JP4886775B2 - 補酵素再生によるグリコール酸の生産方法 - Google Patents

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Description

本発明は、グリコール酸を生産する組換え微生物と、組換え微生物を用いたグリコール酸生産方法に関するものである。
ヒドロキシカルボン酸類の中にはポリマー原料や医薬中間体として有用で、その効率的な生産方法が求められているものがある。その一例としてグリコール酸(α―ヒドロキシ酢酸)が挙げられる。グリコール酸は、洗浄剤や化粧品原料として利用されてきたが、近年、ガスバリア性ポリマーや医療用ポリマーとして有用なポリグリコール酸の原料として注目されている。ガスバリア性材料として注目されている理由はポリグリコール酸層が高い酸素ガスバリア性を有しており、酸素の存在下で変質しやすい食品や炭酸飲料を包装するための材料としての性能を備えているからである。
現行市販されている化学合成品のグリコール酸は少なからず夾雑物を含んでおり、ポリマー原料としては純度的に問題がある。なぜならこれらの夾雑物はグリコール酸の脱水縮合反応を阻害するのみならず、夾雑物の一つであるメトキシ酢酸が発癌性の疑いのある化合物であり、食品や飲料の包材中に含まれることが望ましくないからである。精製によって夾雑物を除くことは技術的には可能であるが、そのような精製品は価格が高くなり、安価な包材原料としては現実的でない。
化学合成品のグリコール酸に見られる上記の問題点を回避するため、エチレングリコールを原料としたバイオ法によるグリコール酸製造の試みが行われている。特許文献1及び特許文献2において、エチレングリコール含有培地上で、ピシア(Pichia)属、ロードトルラ(Rhodotorula)属、スポロボロマイセス(Sporobolomyces)属、クリベロマイセス(Kluyveromyces)属、トルロプシス(Torulopsis)属に属する酵母、ノカルディア(Nocardia)属に属する菌株、ロドコッカス(Rhodococcus)属に属する菌株、またはエシェリヒア・コリB(Escherichia coli B)株を培養し、培養液中からグリコール酸を分離・採取することを特徴とする微生物によるグリコール酸の生産方法が開示されている。特許文献1及び特許文献2の実施例に記載されているグリコール酸生産方法の中でグリコール酸蓄積濃度が最も高いものは、ピシア・ナガニシイ(Pichia naganishii)を用いた方法であり、30時間の反応で35.3g/Lのグリコール酸が得られている。ピシア・ナガニシイを用いたグリコール酸生産については更に、反応条件の改善がなされ、120時間の反応で105g/Lのグリコール酸が得られることが非特許文献1で報告されている。
特許文献3においてはラクトアルデヒドレダクターゼをコードする遺伝子とラクトアルデヒドデヒドロゲナーゼをコードする遺伝子をプラスミドの形態で導入することで該酵素活性が付与又は強化された微生物を用いることによりエチレングリコールをはじめとする末端に水酸基を有する脂肪族多価アルコールを原料として、グリコール酸をはじめとするヒドロキシカルボン酸を生産することが可能であること、さらには微生物が有しているグリコール酸オキシダーゼをコードする遺伝子を破壊し、該酵素活性を不活性化することによりグリコール酸の生産性が向上することが開示されている。
上記した従来の方法によるグリコール酸をはじめとするヒドロキシカルボン酸の生産反応においては反応に供する菌体量が多いがために、それに伴う製造コストの上昇や菌体に由来する不純物の夾雑、さらにはヒドロキシカルボン酸類の製造後に菌体を廃棄するのに多大な労力とコストがかかるという問題点があげられる。
酸化酵素を用いてアルコールからケトンを製造する方法においては反応に必要な酸化型ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド(以降NADと略することがある)を反応に伴って生成する還元型ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド(以降NADHと略することがある)から再生させる以下のような技術が利用されている。つまり目的とするケトンを生産するための酸化反応とNAD再生のためのケトンの還元反応の2つの反応を組み合わせる方法や、グルタミン酸デヒドロゲナーゼによるオキソグルタル酸の還元反応を組み合わせる技術などである。
上記のNADを再生する技術においてはNAD再生のための反応基質を反応系に添加する必要があり、さらにはNAD再生反応により副生物が反応系内に蓄積するという欠点があげられる。
アルコールからのケトン製造において、上記の欠点を補うNAD再生方法として微生物が有する呼吸鎖を介して分子状酸素を還元し水を生成することでNADを再生するNADHデヒドロゲナーゼを利用する方法が例示されるが(特許文献4)、この酵素活性を強化した微生物による実例は報告されていない。
特開平10−174593号公報 特開平10−174594号公報 国際公開第2005/106005号パンフレット 特開2005−218349号公報 Biosci.Biotechnol.Biochem., Vol.65(10),pp.2265−2270,(2001)
化学合成法では、得られるヒドロキシカルボン酸の純度の点で十分ではなく、また、従来のバイオ法では、生産反応に供する菌体量が多く菌体の廃棄等の問題がある。本発明が解決しようとする課題は、少ない菌体量で効率よく生産することができる、工業的に有利なヒドロキシカルボン酸類の生産方法、および該生産方法に適した微生物を提供することである。
本発明者らは上記課題を解決するために鋭意検討を重ねた結果、微生物を用いて末端に水酸基を有する脂肪族多価アルコールからヒドロキシカルボン酸を生産する方法において、酸化型ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド再生能を強化した微生物を用いることにより、ヒドロキシカルボン酸を少ない菌体量で効率よく生産することができることを見出した。
即ち、本発明は以下の〔1〕および〕に記載のとおりである。
〔1〕 エシェリヒア・コリを用いてエチレングリコールからグリコール酸を生産する方法において、
エシェリヒア・コリ由来のラクトアルデヒドレダクターゼおよびラクトアルデヒドデヒドロゲナーゼをコードする遺伝子をエシェリヒア・コリに導入することによりラクトアルデヒドレダクターゼおよびラクトアルデヒドデヒドロゲナーゼの酵素活性を強化し、かつ、前記エシェリヒア・コリのグリコール酸オキシダーゼ活性を不活性化またはエシェリヒア・コリ本来のグリコール酸オキシダーゼ活性よりも低減し、
さらに、エシェリヒア・コリ由来のNADHデヒドロゲナーゼをコードする遺伝子をエシェリヒア・コリに導入することによりNADHデヒドロゲナーゼの活性を強化した組換え微生物を用いることを特徴とするグリコール酸の生産方法
〕 エシェリヒア・コリ由来のラクトアルデヒドレダクターゼおよびラクトアルデヒドデヒドロゲナーゼをコードする遺伝子をエシェリヒア・コリに導入することによりラクトアルデヒドレダクターゼおよびラクトアルデヒドデヒドロゲナーゼの酵素活性を強化し、
前記エシェリヒア・コリのグリコール酸オキシダーゼ活性を不活性化または前記エシェリヒア・コリ本来のグリコール酸オキシダーゼ活性よりも低減し、かつ、
エシェリヒア・コリ由来のNADHデヒドロゲナーゼをコードする遺伝子を前記エシェリヒア・コリに導入することによりNADHデヒドロゲナーゼの活性を強化した組換え微生物。
本発明によりグリコール酸をはじめとするヒドロキシカルボン酸類を少ない菌体量で効率よく生産することが可能である。
上述した目的、およびその他の目的、特徴および利点は、以下に述べる好適な実施の形態、およびそれに付随する以下の図面によってさらに明らかになる。
参考例1における細胞内のNADH/NAD比(NADH含量/NAD含量)の経時変化を示したグラフである。 図中の□は、△glcDEF/pGAPfucO−aldA−ndh株のNADH/NAD比を示す。 図中の○は、△glcDEF/pGAPfucO−aldA株のNADH/NAD比を示す。
以下に本発明を詳しく説明する。
本実施形態は、ヒドロキシカルボン酸の生産方法である。この方法は、微生物を用いて末端に水酸基を有する脂肪族多価アルコールからヒドロキシカルボン酸を生産する方法において、NADHデヒドロゲナーゼの活性を強化した微生物を用いるものである。
微生物とは、末端に水酸基を有する脂肪族多価アルコールからヒドロキシカルボン酸を生産する能力を本来有するか否かに関わらず、何らかの手段を用いることにより末端に水酸基を有する脂肪族多価アルコールからヒドロキシカルボン酸を生産する能力を有し得る微生物であればいずれの微生物であってよい。好ましくはエシェリヒア(Escherichia)属、バチルス(Bacillus)属、シュードモナス(Pseudomonas)属、セラチア(Serratia)属、ブレビバクテリウム(Brevibacterium)属、コリネバクテリイウム(Corynebacterium)属、ストレプトコッカス(Streptococcus)属、ラクトバチルス(Lactobacillus)属、ロドコッカス(Rhodococcus)属、ストレプトマイセス(Streptomyces)属、サッカロマイセス(Saccharomyces)属、クライベロマイセス(Kluyveromyces)属、シゾサッカロマイセス(Schizosaccharomyces)属、チゴサッカロマイセス(Zygosaccharomyces)属、ヤロウイア(Yarrowia)属、トリコスポロン(Trichosporon)属、ロドスポリジウム(Rhodosporidium)属、ピキア(Pichia)属、キャンディダ(Candida)属、ノイロスポラ(Neurospora)属、アスペルギルス(Aspergillus)属、セファロスポリウム(Cephalosporium)属、トリコデルマ(Trichoderma)属などの宿主ベクター系の開発されている細菌、放線菌、酵母、カビが例示され、より好ましくはエシェリヒア・コリ(Escherichia coli)が例示される。
また、末端に水酸基を有する脂肪族多価アルコールとは、炭素鎖の末端に水酸基を有し、かつ分子内に2つ以上の水酸基を有する脂肪族化合物であればその構造に特に制限はないが、そのような化合物としてエチレングリコール、ジエチレングリコール、グリセロール、1,3−プロパンジオール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,2,4−ブタントリオールなどが例示できる。
また、ヒドロキシカルボン酸とは、上記した末端に水酸基を有する脂肪族多価アルコール類について水酸基を有する末端炭素の一つが酸化されカルボン酸になっているものである。そのような化合物としてグリコール酸、ヒドロキシエトキシ酢酸、グリセリン酸、3−ヒドロキシプロパン酸、2−ヒドロキシブタン酸、3−ヒドロキシブタン酸、4−ヒドロキシブタン酸、2,4−ジヒドロキシブタン酸などが例示できる。
本実施形態においてニコチンアミドアデニンジヌクレオチドとは、酸化型および還元型の明記がない限りそのどちらをも指す。
本実施形態では、末端に水酸基を有する脂肪族多価アルコールとして、エチレングリコールを用いることができる。また、ヒドロキシカルボン酸としては、グリコール酸を好適に用いることができる。
また、NADHデヒドロゲナーゼとは、国際生化学連合(I.U.B.)酵素委員会報告に準拠した酵素番号1.6.5.3または1.6.99.3または1.6.99.5に分類され、ユビキノン、ジメチルメナキノン、メナキノン等のキノン類を電子受容体としてNADHからNADを生成する反応を可逆的に触媒する酵素の総称を指す。好ましくはI.U.B.酵素委員会報告に準拠した酵素番号1.6.99.3に分類されるNADHデヒドロゲナーゼである。エシェリヒア・コリを例とするとGenBank accession number V00306によって報告されている遺伝子ndhにコードされているNADHデヒドロゲナーゼが例示される。
NADHデヒドロゲナーゼの活性を強化するとは、その活性が強化前に比べ2倍以上向上していることが好ましい。酵素活性が向上した微生物は、例えば該酵素をコードする遺伝子を遺伝子組換え技術を用いて野生型の微生物(又は組換え前の微生物)に導入する方法やゲノム内において該酵素をコードする遺伝子のプロモーターに変異を導入するなどの方法を用いて作出することができる。野生型の微生物(又は組換え前の微生物)に該遺伝子を導入する方法としては、該遺伝子をプラスミドの形態で微生物に導入することが例示できる。微生物への遺伝子の導入に用いられるゲノムDNAの調製、プラスミドの調製、DNAの切断および連結、形質転換、PCR(Polymerase Chain Reaction)、プライマーとして用いるオリゴヌクレオチドの設計、合成等の方法は、当業者によく知られている通常の方法で行うことができる。これらの方法は、Sambrook,J.,et.al.,"Molecular Cloning A Laboratory Manual,Second Edition",Cold Spring Harbor Laboratory Press,(1989)等に記載されている。
本実施形態に係る微生物は、ラクトアルデヒドレダクターゼおよびラクトアルデヒドデヒドロゲナーゼの少なくとも1つの酵素活性を強化する。
ここで、ラクトアルデヒドレダクターゼとは、I.U.B.酵素委員会報告に準拠した酵素番号1.1.1.77に分類され、1.2−プロパンジオールから、補酵素であるNADの存在下でラクトアルデヒドを生成する反応を可逆的に触媒する酵素の総称を指す。
また、ラクトアルデヒドデヒドロゲナーゼとは、I.U.B.酵素委員会報告に準拠した酵素番号1.2.1.22に分類され、ラクトアルデヒドから、補酵素であるNADの存在下で乳酸を生成する反応を触媒する酵素の総称を指し、且つI.U.B.酵素委員会報告に準拠した酵素番号1.2.1.21に分類され、グリコールアルデヒドから、補酵素であるNADの存在下でグリコール酸を生成する反応を触媒する酵素グリコールアルデヒドデヒドロゲナーゼの総称も併せて指すものである。なぜならばエシェリヒア・コリを用いた先行文献で、ラクトアルデヒドデヒドロゲナーゼとグリコールアルデヒドデヒドロゲナーゼは同一の酵素であることが報告されているからである(Caballero,E.,et.al.,J.Biol.Chem.,Vol.258,pp.7788−7792,(1983))。
また、ラクトアルデヒドレダクターゼおよびラクトアルデヒドデヒドロゲナーゼの少なくとも1つの酵素活性を強化したとは、エシェリヒア・コリを例にすると、これらの酵素の少なくとも1つの酵素活性が、野生株(又は組換え前の微生物)の20倍以上であることが好ましく、より好ましくは100倍以上である。
酵素活性が向上した微生物は、例えば該酵素をコードする遺伝子を遺伝子組換え技術を用いて野生型の微生物(又は組換え前の微生物)に導入する方法やゲノム内において該酵素をコードする遺伝子のプロモーターに変異を導入するなどの方法を用いて作出することができる。野生型の微生物(又は組換え前の微生物)に該遺伝子を導入する方法としては、該遺伝子をプラスミドの形態で微生物に導入することが例示できる。微生物への遺伝子の導入に用いられるゲノムDNAの調製、プラスミドの調製、DNAの切断および連結、形質転換、PCR、プライマーとして用いるオリゴヌクレオチドの設計、合成等の方法は、当業者によく知られている通常の方法で行うことができる。これらの方法は、前記Sambrook,J.らの文献等に記載されている。
たとえば、ラクトアルデヒドレダクターゼおよびラクトアルデヒドデヒドロゲナーゼの酵素活性が向上したエシェリヒア・コリは、以下のように作製することができる。
エシェリヒア・コリのラクトアルデヒドレダクターゼの遺伝子(以下、fucOと略することがある)の塩基配列はすでに報告されている(GenBank accession number M31059)。またエシェリヒア・コリのラクトアルデヒドデヒドロゲナーゼの遺伝子(以下、aldAと略することがある)の塩基配列もすでに報告されている(GenBank accession number M64541)。
fucOを取得するためにエシェリヒア・コリのゲノムDNAをテンプレートとし、プライマーとなるオリゴヌクレオチドを用いてPCR法で増幅し、得られたDNAフラグメントを制限酵素で消化することでfucOフラグメントを得る。
また、aldAを取得するためにエシェリヒア・コリのゲノムDNAをテンプレートとし、プライマーとなるオリゴヌクレオチドを用いてPCR法で増幅し、得られたDNAフラグメントを制限酵素で消化することでaldAフラグメントを得る。
さらに、グリセルアルデヒド3−リン酸脱水素酵素(GAPDH)プロモーターを取得するためエシェリヒア・コリのゲノムDNAをテンプレートとし、プライマーとなるオリゴヌクレオチドを用いてPCR法で増幅し、得られたDNAフラグメントを制限酵素で消化することでGAPDHプロモーターをコードするDNAフラグメントを得る。
上記の3つのDNAフラグメントと、プラスミドを制限酵素で消化することで得られるフラグメントを結合した後、エシェリヒア・コリに形質転換し、LB寒天プレートに生育する形質転換体を得る。得られたコロニーをLB液体培地で培養し、得られた菌体からプラスミドを回収する。本プラスミドを任意の宿主エシェリヒア・コリに導入することでラクトアルデヒドレダクターゼおよびラクトアルデヒドデヒドロゲナーゼの酵素活性が向上したエシェリヒア・コリを作製できる。
本実施形態に係る微生物は、グリコール酸オキシダーゼ活性を不活性化または微生物本来の活性よりも低減される。
ここで、グリコール酸オキシダーゼとは、I.U.B.酵素委員会報告に準拠した酵素番号1.1.3.15に分類され、グリコール酸からグリオキシル酸を生成する反応を可逆的に触媒する酵素の総称を指す。
また、グリコール酸オキシダーゼ活性の不活性化とは、その酵素活性が完全に消失することを意味する。また、グリコール酸オキシダーゼ活性の低減とは、その酵素活性の一部が消失することを意味し、野生株(又は組換え前の微生物)が有するグリコール酸オキシダーゼ活性に対して、2分の1以下であることが好ましく、より好ましくは10分の1以下である。酵素機能を不活性化、或いは低減するには、そのタンパク質をコードする遺伝子に変異を導入するか、欠失させる、置換させる、あるいはそのタンパク質を特異的に不活性化する薬剤を添加する、紫外線を照射する、などの方法がある。標的とする遺伝子についてそれを欠失させる方法や、変異させる方法、および、置換する方法については、当業者によく知られている通常の方法で行うことができる。具体的にはエシェリヒア・コリMT−11023株が、グリコール酸オキシダーゼをコードする遺伝子であるglcDEFの破壊によりグリコール酸オキシダーゼ活性が不活性化した微生物として例示できる。
エシェリヒア・コリMT−11023株は遺伝子破壊によりグリコール酸オキシダーゼが不活性化しているため、これを用いて本発明を実施することが可能である。本菌株は、FERM BP―10293の寄託番号で、茨城県つくば市東1丁目1番1号中央第6の独立行政法人産業技術総合研究所 特許生物寄託センターに、特許手続き上の微生物の寄託等の国際承認に関するブタペスト条約に基づいて、平成17年3月10日より寄託されている。
ある標的酵素をコードする遺伝子を微生物に導入するにあたっての「プラスミドの形態で」とは、該遺伝子をベクターに連結し組換えプラスミドを作成し、これを形質転換等の方法で該微生物に導入する事を意味する。また、恒常的に微生物内で機能する強力なプロモーターと目的遺伝子を機能的に連結した際には、プラスミドが有するレプリコンの性質により、微生物細胞当たりのコピー数が一般的に少ないといわれるプラスミドを利用することでも本発明の目的を達し得る。そのようなレプリコンを有するプラスミドとしてpACYC184(GenBank accession number X06403)などが例示できる。
本実施形態の生産方法を実施するに際しては、通常、培地を用いて微生物を培養して増殖させて必要量の微生物菌体を得る。
本発明において、培養に使用される培地は、炭素源、窒素源、無機イオンおよび必要に応じてその他の有機微量成分を含有する培地であれば特に制限は無い。炭素源としては、グルコース、フルクトース、糖蜜などの糖類、フマル酸、クエン酸、コハク酸などの有機酸、メタノール、エタノール、グリセロールなどのアルコール類、その他が適宜使用される。窒素源としては、有機アンモニウム塩、無機アンモニウム塩、アンモニアガス、アンモニア水、蛋白質加水分解物等の無機及び有機の窒素源、その他が適宜使用される。無機イオンとしては、マグネシウムイオン、リン酸イオン、カリウムイオン、鉄イオン、マンガンイオン、硫酸イオン、その他が必要に応じて適宜使用される。有機微量成分としては、ビタミン、アミノ酸等及びこれらを含有する酵母エキス、ペプトン、コーンスティープリカー、カゼイン分解物、その他が適宜使用される。
培養に使用される培地としては、工業的生産に供する点を考慮すれば液体培地が好ましい。
また、培地組成は、ポリペプトン0.5g/L以上10g/L以下、FeSO0.02g/L以上0.3g/L以下、KHPO0.5g/L以上5g/L以下、KHPO0.5g/L以上5g/L以下、MgSO・7HO0.5g/L以上5g/L以下、(NHSO0.3g/L以上15g/L以下、ニコチン酸0.02g/L以上1g/L以下(溶媒は水)とすると好ましい。
本実施形態に係る微生物の培養に際して、培養条件は特別の制限はなく、pHと温度を適切に制御しながら培養する。好気条件であっても、嫌気条件であってもよいが、好ましくは、好気条件とする。通気量は、培地1Lあたり0.2L/min以上3L/min以下とすると好ましく、0.5L/min以上2L/min以下とするとより好ましい。また、攪拌速度は、200rpm以上1000rpm以下とすると好ましく、500rpm以上800rpm以下とするとより好ましい。こうすることにより、菌体重量あたりのヒドロキシカルボン酸生産量が多い菌体を得ることできる。また、上記の通気、攪拌条件と相当する溶存酸素供給を実現できる気泡塔などを用いることでも培養が可能である。
pHは5以上8以下とすることが好ましく、pH7.0以上7.4以下とするとより好ましく、pH7.2とすると最も好ましい。こうすることにより、菌体重量あたりのヒドロキシカルボン酸生産量が多い菌体を得ることできる。
また、温度は、25℃以上40℃以下とすることが好ましく、33℃以上37℃以下とするとより好ましく、35℃とすると最も好ましい。こうすることにより、菌体重量あたりのヒドロキシカルボン酸生産量が多い菌体を得ることできる。
培養に必要な時間は12時間以上50時間以下とする。これにより、菌体重量あたりのヒドロキシカルボン酸生産量が多い菌体を得ることできる。
ヒドロキシカルボン酸の生産に使用される溶媒としては、リン酸カリウム緩衝液などの緩衝液や、前述の微生物の培養に用いた培地、及び純水を例示することができる。また、原料の脂肪族多価アルコールと溶媒との混合液に、先に培養により得られた微生物菌体を接触させて反応を行うことができる。微生物菌体は、培養が終わった培養液そのものを使用する方法や、培養液から菌体のみを回収して使用する方法が例示できる。
本発明の生産方法における反応に際して、反応条件は特別の制限はなく、pHと温度を適切に制御しながら反応する。
例えば、pHは6以上9以下とすると好ましく、pH7.0以上8.0以下とするとより好ましく、pH7.2とすると最も好ましい。こうすることにより反応液に添加した菌体量あたりのヒドロキシカルボン酸生産量を高められるという効果が得られる。
また、温度は、20℃以上45℃以下の範囲内が好ましく、30℃以上40℃以下とすると特に好ましく、35℃が最も好ましい。こうすることにより、反応液に添加した菌体量あたりのヒドロキシカルボン酸生産量を高められるという効果が得られる。
また、反応は、好ましくは、好気条件とする。通気量は、反応液1Lあたり0.1L/min以上2.0L/min以下とすると好ましく、0.2L/min以上1.0L/min以下とするとより好ましい。また、攪拌速度は、200rpm以上1000rpm以下とすると好ましく、400rpm以上800rpm以下とするとより好ましい。こうすることにより、反応液に添加した菌体量あたりのヒドロキシカルボン酸生産量を高められるという効果が得られる。また、上記の通気、攪拌条件と相当する溶存酸素供給を実現できる気泡塔などを用いることでも反応が可能である。
また、反応時間は12時間以上96時間以下とすることにより、収率80%以上でヒドロキシカルボン酸を得ることができる。
以上のようにして得られた反応液中に蓄積した生産物であるヒドロキシカルボン酸を回収する方法としては、特に制限はないが、例えば反応液から菌体を遠心分離などで除去した後、合成吸着樹脂を用いる方法や沈殿剤を用いる方法、その他通常の採取分離方法で分離する方法が採用できる。
(製造例1)エシェリヒア・コリMG1655glcDEF欠失株の作製
エシェリヒア・コリのゲノムDNAの全塩基配列は公知であり(GenBanak accession number U00096)、エシェリヒア・コリのグリコール酸オキシダーゼの遺伝子(以下、glcDEFと略することがある)の塩基配列もすでに報告されている(GenBank accession number L43490)。
エシェリヒア・コリMG1655株のゲノムDNAのglcDEF近傍領域の遺伝子情報に基づいて作成された、配列番号1(TTGGTACCGTTCTGCCAGCAACTGACG)及び配列番号2(TGTCTAGAGTACCTCTGTGCGTCACTGG)並びに配列番号3(GCTCTAGACGCTTTGTTGTGTTGTGTGG)及び配列番号4(AACTGCAGGATCGGTCAATGATTGCAGC)のオリゴヌクレオチドを用いてPCRを行った。得られたDNAフラグメントをそれぞれ、制限酵素KpnIとXbaI、XbaIとPstIで消化することにより、それぞれ約670bp、790bpのフラグメントを得た。このDNAフラグメントを、温度感受性クローニングベクターpTH18cs1(GenBank accession number AB019610)(Hashimoto−Gotoh,T.,Gene,241,185−191(2000))をKpnI、PstIで消化して得られるフラグメントと混合し、リガーゼを用いて結合した後、DH5α株(東洋紡績社製)に30℃で形質転換し、クロラムフェニコール10μg/mlを含むLB寒天プレートに生育する形質転換体を得た。得られたコロニーをクロラムフェニコール10μg/mlを含むLB液体培地で、30℃で一晩培養し、得られた菌体からプラスミドを回収した。
このプラスミドをエシェリヒア・コリMG1655株に30℃で形質転換し、クロラムフェニコール10μg/mlを含むLB寒天プレートに30℃で一晩培養し、形質転換体を得た。得られた形質転換体をクロラムフェニコール10μg/mlを含むLB液体培地に接種し、30℃で一晩培養した。次にこれらの培養菌体が得られるようにクロラムフェニコール10μg/mlを含むLB寒天プレートに塗布し、42℃で生育するコロニーを得た。得られたコロニーを、薬剤を含まないLB液体培地で、30℃で一晩培養し、さらに薬剤を含まないLB寒天プレートに塗布して42℃で生育するコロニーを得た。
出現したコロニーの中から無作為に100コロニーをピックアップしてそれぞれを、薬剤を含まないLB寒天プレートとクロラムフェニコール10μg/mlを含むLB寒天プレートに生育させ、薬剤を含まないLB寒天プレートにのみ生育するクロラムフェニコール感受性のクローンを選んだ。さらにこれらの目的クローンの染色体DNAからPCRによりglcDEFを含む約3.8kbp断片を増幅させ、glcDEF領域が欠失している株を選抜し、得られた株をMG1655glcDEF欠失株(以下△glcDEFと略することがある)と命名した。なおエシェリヒア・コリMG1655株はアメリカンタイプカルチャーコレクションより入手することができる。
(製造例2)ラクトアルデヒドレダクターゼ、ラクトアルデヒドデヒドロゲナーゼ同時発現ベクターの構築
エシェリヒア・コリのラクトアルデヒドレダクターゼの遺伝子(以下、fucOと略することがある)の塩基配列はすでに報告されている(GenBank accession number M31059)。またエシェリヒア・コリのラクトアルデヒドデヒドロゲナーゼの遺伝子(以下、aldAと略することがある)の塩基配列もすでに報告されている(GenBank accession number M64541)。
fucOを取得するためにエシェリヒア・コリMG1655株のゲノムDNAをテンプレートに用いて配列番号5(GCTCTAGACGGAGAAAGTCTTATGATGGCTAACAGAATGATTCTG)及び配列番号6(GTGAAGCTTGCATTTACCAGGCGGTATGG)に示すオリゴヌクレオチドを用いてPCR法で増幅し、得られたDNAフラグメントを制限酵素XbaI及びHindIIIで消化することで約1.2kbpのfucOフラグメントを得た。さらに、aldAを取得するためにエシェリヒア・コリMG1655株のゲノムDNAをテンプレートに用いて配列番号7(CGAATTCCGGAGAAAGTCTTATGTCAGTACCCGTTCAACATCC)及び配列番号8(GCTCTAGACTCTTTCACTCATTAAGACTG)に示すオリゴヌクレオチドを用いてPCR法で増幅し、得られたDNAフラグメントを制限酵素EcoRI及びXbaIで消化することで約1.5kbpのaldAフラグメントを得た。
さらに、グリセルアルデヒド3−リン酸脱水素酵素(GAPDH)プロモーターを取得するためエシェリヒア・コリMG1655株のゲノムDNAをテンプレートに用いて配列番号9(AACGAATTCTCGCAATGATTGACACGATTC)及び配列番号10(ACAGAATTCGCTATTTGTTAGTGAATAAAAGG)に示すオリゴヌクレオチドを用いてPCR法で増幅し、得られたDNAフラグメントを制限酵素EcoRIで消化することで約100bpのGAPDHプロモーターをコードするDNAフラグメントを得た。
上記の3つのDNAフラグメントと、プラスミドpUC18(東洋紡績社製)を制限酵素EcoRI及びHindIIIで消化することで得られるフラグメントを、リガーゼを用いて結合した後、エシェリヒア・コリDH5α株(東洋紡績社製)に形質転換し、アンピシリン50μg/mLを含むLB寒天プレートに生育する形質転換体を得た。得られたコロニーをアンピシリン50μg/mLを含むLB液体培地で、37℃で一晩培養し、得られた菌体からプラスミドを回収し、このプラスミドをpGAPfucO−aldAと命名した。
(製造例3)ラクトアルデヒドレダクターゼ、ラクトアルデヒドデヒドロゲナーゼ同時発現ベクターによる△glcDEF株形質転換体の構築
製造例2で得られたプラスミドpGAPfucO−aldAを製造例1で得られた△glcDEF株に形質転換し、アンピシリン50μg/mLを含むLB寒天プレートで、37℃で一晩培養することにより△glcDEF/pGAPfucO−aldA株を得た。
(実施例1)ラクトアルデヒドレダクターゼ、ラクトアルデヒドデヒドロゲナーゼ、NADHデヒドロゲナーゼ同時発現ベクターの構築と該ベクターによる△glcDEF株形質転換体の構築
エシェリヒア・コリのNADHデヒドロゲナーゼの遺伝子(以下、ndhと略することがある)の塩基配列はすでに報告されている(GenBank accession number V00306)。ndhを取得するためにエシェリヒア・コリMG1655株のゲノムDNAをテンプレートに用いて配列番号11(CGAATTCCGGAGAAAGTCTTATGACTACGGCATTGAAAAAGATTGTG)及び配列番号12(GGTCTAGACGATTAATGCAACTTCAAACG)に示すオリゴヌクレオチドを用いてPCR法で増幅することで約1.3kbpのndhフラグメントを得た。得られたndhフラグメントをT4DNAポリヌクレオチドキナーゼ処理した。
このDNAフラグメントと、製造例2で作成したpGAPfucO−aldAプラスミドをHindIIIで消化し、平滑末端処理、脱リン酸化処理を行ったフラグメントを混合し、リガーゼを用いて結合した後、エシェリヒア・コリDH5α株(東洋紡績社製)に形質転換し、アンピシリン50μg/mLを含むLB寒天プレートに生育する形質転換体を得た。得られたコロニーをアンピシリン50μg/mLを含むLB液体培地で、37℃で一晩培養し、得られた菌体からプラスミドを回収し、このプラスミドをpGAPfucO−aldA−ndhと命名した。得られたプラスミドpGAPfucO−aldA−ndhを製造例1で得られた△glcDEF株に形質転換し、アンピシリン50μg/mLを含むLB寒天プレートで、37℃で一晩培養することにより△glcDEF/pGAPfucO−aldA−ndh株を得た。
(実施例2)△glcDEF/pGAPfucO−aldA−ndh株によるグリコール酸生産
実施例1で得られた△glcDEF/pGAPfucO−aldA−ndh株を前培養として三角フラスコに入れたLB Broth,Miller培養液(Difco244620)25mLに植菌し、一晩、培養温度35℃、120rpmで攪拌培養を行った。前培養液全量を、以下に示す組成の培地475gの入った1L容の培養槽(ABLE社製培養装置BMJ−01)に移し、培養を行った。培養は大気圧下、通気量0.5L/min、撹拌速度800rpm、培養温度35℃、pH7.2(NH水溶液で調整)で行った。前記の条件で最初のグルコースが完全に枯渇した後、残りの時間を培地中のグルコース濃度0.1g/L未満となるような可変速度でグルコースを全量で40g供給した。
<培地組成>
ポリペプトン:7g/L
グルコース:30g/L
ニコチン酸:0.1g/L
FeSO:0.09g/L
HPO:2g/L
KHPO:2g/L
MgSO・7HO:2g/L
(NHSO:5g/L
溶媒:水
培養開始後24時間の菌体を遠心分離(8000rpm、20分間)により集菌した。集菌後の湿菌体を4.5g秤量し、エチレングリコール65gと共に蒸留水に懸濁し最終液量を500mlとした。懸濁液をABLE社製培養装置BMJ−01の培養槽に移し70時間反応を行った。反応は大気圧下、通気量0.25L/min、撹拌速度550rpm、反応温度35℃、pH7.2(NH水溶液で調整)で行った。得られた反応液中のグリコール酸蓄積量を、日立製作所製高速液体クロマトグラフィーを用い、以下の設定にて定量した。
カラム:ULTRON PS−80H(信和化工社製)
溶離液:過塩素酸水溶液(pH2.1)
流速:1.0mL/min
検出器:UV検出器測定波長:280nm
また、湿菌体の一部を50℃で乾燥させた後の乾燥重量から、反応に使用した菌体の乾燥菌体重量を求めた。△glcDEF/pGAPfucO−aldA−ndh株において乾燥菌体1gあたり39.8gのグリコール酸を生産していた。
また、△glcDEF/pGAPfucO−aldA−ndh株の生育速度は、比較例1における△glcDEF/pGAPfucO−aldA株と同様のものであり、ndhの強化による生育の遅延が起きていないことが確認された。
(比較例1)△glcDEF/pGAPfucO−aldA株によるグリコール酸生産
製造例3で得られた△glcDEF/pGAPfucO−aldA株について実施例2と同様に培養およびグリコール酸生産を行った。△glcDEF/pGAPfucO−aldA株の乾燥菌体1gあたりのグリコール酸生産量は20.2gであった。
(参考例1)△glcDEF/pGAPfucO−aldA−ndh株、△glcDEF/pGAPfucO−aldA株における細胞内ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド含量の測定
△glcDEF/pGAPfucO−aldA−ndh株、および△glcDEF/pGAPfucO−aldA株について実施例2と同様に培養およびグリコール酸生産を行った。
グリコール酸生産時の△glcDEF/pGAPfucO−aldA−ndh株および△glcDEF/pGAPfucO−aldA株について、一定時間においてサンプリングを行い、それぞれの菌株について2本の微量遠沈管に1mLずつサンプリングし、4℃で遠心、集菌した。2本の遠沈管のうち1本をNAD測定、1本をNADH測定に使用し、それぞれ以下の処理を行った。
NAD測定用のサンプルには、集菌した湿菌体1.5mgあたり400μLの0.04mol/Lの塩酸水溶液を加え懸濁した。懸濁液を90℃で3分加熱の後、氷上で急冷した。この処理液の上清を用い、以下に示す組成の反応液を作成した。なお、1mol/LTris−HClとしてpH9.0のものを用いた。またアルコールデヒドロゲナーゼとしてSIGMA社製アルコールデヒドロゲナーゼ(A3263)を10mmol/LのTris−HCl(pH8.8)で溶解し、400ユニット/mL(ただし1ユニットはpH8.8、25℃の条件下、1分間に1μmolのエタノールをアセトアルデヒドに変換するのに必要な酵素量)としたものを使用した。反応液の450nmにおける吸光度をテトラカラーワン(生化学工業社製)のプロトコールに従って測定した。なおSIGMA社製NADの溶液について同様の処理を施したものを測定することにより検量線を作成し、サンプルのNAD濃度を求めた。
NADH測定用のサンプルには、集菌した湿菌体1.5mgあたり400μLの0.04mol/Lの水酸化カリウム水溶液を加え懸濁した。懸濁液を90℃で3分加熱の後、氷上で急冷した。この処理液の上清を用い、以下に示す組成の反応液を作成した。なお1mol/LTris−HClとしてpH8.8のものを用いた。またアルコールデヒドロゲナーゼとしてSIGMA社製アルコールデヒドロゲナーゼ(A3263)を10mmol/LのTris−HCl(pH8.8)で溶解し、400ユニット/mL(ただし1ユニットはpH8.8、25℃の条件下、1分間に1μmolのエタノールをアセトアルデヒドに変換するのに必要な酵素量)としたものを使用した。
反応液の450nmにおける吸光度をテトラカラーワン(生化学工業社製)のプロトコールに従って測定した。なお、SIGMA社製NADHの溶液について、同様の処理を施したものを測定することにより検量線を作成し、サンプルのNADH濃度を求めた。図1は、この時のNADH/NAD比(NADH含量/NAD含量)を示す。横軸は反応時間(hr)、縦軸はNADH/NAD比(NADH含量/NAD含量)を示している。
△glcDEF/pGAPfucO−aldA−ndh株において常にNADH/NAD比の値が小さく、NADHからNADを再生していることが示された。
<反応液組成>
サンプル上清:25μL
1mol/L Tris−HCl:25μL
25%エタノール:10μL
純水:20μLテトラカラーワン(生化学工業社製):10μL
アルコールデヒドロゲナーゼ:10μL
本発明のヒドロキシカルボン酸の生産方法および微生物は、ポリマー原料や医薬中間体として有用なグリコール酸等のヒドロキシカルボン酸類の製造に用いることができる。

Claims (2)

  1. エシェリヒア・コリを用いてエチレングリコールからグリコール酸を生産する方法において、
    エシェリヒア・コリ由来のラクトアルデヒドレダクターゼおよびラクトアルデヒドデヒドロゲナーゼをコードする遺伝子をエシェリヒア・コリに導入することによりラクトアルデヒドレダクターゼおよびラクトアルデヒドデヒドロゲナーゼの酵素活性を強化し、かつ、前記エシェリヒア・コリのグリコール酸オキシダーゼ活性を不活性化またはエシェリヒア・コリ本来のグリコール酸オキシダーゼ活性よりも低減し、
    さらに、エシェリヒア・コリ由来のNADHデヒドロゲナーゼをコードする遺伝子をエシェリヒア・コリに導入することによりNADHデヒドロゲナーゼの活性を強化した組換え微生物を用いることを特徴とするグリコール酸の生産方法。
  2. エシェリヒア・コリ由来のラクトアルデヒドレダクターゼおよびラクトアルデヒドデヒドロゲナーゼをコードする遺伝子をエシェリヒア・コリに導入することによりラクトアルデヒドレダクターゼおよびラクトアルデヒドデヒドロゲナーゼの酵素活性を強化し、
    前記エシェリヒア・コリのグリコール酸オキシダーゼ活性を不活性化または前記エシェリヒア・コリ本来のグリコール酸オキシダーゼ活性よりも低減し、かつ、
    エシェリヒア・コリ由来のNADHデヒドロゲナーゼをコードする遺伝子を前記エシェリヒア・コリに導入することによりNADHデヒドロゲナーゼの活性を強化した組換え微生物。
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