JPWO2013136697A1 - 有機エレクトロルミネッセンス素子 - Google Patents

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Abstract

本発明に係る有機エレクトロルミネッセンス素子は、基板と、前記基板の表面に配置される光取り出し層と、前記光取り出し層における前記基板と反対側の一面に配置される発光積層体と、前記光取り出し層の前記一面に対向するように配置される封止基材と、前記発光積層体を囲むように形成され前記封止基材を前記光取り出し層の前記一面に接合する封止接着部と、を備える。前記光取り出し層は、前記発光積層体が配置される第1部位と、前記封止接着部が配置される第2部位と、前記第1部位を前記第2部位から空間的に分離する溝部と、を有する。

Description

本発明は、有機エレクトロルミネッセンス素子に関する。
近年、有機エレクトロルミネセンス素子(以下「有機EL素子」ともいう)が照明パネルなどの用途に応用されている。有機EL素子としては、透光性の第1電極(陽極)と、発光層を含む複数の層により構成される有機層と、第2電極(陰極)とが、この順で透光性基板の表面に積層形成されたものが知られている。有機EL素子では、陽極と陰極の間に電圧を印加することによって、発光層で発した光が透光性の電極及び基板を通して外部に取り出される。
有機EL素子では、一般的に、発光層の光は基板での吸収や層界面での全反射などによって光量が減少するため、外部に取り出される光は理論上の発光量よりも少なくなる。そのため、有機EL素子においては、高輝度化のために光取り出し効率を高めることが課題の一つとなっている。その方策の一つとして、光取り出し性を高めるために、光取り出し層を透光性基板の第1電極側の表面に設けることが知られている。光取り出し層を設けることにより、基板と電極との界面における全反射が低減されて、光をより多く外部に取り出すことが可能になる。
有機EL素子においては、有機層が水分によって劣化しやすいため、素子内部に水分を浸入させないようにすることが重要である(例えば文献1[日本国公開特許公報第2005−108824号]参照)。水分によって有機層が劣化すると、発光不良等の原因となり、有機EL素子の信頼性を低下させてしまう。そのため、有機層を水分から保護するために、有機層を含む積層体は、通常、透光性基板と接着される封止材によって封止され、外部から遮断されている。
ここで、透光性基板及び封止材としてガラス材料を用いると、ガラス材料は水分を透過させにくいため、この部分を介しての水分の浸入は少ない。しかし、光取り出し性を高めために、プラスチック、樹脂材料などによって構成される光取り出し層を透光性基板の表面に設けた場合には、プラスチック、樹脂材料などが水分の透過性が比較的高い材料であるため、この材料を介しての内部への水分の侵入が問題となる。
図13は、有機EL素子の一例である。この有機EL素子では、透光性基板1001の表面に光取り出し層1002が設けられている。この光取り出し層1002の表面には、透光性の第1電極1003、有機層1004、及び、第2電極1005をこの順で有する発光積層体1010が設けられている。そして、透光性基板1001と対向する封止基材1006が、発光積層体1010の外周を取り囲んで設けられた封止接着部1007によって透光性基板1001に接着されている。
また、封止領域の内部から外部にかけて、第1電極1003と導通する第1取り出し電極1011aと、第2電極1005と導通する第2取り出し電極1011bとの二種類の取り出し電極1011が形成されている。この取り出し電極1011は、第1電極1003を構成する透明な導電層によって形成されている。第1取り出し電極1011aと第2取り出し電極1011bとは、電気的に絶縁するよう接触させずに設けられている。
このような構成により、発光積層体1010で生じた光は、光取り出し層1002を介して透明基板1001に入り、その後、外部に出射されるため、光をより多く取り出すことができる。
なお、図13(a)では、素子構成を分かりやすくするため、封止基材1006の記載を省略し、封止接着部1007が設けられる領域をドットパターンで示している。また、第1電極1003を構成する導電層の隠れている外縁、及び、有機層1004の隠れている外縁を破線で示している。また、図13(b)は、図13(a)のX−Y−Z組み合わせ断面図であり、左側に第1取り出し電極1011a側の端部を示し、右側に第2取り出し電極1011b側の端部を示している。
ここで、図13の形態の有機EL素子では、透光性基板1001の表面に光取り出し層1002が形成されており、外部から光取り出し層1002に浸入した水分がさらに光取り出し層1002を通じて内部側に浸入して有機層1004に到達し、有機層1004を劣化させるおそれがある。また、第1取り出し電極1011aと第2取り出し電極1011bとの間には、封止領域の内部において、光取り出し層1002の表面がむき出しになった部分が形成されており、この部分を介して素子の内部に水分が浸入するおそれがある。
光取り出し層1002からの水分の浸入を抑制するために、光取り出し層1002を防湿性の材料で形成することも考えられる。しかしながら、光取り出し層1002を防湿性の材料で形成しようとすると、この層は光透過性や光取り出し性を満たしながら防湿性を満足させる必要があり、光取り出し層1002を簡単に得ることができなくなるおそれがある。
本発明は、上記の事情に鑑みてなされたものであり、光取り出し性に優れ、水分の浸入を効果的に抑制し、劣化を低減した信頼性の高い有機エレクトロルミネッセンス素子を提供することを目的とするものである。
本発明に係る第1の形態の有機エレクトロルミネッセンス素子は、基板と、前記基板の表面に配置される光取り出し層と、前記光取り出し層における前記基板と反対側の一面に配置される発光層と、前記光取り出し層の前記一面に対向するように配置される封止基材と、前記発光層を囲むように形成され、前記封止基材を前記光取り出し層の前記一面に接合する封止接着部と、を備える。前記光取り出し層は、前記発光層が配置される第1部位と、前記封止接着部が配置される第2部位と、前記第1部位を前記第2部位から空間的に分離する溝部と、を有する。
本発明に係る第2の形態の有機エレクトロルミネッセンス素子は、第1の形態において、前記発光層に電気的に接続される取り出し電極を備える。前記取り出し電極は、前記光取り出し層の前記一面と前記封止接着部との間に前記封止接着部を横切るように配置される。
本発明に係る第3の形態の有機エレクトロルミネッセンス素子では、第2の形態において、前記取り出し電極は、前記第2部位を覆うように形成される。
本発明に係る第4の形態の有機エレクトロルミネッセンス素子は、第2または第3の形態において、前記発光層を前記取り出し電極に電気的に接続する電極接続部を備える。前記電極接続部は、前記溝部の内面に沿って前記溝部を横切るように形成される。
本発明に係る第5の形態の有機エレクトロルミネッセンス素子では、第4の形態において、前記発光層は、前記光取り出し層の前記一面に配置される第1電極と、前記第1電極における前記光取り出し層とは反対側の面に対向するように配置される第2電極と、前記第1電極と前記第2電極との間に介在され前記第1電極と前記第2電極との間に電圧が印加されると光を放射する有機層と、を備える。前記取り出し電極は、第1取り出し電極と、第2取り出し電極と、を含む。前記電極接続部は、前記第1電極を前記第1取り出し電極に電気的に接続する第1電極接続部と、前記第2電極を前記第2取り出し電極に電気的に接続する第2電極接続部と、を含む。前記第2電極接続部は、前記第2電極と一体に形成される。
本発明に係る第6の形態の有機エレクトロルミネッセンス素子では、第5の形態において、前記第1電極接続部は、前記第2電極の基礎となる導電層から分離された部位により形成される。
本発明に係る第7の形態の有機エレクトロルミネッセンス素子では、第1〜第6の形態のいずれか1つにおいて、前記溝部の両側面の少なくとも一方は、前記基板の前記表面に対して傾いている傾斜面である。
本発明に係る第8の形態の有機エレクトロルミネッセンス素子は、第1〜第7の形態のいずれか1つにおいて、前記発光層を保護する保護部を備える。前記保護部は、前記基板と前記封止基材と前記封止接着部とで囲まれる空間に充填剤を充填することで形成される。
本発明に係る第9の形態の有機エレクトロルミネッセンス素子では、第8の形態において、前記充填剤は、吸湿剤を含む。
本発明に係る第10の形態の有機エレクトロルミネッセンス素子では、第2〜第9の形態のいずれか1つにおいて、前記取り出し電極とこの取り出し電極上に位置する前記封止接着部の部位との厚みの合計は、前記発光層の厚み以上である。
本発明に係る第11の形態の有機エレクトロルミネッセンス素子では、第1〜第10の形態のいずれか1つにおいて、前記基板は、前記発光層から放射される光を透過するように構成される。
本発明に係る第12の形態の有機エレクトロルミネッセンス素子では、第11の形態において、前記光取り出し層は、光屈折層と、光散乱層との少なくとも一方を含む。前記光屈折層は、前記発光層において前記光取り出し層と接触する部位と前記基板との間の屈折率を有する層である。前記光散乱層は、前記発光層から放射された光を散乱させる構造を有する層である。
本発明に係る第13の形態の有機エレクトロルミネッセンス素子では、第1〜第12の形態のいずれか1つにおいて、前記基板と前記封止基材とは、防湿性を有する材料により形成される。
実施形態1の有機エレクトロルミネッセンス素子を示し、(a)は平面図、(b)は(a)のX−Y−Z線組み合わせ断面図である。 実施形態2の有機エレクトロルミネッセンス素子の組み合わせ断面図である。 実施形態3の有機エレクトロルミネッセンス素子を示し、(a)は平面図、(b)は(a)のX−Y−Z線組み合わせ断面図である。 実施形態4の有機エレクトロルミネッセンス素子を示し、(a)は平面図、(b)は(a)のX−Y−Z線組み合わせ断面図である。 実施形態5の有機エレクトロルミネッセンス素子の組み合わせ断面図である。 実施形態5の有機エレクトロルミネッセンス素子の変形例の組み合わせ断面図である。 実施形態1の有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法の説明図である。 実施形態1の有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法の説明図である。 実施形態1の有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法の説明図である。 実施形態1の有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法の説明図である。 実施形態1の有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法の説明図である。 実施形態1の有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法の説明図である。 従来例の有機エレクトロルミネッセンス素子を示し、(a)は平面図、(b)は(a)のX−Y−Z組み合わせ断面図である。
(実施形態1)
図1(a),(b)は、実施形態1の有機エレクトロルミネッセンス素子(有機EL素子)100(100A)を示している。
この有機EL素子100Aは、図1(b)に示すように、光取り出し層2が表面(図1(b)における、透光性基板1の上面)1aに設けられた基板(透光性基板)1における光取り出し層2側の表面(図1(b)における、光取り出し層2の上面)2aに、透光性の第1電極3、有機層4、及び、第2電極5をこの順で有する発光積層体(発光層)10が設けられたものである。
透光性基板(基板)1には、透光性基板1と対向する封止基材6が、発光積層体10の外周を取り囲んで設けられた封止接着部7によって接着されており、それにより、発光積層体10は封止されている。
有機EL素子100Aでは、平面視(透光性基板1の表面に垂直な方向から見た場合)において封止接着部7に囲まれた領域が封止領域となる。
すなわち、本実施形態の有機EL素子100Aは、基板1と、基板1の表面1aに配置される光取り出し層2と、光取り出し層2における基板1と反対側の一面2aに配置される発光層(発光積層体)10と、光取り出し層2の一面1aに対向するように配置される封止基材6と、発光層10を囲むように形成され封止基材6を光取り出し層2の一面1aに接合する封止接着部7と、を備える。
なお、図1(a)では、有機EL素子100Aの構成を分かりやすくするため、封止基材6及び充填剤8の記載を省略し、封止接着部7が設けられる領域をドットパターンで示している。また、光取り出し層2の隠れている外縁、及び、有機層4の隠れている外縁を破線で示している。
本実施形態では、光取り出し層2の表面(一面)2aの全体に、第1電極3を構成するための導電層が設けられているため、光取り出し層2の外縁を示す破線は、第1電極3を構成している導電層の隠れている外縁を示すものであってよい。
また、図1(b)は、図1(a)のX−Y−Z組み合わせ断面図であり、左側に第1取り出し電極11a側の端部を示し、右側に第2取り出し電極11b側の端部を示している。
本実施形態の有機EL素子100Aでは、光取り出し層2の表面2aには、封止領域の内部から外部に延びる取り出し電極11が設けられている。
取り出し電極11は、第1電極3と導通する第1取り出し電極11aと、第2電極5と導通する第2取り出し電極11bとにより構成されている。第1取り出し電極11aと第2取り出し電極11bとは、互いに電気的に絶縁されて形成されている。それにより、ショート不良を起こすことなく、第1電極3及び第2電極5に電圧を印加することができるようになっている。
すなわち、有機EL素子100Aは、発光層10に電気的に接続される取り出し電極11を備える。取り出し電極11は、光取り出し層2の一面2aと封止接着部7との間に封止接着部7を横切るように配置される。本実施形態では、取り出し電極11は、第1取り出し電極11aと、第2取り出し電極11bと、を含む。
透光性基板1は、光透過性を有する透明な基板であり、ガラス基板などを用いることができる。つまり、基板1は、発光層10から放射される光を透過するように構成される。また、基板1は、防湿性を有する材料により形成される。透光性基板1をガラス基板で構成した場合、ガラスは水分の透過性が低いので、封止領域の内部に水分が浸入することを抑制することができる。本実施形態では、基板1は、矩形板状に形成されている。したがって、基板1の表面1aは、第1方向(図1(a)における左右方向)において互いに対向する2辺と、第1方向に直交する第2方向(図1(a)における上下方向)において互いに対向する2辺と、によって規定される。
本実施形態の有機EL素子100Aでは、この透光性基板1の表面1aに光取り出し層2が設けられ、この光取り出し層2の表面2aに発光積層体10が設けられている。発光積層体10の設けられる領域は、平面視(基板表面と垂直な方向から見た場合)において、透光性基板1の中央部の領域である。発光積層体10の外周部には外周全体に亘って封止接着部7が設けられており、発光積層体10は封止領域の内部に配置されている。
光取り出し層2は、透光性を有し、有機層4で生じた光を第1電極3を通して外部側へより多く取り出す層である。
なお、光取り出し性を高めるためには、光取り出し層2の屈折率は透光性基板1の屈折率よりも高くなるようにすることが好ましい。発光層(発光積層体)において発光した光は直接又は反射して基板に到達するが、この界面(発光層と基板との界面)における屈折率差が大きいと全反射によって光を多く取り出せなくなる。一方、第1電極3の下層(光取り出し側の層)として、第1電極3の屈折率に近い光取り出し層2を設けることにより、第1電極3と光取り出し層2との屈折率差を緩和することができ、光取り出し層2への光取り出し性を高めることができる。光取り出し層2と第1電極3との間の屈折率差は小さい方がよく、例えば2以下や1以下にすることができるが、これに限定されるものではない。
本実施形態では、光取り出し層2には、光をより多く取り出すための光取り出し構造9が、透光性基板1との界面に形成されていることが好ましい。光取り出し構造9は光を散乱させるような機能を有する層(光散乱層)によって形成することができる。
また、光取り出し構造9として、レンズアレイ層を形成してもよい。レンズアレイ層とは、微細な突起が面状に密に並ぶ構造の層である。レンズアレイ層の突起は半球状、ひだ状、ピラミッド状(四角錐型)などの形状であってよい。光取り出し層2が光取り出し構造9を有することで、透光性基板1側に向かう光が光取り出し構造9によって散乱されて全反射が抑制され、光をより多く外部に取り出すことができる。
また、透光性基板1における光取り出し層2側の表面(透光性基板1の上面)1aに、光をより多く取り出すための構造として光取り出し構造部が設けられていてもよい。それにより、光取り出し性をさらに高めることができる。
光取り出し構造部は、透光性基板1の表面1aに凹凸構造を設けたり、光散乱物質を含有する光散乱層を設けたりすることによって形成できる。また、透光性基板1の外部側の表面に、光散乱層などの光取り出し機能部がさらに設けられていてもよい。光取り出し構造部や光取り出し機能部は、光透過性を有する構造であればよい。
光取り出し層2としては、例えば、プラスチック層により構成することができる。プラスチック層は、プラスチックの原料となる合成樹脂が成形されて硬化した成形体(シート、フィルムなど)を透光性基板1に貼り合わせた層として形成することができる。プラスチック層としては、PET(ポリエチレンテレフタラート)、PEN(ポリエチレンナフタレート)などのプラスチック材料により形成されたものを用いることができる。プラスチックの成形方法は特に限定しない。光取り出し層2を構成する基材は、可撓性を有することが好ましい。可撓性を有することにより、例えば、ロール状の基材を順次に送り出して透光性基板1に貼り付けることができ、製造が容易となる。また、可撓性があればフレキシブルな素子を構成することも可能になる。
プラスチックのシートで光取り出し層2を構成する場合、例えば、光取り出し層2は、透光性基板1の表面1aに光取り出し層2の材料を貼り合わせるなどして形成することができる。貼り合わせは、熱圧着や接着剤などで行うことができる。
なお、光取り出し層2を樹脂層で構成する場合は、樹脂材料を透光性基板1の表面1aに塗布することによって光取り出し層2を形成することができる。
また、光を散乱する機能を有する光取り出し層2(光散乱層9)は、例えば、プラスチック層内に光散乱物質、たとえば粒子や空隙などを存在させることによって形成することができる。
また、光取り出し構造9は、プラスチック層の表面に凹凸加工を施したり、プラスチック層の表面に光散乱材料の層を形成したりして得ることができる。このとき、凹凸界面や粒子表面の反射あるいは異なる成分の界面の屈折率差に由来する反射や屈折によって、光が散乱されるものである。
本実施形態では、光取り出し層2は、光屈折層23と、光散乱層9と、を含む。光散乱層9は、基板1の表面1aに形成されている。光屈折層23は、光散乱層9における基板1とは反対側の面(図1(b)における上面)に形成されている。光屈折層23は、発光層10において光取り出し層2と接触する部位(本実施形態では、第1電極3)と基板1との間の屈折率を有する層である。光散乱層9は、発光層10から放射された光を散乱させる構造を有する層である。
発光積層体10は、第1電極3、有機層4及び第2電極5の積層体である。この発光積層体10は、光取り出し層2の表面2aに形成されている。したがって、光取り出し層2は、第1電極3、有機層4及び第2電極5の形成基板としての機能も有する。本実施形態では、透光性基板1と光取り出し層2とが貼り合わさった複合基板を基板材料として用いることが可能である。
第1電極3及び第2電極5は、互いに対となる電極である。通常、第1電極3は陽極を構成し、第2電極5は陰極を構成するが、その逆であってもよい。
第1電極3は、光透過性を有しており、光取り出し側の電極(光透過性の電極)となる。また、第2電極5は光反射性を有していてもよい。その場合、第2電極5側に向って発せられる発光層からの光を、第2電極5で反射させて透光性基板1側から取り出すことができる。
また、第2電極5は光透過性の電極であってもよい。第2電極5が光透過性の場合、背面(封止基材6側の面)から光を取り出す構造にすることが可能である。あるいは、第2電極5が光透過性の場合、第2電極5の背面(有機層4とは反対側の面)に光反射性の層を設けることによって、第2電極5の方向に進行した光を反射させて、透光性基板1側から取り出すことが可能である。その際、光反射性の層は、散乱反射性であってもよいし、鏡面反射性であってもよい。第2電極5は、例えば、AlやAgなどにより形成することができる。
光透過性の電極は、例えば、ITO,IZO、AZO、GZO、SnO2などの導電性酸化物や、金属ナノワイヤ、金属薄膜、炭素系化合物、導電性高分子、その他の導電性材料、およびこれらの組み合わせを用いて形成することができる。例えば、光透過性の電極は、光を透過できるように薄く形成された金属薄膜であっても良い。
また、光透過性の電極は、上記の導電性酸化物や導電性材料およびこれらの組み合わせを用いて形成された電極と、この電極よりも高い導電率を有してこの電極の表面に形成される金属配線とで構成されていてもよい。この場合、光透過性の電極の抵抗(シート抵抗)を下げることができる。なお、金属配線は、たとえば、有機層4からの光の全てを遮ることがないように、ストライプ状やグリッド状に配置される。また、金属配線の代わりに、光を透過できるように薄く形成された金属薄膜を用いても良い。
有機層4は、発光を生じさせる機能を有する層であり、ホール注入層、ホール輸送層、発光層、電子輸送層、電子注入層、中間層などから適宜選ばれる複数の層によって構成されるものである。
封止基材6は、水分の透過性が低い基板材料を用いて形成することができる。すなわち、封止基材6は、防湿性を有する材料により形成される。封止基材6には、例えば、ガラス基板や、金属基材などを用いることができる。封止基材6には、発光積層体10を収容するための凹部を有してもよいが、有していなくてもよい。凹部を有していない場合、封止基材6の平坦な面を透光性基板1に対向させて封止することが可能になり、また、板状の基材をそのまま用いることができる。
封止基材6は、封止接着部7により透光性基板1に接合されている。封止接着部7は、発光積層体10の外周を取り囲んで透光性基板1の表面1aに設けられるものである。図1の実施形態1では、封止接着部7は、光取り出し層2の表面2aに形成された取り出し電極11と、取り出し電極11及び光取り出し層2が分離されてできた隙間部分の透光性基板1とに接して設けられている。そして、封止接着部7が発光積層体10の外周を取り囲んで封止基材6と透光性基板1とを接合することにより、発光積層体10は、外部空間から遮断されて封止されることになる。
封止接着部7は、適宜の接着材料により構成されるものであり、例えば、樹脂性の接着材料を用いることができる。樹脂性の接着材料は、防湿性を有しているものが好ましい。例えば、乾燥剤を含有することにより防湿性を高めることができる。樹脂性の接着材料は、熱硬化性樹脂や紫外線硬化樹脂などを主成分とするものであってもよい。
本実施形態では、透光性基板1と封止基材6とに挟まれて発光積層体10が封止された間隙(すなわち、基板1と封止基材6と封止接着部7とで囲まれる空間)は、充填剤8が充填されていることが好ましい。
透光性基板1と封止基材6とに挟まれた封止領域の空間を充填剤8で満たすことによって、封止基材6で封止する際に、封止基材6が内側に湾曲するなどしたとしても、発光積層体10に接触したりすることを低減でき、より安全に素子を製造することができる。
充填剤8は乾燥剤や吸湿剤が配合された硬化性の樹脂組成物で構成することができる。また、硬化前に流動性を有する樹脂組成物を用いることにより、封止領域の間隙に充填剤8を簡単に充填することができる。また、充填剤8が乾燥剤や吸湿剤を含有することによって、内部に水分が浸入したとしても、充填剤8で水分を吸収することができ、有機層4に水分が到達することを抑制することができる。
すなわち、有機EL素子100Aは、発光層10を保護する保護部80を備えていてもよい。保護部80は、基板1と封止基材6と封止接着部7とで囲まれる空間に充填剤8を充填することで形成される。本実施形態において、充填剤8は、吸湿剤を含んでいてもよい。
なお、封止基材6によって封止された領域(封止領域)の間隙には、充填剤8が充填されずに、封止された空間(封止空間)が形成されていてもよいが、その場合、封止空間には乾燥剤を設けることが好ましい。それにより、封止空間に水分が浸入したとしても、浸入した水分を吸収することができる。
例えば、封止基材6の発光積層体10側の面に貼り付けることにより乾燥剤を封止空間内に設けることができる。ただし、封止空間を形成して乾燥剤を取り付けると、厚みが厚くなりやすいので、薄型化のためには、前述のように充填剤8を充填することが好ましい。
そして、本実施形態の有機EL素子100では、光取り出し層2は、発光積層体10が形成された中央部21と、封止接着部7が形成された外周部22との間で分断されている。すなわち、光取り出し層2は、封止領域の内部において、発光積層体10が設けられた中央部21と外周部22とに島状に分離されている(後述の図8も参照)。
発光積層体10は、対向する透光性基板1と封止基材6とにより挟まれ、外周が閉鎖されることにより封止されて、外部から遮断されている。ここで、図13の形態で説明したように、光取り出し層2の表面2aに形成された発光積層体10を封止する場合、光取り出し層2を介して水分が素子の内部に浸入するおそれがある。
特に、プラスチック層で光取り出し層2を構成した場合、光取り出し性は高まるものの、プラスチックは水分の透過性が高いため水分の浸入の問題はより深刻になる。
そこで、本実施形態の有機EL素子100Aにおいては、光取り出し層2を分断し、中央部(第1部位)21と外周部(第2部位)22とに分離している。
したがって、外周部22の光取り出し層2は、中央部21と連通しておらず、光取り出し層2の外周部22に水分が浸入したとしても、中央部21まで水分が光取り出し層2をつたって浸入することはない。
そして、光取り出し層2の中央部21に水分が浸入することが抑制されるため、光取り出し層2の中央部21から有機層4に水分が到達することを低減することができる。したがって、光取り出し層2が分断されていることによって、外部から水分が浸入するのを高く抑制することができ、素子の劣化を抑制することができるものである。
光取り出し層2の中央部21と外周部22との間には、分断されてできた凹部(溝部)20が形成されている。光取り出し層2の凹部20は光取り出し層2を貫通しており、その底面は透光性基板1の表面1aである。このように、凹部20が形成されることによって、光取り出し層2が外周部22と中央部21とで連通しないようにすることができる。凹部20は発光積層体10の外周を取り囲むように形成されている。
本実施形態では、光取り出し層2は、発光層10が配置される第1部位(中央部)21と、封止接着部7が配置される第2部位(外周部)22と、第1部位(中央部)21を第2部位(外周部)22から空間的に分離する溝部(凹部)20と、を有する。
第1部位21は矩形状に形成されており、基板1の表面1aの中央部に位置している。本実施形態では、光取り出し層2の中央部が第1部位21となっている。しかしながら、第1部位21は、必ずしも光取り出し層2の中央部である必要はない。
第2部位22は、第1部位21を囲う矩形枠状に形成されている。本実施形態では、第2部位22は、2つの直線状の第2部位(第1辺部)22aと2つの直線状の第2部位(第2辺部)22bとで構成される。2つの第1辺部22aは、基板1の表面1aの第1方向(図1(a)における左右方向)における両端に第2方向(図1(a)における上下方向)に沿って形成されている。2つの第2辺部22bは、基板1の表面1aの第2方向(図1(a)における上下方向)における両端に第1方向(図1(a)における左右方向)に沿って形成されている。本実施形態では、光取り出し層2の外周部が第2部位22となっている。しかしながら、第2部位22は、必ずしも光取り出し層2の外周部である必要はない。
第1辺部22aは、第2方向に沿って延びる直線状の溝部(第1溝部)20aによって、第1部位21および第2辺部22bから空間的に分離されている。また、第2辺部22bは、第1方向に沿って延びる直線状の溝部(第2溝部)20bによって、第1部位21から空間的に分離されている。
したがって、溝部20は、光取り出し層2の中央部(第1部位)21の側面(端面)201(201a)と、この側面201aに対向する外周部(第2部位)22の側面(端面)201(201b)と、透光性基板1の表面1aとで規定される。
光取り出し層2の中央部21は全体が封止領域の内部に収容されている。また、光取り出し層2の外周部22は、封止領域の内部から外部にかけて、封止領域の外縁(封止接着部7)を跨って形成されている。光取り出し層2の外周部22が封止領域の外縁を跨ぐことにより、封止領域の外側に取り出し電極11を延長させることが可能になる。そして、封止接着部7が、光取り出し層2の分離された外周部22の表面に形成されていることにより、水分をより浸入させにくい構造にすることができる。
有機EL素子100Aでは、第1電極3と第2電極5とに電圧を印加し、有機層4において正孔と電子を結合させて発光を生じさせる。そのため、第1電極3及び第2電極5のそれぞれと導通する電極端子を封止領域よりも外部に引き出して設ける必要がある。電極端子は、外部電極と電気的に接続するための端子である。図1の実施形態1では、光取り出し層2の表面2aに形成された取り出し電極11により電極端子を構成するようにしている。
透光性基板1の端部における光取り出し層2の表面2aには、第1電極3と導通する第1取り出し電極11aと、第2電極5と導通する第2取り出し電極11bとが設けられている。本実施形態では、取り出し電極11(第1取り出し電極11a及び第2取り出し電極11b)は、第1電極3を構成するための導電層が光取り出し層2とともに分断されて分離されることによって形成されている。すなわち、第1電極3を構成する導電層は、光取り出し層2の表面の全体に設けられており、この導電層の分離された部分が、基板中央において第1電極3を形成し、基板端部において取り出し電極11を形成している。
このように、第1電極3、第1取り出し電極11a及び第2取り出し電極11bは、同じ導電材料を用いて形成することができる。それにより、有機EL素子100Aを簡単に製造することができる。第1電極3の導電層は、例えば、透明金属酸化物により形成することができる。具体的には、例えば、この導電層をITOで構成することができる。
本実施形態では、光取り出し層2の外周部22は、第1取り出し電極11aが設けられた第1外周部22aと、第2取り出し電極11bが設けられた第2外周部22bとにより構成されている。外周部22が第1外周部22aと第2外周部22bとに分離されることにより、光取り出し層2の表面全体に導電層を設けて取り出し電極11を形成した場合でも、ショート不良なく、陽極及び陰極に対応する各取り出し電極11を分離させて設けることができる。
光取り出し層2における第1外周部22aと第2外周部22bとの間には、中央部21と外周部22との間に形成された凹部20が延長して設けられている。第1外周部22aと第2外周部22bとの間で凹部20が形成されることによって、第1取り出し電極11aと第2取り出し電極11bとが電気的に接続しないようにすることができる。
本実施形態では、光取り出し層2の外周部22の表面全体に取り出し電極11が設けられており、この取り出し電極11によって光取り出し層2の外周部22の表面が被覆されている。つまり、取り出し電極11は、外周部(第2部位)22を覆うように形成される。特に、取り出し電極11は、透光性基板1と封止基材6と封止接着部7とで囲まれた空間(封止空間)内に外周部22の表面(図1(b)における上面)が露出しないように外周部22の表面の全体を覆う。すなわち、光取り出し層2においては、第1外周部22aの表面が第1取り出し電極11aによって被覆され、第2外周部22bの表面が第2取り出し電極11bによって被覆されている。
光取り出し層2においては、少なくとも封止領域の内部における表面が取り出し電極11によって被覆されていることが好ましい。封止領域の内部において、光取り出し層2の表面が取り出し電極11に被覆されていないと、被覆されていない部分から水分が内部に浸入するおそれがある。しかし、この部分の光取り出し層2の表面が被覆されていることにより、水分の浸入をより抑制することができる。
さらに、本実施形態のように、封止領域の外部も含めて光取り出し層2の外周部22の表面全体に取り出し電極11が設けられていると、外部側からの水分の浸入も高く抑制することができるため、水分の浸入をさらに抑制できる構造を形成することが可能である。
本実施形態では、光取り出し層2は中央部21と外周部22との間で分断されているため、取り出し電極11と内部の電極とを電気的に接続させるための部分として電極接続部12を設けている。すなわち、本実施形態の有機EL素子100Aは、発光層10を取り出し電極11に電気的に接続する電極接続部12を備える。電極接続部12は、溝部20の内面に沿って溝部20を横切るように形成される。つまり、電極接続部12は、溝部20の内面に形成されている。特に、電極接続部12は、溝部20の内面全体に形成されている。特に、電極接続部12は、透光性基板1と封止基材6と封止接着部7とで囲まれた空間(封止空間)内に外周部22の側面201が露出しないように外周部22の側面201の全体を覆う。
電極接続部12は、第1電極3を第1取り出し電極11aに電気的に接続する第1電極接続部12aと、第2電極5を第2取り出し電極11bに電気的に接続する第2電極接続部12bと、を含む。
つまり、第1電極3と第1取り出し電極11aとは、光取り出し層2における中央部21と外周部22(第1外周部22a)との間を跨いで形成された第1電極接続部12aによって電気的に接続されている。また、第2電極5と第2取り出し電極11bとは、光取り出し層2における中央部21と外周部22(第2外周部22b)との間を跨いで形成された第2電極接続部12bによって電気的に接続されている。電極接続部12が形成されることにより、取り出し電極11と電極との間の導通が確保される。電極接続部12は導電材料により構成することができる。
図1(b)に示すように、第1電極接続部12aは、光取り出し層2の第1外周部22a表面に形成された第1取り出し電極11aと、光取り出し層2の中央部21表面に形成された第1電極3とを架け渡すように形成されている。それにより、第1電極3と第1取り出し電極11aとの間で導通が可能になる。
また、第2電極接続部12bは、第2電極5が第2取り出し電極11b側に延長されることによって形成されている。つまり、第2電極接続部12bは、第2電極5と一体に形成される。それにより、簡単な構成で第2電極接続部12bを形成することができる。すなわち、第2電極接続部12bは第2電極5とは別の材料で構成する場合に比べ、第2電極接続部12bを積層するための工程が省略可能となり、製造が容易となる。よって、第2電極5を延長することにより第2電極接続部12bを形成するようにすれば、製造容易に、第2電極接続部12bを形成して第2取り出し電極11bと第2電極5とを導通させることができる。
また、本実施形態では、第1電極接続部12aは、第2電極5の材料が分離されて積層されることによって形成されていることが好ましい。つまり、第1電極接続部12aは、第2電極5の基礎となる導電層から分離された部位により形成される。それにより、簡単な構成で第1電極接続部12aを形成することができる。すなわち、第1電極接続部12aは第2電極5とは別の材料で構成する場合に比べ、第1電極接続部12aを積層するための工程が省略可能となり、製造が容易となる。
よって、第2電極5の材料で第1電極接続部12aを形成するようにすれば、第2電極5の形成と同時に第1電極接続部12aを形成することができ、製造容易に第1電極接続部12aを形成して第1取り出し電極11aと第1電極3とを導通させることができる。
また、第2電極5の積層の際に、第1電極接続部12a及び第2電極接続部12bを積層するようにすれば、電極接続部12を積層して形成するための工程を別途設ける必要がないので、効率よく電極接続部12を形成することができる。第1電極接続部12aの材料としては、例えば、Al、Agなどが挙げられる。
ここで、第1電極3を構成する導電層は光透過性を有する導電層であり、電気的抵抗が比較的高いものである。しかしながら、電極接続部12を第1電極3を構成する導電層よりも電気的抵抗の低い材料で構成すると、第1電極3を構成するための導電層の通電を補助することができ、通電性を高めることができる。
また、電極接続部12は、発光領域(第1電極3、有機層4及び第2電極5が積層された領域)よりも外側に形成されるものであるため、透明でなくてもよい。そのため、適宜の金属層で形成することができ、通電性の高い素子を構成することが可能である。
例えば、通常、第1電極3を構成する材料よりも第2電極5を構成する材料は電気的抵抗が低いため、電極接続部12を第2電極5の材料で構成すると、簡単に通電性を高めることができる。また、第2電極5よりもさらに導電性の高い材料で電極接続部12を形成してもよい。第1電極3を構成する導電層の通電性が高められた場合、面内における発光をより均一にすることができる。
本実施形態では、図1(a)及び(b)に示すように、封止領域の内部において、電極接続部12は、光取り出し層2の外周部22表面(図1(b)における上面)の取り出し電極11を覆うように形成されている。そのため、光取り出し層2の外周部22は、封止領域の内部においては、側面(分断された端面)が電極接続部12によって被覆されている。
このように、光取り出し層2の外周部22の側面201が被覆されることによって、光取り出し層2を通じて水分が内部に浸入することをさらに抑制することができる。なお、電極接続部12は、光取り出し層2よりも水分の透過性の低い材料で構成することが好ましい。通常、電極材料で電極接続部12を構成すれば、光取り出し層2よりも水分の透過性を低くすることができる。
本実施形態では、光取り出し層2における中央部(第1部位)21と外周部(第2部位)22との間では、分断されて形成された凹部(溝部)20が設けられているが、この光取り出し層2の凹部20の側面201は傾斜面となっていることが好ましい。すなわち、凹部(溝部)20の両側面の少なくとも一方は、基板1の表面1aに対して傾いている傾斜面である。凹部20の側面201が傾斜面となることにより、凹部20を跨いで電極接続部12を形成する際に、電極接続部12が段切れなどして分断されることを抑制することができ、導通性高く電極接続部12を形成することができる。
凹部(溝部)20の側面(分断された光取り出し層2の端面)201が傾斜している場合、図1(b)に示すように、凹部20の側面201の傾斜する角度は、傾斜角度θとして表される。傾斜角度θは、光取り出し層2における透光性基板1側の表面1aと分断されてできた端面(側面)201とのなす角度である。
この傾斜角度θは、90度より小さければよいが、80度以下、70度以下、又は、60度以下にすることができる。傾斜角度θが小さくなるほど電極接続部12を段切れすることなく形成することがより容易になる。
ただし、傾斜角度θが小さすぎると、凹部20の側面が横倒れした形状になって、この部分の長さが長くなりすぎるおそれがある。そのため、傾斜角度θは、30度以上、45度以上、又は60度以上などの適宜の角度に設定することができる。
なお、凹部20の側面は内側又は外側に湾曲する曲面であってもよい。凹部20の側面が曲面である場合は、傾斜角度θは、この側面の上縁と下縁とを結んだ直線と透光性基板1側の表面とがなす角度であってよい。
本実施形態では、取り出し電極11が形成された位置における取り出し電極11と封止接着部7との厚みの合計は、発光積層体10の厚み以上であることが好ましい。つまり、取り出し電極11とこの取り出し電極11上に位置する封止接着部7の部位との厚みの合計は、発光層10の厚み以上である。すなわち、光取り出し層2の外周部22、取り出し電極11、及び、封止接着部7の厚みの合計は、光取り出し層2の中央部21、第1電極3、有機層4及び第2電極5の厚みの合計と同じかそれ以上であることが好ましい。
それにより、封止に用いる面が平坦な面になった平板状の封止基材6により簡単に発光積層体10を封止することができる。封止接着部7は、光取り出し層2の設けられた位置と設けられていない位置とでは厚みが異なるため、上記の封止接着部7の厚みの設定は、光取り出し層2の設けられた位置を基準としている。
なお、封止接着部7は、厚みの最も大きい部分では、透光性基板1と封止基材6との間の距離の厚みとなり、この部分における封止接着部7の厚みは、光取り出し層2の中央部21、第1電極3、有機層4及び第2電極5の厚みの合計以上であるようにしてよい。また、通常、光取り出し層2は中央部21と外周部22とにおいて厚みは同じであり、取り出し電極11(第1取り出し電極11a及び第2取り出し電極11b)と第1電極3との厚みは同じである。そのため、取り出し電極11が形成された位置における封止接着部7の厚みが、有機層4及び第2電極5の厚みの合計以上となるように厚みを設定してもよい。
封止接着部7は、封止基材6により封止する際に、発光積層体10の厚み分を確保するスペーサとしての機能を有するものであってよい。封止接着部7がスペーサとして機能した場合、封止基材6に、ガラスを掘り込むなどの加工をして発光積層体10を収容する凹部を設ける場合に比べ、製造が容易になり、コストを低下させることができる。また、封止接着部7の厚みが上記のような厚みであると、封止接着部7が嵩高くなって、封止基材6側においては封止接着部7の表面が発光積層体10の表面よりも外側に配置され、封止基材6の平坦な面側で接着して封止することが可能になる。
ここで、仮に、基板1の外周部に光取り出し層2を設けずに封止接着部7を透光性基板1の外周端部の表面全体に形成したとすると、封止接着部7の厚みが厚くなりすぎて封止接着部7からの水分の浸入が無視できないほど大きくなる可能性がある。そして、その場合、封止性を高めるためには、発光積層体10を光取り出し層2ごと収容するような収容凹部を封止基材6に掘り込み加工する必要がある。
本実施形態では、光取り出し層2を透光性基板1の外周端部に存在させており、この外周端部の光取り出し層2の表面に封止接着部7を形成するようにしている。すなわち、光取り出し層2の外周部22はいわばスペーサの一部としての機能も有することになる。
そのため、封止接着部7の厚みが厚くなりすぎることを抑制し、また表面が平坦な封止基材6で封止することができ、水分の浸入を抑制した素子を簡単に製造することができるものである。また、封止基材6に掘り込み加工をする場合に比べ、製造が容易になり、コストを低下させることができるものである。
図1の実施形態1では、第1取り出し電極11a及び第2取り出し電極11bを第1電極3を形成するための導電層で形成した例を示したが、本発明にかかる実施形態1〜5はこれに限定されるものではない。例えば、第1取り出し電極11a及び第2取り出し電極11bは、第1電極3を形成するための導電層とは別の導電材料を用いて形成されていてもよい。
以上述べたように、本実施形態の有機エレクトロルミネッセンス素子100Aは、光取り出し層2が表面1aに設けられた透光性基板1における光取り出し層2側の表面2aに、透光性の第1電極3、有機層4、及び、第2電極5をこの順で有する発光積層体10が設けられた有機エレクトロルミネッセンス素子である。透光性基板1と対向する封止基材6が、発光積層体10の外周を取り囲んで設けられた封止接着部7によって透光性基板1に接着される。発光積層体10が封止基材6によって封止された封止領域の内部から外部に延びる取り出し電極11が、光取り出し層2の表面2aに形成される。光取り出し層2は、発光積層体10が形成された中央部21と、封止接着部7が形成された外周部22との間で分断されている。
換言すれば、本実施形態の有機EL素子100Aは、以下の第1および第2の特徴を有する。なお、第2の特徴は任意の特徴である。
第1の特徴では、有機EL素子100Aは、基板1と、基板1の表面1aに配置される光取り出し層2と、光取り出し層2における基板1と反対側の一面2aに配置される発光層10と、光取り出し層2の一面2aに対向するように配置される封止基材6と、発光層10を囲むように形成され封止基材6を光取り出し層2の一面2aに接合する封止接着部7と、を備える。光取り出し層2は、発光層10が配置される第1部位(中央部)21と、封止接着部7が配置される第2部位(外周部)22と、第1部位21を第2部位22から空間的に分離する溝部(凹部)20と、を有する。
第2の特徴では、第1の特徴において、有機EL素子100Aは、発光層10に電気的に接続される取り出し電極11を備える。取り出し電極11は、光取り出し層2の一面2aと封止接着部7との間に封止接着部7を横切るように配置される。
また、本実施形態の有機EL素子100Aでは、光取り出し層2の外周部22は、少なくとも封止領域の内部における表面が取り出し電極11によって被覆されている。
換言すれば、本実施形態の有機EL素子100Aは、以下の第3の特徴を有する。なお、第3の特徴は任意の特徴である。第3の特徴では、第2の特徴において、取り出し電極11は、第2部位22を覆うように形成される。
また、本実施形態の有機EL素子100Aでは、取り出し電極11は、第1電極3と電気的に接続された第1取り出し電極11aと、第2電極5と電気的に接続された第2取り出し電極11bとにより構成される。第1電極3と第1取り出し電極11aとは、光取り出し層2における中央部21と外周部22との間を跨いで形成された第1電極接続部12aによって電気的に接続される。第2電極5と第2取り出し電極11bとは、光取り出し層2における中央部21と外周部22との間を跨いで形成された第2電極接続部12bによって電気的に接続される。第2電極接続部12bは、第2電極5が第2取り出し電極11b側に延長されることによって形成されている。
換言すれば、本実施形態の有機EL素子100Aは、以下の第4および第5の特徴を有する。なお、第4および第5の特徴は任意の特徴である。
第4の特徴では、第2または第3の特徴において、有機EL素子100は、発光層10を取り出し電極11に電気的に接続する電極接続部12を備える。電極接続部12は、溝部20の内面(201a,1a,201b)に沿って溝部20を横切るように形成される。
第5の特徴では、第4の特徴において、発光層10は、光取り出し層2の一面2aに配置される第1電極3と、第1電極3における光取り出し層2とは反対側の面に対向するように配置される第2電極5と、第1電極3と第2電極5との間に介在され第1電極3と第2電極5との間に電圧が印加されると光を放射する有機層4と、を備える。取り出し電極11は、第1取り出し電極11aと、第2取り出し電極11bと、を含む。電極接続部12は、第1電極3を第1取り出し電極11aに電気的に接続する第1電極接続部12aと、第2電極5を第2取り出し電極11bに電気的に接続する第2電極接続部12bと、を含む。第2電極接続部12bは、第2電極5と一体に形成される。
また、本実施形態の有機EL素子100Aでは、第1電極接続部12aは、第2電極5の材料が分離されて積層されることによって形成されている。
換言すれば、本実施形態の有機EL素子100Aは、以下の第6の特徴を有する。なお、第6の特徴は任意の特徴である。第6の特徴では、第5の特徴において、第1電極接続部12aは、第2電極5の基礎となる導電層から分離された部位により形成される。
また、本実施形態の有機EL素子100Aでは、光取り出し層2における中央部21と外周部22との間で分断されて形成された凹部20の側面201は傾斜面となっている。
換言すれば、本実施形態の有機EL素子100Aは、以下の第7の特徴を有する。なお、第7の特徴は任意の特徴である。第7の特徴では、第1〜第6の特徴のいずれか1つにおいて、溝部20の両側面201の少なくとも一方は、基板1の表面1aに対して傾いている傾斜面である。
また、本実施形態の有機EL素子100Aでは、透光性基板1と封止基材6とに挟まれて発光積層体10が封止された間隙は、充填剤が充填されている。
換言すれば、本実施形態の有機EL素子100Aは、以下の第8および第9の特徴を有する。なお、第8および第9の特徴は任意の特徴である。第8の特徴では、第1〜第7の特徴のいずれか1つにおいて、有機EL素子100Aは、発光層10を保護する保護部80を備える。保護部80は、基板1と封止基材6と封止接着部7とで囲まれる空間に充填剤8を充填することで形成される。
第9の特徴では、第8の特徴において、充填剤8は、吸湿剤を含む。
また、本実施形態の有機EL素子100Aでは、取り出し電極11が形成された位置における取り出し電極11と封止接着部7との厚みの合計は、発光積層体の厚み以上である。
換言すれば、本実施形態の有機EL素子100Aは、以下の第10の特徴を有する。なお、第10の特徴は任意の特徴である。第10の特徴では、第2〜第9の特徴において、取り出し電極11とこの取り出し電極11上に位置する封止接着部7の部位との厚みの合計は、発光層10の厚み以上である。
さらに、本実施形態の有機EL素子100Aは、以下の第11〜第13の特徴を有する。なお、第11〜第13の特徴は任意の特徴である。
第11の特徴では、第1〜第10の特徴において、基板1は、発光層10から放射される光を透過するように構成される。
第12の特徴では、第11の特徴において、光取り出し層2は、光屈折層23と、光散乱層9との少なくとも一方を含む。光屈折層23は、発光層10において光取り出し層2と接触する部位(本実施形態では、第1電極3)と基板1との間の屈折率を有する層である。光散乱層9は、発光層10から放射された光を散乱させる構造を有する層である。
第13の特徴では、第1〜第12の特徴において、基板1と封止基材6とは、防湿性を有する材料により形成される。
(実施形態2)
図2は、有機EL素子の実施の形態の他の一例であり、この実施形態の平面視は、図1(a)と同様である。
本実施形態の有機EL素子100(100B)は、光取り出し層2の凹部20の側面201が透光性基板1の表面1aと垂直な面となっている以外は、図1の実施形態1と同様の構成を有している。したがって、図2の実施形態2においても、水分の浸入を抑制して、劣化が低減された信頼性の高い有機EL素子を得ることができる。
一般に、凹部20の側面が垂直面となって、光取り出し層2の厚みや第1電極3を構成する導電層の厚みが厚くなった場合には、電極接続部12が垂直面において段切れして分断する可能性が生じる。すなわち、電極接続部12を積層形成した際に、光取り出し層2が分断された部分に形成された段によって層が分離されて、電極接続部12が分断されてしまうおそれがある。
ここで、図1の実施形態1のように光取り出し層2の凹部20の側面201が傾斜面となっていると、電極接続部12を積層した際に、光取り出し層2の表面と透光性基板1の表面とを跨ってこれらの境界部分である傾斜面に電極接続部12の材料が積層される。そのため、段切れを抑制して層を積層することができ、より確実に電極接続部12を形成することができる。
これに対して、図2の実施形態2は、光取り出し層2を垂直に切断して分断すればよいので、簡単に光取り出し層2を分断して凹部20を形成することができるという利点がある。
したがって、本実施形態の有機EL素子100Bは、上記の第7の特徴の代わりに、以下の第14の特徴を有する。第14の特徴では、溝部20の両側面201の少なくとも一方は、基板1の表面1aに対して垂直な面である。
(実施形態3)
図3は、有機EL素子の実施の形態の他の一例である。本実施形態の有機EL素子100(100C)は、光取り出し層2の外周端部に配置された取り出し電極11の構成が異なっている以外は、図1の実施形態1と同様の構成を有する。
すなわち、実施形態3では、光取り出し層2が表面1aに設けられた透光性基板1における光取り出し層2側の表面2aに、透光性の第1電極3、有機層4、及び、第2電極5をこの順で有する発光積層体10が設けられている。
また、透光性基板1と対向する封止基材6が、発光積層体10の外周を取り囲んで設けられた封止接着部7によって透光性基板1に接着されている。
また、発光積層体10が封止基材6によって封止された封止領域の内部から外部に延びる取り出し電極11が、光取り出し層2の表面2aに形成されている。
また、光取り出し層2は、発光積層体10が形成された中央部21と、封止接着部7が形成された外周部22との間で分断されている。
また、光取り出し層2における中央部21と外周部22との間で分断されて形成された凹部20の側面201は傾斜面となっている。また、透光性基板1と封止基材6とに挟まれた間隙は、充填剤8が充填されている。
そして、本実施形態では、光取り出し層2の外周部22の表面(図3(b)における上面)には、第1電極3を構成するための導電層が形成されていない。
そして、光取り出し層2の外周部22は、第1外周部(第1辺部)22aと第2外周部(第2辺部)22bとに分断されている。
第1外周部22aの表面(図3(b)における上面)には、第1電極接続部12aが端部側に延長することにより、第1取り出し電極11aが、第1電極接続部12aと一体化して設けられている。この層(第1取り出し電極11aと第1電極接続部12aとを構成する層)は、第2電極5の材料と同じ材料が分離されて形成されたものであってよい。その場合、簡単に第1電極接続部12aと第1取り出し電極11aとを形成することができる。
また、光取り出し層2の第2外周部22bの表面(図3(b)における上面)には、第2電極5の延長部分である第2電極接続部12bがさらに端部側に延長することにより、第2取り出し電極11bが形成されている。
すなわち、本実施形態では、第1取り出し電極11aの内部側の部分が、第1電極接続部12aを構成し、第1電極3と接触している。また、第2電極5が封止領域の内部から外部に延長して設けられることにより、第2電極接続部12b及び第2取り出し電極11bが形成されている。
したがって、本実施形態の有機EL素子100Cは、以下の第15および第16の特徴を有する。第15の特徴では、第1〜第14の特徴のいずれか1つにおいて、第1取り出し電極11aは、第1電極接続部12aと一体に形成される。第16の特徴では、第1〜第15の特徴のいずれか1つにおいて、第2取り出し電極11bは、第2電極接続部12bと一体に形成される。
このような構成になることにより、取り出し電極11を封止領域の内部から外部に簡単に延長して形成することができる。
本実施形態では、光取り出し層2の外周部22の表面(図3(b)における上面)は、封止領域の内部から外部にかけて電極接続部12と一体化した取り出し電極11によって被覆されている。そのため、水分が内部に浸入するのを高く抑制することができる。そして、電極接続部12と取り出し電極11とが一体化した層は、光取り出し層2の外周部22の側面も被覆しているので、さらに水分の浸入を抑制することができる。
図3の実施形態3は、図1の実施形態1よりも、電極のパターニングが簡単になる可能性があり、また、通電性が向上する可能性があり、この点で有利である。ただし、延長する取り出し電極11の材料が水分を浸入させやすいものである場合は、第1電極3を構成する導電層の表面に封止接着部7を設けるような、図1の実施形態1の方が好ましい。
(実施形態4)
図4は、有機EL素子の実施の形態のさらに他の一例である。本実施形態の有機EL素子100(100D)は、光取り出し層2の外周端部に配置された取り出し電極11の構成が異なっている以外は、図1及び図3の実施形態1,3と同様の構成を有する。
すなわち、実施形態4では、光取り出し層2が表面1aに設けられた透光性基板1における光取り出し層2側の表面2aに、透光性の第1電極3、有機層4、及び、第2電極5をこの順で有する発光積層体10が設けられている。
また、透光性基板1と対向する封止基材6が、発光積層体10の外周を取り囲んで設けられた封止接着部7によって透光性基板1に接着されている。
また、発光積層体10が封止基材6によって封止された封止領域の内部から外部に延びる取り出し電極11が、光取り出し層2の表面2aに形成されている。
また、光取り出し層2は、発光積層体10が形成された中央部21と、封止接着部7が形成された外周部22との間で分断されている。
また、光取り出し層2における中央部21と外周部22との間で分断されて形成された凹部20の側面は傾斜面となっている。また、透光性基板1と封止基材6とに挟まれた間隙は、充填剤8が充填されている。
そして、本実施形態では、光取り出し層2の外周部22の表面(図4(b)における上面)には、第1電極3を構成するための導電層が形成されており、その導電層の表面に、電極接続部12が外部側に延長された層が形成されている。
光取り出し層2の外周部22は、第1外周部(第1辺部)22aと第2外周部(第2辺部)22bとに分断されている。
そして、第1外周部22aの表面(図3(b)における上面)には、第1電極3を構成するための導電層と第1電極接続部12aの延長部分とが積層されており、この積層部分によって第1取り出し電極11aが形成されている。
すなわち、有機EL素子100Dは、光取り出し層2の第1外周部(第2部位)22aにおける基板1とは反対側に形成された電極層30(30a)を備える。電極層30aは、第1電極3の基礎となる導電層から分離された部位により形成される。第1電極接続部12aは、凹部(溝部)20(20a)内に位置する接続部121(121a)と、電極層30aにおける光取り出し層2とは反対側に位置する延長部122(122a)と、を一体に備える。第1取り出し電極11aは、電極層30aと延長部122aとで構成される。
第1電極接続部12aは、第2電極5の材料と同じ材料が分離されて形成されたものであってよい。その場合、簡単に第1電極接続部12aと第1取り出し電極11aを形成することができる。
また、光取り出し層2の第2外周部22bの表面(図3(b)における上面)には、第1電極3を構成するための導電層と、第2電極5の延長部分である第2電極接続部12bがさらに端部側に延長した部分とが積層しており、この積層部分によって第2取り出し電極11bが形成されている。
すなわち、有機EL素子100Dは、光取り出し層2の第2外周部(第2部位)22bにおける基板1とは反対側に形成された電極層30(30b)を備える。電極層30bは、第1電極の基礎となる導電層から分離された部位により形成される。第2電極接続部12bは、凹部(溝部)20(20b)内に位置する接続部121(121b)と、電極層30bにおける光取り出し層2とは反対側に位置する延長部122(122b)と、を一体に備える。第2取り出し電極11bは、電極層30bと延長部122bとで構成される。
したがって、本実施形態の有機EL素子100Dは、以下の第17の特徴を有する。第17の特徴では、有機EL素子100Dは、光取り出し層2の外周部(第2部位)22における基板1とは反対側に形成された電極層30を備える。電極層30は、第1電極の基礎となる導電層から分離された部位により形成される。電極接続部12は、凹部(溝部)20内に位置する接続部121と、電極層30における光取り出し層2とは反対側に位置する延長部122と、を一体に備える。取り出し電極11は、電極層30と延長部122とで構成される。
このような構成になることにより、取り出し電極11を封止領域の内部から外部に延長して簡単に形成することができる。
本実施形態では、光取り出し層2の外周部22は、封止領域の内部における表面(図4(b)における上面)が、第1電極3を構成する導電層(電極層30)と電極接続部12の延長部分(延長部122)との積層構造によって形成された取り出し電極11によって被覆されている。そのため、水分が内部に浸入するのを高く抑制することができる。そして、電極接続部12は、光取り出し層2の外周部22の側面を被覆しているので、さらに水分の浸入を抑制することができる。
図4の実施形態4は、図1の実施形態1よりも、通電性が向上する可能性があり、この点で有利である。ただし、電極接続部12を構成する層が水分を浸入させやすいものである場合は、電極接続部12が封止領域の内部の範囲内で形成されたような、図1の実施形態1の方が好ましい。
図3及び図4の実施形態3,4のように、有機EL素子100(100C,100D)における取り出し電極11は、適宜の材料により構成されてもよいものである。
例えば、第1取り出し電極11a及び第2取り出し電極11bは、第1電極3を形成するための導電層とは別の導電材料を用いて形成されていてもよい。その場合、第1取り出し電極11a及び第2取り出し電極11bを、第1電極3を形成する導電層よりも低抵抗にすることが可能になる。例えば、第1取り出し電極11a及び第2取り出し電極11bは低抵抗であることが好ましいため、アルミニウム、銅やモリブデンなどの金属層によって構成することができる。
このうち、図3の実施形態3では、第1取り出し電極11a及び第2取り出し電極11bを第2電極5の材料で形成した例を示している。また、第1電極3とは別材料で形成する場合、第1取り出し電極11a及び第2取り出し電極11bは、基板端部領域に形成されるものであるため、透明でなくてもよい。
なお、図3の実施形態3のように、第1取り出し電極11a及び第2取り出し電極11bの両方が、第1電極3を形成するための導電層とは別の導電材料を用いて形成されるものに限られなくてもよい。
すなわち、第1取り出し電極11a及び第2取り出し電極11bのうちの一方が、第1電極3を形成するための導電層とは別の導電材料(例えば第2電極5の材料)を用いて形成されていてもよい。その場合、取り出し電極11の一方が、図3の実施形態3のような構造となり、取り出し電極11の他方が、図1の実施形態1のような構造となっていてもよい。
また、図4の実施形態4のように、第1電極3を形成するための導電層と、電極接続部12が延長された層との積層構造によって取り出し電極11を形成してもよい。このとき、第1電極3を形成するための導電層の電気抵抗が比較的高い場合には、電極接続部12の層を積層することにより、導電層の通電を補助することができる。また、取り出し電極11の一方が、図4の実施形態4のような構造となり、取り出し電極11の他方が、図1の実施形態1又は図3の実施形態3のような構造となっていてもよい。
(実施形態5)
図5は、有機EL素子の実施の形態の他の一例であり、この実施形態の平面視は、図1(a)と同様である。
本実施形態の有機EL素子100(100E)は、光取り出し層2(2E)の構成が図2の実施形態2と異なっている。なお、本実施形態と実施形態2とに共通の構成には、同じ符号を付して説明を省略する。
光取り出し層2Eは、複数(図示例では2つ)の光透過層24(241,242)で構成される。複数の光透過層24は、基板1の厚み方向に沿って積層される。また、各光透過層24は、発光層10からの光を透過させるように構成される。
たとえば、光取り出し層2は、基板1の表面1aに形成される光透過層(第1光透過層)241と、第1光透過層241における基板1とは反対側に形成される光透過層(第2光透過層)242と、を備える。
光取り出し層2Eは、複数の光透過層24同士の界面に、光(発光層10からの光)を回折させる回折構造25を有している。光取り出し層2Eは回折構造25を有することにより、光を散乱することができる。回折構造25は、適宜の凹凸構造であってよい。凹凸構造は、例えば、微細な突起が面状に配置される構造であってよい。この突起は半球状、ひだ状、ピラミッド状(四角錐型)、錐台状などの適宜の形状であってよい。また、突起は、規則的に配置されてもよく、不規則に配置されてもよい。
光取り出し層2Eは、例えば、以下のようにして形成することができる。まず、基板1の表面1aに第1光透過層241を形成する。次に、第1光透過層241における基板1とは反対側の面に回折構造25を形成する。次に、第1光透過層241に形成された回折構造25上に第2光透過層242を形成する。なお、回折構造25は、例えば、インプリント法を利用して形成することができる。
以上述べた本実施形態の有機EL素子100Eは、以下の第18の特徴を有する。第18の特徴では、光取り出し層2Eは、基板1の厚み方向に沿って積層される複数の光透過層24を備える。光取り出し層2Eは、複数の光透過層24同士の界面に、光(発光層10からの光)を回折させる回折構造25を有する。
本実施形態によれば、光取り出し層2(2E)は、光を散乱させる機能を有する。そのため、透光性基板1側に向かう光が光取り出し層2Eによって散乱されて全反射が抑制され、光をより多く外部に取り出すことができる。
なお、光取り出し層2Eは、その両面の少なくとも一方にも回折構造25を有していてもよい。例えば、光取り出し層2は、その基板1側の表面に回折構造25を有してもよいし、その基板1とは反対側の面(表面)2aに回折構造25を有していてもよい。
なお、各光透過層24は、第1電極3と基板1との間の屈折率を有していてもよい。これにより、発光層10から放射された光が発光層10と基板1との間で全反射されることをより効率的に抑制できる。
光取り出し層2Eでは、図5に示すように、第1部位(中央部)21と第2部位(外周部)22とに回折構造25が設けられている。しかしながら、第2部位(外周部)22は、発光層10からの光の経路上に位置していない。そのため、必ずしも第2部位22に回折構造25を設ける必要はない。
そのため、光取り出し層2Eでは、図6に示すように、第1部位(中央部)21にだけ回折構造25が設けられていてもよい。
光取り出し層2Eのサイズが比較的大きい場合、外周部22にもインプリント法にて回折構造25を容易に設けることができる。しかしながら、光取り出し層2Eのサイズが比較的小さい場合、外周部22に回折構造25をインプリント法で設けることが難しいことがある。この場合には、図6に示すように、光取り出し層2Eの中央部21にのみインプリント法にて回折構造25を設け、外周部22にインプリント法にて回折構造25を設けないようにすればよい。
(製造方法)
図7〜図12により、有機EL素子100の製造方法の一例について説明する。図7〜図12は、実施形態1,2,5に対応する有機EL素子100(100A,100B,100E)を製造する様子を示している。図3及び図4の実施形態3,4の有機EL素子100C,100Dも、同様の方法で作製することができる。なお、以下の製造方法は製造方法の一例であり、本発明に係る有機EL素子100は、以下の製造方法で製造されたものに限定されるものではない。
まず、図7に示すような、透光性基板1の表面1aに光取り出し層2及び透明導電層13が形成された基板材料を準備する。透明導電層13は、第1電極3と第1取り出し電極11aと第2取り出し電極11bとの基礎となる層である。
この基板材料は、透光性基板1の表面1aに光取り出し層2を形成し、その表面2aに透明導電層13を形成することにより得ることができる。あるいは、透明導電層13が表面2aに形成された光取り出し層2(プラスチック材)を透光性基板1に貼り合わせることにより得てもよい。透光性基板1と光取り出し層2とにより複合基板が構成される。貼り合わせは、例えば、プラスチックシートをガラス基板である透光性基板1の表面1aに熱圧着又は接着剤などで貼り合わせることによって行うことができる。このとき、複数個の素子分の複合基板を形成してもよい。
そして、図7のような、光取り出し層2と透明導電層13とが表面1aに形成された透光性基板1を得ることができる。透明導電層13の中央部分が第1電極3となる。
次に、図8に示すように、透光性基板1の表面1aに形成された光取り出し層2及び第1電極3に分断加工を施して、光取り出し層2を中央部21、第1外周部22a及び第2外周部22bに分断する。
このとき、第1外周部22aの表面には、透明導電層13が切り出されて第1取り出し電極11aが形成され、第2外周部22bの表面には、透明導電層13が切り出されて第2取り出し電極11bが形成される。また、光取り出し層2の中央部21の表面には、透明導電層13の中央部により第1電極3が形成される。
光取り出し層2の分断(切断)加工は、レーザ照射により行うことができる。それにより、透明導電層13と光取り出し層2とを焼ききって凹部(溝部)20を形成し、簡単に光取り出し層2を分断することができる。
また、レーザ照射によれば、透光性基板1を切断することなく、容易に透明導電層13と光取り出し層2のみを切断することができる。また、レーザ照射によれば、光取り出し層2が分断されて凹部20が形成された際に、凹部20の底面において透光性基板1を露出させることができ、光取り出し層2を隙間を設けて確実に分離させることが容易になる。また、レーザ照射によれば、レーザを集光させることにより先端に向かって簡単に先細りさせて傾斜角度を付与して切断することができるので、光取り出し層2が分断されて形成される凹部20の側面201を、切断と同時に容易に傾斜面にすることができる。
なお、カッタなどの切断具によって光取り出し層2を切断してもよい。カッタで切断する場合は、光取り出し層2及び透明導電層13を表面に対して斜め方向に切断すれば傾斜面を形成することができる。また、光取り出し層2及び透明導電層13を表面に垂直に切断した後に、凹部20の側面(光取り出し層2の端面)を傾斜面にする加工を施してもよい。カッタ切断で光取り出し層2を分断する場合には、形成すべき凹部20の開口縁部に沿って切断し、切断線の間に挟まれた光取り出し層2を剥離し除去してもよい。
本製造方法では、第1電極3を構成する透明導電層13を光取り出し層2の表面2a全体に形成した後、光取り出し層2と第1電極3とを除去して分断している。そのため、光取り出し層2の分離と同時に電極のパターニングをすることが可能となり、第1電極3及び取り出し電極11を簡単に形成することができる。なお、もちろん、光取り出し層2の表面2aに透明導電層13を有さない透光性基板1を用いて、光取り出し層2を分断した後に、第1電極3及び取り出し電極11をパターン形状で形成するようにしてもよい。
次に、図9に示すように、光取り出し層2の中央部21の表面に形成された第1電極3の表面に、有機層4を積層して形成する。
有機層4は、蒸着や塗布により、有機層4を構成する各層を順次に積層することにより形成することができる。有機層4は、第2取り出し電極11bが設けられた端部側においては、第1電極3を少しはみ出すように形成する。それにより、第2電極5を第1電極3と接触しないように形成することができる。
なお、第1電極3は、第2取り出し電極11bが設けられた端部側の端縁が、光取り出し層2の端縁よりもやや内側に配置されていてもよい(図1(b)及び図2(b)参照)。それにより、有機層4を第1電極3よりもはみ出して形成する際に、光取り出し層2の表面にも有機層4を形成させて、第1電極3の側面を覆って有機層4を形成することが容易にでき、電極のショートを抑制することができる。
次に、図10に示すように、有機層4の表面に第2電極5を積層する。
このとき、第2電極5は、第1電極3とは接触しないようにするとともに、第2取り出し電極11b側に延長して第2取り出し電極11bの表面にも積層させるようにする。これにより、発光積層体10が積層形成され、第2電極5と第2取り出し電極11bとが、第2電極5の延長した部分である第2電極接続部12bによって接続される。
また、このとき、第2電極5の積層と同時に、第1電極3と第1取り出し電極11aとの間を架け渡すように第2電極5の材料を積層させることにより、第1電極接続部12aを形成することができる。第1電極接続部12aは、ショートを防ぐため、第2電極5と接触しないように形成する。また、安定した発光を得るためには、第1電極接続部12aは、有機層4にも接触しないように形成してもよい。
このような第2電極5の材料の積層は、パターンマスクを用いて行えば、簡単に行うことができる。第2電極5の材料によって各電極接続部12を形成するようにした場合、電極接続部12を形成する工程を別途設けなくてもよく、効率よく製造することができる。
そして、図11に示すように、光取り出し層2の外周部22に設けられた取り出し電極11の表面(ただし一部は透光性基板1の表面)に、発光積層体10の外周を囲うように封止接着剤をダム材として設ける。このダム材は、接着性を有する状態で形状が保持されるようにする。封止接着剤は、封止接着部7を形成するための材料である。
そして、図12に示すように、ダム材(封止接着剤)に囲まれた部分に充填剤8を充填し、封止基材6を透光性基板1に発光積層体10側の面から近づけて、透光性基板1と封止基材6とを封止接着剤で接着して発光積層体10を封止する。封止用接着剤からは封止接着部7が形成される。
以上により、図1の実施形態1のような有機EL素子100Aを得ることができる。
なお、図3の実施形態3の有機EL素子100Cを製造する場合には、図8のような状態のときに(すなわち、凹部20を形成する工程において)、透明導電層13が、光取り出し層2の中央部21に設けられ、光取り出し層2の外周部22には設けられていないものを用いるようにする。
そして、図10における第2電極5の形成の際に、封止領域よりも外部にはみ出すように第2電極5の材料を積層させることにより、第1取り出し電極11a及び第2取り出し電極11bを形成するようにすれば、図3の実施形態3の有機EL素子100Cを得ることができる。
また、図4の実施形態4の有機EL素子100Dを製造する場合には、図10における第2電極5の形成の際に、封止領域よりも外部にはみ出すように第2電極5の材料を積層させることができる。それより、封止領域の外部において、透明導電層13の表面に第2電極5の材料が積層されて積層構造の取り出し電極11が形成され、図4の実施形態4の有機EL素子100Dを得ることができる。
ところで、有機EL素子100を製造するにあたり、複数の有機EL素子100を、連続する一体化された透光性基板1の表面に形成した後、個別化して有機EL素子100を複数個同時に製造してもよい。その場合、複数の有機EL素子100を同時に形成することができるので製造効率が高まる。有機EL素子100を複数同時に形成する場合、一体化した透光性基板1の表面全体に光取り出し層2を貼り付けた後、各有機EL素子100における光取り出し層2を適宜のパターンで分離することにより、光取り出し層2を中央部21と外周部22とに分断することができる。このとき、有機EL素子100を個別化する部分においても光取り出し層2を分断してもよい。それにより、透光性基板1を切断して、素子を個別化する際に、切断不良が発生することを抑制できる。封止基材6としては、透光性基板1と同様に、一体化された連続する封止基材6を用いることができる。封止後には、各有機EL素子100の端部において、透光性基板1及び封止基材6を切断して分離することにより、有機EL素子100を個別化することができる。
(効果)
以上のように、実施形態1〜5の有機EL素子100(100A〜100E)によれば、光取り出し層2が設けられることにより光取り出し性が向上し、光取り出し層2が中央部21と外周部22とで分断されることにより水分が内部に浸入しにくくなり素子が劣化するのが低減される。そのため、光取り出し性に優れ、信頼性の高い有機EL素子100を得ることができるものである。そして、本発明に係る有機EL素子100は、面状発光体として有用なものである。

Claims (13)

  1. 基板と、
    前記基板の表面に配置される光取り出し層と、
    前記光取り出し層における前記基板と反対側の一面に配置される発光層と、
    前記光取り出し層の前記一面に対向するように配置される封止基材と、
    前記発光層を囲むように形成され、前記封止基材を前記光取り出し層の前記一面に接合する封止接着部と、
    を備え、
    前記光取り出し層は、
    前記発光層が配置される第1部位と、
    前記封止接着部が配置される第2部位と、
    前記第1部位を前記第2部位から空間的に分離する溝部と、
    を有する
    ことを特徴とする有機エレクトロルミネッセンス素子。
  2. 前記発光層に電気的に接続される取り出し電極を備え、
    前記取り出し電極は、前記光取り出し層の前記一面と前記封止接着部との間に前記封止接着部を横切るように配置される
    ことを特徴とする請求項1に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
  3. 前記取り出し電極は、前記第2部位を覆うように形成される
    ことを特徴とする請求項2に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
  4. 前記発光層を前記取り出し電極に電気的に接続する電極接続部を備え、
    前記電極接続部は、前記溝部の内面に沿って前記溝部を横切るように形成される
    ことを特徴とする請求項2に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
  5. 前記発光層は、
    前記光取り出し層の前記一面に配置される第1電極と、
    前記第1電極における前記光取り出し層とは反対側の面に対向するように配置される第2電極と、
    前記第1電極と前記第2電極との間に介在され前記第1電極と前記第2電極との間に電圧が印加されると光を放射する有機層と、
    を備え、
    前記取り出し電極は、第1取り出し電極と、第2取り出し電極と、を含み、
    前記電極接続部は、前記第1電極を前記第1取り出し電極に電気的に接続する第1電極接続部と、前記第2電極を前記第2取り出し電極に電気的に接続する第2電極接続部と、を含み、
    前記第2電極接続部は、前記第2電極と一体に形成される
    ことを特徴とする請求項4に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
  6. 前記第1電極接続部は、前記第2電極の基礎となる導電層から分離された部位により形成される
    ことを特徴とする請求項5に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
  7. 前記溝部の両側面の少なくとも一方は、前記基板の前記表面に対して傾いている傾斜面である
    ことを特徴とする請求項1に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
  8. 前記発光層を保護する保護部を備え、
    前記保護部は、前記基板と前記封止基材と前記封止接着部とで囲まれる空間に充填剤を充填することで形成される
    ことを特徴とする請求項1に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
  9. 前記充填剤は、吸湿剤を含む
    ことを特徴とする請求項8に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
  10. 前記取り出し電極とこの取り出し電極上に位置する前記封止接着部の部位との厚みの合計は、前記発光層の厚み以上である
    ことを特徴とする請求項2に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
  11. 前記基板は、前記発光層から放射される光を透過するように構成される
    ことを特徴とする請求項1に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
  12. 前記光取り出し層は、光屈折層と、光散乱層との少なくとも一方を含み、
    前記光屈折層は、前記発光層において前記光取り出し層と接触する部位と前記基板との間の屈折率を有する層であり、
    前記光散乱層は、前記発光層から放射された光を散乱させる構造を有する層である
    ことを特徴とする請求項11に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
  13. 前記基板と前記封止基材とは、防湿性を有する材料により形成される
    ことを特徴とする請求項1に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
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