JPWO2012132203A1 - 液晶シール剤、それを用いた液晶表示パネルの製造方法、および液晶表示パネル - Google Patents
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Abstract
Description
[1] (1)分子内にエポキシ基と(メタ)アクリル基とを含む(メタ)アクリル変性エポキシ樹脂と、(2)硬化剤と、(3)光開始剤と、を含む液晶シール剤であって、前記成分(2)が、軟化点が50〜90℃の多価フェノール硬化剤、融点が23℃以下の2級多価チオール硬化剤、融点が60〜180℃の1級多価アミン硬化剤からなる群から選択される2種類以上の硬化剤であり、かつ前記成分(2)を、前記液晶シール剤100質量部に対して4〜30質量部含有する、液晶シール剤。
[2] 前記液晶シール剤100質量部に対して、前記成分(1)を5〜95質量部、前記成分(3)を0.01〜5質量部、含有する[1]に記載の液晶シール剤。
[4] 分子内に2以上のエポキシ基を有するエポキシ樹脂をさらに含み、前記エポキシ樹脂がビスフェノール型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、ビフェニルエーテル型エポキシ樹脂、およびトリスフェノール型エポキシ樹脂からなる群より選ばれる少なくとも1種類の2官能または3官能のエポキシ樹脂である[1]〜[3]のいずれかに記載の液晶シール剤。
[6] 前記液晶シール剤100質量部に対して、充填剤を1〜50質量部含有する[1]〜[5]のいずれかに記載の液晶シール剤。
[7] 前記液晶シール剤100質量部に対して、エポキシ樹脂の硬化触媒を0.1〜5質量部含有する[1]〜[6]のいずれかに記載の液晶シール剤。
[8] 液晶滴下工法による液晶表示パネルの製造に用いられる、[1]〜[7]のいずれかに記載の液晶シール剤。
[9] 表示基板及び、それと対になる対向基板を準備し、一方の基板に[1]〜[8]のいずれかに記載の液晶シール剤を用いてシールパターンを形成する工程、前記シールパターンが未硬化の状態において前記基板のシールパターン領域内、または前記基板と対になる他方の基板に液晶を滴下する工程、前記一方の基板と、前記他方の基板とを重ね合わせる工程、および前記シールパターンを光硬化させた後、熱硬化させる工程、を含む液晶表示パネルの製造方法。
[10] 前記シールパターンを形成する工程が、前記液晶シール剤を用いて、ダミーパターンを形成せずに前記シールパターンのみを形成する工程である[9]に記載の液晶表示パネルの製造方法。
[11] 表示基板と、前記表示基板と対になる対向基板と、前記表示基板と、前記対向基板との間に介在する、枠状のシール部材と、前記表示基板と前記対向基板との間の、前記シール部材で囲まれた空間に充填された液晶層と、を含む液晶表示パネルであって、前記シール部材は、[1]〜[8]のいずれかに記載の液晶シール剤の硬化物である、液晶表示パネル。
本発明の液晶シール剤には、(1)分子内にエポキシ基と(メタ)アクリル基とを含む(メタ)アクリル変性エポキシ樹脂と、(2)硬化剤と、(3)光開始剤とが含まれる。液晶シール剤には、必要に応じてさらに(1−2)分子内に2以上のエポキシ基を有するエポキシ樹脂、(4)(メタ)アクリレートモノマーおよび/またはオリゴマー、(5)熱可塑性ポリマー微粒子、(6)充填剤、(7)エポキシ樹脂の硬化触媒などが含まれてもよい。
(メタ)アクリル変性エポキシ樹脂は、エポキシ樹脂のエポキシ基が(メタ)アクリル基で変性されている樹脂であればよい。好ましくはエポキシ樹脂と(メタ)アクリル酸とを、例えば塩基性触媒の存在下で反応させて得られる(メタ)アクリル変性エポキシ樹脂である。
原料となるエポキシ樹脂の官能基数は特に制限はないが、3官能や4官能の多官能エポキシ樹脂を(メタ)アクリル変性して得られる(メタ)アクリル変性エポキシ樹脂の硬化物は、架橋密度が高く、密着強度が低下し易い。したがって、原料となるエポキシ樹脂は、2官能エポキシ樹脂が好ましい。
本発明の液晶シール剤には、必要に応じて分子内に2以上のエポキシ基を有するエポキシ樹脂が含まれてもよい。分子内に2以上のエポキシ基を有するエポキシ樹脂の例には、ビスフェノール型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、ビフェニルエーテル型エポキシ樹脂、およびトリスフェノール型エポキシ樹脂からなる群より選ばれる少なくとも1種類の2官能または3官能のエポキシ樹脂が含まれる。上記エポキシ樹脂は、1種類のみ含まれてもよく、2種類以上が含まれてもよい。
硬化剤は、軟化点が50〜90℃の多価フェノール硬化剤、融点が23℃以下の2級多価チオール硬化剤、及び融点が60〜180℃の1級多価アミン硬化剤からなる群から2種以上選択される。
本発明に使用する多価フェノール硬化剤は、1分子中に2以上の芳香族性水酸基を有する化合物であり、その軟化点は50〜90℃、好ましくは60℃〜80℃である。軟化点がこの範囲であると、液晶シール剤の熱硬化時に軟化し、(1)(メタ)アクリル変性エポキシ樹脂や(1−2)分子内に2以上のエポキシ基を有するエポキシ樹脂の硬化に寄与可能となる。一方、軟化点が下限未満であると、液晶シール剤の粘度安定性に影響を与える可能性がある。また、上限を超える場合には、上記樹脂を十分に硬化できない可能性がある。
多価チオール硬化剤は、1分子内に2級のチオール基を2個以上有する化合物であり、その融点は23℃以下である。
1級多価アミン硬化剤は、分子内に1級アミノ基(−NH2)を2個以上有する化合物であり、融点は60〜180℃、好ましくは70〜140℃である。1級アミノ基には、ヒドラジニル基も含まれる。1級多価アミン硬化剤は、液晶シール剤の保存時に固体であり、通常粉体状である。
光開始剤は、(1)(メタ)アクリル変性エポキシ樹脂や、後述の(4)(メタ)アクリレートモノマーおよび/またはオリゴマーなどを光硬化反応させるための開始剤である。液晶シール剤が光開始剤を含むと、液晶パネルを製造する際に光硬化によるシール剤の仮硬化が可能となり、作業が容易になる。
本発明の液晶シール剤には、必要に応じて(メタ)アクリレートモノマーおよび/またはオリゴマーが含まれてもよい。
液晶シール剤に(メタ)アクリレートモノマーおよび/またはオリゴマーが含まれると、液晶シール剤の光硬化が良好となり、液晶パネル製造時の作業性が向上する。
本発明の液晶シール剤には、必要に応じて、環球法により測定される軟化点温度が50〜120℃、好ましくは70〜100℃の熱可塑性ポリマーを含み、かつ数平均粒子径が0.05〜5μm、好ましくは0.1〜3μmである熱可塑性ポリマー微粒子が含まれてもよい。液晶シール剤中に、熱可塑性ポリマー微粒子が含まれることにより、液晶シール剤の硬化物に発生する収縮応力を緩和できる。また、数平均粒子径を上限値以下とすることにより、線幅の細いシール部材を形成する際に、熱可塑性ポリマー微粒子によって、塗工安定性が低下することを防ぐことができる。数平均粒子径の測定方法は、上述した方法と同様とする。
本発明の液晶シール剤には、さらに充填剤が含まれてもよい。充填剤により、液晶シール剤の粘度、液晶シール剤を硬化して得られるシール部材の強度、および線膨張性等が制御できる。
本発明の液晶シール剤には、必要に応じて、エポキシ樹脂の硬化触媒が含まれてもよい。液晶シール剤にエポキシ樹脂の硬化触媒が含まれると、液晶シール剤を硬化させて得られるシール部材の硬化性が良好となり、シール部材の接着強度も高まる。
エポキシ樹脂の硬化触媒は、本発明の目的及び効果を損なわないものであれば特に制限されず、例えば、イミダゾールおよびその誘導体等、アミンおよびその付加物等が挙げられる。
本発明の液晶シール剤には、必要に応じてさらに、熱ラジカル重合開始剤、シランカップリング剤等のカップリング剤、イオントラップ剤、イオン交換剤、レベリング剤、顔料、染料、可塑剤、消泡剤等の添加剤が含まれてもよい。また、液晶パネルのギャップを調整するためにスペーサー等が配合されていてもよい。
本発明の液晶シール剤は、(1)分子内にエポキシ基と(メタ)アクリル基とを含む(メタ)アクリル変性エポキシ樹脂と、(2)硬化剤と、(3)光開始剤と、必要に応じて他の成分とを均一に混合し、製造する。均一に混合する方法は特に制限はないが、例えば3本ロールを用いて十分に混練を行うことが好ましい。又その際、液晶シール剤中に気泡が含まれないよう、十分に脱泡することが好ましい。
本発明の液晶表示パネルは、表示基板と、それと対になる対向基板と、表示基板と対向基板との間に介在している枠状のシール部材と、表示基板と対向基板との間の、シール部材で囲まれた空間に充填された液晶層とを含む。本発明の液晶シール剤の硬化物を、シール部材とすることができる。
a1)一方の基板に、本発明の液晶シール剤のシールパターンを形成する第1の工程と、
a2)シールパターンが未硬化の状態において、前記基板のシールパターンで囲まれた領域、または該シールパターンで囲まれた領域に対向する他方の基板の領域に、液晶を滴下する第2の工程と、
a3)一方の基板と、他方の基板とを、シールパターンを介して重ね合わせる第3の工程と、
a4)シールパターンを硬化させる第4の工程と、を含む。
b1)一方の基板に、本発明の液晶シール剤のシールパターンを形成する第1の工程と、
b2)一方の基板と、他方の基板とを、シールパターンを介して重ね合わせる第2の工程と、
b3)シールパターンを熱硬化させて、液晶を注入するための注入口を有する液晶注入用セルを得る第3の工程と、
b4)液晶を、注入口を介して液晶注入用セルに注入する第4の工程と、
b5)注入口を封止する第5の工程と、を含む。
また、本発明の液晶シール剤を用いることにより、ダミーシールパターンを形成することなく、液晶の封止に必要なシールパターンのみを形成し、基板間のギャップ安定性に優れた液晶表示パネルを得ることも可能である。
メタアクリル酸変性ビスフェノールF型エポキシ樹脂の合成(70%部分メタアクリル化物)
160gの液状ビスフェノールF型エポキシ樹脂(エポトートYDF-8170C 東都化成社製 エポキシ当量160g/eq)、重合禁止剤として0.1gのp−メトキシフェノール、触媒として0.2gのトリエタノールアミン、および70.0gのメタアクリル酸をフラスコ内に仕込み、乾燥空気を送り込んで90℃で還流攪拌しながら5時間反応させた。得られた化合物を、超純水にて20回洗浄し、メタアクリル酸変性ビスフェノールF型エポキシ樹脂を得た。
合成例1で得られたメタアクリル酸変性ビスフェノールF型エポキシ樹脂(70%部分メタアクリル化物)50質量部、多価フェノール硬化剤A(三井化学社製:ミレックス3L、軟化点71℃)4質量部、2級多価チオール硬化剤B(昭和電工社製:PE−1)8質量部、1級多価アミン硬化剤D(ADEKA社製;EH−5057、融点80℃)4質量部、光開始剤として光ラジカル重合開始剤(チバガイギー社製:イルガキュア651)1質量部、硬化触媒(四国化成社製:2MAOK)2質量部、熱可塑性ポリマー微粒子(ガンツ社製:F351)20質量部、充填剤(フィラー)SiO2 10質量部、シランカップリング剤(信越シリコーン社製:KBM−403)1質量部からなる樹脂組成物を、三本ロールを用いて均一な液となるように十分に混合して、液晶シール剤を得た。後述する方法で粘度(初期粘度)を測定したところ、240Pa・sであった。
多価フェノール硬化剤Aを8質量部、1級多価アミン硬化剤Dを8質量部とし、2級多価チオール硬化剤を0質量部とした以外は、実施例1と同様にして液晶シール剤を得た。また後述する方法で粘度(初期粘度)を測定したところ、320Pa・sであった。
多価フェノール硬化剤Aを8質量部、2級多価チオール硬化剤Bを8質量部とし、1級多価アミン硬化剤を0質量部とした以外は、実施例1と同様にして液晶シール剤を得た。また後述する方法で粘度(初期粘度)を測定したところ、250Pa・sであった。
2級多価チオール硬化剤Bを8質量部、1級多価アミン硬化剤Dを8質量部とした以外は、実施例1と同様にして液晶シール剤を得た。また後述する方法で粘度(初期粘度)を測定したところ、260Pa・sであった。
合成例1で得られたメタアクリル酸変性ビスフェノールF型エポキシ樹脂(70%部分メタアクリル化物)の量を40質量部とし、多価フェノール硬化剤Aの量を7質量部、2級多価チオール硬化剤Bの量を14質量部、1級多価アミン硬化剤Dの量を7質量部、熱可塑性ポリマー微粒子の量を19質量部とし、フィラーの量を9質量部とした以外は、実施例1と同様にして液晶シール剤を得た。また後述する方法で粘度(初期粘度)を測定したところ、210Pa・sであった。
合成例1で得られたメタアクリル酸変性ビスフェノールF型エポキシ樹脂(70%部分メタアクリル化物)の量を56質量部とし、多価フェノール硬化剤Aの量を1質量部、2級多価チオール硬化剤Bの量を3質量部、1級多価アミン硬化剤Dの量を1質量部、熱可塑性ポリマー微粒子の量を23質量部、フィラーの質量を12質量部とした以外は、実施例1と同様にして液晶シール剤を得た。また後述する方法で粘度(初期粘度)を測定したところ、300Pa・sであった。
多価フェノール硬化剤Aの代わりに多価フェノール硬化剤B(DIC社製:TD2131 軟化点80℃)を4質量部用い、2級多価チオール硬化剤Bの量を8質量部、1級多価アミン硬化剤Dの量を4質量部とした以外は、実施例1と同様にして液晶シール剤を得た。また後述する方法で粘度(初期粘度)を測定したところ、250Pa・sであった。
多価フェノール硬化剤Aの代わりに多価フェノール硬化剤C(三菱化学社製:170 軟化点90℃)を4質量部用い、2級多価チオール硬化剤Bの量を8質量部、1級多価アミン硬化剤Dの量を4質量部とした以外は、実施例1と同様にして液晶シール剤を得た。また後述する方法で粘度(初期粘度)を測定したところ、255Pa・sであった。
フェノール硬化剤Aの量を4質量部、2級多価チオール硬化剤Bの量を8質量部とし、1級多価アミン硬化剤として多価アミン硬化剤A(日本ヒドラジン社製:ADH、融点180℃)を4質量部、及び多価アミン硬化剤Dを4質量部用いた以外は、実施例1と同様にして液晶シール剤を得た。また後述する方法で粘度(初期粘度)を測定したところ、270Pa・sであった。
フェノール硬化剤Aの量を4質量部、2級多価チオール硬化剤Bの量を8質量部とし、1級多価アミン硬化剤として多価アミン硬化剤B(富士化成工業製:フジキュアFXR−1020、融点125℃)を4質量部、及び多価アミン硬化剤Dを4質量部用いた以外は、実施例1と同様にして液晶シール剤を得た。また後述する方法で粘度(初期粘度)を測定したところ、260Pa・sであった。
フェノール硬化剤Aの量を4質量部、2級多価チオール硬化剤Bの量を8質量部、1級多価アミン硬化剤として多価アミン硬化剤C(味の素ファインテクノ社製:VDH、融点120℃)を4質量部用いた以外は、実施例1と同様にして液晶シール剤を得た。また後述する方法で粘度(初期粘度)を測定したところ、250Pa・sであった。
硬化剤としてフェノール硬化剤Aを16質量部とし、2級多価チオール硬化剤及び1級多価アミン硬化剤を0質量部とした以外は、実施例1と同様にして液晶シール剤を得た。また後述する方法で粘度(初期粘度)を測定したところ、350Pa・sであった。
硬化剤として2級多価チオール硬化剤Bを16質量部とし、多価フェノール硬化剤及び1級多価アミン硬化剤を0質量部とした以外は、実施例1と同様にして液晶シール剤を得た。また後述する方法で粘度(初期粘度)を測定したところ、210Pa・sであった。
硬化剤として1級多価アミン硬化剤Dを16質量部とし、多価フェノール硬化剤及び2級多価チオール硬化剤を0質量部とした以外は、実施例1と同様にして液晶シール剤を得た。また後述する方法で粘度(初期粘度)を測定したところ、370Pa・sであった。
合成例1で得られたメタアクリル酸変性ビスフェノールF型エポキシ樹脂(70%部分メタアクリル化物)の量を38質量部とし、フェノール硬化剤Aの量を8質量部、2級多価チオール硬化剤Bの量を16質量部、多価アミン硬化剤Dの量を8質量部とし、フィラーの量を18重量部、熱可塑性ポリマー微粒子の量を8質量部とした以外は、実施例1と同様にして液晶シール剤を得た。また後述する方法で粘度(初期粘度)を測定したところ、280Pa・sであった。
合成例1で得られたメタアクリル酸変性ビスフェノールF型エポキシ樹脂(70%部分メタアクリル化物)の量を58質量部とし、フェノール硬化剤Aの量を0.5質量部、2級多価チオール硬化剤Bの量を2質量部、多価アミン硬化剤Dの量を0.5質量部とし、熱可塑性ポリマー微粒子の量を23質量部、フィラーの量を12質量部とした以外は、実施例1と同様にして液晶シール剤を得た。また後述する方法で粘度(初期粘度)を測定したところ、270Pa・sであった。
多価チオール硬化剤として1級多価チオール硬化剤(堺化学社製:TMMP(トリメチロールプロパンメルカプトプロピオン酸)を8質量部用いた以外は、実施例1と同様にして液晶シール剤を得た。また後述する方法で粘度(初期粘度)を測定したところ、260Pa・sであった。
多価フェノール硬化剤としてフェノール硬化剤D(DIC社製:TD2090、軟化点100℃)を用いた以外は、実施例1と同様にして液晶シール剤を得た。また後述する方法で粘度(初期粘度)を測定したところ、270Pa・sであった。
エポキシ樹脂(日本化薬株式会社社製:EOCN−1020−75)10質量部、(メタ)アクリレートモノマー及び/またはオリゴマー(大阪有機化学工業社製:ビスコート♯300)53質量部、1級多価チオール硬化剤A 5質量部、1級多価アミン化合物(味の素ファインテクノ社製社製:アミキュア VDH)5質量部、光ラジカル重合開始剤(チバガイギー社製:イルガキュア184)2質量部、熱可塑性ポリマー微粒子(ガンツ社製:F351)12質量部、SiO2(フィラー)12質量部、シランカップリング剤(信越シリコーン社製:KBM−403)1質量部からなる硬化性樹脂組成物を、三本ロールを用いて均一な液となるように十分に混合して、液晶シール剤を得た。また後述する方法で粘度(初期粘度)を測定したところ、250Pa・sであった。
実施例1〜11、及び比較例1〜8について粘度安定性、シール塗布性、接着強度、表示状態、高温高湿信頼性、ギャップ精度を測定した。各測定方法は以下の通りである。これらの結果を表1〜3に示す。
実施例および比較例で得られた液晶シール剤を、ディスペンス用シリンジ内の液晶シール剤の重量が10gになるように採取した後、脱泡処理をした。そのうち2gについて、E型粘度計にて、室温(25℃)、2.5rpmで初期粘度を測定した。次いで、このサンプルを、23℃50%RHで1週間保存した後、再度、同様の条件で粘度を測定した。このときの、初期粘度に対する1週間保存後の粘度の上昇率を求めた。
初期粘度に対する保存後粘度の上昇率が1.1倍以下であるものを◎(非常に優れる);1.1倍を超え1.2倍以下であるものを○(優れる);1.2倍を超え1.5倍以下であるものを△(やや劣る);1.5倍を超えるものを×(劣る);とした。
実施例および比較例で得られた液晶シール剤20gをシリンジに真空下で充填した。次いで、口径0.35mmの針先をつけたシリンジから1g吐出後、23℃で1日放置した。次いで、このシリンジをディスペンサー(日立プラントテクノロジー社製)にセットし、360mm×470mmの液晶表示パネル用ガラス基板(日本電気硝子社製)の上に35mm×40mmのシールパターンを50個形成した。このとき、吐出圧力を0.3MPa、断面積3000μm2、塗布速度を100mm/sとした。得られたシールパターンの形状を、以下のように評価した。
シール切れ、シールかすれが全く発生していない枠型が50個:◎(非常に優れる)
シール切れ、シールかすれが全く発生していない枠型が48個〜49個:○(優れる)
シール切れ、シールかすれが全く発生していない枠型が48個未満:×(劣る)
上記実施例及び比較例で得られた液晶シール剤を、ディスペンサー(ショットマスター:武蔵エンジニアリング製)により、透明電極と配向膜が予め形成された40mm×45mmガラス基板(EHC社製、RT−DM88−PIN)上に、35mm×40mmの四角形のシールパターン(断面積3500μm2)(メインシール)を形成した。続いて、その外周に四角形のシールパターン(38mm×43mmの四角形のシールパターン)を形成した。
次いで、貼り合せ後のパネル内容量に相当する液晶材料(MLC−119000−000:メルク社製)を、メインシールの枠内にディスペンサーにて精密に滴下した。次いで、対になるガラス基板を減圧下で貼り合せた後、大気開放して貼り合わせた。そして、貼り合わせた2枚のガラス基板を3分間遮光ボックス内で保持した後、2000mJ/cm2の紫外線を照射し、さらに100℃で1時間加熱した。
前記3)において、恒温槽で保存した後の液晶表示パネルのサンプルについて、引張り試験装置(インテスコ製)を用いて、引張り速度2m/分で平面引張り強度を測定した。接着性は、以下のように評価した。
接着強度が20MPa以上:◎(優れる)
接着強度が15MPa以上20MPa未満:○(優れる)
接着強度が7MPa以上15MPa未満:△(やや劣る)
接着強度が7MPa未満:×(劣る)
実施例及び比較例で得られた液晶シール剤を、ディスペンサー(ショットマスター:武蔵エンジニアリング製)により、透明電極と配向膜が予め形成された40mm×45mmガラス基板(EHC社製、RT−DM88−PIN)上に、35mm×40mmの四角形のシールパターン(断面積3000μm2)(メインシール)を形成した。その後、外周のシールパターンは形成しなかった。対になる基板を貼り合せた後のシール剤の線幅を測定し、その値より、ギャップ精度を確認した。シール線幅が、1mm未満は、○(優れる)、1mm以上は×(劣る)とした。
Claims (11)
- (1)分子内にエポキシ基と(メタ)アクリル基とを含む(メタ)アクリル変性エポキシ樹脂と、(2)硬化剤と、(3)光開始剤と、を含む液晶シール剤であって、
前記成分(2)が、軟化点が50〜90℃の多価フェノール硬化剤、融点が23℃以下の2級多価チオール硬化剤、融点が60〜180℃の1級多価アミン硬化剤からなる群から選択される2種類以上の硬化剤であり、かつ
前記成分(2)を、前記液晶シール剤100質量部に対して4〜30質量部含有する、液晶シール剤。 - 前記液晶シール剤100質量部に対して、前記成分(1)を5〜95質量部、前記成分(3)を0.01〜5質量部、含有する請求項1に記載の液晶シール剤。
- さらに、前記液晶シール剤100質量部に対して、(メタ)アクリレートモノマーおよび/またはオリゴマーを1〜50質量部を含有する請求項1に記載の液晶シール剤。
- 分子内に2以上のエポキシ基を有するエポキシ樹脂をさらに含み、前記エポキシ樹脂がビスフェノール型エポキシ樹脂、ビフェニル型エポキシ樹脂、ビフェニルエーテル型エポキシ樹脂、およびトリスフェノール型エポキシ樹脂からなる群より選ばれる少なくとも1種類の2官能または3官能のエポキシ樹脂である請求項1に記載の液晶シール剤。
- 環球法により測定される軟化点温度が50〜120℃の熱可塑性ポリマーを含み、かつ数平均粒子径が0.05〜5μmである熱可塑性ポリマー微粒子をさらに含有する、請求項1に記載の液晶シール剤。
- 前記液晶シール剤100質量部に対して、充填剤を1〜50質量部含有する請求項1に記載の液晶シール剤。
- 前記液晶シール剤100質量部に対して、エポキシ樹脂の硬化触媒を0.1〜5質量部含有する請求項1に記載の液晶シール剤。
- 液晶滴下工法による液晶表示パネルの製造に用いられる、請求項1に記載の液晶シール剤。
- 表示基板及び、それと対になる対向基板を準備し、一方の基板に請求項1に記載の液晶シール剤を用いてシールパターンを形成する工程、
前記シールパターンが未硬化の状態において前記基板のシールパターン領域内、または前記基板と対になる他方の基板に液晶を滴下する工程、
前記一方の基板と、前記他方の基板とを重ね合わせる工程、および
前記シールパターンを光硬化させた後、熱硬化させる工程、を含む液晶表示パネルの製造方法。 - 前記シールパターンを形成する工程が、前記液晶シール剤を用いて、ダミーパターンを形成せずに前記シールパターンのみを形成する工程である請求項9に記載の液晶表示パネルの製造方法。
- 表示基板と、
前記表示基板と対になる対向基板と、
前記表示基板と、前記対向基板との間に介在する、枠状のシール部材と、
前記表示基板と前記対向基板との間の、前記シール部材で囲まれた空間に充填された液晶層と、を含む液晶表示パネルであって、
前記シール部材は、請求項1に記載の液晶シール剤の硬化物である、液晶表示パネル。
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