JP5165193B2 - 有機発光素子及びその製造方法 - Google Patents

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Description

本発明は、表示装置、照明、表示装置用バックライト、インテリア、エクステリア、面発光光源に用いられる有機発光素子(OLED)に関する。さらに詳しく言えば、本発明は、陽極と陰極に挟まれた発光性化合物層を備えた有機発光素子において、陽極上に厚さ0.2〜30nmの平滑な中間層を有する、発光効率、耐久性などの性能に優れた有機発光素子に関する。
有機発光素子は、1987年にコダック社のC. W. Tangらにより高輝度の発光が示されて(Appl. Phys. Lett., 51巻, 913頁, 1987年)以来、材料開発、素子構造の改良が急速に進み、最近になってカーオーディオや携帯電話用のディスプレイなどから実用化が始まった。この有機EL(エレクトロルミネッセント)素子の用途をさらに拡大するために、発光効率、色味、耐久性といった素子の性能を向上させるための材料開発、フルカラー表示装置の開発などが現在活発に行われている。有機発光素子としての性能を向上させるためには、発光材料の開発のみならず、材料の性質に適した素子構造や素子作製技術を確立することが必要である。素子の特性向上に対するアプローチは、発光材料が低分子系であるか、高分子系であるかにより相違がある。低分子系から順を追って背景技術を説明する。
C. W. Tangらにより提案された有機発光素子に用いられた発光材料は低分子化合物であった。当時も、また現在も同様であるが低分子化合物を発光材料に用いた有機発光素子は、真空蒸着プロセスにより作製される。Tangらの提案した素子は、二種類の低分子化合物を、陽極基板上に真空蒸着することにより順次積層し、さらに陰極を積層して素子とする二層構造であった。一方の有機層が正孔を注入・輸送するように選ばれ(正孔輸送性化合物)、そして他方の有機層が電子を注入・輸送するように選ばれた(電子輸送性化合物)。これら二つの層の界面が、正孔−電子再結合及びその結果生じる発光の部位を提供する(具体例は米国特許第4,356,429号等多数の特許文献に記載されている。)。
開発初期の上記二層構造の有機発光素子は、その後、大きく発展し、三層以上の積層構造をとることにより素子の性能向上を達成した例が数多く報告されるようになった。
このように素子に流れ込む電気エネルギーを光エネルギーに無駄なく変換するためには、さまざまなキャリア輸送特性を有する有機化合物を組み合わせ、さらに適切な順序に積層することで素子の高性能化が計られてきた。高性能化のために必要な材料の改良は、正孔や電子の輸送材料ばかりではなく、発光材料に関しても行われ、蛍光発光材料ではなく、燐光発光材料を用いることにより、従来、蛍光発光材料の上限値とされてきた外部量子効率5%という値を上回る値が達成されている(Proceedings of The 11th International Workshop on Inorganic and Organic Electroluminescence(EL2002), p.283-286, 2002)。
素子性能の向上に寄与する要因は、構成する発光材料ばかりでない。発光材料に電圧を印加するための陽極と陰極の構成も大きく素子性能に関わる。
有機EL素子の動作電圧が低仕事関数カソード及び高仕事関数アノードの使用により顕著に低下し得ることは現在では周知である。好適なカソードは、Tangらの米国特許第4,885,211号及びVan Slykeらの米国特許第5,059,062号に記載されているように、4.0eV未満の仕事関数を有する金属と4.0eVよりも高い仕事関数を有する金属とを組み合わせて構築したものである。また、Hungらの米国特許第5,677,572号には、有機EL素子の電子注入性を向上させるためにLiF/Al系二重層を使用することが記載されている。
有機発光素子では、陽極を一般にインジウム錫酸化物(ITO)から形成する。その理由は、ITOの透明性、導電性の高さ、そして仕事関数の高さにある。しかしながら、裸のITO表面上に直接正孔輸送性化合物を成膜して作製した有機発光素子は、一般に電流−電圧特性が不十分となり、動作安定性が低下する。正孔の注入障壁の高さや、ITO表面の突起に由来した電界集中による絶縁破壊が主たる原因とされる。これらの問題を回避する方法として、ITOと正孔輸送性化合物の間に中間層を導入する方法がある。例えば、Van Slykeらは、銅フタロシアニン(CuPc)をITO表面に付着させ後に形成される有機素子の安定性が高いことを例証している(「安定性を改良した有機エレクトロルミネセンス素子(Organic electroluminescent devices with improved stability)」(S. A. Van Slyke, C. H. Chen及びC. W. Tang, Applied Physics Letters, Vol. 69, 2160, 1996)参照)。しかしながら、ITOと正孔輸送層の間にCuPc層を挿入すると、CuPcと正孔輸送層側の間の界面に存在する正孔注入障壁がまだ高いために駆動電圧が上昇してしまう。CuPcに端を発し、その後正孔の注入障壁を低減化するための材料開発が精力的に行われた。いずれも、低分子の特徴を生かし、陽極の表面に最適な化合物を真空蒸着により積層して素子の高性能化を計っている。
このように、低分子系の発光材料に対して広く用いられている成膜方法は、真空蒸着法であるが、真空設備を必要とすること、大面積になるほど有機薄膜を均一の厚さに成膜すること及び高精細のパターンを形成することが困難になるなどの問題点を有しており、必ずしも大面積パネルの量産に適した方法とは言えない。また積層構造を適切な膜厚で形成するのは技術的に困難を伴う。
これらの問題解決の一つの手法として、大面積化、量産化に適した素子作製方法と考えられる、高分子発光材料をスピンコート法、インクジェット法、印刷法などにより成膜する方法が開発されている。これらの方法では、高分子発光材料を有機溶剤に溶かし陽極上に塗布成膜することにより発光層の塗布が完了し、蒸着工程は陰極成膜時のみとなる。しかしながら、高分子発光材料を用いた有機発光素子の場合も、低分子発光材料を用いた素子と同様、高性能化に向けての改良を進めることは必須であり、その改良に向けてのアプローチは真空蒸着法で作製する低分子積層型の素子とは異なったアプローチが要求される。
高分子型有機発光素子の素子構成としては、透明基板側から順次、陽極(透明)/中間層/発光層/陰極を設けたものが代表的である。ここで、中間層は陽極バッファー層とも呼ばれ、陽極表面を平坦化して電気的短絡を防ぐ目的、また発光層から陽極へのホール注入に対する注入障壁を緩和する目的で挿入される。低分子型有機発光素子で提案されたCuPcとほぼ類似した役割が要求されるが、ドライプロセスで順次、下層に上層が積層されていく低分子型有機発光素子に比べ、有機溶剤に高分子を溶かして塗布していく高分子型有機発光素子では、中間層に要求される性質が低分子型有機発光素子とは若干異なる。すなわち、中間層に上層を塗布する工程で第一に必要なのは次の二点である。すなわち、中間層材料の成分が上層材料塗布時の溶剤に溶解してしまわないことと、万が一溶解しなくとも塗布時の物理的衝撃で剥離・分散しないことである。さらに塗布終了後、乾燥工程が終了した後には上層と中間層との界面が十分な付着強度を有していることも重要である。その上で、低分子型有機発光素子で明らかになってきている電気的性質(陽極表面の平坦化、注入障壁の緩和など)や、物理化学的性質(通電や放置に伴う結晶化や多層への拡散といった物理化学的性質の変化が生じないなど)を具備していることが必要となる。
この中間層としては、一般的にはポリエチレンジオキシチオフェン(PEDOT)とポリスチレンスルホン酸(PSS)の混合水溶液が広く用いられている。この中間層については外部ドーパントとして含まれているポリスチレンスルホン酸が上層である発光層に侵入し、発光層を劣化させるという問題点が指摘されている。
上記のような陽極バッファー層中に含まれる可動性対イオンが引き起こす問題に関して、特表2003-509816号公報には自己ドープ型ポリアニリンによる陽極バッファー層を用いる方法も開示されているが、まだ十分な特性を発揮するに至っていない。
本願発明に関連する技術として、特開2000-311869号(特許文献1)には有機発光素子基板の表面を高周波(RF)プラズマ処理する基板の改質方法が開示されているが、陽極表面に新たな層を形成する本願発明とはプラズマの応用方法が異なる。また、特開2000-150171号(特許文献2)には陽極上に高周波プラズマ重合法により0.2〜3nm、好ましくは0.4〜1nmのポリマー薄膜を形成し、その上に積層型の発光構造体を設けた有機発光素子が開示されているが、発光材料として高分子化合物を含む単層の発光層の記載はない。
特開2000−311869号公報 特開2000−150171号公報
本発明は上記従来技術の不都合を解決するために、高輝度、長寿命の有機発光素子を提供することをその課題の一つとする。さらに上記、有機発光素子に含まれる中間層が有する問題点に対し、従来型の中間層の欠点を回避する修理を施した有機発光素子、特に0.2〜30nmの厚さの平滑な中間層を有する陽極を含んでなる有機発光素子を提供することを課題の一つとする。
本発明者は、上記課題を解決するために、鋭意研究を重ねた。その結果、0.2〜30nmの厚さの平滑な中間層を表面に有する陽極を含んでなる有機発光素子が発光効率の向上、及び素子の動作安定性の向上を示すことを見出し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明(I)は、陽極と陰極に挟まれた発光性化合物層を含む有機発光素子において、0.2〜30nmの厚さの中間層を表面に有する陽極を含んでなる有機発光素子に関する。
本発明(II)は、発明(I)の有機発光素子において、発光性化合物が燐光発光性高分子材料である有機発光素子に関する。
本発明(III)は、発明(I)の有機発光素子において、発光性化合物が蛍光発光性高分子材料である有機発光素子に関する。
具体的には、本発明は、以下の有機発光素子、その製造方法及びその有機発光素子を用いた面発光光源、表示装置等用バックライト、表示装置、照明装置、インテリア、及びエクステリアからなる。
1. 陽極と陰極に挟まれた発光性化合物層を備えた有機発光素子において、陽極の表面に0.2〜30nmの厚さの中間層を有することを特徴とする有機発光素子。
2. 発光性化合物が燐光発光性高分子材料である前記1に記載の有機発光素子。
3. 発光性化合物が蛍光発光性高分子材料である前記1に記載の有機発光素子。
4. 中間層の表面粗さがRa値で1nm以下である前記1に記載の有機発光素子。
5. 中間層の表面突起高さが10nm以下である前記1に記載の有機発光素子。
6. 前記1乃至5のいずれか1項に記載の陽極表面に厚さ0.2〜30nmの中間層を有する有機発光素子の製造方法において、中間層を気体状有機化合物の高周波(RF)プラズマ処理法により有機薄膜として形成することを特徴とする有機発光素子の製造方法。
7. 前記1乃至5のいずれか1項に記載の陽極表面に厚さ0.2〜30nmの中間層を有する有機発光素子の製造方法において、陽極(表面)を高周波プラズマ処理した後、薄膜を成膜した後に最適化処理して中間層を形成することを特徴とする有機発光素子の製造方法。
8. 前記1乃至5のいずれか1項に記載の陽極表面に厚さ0.2〜30nmの中間層を有する有機発光素子の製造方法において、陽極(表面)を高周波プラズマ処理した後、気体状化合物の高周波(RF)プラズマ処理法により薄膜を形成し、次いで最適化処理して中間層を形成することを特徴とする有機発光素子の製造方法。
9. 最適化処理が溶剤による洗浄処理である前記7または8に記載の有機発光素子の製造方法。
10. 薄膜を形成する気体状化合物としてフルオロカーボンを含むものを使用する前記6または8に記載の有機発光素子の製造方法。
11. 陽極の表面粗さ及び突起の高さを調整するため、酸素、アルゴン、フルオロカーボンから選ばれる1または2種以上を含むガス中で高周波プラズマ処理を行う前記7または8に記載の有機発光素子の製造方法。
12. 前記6乃至11のいずれか1項に記載の製造方法により得られた有機発光素子。
13. 前記1乃至5及び12のいずれか1項に記載の有機発光素子を用いた面発光光源。
14. 前記13に記載の面発光光源を用いた、表示装置用バックライト、表示装置、照明装置、インテリア、またはエクステリア。
本発明(I)の、陽極と陰極に挟まれた発光性化合物層を含む有機発光素子において、0.2〜30nmの厚さの中間層を表面に有する陽極を含んでなる本発明(I)に係る有機発光素子によれば、高発光効率及び長寿命の素子寿命を達成することができる。
以下、本発明についてより詳細に説明する。
本発明(I)は、従来の有機発光素子においても必要ではあったが性能が十分ではなかった中間層を改良するものである。すなわち、陽極と陰極に挟まれた発光性化合物層を含む有機発光素子において、陽極と発光層の間に設けられてきた中間層の役割、すなわち、陽極に表面平滑性を付与する、ホール注入障壁を下げるという役割を保持すると共に、従来の中間層の問題点であった、中間層由来分子の発光層への拡散等の劣化を引き起こす要因を回避した素子を提供するものである。
以下、本発明の実施の形態について添付図面を参照して具体的に説明する。
図1は本発明の有機発光素子構成の一例を示す断面図であり、基板上(1)に設けた陽極(2)と陰極(5)の間に中間層(3)、発光層(4)を順次設けたものである。
陽極は、ITOに代表される導電性かつ光透過性の層により形成される。有機発光を基板を通して観察する場合には、陽極の光透過性は必須であるが、有機発光をトップエミッション、すなわち上部の電極を通して観察する用途の場合では陽極の透過性は必要なく、仕事関数が4.1eVよりも高い金属あるいは金属化合物のような適当な任意の材料を陽極として用いることができる。例えば、金、ニッケル、マンガン、イリジウム、モリブデン、パラジウム、白金などを単独で、あるいは組み合わせて用いることが可能である。当該陽極は、金属の酸化物、窒化物、セレン化物及び硫化物からなる群より選ぶこともできる。また、光透過性の良好なITOの表面に、光透過性を損なわないように1〜3nmの薄い膜として、上記の金属を成膜したものを陽極として用いることもできる。これらの陽極材料表面への成膜方法としては、電子ビーム蒸着法、スパッタリング法、化学反応法、コーティング法、真空蒸着法などを用いることができる。陽極の厚さは2〜300nmが好ましい。
また、本発明の有機発光素子の構成は図1の例に限定されず、陽極と陰極の間に順次、1)中間層/正孔輸送層/発光層、2)中間層/発光層/電子輸送層、3)中間層/正孔輸送層/発光層/電子輸送層、4)中間層/正孔輸送材料、発光材料、電子輸送材料を含む層、5)中間層/正孔輸送材料、発光材料を含む層、6)中間層/発光材料、電子輸送材料を含む層、7)中間層/正孔電子輸送材料、発光材料を含む層、8)中間層/発光層/正孔ブロック層/電子輸送層を設けた素子構成などを挙げることができる。また、図1に示した発光層は1層であるが、発光層を2層以上有していてもよい。
なお、本明細書中においては、特に断りのない限り、電子輸送材料、正孔輸送材料、発光材料の全てあるいは一種類以上からなる化合物を発光性化合物、また層を発光性化合物層と呼ぶこととする。
また、中間層の成膜時に陽極表面を前もって処理することによりオーバーコートされる中間層の性能(陽極基板との密着性、仕上がり平滑性、ホール注入障壁の低減化など)を改善することができる。前もって処理する方法には高周波プラズマ処理を始めとしてスパッタリング処理、コロナ処理、UVオゾン照射処理、または酸素プラズマ処理などがある。
本発明の第一の形態は、0.2〜30nm、より好ましくは0.2〜10nmの厚さを有する有機物の中間層を表面に有する陽極を含んでなる有機発光素子を提供するものである。
中間層を形成する化合物の組成や化学構造には、特に限定はないが、中間層形成後の性質としてまず要求される性質として、上層に積層される発光性化合物の塗布により再溶解しないこと、塗布工程時の物理的衝撃により飛散、拡散しないこと、また発光性化合物と良好な付着性を有することが挙げられる。これらの性質を具備した化合物及び膜厚であれば種類は問わない。発光性化合物と良好な付着性を有する化合物の例としては、発光性化合物と強固な相互作用を有する部分構造を有する化合物が望ましい。部分構造としては、例えば、特に発光性化合物との疎水性相互作用が期待できる芳香環、アルキル鎖、フッ素などを適宜含んでいるのが望ましい。また有機物である必要はなく金属フッ化物、金属酸化物や、SiO2などケイ素を含む化合物など無機物でも構わない。
中間層を成膜する方法は、溶剤に溶解して塗布するウェットプロセスによる方法と、高周波プラズマ処理や真空蒸着、レーザー転写法などのドライプロセスによる方法に大きく分けることができ、どちらも一般に用いられている成膜方法を種々適用することができる。
中間層をウェットプロセスにて塗布して作製する場合には、スピンコート法、キャスティング法、マイクログラビアコート法、グラビアコート法、バーコート法、ロールコート法、ワイアーバーコート法、ディップコート法、スプレーコート法、スクリーン印刷法、フレキソ印刷法、オフセット印刷法、インクジェットプリント法等の塗布法などを用いて成膜した後に、最適化処理を行う。すなわち、膜の特性を改良または変更するために発光性化合物成分を溶解し得る溶剤で表面を洗浄することにより得ることができる。溶剤による洗浄工程は、中間層を塗布した工程と同様、スピンコート法、インクジェット法、ディップ法などを用いることができる。すなわち、溶剤で表面を洗浄することにより、新たに発光性化合物を上層に積層する際の工程で発生する飛散や拡散する成分を除去することができ、また基板表面に存在する凹凸や突起を完全に被覆しつくした後に、溶剤で表面を洗浄する回数を調整することにより、表面に付着している余分な遊離成分が除けるばかりではなく、表面平滑性を保持した中間層を具現することが可能となる。また、表面を溶剤で処理することにより表面エネルギーを調整することも可能である。成膜直後を基本にして、新たな洗浄処理を加えることで、水に対する接触角が5〜140°まで変化するので、積層する発光性化合物の極性によって表面エネルギーを調節することが可能である。そのほか、薄膜に、各種雰囲気下でアニール処理を施すこと、あるいはイオン注入やUV照射、UVオゾン照射のような輻射線処理または追加の酸素、窒素あるいは水素プラズマ処理などを施すことにより同様の効果を得ることができる。
上記ウェットプロセスによる成膜で用い得る化合物は、陽極表面とその上層に含まれる発光性化合物に良好な付着性を有した化合物であれば特に制限はないが、これまで一般に用いられてきた陽極バッファーを適用することがより好ましい。例えば、ポリ(3,4)−エチレンジオキシチオフェンとポリスチレンスルホン酸塩との混合物であるPEDOT、ポリアニリンとポリスチレンスルホン酸塩との混合物であるPANIなどの導電性ポリマーを挙げることができる。さらに、これら導電性ポリマーにトルエン、イソプロピルアルコールなどの有機溶剤を添加して用いてもよい。また、界面活性剤などの第三成分を含む導電性ポリマーでもよい。前記界面活性剤としては、例えばアルキル基、アルキルアリール基、フルオロアルキル基、アルキルシロキサン基、硫酸塩、スルホン酸塩、カルボキシレート、アミド、ベタイン構造、及び第4級化アンモニウム基からなる群から選択される1種の基を含む界面活性剤が用いられるが、フッ化物ベースの非イオン性界面活性剤も用い得る。
中間層を、蒸着法や、高周波プラズマ処理などのドライプロセスによって成膜する場合、特に有機物ガスにグロー放電を当てることによって有機物ガスが固層上に固体として析出する高周波プラズマ処理により密着性に優れ、耐久性の高い膜が得られる。例えば、気体状のフルオロカーボンをRFプラズマ内でグロー放電させ、基板を接触させることにより、基板上にフルオロカーボンから成る薄膜を成膜することができる。フルオロカーボン薄膜は、RF装置内において気体状フルオロカーボンをプラズマ処理することによって形成できるが、気体状のフルオロカーボンは、C38、C410、CHF3、C24及びC48から成る群より選ぶことができる。プラズマの発生は、装置内に適切なパワーレベルで高周波(RF)電圧を印加(出力)することにより行われる。反応温度は、出力とガス流量、処理時間などのパラメータに依存して変化するが、装置内に温度調整機能を設けて適宜膜厚を再現性よく調整することが好ましい。
高周波プラズマ処理によるドライプロセスによって中間層を形成する際には、プラズマの発生条件をコントロールすることにより陽極表面のエッチングを行うことも可能である。すなわち、高周波プラズマ処理により陽極表面のエッチング作用を利用した表面平滑化と、成膜を同時に行うことが可能である。
得られた薄膜は、前述の塗布法による中間層と同様に最適化することができる。すなわち、さらに表面処理してその特性を改良または変更して一層適切なものとすることができる。具体的には、溶剤で洗浄することにより膜の平滑性と膜厚を適切な範囲とし、耐久性の向上を図ることができる。ここで膜の平滑性とは、表面粗さ(Ra値)が1nm以下、表面突起高さが10nm以下の状態を意味し、適切な膜厚とは0.2〜30nmを意味する。また、同様に表面エネルギーを調整することも可能である。さらに、薄膜に、各種雰囲気下でアニール処理を施すこと、あるいはイオン注入やUV照射、UVオゾン照射のような輻射線処理または追加の酸素、窒素あるいは水素プラズマ処理などを施すことによっても同様の効果を得ることができる。
本発明の有機発光素子における発光性化合物層、すなわち発光層、ホール輸送層、及び電子輸送層に使用する化合物としては、低分子化合物及び高分子化合物のいずれをも使用することができる。
本発明の有機発光素子の発光層を形成する発光材料としては、大森裕:応用物理、第70巻、第12号、1419−1425頁(2001年)に記載されている低分子発光材料及び高分子発光材料などを例示することができる。この中でも、素子作製プロセスが簡素化されるという点で高分子系発光材料が好ましく、発光効率が高い点で燐光発光材料が好ましい。従って、特に燐光発光性高分子化合物がさらに好ましい。
本発明の有機発光素子の発光層として使用される燐光発光性高分子化合物としては、室温で燐光を発する高分子化合物であればその構造は特に限定はされない。具体的な高分子構造の例としては、ポリ(p−フェニレン)類、ポリ(p−フェニレンビニレン)類、ポリフルオレン類、ポリチオフェン類、ポリアニリン類、ポリピロール類、ポリピリジン類などの共役系高分子構造を骨格とし、これに燐光発光部位(代表的なものとしては、後述の遷移金属錯体または希土類金属錯体の一価基または2価基を例示できる)が結合した高分子構造を挙げることができる。これらの高分子構造において、燐光発光部位は主鎖に組み込まれていても側鎖に組み込まれていてもよい。
燐光発光性高分子化合物の高分子構造の別の例としては、ポリビニルカルバゾール、ポリシラン類、ポリトリフェニルアミン類などの非共役系高分子構造を骨格とし、これに燐光発光部位が結合した高分子構造を挙げることができる。これらの高分子構造において、燐光発光部位は主鎖に組み込まれていても側鎖に組み込まれていてもよい。
燐光発光性高分子化合物の高分子構造のさらに別の例としては、燐光発光部位を有するデンドリマーを挙げることができる。この場合、燐光発光部位はデンドリマーの中心核、分岐部分、末端部分のいずれの部分に組み込まれていてもよい。
また、上記の高分子構造においては、共役系または非共役系の骨格に結合した燐光発光部位から燐光が発するのであるが、共役系または非共役系の骨格自体から燐光が発するものでもよい。
本発明の有機発光素子に用いる燐光発光性高分子化合物としては、材料設計に自由度がある点、燐光発光を得ることが比較的容易な点、合成が容易な点、溶媒への溶解性が高く塗布溶液の調製が容易な点などから、非共役系高分子構造を骨格とし、これに燐光発光部位が結合した高分子(以下、非共役系燐光発光性高分子と呼ぶ。)が好ましい。
非共役系燐光発光性高分子は、燐光発光性部位とキャリア輸送性部位から構成されるが、代表的な高分子構造として、燐光発光性部位とキャリア輸送性部位の結合状態によって、(1)燐光発光性部位とキャリア輸送性部位とが共に高分子の主鎖内にある場合(図2(1))、(2)燐光発光性部位は高分子の側鎖にありキャリア輸送性部位は高分子の主鎖内にある場合(図2(2))、(3)燐光発光性部位は高分子の主鎖内にあり、キャリア輸送性部位は高分子の側鎖にある場合(図2(3))、(4)燐光発光性部位とキャリア輸送性部位が共に高分子の側鎖にある場合(図2(4))を例示することができる。
また、上記の高分子構造は架橋構造を有していてもよいし、あるいは正孔輸送材料、電子輸送材料、発光材料がそれぞれ結合せず独立した単一高分子(ホモポリマー)あるいは二種類の材料が重合した高分子でもよい。さらに、高分子化されている材料は、正孔輸送材料、電子輸送材料、及び発光材料の3つから選ばれる1以上でよく、残りの材料は低分子でも構わない。
上記の非共役系燐光発光性高分子は、燐光発光性部位として2種類以上のもの(それぞれ主鎖内にあっても側鎖にあってもよい。)を有していてもよく、また、キャリア輸送性部位として2種類以上のもの(それぞれ主鎖内にあっても側鎖にあっても、あるいは結合していなくてもよい。)を有していてもよい。
上記の非共役系燐光発光性高分子の分子量は、重量平均分子量で1000〜100000が好ましく、5000〜50000がより好ましい。
上記の燐光発光性部位としては、室温で燐光を発光する1価基または2価基以上の多価基を用いることができるが、遷移金属錯体または希土類金属錯体の1価基または2価基が好ましい。上記の遷移金属錯体に使用される遷移金属は、周期律表の第一遷移元素系列、すなわち原子番号21のScから30のZnまで、第二遷移元素系列、すなわち原子番号39のYから48のCdまで、第三遷移元素系列、すなわち原子番号72のHfから80のHgまでを含む。また、上記の希土類金属錯体に使用される希土類金属は、周期律表のランタノイド系列すなわち原子番号57のLaから71のLuまでを含む。
また、上記の遷移金属錯体及び希土類金属錯体に使用できる配位子としては、G. Wilkinson(Ed.),Comprehensive Coordination Chemistry(Plenum Press,1987)、山本明夫「有機金属化学−基礎と応用−」(裳華房、1982)に記載の配位子などを例示することができる。中でも、ハロゲン配位子、含窒素ヘテロ環配位子(フェニルピリジン系配位子、ベンゾキノリン系配位子、キノリノール系配位子、ビピリジル系配位子、ターピリジン系配位子、フェナントロリン系配位子等)、ジケトン配位子(アセチルアセトン配位子、ジピバロイルメタン配位子等)、カルボン酸配位子(酢酸配位子等)、リン配位子(トリフェニルホスフィン系配位子等、亜リン酸エステル系配位子等)、一酸化炭素配位子、イソニトリル配位子、及びシアノ配位子が好ましい。金属錯体は、1つの錯体に複数の配位子を含んでいてもよい。また、金属錯体として、二核錯体あるいは多核錯体を使用することもできる。
上記のキャリア輸送性部位として、ホール輸送性、電子輸送性、またはホール及び電子の両方を輸送するバイポーラー性の1価基または2価基以上の多価基を用いることができる。ホール輸送性のキャリア輸送部位としては、カルバゾール、トリフェニルアミン、N,N’−ジフェニル−N,N’−(3−メチルフェニル)−1,1’−ビフェニル−4,4’ジアミン(TPD)の1価基または2価基などを例示することができる。また、電子輸送性のキャリア輸送性部位としては、トリスアルミニウムキノリノール(Alq3)などのキノリノール誘導体金属錯体、オキサジアゾール誘導体、トリアゾール誘導体、イミダゾール誘導体、トリアジン誘導体の1価基または2価基、ホウ素系化合物などを例示することができる。また、バイポーラー性のキャリア輸送部位としては、4,4’−N,N’−ジカルバゾール−ビフェニル(CBP)の1価基または2価基などを例示することができる。
本発明の有機発光素子の発光層は、上記の燐光発光性高分子化合物あるいは共役系高分子のみで形成することができる。また、燐光発光性高分子化合物あるいは共役系高分子のキャリア輸送性を補うために他のキャリア輸送性化合物を混合した組成物として発光層を形成することもできる。すなわち、燐光発光性高分子化合物がホール輸送性の場合には電子輸送性化合物を混合することができ、燐光発光性高分子化合物が電子輸送性の場合にはホール輸送性化合物を混合することができる。ここで、燐光発光性高分子化合物に混合するキャリア輸送性化合物は低分子化合物及び高分子化合物のいずれでもよい。
上記の燐光発光性高分子化合物に混合することができる低分子のホール輸送性化合物としては、N,N’−ジフェニル−N,N’−(3−メチルフェニル)−1,1’−ビフェニル−4,4’ジアミン(TPD)、4,4’−ビス[N−(1−ナフチル)−N−フェニルアミノ]ビフェニル(α−NPD)、4、4’,4’’−トリス(3−メチルフェニルフェニルアミノ)トリフェニルアミン(m−MTDATA)などのトリフェニルアミン誘導体を始めとする既知のホール輸送材料を例示することができる。また、上記の燐光発光性高分子化合物に混合することができる高分子のホール輸送性化合物としては、ポリビニルカルバゾール、トリフェニルアミン系の低分子化合物に重合性官能基を導入して高分子化したもの、例えば特開平8-157575号公報に開示されているトリフェニルアミン骨格の高分子化合物などを例示することができる。
一方、上記の燐光発光性高分子化合物に混合することができる低分子の電子輸送性化合物としては、トリスアルミニウムキノリノール(Alq3)などのキノリノール誘導体金属錯体、オキサジアゾール誘導体、トリアゾール誘導体、イミダゾール誘導体、トリアジン誘導体などを例示することができる。また、上記の燐光発光性高分子化合物に混合することができる高分子の電子輸送性化合物としては、上記の低分子の電子輸送性化合物に重合性官能基を導入して高分子化したもの、例えば特開平10-1665号公報に開示されているポリPBDなどを例示することができる。
また、上記の燐光発光性高分子化合物を成膜して得られる膜の物性等を改良する目的で、燐光発光性高分子化合物の発光特性に直接は関与しない高分子化合物を混合して組成物とし、これを発光材料として用いることもできる。一例を挙げると、得られる膜に柔軟性を付与するために、ポリメチルメタクリレ−ト(PMMA)やポリカーボネートを混合することができる。
発光層の厚さは1nm〜1μmが好ましく、5〜300nmがより好ましく、10〜100nmがより一層好ましい。
本発明の有機発光素子において、ホール輸送層を形成するホール輸送材料としては、N,N’−ジフェニル−N,N’−(3−メチルフェニル)−1,1’−ビフェニル−4,4’ジアミン(TPD)、4,4’−ビス[N−(1−ナフチル)−N−フェニルアミノ]ビフェニル(α−NPD)、4、4’,4’’−トリス(3−メチルフェニルフェニルアミノ)トリフェニルアミン(m−MTDATA)などのトリフェニルアミン誘導体、ポリビニルカルバゾールなどの既知の低分子系ホール輸送材料を例示することができる。また、高分子系ホール輸送材料も使用することができ、トリフェニルアミン系の低分子化合物に重合性官能基を導入して高分子化したもの、例えば特開平8-157575号公報に開示されているトリフェニルアミン骨格の高分子化合物、さらにポリパラフェニレンビニレン、ポリジアルキルフルオレンなどの高分子材料を例示することができる。これらのホール輸送材料は単独で用いることもできるが、異なるホール輸送材料と混合または積層して用いてもよい。ホール輸送層の厚さは1nm〜5μmが好ましく、5nm〜1μmがより好ましく、10〜500nmがより一層好ましい。
本発明の有機発光素子において、電子輸送層を形成する電子輸送材料としては、トリスアルミニウムキノリノール(Alq3)などのキノリノール誘導体金属錯体、オキサジアゾール誘導体、トリアゾール誘導体、イミダゾール誘導体、トリアジン誘導体などの既知の低分子系電子輸送材料を例示することができる。また、高分子系電子輸送材料も使用することができ、上記の低分子の電子輸送性化合物に重合性官能基を導入して高分子化したもの、例えば特開平10-1665号公報に開示されているポリPBDなどを例示することができる。これらの電子輸送材料は単独で用いることもできるが、異なる電子輸送材料と混合または積層して用いてもよい。電子輸送層の厚さとしては1nm〜5μmが好ましく、5nm〜1μmがより好ましく、10〜500nmがより一層好ましい。
上記の発光層に用いられる燐光発光性高分子化合物、ホール輸送層に用いられるホール輸送材料及び電子輸送層に用いられる電子輸送材料は、それぞれ単独で各層を形成するほかに、高分子材料をバインダとして各層を形成することもできる。これに使用される高分子材料としては、ポリメチルメタクリレート、ポリカーボネート、ポリエステル、ポリスルホン、ポリフェニレンオキサイドなどを例示することができる。
上記の発光層、ホール輸送層及び電子輸送層は、抵抗加熱蒸着法、電子ビーム蒸着法、スパッタリング法、スピンコート法、キャスティング法、マイクログラビアコート法、グラビアコート法、バーコート法、ロールコート法、ワイアーバーコート法、ディップコート法、スプレーコート法、スクリーン印刷法、フレキソ印刷法、オフセット印刷法、インクジェットプリント法等の塗布法などにより形成することが可能である。低分子化合物の場合は主として抵抗加熱蒸着法及び電子ビーム蒸着法が用いられ、高分子化合物の場合は主にスピンコート法、キャスティング法、マイクログラビアコート法、グラビアコート法、バーコート法、ロールコート法、ワイアーバーコート法、ディップコート法、スプレーコート法、スクリーン印刷法、フレキソ印刷法、オフセット印刷法、インクジェットプリント法等の塗布法が用いられる。
また、ホールが発光層を通過することを抑え、発光層内で電子と効率よく再結合させる目的で、発光層の陰極側に隣接してホールブロック層を設けてもよい。このホールブロック層には発光材料より最高占有分子軌道(Highest Occupied Molecular Orbital;HOMO)準位の深い化合物を用いることができ、トリアゾール誘導体、オキサジアゾール誘導体、フェナントロリン誘導体、アルミニウム錯体などを例示することができる。
さらに、励起子(エキシトン)が陰極金属で失活することを防ぐ目的で、発光層の陰極側に隣接してエキシトンブロック層を設けてもよい。このエキシトンブロック層には発光材料より励起三重項エネルギーの大きな化合物を用いることができ、トリアゾール誘導体、フェナントロリン誘導体、アルミニウム錯体などを例示することができる。
本発明の有機発光素子の陰極材料としては、仕事関数が低く、かつ化学的に安定なものが使用され、Al、MgAg合金、AlLiやAlCaなどのAlとアルカリ金属の合金などの既知の陰極材料を例示することができるが、化学的安定性を考慮すると仕事関数は2.9eV以上であることが好ましい。これらの陰極材料の成膜方法としては、抵抗加熱蒸着法、電子ビーム蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法などを用いることができる。陰極の厚さは10nm〜1μmが好ましく、50〜500nmがより好ましい。
また、陰極から有機層への電子注入障壁を下げて電子の注入効率を上げる目的で、陰極バッファー層として、陰極より仕事関数の低い金属層を陰極と陰極に隣接する有機層の間に挿入してもよい。このような目的に使用できる低仕事関数の金属としては、アルカリ金属(Na、K、Rb、Cs)、アルカリ土類金属(Sr、Ba)、希土類金属(Pr、Sm、Eu、Yb)等を挙げることができる。また、陰極より仕事関数の低いものであれば、合金または金属化合物も使用することができる。これらの陰極バッファー層の成膜方法としては、蒸着法やスパッタ法などを用いることができる。陰極バッファー層の厚さは0.05〜50nmが好ましく、0.1〜20nmがより好ましく、0.5〜10nmがより一層好ましい。
さらに、陰極バッファー層は、上記の低仕事関数の物質と電子輸送材料の混合物として形成することもできる。なお、ここで用いられる電子輸送材料としては前述の電子輸送層に用いられる有機化合物を用いることができる。この場合の成膜方法としては共蒸着法を用いることができる。また、溶液による塗布成膜が可能な場合は、スピンコーティング法、ディップコーティング法、インクジェット法、印刷法、スプレー法、ディスペンサー法などの既述の成膜方法を用いることができる。この場合の陰極バッファー層の厚さは0.1〜100nmが好ましく、0.5〜50nmがより好ましく、1〜20nmがより一層好ましい。
本発明に係る有機発光素子の基板としては、発光材料の発光波長に対して透明な絶縁性基板、例えば、ガラス、PET(ポリエチレンテレフタレート)やポリカーボネートを始めとする透明プラスチックなどの既知の材料が使用できる。
以下、実施例及び比較例を挙げて本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの記載により何らの限定を受けるものではない。
簡略化のため、材料およびそれらより形成された層を以下のように略記する。
ITO:インジウム錫酸化物(陽極)、
PEDOT・PSS:ポリ(3、4)−エチレンジオキシチオフェンとポリスチレンスルホン酸塩との混合物(陽極バッファー層=従来型中間層)
ELP:燐光発光性高分子(芳香族アミン(ホール輸送材料部分)とホウ素系分子(電子輸送材料部分)とイリジウム錯体(燐光発光色素部分)の分子構造を含む三成分系の共重合体。poly[viTPD-viTMB-viIr(ppy)2(acac)])。
また、プラズマ生成装置は、プラズマエッチング(PE)とリアクティブイオンエッチング(RIE)が行える容量結合型の装置を用いた。
比較例1:
25mm角のガラス基板の一方の面に、陽極となる幅4mmの2本のITO電極がストライプ状に形成されたITO(酸化インジウム錫)付き基板を用いて有機発光素子を作製した。まず陽極基板の液体洗浄を行った。すなわち、市販の洗剤で超音波洗浄をし、超純水で流水洗浄を行った。その後、イソプロピルアルコール(IPA)に浸漬超音波洗浄し、乾燥した。さらに、ITO(陽極)上に、ポリ(3,4−エチレンジオキシチオフェン)・ポリスチレンスルホン酸(バイエル社製、商品名「バイトロンP」)をIPAにより1:1に希釈した溶液を、スピンコート法により、回転数3500rpm、塗布時間40秒の条件で塗布した後、200℃で30分間乾燥を行い、従来型中間層を形成した。得られた中間層の膜厚は約50nm、Ra値は1.3nm、突起高さは20nmであった。
次に、発光性化合物層を形成するための塗布溶液を調製した。すなわち、ELP60mgを、トルエン(和光純薬工業(株)製、特級)1940mgに溶解し、得られた溶液を孔径0.2μmのフィルターでろ過して塗布溶液とした。次に、中間層上に、調製した塗布溶液をスピンコート法により、回転数3000rpm、塗布時間30秒の条件で塗布し、100℃にて30分間乾燥することにより、発光層を形成した。得られた発光層の膜厚は約90nmであった。次に発光層を形成した基板を蒸着装置内に載置し、カルシウムを蒸着速度0.01nm/sで10nmの厚さに蒸着し、続いて、陰極としてアルミニウムを蒸着速度1nm/sで150nmの厚さに蒸着し、素子1を作製した。なお、カルシウムとアルミニウムの層は、陽極の延在方向に対して直交する2本の幅3mmのストライプ状に形成し、1枚のガラス基板当たり、縦4mm×横3mmの有機発光素子を4個作製した。この素子を有機発光素子1とした。
参考例:
比較例1と同様に液体洗浄後乾燥したITO付基板を、プラズマ生成装置内に装着し、装置内に酸素ガスを導入し、装置に交流電圧を印加することで放電を開始し、酸素プラズマを生成させ、ITO付基板に照射した。装置内に導入するガス流量を調整し、酸素のプラズマの形成中の圧力を1Paになるようにし、また素子基板に投入した電力は150Wで行い処理時間は30秒間行った。その後の操作は比較例1と全く同様にして、従来型中間層を有する有機発光素子2を作製した。なお、この操作により得られた中間層のRa値は0.7nm、突起高さは9nmであった。
実施例1:
参考例と同様にITO付基板を、液体洗浄に次いで、酸素プラズマ洗浄処理を行い、従来型の中間層を塗布した基板を調整した。得られた従来型中間層の膜厚と、塗布した基板の表面粗さを測定したところ、膜厚が50nm、Ra値が0.7nm、突起高さは9nmであった。次に、この従来型中間層を塗布した基板の最適化処理を行った。従来型中間層を塗布した基板を、スピンコータ上に装着し、3000rpmで回転させながらIPAを滴下し洗浄した。洗浄は1分間行った。滴下終了後さらに4000rpmで1分間回転させたのち、200℃で1分間乾燥した。得られた最適化処理後の中間層表面の膜厚は27nm、Ra値は0.5nm、突起高さは7nmであった。その後、比較例1と同様にしてELP塗布以降の操作を行い、有機発光素子3を作製した。
実施例2:
比較例1と同様に液体洗浄後乾燥したITO付基板を、プラズマ生成装置内に装着し、装置内に酸素ガスを導入し、装置に交流電圧を印加することで放電を開始し、酸素プラズマを生成させ、ITO付基板に照射した。すなわち装置内に導入する酸素ガス流量を調整し、圧力は1Pa、投入電力は150Wで30秒間処理した。次いで、導入するガスの種類を酸素からCHF3ガスに切り替え、流量を制御し、圧力を7Paとした。PEモードで投入電力300Wにて10秒間基板を処理した。処理後のITO付基板の表面をX線光電子分光法(XPS)で分析したところ、ITO付基板の表面にフルオロカーボン膜(表1ではCFn中間層と記載)が形成されていることがわかった。また深さ方向分析を行い、約1nmの厚さであることがわかった。また、Ra値は0.7nm、突起高さは8nmであった。このように本発明による中間層を形成した後、比較例1と同様にELP塗布以降の操作を行い、有機発光素子4を作製した。
比較例2:
比較例1と同様に液体洗浄後乾燥したITO付基板を、プラズマ生成装置内に装着し、装置内に酸素ガスを導入し、装置に交流電圧を印加することで放電を開始し、酸素プラズマを生成させ、ITO付基板に照射した。すなわち装置内に導入する酸素ガス流量を調整し、圧力は1Pa、投入電力は150Wで30秒間処理した。次いで、導入するガスの種類を酸素からCHF3ガスに切り替え、流量を制御し、圧力を7Paとした。PEモードで投入電力300Wにて2分間基板を処理した。処理後のITO付基板の表面をX線光電子分光法(XPS)で分析したところ、ITO付基板の表面にフルオロカーボン膜が形成されていることがわかった。膜厚は27nm、Ra値は0.5nm、突起高さは4nmであることがわかった。このようにフルオロカーボンからなる中間層を形成した後、比較例1と同様にELP塗布以降の操作を行い、有機発光素子5を作製した。
実施例3:
比較例1と同様に液体洗浄後乾燥したITO付基板を、プラズマ生成装置内に装着し、装置内に酸素ガスを導入し、装置に交流電圧を印加することで放電を開始し、酸素プラズマを生成させ、ITO付基板に照射した。すなわち装置内に導入する酸素ガス流量を調整し、圧力は1Pa、投入電力は150Wで30秒間処理した。次いで、導入するガスの種類を酸素からCHF3ガスに切り替え、流量を制御し、圧力を7Paとした。PEモードで投入電力100Wにて10秒間基板を処理した。処理後のITO付基板の表面をX線光電子分光法(XPS)で分析したところ、ITO付基板の表面にフルオロカーボン膜が形成されていることがわかった。膜厚は約0.2nm、Ra値は0.7nmであることがわかった。このように酸素とCHF3処理を行った基板に、参考例と同様に従来型の中間層を塗布した基板を調整した。得られた従来型中間層を塗布した基板の表面粗さを測定したところ、膜厚が50nm、Ra値が1.0nmであった。次に、この従来型中間層を塗布した基板の最適化処理を行った。従来型中間層を塗布した基板を、スピンコータ上に装着し、3000rpmで回転させながらIPAを滴下し洗浄した。洗浄は1分間行った。滴下終了後さらに4000rpmで1分間回転させたのち、200℃で1分間乾燥した。得られた最適化処理後の中間層表面の膜厚は30nm、Ra値は0.5nm、突起高さは8nmであった。その後、比較例1と同様にしてELP塗布以降の操作を行い、有機発光素子6を作製した。
実施例4:
比較例1と同様に液体洗浄後乾燥したITO付基板を、プラズマ生成装置内に装着し、装置内にCHF3ガスを導入した。流量を制御し、圧力を7Paとした。RIEモードで投入電力200Wにて60秒間基板を処理した。処理後のITO付基板の表面粗さを測定したところ、Ra値が0.8nmであった。また表面をX線光電子分光法(XPS)で分析したところ、ITO付基板の表面にフルオロカーボン膜が形成されていることがわかった。膜厚は0.5nm、突起高さは3nmと見積もれた。このようにCHF3ガスのプラズマ処理を行った基板に、比較例1と同様にしてELP塗布以降の操作を行い、有機発光素子7を作製した。
各素子を、その陰極と陽極の間に、(株)アドバンテスト製 プログラマブル直流電圧/電流源 TR6143を用いて電圧を印加し発光させ、その発光輝度を(株)トプコン製輝度計 BM−8を用いて測定した。また、輝度の低下を観察し、耐久性試験を行った。EL発光特性の評価を行った結果を表1に示す。
なお、耐久性は、100cd/m2を初期輝度とした輝度半減寿命で換算して示した。
Figure 0005165193
比較例2では、駆動電圧を20Vまで上昇させても全く電流が流れず発光も認められなかった。絶縁膜であるCFn中間層は、30nmの厚さになると全く素子特性の向上に寄与せず最適な膜厚はさらに薄い領域にあるということがわかる。
有機発光素子1から7までの結果から示されるとおり、本発明により、素子の耐久性が大幅に向上していることが明らかである。また、実施例4では、CHF3ガスのプラズマ処理のみによっても表面平滑性が向上し、また素子の特性も向上していることが示されている。
また、図2に有機発光素子1(比較例1)、4(実施例2)、6(実施例3)、7(実施例4)の輝度の耐久性試験の結果を示した。本発明により、従来法の中間層を有する有機発光素子1に比べ、耐久性が大幅に向上していることが示されている。
本発明を具体的な例を特に参照しながら説明したが、本発明の趣旨と範囲内において変更が可能である。
発光性化合物を含む層を陽極の上に積層した有機発光素子の概略図である。 非共役系燐光発光性高分子の燐光発光性部位とキャリア輸送性部位の構成例を示す。 有機発光素子1(比較例1)、4(実施例2)、6(実施例3)、7(実施例4)の素子の耐久性を測定した結果を示すグラフである。
符号の説明
1 透明基板
2 陽極
3 中間層
4 発光性化合物層
5 陰極

Claims (9)

  1. 陽極と陰極に挟まれた発光性化合物層を備えた有機発光素子の製造方法であって、
    陽極の表面に0.2〜30nmの厚さの中間層を、導電性ポリマーの塗布、または気体状有機化合物の高周波(RF)プラズマ処理法により形成する工程、
    形成した中間層の表面を、発光性化合物を溶解し得る溶媒で洗浄する最適化処理工程、及び
    洗浄後の中間層の表面に、塗布により発光性化合物層を形成する工程を含むことを特徴とする方法。
  2. 発光性化合物が燐光発光性高分子材料である請求項1に記載の方法。
  3. 発光性化合物が蛍光発光性高分子材料である請求項1に記載の方法。
  4. 中間層の表面粗さがRa値で1nm以下である請求項1に記載の方法。
  5. 中間層の表面突起高さが10nm以下である請求項1に記載の方法。
  6. 中間層の形成前に、陽極(表面)を高周波プラズマ処理によりエッチングする工程を有する請求項1乃至5のいずれか1項に記載の方法。
  7. 中間層を気体状有機化合物の高周波(RF)プラズマ処理法により形成する請求項6に記載の方法。
  8. 気体状有機化合物としてフルオロカーボンを含む請求項1または7に記載の方法。
  9. 陽極(表面)を高周波プラズマ処理によりエッチングする工程が、酸素、アルゴン、フルオロカーボンから選ばれる1または2種以上を含むガス中で行なわれる請求項6または7に記載の方法。
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