JPWO2012091088A1 - ポリイミド膜形成用塗布液、液晶配向剤、ポリイミド膜、液晶配向膜及び液晶表示素子 - Google Patents

ポリイミド膜形成用塗布液、液晶配向剤、ポリイミド膜、液晶配向膜及び液晶表示素子 Download PDF

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Abstract

テトラカルボン酸成分とジアミン成分とを重合反応させ得られるポリイミド前駆体、及びこれをイミド化したポリイミドから選択される少なくとも一方のポリマーと、ジアミン化合物の二つのアミノ基のそれぞれにメルドラム酸構造を導入した下記の式[A]で表される二官能化合物とを含有するポリイミド膜形成用塗布液、該塗布液からなる液晶配向剤、該塗布液を基板に塗布し焼成して得られるポリイミド膜、前記ポリマーが下記の式[A]で表される二官能化合物で架橋されたポリイミドからなるポリイミド膜、該ポリイミド膜からなる液晶配向膜、及び該液晶配向膜を具備する液晶表示素子。(式中、Y、R1及びR2は、請求項1又は4で規定される基)

Description

本発明は、新規のポリイミド膜形成用塗布液及び液晶配向剤、これらを用いて形成したポリイミド膜及び液晶配向膜、並びに液晶表示素子に関する。
液晶表示素子において、液晶配向膜は液晶を一定の方向に配向させるという役割を担っている。現在、工業的に利用されている主な液晶配向膜は、ポリイミド前駆体であるポリアミド酸(ポリアミック酸ともいわれる。)、ポリアミック酸エステルや、ポリイミドの溶液からなるポリイミド系の液晶配向剤を、基板に塗布し成膜することで作製される。また、基板面に対して液晶を平行配向又は傾斜配向させる場合は、成膜した後、更にラビングによる表面延伸処理が行われている。また、ラビング処理に代わるものとして偏光紫外線照射等による異方性光化学反応を利用する方法も提案されており、近年では工業化に向けた検討が行われている。
このような液晶表示素子の表示特性の向上のために、ポリアミック酸、ポリアミック酸エステルやポリイミドの構造の変更、特性の異なるポリアミック酸、ポリアミック酸エステルやポリイミドのブレンドや、添加剤を加える等の手法により、液晶配向性や電気特性等の改善や、プレチルト角のコントロール等が行われている。
ポリイミドの構造によってプレチルト角を制御する技術の中でも、側鎖を有するジアミンをポリイミド原料の一部として用いる方法は、このジアミンの使用割合に応じてプレチルト角が制御できるので、目的のプレチルト角にせしめることが比較的容易であり、プレチルト角を大きくする手段として有用である。液晶のプレチルト角を大きくするジアミンの側鎖構造としては、長鎖のアルキル基又はフルオロアルキル基(例えば特許文献1参照)、環状基又は環状基とアルキル基の組み合わせ(例えば特許文献2参照)、ステロイド骨格(例えば特許文献3参照)などが知られている。
また、このように液晶のプレチルト角を大きくする為のジアミンは、プレチルト角の安定性やプロセス依存性を改善するための構造検討もされており、ここで用いられる側鎖構造としては、フェニル基やシクロヘキシル基などの環構造を含むものが提案されている(例えば特許文献4,5参照)。更には、このような環構造を3個から4個側鎖に有するジアミンも提案されている(例えば特許文献6参照)。
近年、液晶表示素子が、大画面の液晶テレビや高精細なモバイル用途(デジタルカメラや携帯電話の表示部分)に広く実用化されるのに伴い、従来に比べて使用される基板の大型化、基板段差の凹凸が大きくなってきている。そのような状況においても、表示特性の点から大型基板や段差に対して、均一に液晶配向膜が塗布されることが求められてきた。
液晶配向膜の作製の工程において、ポリアミック酸の溶液や溶媒可溶性ポリイミドの溶液を基板に塗布する場合、工業的にはフレキソ印刷などで行うことが一般的である。塗布液の溶媒は、樹脂の溶解性に優れる溶媒(以下、良溶媒ともいう)であるN−メチル−2−ピロリドンやγ−ブチロラクトンなどに加えて、塗膜均一性を高めるために、樹脂の溶解性が低い溶媒(以下、貧溶媒ともいう)であるブチルセロソルブなどが混合されている。しかしながら、貧溶媒は、ポリアミック酸やポリイミドを溶解させる能力に劣る為、多量に混合すると析出が発生する(例えば特許文献7参照)。特に、溶媒可溶性ポリイミドの溶液では、この問題が顕著に表れる。また、前記したような側鎖を有するジアミンを使用して得られるポリイミドは、溶液の塗布均一性が低下する傾向にあるため、貧溶媒の混合量を多くする必要があり、このような溶媒の混合許容量もポリイミドの重要な特性となる。
また、液晶表示素子の高性能化、大面積化、表示デバイスの省電力化などが進み、それに加え、様々な環境下での使用がされるようになり、液晶配向膜に求められる特性も厳しいものになってきた。特に、液晶配向剤を基板に塗布した際にタクトタイムが長くなることによる析出や分離による印刷不良の発生や、蓄積電荷(RDC)による焼き付きなどの問題が課題となっており、従来の技術ではこの両者を同時に解決することは難しい。
このように、ポリイミド系液晶配向膜においては、所望の特性を改善するために種々のジアミン成分を原料の一部として用いることが行われるが、他の特性との関係においては所望のジアミン成分を自由に用いることができない場合もある。
さらに、ポリイミドはその特徴である高い機械的強度、耐熱性、耐溶剤性のために、液晶配向膜以外に、電気・電子分野における保護材料、絶縁材料として広く用いられており、このような材料として用いられる場合にも、同様にポリイミドの原料となるジアミン成分を改良することが行われるが、所望のジアミン成分を自由に用いることができない点も同様である。そして、これら所望の特性の改善は、容易に行なえることが望まれている。
特開平2−282726号公報 特開平3−179323号公報 特開平4−281427号公報 特開平9−278724号公報 国際公開第2004/52962号パンフレット 特開2004−67589号公報 特開平2−37324号公報
本発明の課題は、上述の従来技術の問題点を解決することにあり、容易に種々の特性を比較的自由に改善したポリイミド膜を得ることができるポリイミド膜形成用塗布液及び液晶配向剤、これらを用いて形成したポリイミド膜及び液晶配向膜、並びに液晶表示素子を提供することにある。
上記課題を解決する本発明のポリイミド膜形成用塗布液は、テトラカルボン酸及びその誘導体から選択される少なくとも一種のテトラカルボン酸成分とジアミン成分とを重合反応させることにより得られるポリイミド前駆体、及びこのポリイミド前駆体をイミド化して得られるポリイミドから選択される少なくとも一方のポリマーと、ジアミン化合物の二つのアミノ基のそれぞれにメルドラム酸構造を導入した下記式[A]で表される二官能化合物とを含有することを特徴とする。
Figure 2012091088
(式中、Yは前記ジアミン化合物由来の2価の有機基を表し、R及びRはそれぞれ−H、または、ベンゼン環、シクロヘキサン環、ヘテロ環、フッ素、エーテル結合、エステル結合、アミド結合を任意の場所に含んでいてもよい炭素原子数が1〜35の一価の有機基であり、Yの一部と連結し環を形成していてもよく、また、R及びRは同一でも異なっていてもよい。)
本発明の液晶配向剤は、上記ポリイミド膜形成用塗布液からなることを特徴とする。
また、本発明のポリイミド膜は、上記ポリイミド膜形成用塗布液を基板に塗布し、焼成して得られることを特徴とする。
そして、本発明のポリイミド膜は、テトラカルボン酸及びその誘導体から選択される少なくとも一種のテトラカルボン酸成分とジアミン成分とを重合反応させることにより得られるポリイミド前駆体、及びこのポリイミド前駆体をイミド化して得られるポリイミドから選択される少なくとも一方のポリマーが、ジアミン化合物の二つのアミノ基のそれぞれにメルドラム酸構造を導入した下記式[A]で表される二官能化合物で架橋されたポリイミドからなることを特徴とする。
Figure 2012091088
(式中、Yは前記ジアミン化合物由来の2価の有機基を表し、R及びRはそれぞれ−H、または、ベンゼン環、シクロヘキサン環、ヘテロ環、フッ素、エーテル結合、エステル結合、アミド結合を任意の場所に含んでいてもよい炭素原子数が1〜35の一価の有機基であり、Yの一部と連結し環を形成していてもよく、また、R及びRは同一でも異なっていてもよい。)
また、本発明の液晶配向膜は、上記ポリイミド膜からなることを特徴とする。
また、本発明の液晶表示素子は、上記液晶配向膜を具備することを特徴とする。
本発明によれば、ジアミン化合物の二つのアミノ基のそれぞれにメルドラム酸構造を導入した上記式[A]で表される二官能化合物を含有する液晶配向剤等のポリイミド膜形成用塗布液とすることにより、種々の特性を比較的自由に改善した液晶配向膜等のポリイミド膜を得ることができる。そして、上記式[A]で表される二官能化合物は、ジアミン化合物の二つのアミノ基のそれぞれにメルドラム酸構造を導入したものであり、このジアミン化合物として、従来検討されていた所望の特性を得るためのジアミン成分を適用することができるため、得られるポリイミド膜の種々の特性を、容易に改善することができる。また、本発明のポリイミド膜形成用塗布液が含有するポリイミド前駆体やポリイミドは、加熱により上記式[A]で表される二官能化合物で架橋されるため、得られるポリイミド膜は、有機溶剤に対する耐性があり、また硬い膜となるという効果も奏する。
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明のポリイミド膜形成用塗布液は、ジアミン化合物の二つのアミノ基のそれぞれにメルドラム酸構造を導入した下記式[A]で表される二官能化合物を含有するものである。
Figure 2012091088
(式中、Yは前記ジアミン化合物由来の2価の有機基を表し、R及びRはそれぞれ−H、または、ベンゼン環、シクロヘキサン環、ヘテロ環、フッ素、エーテル結合、エステル結合、アミド結合を任意の場所に含んでいてもよい炭素原子数が1〜35の一価の有機基であり、Yの一部と連結し環を形成していてもよく、また、R及びRは同一でも異なっていてもよい。)
上記式[A]において、Yは上述したように、上記式[A]で表される二官能化合物の原料であるジアミン化合物由来の2価の有機基であり、その構造は特に限定されないが、Yの具体例としては、下記式(Y−1)〜(Y−120)で表される2価の有機基などが挙げられる。中でも、得られるポリイミド膜を液晶配向膜として使用する場合、良好な液晶配向性を得るためには、直線性の高いジアミン化合物を原料とする構造であることが好ましく、このようなYとしては、(Y−7)、(Y−10)、(Y−11)、(Y−12)、(Y−13)、(Y−21)、(Y−22)、(Y−23)、(Y−25)、(Y−26)、(Y−27)、(Y−41)、(Y−42)、(Y−43)、(Y−44)、(Y−45)、(Y−46)、(Y−48)、(Y−61)、(Y−63)、(Y−64)、(Y−65)、(Y−66)、(Y−67)、(Y−68)、(Y−69)、(Y−70)、(Y−71)、(Y−78)、(Y−79)、(Y−80)、(Y−81)、(Y−82)や(Y−109)などが挙げられる。また、得られるポリイミド膜を、液晶のプレチルト角を高くするための液晶配向膜とする場合は、側鎖に長鎖アルキル基(例えば炭素数10以上のアルキル基)、芳香族環、脂肪族環、ステロイド骨格、又はこれらを組み合わせた構造を有するジアミン化合物を原料とする構造であることが好ましく、このようなYとしては、(Y−83)、(Y−84)、(Y−85)、(Y−86)、(Y−87)、(Y−88)、(Y−89)、(Y−90)、(Y−91)、(Y−92)、(Y−93)、(Y−94)、(Y−95)、(Y−96)、(Y−97)、(Y−98)、(Y−99)、(Y−100)、(Y−101)、(Y−102)、(Y−103)、(Y−104)、(Y−105)、(Y−106)、(Y−107)、又は(Y−108)などが挙げられるが、これに限定されるものではない。また、液晶表示素子の電気特性を向上させたい場合は、(Y−31)、(Y−40)、(Y−64)、(Y−65)、(Y−66)、(Y−67)、(Y−109)、(Y−110)などが挙げられる。また、液晶配向膜に光反応性を付与させたい場合は、(Y−17)、(Y−18)、(Y−111)、(Y−112)、(Y−113)、(Y−114)、(Y−115)、(Y−116)、(Y−117)、(Y−118)、(Y−119)などが挙げられる。
Figure 2012091088
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ジアミン化合物の二つのアミノ基のそれぞれにメルドラム酸構造を導入した上記式[A]で表される二官能化合物は、例えば、オルトギ酸トリメチル中、または、オルトギ酸トリエチル中、あるいは、一般的な有機合成で用いられる有機溶媒(例えば、酢酸エチル、ヘキサン、トルエン、テトラヒドロフラン、アセトニトリル、メタノール、クロロホルム、1,4−ジオキサン、N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチル−2−ピロリドン)中で、オルトギ酸トリメチルやオルトギ酸トリエチルと共に、下記式[B]で表されるジアミン化合物とメルドラム酸を反応させることにより製造することができる。下記式[B]で表されるジアミン化合物として、従来検討されていた所望の特性を得るためのジアミン成分、すなわち、テトラカルボン酸成分と重合反応させてポリイミド前駆体やポリイミドを製造するためのジアミン成分であって所望の特性を得るためのジアミン成分を適用することができる。なお、反応温度や反応時間に特に制限はないが、例えば60〜120℃、30分〜2時間程度反応させればよい。
Figure 2012091088
(Y、R及びRは、上記式[A]におけるY、R及びRと同じである。)
勿論、上記式[A]で表される二官能化合物は、1種類でもよく、また、2種類以上を併用してもよい。
また、本発明のポリイミド膜形成用塗布液は、テトラカルボン酸及びその誘導体から選択される少なくとも一種のテトラカルボン酸成分とジアミン成分とを重合反応させることにより得られるポリイミド前駆体、及びこのポリイミド前駆体をイミド化して得られるポリイミドから選択される少なくとも一方のポリマーを含有する。勿論、このポリイミド前駆体やポリイミドは、1種類でもよく、また、2種類以上を併用してもよい。なお、ポリイミド前駆体とは、ポリアミック酸及びポリアミック酸エステルを指す。
本発明のポリイミド膜形成用塗布液が含有するポリイミド前駆体は、上述したようにテトラカルボン酸及びその誘導体から選択される少なくとも一種のテトラカルボン酸成分とジアミン成分とを重合反応させることにより得られるものである。
ジアミン成分としては、例えば、上記式[B]で表されるジアミン化合物が挙げられる。また、従来ジアミン成分とテトラカルボン酸成分とを反応させてポリイミド前駆体を得る際に用いられているジアミン成分を用いることができる。なお、このポリイミド前駆体の原料であるジアミン成分を、一部または全部が上記式[A]で表される二官能化合物の原料であるジアミン化合物と同一の化合物としてもよく、また、ジアミン成分と上記式[A]で表される二官能化合物の原料であるジアミン化合物とを異なる化合物としてもよい。
また、テトラカルボン酸及びその誘導体から選択される少なくとも一種のテトラカルボン酸成分として、従来ジアミン成分とテトラカルボン酸成分とを反応させてポリイミド前駆体を得る際に用いられているテトラカルボン酸成分を用いることができる。テトラカルボン酸誘導体としては、テトラカルボン酸ジハライド、下記式[C]で表されるテトラカルボン酸二無水物、テトラカルボン酸ジエステルジクロリド、テトラカルボン酸ジエステル等が挙げられる。例えば、テトラカルボン酸ジハライド、テトラカルボン酸二無水物など、テトラカルボン酸又はその誘導体と、ジアミン成分とを反応させることで、ポリアミック酸を得ることができる。また、テトラカルボン酸ジエステルジクロリドと、ジアミン成分との反応や、テトラカルボン酸ジエステルとジアミン成分とを適当な縮合剤や、塩基の存在下等にて反応させることにより、ポリアミック酸エステルを得ることができる。
Figure 2012091088
(Xは4価の有機基である。)
上記式[C]のXの具体例としては、下記式(X−1)〜(X−46)で表される4価の有機基が挙げられる。化合物の入手性の観点から、Xは、(X−1)、(X−2)、(X−3)、(X−4)、(X−5)、(X−6)、(X−8)、(X−16)、(X−17)、(X−19)、(X−21)、(X−25)、(X−26)、(X−27)、(X−28)、(X−32)や(X−46)であることが好ましい。得られるポリイミド膜の透明性を向上させたい場合は、脂肪族及び脂肪族環構造を有するテトラカルボン酸二無水物を用いることが好ましく、Xとしては、(X−1)、(X−2)、及び(X−25)がより好ましく、ジアミン成分との反応性の観点から、(X−1)がさらに好ましい。
Figure 2012091088
テトラカルボン酸ジエステルの具体例としては、1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸ジアルキルエステル、1,2−ジメチル−1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸ジアルキルエステル、1,3−ジメチル−1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸ジアルキルエステル、1,2,3,4−テトラメチル−1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸ジアルキルエステル、1,2,3,4−シクロペンタンテトラカルボン酸ジアルキルエステル、2,3,4,5−テトラヒドロフランテトラカルボン酸ジアルキルエステル、1,2,4,5−シクロヘキサンテトラカルボン酸ジアルキルエステル、3,4−ジカルボキシ−1−シクロヘキシルコハク酸ジアルキルエステル、3,4−ジカルボキシ−1,2,3,4−テトラヒドロ−1−ナフタレンコハク酸ジアルキルエステル、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸ジアルキルエステル、ビシクロ[3,3,0]オクタン−2,4,6,8−テトラカルボン酸ジアルキルエステル、3,3’,4,4’−ジシクロヘキシルテトラカルボン酸ジアルキルエステル、2,3,5−トリカルボキシシクロペンチル酢酸ジアルキルエステル、シス−3,7−ジブチルシクロオクタ−1,5−ジエン−1,2,5,6−テトラカルボン酸ジアルキルエステル、トリシクロ[4.2.1.02,5]ノナン−3,4,7,8−テトラカルボン酸−3,4:7,8−ジアルキルエステル、ヘキサシクロ[6.6.0.12,7.03,6.19,14.010,13]ヘキサデカン−4,5,11,12−テトラカルボン酸−4,5:11,12−ジアルキルエステル、4−(2,5−ジオキソテトラヒドロフラン−3−イル)−1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−1,2−ジカルボンジアルキルエステルなどの脂肪族テトラカルボン酸ジエステルや、ピロメリット酸ジアルキルエステル、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸ジアルキルエステル、2,2’,3,3’−ビフェニルテトラカルボン酸ジアルキルエステル、2,3,3’,4−ビフェニルテトラカルボン酸ジアルキルエステル、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸ジアルキルエステル、2,3,3’,4−ベンゾフェノンテトラカルボン酸ジアルキルエステル、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)エーテルジアルキルエステル、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)スルホンジアルキルエステル、1,2,5,6−ナフタレンテトラカルボン酸ジアルキルエステル、2,3,6,7−ナフタレンテトラカルボン酸ジアルキルエステルなどの芳香族テトラカルボン酸ジアルキルエステルが挙げられる。
勿論、ジアミン成分やテトラカルボン酸成分はそれぞれ1種類でもよく、また、2種類以上を併用してもよい。
テトラカルボン酸成分とジアミン成分とを重合反応させてポリイミド前駆体を合成する方法は特に限定されず、公知の合成手法を用いることができる。
例えば、ジアミン成分とテトラカルボン酸二無水物との反応は、ジアミン成分とテトラカルボン酸二無水物とを有機溶媒中で反応させる方法が挙げられる。その際に用いる有機溶媒は、生成したポリイミド前駆体が溶解するものであれば特に限定されない。その具体例としては、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドン、N−メチルカプロラクタム、ジメチルスルホキシド、テトラメチル尿素、ピリジン、ジメチルスルホン、ヘキサメチルスルホキシド、γ−ブチロラクトン、イソプロピルアルコール、メトキシメチルペンタノール、ジペンテン、エチルアミルケトン、メチルノニルケトン、メチルエチルケトン、メチルイソアミルケトン、メチルイソプロピルケトン、メチルセルソルブ、エチルセルソルブ、メチルセロソルブアセテート、エチルセロソルブアセテート、ブチルカルビトール、エチルカルビトール、エチレングリコール、エチレングリコールモノアセテート、エチレングリコールモノイソプロピルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコール、プロピレングリコールモノアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコール−tert−ブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコール、ジエチレングリコールモノアセテート、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノアセテートモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノアセテートモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノプロピルエーテル、ジプロピレングリコールモノアセテートモノプロピルエーテル、3−メチル−3−メトキシブチルアセテート、トリプロピレングリコールメチルエーテル、3−メチル−3−メトキシブタノール、ジイソプロピルエーテル、エチルイソブチルエーテル、ジイソブチレン、アミルアセテート、ブチルブチレート、ブチルエーテル、ジイソブチルケトン、メチルシクロへキセン、プロピルエーテル、ジヘキシルエーテル、ジオキサン、n−へキサン、n−ペンタン、n−オクタン、ジエチルエーテル、シクロヘキサノン、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、乳酸メチル、乳酸エチル、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸n−ブチル、酢酸プロピレングリコールモノエチルエーテル、ピルビン酸メチル、ピルビン酸エチル、3−メトキシプロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオン酸メチルエチル、3−メトキシプロピオン酸エチル、3−エトキシプロピオン酸、3−メトキシプロピオン酸、3−メトキシプロピオン酸プロピル、3−メトキシプロピオン酸ブチル、ジグライムまたは4−ヒドロキシ−4−メチル−2−ペンタノンなどが挙げられる。これらは単独で使用しても、混合して使用してもよい。さらに、ポリイミド前駆体を溶解させない溶媒であっても、生成したポリイミド前駆体が析出しない範囲で、上記溶媒に混合して使用してもよい。また、有機溶媒中の水分は重合反応を阻害し、さらには生成したポリイミド前駆体を加水分解させる原因となるので、有機溶媒は脱水乾燥させたものを用いることが好ましい。
ジアミン成分とテトラカルボン酸二無水物とを有機溶媒中で反応させる際には、ジアミン成分を有機溶媒に分散あるいは溶解させた溶液を攪拌させ、テトラカルボン酸二無水物をそのまま、または有機溶媒に分散、あるいは溶解させて添加する方法、逆にテトラカルボン酸二無水物を有機溶媒に分散、あるいは溶解させた溶液にジアミン成分を添加する方法、テトラカルボン酸二無水物とジアミン成分とを交互に添加する方法などが挙げられ、これらのいずれの方法を用いてもよい。また、ジアミン成分またはテトラカルボン酸二無水物を、それぞれ複数種用いて反応させる場合は、あらかじめ混合した状態で反応させてもよく、個別に順次反応させてもよく、さらに個別に反応させた低分子量体を混合反応させ重合体としてもよい。その際の重合温度は−20℃〜150℃の任意の温度を選択することができるが、好ましくは−5℃〜100℃の範囲である。また、反応は任意の濃度で行うことができるが、濃度が低すぎると高分子量の重合体を得ることが難しくなり、濃度が高すぎると反応液の粘性が高くなり過ぎて均一な攪拌が困難となる。そのため、好ましくは1〜50質量%、より好ましくは5〜30質量%である。反応初期は高濃度で行い、その後、有機溶媒を追加することができる。
ポリイミド前駆体の重合反応においては、ジアミン成分の合計モル数とテトラカルボン酸二無水物の合計モル数の比は0.8〜1.2であることが好ましい。通常の重縮合反応同様、このモル比が1.0に近いほど生成するポリイミド前駆体の分子量は大きくなる。
また、ポリアミック酸エステルは、上記のようにテトラカルボン酸ジエステルジクロリドとジアミン成分との反応や、テトラカルボン酸ジエステルとジアミン成分を適当な縮合剤、塩基の存在下にて反応させることにより得ることができる。または、上記の方法で予めポリアミック酸を合成し、高分子反応を利用してポリアミック酸のカルボキシル基をエステル化することでも得ることができる。
具体的には、例えば、テトラカルボン酸ジエステルジクロリドとジアミン成分とを塩基と有機溶剤の存在下で−20℃〜150℃、好ましくは0℃〜50℃において、30分〜24時間、好ましくは1時間〜4時間反応させることによって、ポリアミック酸エステルを合成することができる。
塩基としては、ピリジン、トリエチルアミン、4−ジメチルアミノピリジンが使用できるが、反応が穏和に進行するためピリジンが好ましい。塩基の添加量は、除去が容易な量で、かつ高分子量体が得やすいという観点から、テトラカルボン酸ジエステルジクロリドに対して、2〜4倍モルであることが好ましい。
また、テトラカルボン酸ジエステルとジアミン成分を、縮合剤存在下にて重縮合する場合、塩基として、トリフェニルホスファイト、ジシクロヘキシルカルボジイミド、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩、N,N’−カルボニルジイミダゾール、ジメトキシ−1,3,5−トリアジニルメチルモルホリニウム、O−(ベンゾトリアゾール−1−イル)−N,N,N’,N’−テトラメチルウロニウム テトラフルオロボラート、O−(ベンゾトリアゾール−1−イル)−N,N,N’,N’−テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスファート、(2,3−ジヒドロ−2−チオキソ−3−ベンゾオキサゾリル)ホスホン酸ジフェニル、4−(4,6−ジメトキシ−1,3,5−トリアジンー2−イル)4−メトキシモルホリウムクロリド n−水和物などが使用できる。
また、上記縮合剤を用いる方法において、ルイス酸を添加剤として加えることで反応が効率的に進行する。ルイス酸としては、塩化リチウム、臭化リチウムなどのハロゲン化リチウムが好ましい。ルイス酸の添加量は反応させるジアミンまたはテトラカルボン酸ジエステルに対して0.1〜1.0倍モル量であることが好ましい。
上記の反応に用いる溶媒は、上記にて示したポリアミック酸を合成する際に用いられる溶媒と同様の溶媒で行なうことができるが、モノマーおよびポリマーの溶解性からN−メチル−2−ピロリドン、γ−ブチロラクトンが好ましく、これらは1種又は2種以上を混合して用いてもよい。合成時の濃度は、重合体の析出が起こりにくく、かつ高分子量体が得やすいという観点から、テトラカルボン酸ジエステルジクロリドやテトラカルボン酸ジエステル等のテトラカルボン酸誘導体とジアミン成分の反応溶液中での合計濃度が1〜30質量%が好ましく、5〜20質量%がより好ましい。また、テトラカルボン酸ジエステルジクロリドの加水分解を防ぐため、ポリアミック酸エステルの合成に用いる溶媒はできるだけ脱水されていることがよく、窒素雰囲気中で、外気の混入を防ぐのが好ましい。
本発明のポリイミド膜形成用塗布液が含有するポリイミドは、上記ポリイミド前駆体を脱水閉環させることにより得られる。このポリイミドにおいて、アミド酸基の脱水閉環率(イミド化率)は、必ずしも100%である必要はなく、用途や目的に応じて任意に調整することができる。
ポリイミド前駆体をイミド化させる方法としては、ポリイミド前駆体の溶液をそのまま加熱する熱イミド化またはポリイミド前駆体の溶液に触媒を添加する触媒イミド化が挙げられる。
ポリイミド前駆体を溶液中で熱イミド化させる場合の温度は、100〜400℃、好ましくは120〜250℃であり、イミド化反応により生成する水を系外に除きながら行う方が好ましい。
ポリイミド前駆体の触媒イミド化は、ポリイミド前駆体の溶液に、塩基性触媒と酸無水物とを添加し、−20〜250℃、好ましくは0〜180℃で攪拌することにより行うことができる。塩基性触媒の量はアミド酸基の0.5〜30モル倍、好ましくは2〜20モル倍であり、酸無水物の量はアミド酸基の1〜50モル倍、好ましくは3〜30モル倍である。塩基性触媒としてはピリジン、トリエチルアミン、トリメチルアミン、トリブチルアミンまたはトリオクチルアミンなどを挙げることができ、中でもピリジンは反応を進行させるのに適度な塩基性を持つので好ましい。酸無水物としては、無水酢酸、無水トリメリット酸または無水ピロメリット酸などを挙げることができ、中でも無水酢酸を用いると反応終了後の精製が容易となるので好ましい。触媒イミド化によるイミド化率は、触媒量と反応温度、反応時間を調節することにより制御することができる。
なお、ポリイミド前駆体またはポリイミドの反応溶液から、生成したポリイミド前駆体またはポリイミドを回収する場合には、反応溶液を溶媒に投入して沈殿させればよい。沈殿に用いる溶媒としてはメタノール、アセトン、ヘキサン、ブチルセルソルブ、ヘプタン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、エタノール、トルエン、ベンゼン、水などを挙げることができる。溶媒に投入して沈殿させたポリマーは濾過して回収した後、常圧あるいは減圧下で、常温あるいは加熱して乾燥することができる。また、沈殿回収した重合体を、有機溶媒に再溶解させ、再沈殿回収する操作を2〜10回繰り返すと、重合体中の不純物を少なくすることができる。この際の溶媒として、例えば、アルコール類、ケトン類または炭化水素などが挙げられ、これらの内から選ばれる3種類以上の溶媒を用いると、より一層精製の効率が上がるので好ましい。
本発明のポリイミド膜形成用塗布液が含有するポリイミド前駆体やポリイミドは、得られるポリイミド膜の強度、ポリイミド膜形成時の作業性、ポリイミド膜の均一性を考慮した場合、GPC(Gel Permeation Chromatography)法で測定した重量平均分子量で5,000〜1,000,000とするのが好ましく、より好ましくは、10,000〜150,000である。
なお、本発明のポリイミド膜形成用塗布液は、重合体成分として、上記ポリイミド前駆体やポリイミド以外の重合体を含有していてもよい。ポリイミド前駆体やポリイミド以外の重合体としては、アクリルポリマー、メタクリルポリマー、ポリスチレン、ポリシロキサンやポリアミドなどが挙げられる。
このような、テトラカルボン酸及びその誘導体から選択される少なくとも一種のテトラカルボン酸成分とジアミン成分とを重合反応させることにより得られるポリイミド前駆体、及びこのポリイミド前駆体をイミド化して得られるポリイミドから選択される少なくとも一方のポリマーと、ジアミン化合物の二つのアミノ基のそれぞれにメルドラム酸構造を導入した上記式[A]で表される二官能化合物とを含有することにより、すなわち、例えば従来の液晶配向膜等を形成するためのポリイミド膜形成用塗布液に、さらに、上記式[A]で表される二官能化合物を含有させることにより、種々の特性を比較的自由に改善したポリイミド膜を得ることができるポリイミド膜形成用塗布液となる。
詳述すると、上記式[A]で表される二官能化合物は、メルドラム酸構造、すなわち、メルドラム酸由来の構造を、両端に2個有しており、このメルドラム酸構造は、加熱される(例えば180〜250℃以上。)ことにより、二酸化炭素とアセトンの脱離を伴い、ケテン(すなわち、二価の基である>C=C=Oを持つカルボニル化合物)となり、ケテン単独で二量化したり、ポリイミド前駆体やポリイミドが有するカルボキシル基、水酸基、アミノ基、チオール基、アルデヒド、ケトン、不飽和結合(例えば、炭素−炭素二重結合、炭素−炭素三重結合、イミン(炭素−窒素二重結合)、カルボジイミド、硫黄イリド、リンイリド)、アミド結合やエステル結合、イミド結合のカルボニル基、活性メチレン基等と反応するものである。したがって、上記式[A]で表される二官能化合物は、高温に加熱されていない(たとえば100℃以下。)のポリイミド膜形成用塗布液の状態ではポリイミド前駆体やポリイミドと反応しないが、加熱されることにより、メルドラム酸構造を介してポリイミド前駆体やポリイミドに導入される。なお、上記式[A]で表される二官能化合物は、メルドラム構造を2個有しているため、加熱後は、ポリイミドが上記式[A]で表される二官能化合物により架橋された構造になると推測される。
よって、本発明のポリイミド膜形成用塗布液を基板に塗布し焼成して得られるポリイミド膜は、上記式[A]で表される二官能化合物が有するYの構造、すなわち、式[A]で表される二官能化合物の原料であるジアミン化合物由来のYの構造が、ポリイミドに導入されたものとなる。
ここで、従来、ポリイミド膜はその特徴である高い機械的強度、耐熱性、耐溶剤性のために、液晶配向膜や、電気・電子分野における保護材料、絶縁材料として広く用いられており、所望の特性を改善するために種々のジアミン成分を原料の一部として用いることが行われているが、所望のジアミン成分を自由に用いることができない場合もある。例えば、液晶配向膜においては、液晶配向性やプレチルト角の向上等、所望の特性を改善するために種々のジアミン成分を原料の一部として用いることが行われているが、所望の特性を得るために用いるジアミン成分の種類、組み合わせや量によっては、ジアミン成分とテトラカルボン酸成分との重合反応性が悪くなるため、所望の特性を得るためのジアミン成分の種類、組み合わせや量が制限されてしまう場合がある。また、所望の特性を得るために用いるジアミン成分の種類や組み合わせごとに、ジアミン成分とテトラカルボン酸成分との重合反応条件を検討する必要がある。そして、均一なポリイミド膜を形成できるポリイミド膜形成用塗布液とするためには、含有成分が溶媒に溶解した溶液状態とする必要があるが、所望の特性を得るために用いるジアミン成分の種類、組み合わせや量によっては、ポリイミド膜形成用塗布液が含有するポリイミド前駆体やポリイミドの溶解性が悪くなるという問題がある。
本発明においては、ポリイミド膜形成用塗布液の段階では、ポリイミド前駆体やポリイミドと、所望の特性を得るための化合物である上記式[A]で表される二官能化合物とを別個の化合物として含有するものであり、ポリイミド膜形成用塗布液を加熱(焼成)する段階で、所望の特性を得るための化合物である上記式[A]で表される二官能化合物をポリイミド前駆体やポリイミドに導入するものである。したがって、ポリイミド膜形成用塗布液が含有するポリイミド前駆体やポリイミドは所望の特性を得るためのジアミン成分を原料とする必要がないため、ジアミン成分とテトラカルボン酸成分との重合反応性が悪くなるという問題、所望の特性を得るために用いるジアミン成分の種類や組み合わせごとにジアミン成分とテトラカルボン酸成分との重合反応条件を検討する必要があるという問題や、ポリイミド膜形成用塗布液が含有するポリイミド前駆体やポリイミドの溶解性が悪くなるという問題は生じない。よって、本発明のポリイミド膜形成用塗布液は、ジアミン成分とテトラカルボン酸成分との重合反応性、重合反応条件の検討の必要性や、ポリイミド前駆体やポリイミドの溶解性を考慮することなく、所望の特性を得るためのジアミン化合物を用いることができるため、従来のポリイミド膜形成用塗布液と比較して、得られるポリイミド膜の種々の特性を比較的自由に改善することができる。
また、上記式[A]で表される二官能化合物は、ジアミン化合物の二つのアミノ基のそれぞれにメルドラム酸構造を導入したものであり、このジアミン化合物として、従来検討されていた所望の特性を得るためのジアミン成分、すなわち、テトラカルボン酸成分と重合反応させてポリイミド前駆体やポリイミドを製造するためのジアミン成分であって所望の特性を得るためのジアミン成分を適用することができる。したがって、得られるポリイミド膜の種々の特性を、容易に改善することができる。
さらに、本発明のポリイミド膜形成用塗布液が含有するポリイミド前駆体やポリイミドは、加熱により上記式[A]で表される二官能化合物で架橋されるため、得られるポリイミド膜は、有機溶剤に対する耐性があり、また硬い膜となる。
本発明のポリイミド膜形成用塗布液の製造方法は特に限定されず、テトラカルボン酸及びその誘導体から選択される少なくとも一種のテトラカルボン酸成分とジアミン成分とを重合反応させることにより得られるポリイミド前駆体、及びこのポリイミド前駆体をイミド化して得られるポリイミドから選択される少なくとも一方のポリマーと、ジアミン化合物の二つのアミノ基のそれぞれにメルドラム酸構造を導入した上記式[A]で表される二官能化合物とを、溶媒に溶解させればよい。
本発明のポリイミド膜形成用塗布液の溶媒は、上記テトラカルボン酸及びその誘導体から選択される少なくとも一種のテトラカルボン酸成分とジアミン成分とを重合反応させることにより得られるポリイミド前駆体、及びこのポリイミド前駆体をイミド化して得られるポリイミドから選択される少なくとも一方のポリマーと、ジアミン化合物の二つのアミノ基のそれぞれにメルドラム酸構造を導入した上記式[A]で表される二官能化合物とを溶解させることができるものであればよく、例えば、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドン、N−メチルカプロラクタム、2−ピロリドン、N−エチル−2−ピロリドン、N−ビニルピロリドン、ジメチルスルホキシド、テトラメチル尿素、ピリジン、ジメチルスルホン、ヘキサメチルスルホキシド、γ−ブチロラクトン、1,3−ジメチル−イミダゾリジノン、エチルアミルケトン、メチルノニルケトン、メチルエチルケトン、メチルイソアミルケトン、メチルイソプロピルケトン、シクロヘキサノン、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ジグライムおよび4−ヒドロキシ−4−メチル−2−ペンタノンなどの有機溶媒が挙げられる。これらは単独で使用しても、混合して使用してもよい。
本発明のポリイミド膜形成用塗布液は、塗布により均一なポリイミド膜を形成するという観点から、有機溶媒の含有量が70〜97質量%であることが好ましい。この含有量は、目的とする液晶配向膜等のポリイミド膜の膜厚によって適宜変更することができる。
また、本発明のポリイミド膜形成用塗布液における、ポリイミド前駆体及びポリイミドの含有量は、3〜30質量%であることが好ましい。この含有量も、目的とする液晶配向膜等のポリイミド膜の膜厚によって適宜変更することができる。
本発明のポリイミド膜形成用塗布液における、上記式[A]で表される二官能化合物の含有量は、ポリイミド前駆体及びポリイミドの総量100質量部に対して、1〜200質量部であることが好ましく、架橋反応が進行し所望の膜硬化性を発現し、かつ液晶の配向性を低下させないために、より好ましくは1〜100質量部であり、特に好ましくは、1〜50質量部である。
本発明のポリイミド膜形成用塗布液は、本発明の効果を損なわない限り、本発明のポリイミド膜形成用塗布液を塗布した際のポリイミド膜の膜厚の均一性や表面平滑性を向上させる有機溶媒(貧溶媒ともいわれる。)または化合物を用いることができる。さらに、ポリイミド膜と基板との密着性を向上させる化合物などを用いることもできる。
膜厚の均一性や表面平滑性を向上させる貧溶媒の具体例として、例えば、イソプロピルアルコール、メトキシメチルペンタノール、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、メチルセロソルブアセテート、エチルセロソルブアセテート、ブチルカルビトール、エチルカルビトール、エチルカルビトールアセテート、エチレングリコール、エチレングリコールモノアセテート、エチレングリコールモノイソプロピルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコール、プロピレングリコールモノアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコール−tert−ブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコール、ジエチレングリコールモノアセテート、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノアセテートモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノアセテートモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノプロピルエーテル、ジプロピレングリコールモノアセテートモノプロピルエーテル、3−メチル−3−メトキシブチルアセテート、トリプロピレングリコールメチルエーテル、3−メチル−3−メトキシブタノール、ジイソプロピルエーテル、エチルイソブチルエーテル、ジイソブチレン、アミルアセテート、ブチルブチレート、ブチルエーテル、ジイソブチルケトン、メチルシクロへキセン、プロピルエーテル、ジヘキシルエーテル、n−へキサン、n−ペンタン、n−オクタン、ジエチルエーテル、乳酸メチル、乳酸エチル、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸n−ブチル、酢酸プロピレングリコールモノエチルエーテル、ピルビン酸メチル、ピルビン酸エチル、3−メトキシプロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオン酸メチルエチル、3−メトキシプロピオン酸エチル、3−エトキシプロピオン酸、3−メトキシプロピオン酸、3−メトキシプロピオン酸プロピル、3−メトキシプロピオン酸ブチル、1−メトキシ−2−プロパノール、1−エトキシ−2−プロパノール、1−ブトキシ−2−プロパノール、1−フェノキシ−2−プロパノール、プロピレングリコールモノアセテート、プロピレングリコールジアセテート、プロピレングリコール−1−モノメチルエーテル−2−アセテート、プロピレングリコール−1−モノエチルエーテル−2−アセテート、ジプロピレングリコール、2−(2−エトキシプロポキシ)プロパノール、乳酸メチルエステル、乳酸エチルエステル、乳酸n−プロピルエステル、乳酸n−ブチルエステルまたは乳酸イソアミルエステルなどの低表面張力を有する有機溶媒などが挙げられる。これらの貧溶媒は1種類でも複数種類を混合して用いてもよい。上記のような貧溶媒を用いる場合は、ポリイミド膜形成用塗布液に含まれる有機溶媒全体の1〜50質量%であることが好ましく、より好ましくは5〜30質量%である。
膜厚の均一性や表面平滑性を向上させる化合物としては、フッ素系界面活性剤、シリコーン系界面活性剤、ノ二オン系界面活性剤などが挙げられ、具体的には、例えば、エフトップEF301、EF303、EF352(トーケムプロダクツ製)、メガファックF171、F173、R−30(大日本インキ製)、フロラードFC430、FC431(住友スリーエム製)、アサヒガードAG710、サーフロンS−382、SC101、SC102、SC103、SC104、SC105、SC106(旭硝子製)などが挙げられる。これらの界面活性剤の使用割合は、ポリイミド膜形成用塗布液に含有される重合体成分の総量100質量部に対して、好ましくは0.01〜2質量部、より好ましくは0.01〜1質量部である。
ポリイミド膜と基板との密着性を向上させる化合物の具体例としては、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、2−アミノプロピルトリメトキシシラン、2−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、3−ウレイドプロピルトリメトキシシラン、3−ウレイドプロピルトリエトキシシラン、N−エトキシカルボニル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−エトキシカルボニル−3−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−トリエトキシシリルプロピルトリエチレントリアミン、N−トリメトキシシリルプロピルトリエチレントリアミン、10−トリメトキシシリル−1,4,7−トリアザデカン、10−トリエトキシシリル−1,4,7−トリアザデカン、9−トリメトキシシリル−3,6−ジアザノニルアセテート、9−トリエトキシシリル−3,6−ジアザノニルアセテート、N−ベンジル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−ベンジル−3−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−フェニル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−フェニル−3−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−ビス(オキシエチレン)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−ビス(オキシエチレン)−3−アミノプロピルトリエトキシシラン、エチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、プロピレングリコールジグリシジルエーテル、トリプロピレングリコールジグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテル、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、グリセリンジグリシジルエーテル、2,2−ジブロモネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、1,3,5,6−テトラグリシジル−2,4−ヘキサンジオール、N,N,N’,N’,−テトラグリシジル−m−キシレンジアミン、1,3−ビス(N,N−ジグリシジルアミノメチル)シクロヘキサンまたはN,N,N’,N’,−テトラグリシジル−4、4’−ジアミノジフェニルメタンなどの官能性シラン含有化合物やエポキシ基含有化合物が挙げられる。
これら基板との密着させる化合物を使用する場合は、本発明のポリイミド膜形成用塗布液に含有される重合体成分総量100質量部に対して0.1〜30質量部であることが好ましく、より好ましくは1〜20質量部である。0.1質量部未満であると密着性向上の効果は期待できず、30質量部よりも多くなると液晶の配向性が悪くなる場合がある。
また、本発明のポリイミド膜形成用塗布液には、本発明の効果が損なわれない範囲であれば、ポリイミド膜の誘電率や導電性などの電気特性を変化させる目的の誘電体や導電物質を添加してもよい。
また、本発明のポリイミド膜形成用塗布液には、本発明の効果を損なわない限り、エポキシ基、イソシアネート基またはオキセタン基を有する架橋性化合物、さらには、ヒドロキシル基またはアルコキシル基からなら群より選ばれる少なくとも1種の置換基を有する架橋性化合物や、重合性不飽和結合を有する架橋性化合物を混合してもよい。
このような本発明のポリイミド膜形成用塗布液は、液晶配向膜を形成するための液晶配向剤として使用することができる。なお、液晶配向膜とは液晶を所定の方向に配向させるための膜である。
本発明のポリイミド膜形成用塗布液を、基板に塗布し、焼成することにより、ポリイミド膜を形成することができる。また、本発明のポリイミド膜形成用塗布液を液晶配向剤として用いる場合は、基板上に塗布し、焼成した後、ラビング処理や光照射などで配向処理をして、又は垂直配向用途などでは配向処理無しで液晶配向膜を形成することができる。
基板としては、ポリイミド膜形成用塗布液を塗布することができるものであれば特に限定されないが、液晶配向膜を形成する場合は透明性の高いものであることが好ましい。具体例としては、ガラス基板、若しくはアクリル基板やポリカーボネート基板などのプラスチック基板などが挙げられる。また、液晶駆動のためのITO電極などが形成された基板を用いることがプロセスの簡素化の観点から好ましい。そして、反射型の液晶表示素子では片側の基板のみにならばシリコンウエハー等の不透明な物でも使用でき、この場合の電極はアルミ等の光を反射する材料も使用できる。また、TFT型の素子のような高機能素子においては、液晶駆動のための電極と基板の間にトランジスタの如き素子が形成されたものが用いられる。
ポリイミド膜形成用塗布液の基板への塗布方法は特に限定されないが、工業的には、スクリーン印刷、オフセット印刷、フレキソ印刷、インクジェットなどで行う方法が一般的である。その他の塗布方法としては、ディップ、ロールコーター、スリットコーター、スピンナーなどがあり、目的に応じてこれらを用いてもよい。
ポリイミド膜形成用塗布液を基板上に塗布し、必要に応じて溶媒の一部または全部を乾燥させた後、焼成する。この焼成は、上記式[A]で表される二官能化合物のメルドラム酸構造がケテン等になりポリイミド前駆体やポリイミドが有するカルボキシル基等と反応することができる温度に加熱すればよい。例えば、ホットプレート、熱風循環炉、赤外線炉などの加熱手段により180〜250℃で行い、溶媒を蒸発させると共にメルドラム酸構造をポリイミド前駆体やポリイミドと反応させることにより、ポリイミド前駆体やポリイミドに上記式[A]で表される二官能化合物が導入され、本発明のポリイミド膜を形成することができる。このようにして得られたポリイミド膜は、ポリイミドが上記式[A]で表される二官能化合物により架橋された構造を有するため、硬い膜となり、削れ耐性に優れる。
焼成後に形成されるポリイミド膜の厚みは、液晶配向膜とする場合、厚すぎると液晶表示素子の消費電力の面で不利となり、薄すぎると液晶表示素子の信頼性が低下する場合があるので、好ましくは5〜300nm、より好ましくは10〜200nmである。液晶を水平配向や傾斜配向させる場合は、焼成後の塗膜をラビング又は偏光紫外線照射などで処理する。
本発明の液晶表示素子は、上記した手法により液晶配向膜付き基板を得た後、公知の方法で液晶セルを作製し、液晶表示素子としたものである。一例を挙げるならば、対向するように配置された2枚の基板と、基板間に設けられた液晶層と、基板と液晶層との間に設けられ本発明のポリイミド膜形成用塗布液からなる液晶配向剤により形成された上記液晶配向膜とを有する液晶セルを具備する液晶表示素子である。このような本発明の液晶表示素子としては、ツイストネマティック(TN:Twisted Nematic)方式、垂直配向(VA:Vertical Alignment)方式や、水平配向(IPS:In-Plane Switching)方式等、種々のものが挙げられる。
本発明の液晶表示素子に用いる基板としては、透明性の高い基板であれば特に限定されないが、通常は、基板上に液晶を駆動するための透明電極が形成された基板である。具体例としては、上記ポリイミド膜で記載した基板と同様のものを挙げることができる。
また、液晶配向膜は、この基板上に本発明の液晶配向剤を塗布した後焼成することにより形成されるものであり、詳しくは上述したとおりである。
本発明の液晶表示素子の液晶層を構成する液晶材料は特に限定されず、従来の液晶材料、例えばメルク社製のMLC−2003、MLC−6608、MLC−6609などを用いることができる。
液晶セル作製方法の一例を挙げるならば、液晶配向膜の形成された1対の基板を用意し、一方の基板の液晶配向膜上にビーズ等のスペーサーを散布し、液晶配向膜面が内側になるようにして、もう一方の基板を貼り合わせ、液晶を減圧注入して封止する方法、又は、スペーサーを散布した液晶配向膜面に液晶を滴下した後に基板を貼り合わせて封止を行う方法などが例示できる。このときのスペーサーの厚みは、好ましくは1〜30μm、より好ましくは2〜10μmである。
以上のようにして作製された液晶表示素子は、所望の特性を導入できる上記式[A]で表される二官能化合物と、ポリイミド前駆体及びポリイミドの少なくとも一方を有する液晶配向剤を用いて作成されるものであるため、種々の特性が改善されたものとすることができる。
以下に実施例及び比較例を挙げ、本発明を更に詳しく説明するが、本発明の解釈はこれらの実施例に限定されるものではない。
[上記式[A]で表される二官能化合物の合成]
<合成例1>
下記式[4]で表される化合物5,5'-(1,4-phenylenebis(azanediyl))bis(methan-1-yl-1-ylidene)bis(2,2-dimethyl-1,3-dioxane-4,6-dione)の合成
Figure 2012091088
300mL四つ口フラスコに、メルドラム酸[1](14.7g、102mmol)、及びオルトギ酸トリメチル[2](147g)を加え、1時間加熱還流を行った。その後、パラフェニレンジアミン[3](5.0g、46mmol)を加え、さらに2時間加熱還流を行った。反応終了後、室温まで反応溶液を冷却し、析出した固体をろ過、ヘキサンで洗浄し、その後固体を乾燥させ、化合物[4]を15.8g得た(収率82%)。
1H-NMR(400MHz, DMSO-d6, δppm):11.29(2H, d), 8.56(2H, d), 7.64(4H, s), 1.68(12H, s).
<合成例2>
下記式[6]で表される化合物5,5'-(1,3-phenylenebis(azanediyl))bis(methan-1-yl-1-ylidene)bis(2,2-dimethyl-1,3-dioxane-4,6-dione)の合成
Figure 2012091088
300mL四つ口フラスコに、メルドラム酸[1](14.7g、102mmol)、及びオルトギ酸トリメチル[2](147g)を加え、1時間加熱還流を行った。その後、メタフェニレンジアミン[5](5.0g、46mmol)を加え、さらに2時間加熱還流を行った。反応終了後、室温まで反応溶液を冷却し、析出した固体をろ過、ヘキサンで洗浄し、その後固体を乾燥させ、化合物[6]を14.1g得た(収率72%)。
1H-NMR(400MHz, DMSO-d6, δppm):11.28(2H, s), 8.74(2H, s), 7.98(1H, s), 7.44(3H, s), 1.68(12H, s).
<合成例3>
下記式[8]で表される化合物5,5'-(pyridine-2,6-diylbis(azanediyl))bis(methan-1-yl-1-ylidene)bis(2,2-dimethyl-1,3-dioxane-4,6-dione)の合成
Figure 2012091088
300mL四つ口フラスコに、メルドラム酸[1](16.0g、111mmol)、及びオルトギ酸トリメチル[2](160g)を加え、1時間加熱還流を行った。その後、2,6−ジアミノピリジン[7](5.5g、50mmol)を加え、さらに2時間加熱還流を行った。反応終了後、室温まで反応溶液を冷却し、析出した固体をろ過、ヘキサンで洗浄し、その後固体を乾燥させ、化合物[8]を16.7g得た(収率80%)。
1H-NMR(400MHz, DMSO-d6, δppm):11.42(2H, d), 9.15(2H, d), 7.96(1H, t), 7.52(2H, d), 1.67(12H, s).
<合成例4>
下記式[10]で表される化合物5,5'-(4,4'-methylenebis(4,1-phenylene)bis(azanediyl))bis(methan-1-yl-1-ylidene)bis(2,2-dimethyl-1,3-dioxane-4,6-dione)の合成
Figure 2012091088
300mL四つ口フラスコに、メルドラム酸[1](14.7g、102mmol)、及びオルトギ酸トリメチル[2](147g)を加え、1時間加熱還流を行った。その後、4,4’−ジアミノジフェニルメタン[9](5.0g、46mmol)を加え、さらに2時間加熱還流を行った。反応終了後、室温まで反応溶液を冷却し、析出した固体をろ過、ヘキサンで洗浄し、その後固体を乾燥させ、化合物[10]を14.1g得た(収率72%)。
1H-NMR(400MHz, DMSO-d6, δppm):11.23(2H, d), 8.54(2H, d), 7.50-7.48(4H, m), 7.31-7.29(4H, m), 3.96(2H, m), 1.66(12H, s).
<合成例5>
下記式[12]で表される化合物5,5'-(4,4'-oxybis(4,1-phenylene)bis(azanediyl))bis(methan-1-yl-1-ylidene)bis(2,2-dimethyl-1,3-dioxane-4,6-dione)の合成
Figure 2012091088
200mL四つ口フラスコに、メルドラム酸[1](7.92g、54.9mmol)、及びオルトギ酸トリメチル[2](78g)を加え、1時間加熱還流を行った。その後、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル[11](5.0g、25.0mmol)を加え、さらに2時間加熱還流を行った。反応終了後、室温まで反応溶液を冷却し、析出した固体をろ過、ヘキサンで洗浄し、その後固体を乾燥させ、化合物[12]を11.7g得た(収率92%)。
1H-NMR(400MHz, DMSO-d6, δppm):11.30(2H, d), 8.51(2H, d), 7.62(4H, d), 7.08(4H, d), 1.67(12H, s).
<合成例6>
下記式[14]で表される化合物5,5'-(4,4'-azanediylbis(4,1-phenylene)bis(azanediyl))bis(methan-1-yl-1-ylidene)bis(2,2-dimethyl-1,3-dioxane-4,6-dione)の合成
Figure 2012091088
200mL四つ口フラスコに、メルドラム酸[1](7.96g、55.2mmol)、及びオルトギ酸トリメチル[2](79g)を加え、1時間加熱還流を行った。その後、4,4’−ジアミノジフェニルアミン[13](5.0g、25.1mmol)を加え、さらに2時間加熱還流を行った。反応終了後、室温まで反応溶液を冷却し、析出した固体をろ過、ヘキサンで洗浄し、その後固体を乾燥させ、化合物[14]を10.1g得た(収率79%)。
1H-NMR(400MHz, DMSO-d6, δppm):11.29(2H, d), 8.51(2H, d), 7.62(4H, d), 7.08(4H, d), 4.97(1H, s), 1.67(12H, s).
<合成例7>
下記式[16]で表される化合物5,5'-(4,4'-(methylazanediyl)bis(4,1-phenylene)bis(azanediyl))bis(methan-1-yl-1-ylidene)bis(2,2-dimethyl-1,3-dioxane-4,6-dione) の合成
Figure 2012091088
500mL四つ口フラスコに、メルドラム酸[1](14.9g、103mmol)、及びオルトギ酸トリメチル[2](100g)を加え、1時間加熱還流を行った。その後、4,4’−ジアミノジフェニルメチルアミン[15](10.0g、46.9mmol)を加え、さらに2時間加熱還流を行った。反応終了後、室温まで反応溶液を冷却し、析出した固体をろ過、ヘキサンで洗浄し、その後固体を乾燥させ、化合物[16]を21.7g得た(収率86%)。
1H-NMR(400MHz, DMSO-d6, δppm):11.21(2H, d), 8.44(2H, d), 7.45-7.42(4H, m), 7.03-7.01(4H, m), 3.24(3H, s), 1.62(12H, s).
<合成例8>
下記式[18]で表される化合物5,5'-(4,4'-(pentane-1,5-diylbis(oxy))bis(4,1-phenylene))bis(azanediyl)bis(methan-1-yl-1-ylidene)bis(2,2-dimethyl-1,3-dioxane-4,6-dione)の合成
Figure 2012091088
300mL四つ口フラスコに、メルドラム酸[1](16.6g、115mmol)、及びオルトギ酸トリメチル[2](111g)を加え、1時間加熱還流を行った。その後、化合物[17](15.0g、52.4mmol)を加え、さらに2時間加熱還流を行った。反応終了後、室温まで反応溶液を冷却し、析出した固体をろ過、ヘキサンで洗浄し、その後固体を乾燥させ、化合物[18]を20.8g得た(収率67%)。
1H-NMR(400MHz, DMSO-d6, δppm):11.23(2H, s), 8.45(2H, s), 7.51-7.47(4H, m), 7.00-6.94(4H, m), 4.01(4H, t), 1.82-1.72(4H, m), 1.67(12H, s), 1.62-1.54(2H, m).
<合成例9>
下記式[20]で表される化合物1,3-bis(4-((2,2-dimethyl-4,6-dioxo-1,3-dioxan-5-ylidene)methylamino)phenethyl)ureaの合成
Figure 2012091088
200mL四つ口フラスコに、メルドラム酸[1](28.6g、147mmol)、及びオルトギ酸トリメチル[2](200g)を加え、1時間加熱還流を行った。その後、化合物[19](20.0g、67.0mmol)を加え、さらに2時間加熱還流を行った。反応終了後、室温まで反応溶液を冷却し、析出した固体をろ過、ヘキサンで洗浄し、その後固体を乾燥させ、化合物[20]を40.3g得た(収率99%)。
1H-NMR(400MHz, DMSO-d6, δppm):11.17(2H, d), 8.48(2H, d), 7.40(4H, d), 7.21(4H, d), 5.89(2H, t), 3.18-3.14(4H, m), 2.62(4H, t), 1.62(12H, s).
<合成例10>
下記式[22]で表される化合物5,5'-(6,7,9,10,17,18,20,21-octahydrodibenzo[b,k][1,4,7,10,13,16]hexaoxacyclooctadecine-2,13-diyl)bis(azanediyl)bis(methan-1-yl-1-ylidene)bis(2,2-dimethyl-1,3-dioxane-4,6-dione)の合成
Figure 2012091088
200mL四つ口フラスコに、メルドラム酸[1](7.38g、51.2mmol)、及びオルトギ酸トリメチル[2](100g)を加え、1時間加熱還流を行った。その後、化合物[21](10.0g、25.6mmol)を加え、さらに2時間加熱還流を行った。反応終了後、エバポレーターで溶媒を除去、乾燥して、化合物[22]を17.9g得た(収率96%)。
1H-NMR(400MHz, DMSO-d6, δppm):11.16(2H, d), 8.50(2H, d), 7.19(2H, d), 7.01-6.98(2H, m), 6.93(2H, m), 4.09-4.08(4H, m), 4.04-4.02(4H, m), 3.79(8H, m), 1.61(12H, s).
<合成例11>
下記式[24]で表される化合物5-((3-((2,2-dimethyl-4,6-dioxo-1,3-dioxan-5-ylidene)methylamino)benzylamino)methylene)-2,2-dimethyl-1,3-dioxane-4,6-dione の合成
Figure 2012091088
300mL四つ口フラスコに、メルドラム酸[1](23.6g、164mmol)、及びオルトギ酸トリメチル[2](100g)を加え、1時間加熱還流を行った。その後、3−アミノベンジルアミン[23](10.0g、81.9mmol)を加え、さらに2時間加熱還流を行った。反応終了後、エバポレーターで溶媒を除去、乾燥させ化合物[24]を36.2g得た(収率100%)。
1H-NMR(400MHz, DMSO-d6, δppm):11.21(1H, s), 10.04-9.97(1H, m), 8.55(1H, s), 8.30(1H, d), 7.57(1H, s), 7.48-7.38(2H, m), 7.23(1H, d), 4.65(2H, d), 1.63(6H, s), 1.55(6H, s).
<合成例12>
下記式[26]で表される化合物5,5'-(4,4'-(propane-1,3-diyl)bis(piperidine-4,1-diyl))bis(methan-1-yl-1-ylidene)bis(2,2-dimethyl-1,3-dioxane-4,6-dione)の合成
Figure 2012091088
200mL四つ口フラスコに、メルドラム酸[1](11.7g、81.0mmol)、及びオルトギ酸トリメチル[2](128g)を加え、1時間加熱還流を行った。その後、1,3−ジ−4−ピペリジルプロパン [25](8.52g、40.5mmol)を加え、さらに2時間加熱還流を行った。反応終了後、エバポレーターで溶媒を除去、乾燥させ化合物[26]を20.2g得た(収率99%)。
1H-NMR(400MHz, DMSO-d6, δppm):8.09(2H, s), 4.06-3.97(4H, m), 3.56-3.49(2H, m), 3.28-3.25(2H, m), 1.84-1.81(4H, m), 1.61-1.56(12H, m), 1.32-1.23(12H, m).
<合成例13>
下記式[28]で表される化合物5,5'-(propane-1,3-diylbis(azanediyl))bis(methan-1-yl-1-ylidene)bis(2,2-dimethyl-1,3-dioxane-4,6-dione)の合成
Figure 2012091088
500mL四つ口フラスコに、メルドラム酸[1](42.8g、297mmol)、及びオルトギ酸トリメチル[2](150g)を加え、1時間加熱還流を行った。その後、1,3−ジアミノプロパン[27](10.0g、135mmol)を加え、さらに2時間加熱還流を行った。反応終了後、室温まで反応溶液を冷却し、析出した固体をろ過、ヘキサンで洗浄し、その後固体を乾燥させ、化合物[28]を24.8g得た(収率48%)。
1H-NMR(400MHz, CDCl3, δppm):9.57-9.54(2H, m), 8.16(2H, d), 3.59(4H, q), 2.11(2H, quin), 1.71(12H, s).
<合成例14>
下記式[30]で表される化合物5,5'-(cyclohexane-1,3-diylbis(methylene))bis(azanediyl)bis(methan-1-yl-1-ylidene)bis(2,2-dimethyl-1,3-dioxane-4,6-dione)の合成
Figure 2012091088
500mL四つ口フラスコに、メルドラム酸[1](44.6g、309mmol)、及びオルトギ酸トリメチル[2](200g)を加え、1時間加熱還流を行った。その後、1,3−ビスアミノメチルシクロヘキサン(cis−/trans−混合物)[29](20.0g、141mmol)を加え、さらに2時間加熱還流を行った。反応終了後、室温まで反応溶液を冷却し、析出した固体をろ過、ヘキサンで洗浄し、その後固体を乾燥させ、化合物[30] (cis−/trans−混合物)を58.3g得た(収率92%)。
1H-NMR(400MHz, DMSO-d6, δppm):9.63-9.60(2H, m), 8.11-7.97(2H, m), 3.51-3.12(4H, m), 1.87-0.54(22H, m).
<合成例15>
下記式[32]で表される化合物3,5-bis((2,2-dimethyl-4,6-dioxo-1,3-dioxan-5-ylidene)methylamino)benzoic acidの合成
Figure 2012091088
200mL四つ口フラスコに、メルドラム酸[1](10.4g、72.3mmol)、及びオルトギ酸トリメチル[2](105g)を加え、1時間加熱還流を行った。その後、3,5−ジアミノ安息香酸[31](5.0g、32.9mmol)を加え、さらに2時間加熱還流を行った。反応終了後、室温まで反応溶液を冷却し、析出した固体をろ過、ヘキサンで洗浄し、その後固体を乾燥させ、化合物[32]を9.0g得た(収率59%)。
1H-NMR(400MHz, DMSO-d6, δppm):11.34(2H, d), 8.74(2H, d), 7.92(2H, d), 1.69(12H, s).
<合成例16>
下記式[34]で表される化合物3,5-bis((2,2-dimethyl-4,6-dioxo-1,3-dioxan-5-ylidene)methylamino)-N-(pyridin-3-ylmethyl)benzamideの合成
Figure 2012091088
200mL四つ口フラスコに、メルドラム酸[1](6.5g、45.4mmol)、及びオルトギ酸トリメチル[2](66g)を加え、1時間加熱還流を行った。その後、化合物[33](5.0g、20.6mmol)を加え、さらに2時間加熱還流を行った。反応終了後、エバポレーターで溶媒を除去、乾燥して化合物[34]を11.3g得た(収率98%)。
1H-NMR(400MHz, DMSO-d6, δppm):11.35(2H, d), 9.27(1H, t), 8.78(2H, d), 8.59(1H, d), 8.49-8.47(1H, m), 8.16-8.15(1H, m), 7.84(2H, d), 7.77-7.74(1H, m), 7.40-7.36(1H, m), 4.55(2H, d), 1.69(12H, s).
<合成例17>
下記式[36]で表される化合物N-(3-(1H-imidazol-1-yl)propyl)-3,5-bis((2,2-dimethyl-4,6-dioxo-1,3-dioxan-5-ylidene)methylamino)benzamideの合成
Figure 2012091088
200mL四つ口フラスコに、メルドラム酸[1](10.1g、52.1mmol)、及びオルトギ酸トリメチル[2](50g)を加え、1時間加熱還流を行った。その後、化合物[35](5.0g、23.7mmol)を加え、さらに2時間加熱還流を行った。反応終了後、エバポレーターで溶媒を除去、乾燥して化合物[36]を13.4g得た(収率100%)。
1H-NMR(400MHz, DMSO-d6, δppm):11.27(2H, s), 8.71-8.65(3H, m), 8.01(1H, t), 7.99(1H, t), 7.75(2H, d), 7.32(1H, t), 7.05(1H, t), 4.07-4.03(2H, m), 3.25-3.18(2H, m), 1.97(2H, t), 1.64(12H, s).
<合成例18>
下記式[38]で表される化合物3,5-bis((2,2-dimethyl-4,6-dioxo-1,3-dioxan-5-ylidene)methylamino)benzyl furan-2-carboxylateの合成
Figure 2012091088
200mL四つ口フラスコに、メルドラム酸[1](13.7g、94.7mmol)、及びオルトギ酸トリメチル[2](100g)を加え、1時間加熱還流を行った。その後、化合物[37](10.0g、43.1mmol)を加え、さらに2時間加熱還流を行った。反応終了後、室温まで反応溶液を冷却し、析出した固体をろ過、ヘキサンで洗浄し、その後固体を乾燥させ、化合物[38]を21.1g得た(収率90%)。
1H-NMR(400MHz, DMSO-d6, δppm):11.22(2H, d), 8.67(2H, d), 7.94-7.93(1H, m), 7.87-7.86(1H, m), 7.46-7.45(2H, m), 7.38(1H, dd), 6.68-6.66(1H, m), 5.28(2H, s), 1.63(12H, s).
<合成例19>
下記式[40]で表される化合物5,5'-(4-(dodecyloxy)-1,3-phenylene)bis(azanediyl)bis(methan-1-yl-1-ylidene)bis(2,2-dimethyl-1,3-dioxane-4,6-dione)の合成
Figure 2012091088
300mL四つ口フラスコに、メルドラム酸[1](10.8g、75.2mmol)、及びオルトギ酸トリメチル[2](100g)を加え、1時間加熱還流を行った。その後、化合物[39](10.0g、34.2mmol)を加え、さらに2時間加熱還流を行った。反応終了後、エバポレーターで溶媒を除去、乾燥し化合物[40]を29.7g得た(収率99%)。
1H-NMR(400MHz, DMSO-d6, δppm):11.57(1H, d), 11.20(1H, d), 8.90(1H, d), 8.64(1H, d), 8.09(1H, d), 7.31(1H, dd), 7.13(1H, d), 4.06(2H, t), 1.74-1.68(2H, m), 1.63(12H, s), 1.46-1.40(2H, m), 1.25-1.16(16H, m), 0.79(3H, t).
<合成例20>
下記式[42]で表される化合物5,5'-(4-(octadecyloxy)-1,3-phenylene)bis(azanediyl)bis(methan-1-yl-1-ylidene)bis(2,2-dimethyl-1,3-dioxane-4,6-dione)の合成
Figure 2012091088
100mL四つ口フラスコに、メルドラム酸[1](4.2g、29.2mmol)、及びオルトギ酸トリメチル[2](42g)を加え、1時間加熱還流を行った。その後、化合物[41](5.0g、13.3mmol)を加え、さらに2時間加熱還流を行った。反応終了後、室温まで反応溶液を冷却し、析出した固体をろ過、ヘキサンで洗浄し、その後固体を乾燥させ、化合物[42]を6.4g得た(収率71%)。
1H-NMR(400MHz, DMSO-d6, δppm):11.63(1H, d), 11.26(1H, d), 8.99(1H, d), 8.72(1H, d), 8.19(1H, d), 7.40(1H, dd), 7.20(1H, d), 4.13(2H, t), 1.80-1.74(2H, m), 1.68(12H, s), 1.49-1.45(2H, m), 1.25-1.22(28H, m), 0.85(3H, t).
<合成例21>
下記式[44]で表される化合物5,5'-(4-(4-(trans-4-heptylcyclohexyl)phenoxy)-1,3-phenylene)bis(azanediyl)bis(methan-1-yl-1-ylidene)bis(2,2-dimethyl-1,3-dioxane-4,6-dione)の合成
Figure 2012091088
100mL四つ口フラスコに、メルドラム酸[1](4.2g、28.9mmol)、及びオルトギ酸トリメチル[2](41g)を加え、1時間加熱還流を行った。その後、化合物[43](5.0g、13.1mmol)を加え、さらに2時間加熱還流を行った。反応終了後、エバポレーターで溶媒を除去、乾燥し化合物[44]を9.0g得た(収率98%)。
1H-NMR(400MHz, DMSO-d6, δppm):11.64(1H, d), 11.30(1H, d), 9.03(1H, d), 8.76(1H, d), 8.31(1H, d), 7.40(1H, dd), 7.28(2H, d), 7.03(2H, d), 6.97(1H, d), 1.81(2H, d), 1.69(10H, d), 1.44-1.34(1H, m), 1.26-1.78(10H, m), 1.07-1.01(1H, m), 0.86(3H, t).
<合成例22>
下記式[46]で表される化合物5,5'-(4-(trans-4-(trans-4'-pentylbi(cyclohexan)-4-yl)phenoxy)-1,3-phenylene)bis(azanediyl)bis(methan-1-yl-1-ylidene)bis(2,2-dimethyl-1,3-dioxane-4,6-dione)の合成
Figure 2012091088
300mL四つ口フラスコに、メルドラム酸[1](9.0g、62.1mmol)、及びオルトギ酸トリメチル[2](120g)を加え、1時間加熱還流を行った。その後、化合物[45](12.3g、28.2mmol)を加え、さらに2時間加熱還流を行った。反応終了後、エバポレーターで溶媒を除去、乾燥し化合物[46]を20.68g得た(収率98%)。
1H-NMR(400MHz, DMSO-d6, δppm):11.64(1H, d), 11.30(1H, d), 9.03(1H, d), 8.76(1H, d), 8.31(1H, d), 7.39(1H, dd), 7.27(1H, d), 7.02(2H, d), 6.97(2H, d), 1.88-1.03(43H, m), 0.86(3H, t).
<合成例23>
下記式[48]で表される化合物5,5'-(5-((trans-4-(trans-4'-pentylbi(cyclohexan)-4-yl)phenoxy)methyl)-1,3-phenylene)bis(azanediyl)bis(methan-1-yl-1-ylidene)bis(2,2-dimethyl-1,3-dioxane-4,6-dione)の合成
Figure 2012091088
500mL四つ口フラスコに、メルドラム酸[1](19.0g、98.6mmol)、及びオルトギ酸トリメチル[2](200g)を加え、1時間加熱還流を行った。その後、化合物[47](20.0g、44.6mmol)を加え、さらに2時間加熱還流を行った。反応終了後、エバポレーターで溶媒を除去、乾燥し化合物[48]を33.4g得た(収率99%)。
1H-NMR(400MHz, DMSO-d6, δppm):11.29(2H, d), 8.74(2H, d), 7.94(1H, s), 7.53(2H, d), 7.12(2H, d), 6.92(2H, d), 5.09(2H, s), 1.81-1.68(20H, m), 1.36-0.84(23H, m).
<合成例24>
下記式[50]で表される化合物4'-pentylbi(trans-cyclohexan)-4-yl 3,5-bis((2,2-dimethyl-4,6-dioxo-1,3-dioxan-5-ylidene)methylamino)benzoateの合成
Figure 2012091088
500mL四つ口フラスコに、メルドラム酸[1](13.3g、92.0mmol)、及びオルトギ酸トリメチル[2](150g)を加え、1時間加熱還流を行った。その後、化合物[49](15.0g、41.8mmol)を加え、さらに2時間加熱還流を行った。反応終了後、エバポレーターで溶媒を除去、乾燥し化合物[50]を28.8g得た(収率99%)。
1H-NMR(400MHz, DMSO-d6, δppm):11.28(2H, s), 8.67(2H, s), 8.17(1H, t), 7.86(2H, d), 4.79-4.73(1H, m), 2.02(2H, d), 1.74-1.64(18H, m), 1.44-1.32(2H, m), 1.29-0.76(20H, m).
<合成例25>
下記式[52]で表される化合物N-(2,4-bis((2,2-dimethyl-4,6-dioxo-1,3-dioxan-5-ylidene)methylamino)phenyl)-4-(trans-4-pentylcyclohexyl)benzamideの合成
Figure 2012091088
300mL四つ口フラスコに、メルドラム酸[1](8.2g、56.7mmol)、及びオルトギ酸トリメチル[2](80g)を加え、1時間加熱還流を行った。その後、化合物[51](10.0g、25.8mmol)を加え、さらに2時間加熱還流を行った。反応終了後、室温まで反応溶液を冷却し、析出した固体をろ過、ヘキサンで洗浄し、その後固体を乾燥させ、化合物[52]を16.0g得た(収率92%)。
1H-NMR(400MHz, DMSO-d6, δppm):11.36-11.27(2H, m), 10.38(1H, s), 8.80-8.74(2H, m), 8.09(1H, s), 7.87(2H, d), 7.44(1H, dd), 7.34(2H, d), 2.51-2.46(3H, m), 1.77(2H, d), 1.66(6H, s), 1.59(6H, s), 1.50-1.37(3H, m), 1.29-1.14(8H, m), 0.99(2H, q), 0.82(3H, t).
<合成例26>
下記式[54]で表される化合物N-(2,4-bis((2,2-dimethyl-4,6-dioxo-1,3-dioxan-5-ylidene)methylamino)phenyl)-4-(trans-4-Heptylcyclohexyl)benzamideの合成
Figure 2012091088
300mL四つ口フラスコに、メルドラム酸[1](11.7g、81.0mmol)、及びオルトギ酸トリメチル[2](150g)を加え、1時間加熱還流を行った。その後、化合物[53](15.0g、36.8mmol)を加え、さらに2時間加熱還流を行った。反応終了後、室温まで反応溶液を冷却し、析出した固体をろ過、ヘキサンで洗浄し、その後固体を乾燥させ、化合物[54]を26.1g得た(収率99%)。
1H-NMR(400MHz, DMSO-d6, δppm):11.36-11.27(2H, m), 10.38(1H, s), 8.78(2H, t), 8.10(1H, s), 7.88(2H, d), 7.44(1H, dd), 7.35(3H, d), 2.52(2H, t), 1.78(2H, d), 1.65(6H, s), 1.60(6H, s), 1.50-1.37(2H, m), 1.29-1.12(14H, m), 0.99(2H, q), 0.82(3H, t).
<合成例27>
下記式[56]で表される化合物5,5'-(4-((3S,8S,9S,10R,13R,14S,17R)-10,13-dimethyl-17-((R)-5-methylhexan-2-yl)-2,3,4,7,8,9,10,11,12,13,14,15,16,17-tetradecahydro-1H-cyclopenta[a]phenanthren-3-yloxy)-1,3-phenylene)bis(azanediyl)bis(methan-1-yl-1-ylidene)bis(2,2-dimethyl-1,3-dioxane-4,6-dione)の合成
Figure 2012091088
100mL四つ口フラスコに、メルドラム酸[1](4.1g、29mmol)、及びオルトギ酸トリメチル[2](50g)を加え、1時間加熱還流を行った。その後、化合物[55](10.0g、13mmol)を加え、さらに2時間加熱還流を行った。反応終了後、室温まで反応溶液を冷却し、析出した固体をろ過、ヘキサンで洗浄し、その後固体を乾燥させ、化合物[56]を9.9g得た(収率99%)。
<合成例28>
下記式[58]で表される化合物(E)-2,4-bis((2,2-dimethyl-4,6-dioxo-1,3-dioxan-5-ylidene)methylamino)phenethyl 3-(4-(decyloxy)phenyl)acrylate の合成
Figure 2012091088
200mL四つ口フラスコに、メルドラム酸[1](7.3g、37mmol)、及びオルトギ酸トリメチル[2](75g)を加え、1時間加熱還流を行った。その後、化合物[57](7.46g、17mmol)を加え、さらに2時間加熱還流を行った。反応終了後、エバポレーターで溶媒を除去、乾燥し化合物[58]を12.5g得た(収率99%)。
1H-NMR(400MHz, DMSO-d6, δppm):11.57(1H, d), 11.29(1H, s), 8.82(1H, dd), 8.23(1H, dd), 8.04(1H, s), 7.57-7.46(5H, m), 6.92(2H, d), 6.35(1H, d), 4.34(2H, t), 3.99(2H, t), 1.74-1.65(15H, m), 1.43-1.21(15H, m), 0.85(3H, t).
<合成例29>
下記式[60]で表される化合物(E)-3,5-bis((2,2-dimethyl-4,6-dioxo-1,3-dioxan-5-ylidene)methylamino)benzyl 3-(4-(decyloxy)phenyl)acrylateの合成
Figure 2012091088
200mL四つ口フラスコに、メルドラム酸[1](6.3g、33mmol)、及びオルトギ酸トリメチル[2](63g)を加え、1時間加熱還流を行った。その後、化合物[59](6.3g、15mmol)を加え、さらに2時間加熱還流を行った。反応終了後、エバポレーターで溶媒を除去、乾燥し化合物[60]を10.7g得た(収率99%)。
1H-NMR(400MHz, DMSO-d6, δppm):11.25(1H, d), 8.71(1H, d), 7.93(1H, s), 7.67-7.62(3H, m), 7.48(2H, d), 6.91(2H, d), 6.52(1H, d), 5.19(2H, s),
3.96(2H, t), 3.62-3.60(2H, m), 1.68-1.63(15H, m), 1.38-1.20(15H, m), 0.81(3H, t).
<合成例30>
下記式[62]で表される5,5'-(((6,7,9,10,17,18,20,21-octahydrodibenzo[b,k][1,4,7,10,13,16]hexaoxacyclooctadecine-2,14-diyl)bis(azanediyl))bis(methanylylidene))bis(2,2-dimethyl-1,3-dioxane-4,6-dione)の合成
Figure 2012091088
200mL四つ口フラスコに、メルドラム酸[1](4.87g、33.8mmol)、及びオルトギ酸トリメチル[2](60g)を加え、1時間加熱還流を行った。その後、化合物[61](6.00g、15.4mmol)を加え、さらに2時間加熱還流を行った。反応終了後、エバポレーターで溶媒を除去、乾燥して、化合物[62]を10.4g得た(収率97%)。
1H-NMR(400MHz, DMSO-d6, δppm):11.21(2H, d), 8.54(2H, d), 7.26(2H, d), 7.05(2H, dd), 6.96(2H, d), 4.15-4.06(8H, m), 3.88-3.80(6H, m), 3.17(2H, d), 1.67(12H, s).
<合成例31>
下記式[64]で表される5,5'-((1,4,10,13-tetraoxa-7,16-diazacyclooctadecane-7,16-diyl)bis(methanylylidene))bis(2,2-dimethyl-1,3-dioxane-4,6-dione)の合成
Figure 2012091088
500mL四つ口フラスコに、メルドラム酸[1](24.17g、167.7mmol)、及びオルトギ酸トリメチル[2](200g)を加え、1時間加熱還流を行った。その後、化合物[63](20.00g、76.2mmol)を加え、さらに2時間加熱還流を行った。反応終了後、エバポレーターで溶媒を除去、乾燥して、化合物[64]を43.2g得た(収率100%)。
<合成例32>
下記式[66]で表される5,5'-(((((oxybis(ethane-2,1-diyl))bis(oxy))bis(4,1-phenylene))bis(azanediyl))bis(methanylylidene))bis(2,2-dimethyl-1,3-dioxane-4,6-dione)の合成
Figure 2012091088
500mL四つ口フラスコに、メルドラム酸[1](22.00g、153mmol)、及びオルトギ酸トリメチル[2](200g)を加え、1時間加熱還流を行った。その後、化合物[65](20.00g、69.4mmol)を加え、さらに2時間加熱還流を行った。反応終了後、エバポレーターで溶媒を除去、乾燥して、化合物[66]を40.2g得た(収率97%)。
1H-NMR(400MHz, DMSO-d6, δppm):11.23(2H, d), 8.44(2H, d), 7.50-7.48(2H, m), 7.01-6.99(4H, m), 4.42-4.12(4H, m), 3.89-3.78(4H, m), 1.67(12H, s).
<合成例33>
下記式[68]で表される2-(methacryloyloxy)ethyl3,5-bis(((2,2-dimethyl-4,6-dioxo-1,3-dioxan-5-ylidene)methyl)amino)benzoateの合成
Figure 2012091088
500mL四つ口フラスコに、メルドラム酸[1](24.18g、168mmol)、及びオルトギ酸トリメチル[2](300g)を加え、1時間加熱還流を行った。その後、化合物[67](20.00g、76.3mmol)を加え、さらに2時間加熱還流を行った。反応終了後、ヘキサンを加えろ過した後、乾燥を行い、化合物[68]を43.7g得た(収率100%)。
1H-NMR(400MHz, CDCl3, δppm):11.36(2H, d), 8.72(2H, d), 7.80(2H, d), 7.37(1H, t), 6.17(1H, t), 5.64-5.62(1H, m), 4.67-4.65(2H, m), 4.55-4.52(2H, m), 3.79(1H, s), 3.47(1H, s), 3.34(2H, s), 1.97-1.96(3H, m), 1.78-1.76(13H, m).
<合成例34>
下記式[70]で表される(E)-2,4-bis(((2,2-dimethyl-4,6-dioxo-1,3-dioxan-5-ylidene)methyl)amino)phenethyl 3-(4'-butoxy-[1,1'-biphenyl]-4-yl)acrylateの合成
Figure 2012091088
100mL四つ口フラスコに、メルドラム酸[1](4.00g、20.4mmol)、及びオルトギ酸トリメチル[2](40g)を加え、1時間加熱還流を行った。その後、化合物[69](4.00g、9.3mmol)を加え、さらに2時間加熱還流を行った。反応終了後、エバポレーターで溶媒を除去、乾燥し化合物[70]を6.8g得た(収率99%)。
1H-NMR(400MHz, CDCl3, δppm):11.59(1H, d), 11.29(1H, d), 8.84(1H, d), 8.78(1H, d), 8.23(1H, s), 8.04(1H, s), 7.70-7.64(7H, m), 7.62(1H, d), 7.48(2H, s), 7.03(2H, d), 6.53(1H, d), 4.41(2H, t), 4.01(2H, t), 3.66-3.63(6H,m), 1.68-1.57(10H, m), 1.56(1H, s), 1.44-1.39(1H, m), 0.94(3H, t).
<合成例35>
下記式[72]で表される(E)-2,4-bis(((2,2-dimethyl-4,6-dioxo-1,3-dioxan-5-ylidene)methyl)amino)phenethyl 3-(4-cyclohexylphenyl)acrylateの合成
Figure 2012091088
200mL四つ口フラスコに、メルドラム酸[1](4.35g、30mmol)、及びオルトギ酸トリメチル[2](50g)を加え、1時間加熱還流を行った。その後、化合物[71](5.00g、14mmol)を加え、さらに2時間加熱還流を行った。反応終了後、エバポレーターで溶媒を除去、乾燥し化合物[72]を9.63g得た(収率99%)。
1H-NMR(400MHz, CDCl3, δppm):11.63(1H, d), 11.30(1H, d), 8.64-8.63(2H, m), 7.60(1H, d), 7.42-7.39(3H, m), 7.29-7.27(2H, m), 7.21-7.15(3H, m), 6.37(1H, d), 4.49-4.46(2H, m), 3.33-3.11(2H, m), 2.59-2.42(1H, m), 1.86-1.45(2H, m), 1.76-1.70(14H, m), 1.42-1.20(6H, m).
<合成例36>
下記式[74]で表される(E)-2,4-bis(((2,2-dimethyl-4,6-dioxo-1,3-dioxan-5-ylidene)methyl)amino)phenethyl 3-(4-([trans-1,1'-bi(cyclohexan)]-4-yl)phenyl)acrylateの合成
Figure 2012091088
200mL四つ口フラスコに、メルドラム酸[1](2.84g、20mmol)、及びオルトギ酸トリメチル[2](40g)を加え、1時間加熱還流を行った。その後、化合物[73](4.00g、9.0mmol)を加え、さらに2時間加熱還流を行った。反応終了後、エバポレーターで溶媒を除去、乾燥し化合物[74]を6.6g得た(収率99%)。
1H-NMR(400MHz, CDCl3, δppm):11.63(1H, d), 11.30(1H, d), 8.67-8.60(2H, m), 7.60(1H, d), 7.41-7.39(3H, m), 7.26-7.14(4H, m), 6.36(1H, d), 4.48(2H, t), 3.12(2H, t), 2.52-2.45(1H, m), 1.91-1.70(24H, m), 1.52-1.01(8H, m).
<合成例37>
下記式[76]で表される(E)-2,4-bis(((2,2-dimethyl-4,6-dioxo-1,3-dioxan-5-ylidene)methyl)amino)phenethyl 3-(4-(trans-4-pentylcyclohexyl)phenyl)acrylateの合成
Figure 2012091088
300mL四つ口フラスコに、メルドラム酸[1](13.55g、69.8mmol)、及びオルトギ酸トリメチル[2](140g)を加え、1時間加熱還流を行った。その後、化合物[75](13.79g、31.7mmol)を加え、さらに2時間加熱還流を行った。反応終了後、エバポレーターで溶媒を除去、乾燥し化合物[76]を22.4g得た(収率95%)。
1H-NMR(400MHz, CDCl3, δppm):11.63(1H, d), 11.27(1H, d), 8.68-8.57(2H, m), 7.41-7.39(3H, m), 7.26-7.14(4H, m), 6.36(1H, d), 4.48(2H, t), 3.80-3.76(3H, m), 3.48(2H, d), 3.34(1H, s), 3.12(2H, d), 2.47(2H, t), 1.86(6H, d), 1.77-1.68(10H, m), 1.47-1.20(10H,m), 1.06-0.90(5H, m).
<合成例38>
下記式[78]で表される(E)-2,4-bis(((2,2-dimethyl-4,6-dioxo-1,3-dioxan-5-ylidene)methyl)amino)phenethyl 3-(4-(trans-4-heptylcyclohexyl)phenyl)acrylateの合成
Figure 2012091088
100mL四つ口フラスコに、メルドラム酸[1](3.43g、23.8mmol)、及びオルトギ酸トリメチル[2](50g)を加え、1時間加熱還流を行った。その後、化合物[77](5.00g、10.8mmol)を加え、さらに2時間加熱還流を行った。反応終了後、エバポレーターで溶媒を除去、乾燥し化合物[78]を8.3g得た(収率100%)。
1H-NMR(400MHz, CDCl3, δppm):11.64(1H, d), 11.28(1H, d), 8.70-8.63(2H, m), 7.61(1H, d), 7.45-7.40(3H, m), 7.27-7.15(3H, m), 6.37(1H, d), 4.46(2H, t), 3.60(2H, d), 3.12(2H, t), 2.34(1H, t), 1.87(4H, d), 1.85-1.75(15H, m), 1.42-1.38(2H, m), 1.33-1.26(10H,m), 1.07-1.02(2H, m), 0.89(3H, t).
<合成例39>
下記式[80]で表される(E)-3,5-bis(((2,2-dimethyl-4,6-dioxo-1,3-dioxan-5-ylidene)methyl)amino)benzyl 3-(4-(trans-4-pentylcyclohexyl)phenyl)acrylateの合成
Figure 2012091088
300mL四つ口フラスコに、メルドラム酸[1](11.31g、78.5mmol)、及びオルトギ酸トリメチル[2](150g)を加え、1時間加熱還流を行った。その後、化合物[79](15.00g、35.7mmol)を加え、さらに2時間加熱還流を行った。反応終了後、エバポレーターで溶媒を除去、乾燥し化合物[80]を25.3g得た(収率99%)。
1H-NMR(400MHz, CDCl3, δppm):11.30(2H, d), 8.66(2H, d), 7.74(1H, d), 7.49(2H, d), 7.26-7.19(4H, m), 7.08(1H, d), 6.49(1H, d), 5.27(2H, s), 2.49(1H, t), 1.93-1.77(18H, m), 1.65-0.87(14H, m).
<合成例40>
下記式[82]で表される(E)-3,5-bis(((2,2-dimethyl-4,6-dioxo-1,3-dioxan-5-ylidene)methyl)amino)benzyl 3-(4-(trans-4'-pentyl-[1,1'-bi(cyclohexan)]-4-yl)phenoxy)acrylateの合成
Figure 2012091088
200mL四つ口フラスコに、メルドラム酸[1](1.83g、12.7mmol)、及びオルトギ酸トリメチル[2](45g)を加え、1時間加熱還流を行った。その後、化合物[81](3.00g、5.8mmol)を加え、さらに2時間加熱還流を行った。反応終了後、エバポレーターで溶媒を除去、乾燥し化合物[82]を4.8g得た(収率100%)。
1H-NMR(400MHz, CDCl3, δppm):11.27(2H, d), 8.64(2H, d), 7.85(1H, d), 7.21(2H, d), 7.14(2H, d), 7.10-7.09(1H, m), 7.00-6.98(2H, m), 5.57(1H, d), 5.19(2H, s), 3.81(1H, s), 3.47-3.46(1H, m), 3.33(4H, s), 1.91-1.72(20H, m), 1.41-0.84(13H, m).
[ポリアミック酸又はポリイミドの合成及びその溶液の作成]
下記で用いた略号は以下の通りである。
(テトラカルボン酸二無水物)
CBDA:1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物
BODA:ビシクロ[3,3,0]オクタン−2,4,6,8−テトラカルボン酸二無水物
Figure 2012091088
(ジアミン)
p−PDA:p−フェニレンジアミン
DDM:4,4’−ジアミノジフェニルメタン
PCH7AB:1,3−ジアミノ−4−〔4−(トランス−4−n−ヘプチルシクロヘキシル)フェノキシ〕ベンゼン
Figure 2012091088
(有機溶媒)
NMP:N−メチル−2−ピロリドン
BCS:ブチルセロソルブ
(分子量の測定)
本実施例において、ポリマー(ポリアミック酸、ポリイミド)の分子量は、(株)Shodex社製常温ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)装置(GPC−101)、Shodex社製カラム(KD−803、KD−805)を用い以下のようにして測定した。
カラム温度:50℃
溶離液:N,N−ジメチルホルムアミド(添加剤として、臭化リチウム−水和物(LiBr・HO)が30mmol/L、リン酸・無水結晶(o−リン酸)が30mmol/L、テトラヒドロフラン(THF)が10ml/L)
流速:1.0mL/分
検量線作成用標準サンプル:東ソー社製 TSK 標準ポリエチレンオキサイド(分子量 約900,000、150,000、100,000、30,000)、および、ポリマーラボラトリー社製 ポリエチレングリコール(分子量 約12,000、4,000、1,000)。
(イミド化率の測定)
本実施例において、ポリイミドのイミド化率は次のようにして測定した。
ポリイミド粉末約20mgをNMRサンプル管に入れ、重水素化ジメチルスルホキシド(DMSO−d、0.05%TMS混合品)約0.53mlを添加し、超音波をかけて完全に溶解させた。この溶液をNMR測定措置にて500MHzのプロトンNMRを測定した。イミド化率は、イミド化前後で変化しない構造に由来するプロトンを基準プロトンとして決め、このプロトンのピーク積算値と、10.0ppm付近に現れるアミック酸のNH基に由来するプロトンピーク積算値とを用い以下の式によって求めた。なお、下記式において、xはアミック酸のNH基由来のプロトンピーク積算値、yは基準プロトンのピーク積算値、αはポリアミック酸(イミド化率が0%)の場合におけるアミック酸のNH基プロトン一個に対する基準プロトンの個数割合である。
イミド化率(%)=(1−α・x/y)×100
<ポリアミック酸(PAA−1)の合成及びその溶液の作製>
100mL四口フラスコに、DDM 7.93g(40mmol)、NMP(20g)を加え溶解させた後、約10℃に冷却し、CBDA 7.46g(38mmol)のNMP(67g)スラリー溶液を加え、室温に戻し窒素雰囲気下6時間反応させポリアミック酸(PAA−1)の濃度15質量%の溶液を得た。
このポリアミック酸(PAA−1)の濃度15質量%の溶液88gを200mL三角フラスコに移し、NMPを87.6g、BCSを43.8gを加えて希釈し、ポリアミック酸(PAA−1)が6質量%、NMPが74質量%、BCSが20質量%のポリアミック酸(PAA−1)溶液を作成した。このポリアミック酸(PAA−1)の数平均分子量は12,081、重量平均分子量は30,449であった。
<ポリアミック酸(PAA−2)の合成及びその溶液の作製>
200mL四口フラスコに、p−PDA 8.65g(80mmol)、NMP(49g)を加え溶解させた後、約10℃に冷却し、CBDA 14.1g(72mmol)のNMP(80g)スラリー溶液を加え、室温に戻し窒素雰囲気下6時間反応させポリアミック酸(PAA−2)の濃度15質量%の溶液を得た。
このポリアミック酸(PAA−2)の濃度15質量%の溶液125gを300mL三角フラスコに移し、NMPを118.5g、BCSを60.9gを加えて希釈し、ポリアミック酸(PAA−2)が6質量%、NMPが74質量%、BCSが20質量%のポリアミック酸(PAA−2)溶液を作成した。このポリアミック酸(PAA−2)の数平均分子量は7,609、重量平均分子量は15,837であった。
<ポリアミック酸(PAA−3)の合成及びその溶液の作製>
200mL四口フラスコに、p−PDA 8.05g(74mmol)、PCH7AB 2.13g(5.6mmol)、NMP(118g)を加え溶解させた後、約10℃に冷却し、CBDA 14.1g(72mmol)のNMP(100g)スラリー溶液を加え、室温に戻し窒素雰囲気下6時間反応させポリアミック酸(PAA−3)の濃度10質量%の溶液を得た。
このポリアミック酸(PAA−3)の濃度10質量%の溶液234gを300mL三角フラスコに移し、NMPを70.8g、BCSを76.2gを加えて希釈し、ポリアミック酸(PAA−3)が6質量%、NMPが74質量%、BCSが20質量%のポリアミック酸(PAA−3)溶液を作成した。このポリアミック酸(PAA−3)の数平均分子量は6,092、重量平均分子量は12,002であった。
<可溶性ポリイミド(SPI−1)の合成及びその溶液の作製>
300mL四口フラスコに、BODA(16.9g,68mmol)、p−PDA(6.8g,63mmol)、PCH7AB(10.3g,27mmol)をNMP(100g)中で混合し、40℃で3時間反応させた後、CBDA(4.1g,21mmol)とNMP(52g)を加え、40℃で3時間反応させポリアミック酸溶液を得た。このポリアミック酸溶液(130g)にNMPを加え6質量%に希釈した後、イミド化触媒として無水酢酸(16g)、ピリジン(12g)を加え、80℃で3時間反応させた。この反応溶液をメタノール(1.6L)中に投入し、得られた沈殿物を濾別した。この沈殿物をメタノールで洗浄し、100℃で減圧乾燥しポリイミド粉末(SPI−1)を得た。このポリイミドのイミド化率は54%であり、数平均分子量は18,300、重量平均分子量は45,300であった。このポリイミドにおけるカルボキシル基の量は、繰り返し単位に対して0.92個である。
上記で得たポリイミド粉末(SPI−1)(12.0g)にNMP(98g)、BCS(90g)を加え、80℃にて40時間攪拌して溶解させ、可溶性ポリイミド(SPI−1)溶液を作製した。
[ポリイミド膜形成用塗布液(液晶配向剤)の調製]
<実施例1〜9>
上記で作製したポリアミック酸(PAA−1)溶液(10.0g)に、上記式[A]で表される化合物として上記合成例で作成した下記表1に記載される化合物を、それぞれポリアミック酸(PAA−1)溶液の固形分(すなわちポリアミック酸(PAA−1))に対して10mol%となるように加え、均一溶液となるまで、室温(25℃)で撹拌を行い、実施例1〜9のポリイミド膜形成用塗布液(機能性ポリマー膜形成用塗布液)を調製した。
Figure 2012091088
<実施例10〜34>
上記で作成したポリアミック酸(PAA−1)溶液(10.0g)に、上記式[A]で表される化合物として上記合成例で作成した下記表2に記載される化合物を、それぞれポリアミック酸(PAA−1)溶液の固形分(すなわちポリアミック酸(PAA−1))に対して下記表2に記載する割合となるように加え、均一溶液となるまで、室温で撹拌を行い、実施例10〜34のポリイミド膜形成用塗布液を調整した。
Figure 2012091088
<実施例35〜45>
上記で作成したポリアミック酸(PAA−2)溶液(10.0g)に、上記式[A]で表される化合物として上記合成例で作成した下記表3に記載される化合物を、それぞれポリアミック酸(PAA−2)溶液の固形分(すなわちポリアミック酸(PAA−2))に対して10mol%となるように加え、均一溶液となるまで、室温で撹拌を行い、実施例35〜45のポリイミド膜形成用塗布液を調製した。
Figure 2012091088
<実施例46〜59>
上記で作成したポリアミック酸(PAA−3)溶液(40.0g)に、上記式[A]で表される化合物として上記合成例で作成した下記表4に記載される化合物を、それぞれポリアミック酸(PAA−3)溶液の固形分(すなわちポリアミック酸(PAA−3))に対して表4に記載する質量%となるように加え、均一溶液となるまで、室温で撹拌を行い、実施例46〜59のポリイミド膜形成用塗布液を調製した。
Figure 2012091088
<実施例60〜62>
上記で作製したポリアミック酸(PAA−2)溶液(70.0g)に、上記式[A]で表される化合物として上記合成例で作成した下記表5に記載される化合物を、それぞれポリアミック酸(PAA−2)溶液の固形分(すなわちポリアミック酸(PAA−2))に対して下記表5に記載する割合となるように加え、均一溶液となるまで、室温で撹拌を行い、実施例60〜62のポリイミド膜形成用塗布液を調製した。
Figure 2012091088
<実施例63〜76>
上記で作成した可溶性ポリイミド(SPI−1)溶液(10.0g)に、上記式[A]で表される化合物として上記合成例で作成した下記表6に記載される化合物を、それぞれ可溶性ポリイミド(SPI−1)溶液の固形分(すなわち可溶性ポリイミド(SPI−1))に対して、下記表6に記載する割合となるように加え、均一溶液となるまで、室温で撹拌を行い、実施例63〜76のポリイミド膜形成用塗布液を調製した。
Figure 2012091088
<実施例77〜86及び比較例1>[架橋効果の確認試験(ストリッピングテスト)]
上記実施例63〜72のポリイミド膜形成用塗布液をシリコンウエハにスピンコート(2500rpm/30秒)し、230℃のホットプレート上で30分間焼成を行い、塗膜[a1]を形成させた。得られた塗膜[a1]の膜厚を(株)小坂研究所社製サーフコーダET4000Mを用いて測定した。次に、塗膜[a1]が形成されたシリコンウエハを再度スピンコーターにセットして、NMPをシリコンウエハ全面が覆われるまで滴下し、60秒静置した後、NMPをスピンドライ(1500rpm/30秒)し、100℃のホットプレート上で30秒間焼成を行い、残膜を塗膜[a2]とした。この塗膜[a2]の膜厚を再度測定し、以下の計算式の基づき、残膜率を算出した。なお、比較例1として、上記で作成した可溶性ポリイミド(SPI−1)溶液、すなわち、上記式[A]で表される化合物を含有していない可溶性ポリイミド溶液についても同様の操作を行い、残膜率を算出した。結果を表7に示す。
残膜率(%)=塗膜[a2]の膜厚/塗膜[a1]の膜厚×100
この結果、上記式[A]で表される化合物を添加したポリイミド膜形成用塗布液(液晶配向処理剤)を用いることで、塗膜(ポリイミド膜)の溶媒耐性を改善するできることが確認された。したがって、可溶性ポリイミドが上記式[A]で表される化合物により架橋されたものと推測される。さらには、添加する上記式[A]で表される二官能化合物を適切に選択することにより、塗膜の溶解性を比較的自由に制御できることが確認された。
なお、同様にして実施例1〜62及び実施例73〜76のポリイミド膜形成用塗布液を用いて塗膜を形成しストリッピングテストを行なったところ、それぞれ上記式[A]で表される化合物を添加していないものと比較して、残膜率が高くなり、上記式[A]で表される化合物を添加したポリイミド膜形成用塗布液を用いることで、ポリイミド膜の溶媒耐性を改善するできることが確認された。
Figure 2012091088
[液晶配向膜及び液晶セルの作製]
上記各実施例で調製したポリイミド膜形成用塗布液(液晶配向剤)を用いて、以下のようにして液晶セルを作製した。
ポリイミド膜形成用塗布液(液晶配向剤)をガラス基板またはITO透明電極付きガラス基板にスピンコートし、80℃のホットプレート上で70秒間乾燥させた後、所定の焼成条件で、膜厚100nmの塗膜を形成させた。
その後、ラビングによる液晶配向処理については、この塗膜面をロール径120mmのラビング装置でレーヨン布を用いて、所定のラビング条件でラビングし、液晶配向膜付き基板を得た。光による液晶配向処理については、この塗膜面に直線偏光UV光線(UV波長313nm、照射強度8.0mW/cm−2)を露光量0mJ〜1000mJの間で変化させ、プレートの法線に対して40°傾け照射することにより行なった。なお、直線偏光UVは高圧水銀ランプの紫外光に313nmのバンドパスフィルターを通した後、313nmの偏光板を通すことで調製した。
このように液晶配向処理を行なった液晶配向膜付き基板を2枚用意し、その1枚の液晶配向膜面上に6μmのスペーサーを散布した後、その上からシール剤を印刷し、もう1枚の基板を液晶配向膜面が向き合いラビング方向が互いに平行になるようにして張り合わせる(アンチパラレル液晶セル、実施例87〜116)、または、直行するようにして張り合わせる(ツイストネマティック液晶セル、実施例155〜179、実施例296〜315、実施例316〜321)、あるいは、UV照射したものに関しては照射した偏光の方向が平行となるようにして張り合わせ(垂直配向モード用アンチパラレル液晶セル、実施例180〜182、183〜294)、シール剤を硬化させて空セルを作製した。この空セルに減圧注入法によって、アンチパラレル液晶セルにおいては、液晶MLC−2003(メルク社製)を、ツイストネマティック液晶セルにおいてはカイラル剤入りの液晶MLC−2003(メルク社製)を注入し、垂直配向モード用アンチパラレル液晶セルにおいては液晶MLC−6608(メルク社製)を注入し、注入口を封止して、各々の液晶セルを得た。
[液晶セルの評価]
作製した各液晶セルの物性の測定、および特性の評価の方法は以下の通りである。なお、各測定、評価において作成した液晶配向膜や液晶セルの基板、焼成条件及びラビング条件を、合わせて示す。
<実施例87〜116及び比較例2〜4><液晶配向性評価>
表8に示す各実施例で調製したポリイミド膜形成用塗布液を用いて作成した液晶セルを偏光板で挟み、後部からバックライトを照射した状態で、液晶セルを回転させて、明暗の変化や流動配向の有無で液晶が配向しているかを目視にて観察した。その際、下記の基準で評価した。なお、液晶配向性評価用に作成した液晶セルは、基板としてガラス基板を用い、ポリイミド膜形成用塗布液の塗膜の焼成条件を230℃に加熱したホットプレート上で30分間焼成とし、ラビング条件をロール回転数300rpm、ロール進行速度50mm/sec、押し込み量0.15mmとして作製した。また、合わせて、上記式[A]で表される化合物や架橋剤を未添加のもの(比較例2)、及び一般的な市販の架橋剤として、下記架橋剤を添加した塗布液(比較例3または比較例4)を調整し、効果を比較した。結果を表8に示す。
評価基準
◎:液晶の配向が確認でき、且つ流動配向がない
○:液晶は配向しているが、流動配向が若干観察される
×:液晶は配向しているが、流動配向が多く観察される
Figure 2012091088
この結果、比較例3及び比較例4のように、市販架橋剤を用いた場合、一般に液晶の配向性は阻害されやすい傾向にあるが、本発明の式[A]で表される化合物を添加したポリイミド膜形成用塗布液を用いた場合には、液晶の配向性を阻害することなく、場合によっては、配向性を向上させることもできることが確認された。
Figure 2012091088
<実施例117〜154及び比較例5〜6><ラビング耐性評価>
表9−1〜表9−2に示す各実施例で調製したポリイミド膜形成用塗布液を用いて作成した液晶配向膜の表面を、共焦点レーザー顕微鏡にて観察し、下記の基準で評価を行った。なお、基板としてITO透明電極付きガラス基板を用い、ポリイミド膜形成用塗布液の塗膜の焼成条件を230℃に加熱したホットプレート上で30分間焼成とし、ラビング条件をロール回転数1000rpm、ロール進行速度50mm/sec、押し込み量を0.5mmとして作成した。また、合わせて、上記式[A]で表される化合物を未添加のもの(比較例5及び比較例6)を調整し、効果を比較した。結果を表9−1〜表9−2に示す。
○:削れカスやラビング傷が観察されない。
△:削れカスやラビング傷が観察される。
×:膜が剥離する又は目視でラビング傷が観察される。
この結果、上記式[A]で表される化合物を添加していない比較例5及び比較例6と比較して、本発明の上記式[A]で表される化合物を添加したポリイミド膜形成用塗布液を用いた場合には、いずれのポリマーを用いても削れ耐性が改善することが確認された。
Figure 2012091088
Figure 2012091088
<実施例155〜179及び比較例7><ツイストネマティック液晶セルのプレチルト角測定>
表10に示す各実施例で調製したポリイミド膜形成用塗布液を用いて作製した液晶セルについて、105℃で5分間加熱した後、プレチルト角の測定を行った。プレチルト角はAxo Metrix社の「Axo Scan」にて、ミュラーマトリクス法を用いて測定した。なお、ツイストネマティック液晶セルのプレチルト角測定用に作成した液晶セルは、基板としてITO透明電極付きガラス基板を用い、ポリイミド膜形成用塗布液の塗膜の焼成条件を230℃に加熱したホットプレート上で30分間焼成とし、ラビング条件をロール回転数1000rpm、ロール進行速度50mm/sec、押し込み量0.3mmとして作製した。また、合わせて、上記式[A]で表される化合物を未添加のもの(比較例7)を調整し、効果を比較した。結果を表10に示す。
この結果、上記式[A]で表される化合物の種類と添加量を適切に選択することにより、所望のプレチルト角を任意に得ることができることが確認された。
Figure 2012091088
<実施例180〜182及び比較例8><アンチパラレル液晶セルのプレチルト角測定>
表11に示す各実施例で調製したポリイミド膜形成用塗布液を用いて作製した液晶セルについて、120℃で1時間加熱した後、プレチルト角の測定を行った。プレチルト角はAxo Metrix社の「Axo Scan」にて、ミュラーマトリクス法を用いて測定した。なお、アンチパラレル液晶セルのプレチルト角測定用に作成した液晶セルは、基板としてITO透明電極付きガラス基板を用い、ポリイミド膜形成用塗布液の塗膜の焼成条件を200℃に加熱した熱風循環式オーブン内で30分間焼成とし、配向処理を行わず、前述の液晶セル作成を行った。また、合わせて、上記式[A]で表される化合物を未添加のもの(比較例8)を調整し、効果を比較した。結果を表11に示す。
この結果、上記式[A]で表される化合物を添加していない比較例8と比較して、上記式[A]で表される化合物を添加したポリイミド膜形成用塗布液を用いた場合には、顕著にプレチルト角を大きくすることができることが確認された。したがって、上記式[A]で表される化合物を添加することで、ベースポリマー、すなわち、ポリイミド膜形成用塗布液が含有するポリイミド前駆体やポリイミドに液晶を立たせる側鎖成分を導入していなくても、液晶を垂直に配向させることができることが確認された。
Figure 2012091088
<実施例183〜294><液晶配向性評価及びアンチパラレル液晶セルのプレチルト角測定>
表12−1〜12−4に示す各実施例で調製したポリイミド膜形成用塗布液を用いて作製した液晶セルを偏光板で挟み、後部からバックライトを照射した状態で、液晶セルを回転させて、明暗の変化や流動配向の有無で液晶が配向しているかを目視にて観察したところ、良好な配向性を示した。その後、3Vの交流電圧を液晶セルに印加し、液晶が配向しているかを目視にて観察した。その際、下記の基準で評価した。なお、液晶配向性評価用に作成した液晶セルは、基板としてガラス基板を用い、ポリイミド膜形成用塗布液の塗膜の焼成条件を200℃に加熱した熱風循環式オーブンで30分間焼成とし、得られた塗膜付きのガラス基板に前述の光配向処理を行った後に作製した。
評価基準
良好:液晶の配向が確認でき、且つ流動配向がない
不良:液晶は配向しているが、流動配向が多く観察される
また、表12−1〜12−4に示す各実施例で調製したポリイミド膜形成用塗布液を用いて作成した液晶セルについて、120℃で1時間加熱した後、プレチルト角の測定を行った。プレチルト角はAxo Metrix社の「Axo Scan」にて、ミュラーマトリクス法を用いて測定した。
この結果、光反応性側鎖を有する上記式[A]で表される化合物を添加したポリイミド膜形成用塗布液(液晶配向処理剤)を用いることで、光配向処理を行った場合においても良好な垂直配向性が得られることが確認された。また、本発明のポリイミド膜形成用塗布液(液晶配向処理剤)に偏光の紫外線を照射することで、垂直から僅かに傾けた状態で液晶を配向させる能力があることが確認された。さらに、添加量と照射量を制御することにより、プレチルト角を微調整できることも確かめられた。これらのことから、本発明のポリイミド膜形成用塗布液(液晶配向処理剤)は、垂直配向方式の液晶表示素子用の液晶配向膜に利用可能であり、また光配向法で使用する液晶配向膜としても有用であると言える。
Figure 2012091088
Figure 2012091088
Figure 2012091088
Figure 2012091088
<実施例295〜315及び比較例9><電圧保持率(VHR)の測定>
表13に示す各実施例で調製したポリイミド膜形成用塗布液を用いて作製した液晶セルについて、初期状態の電圧保持率測定を行なった。電圧保持率の測定は、90℃の温度下で4Vの電圧を60μs間印加し、16.67ms後の電圧を測定し、電圧がどのくらい保持できているかを電圧保持率として計算した。電圧保持率の測定には東陽テクニカ社製のVHR−1電圧保持率測定装置を使用した。なお、電圧保持率(VHR)の測定用に作成した液晶セルは、基板としてITO透明電極付きガラス基板を用い、ポリイミド膜形成用塗布液の塗膜の焼成条件を230℃に加熱したホットプレート上で30分間焼成とし、ラビング条件をロール回転数1000rpm、ロール進行速度50mm/sec、押し込み量0.3mmとして作製した。また、合わせて、上記式[A]で表される化合物を未添加のもの(比較例9)を調整し、効果を比較した。結果を表13に示す。
この結果、上記式[A]で表される化合物を添加したポリイミド膜形成用塗布液を用いることで、未添加時よりも良好な電圧保持率特性を得ることができることが確認された。
Figure 2012091088
<実施例316〜321及び比較例10><蓄積電荷(RDC)の見積もり>
表14に示す各実施例で調製したポリイミド膜形成用塗布液を用いて作製したツイストネマティック液晶セルに、23℃の温度下で直流電圧を0Vから0.1V間隔で1.0Vまで印加し、各電圧でのフリッカー振幅レベルを測定し、検量線を作成した。5分間アースした後、交流電圧3.0V、直流電圧5.0Vを印加し、1時間後のフリッカー振幅レベルを測定し、予め作成した検量線と照らし合わせる事によりRDCを見積もった(フリッカー参照法)。なお、蓄積電荷(RDC)の見積もり測定用に作成した液晶セルは、基板としてITO透明電極付きガラス基板を用い、ポリイミド膜形成用塗布液の塗膜の焼成条件を230℃に加熱したホットプレート上で30分間焼成とし、ラビング条件をロール回転数1000rpm、ロール進行速度50mm/sec、押し込み量0.3mmとして作製した。また、合わせて、上記式[A]で表される化合物を未添加のもの(比較例10)を調整し、効果を比較した。結果を表14に示す。
この結果、上記式[A]で表される化合物を添加したポリイミド膜形成用塗布液を用いることで、RDCが小さい液晶セルを得ることができることが確認された。
Figure 2012091088
<実施例322〜329及び比較例11>エージング試験前後のイオン密度の測定
上記ポリアミック酸(PAA−1)溶液(10.0g)に修飾用化合物として合成例で作製した表15に示す化合物をそれぞれポリアミック酸(PAA−1)溶液の固形分(すなわちポリアミック酸(PAA−1))に対して下記表15に記載する割合となるように加え、均一溶液となるまで、室温で撹拌を行い、ポリイミド膜形成用塗布液を調製した。
そして、これらポリマー膜形成用塗布液(液晶配向剤)をそれぞれ用いて作製したツイストネマティック液晶セルについて、初期状態(23℃)のイオン密度を測定し、また、60℃で30時間保持(エージング)した後のイオン密度測定を行った。イオン密度測定においては、液晶セルに電圧±10V、周波数0.01Hzの三角波を印加した時のイオン密度を測定した。測定温度は80℃で行った。測定装置は、いずれの測定も東陽テクニカ社製6245型液晶物性評価装置を用いた。結果を表15に示す。
なお、ツイストネマティック液晶セルは、ポリイミド膜形成用塗布液の塗膜の焼成条件を200℃に加熱したホットプレート上で30分間焼成とした以外は上記ツイストネマティック液晶セル(実施例155〜179)と同様の操作を行って作製した。また、合わせて、修飾用化合物を未添加のものについても同様の操作を行って、効果を比較した。
この結果、修飾用化合物の種類と添加量を適切に選択することにより、未添加の場合と比較して、液晶セル中のイオン性不純物を大幅に低減させられることが確認された。
Figure 2012091088
<実施例330〜342>
上記で作製したポリアミック酸(PAA−1)溶液(10.0g)に、修飾用化合物として上記合成例で作製した下記表16に記載される化合物を、それぞれポリアミック酸(PAA−1)溶液の固形分(すなわちポリアミック酸(PAA−1))に対して下記表16に記載する割合となるように加え、均一溶液となるまで、室温で撹拌を行い、実施例330〜342のポリイミド膜形成用塗布液を調製した。
Figure 2012091088
<実施例343〜344>
上記で作製したポリアミック酸(PAA−3)溶液(40.0g)に、修飾用化合物として上記合成例で作製した下記表17に記載される化合物を、それぞれポリアミック酸(PAA−3)溶液の固形分(すなわちポリアミック酸(PAA−3))に対して表17に記載する質量%となるように加え、均一溶液となるまで、室温で撹拌を行い、実施例343〜344のポリイミド膜形成用塗布液を調製した。
Figure 2012091088
<実施例345〜447><液晶配向性評価及び垂直配向モード用アンチパラレル液晶セルのプレチルト角測定>
[液晶配向膜及び液晶セルの作製]
上記各実施例330〜344で調製したポリイミド膜形成用塗布液(液晶配向剤)を用いて、以下のようにして液晶セルを作製した。
ポリイミド膜形成用塗布液(液晶配向剤)をガラス基板にスピンコートし、80℃のホットプレート上で70秒間乾燥させた後、200℃に加熱した熱風循環式オーブンで30分間焼成して、膜厚100nmの塗膜を形成させた。
その後、この塗膜面に直線偏光UV光線(UV波長313nm、照射強度8.0mW/cm−2)を露光量0mJ〜1000mJの間で変化させ、プレートの法線に対して40°傾け照射した。なお、直線偏光UVは高圧水銀ランプの紫外光に313nmのバンドパスフィルターを通した後、313nmの偏光板を通すことで調製した。
このように液晶配向処理を行なった液晶配向膜付き基板を2枚用意し、その1枚の液晶配向膜面上に6μmのスペーサーを散布した後、その上からシール剤を印刷し、もう1枚の基板を液晶配向膜面が向き合い照射した偏光の方向が平行となるようにして張り合わせ、シール剤を硬化させて空セルを作製した。この空セルに減圧注入法によって、液晶MLC−6608(メルク社製)を注入し、注入口を封止して、各垂直配向モード用アンチパラレル液晶セルを得た。
そして、作製した上記液晶セルを偏光板で挟み、後部からバックライトを照射した状態で、液晶セルを回転させて、明暗の変化や流動配向の有無で液晶が配向しているかを目視にて観察したところ、良好な配向性を示した。その後、3Vの交流電圧を液晶セルに印加し、液晶が配向しているかを目視にて観察した。その際、下記の基準で評価した。結果を表18−1〜18−4に示す。
評価基準
良好:液晶の配向が確認でき、且つ流動配向がない
不良:液晶は配向しているが、流動配向が多く観察される
また、作製した上記液晶セルについて、120℃で1時間加熱した後、プレチルト角の測定を行った。プレチルト角はAxo Metrix社の「Axo Scan」にて、ミュラーマトリクス法を用いて測定した。結果を表18−1〜18−4に示す。
この結果、表18−1〜18−4に示すように、光反応性側鎖を有する修飾用化合物を添加したポリイミド膜形成用塗布液(液晶配向処理剤)を用いることで、光配向処理を行った場合においても良好な垂直配向性が得られることが確認された。また、本発明のポリイミド膜形成用塗布液(液晶配向処理剤)に偏光の紫外線を照射することで、垂直から僅かに傾けた状態で液晶を配向させる能力があることが確認された。さらに、添加量と照射量を制御することにより、プレチルト角を微調整できることも確かめられた。これらのことから、本発明のポリイミド膜形成用塗布液(液晶配向処理剤)は、垂直配向方式の液晶表示素子用の液晶配向膜に利用可能であり、また光配向法で使用する液晶配向膜としても有用であると言える。
Figure 2012091088
Figure 2012091088
Figure 2012091088
Figure 2012091088
<実施例448〜471>
上記で作製したポリアミック酸(PAA−1)溶液(10.0g)に、修飾用化合物として上記合成例で作製した下記表19に記載される化合物を、それぞれポリアミック酸(PAA−1)溶液の固形分(すなわちポリアミック酸(PAA−1))に対して下記表19に記載する割合となるように加え、均一溶液となるまで、室温で撹拌を行い、実施例448〜471のポリイミド膜形成用塗布液を調製した。
Figure 2012091088
<実施例472〜495><水平配向モード用アンチパラレルセルの液晶配向性評価>
[液晶配向膜及び液晶セルの作製]
上記各実施例448〜471で調製したポリイミド膜形成用塗布液(液晶配向剤)を用いて、以下のようにして液晶セルを作製した。
ポリイミド膜形成用塗布液(液晶配向剤)をガラス基板にスピンコートし、80℃のホットプレート上で70秒間乾燥させた後、200℃に加熱した熱風循環式オーブンで30分間焼成して、膜厚100nmの塗膜を形成させた。
その後、この塗膜面に直線偏光UV光線(UV波長313nm、照射強度8.0mW/cm−2)を露光量0mJ〜1000mJの間で変化させ、基板に対して真上から照射した。なお、直線偏光UVは高圧水銀ランプの紫外光に313nmのバンドパスフィルターを通した後、313nmの偏光板を通すことで調製した。
このように液晶配向処理を行なった液晶配向膜付き基板を2枚用意し、その1枚の液晶配向膜面上に6μmのスペーサーを散布した後、その上からシール剤を印刷し、もう1枚の基板を液晶配向膜面が向き合い照射した偏光の方向が平行となるようにして張り合わせ、シール剤を硬化させて空セルを作製した。この空セルに減圧注入法によって、液晶MLC−2041(メルク社製)を注入し、注入口を封止して、水平配向モード用アンチパラレル液晶セルを得た。
そして、作製した上記水平配向モード用アンチパラレル液晶セルを偏光板で挟み、後部からバックライトを照射した状態で、液晶セルを回転させて、明暗の変化や流動配向の有無で液晶が配向しているかを目視にて観察した。その際、下記の基準で評価した。結果を表20に示す。
評価基準
◎:液晶の配向が確認でき、且つ流動配向がない
○:液晶は配向しているが、流動配向が若干観察される
△:液晶は配向しているが、流動配向が多く観察される
×:液晶がまったく配向していない
この結果、いずれの液晶セルにおいても光照射を行なっていない液晶セルではまったく配向性を示さないが、光照射を行なった液晶セルにおいては、修飾用化合物の添加量および光照射量に応じて、液晶が配向することが確認された。なお、配向が認められた各液晶セルを130℃で30分アイソトロピック処理した場合においても配向性に顕著な変化は認められなかった。すなわち、添加剤の種類と添加量を適切に選択することで、容易に水平配向性セルの作製が可能であることが確認された。
Figure 2012091088

Claims (6)

  1. テトラカルボン酸及びその誘導体から選択される少なくとも一種のテトラカルボン酸成分とジアミン成分とを重合反応させることにより得られるポリイミド前駆体、及びこのポリイミド前駆体をイミド化して得られるポリイミドから選択される少なくとも一方のポリマーと、ジアミン化合物の二つのアミノ基のそれぞれにメルドラム酸構造を導入した下記式[A]で表される二官能化合物とを含有することを特徴とするポリイミド膜形成用塗布液。
    Figure 2012091088
    (式中、Yは前記ジアミン化合物由来の2価の有機基を表し、R及びRはそれぞれ−H、または、ベンゼン環、シクロヘキサン環、ヘテロ環、フッ素、エーテル結合、エステル結合、アミド結合を任意の場所に含んでいてもよい炭素原子数が1〜35の一価の有機基であり、Yの一部と連結し環を形成していてもよく、また、R及びRは同一でも異なっていてもよい。)
  2. 請求項1に記載するポリイミド膜形成用塗布液からなることを特徴とする液晶配向剤。
  3. 請求項1に記載するポリイミド膜形成用塗布液を基板に塗布し、焼成して得られることを特徴とするポリイミド膜。
  4. テトラカルボン酸及びその誘導体から選択される少なくとも一種のテトラカルボン酸成分とジアミン成分とを重合反応させることにより得られるポリイミド前駆体、及びこのポリイミド前駆体をイミド化して得られるポリイミドから選択される少なくとも一方のポリマーが、ジアミン化合物の二つのアミノ基のそれぞれにメルドラム酸構造を導入した下記式[A]で表される二官能化合物で架橋されたポリイミドからなることを特徴とするポリイミド膜。
    Figure 2012091088
    (式中、Yは前記ジアミン化合物由来の2価の有機基を表し、R及びRはそれぞれ−H、または、ベンゼン環、シクロヘキサン環、ヘテロ環、フッ素、エーテル結合、エステル結合、アミド結合を任意の場所に含んでいてもよい炭素原子数が1〜35の一価の有機基であり、Yの一部と連結し環を形成していてもよく、また、R及びRは同一でも異なっていてもよい。)
  5. 請求項3または4に記載するポリイミド膜からなることを特徴とする液晶配向膜。
  6. 請求項5に記載する液晶配向膜を具備することを特徴とする液晶表示素子。
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