JPWO2013099551A1 - 硫酸コバルトの製造方法 - Google Patents
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Abstract
Description
このニッケルやコバルトを製錬するには様々な方法があるが、乾式法と呼ばれる鉱石を還元剤と共に炉に入れる製錬方法では、コバルトはニッケルと分離されずにそのままステンレスの原料となるフェロニッケルに製錬されるために、コバルトのロスとなり、好ましくない。
特に硫酸を用いて浸出した場合、浸出に時間を要するので設備規模が拡大し、さらにメタルを回収した後に発生した硫酸を系外に払い出さなければプロセスの硫酸バランスが維持できず、一方で上記の硫化焙焼に必要な硫黄を供給する必要があるなどの課題があった。
この方法を用いると塩化物による硫化物の浸出は、迅速に進むので設備が比較的コンパクトで済む利点がある他に、硫化物を塩化物で浸出した後に浸出残渣として得られる硫黄を、硫化剤の原料として繰り返すことができ、さらに塩化物浴による電解採取は硫酸浴よりも伝導度が高いために電解電力の節減が可能であり、またコバルトメタルを回収した後の塩化物イオンを再度浸出工程に繰り返すことができるなど、効率的であり、コストや手間の節約になるメリットが知られている。
特に、硫酸コバルトは、近年では2次電池などの材料として多量に用いられるようになってきているが、電池向けの硫酸コバルトには、電池特性の確保や安全性の確保のためにスペックがあり、中でも硫酸コバルト結晶中の塩化物イオンは、一般に0.1%以下のレベルに維持することが必要とされている。
このコバルトを分離できる抽出剤として、ホスホン酸やホスフィン酸などの抽出剤が知られている。そのホスホン酸やホスフィン酸の具体的なものとして、2−エチルヘキシルホスホン酸モノ2−エチルヘキシルエステル、ジ−(2,4,4−トリメチルペンチル)ホスフィン酸は、コバルトの抽出性が良好なことから一般に使われている。
しかしながら、コバルトを含有する塩化物溶液には、カルシウム、マグネシウム、ナトリウムなどの不純物も共存している。これら不純物の上記の抽出剤における抽出挙動は、コバルトの抽出挙動と似た性質を持っており、コバルトを含有する溶液からカルシウム、マグネシウム、ナトリウムなどの不純物を除去することは困難であった。
この方法は、銅の塩化物と、アルカリ及び/又はアルカリ土類金属の塩化物とを含有する酸性水溶液から、陽イオン交換型抽出剤を用いて溶媒抽出により銅を回収する方法で、溶媒抽出を硫酸イオンの存在下で行う。硫酸ナトリウム、硫酸マグネシウム、硫酸カルシウム、硫酸カリウム及び硫酸アンモニウムよりなる群から選択される硫酸化合物を該酸性水溶液に添加し、硫酸イオンの含有量を10〜100g/Lの範囲とする。
しかし、コバルトを主として含有する溶液からカルシウム、マグネシウム、ナトリウムのような不純物を工業的に効果的に容易に分離する方法は見出されていなかった。
(1)抽出剤を10〜30体積%の割合で含有する抽出溶媒と、コバルトを含有する塩化物溶液とを、pHが4.0〜5.0の範囲で接触させ、コバルトを含有する塩化物溶液からコバルトを抽出して、コバルト保持有機相を形成する第1工程。
(2)第1工程で得られたコバルト保持有機相と、コバルトを含む洗浄液とを混合することによって、コバルト保持有機相に含まれる不純物を、コバルトを含む洗浄液中に移行させた洗浄後コバルト保持有機相を形成する第2工程。
(3)第2工程で得られた洗浄後コバルト保持有機相に、逆抽出始液として希硫酸をpHが0.5〜1.0の範囲になるように添加して、洗浄後コバルト保持有機相と希硫酸を接触させることによって、硫酸コバルト溶液を生成する第3工程。
(1)カルシウム、マグネシウム、ナトリウム濃度の低い、高純度な硫酸コバルトを製造できる。
(2)塩化浴を利用する効率の良い製錬方法を使いながら低塩化物品位の硫酸コバルトが得られる。
本発明の溶媒抽出工程は、具体的には以下の3つの工程から構成される。
第1工程では抽出剤本体を10〜30体積%、望ましくは15〜25体積%の濃度で含有するように希釈した抽出溶媒と、コバルト、カルシウム、マグネシウム、ナトリウムなどの不純物を含有する塩化物溶液とを、pHが4.0〜5.0の範囲で接触させ、コバルトを抽出してコバルト保持有機相を得る抽出工程である。なお、pHは抽出中にも測定しながら添加調整して所定範囲を維持する。
抽出剤の量が10体積%未満では、同じ抽出始液量に対して必要な有機溶媒量が多くなる為に設備の大型化が必要となり、30体積%を超える濃度では、希釈後の有機溶媒の粘性が高く油水分離不良が起こりやすくなり、安定操業が困難となる。
第2工程では、第1工程で得たコバルト保持有機相と、予めコバルトを含む洗浄液とを混合し、コバルト保持有機相に含まれるカルシウムイオン、マグネシウムイオン、及びナトリウムイオンを、コバルトを含む洗浄液中に移行し、コバルトと分離する洗浄工程である。
第3工程では、第2工程で得られた洗浄後コバルト保持有機相と逆抽出始液である希硫酸とを、pHが0.5〜1.0の維持した範囲で接触させ、硫酸コバルト溶液を得る逆抽出工程である。
図1から、コバルトの抽出率を確保するには、pHが4.0以上であることが必要である。しかし、マグネシウムなどの不純物元素の抽出率も増加するので、コバルトの抽出と不純物の分離性から考え、pHは4.3〜4.7の範囲とすることが望ましい。
図2から、液量の容積比の増加に伴い各成分の抽出率は増加し、液量の容積比4.0では、コバルトの抽出率は約90%となる。
この第1工程(抽出工程)では、有機溶媒(O)と水溶液(A0)の液量の容積比は5.0以上必要であり、且つ設備の大型化を避ける為には、有機溶媒(O)と水溶液(A0)の液量の容積比は小さいほうが望ましい。このことから、最適な液量の容積比は5.0〜7.0の範囲が良い。なお、第1工程(抽出工程)における水溶液(A0)は、コバルトを含有する塩化物溶液(A0)である。
そこで、カルシウムの洗浄効率を95%よりも高い洗浄効率を得るには、液量の容積比(O/A1)は5〜10の範囲が望ましいことがわかる。
以下、実施例を用いて本発明を説明する。
使用したミキサーセトラーは、ミキサーセトラーのミキサー部の有効容量は0.5リットル、セトラー部の有効容量は3リットルの物を使用した。
第2工程(洗浄工程)は、有機溶媒が1段目のミキサーから入り3段目のセトラーから出るが、水溶液は有機溶媒中の不純物の洗浄効率を向上させる為に、コバルトを含む洗浄液として硫酸コバルト溶液を用い、洗浄工程の各段のミキサーに注入し、各段のセトラー出口から排出するように行った。
なお、本発明により得た硫酸コバルト溶液中の塩化物イオン濃度は、0.1g/L未満であり、コバルトとの存在比率から硫酸コバルト結晶中の塩化物品位は0.02%以下に抑制された。
実施例1と同じ表3に示す塩化コバルト溶液を用い、表4の溶媒抽出条件を用いて硫酸コバルト溶液(終液)を作製した。その結果を表3に併せて示す。
比較例1では、第1工程の抽出溶媒とコバルトを含有する塩化物溶液との接触時のpHの値が本発明の範囲より低いために、コバルトの抽出もやや増加するが、カルシウム、マグネシウムなどの不純物は簡単に抽出されやすくなる為に逆抽出液中の不純物濃度が高くなっているのがわかる。
表4に示す溶媒抽出条件が本発明の範囲外の条件であること以外は、実施例1と同様にして硫酸コバルトを作製した。その結果を表3に併せて示す。
この比較例2では、抽出剤の濃度が30%を超えて高いために、有機溶媒中のコバルト濃度の上限値は上がるが、同時に不純物も有機溶媒中に簡単に抽出される為、得られる硫酸コバルト溶液の品質が悪化してしまう結果となる。なお、比較例2とは逆に抽出剤の濃度が低すぎる場合には、得られる硫酸コバルト溶液は、コバルト濃度が低下すると共に不純物濃度も低下するために、コバルトに対する不純物の割合はあまり変化しなかったが、コバルト濃度が低いことから生産性の低下を余儀なくされた。
このニッケルやコバルトを製錬するには様々な方法があるが、乾式法と呼ばれる鉱石を還元剤と共に炉に入れる製錬方法では、コバルトはニッケルと分離されずにそのままステンレスの原料となるフェロニッケルに製錬されるために、コバルトのロスとなり、好ましくない。
特に硫酸を用いて浸出した場合、浸出に時間を要するので設備規模が拡大し、さらにメタルを回収した後に発生した硫酸を系外に払い出さなければプロセスの硫酸バランスが維持できず、一方で上記の硫化焙焼に必要な硫黄を供給する必要があるなどの課題があった。
この方法を用いると塩化物による硫化物の浸出は、迅速に進むので設備が比較的コンパクトで済む利点がある他に、硫化物を塩化物で浸出した後に浸出残渣として得られる硫黄を、硫化剤の原料として繰り返すことができ、さらに塩化物浴による電解採取は硫酸浴よりも伝導度が高いために電解電力の節減が可能であり、またコバルトメタルを回収した後の塩化物イオンを再度浸出工程に繰り返すことができるなど、効率的であり、コストや手間の節約になるメリットが知られている。
特に、硫酸コバルトは、近年では2次電池などの材料として多量に用いられるようになってきているが、電池向けの硫酸コバルトには、電池特性の確保や安全性の確保のためにスペックがあり、中でも硫酸コバルト結晶中の塩化物イオンは、一般に0.1%以下のレベルに維持することが必要とされている。
このコバルトを分離できる抽出剤として、ホスホン酸やホスフィン酸などの抽出剤が知られている。そのホスホン酸やホスフィン酸の具体的なものとして、2−エチルヘキシルホスホン酸モノ2−エチルヘキシルエステル、ジ−(2,4,4−トリメチルペンチル)ホスフィン酸は、コバルトの抽出性が良好なことから一般に使われている。
しかしながら、コバルトを含有する塩化物溶液には、カルシウム、マグネシウム、ナトリウムなどの不純物も共存している。これら不純物の上記の抽出剤における抽出挙動は、コバルトの抽出挙動と似た性質を持っており、コバルトを含有する溶液からカルシウム、マグネシウム、ナトリウムなどの不純物を除去することは困難であった。
この方法は、銅の塩化物と、アルカリ及び/又はアルカリ土類金属の塩化物とを含有する酸性水溶液から、陽イオン交換型抽出剤を用いて溶媒抽出により銅を回収する方法で、溶媒抽出を硫酸イオンの存在下で行う。硫酸ナトリウム、硫酸マグネシウム、硫酸カルシウム、硫酸カリウム及び硫酸アンモニウムよりなる群から選択される硫酸化合物を該酸性水溶液に添加し、硫酸イオンの含有量を10〜100g/Lの範囲とする。
しかし、コバルトを主として含有する溶液からカルシウム、マグネシウム、ナトリウムのような不純物を工業的に効果的に容易に分離する方法は見出されていなかった。
(1)抽出剤を10〜30体積%の割合で含有する抽出溶媒と、コバルトを含有する塩化物溶液とを、pHが4.0〜5.0の範囲で接触させ、コバルトを含有する塩化物溶液からコバルトを抽出して、コバルト保持有機相を形成する第1工程。
(2)第1工程で得られたコバルト保持有機相(O)と、コバルトを含む洗浄液(A 1 )を、それぞれの液量の容積比(O/A 1 )が5.0〜10.0に維持され、pHが4.0〜4.5の範囲に維持されて、混合することによって、コバルト保持有機相に含まれる不純物を、コバルトを含む洗浄液中に移行させた洗浄後コバルト保持有機相を形成する第2工程。
(3)第2工程で得られた洗浄後コバルト保持有機相に、逆抽出始液として希硫酸をpHが0.5〜1.0の範囲になるように添加して、洗浄後コバルト保持有機相と希硫酸を接触させることによって、硫酸コバルト溶液を生成する第3工程。
(1)抽出剤を10〜30体積%の割合で含有する抽出溶媒(O)と、前記コバルトを含有する塩化物溶液(A 0 )とを、pHが4.0〜5.0の範囲で接触させ、それぞれの液量の容積比(O/A 0 )が5.0〜7.0の範囲に維持され、前記コバルトを含有する塩化物溶液からコバルトを抽出して、コバルト保持有機相を形成する第1工程。
(2)前記第1工程で得られたコバルト保持有機相と、コバルトを含む洗浄液とを混合することによって、前記コバルト保持有機相に含まれる不純物を、前記コバルトを含む洗浄液中に移行させた洗浄後コバルト保持有機相を形成する第2工程。
(3)前記第2工程で得られた洗浄後コバルト保持有機相に、逆抽出始液として希硫酸をpHが0.5〜1.0の範囲になるように添加して、前記洗浄後コバルト保持有機相と希硫酸を接触させることによって、硫酸コバルト溶液を形成する第3工程。
(1)カルシウム、マグネシウム、ナトリウム濃度の低い、高純度な硫酸コバルトを製造できる。
(2)塩化浴を利用する効率の良い製錬方法を使いながら低塩化物品位の硫酸コバルトが得られる。
本発明の溶媒抽出工程は、具体的には以下の3つの工程から構成される。
第1工程では抽出剤本体を10〜30体積%、望ましくは15〜25体積%の濃度で含有するように希釈した抽出溶媒と、コバルト、カルシウム、マグネシウム、ナトリウムなどの不純物を含有する塩化物溶液とを、pHが4.0〜5.0の範囲で接触させ、コバルトを抽出してコバルト保持有機相を得る抽出工程である。なお、pHは抽出中にも測定しながら添加調整して所定範囲を維持する。
抽出剤の量が10体積%未満では、同じ抽出始液量に対して必要な有機溶媒量が多くなる為に設備の大型化が必要となり、30体積%を超える濃度では、希釈後の有機溶媒の粘性が高く油水分離不良が起こりやすくなり、安定操業が困難となる。
第2工程では、第1工程で得たコバルト保持有機相と、予めコバルトを含む洗浄液とを混合し、コバルト保持有機相に含まれるカルシウムイオン、マグネシウムイオン、及びナトリウムイオンを、コバルトを含む洗浄液中に移行し、コバルトと分離する洗浄工程である。
第3工程では、第2工程で得られた洗浄後コバルト保持有機相と逆抽出始液である希硫酸とを、pHが0.5〜1.0の維持した範囲で接触させ、硫酸コバルト溶液を得る逆抽出工程である。
図1から、コバルトの抽出率を確保するには、pHが4.0以上であることが必要である。しかし、マグネシウムなどの不純物元素の抽出率も増加するので、コバルトの抽出と不純物の分離性から考え、pHは4.3〜4.7の範囲とすることが望ましい。
図2から、液量の容積比の増加に伴い各成分の抽出率は増加し、液量の容積比4.0では、コバルトの抽出率は約90%となる。
この第1工程(抽出工程)では、有機溶媒(O)と水溶液(A0)の液量の容積比は5.0以上必要であり、且つ設備の大型化を避ける為には、有機溶媒(O)と水溶液(A0)の液量の容積比は小さいほうが望ましい。このことから、最適な液量の容積比は5.0〜7.0の範囲が良い。なお、第1工程(抽出工程)における水溶液(A0)は、コバルトを含有する塩化物溶液(A0)である。
そこで、カルシウムの洗浄効率を95%よりも高い洗浄効率を得るには、液量の容積比(O/A1)は5〜10の範囲が望ましいことがわかる。
以下、実施例を用いて本発明を説明する。
使用したミキサーセトラーは、ミキサーセトラーのミキサー部の有効容量は0.5リットル、セトラー部の有効容量は3リットルの物を使用した。
第2工程(洗浄工程)は、有機溶媒が1段目のミキサーから入り3段目のセトラーから出るが、水溶液は有機溶媒中の不純物の洗浄効率を向上させる為に、コバルトを含む洗浄液として硫酸コバルト溶液を用い、洗浄工程の各段のミキサーに注入し、各段のセトラー出口から排出するように行った。
なお、本発明により得た硫酸コバルト溶液中の塩化物イオン濃度は、0.1g/L未満であり、コバルトとの存在比率から硫酸コバルト結晶中の塩化物品位は0.02%以下に抑制された。
実施例1と同じ表3に示す塩化コバルト溶液を用い、表4の溶媒抽出条件を用いて硫酸コバルト溶液(終液)を作製した。その結果を表3に併せて示す。
比較例1では、第1工程の抽出溶媒とコバルトを含有する塩化物溶液との接触時のpHの値が本発明の範囲より低いために、コバルトの抽出もやや増加するが、カルシウム、マグネシウムなどの不純物は簡単に抽出されやすくなる為に逆抽出液中の不純物濃度が高くなっているのがわかる。
表4に示す溶媒抽出条件が本発明の範囲外の条件であること以外は、実施例1と同様にして硫酸コバルトを作製した。その結果を表3に併せて示す。
この比較例2では、抽出剤の濃度が30%を超えて高いために、有機溶媒中のコバルト濃度の上限値は上がるが、同時に不純物も有機溶媒中に簡単に抽出される為、得られる硫酸コバルト溶液の品質が悪化してしまう結果となる。なお、比較例2とは逆に抽出剤の濃度が低すぎる場合には、得られる硫酸コバルト溶液は、コバルト濃度が低下すると共に不純物濃度も低下するために、コバルトに対する不純物の割合はあまり変化しなかったが、コバルト濃度が低いことから生産性の低下を余儀なくされた。
Claims (7)
- コバルトを含有する塩化物溶液から硫酸コバルトを生成する硫酸コバルトの製造方法において、
コバルトを含有する塩化物溶液を、以下の第1工程から第3工程からなる溶媒抽出工程で処理することによって硫酸コバルトを生成する硫酸コバルトの製造方法。
(1)抽出剤を10〜30体積%の割合で含有する抽出溶媒と、前記コバルトを含有する塩化物溶液とを、pHが4.0〜5.0の範囲で接触させ、前記コバルトを含有する塩化物溶液からコバルトを抽出して、コバルト保持有機相を形成する第1工程。
(2)前記第1工程で得られたコバルト保持有機相と、コバルトを含む洗浄液とを混合することによって、前記コバルト保持有機相に含まれる不純物を、前記コバルトを含む洗浄液中に移行させた洗浄後コバルト保持有機相を形成する第2工程。
(3)前記第2工程で得られた洗浄後コバルト保持有機相に、逆抽出始液として希硫酸をpHが0.5〜1.0の範囲になるように添加して、前記洗浄後コバルト保持有機相と希硫酸を接触させることによって、硫酸コバルト溶液を形成する第3工程。 - 前記抽出剤が、酸性燐酸エステル系抽出剤であることを特徴とする請求項1記載の硫酸コバルトの製造方法。
- 前記第1工程におけるコバルト保持有機相(O)とコバルトを含有する塩化物溶液(A0)の液量の容積比(O/A0)が、5.0〜7.0の範囲に維持されることを特徴とする請求項1又は2に記載の硫酸コバルトの製造方法。
- 前記第2工程における前記コバルト保持有機相(O)と前記コバルトを含む洗浄液(A1)の液量の容積比(O/A1)が、5.0〜10.0に維持され、
pHを4.0〜4.5の範囲に維持して、前記コバルト保持有機相中に含まれる不純物イオンを、前記コバルトを含む洗浄液に移行させること特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の硫酸コバルトの製造方法。 - 前記第3工程により得られる硫酸コバルト溶液中のコバルト濃度が、60〜100g/Lの範囲に維持されるように、前記コバルト保持有機相に添加する逆抽出始液の含有硫酸量を調整することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の硫酸コバルトの製造方法。
- 前記不純物が、カルシウム、マグネシウム、ナトリウムイオンのうちいずれか1種類以上であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の硫酸コバルトの製造方法。
- 前記コバルトを含有する塩化物溶液が、ニッケルを含有する硫化物を塩化物と塩素ガスで浸出して得られるニッケルとコバルトを含有する塩化物溶液を、溶媒抽出によって分離して得た溶液であることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の硫酸コバルトの製造方法。
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