JP5804697B2 - 自動二輪車用空気入りタイヤ - Google Patents
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Description
一方、排水性を確保するためにトレッド部の溝部の割合を増やした場合には、グリップ性及び耐摩耗性の低下に加えて、今度は、陸部と路面との接触により騒音が発生し、タイヤの騒音性能を維持することが難しくなる。
すなわち、自動二輪車用空気入りタイヤにおいては、直進走行時には車体が路面に対して略直立しているため、主にタイヤのトレッド中央領域が路面に接地し、一方、旋回走行時には車体が大きく路面に対して傾斜するため、主にタイヤのトレッド端側領域が路面に接地するという特性がある。従って、発明者らは、騒音の発生において特に問題となるのは直進走行時中のトレッド中央領域における陸部の打音に起因するものであり、一方で、旋回走行時中のトレッド端側領域では、パターンとしての剛性を確保して横力に耐えうるグリップ力等の他のタイヤ性能を確保する必要性があることを見出し、本発明を完成するに至った。
(1)タイヤのトレッド踏面の接地端側からタイヤの赤道に収束する向きに延びる少なくとも3種の傾斜ラグ溝を、前記タイヤの赤道を境界とするトレッドの半幅領域の各々に独立分散して配置し、かつ、少なくとも3種の傾斜ラグ溝が種別毎に前記タイヤの赤道を対称軸として線対称となる配置を、前記半幅領域相互間でタイヤ周方向にずらして成るトレッドパターンを有し、
前記タイヤの赤道からトレッド接地幅の12.5%までの中央領域内に配置した中央傾斜ラグ溝は、その溝中心線が前記タイヤの赤道に対して9°〜23°にて傾斜する向きに延び、かつ、全長が120mm以下であり、
前記中央傾斜ラグ溝が、前記タイヤの赤道からトレッド接地幅12.5%〜25%の中間領域内にまで延び、かつ、前記タイヤの赤道からトレッド接地幅12.5%〜25%の中間領域における前記中央傾斜ラグ溝部分は、その溝中心線が前記タイヤの赤道に対して21°〜36°にて傾斜する向きに延び、
前記中間領域における前記中央傾斜ラグ溝部分の溝中心線は、前記中央領域における前記中央傾斜ラグ溝部分の溝中心線よりも前記タイヤの赤道に対して大きく傾斜し、
前記中央傾斜ラグ溝以外の傾斜ラグ溝の各々は、開口面積の60%以上が、前記中央傾斜ラグ溝のタイヤ幅方向最外側端より幅方向外側の領域に存在することを特徴とする自動二輪車用空気入りタイヤ。
このトレッドパターンは、トレッド踏面1の両接地端TE及びTEの各々からタイヤの赤道Cに収束する向きに延びる少なくとも3種の傾斜ラグ溝2、図示例では3種の、傾斜ラグ溝2a、傾斜ラグ溝2b、傾斜ラグ溝2cを有する。ここで、接地端からタイヤの赤道に収束する向きに延びる傾斜ラグ溝とは、傾斜ラグ溝の一端が接地端TE側を、他端がタイヤの赤道Cを向くように傾斜して延在する溝のことを言い、タイヤの赤道C側に延在する溝がタイヤの赤道Cに沿う形状であることは要しない。また、図1で示すように、タイヤの赤道C側の溝は、その一端がタイヤの赤道C上まで到達することなく終結している。なお、タイヤの赤道Cに収束する向きとは、タイヤの前進回転方向となる向き(矢印Aで示す方向)のことを言う。
これら3種の傾斜ラグ溝2a〜2cは、タイヤの赤道Cを境界とするトレッド半幅領域R、R’に、それぞれ、相互に交差することがないように独立分散して配置されている。
トレッド踏面1において傾斜ラグ溝2を形成した以外の部分は、陸部3となっている。
そこで、参考形態では、タイヤの直進走行時に最も路面と接する頻度の高い中央領域K内に位置する中央傾斜ラグ溝2aを、タイヤの赤道Cと成す角度θ1が9°〜23°となるように形成している。すなわち、かかる角度とする理由は、排水性の観点から、角度θ1を大きくして、タイヤの赤道側からタイヤ回転方向後方の接地端側に向かう排水経路を確保するとともに、タイヤと接地路面との間に浸入する水膜を切る必要があるためである。また、接地輪郭と中央傾斜ラグ溝の傾斜角度が近くなることでタイヤが接地路面から離れる際の溝壁領域が広くなり、騒音が発生するのを抑制するためである。角度θ1を23°よりも大きくすると、中央傾斜ラグ溝2aがタイヤ幅方向に向いて接地域内での陸部3がブロック状になり、路面との接地時、および蹴出し時に陸部3が加振されて、騒音が増幅されてしまう。一方、9°未満とした場合には、排水性及び水膜を切る性能を充分に確保することができなくなってしまうからである。
このように、中間領域L内及び中間領域M内にも傾斜ラグ溝を配置することにより、タイヤにキャンバー角度が付与された場合であっても、トレッド領域内に充分な溝幅を有する排水経路を確保し、溝のエッジ効果によってタイヤと接地路面との間に浸入する水膜を切ることができ、ウエット性能を向上させることができる。また、陸部剛性を確保して摩耗性を考慮する観点からは、中央傾斜ラグ溝の後端部におけるタイヤ幅方向中心P2は、中間領域Mまで延在することなく、中央領域K又は、後述するようにタイヤの赤道Cからトレッド接地幅TWの12.5%〜25%までの中間領域L内で終結するのが好ましい。
タイヤにキャンバー角度が付与される際には、タイヤの赤道C側からトレッド接地端側へ加わる横方向の入力の度合いが高くなる。従って、中央領域Kよりもタイヤ幅方向外側の領域に配置される傾斜ラグ溝を、タイヤ幅方向に近い溝部を有するように折れ曲がった形状とすることで、パターンとしての剛性を確保することができ、その結果、グリップ性能の向上を図ることが可能となる。
また、傾斜ラグ溝2cは、周方向の溝中心線とタイヤの赤道Cが成す角度θ4が29°〜41°となる向きに延び、幅方向の溝中心線とタイヤの赤道Cが成す角度θ5が50°〜64°となる向きに延びていることが好ましい。
より詳細には、中央傾斜ラグ溝2aの後端P2は、中央領域K内で終結することなく、領域Lまで延在して、当該中間領域L内で終結している。
騒音の発生が中央領域Kにおける接地時の陸部打音に起因することは上述の通りであるが、中央領域Kと中間領域Lの境界付近では、ブロックの蹴り出し時の振動音が主として悪化する傾向があるため、角度θ1及び角度θ6を上記の角度に保つことで、タイヤの接地輪郭と溝角度が近づかないようになるため、騒音を低減させることが可能となる。角度θ6を上記範囲とする理由は、21°未満とすると、接地輪郭に溝の角度が近づき、蹴り出し側で接地面から振動しながら離れる溝壁面の長さが増えて騒音が悪化するからであり、36°より大きくすると、直進走行時から小キャンバー角での走行時に接地端部の排水性が低下するからである。
具体的に、図2に示す例では、中間領域Lよりもタイヤ幅方向外側の領域内に配置される傾斜ラグ溝2b及び2cの各々は、その開口面積の60%以上が、中央傾斜ラグ溝2aのタイヤ幅方向最外側端、すなわち中央傾斜ラグ溝2aの後端P2を通り赤道Cに並行な直線から、トレッド接地幅50%で囲まれる領域内に存在している。なお、ここで言う開口面積とは、トレッド表面における開口面積のことを言う。
このように、トレッド踏面1の全領域内に、複数の傾斜ラグ溝を万遍なく配置することにより、付与されるキャンバー角度に応じてタイヤの接地領域がタイヤ幅方向に変化した際にも、同種の溝が同じ接地域内に存在することになり、タイヤの傾きに対して同様の運動性能を与えることが可能となる。
図1のパターンに従うタイヤを参考例タイヤ1、図2のパターンタイヤを発明例タイヤ2とし、図3のパターンタイヤを後輪リアに組み込んだ従来例タイヤも含め、その結果を表1に併せて示す。
2a 中央傾斜ラグ溝
2b 傾斜ラグ溝
2c 傾斜ラグ溝
2a1 中央傾斜ラグ溝2aのタイヤ幅方向中心を通る線
P1 中央傾斜ラグ溝2aの先端部におけるタイヤ幅方向中心
P2 中央傾斜ラグ溝2aの後端部におけるタイヤ幅方向中心
P3 線2a1と、領域K及びLの境界線との交点
3 陸部
4 屈曲部
C タイヤの赤道
R、R’ 半幅領域
TE トレッド接地端
TW トレッド接地幅
Claims (3)
- タイヤのトレッド踏面の接地端側からタイヤの赤道に収束する向きに延びる少なくとも3種の傾斜ラグ溝を、前記タイヤの赤道を境界とするトレッドの半幅領域の各々に独立分散して配置し、かつ、少なくとも3種の傾斜ラグ溝が種別毎に前記タイヤの赤道を対称軸として線対称となる配置を、前記半幅領域相互間でタイヤ周方向にずらして成るトレッドパターンを有し、
前記タイヤの赤道からトレッド接地幅の12.5%までの中央領域内に配置した中央傾斜ラグ溝は、その溝中心線が前記タイヤの赤道に対して9°〜23°にて傾斜する向きに延び、かつ、全長が120mm以下であり、
前記中央傾斜ラグ溝が、前記タイヤの赤道からトレッド接地幅12.5%〜25%の中間領域内にまで延び、かつ、前記タイヤの赤道からトレッド接地幅12.5%〜25%の中間領域における前記中央傾斜ラグ溝部分は、その溝中心線が前記タイヤの赤道に対して21°〜36°にて傾斜する向きに延び、
前記中間領域における前記中央傾斜ラグ溝部分の溝中心線は、前記中央領域における前記中央傾斜ラグ溝部分の溝中心線よりも前記タイヤの赤道に対して大きく傾斜し、
前記中央傾斜ラグ溝以外の傾斜ラグ溝の各々は、開口面積の60%以上が、前記中央傾斜ラグ溝のタイヤ幅方向最外側端より幅方向外側の領域に存在することを特徴とする自動二輪車用空気入りタイヤ。 - 前記タイヤの赤道からトレッド接地幅12.5%〜25%の中間領域内には、前記少なくとも3種の傾斜ラグ溝のうち少なくとも2種の傾斜ラグ溝が配置され、前記タイヤの赤道からトレッド接地幅25%〜37.5%の中間領域内には、前記少なくとも3種の傾斜ラグ溝のうち前記中央傾斜ラグ溝以外の傾斜ラグ溝が配置されることを特徴とする、請求項1に記載の自動二輪車用空気入りタイヤ。
- 前記少なくとも3種の傾斜ラグ溝のうち、前記中央傾斜ラグ溝以外の少なくとも2種の傾斜ラグ溝は、屈曲外側が前記タイヤの赤道側に向かうように屈曲することを特徴とする、請求項1又は2に記載の自動二輪車用空気入りタイヤ。
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