JP3743311B2 - 自動ワインダ - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、複数のディスクを用いた紡績糸の毛羽制御装置を備えた自動ワインダに関する。
【0002】
【従来の技術】
リング精紡機で生産された紡績糸を巻いた精紡ボビン(給糸パッケージの一例)は、自動ワインダに搬送される。この自動ワインダにおいては、リング精紡ボビンに巻かれた紡績糸の欠陥を除去しつつ、多数の精紡ボビンの紡績糸をつなぎ合わせることでコーンやチーズ状の巻取パッケージに巻き返している。
自動ワインダによる巻き返し工程は、精紡ボビンから解舒する紡績糸に張力を付与しつつ、この紡績糸を多数の糸ガイドなどを経て巻き返してパッケージとする工程である。従って、短繊維を撚って形成された紡績糸が糸ガイドなどを通過する度に摩擦を受け、巻き返し前の精紡ボビンの紡績糸に存在する毛羽が巻き返し後には増加するという傾向にある。
【0003】
そのため、自動ワインダなどの巻取機での巻き返し工程では、糸走行経路中に毛羽制御装置を設けて毛羽の発生を抑制することが行われている。この毛羽制御装置には、複数のフリクションディスクを備えており、複数のディスクの回転により、作用位置を走行する紡績糸に仮撚りを施し、紡績糸の表面から突出した毛羽を紡績糸を構成する繊維に巻き込ませることで毛羽伏せ処理を行う複数ディスク方式のものがある。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、この複数ディスク方式の毛羽制御装置を用いた自動ワインダでは、糸走行開始時に複数ディスク間の作用位置に紡績糸を挿入する必要があり、この挿入が難しい。そこで、特開平2001−106430号公報に開示のように、前記作用位置に向かって旋回自在な糸保持レバーを設け、この糸保持レバーの先端により紡績糸を作用位置に向かって押し込み、そのまま紡績糸を作用位置に保持するものが提案されている。
【0005】
しかしながら、別個の糸保持レバーにより、紡績糸を複数ディスク間の作用位置に保持する場合、糸切断時にレバーを直ちに退避させても、作用位置が複数ディスクで囲われたままであるため、切断された糸端が複数ディスクの中から素早く排出され難い場合があり、この場合ディスクへの糸巻き付けが発生する恐れがある。また、複数ディスクで囲われた作用位置に向かって紡績糸を糸保持レバーで押し込むため、特に太い紡績糸の場合、作用位置まで押し込むために強い力が必要となって、押し込まれる紡績糸に対するダメージが増加する恐れがある。
【0006】
本発明は、上記課題に鑑みなされたものであり、紡績糸にダメージを与えることなく、複数ディスク間の作用位置に紡績糸を挿入することが確実に行われるとともに、糸切断時に発生するディスクへの糸の巻き付きを確実に防止できる毛羽制御装置を備えた自動ワインダを提供することを目的とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明の請求項1の自動ワインダは、給糸パッケージから解舒され巻取パッケージに巻き取られる紡績糸に接触し回転する複数のディスクを、複数の駆動軸にそれぞれ取り付け、該複数のディスクの回転により紡績糸の毛羽を制御する毛羽制御装置と、給糸側の糸端と巻取側の糸端とをつなぐ糸継装置とを備える自動ワインダにおいて、前記複数の駆動軸の少なくとも一つを残りの駆動軸に対して移動して開閉する開閉手段と、糸端を捕捉した状態で移動することにより、その糸端を前記毛羽制御装置内に案内する糸端案内手段と、前記開閉手段の開閉及び前記糸端案内手段の移動を制御する制御手段とを設け、前記糸端案内手段は、給糸側の糸端を捕捉して前記毛羽制御装置内に案内する給糸側糸端案内手段であり、前記制御手段は、前記開閉手段が開放した状態で給糸側の糸端を毛羽制御装置に案内すべく、前記糸継装置の作動毎に前記開閉手段及び前記糸端案内手段を作動させることを特徴とする。
【0008】
給糸パッケージの交換時やスラブキャッチャの糸欠陥検出による紡績糸の強制切断時等に行われる糸継ぎ処理時には、制御手段が、糸継ぎ動作と連動させて開閉手段を制御し、糸継ぎ動作中、前記駆動軸の少なくとも一つを他の駆動軸に対して開く。そのため、切断された糸端の毛羽制御装置からの排出及び除去や、給糸側の糸端を糸継装置に案内する給糸側糸端案内手段による毛羽制御装置への紡績糸の挿入が確実に行われる。また、糸切断時に、駆動軸を直ちに開くことにより、複数ディスク内の作用位置が開放され、切断された糸端を吸引等により引き出すことにより、複数ディスク内から素早く排出して、ディスクへの糸巻き付きの発生を防止できる。さらに、駆動軸が開いた状態から給糸側の糸端を毛羽制御装置内に案内し、その後駆動軸を閉じることにより、紡績糸を毛羽制御装置内の作用位置に案内できるため、太い糸の場合でも少ない力で紡績糸を複数ディスク内に案内でき、作用位置に紡績糸を押し込む際のダメージも減少させることができる。
【0009】
本発明の請求項2の自動ワインダは、請求項1において、前記給糸側糸端案内手段は、前記糸継装置による糸継ぎ処理において、捕捉した給糸側の糸端を共通の動作により前記毛羽制御装置内及び糸継装置本体内に案内するものである。
これにより、糸継ぎ処理時に毛羽制御装置内に給糸側の糸端を案内する案内手段として、糸継装置本体内に給糸側の糸端を案内する給糸側糸端案内手段を使用できるので、毛羽制御装置内に糸端を案内するための特別な手段を設けることなく、毛羽制御装置内及び糸継装置本体内に糸端を略同時に確実に案内できる。
【0010】
本発明の請求項3の自動ワインダは、請求項1〜2のいずれかにおいて、前記給糸側糸端案内手段は、糸捕捉口が前記毛羽制御装置の上流側にある状態で待機しており、糸切断時に前記毛羽制御装置の上流側で給糸側の糸端を捕捉するのであることを特徴とする。
これにより、紡績糸の強制切断時には、毛羽制御装置の複数ディスク間の作用位置にある給糸側の糸端が、給糸側糸端案内手段により、直ちに吸い取られて、除去される。このように、糸切断時に、給糸側糸端案内手段により、給糸側の糸端が直ちに捕捉されるため、切断されてフリーとなった給糸側の糸端がディスクに巻き付くことがより確実に防止できる。
【0011】
本発明の請求項4の自動ワインダは、請求項1〜3のいずれかにおいて、糸切断を検出する検出手段を設け、前記制御手段は、前記検出手段により糸切断を検出すると、直ちに前記開閉手段を開き方向に作動させることを特徴とする。
紡績糸の強制切断時に、開閉自在な駆動軸に取り付けられたディスクが直ちに開放されるので、即ち、ディスクが回転している間にディスクが開放されるので、回転しているディスクに糸端が巻き付きにくくなり、給糸側糸端案内手段などによる糸端の捕捉が確実に行われる。
【0012】
本発明の請求項5の自動ワインダは、請求項1〜4のいずれかにおいて、前記糸継装置による糸継ぎ処理の成功を確認する確認手段を設け、前記制御手段は、前記確認手段により糸継ぎ処理の成功を確認した後に、前記糸継ぎ処理時に開放状態にあった駆動軸を閉じるべく前記開閉手段を閉じる方向に作動させるとともに前記糸継ぎ処理時に停止状態にあったディスクの回転を開始させることを特徴とする。
これにより、糸継ぎ処理が失敗した状態(糸がつながっていない状態)で駆動軸が閉じられてしまうことにより、糸継ぎ処理直後に紡績糸がディスクに巻き付いてしまうのを抑制できる。また、糸継ぎ処理時にディスクを停止状態にするので、ディスクの回転駆動用電力を節減できるとともに、開放状態にあった駆動軸を閉じるタイミングと停止状態にあったディスクの回転を開始させるタイミングとを調整することにより、駆動軸を閉鎖する際の紡績糸の飛び出しを防止することができる。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本実施形態における自動ワインダについて図1〜図4を参照して説明する。図1は、自動ワインダ1の機器配置図である。
【0014】
図1に示す自動ワインダ1は、給糸パッケージBの紡績糸Yの巻き上げ方向に、解舒補助装置2、撚り止め装置兼用の張力付与装置3、フリクションディスク式の毛羽制御装置4、糸継装置5、スラブキャッチャ6、駆動ドラム7を順に配設し、更にこれら各機器を制御する制御部(制御手段)50を備えている。
【0015】
撚り止め装置兼用の張力付与装置3は、解舒補助装置2を介して給糸パッケージB(給糸巻糸体)と毛羽制御装置4との間に配置され、固定の櫛歯11に対して可動の櫛歯12を交互に配置するゲート式のものである。櫛歯11に対して櫛歯12が図示されない揺動レバーにより噛み合わせ又は開放自在となっており、揺動レバーによる付勢力の程度はアクチュエータであるロータリソレノイド13により可変である。可動の櫛歯12に掛かる付勢力により、固定の櫛歯11と可動の櫛歯12との間にジグザグ状に屈曲するように通された紡績糸Yに所定の張力を付与する働きをする。また、この張力付与装置3は、櫛歯11と櫛歯12の噛み合わせ部分で、毛羽制御装置4の仮撚作用による給糸パッケージB側への撚りの伝播を制限する撚り止め装置としても機能する。
【0016】
毛羽制御装置4は、精紡ボビン(給糸パッケージ)Bから解舒されて巻取管Bfに巻取パッケージP(巻取巻糸体)として巻形成される紡績糸Yにディスク15により仮撚りを施すことで、紡績糸Yを構成する繊維群に毛羽を撚り込ませるものである。また、この毛羽制御装置4は、ディスク15の回転により、同時に紡績糸Yに送り出し力を付与するようになっている。図2は、毛羽制御装置4のディスク15の配置であり、図3は、毛羽制御装置4の上面図であり、図4は、手羽制御装置4の側面図である。
【0017】
図2乃至図4において、糸継装置5の下方(糸走行方向で上流側)に配設される毛羽制御装置4は、複数枚のフリクションディスク15と、第1駆動軸16と、第2駆動軸17と、第3駆動軸18と、回転駆動装置19と、開閉装置(開閉手段)20とを備えて成る。
【0018】
各ディスク15は、略平行に配置された第1〜第3駆動軸16〜18の夫々に複数枚ずつ(図示例では2枚ずつ)設けられている。第1駆動軸16は糸走行方向の下流側に配置された固定のブロック体(図示省略)に軸支され、第2駆動軸17と第3駆動軸18とは、第3駆動軸18を軸として軸と略直交する方向に揺動自在なブロック体21に軸支されている。回転駆動装置19は、第1駆動軸16と第3駆動軸18との間のベルト駆動22と、第2駆動軸17と第3駆動軸18との間のベルト駆動23と、第3駆動軸18とモータ24との間のベルト駆動25とからなり、第1〜第3駆動軸16〜18のディスク15を同方向に同時に回転駆動するものである。開閉装置20は、ブロック体21に軸支される第1リンク27と、一端が第1リンク27に軸支され、他端が位置固定である軸29に固定された第2リンク28と、一端が軸29に固定され、他端が駆動シリンダ31に連結されたレバー30と、駆動シリンダ31とからなる。駆動シリンダ31が短縮又は伸長すると、ブロック体21が第3駆動軸18を中心にして第1駆動軸16に対して接近又は離れる方向に揺動する。
【0019】
図2に示すように、閉じた状態(毛羽抑制処理状態)の第1〜第3駆動軸16〜18は、糸道に対して平行となるように、上方から見て正三角形の各頂点a〜cに夫々設けられ、異なる軸のディスク15同士を径方向で部分的に重なるように配置している。第1〜第3駆動軸16〜18の各ディスク15は下方から第3駆動軸18、第2駆動軸17、第1駆動軸16、第3駆動軸18、第2駆動軸17、第1駆動軸16の順に、軸方向にずらされて配置されている(図4参照)。
【0020】
そして、第1〜第3駆動軸16〜18を同方向に回転させることにより、ディスク15間の中心部Aに通され、各ディスク15の周面との接触でジグザグ状に屈曲された紡績糸YにS撚り又はZ撚りの仮撚りを施す。又、紡績糸Yが接触するディスク15の周面の糸走行方向の形状により、紡績糸Yに対し、ディスク15の回転力の分力成分が糸走行方向の下流側へ生じるようになっている。このため、毛羽制御装置4は、仮撚りと同時に、紡績糸Yを巻取パッケージP側に送り出す。ここで、中心部Aとは、第1〜第3駆動軸16〜18の径方向に部分的に重なる異なる2つの軸のディスク5の周面同士の交点d〜fの内側部分(異なる3つの軸のディスク15の共通の重なる部分)を示す。
【0021】
図2の二点鎖線に示すように、第2駆動軸17が開いた状態(開放状態)になると、第2駆動軸17のディスク15は、中心部Aから離れる。そのため、中心部Aに紡績糸をフリーで挿入したり、中心部Aから切断された糸端は屈曲作用を受けることなく、引き出し又は押し出しが可能になる。第2駆動軸17のディスク15が開いた状態で紡績糸Yを中心部Aに向けて挿入した後、第2駆動軸17のディスク15を閉じると、紡績糸Yは中心部Aに押し込まれ、ディスク15間の中心部A(作用位置)に紡績糸Yを保持する状態になる。
【0022】
糸継装置5は、切り離された給糸パッケージB側の紡績糸Y(糸端)と巻取パッケージP側の紡績糸Y(糸端)とをつなぎ合わせる糸継ぎ処理を行うものある。この糸継装置5は、糸継装置本体35と、給糸パッケージB側の糸端を糸継装置本体35に導く下糸吸引案内部材(下糸案内手段)36と、巻取パッケージP側の糸端を糸継装置本体35に導く上糸吸引案内部材(上糸案内手段)37とを備えている。給糸側糸端案内手段である下糸吸引案内部材36は、開閉自在な吸引口36a(糸捕捉口)が張力付与装置3の下方に位置する状態(図1に示す状態)を待機位置とし、軸36bを中心として上下方向に旋回自在である。即ち、下糸吸引案内部材36は、糸巻取中における待機状態では、糸捕捉口である吸引口36aが毛羽制御装置4の上流側(毛羽制御装置4と給糸パッケージP8との間)に位置しており、糸切断時には、給糸側の糸端(下糸)を直ちに捕捉できるようになっている。紡績糸Yが強制切断されると、毛羽制御装置4及び撚り止め装置兼用の張力付与装置3が開放状態となり、給糸側の糸端が吸引口36aに吸引される。吸引口36aで糸端(下糸)を保持した状態で下糸吸引案内部材36が下方の待機位置から上方の案内位置に旋回すると、その一度の旋回動作により、下糸が糸継装置本体35内、張力付与装置3内及び毛羽制御装置4内に略同時に案内される。上糸吸引案内部材37は吸引口37aを有し、軸37bを中心として上下方向に旋回自在である。紡績糸Yが強制切断されると、下方の待機位置から上方の糸端捕捉位置に旋回し、吸引口37aにより巻取パッケージPに巻き取られた糸端(上糸)を吸引捕捉する。さらに、下方に旋回することにより、上糸が糸継装置本体35に案内される。そして、糸継装置本体35において、例えば圧縮空気等の流体を用いて上糸と下糸との糸継ぎが行われる。
【0023】
スラブキャッチャ6は例えば静電容量式又は光学式の糸太さ検出装置であって、スラブキャッチャ6からの信号をアナライザ40で処理することによりスラブ等の糸欠陥を検出する。糸欠陥が検出されると、付属のカッター6aで巻き上げ途中の紡績糸Yを切断し、糸継装置5による糸継ぎ動作において欠陥部分を除去するとともに、給糸パッケージB側の糸端と巻取パッケージP側の糸端とを糸継ぎする。
【0024】
給糸パッケージBと巻取パッケージPとの間で紡績糸Yがつながった状態で駆動ドラム7が回転すると、給糸パッケージBから解舒された紡績糸Yが巻取パッケージPに巻き返され、紡績糸Yが下から上へと走行する。紡績糸Yが走行すると、スラブキャッチャ6で糸太さ変動が検出され、これが検出されると、スラブキャッチャ6は、糸走行信号FWを制御部50に出力する。
【0025】
給糸パッケージBの紡績糸Yが消尽し、新たな給糸パッケージBと交換した時や、スラブキャッチャ6で糸欠陥を検出して強制的に糸切断した時などに糸継装置5で糸継ぎ処理を行うが、糸継ぎ処理後、駆動ドラム7を回転させると、糸継ぎ処理が成功したときには糸走行信号FWが出力される。逆に糸継ぎ処理が失敗したときには糸走行信号FWが出力されない。したがって、糸走行信号FWの出力を確認(駆動ドラム7を回転させて紡績糸Yが走行することを確認)することで、糸継ぎ処理が成功したことを確認することができる。なお、糸走行信号FWの確認は、制御部50で行われる。このようにスラブキャッチャ6及び制御部50は、紡績糸Yの糸継ぎ処理が成功したことを確認する確認手段を構成する。また、糸継ぎ処理時に、糸走行信号FWが出力されなくなることにより、糸切断が検出される。このように、スラブキャッチャ6及び制御部50は、紡績糸Yの切断を検出する検出手段を構成する。
【0026】
駆動ドラム7は、綾振り溝を備えた綾振りドラムとして構成され、巻取パッケージPと接触して巻取パッケージPを回転させるとともに、巻取パッケージPに巻き取られる紡績糸Yをトラバース運動させる。駆動ドラム7はインバータ42により回転速度が制御されるモータ41で駆動される。制御部50から出力される制御信号に基づいて、インバータ42を介してモータ41の回転速度が制御される。
【0027】
制御部50は、入力器51を備え、駆動ドラム7の駆動制御、毛羽制御装置4の制御(ディスク15の回転制御、第2駆動軸17の開閉制御)、糸継装置5の駆動制御を行う。図5に示される様に、糸継ぎ後に駆動ドラム7を回転させ、スラブキャッチャ6からの糸走行信号FWが発信されると、直ぐに毛羽制御装置1の第2駆動軸17を閉じ、その後直ぐにフリクションディスク15の回転を開始させる。すなわち、制御部50は、紡績糸Yの糸継ぎ処理が成功したか否かを確認し、糸継ぎ処理が成功したことを確認した後に、糸継ぎ処理時に開放状態にあったディスク15を閉じるとともに、糸継ぎ処理時に停止状態にあったディスク15の回転を開始させるよう、毛羽制御装置4を制御する。また、図5に示される様に、糸切断によりスラブキャッチャ6からの糸走行信号FWが発信されなくなると、直ちにディスク15を開くとともに、ディスク15の回転を停止させるためにディスク回転用モータ24に対する電力供給を停止させる。ディスク15を含む回転部材には慣性があるため、ディスク15が開き切ると略同時又は開ききった後で、ディスク15が完全に停止する。すなわち、制御部50は、紡績糸Yの切断を検出し、ディスク15の惰性回転が止まるまでに、ディスク15を開くよう、毛羽制御装置4を制御する。このように、糸切断後所定時間の間はディスク15は回転状態にあるが、糸切断後直ちにディスク15を開放させるため、切断された糸端が回転状態にあるディスク15に巻き付くのを防止できるとともに、下糸吸引案内部材36による糸捕捉が確実に行える。尚、制御部50は、糸切断後直ちに下糸案内部材36による糸捕捉を行うべく下糸案内部材36を制御する。即ち、制御部50は、糸切断後、ディスク15が開き切るまでに(ディスクの開き動作中に)下糸案内部材による糸捕捉を行うので、給糸側の糸端は確実に捕捉できる。
【0028】
次に、上述した自動ワインダ1の作動を図1及び図5を参照して説明する。
図1は、紡績糸Yが巻き取られている状態、即ち、給糸パッケージBと巻取パッケージPとの間で紡績糸Yがつながっている状態を示しているが、ここでは、紡績糸Yがつながっていない状態、即ち、給糸パッケージBの交換後又はスラブキャッチャ6の糸欠陥検出による紡績糸Yの強制切断後又は高張力等の原因による自然糸切れ後から説明する。このときには、ディスク15の回転は停止し、ディスク15は開いた状態にある。
【0029】
給糸パッケージBの交換後又はスラブキャッチャの糸欠陥検出による紡績糸Yの強制切断後又は高張力等の原因による自然糸切れ後、糸継装置5により、紡績糸Yの糸継ぎ処理が行われ、駆動ドラム7を回転させる。制御部50は、巻取開始直後、紡績糸Yの糸継ぎ処理が成功したか否か、即ち紡績糸Yがつながったか否かをスラブキャッチャ6から糸走行信号FWにより検出する。また、制御部50は、糸継ぎ処理が成功し紡績糸Yがつながったと確認されるまでは、各ディスク15の回転を開始させず、ディスク15が開いた状態(図2参照:二点鎖線)に維持する(図5中の#1)。したがって、糸継ぎ処理の失敗により紡績糸Yがつながっていない状態において、毛羽制御装置4が閉鎖状態(駆動軸17が閉じた状態)で各ディスク15が回転されることはない。
【0030】
ここで、紡績糸Yがつながったか否かの確認は、紡績糸Yがつながっている状態で駆動ドラム7を回転させると紡績糸Yは走行するが、紡績糸Yがつながっていない状態では駆動ドラム7を回転させても紡績糸Yが走行しないことを利用し、スラブキャッチャ6により糸太さに応じた電気信号の変動に基づいて発生する糸走行信号FWを基に行われる。そして、糸継ぎ処理後、紡績糸Yが正常に走行する場合、即ち駆動ドラム7の正転開始直後にスラブキャッチャ6から制御部50に糸走行信号FWが入力される場合に、紡績糸Yがつながっていると判定し、紡績糸Yが走行しない場合、即ち糸継ぎ処理後に駆動ドラム7の正転を開始した直後に糸走行信号FWが入力されない場合に紡績糸Yがつながっていないと判定する。
【0031】
糸走行信号FWが入力されると直ちに、即ち紡績糸Yがつながり紡績糸Yの走行が開始されたことが確認されると直ちに(図5中の#2)、糸継ぎ処理時に開放状態にあったディスク15を閉じるとともに、閉じ終わりのタンミング(少なくとも閉鎖動作中のディスク15の周面に紡績糸Yが接触した後)に各ディスク15を同方向へ回転させ始める。ここで、ディスク15が開いたままで(少なくとも閉鎖動作中のディスク15の周面に紡績糸Yが接触する前に)、ディスク15を回転させると、三つの駆動軸16〜18のディスク15が一斉に駆動されるため、固定側の駆動軸のディスク15により糸が中心部A(図2参照)から押し出されることがあるが、制御部50は、ディスク15を閉じてから(開放状態にあるディスク15の閉鎖完了と略同時又は閉鎖完了後)、ディスク15を回転させるため、紡績糸Yが中心部Aから飛び出すことがない。
【0032】
制御部50は、駆動ドラム7の回転速度が設定糸走行速度(設定巻取速度)に対応する回転速度C1になるまで駆動ドラムDの回転速度を直線勾配をもって増加させるとともに、ディスク15の回転速度が設定回転速度C2になるまでディスク15の回転速度を直線勾配をもって増加させる(図5中の#3)。なお、本実施の形態では、駆動ドラム7の回転速度が設定速度C1になった時点で十分な毛羽伏せ効果が得られるようにするため、駆動ドラム7の回転速度がC1になるより前にディスク15の回転速度がC2になるように設定している。
【0033】
駆動ドラム7とディスク15の回転速度が夫々C1、及びC2となった後、夫々の回転速度を一定に維持しながら、紡績糸Yを巻取パッケージPに巻き返す(図5中の#4)。
【0034】
糸切れ等により糸走行信号FWが入力されなくなると、即ち紡績糸Yが走行しない状態となると、制御部50は、駆動ドラム7とディスク15とが静止するように駆動ドラム7とディスク15とを制御する(図5中の#5)。このとき、制御部50は、ディスク15を開くと略同時に、ディスク15の減速を開始し、ディスク15が慣性で回転している間に、ディスク15が開き切るように制御している。ここで、ディスク15を開くことを先ず優先することにより、中心部A(図2参照)から糸端が開放され、回転中のディスク15に糸が巻き付くことが防止できる。また、下糸吸引案内部材36による下糸の吸引及び捕捉が確実に行われる。
【0035】
以上説明した実施形態は、以下のように変更して実施することができる。
(1)三つの駆動軸16,17,18のうち、一つの駆動軸17を残りの駆動軸16,18に対して開閉自在にするものに限らず、三つの駆動軸16,17,18のうち、二つの駆動軸16,17を残りの駆動軸18に対して開閉自在にすることができる。
【0036】
(2)開閉手段20は、リンク27,28と駆動シリンダ31とを用いるものに限らず、駆動モータで作動させるものなど、種々の駆動形態を採用できる。
【0037】
(3)駆動軸16,17,18を回転自在に支持する構造としては、一端側のみを支持する片持支持に限定されることはなく、両端を軸受により支持する両持支持にしてもよい。
【0038】
(4)ベルト駆動22,23の構造は図示例に限定されない。例えば、ディスク回転駆動様のモータ24と第1,第3駆動軸16,18との間に三角形状の一本のベルトを巻回し、開閉自在な第2駆動軸17とその開閉運動の中心となる第3駆動軸18との間にもう1本のベルトを巻回することもできる。
【0039】
【発明の効果】
請求項1の自動ワインダは、糸切断時に駆動軸を直ちに開いて、切断された糸端を複数ディスク内から素早く排出して、ディスクへの糸巻き付きの発生を防止できるとともに、駆動軸が開いた状態で紡績糸を挿入し、その後駆動軸を閉じることにより、太い糸の場合でも少ない力で紡績糸を複数ディスク内に案内し、糸のダメージも減少させることができるという効果を奏する。
【0040】
請求項2の自動ワインダは、糸継ぎ処理時に毛羽制御装置内に給糸側の糸端を案内する案内手段として、糸継装置本体内に給糸側の糸端を案内する給糸側糸端案内手段を使用できるので、毛羽制御装置内に糸端を案内するための特別な手段を設けることなく、毛羽制御装置内及び糸継装置本体内に糸端を略同時に確実に案内できるという効果を奏する。
【0041】
請求項3の自動ワインダは、糸切断時に、給糸側糸端案内手段により、給糸側の糸端を直ちに捕捉するため、切断されてフリーとなった給糸側の糸端がディスクに巻き付くことがより確実に防止できるという効果を奏する。
【0042】
請求項4の自動ワインダは、ディスクが回転している間にディスクを開放し、回転しているディスクに糸端が巻き付きにくくなり、給糸側糸端案内手段などによる糸端の捕捉が確実に行われるという効果を奏する。
【0043】
請求項5の自動ワインダは、糸継ぎ処理が失敗した状態で駆動軸が閉じられてしまい、糸継ぎ処理直後に紡績糸がディスクに巻き付いてしまうのが抑制できるとともに、開放状態にあった駆動軸を閉じるタイミングと停止状態にあったディスクの回転を開始させるタイミングとを調整することにより、駆動軸を閉鎖する際の紡績糸の飛び出しを防止することができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の自動ワインダの機器配置を示す正面図である。
【図2】毛羽制御装置のディスクの配置図である。
【図3】毛羽制御装置の上面図である。
【図4】毛羽制御装置の側面図である。
【図5】本発明の自動ワインダの作動を説明するためのタイムチャート図である。
【符号の説明】
1 自動ワインダ
4 毛羽制御装置
5 糸継装置
6 スラブキャッチャ(糸切断の検出手段、糸継ぎ処理成功の確認手段)
15 ディスク
16 第1駆動軸
17 第2駆動軸
18 第3駆動軸
20 開閉装置(開閉手段)
35 糸継装置本体
36 下糸吸引案内部材(給糸側糸端案内手段)
50 制御部(制御手段)
Y 紡績糸
B 給糸パッケージ
P 巻取パッケージ
Claims (5)
- 給糸パッケージから解舒され巻取パッケージに巻き取られる紡績糸に接触し回転する複数のディスクを、複数の駆動軸にそれぞれ取り付け、該複数のディスクの回転により紡績糸の毛羽を制御する毛羽制御装置と、給糸側の糸端と巻取側の糸端とをつなぐ糸継装置とを備える自動ワインダにおいて、前記複数の駆動軸の少なくとも一つを残りの駆動軸に対して移動して開閉する開閉手段と、糸端を捕捉した状態で移動することにより、その糸端を前記毛羽制御装置内に案内する糸端案内手段と、前記開閉手段の開閉及び前記糸端案内手段の移動を制御する制御手段とを設け、前記糸端案内手段は、給糸側の糸端を捕捉して前記毛羽制御装置内に案内する給糸側糸端案内手段であり、前記制御手段は、前記開閉手段が開放した状態で給糸側の糸端を毛羽制御装置に案内すべく、前記糸継装置の作動毎に前記開閉手段及び前記糸端案内手段を作動させることを特徴とする自動ワインダ。
- 前記給糸側糸端案内手段は、前記糸継装置による糸継ぎ処理において、捕捉した給糸側の糸端を共通の動作により前記毛羽制御装置内及び糸継装置本体内に案内するものである請求項1に記載の自動ワインダ。
- 前記給糸側糸端案内手段は、糸捕捉口が前記毛羽制御装置の上流側にある状態で待機しており、糸切断時に前記毛羽制御装置の上流側で給糸側の糸端を捕捉するものであることを特徴とする請求項2に記載の自動ワインダ。
- 糸切断を検出する検出手段を設け、前記制御手段は、前記検出手段により糸切断を検出すると、直ちに前記開閉手段を開き方向に作動させることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の自動ワインダ。
- 前記糸継装置による糸継ぎ処理の成功を確認する確認手段を設け、前記制御手段は、前記確認手段により糸継ぎ処理の成功を確認した後に、前記糸継ぎ処理時に開放状態にあった駆動軸を閉じるべく前記開閉手段を閉じる方向に作動させるとともに、前記糸継ぎ処理時に停止状態にあったディスクの回転を開始させることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の自動ワインダ。
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