JP5891990B2 - 光学式検体検出装置 - Google Patents

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本発明は、表面プラズモン共鳴(SPR;Surface Plasmon Resonance)測定装置、あるいは表面プラズモン共鳴現象を応用した表面プラズモン励起増強蛍光分光法(SPFS;Surface Plasmon-field enhanced Fluorescence Spectroscopy)の原理に基づいた、表面プラズモン励起増強蛍光測定装置などの光学式検体検出装置に関する。
従来から、極微少な物質の検出を行う場合において、物質の物理的現象を応用することでこのような物質の検出を可能とした様々な検体検出装置が用いられている。
このような検体検出装置の一つとして、ナノメートルレベルなどの微細領域中で電子と光とが共鳴することにより、高い光出力を得る現象(表面プラズモン共鳴(SPR;Surface Plasmon Resonance)現象)を応用し、例えば、生体内の極微少なアナライトの検出を行うようにした表面プラズモン共鳴装置(以下、「SPR装置」と言う)が挙げられる。
また、表面プラズモン共鳴(SPR)現象を応用した、表面プラズモン励起増強蛍光分光法(SPFS;Surface Plasmon-field enhanced Fluorescence Spectroscopy)の原理に基づき、SPR装置よりもさらに高精度にアナライト検出を行えるようにした表面プラズモン増強蛍光分光測定装置(以下、「SPFS装置」と言う)も、このような検体検出装置の一つである。
この表面プラズモン励起増強蛍光分光法(SPFS)は、光源より照射したレーザ光などの励起光が、金属薄膜表面で全反射減衰(ATR;Attenuated Total Reflectance)する条件において、金属薄膜表面に表面プラズモン光(疎密波)を発生させることによって、光源より照射した励起光が有するフォトン量を数十倍〜数百倍に増やして、表面プラズモン光の電場増強効果を得るようになっている。
図5は、このような光学式検体検出装置の一例として、特許文献1に開示されているSPR装置30を示したものである。
このSPR装置30では、光源1から照射された光Lが、樹脂製プリズム11の金属薄膜12が設けられていない面11bから入射され、樹脂製プリズム11と金属薄膜12の界面11aで反射され、樹脂製プリズム11の他方の面11cから出射された光ビームから、所望の波長の光ビームL1を波長選択部20で選択し、該波長選択部20で選択された光ビームL1の光強度分布を2次元画像としてCCD(Charge Coupled Device)イメージセンサ3で撮像するようにしている。
ここで、このようなSPR装置30に装填されたセンサーチップ10は、図6に示したようにガラス製または樹脂製のプリズム11と、金属薄膜12とから構成されており、金属薄膜12は、プリズム11の上面11aに蒸着などにより形成されている。
このような構成からなるセンサーチップ10を、図5に示したSPR装置30などの光学式検体検出装置に装填して使用する場合には、アナライトの検出に際し、毎回新たなセンサーチップ10と交換しないと、極微少なアナライトを正確に検出することができない。
しかしながら、金属薄膜12を始めとしてガラス製または樹脂製のプリズム11は高価であるため、センサーチップ10を測定のたびに交換することはコスト高となる。そのため、検査に要する費用が高くなるという問題があった。
特開2007−192841号公報
本発明は、このような実情に鑑み、例えば、SPR装置あるいはSPFS装置などの光学式検体検出装置に使用されるセンサーチップの一部の部材を繰り返し使用することを可能とし、これによりセンサーチップを安価に形成することができ、ひいては検査に要する費用を軽減することができる光学式検体検出装置を提供することを目的としている。
上記目的を達成するための本発明に係る光学式検体検出装置は、
誘電体部材と、
前記誘電体部材上に配設され、支持体上に金属薄膜が設けられたセンサー部材と、を有するセンサーチップを備え、
前記センサーチップの前記金属薄膜に励起光を照射することで、前記金属薄膜上のリガンドに捕捉されたアナライトの検出を行う光学式検体検出装置であって、
前記光学式検体検出装置は、
前記支持体が透明な磁性フィルムから成り
前記センサーチップの下方には、前記センサー部材を前記誘電体部材に対して吸着したり離反したりする電磁石を備え、
前記センサーチップは、
前記電磁石の吸着力によって、前記誘電体部材に対して前記センサー部材が着脱自在に配置されていることを特徴としている。
このような構成の光学式検体検出装置であれば、誘電体部材をセンサー部材から取り外すことができる。したがって、取り外された誘電体部材を繰り返し使用することができる。
ここで、本発明では、前記磁性フィルムは、二酸化チタン薄膜に磁性元素を含んで構成されていることが好ましい。
このような構成であれば適宜な光学性透明性を確保することができるとともに、磁石で吸着された場合に適宜な磁性力を発揮させることができる。
さらに、本発明では、前記リガンドは、SAM(Self-Assembled Monolayer)からなる固相膜、または、前記SAM上にCMD(カルボキシメチルデキストラン)を設けてなる固相膜を介して、前記金属薄膜に設置されていることが好ましい。
このように、リガンドが固相膜を介して金属薄膜に設置されていれば、リガンドの設置が容易であることは勿論のこと、リガンドに捕捉されるアナライトと金属薄膜表面との離反距離を十分に確保することができるので、金属薄膜による金属消光の影響を少なくすることができ、これにより、アナライトに付着した蛍光物質の視認性を良好にし、センサー感度を向上させることができる。
また、本発明では、前記誘電体部材が誘電体プリズムであることが好ましい。
このように誘電体部材を誘電体プリズムとすれば、入射角の調整により全反射する条件を容易に見出すことができる。
さらに、本発明では、前記誘電体部材の上面側には、前記アナライトを含む試料溶液を一時的に貯留するウェル部材、または前記アナライトを含む前記試料溶液を流通させることが可能な流通路形成部材が具備されていても良い。
このように、誘電体部材の上面にウェル部材または流通路形成部材が具備されていれば、アナライトの検出操作を容易に行うことができる。
また、本発明では、前記ウェル部材または前記流通路形成部材と、前記誘電体部材との間には、シール部材が介装されていることが好ましい。
このような構成であれば、前記ウェル部材または前記流通路形成部材に試料溶液を充填した場合における水密性を確保することができる。
さらに、本発明では、前記誘電体部材と前記センサー部材との間に屈折率整合液が充填されていても良い。
このような構成であれば、誘電体部材とセンサー部材との界面の隙間を屈折率整合液で満たすことができる。
また、本発明では、前記誘電体部材が樹脂製であることが好ましい。
このように誘電体部材が樹脂製であれば、ガラス製プリズムに比べて樹脂製プリズムを安価に製作することができる
このような構成であれば、光学式検体検出装置に具備された電磁石でセンサーチップの金属薄膜を吸着することにより、磁性フィルムと金属薄膜とから構成されるセンサー部材を、誘電体部材に一体化することができる。また、電磁石の通電を解除すれば、磁性フィルムと金属薄膜とから構成されるセンサー部材を、誘電体部材から切り離すことができる。これにより、誘電体部材を繰り返し使用することができる。
本発明に係る光学式検体検出装置によれば、磁性フィルムと金属薄膜とから構成されるセンサー部材を、誘電体部材に対し着脱自在の構成としたことにより、誘電体部材を繰り返し使用することができる。これにより、センサーチップを安価にすることができ、ひいては検査に要する費用を軽減することができる。
また、金属薄膜が支持された磁性フィルムを、光学式検体検出装置に具備された吸着手段により吸着させることにより、磁性フィルムを誘電体部材に密着させることができる。
さらに、吸着手段を解除すれば、磁性フィルムと金属薄膜とから構成されるセンサー部材を、誘電体部材から離反させることができる。したがって、検査毎にセンサーチップをそのまま交換しなくても、誘電体部材を繰り返して使用し、センサー部材のみを新たにすれば良い。
図1は本発明の一実施例に係るセンサーチップ周辺の概略図である。 図2は本発明の一実施例に係るセンサーチップが装填された光学検体検出装置の一例として示したSPR装置の概略図である。 図3は本発明の一実施例に係るセンサーチップの上方にウェル部材に代えて流路形成部材が配置されてなるセンサー構造体の概略図である。 図4は本発明の一実施例に係るセンサーチップが装填された光学検体検出装置の一例として示したSPFS装置の概略図である。 図5は従来のセンサーチップが装填された光学式検体検出装置の一例として示すSPR装置の概略図である。 図6は図5のSPR装置に装填された従来のセンサーチップの概略図である。
以下、図面を参照しながら、本発明の実施の形態について、より詳細に説明する。
図1は本発明の一実施例に係るセンサーチップの概略図で、図2は図1におけるセンサーチップが装填されたSPR装置70の概略図である。
図1に示したように、本実施例では、金属薄膜24と磁性フィルム25とによりセンサー部材18が構成され、このセンサー部材18が誘電体部材23の上に配置されることにより、センサーチップ22が構成されている。すなわち、磁性フィルム25は金属薄膜24の支持体として機能している。
このような構成のセンサーチップ22では、センサー部材18と誘電体部材23とが着脱自在に構成されている。したがって、センサーチップ22によれば、センサー部材18と誘電体部材23とを別々に形成し、別々に管理することもできる。
上記誘電体部材23としては、特に限定されるものではないが、光学的には透明な材質、例えば、ガラス、セラミックスなどの各種の無機物、天然ポリマー、合成ポリマーを用いることができ、化学的安定性、製造安定性、光学的透明性の観点から、二酸化ケイ素(SiO2)または二酸化チタン(TiO2)を含むものが好ましい。
また、本実施例では、鉛直断面形状が略台形であるプリズム形状の誘電体部材23が採用されているが、鉛直断面形状を三角形(いわゆる三角プリズム)、半円形状、半楕円形状にするなど誘電体部材23の形状は適宜変更可能である。
誘電体部材23として、天然ポリマー、合成ポリマーなど樹脂製の誘電体プリズム23(以下、誘電体部材23が樹脂製の誘電体プリズムである場合、樹脂製プリズム23ともいう。また、これと同様に、誘電体部材23がガラス製の誘電体プリズムである場合、ガラス製プリズム23ともいう。)を採用すれば、ガラス製プリズム23に比べて安価に形成することができる。したがって、樹脂製プリズム23は実用性に優れている。
また、誘電体部材23として、プリズムに代えて、例えば、平板状の導光板を採用することもできる。但し、導光板を採用する場合は、入射光を全反射させるための入射角度を調整する必要があることから、エッジ側の端面から光を入射させる必要がある。
上記磁性フィルム25は、二酸化チタン薄膜に磁性元素を含んで構成されていることが好ましい。
このように、磁性フィルム25として二酸化チタン薄膜から形成すれば、光学的透明性を確保することができるとともに、可撓性を発揮することができる。また、磁性元素を含むことにより、磁性を発揮することができる。
よって、このような磁性フィルム25であれば、例えば、図1における誘電体部材23の下面側に、永久磁石あるいは電磁石などからなる吸着手段37が配置されていれば、磁性フィルム25を磁石で吸着することができるので、磁性フィルム25の固定手段として機能させることができる。
すなわち、永久磁石あるいは電磁石などからなる吸着手段37が誘電体部材23の下方に配置されていれば、この吸着手段37の機能によりセンサー部材18を誘電体部材23側に引っ張って、磁性フィルム25を誘電体部材23に対し確実に固定することができる。
上記磁性フィルム25の厚さは、光学的には薄い程好ましいが、磁性元素を含有させるには適宜な厚さを有する方が好ましい。したがって、磁性フィルム25の厚さは、両者の機能を考慮して適宜な厚さに設定される。
また、上記金属薄膜24の材質としては、特に限定されるものではないが、好ましくは金,銀,アルミニウム,銅,および白金からなる群から選ばれる少なくとも1種の金属からなり、より好ましくは金からなり、さらにはこれらいずれかの金属を含む合金から構成しても良い。
このような金属または合金は、酸化に対して安定であり、かつ疎密波(表面プラズモン)による電場増強が大きくなることから金属薄膜24として好適である。
また、金属薄膜24の形成方法としては、特に限定されるものではないが、例えばスパッタリング法,蒸着法(抵抗加熱蒸着法,電子線蒸着法など),電解メッキ法,無電解メッキ法などが挙げられる。中でもスパッタリング法,蒸着法は、薄膜形成条件の調整が容易であるため好ましい。
さらに金属薄膜24の厚さとしては、金:5〜500nm、銀:5〜500nm、アルミニウム:5〜500nm、銅:5〜500nm、白金:5〜500nm、およびそれらの合金:5〜500nmの範囲内であることが好ましい。電場増強効果の観点からは、金:20〜70nm、銀:20〜70nm、アルミニウム:10〜50nm、銅:20〜70nm、白金:20〜70nm、およびそれらの合金:10〜70nmの範囲内であることがより好ましい。
金属薄膜24の厚さが上記範囲内であれば、疎密波(表面プラズモン)が発生し易く好適である。また、このような厚さを有する金属薄膜24であれば、大きさ(縦×横)は特に限定されない。
さらに、金属薄膜24の上に直接リガンドを設けることは困難であることから、先ず、金属薄膜24の上層にSAM(Self-Assembled Monolayer)からなる固相膜を設けるか、または、SAM上にCMD(カルボキシメチルデキストラン)を設けてなる固相膜を設けて、それらの固相膜にリガンドを設けることが好ましい。
このように、リガンドを設けるために固相膜が設けられていれば、リガンドに捕捉されるアナライトと、金属薄膜24との離間距離を十分に確保することができるので、蛍光の金属消光を防止することができる。よって、アナライトに付着した蛍光物質の視認性を良好にすることができる。
図2は、センサーチップ22が装填された光学式検体検出装置の一例としてSPR装置70を示したものである。
このSPR装置70では、センサーチップ22が装填された場合の誘電体部材23の直下に電磁石37が配置されている。
また、本実施例のSPR装置70では、センサーチップ22の取り扱いが容易となるように、センサーチップ22がセンサー組立体26の一部として組み込まれている。
すなわち、センサー組立体26は、一対の板状の挟持部材26a、26bと、シール部材31と、一対の板状の挟持部材26a、26b間を一体的に連結するネジなどの締結手段36とから構成されている。
センサーチップ22と板状の挟持部材26bとの間にシール部材31が配置され、シール部材31が配置された状態からネジなどの締結手段36で一対の板状の挟持部材26a、26b間が一体的に締結されている。このようにシール部材31が配置されることにより、板状の挟持部材26bの内部に試料溶液38を充填した場合のシール性が確保されている。
センサーチップ22を挟んで上下に配置される一対の板状の挟持部材26a、26bのうち、図2における下方側に配置される一方の挟持部材26aは、樹脂製プリズム23の外表面と同形状のテーパ状の斜面41からなる貫通孔を有するもので、その斜面41で囲まれたすり鉢状の貫通孔内に樹脂製プリズム23の基部側が収容されることにより、樹脂製プリズム23の移動が防止されている。
また、樹脂製プリズム23における図2の上方側に配置される他方の挟持部材26bは、例えば、生体中のアナライトを含有した試料溶液38を一時的に貯留することができるウェル部材として機能している。
さらに、樹脂製プリズム23と磁性フィルム25との間には屈折率整合液が充填されることが好ましい。屈折率整合液としては、従来公知の屈折率整合液(マッチングオイル)を用いることができるが、例えば、紫外線硬化型接着剤を充填することにより、屈折率整合性のほか接着固定機能を発揮させることができる。
なお、本実施例のセンサーチップ22が装填されたSPR装置70では、センサー組立体26の下方に光源33と受光手段34とが配置され、光源33および受光手段34には、照射位置や受光位置を調整するための位置調整手段42,43が具備されている。また、光源33の近傍には、励起光44をP偏波するための偏光板9が設置されている。
光源33から照射される励起光44としてはレーザ光が好ましく、波長200〜900nm、0.001〜1,000mWのLDレーザ、または波長230〜800nm、0.01〜100mWの半導体レーザが好適である。
また、本実施例のSPR装置70では、誘電体部材23の下方に電磁石37が具備されているが、この電磁石37が図1に示した吸着手段37に対応している。
したがって、このように構成されたSPR装置70では、センサーチップ22が誘電体部材23の上面に載置された状態から、既に電磁石37で下方に吸着されるように構成されているので、ネジなどによる締結手段36が未だ締結されていないとしても、磁性フィルム25が誘電体部材23に対し不用意に移動することがない。すなわち、電磁石37の機能により、センサーチップ22を誘電体部材23の表面に密着させることが可能となっている。
上記のようにして構成されたSPR装置70を用いて、例えば生体内のアナライトを検出するには、まず検出対象となるアナライトに捕捉される蛍光物質を含んだ試料溶液38を液溜まり部40内に供給する。この状態を保持することにより蛍光物質で標識されたアナライトが、金属薄膜24上のリガンドに捕捉された状態となる。
なお、アナライトに蛍光物質を結合させ検体としては、血液、血清、血漿、尿、鼻孔液、唾液、便、体腔液(髄液、腹水、胸水等)などが挙げられる。
また、検体中に含有されるアナライトは、例えば、核酸(一本鎖であっても二本鎖であってもよいDNA、RNA、ポリヌクレオチド、オリゴヌクレオチド、PNA(ペプチド核酸)等、またはヌクレオシド、ヌクレオチドおよびそれらの修飾分子)、タンパク質(ポリペプチド、オリゴペプチド等)、アミノ酸(修飾アミノ酸も含む)、糖質(オリゴ糖、多糖類、糖鎖等)、脂質、またはこれらの修飾分子、複合体などが挙げられ、具体的には、AFP(αフェトプロテイン)等のがん胎児性抗原や腫瘍マーカー、シグナル伝達物質、ホルモンなどであってもよく、特に限定されない。
さらに、この状態で光源33より金属薄膜24に励起光44を照射し、この励起光44が特定の入射角θaで金属薄膜24に入射することで、金属薄膜24上に疎密波(表面プラズモン)を生ずるようになる。
なお、金属薄膜24上に疎密波(表面プラズモン)が生ずる際には、励起光44と金属薄膜24中の電子振動とがカップリングし、反射光50の光量が減少することとなるため、受光手段34で受光される反射光50の光量が減少する地点を見つければ、疎密波(表面プラズモン)が生ずる共鳴角を得ることができる。
そして、アナライトの有無によって共鳴角が変わってくるため、アナライトを含まない試料溶液を液溜まり部40に供給したときの共鳴角を予め調べておけば、共鳴角が異なった場合に所定のアナライトが試料溶液38中に含有されているか否かを知ることができる。
以上、本発明の一実施例について説明したが、本発明は上記実施例に何ら限定されない。
例えば、上記実施例では、センサーチップ22を移動不能に挟持する他方の挟持部材26bをウェル部材として機能させ、試料溶液38を貯留させた状態で検査しているが、試料溶液38を検査位置に対して循環させることもできる。
すなわち、図3は、試料溶液38を検査位置に対して循環させることが可能な流路形成部材52をセンサーチップ22の上方に配置したセンサー構造体54を示したものである。このような流路形成部材52を用いたセンサー構造体54であれば、液溜まり部40に貯留された試料溶液38を、流路形成部材52を介して往復移動あるいは一方向に循環させることができる。
このように試料溶液38はウェル部材に貯留させた状態であっても、流路形成部材52により往復移動あるいは循環させた状態であっても、検体の検査を行うことができる。
また上記実施例では、センサーチップ22を用いる光学式検体検出装置としてSPR装置70を例示したが、センサーチップ22は、SPFS装置などの他の光学式検体検出装置に適用できることは勿論である。
図4は本発明に係る他の光学式検体検出装置の例として、SPFS装置80を示したものである。
本実施例のSPFS装置80は、図2に示したSPR装置70と基本的には同様の構成であり、また原理も同様であるので、同一要素については同一の符号を付してその詳細な説明を省略する。
すなわち、本実施例のセンサーチップ22は、樹脂製プリズム23と、磁性フィルム25と、金属薄膜24とから構成されている。
また、SPFS装置80には、誘電体部材23の下方に電磁石などの吸着手段37が具備されている点は、上記実施例と同様である。
SPFS装置80における、センサーチップ22の上方には、光を効率良く集光するための集光部材35と、蛍光32のみを選択的に透過するように形成された波長選択機能部材28と、光検出手段29とが設けられている。
光検出手段29としては、特に限定されないが、例えば超高感度の光電子倍増管や、多点計測が可能なCCD(Charge Coupled Device)イメージセンサ、CMOS(Complementary Metal Oxide Semiconductor)イメージセンサなどを用いることができる。
このようなSPFS装置80では、光源33から励起光44を照射して誘電体部材23の下方から誘電体部材23の側面に入射させる。このとき、励起光44は誘電体部材23を介して誘電体部材23の上面に形成された金属薄膜24に向かって入射角θaで照射されることになる。
一方、光検出手段29によって蛍光32の光強度すなわち金属薄膜24上に発生した表面プラズモン光(疎密波)の強度が測定される。
また金属薄膜24に対する励起光44の入射角度を変化させながら蛍光32を光検出手段29によって受光し、蛍光32の光強度(表面プラズモン光(疎密波)の強度)を測定する。
すなわち、励起光44の入射角θaと蛍光32の光強度の関係を測定することができ、ATR条件の測定を行うことができる。
ATR条件において、励起光44をセンサーチップ22の金属薄膜24に照射すると、金属薄膜24上に表面プラズモン光(疎密波)が発生して、この表面プラズモン光(疎密波)の強度に比例して蛍光32の光強度が変化(光量が増加)することとなるため、光検出手段29で受光する蛍光32の光強度が変化(例えば、光量が最も増加)する入射角を見つけることによって全反射減衰条件の測定が可能となる。
集光部材35としては、光検出手段29に蛍光シグナルを効率よく集光することを目的とするものであれば、任意の集光系でよい。簡易な集光系としては、例えば、顕微鏡などで使用されている市販の対物レンズを転用してもよい。対物レンズの倍率としては、10〜100倍が好ましい。
また、波長選択機能部材28としては、光学フィルタ、カットフィルタなどを用いることができる。
光学フィルタとしては、減光(ND)フィルタ、ダイアフラムレンズなどが挙げられる。さらに、カットフィルタとしては、外光(装置外の照明光)、励起光(励起光の透過成分)、迷光(各所での励起光の散乱成分)、プラズモンの散乱光(励起光44を起源とし、センサーチップ22表面上の構造体または付着物などの影響で発生する散乱光)、酸素蛍光基質の自家蛍光などの各種ノイズ光を除去するフィルタであって、例えば、干渉フィルタ、色フィルタなどが挙げられる。
そして、このようなSPFS装置80の使用時において、ATR条件を満たす入射角(共鳴角)で、金属薄膜24に励起光44を入射することで、金属薄膜24上に表面プラズモン光(疎密波)が発生することになる。
この表面プラズモン光(疎密波)により、金属薄膜24上の蛍光物質が効率よく励起され、これにより蛍光物質が発する蛍光32の光量が増大し、この蛍光32を集光部材35および波長選択機能部材28を介して光検出手段29で受光することで、微細量および/または極低濃度のアナライトを検出することができる。
以上、本発明に係るセンサーチップ22を用いたSPFS装置80の構成について説明したが、樹脂製プリズム23と磁性フィルムとの間が、電磁石などからなる吸着手段37が解除されていれば、金属薄膜24と磁性フィルム25とからなるセンサー部材18を、樹脂製プリズム23から自由に切り離すことができる。これにより、誘電体部材23をそのまま繰り返し使用することができる。
なお、以上のセンサーチップ22では、金属薄膜24の支持体として磁性フィルム25のみを用いているが、磁性フィルム25の上層に偏光性フィルムを新たに配置し、この偏光性フィルム上に金属薄膜24を配することもできる。
このように、磁性フィルム25の上層に偏光性フィルムが配置されているセンサーチップを、SPFS装置80などに装填した場合には、樹脂製プリズム23から発せられる自家蛍光や、磁性フィルム25から発せられる自家蛍光を、その偏光性フィルムで効果的に除去することができる。したがって、試料溶液38中の検体のアナライトの蛍光を正確に検出することができる。
1 光源
9 偏光板
18 センサー部材
22 センサーチップ
23 誘電体部材(誘電体プリズム、樹脂製プリズム、ガラス製プリズム)
24 金属薄膜
25 磁性フィルム
26 センサー組立体
26b 他方の挟持部材(ウェル部材)
28 波長選択機能部材
29 光検出手段
31 シール部材
33 光源
34 受光手段
35 集光部材
36 締結手段
37 吸着手段
38 試料溶液
39 貫通孔
40 液溜まり部
42,43 位置調整手段
44 励起光
50 反射光
52 流路形成部材
54 センサー構造体
70 SPR装置
80 SPFS装置

Claims (8)

  1. 誘電体部材と、
    前記誘電体部材上に配設され、支持体上に金属薄膜が設けられたセンサー部材と、を有するセンサーチップを備え、
    前記センサーチップの前記金属薄膜に励起光を照射することで、前記金属薄膜上のリガンドに捕捉されたアナライトの検出を行う光学式検体検出装置であって、
    前記光学式検体検出装置は、
    前記支持体が透明な磁性フィルムから成り
    前記センサーチップの下方には、前記センサー部材を前記誘電体部材に対して吸着したり離反したりする電磁石を備え、
    前記センサーチップは、
    前記電磁石の吸着力によって、前記誘電体部材に対して前記センサー部材が着脱自在に配置されていることを特徴とする光学式検体検出装置。
  2. 前記磁性フィルムは、二酸化チタン薄膜に磁性元素を含んで構成されていることを特徴とする請求項1に記載の光学式検体検出装置。
  3. 前記リガンドは、SAM(Self-Assembled Monolayer)からなる固相膜、または、前記SAM上にCMD(カルボキシメチルデキストラン)を設けてなる固相膜を介して、前記金属薄膜に設置されていることを特徴とする請求項1または2に記載の光学式検体検出装置。
  4. 前記誘電体部材が誘電体プリズムであることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の光学式検体検出装置。
  5. 前記誘電体部材の上面側には、前記アナライトを含む試料溶液を一時的に貯留するウェル部材、または前記アナライトを含む前記試料溶液を流通させることが可能な流通路形成部材が具備されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の光学式検体検出装置。
  6. 前記ウェル部材または前記流通路形成部材と、前記誘電体部材との間には、シール部材が介装されていることを特徴とする請求項5に記載の光学式検体検出装置。
  7. 前記誘電体部材と前記センサー部材との間に屈折率整合液が充填されていることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の光学式検体検出装置。
  8. 前記誘電体部材が樹脂製であることを特徴とする請求項1〜のいずれかに記載の光学式検体検出装置。
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