JP4115002B2 - 液晶化合物 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、電気光学的表示材料として有用なネマチック液晶化合物、詳しくは、高いNI点および高誘電率を示すネマチック液晶化合物に関するものである。
【0002】
【従来の技術および発明が解決しようとする課題】
現在、液晶組成物としては、要求される電気的、光学的、化学的性能を満足するため、数種類から20種類程度の液晶化合物、液晶類似化合物の混合物が用いられている。
【0003】
環構造の数、環の種類、ハロゲン原子やシアノ基などの極性基の有無と位置、キラル構造の有無、エーテル結合、エステル結合などの結合の種類、そして、アルケニルやアルキニルの有無などの構造上の特徴を種々組み合わされた、液晶温度範囲が広い化合物、誘電異方性が大きな化合物、粘度の低い化合物などの特性の異なる化合物を組み合わせることで液晶組成物の性能は制御されている。
【0004】
アルキニル基を有する液晶化合物としては、特開昭61−263933号公報でシクロヘキシルアセチレン誘導体が提案され、広い温度範囲でネマチック相を示しているものの、環構造を2個有したもののみが記載され、極性基を有していないため、誘電率異方性の小さなものしか期待できなかった。特開平3−133938号公報、特開平5−97729号公報には3個以上の環構造を有するアルキニル基を有する液晶化合物が提案されている。しかしこれら公報に記載された化合物はいずれも分子構造の長軸方向末端において極性基を有しておらず、誘電率異方性は低いものであった。さらに、特開平6−199713号公報には、アルキニル基を有し、極性基を有する液晶化合物が提案されている。しかし、この化合物は環構造が2個しかないか、3個以上の場合には環構造の間にアルケニル基を有するもので、3個以上の環構造を有し、環構造の外側にアルキニル基を有する構造の化合物についてはなんら記載はされていなかった。
【0005】
また、特開昭58−10552号公報、特開平3−223223号公報、特表平4−501270号公報には、環構造を3個有し、その外側にアルキル基またはアルケニル基を有する化合物が提案されている。しかし、このアルキル基、またはアルケニル基を有する化合物のNI点は満足のいくものでなかった。
【0006】
さらに、特開平10−175888号公報には、3ケ以上の環構造を有し、環構造の外側にアルキニル基を有し、さらに極性基を有する液晶化合物が提案されている。しかし、アルキニル基は環構造に直接結合しておらず、環とアルキニル基の間にエチル基を有する構造の化合物であり、環構造に直接結合するアルキニル基の記載はされていなかった。
【0007】
従って、本発明の目的は、誘電率異方性が大きく、高NI点である液晶化合物を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、鋭意検討を行った結果、特定構造を有する化合物が、上記目的を達成しえることを知見した。
【0009】
本発明は、上記知見に基づきなされたもので、下記〔化2〕(前記〔化1〕と同じ)の一般式(1)で表される、ビシクロヘキシルフェニル基とアルキニル基とを有する液晶化合物を提供するものである。
【0010】
【化2】
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の液晶化合物について詳述する。
【0012】
本発明の液晶化合物は、上記一般式(1)における式中のRが炭素原子数1〜10の直鎖のアルキル基または水素原子であるが、アルキル基としては、例えばメチル、エチル、プロピル、ブチル、ペンチル、ヘキシル、ヘプチル、オクチル、ノニル、デシル等の直鎖のアルキル基が挙げられ、特にR の炭素数が1〜6の直鎖のアルキル基が好ましい。
【0013】
本発明の液晶化合物の具体例としては、例えば、下記〔化3〕〜〔化9〕に示す化合物No.1〜No.7などが挙げれられる。
【0014】
【化3】
【0015】
【化4】
【0016】
【化5】
【0017】
【化6】
【0018】
【化7】
【0019】
【化8】
【0020】
【化9】
【0021】
本発明の液晶化合物は、単独で液晶材料に要求される全ての機能を満足できるものではなく、他の液晶材料との混合物(液晶組成物)として使用することが望ましい。ここで用いられる他の液晶材料としては、例えば、ビフェニル系、エステル系、アゾキシ系、シクロヘキサンカルボン酸フェニルエステル系、フェニルシクロヘキササン系、フェニルピリミジン系、フェニルメタジオキサン系などの液晶材料の一種類または数種類の系の混合物と混合させることにより透明点を上昇させることができ、いわゆる高温液晶成分として有用である。これらの他の液晶材料は、現在、高温液晶成分として広く用いられているシアノターフェニル、シアノビフェニルシクロヘキサン系などの液晶に比べ、比較的低粘度であるので応答特性がよく、温度依存性の少ない、優れた液晶組成物を構成するのに使用できる。
【0022】
上記液晶組成物における本発明の液晶化合物の含有量は、0.01重量%以上であることが好ましい。該含有量が0.01重量%未満では添加効果が認められないことがある。
【0023】
本発明の液晶化合物〔前記一般式(1)で表される化合物〕の製造方法としては、特に限定されるものではなく、例えば、目的とするアルキニル化合物に対応するアルケニル化合物のアルケニル基を臭素化して脱臭化水素反応により目的物を合成することができる。
【0024】
【実施例】
以下、実施例により本発明の液晶化合物の製造方法について、説明する。また、試験例により本発明の液晶化合物を用いた液晶組成物の性質について、更に詳細に説明する。
【0025】
実施例1
(化合物No.2の合成)
1−[トランス−4−(トランス−4−(1−プロペニル)シクロヘキシル)シクロヘキシル]−4−シアノベンゼン1.33gとジクロロエタン110mlの混合液を−13℃まで冷却し、臭素を0.68g滴下した。−20℃で1時間攪拌した後、チオ硫酸ナトリウム水溶液を25ml加え、室温まで戻した。油水分離後、水50mlで2回洗浄し、硫酸マグネシウムで有機層を乾燥した。溶媒を留去して粗臭素化物1.88g得た。
【0026】
カリウム−t−ブトキシド1.0gとジメチルスルホキサイド(以下、「DMSO」という)12mlの溶液に前反応で生成した粗臭素化物1.88gのTHF溶液24mlを10℃以下で滴下した。1時間10℃以下で攪拌した後、水22mlを加え、トルエン40mlで2回抽出し、水20mlで2回洗浄した。溶媒留去した後、シリカゲルカラム(酢酸エチル/ヘキサン=1/20)で精製した。酢酸エチル/メタノールで再結晶して0.39gの化合物を得た。(白色粉末、収率30%)
【0027】
得られた化合物は、赤外吸収スペクトル(IR)、 1H−NMR、およびガスクロマトグラフ−マススペクトル(GC−MS)により目的物であると同定した。分析結果は各々以下の通りである。
【0028】
IR、 1H−NMRはそれそれ次のように吸収を示した。また、GC−MSによる分子量は305であった。
【0029】
〔IR〕
2920cm-1、2845cm-1、2220cm-1、1600cm-1、1440cm-1
〔 1H−NMR〕
0.6−2.6ppm(−CH3 、−CH2 −、−CH−)
7.1−7.7ppm(Ar−H)
【0030】
また、液晶材料としての可能性を評価するため、相転移温度を測定した。比較化合物は、アルキニル基をアルキル基に置き換えた化合物である。
比較化合物1:1−[トランス−4−(トランス−4−(1−プロピル)シクロヘキシル)シクロヘキシル]−4−シアノベンゼン
の相転移温度も併せて測定した。
【0031】
化合物No.2の相転移温度を測定した結果、CN点は187℃で、NI点は291℃であった。比較化合物1のNI点は239℃であった。
【0032】
試験例1
下記〔化10〕に示す母液晶Aからなる液晶組成物に化合物No.2を10重量%添加(粘度測定の場合のみ5重量%添加)した液晶組成物の外挿値について、それぞれΔε、Δn、粘度を測定した。それらの結果を下記〔表1〕に示す。
【0033】
母液晶Aの組成
【0034】
【化10】
【0035】
【表1】
【0036】
実施例の結果から明らかなように、アルキニル基をもつ本発明の液晶化合物(実施例1で得られた化合物No.2)が、アルキニル基の換わりにアルキル基をもつ比較化合物1に比べて高いNI点を示すことが確認できた。
また、アルキニル基がアルケニル基である化合物の場合も同様に本発明の液晶化合物の方が高NI点を示す。
【0037】
さらに、〔表1〕の結果より、本発明の液晶化合物は高い誘電率をもち、高いNI点を示す、STN系液晶に有用な液晶化合物であることが確認できた。
【0038】
【発明の効果】
本発明の液晶化合物は、高NI点で誘電異方性の大きな液晶組成物を提供できるものである。
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