JP4314643B2 - フェニルトラン誘導体 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は電気光学的液晶表示用、特に広い温度範囲で低電圧駆動と高速応答が可能なネマチック液晶材料として有用な新規液晶化合物である、フェニルトラン誘導体及びそれを含有する液晶組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
液晶表示素子は、時計、電卓をはじめとして、各種測定機器、自動車用パネル、ワードプロセッサー、電子手帳、プリンター、コンピューター、テレビ等に用いられるようになっている。液晶表示方式としては、その代表的なものにTN(捩れネマチック)型、STN(超捩れネマチック)型、DS(動的光散乱)型、GH(ゲスト・ホスト)型あるいはFLC(強誘電性液晶)等があり、また駆動方式としても従来のスタティック駆動からマルチプレックス駆動が一般的になり、さらに単純マトリックス方式、最近ではアクティブマトリックス方式が実用化されている。
【0003】
これらの表示方式や駆動方式に応じて、液晶材料としても種々の特性が要求されているが、中でも応答時間の高速化と駆動電圧の低減は最近特に重要視されている。
【0004】
応答を高速化するために液晶材料に求められる物性は直接的には(i)粘性を小さくするか、あるいは(ii)弾性定数を大きくすることである。また、間接的には、液晶素子の応答を高速化するための手段として、(iii)セル厚を薄くすることも非常に有効である。しかしながら、液晶素子においては干渉縞の発生による着色やむらを防止するために、セル厚(d)と屈折率異方性(Δn)の積(Δn・d)をある一定の値(0.5、1.0、1.6、2.2、通常前二者が用いられることが多い。)に設定する必要がある。従って、セル厚を薄くするためには液晶材料として屈折率異方性(Δn)が大きいことが重要である。また、光反射型や光散乱型の液晶表示素子においては屈折率異方性(Δn)が大きいことはコントラストを大きくするために特に重要である。
【0005】
一方、閾値電圧を低下させ、低電圧駆動を可能とするためには、(i)誘電率異方性(Δε)を大きくすること、あるいは(ii)弾性定数を小さくすることが必要である。しかしながら、前述のように弾性定数を小さくするとその応答性に悪影響がある。
【0006】
また、液晶材料にとって、室温を含む広い温度範囲で液晶相を示すことも常に重要であり、他の液晶化合物との相溶性に優れ、相分離を起こすことのない化合物であることも重要である。
【0007】
これまでこうした条件を比較的よく備えている液晶化合物としては、例えば一般式(A)
【0008】
【化2】
【0009】
(式中、Raは直鎖状アルキル基を表す。)
で表されるテルフェニル誘導体等が用いられてきた。しかし式(A)の化合物を用いることにより応答時間は速くなるものの、Δnは決して充分大きいとは言えず、また他の液晶化合物との相溶性が悪いため、液晶組成物を調製した場合、室温を含む広い温度範囲で液晶相を得ることができなかった。
【0010】
また、一般式(I)と類似の骨格を有する一般式(B)及び一般式(C)の化合物は、Δnは非常に大きいが、やはり極端に相溶性が悪く液晶材料の構成成分にはなり得なかった。
【0011】
【化3】
【0012】
(式中、RB、RCは直鎖状アルキル基を表す)
そこで、他の液晶化合物との相溶性に優れ、しかも、屈折率異方性(Δn)が充分大きく、かつ誘電率異方性(Δε)も大きい液晶化合物が望まれている。
【0013】
【発明が解決しようとする課題】
本発明が解決しようとする課題は、以上の目的に応じるため、他の液晶化合物との相溶性に優れ、しかも、屈折率異方性(Δn)が大きく、かつ誘電率異方性(Δε)も大きなフェニルトラン誘導体である液晶化合物を提供し、さらにこれを用いて液晶温度範囲が広く、かつ高速応答と低電圧駆動の可能な液晶組成物を提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】
本発明は前記課題を解決するために、
1.一般式(I)
【0015】
【化4】
【0016】
(式中、Rは炭素原子数1〜10のアルキル基又は炭素原子数3〜10のアルケニル基を表す。)で表されるフェニルトラン誘導体。
2.一般式(I)においてRが炭素原子数1〜7の直鎖状アルキル基又は炭素原子数4〜7の直鎖状アルケニル基を表すところの上記1記載のフェニルトラン誘導体。
3.上記1又は2記載の一般式(I)で表されるフェニルトラン誘導体を含有する液晶組成物。
4.上記3記載の液晶組成物を用いることを特徴とする液晶表示素子。
を上記課題を解決するための手段として見出した。
【0017】
【発明の実施の形態】
以下に本発明の一例について説明する。
本発明は、上記課題を解決するために、一般式(I)
【0018】
【化5】
【0019】
で表されるフェニルトラン誘導体を提供する。
式中、Rは炭素原子数1〜10のアルキル基又は炭素原子数3〜10のアルケニル基を表すが、炭素原子数1〜7の直鎖状アルキル基又は炭素原子数4〜7の直鎖状アルケニル基が好ましく、アルケニル基としては3−アルケニル基が好ましく、特に炭素原子数2〜5の直鎖状アルキル基又は3−ブテニル基が好ましい。
【0020】
一般式(I)の化合物は以下の工程に基づいて製造することができる。
即ち、式(II)
【0021】
【化6】
【0022】
を無水塩化アルミニウム等のルイス酸存在下、塩化アセチル又は無水酢酸と反応させ式(III)
【0023】
【化7】
【0024】
の化合物を得る。この式(III)の化合物を次亜臭素酸等で酸化することにより式(IV)
【0025】
【化8】
【0026】
の化合物を得る。この式(IV)の化合物を塩化チオニルあるいはオキシ塩化リン等の塩素化剤と反応させることにより式(V)
【0027】
【化9】
【0028】
の化合物を得る。
また、式(V)の化合物は、式(II)の化合物を無水塩化アルミニウム等のルイス酸存在下、蓚酸ジクロリドと反応させることによっても得ることができる。
【0029】
この式(V)の化合物をアンモニアと反応させることにより式(VI)
【0030】
【化10】
【0031】
の化合物を得る。
この式(VI)の化合物を塩化チオニルあるいはオキシ塩化リン等の脱水剤と反応させることにより式(VII)
【0032】
【化11】
【0033】
の化合物を得る。
この式(VII)の化合物は、次のような工程でも得ることができる。
式(II)の化合物をヨウ素と反応させることにより式(VIII)
【0034】
【化12】
【0035】
の化合物を得る。この式(VIII)の化合物をシアン化ナトリウム、シアン化カリウム、シアン化銅等にシアノ化剤と反応させることにより式(VII)の化合物を得る。この式(VII)の化合物と一般式(IX)
【0036】
【化13】
【0037】
(式中、Rは一般式(I)におけると同じ意味を表す。)の化合物を遷移金属触媒の存在下反応させることにより、一般式(I)の化合物が得られる。ここで用いられる触媒としてはパラジウム系触媒が好ましく、テトラキストリフェニルホスフィンパラジウム(0)等のパラジウム(0)錯体、及びジクロロビストリフェニルホスフィンパラジウム(II)等のパラジウム(II)錯体を用いることができるが、特にテトラキストリフェニルホスフィンパラジウム(0)が好ましい。銅触媒としては、特にヨウ化銅(I)が好ましい。溶媒としてはジメチルホルムアミド(DMF)、ジメチルアセトアミド(DMA)、ジメチルスルホキシド(DMSO)等のいわゆる非プロトン性極性溶媒、テトラヒドロフラン(THF)、ジメトキシエタン(DME)、ジイソプロピルエーテル(IPE)等のエーテル類、トルエン、キシレン等の炭化水素類、あるいはこれらの混合物が好ましく使用でき、通常トリエチルアミン等のアミン系溶媒を併用する。
【0038】
斯くして製造される本発明の一般式(I)で表されるフェニルトラン誘導体において、代表的な化合物をその相転移温度とともに第1表に示す。
【0039】
【表1】
【0040】
(表中、Cは結晶相を、Iは等方性液体相をそれぞれ表す。)
一般式(I)の化合物を液晶組成物中に添加することにより得られる優れた効果は以下の通りである。
【0041】
現在汎用されているホスト液晶(H)は以下の組成からなる。
【0042】
【化14】
【0043】
ここでホスト液晶(H)の特性値は以下の通りである。
ネマチック相温度範囲: <−40〜55℃
屈折率異方性(Δn): 0.092
誘電率異方性(Δε): 6.7
応答時間(τ): 32msec
ここで、応答時間(τ)は20℃で、厚さ6μmのTNセルに封入し立ち上がり(τr)と立ち下がり(τd)の時間が同じになる電圧を印加したときの測定した値である。
【0044】
これに、第1表の式(I−1)の化合物
【0045】
【化15】
【0046】
20重量%及びホスト液晶(H)80重量%からなる液晶組成物(H−1)の特性値は以下の通りであった。
ネマチック相温度範囲: −50〜84℃
屈折率異方性(Δn): 0.162
誘電率異方性(Δε): 9.0
応答時間(τ): 22msec
従って、ネマチック相上限温度(TN-I)が約30℃上昇し、低温域は−50まで拡大している。また、Δnは1.8倍に、Δεは1.3倍に上昇し、さらには応答時間が30%速くなっている。
【0047】
これに対して、参考のため、前述のターフェニル誘導体(A−1)
【0048】
【化16】
【0049】
20重量%及びホスト液晶(H)80重量%からなる比較組成物(H−A)を調製した。この組成物の特性値は以下の通りであった。
ネマチック相温度範囲: 23〜87℃
屈折率異方性(Δn): 0.147
誘電率異方性(Δε): 8.9
応答時間(τ): 24msec
これを(M−1)と比較するとTN-Iについては(M−1)より優れているが、融点が大きく上昇してしまっている。また、Δn、Δεの上昇の程度及び応答時間の高速化は(I−1)の化合物に及ばないことがわかる。
【0050】
次に、前述のフェニルトラン誘導体(C−1)及び(B−1)
【0051】
【化17】
【0052】
を用い、式(B−1)の化合物20重量%及びホスト液晶(H)80重量%からなる組成物(M−B)、式(C−1)の化合物20重量%及びホスト液晶(H)80重量%からなる組成物(M−C)を調製したが、いずれも室温で即座に結晶が析出し、特性値の測定はできなかった。
【0053】
従って、一般式(I)の化合物は従来の液晶組成物との相溶性に優れており、非常に実用的であることがわかる。
一般式(I)のフェニルトラン誘導体は、他のネマチック液晶化合物との混合物の状態で、TN型あるいはSTN型等の電界効果型表示セル用として、特に液晶温度範囲が広く高速応答性の材料として好適に使用することができる。本発明はこのように一般式(I)で表されるフェニルトラン誘導体の少なくとも1種類をその構成成分として含有する液晶組成物をも提供するものである。
【0054】
この組成物中において、一般式(I)と混合して使用することのできるネマチック液晶化合物の好ましい代表例としては、例えば、4−置換安息香酸4−置換フェニル、4−置換シクロヘキサンカルボン酸4−置換フェニル、4−置換シクロヘキサンカルボン酸4’−置換ビフェニリル、4−(4−置換シクロヘキサンカルボニルオキシ)安息香酸4−置換フェニル、4−(4−置換シクロヘキシル)安息香酸4−置換フェニル、4−(4−置換シクロヘキシル)安息香酸4−置換シクロヘキシル、4,4’−置換ビフェニル、1−(4−置換シクロヘキシル)−4−置換ベンゼン、4,4’−置換ビシクロヘキサン、1−[2−(4−置換シクロヘキシル)エチル]−4−置換ベンゼン、1−(4−置換シクロヘキシル)−2−(4−置換シクロヘキシル)エタン、4,4”−置換ターフェニル、4−(4−置換シクロヘキシル)−4’−置換ビフェニル、4−[2−(4−置換シクロヘキシル)エチル]−4’−置換ビフェニル、4−(4−置換フェニル)−4’−置換ビシクロヘキサン、4−[2−(4−置換シクロヘキシル)エチル]−4’−置換ビフェニル、4−[2−(4−置換シクロヘキシル)エチル]シクロヘキシル−4’−置換ベンゼン、4−[2−(4−置換フェニル)エチル]−4’−置換ビシクロヘキサン、1−(4−置換フェニルエチニル)−4−置換ベンゼン、1−(4−置換フェニルエチニル)−4−(4−置換シクロヘキシル)ベンゼン、2−(4−置換フェニル)−5−置換ピリミジン、2−(4’−置換ビフェニリル)−5−置換ピリミジン及び上記各化合物においてベンゼン環が側方置換基を有する化合物等を挙げることができる。
【0055】
【実施例】
以下に本発明の実施例を示し、本発明を更に説明する。しかし、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
【0056】
化合物の構造は、核磁気共鳴スペクトル(NMR)、質量スペクトル(MS)及び赤外吸収スペクトル(IR)により確認した。また、組成物の%は重量%を表す。
(実施例1) 2−フルオロ−4−(4−プロピルフェニルエチニル)−4’−シアノビフェニル(第1表の式(I−1)の化合物)の合成
(1−a) 2−フルオロ−4−ブロモ−4’−シアノビフェニルの合成
【0057】
【化18】
【0058】
無水塩化アルミニウム207gをジクロロメタン400mlに懸濁させ、2−フルオロ−4−ブロモビフェニル300g及びシュウ酸ジクロリド182gのジクロロメタン1400ml溶液を室温で2時間かけて滴下した。滴下終了後さらに3時間撹拌し、反応液を氷1500g及び塩酸1500mlに撹拌しながら加えた。有機層を分離し、水層をジクロロメタン500mlで2回抽出し、抽出液をあわせ、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。無水硫酸マグネシウムを濾別し、氷零下撹拌しながらアンモニアガスを吸収しなくなるまで反応液中に吹き込んだ。析出した結晶を濾過し、少量のジクロロメタンで洗浄し、結晶を減圧乾燥し、4−(2−フルオロ−4−ブロモフェニル)ベンズアミド390gを得た。これをDMF1200mlに一部溶解し、氷冷し液温が10℃を越えないようにオキシ塩化リン220gを滴下した。滴下終了後、さらに室温で1時間撹拌し、反応液を氷1000gに加え、トルエン1500mlで抽出した。有機層を分離し、無水硫酸ナトリウムで乾燥し、無水硫酸ナトリウムを分離し、溶媒を留去し、2−フルオロ−4−ブロモ−4’−シアノビフェニル298gを得た。
(I−b) 2−フルオロ−4−(4−プロピルフェニルエチニル)−4’−シアノビフェニルの合成
【0059】
【化19】
【0060】
上記(I−a)で得た2−フルオロ−4−ブロモ−4’−シアノビフェニル10.0g及び4−エチニル−1−プロピルベンゼン6.3gをDMF40ml及びトリエチルアミン10mlに溶解し、テトラキストリフェニルホスフィンパラジウム(0)0.4g及びヨウ化銅(I)0.1gを加え、60℃で3時間撹拌した。水及び10%塩酸を加え、水層を分離後、酢酸エチルで抽出し、有機層をあわせ、10%塩酸、水次いで飽和食塩水で洗滌した。無水硫酸ナトリウムで脱水乾燥させた後、溶媒を溜去して2−フルオロ−4−(4−プロピルフェニルエチニル)−4’−シアノビフェニルの粗結晶13.5gを得た。これをシリカゲルカラムクロマトグラフィー(トルエン)で精製し、さらにエタノールから再結晶させて精製物5.0gを得た。この化合物の融点は110℃で243℃までネマチック相を示し、それ以上の温度で等方性液体相となった。
【0061】
また、上記(I−b)において、4−エチニル−1−プロピルベンゼンに換えて、他の4−エチニル−1−アルキルベンゼン又は4−エチニル−1−アルケニルベンゼンを用いることにより、同様にして以下の化合物を得た。
【0062】
2−フルオロ−4−(4−エチルフェニルエチニル)−4’−シアノビフェニル
2−フルオロ−4−(4−ブチルフェニルエチニル)−4’−シアノビフェニル
2−フルオロ−4−(4−ペンチルフェニルエチニル)−4’−シアノビフェニル
2−フルオロ−4−[4−(3−ブテニル)フェニルエチニル]−4’−シアノビフェニル
(実施例2) 液晶組成物の調製
汎用のホスト液晶(H)
【0063】
【化20】
【0064】
を調製した。このホスト組成(H)の特性はは以下の通りであった。
ネマチック相温度範囲: <−40〜55℃
屈折率異方性(Δn): 0.092
誘電率異方性(Δε): 6.7
応答時間(τ): 32msec
ここで、応答時間は立ち上がり時間(τr)と立ち下がり時間(τd)が等しくなる電圧印加時の測定値である。
【0065】
次にこのホスト液晶(H)の80%及び実施例1で得た本発明の化合物である式(I―1)
【0066】
【化21】
【0067】
の化合物20%からなる液晶組成物(H−1)を調製した。この組成物の物性値及び電気光学的特性は以下の通りであった。
ネマチック相温度範囲: −50〜84℃
屈折率異方性(Δn): 0.162
誘電率異方性(Δε): 9.0
応答時間(τ): 22msec
従って、ネマチック相上限温度(TN-I)が約30℃上昇し、低温域は−50まで拡大している。また、Δnは1.8倍に、Δεは1.3倍に上昇し、さらには応答時間が30%速くなっている。
(参考例1)
これに対して、ターフェニル誘導体である化合物(A−1)
【0068】
【化22】
【0069】
20重量%及びホスト液晶80重量%からなる比較組成物(H−A)を調整した。同様にして測定したこの組成物の特性値は以下の通りであった。
ネマチック相温度範囲: 23〜87℃
屈折率異方性(Δn): 0.147
誘電率異方性(Δε): 8.9
応答時間(τ): 24msec
これを(M−1)と比較するとTN-Iについては(M−1)より優れているが、融点が大きく上昇してしまっている。また、Δn、Δεの上昇の程度及び応答時間の高速化は(I−1)の化合物に及ばないことがわかる。
(比較例1)
次に、一般式(I―1)と類似の骨格を有するが、フッ素原子を含まないフェニルトラン誘導体である(B−1)及び(C−1)
【0070】
【化23】
【0071】
を用いて比較組成物を調整した。式(B−1)の化合物20%及びホスト液晶(H)80%からなる組成物(M−B)、式(C−1)の化合物20%及びホスト液晶(H)80%からなる組成物(M−C)を各々調製したが、室温にもどしたところ即座に結晶が析出し、特性を測定することはできなかった。
【0072】
以上のように、本発明の一般式(I)の化合物は、相溶性において化合物(B)あるいは化合物(C)より優れた効果を示すことが明らかである。
【0073】
【発明の効果】
本発明により提供される、フェニルトラン誘導体は、実施例にも示したように工業的にも容易に製造することができる。得られたフェニルトラン誘導体は、従来から知られている同様あるいは類似骨格を有する液晶性化合物と比較して、大きな屈折率異方性(Δn)及び誘電率異方性(Δε)を有し、液晶性に極めて優れ、かつ応答性の改善にも大きい効果を有する。
【0074】
さらに、従来用いられている他の液晶組成物に対する溶解性に優れ、かつ化学的にも安定である。
従って、それを含有する液晶組成物は実用的液晶として特に広い温度範囲で高速応答かつ低電圧駆動を必要とする液晶表示用材料として極めて有用である。
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JPH11349547A JPH11349547A (ja) | 1999-12-21 |
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