JPH1135542A - 蒸留回収/イオン交換樹脂処理プロセスによるアセトニトリルの精製 - Google Patents

蒸留回収/イオン交換樹脂処理プロセスによるアセトニトリルの精製

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JPH1135542A
JPH1135542A JP9183750A JP18375097A JPH1135542A JP H1135542 A JPH1135542 A JP H1135542A JP 9183750 A JP9183750 A JP 9183750A JP 18375097 A JP18375097 A JP 18375097A JP H1135542 A JPH1135542 A JP H1135542A
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acetonitrile
water
ion exchange
reflux ratio
exchange resin
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JP9183750A
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Clark Sesa Mark
クラーク セサ マーク
Alan Jacobson Paul
アラン ジャコブソン ポール
Lee Wapelhorst Richard
リー ワペルホースト リチャード
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Standard Oil Co
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 アクリロニトリル製造時の副生成物として得
られた粗製アセトニトリルから、HPLCグレードのアセト
ニトリルを生成すること。 【解決手段】 還流条件下での複数の蒸留工程に続い
て、酸性イオン交換樹脂による処理を行い、アセトニト
リルから実質的に全ての不純物を除くことを包含する、
HPLCグレードのアセトニトリル(UVカットオフ<190)
を生成するプロセス。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明のプロセスは、多数の
工程および高コストという不利益を伴うことなく、HPLC
グレードのアセトニトリルを精製するための手順に関す
る。
【0002】
【従来の技術】アンモニアおよび酸素を用いるプロピレ
ンの触媒的アンモ酸化によるアクリロニトリルの製造に
おいて、粗製アセトニトリル副生成物が生成される。用
語「粗製アセトニトリル」は、シアン化水素、水、およ
び他の不純物を含有する液体アセトニトリルを意味す
る。他の不純物は、アクリロニトリル、アセトアルデヒ
ド、アセトン、メタノール、アクロレイン、オキサゾー
ル、シス-およびトランス-クロトンニトリル、メタクリ
ロニトリルならびにアリルアルコールを含み得る。粗製
アセトニトリルの成分の相対的な割合は、種々の条件に
依存して広範囲に変化し得る。粗製アセトニトリル中の
有機不純物の濃度レベルは、2重量%〜4重量%より高
い濃度で単一の有機成分が見出されることなく、通常は
15%未満である。通常、アクリロニトリルプラントから
得られた粗製アセトニトリルは、25%と85%との間のア
セトニトリルを含有する。代表的には、粗製アセトニト
リルは、52%のアセトニトリル、43.6%の水、2.5%の
シアン化水素、0.5%のアクリロニトリルおよび1.3%の
上記したような他の有機不純物の重量基準で構成され
る。元来、アクリロニトリル製造時には、生成した粗製
アセトニトリルは焼却によって処分された。しかし、近
年では、この物質を回収し、精製し、そして販売して、
このプロセスに付加価値を付けるようになっている。
【0003】アクリロニトリルの製造時に生成される粗
製アセトニトリル副生成物の「第1段階」精製には2つ
の基礎技術がある。代表的には、これらのプロセスは、
バルク溶媒用途に対して十分な純度を有するアセトニト
リルを生成する。最も主要で、かつ最も一般的に実施さ
れる技術はバッチプロセスである。このプロセスでは、
粗製アセトニトリルを蒸留し、低沸点蒸留物であるバル
クのHCNを除去する。次いで、残留物質を、強塩基の混
合物(一般的には、水酸化ナトリウム、ホルムアルデヒ
ドおよび水)あるいは強塩基および硫酸鉄のいずれかと
反応させ、残留するHCNを実質的に全て取り除く。(米
国特許第4,328,075号および同第3,201,451号を参照のこ
と。)次いで、HCNを含まない物質を蒸留し、約25%の
水を含有するアセトニトリル/水共沸混合物を生成し、
続いて無水塩化カルシウムと共にスラリー化し、この共
沸混合物中からバルクの水を除き、そして約3%〜5%
の水を含有するアセトニトリル/水混合物を生成する。
次いで、この混合物を蒸留し、多くの用途で受容可能な
純度を有するアセトニトリル生成物を生成する。代表的
には、この物質は、数重量ppmのアクリロニトリルまた
はUVスペクトルにおいて強く吸収する他の不純物を含
む。
【0004】「第1段階」精製アセトニトリルを生成す
る第2の方法は、連続的な回収プロセスである。この回
収プロセスは以下の工程を包含する:粗製アセトニトリ
ルを蒸留ゾーンで、1気圧以上の圧力で第1の蒸留を行
い、バルクのHCNを取り除く工程;この共沸混合物をダ
イジェスターを通過させ、ダイジェスター中で、塩基お
よびホルムアルデヒドの水溶液での処理によって、残留
HCNを取り除く工程;1気圧未満の圧力で第2の蒸留を
行い、この物質を、水を含有する底部生成物と高濃度の
アセトニトリルを含有する第2のアセトニトリル/水共
沸混合物とに分離する工程;および、第1の蒸留での圧
力より高圧力で第3の蒸留を行い、側流(side strea
m)として精製アセトニトリルを生成する工程。このプ
ロセスは、本発明の譲受人に譲渡された米国特許第4,36
2,603号に記載され、そしてこの特許は本明細書中に参
考として援用される。この方法によって精製されるアセ
トニトリルは、数重量ppmまでのアクリロニトリル、ア
セトアミド、オキサゾールまたは他のUV吸収不純物を含
有し得る。
【0005】バルク溶媒グレードのアセトニトリルを形
成するために、これら2つの基本手順が広く受容される
一方で、アセトニトリル生成において、クロマトグラフ
ィーを適用するためにこれらの方法を使用することは、
このアセトニトリルが比較的多量のUV吸収不純物を含有
するために、受容されない。UV吸収不純物(<190nmに
不純物に対するUVカットオフ)を実質的に含まない、高
性能(HPLCグレード)のアセトニトリルについて紛れも
なく市場がある。
【0006】HPLCグレードのアセトニトリルの仕様は、
第1段階精製によって生成した物質を受容不可にし、従
って、 HPLCグレードのアセトニトリルの製造者による
さらなるプロセスが必要となる。このような高グレード
の純度を達成するために、従来のアセトニトリル精製の
商業的方法では、コストのかかる複数工程のプロセス
(例えば、過マンガン酸化、酸処理、五酸化リンによる
乾燥、および2回の蒸留を包含する)を用いる。
【0007】さらに最近の手順は、米国特許第5,292,91
9号および同第5,426,208号において、オゾンによるアセ
トニトリル処理に続いて、木炭または黒鉛化炭素、活性
アルミナ、および/またはモレキュラーシーブからなる
一連の吸着床にアセトニトリルを通す工程について開示
する。
【0008】いくつかの他の特許および参考文献は、酸
性イオン交換樹脂を用いて、アセトニトリルから不純物
を取り除くアセトニトリルの精製を記載する。英国特許
第1,223,915号は、一連の強酸カチオン交換樹脂を使用
し、塩基(アンモニアおよび3,3'-イミノジプロピオニ
トリル)濃度を減少させること(アセトニトリル水溶液
中において、各々500ppmから、それぞれ10ppmおよび<5
0ppm まで)を記載する。このレベルの純度ではまだ、H
PLCグレードのアセトニトリルとして受容されない。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】HPLCグレードのアセト
ニトリルを生成することが本発明の第1の目的である。
【0010】アクリロニトリル製造時の副生成物として
得られた粗製アセトニトリルから、HPLCグレードのアセ
トニトリルを生成することが本発明の第2の目的であ
る。
【0011】本発明のさらなる目的、利点および新規な
特徴は、一部が以下に記載され、そして一部は以下の検
討において当業者に明白となるか、または本発明の実施
によって習得され得る。本発明の目的および利点は、特
許請求の範囲において特定される手段および組み合わせ
によって実現され、かつ得られ得る。
【0012】
【課題を解決するための手段】本明細書において具体化
され、そして記載される本発明の目的に従って、上記の
目的を達成するために、本発明の方法は以下の工程を包
含する:(1)第1オーバーヘッド還流ループを備える
第1蒸留カラム中において、少なくとも1気圧の第1圧
力で粗製アセトニトリルを蒸留しHCNを除去し、第1ア
セトニトリル/水共沸混合物と水を含有する第1底部生
成物(bottom product)とを生成する工程;(2)第2
オーバーヘッド還流ループを備える第2蒸留カラム中に
おいて、1気圧未満の第2圧力で第1共沸混合物を蒸留
して、第1共沸混合物を、水を含有する第2底部生成物
と、第1共沸混合物より高いアセトニトリル濃度を有す
る第2アセトニトリル/水共沸混合物とに分離する工
程;(3)第3オーバーヘッド還流ループを備える第3
蒸留カラム中において、1気圧より高い第3圧力で第2
アセトニトリル/水共沸混合物を蒸留し、実質的に第2
共沸混合物からの全ての水を含有する第3アセトニトリ
ル/水共沸混合物、アセトニトリルおよび重質有機物を
含む第3底部生成物、ならびに高純度アセトニトリルを
含む側流を生成する工程;および(4)高純度アセトニ
トリル側流を酸性イオン交換樹脂に通し、高純度アセト
ニトリルをさらに精製し、そしてHPLCグレードのアセト
ニトリルを生成する工程。ここで、工程1、工程2およ
び工程3における還流比は、それぞれ、3:1、3.4:
1、および6.4:1より大きい。
【0013】上記で使用されるように、用語「還流比」
は以下のように定義される:第1カラム(軽量端部カラ
ム(light ends column))については、還流比は、オ
ーバーヘッド還流の流速をカラム側部からダイジェスタ
ーへの供給速度で割った比として定義される。第2蒸留
(乾燥カラム)については、還流比は、オーバーヘッド
還流の流速と生成物カラムへ流れ出るオーバーヘッドの
速度との比として定義される。第3の蒸留カラム(生成
物カラム)については、還流比は、オーバーヘッド還流
の流速とアセトニトリル生成物の側流の流速との比とし
て定義される。
【0014】本発明の好ましい実施態様においては、軽
量端部カラムの還流比は、好ましくは4.4:1より大き
く、乾燥カラムの還流比は、好ましくは4.5:1より大き
く、そして生成物カラムの還流比は、好ましくは8:1
より大きい。特に好ましくは、軽量端部カラムの還流比
は5.2:1より大きく、乾燥カラムの還流比は5:1より
大きく、そして生成物カラムの還流比は10.9:1より大
きい。
【0015】酸性イオン交換樹脂は、それらのH+形態で
使用される。樹脂床の再生は、当該分野において公知の
任意の従来技術によって樹脂床全体にわたって硫酸また
は塩酸溶液を通して行われ得る。再生後、樹脂床を、床
容量の数倍の量のアセトニトリルで洗浄し、床を乾燥
し、そして不純物を除去する。
【0016】樹脂処理の工程は、当該分野で公知の任意
の様式で行われ得る。樹脂処理の工程は、好ましくは、
連続的な固定床プロセスとして行われ得るが、例えば、
(任意に)撹拌されたタンク反応器中のスラリー様式操
作は、本発明の範囲内である。室温、または必要に応じ
て高温もしくは低温での連続様式で、ならびに上方流ま
たは下方流のいずれかを用いて、好ましくは15℃〜35℃
の温度で、吸着床は操作され得る。1時間当たり約0.1
〜300床容量の範囲の流速は、本発明のプロセスの範囲
内であるが、この範囲外での操作もまた好ましい。好ま
しくは、流速は1時間当たり0.2〜50床容量の範囲であ
る。最も好ましくは、流速は1時間当たり0.5〜35床容
量の範囲である。
【0017】最後に、HPLCグレードのアセトニトリルの
最終的な蒸留は任意であり、かつ当該分野で公知の従来
の手段で行われ得る。好ましくは、蒸留手段は、ガラス
またはステンレス鋼の装置中での蒸留であるが、アセト
ニトリルに対して不活性であり、かつ汚染物質を含まな
い他の構造物質は本発明の範囲内である。分留は、Olde
rshawカラム、または床、らせん、トレー、ターニン
グ、サドル、もしくは当該分野で公知の他の従来のパッ
キング物質で充填されたカラムで達成され得る。
【0018】本発明の実施に有用な適切なイオン交換樹
脂は、硫酸官能基を組み込んだ強酸型(ゲル形態、また
はマクロ網状もしくはマクロ細孔形態のいずれか)を含
む。例として、Amberlyst 15、Amberlyst XN 1010、Dow
ex 50、Amberlite IRP-69、Amberlite IR-118、および
これらの等価物が挙げられるが、これらに限定されな
い。また、受容可能であるがあまり好ましくないイオン
交換樹脂は、カルボン酸官能基を組み込んだ、いわゆる
弱酸樹脂(ゲル形態、またはマクロ網状もしくはマクロ
細孔形態のいずれか)である。このクラスの樹脂の例と
しては、Amberlite IRP-64およびIRC-50Sが挙げられる
が、これらに限定されない。特に好ましくは、非水性用
途に特別に設計された強酸樹脂(例えば、Amberlyst 1
5)である。
【0019】
【発明の実施の形態】本発明によれば、粗製アセトニト
リルは処理され、価値ある副生成物として高純度のアセ
トニトリルを回収する。「高純度」アセトニトリルは、
高性能液体クロマトグラフィー(HPLC)グレードのアセ
トニトリル(非常に高純度のアセトニトリル)、すなわ
ち、<190nmのUV吸収カットオフを有する、UV吸収不純
物をほとんど含まない(0.1〜0.3ppm(最大)より十分
に低い)アセトニトリルを意味する。本発明に従って処
理される粗製アセトニトリルは、少なくとも15%の水を
含有する任意のアセトニトリル/水混合物である。従っ
て、本発明のプロセスは、種々の水/アセトニトリル共
沸混合物の処理に適用され得る。しかし、本発明は、ア
クリロニトリルを形成する、酸素およびアンモニアによ
るプロピレンのアンモ酸化によって、生成される粗製ア
セトニトリル流の処理において最も広い用途を見い出
す。上記のように、このような粗製アセトニトリル流
は、通常約52%のアセトニトリル、43.6%の水、0.5%のア
クリロニトリル、2.5%のHCNおよび1.3%の他の少量の不
純物(例えば、オキサゾール、アリルアルコール、アセ
トンおよびプロピオニトリル)を含有する。
【0020】アクリロニトリルプラントから回収され、
そして上記組成を有する粗製アセトニトリルは、図面に
示されるフロースキームに従って本発明により適切に処
理され得る。この系によれば、粗製アセトニトリルは入
口ライン14を経て軽量端部カラム16に供給され、ここで
約140゜F〜160゜F(好ましくは144゜F〜155゜F、特に好まし
くは148゜F〜152゜F)の間の温度、約18psiaの圧力にて3
相に蒸留される。粗製アセトニトリル中の軽量成分、す
なわちHCN、アクリロニトリル、オキサゾールおよびア
セトンは蒸気回収物(draw)として軽量端部カラム16か
ら回収され、そして凝縮され、そして還流ライン17を経
てカラム16の上方領域に還流により戻される。好ましく
は上記で定義される還流比は3:1より大きい。回収され
ないオーバーヘッドはライン18から取り除かれ、そして
廃棄物処理のためベントスクラバー(vent scrubber)
(図示せず)に輸送される。水は軽量端部カラム16の底
部から回収され、そしてリボイラー21を通って一部リサ
イクルしながらライン20を経て廃棄物処理に排出され
る。約70%のアセトニトリル、30%の水、500ppmのHCNお
よび極微量の重質有機物(heavy organic)を含有する
第1のアセトニトリル/水共沸混合物は、コンデンサー
23中で凝縮された蒸気副回収物としてライン22を経て回
収され、そしてライン25を経てダイジェスター24に輸送
される。
【0021】水酸化ナトリウムとホルムアルデヒドとの
水溶液を含むHCNダイジェスターの組成物は、ライン26
を経てダイジェスター24に添加され、その結果、第1の
共沸混合物中のHCNおよびアクリロニトリルが分解(des
troy)される。
【0022】ダイジェスター24を出てくる、HCNを含ま
ないアセトニトリル/重質有機物と水との混合物はライ
ン30を経て乾燥カラム32に充填され、そして回収されな
い物質はオーバーヘッドとしてライン27を経てダイジェ
スター24から取り除かれ、そしてライン18中で合わせら
れてベントスクラバーおよび廃棄物処理に輸送される。
さらに、少量の重質不純物を含有するアセトニトリルを
含む流れもまた、生成物カラム42からライン34を経て乾
燥カラム32に充填される。乾燥カラム32中で、アセトニ
トリル/重質有機物と水との混合物は1気圧より低い圧
力(例えば、3.4psi)にて蒸留され、そして重質有機物
はリボイラー39を経ていくらかリサイクルされて戻され
ながら、廃棄物処理のためにライン36を経てカラム32の
底部に排出され、そして約10%の水を含有する第2のア
セトニトリル/水共沸混合物を含むガス状の頂部回収物
は、カラム32からライン38を経て取り除かれる。この第
2の共沸混合物の少なくとも一部は、コンデンサー40で
凝縮され、そして還流ライン37を経てカラム32に還流で
戻される。上記で定義されるこの工程における還流比は
3.4:1より大きい。
【0023】第2のアセトニトリル/水共沸混合物は、
ライン38を経てコンデンサー40に充填され、ここで凝縮
され、ライン43を経て熱交換器44を通過し、ここで加熱
され、次いでライン45を経て生成物カラム42に充填され
る。生成物カラム42において、第2のアセトニトリル/
水共沸混合物は高圧(例えば、50psia)にて3相に蒸留
される。重質不純物を含有するアセトニトリルを含む底
部生成物は、生成物カラム42の底部からリボイラー46に
回収され、一部はライン41を経てカラム42に、そしてラ
イン34を経て乾燥カラム32にリサイクルされる。第3の
アセトニトリル/水共沸混合物はライン28を経て生成物
カラム42の頂部から回収され、そして凝縮され、そして
還流ライン47を経て生成物カラム42の頂部に戻される還
流物としてリサイクルされる。凝縮されない蒸気はライ
ン28を経て共沸コンデンサー23まで続き、ここで第1の
共沸混合物と混合される。あるいは、これらの凝縮され
ない蒸気はライン29および14を経て軽量端部カラム16に
別ルートで送られ得る。好ましくは、上記で定義される
ように還流比はプロセスのこの工程について6.4:1より
大きい。本発明の別の実施態様において、生成物カラム
のオーバーヘッド流28からのいくらかの液体は、ライン
48を経て乾燥カラム32に、またはライン41を経てダイジ
ェスター24にリサイクルされ得る。生成物カラム42は高
圧にて操作されるので、生成物カラム42に充填された第
2のアセトニトリル/水共沸混合物中の全ての水は生成
物カラム42のオーバーヘッド流(すなわち、第3のアセ
トニトリル/水共沸混合物)中に回収され、生成物カラ
ム中に高純度のアセトニトリルが残る。この高純度アセ
トニトリル(99.8重量%アセトニトリル)はライン50を
経て側流(この流れは蒸気でも液体でもよいが、好まし
くは蒸気である)としてカラム42から回収され、そして
熱交換器51中で冷却された後、ライン52を経て樹脂処理
床54に排出され、ここで高純度アセトニトリルは処理さ
れてHPLCグレードのアセトニトリルを生成し、これはラ
イン56を経て生成物タンク58に回収される。
【0024】乾燥カラム32における蒸留温度は、約75゜F
〜90゜Fの間、好ましくは78゜F〜88゜Fの間で変動する。生
成物カラム中の代表的な蒸留温度は約250゜F〜260゜F、好
ましくは255゜F〜258゜Fの間である。
【0025】
【実施例】以下に示される実施例は、本発明の実施の例
示である。
【0026】(実施例1)アセトニトリルを、軽量端部
カラムの還流比3:1、乾燥カラムの還流比6.8:1、および
生成物カラムの還流比>12:1で連続回収ユニットにおい
て粗製アセトニトリルから回収した。回収されたアセト
ニトリルは3.3mg/Lのオキサゾール、10.3mg/Lのアセト
アミド、および0.01重量%の水を含有した。アリルアル
コール、アクリロニトリル、シス−およびトランス−ク
ロトンニトリル、メタクリロニトリル、およびピリジン
は検出限界未満であった。この物質のUVスペクトルは、
254nmで0.0020、220nmで0.0767、および190nmで1.1462
の吸光度を示した。樹脂床を9.69gの新しい乾燥Amberly
st 15イオン交換樹脂(H+形態)から、床直径1.2cm、床
長20cmで調製した。床を240mLのアセトニトリルを用い
て80mL/時間で床をフラッシュした後、440mLのアセトニ
トリルのサンプルを80mL/時間で、室温にて下方流によ
り樹脂を通過させた。1cm経路長のセル中での溶離液のU
Vスペクトルは、254nmで0.0060、220nmで0.0182、およ
び190nmで0.4775の吸光度を示した。このことは、254nm
で最大0.01、220nmで最大0.05、および190nmで最大1.0
というHPLCグレードのアセトニトリルのUV吸光度につい
てのACS仕様に比べて有利である。このサンプルについ
て、Phenomenexカラム(IB-SIL、5μm、250×4.6mm)を
用いて100%アセトニトリルで10分間、次いで80%水/20%
アセトニトリルで50分間、次いで再度100%アセトニトリ
ルで10分間、HPLC勾配分析を行った。このクロマトグラ
ムは、254nmで2mAUより大きな吸光度のピークを示さな
かった。これは、5mAUより大きな吸光度のピークを示さ
ないACS仕様と比べて有利であった。
【0027】(実施例2)アセトニトリルを、軽量端部
カラムの還流比約6.7:1、乾燥カラムの還流比約4.0:1、
および生成物カラムの還流比約11:1で連続回収ユニット
において粗製アセトニトリルから回収した。回収された
アセトニトリルは1.8mg/Lのオキサゾール、7.9mg/Lのア
セトアミド、および0.01重量%の水を含有した。アリル
アルコール、アクリロニトリル、シス−およびトランス
−クロトンニトリル、メタクリロニトリル、およびピリ
ジンは検出限界未満であった。この物質の1cm経路長の
セル中でのUVスペクトルは、254nmで0.0006、220nmで0.
0707、および190nmで0.9970の吸光度を示した。樹脂床
を10.1 g (20cc)の新しい乾燥Amberlyst 15イオン交
換樹脂(H+形態)から、床直径1.2cm、床長20cmで調製
した。200mLのアセトニトリルを用いて80mL/時間で床を
フラッシュした後、1480mLのアセトニトリルを80mL/時
間で、室温にて下方流により樹脂を通過させた。0.2μm
ナイロンフィルターディスクで濾過した後合わせた溶離
液の、1cm経路長のセル中でのUV吸光度は、254nmで0.00
31、220nmで0.0143、および190nmで0.4791であった。こ
のことは、254nmで最大0.01、220nmで最大0.05、および
190nmで最大1.0というHPLCグレードのアセトニトリルの
UV吸光度についてのACS仕様に比べて有利であり、そし
て市販のHPLCグレードのアセトニトリルのサンプル(こ
の1cm経路長のセル中でのUVスペクトルは、254nmで0.00
30、220nmで0.0141、および190nmで0.4766の吸光度を示
した)と比べても有利である。このサンプルについて、
Phenomenexカラム(IB-SIL、5μm、250×4.6mm)を用い
て100%アセトニトリルで10分間、次いで80%水/20%アセ
トニトリルで50分間、次いで再度100%アセトニトリルで
10分間、HPLC勾配分析を行った。このクロマトグラム
は、254nmで4mAUより大きな吸光度のピークを示さなか
った。これは、5mAUより大きな吸光度のピークを示さな
いACS仕様と比べて有利であった。
【0028】次いで、Amberlyst 15で処理された物質50
0gを、30cm×1cm(内径)のガラス真空ジャケットを備
えた空の分留カラム、および指型冷却器蒸留ヘッドを備
えた1Lの三口フラスコに入れた。すり合わせガラスのジ
ョイントをTeflonテープで封じた。16.7gの初留を廃棄
し、そして残りの留出物を一緒に回収し、そして0.2μm
ナイロンフィルターディスクで濾過した。3.4gの容器残
分が残った。回収された留出物の1cm経路長のセル中で
のUVスペクトルは、254nmで0.0000、220nmで0.0083、お
よび190nmで0.4430の吸光度を示し、市販のHPLCグレー
ドのアセトニトリルの吸光度より優れていた。このサン
プルについて、Phenomenexカラム(IB-SIL、5μm、250
×4.6mm)を用いて100%アセトニトリルで10分間、次い
で80%水/20%アセトニトリルで50分間、次いで再度100%
アセトニトリルで10分間、HPLC勾配分析を行った。この
クロマトグラムは、254nmで3mAUより大きな吸光度のピ
ークを示さなかった。これは、5mAUより大きな吸光度の
ピークを示さないACS仕様と比べて有利であった。
【0029】(比較例1)アセトニトリルをバッチ回収
ユニットにおいて粗製アセトニトリルから回収した。こ
のアセトニトリルは17.4mg/Lのオキサゾール、3.4mg/L
のアセトアミド、58mg/Lのアリルアルコール、1mg/Lの
アクリロニトリル、222mg/Lのシス−およびトランス−
クロトンニトリル、および2850mg/Lのメタクリロニトリ
ルを含有した。1cm経路長のセル中での出発物質のUVス
ペクトルは、254nmで0.0521、220nmで0.7724、207nmで
2.3421、200nmで2.1751、および190nmで1.1966の吸光度
を示した。10.1gの乾燥Amberlyst 15イオン交換樹脂(H
+形態)、床直径1.2cm、床長20cmで条件設定された床を
調製した。80mLのアセトニトリルを80mL/時間で、室温
にて下方流により樹脂を通過させた。1cm経路長のセル
中での溶離液のUVスペクトルは、254nmで0.0041、220nm
で0.1641、207nmで1.6003、200nmで2.0561、および190n
mで1.1977の吸光度を示した。溶離液は、検出可能なオ
キサゾールを含有せず、5.9mg/Lのアセトアミド、58mg/
Lのアリルアルコール、1mg/Lのアクリロニトリル、230m
g/Lのシス−およびトランス−クロトンニトリル、およ
び2880mg/Lのメタクリロニトリルを含有した。
【0030】(実施例3)アセトニトリルを、軽量端部
カラムの還流比3.58:1、乾燥カラムの還流比3.48:1、お
よび生成物カラムの還流比6.49:1で、連続的な回収ユニ
ットにおいて粗製アセトニトリルから回収した。回収し
たアセトニトリルは、11.6mg/Lのアセトアミド、および
0.6mg/Lのアクリロニトリルを含有した。アリルアルコ
ール、シス−およびトランス−クロトンニトリル、メタ
クリロニトリル、オキサゾール、ならびにピリジンは、
検出限界未満であった。経路長1cmセル中のこの物質の
UVスペクトルは、254nmで0.016、220nmで0.085、および
190nmで3.481の吸光度を示した。樹脂床を、10.1g(20c
c)の新しい乾燥Amberlyst15イオン交換樹脂(H+形態)
から、床直径1.2cm、床長20cmで調製した。この床を、2
00mLのアセトニトリルを用いて160mL/時でフラッシュし
た後、室温にて100mLのアセトニトリルを、80mL/時の下
方流で樹脂中に通した。溶離液の最後の25mLから取り出
したサンプルの、経路長1cmセル中のUVスペクトルは、
254nmで0.012、220nmで0.054、および190nmで1.022の吸
光度を示した。溶離液中のアセトアミドの濃度は、0.3m
g/Lより低かった。
【0031】(実施例4)アセトニトリルを、軽量端部
カラムの還流比4.78:1、乾燥カラムの還流比4.61:1、お
よび生成物カラムの還流比8.38:1で、連続的な回収ユニ
ットにおいて粗製アセトニトリルから回収した。回収し
たアセトニトリルは、12.7mg/Lのアセトアミド、および
<0.1mg/Lのアクリロニトリルを含有した。アリルアル
コール、シス−およびトランス−クロトンニトリル、メ
タクリロニトリル、オキサゾール、ならびにピリジン
は、検出限界未満であった。経路長1cmセル中のこの物
質のUVスペクトルは、254nmで0.008、220nmで0.060、お
よび190nmで2.422の吸光度を示した。樹脂床を、10.1g
(20cc)の新しい乾燥Amberlyst15イオン交換樹脂(H+
態)から、床直径1.2cm、床長20cmで調製した。この床
を、200mLのアセトニトリルを用いて160mL/時でフラッ
シュした後、100mLのアセトニトリルを、80mL/時の下方
流で樹脂中に通した。溶離液の最後の25mLから取り出し
たサンプルの、経路長1cmセル中のUVスペクトルは、25
4nmで0.012、220nmで0.041、および190nmで0.792の吸光
度を示した。溶離液中のアセトアミドの濃度は、0.3mg/
Lより低かった。
【0032】(実施例5)アセトニトリルを、軽量端部
カラムの還流比6.08:1、乾燥カラムの還流比5.27:1、お
よび生成物カラムの還流比13.14:1で、連続的な回収ユ
ニットにおいて粗製アセトニトリルから回収した。回収
したアセトニトリルは、20.3mg/Lのアセトアミド、およ
び<0.1mg/Lのアクリロニトリルを含有した。アリルア
ルコール、シス−およびトランス−クロトンニトリル、
メタクリロニトリル、オキサゾール、ならびにピリジン
は、検出限界未満であった。経路長1cmセル中のこの物
質のUVスペクトルは、254nmで0.000、220nmで0.052、お
よび190nmで2.979の吸光度を示した。樹脂床を、10.1g
(20cc)の新しい乾燥Amberlyst15イオン交換樹脂(H+
態)から、床直径1.2cm、床長20cmで調製した。この床
を、200mLのアセトニトリルを用いて160mL/時でフラッ
シュした後、室温にて100mLのアセトニトリルを、80mL/
時の下方流で樹脂中に通した。溶離液の最後の25mLから
取り出したサンプルの、経路長1cmセル中のUVスペクト
ルは、254nmで0.003、220nmで0.037、および190nmで0.6
25の吸光度を示した。溶離液中のアセトアミドの濃度
は、0.3mg/Lより低かった。
【0033】(実施例6)アセトニトリルを、軽量端部
カラムの還流比5.08:1と5.70:1との間、乾燥カラムの還
流比4.86:1と4.97:1との間、および生成物カラムの還流
比9.77:1と12.12:1との間で、連続的な回収ユニットに
おいて粗製アセトニトリルから回収した。回収したアセ
トニトリルは、約16mg/Lのアセトアミド、および<0.1m
g/Lのアクリロニトリルを含有した。アリルアルコー
ル、シス−およびトランス−クロトンニトリル、メタク
リロニトリル、オキサゾール、ならびにピリジンは、検
出限界未満であった。経路長1cmセル中の、この物質の
UVスペクトルは、254nmで0.005、220nmで0.036、および
190nmで3.32の吸光度を示した。樹脂床を、10.1g(20cc)
の新しい乾燥Amberlyst15イオン交換樹脂(H+形態)か
ら、床直径1.2cm、床長20cmで調製した。この床を、200
mLのアセトニトリルを用いて160mL/時でフラッシュした
後、1000mLのアセトニトリルを、室温にて80mL/時の下
方流で樹脂中に通した。経路長1cmセル中の溶離液のUV
スペクトルは、254nmで0.0034、220nmで0.0401、および
190nmで0.5634の吸光度を示した。溶離液中のアセトア
ミドの濃度は、0.3mg/Lより低かった。
【0034】次いでAmberlyst15処理した物質400.1g
を、30cm×1cm(内径)のガラス真空ジャケットで覆わ
れた空の分留カラム、および指型冷却器蒸留ヘッドを備
えた1Lの3つ口フラスコに置いた。すり合わせガラスの
ジョイントは、テフロンテープでシールした。最初の留
出物16.7gを捨て、そして残りの留出物を共に集め、そ
して0.2μのナイロンフィルターディスクで濾過した。4
0.35gの最終留分、および17.58gの容器残分を捨てた。
集めた留出物の、経路長1cmセル中のUVスペクトルは、2
54nmで0.0008、220nmで0.0205、および190nmで0.5072の
吸光度を示した。
【0035】(実施例7)アセトニトリルを、軽量端部
カラムの還流比4.53:1、乾燥カラムの還流比5.24:1、お
よび生成物カラムの還流比10.39:1で、連続的な回収ユ
ニットにおいて粗製アセトニトリルから回収した。回収
したアセトニトリルは、12.6mg/Lのアセトアミド、およ
び約0.05mg/Lのアクリロニトリルを含有した。アリルア
ルコール、シス−およびトランス−クロトンニトリル、
メタクリロニトリル、オキサゾール、ならびにピリジン
は、検出限界未満であった。経路長1cmセル中のこの物
質のUVスペクトルは、254nmで0.0043、220nmで0.0401、
および190nmで1.2350の吸光度を示した。樹脂床を、4.0
g(8cc)の新しい乾燥Amberlyst15イオン交換樹脂(H+
態)から、床直径0.8cm、床長18cmで調製した。この床
を、室温にて、水を用いて96mL/時で90分間、続いて10%
(w/w)H2SO4水溶液を用いて38mL/時で70分間、次いで水
を用いて38mL/時で60分間、次いで水を用いて99mL/時で
75分間、次いで精製されたアセトニトリルを用いて33mL
/時で18時間、上方流で予備処理した。次いで3700mLの
回収されたアセトニトリルを、室温で32.7mL/時〜106.3
mL/時の流速の上方流で樹脂中に通した。実験中に取り
出されたサンプルのUVスペクトルは、時間によっても流
速によっても、有意な変化を示さなかった。経路長1cm
中の合わせた溶離液のUVスペクトルは、254nmで0.002
0、220nmで0.0167、および190nmで0.4169の吸光度を示
した。溶離液中に検出可能なアセトアミドは認められな
かった。
【0036】(実施例8)アセトニトリルを、軽量端部
カラムの還流比4.53:1、乾燥カラムの還流比5.24:1、お
よび生成物カラムの還流比10.39:1で、連続的な回収ユ
ニットにおいて粗製アセトニトリルから回収した。回収
したアセトニトリルは、12.6mg/Lのアセトアミド、およ
び約0.05mg/Lのアクリロニトリルを含有した。アリルア
ルコール、シス−およびトランス−クロトンニトリル、
メタクリロニトリル、オキサゾール、ならびにピリジン
は、検出限界未満であった。経路長1cmセル中のこの物
質のUVスペクトルは、254nmで0.0043、220nmで0.0401、
および190nmで1.2350の吸光度を示した。樹脂床を、1.2
5gの新しい乾燥Dowex50W-X8イオン交換樹脂(H+形態)
から、床直径0.8cm、床長4cmで調製した。この床を、
室温にて、水を用いて1.14mL/分で81分間、続いて10%(w
/w)H2SO4水溶液を用いて0.124mL/分で84分間、次いで水
を用いて0.124mL/分で30分間、次いで水を用いて0.37mL
/時で73分間、次いで精製されたアセトニトリルを用い
て33.2mL/時で17.25時間、上方流で予備処理した。次い
で、回収されたアセトニトリルを、室温で33.2mL/時の
上方流で102時間かけて樹脂中に通した。実験中に取り
出されたサンプルのUVスペクトルは、時間によっても流
速によっても、有意な変化を示さなかった。102時間後
の合わせた溶離液の、経路長1cm中のUVスペクトルは、
254nmで0.0013、220nmで0.0120、および190nmで0.3896
の吸光度を示した。
【0037】(実施例9)アセトニトリルを、軽量端部
カラムの還流比4.53:1、乾燥カラムの還流比5.24:1、お
よび生成物カラムの還流比10.39:1で、連続的な回収ユ
ニットにおいて粗製アセトニトリルから回収した。回収
したアセトニトリルは、12.6mg/Lのアセトアミド、およ
び約0.05mg/Lのアクリロニトリルを含有した。アリルア
ルコール、シス−およびトランス−クロトンニトリル、
メタクリロニトリル、オキサゾール、ならびにピリジン
は、検出限界未満であった。経路長1cmセル中のこの物
質のUVスペクトルは、254nmで0.0043、220nmで0.0401、
および190nmで1.2350の吸光度を示した。樹脂床を、4.0
gの新しい乾燥Amberlyst15イオン交換樹脂(H+形態)か
ら、床直径0.8cm、床長18cmで調製した。この床を、室
温にて、水を用いて96mL/時で60分間、続いて10%(w/w)H
2SO4水溶液を用いて26.8mL/時で60分間、次いで水を用
いて26.8mL/時で38分間、次いで水を用いて96mL/時で60
分間、次いで精製されたアセトニトリルを用いて33.2mL
/時で26時間、上方流で予備処理した。次いで、回収さ
れたアセトニトリルを、樹脂処理された物質が合計20L
集まるまで、33.2mL/時〜225mL/時の範囲の流速の上方
流で樹脂中に通した。実験中に取り出されたサンプルの
UVスペクトルは、時間によっても流速によっても、有意
な変化を示さなかった。合わせた溶離液の経路長1cm中
のUVスペクトルは、254nmで0.0013、220nm
で0.0167、および190nmで0.3973の吸光度を示した。合
わせた溶離液の分析は、99.97%のアセトニトリル;5よ
り小さいAPHAカラー;0.315μeq/gの滴定酸;0.0019μe
q/gの滴定塩基;0.026%の水;0.01ppmのアクリロニトリ
ル;49ppmのプロピオニトリル;そしてアセトン、アリ
ルアルコール、シス−およびトランス−クロトンニトリ
ル、メタクリロニトリル、オキサゾール、ならびにピリ
ジンは、全て検出限界未満であるという結果を示した。
【0038】(実施例10)アセトニトリルを、軽量端
部カラムの還流比4.53:1、乾燥カラムの還流比5.24:1、
および生成物カラムの還流比10.39:1で、連続的な回収
ユニットにおいて粗製アセトニトリルから回収した。回
収したアセトニトリルは、12.6mg/Lのアセトアミド、お
よび約0.05mg/Lのアクリロニトリルを含有した。アリル
アルコール、シス−およびトランス−クロトンニトリ
ル、メタクリロニトリル、オキサゾール、ならびにピリ
ジンは、検出限界未満であった。経路長1cmセル中のこ
の物質のUVスペクトルは、254nmで0.0043、220nmで0.04
01、および190nmで1.2350の吸光度を示した。樹脂床
を、1.25gの新しい乾燥AmberliteIRC-50イオン交換樹脂
(H+形態)から、床直径0.8cm、床長4cmで調製した。
この床を、室温にて、水を用いて1.14mL/分で25分間、
続いて10%(w/w)H2SO4水溶液を用いて0.124mL/分で80分
間、次いで水を用いて0.124mL/分で30分間、次いで水を
用いて0.37mL/時で60分間、次いで精製されたアセトニ
トリルを用いて37mL/時で18時間、上方流で予備処理し
た。次いで、回収されたアセトニトリルを、室温で37mL
/時の上方流で2時間かけて樹脂中に通した。最初の2
時間の溶離液から取り出されたサンプルのUVスペクトル
は、時間による有意な変化を示さなかった。102時間後
の合わせた溶離液の、経路長1cmセル中のUVスペクトル
は、254nmで0.0024、220nmで0.0186、および190nmで0.3
653の吸光度を示した。溶離液中に検出可能なアセトア
ミドは、認められなかった。アセトニトリルをさらにカ
ラムで溶出すると、溶離液中にアセトアミドが現れ始め
た。
【0039】
【発明の効果】本発明によれば、多数の工程および高コ
ストという不利益を伴うことなく、HPLCグレードのアセ
トニトリルを精製するプロセスが提供される。さらに、
本発明によれば、アクリロニトリル製造時の副生成物と
して得られた粗製アセトニトリルから、HPLCグレードの
アセトニトリルを生成することが可能となる。
【0040】上記の実施例および記述は、本発明の記述
について余すところがないことも限定することも意図せ
ず、単に本発明のプロセスの実施を具体的に例証したも
のである。多くの代替、改変、および変化が、上述の記
載の観点から当業者に明らかであることは、明白であ
る。従って、本発明は添付の特許請求の範囲の精神およ
び広い範囲内における、そのような代替、改変、および
変化の全てを包含することを意図する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明のプロセスの実施の流れ図である。
【符号の説明】
16 軽量端部カラム(第1蒸留カラム) 24 ダイジェスター 32 乾燥カラム(第2蒸留カラム) 42 生成物カラム(第3蒸留カラム) 54 樹脂処理床 58 生成物タンク
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (71)出願人 595017584 200 Public Square,39G BP Building,Clevel and,Ohio 44114,U.S.A. (72)発明者 ポール アラン ジャコブソン アメリカ合衆国 テキサス 77904, ビ クトリア, ブルーミングデイル サーク ル 111 (72)発明者 リチャード リー ワペルホースト アメリカ合衆国 テキサス 77979, ポ ート ラバカ, キャンドルライト レー ン 209

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 高精製アセトニトリルを生成するプロセ
    スであって: (1)第1オーバーヘッド還流ループを備える第1蒸留
    カラム中において、少なくとも1気圧の第1圧力で粗製
    アセトニトリルを蒸留してHCNを除去し、第1アセトニ
    トリル/水共沸混合物と水を含有する第1底部生成物と
    を生成する工程、 (2)第2オーバーヘッド還流ループを備える第2蒸留
    カラム中において、1気圧未満の第2圧力で該第1共沸
    混合物を蒸留し、該第1共沸混合物を、水を含有する第
    2底部生成物と該第1共沸混合物より高いアセトニトリ
    ル濃度を有する第2アセトニトリル/水共沸混合物とに
    分離する工程、 (3)第3オーバーヘッド還流ループを備える第3蒸留
    カラム中において、1気圧より高い第3圧力で該第2ア
    セトニトリル/水共沸混合物を蒸留し、該第2共沸混合
    物由来の実質的に全量の水を含有する第3アセトニトリ
    ル/水共沸混合物、アセトニトリルおよび重質有機物を
    含む第3底部生成物、ならびに高純度アセトニトリルを
    含む側流を生成する工程、および (4)該高純度アセトニトリル側流を酸性イオン交換樹
    脂に通し、該高純度アセトニトリルをさらに精製し、そ
    して高精製アセトニトリルを生成する工程を包含し、 工程1、工程2および工程3における還流比が、それぞ
    れ、3:1、3.4:1、および6.4:1より大きく維持され
    る、プロセス。
  2. 【請求項2】 前記工程1における還流比が約4.4:1よ
    り大きい、請求項1に記載のプロセス。
  3. 【請求項3】 前記工程2における還流比が約4.5:1よ
    り大きい、請求項2に記載のプロセス。
  4. 【請求項4】 前記工程3における還流比が約8:1よ
    り大きく維持される、請求項3に記載のプロセス。
  5. 【請求項5】 前記酸性イオン交換樹脂が、硫酸官能基
    を組み込んだ強酸を含むように選択される、請求項1に
    記載のプロセス。
  6. 【請求項6】 前記酸性イオン交換樹脂が、カルボン酸
    官能基を組み込んだ弱酸樹脂を含むように選択される、
    請求項1に記載のプロセス。
  7. 【請求項7】 前記酸性イオン交換樹脂から回収された
    精製アセトニトリルをさらに蒸留する工程を含む、請求
    項1に記載のプロセス。
  8. 【請求項8】 前記工程1における還流比が約4.4:1よ
    り大きい、請求項7に記載のプロセス。
  9. 【請求項9】 前記工程2における還流比が約4.5:1よ
    り大きい、請求項8に記載のプロセス。
  10. 【請求項10】 前記工程3における還流比が約8:1
    より大きく維持される、請求項9に記載のプロセス。
  11. 【請求項11】 前記酸性イオン交換樹脂が、硫酸官能
    基を組み込んだ強酸を含むように選択される、請求項7
    に記載のプロセス。
  12. 【請求項12】 前記酸性イオン交換樹脂が、カルボン
    酸官能基を組み込んだ弱酸樹脂を含むように選択され
    る、請求項7に記載のプロセス。
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