JP2012113976A - 有機el素子 - Google Patents

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Abstract

【課題】素子電圧を低減し、また、長寿命な有機EL素子を提供する。
【解決手段】少なくとも複数の発光層3c,3dと電子輸送層3eとを陽極2と陰極4との間に積層形成してなる有機EL素子であって、発光層として、最も陽極2側に位置する第一の発光層3cと、最も陰極4側に位置し第一の発光層3cよりも正孔輸送能力の高い第二の発光層3dと、を有してなることを特徴とする。電子輸送層3eは、電子移動度が10−4cm/Vs以上の電子輸送性材料からなる。あるいは、電子輸送層3eは、電子輸送性材料とリチウム金属錯体との混合層からなる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、有機EL(Electro Luminescence)素子に関し、特に有機EL素子の高効率化及び長寿命化に関するものである。
従来、有機材料によって形成される自発光素子として知られる有機EL素子は、例えば、陽極となるITO(Indium Tin Oxide)等からなる第一電極と、少なくとも発光層を有する有機層と、陰極となるアルミニウム(Al)等からなる非透光性の第二電極と、を順次積層してなるものである(特許文献1参照)。
かかる有機EL素子は、第一電極から正孔を注入し、また、第二電極から電子を注入して正孔及び電子が前記発光層にて再結合することによって光を発するものである。有機EL素子を用いた有機ELディスプレイは、自己発光のため視認性に優れ、完全固体素子であるため耐衝撃性や低温環境下での応答性に優れているため表示の瞬間判読が必要な車両用計器などの車載表示装置に採用されている。
特開昭59−194393号公報 特開2000−182774号公報
有機EL素子は、比較的安価な耐圧の低い駆動ICで高輝度を得るために素子電圧を下げることが非常に重要であり、素子の材料構成を設計する上で非常に重要な要素となっている。これに対し、素子電圧を低減するための方法として、発光層と陰極との間に形成される電子輸送層に電子移動度の高い電子輸送性材料を適用することで電子輸送層内での電子移動効率を高めるあるいは電子輸送層から発光層への電子注入障壁を小さくすることが考えられる。しかし、電子輸送性材料としてよく知られるアルミキノリノール(Alq)の電子移動度(μe=5×10−6cm/Vs)よりも電子輸送層の電子移動度が高いと、素子電圧は低減できるものの、寿命が短くなるという問題点があった。これは、電子の供給が過剰となりキャリアバランスが崩れて発光層と陽極との間に形成される正孔輸送層への電子の注入が多くなり、正孔輸送層の劣化が高移動度の電子輸送性材料を適用する前よりも顕著に発生するためと考えられる。
また、特許文献2には、有機EL素子の低電圧化に関し、陰極に接する部分の有機層が、アルカリ金属イオン、アルカリ土類金属イオン、希土類金属イオンの少なくとも1種を含有する有機金属錯体化合物と電子輸送性有機物との混合層から構成される点が開示されている。しかしながら、特許文献2にもキャリアバランスの保持についての記載はなく、単に電子の注入を増加させるのみでは、同様に素子電圧は低減できるものの寿命が短くなるという問題が生じる。
そこで本発明は、この問題に鑑みなされたものであり、素子電圧を低減し、また、長寿命な有機EL素子を提供することを目的とする。
本発明は、前記課題を解決するために、少なくとも複数の発光層と電子輸送層とを陽極と陰極との間に積層形成してなる有機EL素子であって、
前記発光層として、最も前記陽極側に位置する第一の発光層と、最も前記陰極側に位置し前記第一の発光層よりも正孔輸送能力の高い第二の発光層と、を有してなることを特徴とする。
また、前記電子輸送層は、電子移動度が10−4cm/Vs以上の電子輸送性材料からなることを特徴とする。
また、前記電子輸送層は、電子輸送性材料とアルカリ金属錯体あるいはアルカリ土類金属錯体との混合層からなることを特徴とする。
また、前記アルカリ金属錯体は、リチウム金属錯体であることを特徴とする。
また、前記第一,第二の発光層は、複数のホスト材料と少なくとも1つ以上の発光ドーパントとを含んでなることを特徴とする。
また、前記第一,第二の発光層は、前記ホスト材料として、正孔輸送性ホスト材料及び電子輸送性ホスト材料を含んでなることを特徴とする。
また、前記第一の発光層は、前記正孔輸送性ホスト材料の比率が10wt%以上であることを特徴とする。
また、前記第二の発光層は、前記正孔輸送性ホスト材料の比率が前記第一の発光層における前記正孔輸送性ホスト材料の比率以上であり、かつ、80wt%以下であることを特徴とする。
本発明は、素子電圧を低減し、また、長寿命な有機EL素子を提供することが可能となるものである。
本発明の実施形態である有機EL素子を示す図。 本発明の実施例1,2及び従来例1〜3の寿命試験結果を示す図。 本発明の実施例1の第一の発光層における正孔輸送性ホスト材料の含有量と素子電圧との関係を示す図。 本発明の実施例1の第二の発光層における正孔輸送性ホスト材料の含有量と素子電圧及び発光効率との関係を示す図。
以下、添付図面に基づいて本発明の実施形態について説明する。
図1は、本発明の実施形態を示す図である。本実施形態である有機EL素子は、支持基板1と、陽極となる第一電極2と、有機層3と、陰極となる第二電極4と、を有するものである。なお、有機EL素子は、吸湿剤が塗布される封止基板を支持基板1上に配設して封止されるものであるが、図1ではこの封止基板を省略している。
支持基板1は、例えば透光性の無アルカリガラスからなる矩形状の基板である。なお、アルカリガラス等のその他のガラス基板を用いてもよく、ガラス厚についても特に限定されない。支持基板1上には、第一電極2,有機層3及び第二電極4が順に積層形成される。
第一電極2は、正孔を注入する陽極となるものであり、支持基板1上にITOあるいはAZO等の透明導電材料をスパッタリング法あるいは蒸着法等の手段によって層状に形成し、フォトエッチング等の手段によって所定の形状にパターニングされてなる。また、第一電極2は、表面がUV/O処理やプラズマ処理等の表面処理を施されてなる。
有機層3は、少なくとも発光層を含む多層からなり、第一電極2上に形成されるものである。本実施形態においては、第一電極2側から順に正孔注入層3a,正孔輸送層3b,第一の発光層3c,第二の発光層3d,電子輸送層3e及び電子注入層3fが順に積層形成されてなる。
正孔注入層3aは、第一電極2から正孔を取り込む機能を有し、例えばアミン系化合物等の正孔輸送性有機材料を蒸着法等の手段によって膜厚30nm程度の層状に形成してなる。
正孔輸送層3bは、正孔を第一の発光層3bへ伝達する機能を有し、例えばアミン系化合物等の正孔輸送性有機材料を蒸着法等の手段によって膜厚15〜40nm程度の層状に形成してなる。
第一の発光層3cは、複数種類のホスト材料と発光を呈する発光ドーパントとを共蒸着等の手段によって混合してなるものである。ホスト材料は、正孔及び電子の輸送が可能であり、その分子内で正孔及び電子が再結合することで発光ドーパントを発光させる機能を有し、3.0eV程度のエネルギーギャップを有する有機材料が用いられる。さらに、本実施形態においては、第一の発光層3cの正孔輸送能力を調整するべく、ホスト材料として正孔輸送性ホスト材料と電子輸送性ホスト材料とを用い、両者の比率を調整することで正孔輸送能力の設定を行う。ここで、正孔輸送性ホスト材料とは正孔輸送能力の比較的高い有機材料であり、具体的には正孔移動度μhが電子移動度μeよりも高い材料を言う。電子輸送性ホスト材料とは電子輸送能力の比較的高い有機材料であり、具体的には電子移動度μeが電子移動度μhよりも高い材料を言う。発光ドーパントは、正孔と電子との再結合に反応して発光する機能を有し、所定の発光色を示す蛍光有機材料からなる。
第二の発光層3dは、複数種類のホスト材料と発光を呈する発光ドーパントとを共蒸着等の手段によって混合した混合層からなる。前記ホスト材料は、正孔及び電子の輸送が可能であり、その分子内で正孔及び電子が再結合することで前記発光ドーパントを発光させる機能を有し、3.0eV程度のエネルギーギャップを有する有機材料が用いられる。さらに、本実施形態においては、第二の発光層3dの正孔輸送能力を調整するべく、前記ホスト材料として第一の発光層3cと同一の正孔輸送性ホスト材料と電子輸送性ホスト材料とを用い、両者の比率を調整することで第一の発光層3bよりも正孔輸送能力が高くなるように正孔輸送能力の設定を行う。ここで、正孔輸送能力が高いとは層内における正孔移動度が高いことを言う。前記発光ドーパントは、正孔と電子との再結合に反応して発光する機能を有し、所定の発光色を示す蛍光有機材料からなる。
電子輸送層3eは、電子を第二の発光層3dへ伝達する機能を有し、電子移動度μeが10−4cm/Vs以上(μe≧10−4cm/Vs)である電子輸送性有機材料を蒸着法等の手段によって膜厚8〜30nm程度の層状に形成してなる。また、電子輸送層3eは、Alq等の電子移動度μe=5×10−6cm/Vs程度の電子輸送性有機材料と例えばリチウム8−キノリノラート(Liq)等のリチウム金属錯体とを共蒸着等の手段によって混合した混合層としてもよい。なお、電子輸送性有機材料とリチウム金属錯体とは例えばwt%比率が1:1で混合されるものであるが、この比率を変更することでキャリアバランスを変化させることも可能である。また、電子輸送層3eにリチウム金属錯体以外のアルカリ金属錯体やアルカリ土類金属錯体を混合させる構成であってもよい。
電子注入層3fは、電子を第二電極4から取り込む機能を有し、例えばフッ化リチウム(LiF)やLiqを真空蒸着法等の手段によって薄膜状に形成してなる。
第二電極4は、電子を注入する陰極となるものであり、電子注入層3f上に例えばAl,マグネシウム(Mg),コバルト(Co),Li,金(Au),銅(Cu),亜鉛(Zn)等の低抵抗導電材料を蒸着法等の手段によって層状に形成した導電膜からなるものである。
以上の各部によって有機EL素子が構成されている。
本願発明者らは、鋭意検討した結果、電子輸送能力の高い電子輸送性材料を電子輸送層に適用する構成においては、最も第二電極4側に位置する第二の発光層3dの正孔輸送能力を最も第一電極2側に位置する第一の発光層3cの正孔輸送能力よりも高くすることで有機EL素子のキャリアバランスを安定化させ、素子電圧を低減して高効率となるとともに長寿命な素子を得ることが可能であることを見いだし、本発明に達した。
以下、さらに本発明の実施例について説明するが、本発明はこれらによって限定されるものではない。
(有機ELパネルの構成及び作製方法)
実施例及び従来例として作製した有機ELパネルの作製方法を示す。有機ELパネルは有機EL素子を成膜する支持基板1と水分侵入を防ぐための封止基板の2種類のガラス基板により構成される。なお、有機ELパネルはボトムエミッション方式としたが、トップエミッション方式であってもよい。また、後述の評価はDC駆動により行っているが、パルス駆動等のパッシブ駆動あるいはアクティブ駆動であっても問題はない。
支持基板1は、無アルカリガラスの0.7mm厚のものを用いた。
封止基板は、無アルカリガラスの1.1mm厚のものに、サンドブラストを用いて0.5mm掘削して凹状とし、封止基板が有機EL素子と接触しないようにしている。なお、掘削方法はドライエッチング等の他の方法でもよく、封止基板はSUS等の金属基板であってもよい。
有機EL素子の形成方法としては、支持基板1上にスパッタリング法を用いてITO成膜を膜厚150nmで行い、陽極(第一電極2)を形成する。さらに第一電極2上に有機層3を、正孔注入層3a,正孔輸送層3b,第一発光層3c,第二発光層3d,電子輸送層3e及び電子注入層3fの順に積層にて形成する。成膜方法は蒸着法を用いた。なお、各層については後で従来例及び実施例毎に詳述する。次に、陰極(第二電極4)としてAlを蒸着にて膜厚100nmで成膜した。
上記有機EL素子を形成した支持基板1に封止基板を接着することによって有機EL素子を封止した。接着にはUV硬化型の樹脂製接着剤を用いた。また、封止空間内には水分対策としてSrOタイプのシート状吸湿剤を設置した。なお、吸湿剤は他にCaOやBaOタイプの吸湿剤を用いても良い。
以上のようにして有機ELパネルを作製した。なお、第一電極2及び第二電極4は、支持基板1上に外部との電気接続が可能に引き回し形成される配線と接続されており、封止空間外に引き出される配線の端子に電圧または電流を印加することによって有機EL素子の発光を得ることができる。
(実施例1)
実施例1は、正孔注入層3aとしてCuPcを膜厚30nmで成膜し、正孔輸送層3bとしてα−NPDを膜厚20nmで成膜し、第一の発光層3cとして電子移動度μe=3.0×10−3cm/Vs、正孔移動度μh=2.0×10−3cm/Vs、Ip=5.8eVのホスト材料A(電子輸送性ホスト材料)と正孔移動度μh=2.0×10−3cm/Vs、電子移動度μe=1.0×10−3cm/Vs、Ip=5.8eVのホスト材料B(正孔輸送性ホスト材料)と緑色発光を示すIp=5.8eVのドーパントG(発光ドーパント)を共蒸着にて混合して膜厚20nmで成膜し、第二の発光層3dとしてホスト材料Aとホスト材料BとドーパントGとを共蒸着にて混合して膜厚20nmで成膜し、電子輸送層3eとして電子移動度μe=3.2×10−4cm/Vsの高い電子移動度を有するトリアジン誘導体(電子輸送性有機材料)を膜厚20nmで成膜し、電子注入層3fとしてLiFを膜厚1nmで成膜した。また、第一の発光層3cにおける正孔輸送性ホスト材料の比率を30wt%とし、第二の発光層3dにおける正孔輸送性ホスト材料の比率を70wt%として、第二の発光層3dの正孔輸送能力を第一の発光層2cの正孔輸送能力より高い状態とした。
(実施例2)
実施例2は、電子輸送層3eを電子移動度μe=5×10−6cm/VsであるAlq(電子輸送性有機材料)とLiq(リチウム金属錯体)の混合層として成膜したほかは、実施例1と同様に作製した。なお、電子輸送性有機材料とリチウム金属錯体との混合比はwt%比率で1:1とした。
(従来例1)
実施例の比較対象として、本発明が適用されない従来例を作製した。従来例1は、第一の発光層3cにおける正孔輸送性ホスト材料の比率を70wt%とし、第二の発光層3dにおける正孔輸送性ホスト材料の比率を30wt%として、第二の発光層3dの正孔輸送能力を第一の発光層2cの正孔輸送能力より低い状態とし、電子輸送層3eとして電子移動度μe=5×10−6cm/VsであるAlq(電子輸送性有機材料)を成膜したほかは、実施例1と同様に作製した。
(従来例2)
従来例2は、電子輸送層3eとして電子移動度μe=3.2×10−4cm/Vsの高い電子移動度を有するトリアジン誘導体(電子輸送性有機材料)を成膜したほかは、従来例1と同様に作製した。
(従来例3)
従来例3は、電子輸送層3eを電子移動度μe=5×10−6cm/VsであるAlq(電子輸送性有機材料)とLiq(リチウム金属錯体)の混合層として成膜したほかは、従来例1と同様に作製した。なお、電子輸送性有機材料とリチウム金属錯体との混合比はwt%比率で1:1とした。
(評価方法)
各実施例及び従来例に対し、DC駆動によって有機発光を発生させ、その発光の初期輝度3000cd/m2の条件で発光を確認し、駆動に用いられる電流値,素子電圧及び発光効率を確認した。また、30℃環境下にてDC駆動による初期輝度3000cd/m2の条件にて輝度の経時変化を確認し、寿命試験を行った。
下表1は、実施例1,2及び従来例1〜3の素子電圧及び発光効率を示すものである。また、図2は、実施例1,2及び従来例1〜3の寿命特性を示すものである。
Figure 2012113976
従来例1と従来例2との比較において、電子移動度の高い電子輸送性有機材料を電子輸送層3eに用いることによって素子電圧の低減ができるものの発光効率が低下し、寿命が短くなることがわかる。また、従来例1と従来例3との比較においては、電子輸送層3eを電子輸送性有機材料とリチウム金属錯体との混合層とすることによって素子電圧の低減ができるものの発光効率が低下し、寿命が短くなることがわかる。これは、電子の量が増加することで正孔輸送層3bへの電子の衝突が多くなり、材料劣化を促進したためと考えられる。これに対し、実施例1,2は、従来例1に対して素子電圧が低いとともに発光効率も向上し、従来例2,3よりも長寿命化の傾向が見られる。したがって、少なくともAlqよりも電子輸送能力の高い電子輸送性有機材料を電子輸送層3eに適用する構成あるいは電子輸送層3eを電子輸送性有機材料とリチウム金属錯体との混合層とする構成においては、第二電極4側の第二の発光層3dの正孔輸送能力を第一電極2側の第一の発光層3cの正孔輸送能力よりも高く設定することで、過剰な電子の注入を抑制することができ、従来例2,3で見られたような正孔輸送層3bへの電子の衝突が減少したと考えられる。これに伴い、電子が発光層3c,3d内に留まることができるようになり、従来例1〜3に比べより発光に寄与することのできる電子が増え、発光効率が向上したものと考えられる。発光効率が向上することによって、発光に必要な電流値が少なくて済むため、素子電圧の低減及び長寿命化につながっていると推測される。なお、実施例2は実施例1に対して素子電圧が高いものの発光効率が高いが、これは実施例2の方がキャリアバランスが安定しているためと推測される。
図3は、実施例1における第一の発光層3cの正孔輸送性ホスト材料の含有量(wt%)と素子電圧との関係を示すものである。図3においては、第二の発光層3dにおける正孔輸送性ホスト材料の含有比率は70wt%で固定されているものとする。図3によれば、第一の発光層3cにおける正孔輸送性ホスト材料の含有比率が10wt%未満になると、素子電圧が非常に高くなる傾向が得られた。これは第一の発光層3cの正孔輸送能力が一定以上低下することで、第一電極2から注入された正孔が、第一の発光層3cを正常に通過できず、素子電圧が高くなってしまっていると考えられる。したがって、本発明においては第一の発光層3cにおける正孔輸送性ホスト材料の含有比率が10wt%以上であることが望ましい。
図4は、実施例1における第二の発光層3dの正孔輸送性ホスト材料の含有比率と素子電圧及び発光効率との関係を示すものである。なお、素子電圧の特性は図4中の丸点で示されており、発光効率の特性は図4中の四角点で示されている。図4においては、第一の発光層3cにおける正孔輸送性ホスト材料の含有比率は30wt%で固定されているものとする。また、下表2は、実施例1における第二の発光層3dの正孔輸送性ホスト材料の含有量(wt%)と素子電圧,発光効率及び90%寿命(初期輝度の90%まで輝度が低下するまでの時間)との関係を示すものである。
Figure 2012113976
図4及び表2によれば、第二の発光層3dにおける正孔輸送性ホスト材料の含有比率が、第一の発光層3cにおける正孔輸送性ホスト材料の含有比率(30wt%)と同程度以下となると発光効率が低下し、素子電圧も上昇する傾向が得られた。また、第二の発光層3dにおける正孔輸送性ホスト材料の含有比率が80wt%以上となると、発光効率が低下し、素子電圧も上昇する傾向が得られ、性能の向上は見られなかった。また、寿命についても発光効率及び素子電圧を同様の傾向があり、第二の発光層3dにおける正孔輸送性ホスト材料の含有比率が、第一の発光層3cにおける正孔輸送性ホスト材料の含有比率(30wt%)と同程度以下となると寿命が短くなり、また、80wt%以上となると寿命が短くなる傾向がある。
第二の発光層3dにおける正孔輸送性ホスト材料の含有比率が、第一の発光層3cにおける正孔輸送性ホスト材料の含有比率と同程度以下となると、第二の発光層3dの正孔輸送能力が十分でなく過剰な電子が第二の発光層3dを通過し、発光層3c,3d内での正孔と電子の再結合が正常に行われておらず、発光効率や寿命の低下につながっていると推測される。また、素子電圧については、第一の発光層3c側からの正孔が正孔輸送能力が低い第二の発光層3dに十分に注入されず、発光層3c,3d内での正孔と電子のバランスが崩れて素子電圧の上昇を招いたと推測される。
また、第二の発光層3dにおける正孔輸送性ホスト材料の含有比率が80wt%以上となると、反対に、第二の発光層3d側から注入される電子が正孔輸送能力が高すぎる第二の発光層3dによりブロックされ、十分に注入できないと推測される。それにより、発光層3c,3d内で電子が不足し、発光効率の低下、寿命の低下及び素子電圧の上昇を招いていると考えられる。したがって、本発明においては十分に電子移動度が向上した電子輸送層3eを考慮して発光層3c,3d内のキャリアバランスを調整するべく、第二の発光層3dにおける正孔輸送性ホスト材料の含有比率を第一の発光層3cにおける正孔輸送性ホスト材料の含有比率より高く、かつ、80wt%以下とすることで、優れた性能が得られると考えられる。
なお、本発明はその範囲において種々の変更が可能である。本実施形態においては有機層3に電子注入層3fを含むものであったが、電子注入層を除いた構成としても良い。また、電子輸送層を複数層としてもよい。また、発光層は2層以上であってもよい。また、正孔注入層を除いた構成としてもよい。
本発明は、有機EL素子に関し、特に素子電圧の低減が要求される有機EL素子に好適である。
1 支持基板
2 第一電極(陽極)
3 有機層
3a 正孔注入輸送層
3b 正孔輸送層
3c 第一の発光層
3d 第二の発光層
3e 電子輸送層
3f 電子注入層
4 第二電極(陰極)

Claims (8)

  1. 少なくとも複数の発光層と電子輸送層とを陽極と陰極との間に積層形成してなる有機EL素子であって、
    前記発光層として、最も前記陽極側に位置する第一の発光層と、最も前記陰極側に位置し前記第一の発光層よりも正孔輸送能力の高い第二の発光層と、を有してなることを特徴とする有機EL素子。
  2. 前記電子輸送層は、電子移動度が10−4cm/Vs以上の電子輸送性材料からなることを特徴とする請求項1に記載の有機EL素子。
  3. 前記電子輸送層は、電子輸送性材料とアルカリ金属錯体あるいはアルカリ土類金属錯体との混合層からなることを特徴とする請求項1に記載の有機EL素子。
  4. 前記アルカリ金属錯体は、リチウム金属錯体であることを特徴とする請求項3に記載の有機EL素子。
  5. 前記第一,第二の発光層は、複数のホスト材料と少なくとも1つ以上の発光ドーパントとを含んでなることを特徴とする請求項1に記載の有機EL素子。
  6. 前記第一,第二の発光層は、前記ホスト材料として、正孔輸送性ホスト材料及び電子輸送性ホスト材料を含んでなることを特徴とする請求項5に記載の有機EL素子。
  7. 前記第一の発光層は、前記正孔輸送性ホスト材料の比率が10wt%以上であることを特徴とする請求項6に記載の有機EL素子。
  8. 前記第二の発光層は、前記正孔輸送性ホスト材料の比率が前記第一の発光層における前記正孔輸送性ホスト材料の比率以上であり、かつ、80wt%以下であることを特徴とする請求項6に記載の有機EL素子。
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