JP5488351B2 - 表面プラズモン励起増強蛍光測定装置およびこれに用いられるセンサ構造体 - Google Patents
表面プラズモン励起増強蛍光測定装置およびこれに用いられるセンサ構造体 Download PDFInfo
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Description
そこで本出願人は、センサ構造体112を構成する金属薄膜104の膜厚の個体差による電場増強度のばらつきを補正し、測定精度や信頼性を高めたSPFS装置における測定データの補正方法を開発し、先に特許出願した(特許文献3。特願2010−181364号。以下「先願」という。)。
領域(A)については、上述した従来技術のセンサ構造体112におけるリガンド含有層106を有する領域(A)と同様の構造である。
上記の方法で得られた全反射蛍光シグナルSpと、電場増強蛍光シグナルSqとを、下記式(1)に代入してセンサ構造体112の電場増強度(R)を算出する。
また、このセンサ構造体112とは別に、このセンサ構造体112と同様の構成を有し、正規化の基準となるセンサ構造体112’(図示せず)を、上記したセンサ構造体112の場合と同一波長の励起光114を用いて、全反射蛍光シグナルSp’と、電場増強蛍光シグナルSq’とを測定し、上記式(1)と同じようにして電場増強度(R’)を算出する。
なお、図7に示したセンサ構造体112では、領域(P),領域(Q)および領域(A)が、同一の誘電体部材102上に一体的に形成されているがこれに限定されるものではない。
このため、領域(P)と領域(Q)用にそれぞれ光源116を用意することが考えられる。しかしながら、実際には光源116の周囲には偏光フィルターやビームエキスパンダーなどの各種光学装置(図示せず)が取り付けられているため、単に光源116を増やすことは設置スペースの関係からも難しい。他方、光源116を増やすことは装置を大型化させるとともにコスト高を招くおそれもある。
本発明のセンサ構造体は、
誘電体部材の上面に、金属薄膜を介することなく蛍光色素層が形成された全反射蛍光リファレンス領域(P)と、金属薄膜を介して蛍光色素層が形成された電場増強蛍光リファレンス領域(Q)と、を少なくとも備え、
前記領域(P)に形成された蛍光色素層と前記領域(Q)に形成された蛍光色素層とが、同一の蛍光色素からなり、
前記誘電体部材側から前記領域(P)と前記領域(Q)のそれぞれに対し、光源より全反射条件となる入射角で励起光が照射されるよう構成された表面プラズモン励起増強蛍光測定装置に用いられるセンサ構造体であって、
前記誘電体部材は、その上面に備えられた前記領域(P)と前記領域(Q)とが、列状に並んだ状態で形成されており、
さらに前記誘電体部材は、
前記センサ構造体と前記光源とを1軸方向にのみ相対移動させて前記光源から前記領域(P)と前記領域(Q)とに励起光を照射させた際に、前記領域(P)に照射される励起光の入射角(θp)と、前記領域(Q)に照射される励起光の入射角(θq)と、の調整が行われる入射角調整手段を、
有することを特徴とする。
前記入射角調整手段は、
前記領域(P)の下方と前記領域(Q)の下方に位置する前記誘電体部材のそれぞれの励起光入射面が、それぞれ異なる角度に形成されてなるものであることを特徴とする。
またこのような誘電体部材は、角度の異なる2種類の励起光入射面を有する誘電体部材を別々に製造し、これを組み合わせるだけで簡単に製造できるため構造も簡便である。
前記入射角調整手段は、
前記領域(P)の下方と前記領域(Q)の下方に位置するそれぞれの前記誘電体部材が、それぞれ異なる材質で構成されたものであることを特徴とする。
またこのような誘電体部材は、異なる2種類の材質からなる誘電体部材同士を組み合わせるだけで簡単に製造できるため、構造も簡便である。
前記誘電体部材は、
その上面に形成された前記領域(P)と前記領域(Q)と列状に並ぶように、さらに金属薄膜を介して特定物質を捕捉するリガンドが設けられたリガンド含有層を有するSPFSアッセイ領域(A)が形成され、
前記領域(A)に形成された金属薄膜が、前記領域(Q)に形成された金属薄膜と同一の金属材料から成るとともに同一の膜厚であることを特徴とする。
上記いずれかに記載のセンサ構造体を配設してなるとともに、前記センサ構造体と1軸方向にのみ相対移動可能な光源を少なくとも備えることを特徴とする。
したがって臨床検査への応用も可能である。
図1に示した本発明の第1の実施形態におけるセンサ構造体30Aとこれを用いたSPFS装置10は、まずセンサ構造体30Aにおいて、誘電体部材32の上面に、金属薄膜34を介することなく蛍光色素層36が形成された全反射蛍光リファレンス領域(P)と、金属薄膜34を介して蛍光色素層36が形成された電場増強蛍光リファレンス領域(Q)と、を備えている。領域(P)と領域(Q)に形成された蛍光色素層36は、同一の蛍光色素から成るものである。
そして誘電体部材32には、領域(P)と領域(Q)の下方に位置する励起光入射面38,40が、それぞれ異なる角度に形成されている。
このように本実施形態におけるSPFS装置10およびセンサ構造体30Aでは、光源12を新たに設ける必要もなく、SPFS装置10を必要以上に大型化することもなく、製造コストも極力抑えることができる。
次に本発明の第2の実施形態について、図3を用いて説明する。
図3に示したセンサ構造体30Bとこれを用いたSPFS装置10は、図1に示した第1の実施形態のセンサ構造体30Aとこれを用いたSPFS装置10と基本的には同じ構成であるので、同じ構成部材には同じ参照番号を付してその詳細な説明を省略する。
このため、領域(A)の誘電体部材32の励起光入射面42は、領域(Q)の誘電体部材32の励起光入射面40と同じ角度に設定されている。
次に、本発明の第3の実施形態について、図4を用いて説明する。
次に、本発明の第4の実施形態について、図5を用いて説明する。
図5に示したセンサ構造体30Dは、図1に示した第1の実施形態のセンサ構造体30Aと基本的には同じ構成であるので、同じ構成部材には同じ参照番号を付してその詳細な説明を省略する。
さらにこのように別々に形成した誘電体部材32e,32fと誘電体部材32g,32hとを図5(b)に示したように積層することにより、センサ構造体30Dが構成される。
このような構造を有するセンサ構造体30Dは、励起光14の入射角に応じて組合せを変えることが容易となるため、いろいろな条件の構造を容易に作り出すことができるとともに板状の誘電体部材32g,32hを繰り返し使用することができるため、汎用性も高く製造コストも抑えることができる。
12・・・光源
14・・・励起光
16・・・移動手段
18・・・反射光
30A〜30D・・・センサ構造体
32・・・誘電体部材
32a〜32h・・・誘電体部材
34・・・金属薄膜
36・・・蛍光色素層
38・・・励起光入射面
40・・・励起光入射面
42・・・励起光入射面
44・・・リガンド含有層
P・・・全反射蛍光リファレンス領域
Q・・・電場増強蛍光リファレンス領域
A・・・SPFSアッセイ領域
θp・・入射角
θq・・入射角
θa・・入射角
Sp・・全反射蛍光シグナル
Sq・・電場増強蛍光シグナル
Sa・・SPFS蛍光シグナル
100・・・表面プラズモン励起増強蛍光測定装置(SPFS装置)
102・・・誘電体部材
104・・・金属薄膜
106・・・リガンド含有層
108・・・流路
112・・・センサ構造体
114・・・励起光
116・・・光源
118・・・反射光
120・・・受光手段
122・・・蛍光
124・・・光検出手段
126・・・集光部材
128・・・波長選択機能部材
130・・・蛍光色素層
132・・・アナライト
134・・・蛍光物質
Claims (5)
- 誘電体部材の上面に、金属薄膜を介することなく蛍光色素層が形成された全反射蛍光リファレンス領域(P)と、金属薄膜を介して蛍光色素層が形成された電場増強蛍光リファレンス領域(Q)と、を少なくとも備え、
前記領域(P)に形成された蛍光色素層と前記領域(Q)に形成された蛍光色素層とが、同一の蛍光色素からなり、
前記誘電体部材側から前記領域(P)と前記領域(Q)のそれぞれに対し、光源より全反射条件となる入射角で励起光が照射されるよう構成された表面プラズモン励起増強蛍光測定装置に用いられるセンサ構造体であって、
前記誘電体部材は、その上面に備えられた前記領域(P)と前記領域(Q)とが、列状に並んだ状態で形成されており、
さらに前記誘電体部材は、
前記センサ構造体と前記光源とを1軸方向にのみ相対移動させて前記光源から前記領域(P)と前記領域(Q)とに励起光を照射させた際に、前記領域(P)に照射される励起光の入射角(θp)と、前記領域(Q)に照射される励起光の入射角(θq)と、の調整が行われる入射角調整手段を、
有することを特徴とするセンサ構造体。 - 前記入射角調整手段は、
前記領域(P)の下方と前記領域(Q)の下方に位置する前記誘電体部材のそれぞれの励起光入射面が、それぞれ異なる角度に形成されてなるものであることを特徴とする請求項1に記載のセンサ構造体。 - 前記入射角調整手段は、
前記領域(P)の下方と前記領域(Q)の下方に位置するそれぞれの前記誘電体部材が、それぞれ異なる材質で構成されたものであることを特徴とする請求項1に記載のセンサ構造体。 - 前記誘電体部材は、
その上面に形成された前記領域(P)と前記領域(Q)と列状に並ぶように、さらに金属薄膜を介して特定物質を捕捉するリガンドが設けられたリガンド含有層を有するSPFSアッセイ領域(A)が形成され、
前記領域(A)に形成された金属薄膜が、前記領域(Q)に形成された金属薄膜と同一の金属材料から成るとともに同一の膜厚であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のセンサ構造体。 - 請求項1〜4のいずれかに記載のセンサ構造体を配設してなるとともに、前記センサ構造体と1軸方向にのみ相対移動可能な光源を少なくとも備えることを特徴とする表面プラズモン励起増強蛍光測定装置。
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