JP2010171189A - 有機エレクトロルミネッセンス素子およびその製造方法 - Google Patents

有機エレクトロルミネッセンス素子およびその製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】有機EL素子の陽極表面に優れた正孔注入機能を示す層を形成して、発光効率の高い有機EL素子を提供すること。
【解決手段】陽極2に接して配置された第一の層3が、下記式(1):
Figure 2010171189

(式中、Sはイオウ原子を表す。Mはイオウ原子と共有結合しているx価の有機基を表す。xは1以上の整数を表す。Gは、水素原子、アルキル基、アリール基、アリールアルキル基、アリールアルケニル基、アリールアルキニル基、又はシアノ基を表す。Gが複数ある場合、Gはそれぞれ同一であっても、異なっていてもよい。)で表される有機物を該陽極に付着させることにより形成された薄膜が、紫外線オゾン処理されて成る層である、有機エレクトロルミネッセンス素子。
【選択図】図1

Description

本発明は、有機エレクトロルミネッセンス素子およびその製造方法に関する。
有機エレクトロルミネッセンス(以下、有機ELという場合がある。)素子を用いた有機ELディスプレイなどが注目されている。有機ELディスプレイに用いられる有機EL素子は、陽極と、陰極と、該陽極および陰極間に配置される発光層とを含んで構成され、陽極および陰極からそれぞれ注入される正孔および電子が発光層において再結合することによって発光する。
有機EL素子には、発光効率などの素子特性を向上させることを目的として、陽極と陰極との間において陽極に接して、陽極から発光層に正孔が移動するのを補助する層が設けられることがある。このような層は一般に正孔注入層などと呼ばれる。例えば、特許文献1には、ポリ(エチレンジオキシチオフェン)−ポリスチレンスルホン酸(以下、「PEDOT/PSS」という)からなる正孔注入層を用いた有機EL素子が提案されている。このような正孔注入層は、通常、PEDOT/PSSを含む塗布液を陽極に塗布することによって形成される。しかし、PEDOT/PSSを含む塗布液は強酸性を示すため、塗布装置などを傷めるおそれがあり、また陽極に損傷を与えるおそれがある。
また、特許文献2には、正孔の注入効率を高めるために、有機EL素子に用いる陽極の表面を、分子内に双極子モーメントを持ち、自己組織化単分子層を形成する有機分子で化学的に修飾することが記載されている。陽極の表面を修飾する有機分子は、金、銀、銅、白金電極の表面に好ましいものとして、チオールを含む有機分子、またITO、IZO、酸化亜鉛電極の表面に好ましいものとして、ホスホン酸やカルボン酸を含む有機分子が例示されている。しかし、かかる自己組織化単分子層は正孔注入機能が不十分であり、有機EL素子の発光効率を十分に向上させることができない。
特表2000−514590号公報 特開2007−103174号公報
そこで本発明は、有機EL素子の陽極表面に優れた正孔注入機能を示す層を形成して、発光効率の高い有機EL素子を提供することを目的とする。
本発明は、
陽極と、
陰極と、
前記陽極および陰極の間において陽極に接して配置された第一の層と、
前記陽極および陰極の間に配置され、発光材料を含有する第二の層とを有する有機エレクトロルミネッセンス素子であって、
前記第一の層は、下記式(1):
Figure 2010171189
(式中、Sはイオウ原子を表す。Mはイオウ原子と共有結合しているx価の有機基を表す。xは1以上の整数を表す。Gは、水素原子、アルキル基、アリール基、アリールアルキル基、アリールアルケニル基、アリールアルキニル基、又はシアノ基を表す。Gが複数ある場合、Gはそれぞれ同一であっても、異なっていてもよい。)
で表される有機物を該陽極に付着させることにより形成された薄膜が、紫外線オゾン処理されて成る層である、有機エレクトロルミネッセンス素子である。
また本発明は、式(1)のGが水素原子である、有機エレクトロルミネッセンス素子である。
また本発明は、式(1)のMが、x価の芳香族基、またはx価の複素環基である(ここでxは前記と同じ意味を表す。)、有機エレクトロルミネッセンス素子である。
また本発明は、式(1)のxが1〜3の整数である、有機エレクトロルミネッセンス素子である。
また本発明は、前記紫外線オゾン処理における紫外線の照射量が1J/cm2以上である、有機エレクトロルミネッセンス素子である。
また本発明は、第一の層と第二の層との間に、下記式(2):
Figure 2010171189
(式中、Ar1、Ar2、Ar3及びAr4はそれぞれ独立に、アリーレン基又は2価の複素環基を表す。Ar5、Ar6及びAr7はそれぞれ独立に、アリール基又は1価の複素環基を表す。Ar中の炭素原子とAr中の炭素原子は直接結合して縮合環を形成してもよい。o及びpは、独立に、0又は1を表す。)
で表される繰り返し単位を含む材料を含有する層をさらに備える、有機エレクトロルミネッセンス素子である。
また本発明は、前記発光材料が、下記式(3)で表される繰り返し単位を含む高分子化合物を含む、有機エレクトロルミネッセンス素子である。
Figure 2010171189
(式中、Ar8は、アリーレン基、2価の複素環基又は金属錯体構造を有する2価の基を表し、L1は−CR1=CR2−又は−C≡C−を表し、R1及びR2はそれぞれ独立に、水素原子、アルキル基、アリール基、1価の複素環基又はシアノ基を表す。kは0〜2の整数である。L1が複数存在する場合、L1はそれぞれ同一であっても異なっていてもよい。)
また本発明は、陽極と、陰極と、前記陽極および陰極の間において陽極に接して配置される第一の層と、前記陽極および陰極の間に配置され、発光材料を含有する第二の層とを有する有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法であって、
前記第一の層は、下記式(1):
Figure 2010171189
(式中、Sはイオウ原子を表す。Mはイオウ原子と共有結合しているx価の有機基を表す。xは1以上の整数を表す。Gは、水素原子、アルキル基、アリール基、アリールアルキル基、アリールアルケニル基、アリールアルキニル基、又はシアノ基を表す。Gが複数ある場合、Gはそれぞれ同一であっても、異なっていてもよい。)
で表される有機物を前記陽極の表面に付着させる工程;及び
前記陽極の表面に付着した有機物を紫外線オゾン処理する工程;
を包含する方法により形成される、有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法である。
また本発明は、前記有機エレクトロルミネッセンス素子を備えた面状光源である。
また本発明は、前記有機エレクトロルミネッセンス素子を備えた表示装置である。
また本発明は、前記有機エレクトロルミネッセンス素子を備えた照明装置である。
本発明によれば、発光効率が高い有機EL素子を実現することができる。またこのような有機EL素子は、照明等に用いられる平面状又は曲面状の面状光源;セグメント表示装置、ドットマトリックス表示装置等の表示装置;液晶表示装置等のバックライト等に好適に用いられる。
本発明の一実施形態である有機EL素子の構造を示す模式断面図である。
<用語の説明>
以下、本明細書において共通して用いられる用語を説明する。本明細書において、「Cm〜Cn」(m、nはm<nを満たす正の整数である)という用語は、この用語とともに記載された基の炭素数がm〜nであることを表す。
ハロゲン原子としては、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、及びヨウ素原子が例示される。
アルキル基は、非置換のアルキル基及びハロゲン原子、アミノ基、メルカプト基等で置換されたアルキル基を意味し、直鎖状アルキル基及び環状アルキル基(シクロアルキル基)の両方を含む。アルキル基は分岐を有していてもよい。アルキル基の炭素数は、通常1〜20、好ましくは1〜15、より好ましくは1〜10程度である。具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、i−プロピル基、ブチル基、i−ブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、シクロヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、2−エチルヘキシル基、ノニル基、デシル基、3,7−ジメチルオクチル基、ラウリル基、トリフルオロメチル基、ペンタフルオロエチル基、パーフルオロブチル基、パーフルオロヘキシル基、パーフルオロオクチル基、トリフルオロプロピル基、トリデカフルオロ−1,1,2,2−テトラヒドロオクチル基、ヘプタデカフルオロ−1,1,2,2−テトラヒドロデシル基、アミノプロピル基、アミノオクチル基、アミノデシル基、メルカプトプロピル基、メルカプトオクチル基、メルカプトデシル基等が例示される。C1〜C12アルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、i−プロピル基、ブチル基、i−ブチル基、s−ブチル基、t−ブチル基、ペンチル基、イソアミル基、ヘキシル基、シクロヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ノニル基、デシル基、ドデシル基等が挙げられる。
アルコキシ基は、非置換のアルコキシ基及びハロゲン原子、アルコキシ基等で置換されたアルコキシ基を意味し、直鎖状アルコキシ基及び環状アルコキシ基(シクロアルコキシ基)の両方を含む。アルコキシ基は分岐を有していてもよい。アルコキシ基の炭素数は、通常1〜20、好ましくは1〜15、より好ましくは1〜10程度である。具体的には、メトキシ基、エトキシ基、プロピルオキシ基、i−プロピルオキシ基、ブトキシ基、i−ブトキシ基、s−ブトキシ基、t−ブトキシ基、ペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基、シクロヘキシルオキシ基、ヘプチルオキシ基、オクチルオキシ基、2−エチルヘキシルオキシ基、ノニルオキシ基、デシルオキシ基、3,7−ジメチルオクチルオキシ基、ラウリルオキシ基、トリフルオロメトキシ基、ペンタフルオロエトキシ基、パーフルオロブトキシ基、パーフルオロヘキシル基、パーフルオロオクチル基、メトキシメチルオキシ基、2−メトキシエチルオキシ基等が例示される。C1〜C12アルコキシ基としては、例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロピルオキシ基、i−プロピルオキシ基、ブトキシ基、i−ブトキシ基、s−ブトキシ基、t−ブトキシ基、ペンチルオキシ基、ヘキシルオキシ基、シクロヘキシルオキシ基、ヘプチルオキシ基、オクチルオキシ基、2−エチルヘキシルオキシ基、ノニルオキシ基、デシルオキシ基、3,7−ジメチルオクチルオキシ基、ラウリルオキシ基等が挙げられる。
アルキルチオ基は、非置換のアルキルチオ基及びハロゲン原子等で置換されたアルキルチオ基を意味し、直鎖状アルキルチオ基及び環状アルキルチオ基(シクロアルキルチオ基)の両方を含む。アルキルチオ基は分岐を有していてもよい。アルキルチオ基の炭素数は、通常1〜20、好ましくは1〜15、より好ましくは1〜10程度である。具体的には、メチルチオ基、エチルチオ基、プロピルチオ基、i−プロピルチオ基、ブチルチオ基、i−ブチルチオ基、s−ブチルチオ基、t−ブチルチオ基、ペンチルチオ基、ヘキシルチオ基、シクロヘキシルチオ基、ヘプチルチオ基、オクチルチオ基、2−エチルヘキシルチオ基、ノニルチオ基、デシルチオ基、3,7−ジメチルオクチルチオ基、ラウリルチオ基、トリフルオロメチルチオ基等が例示される。C1〜C12アルキルチオ基としては、例えば、メチルチオ基、エチルチオ基、プロピルチオ基、i−プロピルチオ基、ブチルチオ基、i−ブチルチオ基、s−ブチルチオ基、t−ブチルチオ基、ペンチルチオ基、ヘキシルチオ基、シクロヘキシルチオ基、ヘプチルチオ基、オクチルチオ基、2−エチルヘキシルチオ基、ノニルチオ基、デシルチオ基、3,7−ジメチルオクチルチオ基、ラウリルチオ基等が挙げられる。
アリール基は、芳香族炭化水素から芳香環を構成する炭素原子に結合した水素原子1個を除いた残りの原子団であり、非置換のアリール基及びハロゲン原子、アルコキシ基、アルキル基等で置換されたアリール基を意味する。アリール基には、縮合環をもつもの、独立したベンゼン環又は縮合環2個以上が単結合又は2価の基、例えば、ビニレン基等のアルケニレン基を介して結合したものも含まれる。アリール基の炭素数は、通常6〜60、好ましくは7〜48、より好ましくは7〜30程度である。アリール基としては、フェニル基、C1〜C12アルコキシフェニル基、C1〜C12アルキルフェニル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基、1−アントラセニル基、2−アントラセニル基、9−アントラセニル基、ペンタフルオロフェニル基等が例示され、C1〜C12アルコキシフェニル基、C1〜C12アルキルフェニル基が好ましい。
1〜C12アルコキシフェニル基として具体的には、メトキシフェニル基、エトキシフェニル基、プロピルオキシフェニル基、i−プロピルオキシフェニル基、ブトキシフェニル基、i−ブトキシフェニル基、s−ブトキシフェニル基、t−ブトキシフェニル基、ペンチルオキシフェニル基、ヘキシルオキシフェニル基、シクロヘキシルオキシフェニル基、ヘプチルオキシフェニル基、オクチルオキシフェニル基、2−エチルヘキシルオキシフェニル基、ノニルオキシフェニル基、デシルオキシフェニル基、3,7−ジメチルオクチルオキシフェニル基、ラウリルオキシフェニル基等が例示される。
1〜C12アルキルフェニル基として具体的には、メチルフェニル基、エチルフェニル基、ジメチルフェニル基、プロピルフェニル基、メシチル基、メチルエチルフェニル基、i−プロピルフェニル基、ブチルフェニル基、i−ブチルフェニル基、s−ブチルフェニル基、t−ブチルフェニル基、ペンチルフェニル基、イソアミルフェニル基、ヘキシルフェニル基、ヘプチルフェニル基、オクチルフェニル基、ノニルフェニル基、デシルフェニル基、ドデシルフェニル基等が例示される。
アリールオキシ基は、非置換のアリールオキシ基及びハロゲン原子、アルコキシ基、アルキル基等で置換されたアリールオキシ基を意味する。アリールオキシ基の炭素数は、通常6〜60、好ましくは7〜48、より好ましくは7〜30程度である。その具体例としては、フェノキシ基、C1〜C12アルコキシフェノキシ基、C1〜C12アルキルフェノキシ基、1−ナフチルオキシ基、2−ナフチルオキシ基、ペンタフルオロフェニルオキシ基等が挙げられ、C1〜C12アルコキシフェノキシ基、C1〜C12アルキルフェノキシ基が好ましい。
1〜C12アルコキシフェノキシ基として具体的には、メトキシフェノキシ基、エトキシフェノキシ基、プロピルオキシフェノキシ基、i−プロピルオキシフェノキシ基、ブトキシフェノキシ基、i−ブトキシフェノキシ基、s−ブトキシフェノキシ基、t−ブトキシフェノキシ基、ペンチルオキシフェノキシ基、ヘキシルオキシフェノキシ基、シクロヘキシルオキシフェノキシ基、ヘプチルオキシフェノキシ基、オクチルオキシフェノキシ基、2−エチルヘキシルオキシフェノキシ基、ノニルオキシフェノキシ基、デシルオキシフェノキシ基、3,7−ジメチルオクチルオキシフェノキシ基、ラウリルオキシフェノキシ基等が例示される。
1〜C12アルキルフェノキシ基として具体的には、メチルフェノキシ基、エチルフェノキシ基、ジメチルフェノキシ基、プロピルフェノキシ基、1,3,5−トリメチルフェノキシ基、メチルエチルフェノキシ基、i−プロピルフェノキシ基、ブチルフェノキシ基、i−ブチルフェノキシ基、s−ブチルフェノキシ基、t−ブチルフェノキシ基、ペンチルフェノキシ基、イソアミルフェノキシ基、ヘキシルフェノキシ基、ヘプチルフェノキシ基、オクチルフェノキシ基、ノニルフェノキシ基、デシルフェノキシ基、ドデシルフェノキシ基等が例示される。
アリールチオ基は、非置換のアリールチオ基及びハロゲン原子、アルコキシ基、アルキル基等で置換されたアリールチオ基を意味する。アリールチオ基の炭素数は、通常6〜60、好ましくは7〜48、より好ましくは7〜30程度である。具体的には、フェニルチオ基、C1〜C12アルコキシフェニルチオ基、C1〜C12アルキルフェニルチオ基、1−ナフチルチオ基、2−ナフチルチオ基、ペンタフルオロフェニルチオ基等が例示される。
アリールアルキル基は、非置換のアリールアルキル基及びハロゲン原子、アルコキシ基、アルキル基等で置換されたアリールアルキル基を意味する。アリールアルキル基の炭素数は、通常7〜60、好ましくは7〜48、より好ましくは7〜30程度である。
具体的には、フェニル−C1〜C12アルキル基、C1〜C12アルコキシフェニル−C1〜C12アルキル基、C1〜C12アルキルフェニル−C1〜C12アルキル基、1−ナフチル−C1〜C12アルキル基、2−ナフチル−C1〜C12アルキル基等が例示される。
アリールアルコキシ基は、非置換のアリールアルコキシ基及びハロゲン原子、アルコキシ基、アルキル基等で置換されたアリールアルコキシ基を意味する。アリールアルコキシ基の炭素数は、通常7〜60、好ましくは7〜48、より好ましくは7〜30程度である。具体的には、フェニル−C1〜C12アルコキシ基、C1〜C12アルコキシフェニル−C1〜C12アルコキシ基、C1〜C12アルキルフェニル−C1〜C12アルコキシ基、1−ナフチル−C1〜C12アルコキシ基、2−ナフチル−C1〜C12アルコキシ基等が例示される。
アリールアルキルチオ基は、非置換のアリールアルキルチオ基及びハロゲン原子、アルコキシ基、アルキル基等で置換されたアリールアルキルチオ基を意味する。アリールアルキルチオ基の炭素数は、通常7〜60、好ましくは7〜48、より好ましくは7〜30程度である。具体的には、フェニル−C1〜C12アルキルチオ基、C1〜C12アルコキシフェニル−C1〜C12アルキルチオ基、C1〜C12アルキルフェニル−C1〜C12アルキルチオ基、1−ナフチル−C1〜C12アルキルチオ基、2−ナフチル−C1〜C12アルキルチオ基等が例示される。
アリールアルケニル基は、非置換のアリールアルケニル基及びハロゲン原子、アルコキシ基、アルキル基等で置換されたアリールアルケニル基を意味する。アリールアルケニル基の炭素数は、通常8〜60、好ましくは8〜48、より好ましくは8〜30程度である。その具体例としては、フェニル−C2〜C12アルケニル基、C1〜C12アルコキシフェニル−C2〜C12アルケニル基、C1〜C12アルキルフェニル−C2〜C12アルケニル基、1−ナフチル−C2〜C12アルケニル基、2−ナフチル−C2〜C12アルケニル基等が挙げられ、C1〜C12アルコキシフェニル−C2〜C12アルケニル基、C2〜C12アルキルフェニル−C2〜C12アルケニル基が好ましい。
2〜C12アルケニル基としては、例えば、ビニル基、1−プロペニル基、2−プロペニル基、1−ブテニル基、2−ブテニル基、1−ペンテニル基、2−ペンテニル基、1−ヘキセニル基、2−ヘキセニル基、1−オクテニル基等が挙げられる。
アリールアルキニル基は、非置換のアリールアルキニル基及びハロゲン原子、アルコキシ基、アルキル基等で置換されたアリールアルキニル基を意味する。アリールアルキニル基の炭素数は、通常8〜60、好ましくは8〜48、より好ましくは8〜30程度である。その具体例としては、フェニル−C2〜C12アルキニル基、C1〜C12アルコキシフェニル−C2〜C12アルキニル基、C1〜C12アルキルフェニル−C2〜C12アルキニル基、1−ナフチル−C2〜C12アルキニル基、2−ナフチル−C2〜C12アルキニル基等が挙げられ、C1〜C12アルコキシフェニル−C2〜C12アルキニル基、C1〜C12アルキルフェニル−C2〜C12アルキニル基が好ましい。
2〜C12アルキニル基としては、例えば、エチニル基、1−プロピニル基、2−プロピニル基、1−ブチニル基、2−ブチニル基、1−ペンチニル基、2−ペンチニル基、1−ヘキシニル基、2−ヘキシニル基、1−オクチニル基等が挙げられる。
x価の複素環基とは、複素環式化合物から水素原子x個を除いた残りの原子団をいい、非置換のx価の複素環基及びアルキル基等の置換基で置換されたx価の複素環基を意味する。ここでxは、1以上の整数を表す。1価の複素環基の炭素数は、置換基の炭素数を含めないで、通常3〜60、好ましくは3〜30、より好ましくは3〜20程度である。ここに複素環式化合物とは、環式構造をもつ有機化合物のうち、環を構成する元素として、炭素原子だけでなく、酸素原子、硫黄原子、窒素原子、リン原子、ホウ素原子、ケイ素原子、セレン原子、テルル原子、ヒ素原子等のヘテロ原子を含むものをいう。1価の複素環基としては、例えば、チエニル基、C1〜C12アルキルチエニル基、ピロリル基、フリル基、ピリジル基、C1〜C12アルキルピリジル基、ピリダジニル基、ピリミジル基、ピラジニル基、トリアジニル基、ピロリジル基、ピペリジル基、キノリル基、イソキノリル基等が挙げられ、中でもチエニル基、C1〜C12アルキルチエニル基、ピリジル基、C1〜C12アルキルピリジル基が好ましい。2価の複素環基の炭素数は、置換基の炭素数を含めないで、炭素原子数が通常3〜60、好ましくは3〜30、より好ましくは6〜12程度である。2価の複素環基の具体例としては、2,5−ピリジンジイル基、2,6−ピリジンジイル基等の非置換又は置換のピリジンジイル基;2,5−チオフェンジイル基等の非置換又は置換のチオフェンジイル基;2,5−フランジイル基等の非置換又は置換のフランジイル基;2,6−キノリンジイル基等の非置換又は置換のキノリンジイル基;1,4−イソキノリンジイル基、1,5−イソキノリンジイル基等の非置換又は置換のイソキノリンジイル基;5,8−キノキサリンジイル基等の非置換又は置換のキノキサリンジイル基;4,7−ベンゾ[1,2,5]チアジアゾールジイル基等の非置換又は置換のベンゾ[1,2,5]チアジアゾールジイル基;4,7−ベンゾチアゾールジイル基等の非置換又は置換のベンゾチアゾールジイル基;2,7−カルバゾールジイル基、3,6−カルバゾールジイル基等の非置換又は置換のカルバゾールジイル基;3,7−フェノキサジンジイル基等の非置換又は置換のフェノキサジンジイル基;3,7−フェノチアジンジイル基等の非置換又は置換のフェノチアジンジイル基;2,7−ジベンゾシロールジイル基等の非置換又は置換のジベンゾシロールジイル基等が挙げられ、これらの中でも2,5−ピリジンジイル基、2,6−ピリジンジイル基等の非置換又は置換のピリジンジイル基、非置換又は置換のベンゾ[1,2,5]チアジアゾールジイル基、非置換又は置換のフェノキサジンジイル基、非置換又は置換のフェノチアジンジイル基、非置換又は置換の[1,3,5]トリアジンジイル、[1,2,4]トリアジンジイル、[1,2,5]トリアジンジイルが好ましい。
複素環チオ基は、メルカプト基の水素原子が1価の複素環基で置換された基を意味する。複素環チオ基としては、例えば、ピリジルチオ基、ピリダジニルチオ基、ピリミジルチオ基、ピラジニルチオ基、トリアジニルチオ基等のヘテロアリールチオ基等が挙げられる。
アミノ基は、非置換のアミノ基並びにアルキル基、アリール基、アリールアルキル基及び1価の複素環基から選ばれる1又は2個の置換基で置換されたアミノ基(以下、置換アミノ基という。)を意味する。置換基は更に置換基(以下、二次置換基という場合がある。)を有していてもよい。置換アミノ基の炭素数は、二次置換基の炭素数を含めないで、通常1〜60、好ましくは2〜48、より好ましくは2〜40程度である。置換アミノ基としては、例えば、メチルアミノ基、ジメチルアミノ基、エチルアミノ基、ジエチルアミノ基、プロピルアミノ基、ジプロピルアミノ基、イソプロピルアミノ基、ジイソプロピルアミノ基、ブチルアミノ基、イソブチルアミノ基、s−ブチルアミノ基、t−ブチルアミノ基、ペンチルアミノ基、ヘキシルアミノ基、ヘプチルアミノ基、オクチルアミノ基、2−エチルヘキシルアミノ基、ノニルアミノ基、デシルアミノ基、3,7−ジメチルオクチルアミノ基、ドデシルアミノ基、シクロペンチルアミノ基、ジシクロペンチルアミノ基、シクロヘキシルアミノ基、ジシクロヘキシルアミノ基、ジトリフルオロメチルアミノ基、フェニルアミノ基、ジフェニルアミノ基、C1〜C12アルコキシフェニルアミノ基、ジ(C1〜C12アルコキシフェニル)アミノ基、C1〜C12アルキルフェニルアミノ基、ジ(C1〜C12アルキルフェニル)アミノ基、1−ナフチルアミノ基、2−ナフチルアミノ基、ペンタフルオロフェニルアミノ基、ピリジルアミノ基、ピリダジニルアミノ基、ピリミジルアミノ基、ピラジニルアミノ基、トリアジニルアミノ基、フェニル−C1〜C12アルキルアミノ基、C1〜C12アルコキシフェニル−C1〜C12アルキルアミノ基、ジ(C1〜C12アルコキシフェニル−C1〜C12アルキル)アミノ基、C1〜C12アルキルフェニル−C1〜C12アルキルアミノ基、ジ(C1〜C12アルキルフェニル−C1〜C12アルキル)アミノ基、1−ナフチル−C1〜C12アルキルアミノ基、2−ナフチル−C1〜C12アルキルアミノ基等が挙げられる。
シリル基は、非置換のシリル基並びにアルキル基、アリール基、アリールアルキル基及び1価の複素環基から選ばれる1、2又は3個の置換基で置換されたシリル基(以下、置換シリル基という。)を意味する。置換基は二次置換基を有していてもよい。置換シリル基の炭素数は、二次置換基の炭素数を含めないで、通常1〜60、好ましくは3〜48、より好ましくは3〜40程度である。置換シリル基としては、例えば、トリメチルシリル基、トリエチルシリル基、トリプロピルシリル基、トリ−イソプロピルシリル基、ジメチル−イソプロピルシリル基、ジエチル−イソプロピルシリル基、t−ブチルジメチルシリル基、ペンチルジメチルシリル基、ヘキシルジメチルシリル基、ヘプチルジメチルシリル基、オクチルジメチルシリル基、2−エチルヘキシル−ジメチルシリル基、ノニルジメチルシリル基、デシルジメチルシリル基、3,7−ジメチルオクチル−ジメチルシリル基、ドデシルジメチルシリル基、フェニル−C1〜C12アルキルシリル基、C1〜C12アルコキシフェニル−C1〜C12アルキルシリル基、C1〜C12アルキルフェニル−C1〜C12アルキルシリル基、1−ナフチル−C1〜C12アルキルシリル基、2−ナフチル−C1〜C12アルキルシリル基、フェニル−C1〜C12アルキルジメチルシリル基、トリフェニルシリル基、トリ−p−キシリルシリル基、トリベンジルシリル基、ジフェニルメチルシリル基、t−ブチルジフェニルシリル基、ジメチルフェニルシリル基等が挙げられる。
アシル基は、非置換のアシル基及びハロゲン原子等で置換されたアシル基を意味する。アシル基の炭素数は、通常1〜20、好ましくは2〜18、より好ましくは2〜16程度である。アシル基としては、例えば、ホルミル基、アセチル基、プロピオニル基、ブチリル基、イソブチリル基、ピバロイル基、ベンゾイル基、トリフルオロアセチル基、ペンタフルオロベンゾイル基等が挙げられる。
アシルオキシ基は、非置換のアシルオキシ基及びハロゲン原子等で置換されたアシルオキシ基を意味する。アシルオキシ基の炭素数は、通常1〜20、好ましくは2〜18、より好ましくは2〜16程度である。アシルオキシ基としては、例えば、ホルミルオキシ基、アセトキシ基、プロピオニルオキシ基、ブチリルオキシ基、イソブチリルオキシ基、ピバロイルオキシ基、ベンゾイルオキシ基、トリフルオロアセチルオキシ基、ペンタフルオロベンゾイルオキシ基等が挙げられる。
イミン残基は、式:H−N=C<及び式:−N=CH−の少なくとも一方で表される構造を有するイミン化合物から、この構造中の水素原子1個を除いた残基を意味する。このようなイミン化合物としては、例えば、アルジミン、ケチミン及びアルジミン中の窒素原子に結合した水素原子がアルキル基、アリール基、アリールアルキル基、アリールアルケニル基、アリールアルキニル基等で置換された化合物が挙げられる。イミン残基の炭素数は、通常2〜20、好ましくは2〜18、より好ましくは2〜16程度である。イミン残基としては、例えば、一般式:−CR'=N−R''又は一般式:−N=C(R'')2(式中、R'は水素原子、アルキル基、アリール基、アリールアルキル基、アリールアルケニル基、アリールアルキニル基を表し、R''は独立に、アルキル基、アリール基、アリールアルキル基、アリールアルケニル基、アリールアルキニル基を表し、ただし、R''が2個存在する場合、2個のR''は相互に結合し一体となって2価の基、例えば、エチレン基、トリメチレン基、テトラメチレン基、ペンタメチレン基、ヘキサメチレン基等の炭素数2〜18のアルキレン基として環を形成してもよい。)で表される基等が挙げられる。イミン残基の具体例としては、以下の構造式で示される基等が挙げられる。
Figure 2010171189
(式中、Meはメチル基を示す。)
アミド基は、非置換のアミド基及びハロゲン原子等で置換されたアミド基を意味する。アミド基の炭素数は、通常2〜20、好ましくは2〜18、より好ましくは2〜16程度である。アミド基としては、例えば、ホルムアミド基、アセトアミド基、プロピオアミド基、ブチロアミド基、ベンズアミド基、トリフルオロアセトアミド基、ペンタフルオロベンズアミド基、ジホルムアミド基、ジアセトアミド基、ジプロピオアミド基、ジブチロアミド基、ジベンズアミド基、ジトリフルオロアセトアミド基、ジペンタフルオロベンズアミド基等が挙げられる。
酸イミド基は、酸イミドからその窒素原子に結合した水素原子を除いて得られる残基を意味する。酸イミド基の炭素数は、通常4〜20、好ましくは4〜18、より好ましくは4〜16程度である。酸イミド基としては、例えば、以下に示す基等が挙げられる。
Figure 2010171189
(式中、Meはメチル基を示す。)
カルボキシル基は、非置換のカルボキシル基並びにアルキル基、アリール基、アリールアルキル基、1価の複素環基等の置換基で置換されたカルボキシル基(以下、置換カルボキシル基という。)を意味する。置換基は二次置換基を有していてもよい。置換カルボキシル基の炭素数は、二次置換基の炭素数を含めないで、通常1〜60、好ましくは2〜48、より好ましくは2〜45程度である。置換カルボキシル基としては、例えば、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、プロポキシカルボニル基、イソプロポキシカルボニル基、ブトキシカルボニル基、イソブトキシカルボニル基、s−ブトキシカルボニル基、t−ブトキシカルボニル基、ペンチルオキシカルボニル基、ヘキシルオキシカルボニル基、シクロヘキシルオキシカルボニル基、ヘプチルオキシカルボニル基、オクチルオキシカルボニル基、2−エチルヘキシルオキシカルボニル基、ノニルオキシカルボニル基、デシロキシカルボニル基、3,7−ジメチルオクチルオキシカルボニル基、ドデシルオキシカルボニル基、トリフルオロメトキシカルボニル基、ペンタフルオロエトキシカルボニル基、パーフルオロブトキシカルボニル基、パーフルオロヘキシルオキシカルボニル基、パーフルオロオクチルオキシカルボニル基、フェノキシカルボニル基、ナフトキシカルボニル基、ピリジルオキシカルボニル基等が挙げられる。
<有機EL素子>
図1は本発明の一実施形態である有機EL素子の構造を示す模式断面図である。この有機EL素子は、基板1の上に形成された陽極2と、陰極3と、前記陽極および陰極の間において陽極に接して配置された第一の層4と、前記陽極および陰極の間に配置され、発光材料を含有する第二の層5、及び正孔輸送材料を含有する第三の層6を有している。
有機EL素子は、通常、各層の構成材料を基板上に順次積層することによって形成される。
第二の層5は、後述するように、通常、発光層である。陰極3と発光層との間に設けられる層(図1には非表示)としては、電子注入層、電子輸送層、正孔ブロック層などを挙げることができる。陰極3と発光層との間に電子注入層と電子輸送層との両方の層が設けられる場合、陰極に接する層を電子注入層といい、この電子注入層を除く層を電子輸送層という。
電子注入層は、陰極からの電子注入効率を改善する機能を有する層である。電子輸送層は、陰極、電子注入層または陰極により近い電子輸送層からの電子注入を改善する機能を有する層である。正孔ブロック層は、正孔の輸送を堰き止める機能を有する層である。なお電子注入層、及び/又は電子輸送層が正孔の輸送を堰き止める機能を有する場合には、これらの層が正孔ブロック層を兼ねることがある。
正孔ブロック層が正孔の輸送を堰き止める機能を有することは、例えばホール電流のみを流す素子を作製し、その電流値の減少で堰き止める効果を確認することが可能である。
陽極2と発光層との間に設けられる層としては、正孔注入層、正孔輸送層、電子ブロック層などを挙げることができる。陽極2と発光層との間に、一層のみが設けられる場合には、該層を、通常、正孔注入層という。陽極と発光層との間に、正孔注入層と正孔輸送層との両方の層が設けられる場合、陽極に接する層を正孔注入層といい、この正孔注入層を除く層を正孔輸送層という。なお本実施の形態における第一の層4は、正孔注入層に相当する。また本実施の形態における第三の層6は、正孔輸送層に相当する。
正孔注入層は、陽極からの正孔注入効率を改善する機能を有する層である。正孔輸送層は、陽極、正孔注入層または陽極により近い正孔輸送層からの正孔注入を改善する機能を有する層である。電子ブロック層は、電子の輸送を堰き止める機能を有する層である。なお正孔注入層、及び/又は正孔輸送層が電子の輸送を堰き止める機能を有する場合には、これらの層が電子ブロック層を兼ねることがある。
電子ブロック層が電子の輸送を堰き止める機能を有することは、例えば、電子電流のみを流す素子を作製し、その電流値の減少で堰き止める効果を確認することが可能である。
なお、電子注入層および正孔注入層を総称して電荷注入層と言う場合があり、電子輸送層および正孔輸送層を総称して電荷輸送層と言う場合がある。
有機EL素子のとりうる層構成の一例を以下に示す。
a)陽極/正孔注入層(第一の層)/発光層(第二の層)/陰極
b)陽極/正孔注入層(第一の層)/発光層(第二の層)/電子注入層/陰極
c)陽極/正孔注入層(第一の層)/発光層(第二の層)/電子輸送層/陰極
d)陽極/正孔注入層(第一の層)/発光層(第二の層)/電子輸送層/電子注入層/陰極
e)陽極/正孔注入層(第一の層)/正孔輸送層/発光層(第二の層)/陰極
f)陽極/正孔注入層(第一の層)/正孔輸送層/発光層(第二の層)/電子注入層/陰極
g)陽極/正孔注入層(第一の層)/正孔輸送層/発光層(第二の層)/電子輸送層/陰極
h)陽極/正孔注入層(第一の層)/正孔輸送層/発光層(第二の層)/電子輸送層/電子注入層/陰極
(ここで、記号「/」は、記号「/」を挟む各層が隣接して積層されていることを示す。以下同じ。)
有機EL素子は、2層以上の発光層を有していてもよい。a)〜h)に示す各構成において、陽極と陰極とに挟持された層を「繰り返し単位A」とすると、2層の発光層を有する有機EL素子としては、以下のi)に示す素子構成を挙げることができる。
i)陽極/(繰り返し単位A)/電荷発生層/(繰り返し単位A)/陰極
また「(繰り返し単位A)/電荷発生層」を「繰り返し単位B」とすると、3層以上の発光層を有する有機EL素子としては、具体的には、以下のj)に示す素子構成を挙げることができる。
j)陽極/(繰り返し単位B)m/(繰り返し単位A)/陰極
ここで記号「m」は2以上の整数を表し、「(繰り返し単位B)m」は、(繰り返し単位B)を「m」段積層した構成を表す。電荷発生層とは電界を印加することにより、正孔と電子とが発生する層である。電荷発生層としては、例えば酸化バナジウム、インジウムスズ酸化物(Indium Tin Oxide:略称ITO)、酸化モリブデンなどから成る薄膜を用いることができる。
有機EL素子は、さらに封止のための封止膜または封止板などの封止部材で覆われていてもよい。有機EL素子を基板に設ける場合は、通常基板側に陽極が配置されるが、基板側に陰極を配置するようにしてもよい。
本実施の形態の有機EL素子は、内部で発生した光を外に取出すために、通常、発光層を基準にして光が取出される側に配置される全ての層を透明なものとしている。本明細書において、「所定の部材が透明である」とは、所定の部材に入射した光の少なくとも一部が所定の部材を透過することを表す。
以下、本実施の好ましい一形態として、前記e)の構成の有機EL素子(図1)について説明する。
(基板1)
有機EL素子が設けられる基板1は、有機EL素子を形成する際に変化しないものであればよい。このような基板としては、例えば、ガラス、プラスチック、シリコン等の基板が例示される。
(陽極2)
有機EL素子においては、陽極又は陰極の少なくともいずれか一方が透明又は半透明であれば、発生した光を透明又は半透明の一方の電極から取出すことができるので、光の取出し効率がよく好ましい。陽極は、第一の層を形成する前に、UVオゾン処理されていることが好ましい。また陽極および陰極のうちの陽極が基板寄りに配置されるとともに、基板側から光が取出される素子構成の場合、陽極が透明又は半透明であることが好ましい。
陽極2には、酸化インジウム、酸化亜鉛、酸化スズ、インジウムスズ酸化物(Indium Tin Oxide:略称ITO)、インジウム亜鉛酸化物(Indium Zinc Oxide:略称IZO)、金、白金、銀、銅、モリブデン、酸化モリブデン等が用いられ、ITO、IZO、酸化スズ、モリブデン、酸化モリブデン等の導電性の無機酸化物が好ましい。また、該陽極として、ポリアニリン若しくはその誘導体、ポリチオフェン若しくはその誘導体等の有機の透明導電膜を用いてもよい。
陽極の膜厚は、光の透過性と電気伝導度とを考慮して、適宜選択することができ、例えば10nm〜10μmであり、好ましくは20nm〜1μmであり、さらに好ましくは50nm〜500nmである。
陽極の作製方法としては、真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法、メッキ法等が挙げられる。
(第一の層4)
本実施の形態では、第一の層4を陽極上に形成する。第一の層は、上記式(1)で表される有機物を前記陽極に付着させ、付着した有機物を紫外線オゾン処理して形成される。ここでいう層は、必ずしも断面を観察することで認識可能な連続層に限定されず、化学修飾層や単分子層のような、技術常識によって存在が認められている層も含まれる。それゆえ、上記「付着させる」操作には、有機物を陽極表面に接触させた後洗浄する操作を含んでいてもよい。有機物の官能基が陽極表面の官能基と相互作用する場合は、普通に洗浄しても陽極の表面に有機物が残存し、有機物の層が形成されているからである。
有機物を陽極表面に接触させた後洗浄する実施形態は、換言すれば、陽極表面を式(1)で表される有機物の分子で化学的に修飾することになる。
陽極の表面に式(1)で表される有機物の層を形成する方法としては、特に制限は無いが、(i)塗布方法などにより陽極上に薄膜を形成する方法、および(ii)陽極を溶液に浸漬させる方法等がある。
塗布法により薄膜を形成する場合、式(1)で表される有機物を溶媒に溶解又は分散させた溶液又は分散液を用いる。前記化合物を溶解又は分散させる溶媒又は分散媒としては、クロロホルム、塩化メチレン、1,2−ジクロロエタン、1,1,2−トリクロロエタン、クロロベンゼン、o−ジクロロベンゼン等の塩素系溶媒;テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル系溶媒;トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素系溶媒;シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、n−ペンタン、n−ヘキサン、n−へプタン、n−オクタン、n−ノナン、n−デカン等の脂肪族炭化水素系溶媒;アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン系溶媒;酢酸エチル、酢酸ブチル、エチルセルソルブアセテート等のエステル系溶媒;エチレングリコール、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテル、ジメトキシエタン、プロピレングリコール、ジエトキシメタン、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、グリセリン、1,2−ヘキサンジオール等の多価アルコール及びその誘導体;メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、シクロヘキサノール等のアルコール系溶媒;ジメチルスルホキシド等のスルホキシド系溶媒;水等が例示される。なお、前記溶媒又は分散媒は、一種単独で用いても二種以上を混合したものを用いてもよい。
(i)式(1)で表される有機物を含む溶液を陽極上に塗布し、薄膜を形成する方法としては、スピンコート法、キャスティング法、マイクログラビアコート法、グラビアコート法、バーコート法、ロールコート法、ワイアーバーコート法、ディップコート法、スプレーコート法、スクリーン印刷法、フレキソ印刷法、オフセット印刷法、インクジェットプリント法、ノズルコート法、キャピラリコート法等の塗布法を用いることができる。適切な厚みの薄膜を形成するための溶液の濃度は、塗布法によって異なるため、適宜調整する必要がある。例えば、スピンコート法を用いる場合、溶液における式(1)で表される有機物の濃度は0.001〜10mmol/lが好ましい。
上記で示した適切な塗布方法を用いて式(1)で表される有機物を陽極上に塗布し、静置することにより、式(1)で表される有機物を陽極に付着させることができる。このように式(1)で表される有機物を陽極に塗布することにより、陽極の表面に存在する基と式(1)のSG基とが反応して結合し、式(1)で表される有機物を陽極に付着させることができる。さらに、式(1)で表される有機物を陽極上に塗布した後に、加熱処理などにより前記反応を促進または完結させてもよい。なお式(1)で表される有機物を陽極に付着させた後、陽極上に残存する未反応の有機物を適切な洗浄方法により除去することが好ましい。例えば上記有機物を溶解可能な溶媒で陽極を洗浄することにより、未反応の有機物を除去することができ、具体的には適当な溶媒を用いてスピン洗浄法を用いて陽極上に残存する未反応の有機物を除去することができる。
(ii)陽極を溶液に浸漬させる方法により陽極に薄膜を形成する場合、式(1)で表される有機物を溶媒又は分散媒に溶解又は分散させた溶液に陽極を所定の時間浸漬させることにより、式(1)で表される有機物を陽極に付着させることができる。このように式(1)で表される有機物を含む溶液に陽極を浸漬することにより、陽極の表面に存在する基と式(1)のSG基とが反応して結合し、式(1)で表される有機物を陽極に付着させることができる。式(1)で表される有機物を陽極に付着させた後、陽極を溶液から取り出し、さらに陽極上に残留する未反応の有機物を例えば前述した方法により洗浄し除去することが好ましい。
式(1)のMは、x価の有機基であれば特に制限はない。x価の有機基とは、有機化合物から水素原子x個を除いた原子団をいう。ここでxは、1以上の整数を表す。x価の有機基としては、アルカンから水素原子x個を除いた原子団、x価の芳香族基、x価の複素環基を挙げることができ、アルキル基、アルケニル基、アリール基、アリーレン基、アリールアルキル基、アリールアルケニル基、アリールアルキニル基、1価の複素環基、および2価の複素環基が好ましい。
式(1)のGは、それぞれ独立に、水素原子、アルキル基、アリール基、アリールアルキル基、アリールアルケニル基、アリールアルキニル基又はシアノ基を示す。これらのなかでも式(1)のGとしては、アルキル基、水素原子が好ましく、水素原子がより好ましい。
式(1)のxは、1以上の整数であり、1〜3の整数であることが好ましく、陽極との反応性の観点からは2であることが好ましい。
式(1)で表される有機物の例としては以下のものがあげられる。
Figure 2010171189
Figure 2010171189
Figure 2010171189
次に、UV(紫外線)オゾン処理について説明する。
本実施の形態では、式(1)で表される有機物を陽極に付着させることにより該陽極上に形成された薄膜(以下、非処理層という場合がある)にUV(紫外線)を照射し、空気中の酸素をオゾンに変化させ、このオゾン及び紫外線により非処理層を改質するUVオゾン処理を行う。UV光源は、UV照射により酸素をオゾンに変化させることができるものであれば特に制限されない。UV光源としては、低圧水銀ランプが挙げられる。低圧水銀ランプは波長が185nmと254nmのUV光を主に発生する。この低圧水銀ランプから発生した185nm線が酸素をオゾンに変化させることができる。UVとオゾンとの相乗効果で生ずる強力な酸化力により、非処理層の表面を改質し、正孔注入効率の高い第一の層を形成することができる。照射の際の照度は、用いる光源により異なるが、一般的に数十〜数百mW/cm2である。また、集光や拡散することで照度を調整することができる。照射時間は、ランプの照度及び前記非処理層の種類により異なるが、通常、1分〜24時間である。処理温度は、通常、10〜200℃である。また、UVの照射量(即ち、紫外線量)(J/cm2)は、好ましくは1J/cm2以上であり、より好ましくは1J/cm2〜100000J/cm2であり、より好ましくは10J/cm2〜100000J/cm2であり、さらに好ましくは100J/cm2〜100000J/cm2であり、特に好ましくは1000J/cm2〜100000J/cm2である。
第一の層の平均膜厚が厚い場合、陽極からのホール注入が十分に行われず、駆動電圧が上昇したり、耐久性が低下したりすることがある。このような観点から第一の層の平均膜厚は、10nm以下が好ましく、正孔注入性および正孔輸送性の観点から、好ましくは0.1〜10nmであり、より好ましくは1.0〜5.0nmである。
(第三の層6)
本実施の形態では第三の層6を第一の層上に形成する。第三の層には、正孔輸送材料が含まれる。正孔輸送材料は、高分子化合物でも低分子化合物でもよいが、高分子化合物が好ましい。正孔輸送材料としては、後述の発光材料の項で挙げる文献に記載のポリフルオレン、その誘導体及び共重合体、ポリアリーレン、その誘導体及び共重合体、ポリアリーレンビニレン、その誘導体及び共重合体、芳香族アミン及びその誘導体の(共)重合体等が挙げられる。
高分子化合物の正孔輸送材料としては、さらに、ポリビニルカルバゾール及びその誘導体、ポリシラン及びその誘導体、側鎖又は主鎖に芳香族アミンを有するポリシロキサン誘導体、ポリアニリン及びその誘導体、ポリチオフェン及びその誘導体、ポリピロール及びその誘導体、ポリ(2,5−チエニレンビニレン)及びその誘導体等も挙げられる。また、低分子化合物の正孔輸送材料としては、ピラゾリン誘導体、アリールアミン誘導体、スチルベン誘導体、トリフェニルジアミン誘導体等が挙げられる。
高分子化合物の正孔輸送材料としては、より具体的には、主鎖に芳香族アミン骨格からなる繰り返し単位を含む高分子化合物が挙げられる。この高分子化合物中の全繰り返し単位に対して前記芳香族アミン骨格からなる繰り返し単位を30〜100モル%含有することが好ましく、正孔輸送性をより向上させる観点から、40〜100モル%含有することがより好ましく、50〜85モル%含有することがさらに好ましい。
高分子化合物の正孔輸送材料は、前記芳香族アミン骨格からなる繰り返し単位のほかに、その他の芳香族炭素環及び/又は芳香族複素環を有する共役系化合物残基からなる繰り返し単位を含んでいてもよい。
前記芳香族アミン骨格からなる繰り返し単位としては、上記式(2)で表されるものが好ましい。
本実施の形態における第三の層は、第一の層と第二の層の間においてそれぞれに接して設けられることが好ましく、さらに上記した正孔輸送材料の中でも、前記式(2)で表される繰り返し単位を含む材料を含有することが好ましい。また正孔注入性の観点から、その表面に第一の層が形成された陽極における第一の層側の表面部のHOMOエネルギーと、前記正孔輸送材料のHOMOエネルギーとの差が、0.5eV以下であることが好ましく、0.3eV以下であることがより好ましい。
前記式(2)中、アリーレン基、2価の複素環基としては、後述する式(3)〜(6)の項で例示するものと同様のものを挙げることができる。
前記式(2)で表される繰り返し単位の具体例としては、下記式で表されるものが挙げられる。
Figure 2010171189
上記式中、芳香環上の水素原子は、独立に、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数7〜26のフェニルアルキル基、炭素数7〜26のフェニルアルコキシ基、フェニル基、フェノキシ基、炭素数7〜26のアルキル基置換フェニル基、炭素数7〜26のアルコキシ基置換フェニル基、炭素数2〜21のアルキルカルボニル基、ホルミル基、炭素数2〜21のアルコキシカルボニル基、又はカルボキシル基で置換されていてもよい。また、2つの置換基が存在する場合、それらが互いに結合して環を形成していてもよい。
前記フェニルアルキル基としては、例えば、炭素数が、通常7〜26、好ましくは11〜21、より好ましくは14〜18のものが挙げられ、具体的には、例えば、フェニルメチル基、フェニルエチル基、フェニルプロピル基、フェニルブチル基、フェニルペンチル基、フェニルヘキシル基、フェニルヘプチル基、フェニルオクチル基、フェニルノニル基、フェニルデシル基、フェニルドデシル基等が挙げられる。
前記フェニルアルコキシ基としては、例えば、炭素数が、通常7〜26、好ましくは11〜21、より好ましくは14〜18のものが挙げられ、具体的には、例えば、フェニルメトキシ基、フェニルエトキシ基、フェニルプロピルオキシ基、フェニルブトキシ基、フェニルペンチルオキシ基、フェニルヘキシルオキシ基、フェニルヘプチルオキシ基、フェニルオクチルオキシ基、フェニルノニルオキシ基、フェニルデシルオキシ基、フェニルドデシルオキシ基等が挙げられる。
前記アルキル基置換フェニル基とは、フェニル基上の1つ以上の水素原子が炭素数1〜20のアルキル基で置換された基、即ち、モノアルキルフェニル基、ジアルキルフェニル基、トリアルキルフェニル基、テトラアルキルフェニル基、及びペンタアルキルフェニル基をいう。アルキル基置換フェニル基としては、例えば、炭素数が、通常7〜26、好ましくは11〜21、より好ましくは14〜18のものが挙げられ、具体的には、例えば、モノ、ジ、トリ、テトラ、又はペンタメチルフェニル基;モノ、ジ、トリ、テトラ、又はペンタエチルフェニル基;モノ、ジ、トリ、テトラ、又はペンタプロピルフェニル基;モノ、ジ、トリ、テトラ、又はペンタイソプロピルフェニル基;モノ、ジ、トリ、テトラ、又はペンタブチルフェニル基;モノ、ジ、トリ、テトラ、又はペンタイソブチルフェニル基;モノ、ジ、トリ、テトラ、又はペンタ−s−ブチルフェニル基;モノ、ジ、トリ、テトラ、又はペンタ−t−ブチルフェニル基;モノ、ジ、トリ、テトラ、又はペンタペンチルフェニル基;モノ、ジ、トリ、テトラ、又はペンタイソアミルフェニル基;モノ、ジ、トリ、テトラ、又はペンタヘキシルフェニル基;モノ、ジ、トリ、テトラ、又はペンタヘプチルフェニル基;モノ、ジ、トリ、テトラ、又はペンタオクチルフェニル基;モノ、ジ、トリ、テトラ、又はペンタ(2−エチルヘキシル)フェニル基;モノ、ジ、トリ、テトラ、又はペンタノニルフェニル基;モノ、ジ、トリ、テトラ、又はペンタデシルフェニル基;モノ、ジ、トリ、テトラ、又はペンタ(3,7−ジメチルオクチル)フェニル基;モノ、ジ、トリ、テトラ、又はペンタドデシルフェニル基等が挙げられる。
前記アルコキシ基置換フェニル基とは、フェニル基上の1つ以上の水素原子が炭素数1〜20のアルコキシ基で置換された基、即ち、モノアルコキシフェニル基、ジアルコキシフェニル基、トリアルコキシフェニル基、テトラアルコキシフェニル基、及びペンタアルコキシフェニル基をいう。アルコキシ基置換フェニル基としては、例えば、炭素数が、通常7〜26、好ましくは11〜21、より好ましくは14〜18のものが挙げられ、具体的には、例えば、モノ、ジ、トリ、テトラ、又はペンタメトキシフェニル基;モノ、ジ、トリ、テトラ、又はペンタエトキシフェニル基;モノ、ジ、トリ、テトラ、又はペンタプロピルオキシフェニル基;モノ、ジ、トリ、テトラ、又はペンタイソプロピルオキシフェニル基;モノ、ジ、トリ、テトラ、又はペンタブトキシフェニル基;モノ、ジ、トリ、テトラ、又はペンタイソブトキシフェニル基;モノ、ジ、トリ、テトラ、又はペンタ−s−ブトキシフェニル基;モノ、ジ、トリ、テトラ、又はペンタ−t−ブトキシフェニル基;モノ、ジ、トリ、テトラ、又はペンタペンチルオキシフェニル基;モノ、ジ、トリ、テトラ、又はペンタヘキシルオキシフェニル基;モノ、ジ、トリ、テトラ、又はペンタヘプチルオキシフェニル基;モノ、ジ、トリ、テトラ、又はペンタオクチルオキシフェニル基;モノ、ジ、トリ、テトラ、又はペンタ(2−エチルヘキシルオキシ)フェニル基;モノ、ジ、トリ、テトラ、又はペンタノニルオキシフェニル基;モノ、ジ、トリ、テトラ、又はペンタデシルオキシフェニル基;モノ、ジ、トリ、テトラ、又はペンタ(3,7−ジメチルオクチルオキシ)フェニル基;モノ、ジ、トリ、テトラ、又はペンタドデシルオキシフェニル基等が挙げられる。
前記アルキルカルボニル基としては、例えば、炭素数が、通常2〜21、好ましくは5〜15、より好ましくは8〜12のものが挙げられ、具体的には、例えば、アセチル基、プロピオニル基、ブチリル基、イソブチリル基、ペンタノイル基、ヘキサノイル基、ヘプタノイル基、オクタノイル基、2−エチルヘキサノイル基、ノナノイル基、デカノイル基、3,7−ジメチルオクタノイル基、ドデカノイル基等が挙げられる。
前記アルコキシカルボニル基としては、例えば、炭素数が、通常2〜21、好ましくは5〜15、より好ましくは8〜12のものが挙げられ、具体的には、例えば、メトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、プロピルオキシカルボニル基、イソプロピルオキシカルボニル基、ブトキシカルボニル基、イソブトキシカルボニル基、s−ブトキシカルボニル基、t−ブトキシカルボニル基、ペンチルオキシカルボニル基、ヘキシルオキシカルボニル基、ヘプチルオキシカルボニル基、オクチルオキシカルボニル基、2−エチルヘキシルオキシカルボニル基、ノニルオキシカルボニル基、デシルオキシカルボニル基、3,7−ジメチルオクチルオキシカルボニル基、ドデシルオキシカルボニル基等が挙げられる。
前記式(2)で表される繰り返し単位としては、下記式(7):
Figure 2010171189
(式中、R9、R10及びR11は、独立に、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数1〜20のアルコキシ基、炭素数7〜26のフェニルアルキル基、炭素数7〜26のフェニルアルコキシ基、フェニル基、フェノキシ基、炭素数7〜26のアルキル基置換フェニル基、炭素数7〜26のアルコキシ基置換フェニル基、炭素数2〜21のアルキルカルボニル基、ホルミル基、炭素数2〜21のアルコキシカルボニル基、又はカルボキシル基を表す。R9中の炭素原子とR10中の炭素原子は直接結合して、又は酸素原子若しくは硫黄原子を介して結合して縮合環を形成していてもよい。x及びyは独立に0〜4の整数であり、zは1又は2であり、sは0〜5の整数である。R9、R10及びR11の少なくとも1種が複数存在する場合には、その複数存在する基は同一であっても異なっていてもよい。)
で表されるものが好ましい。
前記式(7)中のR9中の炭素原子とR10中の炭素原子は直接結合して、又は酸素原子若しくは硫黄原子を介して結合して縮合環を形成する場合、その環としては、例えば、置換基を有していてもよいC5〜C14の複素環が挙げられる。該複素環としては、例えば、モルホリン環、チオモルホリン環、ピロール環、ピペリジン環、ピペラジン環等が挙げられる。
前記式(7)で表される繰り返し単位の具体例としては、下記式(7−1)〜(7−10)で表される繰り返し単位が挙げられる。
Figure 2010171189
Figure 2010171189
前記式(7)で表される繰り返し単位としては、下記式(8):
Figure 2010171189
(式中、R12は、炭素数1〜20のアルキル基を表し、sは0〜5の整数である。R12が複数存在する場合には、それらは同一であっても異なっていてもよい。)
で表されるものが、溶媒への溶解性等の観点から好ましい。
前記高分子化合物の末端部分は、重合活性基がそのまま残っていると、素子の作製に用いた場合、得られる素子の発光特性や寿命が低下する可能性があるので、安定な保護基で保護されていることが好ましい。保護基としては主鎖の共役構造と連続した共役結合を有しているものが好ましく、例えば、炭素−炭素結合を介してアリール基又は1価の複素環基が主鎖と結合している構造が挙げられる。具体的には、特開平9-45478号公報の化10に記載の置換基等が例示される。
前記主鎖に芳香族アミン骨格からなる繰り返し単位を含有する高分子化合物は、上記芳香族アミン骨格からなる繰り返し単位の少なくとも1種と共に下記式(9)で表される繰り返し単位の少なくとも1種を主鎖に含むことが、最大発光効率や素子寿命等の素子特性の観点から好ましい。
Figure 2010171189
(式中、Ar14はアリーレン基を表す。)
前記式(9)中、アリーレン基としては、後記する式(3)〜(6)の項で例示するものと同様のものを挙げることができる。
前記式(9)で表される繰り返し単位の中では、輝度半減寿命の観点から、下記式(10)で表される繰り返し単位が好ましい。
Figure 2010171189
(式中、R13及びR14はそれぞれ独立に、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アリール基、アリールオキシ基、アリールチオ基、アリールアルキル基、アリールアルコキシ基、アリールアルキルチオ基、アリールアルケニル基、アリールアルキニル基、1価の複素環基、複素環チオ基、アミノ基、シリル基、アシル基、アシルオキシ基、イミン残基、アミド基、酸イミド基、カルボキシル基、シアノ基又はニトロ基を表し、h及びiはそれぞれ独立に、0〜3の整数を表し、R15及びR16はそれぞれ独立に、水素原子、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アリール基、アリールオキシ基、アリールチオ基、アリールアルキル基、アリールアルコキシ基、アリールアルキルチオ基、アリールアルケニル基、アリールアルキニル基、1価の複素環基、複素環チオ基、アミノ基、シリル基、アシル基、アシルオキシ基、イミン残基、アミド基、酸イミド基、カルボキシル基、シアノ基又はニトロ基を表す。R13及びR14が複数存在する場合、各々、同一であっても異なっていてもよい。)
前記式(10)中、h及びiは、原料モノマーの合成の容易さの観点から、0又は1であることが好ましく、0であることが特に好ましい。
前記式(10)中、R15及びR16は、原料モノマーの合成の容易さの観点から、アルキル基又はアリール基であることが好ましい。
前記式(10)で表される繰り返し単位の具体例としては、下記式(10−1)〜(10−8)で表されるものが挙げられる。
Figure 2010171189
前記主鎖に芳香族アミン骨格からなる繰り返し単位を含有する高分子化合物は、数平均分子量がポリスチレン換算で103〜108程度であることが好ましく、104〜106
程度であることがより好ましい。
なお、本発明においてポリスチレン換算の「数平均分子量」及び「重量平均分子量」は、サイズエクスクルージョンクロマトグラフィー(SEC)(島津製作所製、商品名:LC−10Avp)を用いて求める。また、測定する試料は、約0.5重量%の濃度になるようにテトラヒドロフランに溶解させ、SECに50μL注入する。更に、SECの移動相としてはテトラヒドロフランを用い、0.6mL/分の流速で流す。また、カラムとしては、TSKgel SuperHM−H(東ソー製)2本とTSKgel SuperH2000(東ソー製)1本を直列に繋げたものを用いる。また、検出器には示差屈折率検出器(島津製作所製、商品名:RID−10A)を用いる。
主鎖に芳香族アミン骨格からなる繰り返し単位を含有する高分子化合物の合成方法としては、例えば、所望の高分子化合物に応じたモノマーからSuzukiカップリング反応により重合する方法、Grignard反応により重合する方法、Ni(0)触媒により重合する方法、FeCl3等の酸化剤により重合する方法、電気化学的に酸化重合する方法、適切な脱離基を有する中間体高分子化合物の分解による方法等が挙げられる。これらのうち、Suzukiカップリング反応により重合する方法、Grignard反応により重合する方法、Ni(0)触媒により重合する方法が、反応制御が容易である点で好ましい。
前記反応においては、反応促進のために、適宜、アルカリ、適切な触媒を添加することができる。これらアルカリ、適切な触媒は、反応の種類に応じて選択すればよいが、反応に用いる溶媒に十分に溶解するものが好ましい。アルカリとしては、例えば、炭酸カリウム、炭酸ナトリウム等の無機塩基;トリエチルアミン、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド等の有機塩基;フッ化セシウム等の無機塩が挙げられる。触媒としては、例えば、テトラキス(トリフェニルホスフィン)パラジウム、パラジウムアセテート類が挙げられる。
主鎖に芳香族アミン骨格からなる繰り返し単位を含有する高分子化合物の純度は、素子の発光特性に影響を与えるため、重合前のモノマーを蒸留、昇華精製、再結晶等の方法で精製した後に重合させることが好ましく、また、合成後、再沈精製、クロマトグラフィーによる分別等の純化処理をすることが好ましい。
前記反応に用いられる溶媒としては、例えば、ペンタン、ヘキサン、ヘプタン、オクタン、シクロヘキサン等の飽和炭化水素;ベンゼン、トルエン、エチルベンゼン、キシレン等の芳香族炭化水素;四塩化炭素、クロロホルム、ジクロロメタン、クロロブタン、ブロモブタン、クロロペンタン、ブロモペンタン、クロロヘキサン、ブロモヘキサン、クロロシクロヘキサン、ブロモシクロヘキサン等のハロゲン化飽和炭化水素;クロロベンゼン、ジクロロベンゼン、トリクロロベンゼン等のハロゲン化芳香族炭化水素;メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、t−ブチルアルコール等のアルコール類;蟻酸、酢酸、プロピオン酸等のカルボン酸類;ジメチルエーテル、ジエチルエーテル、メチル−t−ブチルエーテル、テトラヒドロフラン、テトラヒドロピラン、ジオキサン等のエーテル類;塩酸、臭化水素酸、フッ化水素酸、硫酸、硝酸等の無機酸等が挙げられる。これらの溶媒は、一種単独で用いても二種以上を併用してもよい。
反応後は、例えば、水でクエンチした後に有機溶媒で抽出し、該有機溶媒を留去する等の通常の後処理で、粗製の高分子化合物を得ることができる。また、上記のとおり、高分子化合物の単離及び精製はクロマトグラフィーによる分取、再結晶等の方法により行うことができる。
前記高分子化合物の合成方法の具体例としては、下記式(11)で表される化合物を単独で、又は、下記式(11)で表される化合物と下記式(12)で表される化合物とを、上記の方法により重合させる方法が挙げられる。
Figure 2010171189
Figure 2010171189
(式中、Ar1〜Ar7、Ar14は前記のとおりであり、X1〜X4は独立に、ハロゲン原子、アルキルスルホ基、アリールスルホ基、アリールアルキルスルホ基、ホウ酸エステル残基、スルホニウムメチル基、ホスホニウムメチル基、ホスホネートメチル基、モノハロゲン化メチル基、ホウ酸残基(−B(OH)2)、ホルミル基、又はビニル基を表す。)
前記式(11)又は(12)で表される化合物の合成上の観点及び反応のし易さの観点から、X1〜X4は独立に、ハロゲン原子、アルキルスルホ基、アリールスルホ基、ア
リールアルキルスルホ基、ホウ酸エステル残基、又はホウ酸残基であることが好ましい。
アルキルスルホ基としては、メタンスルホ基、エタンスルホ基、トリフルオロメタンスルホ基等が例示される。アリールスルホ基としては、ベンゼンスルホ基、p−トルエンスルホ基等が例示される。アリールアルキルスルホ基としては、ベンジルスルホ基等が例示される。
ホウ酸エステル残基としては、例えば、下記式で示される基が挙げられる。
Figure 2010171189
(式中、Meはメチル基を示し、Etはエチル基を示す。)
スルホニウムメチル基としては、下記式で示される基が例示される。
Figure 2010171189
(式中、αはハロゲン原子を示し、Meはメチル基を示し、Phはフェニル基を示す。)
ホスホニウムメチル基としては、下記式で示される基が例示される。
Figure 2010171189
(式中、αはハロゲン原子を示し、Phはフェニル基を示す。)
ホスホネートメチル基としては、下記式で示される基が例示される。
Figure 2010171189
(式中、R17はアルキル基、アリール基、アリールアルキル基を示す。)
モノハロゲン化メチル基としては、フッ化メチル基、塩化メチル基、臭化メチル基又はヨウ化メチル基が例示される。
また、主鎖に芳香族アミン骨格からなる繰り返し単位を含む高分子化合物を含有する第三の層に別の層、例えば、正孔と電子の再結合で発光する発光層を積層する際に、共通の溶媒による両層の混合や第三の層の溶出を防止するために、該第三の層を不溶化することが好ましい。不溶化する処理としては、可溶性の前駆体や可溶性の置換基を有する高分子を用いて、熱処理により前駆体を共役系高分子に転換したり、該置換基を分解することで溶解性を低下させたりして不溶化する方法や、架橋性基を分子内に有する正孔輸送性高分子を用いる方法、熱、光、電子線等により架橋反応を生ずるモノマーやマクロマーを混合する方法等が例示される。特に、架橋性基を分子内に有する主鎖に芳香族アミン骨格からなる繰り返し単位を含有する高分子化合物を用いることが好ましい。
前記架橋性基を分子内に有する主鎖に芳香族アミン骨格からなる繰り返し単位を含有する高分子化合物としては、側鎖に架橋性基を有する前記主鎖に芳香族アミン骨格からなる繰り返し単位を含有する高分子化合物が例示される。このような架橋性基としては、例えば、ビニル基、アセチレン基、ブテニル基、アクリル基、アクリレート基、アクリルアミド基、メタクリル基、メタクリレート基、メタクリルアミド基、ビニルエーテル基、ビニルアミノ基、シラノール基、小員環(例えば、シクロプロピル基、シクロブチル基、エポキシ基、オキセタン基、ジケテン基、エピスルフィド基等)を有する基、ラクトン基、ラクタム基、シロキサン誘導体を含有する基等がある。また、これらの基の他に、エステル結合やアミド結合を形成可能な基の組み合わせ等も用いることができる。例えば、エステル基とアミノ基、エステル基とヒドロキシル基等の組み合わせである。更に、WO97/09394公開明細書記載のベンゾシクロブタン構造を含む基等も例示される。その中でも、とりわけアクリレート基又はメタクリレート基が好ましい。
アクリレート基又はメタクリレート基を有する単官能モノマーの具体例としては、2−エチルヘキシルカルビトールアクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート等が挙げられる。アクリレート基又はメタクリレート基を有する2官能モノマーの具体例としては、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジメタクリレート、エチレングリコールジアクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジメタクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、3−メチルペンタンジオールジアクリレート、3−メチルペンタンジオールジメタクリレート等が挙げられる。その他のアクリレート基又はメタクリレート基を有する多官能モノマーの具体例としては、トリメチロールプロパントリアクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールトリメタクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ペンタエリスリトールテトラメタクリレート、ジペンタエリスリトールペンタアクリレート、ジペンタエリスリトールペンタメタクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサメタクリレート等が挙げられる。
前記架橋性基を分子内に有する主鎖に芳香族アミン骨格からなる繰り返し単位を含有すましくは0.5〜20重量%であり、より好ましくは1〜10重量%である。
架橋反応を生ずるモノマーやマクロマーとしては、ポリスチレン換算の重量平均分子量が2000以下であり、上記架橋性基を二つ以上有するものが例示される。架橋性基を有する高分子や架橋反応を生ずるモノマーやマクロマーの架橋反応としては、加熱や光、電子線等照射により起こる反応が例示される。熱重合開始剤、光重合開始剤、熱重合開始助剤、光重合開始助剤等の存在下で前記反応を行ってもよい。
加熱して不溶化する場合、加熱の温度は、材料の分解により特性が低下する温度より低ければ特に制限はないが、例えば、50℃〜300℃であり、100℃〜250℃が好ましい。
加熱して不溶化する場合、併用できる熱重合開始剤としては、一般的にラジカル重合開始剤として知られているものが使用でき、例えば、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス−(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)等のアゾ化合物;ベンゾイルペルオキシド、ラウロイルペルオキシド、t−ブチルペルオキシピバレート、1,1’−ビス(t−ブチルペルオキシ)シクロヘキサン等の有機過酸化物;及び過酸化水素が挙げられる。
ラジカル重合開始剤として過酸化物を用いる場合には、過酸化物を還元剤とともに用いてレドックス型開始剤としてもよい。これらの熱重合開始剤はそれぞれ1種単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。熱重合開始剤を併用する場合の反応温度は、例えば、40℃〜250℃であり、50℃〜200℃が好ましい。光重合開始剤を用いた光重合では、紫外線を0.01mW/cm2以上の照射強度で1秒〜3600秒間、好ましくは30秒〜600秒照射すればよい。
光重合開始剤は、光を照射されることによって活性ラジカルを発生する活性ラジカル発生剤、酸を発生する酸発生剤等が挙げられる。活性ラジカル発生剤としては、例えば、アセトフェノン系光重合開始剤、ベンゾイン系光重合開始剤、ベンゾフェノン系光重合開始剤、チオキサントン系光重合開始剤、トリアジン系光重合開始剤等が挙げられる。これらの光重合開始剤は、それぞれ1種単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。
第三の層の形成方法としては、溶液から成膜する方法等が挙げられる。溶液からの成膜には、例えば、スピンコート法、キャスティング法、マイクログラビアコート法、グラビアコート法、バーコート法、ロールコート法、ワイアーバーコート法、ディップコート法、スプレーコート法、スクリーン印刷法、フレキソ印刷法、オフセット印刷法、インクジェットプリント法、ノズルコート法、キャピラリコート法等の塗布法を用いることができる。これらの中でも、パターン形成や多色の塗分けが容易であるという点で、スクリーン印刷法、フレキソ印刷法、オフセット印刷法、インクジェットプリント法等の印刷法が好ましい。
上記の溶液から成膜する方法には、通常、インクが用いられる。このインクは、各層を構成する材料(第三の層の場合には正孔輸送材料)と、溶媒とを含んでなるものである。この溶媒は、特に制限されないが、前記インクを構成する溶媒以外の成分を溶解又は均一に分散できるものが好ましい。前記溶媒としては、クロロホルム、塩化メチレン、1,2−ジクロロエタン、1,1,2−トリクロロエタン、クロロベンゼン、o−ジクロロベンゼン等の塩素系溶媒;テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル系溶媒;トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素系溶媒;シクロヘキサン、メチルシクロヘキサン、n−ペンタン、n−ヘキサン、n−へプタン、n−オクタン、n−ノナン、n−デカン等の脂肪族炭化水素系溶媒;アセトン、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン系溶媒;酢酸エチル、酢酸ブチル、エチルセルソルブアセテート等のエステル系溶媒;エチレングリコール、エチレングリコールモノブチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテル、ジメトキシエタン、プロピレングリコール、ジエトキシメタン、トリエチレングリコールモノエチルエーテル、グリセリン、1,2−ヘキサンジオール等の多価アルコール及びその誘導体;メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、シクロヘキサノール等のアルコール系溶媒;ジメチルスルホキシド等のスルホキシド系溶媒;N−メチル−2−ピロリドン、N,N−ジメチルホルムアミド等のアミド系溶媒が例示される。なお、前記溶媒は、一種単独で用いても二種以上を併用してもよい。
また、インク中の溶媒の割合は、溶質(即ち、主鎖に芳香族アミン骨格からなる繰り返し単位を含有する高分子化合物の全量、発光層を形成する場合には発光材料の全量)に対して1重量%〜99.9重量%であり、好ましくは60重量%〜99.5重量%であり、さらに好ましくは80重量%〜99.0重量%である。
インクの粘度は印刷法によって異なるが、インクジェットプリント法等のようにインクが吐出装置を経由するものの場合には、吐出時の目づまりや飛行曲がりを防止するために、粘度が25℃において1〜20mPa・sの範囲であることが好ましい。
第三の層の厚さは、発光効率や駆動電圧が所望の値になるように適宜選択されるが、通常、1〜300nmであり、好ましくは5〜50nmである。
(第二の層5)
本実施の形態では、第二の層5を第三の層上に形成する。第二の層は、例えば、発光材料等を共蒸着する方法や発光材料等を含む溶液からの成膜方法により得られる。なお、前記発光材料は、一種単独で用いても二種以上を併用してもよい。また、第二の層は、通常、発光層であるが、正孔を輸送する機能、電子を輸送する機能、再結合の機能、発光する機能等を一種の分子が有していても、二種以上の分子が有してもよい。
前記発光材料としては、「有機ELディスプレイ」(時任静夫、安達千波矢、村田英幸 共著 株式会社オーム社 平成16年刊 第1版第1刷発行)17〜48頁、83〜99頁、101〜120頁に記載の蛍光材料又は三重項発光材料が利用できる。低分子の蛍光材料としては、例えば、ナフタレン誘導体、アントラセン及びその誘導体、ペリレン及びその誘導体、ポリメチン系、キサンテン系、クマリン系、シアニン系等の色素類、8−ヒドロキシキノリンの金属錯体、8−ヒドロキシキノリン誘導体の金属錯体、芳香族アミン、テトラフェニルシクロペンタジエン及びその誘導体、テトラフェニルブタジエン及びその誘導体等が挙げられ、より具体的には、特開昭57-51781号公報、特開昭59-194393号公報に記載されているもの等が使用可能である。その他にも、前記発光材料としては、例えば、WO99/13692号公開明細書、WO99/48160公開明細書、GB2340304A、WO00/53656公開明細書、WO01/19834公開明細書、WO00/55927公開明細書、GB2348316、WO00/46321公開明細書、WO00/06665公開明細書、WO99/54943公開明細書、WO99/54385公開明細書、US5777070、WO98/06773公開明細書、WO97/05184公開明細書、WO00/35987公開明細書、WO00/53655公開明細書、WO01/34722公開明細書、WO99/24526公開明細書、WO00/22027公開明細書、WO00/22026公開明細書、WO98/27136公開明細書、US573636、WO98/21262公開明細書、US5741921、WO97/09394公開明細書、WO96/29356公開明細書、WO96/10617公開明細書、EP0707020、WO95/07955公開明細書、特開2001−181618号公報、特開2001−123156号公報、特開2001−3045号公報、特開2000−351967号公報、特開2000−303066号公報、特開2000−299189号公報、特開2000−252065号公報、特開2000−136379号公報、特開2000−104057号公報、特開2000−80167号公報、特開平10−324870号公報、特開平10−114891号公報、特開平9−111233号公報、特開平9−45478号公報等に開示されているポリフルオレン、その誘導体及び共重合体、ポリアリーレン、その誘導体及び共重合体、ポリアリーレンビニレン、その誘導体及び共重合体、芳香族アミン及びその誘導体の(共)重合体が例示される。
前記三重項発光材料としては、例えば、イリジウムを中心金属とするIr(ppy)3、Btp2Ir(acac)、白金を中心金属とするPtOEP、ユーロピウムを中心金属とするEu(TTA)3phen等の三重項発光錯体等が挙げられる。
Figure 2010171189
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前記三重項発光錯体としては、さらに、Nature, (1998), 395, 151、Appl. Phys. Lett. (1999), 75(1), 4、Proc. SPIE-Int. Soc. Opt. Eng. (2001), 4105(Organic Light-Emitting Materials and DevicesIV), 119、J. Am. Chem. Soc., (2001), 123, 4304、Appl. Phys. Lett., (1997), 71(18), 2596、Syn. Met., (1998), 94(1), 103、Syn. Met., (1999), 99(2), 1361、Adv. Mater., (1999), 11(10), 852 、Jpn.J.Appl.Phys.,34, 1883 (1995)等に記載されているものが挙げられる。
前記発光材料は、高分子化合物であってもよく、例えば、交互共重合体、ランダム重合体、ブロック重合体及びグラフト共重合体のいずれであってもよいし、それらの中間的な構造を有する高分子化合物、例えば、ブロック性を帯びたランダム共重合体であってもよい。前記発光材料は、高い電荷輸送性能を発現し、高発光効率化、低駆動電圧化、長寿命化できる観点から、完全なランダム共重合体よりブロック性を帯びたランダム共重合体、ブロック共重合体、グラフト共重合体が好ましい。なお、前記発光材料には、主鎖に枝分かれがあり末端部が3つ以上ある高分子化合物や、所謂デンドリマーも含まれる。
前記発光材料としては、下記式(3)で表される繰り返し単位を有する高分子化合物、下記式(4)で表される繰り返し単位を有する高分子化合物が好ましく、下記式(3)で表される繰り返し単位を有する高分子化合物がより好ましい。また、前記発光材料としては、下記式(3)及び下記式(4)で表される繰り返し単位を有する高分子化合物も好ましい。この高分子化合物のポリスチレン換算の数平均分子量は、通常、1×103〜1×108程度であり、好ましくは5×103〜1×107であり、より好ましくは1×104〜5×106である。
Figure 2010171189
(式中、Ar8は、アリーレン基、2価の複素環基又は金属錯体構造を有する2価の基を表し、L1は−CR1=CR2−又は−C≡C−を表し、R1及びR2はそれぞれ独立に、水素原子、アルキル基、アリール基、1価の複素環基又はシアノ基を表す。kは0〜2の整数であり、好ましくは0又は1である。L1が複数存在する場合、それらは同一であっても異なっていてもよい。)
Figure 2010171189
(式中、Ar9及びAr10はそれぞれ独立に、アリーレン基又は2価の複素環基を表す。sは1〜4の整数であり、好ましくは1又は2である。R3は、アルキル基、アリール基、1価の複素環基、下記式(5)で表される基又は下記式(6)で表される基を表す。R3がアリール基又は1価の複素環基である場合、該アリール基、該1価の複素環基は、アルキル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、置換シリル基、置換アミノ基、アリール基、アリールオキシ基、アリールアルキル基、アリールアルコキシ基、アリールアルケニル基、アリールアルキニル基、1価の複素環基等の置換基を有していてもよい。)
Figure 2010171189
(ここで、Ar11はアリーレン基又は2価の複素環基である。Rは、水素原子、アルキル基、アリール基又は1価の複素環基を表す。L2は、−CR5=CR6−又は−C≡C−を表す。R5及びR6はそれぞれ独立に、水素原子、アルキル基、アリール基、1価の複素環基又はシアノ基を表す。tは0〜2の整数であり、好ましくは0又は1である。R4、R5及びR6がアリール基又は1価の複素環基である場合、該アリール基、該1価の複素環基は、アルキル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、置換シリル基、置換アミノ基、アリール基、アリールオキシ基、アリールアルキル基、アリールアルコキシ基、アリールアルケニル基、アリールアルキニル基、1価の複素環基等の置換基を有していてもよい。)
Figure 2010171189
(ここで、Ar12及びAr13はそれぞれ独立に、アリーレン基又は2価の複素環基を表す。uは1〜4の整数であり、好ましくは1又は2である。R7は、アルキル基、アリール基又は1価の複素環基を表す。R8は、水素原子、アルキル基、アリール基又は1価の複素環基を表す。R7及びR8がアリール基又は1価の複素環基である場合、該アリール基、該1価の複素環基は、アルキル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、置換シリル基、置換アミノ基、アリール基、アリールオキシ基、アリールアルキル基、アリールアルコキシ基、アリールアルケニル基、アリールアルキニル基、1価の複素環基等の置換基を有していてもよい。)
前記Ar8〜Ar13は、アルキル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、置換シリル基、置換アミノ基、アリール基、アリールオキシ基、アリールアルキル基、アリールアルコキシ基、アリールアルケニル基、アリールアルキニル基、1価の複素環基等の置換基を有していてもよい。
前記式(3)〜(6)中、アリーレン基とは芳香族炭化水素から芳香環を構成する炭素原子に結合した水素原子2個を除いた残りの原子団であり、非置換のアリーレン基及び置換のアリーレン基を意味する。アリーレン基には、縮合環を持つもの、独立したベンゼン環或いは縮合環2個以上が単結合又は2価の有機基、例えば、ビニレン等のアルケニレン基を介して結合したものも含まれる。置換のアリーレン基における置換原子及び置換基は、特には限定されないが、溶解性、蛍光特性、合成の行い易さ、素子にした場合の特性等の観点から、ハロゲン原子、アルキル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アリール基、アリールオキシ基、アリールチオ基、アリールアルキル基、アリールアルコキシ基、アリールアルキルチオ基、アリールアルケニル基、アリールアルキニル基、1価の複素環基、複素環チオ基、アミノ基、シリル基、アシル基、アシルオキシ基、イミン残基、アミド基、酸イミド基、カルボキシル基、シアノ基又はニトロ基が好ましい。
前記式(3)〜(6)中、アリーレン基としては、フェニレン基(例えば、下式1〜3)、ナフタレン−ジイル基(下式4〜13)、アントラセン−ジイル基(下式14〜19)、ビフェニル−ジイル基(下式20〜25)、ターフェニル−ジイル基(下式26〜28)、縮合環化合物基(下式29〜35)、フルオレン−ジイル基(下式36〜38)、インデノフルオレン−ジイル基(下式38A〜38B)、スチルベン−ジイル基(下式A〜D), ジスチルベン−ジイル基(下式E、F)等が例示され、フェニレン基、ビフェニル−ジイル基、フルオレン−ジイル基、スチルベン−ジイル基が好ましい。
Figure 2010171189
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前記2価の複素環基としては、例えば、以下のものが挙げられる。
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ヘテロ原子として、窒素原子を含む2価の複素環基;ピリジン−ジイル基(下式39〜44)、ジアザフェニレン基(下式45〜48)、キノリンジイル基(下式49〜63)、キノキサリンジイル基(下式64〜68)、アクリジンジイル基(下式69〜72)、ビピリジルジイル基(下式73〜75)、フェナントロリンジイル基(下式76〜78)等。
ヘテロ原子として、けい素原子、窒素原子、硫黄原子、セレン原子、ホウ素原子等を含みフルオレン構造を有する基(下式79〜93、G〜I)。
ヘテロ原子として、けい素原子、窒素原子、硫黄原子、セレン原子等を含み、インデノフルオレン構造を有する基(下式J〜O)。
ヘテロ原子として、けい素原子、窒素原子、硫黄原子、セレン原子等を含む5員環複素環基(下式94〜98)。
ヘテロ原子として、けい素原子、窒素原子、硫黄原子、セレン原子等を含む5員環縮合複素環基(下式99〜110)。
ヘテロ原子として、けい素原子、窒素原子、硫黄原子、セレン原子等を含む5員環複素環基で、そのヘテロ原子のα位で結合し2量体やオリゴマーになっている基(下式111〜112)。
ヘテロ原子として、けい素原子、窒素原子、硫黄原子、セレン原子等を含む5員環複素環基で、そのヘテロ原子のα位でフェニル基に結合している基(下式113〜119)。
ヘテロ原子として、酸素原子、窒素原子、硫黄原子等を含む5員環縮合複素環基に、フェニル基、フリル基、チエニル基が置換した基(下式120〜125)。
Figure 2010171189
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前記式1〜125、G〜Oにおいて、Rは、水素原子、アルキル基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アリール基、アリールオキシ基、アリールチオ基、アリールアルキル基、アリールアルコキシ基、アリールアルキルチオ基、アリールアルケニル基、アリールアルキニル基、アミノ基、置換アミノ基、シリル基、置換シリル基、シリルオキシ基、置換シリルオキシ基、ハロゲン原子、アシル基、アシルオキシ基、イミン残基、アミド基、酸イミド基、1価の複素環基、カルボキシル基、置換カルボキシル基、又はシアノ基を表す。複数存在するRは、同一であっても異なっていてもよい。
前記式(3)〜(6)中、前記金属錯体構造を有する2価の基とは、有機配位子を有する金属錯体の有機配位子から水素原子を2個除いた残りの2価の基を意味する。前記有機配位子を有する金属錯体の有機配位子の炭素数は、通常、4〜60程度である。前記有機配位子としては、例えば、8−キノリノール及びその誘導体、ベンゾキノリノール及びその誘導体、2−フェニル−ピリジン及びその誘導体、2−フェニル−ベンゾチアゾール及びその誘導体、2−フェニル−ベンゾキサゾール及びその誘導体、ポルフィリン及びその誘導体等が挙げられる。前記有機配位子を有する金属錯体の中心金属としては、例えば、アルミニウム、亜鉛、ベリリウム、イリジウム、白金、金、ユーロピウム、テルビウム等が挙げられる。前記有機配位子を有する金属錯体としては、低分子の蛍光材料、三重項発光錯体等の燐光材料等が挙げられる。
前記金属錯体構造を有する2価の基としては、例えば、以下の式126〜132で表されるものが挙げられる。
Figure 2010171189
前記式126〜132において、Rは、前記式1〜125、G〜Oにおいて説明した意味と同じ意味を有する。複数存在するRは、同一であっても異なっていてもよい。
溶媒への溶解性を高めるためには、1つの構造式中の複数のRのうち少なくとも一つが水素原子以外であることが好ましく、置換基を含めた繰り返し単位の形状の対称性が少ないことが好ましい。また、1つの構造式中のRの1つ以上が環状又は分岐のあるアルキル基を含む基であることが好ましい。複数のRが連結して環を形成していてもよい。
前記式126〜132中、Rがアルキル基を含む置換基である場合、該アルキル基は、直鎖、分岐又は環状のいずれか又はそれらの組み合わせであってもよく、例えば、イソアミル基、2−エチルヘキシル基、3,7−ジメチルオクチル基、シクロヘキシル基、4−C1〜C12アルキルシクロヘキシル基等が例示される。
前記発光材料の溶媒への溶解性を高めるためには、前記式(3)又は前記式(4)で表される繰り返し単位における置換基の1つ以上に環状又は分岐のあるアルキル鎖が含まれることが好ましい。また、2つのアルキル鎖の先端が連結されて環を形成していてもよい。さらに、アルキル鎖の一部の炭素原子がヘテロ原子を含む基で置換されていてもよい。このヘテロ原子としては、酸素原子、硫黄原子、窒素原子等が例示される。
前記式(4)で表される繰り返し単位としては、以下のものが好ましい。
Figure 2010171189
前記式中、Rは、前記式1〜125、G〜Oにおいて説明した意味と同じ意味を有する。複数存在するRは、同一であっても異なっていてもよい。
前記発光材料は、前記式(3)及び前記式(4)で表される繰り返し単位以外の繰り返し単位を含んでいてもよい。前記発光材料における前記式(3)及び前記式(4)で表される繰り返し単位の合計は、通常、全繰り返し単位の50〜100モル%である。
第二の層は、例えば溶液から成膜する方法によって形成される。溶液から成膜する方法としては、前述した第三の層を溶液から成膜する方法と同様の方法が用いられ、第二の層となる材料と、第三の層を溶液から成膜する方法の項において例示した溶媒とを含むインキを用いて、前述した所定の塗布法によって形成される。
第二の層の厚さは、発光効率や駆動電圧が所望の値になるように適宜選択されるが、通常、5〜300nmであり、好ましくは30〜200nmであり、さらに好ましくは40〜150nmである。
(陰極3)
本実施の形態では陰極3は第二の層上に形成される。陰極の材料としては、仕事関数の小さいものが好ましく、例えば、リチウム、ナトリウム、カリウム、ルビジウム、セシウム等のアルカリ金属、ベリリウム、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウム等のアルカリ土類金属、アルミニウム、スカンジウム、バナジウム、亜鉛、イットリウム、インジウム、セリウム、サマリウム、ユーロピウム、テルビウム、イッテルビウム等の他の金属、及びそれらのうち2つ以上の合金、又はそれらのうち1つ以上と、金、銀、白金、銅、マンガン、チタン、コバルト、ニッケル、タングステン、錫のうち1つ以上との合金、グラファイト、グラファイト層間化合物等が用いられる。合金としては、例えば、マグネシウム−銀合金、マグネシウム−インジウム合金、マグネシウム−アルミニウム合金、インジウム−銀合金、リチウム−アルミニウム合金、リチウム−マグネシウム合金、リチウム−インジウム合金、カルシウム−アルミニウム合金等が挙げられる。なお、陰極は、一層であっても二層以上であってもよい。また、前記陰極の材料は、一種単独で用いても二種以上を併用してもよい。
なお不透明な基板を用いる場合には、基板側に配置される電極(本実施の形態では陽極)とは基板から離間して配置される電極(本実施の形態では陰極)が透明又は半透明であることが好ましく、このような電極を用いることによって、基板とは反対側から光が取出されるいわゆるトップエミッション型の有機EL素子が構成される。
透明又は半透明の陰極を構成する場合には、前述した陰極の材料を用いて、光を透過可能な程度の膜厚の陰極を形成すればよい。なお陰極の膜厚を薄くすることによって、通常、電気抵抗が大きくなるが、この場合には例えばITOなどの透明導電膜をさらに積層してもよい。
陰極の厚さは、電気伝導度や耐久性を考慮して、適宜調整することができるが、例えば、10nm〜10μmであり、好ましくは20nm〜1μmであり、さらに好ましくは50nm〜500nmである。
陰極の作製には、真空蒸着法、スパッタリング法、金属薄膜を熱圧着するラミネート法等の方法が用いられる。また、導電性高分子化合物からなる層、金属酸化物、金属フッ化物、有機絶縁材料等からなる層を設けてもよい。
有機EL素子における層全体の厚さは、用いる材料によって最適値が異なり、駆動電圧、発光効率、素子寿命が適度な値となるように調整すればよいが、例えば、30nm〜1μmであり、好ましくは40nm〜500nmであり、さらに好ましくは60nm〜400nmである。
有機EL素子の経時的な劣化を防いで、有機EL素子を外部から保護するために、保護層及び/又は保護カバーをさらに設けることが好ましい。
該保護層としては、高分子化合物、金属酸化物、金属窒化物、金属窒酸化物、金属フッ化物、金属ホウ化物等を用いることができる。また、保護カバーとしては、ガラス板、表面に低透水率処理を施したプラスチック板等を用いることができ、該保護カバーを熱硬化樹脂や光硬化樹脂で素子基板と貼り合わせて密閉する方法が好適に用いられる。スペーサーを用いて保護カバーと有機EL素子との間の空間を維持すれば、素子が破損することを容易に防ぐことができる。該空間に窒素やアルゴンのような不活性なガスを充填すれば、陰極の酸化を防止することができる。さらに酸化バリウム、酸化カルシウム等の乾燥剤を該空間内に設置することにより製造工程で有機EL素子に吸着した水分が素子の性能を低下させるのを抑制することが容易となる。これらのうち、いずれか1つ以上の方策をとることが好ましい。
以上説明したように、式(1)で表される有機物を前記陽極に付着させることにより該陽極上に形成された薄膜が、紫外線オゾン処理されて成る第一の層を備えることによって、発光効率が高い有機EL素子を実現することができる。
なお有機EL素子の素子構造としては前述したe)の構成に限られない。また陽極および陰極のうちの陽極を基板側に配置した構成の有機EL素子について説明したが、陽極および陰極のうちの陰極を基板側に配置した構成の有機EL素子を構成してもよい。以下、有機EL素子が備えうる電子輸送層および電子注入層について説明する。
(電子輸送層)
電子輸送層に使用される電子輸送材料としては、公知のものが使用でき、オキサジアゾール誘導体、アントラキノジメタン及びその誘導体、ベンゾキノン及びその誘導体、ナフトキノン及びその誘導体、アントラキノン及びその誘導体、テトラシアノアンスラキノジメタン及びその誘導体、フルオレノン誘導体、ジフェニルジシアノエチレン及びその誘導体、ジフェノキノン誘導体、8−ヒドロキシキノリン及びその誘導体の金属錯体、ポリキノリン及びその誘導体、ポリキノキサリン及びその誘導体、ポリフルオレン及びその誘導体等が例示される。具体的には、特開昭63-70257号公報、同63-175860号公報、特開平2-135359号公報、同2-135361号公報、同2-209988号公報、同3-37992号公報、同3-152184号公報に記載されているもの等が例示される。
これらのうち、オキサジアゾール誘導体、ベンゾキノン及びその誘導体、アントラキノン及びその誘導体、8−ヒドロキシキノリン及びその誘導体の金属錯体、ポリキノリン及びその誘導体、ポリキノキサリン及びその誘導体、ポリフルオレン及びその誘導体が好ましく、2−(4−ビフェニリル)−5−(4−t−ブチルフェニル)−1,3,4−オキサジアゾール、ベンゾキノン、アントラキノン、トリス(8−キノリノール)アルミニウム、ポリキノリンがさらに好ましい。
電子輸送層は、例えば溶液から成膜する方法によって形成される。溶液から成膜する方法としては、前述した第三の層を溶液から成膜する方法と同様の方法が用いられ、電子輸送層となる材料と、第三の層を溶液から成膜する方法の項において例示した溶媒とを含むインキを用いて、前述した所定の塗布法によって形成される。
電子輸送層の厚さは、発光効率や駆動電圧が所望の値になるように適宜選択されるが、電子輸送層の厚さは、通常、1〜100nmであり、好ましくは1〜40nmである。
(電子注入層)
陰極に接して電子注入層として絶縁層(通常、10nm以下)を設けてもよい。絶縁層の材料としては、金属フッ化物や金属酸化物、又は有機絶縁材料等が挙げられ、アルカリ金属或いはアルカリ土類金属等の金属フッ化物や金属酸化物が好ましい。絶縁層に用いる無機化合物の成膜方法には真空蒸着法が例示される。
<用途>
以上説明した有機EL素子は、曲面状や平面状の照明装置、例えばスキャナの光源として用いられる面状光源、および表示装置に好適に用いることができる。
有機EL素子を備える表示装置としては、セグメント表示装置、ドットマトリックス表示装置(アクティブマトリックス表示装置およびパッシブマトリックス表示装置など)、および液晶表示装置などを挙げることができる。なお有機EL素子は、アクティブマトリックス表示装置、パッシブマトリックス表示装置において、各画素を構成する発光素子として用いられ、セグメント表示装置において、各セグメントを構成する発光素子として用いられ、ドットマトリックス表示装置、および液晶表示装置において、バックライトとして用いられる。これらの表示装置は、コンピュータ、テレビ、携帯端末、携帯電話、カーナビゲーション、ビデオカメラのビューファインダー等の表示装置として用いることができる。
以下、本発明をさらに詳細に説明するために実施例及び比較例を示すが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
調製例
高分子化合物Aの合成
不活性雰囲気下、2,7−ビス(1,3,2−ジオキサボロラン−2−イル)−9,9−ジオクチルフルオレン(5.20g)、ビス(4−ブロモフェニル)−(4−セカンダリブチルフェニル)−アミン(5.14g)、酢酸パラジウム(2.2mg)、トリ(2−メチルフェニル)ホスフィン(15.1mg)、Aliquat336(登録商標)(0.91g,アルドリッチ製)、トルエン(70ml)を混合し、105℃に加熱した。この反応溶液に2M Na2CO3水溶液(19ml)を滴下し、4時間還流させた。反応後、フェニルホウ酸(121mg)を加え、さらに3時間還流させた。次いでジエチルジチアカルバミン酸ナトリウム水溶液を加え80℃で4時間撹拌した。冷却後、水(60ml)で3回、3重量%酢酸水溶液(60ml)で3回、水(60ml)で3回洗浄し、アルミナカラム、シリカゲルカラムを通すことにより精製した。得られたトルエン溶液をメタノール(3L)に滴下し、3時間撹拌した後、得られた固体を取り出し乾燥させたところ、下記式:
Figure 2010171189
で表される繰り返し単位を50:50(仕込み量からの理論値(モル比))で有する高分子化合物(以下、「高分子化合物A」と言う。)を得た。高分子化合物Aの収量は5.25gであった。高分子化合物Aのポリスチレン換算数平均分子量は、1.2×105であり、ポリスチレン換算重量平均分子量は2.6×105であった。
実施例
ガラス基板の表面上にスパッタ法により150nmの厚みでITO膜を付けて透明電極を形成した。この電極を、6-(ジブチルアミノ)-1,3,5-トリアジン-2,4-ジチオール(東京化成工業株式会社製)の1.0重量%エタノール溶液に16時間浸漬させた。次にエタノールで電極の表面を洗浄した。
この電極の表面を、UVオゾン装置(テクノビジョン社製「Model312 UV-O3 cleaning system」)を用いて、照射時間20分間でUVオゾン処理した。
次に、調製例で得られた高分子化合物Aをキシレン(関東化学社製)に0.5重量%の濃度で溶解させ、得られたキシレン溶液を上記基板上にのせ、スピンコート法により成膜した後、酸素濃度、及び水分濃度が10ppm以下(重量基準)の窒素雰囲気下で、180℃、60分乾燥した。
次に、発光材料(Sumation社製、BP361)をキシレン(関東化学社製)に1.4重量%の濃度で溶解させ、得られたキシレン溶液を高分子化合物Aから成る膜の上にのせ、スピンコート法により約65nmの厚みとなるように成膜した。そして、酸素濃度、及び水分濃度が10ppm以下(重量基準)の窒素雰囲気下で、90℃、10分乾燥し、発光層を形成した。1.0×10-4Pa以下にまで減圧した後、陰極として、発光層の膜の上にバリウムを約5nm、次いでバリウムの層の上にアルミニウムを約100nm蒸着した。蒸着後、ガラス基板を用いて封止を行うことで、有機EL素子を作製した。
得られた有機EL素子に7.6Vの電圧を印加すると、ピーク波長が465nmで発光し、その時の輝度は117cd/mであった。この素子に8.4Vの電圧を印加した際に、最大発光効率1.03cd/Aが得られた。
比較例1
実施例の有機EL素子を作製する各工程からUVオゾン処理を省略した他は、実施例と同様に有機EL素子を作製した。
得られた有機EL素子に9.2Vの電圧を印加すると、ピーク波長が465nmで発光し、その時の輝度は98cd/mであった。この素子に9.8Vの電圧を印加した際に、最大発光効率0.20cd/Aが得られた。
比較例2
ガラス基板の表面上にスパッタ法により150nmの厚みでITO膜を付けて透明電極を形成した。この電極の表面を、UVオゾン装置(テクノビジョン社製「Model312 UV-O3 cleaning system」)を用いて、照射時間20分間でUVオゾン処理した。
次に高分子化合物Aをキシレン(関東化学社製)に0.5重量%の濃度で溶解させ、得られたキシレン溶液を上記基板上にのせ、スピンコート法により成膜した後、酸素濃度、及び水分濃度が10ppm以下(重量基準)の窒素雰囲気下で、180℃、15分乾燥した。
次に、発光材料(Sumation社製、BP361)をキシレン(関東化学社製)に1.4重量%の濃度で溶解させ、得られたキシレン溶液を高分子化合物Aから成る膜の上にのせ、スピンコート法により約65nmの厚みとなるように成膜した。そして、酸素濃度、及び水分濃度が10ppm以下(重量基準)の窒素雰囲気下で、90℃、10分乾燥した。1.0×10-4Pa以下にまで減圧した後、陰極として、発光層の膜の上にバリウムを約5nm、次いでバリウムの層の上にアルミニウムを約100nm蒸着した。蒸着後、ガラス基板を用いて封止を行うことで、有機EL素子を作製した。
得られた有機EL素子に9.2Vの電圧を印加すると、発光波長のピークトップが465nmで発光し、その時の輝度は96cd/mであった。この素子に9.8Vの電圧を印加した際に、最大発光効率0.19cd/Aが得られた。
1…基板、
2…陽極、
3…陰極、
4…第一の層、
5…第二の層、
6…第三の層。

Claims (11)

  1. 陽極と、
    陰極と、
    該陽極および陰極の間において陽極に接して配置された第一の層と、
    該陽極および陰極の間に配置され、発光材料を含有する第二の層とを有する有機エレクトロルミネッセンス素子であって、
    該第一の層は、下記式(1):
    Figure 2010171189
    で表される有機物を該陽極に付着させることにより形成された薄膜が、紫外線オゾン処理されて成る層である、有機エレクトロルミネッセンス素子。
  2. 式(1)のGが水素原子である、請求項1に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
  3. 式(1)のMが、x価の芳香族基、またはx価の複素環基である(ここでxは前記と同じ意味を表す。)、請求項1または2に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
  4. 式(1)のxが1〜3の整数である、請求項1〜3のいずれか1つに記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
  5. 前記紫外線オゾン処理における紫外線の照射量が1J/cm以上である、請求項1〜4のいずれか1つに記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
  6. 第一の層と第二の層との間に、下記式(2):
    Figure 2010171189
    (式中、Ar1、Ar2、Ar3及びAr4はそれぞれ独立に、アリーレン基又は2価の複素環基を表す。Ar5、Ar6及びAr7はそれぞれ独立に、アリール基又は1価の複素環基を表す。Ar中の炭素原子とAr中の炭素原子は直接結合して縮合環を形成してもよい。o及びpは、独立に、0又は1を表す。)
    で表される繰り返し単位を含む材料を含有する第三の層をさらに備える、請求項1〜5のいずれか1つに記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
  7. 前記発光材料が、下記式(3)で表される繰り返し単位を含む高分子化合物を含む、請求項1〜6のいずれか一項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
    Figure 2010171189
    (式中、Arは、アリーレン基、2価の複素環基又は金属錯体構造を有する2価の基を表し、L1は−CR=CR−又は−C≡C−を表し、R及びRはそれぞれ独立に、水素原子、アルキル基、アリール基、1価の複素環基又はシアノ基を表す。kは0〜2の整数である。L1が複数存在する場合、L1はそれぞれ同一であっても異なっていてもよい。)
  8. 陽極と、陰極と、該陽極および陰極の間において陽極に接して配置される第一の層と、該陽極および陰極の間に配置され、発光材料を含有する第二の層とを有する有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法であって、
    該第一の層は、下記式(1):
    Figure 2010171189
    (式中、Sはイオウ原子を表す。Mはイオウ原子と共有結合しているx価の有機基を表す。xは1以上の整数を表す。Gは、水素原子、アルキル基、アリール基、アリールアルキル基、アリールアルケニル基、アリールアルキニル基、又はシアノ基を表す。Gが複数ある場合、Gはそれぞれ同一であっても、異なっていてもよい。)
    で表される有機物を該陽極の表面に付着させる工程;及び
    該陽極の表面に付着した有機物を紫外線オゾン処理する工程;
    を包含する方法により形成される、有機エレクトロルミネッセンス素子の製造方法。
  9. 請求項1〜7のいずれか一項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子を備えた面状光源。
  10. 請求項1〜7のいずれか一項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子を備えた表示装置。
  11. 請求項1〜7のいずれか一項に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子を備えた照明装置。
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