JPWO2013046266A1 - 自動二輪車用空気入りタイヤ - Google Patents

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Abstract

排水性を確保しつつグリップ性を向上させるとともに、優れた耐摩耗性を実現できる、自動二輪車用空気入りタイヤを提供する。本発明の自動二輪車用空気入りタイヤは、トレッド踏面に、複数種類の溝のそれぞれを、タイヤの回転方向の前方側に向けて収束させて配設してなる、方向性をもったトレッドパターンを有し、複数種類の溝を、トレッドパターンの展開平面視で、タイヤのトレッド接地端からタイヤ赤道線eに向かうにつれて、赤道線側に撓む向きに湾曲する姿勢で延在する3種類の傾斜ラグ溝2a〜2cとし、各傾斜ラグ溝2a〜2cの長さをα〜γ、各傾斜ラグ溝のタイヤの子午線mに対する交差本数をnとする場合に式(I)β≰γ<α、式(II)1−β/α<0.1、式(III)n≧4(但し、タイヤの全周の60%〜70%に存在するものとする)を満たすことを特徴とする。

Description

本発明は、自動二輪車用空気入りタイヤに関するものであり、特にウエット路面走行時の排水性を確保しつつ、ドライ路面に対するグリップ性を向上させるとともに、優れた耐摩耗性を実現できる技術を提案するものである。
自動二輪車用空気入りタイヤにおいては、タイヤのトレッド部に設ける溝の数や形状を複数組み合わせて様々なトレッドパターンを形成し、タイヤの種々の性能(ウエット時の排水性や走行時の騒音性等)を改良することが行われている(例えば特許文献1)。
特開平4−238703号公報
ところでタイヤの性能の一つである、ドライ路面に対するグリップ性を高め、耐摩耗性を向上させるには、トレッド部の陸部を増やすことが有効であるが、陸部を増やすに従ってトレッド部の溝部の割合が減っていくことになるため、排水性を維持することは難しくなる。
一方、排水性を確保するためにトレッド部の溝部の割合を増やした場合には、グリップ性及び耐摩耗性の低下に加えて、今度は、陸部と路面との衝接等による騒音が発生し、タイヤの低騒音性能を維持することが難しくなる。
このように、タイヤの排水性、グリップ性、耐摩耗性、さらには騒音性能と言った、種々の性能を万遍なく良好な状態に維持することは甚だ困難であり、従来のトレッドパターンでは、その要請に充分に応えることができなかった。加えて近年、環境問題への取り組みの重点化に伴い、これらタイヤの性能の中でも、特に、騒音性能のさらなる向上が求められるに至っている。
本発明の主たる目的は、ウエット路面走行時の排水性を確保しつつ、ドライ路面に対するグリップ性を向上させるとともに優れた耐摩耗性を実現することにあり、そして他の目的は、上述した各種の性能の確保に加えて、走行時の騒音を低減させることもできる、新規な自動二輪車用空気入りタイヤを提供することにある。
本発明は、トレッド踏面に、複数種類の溝のそれぞれを、タイヤの回転方向の前方側に向けて収束させて配設してなる、方向性をもったトレッドパターンを有する自動二輪車用空気入りタイヤにおいて、
前記複数種類の溝を、トレッドパターンの展開平面視で、タイヤのトレッド接地端からタイヤ赤道線に向かうにつれて、タイヤ赤道線側に撓む向きに湾曲する姿勢で延在する3種類の傾斜ラグ溝とし、
前記3種類の傾斜ラグ溝のうちの、第1の傾斜ラグ溝の延在長さをαとし、第2の傾斜ラグ溝の延在長さをβとし、第3の傾斜ラグ溝の延在長さをγとした場合に、前記α、β、γは下記式(I)、(II)を満たし、
それぞれの傾斜ラグ溝の、タイヤの子午線との交差本数をnとした場合に、前記nは、タイヤの全周の60%〜70%の範囲内で、下記式(III)を満たすことを特徴とする自動二輪車用空気入りタイヤである。

β≦γ<α・・・(I)
1−β/α<0.1・・・(II)
n≧4・・・(III)
ここで、前記トレッドパターンは、展開平面視で、周方向の1ピッチ分について、タイヤ赤道線からトレッド接地端までを4等分した場合において、タイヤ赤道線から数えて2番目の領域Aのネガティブ比aと、3番目の領域Bのネガティブ比bとの差が0.01未満であることが好ましい。
また本発明は、タイヤのトレッド踏面に、タイヤの回転方向の前方側に向けて、接地端側からタイヤ赤道線側に収束する延在姿勢の少なくとも3種類の傾斜ラグ溝を、前記タイヤ赤道線を境界とするトレッドの半幅領域の各々に独立分散させて配置し、かつ、少なくとも3種類の傾斜ラグ溝の各々が種別毎に前記タイヤ赤道線を対称軸として線対称となる配置を、前記半幅領域の相互間でタイヤ周方向にずらして成るトレッドパターンを有する自動二輪車用空気入りタイヤにおいて、
前記タイヤ赤道線からトレッド接地幅の12.5%までの中央領域内に配置した中央傾斜ラグ溝は、その溝中心線が前記タイヤ赤道線に対して9°〜23°の範囲内で傾斜する向きに延び、かつ、全長に亘る延在長さが120mm以下であることを特徴とする自動二輪車用空気入りタイヤである。
この場合、前記中央傾斜ラグ溝が、前記タイヤ赤道線からトレッド接地幅の12.5%〜25%の中間領域内にまで延び、かつ、前記タイヤ赤道線からトレッド接地幅の12.5%〜25%の中間領域における前記中央傾斜ラグ溝部分は、その溝中心線が前記タイヤ赤道線に対して21°〜36°の範囲内で傾斜する向きに延びることが好ましい。
また、前記タイヤ赤道線からトレッド接地幅の12.5%〜25%の中間領域内には、前記少なくとも3種類の傾斜ラグ溝のうち少なくとも2種の傾斜ラグ溝が配置され、前記タイヤ赤道線からトレッド接地幅の25%〜37.5%の中間領域内には、前記少なくとも3種類の傾斜ラグ溝のうち前記中央傾斜ラグ溝以外の傾斜ラグ溝を配置することが好ましい。
そしてまた、前記少なくとも3種類の傾斜ラグ溝のうち、前記中央傾斜ラグ溝以外の少なくとも2種の傾斜ラグ溝は、屈曲の外側が前記タイヤ赤道線側に向かうように屈曲することが好ましい。
さらに、前記中央傾斜ラグ溝以外の傾斜ラグ溝の各々については、開口面積の60%以上を、前記中央傾斜ラグ溝のタイヤ幅方向最外側端より幅方向外側の領域に存在させることが好ましい。
本発明の自動二輪車用空気入りタイヤでは、上記式(I)〜(III)を満たす3種類の傾斜ラグ溝の集合体でトレッドパターンを形成したので、付与されるキャンバー角に応じてタイヤの接地域がトレッド踏面の幅方向に次第に変化しても、同類の溝が接地域に存在することとなり、排水性とグリップ性の関係が一様に保たれる。また各傾斜ラグ溝を、トレッド接地端からタイヤ赤道線に向かうにつれて、タイヤ赤道線側に撓む向きに湾曲する姿勢で延在させたので、キャンバー角に応じて変化するタイヤの進む向きに沿って傾斜ラグ溝が延在することとなって、排水性を一層高めることができる。これによれば、ネガティブ比を下げても優れた排水性を確保できる上、グリップ性を向上させるとともに耐摩耗性を高めることができる。
また、トレッド踏面の周方向の1ピッチ分について、タイヤ赤道線からトレッド接地端までを4等分した場合であって、タイヤ赤道線から数えて2番目の領域Aと3番目の領域Bのネガティブ比の差を0.01未満とするときは、キャンバー角を変化させていっても接地域における陸部の面積はほとんど変化しないので、グリップ性をより一様に保つことができる。
そして、本発明の他の空気入りタイヤでは、タイヤのトレッド踏面の接地端側からタイヤ赤道線側に収束する向きに延びる少なくとも3種類の傾斜ラグ溝を、タイヤ赤道線を境界とするトレッドの半幅領域の各々に独立分散して配置し、かつ、少なくとも3種類の傾斜ラグ溝が種別毎に前記タイヤ赤道線を対称軸として線対称となる配置を、前記半幅領域の相互間でタイヤ周方向にずらして成るトレッドパターンを有するものとする自動二輪車用空気入りタイヤにおいて、タイヤ赤道線からトレッド接地幅の12.5%までの中央領域内に配置した中央傾斜ラグ溝を、その溝中心線が前記タイヤ赤道線に対して9°〜23°の範囲内にて傾斜する向きに延び、かつ、それの全長に亘る延在長さを120mm以下とすることで、排水性を確保できる上、耐摩耗性の向上と走行時の騒音の低減を図ることができる。
本発明に従う自動二輪車用空気入りタイヤの実施の形態を示す、タイヤのトレッドパターンの展開平面図である。 本発明に従う他の自動二輪車用空気入りタイヤの実施の形態を示す、タイヤのトレッドパターンの展開平面図である。 他の自動二輪車用空気入りタイヤの他の実施の形態を示す、タイヤのトレッドパターンの展開平面図である。 従来のタイヤのトレッドパターンの展開平面図である。 従来の前輪タイヤのトレッドパターンの展開平面図である。
以下、本発明に従う自動二輪用空気入りタイヤの実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。なお、本発明に従う自動二輪車用空気入りタイヤは、図示はしないが、一対のビード部から半径方向外側に延びるサイド部を経て、各サイド部の相互間に跨ってつながるトロイド状のカーカスを備えるものであり、該カーカスのクラウン域のタイヤ径方向外側には、ベルト及びトレッドを備えるものである。
図1は、本発明に従う自動二輪車用空気入りタイヤ(以下、「タイヤ」と言う)の実施の形態を示した図であり、図中1は、タイヤのトレッド踏面である。トレッド踏面1には、3種類の傾斜ラグ溝からなる集合体2が、タイヤ赤道線eを挟んで一方側の領域に、タイヤの周方向及び幅方向に単数又は複数個配列されるとともに、他方側の領域に、その単数又は複数個配列された集合体2が、タイヤ赤道線eを対称軸として線対称に配置されて、トレッドパターンが形成されている。なお、トレッドパターンは、図1に示すように、集合体2を、タイヤ赤道線eを挟んで一方側に、周方向に所定のピッチで離隔させて配列し、他方側に、集合体2と赤道線eを挟んで線対称の関係となる集合体2´を、集合体2と同ピッチで離隔させて配列して、それら配列した集合体2及び集合体2´を、周方向にずらして(図示の例では半ピッチ分ずらしている)設けてもよい。なお、トレッド踏面1の、傾斜ラグ溝が形成された以外の部分は、陸部3となっている。
そして、傾斜ラグ溝の集合体2は、第1の傾斜ラグ溝2a、第2の傾斜ラグ溝2b、第3の傾斜ラグ溝2cを備えており、互いに重ならないように配置されている。集合体2を構成する、各傾斜ラグ溝2a〜2cは、タイヤの幅方向及び周方向に自由に配置でき、配置する順番は指定されない。各傾斜ラグ溝2a〜2cは、溝の後端(回転方向に対する後方端)2a〜2cがいずれもトレッド踏面1の幅方向外側に位置し、この溝の後端から、タイヤの前進回転方向前方側となる向き(図1に矢印Cで示す向き)に沿って、タイヤ赤道線側に撓む向きに湾曲しながらタイヤ赤道線eに向かい、溝の先端2a〜2cがトレッド中央域側に位置している。
また、各傾斜ラグ溝2a〜2cの湾曲部である凸部2a〜2cは、各傾斜ラグ溝とタイヤ赤道線eとがなす角のうち、鋭角となる側に設けられている。ここで各傾斜ラグ溝2a〜2cとタイヤ赤道線eとがなす角とは、溝の先端2a〜2cでの、各傾斜ラグ溝の幅方向中心を通る中心線2a〜2cの接線と、タイヤ赤道線eとのなす角をいう。
なおタイヤ赤道線eを挟んで左側に配置される各傾斜ラグ溝2a´〜2c´は、上記集合体2´と集合体2との関係で各傾斜ラグ溝2a〜2cと対称の形状となるものであって、タイヤ赤道線eを挟んで向きが反対となる以外は各傾斜ラグ溝2a〜2cと同一であり、各傾斜ラグ溝2a〜2cの特徴を満たす同種のラグ溝とする。
そしてまた、それぞれの傾斜ラグ溝2a〜2cは、第1の傾斜ラグ溝2aの延在長さをαとし、第2の傾斜ラグ溝2bの延在長さをβとし、そして第3の傾斜ラグ溝2cの延在長さをγとした場合に、それぞれの長さα、β、γは下記式(I)、(II)を満たすものとし、併せて、それぞれの傾斜ラグ溝2a〜2cのタイヤの子午線mに対する交差本数をnとした場合に、交差本数nは下記式(III)を満たすものとする。

β≦γ<α・・・(I)
1−β/α<0.1・・・(II)
n≧4(但し、タイヤの全周の60%〜70%の範囲内に存在するものとする)・・・(III)
ここで各傾斜ラグ溝の延在長さα、β、γとは、各傾斜ラグ溝の中心線2a〜2cの位置での長さを指すものとする。また、タイヤの子午線mとは、タイヤ赤道線eと直交する線であり、タイヤの子午線mに対する交差本数nとは、図1に示すように、トレッドパターンの展開平面図において、タイヤの子午線mと交わる傾斜ラグ溝の本数(図示の例ではn=4)を指すものである。そしてまた、上記式(III)は、タイヤの子午線mと交差する傾斜ラグ溝の本数が4本以上存在する範囲が、タイヤの全周長さに対して60%〜70%の範囲であることを意味するものである。
本発明に従うそれぞれの傾斜ラグ溝2a〜2cは、いずれも凸部2a〜2cが同一の方向を向くとともに、上記式(I)〜(III)を満たすものである。このため、付与されるキャンバー角に応じてタイヤの接地域をトレッド踏面の幅方向に変化させても、同類の溝が接地域に存在することとなり、溝の形状や割合の変化が少なく、タイヤの傾きに対して排水性とグリップ性の関係をほぼ一様に保つことができる。またキャンバー角を付与するとタイヤは傾けた方向に曲がっていくが、各傾斜ラグ溝2a〜2cは、タイヤの幅方向外側から、タイヤの前進回転方向に沿って、タイヤ赤道線側に撓む向きに湾曲しつつタイヤ赤道線eに向かうとともに、湾曲の凸部がタイヤの中央を向くように形成されているため、接地域における各傾斜ラグ溝が延びる向きは、キャンバー角の変化に応じて変わっていくタイヤの進む向きに沿うこととなり、排水性を向上させることができる。これにより、排水性が向上した分、傾斜ラグ溝を減らすことができ、タイヤの排水性を満足させるための必要最小限の傾斜ラグ溝は確保しつつ、不要となる傾斜ラグ溝は設けないことでネガティブ比を下げることが可能となり、グリップ性を向上させるとともに耐摩耗性の向上を図ることができる。
前記トレッドパターン1は、図1に示すトレッドパターンの展開平面図のうち、周方向の1ピッチ分について、タイヤ赤道線eからトレッド接地端TEまでの長さWを4等分した際、タイヤ赤道線eから数えて2番目の領域Aのネガティブ比aと、3番目の領域Bのネガティブ比bとの差が0.01未満であることがより望ましい。ここでネガティブ比とは、所定の範囲で区画されたトレッド踏面の面積に対して、溝が占める面積の比をいう。なお周方向の1ピッチ分を取り出す際の起点は、集合体2のどの溝からであってもよい。
領域A、Bがタイヤの接地面となる際には、キャンバー角が付与されてタイヤが傾いているためにグリップ力が必要となるが、キャンバー角を変化させていってもタイヤの接地域における陸部3の面積は領域A、B間でほとんど変化しないため、グリップ性をより一様に保つことができる。
ここでまた、図2は、本発明に係る他の空気入りタイヤの形態を示した図であり、図中1は、タイヤのトレッド踏面を示す。ここでも、トレッド踏面1には、方向性をもったトレッドパターンが形成されている。
ここにおけるトレッドパターンは、トレッド踏面1の両接地端TEの各々から、タイヤ赤道線eに収束する向きに延びる少なくとも3種類の傾斜ラグ溝4、図示例では3種類の、傾斜ラグ溝4a、傾斜ラグ溝4b、及び傾斜ラグ溝4cを有する。ここで、トレッド接地端TEからタイヤ赤道線eに収束する向きに延びる傾斜ラグ溝とは、傾斜ラグ溝の、タイヤ回転方向の後方側の一端がトレッド接地端TE側を、タイヤ回転方向前方側の他端がタイヤ赤道線eを向くように傾斜して延在する溝のことを言い、タイヤ赤道線e側に延在する溝がタイヤ赤道線eに沿う形状であることは要しない。また、図2で示すように、タイヤ赤道線e側の溝は、その一端がタイヤ赤道線e上に到達することなく終結している。なお、タイヤ赤道線eに収束する向きとは、タイヤの前進回転方向となる向き(図2中、矢印Cで示す方向)に収束することを言う。
これら3種類の傾斜ラグ溝4a〜4cは、タイヤ赤道線eを境界とするトレッド半幅領域R、R’に、それぞれ、相互に交差することがないように独立分散して配置されている。
そして、少なくとも3種類の傾斜ラグ溝が、種別毎に、ここでは傾斜ラグ溝4a、4b、4c毎にタイヤ赤道線eを対称軸として線対称となる配置を、半幅領域R、R’の相互間でタイヤ周方向にずらすことによって、トレッドパターンが形成されている。より詳細に説明すれば、図2に示すように、タイヤ赤道線eを挟んで紙面右側の半幅領域R’に配置される傾斜ラグ溝4a’、4b’、4c’の各々と、タイヤ赤道線eを挟んで紙面左側の半幅領域Rに配置される傾斜ラグ溝4a、4b、4cの各々とが、タイヤ赤道線eを挟んで各傾斜ラグ溝の赤道線eに対する向きが逆となるようにした配置を、半幅領域R及びR’間にて、半ピッチ分タイヤ周方向にシフトさせたものである。すなわち、傾斜ラグ溝4a’は傾斜ラグ溝4aを左右反転させた形状に対応し、傾斜ラグ溝4b’は傾斜ラグ溝4bを左右反転させた形状に対応し、傾斜ラグ溝4c’は傾斜ラグ溝4cを左右反転させた形状に対応するものであって、本発明では、傾斜ラグ溝4a〜4cのそれぞれと、反対側の半幅領域に形成される傾斜ラグ溝4a’〜4c’とのそれぞれは、同種の傾斜ラグ溝であるものとする。
そしてまた、トレッド踏面1において傾斜ラグ溝4を形成した部分以外の部分は、陸部3となっている。
このように、本発明に係る他の空気入りタイヤでは、複数の各傾斜ラグ溝が、いずれも、トレッド接地端からタイヤ赤道線eに向かって収束する向きに延びる、各半幅領域内に形成される傾斜ラグ溝がともに同方向に向いた構成を採用していることから、付与されるキャンバー角に応じてタイヤの接地領域がタイヤ幅方向に変化した場合、同種の溝が同じ接地域内に存在することになり、タイヤの傾き量の多少にかかわらず、同様の運動性能をもたらすことが可能となる。
これら傾斜ラグ溝4のうち、最もタイヤ赤道線e側に延在する傾斜ラグ溝4a(以下、「中央傾斜ラグ溝4a」と言う)は、タイヤ赤道線eからトレッド接地幅TWの12.5%までの中央領域K内に配置されている。図2に示す例では、中央傾斜ラグ溝4aの全体が、中央領域K内に配置されている。
そして、この発明においては、中央傾斜ラグ溝4aは、その溝中心線とタイヤ赤道線eが成す角度θが9°〜23°の範囲内となる向きに延びていることが肝要である。ここで言う溝中心線とは、中央傾斜ラグ溝4aの、タイヤ前進方向先端部におけるタイヤ幅方向中心Pと、中央傾斜ラグ溝のタイヤ前進方向後端部におけるタイヤ幅方向中心Pを通る直線のことを言う。
さらに、本発明では、中央傾斜ラグ溝4aの全長に亘る延在長さが、120mm以下となるように形成されていることが肝要である。ここで、中央傾斜ラグ溝の全長に亘る延在長さとは、中央傾斜ラグ溝のタイヤ幅方向中心を通る線4a(図2に一点鎖線で示した線)の全長を言う。
ところで、自動二輪車用空気入りタイヤは、直進走行時には車体が路面に対して略直立しているため、主にタイヤのトレッド中央領域が路面と接地することになる。このため、タイヤの直進走行中においては、トレッド中央領域の陸部が路面を打ち、この陸部の打音の繰り返しが、騒音を発生することになる。
そこで、本発明では、タイヤの直進走行時に最も路面と接する頻度の高い中央領域K内に位置する中央傾斜ラグ溝4aを、タイヤ赤道線eと成す角度θが9°〜23°となるように形成している。すなわち、かかる角度とする理由は、排水性の観点から、角度θを大きくして、タイヤ赤道線e側からタイヤ回転方向後方のトレッド接地端側に向かう排水経路を確保するとともに、タイヤと接地路面との間に浸入する水膜を切る必要があるためである。また、接地輪郭と中央傾斜ラグ溝の傾斜角度が近くなることでタイヤが接地路面から離れる際の溝壁領域が広くなり、騒音が発生するのを抑制するためである。角度θを23°よりも大きくすると、中央傾斜ラグ溝4aがタイヤ幅方向に向いて接地域内での陸部3がブロック状になり、路面との接地時、および蹴出し時に陸部3が加振されて、騒音が増幅されてしまう。一方、9°未満とした場合には、排水性及び水膜を切る性能を充分に確保することができなくなってしまうからである。
また、排水性を向上させるためには、溝面積を確保してネガティブ率を増加させることが効果的であるが、一方で陸部の側壁が増加するため、ここを起点とする偏摩耗が発生してしまう。従って、中央傾斜ラグ溝4aを、上記溝角度に規制するとともに、その全長に亘る延在長さを120mm以下として陸部剛性の低下を抑制することにより、充分な排水性を確保しつつ、良好な偏摩耗性を実現することが可能となる。
また、本発明では、タイヤ赤道線eを対称軸として左右対称に配置した同形状(同種)の傾斜ラグ溝を、半幅領域の相互間でタイヤ周方向に半ピッチ分ずつずらして設けているため、同形状の傾斜ラグ溝が同時に路面と接地して、同時に騒音を発生することがない。つまり、タイヤ赤道線eを境界線として、陸部打音を交互に発生させることができるため、低騒音性能を向上させることが可能となる。
さらに、中央傾斜ラグ溝4aが、タイヤ赤道線eを跨ぐことなく中央領域K内に配置され、タイヤ周方向に近い傾斜角度を有する構成となっているため、タイヤの陸部剛性が高まり、タイヤの進行方向及び後退方向の際に受ける耐せん断力を向上する。従って、自動二輪車(例えば大型スクーター等)特有の直立主体の走行時における耐摩耗性を向上させ、偏摩耗の発生を抑制することができる。
なお、図2に示す実施形態では、中央傾斜ラグ溝4a、傾斜ラグ溝4b、傾斜ラグ溝4cは、タイヤ赤道線eからトレッド接地端TEに向かって順番に形成されているが、上記の中央傾斜ラグ溝4aが最もタイヤ赤道線e側に形成されれば、他の傾斜ラグ溝は、タイヤの幅方向、周方向に自由に配置することができ、配置の規則性は特に関係ない。
また、タイヤ赤道線eからトレッド接地幅TWの12.5%〜25%までの中間領域L内には、傾斜ラグ溝のうち少なくとも2種の傾斜ラグ溝が配置され、タイヤ赤道線eからトレッド接地幅TWの25%〜37.5%までの中間領域M内には、傾斜ラグ溝のうち、最もタイヤ赤道線e側に配置される中央傾斜ラグ溝4a以外の傾斜ラグ溝が配置されることが好ましい。図2に示すところでは、中間領域L内及び中間領域M内には、傾斜ラグ溝4b及び4cが配置されている。
このように、中間領域L内及び中間領域M内にも傾斜ラグ溝を配置することにより、タイヤにキャンバー角が付与された場合であっても、トレッド領域内に充分な溝幅を有する排水経路を確保し、溝のエッジ効果によってタイヤと接地路面との間に浸入する水膜を切ることができ、ウエット性能を向上させることができる。また、陸部剛性を確保して耐摩耗性を考慮する観点からは、中央傾斜ラグ溝の後端部におけるタイヤ幅方向中心Pは、中間領域Mまで延在することなく、中央領域K又は、後述するようにタイヤ赤道線eからトレッド接地幅TWの12.5%〜25%までの中間領域L内で終結するのが好ましい。
さらに、傾斜ラグ溝4のうち少なくとも2種の傾斜ラグ溝、ここでは傾斜ラグ溝4b及び4cは、タイヤ赤道線e側が屈曲の外側となるように、屈曲部5を有する形状であることが好ましい。またここでは、中央傾斜ラグ溝4aも、タイヤ赤道線e側が外側となるように緩やかな曲線を描く湾曲形状となっている。
ここで、タイヤにキャンバー角が付与される、自動二輪車の旋回走行に際しては、タイヤ赤道線e側からトレッド接地端側へ加わる横方向の入力の度合いが高くなる。従って、中央領域Kよりもタイヤ幅方向外側の領域に配置される傾斜ラグ溝を、タイヤ幅方向に近い溝部を有するように折れ曲がった形状とすることで、パターンとしての剛性を確保することができ、その結果、グリップ性能の向上を図ることが可能となる。
なお、上記機能を発揮するためには、傾斜ラグ溝4bは、周方向の溝中心線とタイヤ赤道線eが成す角度θが20°〜35°となる向きに延び、幅方向の溝中心線とタイヤ赤道線eが成す角度θが59°〜69°となる向きに延びていることが好ましい。ここで言う周方向の溝中心線とは、屈曲部5の法線と傾斜ラグ溝4bとの2つの交点間の中点をQとした際に、傾斜ラグ溝4bのタイヤ前進方向の先端部Qと上記中点Qを通る直線のことを言う。また、幅方向の溝中心線とは、傾斜ラグ溝4bのタイヤ前進方向の後端部Qと上記中点Qを通る直線のことを言う。なお、傾斜ラグ溝の先端部Q及び後端部Qがタイヤ幅方向成分を有する場合には、先端部、後端部における傾斜ラグ溝の幅方向中心と、該中心を通るタイヤ周方向線と傾斜ラグ溝との交点を結んだ線の中点を、Q及びQとする。
また、傾斜ラグ溝4cは、周方向の溝中心線とタイヤ赤道線eが成す角度θが29°〜41°となる向きに延び、幅方向の溝中心線とタイヤ赤道線eが成す角度θが50°〜64°となる向きに延びていることが好ましい。
次に示す図3に基づき、本発明に従う他の空気入りタイヤの、他の実施形態につき説明する。
図示のトレッドパターンは、中央傾斜ラグ溝4aの一部が、タイヤ赤道線eからトレッド接地幅TWの12.5%〜25%までの中間領域L内に配置される以外の他の構成は、前述したものと同様である。
より詳細には、中央傾斜ラグ溝4aの後端Pは、中央領域K内で終結することなく、領域Lまで延在して、当該中間領域L内で終結している。
この場合、中央傾斜ラグ溝4aは、中央領域K内においては、溝中心線とタイヤ赤道線eが成す角度θが9°〜23°となる向きに延び、中間領域L内においては、溝中心線とタイヤ赤道線eが成す角度θが21°〜36°となる向きに延びていることが肝要である。ここで言う中央領域K内における溝中心線とは、中央傾斜ラグ溝4aのタイヤ幅方向中心を通る線4aと、中央領域K及び中間領域Lの境界線との交点をPとしたときに、中央傾斜ラグ溝4aの先端Pと交点Pとを結ぶ直線のことを言う。また、中間領域L内における溝中心線とは、中央傾斜ラグ溝4aの後端Pと交点Pとを結ぶ直線のことを言う。
騒音の発生が中央領域Kにおける接地時の陸部打音に起因することは上述の通りであるが、中央領域Kと中間領域Lの境界付近では、ブロックの蹴り出し時の振動音が主として悪化する傾向があるため、角度θ及び角度θを上記の角度に保つことで、タイヤの接地輪郭と溝角度が近づかないようになるため、騒音を低減させることが可能となる。角度θを上記範囲とする理由は、21°未満とすると、接地輪郭に溝の角度が近づき、蹴り出し側で接地面から振動しながら離れる溝壁面の長さが増えて騒音が悪化するからであり、36°より大きくすると、直進走行時から小キャンバー角での走行時に接地端部の排水性が低下するからである。
また、図3のように、中央傾斜ラグ溝4a以外の傾斜ラグ溝、ここでは傾斜ラグ溝4b及び4cの各々は、開口面積の60%以上が、中央傾斜ラグ溝4aのタイヤ幅方向最外側端より幅方向外側の領域に存在することが好ましい。
具体的には、図3に示すところでは、中間領域Lよりもタイヤ幅方向外側の領域内に配置される傾斜ラグ溝4b及び4cの各々は、その開口面積の60%以上が、中央傾斜ラグ溝4aのタイヤ幅方向最外側端、すなわち中央傾斜ラグ溝4aの後端Pを通り赤道線eに並行な直線から、トレッド接地幅50%で囲まれる領域内に存在している。なお、ここで言う開口面積とは、トレッド踏面1での開口面積のことを言う。
このように、トレッド踏面1の全領域内に、複数の傾斜ラグ溝を万遍なく配置することにより、付与されるキャンバー角に応じてタイヤの接地領域がタイヤ幅方向に変化した際にも、同種の溝が同じ接地域内に存在することになり、タイヤの傾きに対して同様の運動性能を与えることが可能となる。
表1に示す関係を満たし、上掲図1に示すトレッドパターンの展開平面図を有する、サイズがMCR160/60R15M/Cのタイヤを、リムのサイズがMT5.00となるホイールに組み込み、充填空気圧250kPaとして排気量500ccの二輪車の後輪に用いた。また前輪には、従来品である、図4に示すトレッドパターンの展開平面図となるタイヤを組み付けて用いた。なお、前輪タイヤのサイズはMCR120/70R15M/Cとし、リムのサイズはMT3.50とし、充填空気圧は225kPaとした。この二輪車でテストコースを走行し、リアタイヤのウエット路面でのグリップ性、ドライ路面でのグリップ性、タイヤの耐摩耗性につき調査を行った。図4のパターンとなるタイヤをリアに組み込んだ従来例(従来タイヤ1)も含め、その結果を表1に併せて示す。
Figure 2013046266
ウエット路面でのグリップ性及びドライ路面でのグリップ性は、テストライダーにより上記実車走行テストを行い、グリップ力の大きさとタイヤの傾きに対応するグリップ力の変化を総合してグリップ性として判定し、テストライダーによるフィーリング評価にて確認を行った。従来例である従来タイヤ1を100として、結果を表1に指数表示した。数字が大きいほど高いグリップ性を備えるとともにキャンバー角の変化に対するグリップ力の変化が少ないことを示しており、またウエット路面については排水性も優れていることを示す。
タイヤの耐摩耗性は、上記走行テスト終了後のタイヤの摩耗状態をタイヤの外観の観察にて比較した。従来例である従来タイヤ1を100として、結果を表1に指数表示した。この数値が大きいほど耐摩耗性に優れており、摩耗寿命が長いことを示す。
その結果、傾斜ラグ溝が上記式(II)、(III)を満足しないタイヤ(比較タイヤ1、2)は、特にウエット路面でのグリップ性が劣る傾向があり、十分な性能を得ることができない。一方上記式(I)〜(III)を満たし、領域AとBのネガティブ比の差が0.01未満であり、かつタイヤ赤道線eをはさんで左右にW/4の範囲のネガティブ比を従来タイヤ1よりも低くしたタイヤ(適合タイヤ1、2)は、何れもグリップ性が高く、耐摩耗性に優れることが確認された。
上掲図2及び図3に示すところに従って、表2に示す仕様の下、サイズがMCR160/60R15M/Cのタイヤを試作し、このタイヤをリムのサイズがMT5.00となるホイールに組み込み、充填空気圧250kPaにて排気量500ccの大型スクーターである自動二輪車の後輪に組み込んだ。また、前輪には従来品である、図5に示すトレッド踏面の展開平面図となるタイヤを組み込んだ。前輪のタイヤのサイズはMCR120/70R15M/Cであり、リムのサイズはMT3.50であり、充填空気圧は225kPaとした。この自動二輪車でテストコースを走行し、タイヤの騒音レベル、後輪タイヤのウエット路面でのグリップ性、タイヤの耐摩耗性につき調査を行った。また、騒音については厳密にタイヤ単体性能を評価するため、台上試験機での評価も行った。
図2のパターンに従うタイヤを適合タイヤ3、図3のパターンを有するタイヤを適合タイヤ4とし、図4のパターンを有するタイヤを後輪リアに組み込んだ、従来例の従来タイヤ2も含め、その結果を表2に併せて示す。
Figure 2013046266
タイヤの騒音レベルは、保安基準に定められる加速騒音測定法による実車の計測、及び台上試験機での単体測定から得られる音圧波形からオーバーオール値を算出することにより判定した。従来例である従来タイヤ2を100として、各試作タイヤの結果を表2に指数表示した。数字が大きいほど騒音が低減され、騒音レベルが低いことを示す。実車では使用した車輌側の遮音性(カウル・マフラーなど)の影響がでており効果は2%の良化であり、台上試験では10%の効果を得ている。
ウエット路面でのグリップ性は、テストライダーにより上記の走行テストを行い、グリップ力の大きさとタイヤの傾きに対応するグリップ力の変化を総合的にフィーリング評価したものをグリップ性として判定し、テストライダーによるフィーリング評価にて確認を行った。従来タイヤ2を100として、結果を表2に指数表示した。数字が大きいほど高いグリップ性を備えるとともにキャンバー角の変化に対するグリップ力の変化が少ないこと、さらに、排水性も優れていることを示す。
タイヤの耐摩耗性は、上記走行テスト終了後のタイヤの摩耗量をデプスゲージ測定にて比較した。従来例である従来タイヤ2を100として、結果を表2に指数表示した。この数値が大きいほど耐摩耗性に優れていることを示す。
その結果、従来タイヤ2に比べて、適合タイヤ3及び適合タイヤ4のどちらも、騒音レベル及びウエット路面でのグリップ性が良好となり、耐摩耗性も優れていることが確認された。θの角度が9°〜23°の範囲を外れているタイヤ(比較タイヤ3及び4)は、適合タイヤ3に比べて、θの角度が9°未満である場合にはグリップ性能が劣り、θの角度が23°を超える場合には騒音レベル及びウエット路面でのグリップ性能が劣る傾向がある。また、中央傾斜ラグ溝が120mmを超えた場合(比較タイヤ5)は、適合タイヤ3に比べて、騒音レベル及び耐摩耗性が劣る傾向がある。さらに、θの角度が21°〜36°の範囲を外れているタイヤ(比較タイヤ6及び7)は、適合タイヤ4に比べて、θの角度が21°未満である場合には騒音レベルが劣り、θの角度が36°を超える場合にはウエット路面でのグリップ性能が劣る傾向があることがわかった。
本発明によれば、ウエット路面走行時の排水性を確保しつつ、グリップ性を向上させるとともに優れた耐摩耗性が得られること、そして更には、走行時の騒音の低減も図ることができる、新規な自動二輪車用空気入りタイヤを安定的に供給できる。
1 トレッド踏面
2 傾斜ラグ溝の集合体
2a 第1の傾斜ラグ溝
2b 第2の傾斜ラグ溝
2c 第3の傾斜ラグ溝
2a 第1の傾斜ラグ溝の後端
2a 第1の傾斜ラグ溝の先端
2a 第1の傾斜ラグ溝の凸部
2a 第1の傾斜ラグ溝の中心線
3 陸部
4a 中央傾斜ラグ溝
4b 傾斜ラグ溝
4c 傾斜ラグ溝
4a 中央傾斜ラグ溝4aのタイヤ幅方向中心を通る線
5 屈曲部
e タイヤ赤道線
m タイヤの子午線
中央傾斜ラグ溝4aの先端部におけるタイヤ幅方向中心
中央傾斜ラグ溝4aの後端部におけるタイヤ幅方向中心
線4aと、領域K及びLの境界線との交点
R、R’ 半幅領域
TE トレッド接地端
TW トレッド接地幅

Claims (7)

  1. トレッド踏面に、複数種類の溝のそれぞれを、タイヤの回転方向の前方側に向けて収束させて配設してなる、方向性をもったトレッドパターンを有する自動二輪車用空気入りタイヤにおいて、
    前記複数種類の溝を、トレッドパターンの展開平面視で、タイヤのトレッド接地端からタイヤ赤道線に向かうにつれて、赤道線側に撓む向きに湾曲する姿勢で延在する3種類の傾斜ラグ溝とし、
    前記3種類の傾斜ラグ溝のうちの、第1の傾斜ラグ溝の延在長さをαとし、第2の傾斜ラグ溝の延在長さをβとし、第3の傾斜ラグ溝の延在長さをγとした場合に、前記α、β、γは下記式(I)、(II)を満たし、
    それぞれの傾斜ラグ溝の、タイヤの子午線との交差本数をnとした場合に、前記nは、タイヤの全周の60%〜70%の範囲内で、下記式(III)を満たすことを特徴とする自動二輪車用空気入りタイヤ。

    β≦γ<α・・・(I)
    1−β/α<0.1・・・(II)
    n≧4・・・(III)
  2. 前記トレッドパターンは、展開平面視で、周方向の1ピッチ分について、タイヤ赤道線からトレッド接地端までを4等分した場合において、タイヤ赤道線から数えて2番目の領域Aのネガティブ比aと、3番目の領域Bのネガティブ比bとの差が0.01未満であることを特徴とする請求項1に記載の自動二輪車用空気入りタイヤ。
  3. タイヤのトレッド踏面に、タイヤの回転方向の前方側に向けて、接地端側からタイヤ赤道線側に収束する延在姿勢の少なくとも3種類の傾斜ラグ溝を、前記タイヤ赤道線を境界とするトレッドの半幅領域の各々に独立分散させて配置し、かつ、少なくとも3種類の傾斜ラグ溝の各々が種別毎に前記タイヤ赤道線を対称軸として線対称となる配置を、前記半幅領域の相互間でタイヤ周方向にずらして成るトレッドパターンを有する自動二輪車用空気入りタイヤにおいて、
    前記タイヤ赤道線からトレッド接地幅の12.5%までの中央領域内に配置した中央傾斜ラグ溝は、その溝中心線が前記タイヤ赤道線に対して9°〜23°の範囲内で傾斜する向きに延び、かつ、全長に亘る延在長さが120mm以下であることを特徴とする自動二輪車用空気入りタイヤ。
  4. 前記中央傾斜ラグ溝が、前記タイヤ赤道線からトレッド接地幅の12.5%〜25%の中間領域内にまで延び、かつ、前記タイヤ赤道線からトレッド接地幅の12.5%〜25%の中間領域における前記中央傾斜ラグ溝部分は、その溝中心線が前記タイヤ赤道線に対して21°〜36°の範囲内で傾斜する向きに延びることを特徴とする、請求項3に記載の自動二輪車用空気入りタイヤ。
  5. 前記タイヤ赤道線からトレッド接地幅の12.5%〜25%の中間領域内には、前記少なくとも3種類の傾斜ラグ溝のうち少なくとも2種の傾斜ラグ溝が配置され、前記タイヤ赤道線からトレッド接地幅の25%〜37.5%の中間領域内には、前記少なくとも3種類の傾斜ラグ溝のうち前記中央傾斜ラグ溝以外の傾斜ラグ溝が配置されることを特徴とする、請求項3又は4に記載の自動二輪車用空気入りタイヤ。
  6. 前記少なくとも3種類の傾斜ラグ溝のうち、前記中央傾斜ラグ溝以外の少なくとも2種の傾斜ラグ溝は、屈曲の外側が前記タイヤ赤道線側に向かうように屈曲することを特徴とする、請求項3〜5のいずれか一項に記載の自動二輪車用空気入りタイヤ。
  7. 前記中央傾斜ラグ溝以外の傾斜ラグ溝の各々については、開口面積の60%以上を、前記中央傾斜ラグ溝のタイヤ幅方向最外側端より幅方向外側の領域に存在させることを特徴とする、請求項3〜6のいずれか一項に記載の自動二輪車用空気入りタイヤ。
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