JPWO2012014546A1 - 磁性体検出装置 - Google Patents

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Abstract

本発明に係る磁性体検出装置は、磁性体の移動経路の途中に配置された磁気抵抗センサと、磁性体の移動方向に沿ってS極およびN極が配列した下側磁石と、磁性体の移動方向に沿ってN極およびS極が配列した上側磁石などを備える。下側磁石および上側磁石は、磁性体の移動経路を介して、下側磁石のS極と上側磁石のN極とが対向し、下側磁石のN極と上側磁石のS極とが対向するように配置されている。こうした構成により、磁性体を高精度で検出できる。

Description

本発明は、磁気インク印刷物、磁気記録媒体、磁気スリットスケールなどの磁性体を検出する磁性体検出装置に関する。
従来の磁性体検出装置として、磁気抵抗素子とバイアス磁界を発生する永久磁石とを組み合わせて、紙幣中に含まれる磁気インク等の磁性体を検出する技術が一般に知られている。紙幣に含まれる磁性体の量は微少であるため、磁気抵抗素子と永久磁石を組み合せた磁気センサヘッドに対して紙幣を接触させた状態で読み取るのが一般的である。
一方、特許文献1(図7、図8)では、一対の磁気センサヘッドを対向配置し、両ヘッドの間隙に紙幣などの被検出物を通過させることによって、非接触読み取りを行っている。また、特許文献1では、磁界の強さを検出する磁気抵抗素子として、半導体磁気抵抗(SMR)素子を使用している。半導体磁気抵抗素子が磁界を感じる方向(感磁方向)は、素子の検出面に対して垂直な方向であるため、特許文献1では、永久磁石の着磁方向を異極対向とし、素子の検出面に対して垂直な方向にバイアス磁界を印加している。
また、特許文献1では、2つの半導体磁気抵抗素子MR1,MR2は、ハーフブリッジ回路を構成し、その中点電位を出力信号として取り出すことによって、温度変化による半導体磁気抵抗素子の抵抗値変化、即ち、出力オフセット変動をキャンセルしている。
特開2001−21631号公報 実公昭62−41266号公報 特開昭58−2994号公報 特開平6−231336号公報 特開平7−12908号公報 特開2005−129009号公報 特開平5−332703号公報 特開平8−178937号公報 特開平10−19601号公報 特開平8−249602号公報 特開平4−282481号公報 特開平9−152303号公報 特開平6−167302号公報 特開平2−298802号公報 特開2006−317203号公報
半導体磁気抵抗素子は、使用する材料およびプロセスの制約上、温度上昇に伴う抵抗値および抵抗変化率の変動が大きく、しかも素子自体の抵抗値が小さいという特性がある。
素子の抵抗値が小さいと、定電圧駆動の場合に素子の消費電流が大きくなり、さらに電流量の増大に伴ってジュール熱の自己発熱によって素子温度が上昇し、その結果、抵抗変化率が減少し、出力が低下してしまう。また、センサヘッド筐体との組付け具合に起因した放熱ムラがある場合、ハーフブリッジ上下の磁気抵抗素子(特許文献1のMR1,MR2)の抵抗値が温度変化し、センサ出力のオフセット変動(中点電位変動)が生じてしまう。
本発明の目的は、磁性体を高精度で検出できる磁性体検出装置を提供することである。
上記目的を達成するために、本発明の一態様は、磁性体を検出する磁性体検出装置であって、
磁性体の移動経路の途中に配置された磁気抵抗センサと、
磁性体の移動方向に沿って、第1磁極および、該第1磁極とは逆極性の第2磁極が配列したバイアス磁石とを備え、
バイアス磁石は、磁気抵抗センサに対して磁性体の移動方向に沿ったバイアス磁界を印加する。
本発明の一態様において、磁性体の移動方向に沿って、第1磁極および、該第1磁極とは逆極性の第2磁極が配列した第1バイアス磁石と、
磁性体の移動方向に沿って、第2磁極および第1磁極が配列した第2バイアス磁石とを備え、
第1バイアス磁石および第2バイアス磁石は、磁性体の移動経路を介して、第1バイアス磁石の第1磁極と第2バイアス磁石の第2磁極とが磁気抵抗センサおよび検出対象の磁性体を挟むように対向し、第1バイアス磁石の第2磁極と第2バイアス磁石の第1磁極とが対向するように配置され、磁気抵抗センサに対して磁性体の移動方向に沿ったバイアス磁界を印加することが好ましい。
本発明の一態様において、磁気抵抗センサは、異方性磁気抵抗素子を含み、バイアス磁石によって形成されたバイアス磁界分布のゼロ点付近に位置決めされることが好ましい。
本発明の一態様において、磁気抵抗センサは、異方性磁気抵抗素子を含み、磁性体の移動方向に対して第1磁極と第2磁極の中間付近に配置され、第1バイアス磁石または第1バイアス磁石と第2バイアス磁石の組により磁気抵抗素子に印加される磁性体移動方向のバイアス磁界が磁性体の通過により増減され、その磁界変化を磁気抵抗センサにより出力に変換することが好ましい。
本発明の一態様において、磁気抵抗センサは、異方性磁気抵抗素子を含み、磁性体の移動方向に対して第1磁極の手前側付近または第2磁極の奥側付近に配置され、第1バイアス磁石または第1バイアス磁石と第2バイアス磁石の組により磁気抵抗素子に印加されるバイアス磁界の貫通方向成分が磁性体の通過により回転され、その磁界変化を磁気抵抗センサにより出力に変換することが好ましい。
本発明の一態様において、磁気抵抗センサは、磁性体の移動方向と平行な感磁方向を有する第1異方性磁気抵抗素子、および磁性体の移動方向と垂直な感磁方向を有する第2異方性磁気抵抗素子で構成されたハーフブリッジ回路を含むことが好ましい。
本発明の一態様において、磁気抵抗センサは、磁性体の移動方向と垂直方向に複数配置してラインセンサとして構成されることが好ましい。
本発明の一態様において、第1バイアス磁石および第2バイアス磁石の磁性体移動方向の上流側および下流側の側面に設けられた磁性体ヨークをさらに備えることが好ましい。
本発明の一態様において、磁性体ヨークは、第1バイアス磁石または第2バイアス磁石の対向面から磁気抵抗センサ側に突出して設けられることが好ましい。
本発明の一態様において、第1バイアス磁石および第2バイアス磁石は、両面4極着磁パターンの角柱状磁石であることが好ましい。
本発明の一態様において、前記バイアス磁石は、磁気抵抗センサの配列方向に沿って複数の磁極に分割されていることが好ましい。
本発明の一態様において、各磁気抵抗センサからの出力信号を処理するための処理回路と、
磁性体の移動経路外に配置された、補償用の磁気抵抗センサとをさらに備え、
処理回路は、補償用の磁気抵抗センサからの信号を用いて前記出力信号を補償することが好ましい。
本発明の一態様において、各磁気抵抗センサからの出力信号を処理するための処理回路と、
移動経路における磁性体の有無を示す検知信号を該処理回路に供給するための磁性体検知部をさらに備え、
処理回路は、磁性体が存在しないときの出力信号を用いて、磁性体が存在するときの出力信号を補償することが好ましい。
本発明の一態様において、複数の磁気抵抗センサがマトリクス状に配列された磁気イメージセンサと、
磁気抵抗センサの配列方向と平行な磁界成分を発生する磁界発生手段とを備え、
各磁気抵抗センサは、複数の異方性磁気抵抗素子で構成されていることが好ましい。
本発明の一態様において、直線状またはマトリクス状に配列した複数の磁気抵抗センサを備え、
各磁気抵抗センサは、基板上に強磁性体の薄膜パターンとして形成された複数の異方性磁気抵抗素子で構成され、
各異方性磁気抵抗素子は、基板主面に対して平行であって、互いに平行または垂直な感磁方向を有することが好ましい。
本発明の一態様において、検出対象の磁性体は、移動方向に沿って一定のピッチで形成されたスリット形状を有しており、
磁気抵抗センサからの信号に基づいて、磁性体の移動量および移動方向を演算する処理回路をさらに備えることが好ましい。
本発明によれば、各磁極の中間付近には磁界がゼロになる点が存在するようになり、このゼロ点の周囲において強い磁場勾配が形成される。そのため、使用する磁気抵抗センサの設置位置に応じて、センサに印加されるバイアス磁界を所望の値に設定できる。その結果、磁性体の移動に伴う磁界変化を高精度で検出できる。
本発明の実施の形態1を示す斜視図である。 本発明の実施の形態1を示す側面図である。 一般的なSMR素子およびAMR素子について外部印加磁界に対する抵抗変化率の関係を示すグラフである。 磁気抵抗センサおよび下側磁石の対向面を示す平面図である。 磁界のX成分Bxについて磁界ゼロ点を通るZ軸方向に沿ってプロットしたグラフである。 本発明の実施の形態2を示す平面図である。 本発明の実施の形態3を示す側面図である。 本発明の実施の形態1での磁力線分布を示す側面図である。 本発明の実施の形態3での磁力線分布を示す側面図である。 磁界のX成分Bxについて磁界ゼロ点を通るZ軸方向に沿ってプロットしたグラフである。 磁界のX成分Bxについて磁界ゼロ点を通るZ軸方向に沿ってプロットしたグラフである。 本発明の実施の形態3を示す斜視図である。 本発明の実施の形態4を示す斜視図である。 本発明の実施の形態4を示す側面図である。 磁界のX成分Bxについて磁界ゼロ点を通るZ軸方向に沿ってプロットしたグラフである。 本発明の実施の形態5を示す斜視図である。 本発明の実施の形態5を示す平面図である。 本発明の実施の形態7を示す斜視図である。 本発明の実施の形態7を示す側面図である。 下側磁石に下側ヨークを貼り付けた例を示す側面図である。 磁性体の磁気パターンの各種例を示す平面図であり、図21Aは横縞磁気パターンの一例を示し、図21Bは縦縞磁気パターンの一例を示す。 磁気パターンの読み取り位置と磁気抵抗センサの中点電位出力の関係を示す説明図である。 磁気イメージセンサの配置の他の例を示す側面図である。 下側磁石の両側面に下側ヨークを貼り付けた他の例を示す側面図である。 下側磁石の磁極配置の他の例を示す斜視図である。 下側磁石の磁極配置のさらに他の例を示す斜視図である。 図26に示す構成において、下側磁石の両側面に磁極毎に下側ヨークを貼り付けた場合の平面図である。 下側磁石の磁極配置のさらに他の例を示す斜視図である。 図28に示す構成において、下側磁石の両側面に磁極毎に下側ヨークを貼り付けた場合の平面図である。 本発明の実施の形態8を示す斜視図である。 磁気抵抗センサの他の構成を示す平面図である。 図32Aは磁気イメージセンサの平面図であり、図32Bはグラデーション磁気パターンの一例を示し、図32Cは三角形状磁気パターンの一例を示す。 磁気パターンの読み取り位置と磁気抵抗センサの中点電位出力の関係を示す説明図である。 本発明の実施の形態9を示す斜視図である。 本発明の実施の形態9を示す側面図である。 図35に示す構成において、下側磁石および上側磁石の両側面に下側ヨークおよび上側ヨークをそれぞれ貼り付けた例を示す側面図である。 磁石の着磁配置の他の例を示す側面図である。 図37に示す構成において、下側磁石および上側磁石の両側面に下側ヨークおよび上側ヨークをそれぞれ貼り付けた例を示す側面図である。 本発明の実施の形態10を示す平面図である。 本発明の実施の形態11を示す構成図である。 本発明の実施の形態12を示す構成図である。 本発明の実施の形態13を示す斜視図である。 本発明の実施の形態13を示す側面図である。 本発明の実施の形態1での磁力線分布を示す側面図である。 本発明の実施の形態13での磁力線分布を示す側面図である。 図45のA部の拡大図であり、図46Aは磁性体が無い場合の磁力線分布を示し、図46Bは磁性体が存在する場合の磁力線分布を示す。
以下、本発明の実施形態である磁性体検出装置について図面を参照しながら説明する。
なお、各図において同一又は同様の構成部分については同じ符号を付している。
実施の形態1.
図1は本発明の実施の形態1による磁性体検出装置を示す斜視図であり、図2はその側面図である。磁性体検出装置は、下側磁石11aと、上側磁石11bと、スペーサ13と、磁気抵抗センサ20などを備える。ここで理解容易のため、被検出物である磁性体1の移動方向をX方向とし、下側磁石11aから上側磁石11bへ向かう方向をZ方向とし、X方向およびZ方向に垂直な方向をY方向とする。
下側磁石11aおよび上側磁石11bは、一定のギャップGの間隔を維持しつつ、磁性体1の移動経路の下側および上側に対向配置される。下側磁石11aおよび上側磁石11bの位置およびギャップGを正確に維持するために、ハウジング(不図示)等に固定されている。
磁気抵抗センサ20は、磁性体1の移動経路の途中で、下側磁石11aの対向面と上側磁石11bの対向面とのほぼ中間付近、即ち、下側磁石11aからの距離G/2+αの位置に配置される。磁気抵抗センサ20を正確に位置決めするために、板状のスペーサ13を下側磁石11aの対向面に設置している。スペーサ13は、磁界に影響を与えない非磁性材料で形成されており、下側磁石11、スペーサ13および磁気抵抗センサ20を接着等で固定することによって磁気抵抗センサ20の位置が安定化される。
磁石の着磁方向に関して、下側磁石11aは、その対向面においてX方向に沿ってS極、N極の順に配列するように着磁されている。一方、上側磁石11bは、その対向面においてX方向に沿ってN極、S極の順に配列するように着磁されている。そして、下側磁石11aのS極と上側磁石11bのN極とが互いに対向し、下側磁石11aのN極と上側磁石11bのS極とが互いに対向している。なお、上述とは逆極性の配置、即ち、下側磁石11aではN極、S極の順に配列し、上側磁石11bではS極、N極の順に配列した配置でも構わない。
こうした四重極配置では、一方の対角に位置する2つのN極から他方の対角に位置する2つのS極へ向かう磁力線を有するバイアス磁界分布が形成される。このとき4つの磁極の中間付近には磁界がゼロになる点が存在するようになり、このゼロ点の周囲に強い磁場勾配を形成することができる。
磁性体1は、周知の搬送機構(不図示)によって搬送され、磁気抵抗センサ20と上側磁石11bの対向面の間に形成された空間を通過する。
磁気抵抗センサ20は、半導体磁気抵抗(SMR)素子で構成してもよく、高感度の磁界検出が可能な巨大磁気抵抗(GMR)素子、トンネル磁気抵抗(TMR)素子、異方性磁気抵抗(AMR)素子などで構成することがより好ましい。AMR素子は、一般に、強磁性薄膜として作成され、素子の抵抗値を大きくしたり、温度特性を小さくすることができ、センサとしての信頼性を高くできる。さらに、AMR素子は、半導体磁気抵抗(SMR)素子と比べて磁気飽和レベルが低いが、非飽和領域においてより高感度を示す特性を有する。
図3は、一般的なSMR素子およびAMR素子について外部印加磁界に対する抵抗変化率の関係を示すグラフである。点線がSMR素子を示し、実線がAMR素子を示す。印加磁界の変化量ΔBに対する抵抗変化率の変化量ΔRの割合(ΔR/ΔB)が大きいほど、センサ出力変化が大きくなるため、感度の点からは抵抗変化率曲線の傾きは大きい方が望ましい。グラフを見ると、印加磁界が小さい領域において、AMR素子は、SMR素子と比べて抵抗変化率曲線の傾きが大きいため、センサの高出力化およびS/N比向上による信号安定性の向上を図ることができる。
一方、印加磁界が大きい領域では、AMR素子の場合、感度の飽和領域が存在しているため、一定以上の外部磁界が印加されると、抵抗変化率、即ち、センサ出力が殆ど変化しなくなるという特性を示す。こうした飽和特性により、バイアス磁石の直近にAMR素子を配置すると、バイアス磁界が強すぎてセンサ出力が飽和状態となり、磁性体が通過してもセンサ出力が変化しなくなる。また、AMR素子が飽和領域に達しないように弱いバイアス磁界を印加した場合、磁性体に印加される磁界も極端に小さくなって、磁性体の有無に伴う磁界変化が小さくなるため、センサ出力が低下するという特性を示す。
図4は、磁気抵抗センサ20および下側磁石11aの対向面を示す平面図である。ここでは、磁気抵抗センサ20を2つのAMR素子21a,21bで構成した場合を例示する。AMR素子21a,21bは、基板上に強磁性体の薄膜パターンとして形成され、図示のように細長いストリップ状に形成した場合、長手方向に対して垂直、かつ基板主面に対して平行な方向が感磁方向になる。本実施形態では、AMR素子21a,21bの感磁方向は、磁性体1の移動方向(X方向)と平行になるように設定されており、X方向の磁界Bxの変化に応じて素子の抵抗値が変化するようになる。
AMR素子21a,21bは、電源ラインVccと接地ラインGNDの間に直列接続されてハーフブリッジ回路を構成している。その中点電位が出力信号として後段の処理回路14に供給され、増幅および各種信号処理が行われる。
図5は、磁界のX成分Bxについて磁界ゼロ点を通るZ軸方向に沿ってプロットしたグラフである。磁石11a,11bによって形成されるバイアス磁界分布を2次元シミュレーションで計算している。横軸は、下側磁石11aの対向面からのZ方向距離であり、縦軸は、発生磁界のX成分Bxを示す。磁石11a,11bの寸法は、図2を参照して、A=10mm、B=5mm、G=5mmであり、材質として一般的なネオジム焼結磁石を用いている。
グラフを見ると、両磁石の中間点(Z=2.5mm)で磁界Bxが0になることが判る。磁気抵抗素子は、線幅や膜厚を適宜選択することによって、感度傾きや飽和磁界を変更することができる。例えば、図3の実線に示すように、一般的な値として飽和磁界が5mTの磁気抵抗素子を用いた場合、Z=2.55mm付近でBxが5mTとなる。即ち、磁気抵抗センサ20のオフセット位置αを、0<α<0.05mmに設定することが好ましく、磁気抵抗素子の出力が飽和することなく適切なバイアス磁界を印加することができる。より好ましくは、磁気抵抗素子の感度傾きが最も大きいBx=2.5mT程度のバイアス磁界が印加される状態であり、磁気抵抗センサ20をα=0.025mm付近に位置決めすることによって最も高い出力が得られる。
次に動作を説明する。磁気抵抗センサ20(例えば、図4のAMR素子21a,21b)に対してバイアス磁界Bxが常に印加された状態で、磁性体1がX方向に搬送される。
磁性体1が上流側のAMR素子21aに接近すると、AMR素子21a付近の磁界Bxが変化するが、下流側のAMR素子21b付近の磁界Bxは変化しないため、AMR素子21aの抵抗値のみが変化し、中点電位が変化する。続いて、磁性体1がX方向にさらに移動して下流側のAMR素子21bに接近すると、AMR素子21b付近の磁界Bxも変化するようになり、各素子の抵抗値が共に変化して、中点電位は磁性体が無いときと同じ電位に戻る。続いて、磁性体1がX方向にさらに移動すると、下流側のAMR素子21bの抵抗値のみが変化して、今度は中点電位が先ほどと逆の方向に変化する。続いて、磁性体1がAMR素子21bから離れると、中点電位は磁性体が無いときと同じ電位に戻る。
こうして中点電位は、定常値→正側(または負側)に変化→定常値→負側(または正側)に変化→定常値のように変化するため、動作としては磁性体のエッジを検出することに相当する。磁性体1がAMR素子を通過する際の磁界変化は、磁性体1周辺の磁界(即ち、磁性体1の印加磁界)に比例し、その磁界変化をAMR素子で検出しているため、高出力化のためには磁性体1により大きな磁界を印加する必要がある。
本実施形態では、例えば、磁性体1がZ=3mm付近を通過する場合、図5のグラフから磁性体1の印加磁界はBx=約77mTになる。一方、磁性体1がZ=4mm付近を通過する場合、磁性体1の印加磁界はBx=約240mTとなり、Z=3mmの約3倍の磁界が磁性体1に印加されるようになる。
一般に、磁性体が均一磁場内を通過して、磁性体による磁界変化が磁性体の位置によらず一定である場合、磁性体が磁気抵抗素子に近いほど、磁性体による磁界変化と磁気抵抗素子近傍での磁界変化が近い値となり、大きな出力が得られる。逆に、磁性体が磁気抵抗素子から離れるほど、磁性体の磁界変化に対して磁気抵抗素子近傍での磁界変化が小さくなり、出力が低下する。
これに対して本実施形態では、ゼロ点の周囲に強い磁場勾配を形成しているため、磁性体1が磁気抵抗センサ20から遠ざかるほど、大きい磁界が磁性体1に印加されるようになる。そのため、磁性体1が磁気抵抗センサ20から遠ざかることによる出力低下を、印加磁界の増大によって抑制できる。その結果、磁性体1と磁気抵抗センサ20との距離が変動したとしても、安定した出力信号を得ることができる。
このように本実施形態によれば、磁界ゼロ点の周囲に強い磁場勾配を形成することによって、磁気抵抗センサ20への印加磁界の強さを調整することができる。従って、使用する磁気抵抗センサの特性に応じて、所望のバイアス磁界を容易に設定することができる。
例えば、磁気抵抗センサ20として異方性磁気抵抗(AMR)素子を使用した場合、ゼロ点付近に位置決めすることによって、感度飽和を抑制しつつ、高感度の磁界検出を実現できる。
また、磁性体1が磁石11a,11bの間を通過する際、ゼロ点から離れるほど磁性体1へ印加される磁界の強さが大きくなり、磁性体の移動に伴う磁界変化量も増加する。そのため磁性体1と磁気抵抗センサ20の間の距離が変動したとしても、距離変動を補償するように磁界変化量が変化する。その結果、磁気抵抗センサ20の出力信号が安定化され、非接触で高感度な磁性体検出が可能になる。
また、特許文献1では、非接触検出のためには2つの永久磁石と2つの磁気抵抗素子を対向させる必要があったが、本実施形態によれば、1つの磁気抵抗センサ20を用いた非接触検出が可能になる。特に、比較的高価な磁気抵抗センサの数を低減できるため、装置全体のコスト削減が図られる。
実施の形態2.
図6は本発明の実施の形態2を示す平面図である。装置全体の構成は実施の形態1と同様であり、磁性体検出装置は、図1に示したように、下側磁石11aと、上側磁石11bと、スペーサ13と、磁気抵抗センサ20などを備える。ここでは、図4と同様に、磁気抵抗センサ20を2つのAMR素子21a,21bで構成した場合を例示するが、半導体磁気抵抗(SMR)素子、巨大磁気抵抗(GMR)素子、トンネル磁気抵抗(TMR)素子などで構成しても構わない。
本実施形態では、AMR素子21a,21bの配置について実施の形態1と相違している。AMR素子21a,21bは、基板上に形成された強磁性体の薄膜パターンとして形成され、図示のように細長いストリップ状に形成した場合、長手方向に対して垂直、かつ基板主面に対して平行な方向が感磁方向になる。
本実施形態では、AMR素子21aの感磁方向は、磁性体1の移動方向(X方向)と平行になるように設定され、X方向の磁界Bxの変化に応じて素子の抵抗値が変化するようになる。一方、AMR素子21bの感磁方向は、磁性体1の移動方向と垂直な方向(Y方向)に設定され、磁界Bxの変化に対して素子の抵抗値が変化しないように配置される。
AMR素子21a,21bは、電源ラインVccと接地ラインGNDの間に直列接続されてハーフブリッジ回路を構成している。その中点電位が出力信号として後段の処理回路14に供給され、増幅および各種信号処理が行われる。
こうした素子配置により、バイアス磁界がX方向に印加されている場合、AMR素子21aについてはバイアス磁界Bxが印加されるが、AMR素子21bについては感磁方向と垂直であるため、バイアス磁界が印加されない。この状態で磁性体1がX方向に移動してAMR素子21aに接近したとき、AMR素子21a付近の磁界Bxが変化して素子の抵抗値が変化する。一方、磁性体1がAMR素子21bに接近したとき、AMR素子21b付近の磁界Bxが変化しても、その磁界変化を検出できず、AMR素子21bの抵抗値は一定である。このとき中点電位は、磁性体1が磁気抵抗センサ20上にある場合には変化し、無い場合には変化しない。即ち、動作としては、実施の形態1のような磁性体のエッジ検出ではなく、磁性体の存在そのものを検出することになる。
磁性体のエッジ検出の場合、エッジ形状が不安定であると、エッジでの波形が出ない可能性や、電磁ノイズ等の影響によってエッジ部分を読み飛ばしてしまうと磁性体の判別が困難になる可能性がある。これに対して本実施形態では、磁性体のエッジを検出するのではなく、磁性体の存在そのものを検出することにより、磁性体のエッジ形状に依存することなく、安定して磁性体を検出することができ、外来ノイズに強い安定した磁性体検出信号を得ることができる。
また、本実施形態では、実施の形態1と同様に、磁界ゼロ点の周囲に強い磁場勾配を形成することによって、磁気抵抗センサ20への印加磁界の強さが調整可能であり、使用する磁気抵抗センサの特性に応じて、所望のバイアス磁界を容易に設定することができる。
さらに、磁性体1と磁気抵抗センサ20の間の距離が変動しても、安定した出力信号が得られるため、非接触で高感度な磁性体検出が可能になる。
実施の形態3.
図7は本発明の実施の形態3を示す側面図である。装置全体の構成は実施の形態1および2とほぼ同様であるが、磁性体検出装置は、下側磁石11aと、上側磁石11bと、スペーサ13と、磁気抵抗センサ20の他に、下側ヨーク15a、上側ヨーク15bを備える。磁気抵抗センサ20は実施の形態1、実施の形態2のいずれの形態の場合でも本実施の形態は有効である。
下側ヨーク15aは、厚さPを持つ板状の磁性体(例えば鉄など)により形成され、下側磁石11aの両側面、即ち、磁性体1が移動するX方向の上流側面および下流側面に接着、一体成形、磁力による吸引などの方法で取り付けられる。下側ヨーク15aの上端は、下側磁石11aの上側対向面を基準として+Z方向に所定の突出量Qだけ突出していることが好ましい。上側ヨーク15bも同様に、厚さPを持つ板状の磁性体で形成され、上側磁石11bの両側面、即ち、磁性体1が移動するX方向の上流側面および下流側面に接着、一体成形、磁力による吸引などの方法で取り付けられる。上側ヨーク15bの下端は、上側磁石11bの下側対向面を基準として−Z方向に所定の突出量Qだけ突出していることが好ましい。
次に本実施形態における効果について図8〜図11を用いて説明する。実施の形態1および2のように磁石を上下に対向させて配置した場合、その磁力線は図8のように磁石のN極の磁石面全体から発せられ、S極の面全体に向かうループを描く。それに対して、本実施形態のように上下磁石にヨークを取り付けた場合、その磁力線は図9のように磁石のN極側ヨーク端から発せられ、S極のヨーク端に向かうループを描く。
こうしたヨークの設置により、磁力線を検出対象の磁性体1が通過する領域に集中させることが可能になり、磁石のみを対向させた場合に比べてさらに大きな印加磁界を磁性体1に与えることができる。その結果、磁性体1と磁気抵抗センサ20の間の距離が変動した場合の出力信号がさらに安定化されるため、非接触でより高感度な磁性体検出が可能になる。
図10は、磁界のX成分Bxについて磁界ゼロ点を通るZ軸方向に沿ってプロットしたグラフである。磁石11a,11bおよびヨーク15a,15bによって形成されるバイアス磁界分布を2次元シミュレーションで計算している。横軸は、下側ヨーク15aの対向面からのZ方向距離であり、縦軸は、発生磁界のX成分Bxを示す。磁石11a,11bの寸法は、図7を参照して、A=10mm、B=3mm、G=7mm、ヨークの寸法はP=1mm、Q=1mmであり、材質として磁石は一般的なネオジム焼結磁石を、ヨークは一般的な鉄材を用いている。
実線は、本実施形態のヨーク設置による磁界分布を示し、破線は、比較のため、実施の形態1の磁石配置による磁界分布(図5)を示す。
実線および破線のグラフを見ると、両磁石の中間点(Z=2.5mm)で磁界Bxが0になる点で共通するが、実線は、S字カーブを示す傾向があり、磁界ゼロ点付近でのBx成分は破線と点線でほぼ同等であるが、磁性体が通過する領域即ち磁石から離れた地点でのBx成分が大幅に増大していることが判る。これは、先ほど述べたようにヨーク付近に磁力線が集中しているためである。
本実施形態では、例えば、磁性体1がZ=3mm付近を通過する場合、図10のグラフから磁性体1の印加磁界はBx=約80mTで実施の形態1とほぼ同等になる。一方、磁性体1がZ=4mm付近を通過する場合、磁性体1の印加磁界はBx=約420mTとなり、実施の形態1より大きい磁界を磁性体1に印加することが可能になる。
また本実施形態では、磁石が持つ磁力(残留磁束密度)等を適切に選択する事により、図11に示すような磁界分布を作ることも可能である。図11は、図10と同様の形状で残留磁束密度を40%低減させた磁石材質を仮定したシミュレーション結果を示す。実施の形態1の場合は0<α<0.05mmの間でαをとることができるが、これは逆に言うと下側磁石11aと磁気抵抗センサ20の間のZ方向組付け誤差を0.05mm以下に抑える必要があることを意味している。αの値が小さいと、スペーサ13の厚さ公差や、磁気抵抗センサ20の厚さ、組み立て時の公差などを厳密に管理する必要が有り、製品としての歩留まり、コストや品質の面であまり好ましくない。一方、図11のように磁界ゼロ点付近でのBxの傾きを小さくすると、磁気抵抗センサ20がZ方向にある程度の公差を持って配置されても、磁気抵抗センサに掛かるバイアス磁界の変化が少なく、αの値を実施の形態1と比較して大きくとることができる。図11ではZ=2.58mm付近でBxが5mTとなる。即ち、磁気抵抗センサ20のオフセット位置αを、0<α<0.08mmと設定することができ、図10と比較して組立て精度の緩和によるコストダウンや品質向上が期待される。
一方、磁性体が通過する領域をZ=4mm以上に設定すると、実施の形態1と比較してより大きい磁界を磁性体1に印加することができ、磁性体距離が変動した場合の出力信号のさらなる安定化を図り、非接触で高感度な磁性体検出が可能になる。
実施の形態4.
図12は本発明の実施の形態4を示す斜視図である。磁性体検出装置は、下側磁石11aと、上側磁石11bと、スペーサ13と、磁気抵抗センサ20などを備える。本実施形態において、磁石11a,11bの配置およびこの配置によって形成される磁界分布は実施の形態1と同様であるが、磁気抵抗センサ20をラインセンサとして構成している。ここでは、図4と同様に、磁気抵抗センサ20を多数のAMR素子で構成した場合を例示するが、半導体磁気抵抗(SMR)素子、巨大磁気抵抗(GMR)素子、トンネル磁気抵抗(TMR)素子などで構成しても構わない。
磁気抵抗センサ20は、図6に示したように、2つのAMR素子21a,21bが互いに垂直な感磁方向を有するように配置された垂直パターン配置を1つのアレイユニットとして、複数のアレイユニットを直線状に配列することによってラインセンサを構成している。
代替として、磁気抵抗センサ20は、図4に示したように、2つのAMR素子21a,21bが互いに平行な感磁方向を有するように配置された平行パターン配置を1つのアレイユニットとして、複数のアレイユニットを直線状に配列することによってラインセンサを構成してもよい。
こうしたラインセンサ化した磁気抵抗センサ20を使用することによって、磁性体1の移動に伴う磁界変化をライン状で検出できるため、高い空間分解能で高速な磁気読み取りを実現できる。
また、本実施形態では、実施の形態1と同様に、磁界ゼロ点の周囲に強い磁場勾配を形成することによって、磁気抵抗センサ20への印加磁界の強さが調整可能であり、使用する磁気抵抗センサの特性に応じて、所望のバイアス磁界を容易に設定することができる。さらに、磁性体1と磁気抵抗センサ20の間の距離が変動しても、安定した出力信号が得られるため、非接触で高感度な磁性体検出が可能になる。
また、本実施の形態においても、実施の形態3と同様に上下磁石11a,11bの両側面に磁性体のヨークを取り付けることが可能である。これにより磁性体距離が変動した場合の出力信号のさらなる安定化を図り、非接触で高感度な磁性体検出が可能になる。さらに、磁気抵抗センサ20のオフセット位置αの拡大による組立て精度の緩和によるコストダウンや品質向上を図ることが可能である。
特に、本実施形態においては、上下の磁石11a,11bがY軸方向に細長い形状となるため、磁石の均一性が保たれにくく、出力端子毎のバラツキが発生する可能性があるが、磁性体ヨークを上下磁石11a,11bの両側面に取り付けることにより、磁石の磁力バラツキに関係なく安定した磁界分布を形成することが可能となる。その結果、磁石の歩留まり向上によるコストダウンや品質の向上を図ることができる。
実施の形態5.
図13は本発明の実施の形態5を示す斜視図であり、図14はその側面図である。磁性体検出装置は、下側磁石11aと、上側磁石11bと、スペーサ13と、磁気抵抗センサ20などを備える。装置全体の構成は実施の形態1と同様であるが、本実施形態では、磁石11a,11bの着磁方向が異なる。
下側磁石11aおよび上側磁石11bは、一定のギャップGの間隔を維持しつつ、磁性体1の移動経路の下側および上側に対向配置される。下側磁石11aは、いわゆる両面4極着磁と呼ばれる着磁パターンを有し、その対向面においてX方向に沿ってS極、N極の順に配列し、その裏面ではX方向に沿ってN極、S極の順に配列するように着磁されている。上側磁石11bも同様に、両面4極着磁と呼ばれる着磁パターンを有し、その対向面においてX方向に沿ってN極、S極の順に配列し、その裏面ではX方向に沿ってS極、N極の順に配列するように着磁されている。そして、下側磁石11aの対向面におけるS極と上側磁石11bの対向面におけるN極とが互いに対向し、下側磁石11aの対向面におけるN極と上側磁石11bの対向面におけるS極とが互いに対向している。
こうした磁極配置でも、実施の形態1と同様に、両対向面において一方の対角に位置する2つのN極から他方の対角に位置する2つのS極へ向かう磁力線を有するバイアス磁界分布が形成される。このとき4つの磁極の中間付近には磁界がゼロになる点が存在するようになり、このゼロ点の周囲に強い磁場勾配を形成することができる。
図15は、磁界のX成分Bxについて磁界ゼロ点を通るZ軸方向に沿ってプロットしたグラフである。磁石11a,11bによって形成されるバイアス磁界分布を2次元シミュレーションで計算している。横軸は、下側磁石11aの対向面からのZ方向距離であり、縦軸は、発生磁界のX成分Bxを示す。
実線は、本実施形態の磁極配置による磁界分布を示し、破線は、比較のため、実施の形態1の磁極配置による磁界分布(図5)を示す。磁石11a,11bの寸法は、実施の形態1と同様に、A=10mm、B=5mm、G=5mmであり、材質として一般的なネオジム焼結磁石を用いている。
実線および破線のグラフを見ると、両磁石の中間点(Z=2.5mm)で磁界Bxが0になる点で共通するが、実線は、S字カーブを示す傾向があり、磁界ゼロ点付近での磁場勾配が破線より大きくなることが判る。これは、磁石の磁化方向がX方向だけでなくZ方向の成分も存在するため、磁力線ループがZ方向に遠くまで延びることに起因する。その結果、磁石の対向面近傍でのBx成分は実施の形態1と比べて小さくなるのに対し、磁石から離れた地点でのBx成分が実施の形態1よりも大きくなる。
本実施形態では、例えば、磁性体1がZ=3mm付近を通過する場合、図15のグラフから磁性体1の印加磁界はBx=約100mTになる。一方、磁性体1がZ=4mm付近を通過する場合、磁性体1の印加磁界はBx=約340mTとなり、実施の形態1より大きい磁界を磁性体1に印加することが可能になる。
また、本実施形態では、実施の形態3と比較して磁界ゼロ点付近での磁場勾配が大きくなっているため、磁気抵抗センサ20の組立て精度が若干厳しくなるが、磁性体1の通過領域を磁気抵抗センサ20の比較的直近に設定する場合は、より大きい磁界を磁性体に印加することができる点で好ましい。
また、本実施形態では、実施の形態1と同様に、磁界ゼロ点の周囲に強い磁場勾配を形成することによって、磁気抵抗センサ20への印加磁界の強さが調整可能であり、使用する磁気抵抗センサの特性に応じて、所望のバイアス磁界を容易に設定することができる。
さらに、磁性体1と磁気抵抗センサ20の間の距離が変動しても、安定した出力信号が得られるため、非接触で高感度な磁性体検出が可能になる。
また、本実施形態においても、実施の形態3と同様に上下磁石11a,11bの両側面に磁性体のヨークを取り付けることが可能である。これにより磁性体距離が変動した場合の出力信号のさらなる安定化を図り、非接触で高感度な磁性体検出が可能になる。さらに、磁気抵抗センサ20のオフセット位置α拡大による組立て精度の緩和によるコストダウンや品質向上を図ることが可能である。
実施の形態6.
図16は本発明の実施の形態6を示す斜視図であり、図17は磁性体の移動経路から下方に見たときの平面図である。装置全体の構成は実施の形態1と同様であり、磁性体検出装置は、図1に示したように、下側磁石11aと、上側磁石11bと、スペーサ13と、磁気抵抗センサ20などを備える。
本実施形態において、磁石11a,11bの配置およびこの配置によって形成される磁界分布は実施の形態1と同様であるが、検出対象である磁性体1として、磁性体の板にスリット状の貫通穴1aを所定ピッチで多数形成した磁性体スケールを採用している。
磁性体スケールは、例えば、工作機械などの直動装置の駆動部分に取り付けられて一体的に移動するものであり、磁性体スケールの全長は直動装置のストロークで規定される。
また、貫通穴1aは一定のピッチPで形成され、貫通穴1aの有無による磁界変化を磁気抵抗センサ20を用いて検出し、出力信号をカウントすることにより、磁性体スケールの移動量すなわち直動装置の駆動量が計測可能である。
ここでは、磁気抵抗センサ20を4つのAMR素子21d〜21fで構成した場合を例示するが、半導体磁気抵抗(SMR)素子、巨大磁気抵抗(GMR)素子、トンネル磁気抵抗(TMR)素子などで構成しても構わない。なお、図17では、素子21d〜21fの配置を説明するために、一部の貫通穴について図示を省略している。
AMR素子21d〜21fは、基板上に形成された強磁性体の薄膜パターンとして形成され、図示のように細長いストリップ状に形成した場合、長手方向に対して垂直、かつ基板主面に対して平行な方向が感磁方向になる。AMR素子21d〜21fの感磁方向は、磁性体1の移動方向(X方向)と平行になるように設定され、いずれもX方向の磁界Bxの変化に応じて素子の抵抗値が変化する。
AMR素子21d,21fは、P/2の間隔で配置されており、電源ラインVccと接地ラインGNDの間に直列接続されて第1のハーフブリッジ回路を構成している。同様に、AMR素子21e,21gは、P/2の間隔で配置されており、電源ラインVccと接地ラインGNDの間に直列接続されて第2のハーフブリッジ回路を構成している。また、磁性体1の移動方向を判別するために、AMR素子21dとAMR素子21eの間隔は、P/4に設定される。各ハーフブリッジ回路の中点電位が出力信号として後段の処理回路14に供給され、増幅および各種信号処理が行われる。
磁性体1は、X方向に前後移動してもZ位置が一定となるように冶具等によって固定される。そのZ位置が磁気抵抗センサ20に接近している場合、中点電位から出力信号は磁性体1の移動に伴って矩形パルス状に変化するため、そのパルス出力を処理回路14でカウントすることによって、スケールの移動量および移動方向が計測される。
一方、磁性体1のZ位置が磁気抵抗センサ20から遠い場合、中点電位から出力信号は磁性体1の移動に伴って正弦波状に変化する。このとき第1のハーフブリッジ回路の出力信号は正弦波出力となり、第2のハーフブリッジ回路の出力信号は、位相が90度ずれた余弦波出力となる。そこで、正弦波出力と余弦波出力の逆正接を演算することによって、スケールの移動量を高分解能で計測できる。
また、本実施形態においても、実施の形態3と同様に上下磁石11a,11bの両側面に磁性体のヨークを取り付けることが可能である。これにより磁性体距離が変動した場合の出力信号のさらなる安定化を図り、非接触で高精度な磁性体検出が可能になる。さらに、磁気抵抗センサ20のオフセット位置α拡大によって組立て精度の緩和によるコストダウンや品質向上を図ることが可能である。
本実施形態では、磁性体スケールが直動装置の駆動部とともに移動する構成を例示したが、磁性体スケールが静止した状態で、磁性体検出装置が直動装置の駆動部とともにX方向に移動可能なように構成することも可能である。
また本実施形態では、磁石11a,11bの着磁方向が実施の形態1と同様の例について示したが、実施の形態3のような着磁方向でも構わない。また、磁気抵抗センサ20を構成するAMR素子21d〜21fの配置は、ここで説明したものに限定されず、磁性体スケールの貫通穴の有無による磁界変化を検出できるものであれば、何れの素子配置でも構わない。
また本実施形態では、多数の貫通穴が所定ピッチで配列したインクリメント型エンコーダを例示したが、スケールの絶対位置を検出するための絶対値トラックを備えたアブソリュート型エンコーダでも構わない。
また本実施形態では、磁性体スケールが直線移動するリニアエンコーダを例示したが、磁性体スケールが回転変位するロータリエンコーダでも構わない。
また、本実施の形態では磁性体スケールは磁性体の板にスリット状の貫通穴1aを所定のピッチで多数形成した例を示しているが、本実施の形態における磁性体スケールはこの構成に限らず、磁性体部と非磁性体部が所定のピッチで並んでおればよい。例えば、非磁性体の板1に印刷や蒸着、メッキなどの方法により磁性体のスリット1aを設ける構成であってもよい。
実施の形態7.
図18は本発明の実施の形態7を示す斜視図であり、図19はその側面図である。磁気イメージ検出装置は、磁気イメージセンサ25と、バイアス用の下側磁石11aと、処理回路50などを備える。ここで理解容易のため、被検出物である磁性体1の移動方向をX方向とし、磁性体1の移動方向と垂直な方向をY方向とし、X方向およびY方向に垂直な方向をZ方向とする。
磁気イメージセンサ25は、複数の磁気抵抗センサ20が直線状に配列されている。各磁気抵抗センサ20からの出力信号が同時または時系列に処理回路50に供給され、1次元の画像信号として処理回路50に格納される。こうした読み取り動作を、磁性体1が所定ピッチで移動する度に行うことによって、磁性体1の磁気分布、即ち、2次元の磁気パターン画像を取得できる。このとき磁気抵抗センサ20の配列方向が主走査方向(Y方向)となり、磁性体1の移動方向が副走査方向(X方向)となる。
各磁気抵抗センサ20は、2つの異方性磁気抵抗(AMR)素子21a,21bで構成される。AMR素子21a,21bは、基板上に強磁性体の薄膜パターンとして形成され、図示のように細長いストリップ状に形成した場合、長手方向に対して垂直、かつ基板主面に対して平行な方向が感磁方向になる。本実施形態では、AMR素子21a,21bの感磁方向は、磁性体1の移動方向(X方向)と平行になるように設定されており、X方向の磁界Bxの変化に応じて素子の抵抗値が変化するようになる。
AMR素子21a,21bは、電源ラインVccと接地ラインGNDの間に直列接続されてハーフブリッジ回路を構成している。その中点電位が出力信号として後段の処理回路50に供給され、増幅および各種信号処理が行われる。
なお、磁気抵抗素子として、異方性磁気抵抗(AMR)素子の他に、巨大磁気抵抗(GMR)素子、トンネル磁気抵抗(TMR)素子なども使用できる。
本実施形態では、磁気抵抗センサ20として、単一の基板に2つのAMR素子21a,21bからなるハーフブリッジ回路を搭載し、複数の基板を直線状に配置した場合を例示するが、単一の基板に複数のハーフブリッジ回路を集積化してもよく、これにより実装コストの削減が図られる。
下側磁石11aは、磁性体1の移動方向と平行な磁界成分を発生する機能を有する。下側磁石11aは、角柱状磁石として構成され、着磁方向に関して、磁気イメージセンサ25との対向面においてX方向に沿ってS極、N極の順に配列するように着磁されている。これによりN極からS極へ向かう磁力線を有するバイアス磁界分布が形成され、下側磁石11aの中心を通る垂直なYZ面においてX方向と平行な磁界が形成される。このYZ面に磁気イメージセンサ25を位置決めすることによって、磁気抵抗センサ20に対してX方向のバイアス磁界が印加される。なお、下側磁石11aは、上述とは逆極性の配置、即ち、X方向に沿ってN極、S極の順に配列しても構わない。
図20は、下側磁石11aに下側ヨーク15aを貼り付けた例を示す側面図である。このように、軟磁性体からなる下側ヨーク15aを、下側磁石11aの両側面、即ち、磁性体1が移動するX方向の上流側面および下流側面に貼り付けて設置してもよい。この場合、下側ヨーク15aの寸法(例えば、ヨーク厚さ、バイアス磁石からの突出量など)を調節することによって、磁性体1の移動方向と平行な磁界成分をより正確に設定できる。また、本実施形態においては、下側磁石11aがY軸方向に細長い形状となるため、磁石の均一性が保たれにくく、出力端子毎のバラツキが発生する可能性があるが、下側ヨーク15aを下側磁石11aの両側面に取り付けることにより、磁石の磁力バラツキに関係なく安定した磁界分布を形成することが可能となる。結果として磁石の歩留まり向上によるコストダウンや品質の向上を図ることができる。
磁気イメージセンサ25は、下側磁石11aの上面に直接設置してもよく、あるいは非磁性材料からなる板状のスペーサを介して設置してもよい。この場合、スペーサ厚みを調整することによって、磁気抵抗センサ20に印加されるバイアス磁界の大きさを正確に設定できる。
磁性体1は、周知の搬送機構(不図示)によって搬送され、磁気イメージセンサ25の上面と接触した状態、あるいは上面から所定の距離を保った状態でX方向に移動する。
図21は、磁性体1の磁気パターンの各種例を示す平面図であり、図21Aは横縞磁気パターンの一例を示し、図21Bは縦縞磁気パターンの一例を示す。図21Aに示す横縞磁気パターンPAは、Y方向に細長い矩形状の磁気パターンMPがX方向に沿って周期的に配列している。一方、図21Bに示す縦縞磁気パターンPBは、X方向に細長い矩形状の磁気パターンMPがY方向に沿って周期的に配列している。
磁気読み取りの際、横縞磁気パターンPAがX方向に移動して、特定の磁気パターンMPが上流側のAMR素子21aに接近すると、AMR素子21a付近の磁界Bxが変化するが、下流側のAMR素子21b付近の磁界Bxは変化しないため、AMR素子21aの抵抗値のみが変化し、中点電位が変化する。続いて、磁気パターンMPがX方向にさらに移動して下流側のAMR素子21bに接近すると、AMR素子21b付近の磁界Bxも変化するようになり、各素子の抵抗値が共に変化して、中点電位は磁性体が無いときと同じ電位に戻る。続いて、該磁気パターンがX方向にさらに移動すると、下流側のAMR素子21bの抵抗値のみが変化して、今度は中点電位が先ほどと逆の方向に変化する。続いて、磁気パターンMPがAMR素子21bから離れると、中点電位は磁性体が無いときと同じ電位に戻る。
図22は、磁気パターンの読み取り位置と磁気抵抗センサ20の中点電位出力の関係を示す説明図である。図22の実線で示すように、ハーフブリッジ回路の中点電位は、定常値→負パルス→定常値→正パルス→定常値のように変化するため、動作としては磁気パターンMPのX方向エッジを検出することに相当する。
一方、図21Bに示す縦縞磁気パターンPBを読み取る場合、磁気パターンMPが通過する領域に位置する磁気抵抗センサ20は、図22の実線で示すような信号を出力するが、磁気パターンMPの通過領域外に位置する磁気抵抗センサ20は定常値を出力するだけであり、エッジ検出パルスは現れない。
処理回路50は、各磁気抵抗センサ20からの出力信号を処理し、エッジ検出パルスの有無およびパルス位置を解析することによって、磁気パターンMPの2次元画像を復元することができる。
図23は、磁気イメージセンサ25の配置の他の例を示す側面図である。ここでは、磁気イメージセンサ25の上下面を反転させ、磁気イメージセンサ25と下側磁石11aとの間に空間を確保し、磁性体1が両者の間を通過可能なように構成している。こうした構成であっても、図19と同様に、磁気読み取りが可能である。また、図24は図23に示す構成において、図20と同様に、下側磁石11aの両側面に下側ヨーク15aを貼り付けた例を示す側面図である。こうした下側ヨーク15aの設置により、安定した磁界分布を形成することが可能になる。
図25は、下側磁石11aの磁極配置の他の例を示す斜視図である。ここでは、下側磁石11aが、いわゆる両面4極着磁と呼ばれる着磁パターンを有する角柱状磁石として構成され、磁気イメージセンサ25との対向面ではX方向に沿ってS極、N極の順に配列し、その裏面ではX方向に沿ってN極、S極の順に配列するように着磁されている。
こうした磁極配置では、磁石の磁化方向がX方向だけでなくZ方向の成分も存在するため、磁力線ループがZ方向に遠くまで延びるようになり、磁気イメージセンサ25の検出エリアを拡大することができる。
図26は、下側磁石11aの磁極配置のさらに他の例を示す斜視図である。下側磁石11aは、磁気抵抗センサ20の配列方向に沿って複数の磁極に分割されており、例えば、S極とN極を有する単位磁石を、同極同士が隣接するように多数配列している。こうした構成では、個々の磁石サイズを小さくできるため、磁石全体のコスト削減が図られる。
図27は図26に示す構成において、下側磁石11aの両側面に磁極毎に下側ヨーク15aを貼り付けた場合の平面図である。こうした構成では、下側ヨーク15aを複数用意する、または下側ヨーク15aの取り付け位置を磁極毎にずらすことにより、各磁極のバラツキを下側ヨーク15aにより調整し、バイアス磁界を正確に設定できる。代替として、隣接する各下側ヨーク15a間に隙間を空けることなく、密着配置してもよい。また、単一の下側ヨーク15aを複数の磁極と連接するように貼り付けてもよく、この場合、磁性体ヨーク、組付けのコスト削減が図られる。
図28は、下側磁石11aの磁極配置のさらに他の例を示す斜視図である。下側磁石11aは、磁気抵抗センサ20の配列方向に沿って複数の磁極に分割されており、例えば、S極とN極を有する単位磁石を、異極同士が隣接するように多数配列している。こうした構成では、個々の磁石サイズを小さくできるため、磁石全体のコスト削減が図られる。
図29は図28に示す構成において、下側磁石11aの両側面に磁極毎に下側ヨーク15aを貼り付けた場合の平面図である。こうした構成では、下側ヨーク15aの寸法を複数用意する、または下側ヨーク15aの取り付け位置を磁極毎にずらすことにより、各磁極のバラツキを磁性体ヨークにより調整し、バイアス磁界を正確に設定できる。
以上説明したように、本実施形態では、磁気抵抗センサ20として、単位長当りの抵抗値が大きいAMR素子21a,21bを使用することによって、素子を小型化した場合でも素子自体の消費電流を小さくできる。その結果、良好な温度特性で高い信頼性の磁気イメージセンサ25を実現できる。また、こうした磁気イメージセンサ25を用いることにより、光学イメージセンサを用いて取得できる光学画像に対する画像処理と同様な画像処理が適用可能であり、より高精度の磁気パターン読み取りを実現できる。
実施の形態8.
図30は、本発明の実施の形態8を示す斜視図である。図31は、磁気抵抗センサ20の他の構成を示す平面図である。磁気イメージ検出装置は、実施の形態7と同様に、磁気イメージセンサ25と、下側磁石11aと、処理回路50などを備える。
本実施形態では、AMR素子21a,21bの配置について実施の形態7と相違している。AMR素子21a,21bは、基板24上に形成された強磁性体の薄膜パターンとして形成され、図示のように細長いストリップ状に形成した場合、長手方向に対して垂直、かつ基板主面に対して平行な方向が感磁方向になる。
図31に示すように、AMR素子21aの感磁方向は、磁性体1の移動方向(X方向)と平行になるように設定され、X方向の磁界Bxの変化に応じて素子の抵抗値が変化するようになる。一方、AMR素子21bの感磁方向は、磁性体1の移動方向と垂直な方向(Y方向)に設定され、磁界Bxの変化に対して素子の抵抗値が変化しないように配置される。なお、図31では、高感度化のためにAMR素子21a,21bをそれぞれ折り返し形状に形成した例を示しているが、単一のストリップ状に形成しても構わない。
AMR素子21a,21bは、電源ラインVccと接地ラインGNDの間に直列接続されてハーフブリッジ回路を構成している。その中点電位が出力信号として後段の処理回路50に供給され、増幅および各種信号処理が行われる。
こうした素子配置により、バイアス磁界がX方向に印加されている場合、AMR素子21aについてはバイアス磁界Bxが印加されるが、AMR素子21bについては感磁方向と垂直であるため、バイアス磁界が印加されない。この状態で磁性体1がX方向に移動して、磁気パターンがAMR素子21aに接近したとき、AMR素子21a付近の磁界Bxが変化して素子の抵抗値が変化する。一方、磁気パターンがAMR素子21bに接近したとき、AMR素子21b付近の磁界Bxが変化しても、その磁界変化を検出できず、AMR素子21bの抵抗値は一定である。このとき中点電位は、磁気パターンが磁気抵抗センサ12上にある場合には変化し、無い場合には変化しない。即ち、動作としては、実施の形態7のような磁性体のエッジ検出ではなく、磁性体の存在そのものを検出することになる。例えば、図22に示す磁気パターンを検出する場合、図22の破線に示すような信号が得られる。
図32Aは磁気イメージセンサ25の平面図であり、図32Bはグラデーション磁気パターンの一例を示し、図32Cは三角形状磁気パターンの一例を示す。図32Aに示すように、複数の磁気抵抗センサ20が直線状に配列された磁気イメージセンサ25は、下側磁石11aの上面または上方に位置決めされる。ここで、各磁気抵抗センサ20は、図18に示したように、AMR素子21a,21bの感磁方向が共にX方向となるように配置した例を示しているが、図31に示したように、AMR素子21aの感磁方向がX方向、AMR素子21bの感磁方向がY方向となるように配置してもよい。磁性体1は、X方向に移動して、磁気イメージセンサ25を通過する。
図32Bに示すグラデーション磁気パターンPCは、X方向に細長い矩形状の磁気パターンMPがY方向に沿って周期的に配列しており、各磁気パターンMPでは磁化の強さが−X方向にほぼリニアに増加している。一方、図32Cに示す三角形状磁気パターンPDは、X方向に細長い三角形状の磁気パターンMPがY方向に沿って周期的に配列している。
図33は、磁気パターンの読み取り位置と磁気抵抗センサ20の中点電位出力の関係を示す説明図である。グラデーション磁気パターンPCおよび三角形状磁気パターンPDでは、磁気抵抗センサ20に印加される磁界の強さが徐々に変化している。そのため、図18に示す素子パターン配置で磁気読み取りを行った場合、図33の実線に示すように、ハーフブリッジ回路の中点電位の変化が小さくなり、磁気パターンの後エッジでパルス状の信号が得られるだけである。従って、磁気パターンの前エッジでの検出感度が小さく、外来ノイズにも弱くなるため、磁気パターン像の検出が比較的不安定になる。
これに対して図31に示す素子パターン配置で磁気読み取りを行った場合、図33の破線に示すように、磁気抵抗センサ20に印加される磁界の強さとほぼ比例するように、ハーフブリッジ回路の中点電位が連続的に変化しており、磁気パターンの後エッジで定常値に戻る。従って、磁気パターンの形状および磁化の強さをアナログ信号として検出可能になるため、外来ノイズに強く、磁気パターン像を安定して検出することができる。
なお、磁気イメージセンサ25の配置、下側磁石11aの磁極配置に関して、ここでは、図18と同様な構成について説明したが、図20、図23、図24、図25、図26、図27、図28、図29に示したような構成も採用できる。
以上説明したように、本実施形態では、磁気抵抗センサ20として、単位長当りの抵抗値が大きいAMR素子21a,21bを使用することによって、良好な温度特性で高い信頼性の磁気イメージセンサ25を実現できる。
また、磁性体のエッジ検出ではなく、磁性体の存在そのものを検出する素子パターン配置を採用することによって、外来ノイズに強く、磁気パターン像を安定して検出できる。
実施の形態9.
図34は本発明の実施の形態9を示す斜視図であり、図35はその側面図である。磁気イメージ検出装置は、実施の形態7と同様に、磁気イメージセンサ25と、下側磁石11aと、処理回路50などを備え、さらに追加のバイアス用上側磁石11bを設けることによって、磁性体1への印加磁界を増加させている。
磁石11a,11bは、磁性体1の移動経路の下側および上側に対向配置され、一定のギャップを維持するためにハウジング(不図示)等に固定される。
磁気イメージセンサ25は、磁性体1の移動経路の途中で、下側磁石11aの対向面とバイアス磁石11bの対向面とのほぼ中間付近に位置決めされる。磁気抵抗センサ20を正確に位置決めするために、板状のスペーサ(不図示)を下側磁石11aの対向面に介在させてもよい。なお、各磁気抵抗センサ20は、図30と同様に、AMR素子21aの感磁方向がX方向、AMR素子21bの感磁方向がY方向となるように配置した例を示しているが、図18に示したように、AMR素子21a,21bの感磁方向が共にX方向となるように配置してもよい。
磁石の着磁方向に関して、下側磁石11aは、その対向面においてX方向に沿ってS極、N極の順に配列するように着磁されている。一方、上側磁石11bは、その対向面においてX方向に沿ってN極、S極の順に配列するように着磁されている。そして、下側磁石11aのS極とバイアス磁石11bのN極とが互いに対向し、下側磁石11aのN極とバイアス磁石11bのS極とが互いに対向している。なお、上述とは逆極性の配置、即ち、下側磁石11aではN極、S極の順に配列し、バイアス磁石11bではS極、N極の順に配列した配置でも構わない。
こうした四重極配置では、一方の対角に位置する2つのN極から他方の対角に位置する2つのS極へ向かう磁力線を有するバイアス磁界分布が形成され、磁性体1の移動方向と平行な磁界成分を発生することができる。このとき4つの磁極の中間付近には磁界がゼロになる点が存在するようになり、このゼロ点の周囲に強い磁場勾配を形成することができる。
そのため磁気イメージセンサ25の位置調整によって、AMR素子21a,21bが磁気飽和しないように、バイアス磁界の大きさを容易に設定することができる。また、磁性体1が磁石11a,11bの間を通過する際、ゼロ点から離れるほど磁性体1へ印加される磁界の強さが大きくなる。そのため磁性体1と磁気イメージセンサ25の間の距離が変動したとしても、距離変動を補償するように磁界変化量が変化する。その結果、磁気イメージセンサ25の出力信号が安定化され、非接触で高感度な磁気検出が可能になる。
図37は、磁石11a,11bの着磁配置の他の例を示す側面図である。下側磁石11aは、その対向面においてX方向に沿ってN極、S極の順に配列するように着磁されている。上側磁石11bも、その対向面においてX方向に沿ってN極、S極の順に配列するように着磁されている。そして、下側磁石11aのN極と上側磁石11bのN極とが互いに対向し、下側磁石11aのS極と上側磁石11bのS極とが互いに対向している。なお、上述とは逆極性の配置、即ち、下側磁石11aでS極、N極の順に配列し、上側磁石11bでS極、N極の順に配列した配置でも構わない。
こうした磁極配置であっても、磁石11a,11bの中心を通る垂直なYZ面においてX方向と平行な磁界を形成することができる。
図36は、図35に示す構成において、図38は図37に示す構成において、下側磁石11aおよび上側磁石11bの両側面に下側ヨーク15aおよび上側ヨーク15bをそれぞれ貼り付けた例を示す側面図である。このように、軟磁性体からなるヨーク15a,15bを磁石11a,11bの磁極面に貼り付けて設置することによって、安定した磁界分布を形成することが可能になる。この場合、ヨーク15a,15bの寸法を調節することによって、磁性体1の移動方向と平行な磁界成分をより正確に設定できる。
実施の形態10.
図39は、本発明の実施の形態10を示す平面図である。磁気イメージ検出装置は、実施の形態7と同様に、磁気イメージセンサ25と、バイアス磁石(不図示)と、処理回路(不図示)などを備える。
磁気イメージセンサ25は、複数の磁気抵抗センサ20がマトリクス状に配列されている。各磁気抵抗センサ20からの出力信号が同時または時系列に処理回路に供給され、2次元の画像信号として処理回路に格納される。
各磁気抵抗センサ20は、2つの異方性磁気抵抗(AMR)素子21a,21bで構成される。AMR素子21a,21bは、基板上に強磁性体の薄膜パターンとして形成され、図示のように細長いストリップ状に形成した場合、長手方向に対して垂直、かつ基板主面に対して平行な方向が感磁方向になる。本実施形態では、AMR素子21aの感磁方向はX方向に設定され、一方、AMR素子21bの感磁方向はY方向に設定される。
AMR素子21a,21bは、電源ラインVccと接地ラインGNDの間に直列接続されてハーフブリッジ回路を構成している。その中点電位が出力信号として処理回路に供給され、増幅および各種信号処理が行われる。
バイアス磁石は、図18、図25、図26、図28、図34と同様に、X方向と平行な磁界成分を発生する。また、図20、図24、図27、図29、図38と同様に、このバイアス磁石の両側面、即ち、磁性体1が移動するX方向の上流側面および下流側面に磁性体ヨークを貼り付けてもよい。
本実施形態では、複数の磁気抵抗センサ20がマトリクス状に配列されているため、磁気読み取りの際、被検出物である磁性体を移動させることなく、磁気パターンの2次元画像を高い分解能で高速に取得できる。そのため、磁性体の速度変動による影響を排除でき、磁性体の搬送機構の簡略化、低コスト化が図られる。
また、磁気イメージセンサ25は、光学エリアセンサの出力信号と同様な2次元画像を出力するため、光学画像に対する画像処理と同様な画像処理が適用可能であり、より高精度の磁気パターン読み取りを実現できる。
実施の形態11.
図40は、本発明の実施の形態11を示す構成図である。磁気イメージ検出装置は、実施の形態7と同様に、磁気イメージセンサ25と、バイアス磁石(不図示)と、処理回路50などを備える。
磁気イメージセンサ25は、複数の磁気抵抗センサ20が直線状に配列されており、さらに磁性体1の移動経路外には、補償用の磁気抵抗センサ23が設けられる。各磁気抵抗センサ20は、2つの異方性磁気抵抗(AMR)素子21a,21bで構成される。ここでは、図30と同様に、AMR素子21aの感磁方向がX方向、AMR素子21bの感磁方向がY方向となるように配置した例を示しているが、図18に示したように、AMR素子21a,21bの感磁方向が共にX方向となるように配置してもよい。
AMR素子21a,21bは、電源ラインVccと接地ラインGNDの間に直列接続されてハーフブリッジ回路を構成している。その中点電位が出力信号として後段の処理回路50に供給され、増幅および各種信号処理が行われる。
補償用の磁気抵抗センサ23も、磁気抵抗センサ20と同様に、2つの異方性磁気抵抗(AMR)素子22a,22bで構成され、素子パターン配置も磁気抵抗センサ20のものと一致している。AMR素子22a,22bは、電源ラインVccと接地ラインGNDの間に直列接続されてハーフブリッジ回路を構成しており、その中点電位が補償信号として処理回路50に供給される。
バイアス磁石は、図18、図25、図26、図28、図34と同様に、X方向と平行な磁界成分を発生する。また、図20、図24、図27、図29、図38と同様に、このバイアス磁石の両側面、即ち、磁性体1が移動するX方向の上流側面および下流側面に磁性体ヨークを貼り付けてもよい。
処理回路50は、複数の差動増幅器51と、A/D変換器、演算器、メモリ等を有するマイクロコンピュータ55などを備える。差動増幅器51は、演算増幅器などで構成され、その非反転入力には各磁気抵抗センサ20からの出力信号が入力され、反転入力には補償用の磁気抵抗センサ23からの補償信号が入力され、両信号の差分を増幅する。マイクロコンピュータ55は、その差分信号をデジタル値に変換してメモリに格納するとともに、各種の信号処理を実行する。
動作に関して、磁性体1がX方向に移動する際、各磁気抵抗センサ20は、磁性体1の磁気パターンMPを読み取る。このとき磁性体1の移動経路外に配置された補償用の磁気抵抗センサ23は、磁気パターンMPを読み取らないが、バイアス磁石やAMR素子、取り付け位置などの経時劣化や温度変化に起因した出力変動を出力する。こうした出力変動は、磁気抵抗センサ20の出力信号にも重畳されている。そこで、差動増幅器51は、こうした出力変動を各磁気抵抗センサ20からの出力信号から減算することによって、出力信号を補償することができる。その結果、高精度の磁気パターン画像を取得できる。
実施の形態12.
図41は、本発明の実施の形態12を示す構成図である。磁気イメージ検出装置は、実施の形態7と同様に、磁気イメージセンサ25と、バイアス磁石(不図示)と、処理回路50などを備える。
本実施形態では、磁性体1の有無を検知する磁性体検知部18を設置している。磁性体検知部18は、例えば、フォトインタラプタ、フォトリフレクタ、その他の各種近接センサなど構成され、磁性体1が移動経路に沿って移動し、磁気イメージセンサ25に進入する手前で検知信号を処理回路50に出力する。検知信号は、磁性体の存在を検知すると第1論理値(例えば、ハイレベル)となり、検知しなければ第2論理値(例えば、ローレベル)である。
磁気イメージセンサ25は、複数の磁気抵抗センサ20が直線状に配列されている。各磁気抵抗センサ20は、2つの異方性磁気抵抗(AMR)素子21a,21bで構成される。ここでは、図30と同様に、AMR素子21aの感磁方向がX方向、AMR素子21bの感磁方向がY方向となるように配置した例を示しているが、図18に示したように、AMR素子21a,21bの感磁方向が共にX方向となるように配置してもよい。
AMR素子21a,21bは、電源ラインVccと接地ラインGNDの間に直列接続されてハーフブリッジ回路を構成している。その中点電位が出力信号として後段の処理回路50に供給され、増幅および各種信号処理が行われる。
バイアス磁石は、図18、図25、図26、図28、図34と同様に、X方向と平行な磁界成分を発生する。また、図20、図24、図27、図29、図38と同様に、このバイアス磁石の両側面、即ち、磁性体1が移動するX方向の上流側面および下流側面に磁性体ヨークを貼り付けてもよい。
処理回路50は、複数の増幅器52と、A/D変換器、演算器、メモリ等を有するマイクロコンピュータ55などを備える。増幅器52は、各磁気抵抗センサ20からの出力信号を増幅する機能を有し、必要に応じてフィルタ処理やオフセット処理などを行う。マイクロコンピュータ55は、増幅器52からの信号をデジタル値に変換してメモリに格納するとともに、各種の信号処理を実行する。
動作に関して、磁性体1がX方向に移動すると、最初に磁性体検知部18が磁性体1を検知する。処理回路50は、検知信号の反転を検出すると、磁気イメージセンサ25からの出力信号を磁性体1が存在しないときの出力信号S0としてメモリに格納する。この出力信号S0は、バイアス磁石やAMR素子、取り付け位置などの経時劣化や温度変化に起因した出力変動を含んでいる。
続いて、磁性体1が移動し、磁気イメージセンサ25は磁性体1の磁気パターンMPを読み取る。このとき処理回路50は、磁気イメージセンサ25からの出力信号を磁性体1が存在するときの出力信号S1としてメモリに格納する。この出力信号S1にも、上述のような出力変動が重畳されている。
そこで、磁気読み取りが終了した時点で、出力信号S1から出力信号S0を減算することによって、出力信号S1を補償することができる。その結果、高精度の磁気パターン画像を取得できる。
実施の形態13.
図42は本発明の実施の形態13を示す斜視図、図43は側面図である。装置全体の構成は実施の形態1と同様であり、磁性体検出装置は、図42に示したように、下側磁石11aと、上側磁石11bと、スペーサ13と、磁気抵抗センサ20などを備える。
本実施形態では、磁気抵抗センサ20の位置が実施の形態1と相違している。実施の形態1では下側磁石11a及び上側磁石11bの面内(XY面内)中央付近に磁気抵抗センサ20が配置されていたのに対して、本実施形態では磁気抵抗センサ20は磁性体1の移動方向奥側(X方向)に配置されている。
ここで実施の形態1と本実施の形態の機能の違いについて説明する。実施の形態1では図44に示すように磁界ゼロ点から若干Z方向上方に磁気抵抗センサを配置することで、磁性体1が磁気抵抗センサ20と上側磁石11bの間を通過するときの磁性体移動方向(X方向)の磁界の増減を磁気抵抗センサ20上のAMR素子21aにて検出する。本実施の形態では、図45に示すように磁気抵抗センサ20が磁性体1の移動方向奥側(X方向)に配置されており、これにより磁気抵抗センサ20には貫通方向(Z方向)から若干X方向に傾いた磁界が印加されている。図46Aは、図45のA部を拡大したものを示す。磁性体が無い場合、磁気抵抗センサ20には貫通方向(Z方向)から若干X方向に傾いた磁界が印加されており、磁気抵抗センサ20上のAMR素子21aにはこの磁性体移動方向(X方向)成分がバイアス磁界として印加されている。
このとき、磁性体1が磁気抵抗センサ20と上側磁石1bの間を通過すると、磁性体の端の部分で図46Bに示すように磁力線の歪みが発生し、それに伴い磁気抵抗センサ上のAMR素子21aに印加される磁界のX方向成分が変化する。特に磁性体1が磁気抵抗センサ20の近傍を通過する場合には、磁気抵抗センサ20に印加される磁力線の方向変化が大きくなり、X方向成分の変化が大きくなる。貫通方向(Z方向)から若干X方向に傾いた磁界をバイアス磁界として磁気抵抗センサ20に印加することにより、磁性体通過時に、X方向に感磁方向を持つAMR素子21aのX方向磁界変化が大きくなる、即ち信号出力が増大して安定した得ることが出来る。ここでは、磁気抵抗センサ20をAMR素子で構成した場合を例示するが、半導体磁気抵抗(SMR)素子、巨大磁気抵抗(GMR)素子、トンネル磁気抵抗(TMR)素子などで構成しても構わない。
なお、磁気抵抗センサ20に貫通方向(Z方向)から若干X方向に傾いた磁界を印加する方法としては、本実施の形態による方法以外に、Z方向にS極/N極が着磁された磁石を1個もしくは2個対向して配置する形態が想定されるが、Z方向にS極/N極が着磁された磁石を用いる場合は比較的一様にZ方向磁界が強い中を磁性体が搬送されるのに対して、本実施の形態では下側磁石11a及び上側磁石11bの面内(XY面内)中央付近はX方向磁界成分が強く、移動方向奥側(X方向)の磁気抵抗センサ20が配置されている付近はZ方向磁界成分が強いため、磁性体の搬送に対して磁気抵抗センサ20の感磁方向(X方向)の磁界変化がより大きくなり、より高出力で安定した磁性体検出を実現可能となる。
本実施の形態では、実施の形態1との相違について説明したが、本実施の形態は他の全ての実施の形態(実施の形態1〜12)に対して、磁気抵抗センサ20を磁性体1の移動方向奥側(X方向)に配置することで、同様の効果を奏する。
1 磁性体、 1a 貫通穴、 11a 下側磁石、 11b 上側磁石、
13 スペーサ、 14 処理回路、 15a 下側ヨーク 15b 上側ヨーク、 18 磁性体検知部、 20 磁気抵抗センサ、 21a〜21f,22a,22b AMR素子、 23 補償用磁気抵抗センサ、 25 磁気イメージセンサ、 50 処理回路、 51 差動増幅器、 52 増幅器、 55 マイクロコンピュータ、 MP 磁気パターン、 PA 横縞磁気パターン、 PB 縦縞磁気パターン、 PC グラデーション磁気パターン、 PD 三角形状磁気パターン。
上記目的を達成するために、本発明の一態様は、磁性体を検出する磁性体検出装置であって、
磁性体の移動経路の途中に配置された磁気抵抗センサと、
性体の移動方向に沿って、第1磁極および、該第1磁極とは逆極性の第2磁極が配列した第1バイアス磁石と、
磁性体の移動方向に沿って、第2磁極および第1磁極が配列した第2バイアス磁石とを備え、
第1バイアス磁石および第2バイアス磁石は、磁性体の移動経路を介して、第1バイアス磁石の第1磁極と第2バイアス磁石の第2磁極とが磁気抵抗センサおよび検出対象の磁性体を挟むように対向し、第1バイアス磁石の第2磁極と第2バイアス磁石の第1磁極とが対向するように配置され、磁気抵抗センサに対して磁性体の移動方向に沿ったバイアス磁界を印加することが好ましい。
本発明の一態様において、磁性体検出装置は、第1バイアス磁石および第2バイアス磁石の磁性体移動方向の上流側および下流側の側面に設けられた磁性体ヨークをさらに備えることが好ましい。
本発明の一態様において、磁性体検出装置は、各磁気抵抗センサからの出力信号を処理するための処理回路と、
磁性体の移動経路外に配置された、補償用の磁気抵抗センサとをさらに備え、
処理回路は、補償用の磁気抵抗センサからの信号を用いて前記出力信号を補償することが好ましい。
本発明の一態様において、磁性体検出装置は、各磁気抵抗センサからの出力信号を処理するための処理回路と、
移動経路における磁性体の有無を示す検知信号を該処理回路に供給するための磁性体検知部をさらに備え、
処理回路は、磁性体が存在しないときの出力信号を用いて、磁性体が存在するときの出力信号を補償することが好ましい。
本発明の一態様において、磁性体検出装置は、複数の磁気抵抗センサがマトリクス状に配列された磁気イメージセンサと、
磁気抵抗センサの配列方向と平行な磁界成分を発生する磁界発生手段とを備え、
各磁気抵抗センサは、複数の異方性磁気抵抗素子で構成されていることが好ましい。
本発明の一態様において、磁性体検出装置は、直線状またはマトリクス状に配列した複数の磁気抵抗センサを備え、
各磁気抵抗センサは、基板上に強磁性体の薄膜パターンとして形成された複数の異方性磁気抵抗素子で構成され、
各異方性磁気抵抗素子は、基板主面に対して平行であって、互いに平行または垂直な感磁方向を有することが好ましい。
本発明の一態様において、検出対象の磁性体は、移動方向に沿って一定のピッチで形成されたスリット形状を有しており、
磁性体検出装置は、磁気抵抗センサからの信号に基づいて、磁性体の移動量および移動方向を演算する処理回路をさらに備えることが好ましい。
本発明の実施の形態1を示す斜視図である。 本発明の実施の形態1を示す側面図である。 一般的なSMR素子およびAMR素子について外部印加磁界に対する抵抗変化率の関係を示すグラフである。 磁気抵抗センサおよび下側磁石の対向面を示す平面図である。 磁界のX成分Bxについて磁界ゼロ点を通るZ軸方向に沿ってプロットしたグラフである。 本発明の実施の形態2を示す平面図である。 本発明の実施の形態3を示す側面図である。 本発明の実施の形態1での磁力線分布を示す側面図である。 本発明の実施の形態3での磁力線分布を示す側面図である。 磁界のX成分Bxについて磁界ゼロ点を通るZ軸方向に沿ってプロットしたグラフである。 磁界のX成分Bxについて磁界ゼロ点を通るZ軸方向に沿ってプロットしたグラフである。 本発明の実施の形態を示す斜視図である。 本発明の実施の形態を示す斜視図である。 本発明の実施の形態を示す側面図である。 磁界のX成分Bxについて磁界ゼロ点を通るZ軸方向に沿ってプロットしたグラフである。 本発明の実施の形態を示す斜視図である。 本発明の実施の形態を示す平面図である。 本発明の実施の形態7を示す斜視図である。 本発明の実施の形態7を示す側面図である。 下側磁石に下側ヨークを貼り付けた例を示す側面図である。 磁性体の磁気パターンの各種例を示す平面図であり、図21Aは横縞磁気パターンの一例を示し、図21Bは縦縞磁気パターンの一例を示す。 磁気パターンの読み取り位置と磁気抵抗センサの中点電位出力の関係を示す説明図である。 磁気イメージセンサの配置の他の例を示す側面図である。 下側磁石の両側面に下側ヨークを貼り付けた他の例を示す側面図である。 下側磁石の磁極配置の他の例を示す斜視図である。 下側磁石の磁極配置のさらに他の例を示す斜視図である。 図26に示す構成において、下側磁石の両側面に磁極毎に下側ヨークを貼り付けた場合の平面図である。 下側磁石の磁極配置のさらに他の例を示す斜視図である。 図28に示す構成において、下側磁石の両側面に磁極毎に下側ヨークを貼り付けた場合の平面図である。 本発明の実施の形態8を示す斜視図である。 磁気抵抗センサの他の構成を示す平面図である。 図32Aは磁気イメージセンサの平面図であり、図32Bはグラデーション磁気パターンの一例を示し、図32Cは三角形状磁気パターンの一例を示す。 磁気パターンの読み取り位置と磁気抵抗センサの中点電位出力の関係を示す説明図である。 本発明の実施の形態9を示す斜視図である。 本発明の実施の形態9を示す側面図である。 図35に示す構成において、下側磁石および上側磁石の両側面に下側ヨークおよび上側ヨークをそれぞれ貼り付けた例を示す側面図である。 磁石の着磁配置の他の例を示す側面図である。 図37に示す構成において、下側磁石および上側磁石の両側面に下側ヨークおよび上側ヨークをそれぞれ貼り付けた例を示す側面図である。 本発明の実施の形態10を示す平面図である。 本発明の実施の形態11を示す構成図である。 本発明の実施の形態12を示す構成図である。 本発明の実施の形態13を示す斜視図である。 本発明の実施の形態13を示す側面図である。 本発明の実施の形態1での磁力線分布を示す側面図である。 本発明の実施の形態13での磁力線分布を示す側面図である。 図45のA部の拡大図であり、図46Aは磁性体が無い場合の磁力線分布を示し、図46Bは磁性体が存在する場合の磁力線分布を示す。
ここでは、磁気抵抗センサ20を4つのAMR素子21d〜21で構成した場合を例示するが、半導体磁気抵抗(SMR)素子、巨大磁気抵抗(GMR)素子、トンネル磁気抵抗(TMR)素子などで構成しても構わない。なお、図17では、素子21d〜21の配置を説明するために、一部の貫通穴について図示を省略している。
AMR素子21d〜21は、基板上に形成された強磁性体の薄膜パターンとして形成され、図示のように細長いストリップ状に形成した場合、長手方向に対して垂直、かつ基板主面に対して平行な方向が感磁方向になる。AMR素子21d〜21の感磁方向は、磁性体1の移動方向(X方向)と平行になるように設定され、いずれもX方向の磁界Bxの変化に応じて素子の抵抗値が変化する。
また本実施形態では、磁石11a,11bの着磁方向が実施の形態1と同様の例について示したが、実施の形態3のような着磁方向でも構わない。また、磁気抵抗センサ20を構成するAMR素子21d〜21の配置は、ここで説明したものに限定されず、磁性体スケールの貫通穴の有無による磁界変化を検出できるものであれば、何れの素子配置でも構わない。


Claims (16)

  1. 磁性体を検出する磁性体検出装置であって、
    磁性体の移動経路の途中に配置された磁気抵抗センサと、
    磁性体の移動方向に沿って、第1磁極および、該第1磁極とは逆極性の第2磁極が配列したバイアス磁石とを備え、
    バイアス磁石は、磁気抵抗センサに対して磁性体の移動方向に沿ったバイアス磁界を印加することを特徴とする磁性体検出装置。
  2. 磁性体の移動方向に沿って、第1磁極および、該第1磁極とは逆極性の第2磁極が配列した第1バイアス磁石と、
    磁性体の移動方向に沿って、第2磁極および第1磁極が配列した第2バイアス磁石とを備え、
    第1バイアス磁石および第2バイアス磁石は、磁性体の移動経路を介して、第1バイアス磁石の第1磁極と第2バイアス磁石の第2磁極とが磁気抵抗センサおよび検出対象の磁性体を挟むように対向し、第1バイアス磁石の第2磁極と第2バイアス磁石の第1磁極とが対向するように配置され、磁気抵抗センサに対して磁性体の移動方向に沿ったバイアス磁界を印加することを特徴とする請求項1に記載の磁性体検出装置。
  3. 磁気抵抗センサは、異方性磁気抵抗素子を含み、バイアス磁石によって形成されたバイアス磁界分布のゼロ点付近に位置決めされることを特徴とする請求項1または2記載の磁性体検出装置。
  4. 磁気抵抗センサは、異方性磁気抵抗素子を含み、磁性体の移動方向に対して第1磁極と第2磁極の中間付近に配置され、第1バイアス磁石または第1バイアス磁石と第2バイアス磁石の組により磁気抵抗素子に印加される磁性体移動方向のバイアス磁界が磁性体の通過により増減され、その磁界変化を磁気抵抗センサにより出力に変換することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の磁性体検出装置。
  5. 磁気抵抗センサは、異方性磁気抵抗素子を含み、磁性体の移動方向に対して第1磁極の手前側付近または第2磁極の奥側付近に配置され、第1バイアス磁石または第1バイアス磁石と第2バイアス磁石の組により磁気抵抗素子に印加されるバイアス磁界の貫通方向成分が磁性体の通過により回転され、その磁界変化を磁気抵抗センサにより出力に変換することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の磁性体検出装置。
  6. 磁気抵抗センサは、磁性体の移動方向と平行な感磁方向を有する第1異方性磁気抵抗素子、および磁性体の移動方向と垂直な感磁方向を有する第2異方性磁気抵抗素子で構成されたハーフブリッジ回路を含むことを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の磁性体検出装置。
  7. 磁気抵抗センサは、磁性体の移動方向と垂直方向に複数配置してラインセンサとして構成されることを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の磁性体検出装置。
  8. 第1バイアス磁石および第2バイアス磁石の磁性体移動方向の上流側および下流側の側面に設けられた磁性体ヨークをさらに備えることを特徴とする請求項1〜7のいずれかに記載の磁性体検出装置。
  9. 磁性体ヨークは、第1バイアス磁石または第2バイアス磁石の対向面から磁気抵抗センサ側に突出して設けられることを特徴とする請求項8記載の磁性体検出装置。
  10. 第1バイアス磁石および第2バイアス磁石は、両面4極着磁パターンの角柱状磁石であることを特徴とする請求項1〜9のいずれかに記載の磁性体検出装置。
  11. 前記バイアス磁石は、磁気抵抗センサの配列方向に沿って複数の磁極に分割されていることを特徴とする請求項1〜10のいずれかに記載の磁性体検出装置。
  12. 各磁気抵抗センサからの出力信号を処理するための処理回路と、
    磁性体の移動経路外に配置された、補償用の磁気抵抗センサとをさらに備え、
    処理回路は、補償用の磁気抵抗センサからの信号を用いて前記出力信号を補償することを特徴とする請求項1〜11のいずれかに記載の磁性体検出装置。
  13. 各磁気抵抗センサからの出力信号を処理するための処理回路と、
    移動経路における磁性体の有無を示す検知信号を該処理回路に供給するための磁性体検知部をさらに備え、
    処理回路は、磁性体が存在しないときの出力信号を用いて、磁性体が存在するときの出力信号を補償することを特徴とする請求項1〜12のいずれかに記載の磁性体検出装置。
  14. 複数の磁気抵抗センサがマトリクス状に配列された磁気イメージセンサと、
    磁気抵抗センサの配列方向と平行な磁界成分を発生する磁界発生手段とを備え、
    各磁気抵抗センサは、複数の異方性磁気抵抗素子で構成されていることを特徴とする請求項1〜13のいずれかに記載の磁性体検出装置。
  15. 直線状またはマトリクス状に配列した複数の磁気抵抗センサを備え、
    各磁気抵抗センサは、基板上に強磁性体の薄膜パターンとして形成された複数の異方性磁気抵抗素子で構成され、
    各異方性磁気抵抗素子は、基板主面に対して平行であって、互いに平行または垂直な感磁方向を有することを特徴とする請求項1〜14のいずれかに記載の磁性体検出装置。
  16. 検出対象の磁性体は、移動方向に沿って一定のピッチで形成されたスリット形状を有しており、
    磁気抵抗センサからの信号に基づいて、磁性体の移動量および移動方向を演算する処理回路をさらに備えることを特徴とする請求項1〜15のいずれかに記載の磁性体検出装置。
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