JP6565307B2 - 原子セル、量子干渉装置、原子発振器、および電子機器 - Google Patents

原子セル、量子干渉装置、原子発振器、および電子機器 Download PDF

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Description

本発明は、原子セル、量子干渉装置、原子発振器、電子機器および移動体に関するものである。
長期的に高精度な発振特性を有する発振器として、ルビジウム、セシウム等のアルカリ金属の原子のエネルギー遷移に基づいて発振する原子発振器が知られている。
一般に、原子発振器の動作原理は、光およびマイクロ波による二重共鳴現象を利用した方式と、波長の異なる2種類の光による量子干渉効果(CPT:Coherent Population Trapping)を利用した方式とに大別される。
いずれの方式の原子発振器においても、通常、アルカリ金属をガスセル(原子セル)内に封入し、そのアルカリ金属を一定のガス状態に保つために、ガスセルをヒーターにより所定温度に加熱する。
また、例えば、特許文献1に開示されているように、一般に、ガスセル内には、アルカリ金属が経時的に減少する量を見込んで、余剰のアルカリ金属が封入されている。このような余剰分のアルカリ金属は、ガスセルの温度の低い部分に析出(結露)することにより液体として存在する。
しかし、従来では、余剰のアルカリ金属が励起光の通過領域に付着し、アルカリ金属に照射される励起光の量がばらついたり低下したりすることによって、周波数が変動してしまい、その結果、周波数安定度が低下してしまうという問題があった。特に、近年の原子発振器等の小型化の要請に伴って、原子セルが小型になると、励起光透過領域とそれ以外の領域との間の温度差が小さくなり、励起光通過領域にアルカリ金属が付着しやすくなるため、かかる問題が顕著となる。
特開2013−38382号公報
本発明の目的は、周波数安定度を向上させることができる原子セルを提供すること、また、かかる原子セルを備える量子干渉装置、原子発振器、電子機器および移動体を提供することにある。
本発明は、上述の課題の少なくとも一部を解決するためになされたものであり、以下の形態または適用例として実現することが可能である。
[適用例1]
本発明の原子セルは、金属原子と、
1対の光透過部と、
前記金属原子を収納している内部空間を前記1対の光透過部とともに構成している胴体部と、
前記光透過部よりも熱伝導率が大きい材料を含む異種材料部と、
を備え、
前記内部空間は、液体状または固体状の前記金属原子を収納している金属溜り部を有し、
前記異種材料部は、前記内部空間の外部と前記金属溜り部との間に配置されていることを特徴とする。
このような原子セルによれば、異種材料部の熱伝導率が光透過部よりも大きいため、異種材料部の方が光透過部よりも放熱しやすくなる。そのため、異種材料部の温度を光透過部よりも低くすることができ、その結果、光透過部に液体状または固体状の金属原子が凝結して付着するのを防止または低減することができる。よって、周波数安定度を向上させることができる。
[適用例2]
本発明の原子セルでは、前記異種材料部が前記内部空間の内外のそれぞれに面していることが好ましい。
これにより、異種材料部を介して内部空間の内部から外部へ放熱しやすくすることができる。
[適用例3]
本発明の原子セルでは、前記異種材料部が前記光透過部に配置されていることが好ましい。
これにより、1対の光透過部および胴体部を形成するための複数の基板を貼り合わせて原子セルを形成する場合、異種材料部の形成を簡単化することができる。
[適用例4]
本発明の原子セルでは、前記内部空間は、気体状の前記金属原子を収納している気体収納部を有し、
前記気体収納部と前記金属溜り部との間には、壁部が配置されていることが好ましい。
これにより、液体状または固体状の金属原子が金属溜り部から気体収納部へ移動することを低減することができる。その結果、周波数安定度をさらに向上させることができる。
[適用例5]
本発明の原子セルでは、前記光透過部がガラスを含み、
前記異種材料部がシリコンを含むことが好ましい。
これにより、光透過部と異種材料部とを陽極接合により簡単かつ強固に接合することができる。また、光透過部と異種材料部との気密的な接合が可能であるため、異種材料部を封止孔の封止に用いる場合であっても、内部空間の気密性を優れたものとすることができる。
[適用例6]
本発明の原子セルでは、前記異種材料部が前記胴体部に配置されていることが好ましい。
これにより、原子セルの小型化を図ることができる。
[適用例7]
本発明の原子セルでは、前記異種材料部とその周辺部とが直接接合されていることが好ましい。
これにより、異種材料部とその周辺部とを簡単かつ強固に接合することができる。また、異種材料部とその周辺部との気密的な接合が可能であるため、異種材料部を封止孔の封止に用いる場合であっても、内部空間の気密性を優れたものとすることができる。
[適用例8]
本発明の量子干渉装置は、本発明の原子セルを備えることを特徴とする。
このような量子干渉装置によれば、周波数安定度を優れたものとすることができる。
[適用例9]
本発明の原子発振器は、本発明の原子セルを備えることを特徴とする。
このような原子発振器によれば、周波数安定度を優れたものとすることができる。
[適用例10]
本発明の電子機器は、本発明の原子セルを備えることを特徴とする。
このような電子機器によれば、原子セルの周波数安定度が優れているため、優れた信頼性を発揮することができる。
[適用例11]
本発明の移動体は、本発明の原子セルを備えることを特徴とする。
このような移動体によれば、原子セルの周波数安定度が優れているため、優れた信頼性を発揮することができる。
本発明の第1実施形態に係る原子発振器(量子干渉装置)を示す概略図である。 アルカリ金属のエネルギー状態を説明するための図である。 光出射部から出射される2つの光の周波数差と、光検出部で検出される光の強度との関係を示すグラフである。 図1に示す原子発振器が備える原子セルの斜視図である。 (a)は、図4に示す原子セルの縦断面図、(b)は、図4に示す原子セルの横断面図である。 光透過部の熱伝導率に対する異種材料部の熱伝導率の比と周波数安定度との関係を示すグラフである。 に示す原子セルの製造方法を説明するための図である。 に示す原子セルの製造方法を説明するための図である。 (a)は、本発明の第2実施形態に係る原子セルを示す縦断面図、(b)は、(a)に示す原子セルの横断面図である。 本発明の第3実施形態に係る原子セルを示す縦断面図である。 (a)は、本発明の第4実施形態に係る原子セルを示す縦断面図、(b)は、(a)に示す原子セルの横断面図である。 GPS衛星を利用した測位システムに本発明の原子発振器を用いた場合の概略構成を示す図である。 本発明の移動体の一例を示す図である。
以下、本発明の原子セル、量子干渉装置、原子発振器、電子機器および移動体を添付図面に示す実施形態に基づいて詳細に説明する。
1.原子発振器(量子干渉装置)
まず、本発明の原子発振器(本発明の原子セルを備える原子発振器)について説明する。なお、以下では、本発明の量子干渉装置を原子発振器に適用した例を説明するが、本発明の量子干渉装置は、これに限定されず、原子発振器の他、例えば、磁気センサー、量子メモリー等にも適用可能である。
<第1実施形態>
図1は、本発明の第1実施形態に係る原子発振器(量子干渉装置)を示す概略図である。また、図2は、アルカリ金属のエネルギー状態を説明するための図、図3は、光出射部から出射される2つの光の周波数差と、光検出部で検出される光の強度との関係を示すグラフである。
図1に示す原子発振器1は、量子干渉効果を利用した原子発振器である。この原子発振器1は、図1に示すように、原子セル2(原子セル)と、光出射部3と、光学部品41、42、43、44と、光検出部5と、ヒーター6と、温度センサー7と、磁場発生部8と、制御部10とを備える。
まず、原子発振器1の原理を簡単に説明する。
図1に示すように、原子発振器1では、光出射部3が原子セル2に向けて励起光LLを出射し、原子セル2を透過した励起光LLを光検出部5が検出する。
原子セル2内には、ガス状のアルカリ金属(金属原子)が封入されており、アルカリ金属は、図2に示すように、3準位系のエネルギー準位を有し、エネルギー準位の異なる2つの基底状態(基底状態1、2)と、励起状態との3つの状態をとり得る。ここで、基底状態1は、基底状態2よりも低いエネルギー状態である。
光出射部3から出射された励起光LLは、周波数の異なる2種の共鳴光1、2を含んでおり、この2種の共鳴光1、2を前述したようなガス状のアルカリ金属に照射したとき、共鳴光1の周波数ωと共鳴光2の周波数ωとの差(ω−ω)に応じて、共鳴光1、2のアルカリ金属における光吸収率(光透過率)が変化する。
そして、共鳴光1の周波数ωと共鳴光2の周波数ωとの差(ω−ω)が基底状態1と基底状態2とのエネルギー差に相当する周波数に一致したとき、基底状態1、2から励起状態への励起がそれぞれ停止する。このとき、共鳴光1、2は、いずれも、アルカリ金属に吸収されずに透過する。このような現象をCPT現象または電磁誘起透明化現象(EIT:Electromagnetically Induced Transparency)と呼ぶ。
例えば、光出射部3が共鳴光1の周波数ωを固定し、共鳴光2の周波数ωを変化させていくと、共鳴光1の周波数ωと共鳴光2の周波数ωとの差(ω−ω)が基底状態1と基底状態2とのエネルギー差に相当する周波数ωに一致したとき、光検出部5の検出強度は、図3に示すように、急峻に上昇する。このような急峻な信号をEIT信号として検出する。このEIT信号は、アルカリ金属の種類によって決まった固有値をもっている。したがって、このようなEIT信号を用いることにより、発振器を構成することができる。
以下、原子発振器1の各部を順次説明する。
[原子セル]
原子セル2内には、ガス状のルビジウム、セシウム、ナトリウム等のアルカリ金属が封入されている。また、原子セル2内には、必要に応じて、アルゴン、ネオン等の希ガス、窒素等の不活性ガスが緩衝ガスとしてアルカリ金属ガスとともに封入されていてもよい。
原子セル2は、貫通孔を有する胴部と、この胴部の貫通孔の開口を塞ぐ1対の光透過部とを有し、これにより、気体状のアルカリ金属が封入される内部空間が形成されている。なお、原子セル2については、後に詳述する。
[光出射部]
光出射部3(光源)は、原子セル2中のアルカリ金属原子を励起する励起光LLを出射する機能を有する。
より具体的には、光出射部3は、励起光LLとして、前述したような周波数の異なる2種の光を出射するものであり、特に、前述した共鳴光1および共鳴光2を出射し得る。共鳴光1は、原子セル2内のアルカリ金属を前述した基底状態1から励起状態へ励起(共鳴)し得るものである。一方、共鳴光2は、原子セル2内のアルカリ金属を前述した基底状態2から励起状態へ励起(共鳴)し得るものである。
この光出射部3としては、前述したような励起光を出射し得るものであれば、特に限定されないが、例えば、垂直共振器面発光レーザー(VCSEL)等の半導体レーザー等を用いることができる。
なお、光出射部3は、図示しない温度調節素子(発熱抵抗体、ペルチェ素子等)により、所定温度に温度調節される。
[光学部品]
複数の光学部品41、42、43、44は、それぞれ、前述した光出射部3と原子セル2との間における励起光LLの光路上に設けられている。ここで、光出射部3側から原子セル2側へ、光学部品41、光学部品42、光学部品43、光学部品44の順に配置されている。
光学部品41は、レンズである。これにより、励起光LLを無駄なく原子セル2へ照射することができる。
また、光学部品41は、励起光LLを平行光とする機能を有する。これにより、励起光LLが原子セル2の内壁で反射することを簡単に防止することができる。そのため、原子セル2内での励起光の共鳴を好適に生じさせ、その結果、原子発振器1の発振特性を高めることができる。
光学部品42は、偏光板である。これにより、光出射部3からの励起光LLの偏光を所定方向に調整することができる。
光学部品43は、減光フィルター(NDフィルター)である。これにより、原子セル2に入射する励起光LLの強度を調整(減少)させることができる。そのため、光出射部3の出力が大きい場合でも、原子セル2に入射する励起光を所望の光量とすることができる。本実施形態では、前述した光学部品42を通過した所定方向の偏光を有する励起光LLの強度を光学部品43により調整する。
光学部品44は、λ/4波長板である。これにより、光出射部3からの励起光LLを直線偏光から円偏光(右円偏光または左円偏光)に変換することができる。
後述するように磁場発生部8の磁場により原子セル2内のアルカリ金属原子がゼーマン分裂した状態において、仮に直線偏光の励起光をアルカリ金属原子に照射すると、励起光とアルカリ金属原子との相互作用により、アルカリ金属原子がゼーマン分裂した複数の準位に均等に分散して存在することとなる。その結果、所望のエネルギー準位のアルカリ金属原子の数が他のエネルギー準位のアルカリ金属原子の数に対して相対的に少なくなるため、所望のEIT現象を発現する原子数が減少し、所望のEIT信号の強度が小さくなり、その結果、原子発振器1の発振特性の低下をもたらす。
これに対し、後述するように磁場発生部8の磁場により原子セル2内のアルカリ金属原子がゼーマン分裂した状態において、円偏光の励起光をアルカリ金属原子に照射すると、励起光とアルカリ金属原子との相互作用により、アルカリ金属原子がゼーマン分裂した複数の準位のうち、所望のエネルギー準位のアルカリ金属原子の数を他のエネルギー準位のアルカリ金属原子の数に対して相対的に多くすることができる。そのため、所望のEIT現象を発現する原子数が増大し、所望のEIT信号の強度が大きくなり、その結果、原子発振器1の発振特性を向上させることができる。
[光検出部]
光検出部5は、原子セル2内を透過した励起光LL(共鳴光1、2)の強度を検出する機能を有する。
この光検出部5としては、上述したような励起光を検出し得るものであれば、特に限定されないが、例えば、太陽電池、フォトダイオード等の光検出器(受光素子)を用いることができる。
[ヒーター]
ヒーター6(加熱部)は、前述した原子セル2(より具体的には原子セル2中のアルカリ金属)を加熱する機能を有する。これにより、原子セル2中のアルカリ金属を適切な濃度のガス状に維持することができる。
このヒーター6は、例えば、通電により発熱する発熱抵抗体を含んで構成されている。この発熱抵抗体は、原子セル2に対して接触して設けられていてもよいし、原子セル2に対して非接触で設けられていてもよい。
例えば、発熱抵抗体を原子セル2に対して接触して設ける場合、原子セル2の1対の光透過部にそれぞれ発熱抵抗体を設ける。これにより、原子セル2の光透過部にアルカリ金属原子が結露することを防止することができる。その結果、原子発振器1の特性(発振特性)を長期にわたり優れたものとすることができる。このような発熱抵抗体は、励起光に対する透過性を有する材料、具体的には、例えば、ITO(Indium Tin Oxide)、IZO(Indium Zinc Oxide)、In、SnO、Sb含有SnO、Al含有ZnO等の酸化物等の透明電極材料で構成される。また、発熱抵抗体は、例えば、プラズマCVD、熱CVDのような化学蒸着法(CVD)、真空蒸着等の乾式メッキ法、ゾル・ゲル法等を用いて形成することができる。
また、発熱抵抗体を原子セル2に対して非接触で設ける場合、熱伝導性に優れる金属等、セラミックス等の部材を介して発熱抵抗体から原子セル2へ伝熱すればよい。
なお、ヒーター6は、原子セル2を加熱することができるものであれば、前述した形態に限定されず、各種ヒーターを用いることができる。また、ヒーター6に代えて、または、ヒーター6と併用して、ペルチェ素子を用いて、原子セル2を加熱してもよい。
[温度センサー]
温度センサー7は、ヒーター6または原子セル2の温度を検出するものである。そして、この温度センサー7の検出結果に基づいて、前述したヒーター6の発熱量が制御される。これにより、原子セル2内のアルカリ金属原子を所望の温度に維持することができる。
なお、温度センサー7の設置位置は、特に限定されず、例えば、ヒーター6上であってもよいし、原子セル2の外表面上であってもよい。
温度センサー7としては、それぞれ、特に限定されず、サーミスタ、熱電対等の公知の各種温度センサーを用いることができる。
[磁場発生部]
磁場発生部8は、原子セル2内のアルカリ金属の縮退した複数のエネルギー準位をゼーマン分裂させる磁場を発生させる機能を有する。これにより、ゼーマン分裂により、アルカリ金属の縮退している異なるエネルギー準位間のギャップを拡げて、分解能を向上させることができる。その結果、原子発振器1の発振周波数の精度を高めることができる。
この磁場発生部8は、例えば、原子セル2を挟むように配置されたヘルムホルツコイル、または、原子セル2を覆うように配置されたソレノイドコイルで構成されている。これにより、原子セル2内に一方向の均一な磁場を生じさせることができる。
また、磁場発生部8が発生する磁場は、定磁場(直流磁場)であるが、交流磁場が重畳されていてもよい。
[制御部]
制御部10は、光出射部3、ヒーター6および磁場発生部8をそれぞれ制御する機能を有する。
この制御部10は、光出射部3の共鳴光1、2の周波数を制御する励起光制御部12と、原子セル2中のアルカリ金属の温度を制御する温度制御部11と、磁場発生部8からの磁場を制御する磁場制御部13とを有する。
励起光制御部12は、前述した光検出部5の検出結果に基づいて、光出射部3から出射される共鳴光1、2の周波数を制御する。より具体的には、励起光制御部12は、前述した周波数差(ω−ω)が前述したアルカリ金属固有の周波数ωとなるように、光出射部3から出射される共鳴光1、2の周波数を制御する。
ここで、励起光制御部12は、図示しないが、電圧制御型水晶発振器(発振回路)を備えており、その電圧制御型水晶発振器の発振周波数を光検出部5の検知結果に基づいて同期・調整しながら、その電圧制御型水晶発振器の出力信号を原子発振器1の出力信号として出力する。
例えば、励起光制御部12は、図示しないが、この電圧制御型水晶発振器からの出力信号を周波数逓倍する逓倍器を備えており、この逓倍器により逓倍された信号(高周波信号)を直流バイアス電流に重畳して駆動信号として光出射部3に入力する。これにより、光検出部5でEIT信号が検出されるように電圧制御型水晶発振器を制御することで、電圧制御型水晶発振器から所望の周波数の信号が出力されることとなる。この逓倍器の逓倍率は、例えば、原子発振器1からの出力信号の所望の周波数をfとしたとき、ω/(2×f)である。これにより、電圧制御型水晶発振器の発振周波数がfであるとき、逓倍器からの信号を用いて、光出射部3に含まれる半導体レーザー等の発光素子を変調して、周波数差(ω−ω)がωとなる2つの光を出射させることができる。
また、温度制御部11は、温度センサー7の検出結果に基づいて、ヒーター6への通電を制御する。これにより、原子セル2を所望の温度範囲内に維持することができる。例えば、原子セル2は、ヒーター6により、例えば、70℃程度に温度調節される。
また、磁場制御部13は、例えば磁場発生部8が発生する磁場が一定となるように、磁場発生部8への通電を制御する。
このような制御部10は、例えば、基板上に実装されたICチップに設けられている。
以上、原子発振器1の構成を簡単に説明した。
(原子セルの詳細な説明)
図4は、図1に示す原子発振器が備える原子セルの斜視図である。図5(a)は、図4に示す原子セルの縦断面図、図5(b)は、図4に示す原子セルの横断面図である。図6は、光透過部の熱伝導率に対する異種材料部の熱伝導率の比と周波数安定度との関係を示すグラフである。なお、以下では、説明の便宜上、図5(a)中の上側を「上」、下側を「下」という。
図4および図5に示すように、原子セル2は、胴体部21と、胴体部21を挟んで設けられた1対の光透過部22、23と、光透過部22に配置されている異種材料部24と、を有している。この原子セル2では、胴体部21が1対の光透過部22、23の間に配置されていて、胴体部21および1対の光透過部22、23が気体状のアルカリ金属が封入されている内部空間Sを区画形成(構成)している。
より具体的に説明すると、胴体部21は、上下方向を厚さ方向とする板状をなしており、この胴体部21には、胴体部21の厚さ方向(上下方向)に貫通している円柱状の貫通孔211、212と、胴体部21の上面に開口していて貫通孔211と貫通孔212とを連通させている溝213(凹部)と、が形成されている。
この胴体部21の構成材料としては、特に限定されず、ガラス材料、水晶、金属材料、樹脂材料、シリコン材料等が挙げられるが、ガラス材料またはシリコン材料を用いることが好ましく、また、光透過部22、23の構成材料と同一材料(例えばガラス材料)を用いることが好ましい。例えば、胴体部21の構成材料としてシリコン材料またはガラス材料を用いることにより、幅や高さが10mm以下となるような小さい原子セル2を形成する場合であっても、エッチング等の微細加工技術を用いて、高精度な胴体部21を容易に形成することができる。特に、胴体部21の構成材料がガラス材料である場合、光透過部22、23の光透過性を確保しながら、光透過部22、23と同一材料とすることができ、胴体部21の熱伝導率を後述する異種材料部24よりも低くすることができる。また、例えば表面活性化法(SAB)または原子拡散接合法(ADB)により、ともにガラスで構成された胴体部21と光透過部22、23とを簡単に気密的に接合することができ、原子セル2の信頼性を優れたものとすることができる。しかも、これらの接合法は、比較的低温(例えば常温)での接合が可能であるため、胴体部21と光透過部22、23との熱膨張率差があっても、気密的な接合が可能である。さらに、これらの接合法は、接合に要する時間が短い。そのため、生産性よく原子セル2を製造することができる。
このような胴体部21の下面には、光透過部22が接合され、一方、胴体部21の上面には、光透過部23が接合されている。これにより、貫通孔211、212の下端側開口が光透過部22により封鎖されるとともに、貫通孔211、212の上端側開口および溝213の開口が光透過部23により封鎖されている。
胴体部21と光透過部22、23との接合方法としては、これらの構成材料に応じて決められるものであり、気密的に接合できるものであれば、特に限定されないが、例えば、接着剤による接合方法、直接接合法、陽極接合法、表面活性化接合法等を用いることができる。
このような胴体部21に接合されている各光透過部22、23は、前述した光出射部3からの励起光に対する透過性を有している。そして、一方の光透過部22は、原子セル2の内部空間S内へ励起光LLが入射する入射側光透過部であり、他方の光透過部23は、原子セル2の内部空間S内から励起光LLが出射する出射側光透過部である。
また、光透過部22、23は、それぞれ、板状をなしている。
本実施形態では、光透過部22には、胴体部21の貫通孔212に対応する位置に、光透過部22の厚さ方向に貫通する貫通孔221が形成されている。これにより、胴体部21の貫通孔212と貫通孔221とが連通している。この貫通孔221は、例えば、後述するように、原子セル2の製造過程において、内部空間Sを形成した後に、内部空間Sにコーティング剤やアルカリ金属(またはアルカリ金属を生成するための化合物)を導入するのに用いることができる。
光透過部22、23(基板)の構成材料としては、前述したような励起光に対する透過性を有していれば、特に限定されず、例えば、ガラス材料、水晶等が挙げられるが、ガラス材料を用いることが好ましい。これにより、励起光に対する透過性を有する光透過部22、23を実現することができる。また、胴体部21がガラスで構成されている場合、ガラスを用いて光透過部22、23を構成することにより、表面活性化法(SAB)と原子拡散接合法(ADB)により比較的低温下で、胴体部21と光透過部22、23とを簡単に気密的に接合することができ、原子セル2の信頼性を優れたものとすることができる。また、胴体部21がシリコンで構成されている場合でも、ガラスを用いて光透過部22、23を構成することにより、胴体部21と光透過部22、23とを陽極接合により簡単に気密的に接合することができ、原子セル2の信頼性を優れたものとすることができる。なお、光透過部22、23の厚さや励起光の強度によっては、光透過部22、23をシリコンで構成することもできる。この場合、胴体部21と光透過部22、23とを直接接合することができる。
このような光透過部22、23のうち光透過部22の貫通孔221内には、異種材料部24が配置されている。そして、貫通孔221が異種材料部24により気密的に塞がれている。
このように封鎖された内部空間Sにおいて、貫通孔211内の空間である気体収納部(以下、単に「気体収納部」ともいう)には、主に、気体状のアルカリ金属が収納されている。この気体収納部に収納されている気体状のアルカリ金属は、励起光LLによって励起される。すなわち、気体収納部の少なくとも一部は、励起光LLが通過する「光通過空間」を構成する。本実施形態では、貫通孔211の横断面は、円形をなしており、光通過空間の横断面と相似形状(すなわち円形)をなし、かつ、光通過空間の横断面よりも若干大きく設定されている。なお、貫通孔211の横断面形状は、円形に限定されず、例えば、四角形、五角形等の多角形、楕円形等であってもよい。
また、貫通孔212内の空間(貫通孔221内の異種材料部24よりも上側の空間を含む)である金属溜り部(以下、単に「金属溜り部」ともいう)は、溝213内の空間を介して貫通孔211内の空間に連通しており、液体状または固体状のアルカリ金属Mが収納されている。より具体的には、金属溜り部における異種材料部24上に液体状または固体状のアルカリ金属Mが配置されている。本実施形態では、貫通孔212、221のそれぞれの横断面は、円形をなしている。なお、貫通孔212、221の横断面形状は、円形に限定されず、例えば、四角形、五角形等の多角形、楕円形等であってもよい。また、貫通孔212の横断面形状と貫通孔221の横断面形状とが互いに異なっていてもよい。
また、貫通孔221は、貫通孔212とは反対側の部分の幅が拡径しており、段差部2211が形成されている。そして、異種材料部24は、貫通孔221の拡径した部分に配置され、段差部2211に気密的に接合されている。このように段差部2211を異種材料部24との接合面として用いることにより、貫通孔221の幅と異種材料部24の幅とを合わさなくても、貫通孔221内を気密的に塞ぐように異種材料部24を貫通孔221の壁面に簡単かつ確実に接合することができる。なお、図示では、異種材料部24は、貫通孔221の拡径部に合致した形状をなしているが、貫通孔221を気密的に塞ぐことができれば、形状は任意である。
異種材料部24は、光透過部22、23よりも熱伝導率が大きい材料で構成されている。これにより、異種材料部24の方が光透過部22、23よりも放熱しやすくなる。そのため、異種材料部24の温度を光透過部22、23よりも低くすることができ、その結果、光透過部22、23に液体状または固体状のアルカリ金属原子が凝結して付着するのを防止または低減することができる。逆に、異種材料部24付近に液体状または固体状のアルカリ金属原子を凝結しやすくさせ、貫通孔212内を「金属溜り部」とすることができる。したがって、異種材料部24は、金属溜り部と内部空間Sの外部との間に配置されることとなる。
このように、異種材料部24の構成材料の熱伝導率を光透過部22、23の熱伝導率よりも大きくすることにより、図6に示すように、周波数安定度を高めることができる。
また、異種材料部24が内部空間Sの内外のそれぞれに面している。これにより、異種材料部24を介して内部空間Sの内部から外部へ放熱しやすくすることができる。
ここで、原子セル2からの放熱(伝熱)の形態として、熱伝導、対流熱伝達、熱放射(輻射)の3つの形態がある。一般に、原子セル2の温度変動による周波数安定度の低下を低減する観点から、例えば、原子セル2は、対流熱伝達による熱の逃げが小さくなるように、減圧されたパッケージ内に収納されて用いられる。また、このようにパッケージ内に原子セル2を収納する際、そのパッケージに対して原子セル2を支持する部材の熱抵抗を高めて、熱伝導による熱の逃げを低減することが行われる。
このような場合において、異種材料部24からの放熱性を高める観点から、異種材料部24は、原子セル2を支持する部材に接続されていることが好ましい。また、異種材料部24からの熱放射による放熱性を高める観点から、異種材料部24の放射率が光透過部22、23の放射率よりも大きいことが好ましい。
異種材料部24の構成材料としては、光透過部22、23の構成材料よりも熱伝導率が大きければよく、特に限定されないが、化学的安定性の観点から、無機材料が好適である。また、異種材料部24の構成材料は、内部空間S内のアルカリ金属の状態を長期にわたり安定的に保つ観点から、アルカリ金属と反応性の乏しく気密封止が可能であることが好ましく、具体的には、例えば、シリコン材料であることが好ましい。光透過部22がガラスを含む場合、異種材料部24がシリコンを含むことにより、異種材料部24とその周辺部(光透過部22)とを直接接合(固体接合)の一種である陽極接合により簡単かつ強固に接合することができる。また、光透過部22と異種材料部24との気密的な接合が可能であるため、本実施形態のように異種材料部24を封止孔(貫通孔221)の封止に用いる場合であっても、内部空間Sの気密性を優れたものとすることができる。なお、異種材料部24とその周辺部との接合方法は、異種材料部24とその周辺部との構成材料に応じて決められるものであり、上述したものに限定されず、例えば、ロウ材による封止方法、表面活性化接合法等であってもよい。
また、異種材料部24の構成材料としては、光透過部22、23の構成材料だけでなく胴体部21の構成材料よりも熱伝導率が大きいことが好ましい。これにより、貫通孔211の壁面に液体状または固体状のアルカリ金属が凝結するのを低減し、液体状または固体状のアルカリ金属を貫通孔212内(金属溜り部)に存在しやすくすることができる。
また、内部空間Sの内壁面には、コーティングが施されている。すなわち、内部空間Sの内壁面には、コーティング膜25が形成されている。
このコーティング膜25は、気体状のアルカリ金属が内部空間Sの内壁面に衝突したときの挙動(例えばスピン)の変化を抑制または低減する機能を有する。これにより、原子セル2を小型化しても、アルカリ金属が原子セル2の内壁面に衝突することによる挙動の変化が特性に悪影響を与えるのを抑制し、原子発振器1の発振特性を優れたものとすることができる。
このコーティング膜25の構成材料は、フッ素系樹脂、シロキサン系化合物または鎖式飽和炭化水素を含んでいるのが好ましい。これにより、アルカリ金属がコーティング膜25に衝突した際の挙動の変化を効果的に低減することができ、また、化学的安定性に優れる。また、コーティング材料の沸点を金属原子の沸点よりも高くすることができる。
以上説明したような原子セル2によれば、異種材料部24の熱伝導率が光透過部22、23よりも大きいため、異種材料部24の方が光透過部22、23よりも放熱しやすくなる。そのため、異種材料部24の温度を光透過部22、23よりも低くすることができ、その結果、光透過部22、23に液体状または固体状のアルカリ金属原子が凝結して付着するのを防止または低減することができる。よって、周波数安定度を向上させることができる。
また、本実施形態では、図5(a)に示すように、気体収納部と金属溜り部との間(貫通孔211と貫通孔212との間)には、隔壁部210(壁部)が配置されている。これにより、液体状または固体状のアルカリ金属原子が金属溜り部から気体収納部へ移動することを低減することができる。その結果、周波数安定度をさらに向上させることができる。
また、このような原子セル2は、異種材料部24が光透過部22に配置されているため、後述するように、1対の光透過部22、23および胴体部21を形成するための複数の基板を貼り合わせて原子セル2を形成する場合、異種材料部24の形成を簡単化することができる。
(原子セルの製造方法)
以下、前述した原子セル2の製造方法の一例を説明する。なお、以下では、胴体部21および光透過部22、23のそれぞれがガラスで構成され、異種材料部24がシリコンで構成されている場合を例に説明する。
図7および図8は、図に示す原子セルの製造方法を説明するための図である。
原子セル2の製造方法は、[1]準備工程と、[2]接合工程と、[3]コーティング工程と、[4]金属化合物配置工程と、[5]封止工程と、[6]アルカリ金属生成工程と、を有する。以下、各工程を順次説明する。
[1]準備工程
まず、図7(a)に示すように、胴体部21および光透過部22、23を準備する。
胴体部21の貫通孔211、212および溝213や光透過部22の貫通孔221の形成は、例えば、エッチング技術やフォトリソグラフィ技術を用いて行うことができる。
なお、胴体部21および光透過部22、23に代えて、胴体部21を形成するためのガラス基板であって貫通孔211、212および溝213を複数組有する胴体部形成用基板、光透過部22を形成するためのガラス基板であって貫通孔221を複数有する光透過部形成用基板、光透過部23を形成するための光透過部形成用基板を準備してもよい。この場合、これらの基板を、接合工程[2]で接合し、封止工程[5]の後に個片化することにより、胴体部21および光透過部22、23を形成することができる。
[2]接合工程
次に、図7(b)に示すように、胴体部21と光透過部22、23とを接合する。これにより、内部空間Sを有する構造体が得られる。この構造体は、内部空間Sが貫通孔221を介して外部と連通している。
胴体部21と光透過部22、23との接合は、表面活性化法(SAB)または原子拡散接合法(ADB)により行うことが好ましい。これにより、比較的低温下で、比較的簡単に、胴体部21と光透過部22、23とを気密的に接合することができる。
[3]コーティング工程
次に、図7(c)に示すように、貫通孔221を通じて内部空間Sにコーティング材料を送入する。これにより、コーティング膜25を形成する。
詳細に説明すると、気体状のコーティング材料(コーティング材料ガス)を貫通孔221を介して内部空間Sに送入する。内部空間Sの壁面をコーティング材料の沸点未満(より好ましくは融点未満)に冷却する。これにより、気体状のコーティング材料が内部空間Sの壁面で凝結または凝固してコーティング膜25となる。
また、コーティング材料は、前述したような機能を有するコーティング膜25を形成することができるものであれば、特に限定されないが、フッ素系樹脂、シロキサン系化合物および鎖式飽和炭化水素のうちのいずれかの化合物またはその前駆体であることが好ましい。
このような化合物により得られるコーティング膜25は、アルカリ金属が衝突した際の挙動の変化を効果的に低減することができ、また、化学的安定性に優れる。
コーティング材料として用いるフッ素系樹脂としては、例えば、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、ポリクロロトリフルオロエチレン(PCTFE)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリフッ化ビニル(PVF)、ペルフルオロアルコキシフッ素樹脂(PFA)、四フッ化エチレン・六フッ化プロピレン共重合体(FEP)、エチレン・四フッ化エチレン共重合体(ETFE)、エチレン・クロロトリフルオロエチレン共重合体(ECTFE)等が挙げられる。
また、コーティング材料として用いるシロキサン系化合物としては、例えば、メチルトリメトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、フェニルトリエトキシシラン、ヘキシルトリメトキシシラン、ヘキシルトリエトキシシラン、デシルトリメトキシシラン、トリフルオロプロピルトリメトキシシラン等のアルコキシシラン、ヘキサメチルジシラザン等のシラザン、加水分解性基含有シロキサン等のシロキサン等が挙げられる。
また、コーティング材料として用いる鎖式飽和炭化水素としては、例えば、パラフィン(炭素原子の数が20以上のアルカン)等が挙げられる。
また、コーティング材料がコーティング膜25の構成材料の前駆体である場合には、必要に応じて加熱等することにより、内部空間Sの壁面に凝結または凝固したコーティング材料を反応させる。
[4]金属化合物配置工程
次に、図8(a)に示すように、貫通孔212内に金属化合物Pを配置する。また、このとき、図示しないが、貫通孔221内に、必要に応じて、ゲッター材や、金属化合物Pの分解反応に必要な還元剤を配置する。
金属化合物Pは、アルカリ金属を含む化合物であって、分解反応(還元)により単体のアルカリ金属を生成(放出)する化合物である。この金属化合物Pとしては、分解反応(還元)により単体のアルカリ金属を生成する化合物であれば、特に限定されないが、例えば、塩化セシウム(CsCl)、アジ化セシウム(CsN)クロム酸セシウム(CsCr)等が挙げられる。ここで、金属化合物Pは、後述する[5]封止工程における加熱下において分解反応を実質的に生じないもの、すなわち、分解反応が生じる温度が[5]封止工程における加熱温度よりも高いものであることが好ましい。これにより、光透過部22と異種材料部24との接合面にアルカリ金属が付着するのを防止または低減することができる。
また、金属化合物Pの分解反応に用いる還元剤は、特に限定されないが、例えば、金属化合物Pが塩化セシウムである場合、カルシウムを用いる。なお、この還元剤は、金属化合物Pと別体であってもよいし、金属化合物Pとの混合物または集合体として一体であってもよい。
また、ゲッター材は、所望のアルカリ金属ガスおよび緩衝ガス以外のガスを吸着または吸収する機能を有する。このゲッター材としては、かかる機能を有するものであれば特に限定されないが、例えば、チタン、バリウム、タンタル、ジルコニウム、アルミニウム、バナジウム、インジウム、カルシウムのうちの少なくとも1つを含む合金、または、Al−Zr−V−Fe系合金が挙げられる。このようなゲッター材を用いることにより、後述する[5]封止工程後において内部空間Sの気体状の不要物をゲッター材に吸着または吸収させることができる。なお、ゲッター材は、金属化合物Pと別体であってもよいし、金属化合物Pとの混合物または集合体として一体であってもよい。
[5]封止工程
次に、図8(b)に示すように、異種材料部24を貫通孔221内に載置し、異種材料部24と光透過部22とを陽極接合法により接合する。これにより、貫通孔221が異種材料部24により気密的に塞がれ、気密空間である内部空間Sが形成される。
ここで、陽極接合の際、その接合部が高温となるが、接合部が局所的であるため、加熱を必要部位に限って局所的に行うことで、コーティング膜25が溶けるのを低減することができる。これにより、最終的に得られる原子セル2において、コーティング膜25の均一性を高めることができる。
[6]アルカリ金属生成工程
次に、図8(c)に示すように、レーザー(エネルギー線)を金属化合物Pに照射する。これにより、金属化合物Pを分解反応させることにより、アルカリ金属単体を取り出す。
このとき、金属化合物Pの分解反応により、アルカリ金属以外の反応生成物が生じるとともに、図示しないが、未反応の金属化合物Pが残渣として残る。
具体的に説明すると、例えば、金属化合物Pが塩化セシウムであり、還元剤としてカルシウムを用いた場合、
本工程では、2CsCl+Ca→2Cs↑+CaClの反応が生じる。このように、カルシウムを還元剤として塩化セシウムを還元させることによりセシウムを単体として取り出すことができる。そのため、原子セル2内にセシウム原子を封入することができる。
また、金属化合物Pがアジ化セシウムである場合、
本工程では、2CsN→2Cs+3Nの反応が生じる。このように、アジ化セシウムを還元させることによりセシウムを単体として取り出すことができる。そのため、原子セル2内にセシウム原子を封入することができる。
本工程では、金属化合物Pにエネルギー線を照射することにより分解反応を生じさせるため、封止された内部空間Sに配置された金属化合物Pを分解反応させることができる。なお、図8(c)では、レーザーを用いて金属化合物Pの分解反応を生じさせる場合を例に図示しているが、金属化合物Pの分解反応を生じさせることができれば、レーザーに限定されず、例えば、レーザー以外の光、X線、γ線のような電磁波、電子線、イオンビームのような粒子線等や、またはこれらのエネルギー線を2種以上組み合わせたものが挙げられる。また、電磁誘導により金属化合物Pを加熱して分解反応を生じさせてもよい。
以上説明したような原子セル2の製造方法によれば、前述したような効果を奏する原子セル2を得ることができる。なお、原子セル2の製造方法は、前述したものに限定されず、例えば、金属化合物Pを用いずに、液体状または固体状のアルカリ金属を貫通孔221から内部空間Sに導入した後に、異種材料部24により貫通孔221を塞いでもよい。
<第2実施形態>
次に、本発明の第2実施形態について説明する。
図9(a)は、本発明の第2実施形態に係る原子セルを示す縦断面図、図9(b)は、図9(a)に示す原子セルの横断面図である。
本実施形態は、原子セルが金属溜り部および異種材料部をそれぞれ2つ有する以外は、前述した第1実施形態と同様である。
なお、以下の説明では、第2実施形態に関し、前述した実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項に関してはその説明を省略する。
図9に示す原子セル2A(原子セル)は、第1実施形態の胴体部21および光透過部23に代えて、胴体部21Aおよび光透過部23Aを備えている。また、原子セル2Aは、光透過部23Aに配置された異種材料部26を備えている。
胴体部21Aは、板状をなしており、この胴体部21Aには、胴体部21Aの厚さ方向(上下方向)に貫通している貫通孔211、212、214と、胴体部21Aの上面に開口していて貫通孔211と貫通孔212とを連通させている溝213(凹部)と、胴体部21の下面に開口していて貫通孔211と貫通孔214とを連通させている溝215(凹部)と、が形成されている。
このような胴体部21Aの下面には、光透過部22が接合され、一方、胴体部21Aの上面には、光透過部22と同様に構成された光透過部23Aが接合されている。
ここで、光透過部23Aには、胴体部21Aの貫通孔214に対応する位置に、光透過部23Aの厚さ方向に貫通する貫通孔231が形成されている。これにより、胴体部21Aの貫通孔214と貫通孔231とが連通している。この貫通孔231は、光透過部22の貫通孔221と同様、例えば、原子セル2Aの製造過程において、内部空間Sを形成した後に、内部空間Sにコーティング剤やアルカリ金属(またはアルカリ金属を生成するための化合物)を導入するのに用いることができる。
このように2つの貫通孔221、231を設けることにより、例えば、コーティング膜25を形成する際、一方の貫通孔からコーティング剤を導入しつつ、他方の貫通孔からコーティングを排出することができる。そのため、内部空間Sを減圧しなくても、円滑に内部空間Sにコーティング剤を導入してコーティング膜25を形成することができる。また、コーティング膜25の形成後、異種材料部26により貫通孔231を塞ぎ、その後、前述した第1実施形態と同様に、アルカリ金属を内部空間Sに導入することができる。
なお、本実施形態では、異種材料部26は、必ずしも、光透過部22、23Aの熱伝導率よりも高い熱伝導率を有していなくてもよい。
以上説明したような第2実施形態に係る原子セル2Aよっても、周波数安定度を向上させることができる。
<第3実施形態>
次に、本発明の第3実施形態について説明する。
図10は、本発明の第3実施形態に係る原子セルを示す縦断面図である。
本実施形態は、原子セルが2つの異種材料部を有する以外は、前述した第1実施形態と同様である。
なお、以下の説明では、第3実施形態に関し、前述した実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項に関してはその説明を省略する。
図10に示す原子セル2B(原子セル)は、第1実施形態の光透過部23に代えて、光透過部23Aを備えている。また、原子セル2Bは、光透過部23Aに配置された異種材料部26を備えている。
ここで、光透過部23Aには、胴体部21の貫通孔212に対応する位置に、光透過部23Aの厚さ方向に貫通する貫通孔231が形成されている。これにより、胴体部21の貫通孔212と貫通孔231とが連通している。この貫通孔231は、光透過部22の貫通孔221と同様、例えば、原子セル2Bの製造過程において、内部空間Sを形成した後に、内部空間Sにコーティング剤やアルカリ金属(またはアルカリ金属を生成するための化合物)を導入するのに用いることができる。
このように2つの貫通孔221、231を設けることにより、前述した第2実施形態と同様、例えば、コーティング膜25を形成する際、一方の貫通孔からコーティング剤を導入しつつ、他方の貫通孔からコーティングを排出することができる。
以上説明したような第3実施形態に係る原子セル2Bよっても、周波数安定度を向上させることができる。
<第4実施形態>
次に、本発明の第4実施形態について説明する。
図11(a)は、本発明の第4実施形態に係る原子セルを示す縦断面図、図11(b)は、図11(a)に示す原子セルの横断面図である。
本実施形態は、原子セルの金属溜り部および異種材料部の構成が異なる以外は、前述した第1実施形態と同様である。
なお、以下の説明では、第4実施形態に関し、前述した実施形態との相違点を中心に説明し、同様の事項に関してはその説明を省略する。
図11に示す原子セル2C(原子セル)は、厚さ方向(上下方向)に貫通する貫通溝211Cを有する板状の胴体部21Cと、貫通溝211Cの上下の開口を塞ぐ1対の光透過部22C、23Cと、貫通溝211Cの側方の開口を塞ぐ異種材料部24Cと、を有している。ここで、貫通溝211Cは、側方に開放する開口部216を有し、異種材料部24Cは、開口部216に形成された段差部2161と光透過部22C、23Cの側面222、232とに気密的に接合している。
このように、異種材料部24Cが胴体部21Cに配置されていることにより、原子セル2Cの小型化を図ることができる。
以上説明したような第4実施形態に係る原子セル2Cよっても、周波数安定度を向上させることができる。
2.電子機器
以上説明したような原子発振器は、各種電子機器に組み込むことができる。このような電子機器は、優れた信頼性を有する。
以下、本発明の電子機器について説明する。
図12は、GPS衛星を利用した測位システムに本発明の原子発振器を用いた場合の概略構成を示す図である。
図12に示す測位システム100は、GPS衛星200と、基地局装置300と、GPS受信装置400とで構成されている。
GPS衛星200は、測位情報(GPS信号)を送信する。
基地局装置300は、例えば電子基準点(GPS連続観測局)に設置されたアンテナ301を介してGPS衛星200からの測位情報を高精度に受信する受信装置302と、この受信装置302で受信した測位情報をアンテナ303を介して送信する送信装置304とを備える。
ここで、受信装置302は、その基準周波数発振源として前述した本発明の原子発振器1を備える電子装置である。このような受信装置302は、優れた信頼性を有する。また、受信装置302で受信された測位情報は、リアルタイムで送信装置304により送信される。
GPS受信装置400は、GPS衛星200からの測位情報をアンテナ401を介して受信する衛星受信部402と、基地局装置300からの測位情報をアンテナ403を介して受信する基地局受信部404とを備える。
3.移動体
図13は、本発明の移動体の一例を示す図である。
この図において、移動体1500は、車体1501と、4つの車輪1502とを有しており、車体1501に設けられた図示しない動力源(エンジン)によって車輪1502を回転させるように構成されている。このような移動体1500には、原子発振器1が内蔵されている。
このような移動体によれば、優れた信頼性を発揮することができる。
なお、本発明の電子機器は、前述したものに限定されず、例えば、携帯電話機、スマートフォン、タブレット端末、時計、ディジタルスチルカメラ、インクジェット式吐出装置(例えばインクジェットプリンター)、パーソナルコンピューター(モバイル型パーソナルコンピューター、ラップトップ型パーソナルコンピューター)、テレビ、ビデオカメラ、ビデオテープレコーダー、カーナビゲーション装置、ページャー、電子手帳(通信機能付も含む)、電子辞書、電卓、電子ゲーム機器、ワードプロセッサー、ワークステーション、テレビ電話、防犯用テレビモニター、電子双眼鏡、POS端末、医療機器(例えば電子体温計、血圧計、血糖計、心電図計測装置、超音波診断装置、電子内視鏡)、魚群探知機、各種測定機器、計器類(例えば、車両、航空機、船舶の計器類)、フライトシミュレーター、地上デジタル放送、携帯電話基地局等に適用することができる。
以上、本発明の原子セル、量子干渉装置、原子発振器、電子機器および移動体について、図示の実施形態に基づいて説明したが、本発明は、これらに限定されるものではない。
また、本発明の各部の構成は、前述した実施形態と同様の機能を発揮する任意の構成のものに置換することができ、また、任意の構成を付加することもできる。
また、本発明は、前述した各実施形態の任意の構成同士を組み合わせるようにしてもよい。
また、前述した実施形態では、波長の異なる2種類の光による量子干渉効果を利用してセシウム等を共鳴遷移させる量子干渉装置に本発明の原子セルを用いた場合を例として説明したが、本発明の原子セルは、これに限定されず、光およびマイクロ波による二重共鳴現象を利用してルビジウム等を共鳴遷移させる二重共鳴装置にも用いることができる。
1‥‥原子発振器
2‥‥原子セル
2A‥‥原子セル
2B‥‥原子セル
2C‥‥原子セル
3‥‥光出射部
5‥‥光検出部
6‥‥ヒーター
7‥‥温度センサー
8‥‥磁場発生部
10‥‥制御部
11‥‥温度制御部
12‥‥励起光制御部
13‥‥磁場制御部
21‥‥胴体部
21A‥‥胴体部
21C‥‥胴体部
22‥‥光透過部
22C‥‥光透過部
23‥‥光透過部
23A‥‥光透過部
23C‥‥光透過部
24‥‥異種材料部
24C‥‥異種材料部
25‥‥コーティング膜
26‥‥異種材料部
41‥‥光学部品
42‥‥光学部品
43‥‥光学部品
44‥‥光学部品
100‥‥測位システム
200‥‥GPS衛星
210‥‥隔壁部
211‥‥貫通孔
211C‥‥貫通溝
212‥‥貫通孔
213‥‥溝
214‥‥貫通孔
215‥‥溝
216‥‥開口部
221‥‥貫通孔
222‥‥側面
231‥‥貫通孔
232‥‥側面
300‥‥基地局装置
301‥‥アンテナ
302‥‥受信装置
303‥‥アンテナ
304‥‥送信装置
400‥‥GPS受信装置
401‥‥アンテナ
402‥‥衛星受信部
403‥‥アンテナ
404‥‥基地局受信部
1500‥‥移動体
1501‥‥車体
1502‥‥車輪
2161‥‥段差部
2211‥‥段差部
M‥‥アルカリ金属
S‥‥内部空間
LL‥‥励起光
P‥‥金属化合物

Claims (8)

  1. 気体のアルカリ金属原子を収容している第1貫通孔、及び液体又は固体のアルカリ金属原子を収容している第2貫通孔を有する胴体部と、
    前記胴体部と接合し、平面視で前記第2貫通孔と重なる位置に第3貫通孔を有する光透過部と、
    前記光透過部よりも熱伝導率が大きい材料を含み、前記第3貫通孔に配置されている異種材料部と、を備える、原子セル。
  2. 前記光透過部は、前記胴体部及び前記異種材料部に接合されている段差部を有している請求項1に記載の原子セル。
  3. 前記第1貫通孔と前記第2貫通孔との間には、壁部が配置されている請求項1または2に記載の原子セル。
  4. 前記光透過部がガラスを含み、
    前記異種材料部がシリコンを含む請求項1ないし3のいずれか1項に記載の原子セル。
  5. 前記異種材料部と前記光透過部とが直接接合されている請求項1ないし4のいずれか1項に記載の原子セル。
  6. 請求項1ないし5のいずれか1項に記載の原子セルを備える、量子干渉装置。
  7. 請求項1ないし5のいずれか1項に記載の原子セルを備える、原子発振器。
  8. 請求項1ないし5のいずれか1項に記載の原子セルを備える、電子機器。
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