JP2013155157A - 化合物 - Google Patents

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健太 東條
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哲生 楠本
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Abstract

【課題】医薬、農薬、液晶材料等の化成品等の製造中間体として有用な化合物を提供する。
【解決手段】一般式(I)(式中、Rは、水素原子又は炭素数1〜15のアルキル基を表し、Xは、塩素原子、臭素原子又はヨウ素原子を表し、Zは、単結合、−CHCH−、−(CH−、−CHO−又は−OCH−を表し、A及びAはそれぞれ独立して、環を構成する一つ以上のメチレン基が酸素原子又は硫黄原子により置換されていてもよいトランス−1,4−シクロヘキシレン基、環上の一個以上の水素原子がフッ素原子に置換されていてもよい1,4−フェニレン基、又は環上の一個以上の水素原子多フッ素原子に置換されていてもよいナフタレン−2,6−ジイル基を表し、nは、0、1又は2を表す。)で表される化合物。
[化1]
Figure 2013155157

【選択図】なし

Description

本発明は、医薬、農薬、液晶材料等の化成品等の製造中間体として有用なジフルオロベンゼン誘導体に関する。
ジフルオロメチルエーテル骨格を有する化合物は、フッ素原子と酸素原子の相互作用による特異な電子配置から、医薬、農薬等の有効成分となる生理活性物質や、液晶材料等の機能材料として極めて有用である。特に、1−(ジフルオロ(p−トリルオキシ)メチル) −2,3−ジフルオロ−4−メチルベンゼンに代表される、ジフルオロメチルエーテル骨格に隣接した芳香環にフッ素原子を導入した骨格(下記式(A)で表される骨格、以下、骨格(A))を有する化合物は、液晶材料の構成部材として特に有用である。例えば、正の誘電率異方性を有する液晶材料に骨格(A)を有する化合物を含有させることは、誘電率異方性の絶対値の向上に有効である。
Figure 2013155157
(式中、P及びPは、任意の基を表す。)
骨格(A)を有する化合物の製造方法としては、下記に示すように、安息香酸エステルを経由して製造する方法があった(例えば、特許文献1参照。)。当該製造方法では、エステル化する際に用いるアルコール類の構造に応じて、最終目的物の構造が決定されてしまう。つまり、目的の化合物の構造ごとに、それぞれの構造に応じたアルコール類を必要とする。このため、複数の骨格(A)を有する化合物を製造する場合、多くの製造中間体を用意する必要があり、製造効率の低下、保管の手間等の問題がある。
Figure 2013155157
一方で、4−ハロゲノジフルオロベンジルブロミド誘導体及びその製造方法は知られている(特許文献2,3及び非特許文献1参照)。しかしながら、4−ハロゲノジフルオロベンジルブロミド誘導体から骨格(A)を有する化合物を効率よく製造する方法は、現在までに知られていなかった。
特開2001−139511号公報 特開昭61−180727号公報 独国特許発明第1518857号明細書
M.Yoshida,Y.Morinaga,M.Ueda,N.Kamigata and M.Iyoda,Chemistry Letters,227−230,1992.
本発明の目的は、骨格(A)を有する化合物の製造中間体として有用なジフルオロベンゼン誘導体を提供することである。
本発明者らは、上記課題を解決するため種々のジフルオロベンゼン誘導体を検討した結果、4位に置換基を有するジフルオロベンゼン誘導体の製造に成功し、本発明の完成に至った。
すなわち、本発明は、一般式(I)
Figure 2013155157
(式中、Rは、水素原子、又は炭素数1〜15のアルキル基を表し、当該アルキル基中の相隣接しない1個以上のメチレン基は、酸素原子、硫黄原子、又は−CH=CH−で置換されていてもよく、当該アルキル基中の任意の水素原子はフッ素原子で置換されていてもよく、
は、塩素原子、臭素原子又はヨウ素原子を表し、
は、単結合、−CHCH−、−(CH−、−CHO−又は−OCH−を表し、
及びAは、それぞれ独立して、環を構成する一つ以上のメチレン基が酸素原子又は硫黄原子により置換されていてもよいトランス−1,4−シクロヘキシレン基、環上の一個以上の水素原子がフッ素原子に置換されていてもよい1,4−フェニレン基、又は環上の一個以上の水素原子多フッ素原子に置換されていてもよいナフタレン−2,6−ジイル基を表し、
nは、0、1又は2を表す。)で表される化合物を提供する。
本発明の化合物は、ベンゼン環の4位が活性の高いハロゲン原子によって置換されているジフルオロベンジルナフチルエーテル誘導体であり、骨格(A)を有する化合物の製造中間体として特に有用である。
<一般式(I)で表される化合物>
本発明の化合物は、一般式(I)で表される化合物である。
Figure 2013155157
一般式(I)中、Rは、水素原子、又は炭素数1〜15のアルキル基を表す。当該アルキル基中の相隣接しない1個以上のメチレン基は、酸素原子、硫黄原子、又は−CH=CH−で置換されていてもよい。また、当該アルキル基中の任意の水素原子は、フッ素原子で置換されていてもよい。当該アルキル基は、分岐鎖状の基であってもよく、直鎖状の基であってもよい。本発明においては、Rは、相隣接しない1個以上のメチレン基が酸素原子、硫黄原子、又は−CH=CH−で置換されていてもよく、かつ任意の水素原子がフッ素原子で置換されていてもよい炭素数1〜15のアルキル基であることが好ましく、炭素原子数1〜8のアルキル基、炭素原子数1〜8のアルコキシ基、炭素原子数2〜8のアルケニル基又は炭素原子数2〜8のアルケニルオキシ基であることが好ましく、炭素原子数1〜5のアルキル基、炭素原子数1〜5のアルコキシ基、炭素原子数2〜5のアルケニル基又は炭素原子数2〜5のアルケニルオキシ基であることがより好ましく、炭素数1〜5のアルキル基又は炭素数1〜5のアルコキシ基であることがさらに好ましい。
一般式(I)中、Xは、塩素原子、臭素原子又はヨウ素原子を表す。本発明においては、Xは臭素原子又はヨウ素原子であることが好ましく、臭素原子であることがより好ましい。
一般式(I)中、Zは、単結合、−CHCH−、−(CH−、−CHO−又は−OCH−を表す。Zが複数ある場合には、それらは同一であっても、異なっていてもよい。本発明においては、Zは、単結合、−CHCH−、−CHO−又は−OCH−が好ましく、単結合がより好ましい。
一般式(I)中、A及びAは、それぞれ独立して、環を構成する一つ以上のメチレン基が酸素原子又は硫黄原子により置換されていてもよいトランス−1,4−シクロヘキシレン基、環上の一個以上の水素原子がフッ素原子に置換されていてもよい1,4−フェニレン基、又は環上の一個以上の水素原子多フッ素原子に置換されていてもよいナフタレン−2,6−ジイル基を表す。Aが複数ある場合には、それらは同一であっても、異なっていてもよい。本発明においては、A及びAはそれぞれ独立して、環を構成する一つ以上のメチレン基が酸素原子又は硫黄原子により置換されていてもよいトランス−1,4−シクロヘキシレン基、又は環上の一個以上の水素原子がフッ素原子に置換されていてもよい1,4−フェニレン基であることが好ましく、下記の5種の環状構造を有する2価の基のいずれかであることがより好ましい。なお、以下、これら5種の環状構造を有する2価の基をまとめて「2価の環構造含有基群B」ということがある。
Figure 2013155157
一般式(I)中、nは、0、1又は2を表す。本発明においては、nは、0又は1であることが好ましく、0であることがより好ましい。
一般式(I)で表される化合物としては、Rが炭素原子数1〜8のアルコキシ基、炭素原子数2〜8のアルケニル基又は炭素原子数2〜8のアルケニルオキシ基であり、Xが臭素原子又はヨウ素原子であり、Zが単結合、−CHCH−、−CHO−又は−OCH−であり、A及びAがそれぞれ独立して2価の環構造含有基群Bのうちの1つであり、nが0又は1である化合物が好ましく、Rが炭素原子数1〜5のアルキル基、炭素原子数1〜5のアルコキシ基、炭素原子数2〜5のアルケニル基又は炭素原子数2〜5のアルケニルオキシ基であり、Xが臭素原子又はヨウ素原子であり、Zが単結合であり、A及びAがそれぞれ独立してトランス−1,4−シクロヘキシレン基又は1,4−フェニレン基であり、nが0又は1である化合物がより好ましく、Rが炭素原子数1〜5のアルキル基、炭素原子数1〜5のアルコキシ基、炭素原子数2〜5のアルケニル基又は炭素原子数2〜5のアルケニルオキシ基であり、Xが臭素原子又はヨウ素原子であり、Zが単結合であり、nが0であり、Aがトランス−1,4−シクロヘキシレン基又は1,4−フェニレン基である化合物がさらに好ましく、Rが炭素数1〜5のアルキル基又は炭素数1〜5のアルコキシ基であり、Xが臭素原子であり、Zが単結合であり、nが0であり、Aがトランス−1,4−シクロヘキシレン基又は1,4−フェニレン基である化合物がよりさらに好ましい。より具体的には、下記の一般式(I−1)〜(I−6)で表される化合物が好ましい。一般式(I−1)〜(I−6)中、R及びXは、それぞれ一般式(I)におけるR及びXと同じ意味を表す。
Figure 2013155157
本発明の化合物は、ベンゼン環の4位に、反応性の高いハロゲン原子を有するジフルオロベンゼン誘導体である。このため、下記反応式に示すように、当該ハロゲン原子に様々な化合物を反応させることによって、骨格(A)を有する多種多様な化合物を合成することができる。すなわち、本発明の化合物は、骨格(A)を有する化合物の合成中間体として有用である。
Figure 2013155157
(式中、Pは任意の基を表し、R、X、Z、A、A及びnは、一般式(I)と同じである。)
<一般式(I)で表される化合物の製造>
一般式(I)で表される化合物は、公知の化合物を出発原料とし、公知の有機合成反応を適宜組み合わせて合成することができる。
特に、下記一般式(II)で表される化合物に、下記一般式(III)で表される化合物を塩基の存在下で作用させることにより、一般式(I)で表される化合物を効率よく製造することができる。一般式(II)中、X及びXはそれぞれ独立して、塩素原子、臭素原子又はヨウ素原子を表す。また、一般式(III)中、R、X、Z、A、A及びnは、いずれも一般式(I)と同じである。
Figure 2013155157
当該反応において用いられる塩基としては、アルカリ金属、アルカリ金属水酸化物、アルカリ金属炭酸塩、アルカリ金属水素化物、アルカリ金属アルコラート等が挙げられる。本発明においては、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム等のアルカリ金属水酸化物、又は炭酸カリウム、炭酸ナトリウム等のアルカリ金属炭酸塩を用いることが好ましい。
反応溶媒として用いられる有機溶媒は、反応に不活性であり、かつ反応に使用する各化合物の溶解性が良好な公知の有機溶媒の中から適宜選択して用いられる。1種類の有機溶媒であってもよく、2種類以上の混合溶媒であってもよい。当該反応において用いられる有機溶媒としては、N,N−ジメチルアセトアミド、N,N−ジメチルホルムアミド、ヘキサメチルホスホリックトリアミド、N−メチル−2−ピロリジノン等非プロトン性極性溶媒であることが好ましい。
反応温度及び反応時間は、一般式(II)で表される化合物や一般式(III)で表される化合物の構造、塩基の種類及び使用量、反応溶媒の種類を考慮して適宜決定することができる。当該反応においては、例えば、60〜130℃で1〜4時間反応させることができる。
<一般式(II)で表される化合物>
一般式(II)で表される化合物は、公知の化合物を出発原料とし、公知の有機合成反応を適宜組み合わせて合成することができる。特に、下記の製造方法1及び2によれば、一般式(II)で表される化合物を効率よく製造し得る。
[製造方法1]
下記一般式(IV)で表されるジフルオロメタン誘導体のジフルオロベンジル基を、ハロゲン化剤を用いてハロゲン化することにより、一般式(II)で表される化合物を効率よく製造することができる。一般式(IV)中、Xは一般式(II)と同じである。なお、後記実施例1に示すように、一般式(IV)で表される化合物は、公知の化合物を出発原料とし、公知の有機合成反応を適宜組み合わせて合成することができる。
Figure 2013155157
製造方法1において用いられるハロゲン化剤としては、ハロゲン化アルキル基中の水素原子をハロゲン化し得るものであれば特に限定されるものではないが、ラジカル反応を利用したハロゲン化剤であることが好ましい。当該ハロゲン化剤としては、N−ブロモスクシンイミド、N−クロロスクシンイミド、塩素、臭素、ヨウ素等が挙げられる。本発明においては、ハロゲン化剤として、N−ブロモスクシンイミド、臭素、又は塩素を用いることが好ましい。
N−ブロモスクシンイミド又はN−クロロスクシンイミドを用いる場合には、例えば、一般式(IV)で表されるジフルオロメタン誘導体とN−ブロモスクシンイミド等をラジカル開始剤と共に加熱還流することによって、一般式(II)で表される化合物を合成することができる。加熱還流時に光照射してもよい。当該ラジカル開始剤としては、アゾビスイソブチロニトリル、過酸化ベンゾイル等が挙げられる。また、一般式(IV)で表されるジフルオロメタン誘導体に、塩素や臭素のハロゲンガス存在下で紫外線等の光を照射することによっても、一般式(II)で表される化合物を合成することができる。
それぞれの反応において反応溶媒として用いられる有機溶媒は、反応に不活性であり、かつ反応に使用する各化合物の溶解性が良好な公知の有機溶媒の中から適宜選択して用いられる。1種類の有機溶媒であってもよく、2種類以上の混合溶媒であってもよい。製造方法1において用いられる有機溶媒としては、ジエチルエーテル、メチル−t−ブチルエーテル、エチレングリコールジメチルエーテル等の脂肪族エーテル化合物、テトラヒドロフラン、ジオキサン等の環状エーテル化合物等であることが好ましい。
[製造方法2]
下記一般式(V)で表されるハロゲン化ベンゼン誘導体に塩基を作用させて得られるカルボアニオンと、下記一般式(VI)で表されるジフルオロメタン誘導体とを反応させることにより、一般式(II)で表される化合物を効率よく製造することができる。一般式(V)中、Xは、塩素原子、臭素原子又はヨウ素原子を表す。一般式(VI)中、X及びXは、いずれも一般式(II)と同じである。当該製造方法においては、一般式一般式(VI)中のXは、Xと同じであることが好ましく、X及びXが共に臭素原子であることがより好ましい。
Figure 2013155157
製造方法2において用いられる塩基としては、2又は3のハロゲン原子によって置換されているベンゼン環にカルボアニオンを発生させられるものであれば特に限定されるものではない。当該塩基としては、例えば、リチウムアミド、アルキルリチウム、アルカリ金属、アルカリ金属の水素化物、アルカリ金属アルコラート等が挙げられる。リチウムアミドとしては、リチウムテトラメチルピペリジド、リチウムジイソプロピルアミド等が挙げられる。アルキルリチウムとしては、メチルリチウム、エチルリチウム、n−ブチルリチウム、t−ブチルリチウム、2,2−ジメチルプロピルリチウム等が挙げられる。本発明においては、一般式(V)で表されるハロゲン化ベンゼン誘導体の4位の炭素原子をより選択的にカルボアニオン化できるため、リチウムアミドを用いることが好ましく、リチウムテトラメチルピペリジド又はリチウムジイソプロピルアミドを用いることがより好ましく、リチウムテトラメチルピペリジドを用いることがさらに好ましい。リチウムテトラメチルピペリジドは、常法により合成することができ、例えば、n−ブチルリチウム等のアルキルリチウムとテトラメチルピペリジンとを反応させて得られる。
まず、反応に不活性であり、かつ反応に使用する各化合物の溶解性が良好な有機溶媒中で、一般式(V)で表されるハロゲン化ベンゼン誘導体と塩基を混合し、当該ハロゲン化ベンゼン誘導体の4位の炭素原子にカルボアニオンを発生させる。当該有機溶媒としては、前記と同様のものが挙げられる。得られたカルボアニオンに一般式(VI)で表されるジフルオロメタン誘導体を反応させることにより、一般式(II)で表される化合物を合成することができる。
各反応の反応温度は、−45℃以下が好ましく、−65℃以下がより好ましく、−70℃以下がさらに好ましい。一般式(V)で表されるハロゲン化ベンゼン誘導体と塩基の反応における反応温度を前記上限値以下とすることにより、より選択的に、当該ハロゲン化ベンゼン誘導体の4位の炭素原子にカルボアニオンを発生させることができる。また、カルボアニオンと一般式(VI)で表されるジフルオロメタン誘導体の反応における反応温度を前記上限値以下とすることにより、前記ハロゲン化ベンゼン誘導体の4位の炭素原子に「−X」が導入された副生成物の生成が抑制され、より高い効率で、一般式(II)で表される化合物を合成できる。
<一般式(III)で表される化合物>
一般式(II)で表される化合物は、フェノール性水酸基又はアルコール性水酸基を有する公知の化合物の中から適宜選択して用いることができる。また、公知の化合物を出発原料とし、公知の有機合成反応を適宜組み合わせて合成することができる。例えば、フェノール性水酸基を有する化合物は、フェノール類のエステル又はエーテルを加水分解する方法、ジアゾニウム塩を加水分解する方法等により合成することができる。一般式(II)で表される化合物としては、具体的には、下記の一般式(II−1)〜(II−6)で表される化合物が好ましい。一般式(II−1)〜(II−6)中、R及びXは、それぞれ一般式(I)におけるR及びXと同じ意味を表す。
Figure 2013155157
以下、実施例等を挙げて本発明を更に詳述するが、本発明はこれらの実施例等に限定されるものではない。また、以下の実施例及び比較例の組成物における「%」は『質量%』を意味する。
実施例中の化合物記載に下記略号を使用する。
THF:テトラヒドロフラン
DMF:N,N−ジメチルホルムアミド
DBH:1,3−ジブロモ−3,3−ジメチルヒダントイン
NBS:N−ブロモスクシンイミド
BPO:過酸化ベンゾイル
Et:エチル基
Bu:n−ブチル基
(実施例1)2,3−ジフルオロ−4−{(4−プロピルフェニルオキシ)ジフルオロメチル}ブロモベンゼンの製造
(1−1)
窒素雰囲気下、ジイソプロピルアミン(25.2g)をTHF(130mL)に溶解させ、−70℃以下に冷却した。当該溶液に、1.6Mブチルリチウム/ヘキサン溶液(130mL)を、内温が−65℃以上にならない速度で滴下し、引き続き−70℃以下にて30分間撹拌した。続いて、撹拌後の反応液に、2,3−ジフルオロブロモベンゼン(40g)をTHF(150mL)に溶解させた溶液を、内温が−65℃以上にならない速度で滴下し、−70℃以下にて1時間撹拌した。続いて、DMF(22.7g)をTHF(220mL)に溶解させた溶液を、内温が−65℃以上にならない速度で滴下し、引き続き−70℃以下にて1時間撹拌し、その後ゆっくりと室温まで昇温させた。当該反応液に10%塩酸及びトルエンを加えて有機層を分取し、当該有機層を飽和食塩水にて洗浄した。洗浄後の有機層に硫酸ナトリウムを加えて乾燥させた後、溶媒を減圧留去することにより、4−ブロモ−2,3−ジフルオロベンズアルデヒドの粗製物(44.9g)を得た。
Figure 2013155157
(1−2)
4−ブロモ−2,3−ジフルオロベンズアルデヒドの粗製物(44.9g)、1,3−プロパンジチオール(23.1g)、p−トルエンスルホン酸一水和物(1.9g)をトルエン(220mL)に溶解させ、80℃にて3時間撹拌した。撹拌後の反応液を室温まで冷却させた後、当該反応液の有機層を飽和炭酸水素ナトリウム水溶液で洗浄後、さらに飽和食塩水で洗浄した。洗浄後の有機層に硫酸ナトリウムを加えて乾燥させ、溶媒を減圧留去した後、シリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製することにより、2−(4−ブロモ−2,3−ジフルオロフェニル)−1,3−ジチアン(59.2g)を得た。
Figure 2013155157
(1−3)
2−(4−ブロモ−2,3−ジフルオロフェニル)−1,3−ジチアン(59.2g)をジクロロメタン(300mL)に溶解し、−60℃以下に冷却した。当該溶液に、内温が−50℃以上にならない速度でトリエチルアミン三フッ化水素錯体(41.4g)、続いてDBH(81.6g)を加え、室温までゆっくりと昇温した。ゆっくりと10%水酸化ナトリウム水溶液を加えて有機層を分取し、飽和食塩水にて当該有機層を洗浄した。洗浄後の有機層に硫酸ナトリウムを加えて乾燥させ、溶媒を減圧留去した後、シリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製することにより、4−ブロモ−2,3−ジフルオロ−(ジフルオロメチル)ベンゼン(42.6g)を得た。
Figure 2013155157
(1−4)
窒素雰囲気下、4−ブロモ−2,3−ジフルオロ−(ジフルオロメチル)ベンゼン(42.6g)、NBS(31.2g)及びBPO(20mg)を四塩化炭素(450mL)に懸濁させ、加熱還流下6時間撹拌した。撹拌後の反応液を放冷させた後、水を加えて分液させて有機層を分取し、飽和食塩水にて当該有機層を洗浄した。洗浄後の有機層に硫酸ナトリウムを加えて乾燥させ、溶媒を減圧留去した後、シリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製することにより、4−ブロモ−2,3−ジフルオロ−(ブロモジフルオロメチル)ベンゼン(46.0g)を微黄色液体として得た。
Figure 2013155157
(1−5)
窒素雰囲気下、4−プロピルフェノール(4.2g)、無水炭酸カリウム(6.4g)をDMF(20mL)に懸濁させ、50℃に加熱し1時間撹拌した。続いて、撹拌後の反応液に、4−ブロモ−2,6−ジフルオロ−(ブロモジフルオロメチル)ベンゼン(10g)をDMF(50mL)に溶解させた溶液を、ゆっくりと加え、50℃にてさらに18時間撹拌した。放冷させた後、当該反応液に水と酢酸エチルを加えて有機層を分取した。残った水層に酢酸エチルを加えて分液して再度有機層を分取し、先に分取された有機層と併せた。得られた有機層を飽和食塩水にて二回洗浄した。洗浄後の有機層に硫酸ナトリウムを加えて乾燥させ、溶媒を減圧留去した後、シリカゲルカラムクロマトグラフィーにより精製することにより、2,3−ジフルオロ−4−{(4−プロピルフェニルオキシ)ジフルオロメチル}ブロモベンゼン(8.4g)を微黄色液体として得た。
Figure 2013155157
得られた2,3−ジフルオロ−4−{(4−プロピルフェニルオキシ)ジフルオロメチル}ブロモベンゼンの質量分析及びNMR解析の結果を以下に示す。
MS m/z:378,376
HNMR(CDCl、TMS内部標準)δ(ppm)=7.11(1H,d,j=6.9Hz),7.01(2H,d,j=6.8Hz),6.83(1H,d,j=6.9Hz),6.72(2H,d,j=6.8Hz),2.63(2H,t,j=7.4Hz),1.67(2H,quintet,j=7.4Hz),0.96(3H,t,j=7.4Hz)

Claims (5)

  1. 一般式(I)
    Figure 2013155157
    (式中、Rは、水素原子、又は炭素数1〜15のアルキル基を表し、当該アルキル基中の相隣接しない1個以上のメチレン基は、酸素原子、硫黄原子、又は−CH=CH−で置換されていてもよく、当該アルキル基中の任意の水素原子はフッ素原子で置換されていてもよく、
    は、塩素原子、臭素原子又はヨウ素原子を表し、
    は、単結合、−CHCH−、−(CH−、−CHO−又は−OCH−を表し、
    及びAは、それぞれ独立して、環を構成する一つ以上のメチレン基が酸素原子又は硫黄原子により置換されていてもよいトランス−1,4−シクロヘキシレン基、環上の一個以上の水素原子がフッ素原子に置換されていてもよい1,4−フェニレン基、又は環上の一個以上の水素原子多フッ素原子に置換されていてもよいナフタレン−2,6−ジイル基を表し、
    nは、0、1又は2を表す。)で表される化合物。
  2. 前記一般式(I)において、Rが、炭素数1〜5のアルキル基、又は炭素数1〜5のアルコキシ基を表す請求項1に記載の化合物。
  3. 前記一般式(I)において、Xが臭素原子又はヨウ素原子を表す請求項1又は2記載の化合物。
  4. 前記一般式(I)において、A及びAがそれぞれ独立して、
    Figure 2013155157
    のいずれかを表す請求項1〜3のいずれか一項に記載の化合物。
  5. 前記一般式(I)において、Zが単結合を表す請求項1〜4のいずれか一項に記載の化合物。
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