JP5804697B2 - 自動二輪車用空気入りタイヤ - Google Patents

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本発明は、自動二輪車用空気入りタイヤに関し、特に、ウエット路面走行時の良好な排水性及びグリップ性を有するとともに優れた耐摩耗性を備えつつ、さらには騒音の低減を実現可能な自動二輪車用空気入りタイヤに関する。
従来、空気入りタイヤにおいては、タイヤのトレッド部に設ける溝の数や形状を複数組み合わせて様々なトレッドパターンを形成し、ウエット時の排水性や走行時の騒音性等、タイヤの種々の性能を改良することが行われている(例えば、特許文献1)。
特開平4−238703号公報
ところで、タイヤの性能の一つであるタイヤのグリップ性を高め、耐摩耗性を向上させるには、トレッド部の陸部を増やすことが有効であるが、陸部を増やすに従ってトレッド部の溝部の割合が減っていくことになるため、排水性を維持することが難しくなる。
一方、排水性を確保するためにトレッド部の溝部の割合を増やした場合には、グリップ性及び耐摩耗性の低下に加えて、今度は、陸部と路面との接触により騒音が発生し、タイヤの騒音性能を維持することが難しくなる。
このように、排水性、グリップ性、耐摩耗性、さらには騒音性能と言ったタイヤの種々の性能を万遍なく良好な状態に維持することは困難であり、従来のトレッドパターンでは、その要請に充分に応えることができなかった。加えて近年、環境問題への取り組みの重点化に伴い、これらタイヤの性能の中でも、特に、騒音性能のさらなる向上が求められている。
従って本発明の目的は、ウエット路面走行時の良好な排水性及びグリップ性を有するとともに、優れた耐摩耗性を備えつつ、さらに騒音の低減も実現することが可能な、新規な自動二輪車用空気入りタイヤを提供することにある。
上記目的を実現するために、発明者らが鋭意研究を重ねた結果、自動二輪車用タイヤに特有のトレッド接地領域の使途を考慮して、直進時及び旋回時の接地領域毎に溝を適正配置することにより、上記種々のタイヤ性能を良好に確保し、且つ騒音性能の向上が実現可能であることを見出した。
すなわち、自動二輪車用空気入りタイヤにおいては、直進走行時には車体が路面に対して略直立しているため、主にタイヤのトレッド中央領域が路面に接地し、一方、旋回走行時には車体が大きく路面に対して傾斜するため、主にタイヤのトレッド端側領域が路面に接地するという特性がある。従って、発明者らは、騒音の発生において特に問題となるのは直進走行時中のトレッド中央領域における陸部の打音に起因するものであり、一方で、旋回走行時中のトレッド端側領域では、パターンとしての剛性を確保して横力に耐えうるグリップ力等の他のタイヤ性能を確保する必要性があることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明の要旨は以下の通りである。
(1)タイヤのトレッド踏面の接地端側からタイヤの赤道に収束する向きに延びる少なくとも3種の傾斜ラグ溝を、前記タイヤの赤道を境界とするトレッドの半幅領域の各々に独立分散して配置し、かつ、少なくとも3種の傾斜ラグ溝が種別毎に前記タイヤの赤道を対称軸として線対称となる配置を、前記半幅領域相互間でタイヤ周方向にずらして成るトレッドパターンを有し、
前記タイヤの赤道からトレッド接地幅の12.5%までの中央領域内に配置した中央傾斜ラグ溝は、その溝中心線が前記タイヤの赤道に対して9°〜23°にて傾斜する向きに延び、かつ、全長が120mm以下であり、
前記中央傾斜ラグ溝が、前記タイヤの赤道からトレッド接地幅12.5%〜25%の中間領域内にまで延び、かつ、前記タイヤの赤道からトレッド接地幅12.5%〜25%の中間領域における前記中央傾斜ラグ溝部分は、その溝中心線が前記タイヤの赤道に対して21°〜36°にて傾斜する向きに延び、
前記中間領域における前記中央傾斜ラグ溝部分の溝中心線は、前記中央領域における前記中央傾斜ラグ溝部分の溝中心線よりも前記タイヤの赤道に対して大きく傾斜し、
前記中央傾斜ラグ溝以外の傾斜ラグ溝の各々は、開口面積の60%以上が、前記中央傾斜ラグ溝のタイヤ幅方向最外側端より幅方向外側の領域に存在することを特徴とする自動二輪車用空気入りタイヤ。
)前記タイヤの赤道からトレッド接地幅12.5%〜25%の中間領域内には、前記少なくとも3種の傾斜ラグ溝のうち少なくとも2種の傾斜ラグ溝が配置され、前記タイヤの赤道からトレッド接地幅25%〜37.5%の中間領域内には、前記少なくとも3種の傾斜ラグ溝のうち前記中央傾斜ラグ溝以外の傾斜ラグ溝が配置されることを特徴とする(1)に記載の自動二輪車用空気入りタイヤ。
)前記少なくとも3種の傾斜ラグ溝のうち、前記中央傾斜ラグ溝以外の少なくとも2種の傾斜ラグ溝は、屈曲外側が前記タイヤの赤道側に向かうように屈曲することを特徴とする(1)又は(2)に記載の自動二輪車用空気入りタイヤ。
この発明によれば、ウエット路面走行時の良好な排水性及びグリップ性を有するとともに、優れた耐摩耗性を備えつつ、騒音の低減を実現する自動二輪車用空気入りタイヤを提供することが可能となる。
参考形態である自動二輪車用空気入りタイヤにつき、タイヤのトレッド踏面の平面展開図である。 本発明に従う自動二輪車用空気入りタイヤの第の実施の形態につき、タイヤのトレッド踏面の平面展開図である。 従来のタイヤのトレッド踏面の平面展開図である。 従来の前輪タイヤのトレッド踏面の平面展開図である。
以下、図面を参照して、本発明をより具体的に説明する。図1は、参考形態である自動二輪車用空気入りタイヤ(以下、「タイヤ」と言う)につき、タイヤのトレッド踏面の平面展開図を示したものである。なお、本発明及び上記参考形態に従う自動二輪車用空気入りタイヤは、一対のビード部から半径方向外側に延びるサイド部を経て、各サイド部の相互間に跨ってつながるトロイダル状のカーカスを備えるものであり、該カーカスのクラウン部のタイヤ径方向外側には、ベルト及びトレッド部が形成されている。
図1は、タイヤのトレッド踏面1である。トレッド踏面1には、方向性をもったトレッドパターンが形成されている。
このトレッドパターンは、トレッド踏面1の両接地端TE及びTEの各々からタイヤの赤道Cに収束する向きに延びる少なくとも3種の傾斜ラグ溝2、図示例では3種の、傾斜ラグ溝2a、傾斜ラグ溝2b、傾斜ラグ溝2cを有する。ここで、接地端からタイヤの赤道に収束する向きに延びる傾斜ラグ溝とは、傾斜ラグ溝の一端が接地端TE側を、他端がタイヤの赤道Cを向くように傾斜して延在する溝のことを言い、タイヤの赤道C側に延在する溝がタイヤの赤道Cに沿う形状であることは要しない。また、図1で示すように、タイヤの赤道C側の溝は、その一端がタイヤの赤道C上まで到達することなく終結している。なお、タイヤの赤道Cに収束する向きとは、タイヤの前進回転方向となる向き(矢印Aで示す方向)のことを言う。
これら3種の傾斜ラグ溝2a〜2cは、タイヤの赤道Cを境界とするトレッド半幅領域R、R’に、それぞれ、相互に交差することがないように独立分散して配置されている。
そして、少なくとも3種の傾斜ラグ溝が、種別毎に、ここでは傾斜ラグ溝2a、2b、2c毎にタイヤの赤道Cを対称軸として線対称となる配置を、半幅領域R、R’相互間でタイヤ周方向にずらすことによって、トレッドパターンが形成されている。より詳細に説明すれば、図1に示すように、タイヤの赤道Cを挟んで紙面右側の半幅領域R’に配置される傾斜ラグ溝2a’、2b’、2c’の各々と、タイヤの赤道Cを挟んで紙面左側の半幅領域Rに配置される傾斜ラグ溝2a、2b、2cの各々とが、タイヤの赤道Cを挟んで各傾斜ラグ溝の赤道に対する向きが逆となるようにした配置を、半幅領域R及びR’間にてタイヤ周方向にシフトしたものである。すなわち、傾斜ラグ溝2a’は傾斜ラグ溝2aを左右反転させた形状に対応し、傾斜ラグ溝2b’は傾斜ラグ溝2bを左右反転させた形状に対応し、傾斜ラグ溝2c’は傾斜ラグ溝2cを左右反転させた形状に対応するものであって、本発明では、傾斜ラグ溝2a〜2cと、反対側の半幅領域に形成される傾斜ラグ溝2a’〜2c’とは、同種の傾斜ラグ溝であるものとする。
トレッド踏面1において傾斜ラグ溝2を形成した以外の部分は、陸部3となっている。
このように、参考形態のタイヤでは、複数の各傾斜ラグ溝が、いずれも、トレッド接地端からタイヤの赤道に向かって収束する向きに延びる、各半幅領域内に形成される傾斜ラグ溝が同方向に向いた構成を採用している。かかる構成により、付与されるキャンバー角度に応じてタイヤの接地領域がタイヤ幅方向に変化した際、同種の溝が同じ接地域内に存在することになり、タイヤの傾きに対して同様の運動性能を与えることが可能となる。
これら傾斜ラグ溝2のうち、最もタイヤの赤道C側に在る傾斜ラグ溝2a(以下、「中央傾斜ラグ溝2a」と言う)は、タイヤの赤道Cからトレッド接地幅TWの12.5%までの中央領域K内に配置されている。図1に示す例では、中央傾斜ラグ溝2aの全体が、中央領域K内に配置されている。
そして、この参考形態において中央傾斜ラグ溝2aは、その溝中心線とタイヤの赤道Cが成す角度θ1が9°〜23°となる向きに延びていることが肝要である。ここで言う溝中心線とは、中央傾斜ラグ溝2aのタイヤ前進方向先端部におけるタイヤ幅方向中心P1と、中央傾斜ラグ溝のタイヤ前進方向後端部におけるタイヤ幅方向中心P2を通る直線のことを言う。
さらに、参考形態では、中央傾斜ラグ溝2aの全長が、120mm以下となるように形成されていることが肝要である。ここで、中央傾斜ラグ溝の全長とは、中央傾斜ラグ溝のタイヤ幅方向中心を通る線2a1(図1に破線で示した線)の全長のことを言う。
上述の通り、自動二輪車用空気入りタイヤは、直進走行時、主にタイヤのトレッド中央領域が路面と接地する。このため、タイヤの直進走行中においては、トレッド中央領域の陸部が路面を打ち、この陸部の打音の繰り返しが、騒音を発生することになる。
そこで、参考形態では、タイヤの直進走行時に最も路面と接する頻度の高い中央領域K内に位置する中央傾斜ラグ溝2aを、タイヤの赤道Cと成す角度θ1が9°〜23°となるように形成している。すなわち、かかる角度とする理由は、排水性の観点から、角度θ1を大きくして、タイヤの赤道側からタイヤ回転方向後方の接地端側に向かう排水経路を確保するとともに、タイヤと接地路面との間に浸入する水膜を切る必要があるためである。また、接地輪郭と中央傾斜ラグ溝の傾斜角度が近くなることでタイヤが接地路面から離れる際の溝壁領域が広くなり、騒音が発生するのを抑制するためである。角度θ1を23°よりも大きくすると、中央傾斜ラグ溝2aがタイヤ幅方向に向いて接地域内での陸部3がブロック状になり、路面との接地時、および蹴出し時に陸部3が加振されて、騒音が増幅されてしまう。一方、9°未満とした場合には、排水性及び水膜を切る性能を充分に確保することができなくなってしまうからである。
また、排水性を向上させるためには、溝面積を確保してネガティブ率を増加させることが効果的であるが、一方で陸部の側壁が増加するため、ここを起点とする偏摩耗が発生してしまう。従って、中央傾斜ラグ溝2aを、上記溝角度に規制するとともに、その全長を120mm以下として陸部剛性の低下を抑制することにより、充分な排水性を確保しつつ、良好な偏摩耗性を実現することが可能となる。
また、参考形態では、タイヤの赤道Cを対称軸として左右対称に配置した同形状(同種)の傾斜ラグ溝を、半幅領域相互間でタイヤ周方向にずらして設けているため、同形状の傾斜ラグ溝が同時に路面と接地して、同時に騒音を発生することがない。つまり、タイヤの赤道Cを境界線として、陸部打音を交互に発生させることができるため、結果、騒音性能を向上させることが可能となる。
さらに、中央傾斜ラグ溝2aが、タイヤの赤道Cを跨ることなく中央領域K内に配置され、タイヤ周方向に近い傾斜角度を有する構成となっているため、タイヤのブロック剛性が高まり、タイヤの進行方向及び後退方向の際に受ける耐せん断力を向上する。従って、自動二輪車(例えば大型スクーター等)特有の直立主体の走行時における耐摩耗性を向上させ、偏摩耗の発生を抑制することができる。
なお、図1に示す例では、中央傾斜ラグ溝2a、傾斜ラグ溝2b、傾斜ラグ溝2cは、タイヤの赤道Cからトレッド接地端TEに向かって順番に形成されているが、上記の中央傾斜ラグ溝2aが最もタイヤの赤道C側に形成されれば、他の傾斜ラグ溝は、タイヤの幅方向、周方向に自由に配置することができ、配置の規則性は特に関係ない。
また、タイヤの赤道Cからトレッド接地幅TWの12.5%〜25%までの中間領域L内には、傾斜ラグ溝のうち少なくとも2種の傾斜ラグ溝が配置され、タイヤの赤道Cからトレッド接地幅TWの25%〜37.5%までの中間領域M内には、傾斜ラグ溝のうち、最もタイヤの赤道C側に配置される中央傾斜ラグ溝2a以外の傾斜ラグ溝が配置されることが好ましい。図1に示す例では、中間領域L内及び中間領域M内には、傾斜ラグ溝2b及び2cが配置されている。
このように、中間領域L内及び中間領域M内にも傾斜ラグ溝を配置することにより、タイヤにキャンバー角度が付与された場合であっても、トレッド領域内に充分な溝幅を有する排水経路を確保し、溝のエッジ効果によってタイヤと接地路面との間に浸入する水膜を切ることができ、ウエット性能を向上させることができる。また、陸部剛性を確保して摩耗性を考慮する観点からは、中央傾斜ラグ溝の後端部におけるタイヤ幅方向中心Pは、中間領域Mまで延在することなく、中央領域K又は、後述するようにタイヤの赤道Cからトレッド接地幅TWの12.5%〜25%までの中間領域L内で終結するのが好ましい。
さらに、傾斜ラグ溝2のうち少なくとも2種の傾斜ラグ溝、ここでは傾斜ラグ溝2b及び2cは、タイヤの赤道C側が屈曲外側となるように、屈曲部4、4を有する形状であることが好ましい。またここでは、中央傾斜ラグ溝2aも、タイヤの赤道C側が外側となるように緩やかな曲線を描く形状となっている。
タイヤにキャンバー角度が付与される際には、タイヤの赤道C側からトレッド接地端側へ加わる横方向の入力の度合いが高くなる。従って、中央領域Kよりもタイヤ幅方向外側の領域に配置される傾斜ラグ溝を、タイヤ幅方向に近い溝部を有するように折れ曲がった形状とすることで、パターンとしての剛性を確保することができ、その結果、グリップ性能の向上を図ることが可能となる。
なお、上記機能を発揮するためには、傾斜ラグ溝2bは、周方向の溝中心線とタイヤの赤道Cが成す角度θが20°〜35°となる向きに延び、幅方向の溝中心線とタイヤの赤道Cが成す角度θが59°〜69°となる向きに延びていることが好ましい。ここで言う周方向の溝中心線とは、屈曲部4の法線と傾斜ラグ溝2bとの2つの交点間の中点をQとした際に、傾斜ラグ溝2bのタイヤ前進方向の先端部Qと上記中点Qを通る直線のことを言う。また、幅方向の溝中心線とは、傾斜ラグ溝2bのタイヤ前進方向の後端部Qと上記中点Qを通る直線のことを言う。なお、傾斜ラグ溝の先端部Q及び後端部Qがタイヤ幅方向成分を有する場合には、先端部、後端部における傾斜ラグ溝の幅方向中心と、該中心を通るタイヤ周方向線と傾斜ラグ溝との交点を結んだ線の中点を、Q及びQとする。
また、傾斜ラグ溝2cは、周方向の溝中心線とタイヤの赤道Cが成す角度θが29°〜41°となる向きに延び、幅方向の溝中心線とタイヤの赤道Cが成す角度θが50°〜64°となる向きに延びていることが好ましい。
次に示す図2は、本発明に従うタイヤの、第の実施形態につき、タイヤのトレッド踏面の平面展開図を示したものである。
の実施形態のトレッドパターンでは、中央傾斜ラグ溝2aの一部が、タイヤの赤道Cからトレッド接地幅TWの12.5%〜25%までの中間領域L内に配置される以外の他の構成は、参考形態のトレッドパターンと同様である。
より詳細には、中央傾斜ラグ溝2aの後端P2は、中央領域K内で終結することなく、領域Lまで延在して、当該中間領域L内で終結している。
この際、中央傾斜ラグ溝2aは、中央領域K内においては、溝中心線とタイヤの赤道Cが成す角度θが9°〜23°となる向きに延び、中間領域L内においては、溝中心線とタイヤの赤道Cが成す角度θが21°〜36°となる向きに延びていることが肝要である。ここで言う中央領域K内における溝中心線とは、中央傾斜ラグ溝2aのタイヤ幅方向中心を通る線2aと、中央領域K及び中間領域Lの境界線との交点をPとした場合に、中央傾斜ラグ溝2aの先端Pと交点Pとを結ぶ直線のことを言う。また、中間領域L内における溝中心線とは、中央傾斜ラグ溝2aの後端Pと交点Pとを結ぶ直線のことを言う。
騒音の発生が中央領域Kにおける接地時の陸部打音に起因することは上述の通りであるが、中央領域Kと中間領域Lの境界付近では、ブロックの蹴り出し時の振動音が主として悪化する傾向があるため、角度θ及び角度θを上記の角度に保つことで、タイヤの接地輪郭と溝角度が近づかないようになるため、騒音を低減させることが可能となる。角度θを上記範囲とする理由は、21°未満とすると、接地輪郭に溝の角度が近づき、蹴り出し側で接地面から振動しながら離れる溝壁面の長さが増えて騒音が悪化するからであり、36°より大きくすると、直進走行時から小キャンバー角での走行時に接地端部の排水性が低下するからである。
また、図2のように、中央傾斜ラグ溝2a以外の傾斜ラグ溝、ここでは傾斜ラグ溝2b及び2cの各々は、開口面積の60%以上が、中央傾斜ラグ溝2aのタイヤ幅方向最外側端より幅方向外側の領域に存在する。
具体的に、図2に示す例では、中間領域Lよりもタイヤ幅方向外側の領域内に配置される傾斜ラグ溝2b及び2cの各々は、その開口面積の60%以上が、中央傾斜ラグ溝2aのタイヤ幅方向最外側端、すなわち中央傾斜ラグ溝2aの後端P2を通り赤道Cに並行な直線から、トレッド接地幅50%で囲まれる領域内に存在している。なお、ここで言う開口面積とは、トレッド表面における開口面積のことを言う。
このように、トレッド踏面1の全領域内に、複数の傾斜ラグ溝を万遍なく配置することにより、付与されるキャンバー角度に応じてタイヤの接地領域がタイヤ幅方向に変化した際にも、同種の溝が同じ接地域内に存在することになり、タイヤの傾きに対して同様の運動性能を与えることが可能となる。


上掲図1及び図2に示すところに従って、表1に示す仕様の下、サイズがMCR160/60R15M/Cのタイヤを試作し、このタイヤをリムのサイズがMT5.00となるホイールに組み込み、内圧250kPaにて排気量500ccの大型スクーターである自動二輪車の後輪に組み込んだ。また、前輪には従来品である、図4に示すトレッド踏面の平面展開図となるタイヤを組み込んだ。前輪のタイヤのサイズはMCR120/70R15M/Cであり、リムのサイズはMT3.50であり、内圧は225kPaであった。この自動二輪車でテストコースを走行し、タイヤの騒音レベル、後輪タイヤのウエット路面でのグリップ性、タイヤの耐摩耗性につき調査を行った。また、騒音については厳密にタイヤ単体性能を評価するため、台上試験機での評価も行った。
図1のパターンに従うタイヤを参考例タイヤ1、図2のパターンタイヤを発明例タイヤ2とし、図3のパターンタイヤを後輪リアに組み込んだ従来例タイヤも含め、その結果を表1に併せて示す。
Figure 0005804697
タイヤの騒音レベルは、保安基準に定められる加速騒音測定法による実車の計測、及び台上試験機での単体測定から得られる音圧波形からオーバーオール値を算出することにより判定した。従来例である従来例タイヤを100として、各試作タイヤの結果を表1に指数表示した。数字が大きいほど騒音が低減され、騒音レベルが低いことを示す。実車では使用した車輌側の遮音性(カウル・マフラーなど)の影響がでており効果は2%の良化であり、台上試験では10%の効果を得ている。
ウエット路面でのグリップ性は、テストライダーにより上記の走行テストを行い、グリップ力の大きさとタイヤの傾きに対応するグリップ力の変化を総合的にフィーリング評価したものをグリップ性として判定し、テストライダーによるフィーリング評価にて確認を行った。従来例タイヤを100として、結果を表1に指数表示した。数字が大きいほど高いグリップ性を備えるとともにキャンバー角度の変化に対するグリップ力の変化が少ないこと、さらに、排水性も優れていることを示す。
タイヤの耐摩耗性は、上記走行テスト終了後のタイヤの摩耗量をデプスゲージ測定にて比較した。従来例である基準タイヤを100として、結果を表1に指数表示した。この数値が大きいほど耐摩耗性に優れていることを示す。
その結果、従来例タイヤに比べて、参考例タイヤ1及び発明例タイヤ2のどちらも、騒音レベル及びウエット路面でのグリップ性が良好となり、耐摩耗性も優れていることが確認された。θ1の角度が9°〜23°の範囲を外れているタイヤ(比較例タイヤ1及び2)は、参考例タイヤ1に比べて、θ1の角度が9°未満である場合にはグリップ性能が劣り、θ1の角度が23°を超える場合には騒音レベル及びウエット路面でのグリップ性能が劣る傾向がある。また、中央傾斜ラグ溝が120mmを超えた場合(比較例タイヤ3)は、参考例タイヤ1に比べて、騒音レベル及び耐摩耗性が劣る傾向がある。さらに、θ6の角度が21°〜36°の範囲を外れているタイヤ(比較例タイヤ4及び5)は、発明例タイヤ2に比べて、θ6の角度が21°未満である場合には騒音レベルが劣り、θ6の角度が36°を超える場合にはウエット路面でのグリップ性能が劣る傾向があることがわかった。
本発明によれば、ウエット路面走行時の良好な排水性及びグリップ性を有するとともに優れた耐摩耗性を備えつつ、さらには騒音の低減を実現可能な、新規な自動二輪車用空気入りタイヤを供給することができる。
1 トレッド踏面
2a 中央傾斜ラグ溝
2b 傾斜ラグ溝
2c 傾斜ラグ溝
2a 中央傾斜ラグ溝2aのタイヤ幅方向中心を通る線
中央傾斜ラグ溝2aの先端部におけるタイヤ幅方向中心
中央傾斜ラグ溝2aの後端部におけるタイヤ幅方向中心
線2aと、領域K及びLの境界線との交点
3 陸部
4 屈曲部
C タイヤの赤道
R、R’ 半幅領域
TE トレッド接地端
TW トレッド接地幅

Claims (3)

  1. タイヤのトレッド踏面の接地端側からタイヤの赤道に収束する向きに延びる少なくとも3種の傾斜ラグ溝を、前記タイヤの赤道を境界とするトレッドの半幅領域の各々に独立分散して配置し、かつ、少なくとも3種の傾斜ラグ溝が種別毎に前記タイヤの赤道を対称軸として線対称となる配置を、前記半幅領域相互間でタイヤ周方向にずらして成るトレッドパターンを有し、
    前記タイヤの赤道からトレッド接地幅の12.5%までの中央領域内に配置した中央傾斜ラグ溝は、その溝中心線が前記タイヤの赤道に対して9°〜23°にて傾斜する向きに延び、かつ、全長が120mm以下であり、
    前記中央傾斜ラグ溝が、前記タイヤの赤道からトレッド接地幅12.5%〜25%の中間領域内にまで延び、かつ、前記タイヤの赤道からトレッド接地幅12.5%〜25%の中間領域における前記中央傾斜ラグ溝部分は、その溝中心線が前記タイヤの赤道に対して21°〜36°にて傾斜する向きに延び、
    前記中間領域における前記中央傾斜ラグ溝部分の溝中心線は、前記中央領域における前記中央傾斜ラグ溝部分の溝中心線よりも前記タイヤの赤道に対して大きく傾斜し、
    前記中央傾斜ラグ溝以外の傾斜ラグ溝の各々は、開口面積の60%以上が、前記中央傾斜ラグ溝のタイヤ幅方向最外側端より幅方向外側の領域に存在することを特徴とする自動二輪車用空気入りタイヤ。
  2. 前記タイヤの赤道からトレッド接地幅12.5%〜25%の中間領域内には、前記少なくとも3種の傾斜ラグ溝のうち少なくとも2種の傾斜ラグ溝が配置され、前記タイヤの赤道からトレッド接地幅25%〜37.5%の中間領域内には、前記少なくとも3種の傾斜ラグ溝のうち前記中央傾斜ラグ溝以外の傾斜ラグ溝が配置されることを特徴とする、請求項1に記載の自動二輪車用空気入りタイヤ。
  3. 前記少なくとも3種の傾斜ラグ溝のうち、前記中央傾斜ラグ溝以外の少なくとも2種の傾斜ラグ溝は、屈曲外側が前記タイヤの赤道側に向かうように屈曲することを特徴とする、請求項1又は2に記載の自動二輪車用空気入りタイヤ。
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