JP5712066B2 - 磁場計測装置、磁場計測装置製造方法 - Google Patents

磁場計測装置、磁場計測装置製造方法 Download PDF

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本発明は、磁場計測装置に関する。
近年、シリコン基板を用いて、内部にアルカリ金属ガスを保持するガスセルを作成した光ポンピング磁力センサが開発されている(非特許文献1、非特許文献2参照)。従来、上記ガスセルはガラス製であったが、非特許文献1および非特許文献2に記載されている技術では、Microelectromechanical systems(MEMS)技術を用いてシリコン基板を加工してガスセルを作成することにより、ガスセルを小型化・集積化している。
非特許文献1における光ポンピング磁力センサは、光源、ガスセル、光検出器、静磁場印加用コイル、RF磁場印加用コイルを備える。同ガスセルは、シリコン基板に貫通穴を形成し、シリコン基板両面にガラス基板を接合し、貫通穴にアルカリ金属としてルビジウムと窒素ガスを封止した、ガラス・シリコン基板・ガラスの3層構造からなる。
この磁力センサは、以下のように動作する。光源から発せられた円偏光した光により、ガスセル内のアルカリ金属(非特許文献1では、ルビジウム)ガス原子を光ポンピングによりスピン偏極させる。この偏極したアルカリ金属ガス原子スピンは、静磁場印加用コイルにより発生した静磁場の強度に対応した周波数で、歳差運動する。RF磁場印加用コイルにより発生したRF磁場の周波数が、この歳差周波数に一致したとき、ガスセルを通過した光は光磁気二重共鳴により共鳴ピークを持つ。この共鳴を光検出器で検出することにより、スピン歳差周波数を決定することができる。この歳差周波数は、アルカリ金属原子種による定数を介して印加された静磁場強度に比例するため、スピンの歳差周波数を計測することにより静磁場強度を計測することができる。この磁力センサは、光磁気二重共鳴型光ポンピング磁力センサ、またはMx型光ポンピング磁力センサと呼ばれる。
非特許文献2における光ポンピング磁力センサは、ポンプ光源、プローブ光源、ガスセル、光検出器、静磁場印加用コイルを備える。同ガスセルは、非特許文献1と同様に、ガラス・シリコン基板・ガラス3層構造からなる。
この磁力センサは、以下のように動作する。ポンプ光源から発せられた円偏光したポンプ光により、ガスセル内のアルカリ金属(非特許文献2では、ルビジウム)ガス原子を光ポンピングによりスピン偏極させる。ポンプ光の光路に直交する方向にプローブ光源から発せられた直線偏光したプローブ光の光路は、ポンプ光が通過する光路と、ガスセル内のアルカリ金属ガスが充填された領域において交差する。ガスセル内のスピン偏極したアルカリ金属ガス原子により、ファラデー回転と呼ばれる磁気光学効果が生じ、プローブ光の偏光面は、ポンプ光の光路に垂直な方向の磁場強度に比例した角度だけ回転する。このガスセルを通過したプローブ光の偏光面の角度を光検出器により検出することにより、磁場強度を計測することができる。この磁力センサは、ファラデー回転型光ポンピング磁力センサと呼ばれる。
上記のように、光ポンピング磁力センサでは、アルカリ金属ガス原子のスピン偏極を利用して磁場強度を計測する。アルカリ金属ガス原子のスピン偏極状態は、ガス原子がガスセルの内壁に衝突すると失活する。ガスセルを小型化すると、ガス原子がセルの内壁に衝突する頻度が高まるため、磁力センサが動作するためには、アルカリ金属ガス原子のスピン偏極状態を長く保持することが望ましい。
既知の解決策としては、ガスセル内に窒素ガス等の非磁性ガスや希ガス等(これらは、緩衝ガスと呼ばれる)をアルカリ金属ガスと同時に封入し、アルカリ金属ガス原子がセルの内壁に衝突する前に緩衝ガスに衝突させ、アルカリ金属ガス原子がセルの内壁に衝突する頻度を低下させる方法が知られている。また、ガスセルの内壁をパラフィンなどの飽和炭化水素やシランなどの水素化珪素でコーティングし、アルカリ金属ガス原子がセルの内壁に衝突しても偏極状態が保たれるようにする方法が知られている。
下記非特許文献1、非特許文献2では、緩衝ガスとして窒素ガスをガスセル内に封入する手法が記載されている。下記非特許文献3では、緩衝ガスをガスセル内に封入することにより、緩衝ガスシフトと呼ばれる、アルカリ金属の吸収波長がシフトする現象が生じることを明らかにしている。この緩衝ガスシフトは、緩衝ガスの圧力およびガス種により異なる。
下記非特許文献4では、ガスセルの内壁をパラフィンでコーティングすると、アルカリ金属がガスセルの内壁に最大10000回衝突するまで偏極を失わない旨が記載されている。これは、ガスセルの内壁をコーティングすることにより、磁力センサの感度を向上させる効果があることを意味する。
Peter D.D.Schwindt,et al."Chip−scale atomic magnetometer with improved sensituvity by use of the Mx technique",Applied Physics Letters 90,081102−1〜081102−3(2007) W.C.Griffith,et al."Femtotesla atomic magnetometry in a microfabricated vapor cell",Optics Express 18,27167〜27172(2010) A.Andalkar、R.B.Warrington,"High−resolution measurement of the pressure broadening and shift of the Cs D1 and D2 lines by N2 and He buffer gasses",Physical Review A,65,032708(2002) M.P.Ledbetter,et al."Zero−field remote detection of NMR with a microfabricated atomic magnetometer",Proceedings of the National Academy of Sciences,105,2286〜2290(2008)
非特許文献1において、ガスセルは、シリコン基板に空洞をエッチングにより形成し、ガラス基板を陽極接合し、ルビジウムと緩衝ガスとして窒素ガスをシリコン基板の空洞内に気密封止することによって製造する。ガスセル内部に余剰のルビジウムが存在すると、その一部はガスセル内の照射光が通過する部分に付着する。この付着したアルカリ金属固体あるいは液体により、照射光がガスセルを通過する際の妨げになり、検出性能を低下させる可能性がある。
非特許文献2において、ガスセルは、シリコン基板に空洞をエッチングにより形成し、ガラス基板を陽極接合し、塩化ルビジウム(RbCl)とアジ化バリウム(BaN)の化学反応により得られるルビジウムおよび窒素ガスと未反応のアジ化バリウムを空洞内に密封することによって製造する。アジ化バリウムを空洞に内包することにより、密閉後に加熱しアジ化バリウムを化学反応させ窒素ガスを発生させることができるため、ガスセル製造後に窒素ガス圧力を制御することができる利点がある。また、ガスセルを、2つの空洞を細い通路で連結した構成とし、片方の空洞にアジ化バリウムを配置することにより、照射光が通過するもう片方の空洞へは拡散しにくい構造となるので、余剰のアジ化バリウムが照射光の通過を妨げることを防ぐ利点がある。しかしながら、アジ化バリウムを加熱反応し窒素ガスを発生させるプロセスは、反応量を定量的に制御することが難しいため、緩衝ガスの圧力を制御することが難しい。
緩衝ガスは、上述のようにアルカリ金属ガス原子がセルの内壁に衝突する頻度を低下する効果が得られる反面、ガスセル内のガス圧が高くなる。ガスセル内の緩衝ガス量が増加すると、アルカリ金属ガス原子が緩衝ガスに衝突する頻度が高まるため、アルカリ金属ガス原子が緩衝ガスに衝突することにより、スピン偏極状態が失活する。したがって、スピン偏極状態が保持される時間は緩衝ガス圧力に依存し、最大値を持つ。
本発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、ガスセルの内壁のうち照射光が通過する部分にアルカリ金属固体あるいは液体が過剰に付着し、照射光がガスセルを通過する妨げとなることを抑制することを目的とする。
本発明に係る磁場計測装置は、アルカリ金属ガスを発生させる物質を配置した第1空洞と、照射光が通過する第2空洞とを連通させる連通路を備え、連通路の開口サイズは、各空洞を隔てる隔壁の高さよりも小さい。
本発明に係る磁場計測装置によれば、照射光がガスセルを通過する際の妨げとなることを抑制することができる。
実施形態1に係る磁場計測装置が備えるガスセルの上面図である。 図1のA−A’断面図である。 実施形態1に係るガスセルを製造する手順を示す図である。 実施形態2に係る磁場計測装置が備えるガスセルの上面図である。 図4のA−A’断面図である。 実施形態2に係るガスセルを製造する手順を示す図である。 実施形態3に係る磁場計測装置が備えるガスセルの上面図である。 図7のA−A’断面図である。 実施形態3に係るガスセルを製造する手順を示す図である。 実施形態4におけるガスセルの上面図である。 図10のA−A’断面図である。 実施形態4に係るガスセルを製造する手順を示す図である。 実施形態5に係るガスセルの上面図である。 図13のA−A’断面図である。 図13のB−B’断面図である。 実施形態5に係るガスセルを製造する手順を示す図である。 基板104を用いずに本実施形態5と同様のガスセルを構成した例を示す図である。 実施形態6に係る磁場計測装置が備えるガスセルの上面図である。 図18のA−A’断面図である。 実施形態6に係るガスセルを製造する手順を示す図である。 実施形態7に係る光ポンピング磁力センサの側断面図である。 実施形態8に係る光ポンピング磁力センサの側断面図である。
<実施の形態1>
図1は、本発明の実施形態1に係る磁場計測装置が備えるガスセルの上面図である。本実施形態1におけるガスセルは、基板102の上面にガラス基板101を配置し、下面にガラス基板103を配置した、ガラス・基板・ガラスの3層構成を有する。ガラス基板101と103は、ガスセルを覆う「蓋部」に相当する。
本実施形態1に係る磁場計測装置は、後述する上面ガラス基板101から下面ガラス基板103へ向かう方向で、空洞112に光を照射し、空洞112内のアルカリ金属ガスを照射光が通過することによって磁場を計測するものと仮定するが、これに限られるものではない。例えば、照射光を下面ガラス基板103から上面ガラス基板101へ向かう方向に照射してもよい。
基板102は、離隔して配置された2つの空洞111と空洞112を有する。空洞111と空洞112の間には、これらを隔てる隔壁が形成されており、さらにこの隔壁を貫通して空洞111と空洞112を連通させる連通路114が設けられている。
基板102の材質としては、後述するガラス基板101を配置した後に高エネルギーレーザ等を照射することにより、照射部分が蒸発し、連通路114を形成することができる材質を用いることが望ましい。例えばシリコン基板などを用いるとよい。図1では、基板102は正方形としているが、他の多角形あるいは曲線形状としてもよい。
空洞111は、アルカリ金属物質121を内包し、アルカリ金属物質121から発生するアルカリ金属ガスが空洞111内に充満される。図1では、空洞111は基板102を厚さ方向に貫通した構成としているが、アルカリ金属物質121を保持できる構造であればよく、基板102を貫通していなくても構わない。空洞111の体積は、空洞112の体積より小さくすることができる。空洞111内は、後述するガラス基板101とガラス基板103によって囲まれた領域が密閉されていればよく、アルカリ金属ガスのほか、窒素ガスあるいは希ガス等、もしくはそれらの混合雰囲気を内包してもよい。図1では、空洞111の形状は矩形としているが、他の多角形あるいは曲線で囲まれた形状でもよい。
アルカリ金属物質121は、アルカリ金属ガスを発生させる材質であればよく、液体でも固体でもよい。アルカリ金属を含有する化合物等を配置し、化学反応等を利用してアルカリ金属ガスを発生させ得る材質を用いてもよい。
空洞112は、基板102を厚さ方向に貫通した構成を有し、空洞111に接続された連通路114を通じて、空洞111内に充満しているアルカリ金属ガスが空洞112に伝搬する。空洞112内は、後述するガラス基板101とガラス基板103に囲まれた領域が密閉されていればよく、アルカリ金属ガスのほか、窒素ガスあるいは希ガス等、もしくはそれらの混合雰囲気を内包してもよい。図1では、空洞112の形状は正方形としているが、他の多角形あるいは曲線で囲まれた形状でもよい。
連通路114は、空洞111が内包するアルカリ金属物質121から発生したアルカリ金属ガスを空洞112に伝搬させる。空洞111と空洞112を隔てる隔壁は、アルカリ金属ガスが空洞112に拡散しにくいようにする障壁として作用する。これにより、アルカリ金属ガスが空洞112に拡散し、空洞112に面するガラス基板101とガラス基板102に付着することを防ぎ、空洞112を透過するレーザが当該領域に付着したアルカリ金属物質によって反射・散乱することを抑制する。
図2は、図1のA−A’断面図である。ガラス基板101とガラス基板103は、照射するレーザに対して透明な材質、例えばホウケイ酸ガラスで形成されている。ここでいうレーザとは、磁場を計測するために照射する照射光、および後述の図3で説明する連通路114を加工するためのレーザである。
ガラス基板101とガラス基板103は、空洞111と空洞112を上下から封止し、空洞111のアルカリ金属物質121、および各空洞と連通路114に充満したアルカリ金属ガスが磁場計測装置の外部に漏えいしないようにする。
空洞112から連通路114を見たときの連通路114の高さ方向(基板の厚さ方向)の開口サイズは、空洞111と空洞112を隔てる隔壁の高さよりも小さい。すなわち、隔壁の高さ方向の一部のみが開口していることになる。
図3は、本実施形態1に係るガスセルを製造する手順を示す図である。ここでは、図2に示した断面図を用いて各工程を記載している。以下、図3に示す各工程について説明する。
(図3:工程(a))
基板102上に形成したマスク材料105を用いたリソグラフィ等により、空洞111と空洞112に対応するパターンを基板102上に形成し、エッチング等により基板102に貫通穴を開けて空洞111と空洞112を形成する。マスク材料105としては、例えば酸化シリコン膜を用いることができる。エッチングの例として、SiF(四フッ化ケイ素)ガスを用いたドライエッチングが挙げられる。
(図3:工程(a):補足)
空洞111と空洞112の断面は、必ずしも垂直である必要はなく、斜めあるいは段差があってもよい。したがって、例えばKOH(水酸化カリウム)水溶液等を用いたウェットエッチング、あるいはレーザやドリル等により直接基板102を加工し、空洞111と空洞112を形成してもよい。
(図3:工程(b))
工程(a)の結果、空洞111と空洞112に対応する貫通穴が基板102上に形成される。マスク材料105を塗布した位置を除く箇所に貫通穴が形成されている。
(図3:工程(c))
アルカリ金属物質121を空洞111に内包した状態で、基板102の上下からガラス基板101とガラス基板103を基板102に接着もしくは接合し、空洞111と空洞112を密閉する。ガラス基板101および103の材質としてホウケイ酸ガラスを用い、基板102の材質としてシリコン基板を用いた場合は、これら3層を例えば陽極接合により接合することができる。ガラス基板101および103と基板102の間に密閉性が保たれていればその他の手法を用いてもよい。例えば、接着材等を用いてこれら3層を張り合わせてもよい。
(図3:工程(c):補足その1)
ガラス基板101またはガラス基板103を接着または接合する際に、窒素等の非磁性ガスまたは希ガス等の緩衝ガス雰囲気下で接着または接合を実施し、空洞111と空洞112にこれら緩衝ガスを同時に封入してもよい。緩衝ガスを封入することにより、アルカリ金属ガスのスピン散乱を抑制する効果を発揮する。
(図3:工程(c):補足その2)
アルカリ金属物質121は、アルカリ金属ガスを発生させるために空洞111に内包しているため、アルカリ金属物質121の代わりに、アルカリ金属を含有する化合物を用いることもできる。この場合は、基板102にガラス基板101とガラス基板103を接着または接合し、空洞111を密閉した後に、加熱反応等によりアルカリ金属ガスを発生させる。
(図3:工程(d))
基板102の上面にガラス基板101を配置し、基板102の下面にガラス基板103を配置することにより、空洞111および空洞112を密閉した後、連通路114を形成する箇所に高エネルギーレーザを走査しながら照射し、または照射位置を変えながら複数回照射する。これにより、レーザを照射した部分の基板102が蒸発し、連通路114が形成される。高エネルギーレーザを同一箇所に複数回照射し、蒸発するシリコンを増加させることにより、連通路114の厚み(高さ方向のサイズ)を調整することができる。
(図3:工程(d):補足その1)
ここでは、高エネルギーレーザを用いて連通路114を作成しているが、連通路114は、空洞111に内包したアルカリ金属物質121が空洞112に拡散することを防ぐ構成であればよいので、例えばリソグラフィとエッチングを用いて連通路114を作成することもできる。
(図3:工程(d):補足その2)
連通路114の厚さは、アルカリ金属物質121が空洞112へ拡散せずアルカリ金属ガスのみが拡散する程度にすることが望ましい。そのため、図1〜図3では見易さのため連通路114を太く図示しているが、実際の連通路114の幅は1〜100μm程度、厚さ(高さ方向のサイズ)は1〜100μm程度とすることが望ましい。
<実施の形態1:まとめ>
以上のように、本実施形態1に係る磁場計測装置は、空洞111と空洞112の間に隔壁を備え、空洞112から見た高さ方向の開口サイズが隔壁の高さよりも小さい連通路114によって各空洞を連通させている。連通路114は隔壁の高さ方向の一部のみに設けられているので、空洞111内のアルカリ金属ガスは連通路114を通って空洞112に伝搬するが、アルカリ金属物質121は空洞112に拡散しにくい。これにより、アルカリ金属物質121が空洞112の内壁に過度に付着して照射光が透過することの妨げになることを抑制できる。すなわち、照射光の光路を妨げるアルカリ金属物質121が光路から分離して配置されているため、透過レーザ強度が安定し、磁場計測装置の検出性能を安定させることができる。
<実施の形態2>
先に述べた非特許文献4では、従来技術において用いられているガラス製のガスセル内壁をコーティングしている。しかし、本発明において採用している、MEMS技術を用いて小型化したガラス・シリコン基板・ガラスの3層構造からなるガスセルの内壁をコーティングした技術は開示されていない。そこで本発明の実施形態2では、実施形態1で説明した構成の下で、空洞112の内壁をコーティングした構成例およびその製造手順について説明する。
図4は、本実施形態2に係る磁場計測装置が備えるガスセルの上面図である。基板102、後述するガラス基板101および103、空洞111、アルカリ金属物質121については、実施形態1と同様である。
空洞112は、基板102上に形成した貫通穴を、ガラス基板101とガラス基板103で囲んだ領域によって構成され、連通路114を介して空洞111と連結されている。空洞111が内包するアルカリ金属物質121から発生したアルカリ金属ガスは、連通路114を介して空洞112内に伝搬する。空洞112を構成する壁面には、コーティング材料122が層状に形成されている。図4および後述の図5では空洞112は直方体形状としているが、空洞112の密閉が保たれていれば、他の多角形や曲面から構成される形状や、段差がある形状としてもよい。
コーティング材料122は、レーザにより偏極したアルカリ金属原子のスピンが壁面に衝突する際に失活することを抑制する効果がある。コーティング材料122は、例えばパラフィンなどの飽和炭化水素、octadecyltrichlorosilaneなどの水素化珪素が用いられる。
図5は、図4のA−A’断面図である。空洞112の内壁のうち、空洞111と連通する部分については、コーティング材料122が除去され、空洞111との間の経路が確保されている。すなわち、コーティング材料122の一部は、連通路114の経路の一部を形成している。
図6は、本実施形態2に係るガスセルを製造する手順を示す図である。ここでは、図5に示した断面図を用いて各工程を記載している。以下、図6に示す各工程について説明する。
(図6:工程(a))
アルカリ金属物質121を空洞111内に配置し、コーティング材料122を空洞112内に配置した状態で、ガラス基板101とガラス基板103を基板102に接着または接合し、空洞111と空洞112を密閉する。接着または接合の方法は実施形態1と同様である。
(図6:工程(b))
基板102の上面にガラス基板101を配置し、基板102の下面にガラス基板103を配置することにより、空洞111および空洞112を密閉した後、ガスセル全体を加熱することにより、空洞112に内包したコーティング材料122を気化させ、その後冷却する。これにより、コーティング材料122が空洞112の内壁面に層状に形成される。このとき、アルカリ金属物質121から発生したアルカリ金属ガスは空洞112には存在しないため、コーティング材料122とアルカリ金属物質121が混ざることなく、空洞112の内壁をコーティングすることができる。
(図6:工程(c))
空洞112の内壁をコーティングした後、実施形態1と同様に連通路114を形成する箇所に高エネルギーレーザを走査しながら照射し、または照射位置を変えながら複数回照射する。これにより、レーザを照射した部分の基板102とコーティング材料122が蒸発し、連通路114が形成される。
(図6:工程(c):補足)
本工程において、高エネルギーレーザを照射することにより基板102が局所的に加熱されるため、空洞112の連通路114付近の領域に形成されたコーティング材料122も加熱されて再び気化し、結果として当該領域のコーティング材料122がはがれる可能性が考えられる。しかし、連通路114は、空洞111に内包されたアルカリ金属物質121から発生したアルカリ金属ガスが連通路114を通って空洞112に拡散する目的で形成するため、幅は1〜100μm、高さは1〜100μm程度である。空洞111は、1辺1〜10mm程度の正方形と想定すると、空洞111の表面積に対して連通路114が空洞111に接する面積は100分の1以下であるため、連通路114を形成することによってコーティング材料122がはがれる程度は微小であり、大きな影響とはならない。
<実施の形態2:まとめ>
以上のように、本実施形態2に係る磁場計測装置は、空洞112をコーティング材料122によってコーティングしている。これにより、アルカリ金属原子のスピンが空洞112の内壁に衝突して失活することを抑制できる。
また、本実施形態2に係る磁場計測装置を製造する際には、空洞112内にコーティング材料122を封じてガラス基板101と103を積層した後、ガスセルを加熱してコーティング材料122を気化させ、空洞112の内壁をコーティング材料122でコーティングする。その後、連通路114を形成する箇所の基板102とコーティング材料122を除去し、空洞111と空洞112の間に連通路114を形成する。これにより、空洞111と空洞112の間の連通を確保しつつ、空洞112の内壁をコーティングすることができる。また、アルカリ金属物質121がコーティング材料122と混ざることなく、空洞112をコーティングすることができる。
<実施の形態3>
図7は、本発明の実施形態3に係る磁場計測装置が備えるガスセルの上面図である。本実施形態3におけるガスセルは、実施形態2と同様の構成を有するが、製造工程において空洞111と空洞112を個別に封止する点が異なる。また、各空洞を個別に封止する過程において、基板102とは別の基板104を用いる。
図8は、図7のA−A’断面図である。本実施形態3におけるガスセルは、ガラス基板101、基板102、基板104、ガラス基板103の順に配置された、ガラス・基板・基板・ガラスの4層構成を有する。その他の構成は、実施形態2と概ね同様であるため、以下では基板104に係る差異点を中心に説明する。
図9は、本実施形態3に係るガスセルを製造する手順を示す図である。ここでは、図8に示した断面図を用いて各工程を記載している。以下、図9に示す各工程について説明する。
(図9:工程(a))
基板104の材質として、例えばシリコン基板を用いることができる。基板102と104上に、例えばフォトリソグラフィとエッチングにより空洞111および空洞112に相当する貫通穴を形成する。空洞111内にアルカリ金属物質121を配置した状態で、基板102の上面からガラス基板101を接着または接合し、基板102の下面から基板104を接着または接合する。本工程により、空洞111のみが封止される。
(図9:工程(a):補足その1)
基板104および基板102をシリコン基板で形成し、ガラス基板103をホウケイ酸ガラスで形成した場合は、基板104と基板102は接着または熱接合により接合し、基板102とガラス基板103は陽極接合により接合することができる。
(図9:工程(a):補足その2)
アルカリ金属物質121の替わりにアルカリ金属化合物を含有する化合物を配置した場合、ガラス基板101、基板102、基板104を接着または接合し、空洞111が密閉された段階で、加熱反応等によりアルカリ金属化合物を分解しアルカリ金属ガスを発生させてもよい。
(図9:工程(b))
空洞112内にコーティング材料122を配置した状態で、基板104の下面からガラス基板103を接着または接合する。本工程により、空洞112が封止される。
(図9:工程(c))
空洞112が密閉された状態で、ガスセルを加熱し、コーティング材料122を気化させる。その後ガスセルを冷却し、コーティング材料122によって空洞112の内壁を覆う。
(図9:工程(d))
本工程では、実施形態2と同様の手法で、連通路114を形成する。
<実施の形態3:まとめ>
以上のように、本実施形態3に係る磁場計測装置は、空洞111と空洞112をそれぞれ個別に封止する。これにより、空洞111にアルカリ金属物質121の代わりにアルカリ金属化合物を配置した際に、コーティング材料122を配置する前にアルカリ金属化合物の化学分解反応を実施することができる。したがって、例えば高温処理のようなコーティング材料122に影響を与える工程を、コーティング材料122から切り離して実施することができる。
また、工程(d)で連通路114を形成する前にアルカリ金属化合物を加熱等することにより、アルカリ金属化合物の副生成物および未反応残留物が空洞112に混入することを防ぐことができる。これにより、副生成物および未反応残留物の混入によって照射光が通過する妨げとなることを防ぐことができる。
<実施の形態4>
実施形態1〜3において、空洞112内に封入する緩衝ガスの混合比、圧力などのパラメータは、磁場計測装置の実際の用途によって個々に調整する必要がある。しかし、これらパラメータを個別に調整することは、製造コストなどの増加につながる。そこで本発明の実施形態4では、磁場計測装置を製造した後、これらパラメータを調整することができる構成例を説明する。
図10は、本実施形態4におけるガスセルの上面図である。本実施形態4に係るガスセルは、空洞111と空洞112に加えて、1以上の空洞113を備える。空洞112と各空洞113は、連通路114を介して接続されている。なお連通路114は、図9〜図10で説明するように、基板102の下面に構成されているが、見易さのため連通路114の位置を点線で示した。
各空洞113は、それぞれ個別の体積を有し、個別の気体(または真空)を内包している。各空洞113の体積は、同一でもよいし個別に異なっていてもよい。各空洞113が内包する気体のガス種、圧力などのパラメータは、空洞111及び空洞112が内包する気体のパラメータと異なっている。空洞112と各空洞113を連通させる連通路114は、それぞれ1経路ずつ設けてもよいし、複数経路設けてもよい。
空洞113に係る構成以外は実施形態1〜3と同様であるため、以下では空洞113に係る差異点を中心に説明する。
図11は、図10のA−A’断面図である。本実施形態4におけるガスセルは、ガラス基板101、基板104、基板102、ガラス基板103の順に配置された、ガラス・基板・基板・ガラスの4層構成を有する。
基板102は、空洞111、空洞112、空洞113に対応する、離隔して配置された3箇所以上の貫通穴を有する。また、基板102の下方には、これら空洞を接続する連通路114が設けられている。
空洞113は、基板102上に形成した貫通穴を、基板104とガラス基板102で囲んだ領域によって構成される。空洞113内には、窒素ガス等の非磁性ガスもしくは希ガス、またはそれらの混合雰囲気を封入する。
空洞111と空洞112を接続する連通路114は、実施形態1〜3と同様に設ける。これにより、ガスセルはいったん完成する。空洞112と空洞113を接続する連通路114は、空洞112内の緩衝ガスの圧力やガス混合比を調整する必要がある場合、空洞113内に封止されているガス種、圧力などに応じて適宜設ける。これにより、空洞112内の緩衝ガスのパラメータ(ガス混合比、圧力など)を、ガスセルがいったん完成した後に調整することができる。
図12は、本実施形態4に係るガスセルを製造する手順を示す図である。ここでは、図11に示した断面図を用いて各工程を記載している。以下、図12に示す各工程について説明する。
(図12:工程(a))
例えばフォトリソグラフィとエッチングにより、基板102上にそれぞれ空洞111〜113に対応する貫通穴を形成し、基板104上に空洞111と空洞112に対応する貫通穴を形成する。基板102の下面にガラス基板103を接着または接合し、基板102の上面に基板104を接着または接合する。これら基板を接着または接合する手法は、実施形態3と同様である。
(図12:工程(a):補足)
本工程は、窒素ガス等の不活性ガスもしくは希ガス、またはその混合ガスの雰囲気下で実施し、これらガスを空洞113内に封止する。本工程の時点では、空洞111と空洞112の上部が開放されているため、空洞113内に封入するガスは、空洞111および空洞112には封入されない。
(図12:工程(b))
空洞111内にアルカリ金属物質121を配置し、基板104の上面にガラス基板101を接着もしくは接合する。本工程は、空洞111と空洞112に封入するガス雰囲気の下で実施し、これらガスを空洞111と空洞112の内部に封止する。
(図12:工程(c))
実施形態1〜3と同様の手法により、空洞111と空洞112を接続する連通路114を形成する。これにより、ガスセルはいったん完成する。さらに、空洞112内の不活性ガスあるいは希ガスの圧力調整、または混合ガスの混合比を変更するため、必要に応じて空洞112といずれかの空洞113の間に連通路114を形成する。
<実施の形態4:まとめ>
以上のように、本実施形態4に係る磁場計測装置は、空洞112内の緩衝ガスとは異なるガス種、圧力などを有するガスを内包した空洞113を1以上備える。空洞113と空洞112を必要に応じて連通路114で接続することにより、空洞112内の緩衝ガスの圧力および混合比を調整することができる。なお、この効果を得るためには、空洞112と空洞113に内包したガス雰囲気が異なればよく、例えば空洞112と空洞113のいずれかが真空であってもよい。
なお、本実施形態4において、空洞112内を実施形態2〜3で説明したようにコーティング材料122でコーティングすることもできる。この場合、図12の工程(c)において連通路114を形成する際にコーティング材料122が除去され、コーティング材料122の一部が連通路114の経路の一部を形成する。
<実施の形態5>
実施形態1〜4では、連通路114は直線状としたが、これに限られるものではない。本発明の実施形態5では、連通路114の形状が実施形態1〜4とは異なる構成例について説明する。
図13は、本実施形態5に係るガスセルの上面図である。本実施形態5において、連通路114は、途中で屈折している。その他の構成は、実施形態1〜4と概ね同様であるため、以下では連通路114に係る差異点を中心に説明する。図13では、実施形態1で説明した構成の下で、連通路114を屈折させた構成例を示したが、その他の実施形態において連通路114を屈折させることもできる。
連通路114は、L字型に形成されている。このように連通路114に1箇所以上の屈曲点を設けることにより、空洞111に内包したアルカリ金属物質121が空洞112に拡散することをより効率的に防ぐことができる。
図14は、図13のA−A’断面図である。本実施形態5に係るガスセルは、ガラス基板101、基板104、基板102、ガラス基板103の順に配置された、ガラス・基板・基板・ガラスの4層構成を有する。
基板102は、空洞111と空洞112に対応する位置に貫通穴を有する。基板104は、空洞112に対応する位置に貫通穴を有する。基板104に対して水平方向に入射するレーザをポンプ光として用いる、いわゆるファラデー回転型光ポンピング磁力センサのセンサ部として、本実施形態5に係るガスセルを利用することができる。
空洞112は、基板102と基板104にそれぞれ形成された貫通穴を、ガラス基板101とガラス基板103で囲んだ領域から構成される。基板102のみを用いて空洞112を構成した場合に比べて、照射光がアルカリ金属ガスを通過する光路を長くすることができる。これにより、スピン偏極する原子数を増加させる効果や、アルカリ金属原子のスピン緩和時間を増加させる効果を発揮し、磁場検出感度を高めることができる。レーザ光の光路をさらに長くするため、基板104を2枚以上配置することも有効である。
図15は、図13のB−B’断面図である。連通路114は、基板102が基板104と接触する面に形成されている。これにより、空洞111内のアルカリ金属物質121がガラス基板101またはガラス基板103を伝って連通路114を通り空洞112に拡散することを防ぐ効果がある。
例えば、アルカリ金属物質121が液体であると仮定する。磁場計測装置は、その運用中に傾いたり上下反転して配置されたりする場合がある。このとき、連通路114がガラス基板101または103に面していると、アルカリ金属物質121がガラス基板101または103の蓋面に流れ出てその表面を伝わり空洞112に到達する可能性がある。本実施形態5のように、基板102が基板104と接触する面に連通路114を形成することにより、少なくともアルカリ金属物質121がガラス基板101または103の蓋面に直接流れ出ることを防止できる。
図16は、本実施形態5に係るガスセルを製造する手順を示す図である。図16(a)〜(d)は図14に示したA−A’断面図を用いて各工程を記載し、図16(e)〜(h)は図15に示したB−B’断面図を用いて各工程を記載している。以下、図16に示す各工程について説明する。
(図16:工程(a)〜(c)、(e)〜(g))
基板102上に形成したマスク材料105を用いて、リソグラフィにより連通路114のパターンを形成する。その後、エッチング等により基板102上に空洞111と112に相当する貫通穴を形成する。また、これと同時に、連通路114に相当するL字形の溝部分を形成する。
(図16:工程(a)〜(c)、(e)〜(g):補足その1)
本工程では、空洞111と空洞112を形成する際に連通路114も併せて形成しているが、同様の構成を得られれば、空洞111と空洞112を形成した後に連通路114を形成してもよい。また、実施形態1と同様に、ガラス基板101とガラス基板103を接着または接合した後に高エネルギーレーザを照射することにより、連通路114を形成してもよい。後者の場合には、基板104は、高エネルギーレーザに対して透明な材質である必要がある。
(図16:工程(a)〜(c)、(e)〜(g):補足その2)
基板104上に形成した空洞111および空洞112の形状および位置は、基板102上に形成した空洞111および空洞112の形状および位置と必ずしも一致する必要はない。基板104と基板102を接着または接合した後に、基板104上の空洞111および空洞112と、基板102上の空洞111および空洞112が、各空洞を形成できる程度に重なり合えばよい。
(図16:工程(d)(h))
ガラス基板101、基板104、基板102、およびガラス基板103をそれぞれ接着または接合し、空洞111、空洞112、および連通路114を密閉する。接合または接着を非磁性ガスや希ガス等の雰囲気下で実施し、空洞111および空洞112にこれらのガスを封入してもよい。
図17は、基板104を用いずに本実施形態5と同様のガスセルを構成した例を示す図である。図17は、図13のA−A’断面図に相当する。ガラス基板101に非貫通溝を形成することにより、基板104を使用しなくても、本実施形態5と同様の構成を得ることができる。あるいは、基板104の空洞111と空洞112に相当する部分を貫通させず非貫通溝として形成した場合、空洞の機密性が保たれるのであれば、ガラス基板101に代えて基板104を用い、ガラス基板101を省略することもできる。
<実施の形態5:まとめ>
以上、本実施形態5では、連通路114が屈曲点を有する構成例を説明した。同様の構成は、実施形態1〜4、および以下に説明する実施形態6でも採用することができる。
<実施の形態6>
実施形態5では、基板102と基板104が接する面に連通路114を設けることにより、アルカリ金属物質121が少なくとも直接ガラス基板101または103に流れ出ることがないようにした。しかし、磁場計測装置の姿勢などによっては、基板102と基板104が接する面を伝ってアルカリ金属物質121が空洞112内に流れ出る可能性はあると考えられる。そこで本発明の実施形態6では、アルカリ金属物質121が空洞112内に流れ出ることをさらに抑制する構成例を説明する。
図18は、本実施形態6に係る磁場計測装置が備えるガスセルの上面図である。本実施形態6におけるガスセルは、実施形態1と同様の構成を備えるが、連通路114はガラス基板101と103に接しておらず、さらに基板102と104が接する面にも接しないように形成されている。
図19は、図18のA−A’断面図である。本実施形態6に係るガスセルは、ガラス基板101、基板104、基板102、ガラス基板103の順に配置された、ガラス・基板・基板・ガラスの4層構成を有する。
空洞111は、基板102と基板104を貫通することによって形成した貫通穴を、ガラス基板101と103で覆うことにより形成されている。ただし、必ずしも基板102および基板104を貫通する必要はなく、基板102と104に非貫通溝を設けて互いに重ね合わせることにより、空洞111を形成してもよい。すなわち、アルカリ金属物質121を保持できる形状で、かつ密閉されていればよい。空洞111内には、アルカリ金属物質121のほか、窒素ガスあるいは希ガス等、もしくはそれらの混合雰囲気を封入することもできる。
連通路114は、基板102と基板104が接する面に設けられる。本実施形態6では実施形態5とは異なり、基板104の空洞111に対応する箇所に穴が設けられているので、連通路114は空洞111の頂面および底面と接していない。そのため、本実施形態6では実施形態5よりもさらに、ガスセルが傾いたり上下反転したりしても、アルカリ金属物質121がガラス基板101または103、基板102または104を伝って連通路114に流れ込みにくい構造となっている。
図20は、本実施形態6に係るガスセルを製造する手順を示す図である。ここでは、図19に示した断面図を用いて各工程を記載している。以下、図20に示す各工程について説明する。
(図20:工程(a)(c)(e))
実施形態5と同様に、マスク材料105を用いてリソグラフィ等により空洞111と空洞112に相当するパターンを基板102上に形成し、エッチング等により基板102上に貫通穴を形成する。
(図20:工程(b)(d)(f))
実施形態5と同様に、マスク材料105を用いてリソグラフィ等により空洞111と空洞112に相当するパターンを基板104上に形成し、エッチング等により基板104上に貫通穴を形成する。
(図20:工程(g))
ガラス基板101、基板104、基板102、ガラス基板103をそれぞれ接着または接合し、空洞111、空洞112を密閉する。これら基板をそれぞれ接着または接合した後に、連通路114を形成する箇所に高エネルギーレーザを照射して基板102をレーザ溶断することにより、連通路114を形成する。レーザを通過する材質で基板104を形成しておけば、レーザは基板104を通過して基板102に照射されるので、基板102のみを溶断することができる。
<実施の形態7>
図21は、本発明の実施形態7に係る光ポンピング磁力センサの側断面図である。本実施形態7では、実施形態1〜6いずれかで説明したガスセルを用いる。ここでは実施形態1で説明したガスセルの構成を例示したが、その他の実施形態で説明したガスセルを用いることもできる。
本実施形態7に係る光ポンピング磁力センサは、光学系、磁気系、ガスセルを備える。光学系は、半導体レーザ131、光ファイバ137、コリメートレンズ132、偏光子133、波長板134、集光レンズ135、光検出器136を有する。磁気系は、静磁場印加用コイル138、RFコイル139を備える。
半導体レーザ131からのレーザ光は、光ファイバ137を通りコリメートレンズ132で平行光に変換され、偏光子133と波長板134により円偏光に変換し、ガスセル内の空洞112に内包されたアルカリ金属ガスに照射される。このとき、静磁場は、静磁場用コイル138によりガスセル内を透過するレーザ光に対して45度の角度をなすように印加される。また、RF磁場は、静磁場印加方向と直交する方向にRFコイル139により印加される。RF磁場により変調されたレーザ光は集光レンズ135で集光され、光ファイバ137を通り光検出器136で検出される。
半導体レーザ131および光検出器136を、光ファイバ137を介して静磁場印加用コイル138およびRFコイル139の外に配置すると、半導体レーザ131を駆動するための電流および電気配線と光検出器136からの電気配線によって磁場の均一性が損なわれることを防ぐことができる。これら電気配線からの影響が小さい場合には、光ファイバ137を用いず半導体レーザ131をコリメートレンズ132の上に直接配置したり、光検出器136を集光レンズ135の上に直接配置したりしてもよい。
照射光は円偏光となればよいため、円偏光が照射できるような構成であれば、光学系が備える半導体レーザ131、コリメートレンズ132、偏光子133、波長板134、光ファイバ137のうちいずれかを省略したり、順番を入れ替えたり、新たに別の構成要素を挿入したりしてもよい。
本発明に係るガスセルは、レーザ光が照射される空洞112にアルカリ金属物質121が拡散しないように構成されている。したがって、照射されるレーザ光は、空洞112に面するガラス基板101およびガラス基板103において、アルカリ金属物質121による反射、散乱を受けない。よって、空洞112にアルカリ金属物質121を配置した場合に比べて、ガスセルを通過するレーザの透過率が高くなり、RF磁場により変調されたレーザ光を光検出器136で効率的に受光することができる。その結果、磁場検出感度を高めることができる。
<実施の形態8>
図22は、本発明の実施形態8に係る光ポンピング磁力センサの側断面図である。本実施形態7では、実施形態1〜6いずれかで説明したガスセルを用いる。ここでは実施形態4で説明したガスセルの構成を例示したが、その他の実施形態で説明したガスセルを用いることもできる。
本実施形態8に係る光ポンピング磁力センサは、光学系、磁気系、ガスセルを備える。光学系は、半導体レーザ131、コリメートレンズ132、偏光子133、波長板134、集光レンズ135、光検出器136を備える。磁気系は、静磁場印加用コイル138を備える。
半導体レーザ131、コリメートレンズ132、偏光子133、波長板134は、図22の左右方向に照射するポンプ光と、図22の上下方向に照射するプローブ光とを発生させるため、2組設ける。ポンプ光とプローブ光は、アルカリ金属ガス中、すなわち空洞112内で交差するように照射すればよいが、直交して交差することが好ましい。
静磁場印加用コイル138は、図22の手前から奥の方向、あるいは奥から手前の方向に静磁場を印加するように配置する。見易さのため、図22では静磁場印加用コイル138は省略している。
図22の上下方向および左右方向にレーザを照射するため、ガスセルはレーザに対して透明な材質を用いて形成する。すなわち、基板102と基板104のうちいずれか1枚以上は、例えばガラス基板等を用いる。本実施形態8では、基板104をレーザに対して透明な材質で形成する。
ポンプ光は、一般にアルカリ金属の吸収線の波長を有する円偏光レーザである。ポンプ光は、アルカリ金属ガスのスピンの向きを揃え、いわゆるスピン偏極状態を形成する役割を持つ。半導体レーザ131は、図22の左右方向にポンプ光を照射する。ポンプ光は、コリメートレンズ132で平行光に変換され、偏光子133と波長板134により円偏光に変換され、ガスセル内の空洞112に内包されたアルカリ金属ガスに照射され、アルカリ金属ガスのスピンの向きを揃える。
プローブ光は、一般にアルカリ金属の吸収線とは異なる波長を有する直線偏光レーザである。半導体レーザ131は、図22の上下方向にプローブ光を照射する。プローブ光は、コリメートレンズ132で平行光に変換され、偏光子133と波長板134により直線偏光に変換され、ガスセル内の空洞112に内包されたアルカリ金属ガスに照射される。照射した直線偏光の偏光面は、スピン偏極したアルカリ金属ガスによるファラデー効果の影響で回転する。この回転角を光検出器136で検出することにより、磁場を計測する。
図22に示すように、光学系をガスセルに集積することにより、磁気センサを小型化することができる。光学系には、実施形態7と同様に光ファイバ137を挿入してもよい。
本実施形態8においても、実施形態7と同様に、照射されるレーザ光は空洞112に面するガラス基板101およびガラス基板103および基板104において、アルカリ金属物質による反射、散乱を受けない。よって、空洞112にアルカリ金属物質121を配置した場合に比べて、照射光が通過する領域のレーザの透過率が高くなり、より効率的にアルカリ金属原子のスピン偏極状態を形成することができる。また、より効率的にプローブ光の偏光面の回転を検出することができる。その結果、磁場検出感度を高めることができる。
101 ガラス基板
102 基板
103 ガラス基板
104 基板
105 マスク材料
111 空洞
112 空洞
113 空洞
114 連通路
121 アルカリ金属物質
122 コーティング材料
131 半導体レーザ
132 コリメートレンズ
133 偏光子
134 波長板
135 集光レンズ
136 光検出器
137 光ファイバ
138 静磁場印加用コイル
139 RFコイル

Claims (13)

  1. 基板上に形成された第1および第2空洞と、
    前記第1空洞と前記第2空洞の間に配置された隔壁と、
    前記隔壁を貫通して前記第1空洞と前記第2空洞の間を連通させる連通路と、
    前記基板上に形成された第3空洞と、
    を備え、
    前記第1空洞内には、アルカリ金属ガスを発生させる物質が配置されており、
    前記隔壁と前記第2空洞の境界部分における、前記隔壁の高さ方向の前記連通路の開口サイズは、前記隔壁の高さよりも小さく形成されており、
    前記第2空洞には、非磁性ガスまたは希ガスを含有する緩衝ガスが封入されており、
    前記第3空洞には、前記第2空洞に封入されている緩衝ガスとは異なる種類もしくは圧力のガスが封入され、または真空状態で封止されている
    ことを特徴とする磁場計測装置。
  2. 前記第1および第2空洞は、シリコン基板を加工して設けた穴により形成されており、
    前記第2空洞の内壁は、前記シリコン基板とは異なる材質でコーティングされている
    ことを特徴とする請求項1記載の磁場計測装置。
  3. 前記コーティングの一部は、前記連通路の経路の一部を形成している
    ことを特徴とする請求項2記載の磁場計測装置。
  4. 前記第1空洞の上面および第2空洞の上面を覆う上蓋部と、
    前記第1空洞の下面に配置された第2シリコン基板と、
    前記第2空洞の下面を覆う下蓋部と、
    を備え、
    前記第2空洞は、前記シリコン基板および前記第2シリコン基板を加工して設けた穴により形成されている
    ことを特徴とする請求項2記載の磁場計測装置。
  5. 前記第3空洞を複数備え、
    前記第3空洞の少なくともいずれかと前記第2空洞を連通させる第2連通路を備えた
    ことを特徴とする請求項1記載の磁場計測装置。
  6. 前記連通路は屈曲点を有することを特徴とする請求項1記載の磁場計測装置。
  7. 前記第1および第2空洞を覆う蓋部を備え、
    前記連通路は、前記蓋部に接しない位置に形成されている
    ことを特徴とする請求項1記載の磁場計測装置。
  8. 前記第1空洞の上面を覆う第2基板と、
    前記第2基板の上面および前記第2空洞の上面を覆う上蓋部と、
    前記第1空洞の下面および前記第2空洞の下面を覆う下蓋部と、
    を備え、
    前記連通路は、前記基板と前記第2基板が接する位置に形成されている
    ことを特徴とする請求項7記載の磁場計測装置。
  9. 前記第1および第2空洞は、前記基板および前記基板とは異なる第2基板を加工して設けた穴により形成されており、
    前記第1および第2空洞を覆う蓋部を備え、
    前記連通路は、前記基板と前記第2基板が接する位置に形成されている
    ことを特徴とする請求項7記載の磁場計測装置。
  10. 前記磁場計測装置に静磁場を印加するコイルと、
    前記磁場計測装置に振動磁場を印加するコイルと、
    前記磁場計測装置に円偏光レーザを照射する光源と、
    前記磁場計測装置を通過した前記光源からの光を検出する光検出器と、
    を備えることを特徴とする請求項1記載の磁場計測装置。
  11. 前記磁場計測装置にプローブ光として直線偏光レーザを照射する第1光源と、
    前記第2空洞において前記プローブ光と交差するポンプ光として前記磁場計測装置に円偏光レーザを照射する第2光源と、
    前記磁場計測装置を通過した前記直線偏光レーザ光を検出する光検出器と、
    を備えることを特徴とする請求項1記載の磁場計測装置。
  12. 基板上に第1および第2空洞を形成する空洞形成工程と、
    前記第1空洞内にアルカリ金属ガスを発生させる物質を封止する工程と、
    前記第1空洞と前記第2空洞を隔離する隔壁を貫通して前記第1空洞と前記第2空洞を連通させる連通路を形成する連通路形成工程と、
    前記基板上に第3空洞を形成する第3空洞形成工程と、
    を有し、
    前記連通路形成工程では、前記隔壁と前記第2空洞の境界部分における、前記隔壁の高さ方向の前記連通路の開口サイズを、前記隔壁の高さよりも小さく形成し、
    さらに、
    前記第2空洞に、非磁性ガスまたは希ガスを含有する緩衝ガスを封入する工程と、
    前記第3空洞に、前記第2空洞に封入されている緩衝ガスとは異なる種類もしくは圧力のガスを封入し、または真空状態で封止する工程と、
    を有することを特徴とする磁場計測装置製造方法。
  13. 前記第2空洞の内壁を、前記シリコン基板とは異なる材質でコーティングする工程をさらに有し、
    前記空洞形成工程では、シリコン基板を加工して設けた穴により前記第1および第2空洞を形成し、
    前記連通路形成工程では、前記コーティングの一部を、前記連通路の経路の一部として形成する
    ことを特徴とする請求項12記載の磁場計測装置製造方法。
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