトリル中の不純物の分析結果を表14に示す。リボイラー蒸気及びコンデンサー冷却水の使用量は、比較例1と同等であった。
弁6vを徐々に閉じ、高沸分離塔3のリボイラー3bへの熱量供給を増加させていった。最終的には、弁6vを全閉した。この時、製品塔6の塔頂圧(ゲージ圧「A」と記す。)は0.0100MPaG、リボイラー3bのシェル圧(ゲージ圧「B」と記す。)は0.0020MPaGであり、圧力比B/Aは0.020であった。また、高沸分離塔塔頂の圧力の変動は±0%であった。
続いて、弁5vを徐々に閉じ、最終的には35%閉じた。この時、低沸分離塔5の塔頂圧(ゲージ圧「A’」と記す。)は0.0172MPaG、高沸分離塔3のリボイラー3cのシェル圧(ゲージ圧「B’」と記す)は0.0108MPaGであり、圧力比B’/A’の中央値は0.63であった。また、高沸分離塔塔頂の圧力の変動は±1%であった。
精製したアセトニトリルの不純物を分析したところ、表15に示す結果を得た。
リボイラー蒸気及びコンデンサー冷却水の使用量は、表16のとおりであった。
2 反応槽
3 高沸分離塔
4 脱水塔
5 低沸分離塔
6 製品塔
7〜21 ライン
18a ライン
21a ライン
3a 高沸分離塔リボイラー
3b 高沸分離塔追加リボイラー(製品塔用)
3c 高沸分離塔追加リボイラー(低沸分離塔用)
5v 低沸分離塔コンデンサー行き分岐弁
6v 製品塔コンデンサー行き分岐弁
51v 高沸分離塔追加リボイラーバイパス弁(低沸分離塔塔底液用)
Claims (8)
- アンモ酸化反応により生成した、水を含有するアセトニトリルにアルカリを加えて反応させた後、反応混合物を第一の蒸留塔に供給し、得られた留出液をさらにアルカリと混合したものをアセトニトリル相と水相とに分離した後、前記水相を除去し、前記アセトニトリル相を第二の蒸留塔に供給する工程を含むアセトニトリルの精製方法であって、
前記第二の蒸留塔からの留出蒸気を前記第一の蒸留塔のリボイラーの熱源とするアセトニトリルの精製方法。 - 前記留出蒸気の一部を前記リボイラーに供給し、残部を前記第二の蒸留塔に接続されたコンデンサーに供給する、請求項1記載のアセトニトリルの精製方法。
- 前記第一の蒸留塔のリボイラー圧力(留出蒸気側、ゲージ圧)及び前記第二の蒸留塔の塔頂圧力(ゲージ圧)を基準として、前記リボイラーへの前記留出蒸気の供給量を決定する、請求項1又は2記載のアセトニトリルの精製方法。
- 前記第一の蒸留塔のリボイラー圧力を、前記第二の蒸留塔の塔頂圧力の0.90倍以下にする、請求項3記載のアセトニトリルの精製方法。
- 反応槽、第一の蒸留塔、脱水塔、及び第二の蒸留塔がこの順に設けられており、
水を含有するアセトニトリルとアルカリが前記反応槽で反応した後、反応混合物が第一の蒸留塔に流入され、前記第一の蒸留塔の留出液は前記脱水塔に流入され、前記脱水塔で得られるアセトニトリル相が第二の蒸留塔に流入されるようになっており、
前記第二の蒸留塔の留出蒸気が、前記第一の蒸留塔のリボイラーの熱源とされるアセトニトリルの精製装置。 - 前記留出蒸気の一部が前記リボイラーに供給され、残部は前記第二の蒸留塔に接続されたコンデンサーに供給される、請求項5記載のアセトニトリルの精製装置。
- 前記第一の蒸留塔のリボイラー圧力(留出蒸気側、ゲージ圧)及び前記第二の蒸留塔の塔頂圧力(ゲージ圧)を基準として、前記リボイラーへの前記留出蒸気の供給量が決定される、請求項5又は6記載のアセトニトリルの精製装置。
- 前記第一の蒸留塔のリボイラー圧力が、前記第二の蒸留塔の塔頂圧力の0.90倍以下である、請求項7記載のアセトニトリルの精製装置。
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