JPWO2012108413A1 - 編紐引き出し方法、多孔質膜の製造方法及び編紐供給装置 - Google Patents

編紐引き出し方法、多孔質膜の製造方法及び編紐供給装置 Download PDF

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Abstract

引き出し方法は、収納容器(120)に収納され、又はボビン(170)上に巻き付けられた編紐(110)を、収納容器(120)又はボビン(170)を静止させた状態で引き出すものである。捻り復元率と捻りトルクとの積が14g・cm以下である編紐(110)をこの方法で繰り出すと、繰り出しの際に編紐(110)が撚りコブ部を生じない。多孔質膜(26,150)の製造方法では、編紐(110)の外周面に成膜原液(25)を塗布しそれを凝固させることにより、編紐(110)の外周面に多孔質膜層(151)が形成される。供給装置(210)は、容器(120)及びガイド部材(214)を有し、容器(120)に収納された編紐(110)をガイド部材(124,214)に向かって引き出す。本発明によれば、容器(120)を回転させるためのターンテーブルが不要なので、簡易な機構で編紐(110)を繰り出せる。

Description

本発明は、内部に中空状の強度支持体を有する多孔質膜(多孔質中空糸膜)の製造方法、多孔質膜(多孔質中空糸膜)における編紐支持体を紡糸ノズルに供給する編紐供給装置に関する。本願は、2011年2月7日に、日本に出願された特願2011−024027号、および2011年4月13日に、日本に出願された特願2011−089093号に基づき優先権を主張し、その内容をここに援用する。
近年、環境汚染に対する関心の高まりと規制の強化により、水処理方法として、細長いチューブ状の多孔質膜を用いた方法が注目を集めている。
また、食品工業、医療、電子工業等の分野においては、有用成分の濃縮、回収、不要成分の除去、造水等を目的として、多孔質中空糸膜(本明細書では、多孔質膜ともいう)を用いた精密濾過膜、限外濾過膜、逆浸透濾過膜等が多用されている。多孔質中空糸膜としては、例えば、複数の糸を組打ちした中空状の組紐支持体、または1本の糸を丸編した中空状の編紐支持体(以下、組紐支持体と編紐支持体をまとめて単に「支持体」ということがある。)の外側に、多孔質膜層が形成された多孔質中空糸膜が知られている。この多孔質中空糸膜は、支持体を有していることで機械的特性が優れており、より苛酷な条件下でも破断等の不具合が生じ難い。
このような多孔質中空糸膜は、支持体と多孔質膜層を形成する製膜原液を紡糸ノズルに供給し、該紡糸ノズルによって前記支持体の外側に前記製膜原液を塗布するように紡糸し、凝固液で凝固させた後、洗浄、乾燥等を行うことで得られる(例えば、特許文献1)。
多孔質膜には、高い分離特性および優れた透水性能のみならず、過酷な条件下での使用においては、多孔質膜に作用する引張力に対し多孔質膜が破断しない機械的強度も必要とされる
機械的特性に優れた多孔質膜としては、糸を組打ちした中空状の組紐からなる支持体の外周面に多孔質膜層が形成された中空状の多孔質膜が用いられる場合が多い。このような中空状の多孔質膜を製造する場合には、まず、支持体を紡糸ノズルの中央に引き込み、紡糸ノズルで中空状に賦形された製膜原液を支持体の外周面に塗布し、凝固させて支持体の外周面に多孔質膜層を形成する(凝固工程)。その後、乾燥工程により多孔質膜を乾燥する。
支持体として用いられる組紐は、通常、製紐機により製造された後、収納容器やボビン等の巻取り具に巻取られて保存される。従って、組紐を多孔質膜の製造に用いる際には、巻取り具から支持体を引き出して紡糸ノズルに供給する。
組紐を高密度かつ収納安定化を阻害する捻りをかけずに巻取る方法としては、以下のような方法が用いられている。
例えば巻取り具として円筒状の収納容器を用いる場合、まず収納容器を組紐の製造速度に応じて設定した回転速度で回転するターンテーブルに乗せ、収納容器を回転させる。ついで、収納容器の上部開口面上に設置した固定ガイドから、組紐を回転する収納容器内に供給する。その際、収納容器の中心とターンテーブルの回転中心とをある程度ずらすことで、組紐はループ状の配置軌跡を描きつつ、収納容器の回転方向にずれながら、収納容器の底部から上部に向かって積層収納される。
しかし、このような形態で収納容器に収納された組紐を収納容器から引き出して紡糸ノズルに供給する場合、組紐の収納の終わり端(終了端)からそのまま引き出すと、組紐のループが1つ解けながら引き出される毎に組紐に1回の捻りが発生し、その捻りが蓄積し易い場所、例えば組紐に作用している張力が低い部分や組紐が捻られた状態のまま通過するのを妨げる導紐ガイドの下流などに蓄積して行く、組紐の捻りが組紐の中心軸回りの捻れの形態で維持できなくなると撚りが発生し、ついには撚りによるコブ(撚りコブ部ともいう)が生成、組紐の移動とともに撚りコブ部が下流に移動することとなる。かかる原因は以下のように考えられる。
すなわち、組紐の中心軸回りの捻りの形態で蓄積されたエネルギーが増大してゆくと、捻りより小さなエネルギーレベルでより多くのエネルギーを蓄積可能な形態と考えられる、組紐の一部が輪を形成し、その輪を形成した組紐同士が撚れて撚り線のような二重螺旋状の撚りコブ部に変化する。それによってそれまで組紐に捻りの形で蓄積されていた多くのエネルギーが撚りコブ部の形態に転換され、組紐は再び組紐の中心軸回りの捻りの形態でエネルギーを蓄積し始める、といった現象を繰り返しているものと考えられる。
この撚りコブ部が形成されると、固定ガイドや紡糸ノズルにおいて撚りコブ部が引っ掛かり、多孔質膜製造装置の運転停止の原因となる。
撚りの発生を抑制しつつ、巻取り具に巻取られた線材を引き出す方法として、ターンテーブルなどの回転手段を用い、巻取り具を回転させながら線材を引き出す方法が知られている(例えば特許文献2〜4参照。)。
そこで、組紐を収納容器から引き出す際にもこの方法が採用され、ターンテーブルに収納容器を乗せ、組紐の収納時と同じ回転速度かつ逆方向に収納容器を回転させながら、組紐を引き出していた。
また、近年では、糸を丸編みした中空状の編紐を支持体として用いた多孔質膜も提案されている。この編紐も組紐と同様に、収納容器から引き出す際に、編紐のループが1つ解けながら引き出される毎に組紐に1回の捻りが発生し、その捻りが原因で撚りコブ部が発生すると考えられていたため、ターンテーブルに収納容器を乗せ、収納容器を回転させながら編紐を引き出していた。
一方、巻取り具としてボビンを用いる場合には、ボビンを回転させながらボビンに巻付けられた組紐や編紐(以下、これらを総称して「中空紐」という。)を引き出していた。
多孔質中空糸膜を製造する際に用いられる支持体は、通常、製紐機によって製造された後に筒状の収納容器に収納され、多孔質中空糸膜の製造時に該収納容器から引き出されて使用される。支持体の収納は、例えば、以下の方法が用いられる。
中心部に芯棒が設けられた筒状の収納容器をターンテーブルに載せて回転させつつ、該収納容器内に支持体を供給する。このとき、収納容器の中心とターンテーブルの回転中心とをある程度ずらす。これにより、収納容器の底部から上部に向かって、支持体が前記芯棒を囲むようにループ状の配置軌跡を描きながら積層収納される(特許文献5)。
国際公開第2004/043579号 特開平1−285563号公報 特開2005−200179号公報 実開平5−19259号公報 特開2009−263052号公報
しかしながら、収納容器やボビンを回転させながら中空紐を引き出す方法は、設備が大掛かりなものとなる。特に、巻取り具として収納容器を用いる場合、収納容器を回転させるためには収納容器をターンテーブルに乗せる必要があるため、収納容器を床に直接置くことができず、スペースを有効活用できなかった。
また、巻取り具に巻取られた中空紐は有限長であるため、中空紐を連続的に引き出し紡糸ノズルに供給するためには、任意の巻取り具に巻取られた中空紐の巻取りの終了端と、次の巻取り具に巻取られた中空紐の巻始め端(開始端)とを接続する必要がある。通常、巻取り具が回転している間は中空紐の終了端と次の中空紐の開始端とを接続するのは困難であるため、両者を接続するためには巻取り具の回転を停止する。
しかし、中空紐が収納容器に収納されている場合、接続が完了した後はこれらの収納容器を全て同じターンテーブルに乗せて回転を再開する必要がある。ターンテーブルに乗せることができる収納容器の数には限りがあるため、中空紐の引き出しが進み、ターンテーブル上の中空紐が少なくなれば再び回転を停止し、空になった収納容器はターンテーブルからはずし、次の収納容器の中空紐を接続してその収納容器をターンテーブルに乗せる、といった操作を繰り返さなければならず、手間がかかるものであった。加えて、収納容器の回転が停止している間に引き出される中空紐には、ループが1つ解ける毎に1回の捻りが発生するため、中空紐同士を素早く接続する必要があった。
また、一度に複数本の多孔質膜を製造する際には、その本数に応じた数の紡糸ノズルに中空紐を同時に供給するため、紡糸ノズルの個数分の収納容器を乗せることができるターンテーブルが必要となる。さらに、中空紐を接続する際は、収納容器の数が増えた分、接続回数も増える。特に、引き出し速度が速まるほど、収納容器内の中空紐の1つのループが解ける時間は短くなるため、より短時間で中空紐の接続を完了しなければならない。
このように、中空紐を連続的に供給する場合は、運転上に問題があった。
一方、中空紐がボビンに巻付けられている場合、ボビンの回転を停止すると、その間は中空紐が供給されなくなるため、多孔質膜の製造も一旦停止することになり、製造効率が悪かった。
また、特許文献5の方法により収納された支持体は、前記収納容器から引き出して紡糸ノズルに供給する際、収納容器の胴部や芯棒等に引っ掛かること等によって絡まることがある。
支持体が絡まると、支持体供給張力が急激に上昇、支持体送り機構部で支持体がスリップし支持体を下流に供給できなくなったり、収納容器が吊り上り、支持体ガイドに衝突し破損したり、絡まった部分が外れて下流に送られた場合は、支持ガイドや紡糸ノズルに引っ掛かって走行が停止する等の不具合が発生する。
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、支持体を連続的に引き出す場合であっても、撚りの発生を抑制しつつ、簡易な機構で、かつスペースを有効活用しながら支持体を供給し、安定して多孔質膜を製造できる方法の提供を目的とする。
また、本発明は、紡糸ノズルに編紐支持体を供給する装置であって、該編紐支持体が絡まり難く、多孔質中空糸膜の製造において優れた工程安定性が得られる編紐供給装置の提供を目的とする。
本発明者らは鋭意検討した結果、複数の糸を組打ちした組紐は耐捻れ性に優れるものの、引っ張られると伸縮しやすい(耐伸縮性に劣る)のに対し、一方の糸を丸編した編紐は、耐伸縮性に優れるにも関わらず、編紐を捻った際に組紐のような大きな捻り反力(捻りトルク)が発生しないことに着目した。そして、捻った際の反力が小さな編紐であれば、静止状態で巻取り具から引き出し、編紐に捻りが発生しても、それが捻りの形態まま安定して下流に送り出され、紐張力の低い部位での捻れの蓄積が起こらず、その結果、撚りコブ部が発生しにくくなり、ターンテーブルなどの回転手段を用いる必要がなくなると考え、本発明を完成するに至った。
さらに、どのような特性を有する紐が、引き出す際に撚りコブ部を発生させずに、安定して引き出せるかについて、本発明者らは鋭意検討した結果、安定して引き出せる紐の、捻り引き出し安定度(捻り復元率×捻りトルク)について、一定の関係があることを見出し、本発明を完成するに至った。
本発明は、以下の態様を有する。
本発明の第1の態様は、編紐を巻取り具から引き出す方法であって、
前記巻取り具を静止させた状態で、該巻取り具から編紐を引き出す、編紐引き出し方法である。
本発明の第2の態様は、前記編紐が、以下に規定する捻り引き出し安定値Xが14g・cm以下である第1の態様に記載の編紐引き出し方法である。
捻り復元率A:(30cm長の編紐に30gの錘を下端に取り付け、該編紐を鉛直方向に吊り下げた状態で5回捻った後の捻りが戻った回数を5回で割った比率)
捻りトルクB:(30cm長の編紐に30gの錘を下端に取り付け、該編紐を鉛直方向に吊り下げた状態で5回捻った時に、該編紐に捻った方向と相対する方向に作用する荷重(g)×編紐の紐中心から荷重測定点までの距離(cm)=捻りトルク(g・cm)
捻り引き出し安定値X=捻り復元率A×捻りトルクB(g・cm)
本発明の第3の態様は、中空状の編紐支持体を巻取り具から引き出し、その編紐支持体の外周面に製膜原液を塗布し、凝固させることによって編紐支持体の外周面に多孔質膜層を形成する多孔質膜の製造方法であって、
前記巻取り具を静止させた状態で、
該巻取り具から編紐支持体を引き出す、多孔質膜の製造方法である。
本発明の第4の態様は、前記中空状の編紐支持体が、以下に規定する捻り引き出し安定値Xが14g・cm以下である前記第1の態様に記載の多孔質膜の製造方法である。
捻り復元率A:(30cm長の編紐に30gの錘を下端に取り付け、該編紐を鉛直方向に吊り下げた状態で5回捻った後、力をフリーにした際の捻りが戻った回数を5回で割った比率)
捻りトルク B:(30cm長の編紐に30gの錘を下端に取り付け、該編紐を鉛直方向に吊り下げた状態で5回捻った時に、該編紐に捻った方向と相対する方向に作用する荷重(g)×編紐の紐中心から荷重測定点までの距離(cm)=捻りトルク(g・cm)
捻り引き出し安定値X=捻り復元率A×捻りトルクB(g・cm)
本発明の第5の態様は、中空状の編紐支持体の外周面に、多孔質膜層を形成する製膜原液を塗布するように紡糸する紡糸ノズルに、前記編紐支持体を供給する編紐供給装置であって、
前記編紐支持体を収納する巻取り具と、
ガイド部材とを有し、
前記編紐支持体が、前記巻取り具から前記ガイド部材に向かって引き出される
編紐供給装置である。
また、本発明の別の好ましい態様は、複数の巻取り具に巻取られた各編紐支持体が接続されるように、任意の巻取り具に巻取られた編紐支持体の巻取り開始端と、次の巻取り具に巻取られた編紐支持体の巻取り終了端とが連結していることが好ましい。
また、本発明の別の好ましい態様は、前記巻取り具が筒状の収納容器であり、編紐支持体がループ状の配置軌跡を描きながら収納容器の底部から上部に向かって積層収納され、編紐支持体が収納された収納容器の軸方向を鉛直方向に向け、鉛直方向上向きに編紐支持体を引き出すことである。
特に、前記収納容器の中心部に芯棒が取り付けられ、前記編紐支持体の配置軌跡が芯棒を囲んでいることが好ましい。
また、前記巻取り具がボビンであり、編紐支持体がボビンに巻付けられ、編紐支持体が巻付けられたボビンの中心軸方向に編紐支持体を引き出すことが好ましい。
また、本発明の編紐供給装置の別の好ましい態様は、中空状の編紐支持体の外側に、多孔質膜層を形成する製膜原液を塗布するように紡糸する紡糸ノズルに、前記編紐支持体を供給する編紐供給装置であって、
前記編紐支持体を収納する筒状の収納容器と、前記収納容器上に設けられたガイド部材とを有し、
前記編紐支持体が、前記収納容器から前記ガイド部材に向かって引き出される装置である。
本発明の編紐供給装置は、前記紡糸ノズルに供給する前に、前記収納容器から引き出した編紐支持体に張力を付与する張力付与手段をさらに有することが好ましい。
本発明の多孔質膜の製造方法によれば、支持体を連続的に引き出す場合であっても、撚りの発生を抑制しつつ、簡易な機構で、かつスペースを有効活用しながら支持体を供給し、安定して多孔質膜を製造できる。
また、本発明の編紐供給装置を使用すれば、紡糸ノズルに供給する編紐支持体が絡まり難く、多孔質中空糸膜の製造において優れた工程安定性が得られる。
本発明に用いる編紐支持体の構造を示す斜視図である。 本発明に用いる収納容器の一例を示す縦断面図である。 本発明の編紐供給装置の収納容器の一例を示した縦断面図である。 編紐支持体を収納容器に収納する際に用いられる収納装置の一例を示す概略構成図である。 収納容器に収納された編紐支持体の配置軌跡の一例を示す平面図である。 収納容器から編紐支持体を引き出す方法を説明する図である。 収納容器から編紐支持体を引き出す方法を説明する図である 編紐支持体の接続に用いる接続装置の一例を示す斜視図である。 図8Aの接続装置の接続ジグに編紐支持体を挿入した状態を示す図である。 多孔質膜の一例を示す概略断面図である。 編紐支持体の外周面に多孔質膜層を形成させる装置の一例を示す概略構成図である。 本発明の編紐供給装置の一例を示した概略図である。 編紐支持体をボビンに巻付ける際に用いられる巻付け装置の一例を示す概略構成図である。 巻付け装置の他の例を示す概略構成図である。 ボビンから編紐支持体を引き出す方法の一例を説明する図である。 ボビンから編紐支持体を引き出す方法の他の例を説明する図である。 実施例で用いた多孔質膜の製造装置を示す概略構成図である。 組紐支持体の構造を示す正面図である。
静止した紐を引き出す際に生じる、捻りによるトラブルの発生(例えば、撚りコブの発生など)の起こり易さを、用いる紐の復元率(捻り復元率)と、捻りが生じた紐が元に戻ろうとする力、すなわち、反力(捻りトルク)との積により評価した。
本発明に係る編紐引き出し方法に用いる編紐は、例えば、以下の評価方法1、または評価方法2により、評価した。
(評価方法1)
まず、30gの錘をぶら下げた状態で、30cmの紐を5回捻る。
捻った状態で30秒間保持する。捻った紐を反動で過回転しないように手で保持しながら捻りを自然に戻す。最初に捻ったところから、戻った回数を測定した(n=4)。
結果を表1に示す
Figure 2012108413
(評価方法2)
まず、30gの錘をぶら下げた状態で、30cmの紐を5回捻る。
錘に固定された指示棒がロードセルに及ぼす荷重を測定、ロードセル作用点と紐の中心の距離(12cm)を掛けた値を捻りトルク(g・cm)とした(n=4)。
結果を表2に示す。
Figure 2012108413
捻り引き出し安定度(捻り復元率×捻りトルク)
用いた組紐A、B、編紐A、Bについて、捻り引き出し安定度(捻り復元率×捻りトルク)を求めた。その結果を表3に示す。
Figure 2012108413
上記の結果から、本発明に用いられる紐の有する、捻り復元率A×捻りトルクBが14g・cm以下であれば、静止状態の紐を引き出す際に発生する撚りコブ部を生じることなく、スムースに引き出せることが分かった。また、発明者らは鋭意検討し、捻り引き出し安定値Xが10g・cm以下であればより好ましく、5g・cm以下であれば最も好ましいことを見出した。このような撚りコブ部が発生しない特性は、組紐では観察されず、編紐でのみ観察された。
[第一の実施形態]
本発明の多孔質膜(多孔質中空糸膜ともいう)の製造方法の第一の実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
第一の実施形態にかかる本発明の多孔質膜の製造方法は、巻取り具として収納容器を用い、該収納容器から中空状の編紐支持体を引き出す工程(引き出し工程)と、引き出された編紐支持体の外周面に製膜原液を塗布し、凝固させることによって、編紐支持体の外周面に多孔質膜層を形成する工程(凝固工程)とを有する。
<引き出し工程>
(編紐支持体)
図1に本発明に用いる編紐支持体110の構造を示す。
編紐支持体110は、1本の糸111を丸編した円筒状(中空状)の編紐である。
丸編とは、丸編機を用いて筒状のよこメリヤス生地を編成することであり、図1に示すように、糸111を湾曲させて螺旋状に伸びる連続したループ112を形成し、これらループ112を上下左右につなげたものであり、ループ112内およびループ112同士の接続部に編目113を有する。
編紐支持体110は、図16に示すような、複数の糸11,11,・・・を組打ちした構造の組紐支持体12とはその構造が異なるものである。
編紐支持体110には、糸111を丸編機によって丸編みして円筒状編紐を製造した後、編紐を構成する繊維の融点未満の温度に加熱した、元の円筒状編紐の径より出口穴径が小さな引き抜きダイスを通過させ、ダイス出口下流の引き取りロールで引き抜くといった伸張圧縮加熱処理が施されているのが好ましい。伸張圧縮加熱処理が施されることによって、編紐の伸度を大幅に低減させ、直径の安定性を付与することができる。
糸111の形態としては、マルチフィラメント、モノフィラメント、紡績糸等が挙げられる。
糸111を構成する繊維としては、合成繊維、半合成繊維、再生繊維、天然繊維が挙げられる。糸111は、複数種類の繊維を組み合わせたものであってもよい。
合成繊維としては、例えばナイロン6、ナイロン66、芳香族ポリアミド等のポリアミド系繊維;ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリ乳酸、ポリグリコール酸等のポリエステル系繊維;ポリアクリロニトリル等のアクリル系繊維;ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン系繊維;ポリビニルアルコール系繊維;ポリ塩化ビニリデン系繊維;ポリ塩化ビニル系繊維;ポリウレタン系繊維;フェノール樹脂系繊維;ポリフッ化ビニリデン、ポリテトラフルオロエチレン等のフッ素樹脂系繊維;ポリアルキレンパラオキシベンゾエート系繊維等が挙げられる。
半合成繊維としては、例えば、セルロースジアセテート、セルローストリアセテート、キチン、キトサン等を原料としたセルロース誘導体系繊維;プロミックスと呼称される蛋白質系繊維等が挙げられる。
再生繊維の例としては、ビスコース法、銅−アンモニア法、有機溶剤法により得られるセルロース系再生繊維(レーヨン、キュプラ、ポリノジックなど。)等が挙げられる。
糸111を構成する繊維としては、上述した伸張圧縮加熱処理による効果が発揮されやすい点から、合成繊維のマルチフィラメントが好ましい。特に、耐薬品性に優れる点から、ポリエステル系繊維、アクリル系繊維、ポリビニルアルコール系繊維、ポリアミド系繊維、ポリオレフィン系繊維が好ましく、中でもポリエステル系繊維またはアクリル系繊維が特に好ましい。
糸111の繊度は、中空状多孔質膜(多孔質中空糸膜)の耐久性、および多孔質膜層との接着性を向上させる点から、150〜1000dtexが好ましい。糸の繊度が150dtex以上であれば、外径によるが、得られる多孔質膜のつぶれ圧が向上する。糸の繊度が1000dtex以下であれば、内径縮小化による通水性の低下が抑えられる。
編目113の数は、1周あたり5以上が好ましい。編目113の数は丸編機のメリヤス針(編針)の数と同じである。編目113の数が5以上であれば、編紐支持体110の中空部の断面形状が円形となり、内径縮小化による通水性の低下が抑えられる。
編目113の数の上限は、編紐支持体110の外径、糸111の繊度、編目113の大きさ(ループ112の大きさ)に等により決まる。編目113が大きい場合、後述する製膜原液を編紐支持体110に塗布する際に、製膜原液が編紐支持体110の内部に流入して中空部が閉塞するおそれがある。従って、同じ外径の編紐支持体110を製造する場合、糸111の繊度が高いと編目の数は少なく、繊度が低いと編目の数は多く設定する必要がある。
編紐支持体110の外径は、最終的に得られる中空状の多孔質膜(多孔質中空糸膜)の外径によって決まる。
多孔質膜の外径は、多孔質膜を束ねてなる膜モジュールにおける必要濾過面積から、0.9〜6.0mmが好ましく、1.0〜3.5mmがより好ましい。従って、編紐支持体110の外径は、0.7〜5.0mmが好ましく、0.9〜3.0mmがより好ましい。
本発明に用いられる編紐の用途としては、例えば、以下の(a)〜(e)が挙挙げられるが、これらに限定されない。
(a)多孔質膜の支持体
(b)プレカーサーを製紐後に耐炎化、又は耐炎化した後炭素化した中空状の耐炎化紐やカーボンファイバー紐
(c)繊維補強パイプ(例えば、カーボンファイバーを筒編みしたもの、高強度PETなどを熱可塑、あるいは熱硬化性樹脂で固めたもの)
(d)人工血管骨格(例えば、チタン繊維、PTFE繊維筒編み、PET樹脂バインドなど)
(e)繊維補強ホース(例えば、ブレードホースなど)
これらの中でも、編紐を多孔質膜の製造に使用することが好ましい。
(収納容器)
図2、に本発明に用いる収納容器120の一例を示す。
この例の収納容器120は、円筒状であり、中心部に芯棒121が取り付けられている。収納容器120に編紐支持体を一定速度で収納していく際、編紐支持体の柔軟性によって編紐支持体が自然に描くループの最小径は大凡決定される。詳しくは後述するが、編紐支持体をループ上の配置軌跡を描かせながら、収納容器120の底部122から上部123に向かって積層収納する場合、編紐支持体の柔軟性によっては、収納容器120の中心部に編紐支持体が配置されない空間が生じる場合もある。収納容器120に芯棒121が取り付けられていれば、その編紐支持体が配置されない部分を埋めることができ、収納形態がより安定する。
収納容器120の材質は、特に限定されず、紙、ポリエチレン、ポリエチレンテレフタレート(PET)等のプラスチック、鉄、ステンレス等が挙げられる。
収納容器120の内径および深さは、編紐支持体110の収納量等によって適宜決定できる。
収納容器120の芯棒121の外径および高さは、編紐支持体110の収納量等によって適宜決定できる。
収納容器120の外径は、編紐支持体の収納量、編紐支持体の引き出し形態等によって適宜選択される。
(収納容器への編紐支持体の収納方法)
収納容器120への編紐支持体の収納方法の一例について、図4を参照しながら説明する。
図4は、編紐支持体を収納する際に用いられる収納装置の一例を示す概略構成図である。この例の収納装置130は、編紐支持体110を収納する円筒状の収納容器120と、該収納容器120回転させる回転テーブル131と、編紐支持体110の供給位置を固定する供給ガイド132とを具備している。
収納容器120を回転させる回転テーブル131については、収納容器120を容易に設置でき、回転数Rを周期的に変動させることができるものであれば特に限定されない。好ましくは、回転テーブル131は、収納容器120の回転数Rの変動パターンを予め設定でき、回転数Rの変動パターンのプログラムを入力可能なコントローラー機能を有した駆動方式のものである。
供給ガイド132は、収納容器120の上方且つ収納容器120の内壁面付近に取り付けられている。ここで、「内壁面付近」とは、内壁面から20mm以内の範囲のことを意味する。このように供給ガイド132が取り付けられていれば、編紐支持体110を収納容器120内により均一に収納できる。
供給ガイド132は、編紐支持体110を通すことができ、編紐支持体110の供給位置を固定できる形態であれば特に限定はされないが、編紐支持体110の外径よりも大きいリング状の形態が好ましい。さらには、リング状の表面はバリ等がない滑らかな形状であることがより好ましい。
この収納装置130を用い、編紐支持体110を、供給ガイド132を経由して、回転する収納容器120内に一定速度で供給しながら、収納容器120に編紐支持体110に収納する。引き出す際に編紐支持体110が絡まることを抑制するのがさらに容易になる点から、図5に示すように、編紐支持体110はループ状の配置軌跡を描きながら、かつ、隣り合うループが収納容器120の回転軸周りの方向にずれながら、収納容器120の底部122から上部123に向かって積層収納されるのが好ましい。
また、編紐支持体110の配置軌跡が芯棒121を囲むように編紐支持体110が収納されれば、輸送中や容器取り扱い時にループがずれて上下が入れ替わり、引き出し時に編紐支持体が絡まるのを抑制する効果もある。
収納容器120に組紐支持体110を収納する方法は、引き出し時に編紐支持体が絡まるのを抑制する方法であればよく、図5の方法に限定されることはない。
なお、収納容器120への編紐支持体110の収納を開始する際は、編紐支持体110の端(巻取り開始端)を収納容器120の外側へ出しておくことが好ましい。開始端が収納容器120の外側へ出ていれば、後述する編紐支持体の接続において、次の収納容器に収納された編紐支持体を接続しやすい。すなわち、該収納開始端と、次の収納容器120に収納された編紐支持体110の収納終了端を接続しやすく、編紐支持体110を連続して速やかに紡糸ノズル161、220に供給することが容易になる。
(収納容器からの編紐支持体の引き出し方法)
上述のようにして収納容器120に収納した編紐支持体110を、収納容器120から引き出す方法の一例について、図6を参照しながら説明する。
本実施形態例では、収納容器120を静止させた状態で、収納容器120から編紐支持体110を巻軸方向に引き出す。具体的には、図6に示すように、収納容器120の軸方向を鉛直方向に向け、鉛直方向上向きに編紐支持体110を引き出すのが好ましい。
なお、編紐支持体110は、収納容器120への収納の終わり端(巻取り終了端)から引き出される。
また、図6に示すように、収納容器120の上方、すなわち編紐支持体110を引き出す方向における収納容器120の略延長線上で、芯棒121の直径に対して数倍から数十倍、収納容器120から離れた位置に、編紐支持体110の水平方向における位置を固定するための引き出しガイド124を取り付け、該引き出しガイド124を通して編紐支持体110を引き出すのが好ましい。このように引き出しガイド124が取り付けられていれば、収納容器120に収納された編紐支持体110のループが解けて引き出されて行く際、引き出される速度や、ループが解ける抵抗が安定し易い。
引き出しガイド124は、編紐支持体110を通すことができ、引き出された編紐支持体110の水平方向における位置を固定できる形態であれば特に限定されないが、編紐支持体110の外径よりも大きいリング状の形態が好ましい。さらには、リング状の表面はバリ等がない滑らかな形状であることがより好ましい。
上述のようにして収納容器120に収納した編紐支持体110を、収納容器120から引き出す方法の別の一例について、図7を参照しながら説明する。
収納容器120は、装置をより簡便にでき、かつスペースを有効活用できる点で、床等に置いて静止状態とすることが好ましい。
支持体をループ状の配置軌跡を描くように収納容器内に収納し、そのまま引き出すと、組紐のループが1つ解けながら引き出される毎に組紐に1回の捻りが発生し、組紐支持体では、このような捻りが蓄積すると、不定期に撚りコブ部が形成され、組紐に移動とともにその撚りコブ部が下流に移動し、紡糸ノズルに引っ掛かかることがある。この撚りを解消する方法としては、ターンテーブル等を用いて収納容器を収納時と逆方向に回転させながら支持体を引き出す方法が挙げられるが、該方法を採用すると設備が大掛かりになる上、スペースを有効活用できない。一方、編紐支持体110は、前述したように組紐支持体8とは異なり、耐伸縮性が優れているにも関わらず、編紐を捻った際に組紐のような大きな捻り反力が発生しないので、静止状態の収納容器120からそのまま引き出すことで捻れが発生しても、その捻れが特定部位に蓄積されず、紐の移動とともに捻れた状態の編紐が安定して運び去られるため、撚りコブ部が形成され難い。
なお、収納容器120をターンテーブル上に載せ、編紐支持体110を引き出す際に収納容器120を収納時と逆方向に回転させるようにしてもよい。
(編紐供給装置)
本発明における編紐供給装置210は、収納容器120上にガイド部材214が設けられていることを特徴とする。収納容器120上にガイド部材214が設けられることにより、収納容器120から引き上げられる編紐支持体110が、収納容器120の胴部や芯棒121等に引っ掛かったり、前記胴部や芯棒121等との接触によって不定期に力が加わることを抑制できる。これにより、収納容器120から引き出される編紐支持体110が絡まることが抑制される。
ガイド部材214としては、例えば、金属製またはセラミック製のガイドロール、ポリエチレン、PET、テフロン(登録商標)等のプラスチック製ガイドロール等が挙げられる。
ガイド部材214の高さは、引き出される編紐支持体110が収納容器120の胴部や芯棒121に引っ掛かる等して絡まることを抑制しやすい点から、1.5m以上が好ましく、2.0m以上がより好ましい。また、ガイド部材214の高さは、メンテナンス等の作業性を良くする点から、5.0m以下が好ましく、4.0m以下がより好ましい。
なお、ガイド部材214の高さとは、収納容器120の底部122からガイド部材214までの距離を意味する。
ここで、ガイド部材214と、収納容器120におけるガイド部材214から最も遠い下隅212dとを結ぶ直線を直線mとしたとき、該直線mと収納容器120の底部122とがなす角度θ(図1)は、引き出される編紐支持体110が収納容器120の胴部や芯棒121等に引っ掛かる等して絡まることを抑制しやすい点から、60°以上が好ましく、70°以上がより好ましい。また、前記角度θは、ガイド部材214が高くなりすぎることを抑制しやすいの点から、85°以下が好ましく、80°以下がより好ましい。
本発明では、この例の編紐供給装置210のように、紡糸ノズル220に供給する前に、収納容器120から引き出した編紐支持体110に張力を付与する張力付与手段216を有することが好ましい。これにより、走行中の編紐支持体110に弱い撚りが生じたとしても、張力を付与する際の摩擦を利用してその撚りを解消することができる。また、紡糸ノズル220に供給されるまでの間に編紐支持体110が弛むことを抑制できるので、紡糸ノズル220への編紐支持体110の供給がより安定して行えるようになる。
張力付与手段216としては、例えば、この例のように、収納容器120上のガイド部材214と紡糸ノズル220の間で編紐支持体110の走行を規制する2つのガイド部材218の間に、金属棒216a、216bを設け、編紐支持体110の走行を蛇行させるようにして張力を付与する形態が挙げられる。また、張力付与手段216は、編紐支持体110に張力を付与できるものであればよく、リニアダンサー等を用いてもよい。
ガイド部材218は、紡糸ノズル220に供給するまでの編紐支持体110の走行を規制するものであり、ガイド部材214で挙げたものと同じものが使用できる。
(編紐支持体の接続方法)
収納容器120から引き出された編紐支持体110は、次の凝固工程へ供給される。
なお、収納容器120に収納された編紐支持体110は有限長であるため、編紐支持体110を連続的に引き出し凝固工程へ供給するためには、複数の収納容器に収納された各編紐支持体を接続して用いればよい。
具体的には、図6および図7に示すように、複数の収納容器120に収納された各編紐支持体110が接続されるように、任意の収納容器120(120a)に収納された編紐支持体110aの巻取り開始端(収納開始端ともいう)a11と、次の収納容器120bに収納された編紐支持体110bの巻取り終了端(収納終了端ともいう)b12とを連結し、この収納容器120bに収納された編紐支持体110bの巻取り開始端b11と、その次の収納容器120cに収納された編紐支持体110cの巻取り終了端c12とを連結する。
このように複数の収納容器120に収納された各編紐支持体110を接続すれば、任意の収納容器120aから編紐支持体110aが全て引き出された後、次の収納容器120bから編紐支持体110bが引き出され、この編紐支持体110bが全て引き出された後、その次の収納容器120cから編紐支持体110cが引き出される、といった連続的な引き出し操作が可能となる。
編紐支持体の接続方法としては、凝固工程以降の工程を接続された編紐支持体が安定して通過できる方法であれば特に限定されないが、例えば以下に示す方法が挙げられる。
(1)接続する2本の編紐支持体の端部同士を数mmから十数mm重ね合わせ、重ね合わせた部分を超音波により融着させて接続する方法。
(2)接続する2本の編紐支持体の中空部に、1本の屈曲性に優れた紐状物をそれぞれ十数mm挿入し、編紐支持体の表面から紐状物が挿入されている十数mmの部分に繊維などを巻付け、紐状物表面と中空状編紐(編紐支持体)中空部内面の摩擦によって締結(接続)する方法。
(3)屈曲性に優れた紐状物の外周に弾性接着剤を塗布し、該紐状物の接着剤塗布部を接続する2本の編紐支持体の中空部に挿入し、接着によって接続する方法。
(4)接続する2本の編紐支持体の端部同士を突合せ、ホッチキスのような金属製の接続部材で両端を接続する方法。
これらの接続方法の中でも、接続に際して副部材を必要とせず、短時間で接続でき、しかも接続後の編紐支持体の直径を接続前の編紐支持体の直径以下に精度よく抑えることができるため、接続後の編紐支持体のノズル(紡糸ノズル)内通過性に優れる点で、および/または、形成される多孔質中空糸膜にコブができ難い点から、(1)の超音波により接続する方法が好ましい。
超音波による接続方法には、例えば図8Aに示す接続装置を用いればよい。
この例の接続装置140は、超音波ホーン141と接続ジグ142とを具備している。
超音波ホーン141は、下面141aが編紐支持体に接触する面になっており、下面から編紐支持体に超音波を伝達させるものである。
接続ジグ142は、矩形状のプレートであって、プレートの一辺からその辺に対向する辺に向かって直線的に溝142aが形成され、その溝142aの深さが、一対の編紐支持体を重ねて収納可能になっているものである。
上記の接続装置140を用い、任意の収納容器と次の収納容器に収納された編紐支持体を接続する場合、図8Bに示すように、まず、接続ジグ142の溝142aに編紐支持体110aの巻取り開始端(収納開始端ともいう)a11と、編紐支持体110bの巻取り終了端(収納終了端ともいう)b12が重なり合うように、編紐支持体110a,110bを挿入する。ついで、溝142aに超音波ホーン141の先端を挿入して、巻取り開始端a11と巻取り終了端b12(以下、これらを総称して「両端部」という。)を溝142aの底部に押圧して、圧縮変形させる。そして、その圧縮変形状態を維持したまま、両端部に超音波を伝達させて融着し、接続する。
上記超音波ホーン141を用いて編紐支持体110a,110b同士を融着して接続する場合には、編紐支持体110a,110bに摩擦による局所発熱が生じて被接続部分が変形するため、編紐支持体110a,110bの繊維間や多孔質部等に水等の液体が存在して濡れていても構わない。
なお、上述した超音波による接続方法では、接続する2本の編紐支持体を重ね合わせた状態で接続しているが、これに限定されない。例えば接続する2本の編紐支持体のうち、一方の編紐支持体の中空部径を外径以上の大きさになるように押し広げ、その中空部にもう一方の編紐支持体を数mmから十数mm挿入し、挿入した部分に超音波を伝達させて融着し、接続してもよい。
また、得られた多孔質中空糸膜における編紐支持体同士の接続部分は、充分な透水性能を発現しないため、製造後にその接続部分を取り除く。このとき、得られる多孔質中空糸膜中の編紐支持体同士の接続部分を判別することが容易になることから、編紐支持体の収納開始端と収納終了端をインク等で色塗りした後に接続することが好ましい。
<凝固工程>
凝固工程では、上述した引き出し工程により供給された編紐支持体の外周面に製膜原液を塗布し、凝固させることによって、図9に示すような編紐支持体110の外周面に多孔質膜層151が形成された多孔質膜150を得る。
製膜原液は、通常、疎水性ポリマーと親水性ポリマーとを含む。
疎水性ポリマーは、凝固工程により多孔質膜を形成し得るものであればよく、そのようなものであれば特に制限なく使用できるが、ポリスルホンやポリエーテルスルホンなどのポリスルホン系樹脂、ポリフッ化ビニリデンなどのフッ素系樹脂、ポリアクリロニトリル、セルロース誘導体、ポリアミド、ポリエステル、ポリメタクリレート、ポリアクリレートなどが挙げられる。また、これらの樹脂の共重合体を使用してもよいし、これら樹脂や共重合体の一部に置換基を導入したものも使用できる。また、分子量などが異なる同種のポリマーをブレンドして用いても構わないし、2種以上の異なる種類の樹脂を混合して使用してもよい。
これらのなかでフッ素系樹脂、中でもポリフッ化ビニリデンやフッ化ビニリデン単体と他の単量体からなる共重合体は、次亜塩素酸などの酸化剤に対する耐久性が優れている。よって、例えば後述の除去工程などで、酸化剤により処理されるような多孔質膜を製造する場合には、疎水性ポリマーとしてフッ素系樹脂を選択することが好適である。
親水性ポリマーは、製膜原液の粘度を多孔質膜の形成に好適な範囲に調整し、製膜状態の安定化を図るために添加されるものであって、ポリエチレングリコールやポリビニルピロリドンなどが好ましく使用される。これらの中でも、多孔質膜の孔径の制御や多孔質膜の強度の点から、ポリビニルピロリドンやポリビニルピロリドンに他の単量体が共重合した共重合体が好ましい。
また、親水性ポリマーには、2種以上の樹脂を混合して使用することもできる。例えば親水性ポリマーとして、より高分子量のものを用いると、膜構造の良好な多孔質膜を形成しやすい傾向がある。一方、低分子量の親水性ポリマーは、後述の親水性ポリマー除去工程において多孔質膜からより除去されやすい点で好適である。よって、目的に応じて、分子量が異なる同種の親水性ポリマーを適宜ブレンドして用いてもよい。
上述した疎水性ポリマーおよび親水性ポリマーをこれらが可溶な溶媒(良溶媒)に混合することにより、製膜原液を調製することができる。製膜原液には、必要に応じてその他の添加成分を加えてもよい。
溶媒の種類には特に制限はないが、乾湿式紡糸で凝固工程を行う場合には、空走部において製膜原液を吸湿させることによって多孔質膜の孔径を調整するため、水と均一に混合しやすい溶媒を選択することが好ましい。このような溶媒としては、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、ジメチルスルホキシド、N−メチル−2−ピロリドン、N−メチルモルホリン−N−オキシドなどが挙げられ、これらを1種以上使用できる。また、溶媒への疎水性ポリマーや親水性ポリマーの溶解性を損なわない範囲で、疎水性ポリマーや親水性ポリマーの貧溶媒を混合して使用してもよい。
製膜原液の温度は、特に制限はないが通常は20〜40℃である。
製膜原液中における疎水性ポリマーの濃度は、薄すぎても濃すぎても製膜時の安定性が低下し、好適な多孔質膜構造が形成されに難くなる傾向にあるため、下限は10質量%が好ましく、15質量%がより好ましい。また、上限は30質量%が好ましく、25質量%がより好ましい。
一方、親水性ポリマーの濃度の下限は、多孔質膜をより形成しやすいものとするために1質量%が好ましく、5質量%がより好ましい。親水性ポリマーの濃度の上限は、製膜原液の取扱性の点から20質量%が好ましく、12質量%がより好ましい。
こうして調製された製膜原液を編紐支持体の外周面に塗布し、多孔質膜層を形成する。多孔質膜層の形成には、例えば図10に示す多孔質膜層形成装置を用いればよい。
この例の多孔質膜層形成装置160は、収納容器(図示略)から引き出された編紐支持体110に、製膜原液を塗布する環状の紡糸ノズル161と、該紡糸ノズル161に製膜原液を供給する原液供給手段162と、編紐支持体110に塗布された製膜原液を凝固させる凝固液が入った凝固槽163と、製膜原液が塗布された編紐支持体110を凝固槽163に導入するガイドロール164とを具備している。
紡糸ノズル161の中央には、編紐支持体110が通過する管路が形成されている。
管路の内径は、編紐支持体110の外径より若干大きく、紡糸ノズル161の管路の内周面と編紐支持体110とは一定の間隙を有する。該間隙は、塗膜の厚さ、製膜原液の粘度、編紐支持体110の走行速度などによって決まり、通常、0.15〜0.25mmである。
なお、管路の途中に、管路の円周方向にスリット状の製膜原液吐出口が上流側および下流側に2箇所形成された紡糸ノズルを用いれば、組成の異なる2種類の製膜原液を編紐支持体110に塗布できる。
上記の多孔質膜層形成装置160を用いると、編紐支持体110が紡糸ノズル161の管路をする際、原液供給手段162から製膜原液が一定量で供給され、編紐支持体110の外周面に製膜原液が塗布され、所定の膜厚の塗膜が形成される。なお、2種類の製膜原液が塗布される場合、まず、第一の製膜原液が編紐支持体の外周面に塗布され、ついで、第一の製膜原液の上に第二の製膜原液が塗布される。
製膜原液が塗布された編紐支持体110は、ガイドロール164によって凝固液が入った凝固槽163に導かれる。そして、製膜原液の塗膜と凝固液とが接触すると、製膜原液中に凝固液が拡散するにしたがって、疎水性ポリマーと親水性ポリマーがそれぞれ相分離を起こしつつ、疎水性ポリマーが凝固される。このように相分離が進行しつつ、凝固することにより、疎水性ポリマーとゲル状の親水性ポリマーとが相互に入り組んだ三次元網目構造の多孔質膜層が、編紐支持体の外周面に形成された多孔質膜150が得られる。
なお、吐出後、凝固液の入った凝固槽に至るまでの間に、空走区間を設けても(乾湿式紡糸)、空走区間を設けなくても(湿式紡糸)よい。
ここで使用する凝固液は、疎水性ポリマーの非溶媒で、親水性ポリマーの良溶媒である必要があり、水、エタノール、メタノール等やこれらの混合物が挙げられるが、特に製膜原液に用いた溶媒と水との混合液が安全性、運転管理の面から好ましい。
<他の工程>
上述の凝固工程により形成された多孔質膜は、一般的に孔径が大きく高透水性を潜在的には有しているが、多孔質膜中に溶液状態の親水性ポリマーが多量に残存しているため、このままでは十分な高透水性を発揮することが困難となる場合がある。また、親水性ポリマーが膜中で乾固すると、膜の機械的強度の低下の原因にもなる。よって、凝固工程の後には、通常、多孔質膜中に残存する親水性ポリマーを除去する除去工程を行い、さらにその後で多孔質膜を乾燥する。
(除去工程)
凝固工程で得られた多孔質膜には、親水性ポリマーが高濃度の溶液の状態で、膜(多孔質部)中に残存している。このような高濃度の親水性ポリマーは、ある程度までは、多孔質膜を洗浄液に浸漬することで比較的容易に除去される。よって、除去工程では、まず始めに多孔質膜を洗浄液により多孔質膜を洗浄し、ついで、酸化剤を使用して親水性ポリマーを低分子量化した後、低分子量化された親水性ポリマーを除去するのが好ましい。
多孔質膜の洗浄
多孔質膜の洗浄で使用する洗浄液としては、清澄で親水性ポリマーが分散または溶解する液体であれば特に限定されるものではないが、洗浄効果が高いことから水が好ましい。
使用する水としては、水道水、工業用水、河川水、井戸水等が挙げられ、これらにアルコール、無機塩類、酸化剤、界面活性剤等を混合して使用してもよい。また、洗浄液としては、疎水性ポリマーの良溶媒と水との混合液を用いることもできる。
多孔質膜を洗浄液により洗浄する方法としては、例えば洗浄液中に多孔質膜を浸漬させる方法、洗浄液が貯蔵された洗浄槽中に多孔質膜を走行させる方法などが挙げられる。
洗浄温度は、親水性ポリマーの溶液の粘度を低く抑えて、拡散移動速度の低下を防ぐため、高い方が好適であり、50℃以上が好ましく、より好ましくは80℃以上である。さらに、洗浄液を沸騰させながら洗浄を行うと、沸騰によるバブリングによって多孔質膜の外表面を掻き取ることもできるため、効率のよい洗浄が可能となる。
多孔質膜の洗浄工程によって、多孔質膜に残存する親水性ポリマーは比較的濃度の低い状態となる。このような低濃度の場合に、より高い洗浄効果を得るためには、酸化剤を使用した親水性ポリマーの低分子量化工程を行うことが好ましい。
なお、凝固工程により形成された多孔質膜には、親水性ポリマーの他、製膜原液に用いた溶媒も残存しているが、多孔質膜の洗浄工程によって多孔質膜に残存する溶媒は除去される。
親水性ポリマーの低分子量化
親水性ポリマーの低分子量化の方法としては、まず、多孔質膜に酸化剤を含む薬液を保持させ、ついで、薬液を保持した多孔質膜を気相中で加熱する方法が好ましい。
酸化剤としては、オゾン、過酸化水素、過マンガン酸塩、重クロム酸塩、過硫酸塩等を使用することもできるが、酸化力が強く分解性能に優れること、取扱性に優れること、安価なこと等の点より、特に次亜塩素酸塩が好ましい。次亜塩素酸塩としては、次亜塩素酸ナトリウム、次亜塩素酸カルシウムなどが挙げられるが、特に次亜塩素酸ナトリウムが好ましい。
この際、薬液の温度は50℃以下が好ましく、30℃以下がより好ましい。50℃より高温であると、多孔質膜の浸漬中に酸化分解が促進され、薬液中に脱落した親水性ポリマーがさらに酸化分解し、酸化剤の浪費が進んでしまう。一方、過度に低温であると、酸化分解は抑制されるものの、常温で実施する場合と比較して、低温に温度制御するためのコストなどが増加する傾向にある。よって、その点からすると、薬液の温度は0℃以上が好ましく、10℃以上がより好ましい。
多孔質膜に薬液を保持させたあとは、多孔質膜を気相中で加熱することにより、親水性ポリマーを酸化分解する。気相中での加熱によれば、多孔質膜中に保持された薬液が大きく希釈されたり、薬液が加熱媒体中へ脱落溶出したりすることがほとんどなく、薬液中の酸化剤が多孔質膜中に残存する親水性ポリマーの分解に効率よく使用されるため好ましい。
具体的な加熱方法としては、大気圧下で加熱流体を用いて多孔質膜を加熱することが好ましい。加熱流体としては相対湿度の高い流体を使用すること、すなわち湿熱条件で加熱を行うことが、次亜塩素酸塩などの酸化剤の乾燥を防ぎ、効率的な分解処理が可能となるため好ましい。その際、流体の相対湿度としては80%以上が好ましく、90%以上とすることがより好ましく、100%近傍とするのが最も好ましい。
加熱温度の下限は、連続処理を行う場合、処理時間を短くできることから50℃とするのが好ましく、80℃がより好ましい。温度の上限は、大気圧状態では100℃とするのが好ましい。
親水性ポリマーの除去
低分子量化された親水性ポリマーを除去する方法としては、上述した多孔質膜の洗浄工程と同様の条件にて、多孔質膜を洗浄液により洗浄する方法が挙げられる。
なお、低分子量化された親水性ポリマーを除去してもなお親水性ポリマーが残存している場合には、多孔質膜の外周側を減圧する減圧工程をさらに行ってもよい。
多孔質膜の外周側を減圧することで、多孔質膜の外周側の圧力が内周側よりも低くなり、その圧力差により多孔質膜中に残存する親水性ポリマーが外周側へと移動する。従って、より効果的に親水性ポリマーを除去することができる。
(乾燥工程)
親水性ポリマーを除去した後の多孔質膜は、乾燥工程によって乾燥され、ボビンやカセ等に巻取る。
乾燥工程の方法としては特に制限はなく、多孔質膜を熱風乾燥機などの乾燥装置に導入する方法で行えばよい。
<作用効果>
本実施形態例における多孔質膜の製造方法によれば、静止した状態の収納容器から編紐支持体を引き出すので、ターンテーブルなどの回転手段を用いる必要がない。従って、簡易な機構で編紐支持体を供給できる。加えて、収納容器を床に直接置くことができるので、多数の収納容器を設置でき、スペースを有効活用できる。また、一度に複数本の多孔質膜を製造する場合であっても、その本数に応じた数の編紐支持体を同時に供給することが容易である。
なお、多孔質膜の支持体として編紐(編紐支持体110)を用いるので、収納容器を回転させずそのまま引き出しても、組紐の場合、すなわち、組紐支持体12を採用する場合とは異なり、支持体の特定部位に捻れが蓄積せず、発生した捻れは編紐の走行とともに移動するため、撚りが発生しにくく、撚りコブ部が形成されにくい。
これは、組紐(組紐支持体12)は捻れる際の反力である捻りトルクが大きいのに対し、編紐(編紐支持体110)は捻りトルクが小さいため、収納容器120から引き出されるときに編紐(編紐支持体110)自体が弱い力で捻れ、その形態を維持でき、捻れた状態のまま編紐の走行とともに安定的に下流に送られやすいことによるものと考えられる。
従って、本発明であれば安定して多孔質膜を製造できる。
また、本発明であれば、編紐支持体を引き出す際、収納容器は静止した状態であるため、次の収納容器に収納された編紐支持体と容易に接続できる。また、接続のタイミングや接続にかかる時間を気にする必要もない。
さらに、収納容器を回転させて支持体を引き出していた従来の方法では、支持体を接続した後、接続された支持体が収納されている収納容器同士は、同じターンテーブルに乗せる必要があった。ターンテーブルに乗せることができる収納容器の数には限りがあるため、中空紐の引き出しが進み、ターンテーブル上の中空紐が少なくなれば再び回転を停止し、空になった収納容器はターンテーブルからはずし、次の収納容器の中空紐を接続してその収納容器をターンテーブルに乗せる、といった操作を繰り返さなければならず、手間がかかるものであった。
しかし、本発明であれば、編紐支持体が収納された多数の収納容器を予め所定の場所に設置しておくことができ、これらの収納容器に収納された編紐支持体を一度に接続することができる。そして、任意の収納容器から全ての編紐支持体が引き出された後は、必要に応じてその収納容器をどかし、次の収納容器を任意の収納容器が置かれた場所にずらせばよいので、作業が簡便である。
次に、前記編紐供給装置210を用いた多孔質中空糸膜の製造方法の一例について説明する。
上述のようにして収納容器120に収納した編紐支持体110を、図11に示すように、収納容器212から、収納容器212上に設けられたガイド部材214の方へと引き出す。このとき、ガイド部材214が設けられていることで、編紐支持体110が収納容器120の胴部や芯棒121に引っ掛かる等して編紐支持体110が絡まることが抑制される。
設備がより簡便にでき、スペースを有効利用できる点から、収納容器120を静止させた状態で編紐支持体110を引き出すことが好ましい。
なお、編紐支持体110は、収納容器120に収納する際の収納終了端から引き出される。
収納容器120から引き出された編紐支持体110は、紡糸ノズル220に供給される。なお、収納容器120に収納される編紐支持体110は有限長である。編紐支持体110を連続的に紡糸ノズル220に供給するためには、複数の収納容器120に収納された各編紐支持体110をそれぞれ接続して用いればよい。
各編紐支持体の接続方法、当該接続に用いる接続装置等については、上述の図6、図7、図8Aおよび図8Bを用いて説明した方法、装置等が用いられ、好ましい条件、態様もこれと同様である。
紡糸ノズル220では、図11に示すように、供給された編紐支持体110の外側に製膜原液25が塗布されるように紡糸され、凝固浴230aに収容された凝固液230b中に浸漬される。
これにより、製膜原液25が凝固して多孔質中空糸膜26が形成される。その後、洗浄、乾燥等の工程を経ることで多孔質中空糸膜26が得られる。
製膜原液25としては、膜形成性樹脂、開孔剤および溶媒を含む製膜原液を用いる。この製膜原液が凝固液に浸漬されると、製膜原液中に凝固液が拡散し、膜形成性樹脂と開孔剤がそれぞれ相分離を起こしつつ凝固して、編紐支持体の外側に多孔質膜層が形成される。
膜形成性樹脂としては、多孔質膜の形成に使用される通常の樹脂が使用でき、例えば、ポリスルホン樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂、スルホン化ポリスルホン樹脂、ポリフッ化ビニリデン樹脂、ポリアクリロニトリル樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリエステルイミド樹脂等が挙げられる。これらは必要に応じて適宜選択して使用することができ、なかでも耐薬品性に優れることから、ポリフッ化ビニリデン樹脂が好ましい。膜形成性樹脂は、1種を単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
開孔剤としては、例えば、ポリエチレングリコールによって代表されるモノオール系、ジオール系、トリオール系、ポリビニルピロリドン等の親水性高分子樹脂を使用することができる。これらは必要に応じて適宜選択して使用することができ、なかでも増粘効果に優れることから、ポリビニルピロリドンが好ましい。
開孔剤は、1種を単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
溶媒としては、前記膜形成性樹脂および開孔剤をいずれも溶解できるものであれば特に限定されるものではなく、例えば、ジメチルスルホキシド、N,N−ジメチルアセトアミド、ジメチルホルムアミドを用いることができる。なかでも、膜形成性樹脂の溶媒への溶解がより効率的に行える点から、N,N−ジメチルアセトアミドが好ましい。
溶媒は、1種を単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。
なお、製膜原液25には、相分離の制御を阻害しない範囲で、任意成分として開孔剤以外の他の樹脂や添加剤を用いることもできる。
製膜原液25(100質量%)中における膜形成性樹脂の含有量は、製膜時の安定性が向上し、優れた多孔質膜構造が形成されやすい点から、10質量%以上が好ましく、15質量%以上がより好ましい。また、膜形成性樹脂の含有量は、同様の理由から、30質量%以下が好ましく、25質量%以下がより好ましい。
製膜原液25(100質量%)中における開孔剤の含有量は、多孔質膜の形成が容易になる点から、1質量%以上が好ましく、5質量%以上がより好ましい。また、開孔剤の含有量は、製膜原液の取扱性の点から、20質量%以下が好ましく、12質量%以下がより好ましい。
従来、ガイド部材が収納容器上には設けられておらず、収納容器から引き出される編紐支持体が斜めに引き上げられたりした際に、編紐支持体が収納容器の胴部や芯棒等に引っ掛かったり、接触によって不定期に力が加わったりすることがあり、編紐支持体が絡まることがあった。
これに対し、本発明の編紐供給装置にあっては、収納容器上にガイド部材を設け、該ガイド部材に向かって収納容器から編紐支持体を引き出すことで、編紐支持体が収納容器の本体や芯棒等に引っ掛かる等して絡まることが抑制される。そのため、多孔質中空糸膜の製造において、優れた工程安定性が得られる。
なお、本発明の編紐供給装置は、前記編紐供給装置210には限定されない。例えば、芯棒を有していない収納容器を有する編紐供給装置であってもよい。
[第二の実施形態]
次に、本発明の多孔質膜の製造方法の第二の実施形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
第二の実施形態にかかる本発明の多孔質膜の製造方法では、巻取り具としてボビンを用いる点で上述した第一の実施形態と異なる。その他の構成は第一の実施形態と同様であるので、説明は省略する。
(ボビンへの編紐支持体の巻付け方法)
ボビンへの編紐支持体の巻付け方法の一例について、図12Aおよび図12Bを参照しながら説明する。
図12Aは、編紐支持体をボビンに巻付ける際に用いられる巻付け装置の一例を示す概略構成図である。この例の巻付け装置180aは、編紐支持体110を巻付けるボビン170と、該ボビン170を回転可能に支持するボビン固定ジグ181と、ボビン170に編紐支持体を供給する供給ガイド182とを具備している。
ボビン170は、編紐支持体110が巻付けられる円筒状の巻付け部171と、該巻付け部171の両端に着脱可能に取り付けられたフランジ部172、173とで構成される。巻付け部171の直径は、編紐支持体110の巻付け量、編紐支持体の引き出し形態等によって適宜選択される。
ボビン固定ジグ181には、水平に伸びる支持軸181aが取り付けられており、この支持軸181aにボビン170が挿入される。そして、支持軸181aが回転することで、ボビン170も回転可能となる。
供給ガイド182は、ボビン170の中心軸方向に往復移動しながら、ボビン170に編紐支持体110を供給できるものであれば特に限定されない。
この巻付け装置180aを用い、ボビン170の中心軸方向に往復移動する供給ガイド182を経由して、編紐支持体110を回転するボビン170の巻付け部171に一定速度で供給しながら、ボビン170に巻付ける。巻付け方としては特に限定されず、例えば編紐支持体の巻付け段数と共に巻付け幅が縮小するような平行巻き、綾巻き、玉巻きなどが挙げられる。
なお、ボビン170への編紐支持体110の巻付けを開始する際は、編紐支持体110の端(巻取り開始端)がボビン170の巻付け部171に巻付けられないように出しておくことが好ましい。開始端がボビン170から出ていれば、後述する編紐支持体の接続において、次のボビンに収納された編紐支持体を接続しやすい。
(ボビンからの編紐支持体の引き出し方法)
上述のようにしてボビン170に巻付けた編紐支持体110を、ボビン170から引き出す方法の一例について、図13を参照しながら説明する。
本実施形態例では、ボビン170を静止させた状態で、ボビン170から編紐支持体110を巻軸方向、すなわちボビン170の中心軸方向に引き出す。具体的には、図10に示すように、ボビン170の中心軸方向が鉛直方向になるように、ボビン170の一方のフランジ部172を下に向けてボビン170を床や台座などに配置する。そして、鉛直方向上向きに編紐支持体110を引き出すのが好ましい。
なお、編紐支持体110を引き出す際は、ボビン170の他方のフランジ部は巻付け部171から外しておく。
また、編紐支持体110は、ボビン170への巻付けの終わり端(巻取り終了端)から引き出される。
また、図13に示すように、ボビン170の上方、すなわち編紐支持体110を引き出す方向におけるボビン170の略延長線上で、ボビン170に巻付けられた編紐支持体110の巻物体の直径に対して数倍から数十倍、ボビン170から離れた位置に、編紐支持体110の水平方向における位置を固定するための引き出しガイド124を取り付け、該引き出しガイド124を通って編紐支持体110を引き出すのが好ましい。このように引き出しガイド124が取り付けられていれば、ボビン170に収納された編紐支持体110のループが解けて引き出されて行く際、引き出される速度や、ループが解ける抵抗が安定し易い。
(編紐支持体の接続方法)
ボビン170から引き出された編紐支持体110は、次の凝固工程へ供給される。
なお、ボビン170に巻付けられた編紐支持体110は有限長であるため、編紐支持体110を連続的に引き出し凝固工程へ供給するためには、複数のボビンに巻付けられた各編紐支持体を接続して用いればよい。
具体的には、図13に示すように、複数のボビン170に巻付けられた各編紐支持体110が接続されるように、任意のボビン170(170a)に巻付けられた編紐支持体110aの巻取り開始端a11と、次のボビン170bに巻付けられた編紐支持体110bの巻取り終了端b12とを連結し、このボビン170bに巻付けられた編紐支持体110bの巻取り開始端b11と、その次のボビン170cに巻付けられた編紐支持体110cの巻取り終了端c12とを連結する。
このように複数のボビン170に巻付けられた各編紐支持体110を接続すれば、任意のボビン170aから編紐支持体110aが全て引き出された後、次のボビン170bから編紐支持体110bが引き出され、この編紐支持体110bが全て引き出された後、その次のボビン170cから編紐支持体110cが引き出される、といった連続的な引き出し操作が可能となる。
編紐支持体の接続方法としては、第一の実施形態において説明した接続方法が挙げられる。特に、(1)の超音波により接続する方法が好ましい。
<作用効果>
本実施形態例における多孔質膜の製造方法によれば、静止した状態のボビンから編紐支持体を引き出すので、ボビンを回転させるためのジグ(回転手段)を用いる必要がない。
従って、簡易な機構で編紐支持体を供給できる。
また、本発明であれば、編紐支持体を引き出す際、ボビンは静止した状態であるため、多孔質膜の製造を停止することなく、次のボビンに巻付けられた編紐支持体と容易に接続できる。また、接続のタイミングや接続にかかる時間を気にする必要もない。
<他の実施形態>
第二の実施形態において、ボビンへの編紐支持体の巻付けは、上述した方法に限定されない。図12Aに示す巻付け装置180aを用いた方法では、ボビン170の中心軸方向を水平にして編紐支持体110を巻付けたが、例えば図9(b)に示す巻付け装置180bを用い、ボビン170の中心軸方向を垂直にして、以下のようにして編紐支持体110を巻付けてもよい。
図12Bに示す巻付け装置180bは、ボビン170と、ボビン170に編紐支持体110を供給する供給ガイド182と、供給ガイド182をボビン170の周囲に沿って回転可能、かつボビン170の中心軸方向に往復移動可能に支持するガイド固定ジグ183とを具備している。
この巻付け装置180bを用いてボビン170に編紐支持体110を巻付ける方法では、まず、ボビン170の中心軸方向が鉛直方向になるように、ボビン170の一方のフランジ部172を下に向けてボビン170を床や台座などに配置する。その際、ボビン170の他方のフランジ部は巻付け部171から外しておく。ついで、ボビン固定ジグ183によってボビン170の周囲に沿って回転しつつ、かつボビン170の中心軸方向へ往復移動する供給ガイド182を経由して、編紐支持体110をボビン170の巻付け部171に一定速度で供給しながら、ボビン170に巻付ける。
また、ボビンからの編紐支持体の引き出しは、上述した方法に限定されない。図13に示した方法では、ボビン170を床や台座に設置したが、例えば図14に示すように、複数の枝部191が取り付けられたボビン固定具190を用い、該枝部191にボビン170(170a,170b,・・・)を挿入し、ボビン170の中心軸方向に編紐支持体110を引き出してもよい。なお、複数のボビン170a,170b,・・・に巻付けられた編紐支持体110を接続する際は、任意のボビン170aに巻付けられた編紐支持体110aの巻取り開始端a11と、該ボビン170aよりも下側に位置する次のボビン170bに巻付けられた編紐支持体110bの巻取り終了端b12とを接続するのが好ましい。
以下、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
[実施例A1−1]
<多孔質膜の製造装置>
多孔質膜の製造装置として、図15に示す多孔質膜製造装置1100を用いた。
この多孔質膜製造装置1100は、編紐支持体110が巻取られた巻取り具(収納容器120)と、収納容器120から引き出された編紐支持体110に製膜原液を塗布し多孔質膜層を形成する多孔質膜形成装置160と、編紐支持体と多孔質膜層からなる多孔質膜150から親水性ポリマーを除去する除去手段1110と、親水性ポリマーが除去された多孔質膜150を乾燥する乾燥手段1120と、乾燥された多孔質膜150を巻取る巻取り手段1130を具備している。
また、収納容器120と多孔質膜形成装置160との間には、編紐支持体110を多孔質膜形成装置160の紡糸ノズル161内を一定張力で通過させるためのダンサー機構1140が設けられている。また、多孔質膜層形成装置160と除去手段1110との間には、多孔質膜150を多孔質膜層形成装置160から一定速度で引き取り、除去手段1110へと移送する製膜ロール1150が設けられている。
<編紐支持体の収納>
(編紐支持体)
編紐支持体110として、ポリエステル繊維(繊度:420dtex、フィラメント数:180本)を丸編機で丸編した後、200℃に加熱した金属ダイスで約3m/分の速度で連続的に引き抜き、熱的特性、寸法安定性、機械特性を向上させた中空状の編紐支持体(外径:約2.5mm、中空部径:約1.5mm、1周あたりの編目数:12個)を用いた。
編紐の捻り引き出し安定値Xは1.9(g・cm)だった。
(収納容器)
収納容器120として、紙製の円筒状ペーパードラム(ドラム内径:450mm、深さ:800mm)を用いた。なお、ドラム内には、中央部に芯棒121(外径:130mm、ドラムの底部からの高さ770mm)が設けられている。
(収納方法)
図4に示す収納装置130を用い、ターンテーブル131に設置した収納容器120へ、供給速度3m/分の条件で編紐支持体110を供給した。また、編紐支持体110の供給と同時に、ターンテーブル131を約30秒で1回転させながら、1回転中の回転速度を周期的に変化させて、図5に示すように、編紐支持体110がループ状の配置軌跡を描くように、かつ該配置軌跡が芯棒121を囲みつつ、隣り合うループが収納容器120の回転軸周りの方向にずれるように、収納容器120の底部から上部に向かって編紐支持体110を積層収納した。
なお、収納容器120への編紐支持体110の収納を開始する際は、編紐支持体110の端(巻取り開始端)を収納容器120の外側へ出しておいた。
<製膜原液の調製>
ポリフッ化ビニリデンA(アトフィナジャパン製、商品名カイナー301F)12質量部、ポリフッ化ビニリデンB(アトフィナジャパン製、商品名カイナー9000LD)8質量部、ポリビニルピロリドン(ISP社製、商品名K−90)10質量部、N,N−ジメチルアセトアミド(DMAc)70質量部を混合して、製膜原液(1)を調製した。
別途、ポリフッ化ビニリデンAを3質量部と、ポリフッ化ビニリデンBを2質量部と、ポリビニルピロリドンを2質量部と、DMAcを93質量とを混合して、製膜原液(2)を調製した。
<多孔質膜の製造>
図15に示す多孔質膜製装置1100を用い、以下のようにして多孔質膜を製造した。
編紐支持体110が収納された収納容器120の軸方向を鉛直方向に向け、静止させた状態で、収納容器120から編紐支持体110を引き出し速度10m/分の条件で鉛直方向上向きに編紐支持体110を引き出した。引き出された編紐支持体110は、収納容器120の上方に設置されたリング状の引き出しガイド124を通過し、回転ガイド125により方向転換され、さらに支持体供給ロール126によって走行速度を調整されながら、ダンサー機構1140へと供給された。
ついで、ダンサー機構1140にて、編紐支持体110が多孔質膜層形成装置160の紡糸ノズル161内を一定張力で通過できるように編紐支持体の張力を調整した後、編紐支持体110は多孔質膜層形成装置160へ供給された。
ついで、紡糸ノズル161として、中心に中空部(管路)が形成され、その外側に、2種の液を順次塗布できるように環状の吐出口が二重に順次形成されたノズル(特開2005−42074号公報の図1参照。)を用意し、これを30℃に保温した状態で、中空部に編紐支持体を導入した。これと同時に、原液供給手段162から製膜原液(1)、(2)を紡糸ノズル161に供給して、編紐支持体110の外周に製膜原液(2)、製膜原液(1)を内側から順次塗布し、80℃に保温した凝固液(N,N−ジメチルアセトアミド5質量部と水95質量部との混合液)が入った凝固槽163中で凝固させた。このようにして、図7に示すように、外表面近傍に分画層を1層有し、内部に向かって孔径が増大する傾斜構造の多孔質膜層151が編紐支持体110にコーティングされた多孔質膜150を得た。なお、塗布された製膜原液(1)および(2)のうち、多孔質膜の膜構造を形成する主原液は、外側に塗布された製膜原液(1)である。
ついで、多孔質膜150を製膜ロール1150により一定速度で引き取り、除去手段1110にて親水性ポリマーを除去した。具体的には、まず、多孔質膜150を98℃の熱水中で3分間洗浄し、残存するDMAcとポリビニルピロリドンの一部を除去した。その後、多孔質膜150を50000mg/Lの次亜塩素酸ナトリウム水溶液に浸漬する工程と、多孔質膜150を90℃のスチーム槽中で2分間加熱する工程と、多孔質膜150を90℃の熱水中で3分間洗浄する工程を2回繰り返し、残存するポリビニルピロリドンを、多孔質膜層に対する質量比で2%未満まで除去した。
ついで、乾燥手段1120にて多孔質膜150を85℃で10分間加熱した後、巻取り手段1130にてボビンに巻取った。
実施例A1−1では、収納容器120から編紐支持体110を引き出し開始後、6時間経過した後も、編紐支持体110に撚りコブ部が形成されることなく、安定して収納容器120から引き出すことができた。
[実施例A1−2]
収納容器120から編紐支持体110を引き出す際の引き出し速度を20m/分に変更した以外は、実施例A1−1と同様にして多孔質膜を製造した。
その結果、収納容器120から編紐支持体110を引き出し開始後、6時間経過した後も、編紐支持体110に撚りコブ部が形成されることなく、安定して収納容器120から引き出すことができた。
[実施例A1−3]
収納容器120から編紐支持体110を引き出す際の引き出し速度を50m/分に変更した以外は、実施例A1−1と同様にして多孔質膜を製造した。
その結果、収納容器120から編紐支持体110を引き出し開始後、6時間経過した後も、編紐支持体110に撚りコブ部が形成されることなく、安定して収納容器120から引き出すことができた。
[実施例A2−1]
巻取り具として収納容器120に代えてボビンを用い、図12Aに示す巻付け装置180aを用いて、ボビン170の中心軸方向に往復移動する供給ガイド182を経由して、編紐支持体110を回転するボビン170の巻付け部171(外径:190mm)に一定速度で供給しながら、ボビン170に巻付けた。なお、ボビン170への編紐支持体110の巻付けを開始する際は、編紐支持体110の端(巻取り開始端)がボビン170の巻付け部171に巻付けられないように出しておいた。
このようにして編紐支持体110を巻付けたボビン170から、引き出し速度15m/分の条件で編紐支持体110を引き出した以外は、実施例A1−1と同様にして多孔質膜を製造した。
その結果、ボビン170から編紐支持体110を引き出し開始後、6時間経過した後も、編紐支持体110に撚りコブ部が形成されることなく、安定してボビン170から引き出すことができた。
[実施例A2−2]
ボビン170から編紐支持体110を引き出す際の引き出し速度を30m/分に変更した以外は、実施例A2−1と同様にして多孔質膜を製造した。
その結果、ボビン170から編紐支持体110を引き出し開始後、6時間経過した後も、編紐支持体110に撚りコブ部が形成されることなく、安定してボビン170から引き出すことができた。
[実施例A3−1]
実施例A1−1と同様にして、編紐支持体110が収納された収納容器120を2つ用意した。一方の収納容器に収納された編紐支持体110の巻取り開始端と、他方の収納容器に収納された編紐支持体110の巻取り終了端とを、超音波により接続した。
このようにして編紐支持体110を接続させた2つの収納容器120から、引き出し速度30m/分の条件で連続的に編紐支持体110を引き出した以外は、実施例A1−1と同様にして多孔質膜を製造した。
その結果、収納容器120から編紐支持体110を引き出し開始後、12時間経過した後も、編紐支持体110に撚りコブ部が形成されることなく、安定して収納容器120から引き出すことができた。
[実施例A3−2]
実施例A2−1と同様にして、編紐支持体110が巻付けられたボビン170を2つ用意した。一方のボビンに巻付けられた編紐支持体110の巻取り開始端と、他方のボビンに巻付けられた編紐支持体110の巻取り終了端とを、超音波により接続した。
このようにして編紐支持体110を接続させた2つのボビン170から、引き出し速度30m/分の条件で連続的に編紐支持体110を引き出した以外は、実施例A1−1と同様にして多孔質膜を製造した。
その結果、ボビン170から編紐支持体110を引き出し開始後、12時間経過した後も、編紐支持体110に撚りコブ部が形成されることなく、安定してボビン170から引き出すことができた。
[実施例B1]
図11に例示した編紐供給装置210を使用して、以下のようにして多孔質中空糸膜を製造した。
収納容器120としては、紙製の円筒状ペーパードラム(ドラム内径:450mm、深さ:900mm)を用いた。なお、ドラム内には、中央部に芯棒121(外径:130mm、ドラムの底部122からの高さ880mm)が設けられている。
ガイド部材214としては、ガイドロール(ポリエチレン製、ローラー溝径80mm、外径100mm)を使用した。ガイド部材214の、収納容器120の底部122からの高さは、2.8mとした。また、ガイド部材214と、収納容器120におけるガイド部材214から最も遠い下隅212dとを結ぶ直線を直線mとしたときの、該直線mと収納容器120の底部122とがなす角度θは、80°とした。
編紐支持体110としては、編紐(三菱レイヨン社製、商品名M1205)を使用した。製膜原液25としては、膜形成性樹脂であるアルケマ社製ポリフッ化ビニリデンPVDF301Fの29.7kgと、開孔剤である日本触媒社製ポリビニルピロリドンPVP−K79の15.6kgを、溶媒であるN,N−ジメチルアセトアミド(DMAc、サムソンファインケミカル社製)の112.2Lに溶解し、脱泡して調製したものを使用した。
ターンテーブル上に収納容器120を載せ、約13秒で1回転させながら、1回転中の回転速度を周期的に変化させつつ、供給速度3m/分の条件で編紐支持体110を供給し、図4に示すように、編紐支持体110がループ状の配置軌跡を描くように、かつ該配置軌跡が芯棒121を囲みつつ、隣り合うループが収納容器120の回転軸周りの方向にずれるように、収納容器120の底部122から上部212cに向かって編紐支持体110を積層収納した。
なお、収納容器120への編紐支持体110の収納を開始する際は、編紐支持体110の収納開始端を収納容器120の外側へ出しておいた。
静止状態の収納容器120から、ガイド部材214に向かって引き出し速度20m/分で編紐支持体110を引き出し、張力付与手段216によって張力を付与しつつ、紡糸ノズル220に供給し、編紐支持体110の外側に製膜原液を塗布するように紡糸し、80℃に保温した凝固液230b(8%DMAc水溶液)中で製膜原液25を凝固させて多孔質中空糸膜を形成した。さらに、洗浄液(90℃の熱水)による洗浄、次亜塩素酸塩による開孔剤の除去、および乾燥を行って多孔質中空糸膜を得た。
実施例B1における多孔質中空糸膜の製造では、編紐供給装置210によって紡糸ノズル220に供給される編紐支持体110に絡まりが発生せず、優れた工程安定性が得られた。
[比較例1]
編紐支持体の代わりに、16本のポリエステル繊維(繊度:830dtex、フィラメント数:96本)を組打ちして編成した中空状の組紐支持体(外径:約2.2mm、中空部径:約1.0mm)を用いた以外は、実施例A1−1と同様にして多孔質膜を製造した。組紐支持体の捻り引き出し安定値Xは14.7(g・cm)だった。
その結果、収納容器120から組紐支持体を引き出し開始後、約5分経過したころから、組紐支持体の引き出し速度が変化し始め、収納容器120から引き出される組紐支持体に弱い撚りが形成された。また、約10分経過後には撚りコブ部が発生し、収納容器120の上方に設置された引き出しガイド124に撚りコブ部が到達した。撚りコブ部が到達してから数分後、引き出しガイド124に撚りコブ部が引っ掛かり、引き出しガイド124のアームが変形し、支持体供給ロール126の駆動モーター(図示略)がオーバーロード(過負荷)で停止した。
再度、改めて組紐支持体の引き出しを試みたところ、収納容器120から組紐支持体を引き出し開始後、約15分経過したころから、組紐支持体が収納容器120の芯棒121に絡みつき、収納容器120が上方に引き上げられ始めたため、多孔質膜製造装置1100の運転を緊急停止した。
本発明の編紐引き出し方法は、編紐支持体を連続的に引き出す場合であっても、撚りの発生を抑制しつつ、簡易な機構で、かつスペースを有効活用しながら支持体を供給しすることができるため、多孔質膜の製造に好適に利用できる。
110、110a、110b、110c 編紐支持体
120、120a、120b、120c 収納容器
121 芯棒
150 多孔質膜
151 多孔質膜層
170、170a、170b、170c ボビン
a11、b11 巻取り開始端
b12、c12 巻取り終了端
111 糸
112ループ
113 網目
25 製膜原液
26 多孔質中空糸膜
210 編紐供給装置
214、218 ガイド部材
216 張力付与手段
216a、216b 金属棒
161、220 紡糸ノズル
230a 凝固浴
230b 凝固液

Claims (5)

  1. 編紐を巻取り具から引き出す方法であって、
    前記巻取り具を静止させた状態で、該巻取り具から編紐を引き出す
    編紐引き出し方法。
  2. 前記編紐が、以下に規定する捻り引き出し安定値Xが14g・cm以下である請求項1記載の編紐引き出し方法。
    捻り復元率A:(30cm長の編紐に30gの錘を下端に取り付け、該編紐を鉛直方向に吊り下げた状態で5回捻った後の捻りが戻った回数を、5回で割った比率)
    捻りトルクB:(30cm長の編紐に30gの錘を下端に取り付け、該編紐を鉛直方向に吊り下げた状態で5回捻った時に、該編紐に捻った方向と相対する方向に作用する荷重(g)×編紐の紐中心から荷重測定点までの距離(cm)=捻りトルク(g・cm)
    捻り引き出し安定値X=捻り復元率A×捻りトルクB(g・cm)
  3. 中空状の編紐支持体を巻取り具から引き出し、その編紐支持体の外周面に製膜原液を塗布し、凝固させることによって編紐支持体の外周面に多孔質膜層を形成する多孔質膜の製造方法であって、
    前記巻取り具を静止させた状態で、
    該巻取り具から編紐支持体を引き出す、
    多孔質膜の製造方法。
  4. 前記中空状の編紐支持体が、以下に規定する捻り引き出し安定値Xが14g・cm以下である請求項1記載の多孔質膜の製造方法。
    捻り復元率A:(30cm長の編紐に30gの錘を下端に取り付け、該編紐を鉛直方向に吊り下げた状態で5回捻った後の捻りが戻った回数を、5回で割った比率)
    捻りトルクB:(30cm長の編紐に30gの錘を下端に取り付け、該編紐を鉛直方向に吊り下げた状態で5回捻った時に、該編紐に捻った方向と相対する方向に作用する荷重(g)×編紐の紐中心から荷重測定点までの距離(cm)=捻りトルク(g・cm)
    捻り引き出し安定値X=捻り復元率A×捻りトルクB(g・cm)
  5. 中空状の編紐支持体の外周面に、多孔質膜層を形成する製膜原液を塗布するように紡糸する紡糸ノズルに、前記編紐支持体を供給する編紐供給装置であって、
    前記編紐支持体を収納する巻取り具と、
    ガイド部材とを有し、
    前記編紐支持体が、前記巻取り具から前記ガイド部材に向かって引き出される
    編紐供給装置。
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