JPWO2013114772A1 - 化合物の製造方法 - Google Patents
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Abstract
医薬、農薬、液晶材料等の化成品等の製造中間体として有用なα,α−ジフルオロベンジルナフチルエーテル誘導体を提供することを目的とし、一般式(I)(式中、X1は、塩素原子、臭素原子又はヨウ素原子を表し、Y1、Y2、Z1〜Z7はそれぞれ独立して、水素原子、フッ素原子又は塩素原子を表すが、Y1及びY2の少なくとも一方はフッ素原子を表す。)で表される化合物、並びに、前記一般式(I)において、Y1及びY2がフッ素原子を表す前記化合物を提供する。【化1】
Description
本発明は、医薬、農薬、液晶材料等の化成品等の製造中間体として有用なジフルオロベンジルナフチルエーテル誘導体に関する。
ジフルオロメチルエーテル骨格を有する化合物は、フッ素原子と酸素原子との相互作用による特異な電子配置から、医薬、農薬等の有効成分となる生理活性物質や、液晶材料等の機能材料として極めて有用である。特に、2−((2,6−ジフルオロ−4−メチルフェニル)ジフルオロメトキシ)ナフタレンに代表される、ジフルオロメチルエーテル骨格に隣接した芳香環にフッ素原子が導入され、かつエーテル結合の酸素原子にナフタレン環が結合した骨格(下記式(A)で表される骨格、以下、骨格(A))を有する化合物は、液晶材料の構成部材として特に有用である。例えば、正の誘電率異方性を有する液晶材料に骨格(A)を有する化合物を含有させることは、誘電率異方性の絶対値の向上に有効である。
骨格(A)を有する化合物の製造方法としては、下記に示すように、塩基の存在下で、4−置換ジフルオロベンジルブロミド誘導体にフェノール誘導体を作用させて製造する方法があった(例えば、特許文献1参照。)。当該製造方法では、芳香環の4位が予め所望の基により置換された4−置換ジフルオロベンジルブロミド誘導体をフェノール誘導体と作用させる。つまり、目的の化合物の構造ごとに、それぞれ4−置換ジフルオロベンジルブロミド誘導体を必要とする。このため、複数の骨格(A)を有する化合物を製造する場合、多くの製造中間体を用意する必要があり、製造効率の低下、保管の手間等の問題がある。
一方で、4−ハロゲノジフルオロベンジルブロミド誘導体及びその製造方法は知られている(特許文献2,3及び非特許文献1参照)。しかしながら、4−ハロゲノジフルオロベンジルブロミド誘導体から骨格(A)を有する化合物を効率よく製造する方法は、現在までに知られていなかった。
M.Yoshida,Y.Morinaga,M.Ueda,N.Kamigata and M.Iyoda,Chemistry Letters,227−230,1992
本発明の目的は、骨格(A)を有する化合物の製造中間体として有用なα,α−ジフルオロベンジルナフチルエーテル誘導体を提供することである。
本発明者らは、上記課題を解決するため、種々のジフルオロベンジルハロゲン化物誘導体を検討した結果、4位に置換基を有するα,α−ジフルオロベンジルナフチルエーテル誘導体の製造に成功し、本発明の完成に至った。
すなわち、本発明は、一般式(I)
(式中、X1は、塩素原子、臭素原子又はヨウ素原子を表し、Y1、Y2、Z1〜Z7はそれぞれ独立して、水素原子、フッ素原子又は塩素原子を表すが、Y1及びY2の少なくとも一方はフッ素原子を表す。)で表される化合物を提供する。
本発明の化合物は、ベンゼン環の4位が活性の高いハロゲン原子によって置換されているジフルオロベンジルナフチルエーテル誘導体であり、骨格(A)を有する化合物の製造中間体として特に有用である。
<一般式(I)で表される化合物>
本発明の化合物は、一般式(I)で表される化合物である。
本発明の化合物は、一般式(I)で表される化合物である。
一般式(I)中、X1は、塩素原子、臭素原子又はヨウ素原子を表す。本発明においては、X1は臭素原子又はヨウ素原子であることが好ましく、臭素原子であることがより好ましい。
一般式(I)中、Y1及びY2はそれぞれ独立して、水素原子、フッ素原子又は塩素原子を表す。但し、Y1及びY2の少なくとも一方はフッ素原子を表す。本発明においては、Y1及びY2の少なくとも一方がフッ素原子であり、他方がフッ素原子又は塩素原子であることが好ましく、Y1及びY2の両方がフッ素原子であることがより好ましい。
一般式(I)中、Z1〜Z7は、それぞれ独立して水素原子、フッ素原子又は塩素原子を表す。本発明においては、Z1〜Z7のうち、少なくとも1以上がフッ素原子又は塩素原子であることが好ましく、2以上がフッ素原子又は塩素原子であることがより好ましく、2以上がフッ素原子であることがさらに好ましい。
また、Z1〜Z7のうち、ジフルオロメチルエーテル骨格から比較的遠位のものがフッ素原子又は塩素原子であることが好ましい。具体的には、一般式(I)の化合物のうち、Z1及びZ2が共にフッ素原子であり、Z3〜Z7が共に水素原子である化合物、Z2及びZ3が共にフッ素原子であり、Z1、Z4〜Z7が共に水素原子である化合物、Z3及びZ4が共にフッ素原子であり、Z1、Z2、Z5〜Z7が共に水素原子である化合物、Z1〜Z3が共にフッ素原子であり、Z4〜Z7が共に水素原子である化合物、Z2〜Z4が共にフッ素原子であり、Z1、Z5〜Z7が共に水素原子である化合物が好ましく、Z1〜Z3が共にフッ素原子であり、Z4〜Z7が共に水素原子である化合物がより好ましい。
また、Z1〜Z7のうち、ジフルオロメチルエーテル骨格から比較的遠位のものがフッ素原子又は塩素原子であることが好ましい。具体的には、一般式(I)の化合物のうち、Z1及びZ2が共にフッ素原子であり、Z3〜Z7が共に水素原子である化合物、Z2及びZ3が共にフッ素原子であり、Z1、Z4〜Z7が共に水素原子である化合物、Z3及びZ4が共にフッ素原子であり、Z1、Z2、Z5〜Z7が共に水素原子である化合物、Z1〜Z3が共にフッ素原子であり、Z4〜Z7が共に水素原子である化合物、Z2〜Z4が共にフッ素原子であり、Z1、Z5〜Z7が共に水素原子である化合物が好ましく、Z1〜Z3が共にフッ素原子であり、Z4〜Z7が共に水素原子である化合物がより好ましい。
本発明の化合物は、ベンゼン環の4位に、反応性の高いハロゲン原子を有するジフルオロベンジルナフチルエーテル誘導体である。このため、下記反応式に示すように、当該ハロゲン原子に様々な化合物を反応させることによって、骨格(A)を有する多種多様な化合物を合成することができる。すなわち、本発明の化合物は、骨格(A)を有する化合物の合成中間体として有用である。
<一般式(I)で表される化合物の製造>
一般式(I)で表される化合物は、公知の化合物を出発原料とし、公知の有機合成反応を適宜組み合わせて合成することができる。
特に、下記一般式(II)で表される化合物に、下記一般式(III)で表される化合物を塩基の存在下で作用させることにより、一般式(I)で表される化合物を効率よく製造することができる。
一般式(II)中、X1及びX2はそれぞれ独立して、塩素原子、臭素原子又はヨウ素原子を表す。また、一般式(II)中、Y1及びY2は、いずれも一般式(I)と同じであり、一般式(III)中、Z1〜Z7は、いずれも一般式(I)と同じである。
一般式(I)で表される化合物は、公知の化合物を出発原料とし、公知の有機合成反応を適宜組み合わせて合成することができる。
特に、下記一般式(II)で表される化合物に、下記一般式(III)で表される化合物を塩基の存在下で作用させることにより、一般式(I)で表される化合物を効率よく製造することができる。
一般式(II)中、X1及びX2はそれぞれ独立して、塩素原子、臭素原子又はヨウ素原子を表す。また、一般式(II)中、Y1及びY2は、いずれも一般式(I)と同じであり、一般式(III)中、Z1〜Z7は、いずれも一般式(I)と同じである。
当該反応において用いられる塩基としては、アルカリ金属、アルカリ金属水酸化物、アルカリ金属炭酸塩、アルカリ金属水素化物、アルカリ金属アルコラート等が挙げられる。
本発明においては、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム等のアルカリ金属水酸化物、又は炭酸カリウム、炭酸ナトリウム等のアルカリ金属炭酸塩を用いることが好ましい。
本発明においては、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム等のアルカリ金属水酸化物、又は炭酸カリウム、炭酸ナトリウム等のアルカリ金属炭酸塩を用いることが好ましい。
反応溶媒として用いられる有機溶媒は、反応に不活性であり、かつ反応に使用する各化合物の溶解性が良好な公知の有機溶媒の中から適宜選択して用いられる。1種類の有機溶媒であってもよく、2種類以上の混合溶媒であってもよい。当該反応において用いられる有機溶媒としては、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、ヘキサメチルホスホリックトリアミド、N−メチル−2−ピロリジノン等非プロトン性極性溶媒であることが好ましい。
反応温度及び反応時間は、一般式(II)で表される化合物や一般式(III)で表される化合物の構造、塩基の種類及び使用量、反応溶媒の種類を考慮して適宜決定することができる。当該反応においては、例えば、60〜130℃で1〜4時間反応させることができる。
<一般式(II)で表される化合物>
一般式(II)で表される化合物は、公知の化合物を出発原料とし、公知の有機合成反応を適宜組み合わせて合成することができる。特に、下記の製造方法1及び2によれば、一般式(II)で表される化合物を効率よく製造し得る。
一般式(II)で表される化合物は、公知の化合物を出発原料とし、公知の有機合成反応を適宜組み合わせて合成することができる。特に、下記の製造方法1及び2によれば、一般式(II)で表される化合物を効率よく製造し得る。
[製造方法1]
下記一般式(IV)で表されるジフルオロメタン誘導体のジフルオロベンジル基を、ハロゲン化剤を用いてハロゲン化することにより、一般式(II)で表される化合物を効率よく製造することができる。一般式(IV)中、X1、Y1及びY2は、いずれも一般式(II)と同じである。なお、後記実施例1に示すように、一般式(IV)で表される化合物は、公知の化合物を出発原料とし、公知の有機合成反応を適宜組み合わせて合成することができる。
下記一般式(IV)で表されるジフルオロメタン誘導体のジフルオロベンジル基を、ハロゲン化剤を用いてハロゲン化することにより、一般式(II)で表される化合物を効率よく製造することができる。一般式(IV)中、X1、Y1及びY2は、いずれも一般式(II)と同じである。なお、後記実施例1に示すように、一般式(IV)で表される化合物は、公知の化合物を出発原料とし、公知の有機合成反応を適宜組み合わせて合成することができる。
製造方法1において用いられるハロゲン化剤としては、ハロゲン化アルキル基中の水素原子をハロゲン化し得るものであれば特に限定されるものではないが、ラジカル反応を利用したハロゲン化剤であることが好ましい。当該ハロゲン化剤としては、N−ブロモスクシンイミド、N−クロロスクシンイミド、塩素、臭素、ヨウ素等が挙げられる。本発明においては、ハロゲン化剤として、N−ブロモスクシンイミド、臭素、又は塩素を用いることが好ましい。
N−ブロモスクシンイミド又はN−クロロスクシンイミドを用いる場合には、例えば、一般式(IV)で表されるジフルオロメタン誘導体とN−ブロモスクシンイミド等をラジカル開始剤と共に加熱還流することによって、一般式(II)で表される化合物を合成することができる。加熱還流時に光照射してもよい。当該ラジカル開始剤としては、アゾビスイソブチロニトリル、過酸化ベンゾイル等が挙げられる。また、一般式(IV)で表されるジフルオロメタン誘導体に、塩素や臭素のハロゲンガス存在下で紫外線等の光を照射することによっても、一般式(II)で表される化合物を合成することができる。
それぞれの反応において反応溶媒として用いられる有機溶媒は、反応に不活性であり、かつ反応に使用する各化合物の溶解性が良好な公知の有機溶媒の中から適宜選択して用いられる。1種類の有機溶媒であってもよく、2種類以上の混合溶媒であってもよい。製造方法1において用いられる有機溶媒としては、ジエチルエーテル、メチル−t−ブチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル等の脂肪族エーテル化合物、テトラヒドロフラン、ジオキサン等の環状エーテル化合物等であることが好ましい。
[製造方法2]
下記一般式(V)で表されるハロゲン化ベンゼン誘導体に塩基を作用させて得られるカルボアニオンと、下記一般式(VI)で表されるジフルオロメタン誘導体とを反応させることにより、一般式(II)で表される化合物を効率よく製造することができる。一般式(V)中、X1は、塩素原子、臭素原子又はヨウ素原子を表す。一般式(V)及び一般式(VI)中、Y1及びY2は、いずれも一般式(II)と同じである。一般式(VI)中、X1及びX2は、いずれも一般式(II)と同じである。当該製造方法においては、一般式一般式(VI)中のX1は、X2と同じであることが好ましく、X1及びX2が共に臭素原子であることがより好ましい。
下記一般式(V)で表されるハロゲン化ベンゼン誘導体に塩基を作用させて得られるカルボアニオンと、下記一般式(VI)で表されるジフルオロメタン誘導体とを反応させることにより、一般式(II)で表される化合物を効率よく製造することができる。一般式(V)中、X1は、塩素原子、臭素原子又はヨウ素原子を表す。一般式(V)及び一般式(VI)中、Y1及びY2は、いずれも一般式(II)と同じである。一般式(VI)中、X1及びX2は、いずれも一般式(II)と同じである。当該製造方法においては、一般式一般式(VI)中のX1は、X2と同じであることが好ましく、X1及びX2が共に臭素原子であることがより好ましい。
製造方法2において用いられる塩基としては、2又は3のハロゲン原子によって置換されているベンゼン環にカルボアニオンを発生させられるものであれば特に限定されるものではない。当該塩基としては、例えば、リチウムアミド、アルキルリチウム、アルカリ金属、アルカリ金属の水素化物、アルカリ金属アルコラート等が挙げられる。リチウムアミドとしては、リチウムテトラメチルピペリジド、リチウムジイソプロピルアミド等が挙げられる。アルキルリチウムとしては、メチルリチウム、エチルリチウム、n−ブチルリチウム、t−ブチルリチウム、2,2−ジメチルプロピルリチウム等が挙げられる。本発明においては、一般式(V)で表されるハロゲン化ベンゼン誘導体のY1と結合している炭素原子とY2と結合している炭素原子の間の炭素原子をより選択的にカルボアニオン化できるため、リチウムアミドを用いることが好ましく、リチウムテトラメチルピペリジド又はリチウムジイソプロピルアミドを用いることがより好ましく、リチウムテトラメチルピペリジドを用いることがさらに好ましい。リチウムテトラメチルピペリジドは、常法により合成することができ、例えば、n−ブチルリチウム等のアルキルリチウムとテトラメチルピペリジンとを反応させて得られる。
まず、反応に不活性であり、かつ反応に使用する各化合物の溶解性が良好な有機溶媒中で、一般式(V)で表されるハロゲン化ベンゼン誘導体と塩基を混合し、当該ハロゲン化ベンゼン誘導体のY1と結合している炭素原子とY2と結合している炭素原子の間の炭素原子にカルボアニオンを発生させる。当該有機溶媒としては、前記と同様のものが挙げられる。得られたカルボアニオンに一般式(VI)で表されるジフルオロメタン誘導体を反応させることにより、一般式(II)で表される化合物を合成することができる。
各反応の反応温度は、−45℃以下が好ましく、−65℃以下がより好ましく、−70℃以下がさらに好ましい。一般式(V)で表されるハロゲン化ベンゼン誘導体と塩基との反応における反応温度を前記上限値以下とすることにより、より選択的に、当該ハロゲン化ベンゼン誘導体のY1と結合している炭素原子と、Y2と結合している炭素原子との間の炭素原子にカルボアニオンを発生させることができる。また、カルボアニオンと一般式(VI)で表されるジフルオロメタン誘導体との反応における反応温度を前記上限値以下とすることにより、前記ハロゲン化ベンゼン誘導体のY1と結合している炭素原子と、Y2と結合している炭素原子との間の炭素原子に「−X1」が導入された副生成物の生成が抑制され、より高い効率で、一般式(II)で表される化合物を合成できる。
<一般式(III)で表される化合物>
一般式(II)で表される化合物は、公知の化合物を用いることができる。また、公知の化合物を出発原料とし、公知の有機合成反応を適宜組み合わせて合成したものを用いてもよい。例えば、特開2004−91361号公報に記載の反応により、一般式(II)で表される化合物を合成することができる。一般式(II)で表される化合物としては、具体的には、下記の化合物が挙げられる。
一般式(II)で表される化合物は、公知の化合物を用いることができる。また、公知の化合物を出発原料とし、公知の有機合成反応を適宜組み合わせて合成したものを用いてもよい。例えば、特開2004−91361号公報に記載の反応により、一般式(II)で表される化合物を合成することができる。一般式(II)で表される化合物としては、具体的には、下記の化合物が挙げられる。
以下、実施例等を挙げて本発明を更に詳述するが、本発明はこれらの実施例等に限定されるものではない。また、以下の実施例及び比較例の組成物における「%」は『質量%』を意味する。
実施例中の化合物記載に下記略号を使用する。
THF:テトラヒドロフラン
DMF:N,N−ジメチルホルムアミド
DBH:1,3−ジブロモ−3,3−ジメチルヒダントイン
NBS:N−ブロモスクシンイミド
BPO:過酸化ベンゾイル
Et:エチル基
Bu:n−ブチル基
THF:テトラヒドロフラン
DMF:N,N−ジメチルホルムアミド
DBH:1,3−ジブロモ−3,3−ジメチルヒダントイン
NBS:N−ブロモスクシンイミド
BPO:過酸化ベンゾイル
Et:エチル基
Bu:n−ブチル基
(実施例1)5,6,7−トリフルオロ−2−{(4−ブロモ−2,6−ジフルオロフェニル)ジフルオロメトキシ}ナフタレンの製造
(1−1)
窒素雰囲気下、2,2,6,6−テトラメチルピペリジン(29.3g)をTHF(130mL)に溶解させ、−70℃以下に冷却した。当該溶液に、1.6Mブチルリチウム/ヘキサン溶液(130mL)を、内温が−65℃以上にならない速度で滴下し、引き続き−70℃以下にて30分間撹拌した。続いて、撹拌後の反応液に、3,5−ジフルオロブロモベンゼン(40g)をTHF(150mL)に溶解させた溶液を、内温が−65℃以上にならない速度で滴下し、−70℃以下にて1時間撹拌した。続いて、DMF(22.7g)をTHF(220mL)に溶解させた溶液を、内温が−65℃以上にならない速度で滴下し、引き続き−70℃以下にて1時間撹拌し、その後ゆっくりと室温まで昇温させた。当該反応液に10%塩酸及びトルエンを加えて有機層を分取し、当該有機層を飽和食塩水にて洗浄した。洗浄後の有機層に硫酸ナトリウムを加えて乾燥させた後、溶媒を減圧留去することにより、4−ブロモ−2,6−ジフルオロベンズアルデヒドの粗製物(29.7g)を得た。
(1−1)
窒素雰囲気下、2,2,6,6−テトラメチルピペリジン(29.3g)をTHF(130mL)に溶解させ、−70℃以下に冷却した。当該溶液に、1.6Mブチルリチウム/ヘキサン溶液(130mL)を、内温が−65℃以上にならない速度で滴下し、引き続き−70℃以下にて30分間撹拌した。続いて、撹拌後の反応液に、3,5−ジフルオロブロモベンゼン(40g)をTHF(150mL)に溶解させた溶液を、内温が−65℃以上にならない速度で滴下し、−70℃以下にて1時間撹拌した。続いて、DMF(22.7g)をTHF(220mL)に溶解させた溶液を、内温が−65℃以上にならない速度で滴下し、引き続き−70℃以下にて1時間撹拌し、その後ゆっくりと室温まで昇温させた。当該反応液に10%塩酸及びトルエンを加えて有機層を分取し、当該有機層を飽和食塩水にて洗浄した。洗浄後の有機層に硫酸ナトリウムを加えて乾燥させた後、溶媒を減圧留去することにより、4−ブロモ−2,6−ジフルオロベンズアルデヒドの粗製物(29.7g)を得た。
(1−2)
4−ブロモ−2,6−ジフルオロベンズアルデヒドの粗製物(29.7g)、1,3−プロパンジチオール(14.5g)、p−トルエンスルホン酸一水和物(1.3g)をトルエン(120mL)に溶解させ、80℃にて3時間撹拌した。撹拌後の反応液を室温まで冷却させた後、当該反応液の有機層を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で洗浄後、さらに飽和食塩水で洗浄した。洗浄後の有機層に硫酸ナトリウムを加えて乾燥させ、溶媒を減圧留去した後、シリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製することにより、2−(4−ブロモ−2,6−ジフルオロフェニル)−1,3−ジチアン(40.9g)を得た。
4−ブロモ−2,6−ジフルオロベンズアルデヒドの粗製物(29.7g)、1,3−プロパンジチオール(14.5g)、p−トルエンスルホン酸一水和物(1.3g)をトルエン(120mL)に溶解させ、80℃にて3時間撹拌した。撹拌後の反応液を室温まで冷却させた後、当該反応液の有機層を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で洗浄後、さらに飽和食塩水で洗浄した。洗浄後の有機層に硫酸ナトリウムを加えて乾燥させ、溶媒を減圧留去した後、シリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製することにより、2−(4−ブロモ−2,6−ジフルオロフェニル)−1,3−ジチアン(40.9g)を得た。
(1−3)
2−(4−ブロモ−2,6−ジフルオロフェニル)−1,3−ジチアン(40.9g)をジクロロメタン(160mL)に溶解し、−60℃以下に冷却した。当該溶液に、内温が−50℃以上にならない速度でトリエチルアミン三フッ化水素錯体(28.3g)、続いてDBH(74.9g)を加え、室温までゆっくりと昇温した。ゆっくりと10%水酸化ナトリウム水溶液を加えて有機層を分取し、飽和食塩水にて当該有機層を洗浄した。洗浄後の有機層に硫酸ナトリウムを加えて乾燥させ、溶媒を減圧留去した後、シリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製することにより、4−ブロモ−2,6−ジフルオロ−(ジフルオロメチル)ベンゼン(29.4g)を得た。
2−(4−ブロモ−2,6−ジフルオロフェニル)−1,3−ジチアン(40.9g)をジクロロメタン(160mL)に溶解し、−60℃以下に冷却した。当該溶液に、内温が−50℃以上にならない速度でトリエチルアミン三フッ化水素錯体(28.3g)、続いてDBH(74.9g)を加え、室温までゆっくりと昇温した。ゆっくりと10%水酸化ナトリウム水溶液を加えて有機層を分取し、飽和食塩水にて当該有機層を洗浄した。洗浄後の有機層に硫酸ナトリウムを加えて乾燥させ、溶媒を減圧留去した後、シリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製することにより、4−ブロモ−2,6−ジフルオロ−(ジフルオロメチル)ベンゼン(29.4g)を得た。
(1−4)
窒素雰囲気下、4−ブロモ−2,6−ジフルオロ−(ジフルオロメチル)ベンゼン(29.4g)、NBS(21.5g)及びBPO(15mg)を四塩化炭素(300mL)に懸濁させ、加熱還流下6時間撹拌した。撹拌後の反応液を放冷させた後、水を加えて分液させて有機層を分取し、飽和食塩水にて当該有機層を洗浄した。洗浄後の有機層に硫酸ナトリウムを加えて乾燥させ、溶媒を減圧留去した後、シリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製することにより、4−ブロモ−2,6−ジフルオロ−(ブロモジフルオロメチル)ベンゼン(33.6g)を微黄色液体として得た。
窒素雰囲気下、4−ブロモ−2,6−ジフルオロ−(ジフルオロメチル)ベンゼン(29.4g)、NBS(21.5g)及びBPO(15mg)を四塩化炭素(300mL)に懸濁させ、加熱還流下6時間撹拌した。撹拌後の反応液を放冷させた後、水を加えて分液させて有機層を分取し、飽和食塩水にて当該有機層を洗浄した。洗浄後の有機層に硫酸ナトリウムを加えて乾燥させ、溶媒を減圧留去した後、シリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製することにより、4−ブロモ−2,6−ジフルオロ−(ブロモジフルオロメチル)ベンゼン(33.6g)を微黄色液体として得た。
(1−5)
窒素雰囲気下、5,6,7−トリフルオロ−2−ナフトール(12.4g、特開2004−91361号公報に記載の方法にて合成した。)、無水炭酸カリウム(21.7g)をDMF(200mL)に懸濁させ、50℃に加熱し1時間撹拌した。続いて、撹拌後の反応液に、4−ブロモ−2,6−ジフルオロ−(ブロモジフルオロメチル)ベンゼン(16.9g)をDMF(80mL)に溶解させた溶液を、ゆっくりと加え、50℃にてさらに18時間撹拌した。放冷させた後、当該反応液に水と酢酸エチルを加えて有機層を分取した。残った水層に酢酸エチルを加えて分液して再度有機層を分取し、先に分取された有機層と併せた。得られた有機層を飽和食塩水にて二回洗浄した。洗浄後の有機層に硫酸ナトリウムを加えて乾燥させ、溶媒を減圧留去した後、シリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製することにより、5,6,7−トリフルオロ−2−{(4−ブロモ−2,6−ジフルオロフェニル)ジフルオロメトキシ}ナフタレン(24.3g)を微黄色液体として得た。
窒素雰囲気下、5,6,7−トリフルオロ−2−ナフトール(12.4g、特開2004−91361号公報に記載の方法にて合成した。)、無水炭酸カリウム(21.7g)をDMF(200mL)に懸濁させ、50℃に加熱し1時間撹拌した。続いて、撹拌後の反応液に、4−ブロモ−2,6−ジフルオロ−(ブロモジフルオロメチル)ベンゼン(16.9g)をDMF(80mL)に溶解させた溶液を、ゆっくりと加え、50℃にてさらに18時間撹拌した。放冷させた後、当該反応液に水と酢酸エチルを加えて有機層を分取した。残った水層に酢酸エチルを加えて分液して再度有機層を分取し、先に分取された有機層と併せた。得られた有機層を飽和食塩水にて二回洗浄した。洗浄後の有機層に硫酸ナトリウムを加えて乾燥させ、溶媒を減圧留去した後、シリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製することにより、5,6,7−トリフルオロ−2−{(4−ブロモ−2,6−ジフルオロフェニル)ジフルオロメトキシ}ナフタレン(24.3g)を微黄色液体として得た。
得られた5,6,7−トリフルオロ−2−{(4−ブロモ−2,6−ジフルオロフェニル)ジフルオロメトキシ}ナフタレンの質量分析及びNMR解析の結果を以下に示す。
MS m/z:440,438
1HNMR(CDCl3、TMS内部標準)δ(ppm)=8.03(1H,d,j=9.2Hz),7.67(1H,s),7.49−7.47(1H,m),7.38−7.33(1H,m),7.19(2H,d,j=10.4Hz)
13CNMR(CDCl3)δ(ppm)=165.2,159.5,151.8,144.6,134.4,132.9,126.8,121.8,119.9,117.7,114.8,110.0,108.4,105.3,101.9
MS m/z:440,438
1HNMR(CDCl3、TMS内部標準)δ(ppm)=8.03(1H,d,j=9.2Hz),7.67(1H,s),7.49−7.47(1H,m),7.38−7.33(1H,m),7.19(2H,d,j=10.4Hz)
13CNMR(CDCl3)δ(ppm)=165.2,159.5,151.8,144.6,134.4,132.9,126.8,121.8,119.9,117.7,114.8,110.0,108.4,105.3,101.9
本発明の化合物であるジフルオロベンジルナフチルエーテル誘導体は、医薬、農薬、液晶材料等の化成品等の製造中間体として有用である。
すなわち、本発明は、一般式(III)
(式中、Z 1 〜Z 7 はそれぞれ独立して、水素原子、フッ素原子又は塩素原子を表す。)で表される化合物と無水アルカリ金属炭酸塩を有機溶媒に混合した反応液に、一般式(II)
(式中、X 1 及びX 2 はそれぞれ独立して、塩素原子、臭素原子又はヨウ素原子を表し、Y 1 及びY 2 はそれぞれ独立して、水素原子、フッ素原子又は塩素原子を表すが、Y 1 及びY 2 の少なくとも一方はフッ素原子を表す。)で表される化合物を加えて反応させて、一般式(I)
(式中、X 1 、Y 1 、Y 2 、Z 1 〜Z 7 はそれぞれ独立して、前記一般式(II)及び一般式(III)におけるX 1 、Y 1 、Y 2 、Z 1 〜Z 7 と同様な意味を表す。)で表される化合物を得る化合物の製造方法である。
Claims (5)
- 前記一般式(I)において、Y1及びY2がフッ素原子を表す請求項1に記載の化合物。
- 前記一般式(I)において、X1が臭素原子又はヨウ素原子を表す請求項1に記載の化合物。
- 前記一般式(I)において、Z1〜Z7のうちの2以上がフッ素原子を表す請求項1に記載の化合物。
- 前記一般式(I)において、Z1〜Z3が共にフッ素原子を表し、Z4〜Z7が共に水素原子を表す請求項1に記載の化合物。
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- 2012-12-26 JP JP2013536346A patent/JPWO2013114772A1/ja active Pending
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