JP3651414B2 - 自動ワインダにおける毛羽抑制方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、複数のディスクの回転により紡績糸の毛羽を制御する毛羽制御装置を用いる自動ワインダの毛羽抑制方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
リング精紡機で生産された紡績糸を巻いた精紡ボビン(給糸パッケージの一例)は、自動ワインダ(巻取機の一例)に搬送される。この自動ワインダにおいては、リング精紡ボビンに巻かれた紡績糸の欠陥を除去しつつ、多数の精紡ボビンの紡績糸をつなぎ合わせることでコーンやチーズ状の巻取パッケージに巻き返している。
【0003】
自動ワインダによる巻き返し工程は、精紡ボビンから解舒する紡績糸に張力を付与しつつ、この紡績糸を多数の糸ガイドなどを経て巻き返してパッケージとする工程である。従って、短繊維を撚って形成された紡績糸が糸ガイドなどを通過する度に摩擦を受け、巻き返し前の精紡ボビンの紡績糸に存在する毛羽が巻き返し後には増加するという傾向にある。
【0004】
そのため、自動ワインダなどの巻取機での巻き返し工程では、糸走行経路中に毛羽制御装置を設けて毛羽の発生を抑制することが行われている。この毛羽制御装置には、複数のフリクションディスクを備えており、複数のディスクの回転により、作用位置を走行する紡績糸に仮撚りを施し、紡績糸の表面から突出した毛羽を紡績糸を構成する繊維に巻き込ませることで毛羽伏せ処理を行う複数ディスク方式のものがある。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、この複数ディスク方式の毛羽伏せ処理を行った場合、常に一定の毛羽抑制効果が得られるわけではなく、毛羽抑制が安定しないという問題点があることが判った。即ち、糸速に対してディスク回転数が早過ぎる場合、紡績糸とディスクとの間に生じるディスク回転方向のスリップが大きくなり、遅過ぎる場合、糸走行方向のスリップが大きくなって、いずれにしても効果的な毛羽抑制が行えないことが判った。
【0006】
本発明は、上記課題に鑑みなされたものであり、ディスク回転数(周速)と糸速との関係、即ち、ディスクと紡績糸とのスリップを適正な範囲に維持することにより、複数ディスク方式の毛羽伏せ処理を行う場合、安定した毛羽抑制が得られるようにした自動ワインダの毛羽抑制方法を提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明の請求項1の毛羽抑制方法は、給糸パッケージから解舒され、所定糸速度でもって巻取パッケージに巻き取られる紡績糸に接触し回転する複数のディスクの回転により紡績糸の毛羽を制御する自動ワインダの毛羽抑制方法において、前記糸速度が600〜1600m/min、前記ディスクの直径が40〜50mmの状態で通常巻取時中の前記ディスクの回転数を5000〜22000rpmとしたことを特徴とする。
ディスクの回転数を5000〜22000rpmにすると、紡績糸の処理に適切な直径が40〜50mmのディスクを用い、自動ワインダの糸速度が600〜1600m/minの範囲で、毛羽を効果的に抑制することができる。
【0008】
本発明の請求項2の毛羽抑制方法は、給糸パッケージから解舒され、所定糸速度でもって巻取パッケージに巻き取られる紡績糸に接触し回転する複数のディスクの回転により紡績糸の毛羽を制御する自動ワインダの毛羽抑制方法において、前記糸速度をS(m/min)とし、前記ディスクの周速をD(m/min)とすると、(D/S)×(S/1000)が、0.7〜3.5としたことを特徴とする。
ディスクの周速をDとすると、(D/S)×(S/1000)が0.7〜3.5の範囲で、毛羽を効果的に抑制することができる。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、本実施形態における自動ワインダの毛羽抑制方法を以下に説明する。まず、ディスク式毛羽制御装置を用いる自動ワインダについて図1を参照して説明し、更にディスク式毛羽制御装置を図2及び図3により説明する。
【0010】
図1は、自動ワインダ1の機器配置図である。この自動ワインダ1は、給糸パッケージBの紡績糸Yの巻き上げ方向に、解舒補助装置2、撚り止め装置兼用の張力付与装置3、フリクションディスク式の毛羽制御装置4、糸継装置5、スラブキャッチャ6、駆動ドラム7を順に配設し、更にこれら各機器を制御する制御部(制御手段)50を備えてなる。
【0011】
撚り止め装置兼用の張力付与装置3は、解舒補助装置2を介して給糸パッケージB(給糸巻糸体)と毛羽制御装置4との間に配置され、固定の櫛歯11に対して可動の櫛歯12を交互に配置するゲート式のものである。櫛歯11に対して櫛歯12が図示されない揺動レバーにより噛み合わせ又は開放自在となっており、揺動レバーによる付勢力の程度はアクチュエータにより可変である。可動の櫛歯12に掛かる付勢力により、固定の櫛歯11と可動の櫛歯12との間にジグザグ状に屈曲するように通された紡績糸Yに所定の張力を付与する働きをする。また、この張力付与装置3は、櫛歯11と櫛歯12の噛み合わせ部分で、毛羽制御装置4の仮撚作用による給糸パッケージB側への撚りの伝播を制限する撚り止め装置としても機能する。制御部50は、巻取中、予め設定された変動パターンに基づいて、張力付与装置3による付与張力を変更するように制御する。これにより、毛羽制御装置4に供給される紡績糸Yの張力を略一定にでき、安定した毛羽制御を達成することができる。尚、走行する紡績糸Yの張力を張力検出器Tにより連続的に検出し、制御部50は、検出した張力値が設定値となるように、張力付与装置3による付与張力をフィードバック制御するようにしてもよい。
【0012】
毛羽制御装置4は、精紡ボビン(給糸パッケージ)Bから解舒されて巻取管Bfに巻取パッケージP(巻取巻糸体)として巻形成される紡績糸Yにディスク15により仮撚りを施すことで、紡績糸Yを構成する繊維群に毛羽を撚り込ませるものである。また、この毛羽制御装置4は、ディスク15の回転により、同時に紡績糸Yに送り出し力を付与するようになっている。図2は、毛羽制御装置4のディスク15の配置図であり、図3は、毛羽制御装置4のディスク15の正面である。
【0013】
図2及び図3において、糸継装置5の下方(糸走行方向で上流側)に配設される毛羽制御装置4は、複数枚のフリクションディスク15と、第1駆動軸16と、第2駆動軸17と、第3駆動軸18と、回転駆動装置19と、図示されない糸押し込みレバーとを備えて成る。
【0014】
図2及び3に示すように、各ディスク15は、支持ブロックに略平行に配置された第1〜第3駆動軸16〜18の夫々に複数枚ずつ(図示例では2枚ずつ)設けられている。回転駆動装置19は、第1〜第3駆動軸16〜18のディスク15を同方向に同時に回転駆動するものである。
【0015】
図2に示すように、毛羽抑制処理状態の第1〜第3駆動軸16〜18は、糸道に対して平行となるように、上方から見て正三角形の各頂点a〜cに夫々設けられ、異なる軸のディスク15同士を径方向で部分的に重なるように配置している。第1〜第3駆動軸16〜18の各ディスク15は下方から第3駆動軸18、第2駆動軸17、第1駆動軸16、第3駆動軸18、第2駆動軸17、第1駆動軸16の順に、軸方向にずらされて配置されている。
【0016】
そして、第1〜第3駆動軸16〜18を同方向に回転させることにより、ディスク15間の中心部Aに通され、各ディスク15の周面との接触でジグザグ状に屈曲された紡績糸YにS撚り又はZ撚りの仮撚りを施す。又、紡績糸Yが接触するディスク15の周面の糸走行方向の形状により、紡績糸Yに対し、ディスク15の回転力の分力成分が糸走行方向の下流側へ生じるようになっている。このため、毛羽制御装置4は、仮撚りと同時に、紡績糸Yを巻取パッケージP側に送り出す。ここで、中心部Aとは、第1〜第3駆動軸16〜18の径方向に部分的に重なる異なる2つの軸のディスク15の周面同士の交点d〜fの内側部分(異なる3つの軸のディスク15の共通の重なる部分)を示す。図示されない糸押し込みレバーにより、中心部A(作用位置)に紡績糸Yを保持する状態にすることができる。
【0017】
糸継装置5は、切り離された給糸パッケージB側の紡績糸Y(糸端)と巻取パッケージP側の紡績糸Y(糸端)とをつなぎ合わせる糸継ぎ処理を行うものである。この糸継装置5は、糸継装置本体35と、給糸パッケージB側の糸端を糸継装置本体35に導く下糸吸引案内部材(下糸案内手段)36と、巻取パッケージP側の糸端を糸継装置本体35に導く上糸吸引案内部材(上糸案内手段)37とを備えている。給糸側糸端案内手段である下糸吸引案内部材36は、開閉自在な吸引口36a(糸捕捉口)が張力付与装置3の下方(上流側)に位置する状態(図1に示す状態)を待機位置とし、軸36bを中心として上下方向に旋回自在である。即ち、下糸吸引案内部材36は、糸巻取中における待機状態では、糸捕捉口である吸引口36aが毛羽制御装置4の上流側(毛羽制御装置4と給糸パッケージP8との間)に位置しており、糸切断時には、給糸側の糸端(下糸)を直ちに捕捉できるようになっている。これにより、糸切断時に給糸側の糸端が毛羽制御装置4のディスク15に巻き付くのを防止できる。紡績糸Yが強制切断されると、毛羽制御装置4及び撚り止め装置兼用の張力付与装置3が開放状態となり、給糸側の糸端が下糸吸引案内部材36の吸引口36aに吸引される。吸引口36aで糸端(下糸)を保持した状態で下糸吸引案内部材36が下方の待機位置から上方の案内位置に旋回すると、下糸が糸継装置本体35内、張力付与装置3内及び毛羽制御装置4内に案内される。尚、毛羽制御装置4を開放状態にするとは、上述した糸押し込みレバーを糸保持位置から退避位置に移動させることであるが、糸押し込みレバーを設ける代わりに、いずれかの駆動軸16〜18を開閉自在に設け、糸切断時には、開閉自在な駆動軸16〜18を直ちに開放状態にするようにしてもよい。上糸吸引案内部材37は吸引口37aを有し、軸37bを中心として上下方向に旋回自在である。紡績糸Yが強制切断されると、下方の待機位置から上方の糸端捕捉位置に旋回し、吸引口37aにより巻取パッケージPに巻き取られた糸端(上糸)を吸引捕捉する。さらに、下方に旋回することにより、上糸が糸継装置本体35に案内される。そして、糸継装置本体35において、例えば圧縮空気等の流体を用いて上糸と下糸との糸継ぎが行われる。
【0018】
スラブキャッチャ6は例えば静電容量式又は光学式の糸太さ検出装置であって、スラブキャッチャ6からの信号をアナライザ40で処理することによりスラブ等の糸欠陥を検出する。糸欠陥が検出されると、付属のカッター6aで巻き上げ途中の紡績糸Yを切断し、糸継装置5による糸継ぎ動作において欠陥部分を除去するとともに、給糸パッケージB側の糸端と巻取パッケージP側の糸端とを糸継ぎする。
【0019】
給糸パッケージBと巻取パッケージPとの間で紡績糸Yがつながった状態で駆動ドラム7が回転すると、給糸パッケージBの紡績糸Yが巻取パッケージPに巻き返され、紡績糸Yが下から上へと走行する。紡績糸Yが走行すると、スラブキャッチャ6で糸太さ変動が検出され、これが検出されると、スラブキャッチャ6は、糸走行信号FWを制御部50に出力する。
【0020】
駆動ドラム7は、綾振り溝を備えた綾振りドラムとして構成され、巻取パッケージPと接触して巻取パッケージPを回転させるとともに、巻取パッケージPに巻き取られる紡績糸Yをトラバース運動させる。駆動ドラム7はインバータ42により回転速度が制御されるモータ41で駆動される。制御部50から出力される制御信号に基づいて、インバータ42を介してモータ41の回転速度が制御される。
【0021】
制御部50は、入力器51を備え、駆動ドラム7の駆動制御、張力付与装置3の駆動制御、毛羽制御装置4の制御(ディスク15の回転制御など)、糸継装置5の駆動制御を行う。尚、自動ワインダは、巻取りパッケージPに接触する駆動ドラム7により、給糸パッケージBから紡績糸Yを引き出して巻き取るものである。
【0022】
次に、上述した自動ワインダ1における毛羽抑制方法を説明する。
給糸パッケージBの交換時又は糸切れ時に、糸継ぎ動作が行われ、その後に紡績糸Yの駆動ドラム7による巻き上げが開始される。図1において、糸走行信号FWが制御部50に出力されると、即ち、糸継ぎ処理が成功したことを確認すると、制御部50は毛羽制御装置4の駆動を開始する(ディスク15を回転させ始める)。この状態が図4に示される。図4において、ディスク15の回転は、糸速の立ち上げと略同程度、又は糸速の立ち上げより早くなるように行われる。
【0023】
毛羽制御装置4には、巻取条件(紡績糸Yの大きさ等)に関わらず、40〜50mm直径のディスク15が使用される。また、自動ワインダ1の駆動ドラム7による紡績糸Yの走行速度は600〜1600m/minの範囲に設定される。このような使用状態に対して、糸走行中(図4の糸速度の立ち上げが完了した時点以降)ディスク15の回転数Rを5000〜22000rpmとする。好ましくは、8000〜16000rpmとする。本発明は、毛羽制御装置4による良好な毛羽抑制効果を達成、維持するためには、紡績糸Yの張力及び紡績糸Yとディスク15とのスリップ度合いを所定の範囲に維持する必要があることを見いだしたことに基づく。回転数Rが遅いと、紡績糸Y(巻取張力)の張力が高くなるとともに、紡績糸Yとディスク15のスリップ度合いが所定の範囲から外れ、毛羽抑制効果が低下する。そこで、回転数Rを早くすればよいということになるが、限界があることが判った。回転数Rが早くなりすぎると、紡績糸Yの張力(巻取張力)が低くなるとともに、紡績糸Yとディスク15とのスリップ度合いが所定の範囲から外れ、遅過ぎる場合と同様に毛羽抑制効果が低下する。このような知見は知れていなかったことである。
【0024】
ディスク15の周速をD(m/min)とし、糸速をS(m/min)とすると、(D/S)×(S/1000)を0.7〜3.5とする。ディスク15の周速が高過ぎると、紡績糸Yの張力(巻取張力)が低くなり、毛羽抑制効果が低下する。そこで、回転数Rを遅くすればよいということになるが、限界があることが判った。回転数Rが早くなっても、遅くなっても毛羽が増大する。このような知見は知られていなかったことである。
【0025】
以上説明した実施形態は、以下のように変更して実施することができる。
(1)糸押し込みレバーを用いるものに対して、三つの駆動軸16,17,18のうち、一つの駆動軸17を残りの駆動軸16,18に対して開閉自在にすることにより、作動領域に糸を挿入するものであってもよい。
【0026】
(2)ディスク15の回転数は、糸速度に合わせて一定である必要はなく、前記範囲内であれば、巻取りの進行に伴って増加又は減少させることも可能である。その場合、予め設定された速度変動パターンに従ってディスク15の回転数をフィードフォワード制御(シーケンス制御)してもよいし、糸道上に張力検出器を設け、その検出張力値に基づいてディスク15の回転数をフィードバック制御してもよい。いずれにしても、ディスク15の回転数及び/又は周速を上述した関係式を満たすように維持することが重要である。
【0027】
【実施例】
以下、実施例を図5〜図10により説明する。
〔実施例1〕
45mmの直径を有するディスク15を用いた毛羽制御装置を用い、綿糸Ne30の給糸パッケージを巻取パッケージに600m/minの糸速度で巻き返し、巻取りパッケージPに巻かれた紡績糸Yにおいて、3mmを超える長さの毛羽の10m当たりの数を検出した。このとき、ディスク15の回転数を2400〜32000rpmの間において8段階で変更した。また、比較のために、毛羽制御装置を通過する前の精紡ボビンに巻かれた紡績糸Yの毛羽数も測定した。なお、毛羽数は市販の毛羽測定器により検出した。この毛羽測定器は、紡績糸から3mm離れた地点を通過する光軸を横切る毛羽の数をカウントするものである。
【0028】
図5において、KDと表示があるものは、毛羽制御装置を用いて毛羽伏せ処理を行った後の紡績糸Yの毛羽数を示し、COPと表示があるものは、毛羽制御装置を用いて毛羽伏せ処理を行う前の紡績糸Yの毛羽数を示す。図5に示すように、ディスク回転数が低い場合、及びディスク回転数が高い場合には、毛羽制御装置による毛羽伏せ処理後の方が毛羽が増えている。毛羽制御装置による毛羽伏せ処理を行った後の毛羽数の増減の傾向を多項式で演算して黒線で表示した。黒線の底の部分に毛羽抑制の効果が現れている。
【0029】
また、図8に、ディスクの回転数の代わりに、前述した(D/S)×(S/1000)を横軸に用いた場合を示す。図8も図5と同様の傾向を示している。
【0030】
〔実施例2〕
巻き返しの糸速度を1000m/minと変更した以外は、実施例1と同じ条件である。図6に示すように、ディスク回転数が低い場合、及びディスク回転数が高い場合には、毛羽制御装置による毛羽伏せ処理後の方が毛羽が増えている。毛羽制御装置による毛羽伏せ処理後の毛羽数の増減の傾向を多項式で演算して黒線で表示した。また、図9に、ディスクの回転数の代わりに、前述した(D/S)×(S/1000)を横軸に用いた場合を示す。図9も図6と同様の傾向を示している。黒線の底の部分に毛羽抑制の効果が現れている。
【0031】
〔実施例3〕
巻き返しの糸速度を1400m/minと変更した以外は、実施例1と同じ条件である。図7に示すように、ディスク回転数が低い場合、及びディスク回転数が高い場合には、毛羽制御装置による毛羽伏せ処理後の方が毛羽が増えている。毛羽制御装置による毛羽伏せ処理後の毛羽数の増減の傾向を多項式で演算して黒線で表示した。また、図10に、ディスクの回転数の代わりに、前述した(D/S)×(S/1000)を横軸に用いた場合を示す。図10も図7と同様の傾向を示している。黒線の底の部分に毛羽抑制の効果が現れている。
【0032】
これら実施例1〜3の黒線の底部分の共通箇所を見ると、ディスク15の回転数Rが5000〜22000rpmの範囲で優れた毛羽抑制効果が見られ、好ましくは、8000〜16000rpmの範囲、より好ましくは10000〜15000rpmの範囲であることが判る。また、前述した(D/S)×(S/1000)を用いる場合、0.7〜3.5の範囲で優れた毛羽抑制効果が見られ、好ましくは1.1〜2.3の範囲であることが判る。
【0033】
【発明の効果】
請求項1又は2の自動ワインダにおける毛羽抑制方法によると、フリクションディスク型の毛羽制御装置を用いて効果的に毛羽抑制を行うことができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の毛羽抑制方法に用いられる自動ワインダの機器配置を示す正面図である。
【図2】毛羽制御装置のディスクの配置図である。
【図3】毛羽制御装置のディスクの正面図である。
【図4】毛羽制御装置のディスクの回転の立ち上げを示すグラフ図である。
【図5】毛羽抑制を示すグラフ図である。
【図6】毛羽抑制を示すグラフ図である。
【図7】毛羽抑制を示すグラフ図である。
【図8】毛羽抑制を示すグラフ図である。
【図9】毛羽抑制を示すグラフ図である。
【図10】毛羽抑制を示すグラフ図である。
【符号の説明】
1 自動ワインダ
4 毛羽制御装置
15 ディスク
16 第1駆動軸
17 第2駆動軸
18 第3駆動軸
Y 紡績糸
B 給糸パッケージ
P 巻取パッケージ
Claims (2)
- 給糸パッケージから解舒され、所定糸速度でもって巻取パッケージに巻き取られる紡績糸に接触し回転する複数のディスクの回転により紡績糸の毛羽を制御する自動ワインダの毛羽抑制方法において、前記糸速度が600〜1600m/min、前記ディスクの直径が40〜50mmの状態で通常巻取時中の前記ディスクの回転数を5000〜22000rpmとしたことを特徴とする自動ワインダの毛羽抑制方法。
- 給糸パッケージから解舒され、所定糸速度でもって巻取パッケージに巻き取られる紡績糸に接触し回転する複数のディスクの回転により紡績糸の毛羽を制御する自動ワインダの毛羽抑制方法において、前記糸速度をS(m/min)とし、前記ディスクの周速をD(m/min)とすると、(D/S)×(S/1000)が、0.7〜3.5としたことを特徴とする自動ワインダの毛羽抑制方法。
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