JP2019012041A - 濃度測定方法、濃度測定装置及び検査方法 - Google Patents

濃度測定方法、濃度測定装置及び検査方法 Download PDF

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Abstract

【課題】測定対象物質の濃度を適切に測定できる濃度測定方法、濃度測定装置及び検査方法を提供する。
【解決手段】濃度測定方法は、測定対象物質に結合する性質を有する第1の特異的結合物質が固定された金属ナノ構造を有する測定部19に、第1の光13aを照射して、第1の特異的結合物質の表面増強ラマン散乱光14aを検出する第1の工程と、表面増強ラマン散乱光14aの強度に基づいて、測定部19の使用可否を判定する第2の工程と、第2の工程で使用可能と判定された測定部19に、測定対象物質と結合する性質を有する、蛍光物質で標識された第2の特異的結合物質と、測定対象物質とを含む試料22を導入する第3の工程と、第3の工程が実施された測定部19に、第2の光13bを照射して、蛍光物質の表面増強蛍光14bを検出し、測定対象物質の濃度を測定する第4の工程と、を含む。
【選択図】図1

Description

本開示は、金属ナノ構造の蛍光増強効果を利用した測定対象物質の濃度測定方法、濃度測定装置及び検査方法に関する。
タンパク質の濃度を測定する技術としては、蛍光法が広く用いられている。この蛍光法では、測定対象物質を蛍光物質で標識して、蛍光物質を励起できる光(励起光)を照射し、このとき発生する蛍光を検出して、蛍光の強度により、測定対象物質の濃度を測定する。
このような蛍光法において、検出の感度を向上させるために、例えば、表面プラズモン励起増強蛍光分光(SPFS:Surface Plasmon−field enhanced Fluorescence Spectroscopy)を利用する方法、いわゆる、表面増強蛍光法が知られている。かかる方法では、表面プラズモン共鳴(SPR:Surface Plasmon Resonance)によって発生する表面プラズモン共鳴光により蛍光物質を励起して蛍光を発生させ、その蛍光である表面プラズモン励起増強蛍光を検出することにより、測定対象物質の濃度を測定する。表面増強蛍光法は、通常の蛍光法よりも1〜3桁程度高い信号増強度が得られ、通常の蛍光法では測定できない低濃度の測定対象物質の濃度も測定できる(特許文献1参照)。
特開2010−019765号公報
しかしながら、特許文献1に開示される従来技術では、上述した利点はあるものの、適切に測定できない場合がある。
そこで、本開示は、測定対象物質の濃度を適切に測定できる濃度測定方法、濃度測定装置及び検査方法を提供する。
本開示の一態様に係る濃度測定方法は、測定対象物質に結合する性質を有する第1の特異的結合物質が固定された金属ナノ構造を有する測定部に、第1の光を照射して、前記第1の特異的結合物質の表面増強ラマン散乱光を検出する第1の工程と、前記表面増強ラマン散乱光の強度に基づいて、前記測定部の使用可否を判定する第2の工程と、前記第2の工程で使用可能と判定された前記測定部に、前記測定対象物質と結合する性質を有する、蛍光物質で標識された第2の特異的結合物質と、前記測定対象物質とを含む試料を導入する第3の工程と、前記第3の工程が実施された前記測定部に、第2の光を照射して、前記蛍光物質の表面増強蛍光を検出し、前記測定対象物質の濃度を測定する第4の工程と、を含む。
なお、これらの包括的または具体的な態様は、システム、装置、集積回路、コンピュータプログラムまたはコンピュータ読み取り可能なCD−ROMなどの記録媒体で実現されてもよく、システム、装置、集積回路、コンピュータプログラム及び記録媒体の任意な組み合わせで実現されてもよい。
本開示によれば、測定対象物質の濃度を適切に測定できる濃度測定方法、濃度測定装置及び検査方法が提供される。
図1は、実施の形態に係る濃度測定装置の構成図である。 図2は、実施の形態に係る濃度測定装置の動作を説明するための図である。 図3は、実施の形態に係る濃度測定方法のフローチャートである。 図4は、図3のステップS03における他の処理を示すフローチャートである。 図5は、第1の工程を説明するための、図1のV−V線における測定部の一部を示す概略断面図である。 図6は、第4の工程を説明するための、図1のV−V線における測定部の一部を示す概略断面図である。 図7は、固定化抗体を金属ナノ構造に固定化する前後の測定部の表面増強ラマン散乱スペクトルを示す図である。 図8は、センサデバイス上に配置された6つの測定部それぞれに固定化された固定化抗体の表面増強ラマン散乱スペクトルを示す図である。 図9は、測定対象物質(NP)と結合した標識抗体の表面増強蛍光スペクトルを示す図である。 図10は、本実施の形態における制御部のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。
(本開示に至った知見)
タンパク質の濃度を測定する技術としては、蛍光法が広く用いられている。蛍光法の一例として、例えば、免疫クロマトグラフ法がある。これは、ニトロセルロース膜などを基材とした平板状の試験片を用いた技術である。試験片には測定対象物質と特異的に結合する抗体が基材に固定化されている。この試験片に、測定対象物質と、蛍光標識された抗体、すなわち、標識抗体とを含むサンプル溶液を滴下すると、標識抗体と結合した測定対象物質は、試験片の基材に固定化された抗体、すなわち、固定化抗体に捕捉される。このとき、試験片に励起光を照射すると、当該測定対象物質の濃度に応じた強度の蛍光が発生する。この蛍光を検出することにより、測定対象物質の濃度を測定することができる。
また、免疫クロマトグラフ法を高感度化するために、表面プラズモン励起増強蛍光分光(SPFS)を利用する技術がある。この技術では、例えば、サンプル溶液を流す流路内に、金属ナノ構造を形成した領域が設けられ、この金属ナノ構造上に測定対象物質と結合する抗体が固定化されている。この流路に、測定対象物質と、蛍光標識された抗体、すなわち、標識抗体とを含むサンプル溶液を滴下すると、標識抗体と結合した測定対象物質は、流路内に固定化された抗体、すなわち、固定化抗体に捕捉される。このとき、金属ナノ構造に局在する表面プラズモンとの共鳴、いわゆる、局在化表面プラズモン共鳴(LSPR:Localized Surface Plasmon Resonance)を引き起こす波長の光を照射すると、金属ナノ粒子表面に局在している自由電子が集団振動を起こす。この自由電子の集団振動は、金属ナノ粒子に分極を誘起し、発生したプラズモンは金属ナノ粒子表面に局在化した形になる。これを局在化表面プラズモンという。この局在化表面プラズモンが存在する近傍領域では、光と分子の相互作用が著しく増幅される。そのため、局在化表面プラズモンが存在する近傍領域では、標識抗体の蛍光物質が励起されて発生した蛍光が増強される。このように、局在化表面プラズモンにより増強された蛍光を表面増強蛍光という。この表面増強蛍光の強度は、当該測定対象物質の濃度に応じて増加する。また、表面増強蛍光法では、通常の蛍光法よりも1〜3桁程度高い強度を示す。従って、通常の蛍光法では測定できない低濃度の測定対象物質も測定できる(特許文献1参照)。
上記のように、表面増強蛍光法は、通常の蛍光法よりも高感度の蛍光検出法であるが、以下の問題がある。
表面増強蛍光法においては、金属ナノ構造上に固定化された固定化抗体が測定対象物質を介して標識抗体を捕捉して、標識抗体の蛍光物質が発する蛍光を増強している。この増強された蛍光、すなわち、表面増強蛍光を検出して、蛍光の強度により測定対象物質の濃度を算出している。このとき、固定化抗体の金属ナノ構造への固定化密度が不十分だと捕捉できる標識抗体の数が低下し、表面増強蛍光の強度も低下する。これにより、測定対象物質の濃度が不適切に低く算出されてしまう。
また、金属ナノ構造を有する測定部を複数備えるセンサデバイスを用いる場合、それぞれの測定部の金属ナノ構造の増強の程度、すなわち、金属ナノ構造の増強度が異なる場合がある。金属ナノ構造の増強度が測定部毎に異なると、同一濃度の溶液を複数の測定部で測定しても、それぞれの測定部で検出する表面増強蛍光の強度が異なるため、算出された測定対象物質の濃度も異なってしまう。
以上のように、測定部の、測定対象物質の濃度と得られる表面増強蛍光の強度との関係(以下、「感度」とする。)は、固定化抗体の固定化密度及び金属ナノ構造の増強度に依存する。すなわち、各測定部の感度の均一性は、固定化密度及び金属ナノ構造の増強度の均一性によって決まる。
上記のように、センサデバイス上に複数形成された各測定部の感度の均一性に関わる品質を確保するには、各測定部の固定化抗体の固定化密度及び金属ナノ構造の増強度の双方を検査し、適切な測定部のみを選択して測定に使用する必要がある。
しかしながら、このような検査は、破壊検査として行われている。破壊検査とは、検査することで、検査に供された測定部を測定に使用できない状態にしてしまう検査をいう。つまり、適切な測定部のみを選択するために、濃度が既知の校正溶液を用いた表面増強蛍光法によって検査を行う。この検査によって、測定部に固定化された抗体(固定化抗体)が校正溶液中の校正物質と結合してしまうため、測定部の再利用は困難である。
このように、従来の表面増強蛍光法では、適切な測定部のみを選択するために、測定部の固定化抗体が測定に使用可能な状態で測定部の感度を検査すること、つまり、非破壊で検査することができないという問題がある。
また、従来の表面増強蛍光法では、参照用の測定部および校正溶液などを準備する必要があるため、手間がかかり、不便である。さらに、測定用の測定部で測定した後、参照用の測定部と比較して濃度を算出する必要があり、精度が良いとは言えない。
上記問題を解決するために、本開示は、簡易に、かつ、高精度に測定対象物質の濃度を測定できる濃度測定方法、濃度測定装置及び検査方法を提供する。
本開示の一態様に係る濃度測定方法は、測定対象物質に結合する性質を有する第1の特異的結合物質が固定された金属ナノ構造を有する測定部に、第1の光を照射して、前記第1の特異的結合物質の表面増強ラマン散乱光を検出する第1の工程と、前記表面増強ラマン散乱光の強度に基づいて、前記測定部の使用可否を判定する第2の工程と、前記第2の工程で使用可能と判定された前記測定部に、前記測定対象物質と結合する性質を有する、蛍光物質で標識された第2の特異的結合物質と、前記測定対象物質とを含む試料を導入する第3の工程と、前記第3の工程が実施された前記測定部に、第2の光を照射して、前記蛍光物質の表面増強蛍光を検出し、前記測定対象物質の濃度を測定する第4の工程と、を含む。
これにより、測定対象物質の濃度を測定する前に、測定部に第1の光を照射するだけで、測定部の第1の特異的結合物質の固定化密度及び金属ナノ構造の増強度の双方を検査することができ、適切な測定部のみを選択して測定に使用することができる。そのため、簡便に、かつ、高精度に測定対象物質の濃度を測定することができる。また、例えば、参照用の測定部及び校正溶液などの、専用の材料、設備、工程を追加する必要がないため、簡便に、非破壊で測定対象物質の濃度を測定することができる。
例えば、本開示の一態様に係る濃度測定方法は、前記第2の工程において、前記表面増強ラマン散乱光の強度が、所定の閾値以上の場合に、前記測定部を使用することは可能であると判定してもよい。
これにより、適切な感度を有する測定部のみを選択して測定に使用することができるため、高精度に測定対象物質の濃度を測定することができる。
例えば、本開示の一態様に係る濃度測定方法は、前記測定部は、第1の測定部と第2の測定部とを含み、前記第1の測定部について、前記第1の工程を実施した後の前記第2の工程において、前記表面増強ラマン散乱光の強度が所定の閾値未満の場合に、前記第1の測定部を使用することは不能であると判定し、その後、前記第2の測定部について、前記第1の工程を実施した後の前記第2の工程において、前記表面増強ラマン散乱光の強度に基づいて、前記第2の測定部の使用可否を判定してもよい。
これにより、第2の測定部についても同じの操作を繰り返すため、効率よく検査を実施することができる。
例えば、本開示の一態様に係る濃度測定方法は、前記第1の工程における前記第1の光の照射と、前記第3の工程における前記第2の光の照射とは、同一の光源によって行われてもよい。
これにより、光源の切り替えを行う必要がなく、簡便に測定を行うことができる。
例えば、本開示の一態様に係る濃度測定方法は、前記第1の光及び前記第2の光は、同一波長であってもよい。
これにより、簡便に測定を行うことができる。
例えば、本開示の一態様に係る濃度測定方法は、前記第1の工程における前記第1の光の照射パワーは、前記第3の工程における前記第2の光の照射パワーよりも大きくてもよい。
第3の工程で検出される表面増強蛍光の強度は、通常の蛍光法で検出される蛍光の強度よりも1〜3桁程度高いため、第2の光の照射パワーが比較的小さくても、表面増強蛍光を検出できる。そのため、第3の工程における第2の光の照射パワーは、第1の工程における第1の光の照射パワーよりも小さくてもよい。これにより、消費エネルギーを低減することができる。
また、本開示の一態様に係る濃度測定装置は、測定対象物質に結合する性質を有する第1の特異的結合物質が固定された金属ナノ構造を有する測定部に、光を照射する光照射部と、前記測定対象物質と結合する性質を有する、蛍光物質で標識された第2の特異的結合物質と、前記測定対象物質とを含む試料を、前記測定部に導入する試料導入部と、表面増強ラマン散乱光及び表面増強蛍光を検出する光検出部と、制御部と、を備え、前記制御部は、前記光照射部を制御して、前記測定部に前記第1の光を照射し、前記第1の光の照射に応じて前記光検出部で検出された前記表面増強ラマン散乱光の強度に基づいて、前記測定部の使用可否を判定し、使用可能と判定された前記測定部に、前記導入部を制御して前記試料を導入し、前記試料が導入された前記測定部に、前記光照射部を制御して前記第2の光を照射し、前記第2の光の照射に応じて前記光検出部で検出された表面増強蛍光の強度に基づいて、前記測定対象物質の濃度を算出する。
これにより、測定対象物質の濃度を測定する前に、測定部に第1の光を照射するだけで、測定部の第1の特異的結合物質の固定化密度及び金属ナノ構造の増強度の双方を検査することができ、適切な測定部のみを選択して測定に使用することができる。そのため、簡便に、かつ、高精度に測定対象物質の濃度を測定することができる。
例えば、本開示の一態様に係る濃度測定装置は、前記測定部は、第1の測定部と第2の測定部とを含み、前記制御部は、前記第1の測定部について使用不能と判定した場合に、前記第1の測定部には、前記試料の導入及び前記第2の光の照射を行わずに、前記第2の測定部の使用可否を判定してもよい。
これにより、試料及び第2の光の照射により消費されるエネルギーを無駄に使用することがなくなるため、適切に測定を実施することができる。
また、本開示の一態様に係る検査方法は、測定対象物質に結合する性質を有する第1の特異的結合物質が固定された金属ナノ構造を有する測定部に、第1の光を照射して、前記第1の特異的結合物質の表面増強ラマン散乱光を検出する第1の工程と、前記表面増強ラマン散乱光の強度に基づいて、前記測定部の使用可否を判定する第2の工程と、を含む。
これにより、測定に使用する前に適切な測定部のみを選択することができるだけでなく、測定部を出荷する前に適切な測定部のみを選択して、例えば、識別子などに情報を紐づけすることができる。
以下、本開示の実施の形態について、図面を参照しながら具体的に説明する。
なお、以下で説明する実施の形態は、いずれも包括的または具体的な例を示すものである。以下の実施の形態で示される数値、形状、材料、構成要素、構成要素の配置位置及び接続形態、ステップ、ステップの順序などは、一例であり、本開示を限定する主旨ではない。また、以下の実施の形態における構成要素のうち、最上位概念を示す独立請求項に記載されていない構成要素については、任意の構成要素として説明される。また、各図は、必ずしも厳密に図示したものではない。各図において、実質的に同一の構成については同一の符号を付し、重複する説明は省略または簡略化することがある。
(実施の形態)
以下、本開示の実施の形態に関して図1及び図2を用いて説明する。図1は、本開示の実施の形態に係る濃度測定装置100の構成図である。
本実施の形態に係る濃度測定装置100は、測定対象物質の濃度を測定する装置であって、光照射部12と試料導入部21と光検出部17と制御部18とを備える。
光照射部12は、複数の測定部19のそれぞれに光を照射する。ここで、測定部19は、測定対象物質に結合する性質を有する第1の特異的結合物質が固定された金属ナノ構造を有する。
試料導入部21は、測定対象物質と結合する性質を有する、蛍光物質で標識された(以下、「蛍光標識された」と称する。)第2の特異的結合物質と、測定対象物質とを含む試料22を測定部19に導入する。
光検出部17は、表面増強ラマン散乱光及び表面増強蛍光を検出する。
なお、特異的結合物質とは、測定対象物質に特異的に結合する性質を有する物質をいい、例えば、抗体、抗原、ハプテン、オリゴヌクレオチド、エフェクター、レセプター、酵素、酵素補助因子、または酵素阻害剤などが、特異的結合物質の一例として挙げられる。中でも、特異性及び安定性の観点から、特異的結合物質は抗原及び抗体であってもよい。本実施の形態では、第1の特異的結合物質及び第2の特異的結合物質の一例として、抗体を挙げて説明する。
また、測定対象物質とは、抗原抗体反応により第1の特異的結合物質と結合して免疫複合体を形成し得るものであればよい。例えば、細菌(特に、病原性細菌)、放線菌、酵母、カビ、またはウイルスなどの微生物が、測定対象物質の一例として挙げられる。また、例えば、それら微生物に対する抗体、または細菌などが産生する毒素が、測定対象物質の一例として挙げられる。また、例えば、腫瘍マーカー抗原などの生体試料中の抗原性ペプチドなどが、測定対象物質の一例として挙げられる。本実施の形態では、インフルエンザウイルスの核タンパク質(NP:Nucleoprotein)を測定対象物質の一例として説明する。
図1に示すように、複数の測定部19は、例えば、複数の測定部19a〜19fである。ここで、複数の測定部19a〜19fは、使用可否を判定する検査に供される順に、それぞれ第1の測定部19a、第2の測定部19b、第3の測定部19c、第4の測定部19d、第5の測定部19e及び第6の測定部19fと称される。
また、測定部19は、例えば、基板上に設けられる。この測定部19が設けられた基板がセンサデバイス11として使用される。この場合、測定部19は、センサデバイス11の一部に設けられてもよく、全体に亘って設けられてもよい。また、センサデバイス11の基板は、矩形状であってもよく、円形状であってもよい。
以下、濃度測定装置100に含まれる各構成について、具体的に説明する。
光照射部12は、例えば、レーザ発振器であり、測定部19に略平行な光である第1の光13aまたは第2の光13bを照射する。測定前に適切な測定部19を選択するために、測定部19の感度を検査する場合は、光照射部12は、測定部19に第1の光13aを照射する。また、測定部19に試料22を導入し、測定対象物質の濃度を測定する場合は、光照射部12は、測定部19に第2の光13bを照射する。第1の光13a及び第2の光13bは、同一波長であってもよい。また、第1の光13aの照射パワーは、第2の光13bの照射パワーよりも大きくてもよい。
試料導入部21は、試料22を測定部19に導入するが、試料22は、上述のとおり測定対象物質と蛍光標識された抗体(以下、単に、「標識抗体」と称する。)との混合物であってもよく、混合物でなくてもよい。試料22が混合物でない場合、試料導入部21は、例えば、測定対象物質を測定部19に導入し、測定対象物質が、測定部19の金属ナノ構造に固定化された抗体(以下、単に、「固定化抗体」と称する。)に結合した後、測定対象物質に特異的に結合する標識抗体を測定部19に導入してもよい。
光検出部17は、固定化抗体の表面増強ラマン散乱光14aまたは標識抗体の蛍光物質の表面増強蛍光14b(図2の(b)参照)を分光して検出する。測定部19で発生した表面増強ラマン散乱光14aまたは表面増強蛍光14bは、レンズ15で集光され、光検出部17に入射する。このとき、光照射部12が測定部19に照射した略平行な光である第1の光13aまたは第2の光13b(図2の(b)参照)の反射光もレンズ15で集光されるが、フィルター16によって第1の光13aまたは第2の光13bの波長の光が遮断される。そのため、光検出部17では、表面増強ラマン散乱光14aのスペクトルまたは表面増強蛍光14bのスペクトルの出力信号が検出される。ここで、フィルター16は、光照射部12からの略平行な光である第1の光13a及び第2の光13bを透過させず、かつ、測定部19で発生した表面増強ラマン散乱光14a及び表面増強蛍光14bを透過させることができるフィルターであれば、特に限定されない。例えば、フィルター16は、ロングパスフィルターであってもよい。
また、濃度測定装置100は、位置制御部20を備えてもよい。位置制御部20は、制御部18からのコマンドに応じて、センサデバイス11をX軸方向またはY軸方向に移動させる。
制御部18は、例えば、コンピュータであり、光照射部12、光検出部17、位置制御部20、及び試料導入部21を制御する。
図2は、本実施の形態に係る濃度測定装置100の動作を説明するための図である。
まず、濃度測定装置100は、測定部19の検査を行う。具体的には、制御部18は、図2の(a)に示すように、位置制御部20にコマンドを送信し、センサデバイス11を所定の位置に移動させることによって、略平行な光である第1の光13aが照射される測定部19(ここでは、第1の測定部19aとする。)を選択する。次に、制御部18は、光照射部12に所定のコマンドを送信し、略平行な光である第1の光13aの波長及び照射パワーを制御する。次に、制御部18は、光検出部17からの出力信号を受信する。その出力信号は、表面増強ラマン散乱光14aのスペクトルを示す。制御部18は、表面増強ラマン散乱光14aのスペクトルに基づいて、第1の測定部19aの利用の可否を判定する。次に、制御部18は、位置制御部20にコマンドを送信し、センサデバイス11を所定の位置に移動させることによって、使用可否を判定する他の測定部19b〜19fを選択する。上述の動作と同様にして、制御部18は、他の測定部19b〜19fの使用可否を判定する。
続いて、濃度測定装置100は、測定対象物質の濃度測定を行う。つまり、第1の測定部19aが使用可能と判定された場合、制御部18は、図2の(b)に示すように、第1の測定部19aに試料22を導入するコマンドを試料導入部21に送信し、測定対象物質の濃度測定を開始する。具体的には、制御部18は、試料導入部21にコマンドを送信し、測定対象物質の濃度測定に使用可能な第1の測定部19aに試料22を導入する。次に、制御部18は、光照射部12にコマンドを送信し、略平行な光である第2の光13bの波長及び照射パワーを制御する。次に、制御部18は、光検出部17からの出力信号を受信する。その出力信号は、表面増強蛍光14bのスペクトルを示す。制御部18は、表面増強蛍光14bのスペクトルに基づいて、測定対象物質の濃度を算出する。次に、制御部18は、位置制御部20にコマンドを送信し、センサデバイス11を所定の位置に移動させ、測定対象物質の濃度測定に使用可能な他の測定部19を選択する。上述の動作と同様にして、制御部18は、他の測定部19において、測定対象物質の濃度を測定する。
具体的には、制御部18は、試料導入部21を制御して、蛍光標識された抗体と測定対象物質とを含む試料(以下、サンプル溶液22と称する場合がある。)を第1の測定部19aに導入する。サンプル溶液22が導入された第1の測定部19aでは、標識抗体と測定対象物質とが結合した複合体が第1の測定部19aの固定化抗体と結合する。この結合に要する時間が経過した後に、第1の測定部19aからサンプル溶液22を除去し、第1の測定部19aを緩衝液等で洗浄することで、固定化抗体と結合しなかった複合体を第1の測定部19aから除去する。次に、低出力の略平行な光である第2の光13bを、使用可能と判定された第1の測定部19aに照射する。これにより、第1の測定部19aの金属ナノ構造の表面で局在化表面プラズモン共鳴が引き起こされ、複合体の蛍光物質の蛍光が増強される。この表面増強蛍光14bはレンズ15で集光され、表面増強蛍光14bのみがフィルター16を透過し、光検出部17に入射する。このようにして、光検出部17は、表面増強蛍光14bを分光して検出できる。光検出部17は、表面増強蛍光14bの強度に基づいた出力信号を制御部18に送信する。制御部18は、この出力信号を受信して、測定対象物質の濃度を算出する。測定対象物質の濃度を測定するステップでは、制御部18は、光照射部12を制御して、第2の光13bのパワーを第1の光13aのパワーよりも大幅に低減させる。なお、他の測定部19b〜19fについても使用可能と判定された場合、上述した手順と同様にして測定対象物質の濃度を測定する。
測定対象物質の濃度は、一定体積の溶媒中に含まれる微生物の遺伝子または核タンパク質などの測定対象物質の、例えば、質量、モル数またはunit数で表されてもよい。
一方、図2(a)に示す例において、第1の測定部19aが使用不能と判定された場合、制御部18は、第1の測定部19aには、試料22の導入及び第2の光13bの照射を行わず、第2の測定部19bの使用可否を判定する。このとき、制御部18は、位置制御部20にセンサデバイス11を移動させるコマンドを送信し、第2の測定部19bを所定の位置に移動させる。次に、制御部18は、光照射部12に第1の光13aを照射するコマンドを送信して、第2の測定部19bに第1の光13aを照射させる。次に、光検出部17は、光検出部17で検出した表面増強ラマン散乱光の強度に基づいた出力信号を、制御部18に送信する。制御部18は、光検出部17からの出力信号を受信し、第2の測定部19bの使用可否を判定する。第2の測定部19bが使用可能と判定された場合、制御部18は、上述の動作と同様にして、つまり、図2の(b)に示すように、測定対象物質の濃度を測定するステップを開始する。
第1の測定部19aに続き、第2の測定部19bが使用不能と判定された場合には、制御部18は、第2の測定部19bには、試料22の導入及び第2の光13bの照射を行わず、上述した動作と同様に、位置制御部20及び光照射部12のそれぞれにコマンドを送信し、第3の制御部19cの使用可否を判定する。なお、制御部18は、他の測定部19d〜19fについても、同様の手順でそれぞれの測定部19d〜19fの使用可否を判断し、適切な測定部19を選択する。
なお、本実施の形態に係る濃度測定方法では、測定部19の使用可否を判定しながら、使用可能な測定部19で測定対象物質の濃度測定を行うが、センサデバイス11上の全ての測定部19の使用可否の判定を一度に行った後、測定対象物質の濃度測定を行ってもよい。この場合、使用可能と判定された測定部19の情報を制御部18の記憶部に記憶させる。これにより、測定対象物質の濃度測定を行う場合に、制御部18は、使用可能と判定された測定部19の情報に基づき、位置制御部20にコマンドを送信することによって、センサデバイス11の位置を制御することができる。
図3は、本実施の形態に係る濃度測定方法のフローチャートである。図3に示すように、本実施の形態に係る濃度測定方法は、大きく分けて2つのステップがある。1つは、測定部19の感度を検査する(以下、検査ステップという)ステップS10であり、もう1つは、測定対象物質の濃度を測定するステップ(以下、測定ステップという)S20である。
検査ステップS10では、濃度測定装置100は、まず、測定対象物質に結合する性質を有する第1の特異的結合物質(抗体)が固定された金属ナノ構造を有する測定部19に、第1の光13aを照射して、第1の特異的結合物質(抗体)の表面増強ラマン散乱光14aを検出する(ステップS01)。次に、濃度測定装置100は、測定部19から得られる表面増強ラマン散乱光14aの強度が所定の閾値以上であるか否かを判定する(ステップS02)。ここで、濃度測定装置100は、所定の閾値以上である場合(ステップS02でYES)、測定部19が使用可能であると判定する。一方、測定部19から得られる表面増強ラマン散乱光の強度が所定の閾値未満である場合(ステップS02でNO)、濃度測定装置100は、測定部19が使用不能と判定する。
次に、測定ステップS20では、濃度測定装置100は、まず、ステップS02で使用可能と判定された測定部19に、測定対象物質と結合する性質を有する、蛍光標識された第2の特異的結合物質(標識抗体)と、測定対象物質とを含む試料22を導入する(ステップS03)。次に、濃度測定装置100は、測定部19に、第2の光13bを照射して、蛍光物質の表面増強蛍光14bを検出し、測定対象物質の濃度を測定する(ステップS04)。
図4は、図3のステップS03における他の処理を示すフローチャートである。上述したように、ステップS03では、蛍光標識された第2の特異的結合物質(標識抗体)と測定対象物質とが結合した複合体を試料22として測定部19に導入してもよく、図4に示す手順で試料22を導入してもよい。
まず、濃度測定装置100は、測定対象物質を測定部19に導入し(ステップS031)、測定対象物質を測定部19の固定化抗体に結合させる。測定部19から余剰の測定対象物質を除去し、測定部19緩衝液等で洗浄することで、固定化抗体と結合しなかった測定対象物質を測定部19から除去する。次に、濃度測定装置100は、蛍光標識された第2の特異的結合物質(標識抗体)を測定部19に導入し(ステップS032)、標識抗体を固定化抗体に結合した測定対象物質に結合させる。測定部19から余剰の標識抗体を除去し、測定部19を緩衝液等で洗浄することで、測定対象物質と結合しなかった標識抗体を測定部から除去する。
以下、ステップS01(第1の工程)及びステップS04(第4の工程)について詳細に説明する。なお、ステップS02(第2の工程)及びステップS03(第3の工程)については、実施例で詳細に説明する。
図5は、第1の工程を説明するための、図1のV−V線における測定部19の一部を示す概略断面図である。図5に示すように、測定部19は、一方の面に複数の半球状の突起を有する基板31と、基板31に形成された複数の半球状の突起の表面を被覆する金属薄膜32と、金属薄膜32に固定された第1の特異的結合物質(固定化抗体)33とを有する。
基板31は、例えば、オレフィン等の樹脂で構成される。基板31の一方の面には直径が100nm〜2000nm程度の半球状の突起が複数形成されている。半球状の突起は、例えば、ナノインプリント法で形成される。
金属薄膜32の材料は、局在化表面プラズモン共鳴を生じさせうる金属であれば特に限定されない。金属薄膜32の材料は、例えば、金、銀、銅またはアルミニウム等の金属、またはこれらの合金等が挙げられる。また、金属薄膜32の膜厚は、30nm〜1000nm程度である。金属薄膜32は、基板31の一方の面に複数形成された半球状の突起の全てを被覆している。このように、金属薄膜32で被覆された、直径が100nm〜2000nm程度の半球状の突起構造を、金属ナノ構造という。この金属ナノ構造に特定の波長の光を照射すると、局在化表面プラズモン共鳴が発生する。
また、金属薄膜32は、試料22と接する側の表面に、測定対象物質23と結合する第1の特異的結合物質(固定化抗体)33が固定化されている。この測定部19に、金属ナノ構造で局在化表面プラズモン共鳴を誘起できる波長の略平行な光である第1の光13aを照射すると、固定化抗体33の表面増強ラマン散乱光14aが発生する。なお、本図では省略しているが、測定部19で発生した表面増強ラマン散乱光14aは、レンズ15(図1参照)で集光され、表面増強ラマン散乱光14aのみがフィルター16(図1参照)を透過し、光検出部17(図1参照)に入射する。
この表面増強ラマン散乱光14aは、固定化抗体33のラマン散乱光が金属ナノ構造で発生した局在化表面プラズモン共鳴の効果を受けて増強された光である。ここで、「金属ナノ構造の増強度」とは、金属ナノ構造で発生する局在化表面プラズモン共鳴の影響を受けていない通常のラマン散乱光の強度と、表面増強ラマン散乱光の強度との比(表面増強ラマン散乱光の強度/通常のラマン散乱光の強度)である。
この増強度は、金属ナノ構造のサイズ、金属種、金属表面の粗さによって決まり、10〜1013程度の広範囲に及ぶ。本実施の形態では、図5の基板31上の複数の半球状の突起の直径、金属薄膜32の膜厚及び表面粗さによって金属ナノ構造の増強度が決まり、各測定部19におけるこれらの僅かの違いが、測定部19における金属ナノ構造の増強度の違いになる。
また、固定化抗体33のラマン散乱光の強度は固定化抗体の密度にも依存している。そのため、固定化抗体の密度の増加に応じて、固定化抗体の表面増強ラマン散乱光の強度も増加する。略平行な光である第1の光13aの照射領域は一定であり、この照射領域中に固定化されている固定化抗体の数、即ち、固定化密度に比例した強度の固定化抗体の通常のラマン散乱光が発生する。この通常のラマン散乱光は、さらに照射領域にある金属ナノ構造の局在化表面プラズモンにより増強される。固定化抗体の表面増強ラマン散乱光の強度は、固定化密度に金属ナノ構造の増強度を乗じた値に比例する。この固定化密度に金属ナノ構造の増強度を乗じた値は、測定部19の感度と正の相関があるので、固定化抗体の表面増強ラマン散乱光の強度を判定することにより、各測定部19の感度を判定することができる。
図6は、第4の工程を説明するための、図1のV−V線における測定部19の一部を示す概略断面図である。なお、図5で説明した内容と同様のものについては、ここでの説明を省略する。
第3の工程で測定部19に導入された上述の試料22は、蛍光物質24で標識された第2の特異的結合物質25(標識抗体26)と測定対象物質23とを含む。ここでは、試料22の一例として、標識抗体26と測定対象物質23とが結合した複合体27を挙げて説明する。測定部19の固定化抗体33は、測定対象物質23と特異的に結合する性質を有する。そのため、測定対象物質23は、測定部19の固定化抗体33と特異的に結合する。
第4の工程では、第3の工程で使用可能と判定された測定部19に、試料22を導入し、測定部19の固定化抗体33と結合した複合体27の量を第2の光13bを照射して測定する。第2の光13bは、金属ナノ構造に局在化表面プラズモン共鳴を発生させ、かつ、標識抗体26の蛍光物質24を励起させる波長の略平行な光である。測定部19に第2の光13bを照射すると、複合体27の蛍光物質24の表面増強蛍光14bが発生する。なお、本図では省略しているが、測定部19で発生した表面増強蛍光14bは、レンズ15(図1参照)で集光され、表面増強蛍光14bのみがフィルター16(図1参照)を透過し、光検出部17(図1参照)に入射する。光検出部17は、表面増強蛍光14bのスペクトルの強度に基づく出力信号を制御部18(図2の(b)参照)に送信する。制御部18は、その出力信号を受信し、測定対象物質23の濃度を算出する。
次に、測定対象物質23の濃度を測定する手順を簡単に説明する。固定化抗体33が金属ナノ構造の金属薄膜32に固定化された測定部19に、制御部18(図1参照)が位置制御部20(図1参照)及び試料導入部21(図1参照)を制御して、上述の測定対象物質23を含む試料22を導入する。そうすると、標識抗体26と測定対象物質23とが結合した複合体27が固定化抗体33と結合する。この結合に要する時間が経過した後に、試料22を測定部19から除去した後、測定部19を緩衝液等で洗浄する。この洗浄により、固定化抗体33と結合しなかった、標識抗体26と測定対象物質23とが結合した複合体27、及びサンプル溶液22中の共存物質が除去される。標識抗体26は、測定対象物質23を介して固定化抗体33に結合する。固定化抗体33と結合した標識抗体26の数は、測定対象物質23の濃度に応じて増加する。また、発生する表面増強蛍光14bの強度は、標識抗体26の数に比例するので、光検出部17(図1参照)が表面増強蛍光14bの強度を検出することで、制御部18は測定対象物質23の濃度を算出する。
ここで、固定化抗体33の密度が増加すると、固定化抗体33に捕捉される標識抗体26の数は増加する。さらに、表面増強蛍光14bの強度は金属ナノ構造の増強度に比例する。従って、表面増強蛍光14bの強度は、固定化密度及び金属ナノ構造の増強度を乗じた値に正の相関を持つ。サンプル溶液22中の測定対象物質23の濃度が同じでも、固定化密度及び金属ナノ構造の増強度を乗じた値が増加すれば、表面増強蛍光14bの強度も増加する。従って、固定化密度及び金属ナノ構造の増強度を乗じた値の増加は、測定部19の感度が向上することを意味する。そのため、上記したように固定化抗体33の表面増強ラマン散乱光14a(図1参照)の強度を測定することで、測定部19の感度を判定できる。
なお、表面増強蛍光14bの強度から測定対象物質23の濃度を算出するときは、事前に濃度が既知の標準溶液を用いて表面増強蛍光14bの強度と測定対象物質23の濃度との関係を示す検量線を作成するとよい。これにより、検量線を参照して、表面増強蛍光スペクトルのピークを示す波長の蛍光強度から濃度を算出できる。
以上のように、本実施の形態に係る濃度測定方法、濃度測定装置及び検査方法により、測定部19の感度を濃度測定に使用する前に非破壊で判定することができる。また、使用可能な測定部を選択し、すぐにその測定部を濃度測定に使用することで、測定対象物質の濃度測定の精度を向上させることができる。
(実施例)
本実施の形態における実施例を以下に説明する。
[準備]
本実施例では、金属薄膜32として膜厚300nmの金薄膜を、基板31として厚さ188μmのオレフィンフィルムを用いた。また、測定対象物質23として、インフルエンザウイルスの核タンパク質(NP:Nucleoprotein)を用いた。固定化抗体33及び標識抗体26は、NPと特異的に結合するモノクローナル抗体である。なお、固定化抗体33及び標識抗体26は、それぞれNPとの結合部位が異なる。そのため、固定化抗体33及び標識抗体26は、固定化抗体33、NP、標識抗体26の順にNPを介して結合する。これをサンドイッチ結合という。標識抗体26は、固定化抗体33とは異なる、NPと特異的に結合するモノクローナル抗体を、蛍光物質24で修飾したものを用いた。
[固定化抗体の固定化方法]
金薄膜上に、チオール基末端とカルボキシル基末端とを有する分子(以下、チオール誘導体と称する。)からなる自己組織化単分子膜(SAM:Self−Assembled Monolayer)を形成した。具体的には、SAMは、チオール誘導体を溶解したエタノール溶液(以下、チオール誘導体のエタノール溶液と称する。)に、金属ナノ構造を浸漬して形成した。このとき、チオール誘導体のエタノール溶液の濃度は0.1mM〜10mMであり、金属ナノ構造の浸漬時間は1時間〜12時間である。これにより、チオール基末端が金属薄膜の金と結合するので、カルボキシル基末端を表面に有するSAMが形成された。次いで、カルボキシル基末端を表面に有するSAMのカルボキシル基に、アミノカップリング法により固定化抗体のアミノ基を共有結合で連結させて、固定化抗体を金属薄膜上に固定化した。固定化抗体の固定化密度は、SAMの密度及びアミノカップリング法による固定化抗体のアミノ基とSAM表面のカルボキシル基との共有結合の結合収率に依存している。
SAMの密度は次の原因で低下する。金属薄膜32上に残渣物が残留していると、残渣物が残留している領域では、チオール誘導体のチオール基が金属薄膜32を構成する金と結合できないので、SAMが形成されない領域、すなわち、ピンホールが発生する。また、チオール誘導体のエタノール溶液に金属ナノ構造を浸漬するときに、金属ナノ構造が複数の半球状の突起を有するため、気泡が金属薄膜32に引っかかる場合がある。その場合、気泡が金属薄膜32に引っかかった領域でも、チオール誘導体のチオール基が金属薄膜32を構成する金と結合できないので、SAMが形成されない領域、すなわち、ピンホールが発生する。これらの原因で発生したピンホールによって、SAMの密度が低下する。
さらに、アミノカップリング法による固定化抗体のアミノ基とSAM表面のカルボキシル基との共有結合の結合収率は、SAM上の残渣物、カップリング反応を進める材料の活性の低下、残留した気泡によって低下する。
上記の要因で、センサデバイス11を作製した時点でも、センサデバイス11上に設けられた複数の測定部19における固定化抗体の固定化密度は、ばらつく。さらに、センサデバイス11を一定期間保存した後、濃度測定に使用する場合、センサデバイス11の保存環境によっては、センサデバイス11上に設けられた複数の測定部19における固定化抗体の固定化密度は、ばらつきがさらに大きくなる。そのため、センサデバイス11を一定期間保存した場合、各測定部19の感度は、センサデバイス11の製造直後よりもさらにばらつく。
[検査方法]
センサデバイス11上の測定部19に、略平行な光である第1の光13aを照射した。このとき、第1の光13aの波長は785nmであり、測定部における第1の光の照射パワーは50mWであった。本実施例における金属ナノ構造では、測定部19に第1の光13a(波長:785nm)を照射すると局在化表面プラズモン共鳴が発生するので、金属薄膜32の近傍にある固定化抗体33のラマン散乱光が増強され表面増強ラマン散乱光14aとなる。この表面増強ラマン散乱光14aについて図7を用いて説明する。
図7は、固定化抗体33を金属ナノ構造に固定化する前後の測定部19の表面増強ラマン散乱スペクトルを示す図である。図7では、横軸はラマンシフト(cm−1)を示し、縦軸は表面増強ラマン散乱光の強度(カウント)を示す。点線で示すスペクトルは、固定化抗体33を金属ナノ構造に固定化する前の測定部19で生じた表面増強ラマン散乱光のスペクトルを示す。このとき、金属ナノ構造の表面は金属薄膜32で覆われている。実線で示すスペクトルは、固定化抗体33を金属ナノ構造に固定化した後の測定部19で生じた表面増強ラマン散乱光14aのスペクトルを示す。
点線で示すスペクトルには、幾つかのブロードなピークが見られるが、これらのピークは、金薄膜上の残渣物の表面増強ラマン散乱光14aのバンドに由来したものである。一方、実線で示すスペクトルにおいて、丸a及び丸bで囲んだ部分に、幾つかのシャープなピークが見られる。これらのピークは、固定化抗体33の表面増強ラマン散乱光14aのバンドに由来したものであり、1030cm−1、1080cm−1、1130cm−1、1320cm−1、及び1460cm−1付近に位置している。これらの固定化抗体33の表面増強ラマン散乱光14aのバンドの強度は、金属ナノ構造に固定化された固定化抗体33の密度に比例する。
図8は、センサデバイス11上に配置された6つの測定部19それぞれに固定化された固定化抗体33の表面増強ラマン散乱スペクトルを示す図である。実線で示した3つのスペクトル(A群)では、丸c及び丸dで囲んだ部分の固定化抗体33の表面増強ラマン散乱光14aのバンドの強度は閾値以上であるので、金属ナノ構造に固定化された固定化抗体33の密度は十分であると判定され、これらの3つの測定部19は測定対象物質の濃度測定に使用可能であると判定される。一方、点線で示した3つのスペクトル(B群)では、丸e及び丸fで囲んだ部分の固定化抗体33の表面増強ラマン散乱光の強度は閾値よりも小さいので、金属ナノ構造に固定化された固定化抗体33の密度は不十分であると判定され、これらの3つの測定部19は測定対象物質の濃度測定に使用不能であると判定される。
ここで、測定部19の使用可否を判定する表面増強ラマン散乱光14aの強度の閾値の一例として、丸c及び丸eで囲んだ部分に検出される1030cm−1、1080cm−1、及び1130cm−1付近のバンドに対しては、閾値は4500カウントであり、丸d及び丸fで囲んだ部分に検出される1320cm−1及び1460cm−1付近のバンドに対しては、閾値は3000カウントである。ただし、これらの閾値は、目標とする測定部19の感度に応じて設定する。例えば、高感度の測定部19のみ利用したい場合は、上記一例よりも閾値を高く設定する。さらに、感度の均一性を向上させたい場合は、閾値に基準範囲を設け、バンドの強度が、基準範囲にある場合を利用可能としてもよい。例えば、1030cm−1、1080cm−1、及び1130cm−1付近のバンドに対して、5000カウント〜6000カウントを閾値の基準範囲に設定して、この範囲にカウントが現れる測定部19を利用可能と判定する。なお、閾値は、固定化抗体33を金属ナノ構造に固定化する前の測定部19で生じた表面増強ラマン散乱光14aのスペクトル(図7の点線で示すスペクトル)に対する固定化抗体33を金属ナノ構造に固定化した後の測定部19で生じた表面増強ラマン散乱光14aのスペクトル(図7の実線で示すスペクトル)の比率に基づいて設定してもよい。例えば、閾値は、固定化抗体33を金属ナノ構造に固定化する前の測定部19で生じた表面増強ラマン散乱光14aの強度の1.5倍以上であってもよい。
[濃度測定方法]
次に、測定対象物質の濃度を測定する方法について説明する。
測定対象物質23であるNPを含んだ試料22(サンプル溶液)を測定部19に導入した。ここで、サンプル溶液22中のNPは、蛍光物質24で標識された抗体25と複合体27を形成しているものを使用した。このようなサンプル溶液22は、固定化抗体33を固定化した測定部19に接触すると、複合体27が固定化抗体33に結合するため、サンプル溶液22中のNPの濃度に応じた数の標識抗体26が固定化抗体33に結合する。次いで、センサデバイス11上の測定部19に、略平行な光である第2の光13bを照射し、標識抗体26の表面増強蛍光のスペクトルを約0.05秒で取得した。このとき、第2の光13bの波長は、第1の光13aの波長と同一であり、測定部19における第2の光13bの照射パワーは5μWである。なお、第2の光13bの照射パワーでは、固定化抗体の表面増強ラマン散乱光14aは観測できず、後述する表面増強蛍光スペクトルには表れない。
図9は、測定対象物質23(NP)と結合した標識抗体26の表面増強蛍光スペクトルを示す図である。図9では、横軸は得られる表面増強蛍光光の波長(nm)を示し、縦軸は表面増強蛍光スペクトルの強度を示す。実線で示すスペクトル(C)は、NP濃度が高い場合の表面増強蛍光スペクトルであり、点線で示すスペクトル(D)は、NP濃度が低い場合の表面増強蛍光スペクトルである。
図9に示すように、スペクトルC及びスペクトルDのピークは、約800nmであった。そのため、制御部18は光検出部17から出力された出力信号のうち、表面増強蛍光スペクトルのピークがある800nmの強度を示す出力信号に基づいて、NPの濃度を算出した。
以上のように、本実施例によれば測定対象物質の濃度を測定する前に、濃度測定に使用可能な測定部を選択することができるので、濃度測定の信頼性及び精度を向上することができる。さらに、サンプル溶液の浪費を抑制することができる。
本開示に係る濃度測定方法、濃度測定装置及び検査方法は、上記実施例で示したように、簡易に、かつ、高精度に測定対象物質の濃度を測定するために、測定部に照射する略平行な光の照射パワーを変更し、制御部における光検出部の出力信号の解析方法を追加するだけで、非破壊検査を実現できる。即ち、測定部の検査に必要な専用の材料及び新規の構成要素を追加することなく、制御部のプログラムの設定を変えるだけで、非破壊検査を実現できる。そのため、本開示に係る濃度測定方法、濃度測定装置及び検査方法は、簡易で無駄がなく、極めて実用的である。
また、本開示に係る濃度測定方法、濃度測定装置及び検査方法は、センサデバイスの製造直後だけでなく、センサデバイスを使用する直前に検査できるので、測定部の感度が経時変化によりばらつきが生じても、測定対象物質の濃度を適切に測定できる。
図10は、本実施の形態における制御部18のハードウェア構成の一例を示すブロック図である。図10に示すように、制御部18は、CPU(Central Processing Unit)41と、ROM(Read Only Memory)42と、メインメモリ43と、入出力部45と、表示装置46と、入力装置47とを備える。
CPU41は、ROM42またはストレージ44などに記憶された制御プログラムを実行するプロセッサである。
ROM42は、制御プログラムなどを保持する読み出し専用記憶領域である。例えば、電気的に内容を書き換えることができるEEPROM(Electronically Erasable and Programmable Read Only Memory)などである。
メインメモリ43は、CPU41が制御プログラムを実行するときに使用するワークエリアとして用いられる揮発性の記憶領域である。
ストレージ44は、制御プログラム及びコンテンツなどを保持する不揮発性の記憶領域である。
入出力部45は、制御部18に接続されている内部機器と外部機器とに対してデータの入出力を行う入出力インターフェースである。例えば、Bluetooth(登録商標)、IrDA(Infrared Data Association)または赤外線通信ポートなどのような短距離無線伝達インターフェース、IEEE802.3またはIEEE802.11などのようなネットワークインターフェースなどである。
表示装置46は、情報を画像として表示する表示装置である。表示装置46は、例えば、液晶ディスプレイまたは有機EL(Electro Luminescence)ディスプレイなどである。
入力装置47は、ユーザによる入力操作を受け付ける入力装置である。入力装置47は、例えば、タッチパネル、キーボードまたはマウスなどである。
例えば、CPU41は、ROM42からプログラムを読み出して実行することによって、濃度測定装置100に対して、図3または図4に示すフローチャートにしたがった処理を実行させる。
以上、本開示に係る濃度測定方法、濃度測定装置及び検査方法について、実施の形態及び実施例に基づいて説明したが、本開示は、これらの実施の形態及び実施例に限定されるものではない。本開示の主旨を逸脱しない限り、当業者が思いつく各種変形を実施の形態及び実施例に施したものや、実施の形態及び実施例における一部の構成要素を組み合わせて構築される別の形態も、本開示の範囲に含まれる。
本開示に係る濃度測定方法、濃度測定装置及び検査方法は、例えば、空港、病院、宿泊施設、または教育機関など人が多く集まる場所に設置され、空気中に浮遊するウイルスの種類または量などを検出するために用いられるウイルス検出装置に有用である。
11 センサデバイス
12 光照射部
13a 第1の光
13b 第2の光
14a 表面増強ラマン散乱光
14b 表面増強蛍光
15 レンズ
16 フィルター
17 光検出部
18 制御部
19、19a〜19f 測定部
20 位置制御部
21 試料導入部
22 試料(サンプル溶液)
23 測定対象物質
24 蛍光物質
25 第2の特異的結合物質(抗体)
26 標識抗体
27 複合体
31 基板
32 金属薄膜
33 第1の特異的結合物質(固定化抗体)
41 CPU
42 ROM
43 メインメモリ
44 ストレージ
45 入出力部
46 表示装置
47 入力装置
100 濃度測定装置

Claims (9)

  1. 測定対象物質に結合する性質を有する第1の特異的結合物質が固定された金属ナノ構造を有する測定部に、第1の光を照射して、前記第1の特異的結合物質の表面増強ラマン散乱光を検出する第1の工程と、
    前記表面増強ラマン散乱光の強度に基づいて、前記測定部の使用可否を判定する第2の工程と、
    前記第2の工程で使用可能と判定された前記測定部に、前記測定対象物質と結合する性質を有する、蛍光物質で標識された第2の特異的結合物質と、前記測定対象物質とを含む試料を導入する第3の工程と、
    前記第3の工程が実施された前記測定部に、第2の光を照射して、前記蛍光物質の表面増強蛍光を検出し、前記測定対象物質の濃度を測定する第4の工程と、を含む、
    濃度測定方法。
  2. 前記第2の工程において、前記表面増強ラマン散乱光の強度が、所定の閾値以上の場合に、前記測定部を使用することは可能であると判定する、
    請求項1に記載の濃度測定方法。
  3. 前記測定部は、第1の測定部と第2の測定部とを含み、
    前記第1の測定部について、前記第1の工程を実施した後の前記第2の工程において、前記表面増強ラマン散乱光の強度が所定の閾値未満の場合に、前記第1の測定部を使用することは不能であると判定し、その後、
    前記第2の測定部について、前記第1の工程を実施した後の前記第2の工程において、前記表面増強ラマン散乱光の強度に基づいて、前記第2の測定部の使用可否を判定する、
    請求項1または2に記載の濃度測定方法。
  4. 前記第1の工程における前記第1の光の照射と、前記第3の工程における前記第2の光の照射とは、同一の光源によって行われる、
    請求項1から3のいずれか一項に記載の濃度測定方法。
  5. 前記第1の光及び前記第2の光は、同一波長である、
    請求項4に記載の濃度測定方法。
  6. 前記第1の工程における前記第1の光の照射パワーは、前記第3の工程における前記第2の光の照射パワーよりも大きい、
    請求項1から5のいずれか一項に記載の濃度測定方法。
  7. 測定対象物質に結合する性質を有する第1の特異的結合物質が固定された金属ナノ構造を有する測定部に、光を照射する光照射部と、
    前記測定対象物質と結合する性質を有する、蛍光物質で標識された第2の特異的結合物質と、前記測定対象物質とを含む試料を、前記測定部に導入する試料導入部と、
    表面増強ラマン散乱光及び表面増強蛍光を検出する光検出部と、
    制御部と、
    を備え、
    前記制御部は、
    前記光照射部を制御して、前記測定部に第1の光を照射し、
    前記第1の光の照射に応じて前記光検出部で検出された前記表面増強ラマン散乱光の強度に基づいて、前記測定部の使用可否を判定し、
    使用可能と判定された前記測定部に、前記試料導入部を制御して前記試料を導入し、
    前記試料が導入された前記測定部に、前記光照射部を制御して第2の光を照射し、
    前記第2の光の照射に応じて前記光検出部で検出された表面増強蛍光の強度に基づいて、前記測定対象物質の濃度を算出する、
    濃度測定装置。
  8. 前記測定部は、第1の測定部と第2の測定部とを含み、
    前記制御部は、前記第1の測定部について使用不能と判定した場合に、前記第1の測定部には、前記試料の導入及び前記第2の光の照射を行わずに、前記第2の測定部の使用可否を判定する、
    請求項7に記載の濃度測定装置。
  9. 測定対象物質に結合する性質を有する第1の特異的結合物質が固定された金属ナノ構造を有する測定部に、第1の光を照射して、前記第1の特異的結合物質の表面増強ラマン散乱光を検出する第1の工程と、
    前記表面増強ラマン散乱光の強度に基づいて、前記測定部の使用可否を判定する第2の工程と、
    を含む、
    検査方法。
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