JP5383686B2 - 圧力変化による精留によりトリオキサン/ホルムアルデヒド/水の混合物からトリオキサンを分離する方法 - Google Patents

圧力変化による精留によりトリオキサン/ホルムアルデヒド/水の混合物からトリオキサンを分離する方法 Download PDF

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Description

本発明は、トリオキサン/ホルムアルデヒド/水の混合物からトリオキサンを分離する方法ならびに改善された方法収率もしくは改善された生成物純度でトリオキサンを製造する方法に関する。
トリオキサンは通常、酸性触媒の存在下にホルムアルデヒド水溶液を蒸留することにより製造される。引き続き、ホルムアルデヒドおよび水を含有する蒸留液から、ハロゲン化炭化水素、たとえば塩化メチレンまたは1,2−ジクロロエタン、または他の、水と混和しない溶剤を用いた抽出によりトリオキサンを除去する。
DE−A1668867は、水、ホルムアルデヒドおよびトリオキサンを含有する混合物から、有機溶剤を用いた抽出によりトリオキサンを分離する方法を記載している。この場合、2つの部分区間からなる抽出区間の1の端部において、水と実質的に混和しない、慣用の、トリオキサンのための有機抽出剤を供給し、他の端部において、水を供給する。両方の部分区間の間に、トリオキサン合成の分離すべき蒸留液を供給する。次いで溶剤供給部の側でホルムアルデヒド水溶液が得られ、かつ水供給部の側で溶剤中の、実質的にホルムアルデヒドを含有していないトリオキサン溶液が得られる。実施例では、トリオキサン合成の際に生じる、水40質量%、トリオキサン35質量%およびホルムアルデヒド25質量%からなる蒸留液が、パルス処理塔の中央部に供給され、上部の塔末端に塩化メチレンが、および下部の塔末端に水が供給される。その際、下部の塔末端では、塩化メチレン中約25質量%のトリオキサンの溶液が得られ、かつ上部の塔末端では、約30質量%のホルムアルデヒドの水溶液が得られる。
この方法の欠点は、精製されなくてはならない抽出剤の発生である。使用される抽出剤は、部分的に危険物質(ドイツの危険物質の規定の意味でのTまたはT+物質)であり、その取り扱いには特に慎重な措置が要求される。
DE−A19732291は、実質的にトリオキサン、水およびホルムアルデヒドからなる水性混合物から、トリオキサンを分離する方法を記載しており、この場合、該混合物から透析蒸発によりトリオキサンを除去し、トリオキサンが富化された透過液を、精留によってトリオキサンと、トリオキサン、水およびホルムアルデヒドからなる共沸混合物とに分離する。実施例では、トリオキサン40質量%、水40質量%およびホルムアルデヒド20質量%からなる水性混合物を、第一の蒸留塔中、標準圧力下に、水/ホルムアルデヒド混合物と、トリオキサン/水/ホルムアルデヒドの共沸混合物とに分離している。該共沸混合物を、ポリジメチルシロキサンからなる膜を疎水性ゼオライトと共に有する透析蒸発装置に案内する。トリオキサンが富化された混合物を、第二の蒸留塔中、標準圧力下に、トリオキサンと、ふたたびトリオキサン、水およびホルムアルデヒドからなる共沸混合物に分離する。この共沸混合物は、透析蒸発段階の前に返送される。
この方法の欠点は、透析蒸発装置のための投資が極めて高いことである。
先の出願であって、未公開のDE−A−07101198は、ホルムアルデヒド、トリオキサンおよび水からなる供給流Iからトリオキサンを分離する方法を記載しており、この方法では、
a)主成分としてのホルムアルデヒドと、副成分としてのトリオキサンおよび水を含有する供給流Iを準備し、
b)供給流I、返送流V、および主成分としてホルムアルデヒド、および副成分として水およびトリオキサンを含有する返送流VIIを、第一の蒸留段階に供給し、かつ0.1〜2.5バールの圧力で蒸留し、その際、主成分としてホルムアルデヒド、および副成分として水を含有する流II、および主成分としてトリオキサン、および副成分として水およびホルムアルデヒドを含有する流III、および水、トリオキサンおよびホルムアルデヒドを含有する流Xが得られ、
c)場合により低沸点成分分離段階で流IIIから低沸点成分を分離した後で、第二の蒸留段階において0.2〜17.5バールの圧力で流IIIを蒸留し、その際、第二の蒸留段階の圧力は、第一の蒸留段階の圧力よりも0.1〜15バール高く、その際、実質的にトリオキサンからなる流IV、および主成分としてトリオキサン、および副成分として水およびホルムアルデヒドを含有する返送流Vが得られ、
d)流X、および場合により主成分として水を含有する流IXを、第三の蒸留段階に供給し、かつ1〜10バールの圧力で蒸留し、その際、実質的に水からなる流VI、およびホルムアルデヒドおよび水およびトリオキサンを含有する返送流VIIが得られる。
本発明の課題は、トリオキサン/ホルムアルデヒド/水の共沸混合物からトリオキサンを分離するための方法であって、従来技術の抽出工程または透析蒸発工程を使用せず、トリオキサンが高い純度で得られ、かつ有利には改善された方法収率が可能になる方法を提供することである。
前記課題は本発明により、ホルムアルデヒド、トリオキサンおよび水からなる供給流Iからトリオキサンを分離する方法であって、
a)主成分としてホルムアルデヒド、および副成分としてトリオキサンおよび水を含有する供給流Iを準備し、
b)供給流I、返送流V、および主成分としてホルムアルデヒド、および副成分として水およびトリオキサンを含有する返送流VIIを、第一の蒸留段階に供給し、かつ0.1〜2.5バールの圧力で蒸留し、その際、主成分としてホルムアルデヒド、および副成分として水を含有する流II、および主成分としてトリオキサン、および副成分として水およびホルムアルデヒドを含有する流III、および水、トリオキサンおよびホルムアルデヒドを含有する流Xが得られ、
c)流IIIを、場合により低沸点成分分離段階で流IIIから低沸点成分を分離した後で、第二の蒸留段階において0.2〜17.5バールの圧力で蒸留し、その際、第二の蒸留段階における圧力は、第一の蒸留段階における圧力よりも0.1〜15バール高く、その際、実質的にトリオキサンからなる流IV、および主成分としてトリオキサン、および副成分として水およびホルムアルデヒドを含有する返送流Vが得られ、
c1)流IVを、少なくとも1の別のトリオキサン蒸留段階において、0.5〜2バールの塔頂圧力で精製し、その際、精製されたトリオキサンは塔の濃縮部で側方排出流XIIとして得られ、
d)流X、および場合により主成分として水を含有する流IXを、第三の蒸留段階に供給し、かつ1〜10バールの圧力で蒸留し、その際、実質的に水からなる流VI、および主成分としてホルムアルデヒド、および副成分として水およびトリオキサンを含有する返送流VIIが得られる、
ホルムアルデヒド、トリオキサンおよび水からなる供給流Iからトリオキサンを分離する方法によって解決される。
本発明によれば、流IVを再度、少なくとも1の別のトリオキサン蒸留段階において、0.5〜2バールの塔頂圧力で精製することが特に有利であることが判明した。この場合、精製されたトリオキサンは、塔の濃縮部において側方排出流として生じる。特に有利にはこの蒸留をふたたび2段階で実施し、その際、第一の塔の側方排出流を、第二の塔の塔底部に供給し、かつ高純度のトリオキサンを、第二の塔の側方排出流から除去する。
方法収率は、第三アミンおよび/またはイミンを添加することにより生成物混合物中に含有されているギ酸を結合し、かつ形成されたギ酸とアミンとの塩を、液相(イオン性液体)として蒸留塔の塔底で排出することができる場合にはさらに改善される。この方法を以下にさらに詳細に説明する。
主成分とは、該当する混合物において大部分もしくは最も大きな質量割合を有する成分である。有利には主成分の質量割合はそのつどの混合物において、少なくとも40質量%である。ある流は、少なくとも90質量%までが1もしくは複数のこれらの成分からなる場合には、「実質的に」こ(れら)の成分「からなる」。
トリオキサン、ホルムアルデヒドおよび水が、1バールの圧力で、トリオキサン69.5質量%、ホルムアルデヒド5.4質量%および水25.1質量%を含有する三成分の共沸混合物を形成することは公知である。
本発明によれば、この共沸混合物は、第一および第二の蒸留が異なった圧力で実施される圧力変化蒸留により回避される。より低い圧力で運転される第一の蒸留では、出発混合物を、わずかなホルムアルデヒド含有率を有するトリオキサン/水混合物IIIと、実質的にトリオキサン不含のホルムアルデヒド/水混合物IIとに分離する。ホルムアルデヒド/水混合物IIは、トリオキサン合成に返送することができる。第二の、より高い圧力で運転される蒸留塔では、得られたトリオキサン/ホルムアルデヒド/水の混合物IIIを、純粋なトリオキサンと、低いトリオキサン含有率を有するトリオキサン/ホルムアルデヒド/水の混合物Vとに分離する。混合物Vは、第一の蒸留塔に返送される。本発明によればさらに、第一の蒸留塔で、側方排出流Xとして、著量の水を含有する混合物が得られ、ここから第三の蒸留塔で、実質的に純粋な水VIを分離し、かつ水の含有率が低いトリオキサン/ホルムアルデヒド/水の混合物VIIが得られる。この混合物VIIは、第一の蒸留塔へ返送される。有利にはこの蒸留塔に、ホルムアルデヒド水溶液の濃縮の際に得られる、水を含有する流IXを同様に第三の蒸留塔に供給する。
蒸留塔としては、任意の蒸留塔、たとえば充填塔および棚段塔が適切である。これらは、任意の内部構造物、規則充填体および不規則充填体を含有していてよい。
第二の蒸留段階の圧力は、第一の蒸留段階の圧力よりも0.1〜15バール高い。有利にはこの圧力差は、1.0〜10バール、特に有利には1.5〜5バールである。
すべての圧力の記載は、そのつどの塔の塔頂における圧力である。
第一の蒸留段階は、0.1〜2.5バール、有利には0.25〜1.5バールの圧力で実施する。第一の蒸留段階は一般に、少なくとも2、有利には2〜50、特に有利には4〜25の理論段を有する蒸留塔中で実施される。一般に、この塔のストリッピング部は、この塔の理論段の少なくとも25%、有利には50〜90%までを含む。
供給流Iは、一般にホルムアルデヒドを40〜80質量%、水を20〜59質量%、およびトリオキサンを1.0〜30質量%含有する。供給流Iは、有利には蒸気状で第一の蒸留塔の塔底に供給される。
一般に第一の蒸留塔の塔底排出流として得られる流IIは、一般に5質量%未満、有利には2質量%未満のトリオキサンを含有しており、特に有利には1質量%未満のトリオキサンを含有している。たとえば流IIは、次のとおりの組成を有する:ホルムアルデヒド55〜85質量%、水15〜45質量%およびトリオキサン0〜5質量%。一般に第一の蒸留塔の塔頂排出流として得られる流IIIは、一般に60質量%超、有利には63質量%超、特に有利には65質量%超のトリオキサンを含有している。流IIIはたとえば次のとおりの組成を有する:ホルムアルデヒド3〜20質量%、水10〜30質量%、およびトリオキサン60〜75質量%。第一の蒸留塔の側方排出流として得られる流Xは、水、ホルムアルデヒドおよびトリオキサンを含有しており、その際、一般に水またはホルムアルデヒドが、主成分である。流Xはたとえば次のとおりの組成を有する:ホルムアルデヒド10〜50質量%、水10〜50質量%、およびトリオキサン3〜40質量%。
流IIは有利にはトリオキサン合成に返送される。
流I、III、VおよびVIIは、さらに15質量%までの低沸点成分を含有していてよい。トリオキサン合成およびその後の蒸留による分離の際に形成されうる通常の低沸点成分は、ギ酸メチル、メチラール、ジメトキシジメチルエーテル、メタノール、ギ酸ならびにその他のヘミアセタールおよび完全アセタールである。これらの低沸点成分を分離するために、場合により第一および第二の蒸留工程の間で、低沸点成分分離段階を実施する。その際、この低沸点成分は有利には、一般に0.1〜5バールの圧力、有利には1.0〜2.5バールの圧力で運転される低沸点成分分離塔の塔頂を介して分離される。一般に、低沸点成分分離塔は、少なくとも2の理論段、有利には15〜50の理論段を有している。一般に、この塔のストリッピング部は、この塔の理論段の25〜90%、有利には50〜75%を含んでいる。低沸点成分分離塔の塔底排出流中の、トリオキサンと比較して沸点の低い成分の含有率は、一般に5質量%未満、有利には2.5質量%未満、特に有利には1.5質量%未満である。
一般には低沸点成分の分離を実施する。
流IIIは、第二の蒸留段階において、0.2〜17.5バールの圧力で、実質的に純粋なトリオキサンからなる流IVと、主成分としてトリオキサンを含有し、かつさらに水およびホルムアルデヒドを含有する流Vとに分離される。この第二の蒸留段階は、有利には2.5〜10バールで実施される。一般に、この第二の蒸留段階は、少なくとも2の理論段、有利には10〜50の理論段を有する蒸留塔中で実施され、その際、流IVは、塔のストリッピング部において、塔底排出流として、または側方排出流として生じ、かつ流Vは塔頂排出流として生じる。一般に、この蒸留塔のストリッピング部は、この塔の理論段の25〜90%、有利には50〜75%を有する。
一般に、流IVは、95〜100質量%、有利には99〜100質量%のトリオキサンと、0〜5質量%、有利には0〜1質量%の水および副成分を含有する。副成分は特に上記の低沸点成分であるが、しかしまた、トリオキサンよりも沸点の高い成分でもある。特に有利にはトリオキサン流IV中の水および副成分の含有率は0.1%未満である。これはそれどころか、0.01%未満であってもよい。流Vは、たとえばホルムアルデヒド5〜20質量%、水15〜35質量%およびトリオキサン50〜75質量%を含有している。
本発明によれば、流IVは、少なくとも1の別のトリオキサン蒸留段階において、0.5〜2バールの塔頂圧力で精製され、その際、精製されたトリオキサンは側方排出流XIIとして、塔の濃縮部で得られる。この蒸留塔は、有利には5〜50、特に有利には10〜20の理論分離段を有する。塔の塔頂圧力は、有利には1.0〜1.5バールである。側方排出流では、有利には99.9質量%を上回る、特に有利には99.99質量%を上回る純度を有する純粋なトリオキサンが得られる。
段階c1)の後に、段階c2)として、流XIIの第二のトリオキサン蒸留が続いてもよい。この段階は同様に、0.5〜2.0バール、特に有利には1.0〜1.5バールの範囲の塔頂圧力で実施され、その際、再度精製されたトリオキサンが、塔の濃縮部の側方排出流として得られる。このさらなる蒸留塔は同様に、有利には5〜50、特に有利には10〜20の理論分離段を有する。側方排出流として、重合可能な純粋なトリオキサンが得られる。
流Xおよび場合により水を含有する流IXは、第三の蒸留段階において、1〜10バールの圧力で、実質的に水からなる流VIと、主成分としてトリオキサンを含有し、かつさらに水およびホルムアルデヒドを含有する返送流VIIとに分離される。水を含有する流IXは、場合により蒸発器として構成されているホルムアルデヒド濃縮装置の蒸気排出流として得られ、かつたとえば水70〜97質量%およびホルムアルデヒド3〜30質量%を含有している。有利には第三の蒸留段階を2.5〜6.5バールの圧力で実施する。一般に、第三の蒸留段階は、少なくとも2の理論段、有利には10〜50の理論段を有する蒸留塔中で実施され、その際、水の流VIは、塔の塔底排出流として、または側方排出流として得られ、かつ返送流VIIは、塔頂排出流として得られる。流Xは、有利には塔の上部領域に、たとえば塔の理論段の上三分の一の領域に、および流IXは、塔の中央の領域に、たとえば塔の理論段の中央の三分の一の領域に添加される。
水の流VIは、有利には95質量%超、特に有利には97質量%超までが水からなる。たとえば流VIは、水を98〜100質量%、ホルムアルデヒドを0〜1質量%、および副成分を0〜1質量%含有している。
流VIIは、たとえばホルムアルデヒドを10〜55質量%、水を5〜50質量%、およびトリオキサンを5〜55質量%含有している。
流VIIは、部分的に、または完全に、第一の蒸留段階の前に返送することができ、有利には実質的に完全に、第一の蒸留段階に返送される。その際、該流は、返送流Vと混合されるか、または返送流とは別に第一の蒸留塔に供給されてもよい。
本発明の対象は、ホルムアルデヒド、トリオキサンおよび水を含有する供給流Iが、上流のトリオキサン合成段階においてホルムアルデヒド水溶液から製造され、かつ引き続き流Iから上記のとおりにトリオキサンが分離される、ホルムアルデヒド水溶液からトリオキサンを製造する方法でもある。
本発明の対象は、ホルムアルデヒド、トリオキサンおよび水を含有する供給流Iが、上流のトリオキサン合成段階においてホルムアルデヒド水溶液から製造され、かつ引き続き流Iから上記のとおりにトリオキサンが分離される、ホルムアルデヒド水溶液からトリオキサンを製造する方法でもある。あるいはトリオキサン合成と第一の蒸留段階は、1つの反応蒸留に合されてもよい。
本発明による方法の1つの実施態様では、ホルムアルデヒド水溶液からなる流XIが上流のトリオキサン合成段階に供給され、かつ酸性の均一系もしくは不均一系触媒、たとえばイオン交換樹脂、ゼオライト、硫酸およびp−トルエンスルホン酸の存在下に、一般に70〜130℃の温度で反応される。その際、蒸留塔または蒸発器(反応蒸発器)中で作業してもよい。次いでトリオキサン/ホルムアルデヒドおよび水からなる生成物混合物が、蒸発器の蒸気状の蒸気排出流として、または塔頂排出流として、塔の塔頂で生じる。トリオキサン合成段階は、固定床反応器または流動床反応器中、不均一系触媒、たとえばイオン交換樹脂またはゼオライトを用いて実施することもできる。
本発明による方法のもう1つの実施態様では、トリオキサン合成段階と、第一の蒸留段階とが、反応蒸留として1の反応塔中で実施される。反応塔は、ストリッピング部に、不均一系酸性触媒からなる触媒固定床を有していてもよい。あるいは反応蒸留は均質系触媒の存在下に実施してもよく、その際、酸性触媒をホルムアルデヒド水溶液と一緒に塔底に装入する。
一般に、トリオキサン合成段階に供給されるホルムアルデヒド水溶液は、ホルムアルデヒドを30〜85質量%および水を15〜70質量%含有している。該溶液は、上流の濃縮工程において、ホルムアルデヒド濃度の低いホルムアルデヒド水溶液から得られてもよい。この濃縮工程はたとえば蒸発器、有利には流下薄膜式蒸発器中で実施することができる。
上流の濃縮工程は、たとえばDE−A19925870に記載されているとおりに実施することができる。
本発明による方法の1つの実施態様では、ホルムアルデヒド水溶液の流VIIIを、蒸発器、有利には流下薄膜式蒸発器中で濃縮し、その際、比較的高いホルムアルデヒド濃度を有するホルムアルデヒド水溶液から流XIが得られる。ホルムアルデヒドが著しく富化されている蒸発器の蒸気排出流は、水を含有する流IXとして、第三の蒸留段階に供給される。流VIIIはたとえばホルムアルデヒドを40〜60質量%および水を40〜60質量%含有する。濃縮された流XIは、たとえばホルムアルデヒドを55〜80質量%および水を20〜45質量%含有している。ホルムアルデヒド含有率の低い蒸気排出流IXは、たとえばホルムアルデヒドを10〜25質量%および水を75〜90質量%含有している。
トリオキサンの純度が、>99質量%、>99.9質量%、またはそれどころか>99.99質量%であってもよい、得られる純粋なトリオキサン、または重合可能な高純度のトリオキサンは、有利にはポリオキシメチレン(POM)、ポリオキシメチレン誘導体、たとえばポリオキシメチレンジメチルエーテル(POMDME)およびジアミノジフェニルメタン(MDA)を製造するために使用される。
本発明はさらに、ホルムアルデヒド、トリオキサン、水およびギ酸を含有する混合物から、蒸留によってギ酸を分離する方法に関する。このことによって、トリオキサン法の粗収率の改善が可能であり、トリオキサンはさらに安定化することができる。
蒸留の際にトリオキサンと共に排出されるギ酸の分離は通常、困難である。ギ酸はたとえばカニッツァーロ反応によってホルムアルデヒドから生じるが、この場合、いずれにしても1当量のメタノールが生じる。ギ酸はトリオキサンの分解を触媒しうるので、ギ酸の効果的な分離およびこれによるトリオキサンの分解の抑制が極めて重要である。記載されているとおり、加圧下で運転される蒸留塔は、ほぼ共沸混合物の組成を有する、主成分のトリオキサン、ホルムアルデヒドおよび水の物質混合物が、180℃を上回る温度で、塔底排出部中で純粋なトリオキサンと、塔頂排出部中で共沸混合物とに分離される。選択された蒸留条件に基づいて、塔底排出部は、しばしば比較的大量のギ酸、たとえば5000ppmのギ酸を含有している。しかしギ酸は、トリオキサンからポリオキシメチレン(POM)への重合を著しく妨げ、かつさらにPOMの品質の低下につながるので、最大のギ酸含有率は著しく低下させるべきである。
これは本発明によれば有利には、該混合物に蒸留の前または蒸留の間に、少なくとも1の、ギ酸を脱プロトン化し、かつ塩に変換することができる第三アミンおよび/またはイミンまたはこれらの混合物を触媒量で、またはすべてのギ酸量と塩を形成するために十分な量で添加し、かつ形成されたギ酸とアミンとの塩を液相として蒸留塔の塔底で排出することによって達成される。
従って単独のアミンまたはイミン、アミンもしくはイミンの混合物、またはアミンとイミンとの混合物を使用することができる。
本発明によれば有利にはギ酸を脱プロトン化し、かつ塩に変換することができる第三アミンまたは第三アミンの混合物が使用される。
「第三アミン」という表現は、アンモニアとは異なって、3つの水素原子のすべてが有機基によって置換されている窒素含有化合物を記載する。これは非環式または環式の構造であってよく、その際、環式構造は、たとえばピリジンの場合のように、脂肪族であっても芳香族であってもよい。有利には第三アミンは、トリ−C1〜C3−アルキルアミン、環式もしくは二環式脂肪族第三アミン、イミダゾールまたはピリジンから選択される。これは、第三アミンが1の窒素原子を有するのみである限り、トリアルキルアミンであってもよい。本発明によれば、第三アミンが複数の窒素原子を有しており、それぞれの水素原子が有機基によって置換されていることも可能である。さらに、有機基が、たとえば別のヘテロ原子、たとえば窒素原子と一緒に、二環式構造を形成することも可能である。本発明によれば有利には使用される第三アミンが、2もしくは3の、特に2の第三窒素原子を有する。特に有利にはこれはジアザビシクロアルカン化合物またはジアザビシクロアルケン化合物である。特に有利な例は、ジアザビシクロウンデセン(DBU)およびトリエチレンジアミン(TEDA、DABCO(登録商標))である。
第三アミンは、極めて塩基性が高いので、ギ酸を脱プロトン化し、かつ塩に変換することができる。第三アミンはさらに、形成されたギ酸とアミンとの塩が、液相(イオン性液体)として存在するように選択される。相応する塩の形成のためには、第三窒素原子対ギ酸のモル比は、有利には1:1〜3:1の範囲、特に有利には1:1〜2:1の範囲、特に約1:1である。
アミンの塩基度は重要である。強塩基は、ギ酸を完全に脱プロトン化するために必要であり、これにより液相中で融点の低い安定した塩が形成される。ギ酸を生成物混合物から除去することにより、トリオキサンの自触媒分解が著しく低減される。融点の低い塩(イオン性液体)の存在により、固体の取り扱いを回避することができる。特に有利にはトリエチレンジアミンを塩基として使用する。アンモニウム塩のTEDA*HCOOは、難揮発性成分として分離することができ、かつ気相中、高温でふたたびTEDAおよびHCOOHもしくはCOおよびH2OまたはCO2およびH2に分解することができる。これにより、方法中で返送することによってアミンの触媒的な使用が可能にある、つまりアミン(またはイミン)は、消費されない。
第三アミンはトリオキサンを安定化する作用を有しているので、さらにこの安定化作用を利用することができる。この場合、アミンをギ酸に対してモル過剰で使用して、トリオキサンが塩基性で安定化される。モル過剰は、有利には2〜5倍、つまり2:1〜5:1である。
ギ酸とアミンとの塩は、有利には周囲温度(25℃)でイオン性液体として存在する。
蒸留の際に、第三アミンは有利には少なくとも1の蒸留塔の供給流、ストリッピング部、濃縮部および/または塔底に添加することができる。有利には少なくとも1の塔の供給流中での添加は、第二および第三の蒸留段階である。有利にはこの添加は、第二の蒸留段階である。
ギ酸とアミンとの塩はこの場合、蒸留塔の塔底液と共に排出される。有利には次いでさらなる蒸留に供し、ここで該塩は蒸留塔の塔底から排出される。
排出されたギ酸とアミンとの塩は、加熱下に分解することができ、その際、第三アミンが回収され、次いでこれを方法に返送することができる。このことにより第三アミンが顕著に消費されることなく循環することが可能である。このため、方法は特に経済的である。加熱下でのギ酸とアミンとの塩の分解は、たとえばAngew.Chem.82、1970年、No.2、第73〜77頁に記載されている。
本発明を以下では図面を参照しながら詳細に説明する。
本発明による方法の1つの実施態様を例示する図 本発明による方法の1つの実施態様を例示する図
ホルムアルデヒド水溶液1(流VIII)を、蒸発器2、たとえば薄膜蒸発器、流下薄膜式蒸発器またはらせん管式蒸発器に供給する。蒸発器の蒸気排出流3(流IX)として、ホルムアルデヒド含有率の低い水溶液が、蒸発器の塔底排出流4(流XI)として、ホルムアルデヒドが富化された水溶液が得られる。これを第一の蒸留塔7のホルムアルデヒドが富化された塔底排出流6(流II)と共に、蒸発器として構成されているトリオキサン合成反応器5に供給する。トリオキサン合成反応器を離れる蒸気状のトリオキサン/ホルムアルデヒド/水の混合物8(流I)を、第一の蒸留塔7の塔底に供給する。第三の蒸留塔13のトリオキサンが富化された塔頂排出流15(流VII)を、蒸留塔7の塔頂近くに供給する。蒸留塔7から、ホルムアルデヒド/水流6(流II)が塔で排出流として、水分含有率の低いホルムアルデヒド/水/トリオキサン流9(流III)を塔頂排出流として、および水分含有率の高いホルムアルデヒド/水/トリオキサン流16を、側方排出流として取り出す。流6を流4と一緒に反応器5に返送する。水分の少ないホルムアルデヒド/水/トリオキサン流9を、蒸留塔10に供給し、ここで、実質的に純粋なトリオキサンからなる塔底排出流11(流IV)と、主としてトリオキサンと、その他に水およびホルムアルデヒドを含有する塔頂排出流12(流V)とに分離する。流12は、第一の蒸留塔に返送する。水分含有率の高いホルムアルデヒド/水/トリオキサン流16および蒸発器2のホルムアルデヒド含有率の低い水性の蒸気排出流3(流IX)を、第三の蒸留塔に供給し、ここで、実質的に水からなり、排出される流14(流VI)と、主としてホルムアルデヒドと、その他に水およびトリオキサンを含有する返送流15(流VII)とに分離する。流IVを、図2に記載されているように、1もしくは2のさらなる蒸留段階に供給する。
図面に記載されている方法の計算上のシミュレーションでは、表に記載の組成を有する物質流4、9、11、12、3、14、15および16が得られる。その際、以下のパラメータを選択した:第一の蒸留段階は、10の理論段を有する塔7中、0.7バールの圧力で実施される。還流比は0.8であり、塔頂温度は80℃、および塔底温度は94℃である。第二の蒸留段階は、4.0バールの圧力で、40の理論段を有する塔10中で実施する。還流比は、0.5であり、塔頂温度は146℃、および塔底温度は181℃である。供給流9は、35段目の理論段の高さに存在する。第三の蒸留段階は、10の理論段を有する塔13中、6.0バールの圧力で実施される。還流比は1.5であり、塔頂温度は146℃、および塔底温度は160℃である。供給流3は、8段目の理論段の高さに存在する。
Figure 0005383686
図2は、本発明による方法の1つの実施態様を例示する図であり、この場合、さらなる蒸留段階K450およびK600が示されている。図面では符号は次のものを表す:
Kat 触媒
FA ホルムアルデヒド
R 反応器
HS 高沸点成分
A アミン供給
Tri トリオキサン
LS 低沸点成分
W 水を含有する流
反応器Rおよび塔K200の範囲で、濃縮および反応を実施する。低沸点成分の分離は、塔K300中で行う。トリオキサンの分離はその後、塔K400、K450およびK600中で行う。水の分離は塔K500中で行う。
この実施態様では、反応および濃縮は、別々の装置中で行う。あるいは反応および濃縮を塔K200中で同じ装置で合わせて行い、触媒、ホルムアルデヒドおよび水を反応蒸留塔の塔底に添加し、他方、高沸点成分を塔底から排出してもよい。
蒸留塔は、トリオキサン合成の際に生じる反応器搬出物が第一の蒸留塔K200に供給され、トリオキサン合成とトリオキサン濃縮を別々の装置で行う場合には、その塔底排出流をトリオキサン合成段階に供給する(図2を参照のこと)。さもなければ、トリオキサン合成を塔の塔底領域で行う場合には、塔底排出流を通常は、塔の塔底蒸発器に供給する。トリオキサンが富化された第一の塔の蒸留液を、第二の蒸留塔K300に供給し、ここでその後の精製工程の妨げとなる、かつトリオキサンよりも沸点の低いすべての成分を塔頂を介して分離し、かつ第二の塔の塔底排出流を、第三の蒸留塔K400に供給し、ここで、ストリッピング部の側方排出流を介して、または直接塔底排出部で粗製トリオキサンが得られる。K400の側方排出流もしくは塔底排出流を、第四の塔K450のストリッピング部に、有利には塔底に供給し、かつ塔K450の濃縮部の側方排出部において得られた純粋なトリオキサンを、第五の塔K600に供給し、ここでそのストリッピング部の側方排出部において重合可能な純粋なトリオキサンが生じる。K400の塔頂生成物は、有利には第六の塔K500、および特に有利には第一の塔K200ならびにK200の側方排出部に、場合によりさらに、たとえばホルムアルデヒドを含有する物質流の濃縮から生じた別の水を含有する物質流と混合し、引き続き純粋な水が塔のストリッピング部の側方排出部を介して、または直接塔底排出部で得られる第六の塔K500に供給して水を含有する流が得られる。塔頂生成物は第一の塔K200に返送される。
第四の塔K450の塔底排出流は、第六の塔K500に、または有利には第二の塔K300に、または特に有利には第三の塔K400に返送することができる。
第四の塔K450の塔頂排出流は第三の塔K400に、または有利には第二の塔K300に、または特に有利には第六の塔K500に返送することができる。
第五の塔K600の塔底排出流は、第三の塔K400に、または有利には第二の塔K300に、または特に有利には第六の塔K500に返送することができる。
第四の塔K450の塔頂排出流は第三の塔K400に、または有利には第二の塔K300に、または特に有利には第六の塔K500に供給することができる。
塔底を介して、またはストリッピング部の側方排出部を介して取り出した粗製トリオキサンは、第三の塔K400中で、1段もしくは多段で蒸発することができるので(図2のW490を参照のこと)、アミンの添加によって粗製トリオキサン中に存在する高沸点成分、たとえばギ酸エステルを分離し、次いで高沸点成分の含有率が低い流を、気体状で、または凝縮して、第四の塔K450のストリッピング部に、有利には直接塔底範囲に供給する。
1段もしくは多段の蒸発器の高沸点成分が富化された排出流を、第六の塔K500に供給されるか、または廃棄されるわずかな排出流まで、第三の塔K400に返送し、かつ塔のストリッピング部に、有利には塔底に供給する。
蒸留塔K200の濃縮部は、合成において形成されたトリオキサンを富化するために、塔の理論分離段の10〜100%まで、有利には50〜100%までを有していてよい。
蒸留塔K300の濃縮部は、反応搬出物中に含まれている、トリオキサンよりも沸点の低い成分を分離するために、塔の理論分離段の25〜95%まで、有利には50〜75%までを有していていよい。
蒸留塔K400のストリッピング部は、粗製トリオキサンを得るために、塔の理論分離段の25〜100%まで、有利には75〜100%まで、および特に有利には90〜100%までを有していてよい。
蒸留塔K450の濃縮部は、純粋なトリオキサンを得るために、塔の理論分離段の25〜100%、有利には75〜100%まで、および特に有利には90〜100%までを有していてよい。
蒸留塔K600の濃縮部は、重合可能な高純度のトリオキサンを得るために、塔の理論分離段の25〜100%まで、有利には75〜100%まで、および特に有利には90〜100%までを有していてよい。
蒸留塔K500のストリッピング部は、水を含有する流を得るために、塔の理論分離段の25〜100%まで、有利には75〜100%まで、および特に有利には90〜100%までを有していてよい。
蒸留塔は、規則充填体、不規則充填体またはトレーを備えており、かつ熱的に接続されていてもよい。
熱的に接続された蒸留塔はそれぞれが適切な蒸発器および凝縮器を備えていてもよい。
熱的に2つの接続された塔は、異なった圧力で運転されてもよく、かつ両方の塔の結合流は液相のみを搬送してもよい。
第一の塔(K200)の反応搬出物は、液状であるか、または蒸気状であってよく、有利には蒸気状でストリッピング部または塔底領域に、有利には直接塔底領域に供給することができる。
塩基性アミン/イミンは、第二の塔K300に、有利には第三の塔K400に供給することができるが、しかしまたさらに第六の塔K500に供給することもできる。
本発明を以下の、アミンの添加についての例により詳細に説明する。
比較例
トリオキサン69.8質量%、ギ酸292質量ppmおよび残分がホルムアルデヒドと水からなる組成物1.0g/hを、約182℃の温度および5.5バールの塔頂圧力で運転される蒸留塔に供給した。塔頂を介してトリオキサン59.7質量%、ギ酸501質量ppm、残分としてホルムアルデヒドおよび水からなる組成物0.91g/hが得られ、他方、塔底では、トリオキサン99.58質量%およびギ酸4200質量ppmからなる組成物0.09kg/hが得られた。トリオキサンの分解は9.3%であった。
例1
トリオキサン65.8質量%、ギ酸350質量ppmおよび残分がホルムアルデヒドと水からなる組成物1.0kg/hを、5.5バールの塔頂圧力および約182℃の温度で運転される蒸留塔に供給した。さらに、ジアザビシクロウンデセン0.3ml/hを、供給流に添加混合した。塔頂を介して、トリオキサン58.1質量%、ギ酸603質量ppm、残分ホルムアルデヒドと水からなる組成物0.84kg/hが得られ、他方、塔底では、トリオキサン99.99質量%およびギ酸100質量ppmからなる組成物0.16kg/hが得られた。トリオキサンの分解は1.5%であった。塔底搬出物は、別の蒸発器中で、塔頂を介してトリオキサン、および塔底中でギ酸とアミンとの塩に分離することができ、その際、該塩を、ギ酸塩の分解後にアミンとして供給することができた。
これらの例は、トリオキサンの分解を有効に低減することができ、かつトリオキサンの収率および純度が著しく改善されたことを示している。
アミンの添加は特に本発明による3段階の蒸留の連続において有利である。
1 ホルムアルデヒド水溶液、 2 蒸発器、 3 蒸気排出流、 4 塔底排出流、 5 トリオキサン合成反応器、 6 ホルムアルデヒド/水/トリオキサン流、 7 第一の蒸留塔、 8 トリオキサン/ホルムアルデヒド/水の混合物、 13 第三の蒸留塔、 15 塔頂排出流、 9 ホルムアルデヒド/水/トリオキサン流、 10 蒸留塔、 11 塔底排出流、 12 塔頂排出流、 14 排出流、 15 返送流、 16 ホルムアルデヒド/水/トリオキサン流、 Kat 触媒、 FA ホルムアルデヒド、 R 反応器、 HS 高沸点成分、 A アミン供給、 Tri トリオキサン、 LS 低沸点成分、 W 水を含有する流、 K200 第一の蒸留塔、 K300 第二の蒸留塔、 K400 第3の蒸留塔、 K450 第四の蒸留塔、 K600 第五の蒸留塔、 K500 第六の蒸留塔

Claims (10)

  1. ホルムアルデヒド、トリオキサンおよび水を含有する供給流Iからトリオキサンを分離する方法であって、
    a)主成分としてホルムアルデヒド、および副成分としてトリオキサンおよび水を含有する供給流Iを準備し、
    b)供給流I、返送流V、および主成分としてホルムアルデヒド、および副成分として水およびトリオキサンを含有する返送流VIIを、第一の蒸留段階に供給し、かつ0.1〜2.5バールの圧力で蒸留し、その際、主成分としてホルムアルデヒド、および副成分として水を含有する流II、および主成分としてトリオキサン、および副成分として水およびホルムアルデヒドを含有する流III、および水、トリオキサンおよびホルムアルデヒドを含有する流Xが得られ、
    c)流IIIを、場合により低沸点成分分離段階で流IIIから低沸点成分を分離した後で、第二の蒸留段階において0.2〜17.5バールの圧力で蒸留し、その際、第二の蒸留段階における圧力は、第一の蒸留段階における圧力よりも0.1〜15バール高く、その際、実質的にトリオキサンからなる流IV、および主成分としてトリオキサン、および副成分として水およびホルムアルデヒドを含有する返送流Vが得られ、
    c1)流IVを、少なくとも1の別のトリオキサン蒸留段階において、0.5〜2バールの塔頂圧力で精製し、その際、精製されたトリオキサンは塔の濃縮部で側方排出流XIIとして得られ、
    d)流X、および場合により主成分として水を含有する流IXを、第三の蒸留段階に供給し、かつ1〜10バールの圧力で蒸留し、その際、実質的に水からなる流VI、および主成分としてホルムアルデヒド、および副成分として水およびトリオキサンを含有する返送流VIIが得られる、
    ホルムアルデヒド、トリオキサンおよび水を含有する供給流Iからトリオキサンを分離する方法。
  2. 段階c1)に続いて流XIIの第二のトリオキサン蒸留を段階c2)として0.5〜2.0バールの範囲の塔頂圧力で実施し、その際、再度精製されたトリオキサンが、塔の濃縮部で側方排出流として得られることを特徴とする、請求項1記載の方法。
  3. 蒸留段階c1)およびc2)において、流IVもしくは流XIIを、蒸留段階の塔底範囲に案内することを特徴とする、請求項1または2記載の方法。
  4. 第二および/または第三の蒸留段階に供給される、ホルムアルデヒド、トリオキサン、水およびギ酸を含有する混合物に、蒸留の前または蒸留の間に、ギ酸を脱プロトン化し、塩に変換することができる、少なくとも1の第三アミンおよび/またはイミンまたはこれらの混合物を、触媒量で、またはギ酸の全量と共に塩を形成するために十分な量で添加し、かつ形成されたギ酸とアミンとの塩を、液相として蒸留塔の塔底で排出することを特徴とする、請求項1から3までのいずれか1項記載の方法。
  5. アミンをギ酸に対してモル過剰で添加して、トリオキサンを塩基性で安定化することを特徴とする、請求項4記載の方法。
  6. 第三アミンが、トリ−C1〜C3−アルキルアミン、環式もしくは二環式の脂肪族第三アミン、イミダゾールまたはピリジンから選択されていることを特徴とする、請求項4または5記載の方法。
  7. 蒸留塔の塔底から排出されたギ酸とアミンとの塩を、さらなる蒸留に供し、該蒸留において該塩は蒸留塔の塔底から排出されるか、および/または排出されたギ酸とアミンとの塩を加熱下で分解し、その際、第三アミンが回収され、かつプロセスに返送することができることを特徴とする、請求項4から6までのいずれか1項記載の方法。
  8. 第一および第二の蒸留段階の間で、ギ酸メチル、メチラール、ジメトキシジメチルエーテルおよびメタノールからなる群から選択される低沸点成分が流IIIから分離される、低沸点成分分離段階を実施することを特徴とする、請求項1から7までのいずれか1項記載の方法。
  9. 流I〜VIIおよびXが以下の組成:
    流I:ホルムアルデヒド40〜80質量%、水20〜59質量%、トリオキサン1〜30質量%、
    流II:ホルムアルデヒド55〜85質量%、水15〜45質量%、トリオキサン0〜5質量%、
    流III:ホルムアルデヒド3〜20質量%、水10〜30質量%、トリオキサン60〜75質量%、
    流IV:トリオキサン95〜100質量%、水0〜5質量%および副成分、
    流V:ホルムアルデヒド5〜20質量%、水15〜35質量%、トリオキサン50〜75質量%、
    流VI:ホルムアルデヒド0〜1質量%、水99〜100質量%、
    流VII:ホルムアルデヒド10〜55質量%、水5〜50質量%、トリオキサン5〜55質量%、
    流X:ホルムアルデヒド10〜50質量%、水10〜50質量%、トリオキサン3〜40質量%
    を有し、その際、流I、III、VおよびVIIは、さらに、ギ酸メチル、メチラール、ジメトキシジメチルエーテルおよびメタノールからなる群から選択される低沸点成分を15質量%まで含有していてもよいことを特徴とする、請求項1から8までのいずれか1項記載の方法。
  10. ホルムアルデヒド水溶液からトリオキサンを製造する方法であって、トリオキサン合成段階からのホルムアルデヒド水溶液からなる流XIを供給し、酸性条件下で反応させ、その際、流Iが得られ、かつ流Iから、請求項1から9までのいずれか1項記載の方法によりトリオキサンを分離し、かつその際、ホルムアルデヒド濃度の低いホルムアルデヒド水溶液からなる流VIIIから、蒸発器中での濃縮により流XIを得ることができる、トリオキサンの製造方法。
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