JP5896164B2 - 機能性ポリマー膜形成用塗布液及び機能性ポリマー膜形成方法 - Google Patents

機能性ポリマー膜形成用塗布液及び機能性ポリマー膜形成方法 Download PDF

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Description

本発明は、新規の機能性ポリマー膜形成用塗布液及び機能性ポリマー膜形成方法に関する。
液晶表示素子において、液晶配向膜は液晶を一定の方向に配向させるという役割を担っている。現在、工業的に利用されている主な液晶配向膜は、ポリイミド前駆体であるポリアミド酸(ポリアミック酸ともいわれる。)、ポリアミック酸エステルや、ポリイミドの溶液からなるポリイミド系の液晶配向剤を、基板に塗布し成膜することで作製される。また、基板面に対して液晶を平行配向又は傾斜配向させる場合は、成膜した後、更にラビングによる表面延伸処理が行われている。また、ラビング処理に代わるものとして偏光紫外線照射等による異方性光化学反応を利用する方法も提案されており、近年では工業化に向けた検討が行われている。
このような液晶表示素子の表示特性の向上のために、ポリアミック酸、ポリアミック酸エステルやポリイミドの構造の変更、特性の異なるポリアミック酸、ポリアミック酸エステルやポリイミドのブレンドや、添加剤を加える等の手法により、液晶配向性や電気特性等の改善や、プレチルト角のコントロール等が行われている。
ポリイミドの構造によってプレチルト角を制御する技術の中でも、側鎖を有するジアミンをポリイミド原料の一部として用いる方法は、このジアミンの使用割合に応じてプレチルト角が制御できるので、目的のプレチルト角にせしめることが比較的容易であり、プレチルト角を大きくする手段として有用である。液晶のプレチルト角を大きくするジアミンの側鎖構造としては、長鎖のアルキル基又はフルオロアルキル基(例えば特許文献1参照)、環状基又は環状基とアルキル基の組み合わせ(例えば特許文献2参照)、ステロイド骨格(例えば特許文献3参照)などが知られている。
また、このように液晶のプレチルト角を大きくする為のジアミンは、プレチルト角の安定性やプロセス依存性を改善するための構造検討もされており、ここで用いられる側鎖構造としては、フェニル基やシクロヘキシル基などの環構造を含むものが提案されている(例えば特許文献4,5参照)。更には、このような環構造を3個から4個側鎖に有するジアミンも提案されている(例えば特許文献6参照)。
近年、液晶表示素子が、大画面の液晶テレビや高精細なモバイル用途(デジタルカメラや携帯電話の表示部分)に広く実用化されるのに伴い、従来に比べて使用される基板の大型化、基板段差の凹凸が大きくなってきている。そのような状況においても、表示特性の点から大型基板や段差に対して、均一に液晶配向膜が塗布されることが求められてきた。
液晶配向膜の作製の工程において、ポリアミック酸の溶液や溶媒可溶性ポリイミドの溶液を基板に塗布する場合、工業的にはフレキソ印刷などで行うことが一般的である。塗布液の溶媒は、樹脂の溶解性に優れる溶媒(以下、良溶媒ともいう)であるN−メチル−2−ピロリドンやγ−ブチロラクトンなどに加えて、塗膜均一性を高めるために、樹脂の溶解性が低い溶媒(以下、貧溶媒ともいう)であるブチルセロソルブなどが混合されている。しかしながら、貧溶媒は、ポリアミック酸やポリイミドを溶解させる能力に劣る為、多量に混合すると析出が発生する(例えば特許文献7参照)。特に、溶媒可溶性ポリイミドの溶液では、この問題が顕著に表れる。また、前記したような側鎖を有するジアミンを使用して得られるポリイミドは、溶液の塗布均一性が低下する傾向にあるため、貧溶媒の混合量を多くする必要があり、このような溶媒の混合許容量もポリイミドの重要な特性となる。
また、液晶表示素子の高性能化、大面積化、表示デバイスの省電力化などが進み、それに加え、様々な環境下での使用がされるようになり、液晶配向膜に求められる特性も厳しいものになってきた。特に、液晶配向剤を基板に塗布した際にタクトタイムが長くなることによる析出や分離による印刷不良の発生や、蓄積電荷(RDC)による焼き付きなどの問題が課題となっており、従来の技術ではこの両者を同時に解決することは難しい。
このように、ポリイミド系液晶配向膜においては、所望の特性を改善するために種々のジアミン成分を原料の一部として用いることが行われるが、他の特性との関係においては所望のジアミン成分を自由に用いることができない場合もある。
さらに、ポリイミドはその特徴である高い機械的強度、耐熱性、耐溶剤性のために、液晶配向膜以外に、電気・電子分野における保護材料、絶縁材料として広く用いられており、このような材料として用いられる場合にも、同様にポリイミドの原料となるジアミン成分を改良することが行われるが、所望のジアミン成分を自由に用いることができない点も同様である。
そして、このような所望の特性を改善するという要望は、上記ポリイミド系の液晶配向膜に限定されず、他のポリマー等の溶液を基板に塗布し成膜して形成されるポリマー膜においても、同様に存在する。
特開平2−282726号公報 特開平3−179323号公報 特開平4−281427号公報 特開平9−278724号公報 国際公開第2004/52962号パンフレット 特開2004−67589号公報 特開平2−37324号公報
本発明の課題は、上述の従来技術の問題点を解決することにあり、種々の特性を比較的自由に改善した機能性ポリマー膜を得ることができる機能性ポリマー膜形成用塗布液、及び、これを用いた機能性ポリマー膜形成方法を提供することにある。
上記課題を解決する本発明のポリイミド膜形成用塗布液は、機能性を付与する機能性構造部位と、これに連結された少なくとも1つのメルドラム酸構造部位とを具備する下記式[A]〜[D]で表される群から選択される少なくとも一種の修飾用化合物と、被修飾用ポリマー又は前記被修飾用ポリマーを合成するためのモノマーとを含むことを特徴とする。
Figure 0005896164
(式中、Wは、機能性を付与する機能性構造部位であるk価の有機基を表す。Vは、−H、−OH、−OR、−SRまたは−NHRを表し、Rは、ベンゼン環、シクロヘキサン環、ヘテロ環、フッ素、エーテル結合、エステル結合、アミド結合を任意の場所に含んでいてもよい炭素原子数が1〜35の一価の有機基を表す。kは、1〜8の整数を表す。)
Figure 0005896164
(式中、Wは、機能性を付与する機能性構造部位であるk価の有機基を表す。Vは、−H、−OH、−SR、−ORまたは−NHRを表し、Rは、ベンゼン環、シクロヘキサン環、ヘテロ環、フッ素、エーテル結合、エステル結合、アミド結合を任意の場所に含んでいてもよい炭素原子数が1〜35の一価の有機基を表す。kは、1〜8の整数を表す。)
Figure 0005896164
(式中、W及びWは、それぞれ機能性を付与する機能性構造部位であるk価の有機基を表し、W及びWは同一でも異なっていてもよい。kは、1〜8の整数を表す。)
Figure 0005896164
(式中、Wは、機能性を付与する機能性構造部位である2k価の有機基を表す。kは、1〜8の整数を表す。)
本発明の機能性ポリマー膜形成方法は、上記機能性ポリマー膜形成用塗布液を基板に塗布して、焼成し、前記メルドラム酸構造部位を介して前記機能性構造部位を前記被修飾ポリマーに結合させた機能性ポリマー膜を得ることを特徴とする。
本発明によれば、機能性を付与する機能性構造部位と、これに連結された少なくとも1つのメルドラム酸構造部位とを具備する上記式[A]〜[D]で表される群から選択される少なくとも一種で表される修飾用化合物を含有する機能性ポリマー膜形成用塗布液とすることにより、種々の特性を比較的自由に改善した機能性ポリマー膜を得ることができる。
以下、本発明について詳細に説明する。
本発明の機能性ポリマー膜形成用塗布液は、機能性を付与する機能性構造部位と、これに連結された少なくとも1つのメルドラム酸構造部位とを具備する下記式[A]〜[D]で表される群から選択される少なくとも一種の修飾用化合物を含有するものである。
Figure 0005896164
(式中、Wは、機能性を付与する機能性構造部位であるk価の有機基を表す。Vは、−H、−OH、−SR、−ORまたは−NHRを表し、Rは、ベンゼン環、シクロヘキサン環、ヘテロ環、フッ素、エーテル結合、エステル結合、アミド結合を任意の場所に含んでいてもよい炭素原子数が1〜35の一価の有機基を表す。kは、1〜8の整数を表す。)
Figure 0005896164
(式中、Wは、機能性を付与する機能性構造部位であるk価の有機基を表す。Vは、−H、−OH、−SR、−ORまたは−NHRを表し、Rは、ベンゼン環、シクロヘキサン環、ヘテロ環、フッ素、エーテル結合、エステル結合、アミド結合を任意の場所に含んでいてもよい炭素原子数が1〜35の一価の有機基を表す。kは、1〜8の整数を表す。)
Figure 0005896164
(式中、W及びWは、それぞれ機能性を付与する機能性構造部位であるk価の有機基を表し、W及びWは同一でも異なっていてもよい。kは、1〜8の整数を表す。)
Figure 0005896164
(式中、Wは、機能性を付与する機能性構造部位である2k価の有機基を表す。kは、1〜8の整数を表す。)
上記式[A]で表される修飾用化合物の具体例としては、下記式[i]〜[iii]で表される修飾用化合物が挙げられる。なお、末端アミノ基が一級もしくは二級であるアミン化合物、あるいは、ヒドラジン化合物を原料として上記式[A]で表される修飾用化合物を合成した場合には、下記式[i]で表される修飾用化合物となり、チオール化合物、もしくは、二硫化炭素を原料として上記式[A]で表される修飾用化合物を合成した場合には、下記式[ii]で表される修飾用化合物となり、アルデヒド、または、ケトン化合物、あるいはカルボン酸誘導体を原料として上記式[A]で表される修飾用化合物を合成した場合には、下記式[iii]で表される修飾用化合物となる。また、カルボジイミド化合物を原料として用いた場合には、下記式[i]で表される化合物となり、この場合、Rは−Hとなる。
Figure 0005896164
(式中、Yは、上記式[A]で表される修飾用化合物の原料である末端アミノ基が一級もしくは二級であるアミン化合物、ヒドラジン化合物、または、カルボジイミド化合物由来のk価の有機基であり、例えば、単結合または、ヘテロ原子や環構造を有していてもよい直鎖状あるいは分岐状の炭素原子数が1〜60のk価の有機基である。k及びVは、上記式[A]におけるk及びVと同じである。pは、アミン化合物あるいはカルボジイミド化合物を原料とした場合は1であり、ヒドラジン化合物を原料とした場合は2である。Rは、R〜Rで表される−H、または、ベンゼン環、シクロヘキサン環、ヘテロ環、フッ素、エーテル結合、エステル結合、アミド結合を任意の場所に含んでいてもよい炭素原子数が1〜35の一価の有機基であり、R〜Rは同一でも異なっていてもよい。また、Rは、Yの一部と連結し環を形成していてもよい。)
Figure 0005896164
(式中、Yは、上記式[A]で表される修飾用化合物の原料であるチオール化合物、もしくは二硫化炭素由来のk価の有機基であり、例えば、単結合または、ヘテロ原子や環構造を有していてもよい直鎖状あるいは分岐状の炭素原子数が1〜60のk価の有機基である。k及びVは上記式[A]におけるk及びVと同じである。)
Figure 0005896164
(式中、Yは、上記式[A]で表される修飾用化合物の原料であるアルデヒド、ケトン化合物またはカルボン酸誘導体、もしくは、オルトギ酸エステル由来のk価の有機基であり、例えば、単結合または、ヘテロ原子や環構造を有していてもよい直鎖状あるいは分岐状の炭素原子数が1〜60のk価の有機基である。k及びVは上記式[A]におけるk及びVと同じである。)
上記式[i]〜[iii]で表される修飾用化合物において、kが2の場合のY〜Yの具体例としては、下記式(Y−1)〜(Y−120)で表される2価の有機基などが挙げられる。なかでも、得られる機能性ポリマー膜を液晶配向膜として使用する場合、良好な液晶配向性を得るためには、直線性の高いジアミン化合物を原料とする構造であることが好ましく、このようなYとしては、(Y−7)、(Y−10)、(Y−11)、(Y−12)、(Y−13)、(Y−21)、(Y−22)、(Y−23)、(Y−25)、(Y−26)、(Y−27)、(Y−41)、(Y−42)、(Y−43)、(Y−44)、(Y−45)、(Y−46)、(Y−48)、(Y−61)、(Y−63)、(Y−64)、(Y−65)、(Y−66)、(Y−67)、(Y−68)、(Y−69)、(Y−70)、(Y−71)、(Y−78)、(Y−79)、(Y−80)、(Y−81)、(Y−82)や(Y−109)などが挙げられる。また、得られる機能性ポリマー膜を、液晶のプレチルト角を高くするための液晶配向膜とする場合は、側鎖に長鎖アルキル基(例えば炭素数10以上のアルキル基)、芳香族環、脂肪族環、ステロイド骨格、又はこれらを組み合わせた構造を有するジアミン化合物を原料とする構造であることが好ましく、このようなYとしては、(Y−83)、(Y−84)、(Y−85)、(Y−86)、(Y−87)、(Y−88)、(Y−89)、(Y−90)、(Y−91)、(Y−92)、(Y−93)、(Y−94)、(Y−95)、(Y−96)、(Y−97)、(Y−98)、(Y−99)、(Y−100)、(Y−101)、(Y−102)、(Y−103)、(Y−104)、(Y−105)、(Y−106)、(Y−107)、又は(Y−108)などが挙げられるが、これに限定されるものではない。また、液晶表示素子の電気特性を向上させたい場合は、(Y−31)、(Y−40)、(Y−64)、(Y−65)、(Y−66)、(Y−67)、(Y−109)、(Y−110)などが挙げられる。また、液晶配向膜に光反応性を付与させたい場合は、(Y−17)、(Y−18)、(Y−111)、(Y−112)、(Y−113)、(Y−114) 、(Y−115)、(Y−116)、(Y−117)、(Y−118)、(Y−119)などが挙げられる。
Figure 0005896164
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上記式[i]〜[iii]で表される修飾用化合物において、kが1の場合のY〜Yの具体例としては、下記式で表される1価の有機基や、[Y−1]〜[Y−120]の一つの結合手が水素原子と結合した構造などが挙げられるが、これに限定されるものではない。
Figure 0005896164
また、上記式[i]〜[iii]で表される修飾用化合物において、kが3以上の場合のY〜Yの具体例としては、下記式で表される3価以上の有機基や、[Y−1]〜[Y−120]の水素原子が脱離した構造などが挙げられるが、これに限定されるものではない。なお、本明細書において、Meはメチル基である。
Figure 0005896164
上記式[A]で表される修飾用化合物の製造方法は特に限定されないが、例えば、上記式[i]および[ii]で表される修飾用化合物は、オルトギ酸トリメチル中、または、オルトギ酸トリエチル中、あるいは、一般的な有機合成で用いられる有機溶媒(例えば、酢酸エチル、ヘキサン、トルエン、テトラヒドロフラン、アセトニトリル、メタノール、クロロホルム、1,4−ジオキサン、N,N−ジメチルホルムアミド、N−メチル−2−ピロリドン)中で、オルトギ酸トリメチルやオルトギ酸トリエチルと共に、下記式[E1]で表されるアミン化合物や下記式[E2]で表されるチオール化合物とメルドラム酸を反応させることにより製造することができる。この反応の反応温度や反応時間に特に制限はないが、例えば60〜120℃、30分〜2時間程度反応させればよい。
Figure 0005896164
(式中、Y、R及びkは上記式[i]におけるY、R及びkと同じである。)
Figure 0005896164
(式中、Y及びkは上記式[ii]におけるY及びkと同じである。)
また、上記式[iii]で表される修飾用化合物は、ピリジン中またはその他の有機塩基化合物中(例えば、トリエチルアミン、トリブチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン)、あるいは、これら有機塩基化合物やトリフェニルホスフィン等のホスフィン系化合物を共存させた上記一般的な有機合成で用いられる有機溶媒中で、下記式[E3]で表されるアルデヒド化合物とメルドラム酸を反応させることにより製造することができる。この反応の反応温度や反応時間に特に制限はないが、例えば0℃〜100℃、1〜24時間程度反応させればよい。
Figure 0005896164
(式中、Y及びkは上記式[iii]におけるY及びkと同じである。)
その他の上記式[A]で表される修飾用化合物の製造方法としては、上記[E1]等のアミン化合物、上記[E2]等のチオール化合物や、上記[E3]等のアルデヒド化合物のアミノ基、チオール基、アルデヒド基を一般的に知られている種々の有機合成法に従い、化学修飾して、スペーサーを介して、アミノ基、チオール基や、アルデヒド基を有する化合物とし、これを原料としてメルドラム酸と反応させる方法が挙げられる。勿論、この化学修飾は、複数回行なってもよい。
具体的には、例えば、上記[E1]のアミン化合物のアミノ基を一般的に知られている種々の有機合成法に従い、化学修飾して、下記式[E4]〜[E6]で表される化合物として、これを上記式[i]〜[iii]で表される修飾用化合物と同様の合成法でメルドラム酸と反応させることによっても製造することができる。なお、下記式[E4]〜[E6]で表される化合物を原料としてメルドラム酸と反応させると、下記式[i’]〜[iii’]の式[A]で表される修飾用化合物となる。
Figure 0005896164
(式中、Y、R及びkは上記式[i]におけるY、R及びkと同じである。Qは、単結合または、ヘテロ原子や環構造を有していてもよい直鎖状あるいは分岐状の炭素原子数が1〜15の二価の有機基を表す。Rは、R〜Rで表される−H、または、ベンゼン環、シクロヘキサン環、ヘテロ環、フッ素、エーテル結合、エステル結合、アミド結合を任意の場所に含んでいてもよい炭素原子数が1〜35の一価の有機基であり、R〜Rは同一でも異なっていてもよい。また、Rは、Qの一部と連結し環を形成していてもよい。)
Figure 0005896164
(式中、Y、R、R、Q及びkは上記式[E4]〜[E6]におけるY、R、R、Q及びkと同じであり、Vは上記式[A]におけるVと同じである。)
上記式[B]で表される修飾用化合物の具体例としては、下記式[iv]及び[v]で表される修飾用化合物が挙げられる。
Figure 0005896164
(式中、Yは、上記式[B]で表される修飾用化合物の原料であるアルデヒド、ケトン化合物、ハロゲン化アルキル化合物あるいは電子不足不飽和結合を有する化合物(例えば、アクリロイル基を有する化合物)由来のk価の有機基であり、例えば、単結合または、ヘテロ原子や環構造を有していてもよい直鎖状あるいは分岐状の炭素原子数が1〜60のk価の有機基である。k及びVは上記式[B]におけるk及びVと同じである。)
Figure 0005896164
(式中、Yは、上記式[B]で表される修飾用化合物の原料であるカルボン酸誘導体由来のk価の有機基であり、例えば、単結合または、ヘテロ原子や環構造を有していてもよい直鎖状あるいは分岐状の炭素原子数が1〜60のk価の有機基である。k及びV及は上記式[B]におけるk及びVと同じである。)
上記式[iv]及び[v]で表される修飾用化合物において、Y及びYの具体例は、上記Y〜Yと同様である。
上記式[B]で表される修飾用化合物の製造方法も特に限定されないが、例えば、上記式[iv]で表される修飾用化合物は、上記一般的な有機合成で用いられる有機溶媒中で、ピリジン、またはその他の有機塩基化合物(例えば、トリエチルアミン、トリブチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン)あるいは、炭酸カリウムや炭酸水素ナトリウム、水酸化ナトリウムのような無機塩基と共に、アルデヒド、ケトン化合物、ハロゲン化アルキル化合物(ハロゲンは、−Cl、−Br、−Iのいずれでもよい。)あるいは電子不足不飽和結合を有する化合物(例えば、アクリロイル基を有する化合物)と、メルドラム酸を反応させることにより製造することができる。この反応の反応温度や反応時間に特に制限はないが、例えば0℃〜120℃、30分〜2時間程度反応させればよい。なお、このようにアルデヒド、ケトン化合物、ハロゲン化アルキル化合物、あるいは電子不足の不飽和結合を有する化合物(例えば、アクリロイル基を有する化合物)を原料として上記式[B]で表される修飾用化合物を合成した場合には、直接、あるいは、一旦上記式[iii]で表される化合物を経由して、その後、炭素−炭素二重結合を還元することで、上記式[iv]で表される修飾用化合物となる。
また、上記式[v]で表される修飾用化合物は、上記一般的な有機合成で用いられる有機溶媒中で、ピリジン、またはその他の有機塩基化合物(例えば、トリエチルアミン、トリブチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン)あるいは、炭酸カリウムや炭酸水素ナトリウム、水酸化ナトリウムのような無機塩基と共に、カルボン酸や、カルボン酸クロリド等のカルボン酸誘導体と、メルドラム酸を反応させることにより製造することができる。この反応の反応温度や反応時間に特に制限はないが、例えば−20〜120℃、30分〜2時間程度反応させればよい。
その他の上記式[B]で表される修飾用化合物の製造方法としては、上記式[A]で表される化合物の製造方法と同様に、アルデヒド、ケトン化合物、ハロゲン化アルキル化合物、電子不足不飽和結合を有する化合物、カルボン酸や、カルボン酸誘導体を一般的に知られている種々の有機合成法に従い、化学修飾して、スペーサーを介して、アルデヒド基、ケトン基、ハロゲン化アルキル基、電子不足不飽和結合を有する基(例えば、アクリロイル基)、カルボキシル基を有する化合物とし、これを原料としてメルドラム酸と反応させる方法が挙げられる。勿論、この化学修飾は、複数回行なってもよい。なお、このように、化学修飾を行なって上記式[B]で表される修飾用化合物を製造した場合は、例えば、上記式[iv]で表される修飾用化合物のYとメルドラム酸構造部位との間に、化学修飾させる化合物由来の構造(例えば、ヘテロ原子や環構造を有していてもよい鎖状あるいは分岐構造からなる炭素原子数が1〜15の二価の有機基)が挿入された構造の式[B]で表される修飾用化合物や、上記式[v]で表される修飾用化合物のYとカルボニル基との間に、化学修飾させる化合物由来の構造(例えば、ヘテロ原子や環構造を有していてもよい鎖状あるいは分岐構造からなる炭素原子数が1〜15の二価の有機基)が挿入された構造の式[B]で表される修飾用化合物となる。
上記式[C]で表される修飾用化合物の具体例としては、下記式[vi]で表される修飾用化合物が挙げられる。
Figure 0005896164
(式中、Y及びYは、それぞれ上記式[C]で表される修飾用化合物の原料であるハロゲン化アルキル化合物、あるいは、アルコール誘導体由来のk価の有機基を表し、例えば、単結合または、ヘテロ原子や環構造を有していてもよい直鎖状あるいは分岐状の炭素原子数が1〜60のk価の有機基である。Y及びYは同一でも異なっていてもよい。kは、上記式[C]におけるkと同じである。)
上記式[vi]で表される修飾用化合物において、Y及びYの具体例は、上記Y〜Yと同様である。
上記式[C]で表される修飾用化合物の製造方法も特に限定されないが、例えば、上記式[vi]で表される修飾用化合物は、上記一般的な有機合成で用いられる有機溶媒中で、ピリジン、またはその他の有機塩基化合物(例えば、トリエチルアミン、トリブチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン)あるいは、炭酸カリウムや炭酸水素ナトリウム、水酸化ナトリウムのような無機塩基と共に、上記式[iv]で表される修飾用化合物とハロゲン化アルキル化合物とを、あるいは、さらにパラジウム触媒を共存させ、末端水酸基を有する化合物とを反応させることにより製造することができる。あるいは、上記一般的な有機合成で用いられる有機溶媒中で、ピリジン、またはその他の有機塩基化合物(例えば、トリエチルアミン、トリブチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン)あるいは、炭酸カリウムや炭酸水素ナトリウム、水酸化ナトリウムのような無機塩基と共に、ハロゲン化アルキル化合物とを、あるいは、さらにパラジウム触媒を共存させ、末端に水酸基を有する化合物とを反応させることにより製造することができる。なお、この場合、Y及びYは、同一であっても異なっていてもよい。Y及びYが、異なる場合は、上記製造方法において、2種類以上のハロゲン化アルキル化合物や末端に水酸基を有する化合物を共存させ、あるいは段階的に加えることで製造することができる。この反応の反応温度や反応時間に特に制限はないが、例えば60〜120℃、30分〜2時間程度反応させればよい。
その他の上記式[C]で表される修飾用化合物の製造方法としては、上記式[A]で表される化合物の製造方法と同様に、ハロゲン化アルキル化合物や、アルコール誘導体を一般的に知られている種々の有機合成法に従い、化学修飾して、スペーサーを介して、ハロゲン化アルキル基、アルコキシ基、ヒドロキシ基を有する化合物とし、これを原料としてメルドラム酸と反応させる方法が挙げられる。勿論、この化学修飾は、複数回行なってもよい。なお、このように、化学修飾を行なって上記式[C]で表される修飾用化合物を製造した場合は、例えば、上記式[vi]で表される修飾用化合物のYとメルドラム酸構造部位との間や、Yとメルドラム酸構造部位との間に、化学修飾させる化合物由来の構造(例えば、ヘテロ原子や環構造を有していてもよい鎖状あるいは分岐構造からなる炭素原子数が1〜15の二価の有機基)が挿入された構造の式[C]で表される修飾用化合物となる。
上記式[D]で表される修飾用化合物の具体例としては、下記式[vii]で表される修飾用化合物が挙げられる。
Figure 0005896164
(式中、Yは上記式[D]で表される修飾用化合物の原料である環状ケトン化合物、環状アルコキシイミン化合物、あるいは、環状カルボジイミド化合物に由来する炭素原子数が1〜15の2kの有機基を表す。kは、上記式[D]におけるkと同じである。)
上記式[vii]で表される修飾用化合物において、Yの具体例としては、シクロペンタン環やシクロヘキサン環やシクロオクタン環、γ−ピロンのような環状ケトン由来の環状構造が挙げられる。
上記式[D]で表される修飾用化合物の製造方法も特に限定されないが、例えば、上記式[vii]で表される修飾用化合物は、上記一般的な有機合成で用いられる有機溶媒中で、ピリジン、またはその他の有機塩基化合物(例えば、トリエチルアミン、トリブチルアミン、ジイソプロピルエチルアミン)あるいは、炭酸カリウムや炭酸水素ナトリウム、水酸化ナトリウムのような無機塩基と共に、環状ケトン化合物(例えば、シクロヘキサノン誘導体やγ−ピロン誘導体)、環状アルコキシイミン化合物(例えば、6−位アルコキシ置換テトラヒドロピリジン)、あるいは、環状カルボジイミド化合物(例えば、3−ジアザシクロノナ−1,2−ジエン誘導体)と、メルドラム酸を反応させることにより製造することができる。この反応の反応温度や反応時間に特に制限はないが、例えば60〜120℃、30分〜2時間程度反応させればよい。
勿論、上記式[A]〜[D]で表される修飾用化合物は、1種類でもよく、また、2種類以上を併用してもよい。
また、本発明の機能性ポリマー膜形成用塗布液は、被修飾用ポリマー又はこれらの被修飾用ポリマーを合成するためのモノマーを含有する。被修飾用ポリマーは、メルドラム酸構造と反応する部位を有していれば特に限定されないが、例えば、テトラカルボン酸及びその誘導体から選択される少なくとも一種のテトラカルボン酸成分とジアミン成分とを重合反応させることにより得られるポリイミド前駆体、このポリイミド前駆体をイミド化して得られるポリイミド、アクリルポリマー、メタクリルポリマー、アクリルアミドポリマー、メタクリルアミドポリマー、ポリスチレン、ポリビニル、ポリシロキサンやポリアミド、ポリエステル、ポリウレタン、ポリカーネート、ポリウレア、ポリフェノール(ノボラック樹脂)、マレイミドポリマー、あるいは、イソシアヌル酸骨格やトリアジン骨格を有した化合物を導入したポリマーが挙げられる。また、ポリマーの形態は、例えば、デンドリマーやハイパーブランチポリマー、スターライクポリマーなどの分岐状ポリマー、ポリカテナンやポリロタキサンなどの非共有結合性ポリマーのような形態であっても良い。また、これらの被修飾用ポリマーを合成するためのモノマーとしては、被修飾用ポリマーがポリイミド前駆体やポリイミドの場合はテトラカルボン酸及びその誘導体から選択される少なくとも一種のテトラカルボン酸成分とジアミン成分、被修飾用ポリマーがアクリルポリマーの場合はアクリル酸、及びその誘導体、アクリル酸エステル、及びその誘導体、被修飾用ポリマーがメタクリルポリマーの場合はメタクリル酸、及びその誘導体、メタクリル酸エステル、及びその誘導体、被修飾用ポリマーがアクリルアミドポリマーの場合はアクリルアミド、及びその誘導体、被修飾用ポリマーがメタクリルアミドポリマーの場合はメタクリルアミド、及びその誘導体、被修飾用ポリマーがポリスチレンの場合はスチレン、及びその誘導体、被修飾用ポリマーがポリビニルの場合はビニル基を有した誘導体、被修飾用ポリマーがポリシロキサンの場合はメトキシ基やエトキシ基を有するシラン化合物、被修飾用ポリマーがポリアミドの場合、ジカルボン酸及びその誘導体から選択される少なくとも一種のジカルボン酸成分とジアミン成分、被修飾用ポリマーがポリエステルの場合、ジカルボン酸及びその誘導体から選択される少なくとも一種のジカルボン酸成分とジオール成分、被修飾用ポリマーがポリウレタンの場合、イソシアネートと化合物と水酸基を有する化合物、被修飾用ポリマーがポリカーネートの場合、ビスフェノール誘導体とホスゲン、または、ホスゲン等価体(例えば、トリクロロホスゲン)、もしくは、ジフェニルカーボネート、被修飾用ポリマーがポリウレアの場合、ビスイソシアネート誘導体とジアミン成分、被修飾用ポリマーがマレイミドポリマーの場合、マレイミド誘導体単独、あるいは、スチレンとの共重合、被修飾用ポリマーがイソシアヌル酸骨格やトリアジン骨格を有した化合物を導入したポリマーの場合、イソシアヌル酸骨格やトリアジン骨格を有した化合物が挙げられる。勿論、被修飾用ポリマーまたはこれらの被修飾用ポリマーを合成するためのモノマーは、1種類でもよく、また、2種類以上を併用してもよい。なお、ポリイミド前駆体とは、ポリアミック酸及びポリアミック酸エステルを指す。
本発明の機能性ポリマー膜形成用塗布液が含有する被修飾用ポリマーは、通常行なわれている方法で製造することができる。例えば、ポリイミド前駆体やポリイミドは、上述したようにテトラカルボン酸及びその誘導体から選択される少なくとも一種のテトラカルボン酸成分とジアミン成分とを重合反応させることにより得られるものである。
ジアミン成分としては、例えば、kが2である上記式[E1]で表されるジアミン化合物が挙げられる。また、従来ジアミン成分とテトラカルボン酸成分とを反応させてポリイミド前駆体を得る際に用いられているジアミン成分を用いることができる。なお、このポリイミド前駆体の原料であるジアミン成分を、一部または全部が上記式[A]で表される修飾用化合物の原料と同一の化合物としてもよく、また、ジアミン成分と上記式[A]で表される修飾用化合物の原料とを異なる化合物としてもよい。
また、テトラカルボン酸及びその誘導体から選択される少なくとも一種のテトラカルボン酸成分として、従来ジアミン成分とテトラカルボン酸成分とを反応させてポリイミド前駆体を得る際に用いられているテトラカルボン酸成分を用いることができる。テトラカルボン酸誘導体としては、テトラカルボン酸ジハライド、下記式[F]で表されるテトラカルボン酸二無水物、テトラカルボン酸ジエステルジクロリド、テトラカルボン酸ジエステル等が挙げられる。例えば、テトラカルボン酸ジハライド、テトラカルボン酸二無水物など、テトラカルボン酸又はその誘導体と、ジアミン成分とを反応させることで、ポリアミック酸を得ることができる。また、テトラカルボン酸ジエステルジクロリドと、ジアミン成分との反応や、テトラカルボン酸ジエステルとジアミン成分とを適当な縮合剤や、塩基の存在下等にて反応させることにより、ポリアミック酸エステルを得ることができる。
Figure 0005896164
(Xは4価の有機基である。)
上記式[F]のXの具体例としては、下記式(X−1)〜(X−46)で表される4価の有機基が挙げられる。化合物の入手性の観点から、Xは、(X−1)、(X−2)、(X−3)、(X−4)、(X−5)、(X−6)、(X−8)、(X−16)、(X−17)、(X−19)、(X−21)、(X−25)、(X−26)、(X−27)、(X−28)、(X−32)や(X−46)であることが好ましい。得られる機能性ポリマー膜(ポリイミド膜)の透明性を向上させたい場合は、脂肪族及び脂肪族環構造を有するテトラカルボン酸二無水物を用いることが好ましく、Xとしては、(X−1)、(X−2)、及び(X−25)がより好ましく、ジアミン成分との反応性の観点から、(X−1)がさらに好ましい。
Figure 0005896164
Figure 0005896164
テトラカルボン酸ジエステルの具体例としては、1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸ジアルキルエステル、1,2−ジメチル−1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸ジアルキルエステル、1,3−ジメチル−1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸ジアルキルエステル、1,2,3,4−テトラメチル−1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸ジアルキルエステル、1,2,3,4−シクロペンタンテトラカルボン酸ジアルキルエステル、2,3,4,5−テトラヒドロフランテトラカルボン酸ジアルキルエステル、1,2,4,5−シクロヘキサンテトラカルボン酸ジアルキルエステル、3,4−ジカルボキシ−1−シクロヘキシルコハク酸ジアルキルエステル、3,4−ジカルボキシ−1,2,3,4−テトラヒドロ−1−ナフタレンコハク酸ジアルキルエステル、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸ジアルキルエステル、ビシクロ[3,3,0]オクタン−2,4,6,8−テトラカルボン酸ジアルキルエステル、3,3’,4,4’−ジシクロヘキシルテトラカルボン酸ジアルキルエステル、2,3,5−トリカルボキシシクロペンチル酢酸ジアルキルエステル、シス−3,7−ジブチルシクロオクタ−1,5−ジエン−1,2,5,6−テトラカルボン酸ジアルキルエステル、トリシクロ[4.2.1.02,5]ノナン−3,4,7,8−テトラカルボン酸−3,4:7,8−ジアルキルエステル、ヘキサシクロ[6.6.0.12,7.03,6.19,14.010,13]ヘキサデカン−4,5,11,12−テトラカルボン酸−4,5:11,12−ジアルキルエステル、4−(2,5−ジオキソテトラヒドロフラン−3−イル)−1,2,3,4−テトラヒドロナフタレン−1,2−ジカルボンジアルキルエステルなどの脂肪族テトラカルボン酸ジエステルや、ピロメリット酸ジアルキルエステル、3,3’,4,4’−ビフェニルテトラカルボン酸ジアルキルエステル、2,2’,3,3’−ビフェニルテトラカルボン酸ジアルキルエステル、2,3,3’,4−ビフェニルテトラカルボン酸ジアルキルエステル、3,3’,4,4’−ベンゾフェノンテトラカルボン酸ジアルキルエステル、2,3,3’,4−ベンゾフェノンテトラカルボン酸ジアルキルエステル、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)エーテルジアルキルエステル、ビス(3,4−ジカルボキシフェニル)スルホンジアルキルエステル、1,2,5,6−ナフタレンテトラカルボン酸ジアルキルエステル、2,3,6,7−ナフタレンテトラカルボン酸ジアルキルエステルなどの芳香族テトラカルボン酸ジアルキルエステルが挙げられる。
勿論、ジアミン成分やテトラカルボン酸成分はそれぞれ1種類でもよく、また、2種類以上を併用してもよい。
テトラカルボン酸成分とジアミン成分とを重合反応させてポリイミド前駆体を合成する方法は特に限定されず、公知の合成手法を用いることができる。
例えば、ジアミン成分とテトラカルボン酸二無水物との反応は、ジアミン成分とテトラカルボン酸二無水物とを有機溶媒中で反応させる方法が挙げられる。その際に用いる有機溶媒は、生成したポリイミド前駆体が溶解するものであれば特に限定されない。その具体例としては、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドン、N−メチルカプロラクタム、ジメチルスルホキシド、テトラメチル尿素、ピリジン、ジメチルスルホン、ヘキサメチルスルホキシド、γ−ブチロラクトン、イソプロピルアルコール、メトキシメチルペンタノール、ジペンテン、エチルアミルケトン、メチルノニルケトン、メチルエチルケトン、メチルイソアミルケトン、メチルイソプロピルケトン、メチルセルソルブ、エチルセルソルブ、メチルセロソルブアセテート、エチルセロソルブアセテート、ブチルカルビトール、エチルカルビトール、エチレングリコール、エチレングリコールモノアセテート、エチレングリコールモノイソプロピルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコール、プロピレングリコールモノアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコール−tert−ブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコール、ジエチレングリコールモノアセテート、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノアセテートモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノアセテートモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノプロピルエーテル、ジプロピレングリコールモノアセテートモノプロピルエーテル、3−メチル−3−メトキシブチルアセテート、トリプロピレングリコールメチルエーテル、3−メチル−3−メトキシブタノール、ジイソプロピルエーテル、エチルイソブチルエーテル、ジイソブチレン、アミルアセテート、ブチルブチレート、ブチルエーテル、ジイソブチルケトン、メチルシクロへキセン、プロピルエーテル、ジヘキシルエーテル、ジオキサン、n−へキサン、n−ペンタン、n−オクタン、ジエチルエーテル、シクロヘキサノン、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、乳酸メチル、乳酸エチル、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸n−ブチル、酢酸プロピレングリコールモノエチルエーテル、ピルビン酸メチル、ピルビン酸エチル、3−メトキシプロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオン酸メチルエチル、3−メトキシプロピオン酸エチル、3−エトキシプロピオン酸、3−メトキシプロピオン酸、3−メトキシプロピオン酸プロピル、3−メトキシプロピオン酸ブチル、ジグライムまたは4−ヒドロキシ−4−メチル−2−ペンタノンなどが挙げられる。これらは単独で使用しても、混合して使用してもよい。さらに、ポリイミド前駆体を溶解させない溶媒であっても、生成したポリイミド前駆体が析出しない範囲で、上記溶媒に混合して使用してもよい。また、有機溶媒中の水分は重合反応を阻害し、さらには生成したポリイミド前駆体を加水分解させる原因となるので、有機溶媒は脱水乾燥させたものを用いることが好ましい。
ジアミン成分とテトラカルボン酸二無水物とを有機溶媒中で反応させる際には、ジアミン成分を有機溶媒に分散あるいは溶解させた溶液を攪拌させ、テトラカルボン酸二無水物をそのまま、または有機溶媒に分散、あるいは溶解させて添加する方法、逆にテトラカルボン酸二無水物を有機溶媒に分散、あるいは溶解させた溶液にジアミン成分を添加する方法、テトラカルボン酸二無水物とジアミン成分とを交互に添加する方法などが挙げられ、これらのいずれの方法を用いてもよい。また、ジアミン成分またはテトラカルボン酸二無水物を、それぞれ複数種用いて反応させる場合は、あらかじめ混合した状態で反応させてもよく、個別に順次反応させてもよく、さらに個別に反応させた低分子量体を混合反応させ重合体としてもよい。その際の重合温度は−20℃〜150℃の任意の温度を選択することができるが、好ましくは−5℃〜100℃の範囲である。また、反応は任意の濃度で行うことができるが、濃度が低すぎると高分子量の重合体を得ることが難しくなり、濃度が高すぎると反応液の粘性が高くなり過ぎて均一な攪拌が困難となる。そのため、好ましくは1〜50質量%、より好ましくは5〜30質量%である。反応初期は高濃度で行い、その後、有機溶媒を追加することができる。
ポリイミド前駆体の重合反応においては、ジアミン成分の合計モル数とテトラカルボン酸二無水物の合計モル数の比は0.8〜1.2であることが好ましい。通常の重縮合反応同様、このモル比が1.0に近いほど生成するポリイミド前駆体の分子量は大きくなる。
また、ポリアミック酸エステルは、上記のようにテトラカルボン酸ジエステルジクロリドとジアミン成分との反応や、テトラカルボン酸ジエステルとジアミン成分を適当な縮合剤、塩基の存在下にて反応させることにより得ることができる。または、上記の方法で予めポリアミック酸を合成し、高分子反応を利用してポリアミック酸のカルボキシル基をエステル化することでも得ることができる。
具体的には、例えば、テトラカルボン酸ジエステルジクロリドとジアミン成分とを塩基と有機溶剤の存在下で−20℃〜150℃、好ましくは0℃〜50℃において、30分〜24時間、好ましくは1時間〜4時間反応させることによって、ポリアミック酸エステルを合成することができる。
塩基としては、ピリジン、トリエチルアミン、4−ジメチルアミノピリジンなどが使用できるが、反応が穏和に進行するためピリジンが好ましい。塩基の添加量は、除去が容易な量で、かつ高分子量体が得やすいという観点から、テトラカルボン酸ジエステルジクロリドに対して、2〜4倍モルであることが好ましい。
また、テトラカルボン酸ジエステルとジアミン成分を、縮合剤存在下にて重縮合する場合、塩基として、トリフェニルホスファイト、ジシクロヘキシルカルボジイミド、1−エチル−3−(3−ジメチルアミノプロピル)カルボジイミド塩酸塩、N,N’−カルボニルジイミダゾール、ジメトキシ−1,3,5−トリアジニルメチルモルホリニウム、O−(ベンゾトリアゾール−1−イル)−N,N,N’,N’−テトラメチルウロニウム テトラフルオロボラート、O−(ベンゾトリアゾール−1−イル)−N,N,N’,N’−テトラメチルウロニウムヘキサフルオロホスファート、(2,3−ジヒドロ−2−チオキソ−3−ベンゾオキサゾリル)ホスホン酸ジフェニル、4−(4,6−ジメトキシ−1,3,5−トリアジンー2−イル)4−メトキシモルホリウムクロリド n−水和物などが使用できる。
また、上記縮合剤を用いる方法において、ルイス酸を添加剤として加えることで反応が効率的に進行する。ルイス酸としては、塩化リチウム、臭化リチウムなどのハロゲン化リチウムが好ましい。ルイス酸の添加量は反応させるジアミンまたはテトラカルボン酸ジエステルに対して0.1〜1.0倍モル量であることが好ましい。
上記の反応に用いる溶媒は、上記にて示したポリアミック酸を合成する際に用いられる溶媒と同様の溶媒で行なうことができるが、モノマーおよびポリマーの溶解性からN−メチル−2−ピロリドン、γ−ブチロラクトンが好ましく、これらは1種又は2種以上を混合して用いてもよい。合成時の濃度は、重合体の析出が起こりにくく、かつ高分子量体が得やすいという観点から、テトラカルボン酸ジエステルジクロリドやテトラカルボン酸ジエステル等のテトラカルボン酸誘導体とジアミン成分の反応溶液中での合計濃度が1〜30質量%が好ましく、5〜20質量%がより好ましい。また、テトラカルボン酸ジエステルジクロリドの加水分解を防ぐため、ポリアミック酸エステルの合成に用いる溶媒はできるだけ脱水されていることがよく、窒素雰囲気中で、外気の混入を防ぐのが好ましい。
本発明の機能性ポリマー膜形成用塗布液が含有するポリイミドは、上記ポリイミド前駆体を脱水閉環させることにより得られる。このポリイミドにおいて、アミド酸基の脱水閉環率(イミド化率)は、必ずしも100%である必要はなく、用途や目的に応じて任意に調整することができる。
ポリイミド前駆体をイミド化させる方法としては、ポリイミド前駆体の溶液をそのまま加熱する熱イミド化またはポリイミド前駆体の溶液に触媒を添加する触媒イミド化が挙げられる。
ポリイミド前駆体を溶液中で熱イミド化させる場合の温度は、100〜400℃、好ましくは120〜250℃であり、イミド化反応により生成する水を系外に除きながら行う方が好ましい。
ポリイミド前駆体の触媒イミド化は、ポリイミド前駆体の溶液に、塩基性触媒と酸無水物とを添加し、−20〜250℃、好ましくは0〜180℃で攪拌することにより行うことができる。塩基性触媒の量はアミド酸基の0.5〜30モル倍、好ましくは2〜20モル倍であり、酸無水物の量はアミド酸基の1〜50モル倍、好ましくは3〜30モル倍である。塩基性触媒としてはピリジン、トリエチルアミン、トリメチルアミン、トリブチルアミンまたはトリオクチルアミンなどを挙げることができ、中でもピリジンは反応を進行させるのに適度な塩基性を持つので好ましい。酸無水物としては、無水酢酸、無水トリメリット酸または無水ピロメリット酸などを挙げることができ、中でも無水酢酸を用いると反応終了後の精製が容易となるので好ましい。触媒イミド化によるイミド化率は、触媒量と反応温度、反応時間を調節することにより制御することができる。
なお、ポリイミド前駆体またはポリイミドの反応溶液から、生成したポリイミド前駆体またはポリイミドを回収する場合には、反応溶液を溶媒に投入して沈殿させればよい。沈殿に用いる溶媒としてはメタノール、アセトン、ヘキサン、ブチルセルソルブ、ヘプタン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、エタノール、トルエン、ベンゼン、水などを挙げることができる。溶媒に投入して沈殿させたポリマーは濾過して回収した後、常圧あるいは減圧下で、常温あるいは加熱して乾燥することができる。また、沈殿回収した重合体を、有機溶媒に再溶解させ、再沈殿回収する操作を2〜10回繰り返すと、重合体中の不純物を少なくすることができる。この際の溶媒として、例えば、アルコール類、ケトン類または炭化水素などが挙げられ、これらの内から選ばれる3種類以上の溶媒を用いると、より一層精製の効率が上がるので好ましい。
また、被修飾用ポリマーとして用いることができるポリイミド前駆体、およびポリイミド以外のポリマーとして、アクリルポリマー、メタクリルポリマー、アクリルアミドポリマー、メタクリルアミドポリマー、ポリスチレン、ポリビニル、ポリシロキサン、ポリアミド、ポリエステル、ポリウレタン、ポリカーネート、ポリウレア、ポリフェノール(ノボラック樹脂)、マレイミドポリマー、あるいは、イソシアヌル酸骨格やトリアジン骨格を導入したポリマー、デンドリマーやハイパーブランチポリマー、スターライクポリマーなどの分岐状ポリマー、ポリカテナンやポリロタキサンなどの非共有結合性ポリマーなどが挙げられ、これらポリマー中に、メルドラム酸化合物が熱分解して形成するケテン中間体と反応可能な官能基(例えば、カルボキシル基、ヒドロキシ基、チオール、アミノ基、イミノ基、炭素−炭素二重結合(アルケン)や炭素−炭素三重結合(アルキン)などの不飽和結合、ニトリル、ケトンやアルデヒド、エステル、アミド、イミド)などが存在していれば、これらポリマーは、市販のものや、公知のものを適用してもかまわない。
本発明の機能性ポリマー膜形成用塗布液が含有する被修飾用ポリマーは、得られる機能性ポリマー膜の強度、機能性ポリマー膜形成時の作業性、機能性ポリマー膜の均一性を考慮した場合、GPC(Gel Permeation Chromatography)法で測定した重量平均分子量で5,000〜1,000,000とするのが好ましく、より好ましくは、10,000〜150,000である。
このような、機能性を付与する機能性構造部位W〜Wと、これに連結された少なくとも1つのメルドラム酸構造部位とを具備する上記式[A]〜[D]で表される群から選択される少なくとも一種の修飾用化合物と、被修飾用ポリマー又はこの被修飾用ポリマーを合成するためのモノマーとを含有することにより、すなわち、例えば従来のポリマー膜等を形成するためのポリマー膜形成用塗布液にさらに上記式[A]〜[D]で表される群から選択される少なくとも一種の修飾用化合物を含有させることにより、種々の特性を比較的自由に改善した機能性ポリマー膜を得ることができる機能性ポリマー膜形成用塗布液となる。
詳述すると、上記式[A]〜[D]で表される修飾用化合物は、メルドラム酸構造、すなわち、メルドラム酸由来の構造を末端に少なくとも1個有しており、このメルドラム酸構造は、加熱される(例えば180〜250℃以上)ことにより、二酸化炭素とアセトンの脱離を伴い、ケテン(すなわち、二価の基である>C=C=Oを持つカルボニル化合物)となり、例えば、ポリイミド前駆体、ポリイミド、アクリルポリマー、メタクリルポリマー、アクリルアミドポリマー、メタクリルアミドポリマー、ポリスチレン、ポリビニル、ポリシロキサン、ポリアミド、ポリエステル、ポリウレタン、ポリカーネート、ポリウレア、ポリフェノール(ノボラック樹脂)、マレイミドポリマー、あるいは、イソシアヌル酸骨格やトリアジン骨格を導入したポリマー、デンドリマーやハイパーブランチポリマー、スターライクポリマーなどの分岐状ポリマー、ポリカテナンやポリロタキサンなどの非共有結合性ポリマー中に存在する修飾可能な官能基(例えば、カルボキシル基、ヒドロキシ基、チオール、アミノ基、イミノ基、炭素−炭素二重結合(アルケン)や炭素−炭素三重結合(アルキン)などの不飽和結合、ニトリル基、ケトン基やアルデヒド基、エステル基、アミド基、イミド基)と反応、あるいは、ケテン自身で二量化するなどして反応するものである。したがって、上記式[A]〜[D]で表される修飾用化合物は、高温に加熱されていない(たとえば100℃以下)機能性ポリマー膜形成用塗布液の状態では被修飾用ポリマーや被修飾用ポリマーを合成するためのモノマーと反応しないが、加熱されることにより、メルドラム酸構造を介して被修飾用ポリマーに導入される。なお、k〜kが2以上である上記式[A]〜[D]で表される修飾用化合物の場合、メルドラム構造を2個以上有しているため、加熱後は、被修飾用ポリマーが上記式[A]〜[D]で表される修飾用化合物により架橋された構造になると推測される。
よって、本発明の機能性ポリマー膜形成用塗布液を基板に塗布し焼成して得られる機能性ポリマー膜は、上記式[A]〜[D]で表される修飾用化合物が有するW〜Wの構造が被修飾用ポリマーに導入されたものとなる。
ここで、従来、機能性ポリマー膜の一例であるポリイミド膜はその特徴である高い機械的強度、耐熱性、耐溶剤性のために、液晶配向膜や、電気・電子分野における保護材料、絶縁材料として広く用いられており、所望の特性を改善するために種々のジアミン成分を原料の一部として用いることが行われているが、所望のジアミン成分を自由に用いることができない場合もある。例えば、液晶配向膜においては、液晶配向性やプレチルト角の向上等、所望の特性を改善するために種々のジアミン成分を原料の一部として用いることが行われているが、所望の特性を得るために用いるジアミン成分の種類、組み合わせや量によっては、ジアミン成分とテトラカルボン酸成分との重合反応性が悪くなるため、所望の特性を得るためのジアミン成分の種類、組み合わせや量が制限されてしまう場合がある。また、所望の特性を得るために用いるジアミン成分の種類や組み合わせごとに、ジアミン成分とテトラカルボン酸成分との重合反応条件を検討する必要がある。また、均一なポリイミド膜を形成できるポリイミド膜形成用塗布液(機能性ポリマー膜形成用塗布液)とするためには、含有成分が溶媒に溶解した溶液状態とする必要があるが、所望の特性を得るために用いるジアミン成分の種類、組み合わせや量によっては、ポリイミド膜形成用塗布液が含有するポリイミド前駆体やポリイミドの溶解性が悪くなるという問題がある。そして、ポリイミド膜に限らず、種々のポリマー膜において、所望の特性を改善するために種々のモノマーを原料の一部として用いる場合も、同様に、重合反応性が悪くなるという問題、所望の特性を得るために用いるモノマーの種類や組み合わせごとに重合反応条件を検討する必要があるという問題や、機能性ポリマー膜形成用塗布液が含有するポリマーの溶解性が悪くなるという問題がある。
本発明においては、機能性ポリマー膜形成用塗布液の段階では、被修飾用ポリマーまたは被修飾用ポリマーを合成するためのモノマーと、所望の特性を得るための化合物である上記式[A]〜[D]で表される被修飾用化合物とを別個の化合物として含有するものであり、機能性ポリマー膜形成用塗布液を加熱(焼成)する段階で、所望の特性を得るための化合物である上記式[A]〜[D]で表される被修飾用化合物を被修飾用ポリマーに導入するものである。したがって、機能性ポリマー膜形成用塗布液が含有する被修飾用ポリマーは所望の特性を得るためのモノマーを原料とする必要がないため、モノマーの重合反応性が悪くなるという問題、所望の特性を得るために用いるモノマーの種類や組み合わせごとに重合反応条件を検討する必要があるという問題や、機能性ポリマー膜形成用塗布液が含有するポリマーの溶解性が悪くなるという問題は生じない。よって、本発明の機能性ポリマー膜形成用塗布液は、モノマーの重合反応性、重合反応条件の検討の必要性や、ポリマーの溶解性を考慮することなく、所望の特性(機能)を得るための被修飾用化合物を用いることができるため、従来のポリマー膜形成用の塗布液と比較して、得られる機能性ポリマー膜の種々の特性を比較的自由に改善することができる。
さらに、本発明の機能性ポリマー膜形成用塗布液が、メルドラム構造を2個以上有している上記式[A]〜[D]で表される修飾用化合物を含有する場合は、被修飾用ポリマーが、加熱により上記式[A]〜[D]で表される修飾用化合物で架橋されるため、得られる機能性ポリマー膜は、有機溶剤に対する耐性があり、また、硬い膜となる。
また、テトラカルボン酸及びその誘導体から選択される少なくとも一種のテトラカルボン酸成分とジアミン成分とを重合反応させることにより得られるポリイミド前駆体、及びこのポリイミド前駆体をイミド化して得られるポリイミドから選択される少なくとも一方のポリマーと、上記式[i]で表されメルドラム酸構造を2個有する修飾用化合物とを含有する機能性ポリマー膜形成用塗布液を用いる場合、この上記式[i]で表される修飾用化合物は、ジアミン化合物の二つのアミノ基のそれぞれにメルドラム酸構造を導入したものであり、このジアミン化合物として、従来検討されていた所望の特性を得るためのジアミン成分、すなわち、テトラカルボン酸成分と重合反応させてポリイミド前駆体やポリイミドを製造するためのジアミン成分であって所望の特性を得るためのジアミン成分を適用することができる。したがって、得られるポリイミド膜の種々の特性を、容易に改善することができる。
なお、被修飾用ポリマーを含有する機能性ポリマー膜形成用塗布液の場合、上記式[A]〜[D]で表される修飾用化合物は、加熱することにより被修飾用ポリマーに側鎖として導入され、特に、上記式[A]〜[D]で表される修飾用化合物がメルドラム構造を2個以上有している場合は、被修飾用ポリマーが上記式[A]〜[D]で表される修飾用化合物により架橋された構造になる。また、被修飾用ポリマーを合成するためのモノマーを含有する機能性ポリマー膜形成用塗布液の場合、上記式[A]〜[D]で表される修飾用化合物のメルドラム酸構造はモノマーの重合が生じる温度では基本的に反応しないため、まず被修飾用ポリマーを合成するためのモノマーを低温で重合することにより被修飾用ポリマーを合成し、その後、加熱することにより上記式[A]〜[D]で表される修飾用化合物が被修飾用ポリマーの側鎖として導入され、特に、上記式[A]〜[D]で表される修飾用化合物がメルドラム構造を2個以上有している場合は、被修飾用ポリマーが上記式[A]〜[D]で表される修飾用化合物により架橋された構造になる。しかしながら、被修飾用ポリマーを合成するためのモノマーと、メルドラム構造を2個以上有している上記式[A]〜[D]で表される修飾用化合物を含有する機能性ポリマー膜形成用塗布液の場合、モノマーの重合反応及びメルドラム酸構造の反応の両方が生じる温度にすることにより、モノマーの重合と同時にメルドラム酸構造の反応を生じさせて、被修飾用ポリマーの主鎖に上記式[A]〜[D]で表される修飾用化合物を導入することもできる。
本発明の機能性ポリマー膜形成用塗布液の製造方法は特に限定されず、機能性を付与する機能性構造部位と、これに連結された少なくとも1つのメルドラム酸構造部位とを具備する上記式[A]〜[D]で表される群から選択される少なくとも一種の修飾用化合物と、被修飾用ポリマー又はこの被修飾用ポリマーを合成するためのモノマーとを、溶媒に溶解させればよい。
本発明の機能性ポリマー膜形成用塗布液の溶媒は、上記被修飾用ポリマー又は被修飾用ポリマーを合成するためのモノマーと、機能性を付与する機能性構造部位とこれに連結された少なくとも1つのメルドラム酸構造部位とを具備する上記式[A]〜[D]で表される修飾用化合物とを溶解させることができるものであればよく、例えば、N,N−ジメチルホルムアミド、N,N−ジメチルアセトアミド、N−メチル−2−ピロリドン、N−メチルカプロラクタム、2−ピロリドン、N−エチル−2−ピロリドン、N−ビニルピロリドン、ジメチルスルホキシド、テトラメチル尿素、ピリジン、ジメチルスルホン、ヘキサメチルスルホキシド、γ−ブチロラクトン、1,3−ジメチル−イミダゾリジノン、エチルアミルケトン、メチルノニルケトン、メチルエチルケトン、メチルイソアミルケトン、メチルイソプロピルケトン、シクロヘキサノン、エチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ジグライムおよび4−ヒドロキシ−4−メチル−2−ペンタノンなどの有機溶媒が挙げられる。これらは単独で使用しても、混合して使用してもよい。
本発明の機能性ポリマー膜形成用塗布液は、塗布により均一な機能性ポリマー膜を形成するという観点から、有機溶媒の含有量が70〜97質量%であることが好ましい。この含有量は、目的とする機能性ポリマー膜の膜厚によって適宜変更することができる。
また、本発明の機能性ポリマー膜形成用塗布液における、被修飾用ポリマー又は被修飾用ポリマーを合成するためのモノマーの含有量は、3〜30質量%であることが好ましい。この含有量も、目的とする機能性ポリマー膜の膜厚によって適宜変更することができる。
本発明の機能性ポリマー膜形成用塗布液における、上記式[A]〜[D]で表される修飾用化合物の含有量は、溶解さえすれば特に含有量に制約はないが、被修飾用ポリマー又は被修飾用ポリマーを合成するためのモノマーの総量100質量部に対して、1〜200質量部であることが好ましく、液晶の配向性を低下させないために、より好ましくは1〜100質量部であり、特に好ましくは、1〜50質量部である。
本発明の機能性ポリマー膜形成用塗布液は、本発明の効果を損なわない限り、本発明の機能性ポリマー膜形成用塗布液を塗布した際の機能性ポリマー膜の膜厚の均一性や表面平滑性を向上させる有機溶媒(貧溶媒ともいわれる。)または化合物を用いることができる。さらに、機能性ポリマー膜と基板との密着性を向上させる化合物などを用いることもできる。
膜厚の均一性や表面平滑性を向上させる貧溶媒の具体例として、例えば、イソプロピルアルコール、メトキシメチルペンタノール、メチルセロソルブ、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、メチルセロソルブアセテート、エチルセロソルブアセテート、ブチルカルビトール、エチルカルビトール、エチルカルビトールアセテート、エチレングリコール、エチレングリコールモノアセテート、エチレングリコールモノイソプロピルエーテル、エチレングリコールモノブチルエーテル、プロピレングリコール、プロピレングリコールモノアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコール−tert−ブチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジエチレングリコール、ジエチレングリコールモノアセテート、ジエチレングリコールジメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノアセテートモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノアセテートモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノプロピルエーテル、ジプロピレングリコールモノアセテートモノプロピルエーテル、3−メチル−3−メトキシブチルアセテート、トリプロピレングリコールメチルエーテル、3−メチル−3−メトキシブタノール、ジイソプロピルエーテル、エチルイソブチルエーテル、ジイソブチレン、アミルアセテート、ブチルブチレート、ブチルエーテル、ジイソブチルケトン、メチルシクロへキセン、プロピルエーテル、ジヘキシルエーテル、n−へキサン、n−ペンタン、n−オクタン、ジエチルエーテル、乳酸メチル、乳酸エチル、酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸n−ブチル、酢酸プロピレングリコールモノエチルエーテル、ピルビン酸メチル、ピルビン酸エチル、3−メトキシプロピオン酸メチル、3−エトキシプロピオン酸メチルエチル、3−メトキシプロピオン酸エチル、3−エトキシプロピオン酸、3−メトキシプロピオン酸、3−メトキシプロピオン酸プロピル、3−メトキシプロピオン酸ブチル、1−メトキシ−2−プロパノール、1−エトキシ−2−プロパノール、1−ブトキシ−2−プロパノール、1−フェノキシ−2−プロパノール、プロピレングリコールモノアセテート、プロピレングリコールジアセテート、プロピレングリコール−1−モノメチルエーテル−2−アセテート、プロピレングリコール−1−モノエチルエーテル−2−アセテート、ジプロピレングリコール、2−(2−エトキシプロポキシ)プロパノール、乳酸メチルエステル、乳酸エチルエステル、乳酸n−プロピルエステル、乳酸n−ブチルエステルまたは乳酸イソアミルエステルなどの低表面張力を有する有機溶媒などが挙げられる。これらの貧溶媒は1種類でも複数種類を混合して用いてもよい。上記のような貧溶媒を用いる場合は、機能性ポリマー膜形成用塗布液に含まれる有機溶媒全体の1〜50質量%であることが好ましく、より好ましくは5〜30質量%である。
膜厚の均一性や表面平滑性を向上させる化合物としては、フッ素系界面活性剤、シリコーン系界面活性剤、ノ二オン系界面活性剤などが挙げられ、具体的には、例えば、エフトップEF301、EF303、EF352(トーケムプロダクツ製)、メガファックF171、F173、R−30(大日本インキ製)、フロラードFC430、FC431(住友スリーエム製)、アサヒガードAG710、サーフロンS−382、SC101、SC102、SC103、SC104、SC105、SC106(旭硝子製)などが挙げられる。これらの界面活性剤の使用割合は、機能性ポリマー膜形成用塗布液に含有される被修飾用ポリマー又は被修飾用ポリマーを合成するためのモノマーの総量100質量部に対して、好ましくは0.01〜2質量部、より好ましくは0.01〜1質量部である。
機能性ポリマー膜と基板との密着性を向上させる化合物の具体例としては、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、3−アミノプロピルトリエトキシシラン、2−アミノプロピルトリメトキシシラン、2−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−(2−アミノエチル)−3−アミノプロピルメチルジメトキシシラン、3−ウレイドプロピルトリメトキシシラン、3−ウレイドプロピルトリエトキシシラン、N−エトキシカルボニル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−エトキシカルボニル−3−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−トリエトキシシリルプロピルトリエチレントリアミン、N−トリメトキシシリルプロピルトリエチレントリアミン、10−トリメトキシシリル−1,4,7−トリアザデカン、10−トリエトキシシリル−1,4,7−トリアザデカン、9−トリメトキシシリル−3,6−ジアザノニルアセテート、9−トリエトキシシリル−3,6−ジアザノニルアセテート、N−ベンジル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−ベンジル−3−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−フェニル−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−フェニル−3−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−ビス(オキシエチレン)−3−アミノプロピルトリメトキシシラン、N−ビス(オキシエチレン)−3−アミノプロピルトリエトキシシラン、エチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、プロピレングリコールジグリシジルエーテル、トリプロピレングリコールジグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテル、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、グリセリンジグリシジルエーテル、2,2−ジブロモネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、1,3,5,6−テトラグリシジル−2,4−ヘキサンジオール、N,N,N’,N’,−テトラグリシジル−m−キシレンジアミン、1,3−ビス(N,N−ジグリシジルアミノメチル)シクロヘキサンまたはN,N,N’,N’,−テトラグリシジル−4、4’−ジアミノジフェニルメタンなどの官能性シラン含有化合物やエポキシ基含有化合物が挙げられる。
これら基板と密着させる化合物を使用する場合は、本発明の機能性ポリマー膜形成用塗布液に含有される被修飾用ポリマー又は被修飾用ポリマーを合成するためのモノマーの総量100質量部に対して0.1〜30質量部であることが好ましく、より好ましくは1〜20質量部である。0.1質量部未満であると密着性向上の効果は期待できず、30質量部よりも多くなると機能性ポリマー膜を液晶配向膜として使用する場合に液晶の配向性が悪くなる場合がある。
また、本発明の機能性ポリマー膜形成用塗布液には、本発明の効果が損なわれない範囲であれば、機能性ポリマー膜の誘電率や導電性などの電気特性を変化させる目的の誘電体や導電物質を添加してもよい。
また、本発明の機能性ポリマー膜形成用塗布液には、本発明の効果を損なわない限り、エポキシ基、イソシアネート基またはオキセタン基を有する架橋性化合物、さらには、ヒドロキシル基またはアルコキシル基からなる群より選ばれる少なくとも1種の置換基を有する架橋性化合物や、重合性不飽和結合を有する架橋性化合物を混合してもよい。
このような本発明の機能性ポリマー膜形成用塗布液は、液晶配向膜を形成するための液晶配向剤として使用することができる。なお、液晶配向膜とは液晶を所定の方向に配向させるための膜である。
本発明の機能性ポリマー膜形成用塗布液を、基板に塗布し、焼成することにより、上記式[A]〜[D]で表される化合物の機能性構造部位由来の機能を有する機能性ポリマー膜を形成することができる。また、本発明の機能性ポリマー膜形成用塗布液を液晶配向剤として用いる場合は、基板上に塗布し、焼成した後、ラビング処理や光照射などで配向処理をして、又は垂直配向用途などでは配向処理無しで液晶配向膜を形成することができる。
基板としては、機能性ポリマー膜形成用塗布液を塗布することができるものであれば特に限定されないが、液晶配向膜を形成する場合は透明性の高いものであることが好ましい。具体例としては、ガラス基板、若しくはアクリル基板やポリカーボネート基板などのプラスチック基板などが挙げられる。また、液晶駆動のためのITO電極などが形成された基板を用いることがプロセスの簡素化の観点から好ましい。そして、反射型の液晶表示素子では片側の基板のみにならばシリコンウエハー等の不透明な物でも使用でき、この場合の電極はアルミ等の光を反射する材料も使用できる。また、TFT型の素子のような高機能素子においては、液晶駆動のための電極と基板の間にトランジスタの如き素子が形成されたものが用いられる。
機能性ポリマー膜形成用塗布液の基板への塗布方法は特に限定されないが、工業的には、スクリーン印刷、オフセット印刷、フレキソ印刷、インクジェットなどで行う方法が一般的である。その他の塗布方法としては、ディップ、ロールコーター、スリットコーター、スピンナーなどがあり、目的に応じてこれらを用いてもよい。
機能性ポリマー膜形成用塗布液を基板上に塗布し、必要に応じて溶媒の一部または全部を乾燥させる。機能性ポリマー膜形成用塗布液が被修飾用ポリマーを合成するためのモノマーを含有する場合、機能性ポリマー膜形成用塗布液を基板上に塗布した段階や、乾燥する際に、モノマーを重合反応させるようにすることが好ましい。
そして、機能性ポリマー膜形成用塗布液を基板上に塗布し、必要に応じて溶媒の一部または全部を乾燥させた後、焼成する。この焼成は、上記式[A]〜[D]で表される修飾用化合物のメルドラム酸構造がケテン等になり被修飾用ポリマー等が有するカルボキシル基、ヒドロキシ基、チオール基、アミノ基、イミノ基、炭素−炭素二重結合(アルケン)や炭素−炭素三重結合(アルキン)などの不飽和結合、ニトリル基、ケトン基やアルデヒド基、エステル結合、アミド結合、イミド結合などの反応性部位と反応することができる温度に加熱すればよい。例えば、ホットプレート、熱風循環炉、赤外線炉などの加熱手段により180〜250℃で行い、溶媒を蒸発させると共にメルドラム酸構造を被修飾用ポリマーと反応させることにより、被修飾用ポリマーに上記式[A]〜[D]で表される修飾用化合物が導入され、本発明の機能性ポリマー膜を形成することができる。
焼成後に形成される機能性ポリマー膜の厚みは、液晶配向膜とする場合、厚すぎると液晶表示素子の消費電力の面で不利となり、薄すぎると液晶表示素子の信頼性が低下する場合があるので、好ましくは5〜300nm、より好ましくは10〜200nmである。液晶を水平配向や傾斜配向させる場合は、焼成後の塗膜をラビング又は偏光紫外線照射などで処理する。
本発明の液晶表示素子は、上記した手法により液晶配向膜付き基板を得た後、公知の方法で液晶セルを作製し、液晶表示素子としたものである。一例を挙げるならば、対向するように配置された2枚の基板と、基板間に設けられた液晶層と、基板と液晶層との間に設けられ本発明の機能性ポリマー膜形成用塗布液からなる液晶配向剤により形成された上記液晶配向膜とを有する液晶セルを具備する液晶表示素子である。このような本発明の液晶表示素子としては、ツイストネマティック(TN:Twisted Nematic)方式、垂直配向(VA:Vertical Alignment)方式や、水平配向(IPS:In-Plane Switching)方式等、種々のものが挙げられる。
本発明の液晶表示素子に用いる基板としては、透明性の高い基板であれば特に限定されないが、通常は、基板上に液晶を駆動するための透明電極が形成された基板である。具体例としては、上記機能性ポリマー膜で記載した基板と同様のものを挙げることができる。
また、液晶配向膜は、この基板上に本発明の機能性ポリマー膜形成用塗布液からなる液晶配向剤を塗布した後焼成することにより形成されるものであり、詳しくは上述したとおりである。
本発明の液晶表示素子の液晶層を構成する液晶材料は特に限定されず、従来の液晶材料、例えばメルク社製のMLC−2003、MLC−6608、MLC−6609などを用いることができる。
液晶セル作製方法の一例を挙げるならば、液晶配向膜の形成された1対の基板を用意し、一方の基板の液晶配向膜上にビーズ等のスペーサーを散布し、液晶配向膜面が内側になるようにして、もう一方の基板を貼り合わせ、液晶を減圧注入して封止する方法、又は、スペーサーを散布した液晶配向膜面に液晶を滴下した後に基板を貼り合わせて封止を行う方法などが例示できる。このときのスペーサーの厚みは、好ましくは1〜30μm、より好ましくは2〜10μmである。
以上のようにして作製された液晶表示素子は、所望の特性を導入できる上記式[A]〜[D]で表される修飾用化合物と、被修飾用ポリマー又は被修飾用ポリマーを合成するためのモノマーを含有する液晶配向剤を用いて作製されるものであるため、種々の特性が改善されたものとすることができる。
以下に実施例及び比較例を挙げ、本発明を更に詳しく説明するが、本発明の解釈はこれらの実施例に限定されるものではない。
[上記式[A]〜[D]で表される修飾用化合物の合成]
<合成例1>
下記式[4]で表される化合物5,5'-(1,4-phenylenebis(azanediyl))bis(methan-1-yl-1-ylidene)bis(2,2-dimethyl-1,3-dioxane-4,6-dione)の合成
Figure 0005896164
300mL四つ口フラスコに、メルドラム酸[1](14.7g、102mmol)、及びオルトギ酸トリメチル[2](147g)を加え、1時間加熱還流を行った。その後、パラフェニレンジアミン[3](5.0g、46mmol)を加え、さらに2時間加熱還流を行った。反応終了後、室温まで反応溶液を冷却し、析出した固体をろ過、ヘキサンで洗浄し、その後固体を乾燥させ、化合物[4]を15.8g得た(収率82%)。
1H-NMR(400MHz, DMSO-d6, δppm):11.29(2H, d), 8.56(2H, d), 7.64(4H, s), 1.68(12H, s).
<合成例2>
下記式[6]で表される化合物5,5'-(1,3-phenylenebis(azanediyl))bis(methan-1-yl-1-ylidene)bis(2,2-dimethyl-1,3-dioxane-4,6-dione)の合成
Figure 0005896164
300mL四つ口フラスコに、メルドラム酸[1](14.7g、102mmol)、及びオルトギ酸トリメチル[2](147g)を加え、1時間加熱還流を行った。その後、メタフェニレンジアミン[5](5.0g、46mmol)を加え、さらに2時間加熱還流を行った。反応終了後、室温まで反応溶液を冷却し、析出した固体をろ過、ヘキサンで洗浄し、その後固体を乾燥させ、化合物[6]を14.1g得た(収率72%)。
1H-NMR(400MHz, DMSO-d6, δppm):11.28(2H, s), 8.74(2H, s), 7.98(1H, s), 7.44(3H, s), 1.68(12H, s).
<合成例3>
下記式[8]で表される化合物5,5'-(pyridine-2,6-diylbis(azanediyl))bis(methan-1-yl-1-ylidene)bis(2,2-dimethyl-1,3-dioxane-4,6-dione)の合成
Figure 0005896164
300mL四つ口フラスコに、メルドラム酸[1](16.0g、111mmol)、及びオルトギ酸トリメチル[2](160g)を加え、1時間加熱還流を行った。その後、2,6−ジアミノピリジン[7](5.5g、50mmol)を加え、さらに2時間加熱還流を行った。反応終了後、室温まで反応溶液を冷却し、析出した固体をろ過、ヘキサンで洗浄し、その後固体を乾燥させ、化合物[8]を16.7g得た(収率80%)。
1H-NMR(400MHz, DMSO-d6, δppm):11.42(2H, d), 9.15(2H, d), 7.96(1H, t), 7.52(2H, d), 1.67(12H, s).
<合成例4>
下記式[11]で表される化合物5,5',5''-(benzene-1,3,5-triyltris(azanediyl))tris(methan-1-yl-1-ylidene)tris(2,2-dimethyl-1,3-dioxane-4,6-dione)の合成
Figure 0005896164
1L四つ口フラスコに入れた、3,5−ジニトロアニリン[9](32.6g、178mmol)、5%パラジウムカーボン(3.75g、10wt%)、及び1,4−ジオキサン(375g)の混合物を、水素雰囲気下、室温撹拌した。反応終了後、パラジウムカーボンをセライトでろ過し、ろ液をエバポレーターで濃縮し、化合物[10]を21.7g得た(収率99%)。
1H-NMR(400MHz, DMSO-d6, δppm):5.11(3H, s), 4.28(6H, s).
1L四つ口フラスコに、メルドラム酸[1](83.8g、582mmol)、及びオルトギ酸トリメチル[2](660g)を加え、1時間加熱還流を行った。その後、化合物[10](21.7g、176mmol)を加え、さらに2時間加熱還流を行った。反応終了後、室温まで反応溶液を冷却し、析出した固体をろ過、ヘキサンで洗浄し、その後固体を乾燥させ、化合物[11]を73.0g得た(収率71%)。
1H-NMR(400MHz, DMSO-d6, δppm):11.22(3H, s), 8.26(3H, s), 7.70(3H, s), 1.65(18H, s).
<合成例5>
下記式[13]で表される化合物5,5'-(4,4'-methylenebis(4,1-phenylene)bis(azanediyl))bis(methan-1-yl-1-ylidene)bis(2,2-dimethyl-1,3-dioxane-4,6-dione)の合成
Figure 0005896164
300mL四つ口フラスコに、メルドラム酸[1](14.7g、102mmol)、及びオルトギ酸トリメチル[2](147g)を加え、1時間加熱還流を行った。その後、4,4’−ジアミノジフェニルメタン[12](5.0g、46mmol)を加え、さらに2時間加熱還流を行った。反応終了後、室温まで反応溶液を冷却し、析出した固体をろ過、ヘキサンで洗浄し、その後固体を乾燥させ、化合物[13]を14.1g得た(収率72%)。
1H-NMR(400MHz, DMSO-d6, δppm):11.23(2H, d), 8.54(2H, d), 7.50-7.48(4H, m), 7.31-7.29(4H, m), 3.96(2H, m), 1.66(12H, s).
<合成例6>
下記式[15]で表される化合物5,5'-(4,4'-oxybis(4,1-phenylene)bis(azanediyl))bis(methan-1-yl-1-ylidene)bis(2,2-dimethyl-1,3-dioxane-4,6-dione)の合成
Figure 0005896164
200mL四つ口フラスコに、メルドラム酸[1](7.92g、54.9mmol)、及びオルトギ酸トリメチル[2](78g)を加え、1時間加熱還流を行った。その後、4,4’−ジアミノジフェニルエーテル[14](5.0g、25.0mmol)を加え、さらに2時間加熱還流を行った。反応終了後、室温まで反応溶液を冷却し、析出した固体をろ過、ヘキサンで洗浄し、その後固体を乾燥させ、化合物[15]を11.7g得た(収率92%)。
1H-NMR(400MHz, DMSO-d6, δppm):11.30(2H, d), 8.51(2H, d), 7.62(4H, d), 7.08(4H, d), 1.67(12H, s).
<合成例7>
下記式[17]で表される化合物5,5'-(4,4'-azanediylbis(4,1-phenylene)bis(azanediyl))bis(methan-1-yl-1-ylidene)bis(2,2-dimethyl-1,3-dioxane-4,6-dione)の合成
Figure 0005896164
200mL四つ口フラスコに、メルドラム酸[1](7.96g、55.2mmol)、及びオルトギ酸トリメチル[2](79g)を加え、1時間加熱還流を行った。その後、4,4’−ジアミノジフェニルアミン[16](5.0g、25.1mmol)を加え、さらに2時間加熱還流を行った。反応終了後、室温まで反応溶液を冷却し、析出した固体をろ過、ヘキサンで洗浄し、その後固体を乾燥させ、化合物[17]を10.1g得た(収率79%)。
1H-NMR(400MHz, DMSO-d6, δppm):11.29(2H, d), 8.51(2H, d), 7.62(4H, d), 7.08(4H, d), 4.97(1H, s), 1.67(12H, s).
<合成例8>
下記式[19]で表される化合物5,5'-(4,4'-(methylazanediyl)bis(4,1-phenylene)bis(azanediyl))bis(methan-1-yl-1-ylidene)bis(2,2-dimethyl-1,3-dioxane-4,6-dione)の合成
Figure 0005896164
500mL四つ口フラスコに、メルドラム酸[1](14.9g、103mmol)、及びオルトギ酸トリメチル[2](100g)を加え、1時間加熱還流を行った。その後、4,4’−ジアミノジフェニルメチルアミン[18](10.0g、46.9mmol)を加え、さらに2時間加熱還流を行った。反応終了後、室温まで反応溶液を冷却し、析出した固体をろ過、ヘキサンで洗浄し、その後固体を乾燥させ、化合物[19]を21.7g得た(収率86%)。
1H-NMR(400MHz, DMSO-d6, δppm):11.21(2H, d), 8.44(2H, d), 7.45-7.42(4H, m), 7.03-7.01(4H, m), 3.24(3H, s), 1.62(12H, s).
<合成例9>
下記式[21]で表される化合物5,5'-(4,4'-(pentane-1,5-diylbis(oxy))bis(4,1-phenylene))bis(azanediyl)bis(methan-1-yl-1-ylidene)bis(2,2-dimethyl-1,3-dioxane-4,6-dione)の合成
Figure 0005896164
300mL四つ口フラスコに、メルドラム酸[1](16.6g、115mmol)、及びオルトギ酸トリメチル[2](111g)を加え、1時間加熱還流を行った。その後、化合物[20](15.0g、52.4mmol)を加え、さらに2時間加熱還流を行った。反応終了後、室温まで反応溶液を冷却し、析出した固体をろ過、ヘキサンで洗浄し、その後固体を乾燥させ、化合物[21]を20.8g得た(収率67%)。
1H-NMR(400MHz, DMSO-d6, δppm):11.23(2H, s), 8.45(2H, s), 7.51-7.47(4H, m), 7.00-6.94(4H, m), 4.01(4H, t), 1.82-1.72(4H, m), 1.67(12H, s), 1.62-1.54(2H, m).
<合成例10>
下記式[23]で表される化合物1,3-bis(4-((2,2-dimethyl-4,6-dioxo-1,3-dioxan-5-ylidene)methylamino)phenethyl)ureaの合成
Figure 0005896164
200mL四つ口フラスコに、メルドラム酸[1](28.6g、147mmol)、及びオルトギ酸トリメチル[2](200g)を加え、1時間加熱還流を行った。その後、化合物[22](20.0g、67.0mmol)を加え、さらに2時間加熱還流を行った。反応終了後、室温まで反応溶液を冷却し、析出した固体をろ過、ヘキサンで洗浄し、その後固体を乾燥させ、化合物[23]を40.3g得た(収率99%)。
1H-NMR(400MHz, DMSO-d6, δppm):11.17(2H, d), 8.48(2H, d), 7.40(4H, d), 7.21(4H, d), 5.89(2H, t), 3.18-3.14(4H, m), 2.62(4H, t), 1.62(12H, s).
<合成例11>
下記式[25]で表される化合物5,5'-(6,7,9,10,17,18,20,21-octahydrodibenzo[b,k][1,4,7,10,13,16]hexaoxacyclooctadecine-2,13-diyl)bis(azanediyl)bis(methan-1-yl-1-ylidene)bis(2,2-dimethyl-1,3-dioxane-4,6-dione)の合成
Figure 0005896164
200mL四つ口フラスコに、メルドラム酸[1](7.38g、51.2mmol)、及びオルトギ酸トリメチル[2](100g)を加え、1時間加熱還流を行った。その後、化合物[24](10.0g、25.6mmol)を加え、さらに2時間加熱還流を行った。反応終了後、エバポレーターで溶媒を除去、乾燥して、化合物[25]を17.9g得た(収率96%)。
1H-NMR(400MHz, DMSO-d6, δppm):11.16(2H, d), 8.50(2H, d), 7.19(2H, d), 7.01-6.98(2H, m), 6.93(2H, m), 4.09-4.08(4H, m), 4.04-4.02(4H, m), 3.79(8H, m), 1.61(12H, s).
<合成例12>
下記式[27]で表される化合物5-((3-((2,2-dimethyl-4,6-dioxo-1,3-dioxan-5-ylidene)methylamino)benzylamino)methylene)-2,2-dimethyl-1,3-dioxane-4,6-dione の合成
Figure 0005896164
300mL四つ口フラスコに、メルドラム酸[1](23.6g、164mmol)、及びオルトギ酸トリメチル[2](100g)を加え、1時間加熱還流を行った。その後、3−アミノベンジルアミン[26](10.0g、81.9mmol)を加え、さらに2時間加熱還流を行った。反応終了後、エバポレーターで溶媒を除去、乾燥させ化合物[27]を36.2g得た(収率100%)。
1H-NMR(400MHz, DMSO-d6, δppm):11.21(1H, s), 10.04-9.97(1H, m), 8.55(1H, s), 8.30(1H, d), 7.57(1H, s), 7.48-7.38(2H, m), 7.23(1H, d), 4.65(2H, d), 1.63(6H, s), 1.55(6H, s).
<合成例13>
下記式[29]で表される化合物5,5'-(4,4'-(propane-1,3-diyl)bis(piperidine-4,1-diyl))bis(methan-1-yl-1-ylidene)bis(2,2-dimethyl-1,3-dioxane-4,6-dione)の合成
Figure 0005896164
200mL四つ口フラスコに、メルドラム酸[1](11.7g、81.0mmol)、及びオルトギ酸トリメチル[2](128g)を加え、1時間加熱還流を行った。その後、1,3−ジ−4−ピペリジルプロパン [28](8.52g、40.5mmol)を加え、さらに2時間加熱還流を行った。反応終了後、エバポレーターで溶媒を除去、乾燥させ化合物[29]を20.2g得た(収率99%)。
1H-NMR(400MHz, DMSO-d6, δppm):8.09(2H, s), 4.06-3.97(4H, m), 3.56-3.49(2H, m), 3.28-3.25(2H, m), 1.84-1.81(4H, m), 1.61-1.56(12H, m), 1.32-1.23(12H, m).
<合成例14>
下記式[31]で表される化合物5,5'-(propane-1,3-diylbis(azanediyl))bis(methan-1-yl-1-ylidene)bis(2,2-dimethyl-1,3-dioxane-4,6-dione)の合成
Figure 0005896164
500mL四つ口フラスコに、メルドラム酸[1](42.8g、297mmol)、及びオルトギ酸トリメチル[2](150g)を加え、1時間加熱還流を行った。その後、1,3−ジアミノプロパン[30](10.0g、135mmol)を加え、さらに2時間加熱還流を行った。反応終了後、室温まで反応溶液を冷却し、析出した固体をろ過、ヘキサンで洗浄し、その後固体を乾燥させ、化合物[31]を24.8g得た(収率48%)。
1H-NMR(400MHz, CDCl3, δppm):9.57-9.54(2H, m), 8.16(2H, d), 3.59(4H, q), 2.11(2H, quin), 1.71(12H, s).
<合成例15>
下記式[33]で表される化合物5,5'-(cyclohexane-1,3-diylbis(methylene))bis(azanediyl)bis(methan-1-yl-1-ylidene)bis(2,2-dimethyl-1,3-dioxane-4,6-dione)の合成
Figure 0005896164
500mL四つ口フラスコに、メルドラム酸[1](44.6g、309mmol)、及びオルトギ酸トリメチル[2](200g)を加え、1時間加熱還流を行った。その後、1,3−ビスアミノメチルシクロヘキサン(cis−/trans−混合物)[32](20.0g、141mmol)を加え、さらに2時間加熱還流を行った。反応終了後、室温まで反応溶液を冷却し、析出した固体をろ過、ヘキサンで洗浄し、その後固体を乾燥させ、化合物[33](cis−/trans−混合物)を58.3g得た(収率92%)。
1H-NMR(400MHz, DMSO-d6, δppm):9.63-9.60(2H, m), 8.11-7.97(2H, m), 3.51-3.12(4H, m), 1.87-0.54(22H, m).
<合成例16>
下記式[35]で表される化合物5,5'-(5,8-dioxa-2,11-dithiadodecane-1,12-diylidene)bis(2,2-dimethyl-1,3-dioxane-4,6-dione)の合成
Figure 0005896164
200mL四つ口フラスコに、メルドラム酸[1](13.6g、94.2mmol)、及びオルトギ酸トリメチル[2](134g)を加え、1時間加熱還流を行った。その後、3,6−ジオキサ−1,8−オクタンジチオール[34](7.8g、42.8mmol)を加え、さらに2時間加熱還流を行った。反応終了後、エバポレーターで溶媒を除去、乾燥して化合物[35]を20.8g得た(収率99%)。
1H-NMR(400MHz, DMSO-d6, δppm):9.29(2H, s), 3.72(4H, t), 3.57(4H, s), 3.39-3.34(4H, m), 1.66(12H, s).
<合成例17>
下記式[37]で表される化合物3,5-bis((2,2-dimethyl-4,6-dioxo-1,3-dioxan-5-ylidene)methylamino)benzoic acidの合成
Figure 0005896164
200mL四つ口フラスコに、メルドラム酸[1](10.4g、72.3mmol)、及びオルトギ酸トリメチル[2](105g)を加え、1時間加熱還流を行った。その後、3,5−ジアミノ安息香酸[36](5.0g、32.9mmol)を加え、さらに2時間加熱還流を行った。反応終了後、室温まで反応溶液を冷却し、析出した固体をろ過、ヘキサンで洗浄し、その後固体を乾燥させ、化合物[37]を9.0g得た(収率59%)。
1H-NMR(400MHz, DMSO-d6, δppm):11.34(2H, d), 8.74(2H, d), 7.92(2H, d), 1.69(12H, s).
<合成例18>
下記式[39]で表される化合物3,5-bis((2,2-dimethyl-4,6-dioxo-1,3-dioxan-5-ylidene)methylamino)-N-(pyridin-3-ylmethyl)benzamideの合成
Figure 0005896164
200mL四つ口フラスコに、メルドラム酸[1](6.5g、45.4mmol)、及びオルトギ酸トリメチル[2](66g)を加え、1時間加熱還流を行った。その後、化合物[38](5.0g、20.6mmol)を加え、さらに2時間加熱還流を行った。反応終了後、エバポレーターで溶媒を除去、乾燥して化合物[39]を11.3g得た(収率98%)。
1H-NMR(400MHz, DMSO-d6, δppm):11.35(2H, d), 9.27(1H, t), 8.78(2H, d), 8.59(1H, d), 8.49-8.47(1H, m), 8.16-8.15(1H, m), 7.84(2H, d), 7.77-7.74(1H, m), 7.40-7.36(1H, m), 4.55(2H, d), 1.69(12H, s).
<合成例19>
下記式[41]で表される化合物N-(3-(1H-imidazol-1-yl)propyl)-3,5-bis((2,2-dimethyl-4,6-dioxo-1,3-dioxan-5-ylidene)methylamino)benzamideの合成
Figure 0005896164
200mL四つ口フラスコに、メルドラム酸[1](10.1g、52.1mmol)、及びオルトギ酸トリメチル[2](50g)を加え、1時間加熱還流を行った。その後、化合物[40](5.0g、23.7mmol)を加え、さらに2時間加熱還流を行った。反応終了後、エバポレーターで溶媒を除去、乾燥して化合物[41]を13.4g得た(収率100%)。
1H-NMR(400MHz, DMSO-d6, δppm):11.27(2H, s), 8.71-8.65(3H, m), 8.01(1H, t), 7.99(1H, t), 7.75(2H, d), 7.32(1H, t), 7.05(1H, t), 4.07-4.03(2H, m), 3.25-3.18(2H, m), 1.97(2H, t), 1.64(12H, s).
<合成例20>
下記式[43]で表される化合物3,5-bis((2,2-dimethyl-4,6-dioxo-1,3-dioxan-5-ylidene)methylamino)benzyl furan-2-carboxylateの合成
Figure 0005896164
200mL四つ口フラスコに、メルドラム酸[1](13.7g、94.7mmol)、及びオルトギ酸トリメチル[2](100g)を加え、1時間加熱還流を行った。その後、化合物[42](10.0g、43.1mmol)を加え、さらに2時間加熱還流を行った。反応終了後、室温まで反応溶液を冷却し、析出した固体をろ過、ヘキサンで洗浄し、その後固体を乾燥させ、化合物[43]を21.1g得た(収率90%)。
1H-NMR(400MHz, DMSO-d6, δppm):11.22(2H, d), 8.67(2H, d), 7.94-7.93(1H, m), 7.87-7.86(1H, m), 7.46-7.45(2H, m), 7.38(1H, dd), 6.68-6.66(1H, m), 5.28(2H, s), 1.63(12H, s).
<合成例21>
下記式[45]で表される化合物5,5'-(4-(dodecyloxy)-1,3-phenylene)bis(azanediyl)bis(methan-1-yl-1-ylidene)bis(2,2-dimethyl-1,3-dioxane-4,6-dione)の合成
Figure 0005896164
300mL四つ口フラスコに、メルドラム酸[1](10.8g、75.2mmol)、及びオルトギ酸トリメチル[2](100g)を加え、1時間加熱還流を行った。その後、化合物[44](10.0g、34.2mmol)を加え、さらに2時間加熱還流を行った。反応終了後、エバポレーターで溶媒を除去、乾燥し化合物[45]を29.7g得た(収率99%)。
1H-NMR(400MHz, DMSO-d6, δppm):11.57(1H, d), 11.20(1H, d), 8.90(1H, d), 8.64(1H, d), 8.09(1H, d), 7.31(1H, dd), 7.13(1H, d), 4.06(2H, t), 1.74-1.68(2H, m), 1.63(12H, s), 1.46-1.40(2H, m), 1.25-1.16(16H, m), 0.79(3H, t).
<合成例22>
下記式[47]で表される化合物5,5'-(4-(octadecyloxy)-1,3-phenylene)bis(azanediyl)bis(methan-1-yl-1-ylidene)bis(2,2-dimethyl-1,3-dioxane-4,6-dione)の合成
Figure 0005896164
100mL四つ口フラスコに、メルドラム酸[1](4.2g、29.2mmol)、及びオルトギ酸トリメチル[2](42g)を加え、1時間加熱還流を行った。その後、化合物[46](5.0g、13.3mmol)を加え、さらに2時間加熱還流を行った。反応終了後、室温まで反応溶液を冷却し、析出した固体をろ過、ヘキサンで洗浄し、その後固体を乾燥させ、化合物[47]を6.4g得た(収率71%)。
1H-NMR(400MHz, DMSO-d6, δppm):11.63(1H, d), 11.26(1H, d), 8.99(1H, d), 8.72(1H, d), 8.19(1H, d), 7.40(1H, dd), 7.20(1H, d), 4.13(2H, t), 1.80-1.74(2H, m), 1.68(12H, s), 1.49-1.45(2H, m), 1.25-1.22(28H, m), 0.85(3H, t).
<合成例23>
下記式[49]で表される化合物5,5'-(4-(4-(trans-4-heptylcyclohexyl)phenoxy)-1,3-phenylene)bis(azanediyl)bis(methan-1-yl-1-ylidene)bis(2,2-dimethyl-1,3-dioxane-4,6-dione)の合成
Figure 0005896164
100mL四つ口フラスコに、メルドラム酸[1](4.2g、28.9mmol)、及びオルトギ酸トリメチル[2](41g)を加え、1時間加熱還流を行った。その後、化合物[48](5.0g、13.1mmol)を加え、さらに2時間加熱還流を行った。反応終了後、エバポレーターで溶媒を除去、乾燥し化合物[49]を9.0g得た(収率98%)。
1H-NMR(400MHz, DMSO-d6, δppm):11.64(1H, d), 11.30(1H, d), 9.03(1H, d), 8.76(1H, d), 8.31(1H, d), 7.40(1H, dd), 7.28(2H, d), 7.03(2H, d), 6.97(1H, d), 1.81(2H, d), 1.69(10H, d), 1.44-1.34(1H, m), 1.26-1.78(10H, m), 1.07-1.01(1H, m), 0.86(3H, t).
<合成例24>
下記式[51]で表される化合物5,5'-(4-(trans-4-(trans-4'-pentylbi(cyclohexan)-4-yl)phenoxy)-1,3-phenylene)bis(azanediyl)bis(methan-1-yl-1-ylidene)bis(2,2-dimethyl-1,3-dioxane-4,6-dione)の合成
Figure 0005896164
300mL四つ口フラスコに、メルドラム酸[1](9.0g、62.1mmol)、及びオルトギ酸トリメチル[2](120g)を加え、1時間加熱還流を行った。その後、化合物[50](12.3g、28.2mmol)を加え、さらに2時間加熱還流を行った。反応終了後、エバポレーターで溶媒を除去、乾燥し化合物[51]を20.68g得た(収率98%)。
1H-NMR(400MHz, DMSO-d6, δppm):11.64(1H, d), 11.30(1H, d), 9.03(1H, d), 8.76(1H, d), 8.31(1H, d), 7.39(1H, dd), 7.27(1H, d), 7.02(2H, d), 6.97(2H, d), 1.88-1.03(43H, m), 0.86(3H, t).
<合成例25>
下記式[53]で表される化合物5,5'-(5-((trans-4-(trans-4'-pentylbi(cyclohexan)-4-yl)phenoxy)methyl)-1,3-phenylene)bis(azanediyl)bis(methan-1-yl-1-ylidene)bis(2,2-dimethyl-1,3-dioxane-4,6-dione)の合成
Figure 0005896164
500mL四つ口フラスコに、メルドラム酸[1](19.0g、98.6mmol)、及びオルトギ酸トリメチル[2](200g)を加え、1時間加熱還流を行った。その後、化合物[52](20.0g、44.6mmol)を加え、さらに2時間加熱還流を行った。反応終了後、エバポレーターで溶媒を除去、乾燥し化合物[53]を33.4g得た(収率99%)。
1H-NMR(400MHz, DMSO-d6, δppm):11.29(2H, d), 8.74(2H, d), 7.94(1H, s), 7.53(2H, d), 7.12(2H, d), 6.92(2H, d), 5.09(2H, s), 1.81-1.68(20H, m), 1.36-0.84(23H, m).
<合成例26>
下記式[55]で表される化合物4'-pentylbi(trans-cyclohexan)-4-yl 3,5-bis((2,2-dimethyl-4,6-dioxo-1,3-dioxan-5-ylidene)methylamino)benzoateの合成
Figure 0005896164
500mL四つ口フラスコに、メルドラム酸[1](13.3g、92.0mmol)、及びオルトギ酸トリメチル[2](150g)を加え、1時間加熱還流を行った。その後、化合物[54](15.0g、41.8mmol)を加え、さらに2時間加熱還流を行った。反応終了後、エバポレーターで溶媒を除去、乾燥し化合物[55]を28.8g得た(収率99%)。
1H-NMR(400MHz, DMSO-d6, δppm):11.28(2H, s), 8.67(2H, s), 8.17(1H, t), 7.86(2H, d), 4.79-4.73(1H, m), 2.02(2H, d), 1.74-1.64(18H, m), 1.44-1.32(2H, m), 1.29-0.76(20H, m).
<合成例27>
下記式[57]で表される化合物N-(2,4-bis((2,2-dimethyl-4,6-dioxo-1,3-dioxan-5-ylidene)methylamino)phenyl)-4-(trans-4-pentylcyclohexyl)benzamideの合成
Figure 0005896164
300mL四つ口フラスコに、メルドラム酸[1](8.2g、56.7mmol)、及びオルトギ酸トリメチル[2](80g)を加え、1時間加熱還流を行った。その後、化合物[56](10.0g、25.8mmol)を加え、さらに2時間加熱還流を行った。反応終了後、室温まで反応溶液を冷却し、析出した固体をろ過、ヘキサンで洗浄し、その後固体を乾燥させ、化合物[57]を16.0g得た(収率92%)。
1H-NMR(400MHz, DMSO-d6, δppm):11.36-11.27(2H, m), 10.38(1H, s), 8.80-8.74(2H, m), 8.09(1H, s), 7.87(2H, d), 7.44(1H, dd), 7.34(2H, d), 2.51-2.46(3H, m), 1.77(2H, d), 1.66(6H, s), 1.59(6H, s), 1.50-1.37(3H, m), 1.29-1.14(8H, m), 0.99(2H, q), 0.82(3H, t).
<合成例28>
下記式[59]で表される化合物N-(2,4-bis((2,2-dimethyl-4,6-dioxo-1,3-dioxan-5-ylidene)methylamino)phenyl)-4-(trans-4-Heptylcyclohexyl)benzamideの合成
Figure 0005896164
300mL四つ口フラスコに、メルドラム酸[1](11.7g、81.0mmol)、及びオルトギ酸トリメチル[2](150g)を加え、1時間加熱還流を行った。その後、化合物[58](15.0g、36.8mmol)を加え、さらに2時間加熱還流を行った。反応終了後、室温まで反応溶液を冷却し、析出した固体をろ過、ヘキサンで洗浄し、その後固体を乾燥させ、化合物[59]を26.1g得た(収率99%)。
1H-NMR(400MHz, DMSO-d6, δppm):11.36-11.27(2H, m), 10.38(1H, s), 8.78(2H, t), 8.10(1H, s), 7.88(2H, d), 7.44(1H, dd), 7.35(3H, d), 2.52(2H, t), 1.78(2H, d), 1.65(6H, s), 1.60(6H, s), 1.50-1.37(2H, m), 1.29-1.12(14H, m), 0.99(2H, q), 0.82(3H, t).
<合成例29>
下記式[61]で表される化合物5,5'-(4-((3S,8S,9S,10R,13R,14S,17R)-10,13-dimethyl-17-((R)-5-methylhexan-2-yl)-2,3,4,7,8,9,10,11,12,13,14,15,16,17-tetradecahydro-1H-cyclopenta[a]phenanthren-3-yloxy)-1,3-phenylene)bis(azanediyl)bis(methan-1-yl-1-ylidene)bis(2,2-dimethyl-1,3-dioxane-4,6-dione)の合成
Figure 0005896164
100mL四つ口フラスコに、メルドラム酸[1](4.1g、29mmol)、及びオルトギ酸トリメチル[2](50g)を加え、1時間加熱還流を行った。その後、化合物[60](10.0g、13mmol)を加え、さらに2時間加熱還流を行った。反応終了後、室温まで反応溶液を冷却し、析出した固体をろ過、ヘキサンで洗浄し、その後固体を乾燥させ、化合物[61]を9.9g得た(収率99%)。
<合成例30>
下記式[63]で表される(E)-2,4-bis((2,2-dimethyl-4,6-dioxo-1,3-dioxan-5-ylidene)methylamino)phenethyl 3-(4-(decyloxy)phenyl)acrylateの合成
Figure 0005896164
200mL四つ口フラスコに、メルドラム酸[1](7.3g、37mmol)、及びオルトギ酸トリメチル[2](75g)を加え、1時間加熱還流を行った。その後、化合物[62](7.46g、17mmol)を加え、さらに2時間加熱還流を行った。反応終了後、エバポレーターで溶媒を除去、乾燥し化合物[63]を12.5g得た(収率99%)。
1H-NMR(400MHz, DMSO-d6, δppm):11.57(1H, d), 11.29(1H, s), 8.82(1H, dd), 8.23(1H, dd), 8.04(1H, s), 7.57-7.46(5H, m), 6.92(2H, d), 6.35(1H, d), 4.34(2H, t), 3.99(2H, t), 1.74-1.65(15H, m), 1.43-1.21(15H, m), 0.85(3H, t).
<合成例31>
下記式[65]で表される(E)-3,5-bis((2,2-dimethyl-4,6-dioxo-1,3-dioxan-5-ylidene)methylamino)benzyl 3-(4-(decyloxy)phenyl)acrylateの合成
Figure 0005896164
200mL四つ口フラスコに、メルドラム酸[1](6.3g、33mmol)、及びオルトギ酸トリメチル[2](63g)を加え、1時間加熱還流を行った。その後、化合物[64](6.3g、15mmol)を加え、さらに2時間加熱還流を行った。反応終了後、エバポレーターで溶媒を除去、乾燥し化合物[65]を10.7g得た(収率99%)。
1H-NMR(400MHz, DMSO-d6, δppm):11.25(1H, d), 8.71(1H, d), 7.93(1H, s), 7.67-7.62(3H, m), 7.48(2H, d), 6.91(2H, d), 6.52(1H, d), 5.19(2H, s), 3.96(2H, t), 3.62-3.60(2H, m), 1.68-1.63(15H, m), 1.38-1.20(15H, m), 0.81(3H, t).
<合成例32>
下記式[66]で表される化合物5-(methoxymethylene)-2,2-dimethyl-1,3-dioxane-4,6-dioneの合成
Figure 0005896164
500mL四つ口フラスコに、メルドラム酸[1](50.0g、347mmol)、及びオルトギ酸トリメチル[2](184g)を加え、1時間加熱還流を行った。反応終了後、エバポレーターで溶媒を除去し、粗物をヘキサン/テトラヒドロフラン混合溶媒から再結晶することで、化合物[66]を43.7g得た(収率68%)。
1H-NMR(400MHz, CDCl3, δppm): 8.16(1H, s), 4.29(3H, s), 1.73(6H, s).
<合成例33>
下記式[68]で表される化合物5-((dodecylamino)methylene)-2,2-dimethyl-1,3-dioxane-4,6-dioneの合成
Figure 0005896164
200mL四つ口フラスコに、メルドラム酸[1](21.4g、148mmol)、及びオルトギ酸トリメチル[2](250g)を加え、1時間加熱還流を行った。その後、ドデシルアミン[67](25.0g、135mmol)を加え、さらに2時間加熱還流を行った。反応終了後、エバポレーターで溶媒を除去、乾燥し化合物[68]を45.3g得た(収率99%)。
1H-NMR(400MHz, DMSO-d6, δppm):9.64(1H, s), 8.10(1H, d), 3.35-3.37(2H, m), 1.54-1.48(6H, m), 1.43-1.21(20H, m), 0.85(3H, t).
<合成例34>
下記式[70]で表される化合物2,2-dimethyl-5-((octadecylamino)methylene)-1,3-dioxane-4,6-dioneの合成
Figure 0005896164
200mL四つ口フラスコに、メルドラム酸[1](14.7g、102mmol)、及びオルトギ酸トリメチル[2](250g)を加え、1時間加熱還流を行った。その後、オクタデシルアミン[69](25.0g、93mmol)を加え、さらに2時間加熱還流を行った。反応終了後、エバポレーターで溶媒を除去、乾燥し化合物[70]を38.9g得た(収率99%)。
1H-NMR(400MHz, DMSO-d6, δppm):9.67(1H, s), 8.10(1H, d), 2.89-2.47(2H, m), 1.54-0.72(38H, m), 0.85(3H, t).
<合成例35>
下記式[72]で表される化合物5,5'-(1,4-phenylenebis(methan-1-yl-1-ylidene))bis(2,2-dimethyl-1,3-dioxane-4,6-dione)の合成
Figure 0005896164
500mL四つ口フラスコに、テレフタルアルデヒド[71](10.0g、75mmol)、メルドラム酸[1](22.6g、157mmol)、及びピリジン(150g)を加え、室温で一晩撹拌を行った。その後、エバポレーターでピリジンを除去した。その後、残渣を1,2−ジクロロエタン/メタノール混合溶媒に溶解させ、再度エバポレーターで溶媒を除去することで結晶化させた。得られた固体を2−プロパノールから再結晶することで、化合物[72]を18.8g得た(収率65%)。
1H-NMR(400MHz, DMSO-d6, δppm): 8.56(2H, s), 7.96(4H, s), 1.74(12H, s).
<合成例36>
下記式[74]で表される化合物5,5'-(1,3-phenylenebis(methan-1-yl-1-ylidene))bis(2,2-dimethyl-1,3-dioxane-4,6-dione)の合成
Figure 0005896164
500mL四つ口フラスコに、イソフタルアルデヒド[73](10.0g、75mmol)、メルドラム酸[1](22.6g、157mmol)、及びピリジン(150g)を加え、室温で一晩撹拌を行った。その後、エバポレーターでピリジンを除去した。その後、残渣を1,2−ジクロロエタン/メタノール混合溶媒に溶解させ、再度エバポレーターで溶媒を除去することで結晶化させた。得られた固体を2−プロパノールから再結晶することで、化合物[74]を16.2g得た(収率56%)。
1H-NMR(400MHz, DMSO-d6, δppm): 8.55(2H, s), 7.80-7.76(2H, m), 7.52-7.42(1H, m), 1.74(6H, s), 1.72(6H, s).
<合成例37>
下記式[78]で表される化合物tris(4-((2,2-dimethyl-4,6-dioxo-1,3-dioxan-5-ylidene)methyl)phenyl) benzene-1,3,5-tricarboxylateの合成
Figure 0005896164
1L四つ口フラスコに、4−ヒドロキシベンズアルデヒド[76](35.7g、292mmol)、トリエチルアミン(31.5g、311mmol)、テトラヒドロフラン(150g)を加え、内温が10℃以下になるように冷却した。そこへ、1,3,5−ベンゼントリカルボニルトリクロリド[75](25.0g、94mmol)のテトラヒドロフラン(225g)溶液を発熱に注意しながら滴下した。滴下終了後、室温でさらに2時間反応を行った。反応終了後、反応液を純水(2250g)へ注ぎ、析出した固体をろ過、メタノールで洗浄、固体を乾燥させ、化合物[77]を48.0g得た(収率98%)。
2L四つ口フラスコに、化合物[77](48.0g、92mmol)、メルドラム酸[1](56.2g、289mmol)、及びピリジン(720g)を加え、室温で一晩撹拌を行った。その後、エバポレーターでピリジンを除去した。その後、残渣をテトラヒドロフラン/ヘキサン混合溶媒から再結晶することで、化合物[78]を75.6g得た(収率91%)。
1H-NMR(400MHz, DMSO-d6, δppm): 8.57-8.55(3H, m), 8.38(3H, s), 7.83-7.81(6H, m), 7.42-7.39(6H, m), 1.74(18H, s).
<合成例38>
下記式[80]で表される化合物5-(1-hydroxypentylidene)-2,2-dimethyl-1,3-dioxane-4,6-dioneの合成
Figure 0005896164
200L四つ口フラスコに、吉草酸[79] (25.0g、245mmol)、ジクロロメタン200g)を加え、N,N−ジメチルアミノピリジン(DMAP:32.6g、267mmol)、ジシクロヘキシルカルビジイミド(DCC:55.6g、270mmol)、メルドラム酸[1](35.3g、245mmol)を加え、室温で一晩撹拌を行なった。反応終了後、セライトを用いて固形分をろ過し、ろ液をエバポレーターで濃縮した。粗生成物を酢酸エチル(300g)に溶解し、1M塩酸で洗浄した。有機層硫酸マグネシウムで乾燥し、ろ過、溶媒留去することで化合物[80]を53.6g得た(収率96%)。
1H-NMR(400MHz, CDCl3, δppm): 3.09-3.01(2H, m), 1.70(6H, s), 1.70-1.53(2H, m), 1.41(2H, q), 0.92(3H, t).
<合成例39>
下記式[82]で表される化合物5-(1-hydroxytetradecylidene)-2,2-dimethyl-1,3-dioxane-4,6-dioneの合成
Figure 0005896164
200L四つ口フラスコに、メルドラム酸[1](25.0g、173mmol)、ピリジン(27.4g、346mmol)、ジクロロメタン(250g)を加え、窒素雰囲気下、溶液を0℃に冷却した。そこへ、発熱に注意しながらミリスチン酸クロリド[81](42.7g、173mmol)を滴下した。滴下終了後、反応液を室温に戻し、さらに1時間撹拌した。反応終了後、1M塩酸、純粋、飽和食塩水の順でそれぞれ有機層を洗浄し、硫酸マグネシウムで乾燥させた。この溶液をろ過、溶媒留去し、カラム精製(ヘキサン/酢酸エチル)することで化合物[82]を29.1g得た(収率66%)。
1H-NMR(400MHz, CDCl3, δppm): 3.09-3.04(2H, m), 1.72(6H, s), 1.72-1.65(2H, m), 1.46-1.34(2H, m), 1.26(18H, s), 0.88(3H, t).
<合成例40>
下記式[84]で表される化合物5-(3,5-dimethoxybenzyl)-2,2-dimethyl-1,3-dioxane-4,6-dioneの合成
Figure 0005896164
200L四つ口フラスコに、メルドラム酸[1](5g、28.9mmol)、3,5−ジメトキシベンズアルデヒド(4.70g、28.3mmol)、エタノール(50g)を加え、ピリジニウムアセタート(0.42g、2.89mmol)を加え、30分撹拌した。
その後、反応溶液を0℃に冷却し、シアノ水素化ホウ素ナトリウム(2.7g、43.4mmol)を少しずつ加え、その後反応温度を室温へ戻した。反応終了後、発生するガスをケアしながら、10%塩酸でクエンチし、その後、エタノールを留去した。粗物を10%塩酸に再度懸濁させ、ジクロロメタン(80g)で3回抽出した。有機層を合わせ、硫酸マグネシウムで乾燥させた後、ろ過、溶媒留去し、得られた粗物をメタノールから再結晶することで、化合物[84]を4.7g得た(収率55%)。
1H-NMR(400MHz, CDCl3, δppm): 6.44(2H, d), 6.29(1H, t), 3.73(1H, t), 3.36(2H, d), 1.69(3H, s), 1.51(3H, s).
<合成例41>
下記式[86]で表される化合物5-(3,5-dimethoxybenzyl)-2,2-dimethyl-5-(pyridin-4-ylmethyl)-1,3-dioxane-4,6-dioneの合成
Figure 0005896164
200L四つ口フラスコに、化合物[84] (4.70g、16.0mmol)、炭酸カリウム(3.31g、24.0mmol)、ジメチルホルムアミド(DMF)(50g)を加え、4−(ブロモメチル)ピリジン臭化水素酸塩(4.45g、17.6mmol)のDMF(10g)溶液を滴下して加えた。反応終了後、純水(600g)に反応溶液を注ぎ、酢酸エチル(150g)で3回抽出を行なった。次に、有機層を合わせ、飽和炭酸水素ナトリウム、飽和食塩水で洗浄した後、有機層を硫酸マグネシウムで乾燥させた。その後、溶液をろ過、溶媒留去し、粗物をメタノールから再結晶することで、化合物[86]を4.4g得た(収率72%)。
1H-NMR(400MHz, CDCl3, δppm): 8.51(2H, d), 7.10(2H, d), 6.72-6.66(3H, m), 3.82(3H, s), 3.80(3H, s), 3.39(2H, s), 0.73(3H, s), 0.68(3H, s).
<合成例42>
下記式[88]で表される化合物benzyl 3-(2,2-dimethyl-4,6-dioxo-1,3-dioxan-5-yl)propanoateの合成
Figure 0005896164
200L四つ口フラスコに、メルドラム酸[1](15.0g、104mmol)、アセトニトリル(150g)を加え、炭酸カリウム(14.3g、104mmol)、ベンジルトリエチルアンモニウムクロリド(23.9g、104mmol)を加え、室温で15分撹拌した。その後、化合物[87](25.3g、156mmol)を加え、60℃で加熱撹拌を行なった。反応終了後、溶媒を留去し、粗物を酢酸エチル(150g)に溶解させ、10%硫酸水素カリウムで3回洗浄した後、有機層を硫酸マグネシウムで乾燥させた。溶液をろ過、溶媒留去した後、得られた粗物をカラム精製(SiO:ヘキサン/酢酸エチル)することで化合物[88]を28.4g得た(収率89%)。
1H-NMR(400MHz, CDCl3, δppm): 7.38-7.29(5H, m), 5.08(2H, s), 3.89(1H, t), 2.67(2H, t), 2.44-2.34(2H, m), 1.73(3H, s), 1.72(3H, s).
<合成例43>
下記式[90]で表される化合物(S)-tert-butyl 2-(tert-butoxycarbonylamino)-5-(2,2-dimethyl-4,6-dioxo-1,3-dioxan-5-yl)pentanoateの合成
Figure 0005896164
200L四つ口フラスコに、メルドラム酸[1](15.0g、104mmol)、DMAP(18.4g、151mmol)、化合物[89](28.4g、94mmol)、ジクロロメタン(100g)を加え、反応液を0℃に冷却した後、DCC(22.5g、109mmol)のジクロロメタン(50g)溶液を加え、一晩撹拌した。反応終了後、固体をろ過で除き、ろ液を10%硫酸水素カリウムで3回、飽和食塩水で洗浄し、有機層を硫酸マグネシウムで乾燥させた。次に、酢酸(50mL)を加え、溶液を酸性にし、0℃へ冷却した。水素化ホウ素ナトリウム(9.0g、236mmol)を少しずつ加え、0℃でさらに撹拌した。反応終了後、飽和食塩水、純水で洗浄し、有機層を硫酸マグネシウムで乾燥し、溶液をろ過、溶媒留去し、粗物を得た。この粗物をカラム精製(SiO:ヘキサン/酢酸エチル)することで化合物[90]を34.1g得た(収率79%)。
1H-NMR(400MHz, CDCl3, δppm): 5.04(1H, d), 4.20-4.08(1H, m), 3.52(1H, t), 2.20-2.00(2H, m), 1.89-1.40(4H, m), 1.77(3H, s), 1.73(3H, s), 1.43(9H, s), 1.41(9H. s).
<合成例44>
下記式[92]で表される化合物5-(bis(methylthio)methylene)-2,2-dimethyl-1,3-dioxane-4,6-dioneの合成
Figure 0005896164
200mL四つ口フラスコに、メルドラム酸[1](40.9g、284mmol)、トリエチルアミン(57.5g、568mmol)、DMSO(140g)を加えた後、二硫化炭素(21.6g、284mmol)を加え、室温で1時間撹拌した。その後、反応液を氷冷し、ヨウ化メチル(80.6g、568mmol)を徐々に加え、室温でさらに反応を行なった。反応終了後、氷水(250g)に反応液を注ぎ、析出した固体をろ過、ヘキサンで洗浄することで、化合物[92]を36.7g得た(収率52%)。
1H-NMR(400MHz, CDCl3, δppm): 2.57(6H, s), 1.53(6H, s).
<合成例45>
下記式[94]で表される化合物2,2-dimethyl-5-(methylthio(neopentylamino)-methylene)-1,3-dioxane-4,6-dioneの合成
Figure 0005896164
200mL四つ口フラスコに、化合物[92](18.6g、75mmol)、2,2−ジメチルプロピルアミン(6.53g、75mmol)、THF(180g)を加え、室温で撹拌を行なった。反応終了後、エバポレーターで溶媒が約半分になるまで濃縮し、ジエチルエーテル(100g)を加え、析出した固体をろ過し、THF/ジエチルエーテル混合溶媒から再結晶することで、化合物[94]を16.9g得た(収率77%)。
1H-NMR(400MHz, CDCl3, δppm): 3.11(2H, d), 2.58(3H, s), 1.73(6H, s).
<合成例46>
下記式[95]で表される化合物2,2-dimethyl-5-(methylthio(neopentylamino)-methylene)-1,3-dioxane-4,6-dioneの合成
Figure 0005896164
200mL四つ口フラスコに、化合物[92](2.42g、10mmol)、2,2−ジメチルプロピルアミン(2.62g、30mmol)、エタノール(60g)を加え、加熱還流を行なった。反応終了後、エバポレーターで溶媒が約半分になるまで濃縮し、ジエチルエーテル(50g)を加え、0℃に冷却し固体を析出させた。その後、固体をろ過し、THF/ジエチルエーテル混合溶媒から再結晶することで、化合物[95]を1.62g得た(収率50%)。
1H-NMR(400MHz, CDCl3, δppm): 9.83(2H, s), 3.10(2H, d), 1.61(6H, s), 0.96(18H, s).
<合成例47>
下記式[97]で表される化合物5,5'-(1,8-dihydroxyoctane-1,8-diylidene)‐bis(2,2-dimethyl-1,3-dioxane-4,6-dione)の合成
Figure 0005896164
200mL四つ口フラスコに、メルドラム酸[1](14.7g、11mmol)、ピリジン(19.87g、0.26mmol)、ジクロロメタン(200g)を加え、反応溶液を0℃へ冷却後、ヘキサンジカルボキシルジクロリド[96](11.98g、51mmol)のジクロロメタン(50g)溶液を発熱に注意しながら徐々に加え、その後23℃でさらに反応を行なった。反応終了後、10%塩酸水溶液で溶液を酸性にし、エバポレーターで溶媒を留去した。その後、固体をろ過、純水で洗浄し、ジクロロメタン/ジエチルエーテルの混合溶媒から再結晶することで、化合物[97]を16.6g得た(収率78%)。
1H-NMR(400MHz, CDCl3, δppm): 15.30(2H, s), 3.09(4H, t), 1.73(12H, s), 1.66(4H, m), 1.47(4H, m).
<合成例48>
下記式[99]で表される5,5'-(((6,7,9,10,17,18,20,21-octahydrodibenzo[b,k][1,4,7,10,13,16]hexaoxacyclooctadecine-2,14-diyl)bis(azanediyl))bis(methanylylidene))bis(2,2-dimethyl-1,3-dioxane-4,6-dione)の合成
Figure 0005896164
200mL四つ口フラスコに、メルドラム酸[1](4.87g、33.8mmol)、及びオルトギ酸トリメチル[2](60g)を加え、1時間加熱還流を行った。その後、化合物[98](6.00g、15.4mmol)を加え、さらに2時間加熱還流を行った。反応終了後、エバポレーターで溶媒を除去、乾燥して、化合物[99]を10.4g得た(収率97%)。
1H-NMR(400MHz, DMSO-d6, δppm):11.21(2H, d), 8.54(2H, d), 7.26(2H, d), 7.05(2H, dd), 6.96(2H, d), 4.15-4.06(8H, m), 3.88-3.80(6H, m), 3.17(2H, d), 1.67(12H, s).
<合成例49>
下記式[101]で表される5,5'-((1,4,10,13-tetraoxa-7,16-diazacyclooctadecane-7,16-diyl)bis(methanylylidene))bis(2,2-dimethyl-1,3-dioxane-4,6-dione)の合成
Figure 0005896164
500mL四つ口フラスコに、メルドラム酸[1](24.17g、167.7mmol)、及びオルトギ酸トリメチル[2](200g)を加え、1時間加熱還流を行った。その後、化合物[100](20.00g、76.2mmol)を加え、さらに2時間加熱還流を行った。反応終了後、エバポレーターで溶媒を除去、乾燥して、化合物[101]を43.2g得た(収率100%)。
<合成例50>
下記式[103]で表される5,5'-(((((oxybis(ethane-2,1-diyl))bis(oxy))bis(4,1-phenylene))bis(azanediyl))bis(methanylylidene))bis(2,2-dimethyl-1,3-dioxane-4,6-dione)の合成
Figure 0005896164
500mL四つ口フラスコに、メルドラム酸[1](22.00g、153mmol)、及びオルトギ酸トリメチル[2](200g)を加え、1時間加熱還流を行った。その後、化合物[102](20.00g、69.4mmol)を加え、さらに2時間加熱還流を行った。反応終了後、エバポレーターで溶媒を除去、乾燥して、化合物[103]を40.2g得た(収率97%)。
1H-NMR(400MHz, DMSO-d6, δppm):11.23(2H, d), 8.44(2H, d), 7.50-7.48(2H, m), 7.01-6.99(4H, m), 4.42-4.12(4H, m), 3.89-3.78(4H, m), 1.67(12H, s).
<合成例51>
下記式[105]で表される2-(methacryloyloxy)ethyl3,5-bis(((2,2-dimethyl-4,6-dioxo-1,3-dioxan-5-ylidene)methyl)amino)benzoateの合成
Figure 0005896164
500mL四つ口フラスコに、メルドラム酸[1](24.18g、168mmol)、及びオルトギ酸トリメチル[2](300g)を加え、1時間加熱還流を行った。その後、化合物[104](20.00g、76.3mmol)を加え、さらに2時間加熱還流を行った。反応終了後、ヘキサンを加えろ過した後、乾燥を行い、化合物[105]を43.7g得た(収率100%)。
1H-NMR(400MHz, CDCl3, δppm):11.36(2H, d), 8.72(2H, d), 7.80(2H, d), 7.37(1H, t), 6.17(1H, t), 5.64-5.62(1H, m), 4.67-4.65(2H, m), 4.55-4.52(2H, m), 3.79(1H, s), 3.47(1H, s), 3.34(2H, s), 1.97-1.96(3H, m), 1.78-1.76(13H, m).
<合成例52>
下記式[107]で表される(E)-2,4-bis(((2,2-dimethyl-4,6-dioxo-1,3-dioxan-5-ylidene)methyl)amino)phenethyl 3-(4'-butoxy-[1,1'-biphenyl]-4-yl)acrylateの合成
Figure 0005896164
100mL四つ口フラスコに、メルドラム酸[1](4.00g、20.4mmol)、及びオルトギ酸トリメチル[2](40g)を加え、1時間加熱還流を行った。その後、化合物[106](4.00g、9.3mmol)を加え、さらに2時間加熱還流を行った。反応終了後、エバポレーターで溶媒を除去、乾燥し化合物[107]を6.8g得た(収率99%)。
1H-NMR(400MHz, CDCl3, δppm):11.59(1H, d), 11.29(1H, d), 8.84(1H, d), 8.78(1H, d), 8.23(1H, s), 8.04(1H, s), 7.70-7.64(7H, m), 7.62(1H, d), 7.48(2H, s), 7.03(2H, d), 6.53(1H, d), 4.41(2H, t), 4.01(2H, t), 3.66-3.63(6H,m), 1.68-1.57(10H, m), 1.56(1H, s), 1.44-1.39(1H, m), 0.94(3H, t).
<合成例53>
下記式[109]で表される(E)-2,4-bis(((2,2-dimethyl-4,6-dioxo-1,3-dioxan-5-ylidene)methyl)amino)phenethyl 3-(4-cyclohexylphenyl)acrylateの合成
Figure 0005896164
200mL四つ口フラスコに、メルドラム酸[1](4.35g、30mmol)、及びオルトギ酸トリメチル[2](50g)を加え、1時間加熱還流を行った。その後、化合物[108](5.00g、14mmol)を加え、さらに2時間加熱還流を行った。反応終了後、エバポレーターで溶媒を除去、乾燥し化合物[109]を9.63g得た(収率99%)。
1H-NMR(400MHz, CDCl3, δppm):11.63(1H, d), 11.30(1H, d), 8.64-8.63(2H, m), 7.60(1H, d), 7.42-7.39(3H, m), 7.29-7.27(2H, m), 7.21-7.15(3H, m), 6.37(1H, d), 4.49-4.46(2H, m), 3.33-3.11(2H, m), 2.59-2.42(1H, m), 1.86-1.45(2H, m), 1.76-1.70(14H, m), 1.42-1.20(6H, m).
<合成例54>
下記式[111]で表される(E)-2,4-bis(((2,2-dimethyl-4,6-dioxo-1,3-dioxan-5-ylidene)methyl)amino)phenethyl 3-(4-([trans-1,1'-bi(cyclohexan)]-4-yl)phenyl)acrylateの合成
Figure 0005896164
200mL四つ口フラスコに、メルドラム酸[1](2.84g、20mmol)、及びオルトギ酸トリメチル[2](40g)を加え、1時間加熱還流を行った。その後、化合物[110](4.00g、9.0mmol)を加え、さらに2時間加熱還流を行った。反応終了後、エバポレーターで溶媒を除去、乾燥し化合物[111]を6.6g得た(収率99%)。
1H-NMR(400MHz, CDCl3, δppm):11.63(1H, d), 11.30(1H, d), 8.67-8.60(2H, m), 7.60(1H, d), 7.41-7.39(3H, m), 7.26-7.14(4H, m), 6.36(1H, d), 4.48(2H, t), 3.12(2H, t), 2.52-2.45(1H, m), 1.91-1.70(24H, m), 1.52-1.01(8H, m).
<合成例55>
下記式[113]で表される(E)-4-(((2,2-dimethyl-4,6-dioxo-1,3-dioxan-5-ylidene)methyl)amino)phenethyl 3-(4-cyclohexylphenyl)acrylateの合成
Figure 0005896164
200mL四つ口フラスコに、メルドラム酸[1](2.7g、19mmol)、及びオルトギ酸トリメチル[2](30g)を加え、1時間加熱還流を行った。その後、化合物[112](3.00g、8.6mmol)を加え、さらに2時間加熱還流を行った。反応終了後、エバポレーターで溶媒を除去、乾燥し化合物[113]を4.22g得た(収率99%)。
1H-NMR(400MHz, CDCl3, δppm):11.25(1H, d), 8.62(1H, d), 7.64(1H, d), 7.44(2H, d), 7.32(2H, d), 7.24-7.19(4H, m), 6.36(1H, d), 4.42(2H, t), 3.03(2H, t), 1.87-1.38(17H, m).
<合成例56>
下記式[115]で表される(E)-2,4-bis(((2,2-dimethyl-4,6-dioxo-1,3-dioxan-5-ylidene)methyl)amino)phenethyl 3-(4-(trans-4-pentylcyclohexyl)phenyl)acrylateの合成
Figure 0005896164
300mL四つ口フラスコに、メルドラム酸[1](13.55g、69.8mmol)、及びオルトギ酸トリメチル[2](140g)を加え、1時間加熱還流を行った。その後、化合物[114](13.79g、31.7mmol)を加え、さらに2時間加熱還流を行った。反応終了後、エバポレーターで溶媒を除去、乾燥し化合物[115]を22.4g得た(収率95%)。
1H-NMR(400MHz, CDCl3, δppm):11.63(1H, d), 11.27(1H, d), 8.68-8.57(2H, m), 7.41-7.39(3H, m), 7.26-7.14(4H, m), 6.36(1H, d), 4.48(2H, t), 3.80-3.76(3H, m), 3.48(2H, d), 3.34(1H, s), 3.12(2H, d), 2.47(2H, t), 1.86(6H, d), 1.77-1.68(10H, m), 1.47-1.20(10H,m), 1.06-0.90(5H, m).
<合成例57>
下記式[117]で表される(E)-2,4-bis(((2,2-dimethyl-4,6-dioxo-1,3-dioxan-5-ylidene)methyl)amino)phenethyl 3-(4-(trans-4-heptylcyclohexyl)phenyl)acrylateの合成
Figure 0005896164
100mL四つ口フラスコに、メルドラム酸[1](3.43g、23.8mmol)、及びオルトギ酸トリメチル[2](50g)を加え、1時間加熱還流を行った。その後、化合物[116](5.00g、10.8mmol)を加え、さらに2時間加熱還流を行った。反応終了後、エバポレーターで溶媒を除去、乾燥し化合物[117]を8.3g得た(収率100%)。
1H-NMR(400MHz, CDCl3, δppm):11.64(1H, d), 11.28(1H, d), 8.70-8.63(2H, m), 7.61(1H, d), 7.45-7.40(3H, m), 7.27-7.15(3H, m), 6.37(1H, d), 4.46(2H, t), 3.60(2H, d), 3.12(2H, t), 2.34(1H, t), 1.87(4H, d), 1.85-1.75(15H, m), 1.42-1.38(2H, m), 1.33-1.26(10H,m), 1.07-1.02(2H, m), 0.89(3H, t).
<合成例58>
下記式[119]で表される(E)-3,5-bis(((2,2-dimethyl-4,6-dioxo-1,3-dioxan-5-ylidene)methyl)amino)benzyl 3-(4-(trans-4-pentylcyclohexyl)phenyl)acrylateの合成
Figure 0005896164
300mL四つ口フラスコに、メルドラム酸[1](11.31g、78.5mmol)、及びオルトギ酸トリメチル[2](150g)を加え、1時間加熱還流を行った。その後、化合物[118](15.00g、35.7mmol)を加え、さらに2時間加熱還流を行った。反応終了後、エバポレーターで溶媒を除去、乾燥し化合物[119]を25.3g得た(収率99%)。
1H-NMR(400MHz, CDCl3, δppm):11.30(2H, d), 8.66(2H, d), 7.74(1H, d), 7.49(2H, d), 7.26-7.19(4H, m), 7.08(1H, d), 6.49(1H, d), 5.27(2H, s), 2.49(1H, t), 1.93-1.77(18H, m), 1.65-0.87(14H, m).
<合成例59>
下記式[121]で表される(E)-3,5-bis(((2,2-dimethyl-4,6-dioxo-1,3-dioxan-5-ylidene)methyl)amino)benzyl 3-(4-(trans-4'-pentyl-[1,1'-bi(cyclohexan)]-4-yl)phenoxy)acrylateの合成
Figure 0005896164
200mL四つ口フラスコに、メルドラム酸[1](1.83g、12.7mmol)、及びオルトギ酸トリメチル[2](45g)を加え、1時間加熱還流を行った。その後、化合物[120](3.00g、5.8mmol)を加え、さらに2時間加熱還流を行った。反応終了後、エバポレーターで溶媒を除去、乾燥し化合物[121]を4.8g得た(収率100%)。
1H-NMR(400MHz, CDCl3, δppm):11.27(2H, d), 8.64(2H, d), 7.85(1H, d), 7.21(2H, d), 7.14(2H, d), 7.10-7.09(1H, m), 7.00-6.98(2H, m), 5.57(1H, d), 5.19(2H, s), 3.81(1H, s), 3.47-3.46(1H, m), 3.33(4H, s), 1.91-1.72(20H, m), 1.41-0.84(13H, m).
<合成例60>
下記式[123]で表される(E)-4-(((2,2-dimethyl-4,6-dioxo-1,3-dioxan-5-ylidene)methyl)amino)phenyl 3-(4-(trans-4-pentylcyclohexyl)phenyl)acrylateの合成
Figure 0005896164
200mL四つ口フラスコに、メルドラム酸[1](3.64g、25mmol)、及びオルトギ酸トリメチル[2](90g)を加え、1時間加熱還流を行った。その後、化合物[122](9.00g、23mmol)を加え、さらに2時間加熱還流を行った。反応終了後、エバポレーターで溶媒を除去、乾燥し化合物[123]を12.1g得た(収率99%)。
1H-NMR(400MHz, DMSO-d6, δppm):11.28(1H, d), 8.61(1H, d), 7.85(1H, d), 7.52(2H, d), 7.29-7.26(5H, m), 6.54(1H, d), 2.52(1H, t), 1.89(4H, d), 1.57-0.89(22H, t).
<合成例61>
下記式[125]で表される(E)-4-(((2,2-dimethyl-4,6-dioxo-1,3-dioxan-5-ylidene)methyl)amino)phenethyl 3-(4-(trans-4-pentylcyclohexyl)phenyl)acrylateの合成
Figure 0005896164
200mL四つ口フラスコに、メルドラム酸[1](2.00g、14mmol)、及びオルトギ酸トリメチル[2](75g)を加え、1時間加熱還流を行った。その後、化合物[124](4.92g、13mmol)を加え、さらに2時間加熱還流を行った。反応終了後、エバポレーターで溶媒を除去、乾燥し化合物[125]を7.16g得た(収率100%)。
1H-NMR(400MHz, CDCl3, δppm):11.24(1H, d), 8.62(1H, d), 7.63(1H, d), 7.44(2H, d), 7.32(2H, d), 7.24-7.19(4H, m), 6.36(1H, d), 4.42(2H, t), 3.03(2H, t), 2.48(1H, t), 1.87(4H, d), 1.76(6H, s), 1.49-1.21(1H, m), 1.07-1.00(2H, m), 0.97(3H, t).
<合成例62>
下記式[127]で表される5-(((4-dodecylphenyl)amino)methylene)-2,2-dimethyl-1,3-dioxane-4,6-dioneの合成
Figure 0005896164
200mL四つ口フラスコに、メルドラム酸[1](12.13g、84.2mmol)、及びオルトギ酸トリメチル[2](100g)を加え、1時間加熱還流を行った。その後、化合物[126](20.00g、76.5mmol)を加え、さらに2時間加熱還流を行った。反応終了後、エバポレーターで溶媒を除去、乾燥し化合物[127]を31.1g得た(収率98%)。
1H-NMR(400MHz, DMSO-d6, δppm):11.24(1H, d), 8.50(1H, d), 7.41(2H, d), 7.20(2H, d), 2.53(2H, t), 2.27-2.46(1H, m), 1.63(6H, s), 1.52-1.47(2H, m), 1.29-1.86(17H, m),, 0.83(3H, t).
<合成例63>
下記式[129]で表される5-(((4-(1,1,2,2,3,3,4,4,5,5,6,6,7,7,7-pentadecafluoroheptyl))amino)methylene)-2,2-dimethyl-1,3-dioxane-4,6-dioneの合成
Figure 0005896164
200mL四つ口フラスコに、メルドラム酸[1](3.10g、22mmol)、及びオルトギ酸トリメチル[2](20g)を加え、1時間加熱還流を行った。その後、化合物[128](10.00g、19.6mmol)を加え、さらに2時間加熱還流を行った。反応終了後、エバポレーターで溶媒を除去、乾燥し化合物[129]を12.6g得た(収率100%)。
1H-NMR(400MHz, DMSO-d6, δppm):11.60(1H, d), 8.70(1H, d), 7.68(2H, d), 7.39(2H, d), 1.77(6H, s).
[ポリアミック酸又はポリイミドの合成及びその溶液の作製]
下記で用いた略号は以下の通りである。
(テトラカルボン酸二無水物)
CBDA:1,2,3,4−シクロブタンテトラカルボン酸二無水物
BODA:ビシクロ[3,3,0]オクタン−2,4,6,8−テトラカルボン酸二無水物
Figure 0005896164
(ジアミン)
p−PDA:p−フェニレンジアミン
DDM:4,4’−ジアミノジフェニルメタン
PCH7AB:1,3−ジアミノ−4−〔4−(トランス−4−n−ヘプチルシクロヘキシル)フェノキシ〕ベンゼン
Figure 0005896164
(有機溶媒)
NMP:N−メチル−2−ピロリドン
BCS:ブチルセロソルブ
(分子量の測定)
本実施例において、ポリマー(ポリアミック酸、ポリイミド等)の分子量は、(株)Shodex社製常温ゲル浸透クロマトグラフィー(GPC)装置(GPC−101)、Shodex社製カラム(KD−803、KD−805)を用い以下のようにして測定した。
カラム温度:50℃
溶離液:N,N−ジメチルホルムアミド(添加剤として、臭化リチウム−水和物(LiBr・HO)が30mmol/L、リン酸・無水結晶(o−リン酸)が30mmol/L、テトラヒドロフラン(THF)が10ml/L)
流速:1.0mL/分
検量線作製用標準サンプル:東ソー社製 TSK 標準ポリエチレンオキサイド(分子量 約900,000、150,000、100,000、30,000)、および、ポリマーラボラトリー社製 ポリエチレングリコール(分子量 約12,000、4,000、1,000)。
(イミド化率の測定)
本実施例において、ポリイミドのイミド化率は次のようにして測定した。
ポリイミド粉末約20mgをNMRサンプル管に入れ、重水素化ジメチルスルホキシド(DMSO−d、0.05%TMS混合品)約0.53mlを添加し、超音波をかけて完全に溶解させた。この溶液をNMR測定措置にて500MHzのプロトンNMRを測定した。イミド化率は、イミド化前後で変化しない構造に由来するプロトンを基準プロトンとして決め、このプロトンのピーク積算値と、10.0ppm付近に現れるアミック酸のNH基に由来するプロトンピーク積算値とを用い以下の式によって求めた。なお、下記式において、xはアミック酸のNH基由来のプロトンピーク積算値、yは基準プロトンのピーク積算値、αはポリアミック酸(イミド化率が0%)の場合におけるアミック酸のNH基プロトン一個に対する基準プロトンの個数割合である。
イミド化率(%)=(1−α・x/y)×100
<ポリアミック酸(PAA−1)の合成及びその溶液の作製>
100mL四口フラスコに、DDM 7.93g(40mmol)、NMP(20g)を加え溶解させた後、約10℃に冷却し、CBDA 7.46g(38mmol)のNMP(67g)スラリー溶液を加え、室温に戻し窒素雰囲気下6時間反応させポリアミック酸(PAA−1)の濃度15質量%の溶液を得た。
このポリアミック酸(PAA−1)の濃度15質量%の溶液88gを200mL三角フラスコに移し、NMPを87.6g、BCSを43.8g加えて希釈し、ポリアミック酸(PAA−1)が6質量%、NMPが74質量%、BCSが20質量%のポリアミック酸(PAA−1)溶液を作製した。このポリアミック酸(PAA−1)の数平均分子量は12,081、重量平均分子量は30,449であった。
<ポリアミック酸(PAA−2)の合成及びその溶液の作製>
200mL四口フラスコに、p−PDA 8.65g(80mmol)、NMP(49g)を加え溶解させた後、約10℃に冷却し、CBDA 14.1g(72mmol)のNMP(80g)スラリー溶液を加え、室温に戻し窒素雰囲気下6時間反応させポリアミック酸(PAA−2)の濃度15質量%の溶液を得た。
このポリアミック酸(PAA−2)の濃度15質量%の溶液125gを300mL三角フラスコに移し、NMPを118.5g、BCSを60.9g加えて希釈し、ポリアミック酸(PAA−2)が6質量%、NMPが74質量%、BCSが20質量%のポリアミック酸(PAA−2)溶液を作製した。このポリアミック酸(PAA−2)の数平均分子量は7,609、重量平均分子量は15,837であった。
<ポリアミック酸(PAA−3)の合成及びその溶液の作製>
200mL四口フラスコに、p−PDA 8.05g(74mmol)、PCH7AB 2.13g(5.6mmol)、NMP(118g)を加え溶解させた後、約10℃に冷却し、CBDA 14.1g(72mmol)のNMP(100g)スラリー溶液を加え、室温に戻し窒素雰囲気下6時間反応させポリアミック酸(PAA−3)の濃度10質量%の溶液を得た。
このポリアミック酸(PAA−3)の濃度10質量%の溶液234gを300mL三角フラスコに移し、NMPを70.8g、BCSを76.2g加えて希釈し、ポリアミック酸(PAA−3)が6質量%、NMPが74質量%、BCSが20質量%のポリアミック酸(PAA−3)溶液を作製した。このポリアミック酸(PAA−3)の数平均分子量は6,092、重量平均分子量は12,002であった。
<可溶性ポリイミド(SPI−1)の合成及びその溶液の作製>
300mL四口フラスコに、BODA(16.9g,68mmol)、p−PDA(6.8g,63mmol)、PCH7AB(10.3g,27mmol)をNMP(100g)中で混合し、40℃で3時間反応させた後、CBDA(4.1g,21mmol)とNMP(52g)を加え、40℃で3時間反応させポリアミック酸溶液を得た。このポリアミック酸溶液(130g)にNMPを加え6質量%に希釈した後、イミド化触媒として無水酢酸(16g)、ピリジン(12g)を加え、80℃で3時間反応させた。この反応溶液をメタノール(1.6L)中に投入し、得られた沈殿物を濾別した。この沈殿物をメタノールで洗浄し、100℃で減圧乾燥しポリイミド粉末(SPI−1)を得た。このポリイミドのイミド化率は54%であり、数平均分子量は18,300、重量平均分子量は45,300であった。このポリイミドにおけるカルボキシル基の量は、繰り返し単位に対して0.92個である。
上記で得たポリイミド粉末(SPI−1)(12.0g)にNMP(98g)、BCS(90g)を加え、80℃にて40時間攪拌して溶解させ、可溶性ポリイミド(SPI−1)溶液を作製した。
[ポリイミド膜形成用塗布液(液晶配向剤)の調製]
<実施例1〜10>
上記で作製したポリアミック酸(PAA−1)溶液(10.0g)に、修飾用化合物として上記合成例で作製した下記表1に記載される化合物を、それぞれポリアミック酸(PAA−1)溶液の固形分(すなわちポリアミック酸(PAA−1))に対して10mol%となるように加え、均一溶液となるまで、室温(25℃)で撹拌を行い、実施例1〜10のポリイミド膜形成用塗布液(機能性ポリマー膜形成用塗布液)を調製した。
Figure 0005896164
<実施例11〜45>
上記で作製したポリアミック酸(PAA−1)溶液(10.0g)に、修飾用化合物として上記合成例で作製した下記表2に記載される化合物を、それぞれポリアミック酸(PAA−1)溶液の固形分(すなわちポリアミック酸(PAA−1))に対して下記表2に記載する割合となるように加え、均一溶液となるまで、室温で撹拌を行い、実施例11〜45のポリイミド膜形成用塗布液を調製した。
Figure 0005896164
<実施例46〜57>
上記で作製したポリアミック酸(PAA−2)溶液(10.0g)に、修飾用化合物として上記合成例で作製した下記表3に記載される化合物を、それぞれポリアミック酸(PAA−2)溶液の固形分(すなわちポリアミック酸(PAA−2))に対して10mol%となるように加え、均一溶液となるまで、室温で撹拌を行い、実施例46〜57のポリイミド膜形成用塗布液を調製した。
Figure 0005896164
<実施例58〜71>
上記で作製したポリアミック酸(PAA−3)溶液(40.0g)に、修飾用化合物として上記合成例で作製した下記表4に記載される化合物を、それぞれポリアミック酸(PAA−3)溶液の固形分(すなわちポリアミック酸(PAA−3))に対して表4に記載する質量%となるように加え、均一溶液となるまで、室温で撹拌を行い、実施例58〜71のポリイミド膜形成用塗布液を調製した。
Figure 0005896164
<実施例72〜74>
上記で作製したポリアミック酸(PAA−2)溶液(70.0g)に、修飾用化合物として上記合成例で作製した下記表5に記載される化合物を、それぞれポリアミック酸(PAA−2)溶液の固形分(すなわちポリアミック酸(PAA−2))に対して下記表5に記載する割合となるように加え、均一溶液となるまで、室温で撹拌を行い、実施例72〜74のポリイミド膜形成用塗布液を調製した。
Figure 0005896164
<実施例75〜90>
上記で作製した可溶性ポリイミド(SPI−1)溶液(10.0g)に、修飾用化合物として上記合成例で作製した下記表6に記載される化合物を、それぞれ可溶性ポリイミド(SPI−1)溶液の固形分(すなわち可溶性ポリイミド(SPI−1))に対して、下記表6に記載する割合となるように加え、均一溶液となるまで、室温で撹拌を行い、実施例75〜90のポリイミド膜形成用塗布液を調製した。
Figure 0005896164
<実施例91〜102及び比較例1>[架橋効果の確認試験(ストリッピングテスト)]
上記実施例75〜86のポリイミド膜形成用塗布液をシリコンウエハにスピンコート(2500rpm/30秒)し、230℃のホットプレート上で30分間焼成を行い、塗膜[a1]を形成させた。得られた塗膜[a1]の膜厚を(株)小坂研究所社製サーフコーダET4000Mを用いて測定した。次に、塗膜[a1]が形成されたシリコンウエハを再度スピンコーターにセットして、NMPをシリコンウエハ全面が覆われるまで滴下し、60秒静置した後、NMPをスピンドライ(1500rpm/30秒)し、100℃のホットプレート上で30秒間焼成を行い、残膜を塗膜[a2]とした。この塗膜[a2]の膜厚を再度測定し、以下の計算式の基づき、残膜率を算出した。なお、比較例1として、上記で作製した可溶性ポリイミド(SPI−1)溶液、すなわち、上記式[A]〜[D]で表される修飾用化合物を含有していない可溶性ポリイミド溶液についても同様の操作を行い、残膜率を算出した。結果を表7に示す。
残膜率(%)=塗膜[a2]の膜厚/塗膜[a1]の膜厚×100
この結果、修飾用化合物を添加したポリイミド膜形成用塗布液(液晶配向処理剤)を用いることで、塗膜(ポリイミド膜)の溶媒耐性を改善するできることが確認された。したがって、可溶性ポリイミドに修飾用化合物が導入されたと言える。また、メルドラム酸を2個以上有する上記式[A]で表される修飾用化合物を用いた実施例75〜85では、特に残膜率が高くなっているため、可溶性ポリイミドが上記式[A]で表される修飾用化合物により架橋されたものと推測される。さらには、添加する上記式[A]で表される修飾用化合物を適切に選択することにより、塗膜の溶解性を比較的自由に制御できることが確認された。
なお、同様にして実施例1〜74及び実施例87〜90のポリイミド膜形成用塗布液を用いて塗膜を形成しストリッピングテストを行なったところ、それぞれ修飾用化合物を添加していないものと比較して、残膜率が高くなり、修飾用化合物を添加したポリイミド膜形成用塗布液を用いることで、ポリイミド膜の溶媒耐性を改善するできることが確認された。
Figure 0005896164
[液晶配向膜及び液晶セルの作製]
上記各実施例で調製したポリイミド膜形成用塗布液(液晶配向剤)を用いて、以下のようにして液晶セルを作製した。
ポリイミド膜形成用塗布液(液晶配向剤)をガラス基板またはITO透明電極付きガラス基板にスピンコートし、80℃のホットプレート上で70秒間乾燥させた後、所定の焼成条件で、膜厚100nmの塗膜を形成させた。
その後、ラビングによる液晶配向処理については、この塗膜面をロール径120mmのラビング装置でレーヨン布を用いて、所定のラビング条件でラビングし、液晶配向膜V付き基板を得た。光による液晶配向処理については、この塗膜面に直線偏光UV光線(UV波長313nm、照射強度8.0mW/cm−2)を露光量0mJ〜1000mJの間で変化させ、プレートの法線に対して40°傾け照射することにより行なった。なお、直線偏光UVは高圧水銀ランプの紫外光に313nmのバンドパスフィルターを通した後、313nmの偏光板を通すことで調製した。
このように液晶配向処理を行なった液晶配向膜付き基板を2枚用意し、その1枚の液晶配向膜面上に6μmのスペーサーを散布した後、その上からシール剤を印刷し、もう1枚の基板を液晶配向膜面が向き合いラビング方向が互いに平行になるようにして張り合わせる(アンチパラレル液晶セル、実施例103〜133)、または、直行するようにして張り合わせる(ツイストネマティック液晶セル、実施例174〜206、および実施例322〜343、実施例344〜350)、あるいは、UV照射したものに関しては照射した偏光の方向が平行となるようにして張り合わせ(垂直配向モード用アンチパラレル液晶セル、実施例207〜209、実施例210〜321)、シール剤を硬化させて空セルを作製した。この空セルに減圧注入法によって、アンチパラレル液晶セルにおいては、液晶MLC−2003(メルク社製)を、ツイストネマティック液晶セルにおいてはカイラル剤入りの液晶MLC−2003(メルク社製)を注入し、垂直配向モード用アンチパラレル液晶セルにおいては液晶MLC−6608(メルク社製)を注入し、注入口を封止して、おのおのの液晶セルを得た。
[液晶セルの評価]
作製した各液晶セルの物性の測定、および特性の評価の方法は以下の通りである。なお、各測定、評価において作製した液晶配向膜や液晶セルの基板、焼成条件及びラビング条件を、合わせて示す。
<実施例103〜133及び比較例2〜4><液晶配向性評価>
表8に示す各実施例で調製したポリイミド膜形成用塗布液を用いて作製した液晶セルを偏光板で挟み、後部からバックライトを照射した状態で、液晶セルを回転させて、明暗の変化や流動配向の有無で液晶が配向しているかを目視にて観察した。その際、下記の基準で評価した。なお、液晶配向性評価用に作製した液晶セルは、基板としてガラス基板を用い、ポリイミド膜形成用塗布液の塗膜の焼成条件を230℃に加熱したホットプレート上で30分間焼成とし、ラビング条件をロール回転数300rpm、ロール進行速度50mm/sec、押し込み量0.15mmとして作製した。また、合わせて、修飾用化合物や架橋剤を未添加のもの(比較例2)、及び一般的な市販の架橋剤として、下記架橋剤を添加した塗布液(比較例3または比較例4)を調製し、効果を比較した。結果を表8に示す。
評価基準
◎:液晶の配向が確認でき、且つ流動配向がない
○:液晶は配向しているが、流動配向が若干観察される
×:液晶は配向しているが、流動配向が多く観察される
Figure 0005896164
この結果、比較例3及び比較例4のように、市販架橋剤を用いた場合、一般に液晶の配向性は阻害されやすい傾向にあるが、本発明の修飾用化合物を添加したポリイミド膜形成用塗布液を用いた場合には、メルドラム構造部位を2個以上有する修飾用化合物を用いても、液晶の配向性を阻害することなく、場合によっては、配向性を向上させることもできることが確認された。
Figure 0005896164
<実施例134〜173及び比較例5〜6><ラビング耐性評価>
表9−1〜表9−2に示す各実施例で調製したポリイミド膜形成用塗布液を用いて作製した液晶配向膜の表面を、共焦点レーザー顕微鏡にて観察し、下記の基準で評価を行った。なお、基板としてITO透明電極付きガラス基板を用い、ポリイミド膜形成用塗布液の塗膜の焼成条件を230℃に加熱したホットプレート上で30分間焼成とし、ラビング条件をロール回転数1000rpm、ロール進行速度50mm/sec、押し込み量を0.5mmとして作製した。また、合わせて、修飾用化合物を未添加のもの(比較例5及び比較例6)を調製し、効果を比較した。結果を表9−1〜表9−2に示す。
○:削れカスやラビング傷が観察されない。
△:削れカスやラビング傷が観察される。
×:膜が剥離する又は目視でラビング傷が観察される。
この結果、修飾用化合物を添加していない比較例5及び比較例6と比較して、メルドラム酸構造部位を2個以上有する修飾用化合物を添加したポリイミド膜形成用塗布液を用いた場合には、いずれのポリマーを用いても削れ耐性が改善することが確認された。
Figure 0005896164
Figure 0005896164
<実施例174〜206及び比較例7><ツイストネマティック液晶セルのプレチルト角測定>
表10に示す各実施例で調製したポリイミド膜形成用塗布液を用いて作製した液晶セルについて、105℃で5分間加熱した後、プレチルト角の測定を行った。プレチルト角はAxo Metrix社の「Axo Scan」にて、ミュラーマトリクス法を用いて測定した。なお、ツイストネマティック液晶セルのプレチルト角測定用に作製した液晶セルは、基板としてITO透明電極付きガラス基板を用い、ポリイミド膜形成用塗布液の塗膜の焼成条件を230℃に加熱したホットプレート上で30分間焼成とし、ラビング条件をロール回転数1000rpm、ロール進行速度50mm/sec、押し込み量0.3mmとして作製した。また、合わせて、修飾用化合物を未添加のもの(比較例7)を調製し、効果を比較した。結果を表10に示す。
この結果、修飾用化合物の種類と添加量を適切に選択することにより、所望のプレチルト角を任意に得ることができることが確認された。
Figure 0005896164
<実施例207〜209及び比較例8><アンチパラレル液晶セルのプレチルト角測定>
表11に示す各実施例で調製したポリイミド膜形成用塗布液を用いて作製した液晶セルについて、120℃で1時間加熱した後、プレチルト角の測定を行った。プレチルト角はAxo Metrix社の「Axo Scan」にて、ミュラーマトリクス法を用いて測定した。なお、アンチパラレル液晶セルのプレチルト角測定用に作製した液晶セルは、基板としてITO透明電極付きガラス基板を用い、ポリイミド膜形成用塗布液の塗膜の焼成条件を200℃に加熱した熱風循環式オーブン内で30分間焼成とし、配向処理を行わず、前述の液晶セル作製を行った。また、合わせて、修飾用化合物を未添加のもの(比較例8)を調製し、効果を比較した。結果を表11に示す。
この結果、修飾用化合物を添加していない比較例8と比較して、修飾用化合物を添加したポリイミド膜形成用塗布液を用いた場合には、顕著にプレチルト角を大きくすることができることが確認された。したがって、修飾用化合物を添加することで、ベースポリマー、すなわち、ポリイミド膜形成用塗布液が含有するポリイミド前駆体やポリイミドに液晶を立たせる側鎖成分を導入していなくても、液晶を垂直に配向させることができることが確認された。
Figure 0005896164
<実施例210〜321><液晶配向性評価及びアンチパラレル液晶セルのプレチルト角測定>
表12−1〜12−4に示す各実施例で調製したポリイミド膜形成用塗布液を用いて作製した液晶セルを偏光板で挟み、後部からバックライトを照射した状態で、液晶セルを回転させて、明暗の変化や流動配向の有無で液晶が配向しているかを目視にて観察したところ、良好な配向性を示した。その後、3Vの交流電圧を液晶セルに印加し、液晶が配向しているかを目視にて観察した。その際、下記の基準で評価した。なお、液晶配向性評価用に作製した液晶セルは、基板としてガラス基板を用い、ポリイミド膜形成用塗布液の塗膜の焼成条件を200℃に加熱した熱風循環式オーブンで30分間焼成とし、得られた塗膜付きのガラス基板に前述の光配向処理を行った後に作製した。
評価基準
良好:液晶の配向が確認でき、且つ流動配向がない
不良:液晶は配向しているが、流動配向が多く観察される
また、表12−1〜12−4に示す各実施例で調製したポリイミド膜形成用塗布液を用いて作製した液晶セルについて、120℃で1時間加熱した後、プレチルト角の測定を行った。プレチルト角はAxo Metrix社の「Axo Scan」にて、ミュラーマトリクス法を用いて測定した。
この結果、光反応性側鎖を有する修飾用化合物を添加したポリイミド膜形成用塗布液(液晶配向処理剤)を用いることで、光配向処理を行った場合においても良好な垂直配向性が得られることが確認された。また、本発明のポリイミド膜形成用塗布液(液晶配向処理剤)に偏光の紫外線を照射することで、垂直から僅かに傾けた状態で液晶を配向させる能力があることが確認された。さらに、添加量と照射量を制御することにより、プレチルト角を微調整できることも確かめられた。これらのことから、本発明のポリイミド膜形成用塗布液(液晶配向処理剤)は、垂直配向方式の液晶表示素子用の液晶配向膜に利用可能であり、また光配向法で使用する液晶配向膜としても有用であると言える。
Figure 0005896164
Figure 0005896164
Figure 0005896164
Figure 0005896164
<実施例322〜343及び比較例9><電圧保持率(VHR)の測定>
表13に示す各実施例で調製したポリイミド膜形成用塗布液を用いて作製した液晶セルについて、初期状態の電圧保持率測定を行なった。電圧保持率の測定は、90℃の温度下で4Vの電圧を60μs間印加し、16.67ms後の電圧を測定し、電圧がどのくらい保持できているかを電圧保持率として計算した。電圧保持率の測定には東陽テクニカ社製のVHR−1電圧保持率測定装置を使用した。なお、電圧保持率(VHR)の測定用に作製した液晶セルは、基板としてITO透明電極付きガラス基板を用い、ポリイミド膜形成用塗布液の塗膜の焼成条件を230℃に加熱したホットプレート上で30分間焼成とし、ラビング条件をロール回転数1000rpm、ロール進行速度50mm/sec、押し込み量0.3mmとして作製した。また、合わせて、修飾用化合物を未添加のもの(比較例9)を調製し、効果を比較した。結果を表13に示す。
この結果、修飾用化合物を添加したポリイミド膜形成用塗布液を用いることで、未添加時よりも良好な電圧保持率特性を得ることができることが確認された。
Figure 0005896164
<実施例344〜350及び比較例10><蓄積電荷(RDC)の見積もり>
表14に示す各実施例で調製したポリイミド膜形成用塗布液を用いて作製したツイストネマティック液晶セルに、23℃の温度下で直流電圧を0Vから0.1V間隔で1.0Vまで印加し、各電圧でのフリッカー振幅レベルを測定し、検量線を作製した。5分間アースした後、交流電圧3.0V、直流電圧5.0Vを印加し、1時間後のフリッカー振幅レベルを測定し、予め作製した検量線と照らし合わせる事によりRDCを見積もった(フリッカー参照法)。なお、蓄積電荷(RDC)の見積もり測定用に作製した液晶セルは、基板としてITO透明電極付きガラス基板を用い、ポリイミド膜形成用塗布液の塗膜の焼成条件を230℃に加熱したホットプレート上で30分間焼成とし、ラビング条件をロール回転数1000rpm、ロール進行速度50mm/sec、押し込み量0.3mmとして作製した。また、合わせて、修飾用化合物を未添加のもの(比較例10)を調製し、効果を比較した。結果を表14に示す。
この結果、修飾用化合物を添加したポリイミド膜形成用塗布液を用いることで、RDCが小さい液晶セルを得ることができることが確認された。
Figure 0005896164
<実施例351〜358及び比較例11>エージング試験前後のイオン密度の測定
上記ポリアミック酸(PAA−1)溶液(10.0g)に修飾用化合物として合成例で作製した表15に示す化合物をそれぞれポリアミック酸(PAA−1)溶液の固形分(すなわちポリアミック酸(PAA−1))に対して下記表15に記載する割合となるように加え、均一溶液となるまで、室温で撹拌を行い、ポリイミド膜形成用塗布液を調製した。
そして、これらポリマー膜形成用塗布液(液晶配向剤)をそれぞれ用いて作製したツイストネマティック液晶セルについて、初期状態(23℃)のイオン密度を測定し、また、60℃で30時間保持(エージング)した後のイオン密度測定を行った。イオン密度測定においては、液晶セルに電圧±10V、周波数0.01Hzの三角波を印加した時のイオン密度を測定した。測定温度は80℃で行った。測定装置は、いずれの測定も東陽テクニカ社製6245型液晶物性評価装置を用いた。結果を表15に示す。
なお、ツイストネマティック液晶セルは、ポリイミド膜形成用塗布液の塗膜の焼成条件を200℃に加熱したホットプレート上で30分間焼成とした以外は上記ツイストネマティック液晶セル(実施例174〜206)と同様の操作を行って作製した。また、合わせて、修飾用化合物を未添加のものについても同様の操作を行って、効果を比較した。
この結果、修飾用化合物の種類と添加量を適切に選択することにより、未添加の場合と比較して、液晶セル中のイオン性不純物を大幅に低減させられることが確認された。
Figure 0005896164
[ポリマーの合成及びその溶液の作製]
下記で用いた略記号は以下のとおりである。
(モノマー)
HEMA:メタクリル酸 2−ヒドロキシエチル
MAA:メタクリル酸
MMA:メタクリル酸メチル
CHMI:N−シクロヘキシルマレイミド
TEOS:テトラエトキシシラン
(重合開始剤)
AIBN:α、α'−アゾビスイソブチロニトリル
(溶媒)
PGMEA:プロピレングリコールモノエチルエーテル
CHN:シクロヘキサン
HG:へキシレングリコール
BCS:ブチルセロソルブ
1,3−BDO:1,3−ブタンジオール
以下の合成例に従い得られたアクリルポリマー及びポリシロキサンの数平均分子量Mn及び重量平均分子量Mwは、日本分光(株)製GPC装置(Shodex(登録商標)カラムKF803L及びKF804L)を用い、溶出溶媒テトラヒドロフランを流量1ml/分でカラム中に(カラム温度40℃)流して溶離させるという条件で測定した。なお、数平均分子量Mn及び重量平均分子量Mwとも、ポリスチレン換算値にて表す。
(市販ポリマー)
下記市販のポリマーに関しては、NMP/BCS(重量比80:20)混合溶液で固形分濃度が6質量%となるように調製したポリマー溶液として用いた。なお、PSM−4326は群栄化学工業社、その他のポリマーについては、アルドリッチ社より購入したものを用いた。また、MEKはメチルエチルケトンを意味する。
Polymer−1:Poly[(o-cresyl glycidyl ether)-co-formaldehyde]
Polymer−2:Poly[N,N'-bis(2,2,6,6-tetramethyl-4-piperidinyl)-1,6-hexanediamine-co-2,4-dichloro-6-morpholino-1,3,5-triazine]
Polymer−3:Poly(Bisphenol A-co-epichlorohydrin)
Polymer−4:Poly(melamine-co-formaldehyde) acrylated, 80 wt% MEK Solution.
Polymer−5:群栄化学工業社製ノボラック樹脂、PSM−4326
<Polymer−6の合成及びその溶液の作製>
MMA、MAA、HEMA、CHMIを、モル比でMMA:MAA:HEMA:CHMI=13:26:25:36であり、かつ固形分濃度40wt%となるように含有し、PGMEAを溶媒とする溶液を調製し、この溶液に重合触媒としてAIBNを加え、80℃にて20時間反応させることにより、共重合体(アクリルポリマー)の溶液を得た。得られた共重合体の数平均分子量Mnは4000、重量平均分子量Mwは7500であった。次に、得られた溶液をNMPで固形分濃度が5wt%になるように希釈して、アクリルポリマー(Polymer−6)溶液を得た。
<Polymer−7の合成及びその溶液の作製>
温度計、還流管を備え付けた100mL四つ口フラスコに、混合溶媒(重量比でHG:BCS:1,3−BDO=65:30:5)と共にTEOSを加え、アルコキシシランモノマーの溶液を調製した。この溶液に、予め、上記混合溶媒、水および触媒としてシュウ酸を混合した溶液を室温下で30分かけて滴下した。この溶液を30分撹拌してから1時間加熱還流し、放冷して、SiO換算濃度が12wt%のポリシロキサンの溶液を得た。次に、得られたSiO換算濃度が12wt%のポリシロキサン溶液を、さらに上記混合溶媒で希釈して、5wt%のポリシロキサン(Polymer−7)溶液を得た。
[液晶配向膜及び液晶セルの作製]
上記各ポリマー(Polymer−1〜Polymer−5)溶液、アクリルポリマー(Polymer−6)溶液またはポリシロキサン(Polymer−7)溶液に、修飾用化合物として合成例で作製した表16に示す化合物を、それぞれポリマー溶液の固形分(すなわちPolymer−1〜Polymer−7)に対して下記表16に記載する割合となるように加え、均一溶液となるまで、室温で撹拌を行い、ポリマー膜形成用塗布液を調製した。
そして、これらポリマー膜形成用塗布液(液晶配向剤)をそれぞれ用いて作製したアンチパラレル液晶セルについて、120℃で1時間加熱した後、バックライト上に液晶セルを載せ、偏光板を通して垂直配向性を示しているか目視で観察した。垂直に配向していた場合を「垂直」、垂直に配向していなかった場合を「非垂直」として、結果を表16に示す。
なお、アンチパラレル液晶セルは、基板としてITO透明電極付きガラス基板を用い、各種ポリマー膜形成用塗布液の塗膜の焼成条件を200℃に加熱した熱風循環式オーブン内で30分間焼成とし、配向処理を行わずに行った以外は、垂直配向モード用アンチパラレル液晶セル(実施例210〜321)と同様の操作を行って作製した。また、合わせて、修飾用化合物を未添加のものについても同様の操作を行って、効果を比較した。
Figure 0005896164
この結果、Polymer−1〜Polymer−6のいずれのポリマーにおいても修飾用化合物を添加していない比較例12〜18ではまったく垂直配向性を示さないが、修飾用化合物を添加したポリマー膜形成用塗布液の場合には、それぞれのポリマーに応じて、適切な量を添加することにより、垂直配向性を示すようになることが確認された。すなわち、添加剤の種類と添加量を適切に選択することで、ベースポリマーの種類によらず、容易に垂直配向性セルの作製が可能であることが確認された。
また、Polymer−7に関しては、添加剤未添加でも垂直配向性を示すため、垂直配セルを作製するためには添加剤は必須ではないが、添加剤を加えた方がより、垂直配向性が向上することが確認された。
<実施例383〜401>
上記で作製したポリアミック酸(PAA−1)溶液(10.0g)に、修飾用化合物として上記合成例で作製した下記表17に記載される化合物を、それぞれポリアミック酸(PAA−1)溶液の固形分(すなわちポリアミック酸(PAA−1))に対して下記表17に記載する割合となるように加え、均一溶液となるまで、室温で撹拌を行い、実施例383〜401のポリイミド膜形成用塗布液を調製した。
Figure 0005896164
<実施例402〜403>
上記で作製したポリアミック酸(PAA−3)溶液(40.0g)に、修飾用化合物として上記合成例で作製した下記表18に記載される化合物を、それぞれポリアミック酸(PAA−3)溶液の固形分(すなわちポリアミック酸(PAA−3))に対して表18に記載する質量%となるように加え、均一溶液となるまで、室温で撹拌を行い、実施例402〜403のポリイミド膜形成用塗布液を調製した。
Figure 0005896164
<実施例404〜536><液晶配向性評価及び垂直配向モード用アンチパラレル液晶セルのプレチルト角測定>
[液晶配向膜及び液晶セルの作製]
上記各実施例383〜403で調製したポリイミド膜形成用塗布液(液晶配向剤)を用いて、以下のようにして液晶セルを作製した。
ポリイミド膜形成用塗布液(液晶配向剤)をガラス基板にスピンコートし、80℃のホットプレート上で70秒間乾燥させた後、200℃に加熱した熱風循環式オーブンで30分間焼成して、膜厚100nmの塗膜を形成させた。
その後、この塗膜面に直線偏光UV光線(UV波長313nm、照射強度8.0mW/cm−2)を露光量0mJ〜1000mJの間で変化させ、プレートの法線に対して40°傾け照射した。なお、直線偏光UVは高圧水銀ランプの紫外光に313nmのバンドパスフィルターを通した後、313nmの偏光板を通すことで調製した。
このように液晶配向処理を行なった液晶配向膜付き基板を2枚用意し、その1枚の液晶配向膜面上に6μmのスペーサーを散布した後、その上からシール剤を印刷し、もう1枚の基板を液晶配向膜面が向き合い照射した偏光の方向が平行となるようにして張り合わせ、シール剤を硬化させて空セルを作製した。この空セルに減圧注入法によって、液晶MLC−6608(メルク社製)を注入し、注入口を封止して、各垂直配向モード用アンチパラレル液晶セルを得た。
そして、作製した上記液晶セルを偏光板で挟み、後部からバックライトを照射した状態で、液晶セルを回転させて、明暗の変化や流動配向の有無で液晶が配向しているかを目視にて観察したところ、良好な配向性を示した。その後、3Vの交流電圧を液晶セルに印加し、液晶が配向しているかを目視にて観察した。その際、下記の基準で評価した。結果を表19−1〜19−5に示す。
評価基準
良好:液晶の配向が確認でき、且つ流動配向がない
不良:液晶は配向しているが、流動配向が多く観察される
また、作製した上記液晶セルについて、120℃で1時間加熱した後、プレチルト角の測定を行った。プレチルト角はAxo Metrix社の「Axo Scan」にて、ミュラーマトリクス法を用いて測定した。結果を表19−1〜19−5に示す。
この結果、表19−1〜19−5に示すように、光反応性側鎖を有する修飾用化合物を添加したポリイミド膜形成用塗布液(液晶配向処理剤)を用いることで、光配向処理を行った場合においても良好な垂直配向性が得られることが確認された。また、本発明のポリイミド膜形成用塗布液(液晶配向処理剤)に偏光の紫外線を照射することで、垂直から僅かに傾けた状態で液晶を配向させる能力があることが確認された。さらに、添加量と照射量を制御することにより、プレチルト角を微調整できることも確かめられた。これらのことから、本発明のポリイミド膜形成用塗布液(液晶配向処理剤)は、垂直配向方式の液晶表示素子用の液晶配向膜に利用可能であり、また光配向法で使用する液晶配向膜としても有用であると言える。
Figure 0005896164
Figure 0005896164
Figure 0005896164
Figure 0005896164
Figure 0005896164
<実施例537〜578>
上記で作製したポリアミック酸(PAA−1)溶液(10.0g)に、修飾用化合物として上記合成例で作製した下記表20−1〜20−2に記載される化合物を、それぞれポリアミック酸(PAA−1)溶液の固形分(すなわちポリアミック酸(PAA−1))に対して下記表20−1〜20−2に記載する割合となるように加え、均一溶液となるまで、室温で撹拌を行い、実施例537〜578のポリイミド膜形成用塗布液を調製した。
Figure 0005896164
Figure 0005896164
<実施例579〜620><水平配向モード用アンチパラレルセルの液晶配向性評価>
[液晶配向膜及び液晶セルの作製]
上記各実施例537〜578で調製したポリイミド膜形成用塗布液(液晶配向剤)を用いて、以下のようにして液晶セルを作製した。
ポリイミド膜形成用塗布液(液晶配向剤)をガラス基板にスピンコートし、80℃のホットプレート上で70秒間乾燥させた後、200℃に加熱した熱風循環式オーブンで30分間焼成して、膜厚100nmの塗膜を形成させた。
その後、この塗膜面に直線偏光UV光線(UV波長313nm、照射強度8.0mW/cm−2)を露光量0mJ〜1000mJの間で変化させ、基板に対して真上から照射した。なお、直線偏光UVは高圧水銀ランプの紫外光に313nmのバンドパスフィルターを通した後、313nmの偏光板を通すことで調製した。
このように液晶配向処理を行なった液晶配向膜付き基板を2枚用意し、その1枚の液晶配向膜面上に6μmのスペーサーを散布した後、その上からシール剤を印刷し、もう1枚の基板を液晶配向膜面が向き合い照射した偏光の方向が平行となるようにして張り合わせ、シール剤を硬化させて空セルを作製した。この空セルに減圧注入法によって、液晶MLC−2041(メルク社製)を注入し、注入口を封止して、水平配向モード用アンチパラレル液晶セルを得た。
そして、作製した上記水平配向モード用アンチパラレル液晶セルを偏光板で挟み、後部からバックライトを照射した状態で、液晶セルを回転させて、明暗の変化や流動配向の有無で液晶が配向しているかを目視にて観察した。その際、下記の基準で評価した。結果を表21−1〜21−2に示す。
評価基準
◎:液晶の配向が確認でき、且つ流動配向がない
○:液晶は配向しているが、流動配向が若干観察される
△:液晶は配向しているが、流動配向が多く観察される
×:液晶がまったく配向していない
この結果、いずれの液晶セルにおいても光照射を行なっていない液晶セルではまったく配向性を示さないが、光照射を行なった液晶セルにおいては、修飾用化合物の添加量および光照射量に応じて、液晶が配向することが確認された。なお、配向が認められた各液晶セルを130℃で30分アイソトロピック処理した場合においても配向性に顕著な変化は認められなかった。すなわち、添加剤の種類と添加量を適切に選択することで、容易に水平配向性セルの作製が可能であることが確認された。
Figure 0005896164
Figure 0005896164

Claims (4)

  1. 機能性を付与する機能性構造部位と、これに連結された少なくとも1つのメルドラム酸構造部位とを具備する下記式[A]〜[D]で表される群から選択される少なくとも一種の修飾用化合物と、被修飾用ポリマー又は前記被修飾用ポリマーを合成するためのモノマーとを含み、
    前記[A]で表される修飾用化合物が、下記式[i]〜[iii]で表される化合物から選択され、又は下記式[i’]〜[iii’]の表される化合物から選択され、
    前記式[B]で表される修飾用化合物が、下記式[iv]及び[v]で表される化合物から選択され、
    また、前記式[C]で表される修飾用化合物が、下記式[vi]で表される化合物から選択され、
    前記式[D]で表される修飾用化合物が、下記式[vii]で表される化合物から選択される、
    前記被修飾用ポリマーは、前記メルドラム酸構造と反応する部位を有し、テトラカルボン酸及びその誘導体から選択される少なくとも一種のテトラカルボン酸成分とジアミン成分とを重合反応させることにより得られるポリイミド前駆体、このポリイミド前駆体をイミド化して得られるポリイミドからなる群から選択される少なくとも一種であり、
    前記被修飾用ポリマーを合成するためのモノマーは、テトラカルボン酸及びその誘導体から選択される少なくとも一種のテトラカルボン酸成分とジアミン成分である、
    ことを特徴とする機能性ポリマー膜形成用塗布液。

    Figure 0005896164

    (式中、Wは、機能性を付与する機能性構造部位であるk価の有機基を表す。Vは、−H、−OH、−OR、−SRまたは−NHRを表し、Rは、ベンゼン環、シクロヘキサン環、ヘテロ環、フッ素、エーテル結合、エステル結合、アミド結合を任意の場所に含んでいてもよい炭素原子数が1〜35の一価の有機基を表す。kは、1〜8の整数を表す。)
    Figure 0005896164

    (式中、Wは、機能性を付与する機能性構造部位であるk価の有機基を表す。Vは、−H、−OH、−SR、−ORまたは−NHRを表し、Rは、ベンゼン環、シクロヘキサン環、ヘテロ環、フッ素、エーテル結合、エステル結合、アミド結合を任意の場所に含んでいてもよい炭素原子数が1〜35の一価の有機基を表す。kは、1〜8の整数を表す。)
    Figure 0005896164
    (式中、W及びWは、それぞれ機能性を付与する機能性構造部位であるk価の有機基を表し、W及びWは同一でも異なっていてもよい。kは、1〜8の整数を表す。)
    Figure 0005896164

    (式中、Wは、機能性を付与する機能性構造部位である2k価の有機基を表す。kは、1〜8の整数を表す。)

    Figure 0005896164

    (式中、Y は、上記式[A]で表される修飾用化合物の原料である末端アミノ基が一級もしくは二級であるアミン化合物、ヒドラジン化合物、または、カルボジイミド化合物由来のk 価の有機基であり、単結合または、ヘテロ原子や環構造を有していてもよい直鎖状あるいは分岐状の炭素原子数が1〜60のk 価の有機基である。k 及びV は、上記式[A]におけるk 及びV と同じである。pは、アミン化合物あるいはカルボジイミド化合物を原料とした場合は1であり、ヒドラジン化合物を原料とした場合は2である。R は、R 〜R で表される−H、または、ベンゼン環、シクロヘキサン環、ヘテロ環、フッ素、エーテル結合、エステル結合、アミド結合を任意の場所に含んでいてもよい炭素原子数が1〜35の一価の有機基であり、R 〜R は同一でも異なっていてもよい。また、R は、Y の一部と連結し環を形成していてもよい。)
    Figure 0005896164
    (式中、Y は、上記式[A]で表される修飾用化合物の原料であるチオール化合物、もしくは二硫化炭素由来のk 価の有機基であり、単結合または、ヘテロ原子や環構造を有していてもよい直鎖状あるいは分岐状の炭素原子数が1〜60のk 価の有機基である。k 及びV は上記式[A]におけるk 及びV と同じである。)
    Figure 0005896164

    (式中、Y は、上記式[A]で表される修飾用化合物の原料であるアルデヒド、ケトン化合物またはカルボン酸誘導体、もしくは、オルトギ酸エステル由来のk 価の有機基であり、単結合または、ヘテロ原子や環構造を有していてもよい直鎖状あるいは分岐状の炭素原子数が1〜60のk 価の有機基である。k 及びV は上記式[A]におけるk 及びV と同じである。)
    Figure 0005896164

    (式中、Y 、R 及びk は上記式[i]におけるY 、R 及びk と同じである。Q は、単結合または、ヘテロ原子や環構造を有していてもよい直鎖状あるいは分岐状の炭素原子数が1〜15の二価の有機基を表す。R は、R 〜R で表される−H、または、ベンゼン環、シクロヘキサン環、ヘテロ環、フッ素、エーテル結合、エステル結合、アミド結合を任意の場所に含んでいてもよい炭素原子数が1〜35の一価の有機基であり、R 〜R は同一でも異なっていてもよい。また、R は、Q の一部と連結し環を形成していてもよい。V は上記式[A]におけるV と同じである。)
    Figure 0005896164

    (式中、Y は、上記式[B]で表される修飾用化合物の原料であるアルデヒド、ケトン化合物、ハロゲン化アルキル化合物あるいは電子不足不飽和結合を有する化合物由来のk 価の有機基であり、単結合または、ヘテロ原子や環構造を有していてもよい直鎖状あるいは分岐状の炭素原子数が1〜60のk 価の有機基である。k 及びV は上記式[B]におけるk 及びV と同じである。)
    Figure 0005896164

    (式中、Y は、上記式[B]で表される修飾用化合物の原料であるカルボン酸誘導体由来のk 価の有機基であり、単結合または、ヘテロ原子や環構造を有していてもよい直鎖状あるいは分岐状の炭素原子数が1〜60のk 価の有機基である。k 及びV 及は上記式[B]におけるk 及びV と同じである。)
    Figure 0005896164

    (式中、Y 及びY は、それぞれ上記式[C]で表される修飾用化合物の原料であるハロゲン化アルキル化合物、あるいは、アルコール誘導体由来のk 価の有機基を表し、単結合または、ヘテロ原子や環構造を有していてもよい直鎖状あるいは分岐状の炭素原子数が1〜60のk 価の有機基である。Y 及びY は同一でも異なっていてもよい。k は、上記式[C]におけるk と同じである。)
    Figure 0005896164
    (式中、Y は上記式[D]で表される修飾用化合物の原料である環状ケトン化合物、環状アルコキシイミン化合物、あるいは、環状カルボジイミド化合物に由来する炭素原子数が1〜15の2k の有機基を表す。k は、上記式[D]におけるk と同じである。)
  2. 前記機能性ポリマー膜形成用塗布液が液晶配向膜を形成するための液晶配向剤であることを特徴とする請求項1記載の機能性ポリマー膜形成用塗布液。
  3. 請求項1に記載する機能性ポリマー膜形成用塗布液を基板に塗布して、焼成し、前記メルドラム酸構造部位を介して前記機能性構造部位を前記被修飾ポリマーに結合させた機能性ポリマー膜を得ることを特徴とする機能性ポリマー膜形成方法。
  4. 請求項2に記載する機能性ポリマー膜形成用塗布液を基板に塗布して、焼成し、前記メルドラム酸構造部位を介して前記機能性構造部位を前記被修飾ポリマーに結合させた機能性液晶配向膜を得ることを特徴とする機能性ポリマー膜形成方法。
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