JPWO2012029156A1 - El素子、el素子の製造方法、表示装置および照明装置 - Google Patents

El素子、el素子の製造方法、表示装置および照明装置 Download PDF

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Abstract

陽極層12と、陽極層12に対向して配される陰極層14と、陽極層12と陰極層14に挟まれた空間に形成されるピラー13と、ピラー13が形成される箇所以外の箇所において形成される発光層17と、を備え、ピラー13は、以下の(1)〜(2)を95%以上の割合で満たすように形成されることを特徴とするEL素子10。これにより、発光ムラや短絡等が生じにくく、高い耐久性を有するEL素子等を提供する。(1)陽極層12の表面上の任意の位置を中心とする直径10μmの円形領域内に、ピラー13の少なくとも一部が含まれる。(2)陽極層12の表面上の任意の位置を中心とする直径20μmの円形領域内に、発光層17の少なくとも一部が含まれる。

Description

本発明は、例えば、表示装置や照明装置に用いられるEL素子等に関する。
近年、エレクトロルミネセンス現象を利用したデバイスが重要度を増している。このようなデバイスとして、発光材料を層状に形成し、この発光層に陽極と陰極とからなる一対の電極を設けて電圧を印加することで発光を行わせるEL(Electro-Luminescence)素子(電界発光素子)が注目を集めている。このようなEL素子は、陽極と陰極の間に電圧を印加することで、陽極と陰極からそれぞれ正孔と電子を注入し、注入された電子と正孔とが、発光層で結合することにより生じるエネルギーを利用して発光を行う。即ち、EL素子は、この結合によるエネルギーで発光層の発光材料が励起され、励起状態から再び基底状態に戻る際に光を発生する現象を利用したデバイスである。
このEL素子を表示装置として使用した場合、発光材料が自己発光であるため、表示装置としての応答速度が速く、視野角が広いという特徴を有する。更にEL素子の構造上、表示装置の薄型化が容易になるという利点もある。また発光材料として例えば有機物質を利用した有機EL素子の場合は、有機物質の選択によって色純度の高い光を発生させやすく、そのため色再現域を広くとることが可能であるという特徴がある。
更に、EL素子は、白色での発光も可能であり、面発光であることから、このEL素子を照明装置に組み込んで利用する用途も提案されている。
特許文献1には、陽極、有機発光層を含み少なくとも一層からなる有機層、及び陰極を備えた有機エレクトロルミネセンス素子において、陽極の少なくとも有機層と接合する面は、日本工業規格(JIS)で定められた表面粗さの定義と表示(JIS B 0601−2001)において定義される表面粗さの最大高さ(Rmax)が50オングストローム以下で形成されることが開示されている。
また特許文献2には、透明なガラス支持体上に順に積層された、少なくとも1以上の陽極と、有機化合物層からなる正孔輸送層と発光層等と、陰極と、を有する有機薄膜EL素子であって、陽極の表面粗さの最大値Rmaxが50nm未満又は陽極の表面粗さの平均値Raが5nm未満で、及び/又は、陽極の表面の水に対する接触角が20度未満である構成を有しているものが開示されている。
特開平9−245965号公報 特開平9−7770号公報
ここで一般に、EL素子の電極層に凹凸が存在すると微視的に見た場合に電極層と発光層の接触面積は増加する。そのため発光効率が向上しやすくなる。ところが、電極層の凹凸に起因して電流の集中や短絡を生ずる箇所が生じ、これによりEL素子の耐久性が低下することがあった。これを抑制するため表面平滑度性の高い基板を用いる方法は、通常、電極層表面あるいはガラス基板表面を研磨する研磨工程が別途必要になる。そして研磨に際して使用する研磨剤が電極層表面に残留しやすいため、高アルカリ洗剤等による過酷な条件による精密洗浄工程が更に必要となる。そのためこれらの工程の追加によりEL素子の製造費用が増大するとともに、精密洗浄工程により電極層が劣化する場合があった。
上記課題を解決するため、本発明は以下の手段を備える。
本発明のEL素子は、第1の電極層と、第1の電極層に対向して配される第2の電極層と、第1の電極層と第2の電極層に挟まれた空間に形成されるピラーと、ピラーが形成される箇所以外の箇所において形成される発光層と、を備え、ピラーは、以下の(1)〜(2)を95%以上の割合で満たすように形成されることを特徴とする。
(1)第1の電極層の表面上の任意の位置を中心とする直径10μmの円形領域内に、ピラーの少なくとも一部が含まれる。
(2)第1の電極層の表面上の任意の位置を中心とする直径20μmの円形領域内に、発光層の少なくとも一部が含まれる。
ここで、第1の電極層は、ピラーが形成される側の面の表面粗さ(Rmax)が基準長さLを50μmとしたときに10nm以上であることが好ましい。
またピラーは、高さが50nm〜300nmであることが好ましく、略円柱形状をなすことが更に好ましい。
更に発光層は、燐光発光する有機材料を含むことが好ましい。
また本発明のEL素子の製造方法は、支持体の上に第1の電極層を形成し、第1の電極層上に、以下の(1)〜(2)を95%以上の割合で満たすようにピラーを形成し、ピラーが形成される箇所以外の箇所に発光層を塗布法で形成し、ピラーおよび発光層の上に第2の電極層を形成することを特徴とする。
(1)第1の電極層の表面上の任意の位置を中心とする直径10μmの円形領域内に、ピラーの少なくとも一部が含まれる。
(2)第1の電極層の表面上の任意の位置を中心とする直径20μmの円形領域内に、発光層の少なくとも一部が含まれる。
ここで、塗布法は、スピンコーティング法、インクジェット法、印刷法、スリットコーティング法のいずれかであることが好ましい。
また本発明の表示装置は、上記のEL素子を備えることを特徴とする。
また本発明の照明装置は、上記のEL素子を備えることを特徴とする。
本発明によれば、発光ムラや短絡等が生じにくく、高い耐久性を有するEL素子等を提供できる。
(a)は、本実施の形態が適用されるEL素子の一例を説明した部分断面図である。(b)は、(a)の一部を拡大した図である。 (a)〜(b)は、図1のII方向からEL素子を見た図であり、ピラーの分布の種々の形態について説明した図である。 (a)〜(f)は、本実施の形態が適用されるEL素子の製造方法について説明した図である。 本実施の形態におけるEL素子を用いた表示装置の一例を説明した図である。 本実施の形態におけるEL素子を備える照明装置の一例を説明した図である。 表面粗さ(Rmax)と短絡等の関係を示した図である。 (a)は、ピラーを設けなかった場合のEL素子について説明した部分断面図である。また(b)は、(a)の一部を拡大した図である。
(EL素子)
以下、添付図面を参照して、本発明の実施の形態について詳細に説明する。
図1(a)は、本実施の形態が適用されるEL素子の一例を説明した部分断面図である。また図1(b)は、図1(a)の一部を拡大した図である。
図1(a)に示したEL素子10は、支持体11と、支持体11側を下側とした場合に支持体11上に形成され正孔を注入するための第1の電極層としての陽極層12と、陽極層12に対向して配され電子を注入するための第2の電極層としての陰極層14と、陽極層12と陰極層14に挟まれた空間に形成され、電圧を印加することで発光する発光材料を含む発光層17とが積層した構造を採る。また発光層17には、予め定められた分布で配される絶縁性のピラー13が、発光層17を貫通する形で形成されている。つまり発光層17は、陽極層12と陰極層14の間のピラー13が形成される箇所以外の箇所に形成されている。
支持体11は、陽極層12、ピラー13、陰極層14、発光層17を形成する基板となるものである。支持体11には、EL素子10に要求される機械的強度を満たす材料が用いられる。
支持体11の材料としては、EL素子10の支持体11側から光を取り出したい場合は、発光する光の波長に対して透明な材料を用いる。具体的には、サファイアガラス、ライムソーダガラス、石英ガラスなどのガラス類;アクリル樹脂、メタクリル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、ナイロン樹脂などの透明樹脂;シリコン樹脂;窒化アルミ、アルミナなどの透明金属酸化物などが挙げられる。なお支持体11として、上記透明樹脂からなる樹脂フィルム等を使用する場合は、水、酸素などのガスに対するガス透過性が低いことが好ましい。ガス透過性が高い樹脂フィルム等を使用する場合は、光の透過性を損なわない範囲でガスの透過を抑制するバリア性薄膜を形成することが好ましい。
EL素子10の支持体11側から光を取り出す必要がない場合は、支持体11の材料としては、透明な材料に限られず、不透明な材料も使用できる。具体的には、上記材料に加えて、[i]シリコン(Si)、銅(Cu)、銀(Ag)、金(Au)、白金(Pt)、タングステン(W)、チタン(Ti)、タンタル(Ta)、もしくはニオブ(Nb)の単体、またはこれらの合金、[ii]ステンレス鋼、[iii]SiOやAlなどの酸化物、及び、[iv]n−Siなどの半導体、などから選ばれる材料も使用することができる。
支持体11の厚さは、要求される機械的強度にもよるが、好ましくは、0.1mm〜10mm、より好ましくは0.25mm〜2mmである。
陽極層12は、陰極層14との間で電圧を印加し、陽極層12より発光層17に正孔を注入する。陽極層12に使用される材料としては、電気伝導性を有するものであることが必要である。具体的には仕事関数が低いものであり、仕事関数は、−4.5eV以下であることが好ましい。加えて、アルカリ性水溶液に対し、電気抵抗が顕著に変化しないことが好ましい。
このような条件を満たす材料として、金属、合金、または、金属酸化物が使用できる。ここで、金属酸化物としては、例えば、ITO(酸化インジウムスズ)、IZO(インジウム−亜鉛酸化物)が挙げられる。また金属としては、銅(Cu)、銀(Ag)、金(Au)、白金(Pt)、タングステン(W)、チタン(Ti)、タンタル(Ta)、ニオブ(Nb)等が挙げられる。そしてこれらの金属を含むステンレス等の合金も使用できる。陽極層12の厚さは、例えば、2nm〜2μmで形成することができる。なお仕事関数は、例えば、紫外線光電子分光分析法により測定することができる。
また陽極層12の陰極層14側の表面(以降、特に断りの無い限り、単に「陽極層12の表面」という)には、微視的にある程度の範囲を見た場合、凹凸が存在し、更にその範囲内で最も凸な部分である突起部が存在する。詳しくは後述するが本実施の形態において、説明の都合上、図1(b)において、この凹凸を強調して図示した。
ピラー13は、陽極層12と陰極層14の間に設けられ、予め定められた分布で配される。そのためピラー13が形成された箇所において、陽極層12と陰極層14とは、所定の間隔にて保たれる。
図7(a)は、ピラー13を設けなかった場合のEL素子について説明した部分断面図である。また図7(b)は、図7(a)の一部を拡大した図である。
図7(a)〜(b)に示したEL素子50は、図1(a)〜(b)に示したEL素子10に比較して、ピラー13を設けなかったことが異なる。即ち、支持体11と、支持体11上に形成される陽極層12、発光層17、陰極層14の3つの層からなる。なお説明の便宜上、図7(b)において陽極層12の凹凸を強調して図示している。
EL素子50に対し、陽極層12と陰極層14との間で電圧を印加すると、陽極層12から正孔が注入され、陰極層14から電子が注入される。そしてEL素子50は、正孔と電子が発光層17において再結合することで発光を行なう。ここで、陽極層12の突起部は、例えば、基準長さLを50μmとしたときの表面粗さ(Rmax)で表すことができ、10nm以上200nm以下である。この程度の大きさの突起部が陽極層12の表面に存在すると、この部分において、陰極層14へと、電流がより流れやすくなる。つまり陽極層12と陰極層14との間の距離が突起部において、より接近するため、発光層17による抵抗が小さくなる。そのためより大きな電流がこの箇所において流れることになる。図7(b)では、このような箇所を領域Bとして例示している。そしてこの箇所では、他の領域より発光層17を構成する発光材料が劣化しやすくなる。そのためEL素子50の寿命が短くなりやすい。つまりEL素子50の耐久性が低くなりやすい。また更に突起部が大きくなり、陽極層12と陰極層14との距離が更に接近すると、短絡が生ずる場合がある。図7(b)では、このような箇所を領域Cとして例示している。この短絡が生じると、この箇所では発光が生じない。また短絡により電流漏れが生ずる。その結果、EL素子50には発光を行なうために使用されない電流が流れることとなり、発光効率の低下が生ずる。なお以下、このような電流が大きくなる場合や短絡が生ずる場合を合わせて「短絡等」と言う場合がある。
本実施の形態のEL素子10を適用すれば、Rmaxが200nm以下では、この短絡等が顕著にならない。なお、Rmaxの算出は、AFMあるいは触針平滑度計で陽極層12表面を測定することで求めることができる。また、ピラー13を形成した後においては、支持体11を破断し、その断面をSEMで観察し、これにより陽極層12表面の形状を得ることができるので、これからRmaxを算出することが可能である。
このような短絡等が生ずる問題を解決するため、本実施の形態では、予め定められた分布で配されるピラー13を設けている。以下、図1(a)〜(b)に戻り、ピラー13を設けなかった場合と、設けた場合とで、陽極層12と陰極層14との距離の差異について更に説明を行なう。
図1(b)において、ピラー13を設けなかった場合は、この図1(b)に示した断面領域において陽極層12の凹凸の突起部と凹部の最大の距離としての表面粗さ(Rmax)は、h0である。それに対し、ピラー13を設けた場合、発光層17aが形成される断面領域での陽極層12の表面粗さ(Rmax)は、h1である。更に発光層17bが形成される断面領域での陽極層12の表面粗さ(Rmax)は、h3である。本実施の形態の場合、h1およびh3の方がh0より小さい(h1<h0、h3<h0)。つまりピラー13を設けることにより、発光層17(17a,17b)における陽極層12の表面粗さ(Rmax)は、小さくなりやすい。上述したような短絡等は、陽極層12と陰極層14との距離が接近した場合に、より生じやすくなる。そのため本実施の形態のようにピラー13を設けると短絡等が生じにくくなる。そのためEL素子10の発光効率が向上しやすくなり、耐久性が高くなりやすい。また本実施の形態の場合、陽極層12を研磨せずに使用することもできるため、研磨材の陽極層12の表面への残留の問題も生じにくい。
もし、突起部が小さい陽極層12を得るには、例えば、特許文献1に開示されるようにその下地である支持体11の表面および/または陽極層12表面を研磨する必要がある。但し、陽極層12の表面全体を研磨するだけで、一様に表面粗さ(Rmax)の調整を行なうことは、実際には困難である。一方、本実施の形態では、ピラー13の分布の調整を行なうことで表面粗さ(Rmax)の調整を行なえる。そして詳しくは後述するが、ピラー13の分布の調整は、リソグラフィ等を行なう際のマスクのパターンの調整により容易に行なうことができる。そのため本実施の形態では、陽極層12の突起部を小さくする工程を必須とせずに、短絡等が生ずる箇所を減少させることが容易にできる。
ピラー13の分布を調整することにより、陽極層12の表面の微視的に見たRmaxを十分小さくすることができる。このためには、
(1)陽極層12の表面上の任意の位置を中心とする直径10μmの円形領域内に、ピラー13の少なくとも一部が含まれるように、ピラー13を形成する。
またこの円形領域の直径は、3μmであることがより好ましく、1μmであることが更に好ましい。
また、ピラー13は必ずしも発光に関与しないために、これが陽極層12の表面に占める面積(“ピラー面積“)が大きいと発光層17が占める面積(“発光層面積“)の割合が小さくなる。他方、この面積が小さすぎると、ピラー13の十分な機械的強度が得られないために、特別な素子作製工程が必要となる。具体的には、全体(つまり、発光層17の占める面積及びピラー13の占める面積の合計)に対するピラー13の占める面積は、3%〜80%が好ましく、6%〜70%がより好ましく、10%〜60%が最も好ましい。
さらに、ピラー13の占める面積が高い部分が偏在すると、この部分でのEL発光強度が他の部分より弱くなるために、EL発光ムラの原因となりやすい。従って、ピラー13は、
(2)陽極層12の表面上の任意の位置を中心とする直径20μmの円形領域内に、発光層17の少なくとも一部が含まれるように形成する。
またこの円形領域の直径は、6μmであることがより好ましく、2μmであることが更に好ましい。
ピラー13は、発光面全体に渡って、上の条件を満たすように複数のピラー13が配置されていることが理想であるが、複数のピラー13のうち、その一部に欠損、破損、肥大したピラー13を含む場合において、これが発光面全体に対して占める割合が小さな場合であれば、問題なく使用できる。具体的には、ピラー13は、上記(1)〜(2)を95%以上の割合で満たすように形成される。またこの割合は、例えば、後述するピラー形状正常度により評価することができる。
なお、ピラー13は、個々に独立していてもよいし、この構造の一部が隣り合うピラー13と重なりあっていてもよい。
図2(a)〜(b)は、図1のII方向からEL素子10を見た図であり、ピラー13の分布の種々の形態について説明した図である。なお説明の便宜上、図2(a)〜(b)では、陰極層14を取り除いた状態について図示している。
ここで図2(a)に示したEL素子10は、ピラー13が、図1(a)のII方向から見た場合に円形状になる場合を示している。つまり、ピラー13は、この場合、略円柱形状となる。そしてピラー13は、規則性を有して配列しており、いわゆる千鳥状の配列になっている。なお図1(b)は、図2(a)におけるIb−Ib断面図であると把握することができる。
また図2(b)に示したEL素子10は、ピラー13が、図1(a)のII方向から見た場合に円形状になるという点では、図2(a)に示したEL素子10と同様であるが、配列に規則性がないという点で異なる。
なお図2(a)〜(b)では、ピラー13は、図1(a)のII方向から見た場合に円形状となる場合について説明を行なったが、これに限られるものではなく、形状については、特に制限はない。例えば、図1(a)のII方向から見た場合に、ピラー13が、楕円形状、四角形状、三角形状、不定形状になる等、種々の形状を採ることができる。
また発光層17は、陰極層14側の面が陽極層12の凹凸に対応した傾斜面であることが好ましい。本実施の形態では、この傾斜面として、1つのピラー13が陽極層12および発光層17と接触する箇所と、隣接するピラー13の陽極層12および発光層17と接触する箇所とを結んだ線と平行になるような形態を採用している。図1(b)においてこの線は、発光層17aの領域については、点線T1で、発光層17bの領域については、点線T2で図示している。
このようにすることで、陽極層12の表面粗さ(Rmax)を更に小さくすることができる。つまり、図1(b)において、点線T1を基準とした表面粗さ(Rmax)は、h2である。また点線T2を基準とした場合の陽極層12の表面粗さ(Rmax)は、h4となる。そしてh2は、h1より小さい値を採り(h2<h1)、同様にしてh4は、h3より小さい値を採る(h4<h3)。ここで発光層17a,17bの上面は、上述の通り点線T1,T2に対応して傾斜している、この場合、発光層17aの上面は、点線T1と、また発光層17bの上面は、点線T2と平行である。発光層17a,17b上に形成される陰極層14の下面も同様に傾斜する傾斜面となる。その結果、陽極層12と陰極層14との距離は、微視的に見て、より均一化することになり、短絡等を更に生じにくくすることができる。
ピラー13の高さとしては、EL素子10全体の厚さを抑えるために1μmを越えないことが好ましい。また、陽極層12と陰極層14との間隔が狭い方が、発光のために必要な電圧が低くて済むので、この電圧に対し絶縁耐力が十分得られる限り、ピラー13は低い方がより好ましい。ここで前記絶縁耐力を有するとみなせる指標としては、ピラー13を経由して陽極層12と陰極層14の間に流れる電流の電流密度が、0.1mA/cm以下であることが好ましく、0.01mA/cm以下であることがより好ましい。この電流密度は、例えば、対象となるEL素子と同条件で作製されたピラー面積100%の素子に流れる電流より推定できる。またEL素子10は、その駆動電圧より2V以上高い電圧に耐えることが好ましい。例えば、駆動電圧が5Vである場合は、陽極層12と陰極層14の間に約7Vの電圧を印加した場合に上記の電流密度を満たすことが必要である。これを満たすピラー13の高さとしては、好ましくは、50nm〜300nm、更に好ましくは50nm〜200nmで作製するのがよい。
ピラー13を形成する材料としては、陽極層12と陰極層14との間に存在するために、発光層17と同程度か、それより高電気抵抗を有するものであればよい。電気抵抗が発光層17より低い場合、主な電流がピラー13を通じて流れるために、発光層17にはEL発光を行なうために流れる電流がその分少なくなる。このため、高抵抗率材料であることが好ましく、絶縁材料であることがより好ましい。電気抵抗率としては、10Ωcm以上、より好ましくは1012Ωcm以上であることが好ましい。具体的な材料としては、窒化ケイ素、窒化ホウ素、窒化アルミニウム等の金属窒化物;酸化ケイ素(二酸化ケイ素)、酸化アルミニウム等の金属酸化物、フッ化ナトリウム、フッ化リチウム、フッ化マグネシウム、フッ化カルシウム、フッ化バリウムなどの金属フッ化物が挙げられるが、他にポリイミド、ポリフッ化ビニリデン、パリレン等の高分子化合物、ポリフェニルシルセスキオキサン(Poly(phenylsilsesquioxane))等の塗布型シリコーンも使用可能である。
陰極層14は、陽極層12との間で電圧を印加し、発光層17に電子を注入する。陰極層14に使用される材料としては、陽極層12と同様に電気伝導性を有するものであれば、特に限定されるものではないが、仕事関数が低く、かつ化学的に安定なものが好ましい。仕事関数は、化学的安定性を考慮すると−2.9eV以下であることが好ましい。具体的には、Al、MgAg合金、AlLiやAlCaなどのAlとアルカリ金属の合金等の材料を例示することができる。陰極層14の厚さは10nm〜1μmが好ましく、50nm〜500nmがより好ましい。本実施の形態のEL素子10の場合は、支持体11側から発光層17から発した光を取り出す。そのため陰極層14は、不透明材料により形成されていてもよい。なお本実施の形態のように陰極層14がベタ膜として、発光層17を覆っている形態において、支持体11側からのみならず陰極層14側からも光を取り出したい場合は、陰極層14は、ITO等の透明材料により形成する必要がある。
また、陰極層14から発光層17への電子の注入障壁を下げて電子の注入効率を上げる目的で、図示しない陰極バッファ層を、陰極層14に隣接して設けてもよい。陰極バッファ層は、陰極層14より仕事関数の低いことが必要であり、金属材料が好適に用いられる。例えば、アルカリ金属(Na、K、Rb、Cs)、アルカリ土類金属(Sr、Ba、Ca、Mg)、希土類金属(Pr、Sm、Eu、Yb)、あるいはこれら金属のフッ化物、塩化物、酸化物から選ばれる単体あるいは2つ以上の混合物を使用することができる。陰極バッファ層の厚さは0.05nm〜50nmが好ましく、0.1nm〜20nmがより好ましく、0.5nm〜10nmが更に好ましい。
また陰極層14から発光層17への電子の注入障壁を下げて電子の注入効率を上げる目的で、陰極バッファ層と発光層17との間に有機物からなる材料を含む有機半導体層としての電子輸送層(図示せず)を更に設けることもできる。
電子輸送層に用いることができる材料としては、キノリン誘導体、オキサジアゾール誘導体、ペリレン誘導体、ピリジン誘導体、ピリミジン誘導体、キノキサリン誘導体、ジフェニルキノン誘導体、ニトロ置換フルオレン誘導体などが挙げられる。
なお、正孔よりも電子の輸送性の高い物質であれば、上記以外の物質を電子輸送層として用いても構わない。また、電子輸送層は、単層のものだけでなく、上記物質からなる層が二層以上積層したものとしてもよい。電子輸送層の膜厚は、薄すぎる場合は電子注入効率を高める効果が発現しない。また、厚すぎる場合、電子輸送層に印加される電圧が高くなるために、素子全体としての駆動電圧が上昇し電力効率の低下となるため好ましくない。よってこれらの条件を満たす電子輸送層の膜厚は、具体的には0.5nm〜50nmであることが好ましく、1nm〜10nmであることがより好ましい。
電子輸送層を形成する手法としては、一般的に用いられる真空蒸着装置を用いた抵抗加熱方式により、真空下の蒸着方法を用いることができる。
発光層17は、電圧を印加し、電流を供給することで光を発する発光材料を含む層である。発光層17において、陽極層12から注入された正孔と陰極層14から注入された電子とが再結合し、発光が生じる。
発光層17の材料としては、有機材料および無機材料の何れをも使用することができる。この場合、有機材料を用いたEL素子10は、有機EL素子として捉えることができる。
ここで有機材料を発光材料として用いる場合は、低分子化合物及び高分子化合物のいずれをも使用することができる。例えば、大森裕:応用物理、第70巻、第12号、1419−1425頁(2001年)に記載されている発光性低分子化合物及び発光性高分子化合物などを例示することができる。
本実施の形態ではピラー13が存在するため、発光層17はピラー13の頭頂部に沿って成膜されやすい。そのため、成膜された発光層17の表面は陽極層12の凹凸が反映される。特にこの凹凸が反映される性質をより好ましく得るには、塗布法により発光層17を形成し、その塗布材料は、ピラー13を形成する材料に対しても濡れ性が良く、塗布性に優れた材料が好ましい。
このような材料を用いることにより、本実施の形態におけるEL素子10の構造では、発光層17がピラー13間に均一にかつ膜厚が均等に成膜されること、即ちカバレッジ性が向上することにより発光層17がピラー13間で安定に発光し、出射する光の輝度の均一性が高まる。また、ピラー13の形成後にUV−オゾン処理や酸素プラズマ処理等を行うことによっても、塗布表面の濡れ性が高まる結果、カバレッジ性を向上させることができる。
塗布法においては塗布性を向上させる目的で、主に重量平均分子量で1,000〜2,000,000である材料が好適に用いられる。また、塗布性を向上させるためレベリング剤、脱泡剤などの塗布性向上添加剤を添加したり、電荷トラップ能力の少ないバインダー樹脂を添加することもできる。
また塗布法において使用する塗布溶液の粘度は、10cps(センチポアズ)以下であることが好ましく、8cpsであることがより好ましく、5cpsであることが更に好ましい。この範囲の粘度を有する塗布溶液であれば、液流動性が高いため、選択的にピラー13間に流れやすくなり成膜されやすい。10cpsを超える粘度を有する塗布溶液の場合は、流動性低下によりピラー13間以外にも発光材料が成膜されやすくなるので、注意を要する。
具体的に、塗布性に優れる材料としては、例えば、特開2007−86639号公報に挙げられている所定の構造を有する分子量1500以上6000以下のアリールアミン化合物や、特開2000−034476号公報に挙げられている所定の高分子蛍光体などが挙げられる。
ここで、塗布性に優れた材料の中でも、EL素子10の製造のプロセスが簡素化されるという点で発光性高分子化合物が好ましく、発光効率が高い点で燐光発光性化合物が好ましい。従って、特に燐光発光性高分子化合物が好ましい。なお、複数の材料同士を混合、あるいは塗布性を損なわない範囲で低分子発光材料(例えば、分子量1000以下)を添加することも可能である。この際の低分子発光材料の添加量は30wt%以下が好ましい。
また、発光性高分子化合物は、共役発光性高分子化合物と非共役発光性高分子化合物とに分類することもできるが、中でも非共役発光性高分子化合物が好ましい。
上記の理由から、本実施の形態で用いられる発光材料としては、燐光発光性非共役高分子化合物(燐光発光性高分子であり、かつ非共役発光性高分子化合物でもある発光材料)が特に好ましい。
本発明のEL素子10における発光層17は、好ましくは、燐光を発光する燐光発光性単位とキャリアを輸送するキャリア輸送性単位とを一つの分子内に備えた、燐光発光性高分子(燐光発光する有機材料)を少なくとも含む。燐光発光性高分子は、重合性置換基を有する燐光発光性化合物と、重合性置換基を有するキャリア輸送性化合物とを共重合することによって得られる。燐光発光性化合物はイリジウム(Ir)、白金(Pt)および金(Au)の中から一つ選ばれる金属元素を含む金属錯体であり、中でもイリジウム錯体が好ましい。
燐光発光性高分子のさらに具体的な例と合成法は、例えば特開2003−342325号公報、特開2003−119179号公報、特開2003−113246号公報、特開2003−206320号公報、特開2003−147021号公報、特開2003−171391号公報、特開2004−346312号公報、特開2005−97589号公報、特開2007−305734号公報に開示されている。
本実施の形態におけるEL素子10の発光層17は、好ましくは前述した燐光発光性化合物を含むが、発光層17のキャリア輸送性を補う目的で正孔輸送性化合物や電子輸送性化合物が含まれていてもよい。
また、発光層17に使用する発光材料として上述した発光性高分子化合物ではなく発光性低分子化合物を使用する場合でも、発光層17の形成は可能である。そして、発光材料として上述した発光性高分子化合物を添加することも可能であり、正孔輸送性化合物、電子輸送性化合物を添加することも可能である。
本実施の形態におけるEL素子10は、上述の通り発光体として無機材料を用いることもできる。無機材料を用いたEL素子10は、無機EL素子として捉えることができる。無機材料としては、例えば無機蛍光体を用いることができる。この無機蛍光体の具体例、およびEL素子の構成、製造方法は、例えば特開2008−251531号公報に記載されたものを公知の技術として挙げることができる。
(EL素子の製造方法)
次に、本実施の形態が適用されるEL素子の製造方法について、図1で説明を行ったEL素子10の場合を例に取り説明を行う。
図3(a)〜(f)は、本実施の形態が適用されるEL素子10の製造方法について説明した図である。
まず支持体11上に、第1の電極層である陽極層12、およびピラー13を順に積層して形成する(図3(a):積層工程)。本実施の形態では、支持体11として、ガラス支持体を使用した。また陽極層12を形成する材料としてITOを使用し、またピラー13を形成する材料として二酸化ケイ素(SiO)を使用した。
これらの層を支持体11上に形成するには、抵抗加熱蒸着法、電子ビーム蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法、CVD法などを用いることができる。また、塗布成膜方法、即ち、目的とする材料を溶剤に溶解させた状態で支持体11に塗布し乾燥する方法が可能な場合は、スピンコーティング法、ディップコーティング法、インクジェット法、印刷法、スプレー法、ディスペンサー法などの方法を用いて成膜することも可能である。
なお支持体11に陽極層12としてITOが既に形成されているいわゆる電極付き基板を用いることで、陽極層12を形成する工程を省略することができる。
更に、陽極層12の表面処理を行う代わりに、もしくは表面処理に追加して、陽極バッファ層を形成する処理(図示しない)をすることで表面処理と同様の効果を期待してもよい。そして、陽極バッファ層をウェットプロセスにて塗布して作製する場合には、スピンコート法、キャスティング法、マイクログラビアコート法、グラビアコート法、バーコート法、ロールコート法、ワイアーバーコート法、ディップコート法、スプレーコート法、スクリーン印刷法、フレキソ印刷法、オフセット印刷法、インクジェットプリント法等の塗布法などを用いて成膜することができる。
上記ウェットプロセスによる成膜で用い得る化合物は、陽極層12と発光層17に含まれる発光性化合物に良好な付着性を有した化合物であれば特に制限はない。例えば、ポリ(3,4)−エチレンジオキシチオフェンとポリスチレンスルホン酸塩との混合物であるPEDOT、ポリアニリンとポリスチレンスルホン酸塩との混合物であるPANIなどの導電性ポリマーを挙げることができる。さらに、これら導電性ポリマーにトルエン、イソプロピルアルコールなどの有機溶剤を添加して用いてもよい。また、界面活性剤などの第三成分を含む導電性ポリマーでもよい。界面活性剤としては、例えばアルキル基、アルキルアリール基、フルオロアルキル基、アルキルシロキサン基、硫酸塩、スルホン酸塩、カルボキシレート、アミド、ベタイン構造、および第4級化アンモニウム基からなる群から選択される1種の基を含む界面活性剤が用いられるが、フッ化物ベースの非イオン性界面活性剤も用い得る。
また、陽極バッファ層をドライプロセスにて作製する場合は、特開2006−303412号公報に例示のプラズマ処理などを用いて成膜することができる。この他にも金属単体あるいは金属酸化物、金属窒化物等を成膜する方法が挙げられ、具体的な成膜方法としては、電子ビーム蒸着法、スパッタリング法、化学反応法、コーティング法、真空蒸着法などを用いることができる。
次に、図3(a)の工程で形成したピラー13の一部を除去する。このためには、例えば、リソグラフィを用いた方法が使用できる。これを行うには、まずピラー13の上にレジスト液を塗布し、スピンコート等により余分なレジスト液を除去して、レジスト層71を形成する(図3(b))。
そして、所定のパターンが描画されたマスク(図示せず)をかぶせ、紫外線(UV:Ultra Violet)、電子線(EB:Electron Beam)等により露光を行うと、レジスト層71に所定のパターンが露光される。そして現像液を用いてレジスト層71の露光部分を除去すると、露光されたパターンの部分のレジスト層71が除去される(図3(c))。これにより露光されたパターンの部分に対応して、ピラー13の表面が露出する。
次に、残存したレジスト層71をマスクとして、露出したピラー13の部分をエッチング除去する(図3(d))。エッチング方法としては、ドライエッチングとウェットエッチングの何れをも使用することができる。またこの際に等方性エッチングと異方性エッチングを組合せることで、除去する箇所の形状の制御を行うことができる。ドライエッチングとしては、反応性イオンエッチング(RIE:Reactive Ion Etching)や誘導結合プラズマエッチングが利用でき、またウェットエッチングとしては、希塩酸や希硫酸への浸漬を行う方法などが利用できる。このエッチングにより上記パターンに対応して、陽極層12の表面が露出する。なお図3(b)〜図3(d)で説明した各工程は、ピラー13間の間隙を形成する間隙部形成工程として捉えることができる。またこの際にマスクのパターンの調整によりピラー13の分布の調整を行なうことができる。
次に、残存したレジスト層71を除去し、発光層17を形成する(図3(e):発光層形成工程)。発光層17の形成には、前述の塗布法が用いられる。具体的には、まず発光層17を構成する発光材料を、有機溶媒や水等の所定の溶媒に分散させた発光材料溶液を塗布する。塗布を行う際にはスピンコーティング法、スプレーコーティング法、ディップコーティング法、インクジェット法、スリットコーティング法、ディスペンサー法、印刷法等の種々の方法を使用することができる。塗布を行った後は、加熱あるいは真空引きを行うことで発光材料溶液を乾燥させることで発光層17が形成される。そしてこのとき塗布条件の設定によりピラー13間の間隙部を埋める形で発光層17を形成することができる。また併せてピラー13の上端に合わせて発光層17を形成することができるため、発光層17は、これによりピラー13間において傾斜面を有するように形成することも可能である。
そして、第2の電極層である陰極層14を、発光層17上に積層する形で形成する(図3(f):第2電極層形成工程)。陰極層14を形成するには、陽極層12を形成する方法と同様の方法で行うことができる。
以上の工程により、EL素子10を製造することができる。また、これら一連の工程後、EL素子10を長期安定的に用い、EL素子10を外部から保護するための保護層や保護カバー(図示せず)を装着することが好ましい。保護層としては、高分子化合物、金属酸化物、金属フッ化物、金属ホウ化物、窒化ケイ素、酸化ケイ素等のシリコン化合物などを用いることができる。そして、これらの積層体も用いることができる。また、保護カバーとしては、ガラス板、表面に低透水率処理を施したプラスチック板、金属などを用いることができる。この保護カバーは、熱硬化性樹脂や光硬化性樹脂で支持体11と貼り合わせて密閉する方法を採ることが好ましい。またこの際に、スペーサを用いることで所定の空間を維持することができ、EL素子10が傷つくのを防止できるため好ましい。そして、この空間に窒素、アルゴン、ヘリウムのような不活性なガスを封入すれば、上側の陰極層14の酸化を防止しやすくなる。特にヘリウムを用いた場合、熱伝導が高いため、電圧印加時にEL素子10より発生する熱を効果的に保護カバーに伝えることができるため、好ましい。更に酸化バリウム等の乾燥剤をこの空間内に設置することにより上記一連の製造工程で吸着した水分がEL素子10にダメージを与えるのを抑制しやすくなる。
(表示装置)
次に、以上詳述したEL素子を備える表示装置について説明を行う。
図4は、本実施の形態におけるEL素子を用いた表示装置の一例を説明した図である。
図4に示した表示装置200は、いわゆるパッシブマトリクス型の表示装置であり、表示装置支持体202、陽極配線204、陽極補助配線206、陰極配線208、絶縁膜210、陰極隔壁212、EL素子214、封止プレート216、シール材218とを備えている。
表示装置支持体202としては、例えば、矩形状のガラス支持体等の透明支持体を用いることができる。表示装置支持体202の厚みは、特に限定されないが、例えば0.1mm〜1mmのものを用いることができる。
表示装置支持体202上には、複数の陽極配線204が形成されている。陽極配線204は、一定の間隔を隔てて平行に配置される。陽極配線204は、透明導電膜により構成され、例えばITO(Indium Tin Oxide)を用いることができる。また陽極配線204の厚さは例えば、100nm〜150nmとすることができる。そして、それぞれの陽極配線204の端部の上には、陽極補助配線206が形成される。陽極補助配線206は陽極配線204と電気的に接続されている。このように構成することにより、陽極補助配線206は、表示装置支持体202の端部側において外部配線と接続するための端子として機能し、外部に設けられた図示しない駆動回路から陽極補助配線206を介して陽極配線204に電流を供給することができる。陽極補助配線206は、例えば、厚さ500nm〜600nmの金属膜によって構成される。
また、EL素子214上には、複数の陰極配線208が設けられている。複数の陰極配線208は、それぞれが平行となるよう、かつ、陽極配線204と直交するように配設されている。陰極配線208には、Al又はAl合金を使用することができる。陰極配線208の厚さは、例えば、100nm〜150nmである。また、陰極配線208の端部には、陽極配線204に対する陽極補助配線206と同様に、図示しない陰極補助配線が設けられ、陰極配線208と電気的に接続されている。よって、陰極配線208と陰極補助配線との間に電流を流すことができる。
表示装置支持体202上には、陽極配線204を覆うように絶縁膜210が形成される。絶縁膜210には、陽極配線204の一部を露出するように矩形状の開口部220が設けられている。複数の開口部220は、陽極配線204の上にマトリクス状に配置されている。この開口部220において、後述するように陽極配線204と陰極配線208の間にEL素子214が設けられる。すなわち、それぞれの開口部220が画素となる。従って、開口部220に対応して表示領域が形成される。ここで、絶縁膜210の膜厚は、例えば、200nm〜300nmとすることができ、開口部220の大きさは、例えば、300μm×300μmとすることができる。
陽極配線204上の開口部220の位置に対応した箇所に、EL素子214が形成されている。なお、ここでEL素子214は、陽極配線204が支持体11の代わりとなるため、陽極配線204の上に直接、陽極層12、ピラー13、陰極層14、発光層17(図1参照)が形成されている。EL素子214は、開口部220において陽極配線204と陰極配線208とに挟持されている。すなわち、EL素子214の陽極層12が陽極配線204と接触し、陰極層14が陰極配線208と接触する。EL素子214の厚さは、例えば、150nm〜200nmとすることができる。
絶縁膜210の上には、複数の陰極隔壁212が陽極配線204と垂直な方向に沿って形成されている。陰極隔壁212は、陰極配線208の配線同士が導通しないように、複数の陰極配線208を空間的に分離するための役割を担っている。従って、隣接する陰極隔壁212の間にそれぞれ陰極配線208が配置される。陰極隔壁212の大きさとしては、例えば、高さが2μm〜3μm、幅が10μmのものを用いることができる。
表示装置支持体202は、封止プレート216とシール材218を介して貼り合わせられている。これにより、EL素子214が設けられた空間を封止することができ、EL素子214が空気中の水分により劣化するのを防ぐことができる。封止プレート216としては、例えば、厚さが0.7mm〜1.1mmのガラスプレートを支持体として使用することができる。
このような構造の表示装置200において、図示しない駆動装置により、陽極補助配線206、図示しない陰極補助配線を介して、EL素子214に電流を供給し、発光層17を発光させ、各ピラー13(図1参照)間から光を出射させることができる。そして、上述の画素に対応したEL素子214の発光、非発光を制御することにより、表示装置200に画像を表示させることができる。
このような表示装置200は、各画素が独立して、点滅することで画像や絵文字を表示するが、本実施の形態のEL素子を用いない場合、各画素が短絡等により点灯しなくなりやすく、表示装置としての機能が損なわれる。このために、短絡等を抑制することができる本実施の形態のEL素子は有用である。
(照明装置)
次に、EL素子10を用いた照明装置について説明を行う。
図5は、本実施の形態におけるEL素子を備える照明装置の一例を説明した図である。
図5に示した照明装置300は、上述したEL素子10と、EL素子10の支持体11(図1参照)に隣接して設置され陽極層12(図1参照)に接続される端子302と、支持体11(図1参照)に隣接して設置されEL素子10の陰極層14(図1参照)に接続される端子303と、端子302と端子303とに接続しEL素子10を駆動するための点灯回路301とから構成される。
点灯回路301は、図示しない直流電源と図示しない制御回路を内部に有し、端子302と端子303を通して、EL素子10の陽極層12と陰極層14との間に電流を供給する。そして、EL素子10を駆動し、発光層17(図1参照)を発光させて、支持体11を通し、光を出射させ、照明光として利用する。発光層17は白色光を出射する発光材料より構成されていてもよく、また緑色光(G)、青色光(B)、赤色光(R)を出射する発光材料を使用したEL素子10をそれぞれ複数個設け、その合成光が白色となるようにしてもよい。なお、本実施の形態の照明装置300では、各ピラー13(図1参照)の間隔を小さくして発光させた場合、人間の目には面発光しているように見える。
このような照明装置300は、面積の大きな単一な素子を点灯させることにより明かりを提供するが、本実施の形態のEL素子を用いない場合、発光面の一箇所が短絡等により点灯しなくなることにより、表示装置300全体が点灯しなくなり、機能が損なわれる。このために、短絡等を抑制することができる本実施の形態のEL素子は有用である。
[評価]
(短絡等の評価)
EL素子に、逆バイアスで電圧を印加(即ち、陰極層14側にプラス、陽極層12側にマイナスの電圧を印加する)し、そのときの電流値を測定する方法で短絡等の評価を行なった。つまり逆バイアスの状態では、通常はEL素子には電流は流れないが、短絡等がある場合は、電流が流れる。そしてその電流値が大きいほど、より多くの短絡等が生じていることになる。本実施の形態では、発光面積が10mm×10mmの面積を有するEL素子に、15Vの電圧を逆バイアスで印加し、その場合の電流値(短絡電流)を測定した。
(耐久性の評価)
EL素子に、電流を流して発光させ、経時的に輝度を測定する。そして輝度が点灯初期の半分に到達したときの時間、または不点灯となったときの時間のどちらか短い方の時間をEL素子の寿命とし、これにより耐久性を評価した。本実施の形態では10mm×10mmの発光面を有するEL素子に10mAの電流を流すことで評価を行なった。
(ピラー形状正常度の算出)
EL素子をクロロホルム中に浸漬し、24時間放置することで、支持体11、陽極層12、ピラー13からなる試料を得た(即ち、発光層17、陰極層14は除去された)。この試料の表面をAFM(キーエンス製、VN8010)を用いて、一辺100μmの正方形で囲まれる部分のコンピューター画像を得た。そしてこの画像に対して、乱数表を用いて、任意のX、Y座標を抽出し、ここに本来あるべきピラー13間距離(このEL素子の仕様上のピラー13間距離)を直径(S)とする円を描画し、この円内のピラー13の存在の有無を確認した(存在する場合は1、しない場合は0とカウント)。また、同じ点を中心とする直径2Sμmの円を描画し、発光層17の有無を確認した。それぞれ、300点の測定を行った結果のカウント数A(仕様上は600)を算出し、A/600をピラー形状正常度とした。
(実施例A−1)
[燐光発光性高分子化合物の作製]
下記の式E−2で表される化合物(重合性置換基を有するイリジウム錯体)、式E−54で表される化合物(正孔輸送性化合物)、および式E−66で表される化合物(電子輸送性化合物)をE−2:E−54:E−66=1:4:5(質量比)の割合で脱水トルエンに溶解させ、更に重合開始剤として、V−601(和光純薬工業株式会社製)を溶解させた。そして、凍結脱気操作を行った後に真空密閉し、70℃で100時間攪拌して重合反応を行なった。反応後、反応液をアセトン中に滴下して沈殿を生じさせ、更に、この脱水トルエン−アセトンでの再沈殿精製を3回繰り返して燐光発光性高分子化合物を精製した。ここで、脱水トルエンおよびアセトンとしては、和光純薬工業株式会社製の高純度グレードのものを更に蒸留したものを用いた。
3回目の再沈殿精製後の溶剤を高速液体クロマトグラフィーで分析したところ、溶剤中に400nm以上での吸収を有する物質が検出されないことを確認した。即ち、このことは溶剤中に、不純物がほとんど含まれないということであり、燐光発光性高分子化合物を十分に精製できていることを意味する。そして、精製された燐光発光性高分子化合物を、室温で2日間かけて真空乾燥させた。その結果得られた燐光発光性高分子化合物(ELP)は、純度が99.9%を超えることを高速液体クロマトグラフィー(検出波長254nm)により確認した。
Figure 2012029156
[発光材料溶液の調製]
このように作製した発光性高分子化合物(重量平均分子量=52000)3重量部を97重量部のトルエンに溶解させ、発光材料溶液(以下、「溶液A」ともいう。)を調製した。
[EL素子の作製]
EL素子として、図1および図2(a)で示したEL素子10を、図3で説明した方法で作製した。
具体的には、まず支持体11として、表面研磨を行った厚さ0.7mmのソーダガラス板(Rmax=3nm(基準長さLは50μm)、25mm角)を用いた。そしてこのソーダガラス板上に、スパッタ装置(キヤノンアネルバ株式会社製E−401s)により、陽極層12として表面に膜厚50nmのITO(Indium Tin Oxide)膜を形成した。このITO膜表面のRmaxを測定したところ、50nmであった。更にこのITO膜上に、スパッタ装置(キヤノンアネルバ株式会社製E−401s)を用いて、二酸化ケイ素(SiO)層を100nm成膜した。
次に、フォトレジスト(AZエレクトロニックマテリアルズ株式会社製AZ1500)をスピンコート法により約1μm成膜した。紫外線による露光後、TMAH(Tetra methyl ammonium hydroxide:(CHNOH)1.2%液により現像し、レジスト層71をパターン化した。
次に反応性イオンエッチング装置(サムコ株式会社製RIE−200iP)を用いてドライエッチングすることで二酸化ケイ素層のパターン化を図2(a)のように行った。ここでエッチング条件としては、反応ガスとしてCHFを使用し、圧力0.3Pa、出力Bias/ICP=60/100(W)で、16分間反応させた。
以上のドライエッチング処理により、ピラー13間に形成される間隙部が形成された。そして間隙部を形成することで、ピラー13は、半径0.5μm、深さ100nmの円柱形状となった。また各ピラー13間の距離(ピラー間距離)は0.5μmであった(つまり、ピラー13の中心位置は互いに1μm隔てた)。
次に純水を吹きかけることにより洗浄を行ない、スピン乾燥装置を用いて乾燥させた。
次に、溶液Aをスピンコート法(回転数:3000rpm)により塗布し、次いで窒素雰囲気下、120℃で1時間放置して、発光層17を形成した。
そして真空蒸着室に投入し、真空蒸着装置で発光層17上に陰極バッファ層として厚さ2.0nmのナトリウム(Na)膜を形成した。続いて陰極層14として、厚さ150nmのアルミニウム(Al)膜を形成した。以上の工程によりEL素子10を作製することができた。
(実施例A−2〜A−6、比較例A−1)
ピラー間距離を表1に示すように変更したこと以外は、実施例A−1と同様にしてEL素子10を作製した。
(比較例A−2)
図7に示すEL素子50を作製した。ここでEL素子50は、支持体11上に陽極層12、発光層17、および陰極層14を順に積層することで製造することができる。またこのとき発光層17および陰極層14の材料や厚さは、実施例A−1と同様とした。
(実施例A−7〜A−8、比較例A−3〜A−4)
ピラー13の高さを表1に示すように変更したこと以外は、実施例A−1と同様にしてEL素子10を作製した。
以上の評価結果を表1にまとめて示す。
Figure 2012029156
実施例A−1〜A−8および比較例A−1を比較すると、短絡等の評価、耐久性の評価の何れに対してもピラー13間の距離が小さいほど良好な結果となっている。また比較例A−1のピラー13間の距離が10μmを越えて、20μmとした場合、および比較例A−2のピラー13を設けなかった場合では、耐久性の評価において途中で不点灯となった。これによりピラー13間の距離は、10μm以下であることが必要であることがわかる。言い換えれば、ピラー13は、陽極層12と陰極層14の間の任意の直径10μmの円形領域内に、少なくともその一部が含まれるように形成されることが必要である。
実施例A−2、A−7、A−8と比較例A−3〜A−4とを比較すると、ピラー13の高さが、50nmを下回った場合、短絡等の抑制効果が低下した。また、300nmを上回った場合、短絡等は抑制でき、好ましいが、耐久性の上昇効果が小さかった。これは、ピラー13が低すぎると、短絡等を抑制する効果が低下する一方、高すぎると、短絡等の抑制には有効であるが、陽極層12と陰極層14の間隔がEL素子として機能するには広すぎたために、耐久性が低下したためと考えられる。
(実施例B−1〜B−10)
ピラー13を直径1μmとし、ピラー間距離を表2に示すように変化させることで、ピラー13の占有面積率を変化させたEL素子10を作製した。ピラー13の占有面積率は、ピラー13の加工に用いたフォトマスクのパターンより算出した。なおその他は、実施例A−1と同様とした。
以上の評価結果を表2にまとめて示す。
Figure 2012029156
表2からわかるように、ピラー占有面積率が10%〜60%の範囲で短絡等の評価と耐久性の評価について共に非常に良好であった。またピラー占有面積率が5%〜10%および60%〜70%の範囲でかなり良好であった。更にピラー占有面積率が3%〜5%および70%〜80%の範囲で良好であった。
一方、ピラー占有面積率が5%未満および80%より大きいと短絡等の評価と耐久性の評価が共に悪くなる傾向にある。
(実施例C−1〜C−3)
実施例A−2の方法で作製したEL素子10を30枚作製し、それぞれについて、ピラー形状正常度を測定し、この中から、最も数値の高いものと、平均なもの、最も数値が低いものを取り出した。それぞれ、100%(実施例C−1)と97%(実施例C−2)、95%(実施例C−3)であった。
以上の評価結果を表3にまとめて示す。
Figure 2012029156
表3からわかるように、ピラー13に欠陥が存在しても、ピラー形状正常度が95%までは短絡等、耐久性に与える変動はわずかである。
(Rmaxと短絡等との関係)
陽極層12の表面粗さ(Rmax)(基準長さLは50μm)が、表4に示すようなものを用意し、実施例A−1の方法でEL素子10と比較例A−2の方法でEL素子50をそれぞれ作製した。そして上述した方法で短絡等の評価を行なった。
ここで実施例A−1に対し、ITO(Indium Tin Oxide)膜の厚さは、30nm〜150nmの範囲に変更した。そしてこれと併せて、スパッタガスであるアルゴン(Ar)の圧力、および流量、スパッタ電圧、ITOターゲットと支持体11との距離、温度を調整することで、種々の表面粗さ(Rmax)を有するITO膜が作製できる。
結果を表4に示す。
また図6は、表面粗さ(Rmax)と短絡等の関係を示した図である。
図6に示すように比較例A−2のEL素子50では、表面粗さ(Rmax)が大きくなるに従い、短絡等が顕著に増大する。一方、実施例A−1のEL素子10では、あまり増大しない。このことから本実施の形態のEL素子10の構造を採ることで、短絡等を効果的に抑制できることがわかる。
ただし、陽極層12の表面粗さ(Rmax)が10nm未満では、比較例A−2のEL素子50においても短絡等が小さく、実施例A−1のEL素子10による短絡等の効果は比較的小さい。このことから陽極層12の表面粗さ(Rmax)が10nm以上で、短絡等の抑制を行ないたい場合に、本実施の形態のEL素子10の構造は、より効果的であることがわかる。
Figure 2012029156
10…EL素子、11…支持体、12…陽極層、13…ピラー、14…陰極層、17…発光層、200…表示装置、300…照明装置

Claims (9)

  1. 第1の電極層と、
    前記第1の電極層に対向して配される第2の電極層と、
    前記第1の電極層と前記第2の電極層に挟まれた空間に形成されるピラーと、
    前記ピラーが形成される箇所以外の箇所において形成される発光層と、
    を備え、
    前記ピラーは、以下の(1)〜(2)を95%以上の割合で満たすように形成されることを特徴とするEL素子。
    (1)前記第1の電極層の表面上の任意の位置を中心とする直径10μmの円形領域内に、前記ピラーの少なくとも一部が含まれる。
    (2)前記第1の電極層の表面上の任意の位置を中心とする直径20μmの円形領域内に、前記発光層の少なくとも一部が含まれる。
  2. 前記第1の電極層は、前記ピラーが形成される側の面の表面粗さ(Rmax)が基準長さLを50μmとしたときに10nm以上であることを特徴とする請求項1に記載のEL素子。
  3. 前記ピラーは、高さが50nm〜300nmであることを特徴とする請求項1または2に記載のEL素子。
  4. 前記ピラーは、略円柱形状をなすことを特徴とする請求項1乃至3の何れか1項に記載のEL素子。
  5. 前記発光層は、燐光発光する有機材料を含むことを特徴とする請求項1乃至4の何れか1項に記載のEL素子。
  6. 支持体の上に第1の電極層を形成し、
    前記第1の電極層上に、以下の(1)〜(2)を95%以上の割合で満たすようにピラーを形成し、
    前記ピラーが形成される箇所以外の箇所に発光層を塗布法で形成し、
    前記ピラーおよび前記発光層の上に第2の電極層を形成することを特徴とするEL素子の製造方法。
    (1)前記第1の電極層の表面上の任意の位置を中心とする直径10μmの円形領域内に、前記ピラーの少なくとも一部が含まれる。
    (2)前記第1の電極層の表面上の任意の位置を中心とする直径20μmの円形領域内に、前記発光層の少なくとも一部が含まれる。
  7. 前記塗布法は、スピンコーティング法、インクジェット法、印刷法、スリットコーティング法のいずれかである請求項6に記載のEL素子の製造方法。
  8. 請求項1乃至5の何れか1項に記載のEL素子を備えることを特徴とする表示装置。
  9. 請求項1乃至5の何れか1項に記載のEL素子を備えることを特徴とする照明装置。
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