JPWO2013111332A1 - テレフタル酸カリウム塩からの有用化学品の製造法 - Google Patents
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Abstract
Description
(a)配列番号2に示されるアミノ酸配列を含むタンパク質をコードするDNA。
(b)配列番号2に示されるアミノ酸配列において1もしくは数個のアミノ酸が欠失、置換および/または付加された配列を含み、かつテレフタル酸からテレフタル酸1,2−シス−ジヒドロジオールへの転換に関わる機能を有するタンパク質をコードするDNA。
(c)配列番号1に示される塩基配列からなるDNA。
(d)配列番号1に示される塩基配列の全部もしくは一部の配列に相補的な配列からなるDNAとストリンジェントな条件下でハイブリダイズし、かつテレフタル酸からテレフタル酸1,2−シス−ジヒドロジオールへの転換に関わる機能を有するタンパク質をコードするDNA。
(e)配列番号4に示されるアミノ酸配列を含むタンパク質をコードするDNA。
(f)配列番号4に示されるアミノ酸配列において1もしくは数個のアミノ酸が欠失、置換および/または付加された配列を含み、かつテレフタル酸からテレフタル酸1,2−シス−ジヒドロジオールへの転換に関わる機能を有するタンパク質をコードするDNA。
(g)配列番号3に示される塩基配列からなるDNA。
(h)配列番号3に示される塩基配列の全部もしくは一部の配列に相補的な配列からなるDNAとストリンジェントな条件下でハイブリダイズし、かつテレフタル酸からテレフタル酸1,2−シス−ジヒドロジオールへの転換に関わる機能を有するタンパク質をコードするDNA。
(i)配列番号6に示されるアミノ酸配列を含むタンパク質をコードするDNA。
(j)配列番号6に示されるアミノ酸配列において1もしくは数個のアミノ酸が欠失、置換および/または付加された配列を含み、かつテレフタル酸からテレフタル酸1,2−シス−ジヒドロジオールへの転換に関わる機能を有するタンパク質をコードするDNA。
(k)配列番号5に示される塩基配列からなるDNA。
(l)配列番号5に示される塩基配列の全部もしくは一部の配列に相補的な配列からなるDNAとストリンジェントな条件下でハイブリダイズし、かつテレフタル酸からテレフタル酸1,2−シス−ジヒドロジオールへの転換に関わる機能を有するタンパク質をコードするDNA。
(2)前記テレフタル酸塩を含む水性媒体が、テレフタル酸二カリウム塩、テレフタル酸1−カリウム4−ナトリウム塩、テレフタル酸1−カリウム4−アンモニウム塩からなる群から選ばれる1種類以上のテレフタル酸カリウム塩を含む水溶液であることを特徴とする、(1)に記載のテレフタル酸1,2−シス−ジヒドロジオールの製造法。
(3)前記テレフタル酸塩を水溶液の形態または粉末の形態または懸濁液の形態として前記微生物、または該培養物の処理物に添加して前記微生物または処理物とテレフタル酸とを反応させることを特徴とする、(1)または(2)に記載のテレフタル酸1,2−シス−ジヒドロジオールの製造法。
(4)(1)に記載の微生物が、さらに下記(m)、(n)、(o)または(p)に示すDNAを導入することによりテレフタル酸の細胞内輸送能を増強させた微生物であることを特徴とする、(1)から(3)のいずれかに記載のテレフタル酸1,2−シス−ジヒドロジオールの製造法。
(m)配列番号8に示されるアミノ酸配列を含むタンパク質をコードするDNA。
(n)配列番号8に示されるアミノ酸配列において1もしくは数個のアミノ酸が欠失、置換および/または付加された配列を含み、かつテレフタル酸トランスポーター活性を有するタンパク質をコードするDNA。
(o)配列番号7に示される塩基配列からなるDNA。
(p)配列番号7に示される塩基配列の全部もしくは一部の配列に相補的な配列からなるDNAとストリンジェントな条件下でハイブリダイズし、かつテレフタル酸トランスポーター活性を有するタンパク質をコードするDNA。
(5)前記微生物はさらに以下の(q)、(r)、(s)または(t)に示すDNAを有し、テレフタル酸からプロトカテク酸を生産する能力を有する微生物であり、(1)から(4)のいずれかに記載の方法により、テレフタル酸塩からテレフタル酸1,2−シス−ジヒドロジオールを生成させ、さらにテレフタル酸1,2−シス−ジヒドロジオールをプロトカテク酸に転換することを特徴とするプロトカテク酸の製造法。
(q)配列番号10に示されるアミノ酸配列を含むタンパク質をコードするDNA。
(r)配列番号10に示されるアミノ酸配列において1もしくは数個のアミノ酸が欠失、置換および/または付加された配列を含み、かつテレフタル酸1,2−シス−ジヒドロジオールをプロトカテク酸に転換する活性を有するタンパク質をコードするDNA。
(s)配列番号9に示される塩基配列からなるDNA。
(t)配列番号9に示される塩基配列の全部もしくは一部の配列に相補的な配列からなるDNAとストリンジェントな条件下でハイブリダイズし、かつテレフタル酸1,2−シス−ジヒドロジオールをプロトカテク酸に転換する活性を有するタンパク質をコードするDNA。
(6)(1)から(4)のいずれかに記載の方法により、テレフタル酸塩からテレフタル酸1,2−シス−ジヒドロジオールを生成させた後に、前記(q)、(r)、(s)または(t)に示すDNAを形質転換法により導入して得られた微生物または該培養物の処理物を用いてテレフタル酸1,2−シス−ジヒドロジオールをプロトカテク酸に転換することを特徴とするプロトカテク酸の製造法。
(7)前記微生物はさらに上記(q)、(r)、(s)または(t)に示すDNAおよび(u)、(v)、(w)または(x)に示すDNAを有し、テレフタル酸から没食子酸を生産する能力を有する微生物であり、(1)から(4)のいずれかに記載の方法により、テレフタル酸塩からテレフタル酸1,2−シス−ジヒドロジオールを生成させ、さらにテレフタル酸1,2−シス−ジヒドロジオールを没食子酸に転換することを特徴とする没食子酸の製造法。
(u)配列番号12に示されるアミノ酸配列を含むタンパク質をコードするDNA。
(v)配列番号12に示されるアミノ酸配列において1もしくは数個のアミノ酸が欠失、置換および/または付加された配列を含み、かつプロトカテク酸を没食子酸に転換する活性を有するタンパク質をコードするDNA。
(w)配列番号11に示される塩基配列からなるDNA。
(x)配列番号11に示される塩基配列の全部もしくは一部の配列に相補的な配列からなるDNAとストリンジェントな条件下でハイブリダイズし、かつプロトカテク酸を没食子酸に転換する活性を有するタンパク質をコードするDNA。
(8)(1)から(4)のいずれかに記載の方法により、テレフタル酸塩からテレフタル酸1,2−シス−ジヒドロジオールを生成させた後に、前記(q)、(r)、(s)または(t)に示すDNAに加えて、前記の(u)、(v)、(w)または(x)に示すDNAを形質転換法により導入して得られた微生物または該培養物の処理物を用いて、テレフタル酸1,2−シス−ジヒドロジオールを没食子酸に転換することを特徴とする没食子酸の製造法。
(9)さらに、前記テレフタル酸塩を、下記工程(A)〜(D)により得る工程を含む、(1)から(4)のいずれかに記載のテレフタル酸1,2−シス−ジヒドロジオールの製造法。
(A)ポリエチレンテレフタレート、ポリトリメチレンテレフタレートまたはポリブチレンテレフタレートを主成分とし異物成分を含むポリエステル廃棄物を、水酸化カリウムを含むエチレングリコール反応溶媒、もしくは水酸化カリウムおよび水酸化ナトリウムの両方を含むエチレングリコール反応溶媒中で、100℃から196℃の間で10分間以上加熱することにより、反応液中の水分を蒸発させるとともに、該廃棄物に含まれるポリエチレンテレフタレート、ポリトリメチレンテレフタレートまたはポリブチレンテレフタレートを解重合する工程、
(B)工程(A)で得られた該廃棄物の解重合反応溶液中に含まれる固形異物のうち、該溶液に浮遊する固形異物を浮遊選別法により除去する工程、
(C)工程(B)の処理を施した該溶液から、浮遊固形異物以外の該溶液中の固形物を固液分離法によって回収する工程、
(D)工程(C)により回収した固形物に対して加熱乾燥処理または減圧乾燥処理または遠心分離処理を施すことにより、該固形物中のグリコール類の含量を減少させ、残存する固形物をテレフタル酸塩として得る工程
(10)前記工程(C)において固液分離法で固形物を回収した後のエチレングリコール反応溶媒を回収し、該溶媒を前記(A)におけるエチレングリコール反応溶媒として用いることを特徴とする、(9)に記載のテレフタル酸1,2−シス−ジヒドロジオールの製造法。
(11)さらに、前記テレフタル酸塩を、上記工程(A)〜(D)により得る工程を含む、(5)または(6)に記載のプロトカテク酸の製造法。
(12)前記工程(C)において固液分離法で固形物を回収した後のエチレングリコール反応溶媒を回収し、該溶媒を前記工程(A)におけるエチレングリコール反応溶媒として用いることにより、エチレングリコール反応溶媒を廃棄せずに繰り返し利用することにより得られるテレフタル酸塩を用いることを特徴とする、(11)に記載のプロトカテク酸の製造法。
(13)さらに、前記テレフタル酸塩を、上記工程(A)〜(D)により得る工程を含む、(7)または(8)に記載の没食子酸の製造法。
(14)前記工程(C)において固液分離法で固形物を回収した後のエチレングリコール反応溶媒を回収し、該溶媒を前記工程(A)におけるエチレングリコール反応溶媒として用いることにより、エチレングリコール反応溶媒を廃棄せずに繰り返し利用することにより得られるテレフタル酸塩を用いることを特徴とする、(13)に記載の没食子酸の製造法。
(15)前記(1)または(4)に記載の微生物が、ラクトアルデヒド・レダクターゼおよびラクトアルデヒド・デヒドロゲナーゼの発現量を増強させることにより、前記工程(A)から(D)により得られるテレフタル酸塩に混入するエチレングリコールを分解する微生物である、(9)または(10)に記載のテレフタル酸1,2−シス−ジヒドロジオールの製造法。
(16)前記(5)に記載の微生物が、ラクトアルデヒド・レダクターゼおよびラクトアルデヒド・デヒドロゲナーゼの発現量を増強させることにより、前記工程(A)から(D)により得られるテレフタル酸塩に混入するエチレングリコールを分解する微生物である、(11)または(12)に記載のプロトカテク酸の製造法。
(17)前記(7)に記載の微生物が、ラクトアルデヒド・レダクターゼおよびラクトアルデヒド・デヒドロゲナーゼの発現量を増強させることにより、前記工程(A)から(D)により得られるテレフタル酸塩に混入するエチレングリコールを分解する微生物である、(13)または(14)に記載の没食子酸の製造法。
(18)さらに、前記テレフタル酸塩を、下記工程(E)〜(H)により得る工程を含む、(1)から(4)のいずれかに記載のテレフタル酸1,2−シス−ジヒドロジオールの製造法。
(E)ポリエチレンテレフタレート、ポリトリメチレンテレフタレートまたはポリブチレンテレフタレートを主成分とし異物成分を含むポリエステル廃棄物を、水酸化カリウム含む1−ブタノール反応溶媒もしくは水酸化カリウムおよび水酸化ナトリウムの両方を含む1−ブタノール反応溶媒中で、100℃から116℃の間で10分間以上加熱することにより、反応液中の水分を蒸発させるとともに、該廃棄物に含まれるポリトリメチレンテレフタレートまたはポリブチレンテレフタレートを解重合する工程、
(F)工程(E)で得られた該廃棄物の解重合反応溶液中に含まれる固形異物のうち、該溶液に浮遊する固形異物を浮遊選別法により除去する工程、
(G)工程(F)の処理を施した該溶液から、浮遊固形異物以外の該溶液中の固形物を固液分離法によって回収する工程、
(H)工程(G)により回収した固形物に対して加熱乾燥処理または減圧乾燥処理または遠心分離処理を施すことにより、該固形物中の1−ブタノールおよびグリコール類の含量を減少させ、残存する固形物をテレフタル酸塩として得る工程
(19)前記工程(G)において固液分離法で固形物を回収した後の1−ブタノール反応溶媒を回収し、該溶媒を前記工程(E)における1−ブタノール反応溶媒として用いることにより、エチレングリコール反応溶媒を廃棄せずに繰り返し利用することにより得られるテレフタル酸塩を用いることを特徴とする、(18)に記載のテレフタル酸1,2−シス−ジヒドロジオールの製造法。
(20)さらに、前記テレフタル酸塩を、上記工程(E)〜(H)により得る工程を含む、(5)または(6)に記載のプロトカテク酸の製造法。
(21)前記工程(G)において固液分離法で固形物を回収した後の1−ブタノール反応溶媒を回収し、該溶媒を前記工程(E)における1−ブタノール反応溶媒として用いることにより、エチレングリコール反応溶媒を廃棄せずに繰り返し利用することにより得られるテレフタル酸塩を用いることを特徴とする、(20)に記載のプロトカテク酸の製造法。
(22)さらに、前記テレフタル酸塩を、上記工程(E)〜(H)により得る工程を含む、(7)または(8)に記載の没食子酸の製造法。
(23)前記工程(G)において固液分離法で固形物を回収した後の1−ブタノール反応溶媒を回収し、該溶媒を前記工程(E)における1−ブタノール反応溶媒として用いることにより、エチレングリコール反応溶媒を廃棄せずに繰り返し利用することにより得られるテレフタル酸塩を用いることを特徴とする、(22)に記載の没食子酸の製造法。
(24)前記微生物がエシェリヒア・コリであることを特徴とする、(1)から(23)のいずれかに記載の製造法。
ここで、テレフタル酸塩に含まれる全テレフタル酸に対してモル換算で0.5倍量以上かつ2倍量以下の量として規定するカリウムは、テレフタル酸カリウム塩に由来するカリウム、すなわち、テレフタル酸のカルボキシル基残基とイオン結合を形成しているカリウムの量である。すなわち、粗テレフタル酸塩を使用する場合に、その中に不純物として水酸化カリウム等に由来するカリウムが含まれていたとしても、それを除いてカリウムの量を計算する。
反応の際には、水性溶媒中に、テレフタル酸カリウム塩に由来するカリウム(イオン)が全テレフタル酸に対し、モル換算で0.5倍量以上かつ2倍量以下の量含まれていればよい。
テレフタル酸塩としては、テレフタル酸塩の粉末、テレフタル酸塩を溶解した水溶液、または該テレフタル酸塩の水溶液にテレフタル酸塩の粉末がスラリー状態で混在するテレフタル酸塩の懸濁液のいずれの形態であっても、本発明で用いることができる。以下、テレフタル酸塩については、特記しない限り、いずれの形態のテレフタル酸塩も含むものとする。
一方で、本発明で用いるテレフタル酸塩は上記カリウム含量を満たす限り、上記テレフタル酸カリウム塩に加えて、テレフタル酸二ナトリウム塩、テレフタル酸1−ナトリウム4−アンモニウム塩およびテレフタル酸二アンモニウム塩などを含んでもよい。
また、テレフタル酸二カリウム塩とテレフタル酸二ナトリウム塩の2種類のテレフタル酸塩の混合物を用いる場合、テレフタル酸二カリウム塩をテレフタル酸二ナトリウム塩に対してモル比で1/3倍量以上含有するテレフタル酸塩を用いることができる。
以下に、廃棄ポリエステルから微生物による化合物製造の原料として用いるテレフタル酸塩に含まれる全テレフタル酸に対してモル換算で0.5倍量以上かつ2倍量以下のカリウムを含むテレフタル酸塩を得る方法を述べる。
また該テレフタル酸塩に難水溶性の固形異物が混入している場合には、該テレフタル酸塩を適量の水に溶解させた後、濾過法により異物を除去することにより得られるテレフタル酸塩の水溶液を微生物による化合物生産に用いてもよい。
テレフタル酸(粉末状、シグマアルドリッチジャパン製;以下、特記しない限り、試薬はシグマアルドリッチジャパン製を用いた。)2.99 g(0.018 mol)と水酸化カリウム(顆粒状)0.036 molを50 mLガラスビーカーに投入し、蒸留水で約15 mLにした。アルミホイルで蓋をしてホットスターラー(アズワン社製)で撹拌しながら50℃で60分間加熱後、放冷して30℃まで冷却した。30℃で120分間以上撹拌し、溶液に沈殿が残存していることを確認した後、溶液1 mLを採取し、微量高速遠心機(トミー精工製)を用いた遠心〔30℃、14000 rpm(17800g)、30秒間〕により上清を回収した。
実施例1の結果に基づいて、テレフタル酸、水酸化カリウム、水酸化ナトリウム、28%アンモニア水および蒸留水をもとに、0.6 M テレフタル酸二カリウム水溶液、0.6 M テレフタル酸1−カリウム4−ナトリウム水溶液、0.6 M テレフタル酸1−カリウム4−アンモニウム水溶液、および0.6 M テレフタル酸二ナトリウム水溶液を500 mLずつ調製した。これらのテレフタル酸塩溶液30 mlとグルコース7 gを混合し、グルコース・基質混合液とした。
実施例2の結果より、テレフタル酸カリウム塩を原料とすると、TPA−DHDの生産性が優れていることが示された。そこで、テレフタル酸塩中のカリウムイオンの濃度がTPA−DHDに及ぼす影響を以下のようにして調べた。
参考例2で構築したプロトカテク酸生産プラスミドpUXPEaLT_tphA2A3BA1_tpaKを大腸菌M7032株へ形質転換法により導入し、プロトカテク酸生産大腸菌株M7032(pUXPEaLT_tphA2A3BA1_tpaK)を得た。
参考例4で構築した没食子酸プラスミドpUXPEaLT_HFM145_tphA2A3BA1_tpaKを大腸菌M7032株へ形質転換法により導入し、没食子酸生産大腸菌株M7032(pUXPEaLT_HFM145_tphA2A3BA1_tpaK)を得た。続いて、実施例2と同様にして、この没食子酸生産菌の前培養液を調製した後、この前培養液を2%だけ本培養培地に接種し、上記条件で本培養を行った。菌体濁度が吸光度600 nmで約7になった時に誘導剤m-トルイル酸を終濃度1 mMになるように添加し、テレフタル酸1,2−ジオキシゲナーゼ・タンパク質、テレフタル酸1,2−ジオキシゲナーゼレダクターゼ・タンパク質, テレフタル酸ジヒドロジオールデヒドロゲナーゼ・タンパク質、テレフタル酸トランスポーター・タンパク質および改良型パラヒドロキシ安息香酸ヒドロキシラーゼを発現させた。グルコース濃度を経時的に計測し、グルコース濃度が0になった時にグルコース・基質混合液の投与を行った。
(1)アルカリ金属水酸化物の種類による廃棄PETの解重合速度と解重合効率の違い
廃棄ペットボトル22 kgを収集し、ラベルとキャップを分離した後、洗浄・風乾した。この洗浄済みの廃棄ペットボトルを、日本コークス工業株式会社に依頼して、5 mm角スクリーンを通過する大きさの粒に粉砕した。この粉砕物を廃棄ペットボトル破砕物として以下の工程で使用した。
500 mLのステンレス製ビーカー(三商より購入)に廃棄ペットボトル破砕物30 gとエチレングリコール150 gを投入した後、水酸化カリウム(顆粒状)0.33 mol、もしくは水酸化ナトリウム(顆粒状)0.33 mol、もしくは水酸化カリウム0.17 molおよび水酸化ナトリウム0.17 molをに投入し、ホットスターラーで強く撹拌しながら160℃で60分間の加熱処理を行った後に、自然冷却させ、内温40℃以下になってから内容物を払いだした。
廃棄PETを解重合する工程において、解重合を終えた後にテレフタル酸塩を主成分とする固形物残渣と分離することによって得られるエチレングリコール溶媒は再利用することが望ましい。廃棄PETの解重合反応に供したエチレングリコール溶媒にはそれぞれのテレフタル酸塩が飽和状態で溶けていることを考慮して、テレフタル酸塩で飽和したエチレングリコール溶媒を用いた廃棄PETの解重合反応を以下のようにして行った。
200 mLのステンレス製ビーカーに廃棄ペットボトル破砕物10 gおよびエチレングリコール50 gを投入し、さらに水酸化カリウム(顆粒状)を0.083 molまたは0.090 molまたは0.11 molを投入する、もしくは34%水酸化カリウム水溶液を0.083 molまたは0.090 molまたは0.11 molを投入した。
PTT製わた(西川産業社製、ファインスムーズ ソロテックス わた補充用パックRC7954)13 g、ならびに実施例6(3)で調製したテレフタル酸二カリウムで飽和したエチレングリコール溶媒130 gおよび水酸化カリウム0.13 mol、またはテレフタル酸二ナトリウムで飽和した溶液130 gおよび水酸化ナトリウム0.13 mol、またはテレフタル酸1−カリウム4−ナトリウム飽和溶液130 gおよび水酸化カリウム0.066 molおよび水酸化ナトリウム0.066 molを200 mLのステンレス製ビーカーに投入し、ホットスターラーで強く撹拌しながら160℃、60分間加熱して加水分解させた。放冷して内温40℃以下になってから内容物を払い出した。この内容物をろ紙(ワットマン製、グレード540)でろ別して、ろ液と残渣に分けた後、それぞれの残渣の重さと残渣中のテレフタル酸の総量を測定した。表9に示す結果から、ろ過後の残渣中のテレフタル酸の総量は、水酸化カリウム、水酸化カリウムと水酸化ナトリウムの混合物、水酸化ナトリウムの順に大きいことがわかった。
200 mLのステンレス製ビーカーにPBT製レンゲ〔アマゾン・ドット・コム社より、PBTレンゲ103TW白(RLVH001)を購入〕の破砕物15 gを加えた後、さらに実施例6(3)で調製したテレフタル酸二カリウム塩で飽和したエチレングリコール溶媒75 gおよび水酸化カリウム0.15 mol、もしくはテレフタル酸二ナトリウム塩で飽和したエチレングリコール溶媒75 gおよび水酸化ナトリウム0.15 mol、またはテレフタル酸1−カリウム2−ナトリウム塩で飽和したエチレングリコール溶媒75 gおよび水酸化カリウム0.075 molおよび水酸化ナトリウム0.075 molを投入した。
テレフタル酸二カリウム塩とテレフタル酸二ナトリウム塩の1−ブタノールに対する溶解度を実施例1と同じようにして調べたところ、それぞれ0.2 mMと1.9 mMであった。このように、エチレングリコールへの溶解と異なり、1−ブタノールに対しては極めて溶解しにくいことがわかった。
200 mLのステンレス製ビーカーにPTT製わた(西川産業社製、ファインスムーズ ソロテックス わた補充用パックRC7954)13 gおよび1―ブタノール130 gを投下した後に、水酸化カリウム(顆粒状)0.13 mol、もしくは水酸化ナトリウム(顆粒状)0.13 molを投入した。ホットスターラーで強く撹拌しながら、水酸化カリウムの場合には100℃で90分間の加熱処理、ならびに水酸化ナトリウムの場合には100℃で120分間の加熱処理を行った。
200 mLのステンレス製ビーカーに実施例7で調製した廃棄PBT製レンゲの破砕物15 gおよび1‐ブタノール75 gを加えた後、水酸化カリウム(顆粒状)0.15 mol、もしくは水酸化ナトリウム(顆粒状)0.15 molを投入し、ホットスターラーで強く撹拌しながら100℃で240分間の加熱処理を行った後、自然冷却させ、内温40℃以下になってから内容物を払い出した。
エチレングリコール分解能を持つテTPA−DHD生産菌は、参考例3で構築したpUXPEaLT_tpaA_tpaK_Pm_fucO_I7L_aldAを大腸菌K-12 M7032株へ形質転換法により導入することにより、大腸菌M7032 (pUXPEaLT_tpaA_tpaK_Pm_fucO_I7L_aldA)株を造成した。
参考例2で造成したプロトカテク酸生産大腸菌株M7032(pUXPEaLT_tphA2A3BA1_tpaK)を用いて、実施例2と同様にして、本プロトカテク酸生産菌の前培養液を調製した後、該前培養液を2%だけ本培養培地に接種し、本培養を行った。菌体濁度が吸光度600 nmで約7になったときに誘導剤m-トルイル酸を終濃度1 mMになるように添加し、テレフタル酸1,2−ジオキシゲナーゼ・タンパク質、テレフタル酸1,2−ジオキシゲナーゼレダクターゼ・タンパク質, テレフタル酸ジヒドロジオールデヒドロゲナーゼ・タンパク質、およびテレフタル酸トランスポーター・タンパク質を発現させた。グルコース濃度を経時的に計測し、グルコース濃度が0になったときに実施例6で作成したPET由来のテレフタル酸塩を0.6Mに溶解し、グルコースと混合して培養装置へ投与を行った。
参考例2で構築したTPA−DHD生産組換え大腸菌株M7032(pUXPEaLT_tphA2A3A1_tpaK)を用いて、実施例2と同様にして、本TPA−DHD生産菌の前培養液を調製した後、該前培養液を2%だけ本培養培地に接種し、本培養を行った。菌体濁度が吸光度600 nmで約7になったときに誘導剤m-トルイル酸を終濃度1 mMになるように添加し、テレフタル酸1,2−ジオキシゲナーゼ・タンパク質、テレフタル酸1,2−ジオキシゲナーゼレダクターゼ・タンパク質、およびテレフタル酸トランスポーター・タンパク質を発現させた。グルコース濃度を経時的に計測し、グルコース濃度が0になったときに実施例7で作成したPTT由来のテレフタル酸塩を0.6 Mに溶解し、グルコースと混合して培養装置へ投与を行った。
参考例2で造成したプロトカテク酸生産大腸菌株M7032(pUXPEaLT_tphA2A3BA1_tpaK)を用いて、実施例2と同様にして、本プロトカテク酸生産菌の前培養液を調製した後、該前培養液を2%だけ本培養培地に接種し、本培養を行った。菌体濁度が吸光度600 nmで約7になったときに誘導剤m-トルイル酸を終濃度1 mMになるように添加し、テレフタル酸1,2−ジオキシゲナーゼ・タンパク質、テレフタル酸1,2−ジオキシゲナーゼレダクターゼ・タンパク質, テレフタル酸ジヒドロジオールデヒドロゲナーゼ・タンパク質、およびテレフタル酸トランスポーター・タンパク質を発現させた。グルコース濃度を経時的に計測し、グルコース濃度が0になったときに実施例8で作成したPBT由来のテレフタル酸塩を0.6Mに溶解し、グルコースと混合して培養装置へ投与を行った。
参考例2で造成したTPA−DHD生産組換え大腸菌株M7032(pUXPEaLT_tphA2A3A1_tpaK)を用いて、実施例2と同様にして、本TPA−DHD生産菌の前培養液を調製した後、該前培養液を2%だけ本培養培地に接種し、本培養を行った。菌体濁度が吸光度600 nmで約7になったときに誘導剤m-トルイル酸を終濃度1 mMになるように添加し、テレフタル酸1,2−ジオキシゲナーゼ・タンパク質、テレフタル酸1,2−ジオキシゲナーゼレダクターゼ・タンパク質、およびテレフタル酸トランスポーター・タンパク質を発現させた。グルコース濃度を経時的に計測し、グルコース濃度が0になったときに実施例9で作成した1-ブタノール中で解重合して得たPET由来のテレフタル酸塩を0.6Mに溶解し、グルコースと混合して培養装置へ投与を行った。
大腸菌を用いて遺伝子の転写・翻訳効率に依存しない効率よい発現を行うために、目的遺伝子の転写は疑似遺伝子に依存し、疑似遺伝子の翻訳効率を維持した状態で目的遺伝子も翻訳される発現系の構築を行った。より具体的にはpUC19(タカラバイオ社製)にターミネーター配列を挿入するため、配列番号13〜18で表される6本の合成DNAを合成した。
(1)コマモナス・テストステロニ72W2株の自然界からの分離
コマモナス・テストステロニ72W2株は東京都板橋区から採取した土壌よりテレフタル酸を唯一の炭素源として生育する菌株として得た。
コマモナス・テストステロニ72W2株を培養し、集菌した後、illustra bacteria genomicPrep Mini Spin Kit(GEヘルスケア・ジャパン株式会社より購入)を用いてゲノムDNAを抽出した。
大腸菌K-12株のテレフタル酸取り込み能が弱いことがわかったので、テレフタル酸の取り込みを促進するテレフタル酸トランスポーターを発現させることにより、テレフタル酸取り込み能を強化することを試みた。
部位とNotI部位の間に組み込むことにより、プロトカテク酸生産プラスミドpUXPEaLT_tphA2A3BA1_tpaKを造成した。
プロトカテク酸を没食子酸に効率よく変換するためにパラヒドロキシ安息香酸ヒドロキシラーゼ遺伝子をプロトカテク酸生産遺伝子群とともに発現させるプラスミドを下記のようにして構築した。具体的には、公開特許公報(公開番号:特開2009-213392)に開示されているパラヒドロキシ安息香酸ヒドロキシラーゼ(配列番号12)をコードするDNA(配列番号11)を鋳型として、2種類のDNAプライマー(配列番号35と配列番号36)を用いて、パラヒドロキシ安息香酸ヒドロキシラーゼタンパク質をコードしているDNAをPCR反応により増幅させた。増幅DNA断片をPCR精製キットを用いて回収した。該DNAを制限酵素PacIと制限酵素SgfIによって消化した後、上記で造成したpUXPEaLT_tphA2A3BA1_tpaKのPacI部位に組み込むことにより、没食子酸生産プラスミドpUXPEaLT_HFM145_tphA2A3BA1_tpaKを造成した。
(1)大腸菌K-12株のfucO遺伝子のクローニング
大腸菌K-12 MG1655株由来のラクトアルデヒド・レダクターゼ・タンパク質をコードするfucO遺伝子の塩基配列を、NCBIからインターネット経由で取得した塩基配列(GBアクセッション番号U29581)の13420〜14571番目の配列として得た。この配列に基づいて合成した2種類のDNAプライマー(配列番号37配列番号38)を用いて、NBRPより入手した大腸菌K-12 MG1655株の染色体DNA(100 ng)を鋳型として、fucO遺伝子の全領域をPCR反応により増幅させた。この増幅DNA断片を制限酵素PacI部位と制限酵素NotIによりPCR産物から切り出し、参考例1で造成した発現ベクターpUXPEaLT19に組み込むことにより、プラスミドpUXPEaLT_fucO_I7Lを造成した。
大腸菌K-12 MG1655株由来のラクトアルデヒド・デヒドロゲナーゼ・タンパク質をコードするaldA遺伝子の塩基配列を、NCBIからインターネット経由で取得した塩基配列(GBアクセッション番号U00096.2)の1486256〜1487695番目の配列として得た。この配列に基づいて合成した2種類のDNAプライマー(配列番号39と配列番号40)を用いて、大腸菌K-12 MG1655株の染色体DNA(100 ng)を鋳型として、aldA遺伝子の全領域をPCR反応により増幅させた。この増幅DNA断片を制限酵素SwaIと制限酵素NotIによりPCR産物から切り出し、プラスミドpUXPEaLT_fucO_I7Lに組み込むことにより、プラスミドpUXPEaLT_fucO_I7L_aldAを造成した。
続いて、プラスミドpUXPEaLTEX_fucO_I7L_aldAから2種類のDNAプライマー(配列番号42と配列番号43)を用いてPCR反応によりfucO遺伝子とaldA遺伝子を含む発現ユニット(以下、fucO-aldA発現ユニットと略す)を増幅させた。制限酵素AscI部位によりPCR産物から切り出し、上記(参考例3)で造成した発現ベクターpUXPEaLT_tphA2A3A1_tpaKに組み込むことにより、プラスミドpUXPEaLT_tpaA_tpaK_PmfucO_I7L_aldAを構築した。
配列番号1:テレフタル酸1,2−ジオキシゲナーゼ・オキシゲナーゼ大サブユニット・タンパク質をコードするDNA
配列番号2:テレフタル酸1,2−ジオキシゲナーゼ・オキシゲナーゼ大サブユニット・タンパク質
配列番号3:テレフタル酸1,2−ジオキシゲナーゼ・オキシゲナーゼ小サブユニット・タンパク質をコードするDNA
配列番号4:テレフタル酸1,2−ジオキシゲナーゼ・オキシゲナーゼ小サブユニット・タンパク質
配列番号5:テレフタル酸1,2−ジオキシゲナーゼ・レダクターゼ・タンパク質をコードするDNA
配列番号6:テレフタル酸1,2−ジオキシゲナーゼ・レダクターゼ・タンパク質
配列番号7:テレフタル酸トランスポーター・タンパク質をコードするDNA
配列番号8:テレフタル酸トランスポーター・タンパク質
配列番号9:TPA−DHD・デヒドロゲナーゼ・タンパク質をコードするDNA
配列番号10:TPA−DHD・デヒドロゲナーゼ・タンパク質
配列番号11:パラヒドロキシ安息香酸ヒドロキシラーゼ・タンパク質をコードするDNA
配列番号12:パラヒドロキシ安息香酸ヒドロキシラーゼ・タンパク質
配列番号13:ターミネーター構築用合成DNA
配列番号14:ターミネーター構築用合成DNA
配列番号15:ターミネーター構築用合成DNA
配列番号16:ターミネーター構築用合成DNA
配列番号17:ターミネーター構築用合成DNA
配列番号18:ターミネーター構築用合成DNA
配列番号19:T7プロモーターと疑似遺伝子の構築用合成DNA
配列番号20:T7プロモーターと疑似遺伝子の構築用合成DNA
配列番号21:T7プロモーターと疑似遺伝子の構築用合成DNA
配列番号22:T7プロモーターと疑似遺伝子の構築用合成DNA
配列番号23:T7プロモーターと疑似遺伝子の構築用合成DNA
配列番号24:T7プロモーターと疑似遺伝子の構築用合成DNA
配列番号25:プラスミドpUTPELT19の制限酵素BglII部位と限酵素PacI部位の間の配列
配列番号26:XylS-Pmプロモーター領域のDNAの取得用PCRプライマー
配列番号27:XylS-Pmプロモーター領域のDNAの取得用PCRプライマー
配列番号28:コマモナス・テストステロニのテレフタル酸代謝遺伝子群のクローニング用縮重PCRプライマー
配列番号29:コマモナス・テストステロニのテレフタル酸代謝遺伝子群のクローニング用縮重PCRプライマー
配列番号30:コマモナス・テストステロニ72W2株のテレフタル酸代謝遺伝子群をコードするDNA
配列番号31:テレフタル酸トランスポーター・クローニング用PCRプライマー
配列番号32:テレフタル酸トランスポーター・クローニング用PCRプライマー
配列番号33:tphA2遺伝子-tphA3遺伝子領域クローニング用PCRプライマー
配列番号34:tphA1遺伝子領域クローニング用PCRプライマー
配列番号35:改良型パラヒドロキシ安息香酸ヒドロキシラーゼ・クローニング用PCRプライマー
配列番号36:改良型パラヒドロキシ安息香酸ヒドロキシラーゼ・クローニング用PCRプライマー
配列番号37:大腸菌ラクトアルデヒド・レダクターゼ・クローニング用PCRプライマー
配列番号38:大腸菌ラクトアルデヒド・レダクターゼ・クローニング用PCRプライマー
配列番号39:大腸菌ラクトアルデヒド・デヒドロゲナーゼ・クローニング用PCRプライマー
配列番号40:大腸菌ラクトアルデヒド・デヒドロゲナーゼ・クローニング用PCRプライマー
配列番号41:プラスミドpUXPEaLTEk_fucO_I7L_aldAのNotI部位とAscI部位の間の配列
配列番号42:fucO遺伝子とaldA遺伝子を含む発現ユニット・クローニング用PCRプライマー
配列番号43:fucO遺伝子とaldA遺伝子を含む発現ユニット・クローニング用PCRプライマー
、3、5、7、9または11に表わされるDNAの全部もしくは一部をプローブとして、ハ
イブリダイゼーション法によってストリンジェントな条件下でハイブリダイズするDNAも
包含する。ストリンジェントな条件下でハイブリダイズするDNAとは、具体的には、DNAを固定化したフィルターを用いて、0.7〜1.0 MのNaClの存在下で65℃でハイブリダイゼーションを行った後、0.1倍濃度のSSC溶液(1倍濃度のSSC溶液の組成は、150 mM NaCl、15 mM クエン酸ナトリウムである)の中、65℃でフィルターを洗浄することにより同定できるDNAを意味する。なお、ハイブリダイゼーションの実験法は、モレキュラー・クローニング:ア・ラボラトリー・マニュアル(Molecular Cloning, A laboratory manual)、第2版〔サンブルック(Sambrook)、フリッチ(Fritsch) 、マニアチス(Maniatis)編集、コールド・スプリング・ハーバー・ラボラトリー・プレス(Cold Spring Harbor Laboratory Press)、1989年刊〕に記載されている。
Claims (24)
- 以下の(a)、(b)、(c)または(d)に示すDNA、以下の(e)、(f)、(g)または(h)に示すDNA、ならびに以下の(i)、(j)、(k)または(l)に示すDNAを有し、テレフタル酸からテレフタル酸1,2−シス−ジヒドロジオールを生産する能力を有する微生物、または該培養物の処理物を、テレフタル酸塩を含む水性媒体中でテレフタル酸と反応させてテレフタル酸1,2−シス−ジヒドロジオールを生成させるテレフタル酸1,2−シス−ジヒドロジオールの製造法であって、前記テレフタル酸塩が、テレフタル酸塩に含まれる全テレフタル酸に対してモル換算で0.5倍量以上かつ2倍量以下のカリウムを含むことを特徴とする方法。
(a)配列番号2に示されるアミノ酸配列を含むタンパク質をコードするDNA。
(b)配列番号2に示されるアミノ酸配列において1もしくは数個のアミノ酸が欠失、置換および/または付加された配列を含み、かつテレフタル酸からテレフタル酸1,2−シス−ジヒドロジオールへの転換に関わる機能を有するタンパク質をコードするDNA。
(c)配列番号1に示される塩基配列からなるDNA。
(d)配列番号1に示される塩基配列の全部もしくは一部の配列に相補的な配列からなるDNAとストリンジェントな条件下でハイブリダイズし、かつテレフタル酸からテレフタル酸1,2−シス−ジヒドロジオールへの転換に関わる機能を有するタンパク質をコードするDNA。
(e)配列番号4に示されるアミノ酸配列を含むタンパク質をコードするDNA。
(f)配列番号4に示されるアミノ酸配列において1もしくは数個のアミノ酸が欠失、置換および/または付加された配列を含み、かつテレフタル酸からテレフタル酸1,2−シス−ジヒドロジオールへの転換に関わる機能を有するタンパク質をコードするDNA。
(g)配列番号3に示される塩基配列からなるDNA。
(h)配列番号3に示される塩基配列の全部もしくは一部の配列に相補的な配列からなるDNAとストリンジェントな条件下でハイブリダイズし、かつテレフタル酸からテレフタル酸1,2−シス−ジヒドロジオールへの転換に関わる機能を有するタンパク質をコードするDNA。
(i)配列番号6に示されるアミノ酸配列を含むタンパク質をコードするDNA。
(j)配列番号6に示されるアミノ酸配列において1もしくは数個のアミノ酸が欠失、置換および/または付加された配列を含み、かつテレフタル酸からテレフタル酸1,2−シス−ジヒドロジオールへの転換に関わる機能を有するタンパク質をコードするDNA。
(k)配列番号5に示される塩基配列からなるDNA。
(l)配列番号5に示される塩基配列の全部もしくは一部の配列に相補的な配列からなるDNAとストリンジェントな条件下でハイブリダイズし、かつテレフタル酸からテレフタル酸1,2−シス−ジヒドロジオールへの転換に関わる機能を有するタンパク質をコードするDNA。 - 前記テレフタル酸塩を含む水性媒体が、テレフタル酸二カリウム塩、テレフタル酸1−カリウム4−ナトリウム塩、テレフタル酸1−カリウム4−アンモニウム塩からなる群から選ばれる1種類以上のテレフタル酸カリウム塩を含む水溶液であることを特徴とする、請求項1に記載のテレフタル酸1,2−シス−ジヒドロジオールの製造法。
- 前記テレフタル酸塩を水溶液の形態または粉末の形態または懸濁液の形態として前記微生物、または該培養物の処理物に添加して前記微生物または処理物とテレフタル酸とを反応させることを特徴とする、請求項1または2に記載のテレフタル酸1,2−シス−ジヒドロジオールの製造法。
- 請求項1に記載の微生物が、さらに下記(m)、(n)、(o)または(p)に示すDNAを導入することによりテレフタル酸の細胞内輸送能を増強させた微生物であることを特徴とする、請求項1から3のいずれか一項に記載のテレフタル酸1,2−シス−ジヒドロジオールの製造法。
(m)配列番号8に示されるアミノ酸配列を含むタンパク質をコードするDNA。
(n)配列番号8に示されるアミノ酸配列において1もしくは数個のアミノ酸が欠失、置換および/または付加された配列を含み、かつテレフタル酸トランスポーター活性を有するタンパク質をコードするDNA。
(o)配列番号7に示される塩基配列からなるDNA。
(p)配列番号7に示される塩基配列の全部もしくは一部の配列に相補的な配列からなるDNAとストリンジェントな条件下でハイブリダイズし、かつテレフタル酸トランスポーター活性を有するタンパク質をコードするDNA。 - 前記微生物はさらに以下の(q)、(r)、(s)または(t)に示すDNAを有し、テレフタル酸からプロトカテク酸を生産する能力を有する微生物であり、請求項1から4のいずれか一項に記載の方法により、テレフタル酸塩からテレフタル酸1,2−シス−ジヒドロジオールを生成させ、さらにテレフタル酸1,2−シス−ジヒドロジオールをプロトカテク酸に転換することを特徴とするプロトカテク酸の製造法。
(q)配列番号10に示されるアミノ酸配列を含むタンパク質をコードするDNA。
(r)配列番号10に示されるアミノ酸配列において1もしくは数個のアミノ酸が欠失、置換および/または付加された配列を含み、かつテレフタル酸1,2−シス−ジヒドロジオールをプロトカテク酸に転換する活性を有するタンパク質をコードするDNA。
(s)配列番号9に示される塩基配列からなるDNA。
(t)配列番号9に示される塩基配列の全部もしくは一部の配列に相補的な配列からなるDNAとストリンジェントな条件下でハイブリダイズし、かつテレフタル酸1,2−シス−ジヒドロジオールをプロトカテク酸に転換する活性を有するタンパク質をコードするDNA。 - 請求項1から4のいずれか一項に記載の方法により、テレフタル酸塩からテレフタル酸1,2−シス−ジヒドロジオールを生成させた後に、前記(q)、(r)、(s)または(t)に示すDNAを形質転換法により導入して得られた微生物または該培養物の処理物を用いてテレフタル酸1,2−シス−ジヒドロジオールをプロトカテク酸に転換することを特徴とするプロトカテク酸の製造法。
- 前記微生物はさらに(q)、(r)、(s)または(t)に示すDNAおよび(u)、(v)、(w)または(x)に示すDNAを有し、テレフタル酸から没食子酸を生産する能力を有する微生物であり、請求項1から4のいずれか一項に記載の方法により、テレフタル酸塩からテレフタル酸1,2−シス−ジヒドロジオールを生成させ、さらにテレフタル酸1,2−シス−ジヒドロジオールを没食子酸に転換することを特徴とする没食子酸の製造法。
(q)配列番号10に示されるアミノ酸配列を含むタンパク質をコードするDNA。
(r)配列番号10に示されるアミノ酸配列において1もしくは数個のアミノ酸が欠失、置換および/または付加された配列を含み、かつテレフタル酸1,2−シス−ジヒドロジオールをプロトカテク酸に転換する活性を有するタンパク質をコードするDNA。
(s)配列番号9に示される塩基配列からなるDNA。
(t)配列番号9に示される塩基配列の全部もしくは一部の配列に相補的な配列からなるDNAとストリンジェントな条件下でハイブリダイズし、かつテレフタル酸1,2−シス−ジヒドロジオールをプロトカテク酸に転換する活性を有するタンパク質をコードするDNA。
(u)配列番号12に示されるアミノ酸配列を含むタンパク質をコードするDNA。
(v)配列番号12に示されるアミノ酸配列において1もしくは数個のアミノ酸が欠失、置換および/または付加された配列を含み、かつプロトカテク酸を没食子酸に転換する活性を有するタンパク質をコードするDNA。
(w)配列番号11に示される塩基配列からなるDNA。
(x)配列番号11に示される塩基配列の全部もしくは一部の配列に相補的な配列からなるDNAとストリンジェントな条件下でハイブリダイズし、かつプロトカテク酸を没食子酸に転換する活性を有するタンパク質をコードするDNA。 - 請求項1から4のいずれか一項に記載の方法により、テレフタル酸塩からテレフタル酸1,2−シス−ジヒドロジオールを生成させた後に、前記(q)、(r)、(s)または(t)に示すDNAに加えて、前記の(u)、(v)、(w)または(x)に示すDNAを形質転換法により導入して得られた微生物または該培養物の処理物を用いて、テレフタル酸1,2−シス−ジヒドロジオールを没食子酸に転換することを特徴とする没食子酸の製造法。
- さらに、前記テレフタル酸塩を、下記工程(A)〜(D)により得る工程を含む、請求項1から4のいずれか一項に記載のテレフタル酸1,2−シス−ジヒドロジオールの製造法。
(A)ポリエチレンテレフタレート、ポリトリメチレンテレフタレートまたはポリブチレンテレフタレートを主成分とし異物成分を含むポリエステル廃棄物を、水酸化カリウムを含むエチレングリコール反応溶媒、もしくは水酸化カリウムおよび水酸化ナトリウムの両方を含むエチレングリコール反応溶媒中で、100℃から196℃の間で10分間以上加熱することにより、反応液中の水分を蒸発させるとともに、該廃棄物に含まれるポリエチレンテレフタレート、ポリトリメチレンテレフタレートまたはポリブチレンテレフタレートを解重合する工程、
(B)工程(A)で得られた該廃棄物の解重合反応溶液中に含まれる固形異物のうち、該溶液に浮遊する固形異物を浮遊選別法により除去する工程、
(C)工程(B)の処理を施した該溶液から、浮遊固形異物以外の該溶液中の固形物を固液分離法によって回収する工程、
(D)工程(C)により回収した固形物に対して加熱乾燥処理または減圧乾燥処理または遠心分離処理を施すことにより、該固形物中のグリコール類の含量を減少させ、残存する固形物をテレフタル酸塩として得る工程 - 前記工程(C)において固液分離法で固形物を回収した後のエチレングリコール反応溶媒を回収し、該溶媒を前記(A)におけるエチレングリコール反応溶媒として用いることを特徴とする、請求項9に記載のテレフタル酸1,2−シス−ジヒドロジオールの製造法。
- さらに、前記テレフタル酸塩を、下記工程(A)〜(D)により得る工程を含む、請求項5または6に記載のプロトカテク酸の製造法。
(A)ポリエチレンテレフタレート、ポリトリメチレンテレフタレートまたはポリブチレンテレフタレートを主成分とし異物成分を含むポリエステル廃棄物を、水酸化カリウム含むエチレングリコール反応溶媒、もしくは水酸化カリウムおよび水酸化ナトリウムの両方を含むエチレングリコール反応溶媒中で、100℃から196℃の間で10分間以上加熱することにより、反応液中の水分を蒸発させるとともに、該廃棄物に含まれるポリエチレンテレフタレート、ポリトリメチレンテレフタレートまたはポリブチレンテレフタレートを解重合する工程、
(B)工程(A)で得られた該廃棄物の解重合反応溶液中に含まれる固形異物のうち、該溶液に浮遊する固形異物を浮遊選別法により除去する工程、
(C)工程(B)の処理を施した該溶液から、浮遊固形異物以外の該溶液中の固形物を固液分離法によって回収する工程、
(D)工程(C)により回収した固形物に対して加熱乾燥処理または減圧乾燥処理または遠心分離処理を施すことにより、該固形物中のグリコール類の含量を減少させ、残存する固形物をテレフタル酸塩として得る工程 - 前記工程(C)において固液分離法で固形物を回収した後のエチレングリコール反応溶媒を回収し、該溶媒を前記工程(A)におけるエチレングリコール反応溶媒として用いることにより、エチレングリコール反応溶媒を廃棄せずに繰り返し利用することにより得られるテレフタル酸塩を用いることを特徴とする、請求項11に記載のプロトカテク酸の製造法。
- さらに、前記テレフタル酸塩を、下記工程(A)〜(D)により得る工程を含む、請求項7または8に記載の没食子酸の製造法。
(A)ポリエチレンテレフタレート、ポリトリメチレンテレフタレートまたはポリブチレンテレフタレートを主成分とし異物成分を含むポリエステル廃棄物を、水酸化カリウム含むエチレングリコール反応溶媒、もしくは水酸化カリウムおよび水酸化ナトリウムの両方を含むエチレングリコール反応溶媒中で、100℃から196℃の間で10分間以上加熱することにより、反応液中の水分を蒸発させるとともに、該廃棄物に含まれるポリエチレンテレフタレート、ポリトリメチレンテレフタレートまたはポリブチレンテレフタレートを解重合する工程、
(B)工程(A)で得られた該廃棄物の解重合反応溶液中に含まれる固形異物のうち、該溶液に浮遊する固形異物を浮遊選別法により除去する工程、
(C)工程(B)の処理を施した該溶液から、浮遊固形異物以外の該溶液中の固形物を固液分離法によって回収する工程、
(D)工程(C)により回収した固形物に対して加熱乾燥処理または減圧乾燥処理または遠心分離処理を施すことにより、該固形物中のグリコール類の含量を減少させ、残存する固形物をテレフタル酸塩として得る工程 - 前記工程(C)において固液分離法で固形物を回収した後のエチレングリコール反応溶媒を回収し、該溶媒を前記工程(A)におけるエチレングリコール反応溶媒として用いることにより、エチレングリコール反応溶媒を廃棄せずに繰り返し利用することにより得られるテレフタル酸塩を用いることを特徴とする、請求項13に記載の没食子酸の製造法。
- 前記請求項1または4に記載の微生物が、ラクトアルデヒド・レダクターゼおよびラクトアルデヒド・デヒドロゲナーゼの発現量を増強させることにより、前記工程(A)から(D)により得られるテレフタル酸塩に混入するエチレングリコールを分解する微生物である、請求項9または10に記載のテレフタル酸1,2−シス−ジヒドロジオールの製造法。
- 前記請求項5に記載の微生物が、ラクトアルデヒド・レダクターゼおよびラクトアルデヒド・デヒドロゲナーゼの発現量を増強させることにより、前記工程(A)から(D)により得られるテレフタル酸塩に混入するエチレングリコールを分解する微生物である、請求項11または12に記載のプロトカテク酸の製造法。
- 前記請求項7に記載の微生物が、ラクトアルデヒド・レダクターゼおよびラクトアルデヒド・デヒドロゲナーゼの発現量を増強させることにより、前記工程(A)から(D)により得られるテレフタル酸塩に混入するエチレングリコールを分解する微生物である、請求項13または14に記載の没食子酸の製造法。
- さらに、前記テレフタル酸塩を、下記工程(E)〜(H)により得る工程を含む、請求項1から4のいずれか一項に記載のテレフタル酸1,2−シス−ジヒドロジオールの製造法。
(E)ポリエチレンテレフタレート、ポリトリメチレンテレフタレートまたはポリブチレンテレフタレートを主成分とし異物成分を含むポリエステル廃棄物を、水酸化カリウム含む1−ブタノール反応溶媒もしくは水酸化カリウムおよび水酸化ナトリウムの両方を含む1−ブタノール反応溶媒中で、100℃から116℃の間で10分間以上加熱することにより、反応液中の水分を蒸発させるとともに、該廃棄物に含まれるポリトリメチレンテレフタレートまたはポリブチレンテレフタレートを解重合する工程、
(F)工程(E)で得られた該廃棄物の解重合反応溶液中に含まれる固形異物のうち、該溶液に浮遊する固形異物を浮遊選別法により除去する工程、
(G)工程(F)の処理を施した該溶液から、浮遊固形異物以外の該溶液中の固形物を固液分離法によって回収する工程、
(H)工程(G)により回収した固形物に対して加熱乾燥処理または減圧乾燥処理または遠心分離処理を施すことにより、該固形物中の1−ブタノールおよびグリコール類の含量を減少させ、残存する固形物をテレフタル酸塩として得る工程 - 前記工程(G)において固液分離法で固形物を回収した後の1−ブタノール反応溶媒を回収し、該溶媒を前記工程(E)における1−ブタノール反応溶媒として用いることにより、エチレングリコール反応溶媒を廃棄せずに繰り返し利用することにより得られるテレフタル酸塩を用いることを特徴とする、請求項18に記載のテレフタル酸1,2−シス−ジヒドロジオールの製造法。
- さらに、前記テレフタル酸塩を、下記工程(E)〜(H)により得る工程を含む、請求項5または6に記載のプロトカテク酸の製造法。
(E)ポリエチレンテレフタレート、ポリトリメチレンテレフタレートまたはポリブチレンテレフタレートを主成分とし異物成分を含むポリエステル廃棄物を、水酸化カリウム含む1−ブタノール反応溶媒もしくは水酸化カリウムおよび水酸化ナトリウムの両方を含む1−ブタノール反応溶媒中で、100℃から116℃の間で10分間以上加熱することにより、反応液中の水分を蒸発させるとともに、該廃棄物に含まれるポリトリメチレンテレフタレートまたはポリブチレンテレフタレートを解重合する工程、
(F)工程(E)で得られた該廃棄物の解重合反応溶液中に含まれる固形異物のうち、該溶液に浮遊する固形異物を浮遊選別法により除去する工程、
(G)工程(F)の処理を施した該溶液から、浮遊固形異物以外の該溶液中の固形物を固液分離法によって回収する工程、
(H)工程(G)により回収した固形物に対して加熱乾燥処理または減圧乾燥処理または遠心分離処理を施すことにより、該固形物中の1−ブタノールおよびグリコール類の含量を減少させ、残存する固形物をテレフタル酸塩として得る工程 - 前記工程(G)において固液分離法で固形物を回収した後の1−ブタノール反応溶媒を回収し、該溶媒を前記工程(E)における1−ブタノール反応溶媒として用いることにより、エチレングリコール反応溶媒を廃棄せずに繰り返し利用することにより得られるテレフタル酸塩を用いることを特徴とする、請求項20に記載のプロトカテク酸の製造法。
- さらに、前記テレフタル酸塩を、下記工程(E)〜(H)により得る工程を含む、請求項7または8に記載の没食子酸の製造法。
(E)ポリエチレンテレフタレート、ポリトリメチレンテレフタレートまたはポリブチレンテレフタレートを主成分とし異物成分を含むポリエステル廃棄物を、水酸化カリウム含む1−ブタノール反応溶媒もしくは水酸化カリウムおよび水酸化ナトリウムの両方を含む1−ブタノール反応溶媒中で、100℃から116℃の間で10分間以上加熱することにより、反応液中の水分を蒸発させるとともに、該廃棄物に含まれるポリトリメチレンテレフタレートまたはポリブチレンテレフタレートを解重合する工程、
(F)工程(E)で得られた該廃棄物の解重合反応溶液中に含まれる固形異物のうち、該溶液に浮遊する固形異物を浮遊選別法により除去する工程、
(G)工程(F)の処理を施した該溶液から、浮遊固形異物以外の該溶液中の固形物を固液分離法によって回収する工程、
(H)工程(G)により回収した固形物に対して加熱乾燥処理または減圧乾燥処理または遠心分離処理を施すことにより、該固形物中の1−ブタノールおよびグリコール類の含量を減少させ、残存する固形物をテレフタル酸塩として得る工程 - 前記工程(G)において固液分離法で固形物を回収した後の1−ブタノール反応溶媒を回収し、該溶媒を前記工程(E)における1−ブタノール反応溶媒として用いることにより、エチレングリコール反応溶媒を廃棄せずに繰り返し利用することにより得られるテレフタル酸塩を用いることを特徴とする、請求項22に記載の没食子酸の製造法。
- 前記微生物がエシェリヒア・コリであることを特徴とする、請求項1から23のいずれか一項に記載の製造法。
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