JPWO2013072967A1 - 磁場計測装置およびその製造方法 - Google Patents

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Abstract

ガスセル内の圧力制御をより容易とし、または、特別な工程を用いずにガスセルの内圧を検査しうる磁場計測装置を提供するため、磁場計測装置において、磁場計測装置の加工層を、第1の空洞部(200)、および第1の空洞部に対し第1分離壁(400)を介して設けられる第2の空洞部(201)とを有する構造とする。または、磁場計測装置の製造方法において、アルカリ金属を発生させる工程の後に、第1分離壁を破壊する工程を有する(図17、図20)。

Description

本発明は、磁場計測装置の構造、特に光ポンピング磁力計のガスセルの構造と、当該装置の製造方法に関する。
小型に集積化した高感度の光ポンピング磁力計が開発されており、本技術分野の背景技術として、非特許文献1がある。
非特許文献1に記載されている光ポンピング磁力計のガスセルは、貫通穴(cavity)を形成したシリコン基板の両面をガラス基板で接合し、当該貫通穴にアルカリ金属ガス原子を発生する塩化ルビジウム(RbCl)と、緩衝ガスである窒素ガスを発生するアジ化バリウム(BaN)を封止した、ガラス・シリコン・ガラスの3層構造からなる。
このガスセルを用いた磁力計は、以下のように動作する。ガスセル内に封止したアルカリ金属ガス原子に、円偏光したポンプ光を照射する事によって、光ポンピング法でアルカリ金属ガス原子をスピン偏極させる。次に、ポンプ光と直行する方向に直線偏光したプローブ光を照射し、ファラデー回転と呼ばれる磁気光学効果によって、プローブ光の偏光面を回転させる。偏光面は、プローブ光の光路に垂直な方向の静磁場強度に比例した角度だけ回転するため、ガスセルを通過したプローブ光の偏光面の角度を光検出器で検出する事で磁場強度を計測する事ができる。
また、同様のガスセルを用いて実現できる磁力計として、光磁気二重共鳴型光ポンピング磁力計、もしくはMx型光ポンピング磁力計と呼ばれる磁力計がある。光磁気二重共鳴型光ポンピング磁力計は、以下のように動作する。ガスセル内に封止したアルカリ金属ガス原子に、円偏光したレーザ光を照射する事によって、光ポンピング法でアルカリ金属ガス原子をスピン偏極させる。スピン偏極したアルカリ金属ガス原子は、ガスセル内の静磁場強度に比例した周波数で歳差運動する。この時、歳差運動の周波数と同じ周波数のRF磁場をガスセルに印加すると、ガスセルを通過する光は光磁気二重共鳴により共鳴ピークを示す。この共鳴ピークを光検出器で検出し、印加しているRF磁場の周波数(歳差運動の周波数に相当)から換算する事で、静磁場強度を計測する事ができる。
上記のように、光ポンピング磁力計では、いずれの磁場計測方法においても、アルカリ金属ガスのスピン偏極状態とそれに対応して生じる光学情報の変化を利用して、磁場計測を行っている。そのため、光ポンピング磁力計では、アルカリ金属ガス原子のスピン偏極状態を長く保持する事が重要である。係る課題を解決するため、非特許文件1では、ガスセル内に、アルカリ金属ガス原子に加え、窒素ガス等の非磁性ガスや希ガス等(緩衝ガスと呼ばれる)を封止する方法が記載されている。アルカリ金属ガス原子がスピン偏極状態を保持する時間は、封止した緩衝ガスの圧力に依存する。
また、光ポンピング磁力計では、ガスセル内を通過する光を検出する事で磁場計測を行っている。そのため、光が通過する領域の光透過率が悪化し、検出する信号レベルが低下しないように、ルビジウム等のアルカリ金属固体やアジ化バリウム等のガスセル内に封止した化合物が、当該領域に付着する事を防がなければならない。係る課題を解決するため、非特許文献1では、当該ガスセル内に3mm×2mm×1mmの2つの貫通穴と当該貫通穴間を連結する1mm×0.1mm×1mmの細い通路を形成し、一方の貫通穴に塩化ルビジウム、およびアジ化バリウムを封止する事によって、磁場計測用の光が通過するもう一方の貫通穴に未反応残留物やアルカリ金属が拡散しにくい構造が記載されている。
W.Clark Griffith, Svenja Knappe, and John Kitching, "Femtotesla atomic magnetometry in a microfabricated vapor cell", Optics Express 18, 27167-27172 (2010)
非特許文献1記載のガスセルでは、貫通穴に封止した塩化ルビジウムとアジ化バリウムを密閉後に加熱し、化学反応させる事でルビジウムガスと窒素ガスを発生させている。しかしながら、化学反応の生成物として緩衝ガスを発生させるプロセスでは、ガスセル内の定量的な圧力制御が困難であり、製造した磁力計の磁場計測性能がばらつく事が考えられる。そのため、製造仕様の圧力からずれて製造されたガスセルにおいても、レーザ等の光学系部品やコイル等の磁気系部品を組み合わせて磁力計を構築するまで磁場計測性能が検査できない、もしくはガスセル毎に別途構築した性能評価システム等の測定系で検査する等の手間のかかる工程を追加する必要があるという課題がある。ガスセル内の圧力を直接計測する方法としては、ガスセルの破壊検査を行う事が考えられるが、破壊工程や検査工程が必要な事に加えて、検査後にはガスセルとして使用できなくなり、上述の課題を解決するものではない。
また、アジ化バリウム等の未反応残留物やガス化されないアルカリ金属固体が磁場計測用の光が通過する領域に付着すると、当該光の通過が妨げられるため、前記の磁場計測に必要な偏光面の回転角や共鳴ピークに関する信号検出感度が悪化し、磁場計測性能が低下するという課題もある。
係る課題に対し非特許文献1のように、アルカリ金属固体や化合物を封止する貫通穴と光が通過する貫通穴を細い通路で分離しても、細い通路を介して発生する拡散を完全に防止する事はできない。そのため、磁力計の磁場計測感度が高くなった時に、磁場計測用の光が通過する領域に拡散した微量のアルカリ金属固体や化合物による磁場計測感度の悪化は防止できない。
さらに、当該構造を用いた場合においても、特にアルカリ金属ガス、および緩衝ガスを発生させる加熱等の処理時に、アルカリ金属ガス、および緩衝ガスを発生させる物質を封止している貫通穴の温度を、光が通過するもう一方の貫通穴の温度より低くなるように制御する必要もある。これは、アルカリ金属ガス発生時に室温の飽和蒸気圧以上にガス化したアルカリ金属ガス原子が、より温度の低い領域で固体化し、付着するためである。
以上の問題点に鑑み、本発明の目的は、ガスセル内の圧力制御をより容易とし、または、特別な工程を用いずにガスセルの内圧を検査しうる磁場計測装置またはその製法を提供することにある。あるいは、本発明の別の目的は、より高感度に磁場を検出しうる磁場計測装置またはその製法を提供することにある。
本願において開示される発明のうち、代表的なものの概要を説明すれば、第1に、磁場計測装置であって、第1の封止部材と、第2の封止部材と、第1の封止部材および第2の封止部材によって封止される加工層と、を有し、加工層は、アルカリ金属ガスが封入される第1の空洞部と、第1の空洞部に対し第1分離壁を介して設けられる第2の空洞部とを有することを特徴とする。
第2に、磁場計測装置の製造方法であって、第1の封止部材と、第2の封止部材と、第1の封止部材および第2の封止部材によって封止される加工層とを有し、加工層に、第1分離壁を介して設けられる第1の空洞部と第2の空洞部とを有する磁場計測装置の製造方法であって、
(a)第1の空洞部に、アルカリ金属ガスを発生させる工程と、
(b)工程(a)の後に、第1の空洞部の内部の圧力により第1分離壁に発生する応力を破壊限界応力よりも高くすることで、第1分離壁の一部を破壊する工程と、を有することを特徴とする。
第3に、磁場計測装置の製造方法であって、第1の封止部材と、第2の封止部材と、第1の封止部材および第2の封止部材によって封止される加工層とを有し、加工層は、第1加工部材と第2加工部材が積層された構造からなり、第1加工部材の内部および第2加工部材の内部に第1の空洞部が設けられ、第1加工部材の内部に第1分離壁を介して第2の空洞部が設けられる磁場計測装置の製造方法であって、
(a)第2の空洞部に、アルカリ金属ガスを発生させる工程と、
(b)工程(a)の後に、第1分離壁を破壊する工程とを有することを特徴とする。
本発明によれば、ガスセル内の圧力制御をより容易とし、または、特別な工程を用いずにガスセルの内圧を検査しうる磁場計測装置またはその製法を提供しうる。あるいは、より高感度に磁場を検出しうる磁場計測装置またはその製法を提供しうる。
本発明の第1の実施例に係る光ポンピング磁力計ガスセルの模式的上面図である。 第1の実施例に係るガスセルの模式的断面図である。 (a)(b)は、第1の実施例に係るガスセル内の圧力検査システムである。 (a)(b)(c)(d)(e)は、第1の実施例に係るガスセルの作製フロー図である。 (a)(b)は、第1の実施例に係るガスセルの模式的上面図である。 (a)(b)(c)は、第1の実施例に係るガスセルの模式的断面図である。 (a)(b)(c)(d)は、第1の実施例に係るガスセルの作製フロー図である。 (a)(b)(c)(d)(e)(f)は、第1の実施例に係るガスセルの作製フロー図である。 第1の実施例に係るガスセルの模式的上面図である。 第1の実施例に係るガスセルの模式的断面図である。 (a)(b)は、第1の実施例に係るガスセル内の圧力検査システムである。 第1の実施例に係るガスセルの模式的上面図である。 第1の実施例に係るガスセルの模式的断面図である。 (a)(b)(c)は、第1の実施例に係るガスセルの作製フロー図である。 第2の実施例に係るガスセルの模式的上面図である。 第2の実施例に係るガスセルの模式的断面図である。 (a)(b)(c−1)(c−2)は、第2の実施例に係るガスセルの作製フロー図である。 第2の実施例に係るガスセルの模式的上面図である。 第2の実施例に係るガスセルの模式的断面図である。 (a)(b)(c)は、第2の実施例に係るガスセルの作製フロー図である。 第3の実施例に係るガスセルの模式的上面図である。 第3の実施例に係るガスセルの模式的断面図である。 第3の実施例に係る磁気計測装置の概略図である。 第3の実施例に係る磁気計測装置の概略図である。
以下に、本発明に係る磁場計測装置およびその製造方法について、実施の形態および図面を参照しつつ説明する。
<基本構成>
図1は、本実施例1に係る磁場計測装置(ガスセル)の模式的上面図であり、図2はそのA−A’断面における模式的断面図である。図1、2において、分かり易さのため、空洞200の一部を200aと表記した。また、図1においては、分かり易さのため封止部材102を省略している(以下、模式的上面図において同じ)。空洞200aは特に、基板100の未加工部分の下部の領域、および空洞201の下部の領域を示している。
図2のガスセルは、加工層110を封止部材102および103によって封止した構造をもつ。加工層110は、空洞部200および201が設けられる領域であり、図2の構造においては特に、加工部材100および101の2層構造からなる。
図2のガスセルは、その上で、下から順に封止部材103、加工部材101、加工部材100、封止部材102を配置した、封止部材・加工部材・加工部材・封止部材の4層からなる構成である。封止部材102、および封止部材103は、磁場計測用レーザの波長帯の光に対して透明な材料であればよく、例えばガラス等を用いる。加工部材100、および加工部材101は、少なくとも1つ以上の貫通穴、もしくは未貫通穴、もしくはその両方が加工されており、例えばシリコン基板等を用いる。加工部材100と加工部材101に形成された貫通穴によって、空洞部200が構成されており、この空洞部200は封止部材102、および封止部材103を用いて封止されている。これに対し、加工部材100に形成された未貫通穴によって空洞部201が構成され、この空洞部201は封止部材102を用いて封止されている。
空洞200には、アルカリ金属源300が封止されている。アルカリ金属源300は、固体または液体である。各空洞内は、封止部材102と103によって密閉されており、その雰囲気は、例えば真空、窒素ガス、ヘリウム等の希ガス、もしくはその混合ガス雰囲気下となっている。また、空洞200内と201内の雰囲気が異なっていてもよい。図1、および図2では、空洞200、および201の形状は四角形であるが、他の多角形や曲線で構成された形状でも構わない。空洞200と201は、加工部材100の未貫通部(分離壁400)によって分離され、互いに分離壁400を介して設けられている。
図1、2に係るガスセルは、磁場計測用のレーザ光を封止部材102、空洞200、および封止部材103を介して、空洞200内に封止されているアルカリ金属ガスに照射することで、磁場を計測することが可能である。
図3は、ガスセルの空洞200内の圧力を検査するための検査システムを模式的に表した図である。図3に係るガスセルは、圧力検査用のレーザ光を封止部材102と空洞201、あるいは封止部材103と空洞200を介して分離壁400に照射することで、空洞200内の圧力を検査することが可能である。その理由を以下で述べる。
以下では、一例として空洞200内、および空洞201内が真空封止されている場合について説明する。空洞200内に封止されるアルカリ金属源300は、アルカリ金属ガスを発生させる物質であればよい。例えば、アルカリ金属源300としてアルカリ金属を含む化合物等を用い、熱処理や光照射、化学反応等を行う事で、空洞200内にアルカリ金属ガスを発生させることができる。当該ガス発生後、空洞200内はアルカリ金属ガス、あるいはアルカリ金属ガスと緩衝ガスが充満し、空洞201内は真空に保たれた状態となっている。
そのため、空洞200と空洞201を分離している分離壁400には、空洞200内で発生した当該ガスの圧力や分離壁400の形状や壁厚に応じて、応力がかかる。その結果、分離壁400は、空洞200から空洞201方向にたわみ、変形や破損が生じる。
分離壁400にたわみが発生する場合、空洞200内で発生させる当該ガス量を増加させれば、空洞200内の圧力が上昇し、分離壁400にかかる応力も増加するため、たわみが大きくなる。たわみ量は、構造力学の四辺支持等分布荷重モデルを用いて計算する事ができ、分離壁400にかかる荷重に比例する。本実施例の場合には、空洞200と空洞201の圧力差に比例して、たわみ量が変化する。例えば、分離壁400が短辺2mm、長辺4mm、壁厚100μmの直方体形状で、空洞200内が100kPa、空洞201内が真空に保たれている場合、分離壁400には、約24MPaの最大曲げ応力がかかり、約1.4μmのたわみが生じると予測される。そのため、分離壁400のたわみ量を測定する事によって、空洞200内の圧力を検査する事が可能である。たわみ量の測定は、例えば、封止部材102を介して分離壁400にレーザ光を照射し、反射してきたレーザ光の光路長を光路長測定システム500で測定する事で、評価する事ができる(図3)。なお、レーザ光は、封止部材103を介して、反対側から照射しても構わない。
また、空洞200内が特定の圧力以上になった場合、分離壁400が破損するように分離壁形状や壁厚を設計しておけば、分離壁400の破損の有無で空洞200内の圧力を検査する事も考えられる。例えば、分離壁400が短辺2mm、長辺4mm、壁厚10μmの直方体形状で、空洞200内が100kPa、空洞201内が真空に保たれている場合、分離壁400には、約2.4GPaの最大曲げ応力がかかると考えられるため、当該空洞間の圧力差によって分離壁400の破壊強度相当の応力を印加する事が可能である。
以上をまとめると、本実施例に係る磁場計測装置は、第1の封止部材(102)と、第2の封止部材(103)と、第1の封止部材および第2の封止部材によって封止される加工層(110)と、を有し、加工層は、アルカリ金属ガスが封入される第1の空洞部(200)と、第1の空洞部に対し第1分離壁(400)を介して設けられる第2の空洞部(201)とを有することを特徴とする。
係る構造によって、ガスセル作製後に磁場計測性能の測定やガスセルの破壊検査を行わずに、容易に空洞内の圧力を検査する事ができる。
また、図2の構造はさらに、加工層が第1加工部材(100)と第2加工部材(101)が積層された構造からなり、第2の空洞部は第1加工部材の内部に設けられ第1の封止部材によって封止されるのに対し、第1の空洞部は第1加工部材および第2加工部材の内部に設けられ、第1の封止部材および第2の封止部材で封止されることを特徴とする。
係る特徴によって、加工部材100と101の間に分離壁400を形成することが可能となるため、分離壁400の面積や形状を比較的自由に設計することが可能となり、その結果、測定可能な圧力範囲が広くなる効果がある。さらに、平面方向に分離壁400が形成されることとなるため、壁厚を均一に形成しやすい効果がある。
また、図2の構造においては、アルカリ金属が封入されない空洞部201は単一である。このように、単一の空洞201のみを形成する場合には、ガスセルの検査に用いる空洞201の面積を小さくできる効果もある。
<ガスセルの製造方法>
次に、図4を用いて、本実施例を行うためのガスセルの製造方法について説明する。図4(a)−(e)は、本実施例に係るガスセルの製造方法である。
本実施例では、一例として加工部材100と加工部材101にシリコン基板を、封止部材102と封止部材103にガラスを用いる。まず、加工部材100上に形成したマスク材104にリソグラフィ等を用いて、空洞201のパターンを形成し、エッチング等で加工を行う(図4(a))。例えば、マスク材には酸化シリコンを用い、四フッ化ケイ素ガスを用いたドライエッチングで未貫通穴を形成する。未貫通穴の断面形状は、垂直でなくてもよく、斜めの断面形状や段差があっても構わない。そのため、水酸化カリウム水溶液等を用いたウェットエッチングやレーザやドリル等での加工を行う事も可能である。
次に、空洞201を加工した加工部材100上に再形成したマスク材104にリソグラフィ等を用いて、空洞200のパターンを形成し、エッチング等で貫通穴を形成する(図4(b))。ここで、空洞200と201の形成順序は問わないため、空洞201の未貫通穴より先に空洞200を形成してもよい。または、同時に形成してもよい。
次に、加工部材101上に形成したマスク材105にリソグラフィ等を用いて、空洞200のパターンを形成し、エッチング等で貫通穴を形成する(図4(c))。
次に、このように加工された加工部材100と101を接合する(図4(d))。例えば、シリコン基板を用いる場合には、熱接合により接合する方法がある。この時、空洞200を形成する領域には、加工部材と垂直方向に貫通しているレーザ光が透過するための領域が存在していればよく、加工部材100と加工部材101の貫通穴側面部の接続が必ずしも連続的に滑らかである必要はない。つまり、加工部材100と加工部材101の接続部で段差が形成されていても構わない。
最後に、封止部材102と封止部材103を、アルカリ源300が空洞200内に内包された状態で接合し、空洞200と201を密閉する(図4(e))。例えば、シリコン基板とホウケイ酸ガラスを用いる場合には、陽極接合で接合する事ができる。この時、接合時の雰囲気を制御すれば、空洞200、および201内を真空や窒素ガス、希ガス雰囲気下等に調整する事もできる。空洞200内と空洞201内を異なる雰囲気や圧力で封止する場合には、封止部材102と封止部材103の接合の順番を調整すればよい。例えば、空洞200内を窒素ガス雰囲気下、空洞201内を真空雰囲気下で封止する場合、最初に封止部材102を真空雰囲気下で接合し、空洞201内を真空封止した後に、封止部材103を窒素ガス雰囲気下で接合し、空洞200内に窒素ガスを封止すれば実現できる。窒素ガス等の非磁性ガスやヘリウムガス等の希ガスを封止すると緩衝ガスとして作用し、アルカリ金属ガスのスピン散乱を抑制する効果がある。また、空洞内が密閉されていればよいため、接着剤等を用いて封止部材を接合する事もできる。このような製造手順で、図1、2に示したガスセルを実現できる。
<空洞部201を複数設ける変形例およびその製造方法>
図5、6において、空洞部201を複数設ける変形例について説明する。図5(a)、(b)は、本実施例に係るガスセルの模式的上面図である。図5(a)では変形例のうち、各空洞201の面積が異なる例を示す。図5(b)では変形例のうち、各空洞201を分離している分離壁400の壁厚が異なる例を示す。
図6(a)、(b)、(c)は、図5(a)、(b)中のA−A’あるいはA’’−A’’’、 B−B’、およびC−C’断面における模式的断面図である。図5、6において、分かり易さのため、空洞200の一部を200aと表記した。空洞200aは特に、基板100の未加工部分の下部の領域、および空洞201の下部の領域を示している。
空洞200と空洞201は、それぞれ加工部材100の未貫通部(分離壁400)によって、分離されている。ただし、各空洞201の面積や形状のいずれか、もしくはその両方がそれぞれ異なっている(図5)。また、各空洞201を分離している分離壁400の面積や形状、壁厚のいずれか1つ、もしくは複数がそれぞれ異なっている(図5、図6)。
以下に、分離壁400の面積や壁厚が異なる複数の空洞201を有するガスセルの効果について説明する。一例として、空洞200および空洞201は真空封止されている場合を考える。
当該ガスセルには、空洞200内にアルカリ金属源300が封止されており、例えばアルカリ金属を含む化合物等を用い、熱処理や光照射、化学反応等によりアルカリ金属ガスを発生させる。アルカリ金属ガス発生後、空洞200内はアルカリ金属ガス、あるいはアルカリ金属ガスと緩衝ガスが充満し、各空洞201内は真空に保たれた状態となっている。そのため、図3に記載したように各分離壁にはたわみ等の変形や破損が生じる。ただし、空洞200内の圧力が同じでも、各分離壁400によって変形による変位量や破損の有無が異なる。これは、各分離壁400を異なる面積や形状、壁厚で形成しているため、同一荷重下において各分離壁400に付与される応力が異なるからである。具体的には、空洞200内の圧力(荷重)と分離壁400の壁厚、および形状が同じ場合には、分離壁400の面積が大きいほど、その変位量や分離壁にかかる最大応力が増加する。また、空洞200内の圧力と分離壁400の面積、および形状が同じ場合には、壁厚が厚いほど、その変位量や分離壁にかかる最大応力は減少する。そのため、ガスセル内に様々な面積や壁厚を有する分離壁400(空洞201)を形成する事で、アルカリ金属ガス発生後に各分離壁400の変位量や破損の有無が異なるガスセルを製造できる。そのため、各分離壁の面積や壁厚を適切に設計し、それぞれの状態を比較する事で空洞200内の圧力をより正確に検査する事ができる。
例えば、例えばアルカリ金属源300からアルカリ金属ガスと緩衝ガスを発生させ、空洞200内の圧力を仕様225kPa、許容公差25kPaで制御したい場合について説明する。
この時、例えば図5記載の3つの空洞201を有するガスセルにおいて、空洞200内の圧力が200kPaとなった時に、面積が最も大きい、あるいは壁厚が最も薄い分離壁400が破損するように設計しておく。同様に、2番目に面積が大きい、あるいは壁厚が薄い分離壁400は、空洞200内の圧力が225kPaとなった時に破損し、最も面積が小さい、あるいは壁厚が厚い分離壁400は、空洞200内の圧力が250kPaとなった時に破損するように設計しておく。その結果、200kPaで破損するように設計した分離壁400が破損し、250kPaで破損するように設計した分離壁400が破損していない状態となるように、アルカリ金属ガスおよび緩衝ガスの発生工程を制御する事で、空洞200内の圧力を仕様圧力の200kPa以上250kPa以下に制御する事が可能となる。すなわち、空洞201を複数形成する事で各分離壁400の破損の有無を確認するだけの検査で、空洞200内の圧力をより正確に知る事が可能となる。これにより、化学反応の生成物として緩衝ガスを発生させる工程を用いても、個々のガスセルの圧力を正確に制御・検査できる効果がある。
このように、本変形例に係る磁場計測装置は、加工層が第1の空洞部に対し、第2分離壁を介して設けられる第3の空洞部をさらに有し、第2分離壁は、所定の圧力が印加された際の応力が第1分離壁とは異なることを特徴とする。
この構造は、図1の構造と比較して、以下に述べる効果がある。図1のように空洞201を単一にした場合は、破損の有無のみの確認で空洞200内の圧力範囲までを知る事はできず、変形による変位量の検査から導出しなければならない。これに対し、空洞201を複数形成し、分離壁の面積や壁厚の設計を変更する事で、上述の例以外の圧力範囲でガスセル内の圧力を制御したり、より詳細な条件で検査したりする事が可能となる。
図7(a)−(d)は、面積の異なる複数の分離壁400の製造方法である。以下に、一例として加工部材100と加工部材101にシリコン基板を、封止部材102と封止部材103にガラスを用いた場合について説明する。
まず、加工部材100上に形成したマスク材104にリソグラフィ等を用いて、面積の異なる空洞201のパターンをそれぞれ形成し、エッチング等で加工を行う(図7(a))。本工程は、図4(a)の工程で面積の異なる複数の未貫通穴を同時に形成する事に相当する。例えば、マスク材には酸化シリコンを用い、四フッ化ケイ素ガスを用いたドライエッチングで未貫通穴を形成できる。未貫通穴の断面形状は、垂直でなくてもよく、斜めの断面形状や段差があっても構わない。そのため、水酸化カリウム水溶液等を用いたウェットエッチングやレーザやドリル等での加工を行う事も可能である。図7(a)の後、もしくは前の工程において、加工部材100のA−A’上(図5(a)、図6(a))では、図4(b)と同様の工程で貫通穴が形成される。ただし、加工部材101のB−B’上では変化がないため、図7では省略している。
次に、加工部材101上に形成したマスク材105にリソグラフィ等を用いて、空洞200のパターンを形成し、エッチング等で貫通穴を形成する(図7(b))。
次に、このように加工された加工部材100と加工部材101を接合する(図7(c))。接合方法は、図4(d)と同様である。この時、空洞200と空洞201を分離している分離壁400の面積は、分離壁400ごとに異なっている。各空洞201間の距離は、例えば1mm以上とするなど、分離壁400の壁厚と比較して十分に厚くする事が望ましい。
最後に、封止部材102と封止部材103をアルカリ金属源300が空洞200内に内包された状態で接合し、空洞200と201を密閉する(図7(d))。例えば、シリコン基板とホウケイ酸ガラスを用いる場合には、陽極接合による接合方法がある。この時、接合時の雰囲気を制御すれば、各空洞内を真空や窒素ガス、希ガス雰囲気下等に調整する事もできる。
このような工程で作製すれば、分離壁400の面積が異なる空洞201を複数有するガスセルを形成する事ができる。
図8(a)−(f)は、壁厚の異なる複数の分離壁400の製造方法である。以下に、一例として加工部材100と加工部材101にシリコン基板を、封止部材102と封止部材103にガラスを用いた場合について説明する。
まず、封止部材100上に形成したマスク材104にリソグラフィ等を用いて、所望の面積の空洞201のパターンを形成し、エッチング等で加工を行う(図8(a))。図7(a)と同様に、マスク材には酸化シリコンを用い、四フッ化ケイ素ガスを用いたドライエッチングで加工する事ができる。
次に、図8(a)で加工した加工部材100上に再形成したマスク材104にリソグラフィ等を用いて、空洞201のパターンを2箇所形成し、図8(a)と同様にして、エッチング等で加工を行う(図8(b))。図8(b)の工程で加工する空洞201の内の1つは、図8(a)で加工した空洞201と同じにする。これにより、空洞201の内の1つは再度加工される事となり、未貫通穴をより深く形成する事ができる。
次に、空洞201のパターンを3箇所に形成し、図8(b)と同様の方法で加工深さの異なる3つの空洞201を形成する(図8(c))。図8では、一例として加工深さの異なる3つの空洞201を形成する場合について説明したが、2箇所、もしくは3箇所以上を加工する事もできる。また、未貫通穴の断面形状は、垂直でなくてもよく、斜めの断面形状や段差があっても構わない。そのため、水酸化カリウム水溶液等を用いたウェットエッチングやレーザやドリル等での加工でもよい。
図8(a)の前、もしくは図8(c)の後、もしくは図8(a)−(c)の間の工程において、加工部材100のA−A’上(図5(b)、図6(a))では、図4(b)と同様の工程で貫通穴が形成される。ただし、加工部材100のC−C’上では加工部材100に変化がないため、図8では省略している。
次に、加工部材101上に形成したマスク材105にリソグラフィ等を用いて、空洞200のパターンを形成し、エッチング等で貫通穴を形成する(図8(d))。
このように加工された加工部材100と加工部材101は、図7(c)と同様の手法で接合する事ができる(図8(e))。この時、空洞200と空洞201を分離している分離壁400の壁厚は、分離400壁ごとに異なっている。
最後に、アルカリ金属源300を空洞200内に内包した状態で封止部材102と封止部材103を接合し、空洞200と201を密閉する(図8(f))。
このような工程で作製すれば、分離壁厚が異なる空洞201を複数有するガスセルを形成する事ができる。
<加工層が加工部材1層からなる変形例およびその製造方法>
図9は、ガスセルの模式的上面図であり、図10はそのA−A’断面における模式的断面図である。図9のガスセルでは、加工層110は加工部材100の1層構造からなる。
図9のガスセルは、その上で、下から順に封止部材103加工部材100、封止部材102を配置した、封止部材・加工部材・封止部材の3層からなる構成である。封止部材102、および封止部材103は、磁場計測用レーザの光に対して透明な材料であればよく、例えばガラス等を用いる。加工部材100は、少なくとも2つ以上の貫通穴が加工されており、例えばシリコン基板等を用いる。
加工部材100に形成された貫通穴によって、空洞200と空洞201が構成されており、この空洞200と空洞201は封止部材102、および封止部材103を用いて封止されている。また、空洞201は、加工部材100に形成された分離壁400によって、空洞200と分離されている。図9では、空洞200、および201の形状は四角形であるが、他の多角形や曲線で構成された形状でも構わない。
空洞200には、アルカリ金属源300が封止されている。アルカリ金属源300は、図1と同様である。各空洞内は、封止部材102と封止部材103によって密閉されており、その雰囲気は、例えば真空に保たれている。空洞200内と201内は窒素ガス等の他の雰囲気であってもよく、互いに雰囲気が異なっていてもよい。
図9、10に係るガスセルは、磁場計測用のレーザ光を封止部材102、空洞200、および封止部材103を介して、空洞200内に封止されているアルカリ金属ガスにレーザ光を照射することで、磁場を計測することが可能である。
図11(a)(b)は、ガスセルの空洞200内の圧力を検査するための検査システムを模式的に表した図である。図11に係るガスセルは、圧力検査用のレーザ光を封止部材102と空洞201、あるいは封止部材103と空洞201を介して分離壁400に照射することで、空洞200内の圧力を検査することが可能である。その理由を以下で述べる。
以下では、一例として空洞200内、および空洞201内が真空封止されている場合について説明する。空洞200内に封止されるアルカリ金属源300を用いて、アルカリ金属ガスおよび緩衝ガス発生後、空洞200内はアルカリ金属ガス、あるいはアルカリ金属ガスと緩衝ガスが充満し、空洞201内は真空に保たれた状態となっている(図11(a))。
そのため、分離壁400に空洞200内で発生した当該ガスの圧力や分離壁400の形状や壁厚に応じて、応力がかかる。その結果、分離壁400は、空洞200から空洞201方向にたわみ、図11(b)のように変形が生じる。そのため、図1、2、3を用いて記載した方法と同様に、分離壁400のたわみ量を測定する事によって、空洞200内の圧力を検査する事できる。
たわみ量の測定は、光源501からガラス基板102を介してレーザ光を照射し、ガスセルを透過するレーザ光の強度を光検出器502で測定する。たわんだ分離壁400と光源501から生じた光が交差している場合には、光が反射し、光検出器502には検出されない。そのため、分離壁400の変位方向に光源501を走査する事で、アルカリ金属ガスおよび緩衝ガス発生による分離壁400の変位量を評価する事ができる(図11)。この時、光源501と光検出器502の位置を入れ替え、ガラス基板103を介してレーザ光を照射してもよい。また、レーザ光を分離壁400の変位方向と反対方向に走査する、あるいは走査せずに固定しておいてもよい。
また、空洞200内が特定の圧力以上になった場合、分離壁400が破損するように分離壁形状や壁厚を設計しておけば、分離壁400の破損の有無で空洞200内の圧力を検査する事もできる。
このように、本変形例に係る磁場計測装置は、第1の空洞部および第2の空洞部が、第1の封止部材および第2の封止部材によって封止されることを特徴とする。
このようなガスセル構造では、空洞201が貫通穴で形成されているため、空洞200を形成する貫通穴と同時に形成できる効果がある。
また、図5と同様に分離壁400の面積や壁厚がそれぞれ異なっている複数の空洞201を有するガスセルを用いる事もできる。図12は、ガスセルの加工部材100における模式的上面図であり、図13はそのA−A’断面における模式的断面図である。
このようなガスセル構造では、各分離壁400の面積や壁厚を調整する事で、図5、6と同様の圧力検査が可能となる。
図14を用いて、図9−13に係るガスセルの製造方法について説明する。図14では、一例として加工部材100にシリコン基板を、封止部材102と封止部材103にガラスを用いる。
まず、加工部材100上に形成したマスク材104にリソグラフィ等を用いて、空洞200および空洞201のパターンをそれぞれ形成し、エッチング等で加工を行う(図14(a))。
次に、図9、10記載のガスセル構造の場合は空洞201を1箇所に、図12、13記載のガスセル構造の場合は空洞201を複数箇所に形成する。空洞201を複数箇所に形成する時は、加工部材100内に形成される各分離壁400の面積や壁厚が異なるように加工する(図14(b))。加工部材100の加工は、図4(c)と同様である。また、分離壁400の断面形状は垂直である事が望ましいが、形状が制御できれば必ずしも垂直でなくてもよい。そのため、水酸化カリウム水溶液等を用いたウェットエッチングやレーザやドリル等での加工を行う事も可能である。各空洞201間の距離は、分離壁400の壁厚と比較して、例えば数倍程度以上離れている事が望ましい。
最後に、封止部材102と封止部材103は、アルカリ金属源300を空洞200内に内包した状態で接合し、空洞200と201を密閉する(図14(c))。接合方法や封止雰囲気は、図4記載の方法と同様である。
図15は、本実施例2に係るガスセルの模式的上面図であり、図16はそのA−A’断面における模式的断面図である。図15、16、において、分かり易さのため、空洞200の一部を200aと表記した。200aは、特に、加工部材100の未加工部分の下部の領域、および空洞201の下部の領域を示している。
図15のガスセルは、加工層110を封止部材102および103によって封止した構造をもつ。加工層110は、空洞200および202が設けられる領域であり、図15の構造では特に、加工部材100および101の2層構造からなる。
図15のガスセルは、その上で、下から順に封止部材103、加工部材101、加工部材100、封止基板102を配置した、封止部材・加工部材・加工部材・封止部材の4層からなる構成であり、ガスセルの構造は、実施例1記載の図1と同様である。ただし、アルカリ金属源300は、空洞200内ではなく空洞202内に封止されている。
また、実施例1と同様に、実施例2に係るガスセルも、磁場計測用のレーザ光を空洞200内に封止されているアルカリ金属ガスに照射することで、磁場を計測することが可能である。さらに、図15に係るガスセルは、磁場計測用のレーザ光が通過する空洞200がアルカリ金属源300、もしくはアルカリ金属固体によって汚染されることなく、空洞200内にアルカリ金属ガス、あるいはアルカリ金属ガスと緩衝ガスを充満させることができる効果がある。
図17(a)(b)(c−1)および(c―2)は、本実施例に係るガスセルの製造方法である。本実施例では、一例として加工部材100と加工部材101にシリコン基板を、封止部材102と封止部材103にガラスを用い、空洞200内と空洞202内が真空封止されている場合のガスセルの製造方法について説明する。
まず、実施例1記載の図4(a)−(d)と同様の工程で、基板100と基板101を接合する(図17(a))。
次に、封止部材102と封止部材103をアルカリ金属源300が空洞202に内包した状態で接合し、空洞200と空洞202を密閉する(図17(b))。接合方法は、実施例1記載の図4(e)と同様である。
空洞202内に封止されるアルカリ金属源300は、実施例1と同様であり、熱処理等を行う事でアルカリ金属ガス、もしくはアルカリ金属ガスと緩衝ガスを発生させ、空洞202内を加圧する。
当該ガス発生後、空洞200内は真空に保たれており、空洞202内はアルカリ金属ガス、あるいはアルカリ金属ガスと緩衝ガスが充満している。そのため、空洞200と空洞202を分離している分離壁400には、空洞200と空洞202の圧力差に応じて、応力がかかる。この時、空洞202内の圧力が上昇して所望の圧力に達した場合に、分離壁400が応力により破損するように分離壁の面積や壁厚を設計しておき、空洞202内を所望の圧力まで加圧する事で、分離壁400を破損させ、空洞200と空洞202を連結させる事ができる(図17(c−1))。これにより、空洞202内にアルカリ金属ガス発生時に生じる未反応残留物やアルカリ金属固体を保持した状態で、アルカリ金属ガス、および緩衝ガスのみを空洞200内に充満させる事が可能となる。そのため、空洞200内を通過する磁場計測用レーザの透過率が当該未反応残留物やアルカリ金属固体によって低下する事を防げる利点がある。ここで、一般にアルカリ金属ガスの飽和蒸気圧よりも、非磁性ガスまたは希ガスの飽和蒸気圧の方が高いため、空洞202内にアルカリ金属ガスとともに非磁性ガスまたは希ガスからなる第2のガスも発生させることで、その後の第2のガスの圧力上昇によって、より容易に分離壁の破損が可能となる。ここで、非磁性ガスまたは希ガスは緩衝ガスとして説明してきたが、他の目的のために封入されたものであっても良い。いずれにせよ、少なくとも空洞202の内部の圧力により分離壁400に発生する応力が破壊限界応力より高くなれば良い。
また、別の連結手法として、空洞202内にアルカリ金属ガス、および緩衝ガスを発生させた後に、高エネルギレーザを照射する事で分離壁400を破損し、空洞200と空洞202を連結させる事もできる(図17(c−2))。高エネルギレーザには、例えばYAGレーザの高調波等を用いることができる。
図17(c−1)で述べた、空洞202内の圧力を上昇させ分離壁400を破損させる製造方法は、図9,10で述べたガスセルに対して適用することも可能である。図18は、ガスセルの模式的上面図であり、図19は、そのA−A’断面における模式的断面図である。図18、19のガスセルの構造は、実施例1記載の図9、10と同様である。ただし、アルカリ金属源300は、空洞202内に封止されている。
磁場計測用のレーザ光は、空洞200内に封止されているアルカリ金属ガスに照射され、磁場を計測する。図18、19記載のガスセル構造は、加工層110を単一の加工部材100で形成し、図15、16記載のガスセルと同様の効果を実現するものである。
図20は、本実施例に係るガスセルの製造方法である。本実施例では、一例として加工部材100にシリコン基板を、封止部材102と封止部材103にガラスを用い、空洞200内と空洞202内が真空封止されている場合のガスセルの製造方法について説明する。
まず、実施例1記載の図14(b)と同様の工程で、少なくとも2つ以上の貫通穴を有する加工部材100を加工する(図20(a))。
次に、実施例1記載の図14(b)と同様の工程で、加工部材100を封止部材102、および封止部材103を用いて封止し、ガスセル内部に空洞200、202を形成する。ただし、アルカリ金属源300は、空洞202内に封止されている。
最後に、図17(c−1)に記載した方法と同様にアルカリ金属ガス、および緩衝ガスにより空洞202内を加圧し、分離壁400を破損する事で空洞200と空洞202を連結させる事ができる(図20(c))。
以上をまとめると、本実施例に係る磁場計測装置の製造方法のうち、図17(c−1)および図20(c)に係る製造方法は、特に、第1の封止部材と、第2の封止部材と、第1の封止部材および第2の封止部材によって封止される加工層とを有し、加工層に、第1分離壁を介して設けられる第1の空洞部と第2の空洞部とを有する磁場計測装置を製造する方法である。その上で、特に、(a)第1の空洞部に、アルカリ金属ガスを発生させる工程と、(b)工程(a)の後に、第1空洞部の内部の圧力により第1分離壁に発生する応力を破壊限界応力よりも高くすることで、第1分離壁の一部を破壊する工程と、を有することを特徴とする。
係る特徴にとって、第2の空洞部を通過する磁場計測用レーザの透過率が当該未反応残留物やアルカリ金属固体によって低下する事を防げる利点がある。さらに、図17(c−2)に係る製造方法と比較すると、高エネルギレーザを照射する等の特別の操作を行わずに、分離壁を破壊できる利点がある。
また、図17(c−2)に係る磁場計測装置の製造方法は、第1の封止部材と、第2の封止部材と、第1の封止部材および第2の封止部材によって封止される加工層とを有し、加工層は、第1加工部材と第2加工部材が積層された構造からなり、第1加工部材の内部および第2加工部材の内部に第1の空洞部が設けられ、第1加工部材の内部に第1分離壁を介して第2の空洞部が設けられる磁場計測装置の製造方法である。その上で、特に、(a)第2の空洞部に、アルカリ金属ガスを発生する工程と、(b)工程(a)の後に、第1分離壁を破壊する工程とを有することを特徴とする。
係る特徴にとって、第2の空洞部を通過する磁場計測用レーザの透過率が当該未反応残留物やアルカリ金属固体によって低下する事を防げる点は、上述の製造方法と同様である。その上で、図17(c−1)に係る磁場計測装置の製造方法と比較すると、第1の空洞部に過剰にアルカリ金属ガスや緩衝ガスを発生させなくても良い利点がある。
図21は、本実施例3に係わるガスセルの模式的上面図であり、図22はそのA−A’断面における模式的断面図である。
図21、22において、分かり易さのため、空洞200の一部を200aと表記した。200aは特に、加工部材100の未加工部分の下部の領域、および空洞201と空洞202の下部の領域を示している。
図21のガスセルは、加工層110を封止部材102および103によって封止した構造をもつ。加工層110は、空洞200、201および202が設けられる領域であり、図21の構造では特に、加工部材100および101の2層構造からなる。
図21のガスセルは、その上で、下から順に封止部材103、加工部材101、加工部材100、封止部材102を配置した、封止部材・加工部材・加工部材・封止部材の4層からなる構成である。加工部材100には、実施例1の図1、2記載の空洞201と実施例2の図15、16記載の空洞202が形成されている。すなわち、加工部材100と加工部材101に形成された貫通穴によって、空洞部200が構成されており、この空洞部200は封止部材102、および封止部材103を用いて封止されている。これに対し、加工部材100に形成された未貫通穴によって空洞部201と202が構成され、この空洞部201と202は封止部材102を用いて封止されている。封止部材102、封止部材103、分離壁400、およびアルカリ金属源300は、実施例1および実施例2と同様である。また、アルカリ金属源は空洞202内に封止されている。
図23に係るガスセルは、磁場計測用のレーザ光を空洞200内に封止されているアルカリ金属ガスに照射することで、磁場を計測することが可能となる。さらに、実施例1記載の効果と実施例2記載の効果の両方を実現することができる。その理由を以下で述べる。
図23のガスセルでは、当該ガスセル形成後に、空洞202内に封止されているアルカリ金属源300から熱処理等を行うことで、アルカリ金属ガス、もしくはアルカリ金属ガスと緩衝ガスを発生させる。
次に、実施例2記載の工程で空洞202に隣接している分離壁400を破損し、空洞200と空洞202を連結させることにより、空洞202内にアルカリ金属ガス発生時の未反応残留物やアルカリ金属固体を保持した状態で、アルカリ金属ガスと緩衝ガスのみを空洞200内に充満させる事が可能となる。そのため、当該未反応残留物やアルカリ金属固体による磁場計測用のレーザ光通過の妨げを防ぐことが可能である。
その後、実施例1に記載した方法で空洞201を分離している分離壁400の変形量や破損の有無を測定する事により、空洞200内に充満しているアルカリ金属ガスと緩衝ガスの圧力を検査することも可能である。すなわち、磁場計測用のレーザ光が通過する空洞200内にアルカリ金属ガス等を発生させた際に生じる未反応残留物やアルカリ金属固体が付着するという問題と当該空洞内の圧力を容易に検査する工程が必要であるという問題を同時に解決する事ができる。
図23は、実施例1−3記載のガスセルを用いた光磁気二重共鳴型光ポンピング磁力計の構成を示す模式的断面図である。本実施例では、一例として実施例2の図17(c−2)記載のガスセルを用いる。
本実施例に係る光ポンピング磁力計は、実施例1−3記載のいずれかを用いて製造したガスセルと、半導体レーザ600と光ファイバ606とコリメートレンズ601と偏光子602と波長板603と集光レンズ604と光検出器605からなる光学系と、静磁場印加用コイル607とRFコイル608からなる磁気系で構成される。
半導体レーザ600から照射されたレーザ光は、光ファイバ606を介して入射されるコリメートレンズ601で平行光に、偏光子602と波長板603で円偏光に変換される。変換されたレーザ光は、ガスセル内の空洞200に充満しているアルカリ金属ガスに照射される。静磁場用コイル607から発生した静磁場は、ガスセル内を透過するレーザ光に対して45度の角度で印加される。また、RFコイル608から発生したRF磁場は、静磁場印加方向と直交する方向に印加される。ガスセルを通過したレーザ光は、集光レンズ604で集光され、光ファイバ606を介して、光検出器605で検出される。
ただし、光ファイバ606を用いずに、半導体レーザ600からコリメートレンズ601に直接レーザ光を照射したり、半導体レーザ600をコリメートレンズ601上に配置したりしても構わない。同様に、光検出器605を集光レンズ604上に配置してもよい。また、半導体レーザ600から照射されるレーザ光は、円偏光に変換されればよい。そのため、光学系はレーザ光を円偏光に変換する構成であれば、半導体レーザ600、コリメートレンズ601、偏光子602、波長板603、および光ファイバ606のいずれかを省略したり、順番を入れ替えたり、新たに別の部品を挿入したりしてもよい。
当該ガスセルは、アルカリ金属源300が拡散して、レーザ光の透過が妨げられる事を防ぐ構造となっているため、アルカリ金属源300によるレーザ光の反射、散乱を抑える事ができる。これにより、ガスセル内で変調されたレーザ光を効率的に検出できるため、磁場検出感度を高める効果が得られる。
図24は、実施例1−3記載のガスセルを用いたファラデー回転型光ポンピング磁力計の構成を示す模式的断面図である。本実施例では、一例として実施例2の図17(c−2)記載のガスセルを用いる。
本実施例に係る光ポンピング磁力計は、本実施例1−3のいずれかを用いて製造したガスセルと、半導体レーザ600とコリメートレンズ601と偏光子602と波長板603と光検出器605からなる光学系と、静磁場印加用コイル607からなる磁気系で構成される。光学系には、図23と同様に光ファイバを挿入してもよい。
図24の左右方向を通過するポンプ光と、上下方向を通過するプローブ光を発生させるため、半導体レーザ600、コリメートレンズ601、偏光子602、および波長板603は2組用いる。図24では、ポンプ光とプローブ光は、直行するように記載しているが、アルカリ金属ガスが充満している空洞200内で交差するように照射されていれば、必ずしも直交していなくてもよい。ただし、図20の上下方向、および左右方向にレーザ光を照射するため、レーザ光の波長帯に対して透明な材質で作製したガスセルを使用する。例えば、加工部材100、および加工部材101のいずれか、もしくは両方にガラスを用いる。また、静磁場印加用コイル607は、図24の手前から奥の方向、もしくは奥から手前の方向に静磁場を印加するように配置されるが、見易さのため、図24では省略している。
ガスセルに照射されるポンプ光は、アルカリ金属の吸収線に対応する波長の円偏光である。当該ポンプ光は、半導体レーザ600から照射され、コリメートレンズ601で平行光に、偏光子602と波長板603で円偏光に変換され、空洞200内に充満しているアルカリ金属ガスのスピンの向きを揃えて、スピン偏極状態を形成する。
プローブ光は、一般にアルカリ金属の吸収線とは異なる波長の直線偏光である。当該プローブ光は、半導体レーザ600から照射され、コリメートレンズ601で平行光に、偏光子602と波長板603で直線偏光に変換される。当該プローブ光は、スピン偏極したアルカリ金属ガスが充満しているガスセルに入射すると、ファラデー効果によって、偏光面が回転する。その回転角は、ガスセル内の当該プローブ光と垂直な向きの磁場強度に比例するため、当該回転角を光検出器605で検出することによって、磁場を計測する事ができる。
半導体レーザ600から照射されるポンプ光、およびプローブ光が上述の偏光状態に変換される構成であれば、半導体レーザ600、コリメートレンズ601、偏光子602、および波長板603のいずれかを省略したり、順番を入れ替えたり、新たに別の部品を挿入したりしてもよい。
当該ガスセルは、アルカリ金属源300が拡散して、レーザ光の透過が妨げられる事を防ぐ構造となっているため、当該アルカリ金属源300によるポンプ光、およびプローブ光の反射、散乱を抑える事ができる。これにより、ポンプ光によるアルカリ金属ガスのスピン偏極状態の形成、およびプローブ光の偏光面の回転角の検出をより効率的に行う事ができるため、磁場検出感度を高める効果が得られる。
100 加工部材
101 加工部材
102 封止部材
103 封止部材
104 マスク材料
105 マスク材料
110 加工層
200 空洞
201 空洞
300 アルカリ金属源
400 分離壁
500 光路長測定システム
501 光源
502 光検出器
600 半導体レーザ
601 コリメートレンズ
602 偏光子
603 波長板
604 集光レンズ
605 光検出器
606 光ファイバ
607 静磁場印加用コイル
608 RF磁場印加用コイル

Claims (15)

  1. 第1の封止部材と、
    第2の封止部材と、
    前記第1の封止部材および前記第2の封止部材によって封止される加工層と、を有し、
    前記加工層は、
    アルカリ金属ガスが封入される第1の空洞部と、
    前記第1の空洞部に対し第1分離壁を介して設けられる第2の空洞部とを有することを特徴とする磁場計測装置。
  2. 請求項1において、
    前記加工層は、第1加工部材と、第2加工部材が積層された構造からなり、
    前記第2の空洞部は、前記第1加工部材の内部に設けられ、前記第1の封止部材によって封止され、
    前記第1の空洞部は、前記第1加工部材の内部および前記第2加工部材の内部に設けられ、前記第1の封止部材および前記第2の封止部材によって封止されることを特徴とする磁場計測装置。
  3. 請求項1において、
    前記第1の空洞部および前記第2の空洞部は、前記第1の封止部材および前記第2の封止部材によって封止されることを特徴とする磁場計測装置。
  4. 請求項1において、
    前記加工層は、前記第1の空洞部に対し、第2分離壁を介して設けられる第3の空洞部をさらに有し、
    第2分離壁は、所定の圧力が印加された際の応力が、前記第1分離壁とは異なることを特徴とする磁場計測装置。
  5. 請求項1において、
    前記第2の空洞部は、真空封止されていることを特徴とする磁場計測装置。
  6. 請求項1において、
    前記第1の封止部材および前記第2の封止部材は、前記アルカリ金属の吸収波長帯の光を透過する材料からなることを特徴とする磁場計測装置。
  7. 請求項6において、
    前記アルカリ金属の吸収波長帯の光を透過する材料は、ガラスであることを特徴とする磁場計測装置。
  8. 請求項1において、
    前記加工層は、非磁性材料からなることを特徴とする磁場計測装置。
  9. 請求項1において、
    前記非磁性材料は、シリコンであることを特徴とする磁場計測装置。
  10. 第1の封止部材と、第2の封止部材と、前記第1の封止部材および前記第2の封止部材によって封止される加工層とを有し、前記加工層に、第1分離壁を介して設けられる第1の空洞部と第2の空洞部とを有する磁場計測装置の製造方法であって、
    (a)前記第1の空洞部に、アルカリ金属ガスを発生させる工程と、
    (b)前記工程(a)の後に、前記第1の空洞部の内部の圧力により前記第1分離壁に発生する応力を破壊限界応力よりも高くすることで、前記第1分離壁の一部を破壊する工程と、を有することを特徴とする磁場計測装置の製造方法。
  11. 請求項10において、
    前記工程(a)において、前記アルカリ金属ガスとともに、非磁性ガスまたは希ガスからなる第2のガスを発生させ、
    前記工程(b)において、前記第2のガスの圧力を上昇させることで、前記第1の空洞部の圧力により前記第1分離壁に発生する応力を破壊限界応力よりも高くすることを特徴とする磁場計測装置の製造方法。
  12. 第1の封止部材と、第2の封止部材と、前記第1の封止部材および前記第2の封止部材によって封止される加工層とを有し、前記加工層は、第1加工部材と第2加工部材が積層された構造からなり、前記第1加工部材の内部および前記第2加工部材の内部に第1の空洞部が設けられ、前記第1加工部材の内部に第1分離壁を介して第2の空洞部が設けられる磁場計測装置の製造方法であって、
    (a)前記第2の空洞部に、アルカリ金属ガスを発生する工程と、
    (b)前記工程(a)の後に、前記第1分離壁を破壊する工程とを有することを特徴とする磁場計測装置の製造方法。
  13. 請求項12において、
    前記工程(b)において、レーザ光で前記第1分離壁を破壊することを特徴とする磁場計測装置の製造方法。
  14. 請求項12において、
    前記工程(b)において、前記第1空洞部の内部の圧力により前記第1分離壁に発生する応力を破壊限界応力よりも高くすることで、前記第1分離壁を破壊することを特徴とする磁場計測装置の製造方法。
  15. 請求項12において、
    前記工程(a)において、前記アルカリ金属ガスとともに、非磁性ガスまたは希ガスからなる第2のガスを発生させることを特徴とする磁場計測装置の製造方法。
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