JP5417021B2 - オクタフルオロブチレン構造を有する化合物およびその製造方法 - Google Patents

オクタフルオロブチレン構造を有する化合物およびその製造方法 Download PDF

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Description

本発明は、オクタフルオロブチレン構造を有する含フッ素液晶化合物の汎用性が高く簡便かつ効率的な製造法に関する。また、該含フッ素液晶化合物の製造に有用な化合物を提供する。
液晶素子は携帯電話やPDAのような携帯機器、複写機やパソコンモニタのようなOA機器用表示装置、液晶テレビなどの家電製品用表示装置をはじめ、時計、電卓、測定器、自動車用計器、カメラなどの用途に使用されており、広い動作温度範囲、低動作電圧、高速応答性、化学的安定性等の種々の性能が要求されている。
このような液晶素子には液晶相を示す材料が使用されているが、現在のところ、これら全ての特性を単独の化合物で満たすわけではなく、1つまたは2つ以上の特性の優れた複数の液晶化合物や非液晶性化合物を混合して液晶組成物として要求性能を満たしている。
液晶素子の分野において、液晶組成物に使用される化合物に要求される種々の特性の中でも、他の液晶材料または非液晶材料との相溶性に優れ、化学的にも安定であり、かつ液晶素子に用いた場合に広い温度範囲で高速応答性に優れ低電圧駆動できる性質を有する化合物を提供することは重要な課題である。
このような課題の解決策として、CFCFCFCF連結基の両側にシクロヘキシル基を有する化合物の使用が検討されている。この化合物は、液晶素子に用いた場合に広い動作温度範囲、低動作電圧、高速応答性、化学的安定性等の種々の要求性能を満たすのに必要な化合物であり、特に高い透明点を有し液晶素子に適した化合物である。
また、以下に示すようなCFCFCFCF連結基の両側にシクロヘキシル基を有する化合物の合成方法も報告されている(特許文献1参照)。
独国特許出願公開第102004016913号明細書
しかし、特許文献1に記載される合成方法は、工程数が長く、収率は満足できるものではない。また、毒性が強いSFを用いており、危険性が高く、スケ−ルアップが容易でないといった問題がある。
このように、CFCFCFCF連結基の両側にシクロヘキシル基を有する化合物は、特に高い透明点を有していることは知られていたが、このような化合物を製造するための汎用性が高く簡便かつ効率的な製造方法はこれまで存在せず、その開発が大いに期待されている。
本発明は、液晶材料等機能性材料として有用なCFCFCFCF連結基の両側にシクロヘキシル基を有する化合物を製造するための汎用性が高く簡便かつ効率的な製造方法を提供することを目的とする。
また、本発明は、該製造方法において有用な化合物を提供することも目的とする。
本発明者らは、前述した課題を解決すべく鋭意検討した結果、選択的かつ効率よくシクロヘキセニルオクタフルオロブチレンハライド誘導体を合成する方法を見出し、さらにシクロヘキセニルオクタフルオロブチレンハライド誘導体を、上記オクタフルオロブチレン構造を有する化合物へと効率よく変換できる方法を見出し、本発明を完成させるに至った。
すなわち、本発明は、シクロヘキセニルオクタフルオロブチレンハライド誘導体として、下式(1)で表される化合物を提供する。以下、本明細書においては、式(1)で表される化合物を化合物(1)と記し、他の式で表される化合物も同様に記すことがある。
式中の記号は、以下の意味を示す。
:水素原子、ハロゲン原子、−CN、−NCS、−SF、炭素数1〜18のアルキル基または下式(C1k)で表される基。前記アルキル基中の1つ以上の−CH−はエーテル性酸素原子またはチオエーテル性硫黄原子で置換されていても良く、また基中の1つ以上の水素原子はフッ素原子で置換されていても良い。
(Qは、−CH−または−CHCH−であり、基中の水素原子はアルキル基で置換されていてもよい。)
およびA:相互に独立して、トランス−1,4−シクロへキシレン基、1,3−シクロブチレン基、1,2−シクロプロピレン基、ナフタレン−2,6−ジイル基、1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−2,6−ジイル基、デカヒドロナフタレン−2,6−ジイル基または1,4−フェニレン基。
およびAの基中の1つ以上の水素原子はハロゲン原子で置換されていてもよく、該基中に存在する1つまたは2つの=CH−基は窒素原子で置換されていてもよく、1つまたは2つの−CH−基はエーテル性酸素原子またはエーテル性硫黄原子で置換されていてもよい。
およびZ:相互に独立して、単結合または炭素数1〜4のアルキレン基であり、基中の1つ以上の−CH−はエーテル性酸素原子またはチオエーテル性硫黄原子で置換されていても良く、また基中の1つ以上の水素原子はフッ素原子で置換されていても良い。
:ヨウ素原子または臭素原子。
aおよびb:相互に独立して0または1である。
ただし、a=b=0の場合に下式(C11)で表される基
は、下式(C11k)で表される基であってもよい。
また、本発明は、下式(2)で表される化合物と、下式(3)で表される化合物とを、金属の存在下で反応させることによる、前記式(1)で表される化合物の製造方法(以下、第1工程ともいう。)を提供する。
式(2)、(3)中、各記号R、A、A、Z、Z、a、bおよびXは、上記式(1)における記号と同じ意味を示し、XおよびXは、相互に独立して、ヨウ素原子または臭素原子である。
また、本発明は、前記化合物(1)を、塩基存在下、下式(4)で表される化合物と反応させて、下式(5)で表される化合物を製造する方法(以下、第2工程ともいう。)を提供する。
上記式(4)、(5)中、各記号R、A、A、Z、Z、a、bおよびXは、式(1)における記号と同じ意味を示す。
:水素原子、ハロゲン原子、−CN、−NCS、−SF、炭素数1〜18のアルキル基または下式(C2k)で表される基。前記アルキル基中の1つ以上の−CH−はエーテル性酸素原子またはチオエーテル性硫黄原子で置換されていても良く、また基中の1つ以上の水素原子はフッ素原子で置換されていても良い。
(Qは式(C1k)と同じ意味を示す。)
およびA:相互に独立して、トランス−1,4−シクロへキシレン基、1,3−シクロブチレン基、1,2−シクロプロピレン基、ナフタレン−2,6−ジイル基、1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−2,6−ジイル基、デカヒドロナフタレン−2,6−ジイル基または1,4−フェニレン基。
およびAの基中の1つ以上の水素原子はハロゲン原子で置換されていてもよく、該基中に存在する1つまたは2つの=CH−基は窒素原子で置換されていてもよく、1つまたは2つの−CH−基はエーテル性酸素原子またはエーテル性硫黄原子で置換されていてもよい。
およびZ:相互に独立して、単結合または炭素数1〜4のアルキレン基であり、基中の1つ以上の−CH−はエーテル性酸素原子またはチオエーテル性硫黄原子で置換されていても良く、また基中の1つ以上の水素原子はフッ素原子で置換されていても良い。
a、b、cおよびd:相互に独立して0または1である。ただし、0≦a+b+c+d≦2を満たす。ただし、c=d=0の場合の式(4)で表される化合物は下式(C4k)で表される化合物であってもよい。
(Qは式(C1k)と同じ意味を示す。)
また、式(5)において、c=d=0の場合に下式(C52)で表される基
は、下式(C52k)であってもよい。
(Qは式(C1k)と同じ意味を示す。)
また、本発明は、前記製造方法(第1工程、第2工程)、下記第3工程および下記第4工程からなる、下式(7)で表される化合物の製造方法を提供する。すなわち、
第1工程:化合物(2)を金属存在下、化合物(3)と反応させて化合物(1)を製造する工程
第2工程:化合物(1)を塩基存在下、化合物(4)と反応させて化合物(5)を製造する工程
第3工程:化合物(5)を脱水し、下式(6)で表される化合物へと変換する工程
第4工程:化合物(6)を水素還元し、下式(7)で表される化合物へと変換する工程。
上記各式中、R、R、X、X、X、A、A、A、A、Z、Z、Z、Z、a、b、cおよびdの各記号は、前記と同じ意味を示す。
ただし、式(7)において、a=b=0の場合に下式(C71)で表される基
は、前記式(C1k)で表される基であってもよい。
また、式(6)において、c=d=0の場合に下式(C62)で表される基
は、下式(62k)で表される基であってもよい。
また、式(7)において、c=d=0の場合に下式(C72)で表される基
は、前記式(C2k)で表される基であってもよい。
また、本発明は、本発明の製造方法における有用な化合物として、化合物(1)以外にも、化合物(5)および化合物(6)を提供する。
(式中の各記号は、前記と同じ意味を示す。)
(式中の各記号は、前記と同じ意味を示す。)
本発明の製造方法に従えば、オクタフルオロブチレン構造を有する化合物を汎用性が高く工業的にも容易に簡便かつ効率的に製造することができる。
本発明の製造方法によって得られる式(7)で表される化合物は、他の液晶材料または非液晶材料との相溶性に優れ、化学的にも安定であり、かつ液晶電気光学素子に用いた場合に広い温度範囲で高速応答性に優れ、低電圧駆動できる。
また、本発明の製造方法によって得られる化合物は、該化合物を構成する環基、置換基および連結基を適宜選択することにより、液晶素子に要求される様々な性能、具体的には、例えば、広い動作温度範囲、低動作電圧、高速応答性、化学的安定性等、を満たした液晶組成物を調製できる。
また、本発明の製造方法によって得られる化合物は、オクタフルオロブチレン構造を有する化合物を製造する際の合成中間体として有用である。
本発明における前記化合物(7)の製造方法は、前記化合物(1)を用いることを特徴とする。
化合物(1)において、Rは前記と同じ意味を示す。なお、フッ素原子の置換と、エーテル性酸素原子またはチオエーテル性硫黄原子の置換とは、アルキル基に対して同時に行われていてもよい。
以下、エーテル性酸素原子、チオエーテル性硫黄原子およびフッ素原子の少なくとも1つで置換されたアルキル基を「置換アルキル基」と記す。
置換アルキル基としては、アルコキシ基、アルコキシアルキル基、アルキルチオ基、アルキルチオアルキル基、フルオロアルキル基およびフルオロアルコキシ基が挙げられる。
としては、反応性や副反応が生じにくいことから、水素原子、−SF、炭素数1〜18のアルキル基、炭素数1〜18の置換アルキル基または前記式(C12)で表される基が好ましい。
アルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基およびペンチル基が挙げられる。
アルコキシ基としては、メトキシ基、エトキシ基およびプロポキシ基が挙げられる。
アルコキシアルキル基としては、メトキシメチル基およびエトキシメチル基が挙げられる。
アルキルチオ基としては、メチルチオ基、エチルチオ基およびプロピルチオ基が挙げられる。
アルキルチオアルキル基としては、メチルチオメチル基およびエチルチオメチル基が挙げられる。
フルオロアルキル基として、トリフルオロメチル基およびペンタフルオロエチル基が挙げられる。
フルオロアルコキシ基としては、トリフルオロメトキシ基およびジフルオロメトキシ基が挙げられる。
化合物(1)において、AおよびAは前記と同じ意味を示す。なお、ハロゲン原子の置換と、窒素原子または酸素原子の置換とは、同一の基に対して同時に行われていてもよい。
およびAが1,4−フェニレン基である場合、置換するハロゲン原子の数は1〜4個であり、1個または2個が好ましい。環基がトランス−1,4−シクロヘキシレン基である場合、置換するハロゲン原子の数は1〜4個である。また、ハロゲン原子はシクロヘキシレン基の1位または4位の炭素原子に結合していてもよい。
1,4−フェニレン基の基中に存在する1個または2個の=CH−基が窒素原子で置換された基としては、2,5−ピリミジニレン基または2,5−ピリジニレン基が挙げられる。
トランス−1,4−シクロへキシレン基の基中に存在する1個または2個の−CH−基はエーテル性酸素原子またはエーテル性硫黄原子で置換された基としては、1,3−ジオキサン−2,5−ジイル基および1,3−ジチアン−2,5−ジイル基が挙げられる。
以下、ハロゲン原子および窒素原子の少なくとも1つで置換された1,4−フェニレン基を「置換1,4−フェニレン基」と記し、ハロゲン原子、エーテル性酸素原子およびチオエーテル性硫黄原子の少なくとも1つで置換された1,4−シクロヘキシレン基を「置換トランス−1、4−シクロヘキシレン基」と記す。
およびAとしては、反応性や原料入手の関係から、トランス−1,4−シクロへキシレン基、1,4−フェニレン基置換トランス−1,4−シクロへキシレン基および置換1,4−フェニレン基が好ましい。
中でも、トランス−1,4−シクロへキシレン基、1,4−フェニレン基および1個または2個のフッ素原子で置換された1,4−フェニレン基が特に好ましい。
これらの環基は、1位および4位に結合手を有する。なお、本明細書においては、環基の右側を1位とし、左側を4位とする。例えば、化合物(1)中のAは、Zと結合する側が1位であり、Rと結合する側が4位である。
化合物(1)において、ZおよびZは前記と同じ意味を示す。なお、フッ素原子の置換と、エーテル性酸素原子またはチオエーテル性硫黄原子の置換とは、同一の基に対して同時に行われていてもよい。
基中の1つ以上の水素原子がフッ素原子で置換されたアルキレン基としては、−CFCF−、−CFCH−、−CHCF−、−CHFCH−、−CHCHF−、−CFCHF−および−CHFCF−が挙げられる。
基中の1個以上の−CH−がエーテル性酸素原子またはチオエーテル性硫黄原子で置換されたアルキレン基としては、−CHO−、−OCH−、−CHS−および−SCH−が挙げられる。
また、これらのフッ素原子の置換とエーテル性酸素原子の置換が同時に行われた基としては、−CFO−および−OCF−が挙げられる。
およびZとしては、合成の容易さ等から、単結合、炭素数1〜4のアルキレン基、炭素数1〜4の基中の1つ以上の水素原子がフッ素原子で置換されたアルキレン基および炭素数1〜4の基中の1個以上の−CH−がエーテル性酸素原子で置換されたアルキレン基が好ましい。
中でも、単結合および炭素数1〜4のアルキレン基が特に好ましい。
化合物(1)において、Xはヨウ素原子または臭素原子である。Xとしては反応性からヨウ素原子が好ましい。
化合物(1)においてaおよびbは化合物に要求特性に応じて適宜選択することができる。
化合物(1)において、Qは−CH−または−CHCH−であり、基中の水素原子はアルキル基で置換されていてもよい。
基中の炭素原子がアルキル基で置換された基としては、−CHC(CH−などが挙げられる。
Qとしては、原料の入手の容易さから、−CH−または−CHCH−が特に好ましい。
また、式(1)において、a=b=0の場合、前記Rの好適構造に加えて、前記式(C11)で表される基が前記式(C11k)で表される基であるのが好ましい。
本発明の製造方法において、化合物(1)は下記第1工程により製造することが好ましい。また、化合物(7)は、下記第1工程、第2工程、第3工程および第4工程により製造することが好ましい。
第1工程:化合物(2)を金属存在下、化合物(3)と反応させて化合物(1)を製造する工程、
第2工程:化合物(1)を塩基存在下、化合物(4)と反応させて化合物(5)を製造する工程、
第3工程:化合物(5)を脱水し、化合物(6)へと変換する工程、および
第4工程:化合物(6)を水素還元し化合物(7)へと変換する工程。
化合物(2)、化合物(5)、化合物(6)および化合物(7)において、R、A、A、Z、Z、a、b、およびQの定義および好ましい態様は前記化合物(1)と同じである。
化合物(4)、化合物(5)、化合物(6)および化合物(7)において、Rは前記と同じ意味を示す。Rとしては、反応性や副反応が生じにくいことから、水素原子、−SF、炭素数1〜18のアルキル基、炭素数1〜18の置換アルキル基または前記式(C2k)で表される基が好ましい。アルキル基、置換アルキル基としては、R1について例示したものから選択することができる。
化合物(4)、化合物(5)、化合物(6)および化合物(7)において、A、Aの定義および態様は、A1およびA2の定義および態様と同一である。
化合物(4)、化合物(5)、化合物(6)および化合物(7)において、Z、Zの定義および態様は、ZおよびZの定義および態様と同一である。
化合物(4)、化合物(5)、化合物(6)および化合物(7)において、c、dは前記と同じ意味を示す。
なお、化合物(7)が低粘性であること、あるいは該化合物が他の液晶材料または非液晶材料との相溶性に優れている点を重視する場合、0≦a+b+c+d≦1であることが好ましい。一方、化合物の高い液晶温度範囲を重視する場合、1≦a+b+c+d≦2であることが好ましい。
第1工程は金属存在下、化合物(2)と化合物(3)を反応させ化合物(1)を得る工程である。
本発明の出発物質である化合物(2)のXはヨウ素原子、臭素原子であるが、ヨウ素原子がより好ましい。化合物(2)は、例えば、文献Aust.J.Chem.,1970,23,989記載の方法で得る事ができる。
また、パーフルオロハライド誘導体化合物(3)は、市販品として容易に得られる。
化合物(3)の使用量は化合物(2)1モルに対し、5〜0.5モルが好ましく、3.3〜1モルがより好ましい。
また、化合物(3)における、XおよびXの定義は前記と同じである。XおよびXとしては、反応性の面から臭素原子およびヨウ素原子が好ましい。
第1工程は溶媒中で実施するのが好ましい。溶媒としてはジメチルスルホキシド、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、ヘキサメチルリン酸トリアミド、ジエチルイミダゾリン等の非プロトン性溶媒、ベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン等の芳香族炭化水素系溶媒、石油エーテル類または前記溶媒の適当な混合溶媒等を用いることができる。これらの中でも、ジメチルスルホキシド、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド等の非プロトン性溶媒が好ましい。
前記溶媒の量は、化合物(2)1モルに対し、0.1〜100倍量使用するのが好ましく、0.5〜20倍量使用するのがより好ましい。例えば、化合物(2)が1mmolであれば、溶媒は0.1〜100ml使用するのが好ましく、0.5〜20ml使用するのがより好ましいということになる。
反応温度は30〜180℃が好ましく、60〜150℃がより好ましい。
反応時間は0.1〜24時間が好ましく、0.1〜10時間がより好ましい。
金属としては、例えば、パラジウム、マグネシウム、ニッケル、銅、亜鉛、スズ等の金属;酢酸パラジウム、シアン化銅、塩化亜鉛等の金属塩等が挙げられる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
金属の使用量としては、化合物(2)に対して0.01〜5当量が好ましく、0.1〜3当量がより好ましい。
第2工程は塩基存在下、化合物(1)と化合物(4)を反応させ化合物(5)を得る工程である。
シクロヘキサノン誘導体化合物(4)は、市販品あるいは新実験科学講座(丸善株式会社出版)等、有機合成の成書に記載されている方法にて容易に得られる。
化合物(4)の使用量は化合物(1)1モルに対し、2〜0.33モルが好ましく、1〜0.5モルがより好ましい。
第2工程は溶媒中で実施するのが好ましい。溶媒としてはベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン等の芳香族炭化水素系溶媒、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン等の脂肪族炭化水素系溶媒;テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジブチルエーテル、t−ブチルメチルエーテル、ジメトキシエタン等のエーテル系溶媒;石油エーテル類または前記溶媒の適当な混合溶媒等を用いることができる。これらの中でも、ジエチルエーテル、t−ブチルメチルエーテル等のエーテル系溶媒、エーテル系溶媒と脂肪族炭化水素系溶媒の混合溶媒が好ましい。
前記溶媒の量は、化合物(4)1モルに対し、0.1〜100倍量使用するのが好ましく、0.5〜20倍量使用するのがより好ましい。例えば、化合物(4)が1mmolであれば、溶媒は0.1〜100ml使用するのが好ましく、0.5〜20ml使用するのがより好ましいということになる。
反応温度は−150〜−30℃が好ましく、−100〜−70℃がより好ましい。
反応時間は0.1〜24時間が好ましく、0.1〜3時間がより好ましい。
塩基としては、例えば、ソジウムブトキシド、ポタシウムブトキシド、ソジウムエトキシド、ソジウムメトキシド等のアルカリ金属アルコキシド類;n−ブチルリチウム、sec−ブチルリチウム、tert−ブチルリチウム、メチルリチウム、等のアルキルリチウム類;水素化ナトリウム等のアルカリ金属ハイドライド類等が挙げられる。これらは、単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。アルキルリチウム類が好ましい。
塩基の使用量としては、化合物(1)に対して0.5〜5当量が好ましく、0.8〜1.2当量がより好ましい。
第3工程は化合物(5)を脱水し化合物(6)へと変換する工程である。
反応試薬としては塩化チオニルが好ましい。塩化チオニルの使用量としては化合物(5)に対して0.9〜3当量が好ましく、1〜3当量がより好ましい。
第3工程は溶媒中で実施するのが好ましい。溶媒としてはベンゼン、トルエン、キシレン、エチルベンゼン等の芳香族炭化水素系溶媒、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン等の脂肪族炭化水素系溶媒;テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジブチルエーテル、t−ブチルメチルエーテル、ジメトキシエタン等のエーテル系溶媒;石油エーテル類;塩化メチレン、クロロホルム、1,2−ジクロルエタン等のハロゲン系溶媒または前記溶媒の適当な混合溶媒等を用いることができる。これらの中でも、トルエン等の芳香族炭化水素系溶媒、塩化メチレン等のハロゲン系溶媒あるいは芳香族炭化水素系溶媒または脂肪族炭化水素系溶媒とハロゲン系溶媒との混合溶媒が好ましい。
前記溶媒の量は、化合物(5)1モルに対し、0.1〜100倍量使用するのが好ましく、0.5〜20倍量使用するのがより好ましい。例えば、化合物(5)が1mmolであれば、溶媒は0.1〜100ml使用するのが好ましく、0.5〜20ml使用するのがより好ましいということになる。
反応温度は−30℃〜溶媒の還流温度が好ましく、0℃〜還流温度がより好ましい。
反応時間は1〜48時間が好ましく、3〜24時間がより好ましい。
第4工程は化合物(6)を水素還元し、化合物(7)を得る工程である。
水素還元は水素雰囲気で常圧〜加圧下、金属触媒を使用することが好ましい。触媒としては、ロジウム系、白金系、ルテニウム系、パラジウム系、ニッケル系などが好ましい。触媒の使用量は化合物(6)の質量に対して1〜50質量%の範囲が好ましい。
溶媒は被還元部位がなく、還元反応の妨げにならない溶媒であれば使用できるが、アルコール系、エーテル系、炭化水素系、エステル系が好ましく、メタノール、エタノール、2−プロパノール、テトラヒドロフラン、ジエチルエーテル、メチルt−ブチルエーテル、酢酸エチル、酢酸ブチル、ジメトキシエタン、ジエチレングリコールジメチルエーテル、トルエン、キシレン、ヘキサン、ヘプタン、シクロヘキサンなどが挙げられ、溶媒は単一種で用いても混合して用いても構わない。
溶媒の使用量は化合物(6)が溶解し、反応が安全かつ定常的に行えれば構わず、化合物(6)の質量([g])に対して0.5〜100倍の体積([ml])の範囲が好ましい。
水素圧は化合物の構造や用いる金属触媒の種類により大きく異なるが、水素圧は0.01MPa〜20MPaの範囲が好ましい。
反応温度は化合物の構造や溶媒の種類や用いる金属触媒の種類により大きく異なるが、低温側は反応液が固化せず、高温側は溶媒の蒸気圧が水素圧を上回らなければ構わなく−40〜200℃の範囲が好ましく、0〜50℃の範囲がより好ましい。
第1工程、第2工程および第3工程により得られる、化合物(1)、化合物(5)および化合物(6)は、新規化合物であり、前記のとおり液晶化合物である化合物(7)の合成中間体として有用である。
第4工程により得られる化合物(7)は、Rが式(C1k)で表される基である場合、Rが式(C2k)で表される基である場合、a=b=0であり式(C71)で表される基が前記式(C1k)で表される基である場合、およびc=d=0であり式(C72)で表される基が式(C2k)で表される基である場合には、液晶化合物の合成中間体として有用である。
第1工程としては、化合物(2)が化合物(2−1)であり、化合物(3)が化合物(3−1)であり、化合物(1)が化合物(1−1)である場合が好ましい。
式中の記号は以下の意味を示す。
11:水素原子、−SF、炭素数1〜18のアルキル基または前記式(C1k)で表される基。該基中の1つ以上の−CH−はエーテル性酸素原子またはチオエーテル性硫黄原子で置換されていても良く、また基中の1つ以上の水素原子はフッ素で置換されていても良い。
11およびA21:相互に独立して、トランス−1,4−シクロへキシレン基または1,4−フェニレン基。該基中の1つ以上の水素原子はハロゲン原子で置換されていてもよく、基中に存在する1つまたは2つの=CH−基は窒素原子で置換されていてもよく、1つまたは2つの−CH−基はエーテル性酸素原子またはエーテル性硫黄原子で置換されていてもよい。
11およびZ21:相互に独立して、単結合または炭素数1〜4のアルキレン基であり、基中の1つ以上の−CH−はエーテル性酸素原子で置換されていても良く、また基中の1つ以上の水素原子はフッ素原子で置換されていても良い。
11、X21およびX31:臭素原子またはヨウ素原子。
a、b、cおよびdは前記と同じ意味である。
ただし、a=b=0の場合、下記式(C11−1)で表される基は、前記式(C1k)で表される基であってもよい。
また、第1工程としては、化合物(2)が化合物(2−2)であり、化合物(3)が化合物(3−2)であり、化合物(1)が化合物(1−2)である場合が特に好ましい。
式中の記号は以下の意味を示す。
12:炭素数1〜10のアルキル基または前記式(C1k)で表される基。該アルキル基中の1つ以上の−CH−はエーテル性酸素原子で置換されていても良く、また基中の1つ以上の水素原子はフッ素で置換されていても良い。
12およびA22:相互に独立して、トランス−1,4−シクロへキシレン基または1,4−フェニレン基。該基中の1つ以上の水素原子はハロゲン原子で置換されていてもよい。
12およびZ22:相互に独立して、単結合または炭素数1〜4のアルキレン基。
12、X22およびX32:ヨウ素原子。
a、b、cおよびdは前記と同じ意味である。
ただし、a=b=0の場合、下記式(C11−2)で表される基は、前記式(C11k)で表される基であってもよい。
第2工程としては、化合物(1)が化合物(1−1)であり、化合物(4)が化合物(4−1)であり、化合物(5)が化合物(5−1)である場合が好ましい。
式中の記号は以下の意味を示す。
21:水素原子、−SF、炭素数1〜18のアルキル基、または前記式(C2k)で表される基。該基中の1つ以上の−CH−はエーテル性酸素原子またはチオエーテル性硫黄原子で置換されていても良く、また基中の1つ以上の水素原子はフッ素で置換されていても良い。
31およびA41:相互に独立して、トランス−1,4−シクロへキシレン基または1,4−フェニレン基。該基中の1つ以上の水素原子はハロゲン原子で置換されていてもよく、基中に存在する1つまたは2つの=CH−基は窒素原子で置換されていてもよく、1つまたは2つの−CH−基はエーテル性酸素原子またはエーテル性硫黄原子で置換されていてもよい。
31およびZ41:相互に独立して、単結合または炭素数1〜4のアルキレン基であり、基中の1つ以上の−CH−はエーテル性酸素原子で置換されていても良く、また基中の1つ以上の水素原子はフッ素原子で置換されていても良い。
11、A11、A21、Z11、Z21、a、b、c、dおよびX11は前記と同じ意味である。
また、式(4−1)において、c=d=0の場合、式(4−1)で表される化合物は、前記式(C4k)で表される化合物であってもよい。
また、式(5−1)において、c=d=0の場合、下記式(C52−1)で表される基は、前記式(C52k)で表される基であってもよい。
第2工程としては、化合物(1)が化合物(1−2)であり、化合物(4)が化合物(4−2)であり、化合物(5)が化合物(5−2)である場合が特に好ましい。
式中の記号は以下の意味を示す。
22:炭素数1〜10のアルキル基または前記式(C22)で表される基。該アルキル基中の1つ以上の−CH−はエーテル性酸素原子で置換されていても良く、また基中の1つ以上の水素原子はフッ素で置換されていても良い。
32およびA42:相互に独立して、トランス−1,4−シクロへキシレン基または1,4−フェニレン基。該基中の1つ以上の水素原子はハロゲン原子で置換されていてもよい。
32およびZ42:相互に独立して、単結合、炭素数1〜4のアルキレン基。
12、A12、A22、Z12、Z22、a、b、c、dおよびX12はと同じ意味である。
ただし、a=b=0の場合、前記式(C11−2)で表される基は、前記式(C11k)で表される基であってもよい。
また、式(4−2)において、c=d=0の場合、式(4−2)で表される化合物は、前記式(C4k)で表される化合物であってもよい。
また、式(5−2)において、c=d=0の場合、下記式(C52−2)で表される基は、前記式(C52k)で表される基であってもよい。
第3工程としては、化合物(5)が化合物(5−1)であり、化合物(6)が化合物(6−1)である場合が好ましい。
式中の記号は前記と同じ意味を示す。
ただし、式(5−1)において、c=d=0の場合、前記式(C52−1)で表される基は、前記式(C52k)で表される基であってもよい。
また、式(6−1)において、c=d=0の場合、下記式(C62−1)で表される基は、前記式(C62k)で表される基であってもよい。
また、第3工程としては、化合物(5)が化合物(5−2)であり、化合物(6)が化合物(6−2)である場合が特に好ましい。
式中の記号は前記と同じ意味を示す。
ただし、式(5−2)において、c=d=0の場合、前記式(C52−2)で表される基は、前記式(C52k)で表される基であってもよい。
また、式(6−2)において、c=d=0の場合、下記式(C62−2)で表される基は、前記式(C62k)で表される基であってもよい。
第4工程としては、化合物(6)が化合物(6−1)であり、化合物(7)が化合物(7−1)である場合が好ましい。
式中の記号は前記と同じ意味を示す。
ただし、式(6−1)において、c=d=0の場合、前記式(C62−2)で表される基は、前記式(C62k)で表される基であってもよい。
また、式(7−1)において、a=b=0の場合、下式(C71−1)で表される基は、前記式(C1k)で表される基であってもよい。
また、式(7−1)において、c=d=0の場合、下記式(C72−1)で表される基は、前記式(C2k)で表される基であってもよい。
また、第4工程としては、化合物(6)が化合物(6−2)であり、化合物(7)が化合物(7−2)である場合が特に好ましい。
式中の記号は前記と同じ意味を示す。
ただし、式(6−2)において、c=d=0の場合、前記式(C62−2)で表される基は、前記式(C62k)で表される基であってもよい。
また、式(7−2)において、c=d=0の場合、下記式(C72−2)で表される基は、前記式(C2k)で表される基であってもよい。
化合物(7)の具体例としては以下の化合物が挙げられる。以下の式中、各記号は、以下の意味を示す。
Cy:トランス−1,4−シクロヘキシレン基
Ph:1,4−フェニレン基
Ph2−F:2−フルオロ−1,4−フェニレン基
Ph3−F:3−フルオロ−1,4−フェニレン基
Ph2,3−FF:2,3−ジフルオロ−1,4−フェニレン基
Ph2,6−FF:2,6−ジフルオロ−1,4−フェニレン基
Ph3,5−FF:3,5−ジフルオロ−1,4−フェニレン基
CH−Cy−CFCFCFCF−Cy−C
−Cy−CFCFCFCF−Cy−C
−Cy−CFCFCFCF−Cy−C11
−Cy−Cy−CFCFCFCF−Cy−C
−Cy−Cy−CFCFCFCF−Cy−C11
−Cy−Cy−CFCFCFCF−Cy−Cy−C
−Cy−Cy−CFCFCFCF−Cy−Cy−C11
−Cy−CFCFCFCF−Cy−Ph−C
−Cy−CFCFCFCF−Cy−Ph−C11
−Cy−CFCFCFCF−Cy−Ph2−F−C
−Cy−CFCFCFCF−Cy−Ph3−F−C11
−Cy−CFCFCFCF−Cy−Ph2,6−FF−C
−Cy−CFCFCFCF−Cy−Ph3,5−FF−C11
−Cy−CFCFCFCF−Cy−Ph2,3−FF−C
−Cy−Cy−CFCFCFCF−Cy−Ph−C
−Cy−Cy−CFCFCFCF−Cy−Ph−C11
−Cy−Cy−CFCFCFCF−Cy−Ph2−F−C
−Cy−Cy−CFCFCFCF−Cy−Ph3−F−C11
−Cy−Cy−CFCFCFCF−Cy−Ph2,6−FF−C
−Cy−Cy−CFCFCFCF−Cy−Ph3,5−FF−C11
−Cy−Cy−CFCFCFCF−Cy−Ph2,3−FF−C
合成中間体として用いる場合の化合物(7)の具体例は以下のとおりである。
CH−Cy−CFCFCFCF−Cy−Cy
−Cy−CFCFCFCF−Cy−Cy
−Cy−Cy−CFCFCFCF−Cy
−Cy−Cy−CFCFCFCF−Cy−Cy
Cy−CFCFCFCF−Cy−Ph−C
Cy−CFCFCFCF−Cy−Ph−C11
Cy−CFCFCFCF−Cy−Ph2−F−C
Cy−CFCFCFCF−Cy−Ph3−F−C11
Cy−CFCFCFCF−Cy−Ph2,6−FF−C
Cy−CFCFCFCF−Cy−Ph3,5−FF−C11
Cy−CFCFCFCF−Cy−Ph2,3−FF−C
Cy−Cy−CFCFCFCF−Cy−Ph−C
Cy−Cy−CFCFCFCF−Cy−Ph−C11
Cy−Cy−CFCFCFCF−Cy−Ph2−F−C
Cy−Cy−CFCFCFCF−Cy−Ph3−F−C11
Cy−Cy−CFCFCFCF−Cy−Ph2,6−FF−C
Cy−Cy−CFCFCFCF−Cy−Ph3,5−FF−C11
Cy−Cy−CFCFCFCF−Cy−Ph2,3−FF−C
式中の記号Cyは以下の意味を示す。
また、上記化合物(7)の合成に有用な、化合物(1)の具体例としては以下の化合物が挙げられる。
CH−Ch−CFCFCFCF−I
−Ch−CFCFCFCF−I
CH−Cy−Ch−CFCFCFCF−I
−Cy−Ch−CFCFCFCF−I
Cy−Ch−CFCFCFCF−I
式中の記号CyおよびCyは前記と同じ意味を示す。
Chは下記1,4−シクロヘキセン基である。
以下に、実施例を挙げて本発明を更に具体的に説明する。なお以下の例は、本発明を制限することなく、本発明を例示しようとするものである。
化合物(1A)の合成
窒素雰囲気下、1,4−ジヨードオクタフルオロブタン(544g)と化合物(2A)(100g)と銅(64g)とジメチルスルホキシド(1L)とを混合し、100℃にて攪拌した。6時間後、室温まで冷却し、1M塩酸(1L)を加えた後、ろ過し、ろ液にヘキサン(1L)を加え攪拌した。有機相を水で洗浄した後、溶媒を留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、化合物(1A)収率72%にて得た。
19F−NMR(CHCl,CFCl):δ−58.39(mc,2F,CF),δ−113.40(mc,2F,CF),δ−113.75(mc,2F,CF),δ−121.63(mc,2F,CF
化合物(5A)の合成
窒素雰囲気下、4−プロピルシクロヘキサノン(8.8g)と化合物(1A)(50g)をジエチルエーテル(264mL)に溶解し、撹拌した。反応液を−78℃に冷却し、メチルリチウムの1.5Mジエチルエーテル溶液(74mL)を滴下した。1時間後、室温まで昇温し、1M塩酸(250mL)を加えた後、有機相を分離した。得られた有機相を重曹水、水の順で洗浄したのち、溶媒を留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、化合物(5A)を、収率87%にて得た。
化合物(6A)の合成
化合物(5A)(25g)をピリジン(6.1g)、トルエン(175mL)溶液に溶解した。次いで、塩化チオニル(16.6g)を加え、80℃で3時間撹拌した。反応液を室温まで冷却後、5%水酸化ナトリウム溶液(50mL)に注ぎ込んだ。有機相を分液し、水で洗浄した後、溶媒を留去した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、化合物(6A)収率84%にて得た。
19F−NMR(CHCl,CFCl):δ−113.65(mc,4F,CF),δ−122.56(mc,4F,CFCF
化合物(7A)の合成
化合物(6A)(20g)の酢酸エチル(100mL)溶液に5%パラジウム炭素(2g)を加えて、水素圧0.75MPaで75℃にて4時間撹拌した。触媒をろ別した後、濾液を減圧濃縮した。残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーおよび再結晶にて精製し、化合物(7A)(トランス−トランス体)収率34%にて得た。
19F−NMR(CHCl,CFCl):δ−118.69(mc,4F,CF),δ−121.38(mc,4F,CF

Claims (6)

  1. 下式(1)で表される化合物。
    式中の記号は、以下の意味を示す。
    :水素原子、ハロゲン原子、−CN、−NCS、−SF、炭素数1〜18のアルキル基または下式(C1k)で表される基。前記アルキル基中の1つ以上の−CH−はエーテル性酸素原子またはチオエーテル性硫黄原子で置換されていても良く、また基中の1つ以上の水素原子はフッ素原子で置換されていても良い。
    (Qは、−CH−または−CHCH−であり、基中の水素原子はアルキル基で置換されていてもよい。)
    およびA:相互に独立して、トランス−1,4−シクロへキシレン基、1,3−シクロブチレン基、1,2−シクロプロピレン基、ナフタレン−2,6−ジイル基、1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−2,6−ジイル基、デカヒドロナフタレン−2,6−ジイル基または1,4−フェニレン基。
    およびAの基中の1つ以上の水素原子はハロゲン原子で置換されていてもよく、該基中に存在する1つまたは2つの=CH−基は窒素原子で置換されていてもよく、1つまたは2つの−CH−基はエーテル性酸素原子またはエーテル性硫黄原子で置換されていてもよい。
    およびZ:相互に独立して、単結合または炭素数1〜4のアルキレン基であり、基中の1つ以上の−CH−はエーテル性酸素原子またはチオエーテル性硫黄原子で置換されていても良く、また基中の1つ以上の水素原子はフッ素原子で置換されていても良い。
    :ヨウ素原子または臭素原子。
    aおよびb:相互に独立して0または1である。
    ただし、a=b=0の場合に下式(C11)で表される基
    は、下式(C11k)で表される基であってもよい。
    (Qは−CH −または−CH CH −であり、基中の水素原子はアルキル基で置換されていてもよい。)
  2. 下式(2)で表される化合物と、下式(3)で表される化合物とを、金属の存在下で反応させる、請求項1に記載の式(1)で表される化合物の製造方法。
    (式中の各記号R、A、A、Z、Z、a、bおよびXは、請求項1における記号と同じ意味を示す。また、a=b=0の場合に前記式(C11)で表される基は、前記式(C11k)で表される基であってもよい。
    およびX:相互に独立して、ヨウ素原子または臭素原子。)
  3. 請求項1に記載の式(1)で表される化合物を、塩基存在下、下式(4)で表される化合物と反応させて、下式(5)で表される化合物を製造する方法。
    (式中の各記号R、A、A、Z、Z、a、bおよびXは、請求項1における記号と同じ意味を示す。
    :水素原子、ハロゲン原子、−CN、−NCS、−SF、炭素数1〜18のアルキル基または下式(C2k)で表される基。前記アルキル基中の1つ以上の−CH−はエーテル性酸素原子またはチオエーテル性硫黄原子で置換されていても良く、また基中の1つ以上の水素原子はフッ素原子で置換されていても良い。
    (Qは式(C1k)と同じ意味を示す。)
    およびA:相互に独立して、トランス−1,4−シクロへキシレン基、1,3−シクロブチレン基、1,2−シクロプロピレン基、ナフタレン−2,6−ジイル基、1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−2,6−ジイル基、デカヒドロナフタレン−2,6−ジイル基または1,4−フェニレン基。
    およびAの基中の1つ以上の水素原子はハロゲン原子で置換されていてもよく、該基中に存在する1つまたは2つの=CH−基は窒素原子で置換されていてもよく、1つまたは2つの−CH−基はエーテル性酸素原子またはエーテル性硫黄原子で置換されていてもよい。
    およびZ:相互に独立して、単結合または炭素数1〜4のアルキレン基であり、基中の1つ以上の−CH−はエーテル性酸素原子またはチオエーテル性硫黄原子で置換されていても良く、また基中の1つ以上の水素原子はフッ素原子で置換されていても良い。
    a、b、cおよびd:相互に独立して0または1である。ただし、0≦a+b+c+d≦2を満たす。
    ただし、c=d=0の場合の式(4)で表わされる化合物は下式(C4k)で表される化合物であってもよい。
    (Qは式(C1k)と同じ意味を示す。)
    また、式(5)において、c=d=0の場合に下式(C52)で表される基
    は、下式(C52k)であってもよい。
    (Qは式(C1k)と同じ意味を示す。))
  4. 下記第1工程、第2工程、第3工程および下記第4工程からなる、下式(7)で表される化合物の製造方法。
    第1工程:下式(2)で表される化合物を金属存在下、下式(3)で表される化合物と反応させて下式(1)で表される化合物を製造する工程
    第2工程:下式(1)で表される化合物を塩基存在下、下式(4)で表される化合物と反応させて下式(5)で表される化合物を製造する工程
    第3工程:下式(5)で表される化合物を脱水し、下式(6)で表される化合物へと変換する工程
    第4工程:下式(6)で表される化合物を水素還元し、下式(7)で表される化合物へと変換する工程。
    (式中の各記号は、請求項1〜3における記号と同じ意味を示す。
    ただし、式(7)において、a=b=0の場合に下式(C71)で表される基
    は、前記式(C1k)で表される基であってもよい。
    また、式(6)において、c=d=0の場合に下式(C62)で表される基
    は、下式(62k)で表される基であってもよい。
    (Qは−CH −または−CH CH −であり、基中の水素原子はアルキル基で置換されていてもよい。)
    また、式(7)において、c=d=0の場合に下式(C72)で表される基
    は、前記式(C2k)で表される基であってもよい。)
  5. 下式(5)で表される化合物。
    (式中の各記号R、R、A、A、A、A、Z、Z、Z、Z、a、b、cおよびdは、請求項1〜4における記号と同じ意味を示す。)
  6. 下式(6)で表される化合物。
    (式中の各記号R、R、A、A、A、A、Z、Z、Z、Z、a、b、cおよびdは、請求項1〜4における記号と同じ意味を示す。)
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